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特表2024-513139三相モータを制御する方法及びデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(54)【発明の名称】三相モータを制御する方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
   H02P 21/26 20160101AFI20240313BHJP
【FI】
H02P21/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024502792
(86)(22)【出願日】2022-06-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2022023030
(87)【国際公開番号】W WO2023286498
(87)【国際公開日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】21305974.4
(32)【優先日】2021-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503163527
【氏名又は名称】ミツビシ・エレクトリック・アールアンドディー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC R&D CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】ブエノ・マリアーニ、ギリェルメ
(72)【発明者】
【氏名】ボワイエ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ペレグリノ、ジャンマリオ
(72)【発明者】
【氏名】バラサラジャン、アナンタラム
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505DD06
5H505EE41
5H505GG04
5H505JJ04
5H505JJ06
5H505JJ30
5H505LL14
5H505LL22
5H505LL32
(57)【要約】
本発明は、最大トルク/電流フィールドモジュール及び直接磁束ベクトル制御モジュールを使用してモータを制御するデバイス及び方法に関する。本発明は、直接磁束ベクトル制御モジュールによってfτフレームワークにおける基準電圧を求め、加算された電圧を用いてモータを駆動し、モータ電流ベクトルを測定し、高周波注入電圧に対するモータの高周波電流応答が測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直となるように高周波注入電圧を求め、測定されたモータ電流及び基準電圧から、推定された磁束を求め、注入された電圧に対する高周波磁束応答が測定された電流ベクトルと整列されるように、推定された磁束及び高周波正弦波信号から基準磁束を求める。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大トルク/電流フィールドモジュール及び直接磁束ベクトル制御モジュールを使用してモータを制御する方法であって、
前記直接磁束ベクトル制御モジュールによって、推定された磁束ノルムと、基準磁束と、推定された負荷角を使用するfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルと、基準トルク及び前記基準磁束から得られるτ軸における基準電流とから、fτフレームワークにおける基準電圧を求めるステップと、
固定子のαβフレームワークにおいて変換された前記基準電圧を高周波注入電圧と加算するステップと、
加算された電圧を用いて前記モータを駆動するステップと、
モータ電流ベクトルを測定するステップと、
前記高周波注入電圧に対する前記モータの高周波電流応答が、測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直となるように、前記測定されたモータ電流ベクトル及び高周波正弦波電流信号から前記高周波注入電圧を求めるステップと、
前記測定されたモータ電流ベクトル及び前記基準電圧から、推定された磁束を求めるステップと、
注入された電圧に対する高周波磁束応答が前記測定されたモータ電流ベクトルと整列されるように、前記最大トルク/電流フィールドモジュールによって、前記推定された磁束及び高周波正弦波信号から、前記直接磁束ベクトル制御モジュールに提供される前記基準磁束を求めるステップと、
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
最大トルク/電流フィールドモジュール及び直接磁束ベクトル制御モジュールを使用して三相モータを制御するデバイスであって、
前記直接磁束ベクトル制御モジュールによって、推定された磁束ノルムと、基準磁束と、推定された負荷角を使用するfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルと、基準トルク及び前記基準磁束から得られるτ軸における基準電流とから、fτフレームワークにおける基準電圧を求める手段と、
固定子のαβフレームワークにおいて変換された前記基準電圧を高周波注入電圧と加算する手段と、
加算された電圧を用いて前記三相モータを駆動する手段と、
前記三相モータのモータ電流ベクトルを測定する手段と、
前記高周波注入電圧に対する前記三相モータの高周波電流応答が、測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直となるように、前記測定されたモータ電流ベクトル及び高周波正弦波信号から前記高周波注入電圧を求める手段と、
前記測定されたモータ電流ベクトル及び前記基準電圧から、推定された磁束を求める手段と、
注入された電圧に対する高周波磁束応答が前記測定された電流ベクトルと整列されるように、前記最大トルク/電流フィールドモジュールによって、前記推定された磁束及び前記高周波正弦波信号から、前記直接磁束ベクトル制御モジュールに提供される前記基準磁束を求める手段と、
を備えることを特徴とする、デバイス。
【請求項3】
前記高周波注入電圧を求める手段は、
基本電流ベクトルを求める手段と、
固定子フレームワークにおいて測定された前記モータ電流ベクトルを、求められた基本電流ベクトルと整列された電流フレームワークにおける電流ベクトルに変換する手段と、
前記電流ベクトルの高周波フィルタリングによって、フィルタリングされた電流ベクトルを求める手段と、
前記電流フレームワークのj軸における高周波正弦波信号を前記フィルタリングされた電流ベクトルから減算し、比例積分調整を行い、前記電流フレームワークにおける電圧注入信号を得る手段と、
前記電流フレームワークにおける前記電圧注入信号を、前記固定子フレームワークにおける前記高周波注入電圧に変換する手段と、
を備えることを特徴とする、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記最大トルク/電流フィールドモジュールは、
j軸において前記推定された磁束のヘテロダイン変調を行い、ヘテロダイン復調の結果の比例積分調整を行い、前記基準磁束を提供する手段、
を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記直接磁束ベクトル制御モジュールは、
前記τ軸における前記基準電流から前記τ軸における前記測定された電流iτを減算し、前記減算の結果の第1の比例積分調整を行う手段と、
前記基準磁束から前記推定された磁束ノルムを減算し、前記減算の結果の第2の比例積分調整を行う手段と、
前記第1の比例積分調整の結果に前記第2の比例積分調整の結果を加算する、第1の加算を実行する手段と、
前記第1の加算の結果を、前記三相モータの固定子抵抗と、推定されたモータ速度と、前記τ軸における前記基準電流とに依存する第1の値に加算する手段と、
前記第2の比例積分調整の結果を、前記三相モータの固定子抵抗とf軸における前記基準電流とに依存する第2の値に加算する第2の加算を実行する手段と、
を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記推定された磁束を求める手段は、
α軸における基準電圧から、前記α軸におけるモータ電流に前記三相モータの固定子抵抗を乗算したものを減算する手段と、
推定された前記α軸における磁束を得るために、前記α軸における基準電圧から前記α軸におけるモータ電流に前記固定子抵抗を乗算したものを減算した結果から、前記推定されたα軸における磁束に係数を乗算したものを減算し、その減算の結果の第3の比例積分調整を行う手段と、
β軸における基準電圧から、前記β軸におけるモータ電流に前記固定子抵抗を乗算したものを減算する手段と、
推定された前記β軸における磁束を得るために、前記β軸における基準電圧から前記β軸におけるモータ電流に前記固定子抵抗を乗算したものを減算した結果から、前記推定されたβ軸における磁束に前記係数を乗算したものを減算し、その減算の結果の第4の比例積分調整を行う手段と、
を備えることを特徴とする、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記推定された磁束を求める手段である磁束推定モジュールは、
前記β軸における推定された磁束を推定された前記α軸における磁束によって除算し、前記負荷角の推定されたタンジェントを提供する手段、
を更に備えることを特徴とする、請求項6に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には、三相モータを制御する方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電気機械は、ファクトリーオートメーション又は輸送のいずれの産業においても広く使用されている。永久磁石同期機(PMSM)、同期リラクタンス機(SyncRM)、巻線回転子同期機(WRSM)などの機械の多くの制御技術では、多くの場合に、ロータリーエンコーダを使用して、機械の速度及び位置をフィードバックとして得ている。
【0003】
低コストでロバストなモータドライブの需要により、センサレス制御の開発が増加している。それらのセンサがないことで、機械ドライブは、より安価になり、塵埃の多い過酷な環境に対してよりロバストになっている。
【0004】
センサレス制御には、多くの技術が提案されている。これらの技術は、機械の位置及び速度の推定に基づいているが、センサレスコントローラに関して多くの場合に無視される1つの側面は、所与の所望のトルク基準からFOC(フィールド指向制御)コントローラの基準電流を選ぶ戦略である。CVC(電流ベクトル制御)コントローラでは、基準量は、その位置を推定しなければならない回転子基準系内のdq軸における電流レベルである。DFVC(直接磁束ベクトル制御)では、基準量は、磁束のノルム及び1つの電流成分である。後者の技術は、位置推定を必要としない固定子磁束基準系にも適用されるので魅力的である。
【0005】
最良の電流軌跡は、所与の電流レベル(及び所与の銅損)のトルクを最大にするために基準の組み合わせを選ぶMTPA(最大トルク/電流(電流当たりの最大トルク))である。文献では、MTPAを追跡する技術として1つ以上のルックアップテーブル(LUT)又は注入ベースを使用する種々の技術が提案されている。ルックアップテーブルの場合には、理想的なMTPA軌跡を導出するために、トルクはIdq電流の関数として測定される。この軌跡は、変化するトルクレベルとともに記憶することができ、動的に使用することができる。しかしながら、MTPAモードを動作させる前には特定の測定が必要である。これは、MTPA軌跡を追跡する最も一般的な方法である。
【0006】
これらの方法には、重大な制限がある。汎用インバータ(GPI)が、未知のモータについてMTPAのルックアップテーブルを確立することは一般に困難である。MTPA LUTの直接測定に代わるものは、磁束鎖交又はインダクタンスマップLUTを操作することであるが、これについても、専用のテスト又は自己コミッショニングセッションが必要である。CVCコントローラの場合、MTPA表現は、d軸及びq軸の双方において増分インダクタンス及びコードインダクタンスの知識を必要とする。一般に、MTPA制御は、インダクタンスLUTの知識が必要になる傾向がある。インダクタンスに不確実であると、その結果、位置誤差並びに不安定性及びMTPAからのずれのリスクが生じ、これによって、制御不能の可能性に加えてエネルギーの濫用が発生する。
【0007】
DFVCコントローラのMTPA及びMTPVを追跡する技術が文献に提案されている。しかしながら、それらの技術は、MTPA追跡用に測定されたインダクタンスLUTに依存する。
【0008】
MTPAをオンラインで追跡する注入方法が、文献に既に提案されているが、それらの方法は、CVCコントローラに一般に使用されるものであり、DFVCコントローラに適用することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、DFVC制御技術を使用するセンサレス制御方法及びデバイスを提供することを目的とし、制御されるモータに関する事前情報なしでMTPA最適動作状態に達するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のため、本発明は、最大トルク/電流フィールドモジュール及び直接磁束ベクトル制御モジュールを使用してモータを制御する方法であって、
直接磁束ベクトル制御モジュールによって、推定された磁束
【数1】
ノルムと、基準磁束λ MTPAと、推定された負荷角
【数2】
を使用するfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルifτと、基準トルクT及び基準磁束λ MTPAから得られるτ軸における基準電流i τとから、fτフレームワークにおける基準電圧を求めるステップと、
αβ固定子フレームワークにおいて変換された基準電圧v αβを高周波注入電圧
【数3】
と加算するステップと、
加算された電圧を用いてモータを駆動するステップと、
モータ電流ベクトルiαβを測定するステップと、
高周波注入電圧に対するモータの高周波電流応答が、測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直となるように、測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び高周波正弦波信号iδsin(ωt)から高周波注入電圧
【数4】
を求めるステップと、
測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び基準電圧v αβから、推定された磁束
【数5】
を求めるステップと、
注入された電圧に対する高周波磁束応答が測定されたモータ電流ベクトルと整列されるように、最大トルク/電流フィールドモジュールによって、推定された磁束
【数6】
及び高周波正弦波信号sin(ωt)から、直接磁束ベクトル制御モジュールに提供される基準磁束λ MTPAを求めるステップと、
を含むことを特徴とする、方法に関する。
【0011】
本発明はまた、最大トルク/電流フィールドモジュール及び直接磁束ベクトル制御モジュールを使用してモータを制御するデバイスであって、
直接磁束ベクトル制御モジュールによって、推定された磁束
【数7】
ノルムと、基準磁束λ MTPAと、推定された負荷角
【数8】
を使用するfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルifrと、基準トルクT及び基準磁束λ MTPAから得られるτ軸における基準電流i τとから、基準電圧を求める手段と、
固定子のαβフレームワークにおいて変換された基準電圧v αβを高周波注入電圧
【数9】
と加算する手段と、
加算された電圧を用いてモータを駆動する手段と、
モータ電流ベクトルiαβを測定する手段と、
高周波注入電圧に対するモータの高周波電流応答が測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直となるように、測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び高周波正弦波信号iδsin(ωt)から高周波注入電圧
【数10】
を求める手段と、
測定されたモータ電流iαβ及び基準電圧v αβから、推定された磁束
【数11】
を求める手段と、
注入された電圧に対する高周波磁束応答が測定されたモータ電流ベクトルと整列されるように、最大トルク/電流フィールドモジュールによって、推定された磁束
【数12】
及び高周波正弦波信号sin(ωt)から、直接磁束ベクトル制御モジュールに提供される基準磁束λ MTPAを求める手段と、
を備えることを特徴とする、デバイスに関する。
【0012】
したがって、モータは、ルックアップテーブルを必要とすることなく、MTPA軌跡上で制御される。LUTレスMTPAは、直接磁束ベクトル制御に適用される。回転子の位置を推定する必要がなく、MTPA基準がいずれの飽和状態においても満たされるので、センサレス制御の全体的な安定性が改善される。
【0013】
特定の特徴によれば、高周波注入電圧
【数13】
を求める手段は、
基本電流ベクトルiαβ_LFを求める手段と、
固定子フレームワークαβにおいて測定された電流ベクトルiαβを、求められた基本電流ベクトルiαβ_LFに整列された電流フレームワークijにおける電流ベクトルiijに変換する手段と、
電流ベクトルiijの高周波フィルタリングによって、フィルタリングされた電流ベクトルiijHFを求める手段と、
電流フレームワークijにおける電圧注入信号を得るために、電流フレームワークのj軸における高周波正弦波信号iδsin(ωt)をフィルタリングされた電流ベクトルiijHFから減算し、比例積分調整を行う手段と、
電流フレームワークijにおける電圧注入信号を固定子フレームワークαβにおける高周波電圧
【数14】
に変換する手段と、
を備える。
【0014】
したがって、HF(高周波)注入電圧は、電流係数のHF変化を0にするように設定される。HF注入電圧に対する機械のHF応答は、その場合に、測定された基本電流ベクトルに直交する。
【0015】
特定の特徴によれば、最大トルク/電流モジュールは、
基準磁束を提供するために、j軸において推定された磁束
【数15】
のヘテロダイン変調を行い、ヘテロダイン復調の結果の比例積分調整を行う手段、
を備えることを特徴とする。
【0016】
したがって、電流に対して垂直である推定された磁束のHF成分を推定することができる。比例積分は、このHF成分を0にすることができる基準磁束を生成する。電流振幅のHF変化がない場合には、結果の基準磁束は、MTPA基準を必然的に満たす。
【0017】
特定の特徴によれば、直接磁束ベクトル制御モジュールは、
τ軸における基準電流i τからτ軸における測定された電流iτを減算し、減算の結果の第1の比例積分調整を行う手段と、
基準磁束λ MTPAから推定された磁束ノルムを減算し、減算の結果の第2の比例積分調整を行う手段と、
第1の比例積分調整の結果に第2の比例積分調整の結果を加算する、第1の加算を実行する手段と、
第1の加算の結果を、モータの固定子抵抗と、推定されたモータ速度と、τ軸における基準電流とに依存する第1の値に加算する手段と、
第2の比例積分調整の結果を、モータの固定子抵抗とf軸における基準電流とに依存する第2の値に加算する第2の加算を実行する手段と、
を備える。
【0018】
したがって、推定された磁束及び測定されたモータの電流によって機械を直接制御することができる。この制御は、機械回転子の位置に関しても、トルク状態とともに変化するモータの飽和状態についても事前知識を必要としない。
【0019】
特定の特徴によれば、磁束推定モジュールは、
負荷角
【数16】
の推定されたタンジェントを提供するために、推定されたβ軸における磁束
【数17】
を推定されたα軸における磁束
【数18】
によって除算する手段、
を更に備える。
【0020】
したがって、位置センサを必要とすることなく、推定された負荷角
【数19】
をDFVCコントローラ及び速度推定器に供給することができる。
【0021】
本発明の特徴は、例示の実施形態の以下の説明を読むことによってより明らかになる。この説明は、添付図面に関して作成されたものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明による最大トルク/電流を使用するモータの直接磁束ベクトル制御の第1の例を表す図である。
図2】本発明による直接磁束ベクトル制御モジュールのブロック図の一例を表す図である。
図3】本発明による磁束推定モジュールのブロック図の一例を表す図である。
図4】本発明による最大トルク/電流モジュールのブロック図の一例を表す図である。
図5】本発明による注入ブロックモジュールのブロック図の一例を表す図である。
図6】本発明による最大トルク/電流を使用するモータの直接磁束ベクトル制御の第2の例を表す図である。
図7】本発明によって使用されるモータフレームワークを表す図である。
図8】本発明によるモータを制御するアルゴリズムの一例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による最大トルク/電流を使用するモータの直接磁束ベクトル制御の第1の例を表している。
【0024】
図1に示すシステムでは、基準トルクTが、MTPA追跡モジュール155によって提供される基準磁束λ MTPA及びモータ135の極対数を3/2倍したものとともに除算器100に供給され、DFVCモジュール110に提供されるτ軸における基準電流i τを得る。
【数20】
【0025】
DFVCモジュール110は、τ軸における基準電流i τと、推定された磁束
【数21】
ノルムと、fτフレームワークにおける測定された電流ifτと、MTPA追跡モジュール155からの基準磁束λ MTPAとから、fτフレームワークにおける基準電圧v fτを求める。
【0026】
fτフレームワークにおける基準電圧v fτは、フレームワーク変換モジュール115に提供され、フレームワーク変換モジュール115は、推定された負荷角
【数22】
を使用して、fτフレームワークにおける基準電圧v fτをαβフレームワークにおける基準電圧v αβに変換する。
【0027】
αβフレームワークにおける基準電圧v αβは、加算モジュール120に提供される。加算モジュール120は、基準電圧v αβをαβフレームワークにおける高周波注入電圧
【数23】
と加算して、変更されたαβフレームワークにおける基準電圧v** αβを得る。
【0028】
変更されたαβフレームワークにおける基準電圧v** αβは、モータ135に接続された電圧源インバータVSI130に提供される。三相abcにおいて測定されたモータ電流ベクトルiabcは、フレームワーク変換モジュール140に提供される。
【0029】
フレームワーク変換モジュール140は、三相abcにおいて測定されたモータ電流iabcをαβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβに変換する。
【0030】
αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβは、磁束推定モジュール150、j軸注入モジュール125及びフレームワーク変換モジュール145に提供される。
【0031】
フレームワーク変換モジュール145は、推定された負荷角
【数24】
を使用して、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβをfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルifτに変換する。
【0032】
fτ軸における測定された電流ベクトルifτは、DFVCモジュール110に提供される。
【0033】
j軸注入モジュール125は、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び高周波正弦波信号iδsin(ωt)からαβフレームワークにおける注入電圧
【数25】
を求める。
【0034】
高周波注入電圧
【数26】
は、測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直である、注入された電圧に対するモータの高周波電流応答を提供するために求められる。
【0035】
高周波注入電圧
【数27】
は、100Hzと電圧源インバータVSI130のスイッチング周波数との間の周波数レンジにある。
【0036】
磁束推定モジュール150は、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び基準電圧v αβから、推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数28】
及び推定された負荷角
【数29】
を求める。
【0037】
速度推定モジュール152は、推定された負荷角からモータ135の速度を求める。
【0038】
例えば、速度
【数30】
は、位相ロックループと、この位相ロックループの出力のローパスフィルタリングとを使用して推定される。
【0039】
推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数31】
は、MTPA追跡モジュール155及びDFVCモジュール110に提供される。
【0040】
MTPA追跡モジュール155は、推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数32】
及び高周波正弦波信号sin(ωt)から基準磁束λ MTPAを求める。
【0041】
本発明によれば、システムは、
直接磁束ベクトル制御モジュールによって、推定された磁束
【数33】
ノルムと、基準磁束λ MTPAと、推定された負荷角
【数34】
を使用するfτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルifτと、基準トルクT及び基準磁束λ MTPAから得られるτ軸における基準電流i τとから、基準電圧v αβを求める手段と、
基準電圧v αβを高周波注入電圧
【数35】
と加算する手段と、
加算された電圧を用いてモータを駆動する手段と、
モータ電流ベクトルiαβを測定する手段と、
高周波電圧に対するモータの高周波電流応答が測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直になるように、測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び高周波正弦波信号iδsin(ωt)から高周波注入電圧
【数36】
を求める手段と、
測定されたモータ電流iαβ及び基準電圧v αβから、推定された磁束
【数37】
を求める手段と、
注入された電圧に対する高周波磁束応答が測定されたモータ電流ベクトルと整列されるように、最大トルク/電流フィールドモジュールによって、推定された磁束
【数38】
及び高周波正弦波信号sin(ωt)から、直接磁束ベクトル制御モジュールに提供される基準磁束λ MTPAを求める手段と、
を備える。
【0042】
トルクは、T=idq Jλdqによって与えられる。ここで、Jは行列
【数39】
であり、idqはdqフレームワークにおける測定された電流であり、は転置行列であり、λdqは磁束である。
【0043】
MTPA則は、
【数40】
であるときに満たされる。ここで、γ=∠idqは、dqフレームワークにおける電流シュート角を示す。また、
【数41】
である。ここで、lは増分インダクタンス行列を表し、Lはコードインダクタンス行列を表す。
【0044】
MTPA、(idq Jidq=0において、補助磁束λdq =JLidq-lJidqは、測定された電流ベクトルと整列される。
【0045】
i軸がidqと整列されているijフレームワークにおいて表すと、補助磁束の関数として表される磁束λij=e-JγLeJγijの導関数は、以下の式となる。
【数42】
定電流振幅(diij=0)の仮定の下では、上記微分方程式は、dλij=-λij dγに縮約される。
【0046】
MTPA条件は、λ =0であるときに満たされるので、この条件は、dλ=0であるときに満たされる。
【0047】
したがって、本発明は、diij=0を満たし、j軸におけるゼロHF磁束応答dλ=0を得るために、j軸に小さなHF電流励起を注入することで構成される。このλ =0が達成されると、その結果、磁束摂動ベクトルは電流ベクトルと整列し、MTPA条件が満たされる。
【0048】
一変形形態では、MTPA則が取得されると、高周波注入がオフになる。磁束は、その後、ちょうど取得されたMTPA則に従ってトルク条件に適合する。
【0049】
更に別の変形形態では、経時的な機械の変化を評価し、MTPA則をリセットするために、注入を散発的にオンにすることができる。
【0050】
図2は、本発明による直接磁束ベクトル制御モジュールのブロック図の一例を表している。
【0051】
直接磁束ベクトル制御モジュール110は、τ軸における基準電流i τからτ軸における測定された電流iτを減算する減算モジュール220を備える。
【0052】
減算モジュール220の出力は、PIレギュレータ225に提供される。PIレギュレータ225の出力は、乗算モジュール230に提供される。乗算モジュール230は、PIレギュレータ225の出力にデカップリング定数値1/bを乗算する。
【0053】
直接磁束ベクトル制御モジュール110は、推定された磁束ノルム
【数43】
を基準磁束λ MTPAから減算する減算モジュール200を備える。減算モジュール200の出力は、PIレギュレータ205に提供される。PIレギュレータ205の出力は、乗算モジュール210に提供される。乗算モジュール210は、PIレギュレータ205の出力に、モータネームプレート定格において較正されたデカップリング定数値-a/bを乗算する。例として、a及びbの値はa=4及びb=13である。
【0054】
乗算モジュール230及び210の出力は、加算モジュール235によって加算される。
【0055】
加算モジュール235の出力は、加算モジュール240に提供される。加算モジュール240は、加算モジュール235によって行われた加算の結果を
【数44】
に加算して、τ軸における基準電圧v τを提供する。ここで、Rは固定子抵抗であり、
【数45】
は推定されたモータ速度である。
【0056】
固定子抵抗Rは、例えば自己コミッショニング手順から得られる。モータ速度は、推定された磁束ベクトルの負荷角
【数46】
を追跡して推定される。
【0057】
PIレギュレータ205の出力は、加算モジュール215に提供される。加算モジュール215は、PIレギュレータ205の出力の結果をRに加算して、f軸における基準電圧v を提供する。
【0058】
図3は、本発明による磁束推定モジュールのブロック図の一例を表している。
【0059】
磁束推定モジュール150は、α軸における電流iαに抵抗Rを乗算したものをα軸における基準電圧v αから減算する減算モジュール300を備える。
【0060】
減算モジュール300の結果は、減算モジュール305に提供される。
【0061】
減算モジュール305は、乗算モジュール315によって提供される結果を減算モジュール300の結果から減算する。
【0062】
減算モジュール305の出力は、積分器310に提供され、積分器310は、推定されたα軸における磁束
【数47】
を提供する。
【0063】
推定されたα軸における磁束
【数48】
は、除算器320及び乗算モジュール315に提供される。乗算モジュール315は、推定されたα軸における磁束
【数49】
に、観測利得である係数kobsを乗算する。
【0064】
磁束推定モジュール150は、β軸における電流iβにモータ135の抵抗Rを乗算したものを、β軸における基準電圧v βから減算する減算モジュール330を備える。
【0065】
減算モジュール330の結果は、減算モジュール335に提供される。
【0066】
減算モジュール335は、乗算モジュール345によって提供される結果を減算モジュール330の結果から減算する。
【0067】
減算モジュール335の出力は、積分器340に提供され、積分器340は、推定されたβ軸における磁束
【数50】
を提供する。
【0068】
推定されたβ軸における磁束
【数51】
は、除算器320及び乗算モジュール345に提供される。乗算モジュール345は、推定されたβ軸における磁束
【数52】
に係数kobsを乗算する。
【0069】
除算モジュール320は、推定されたβ軸における磁束
【数53】
を推定されたα軸における磁束
【数54】
によって除算する。
【0070】
除算モジュール320の結果は、推定された負荷角
【数55】
を提供するために、モジュール350によるアークタンジェントによって変換される。
【0071】
図4は、本発明による最大トルク/電流モジュールのブロック図の一例を表している。
【0072】
最大トルク/電流モジュール155は、測定された電流とαβフレームワークのα軸との間の測定された角度γを使用して、推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数56】
を推定されたijフレームワークにおける磁束
【数57】
に変換するフレームワーク変換モジュール400を備える。
【0073】
推定されたj軸における磁束
【数58】
は、乗算器415に提供される。乗算器415は、推定されたj軸における磁束
【数59】
に高周波正弦波信号sin(ωt)を乗算する。
【0074】
乗算モジュール415の出力は、ローパスフィルタ420によって処理される。
【0075】
モジュール415及び420は、ヘテロダイン復調410を形成する。
【0076】
ヘテロダイン変調410の出力は、積分利得kλ及び比例利得0を有するPIレギュレータ425に提供される。PIレギュレータ425は、基準磁束λ MTPAを提供する。
【0077】
基準磁束λ MTPAは、したがって、高周波注入電圧に対する磁束応答がj軸上でヌル(null)であり、i軸上にのみあることを保証するように制御される。注入された電圧に対する高周波磁束応答は、測定された電流ベクトルと整列される。
【0078】
図5は、本発明による注入ブロックモジュールのブロック図の一例を表している。
【0079】
注入モジュール125は、基本電流ベクトルiαβ_LFを求める手段500を備える。例として、基本電流ベクトルiαβ_LFは、測定された電流ベクトルiαβのローパスフィルタリングによって求められる。別の例として、基本電流ベクトルiαβ_LFは、過去の記憶された電流ベクトルである。
【0080】
注入モジュール125は、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβをijフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiijに変換するフレームワーク変換モジュール501を備える。ijフレームワークは、求められた基本電流ベクトルから導出される角度γ、すなわち、
【数60】
を使用してαβフレームワークから回転される。
【0081】
フレームワーク変換モジュール501の出力は、ハイパスフィルタHPF510に提供される。ハイパスフィルタ510の出力は、減算モジュール515に提供される。減算モジュール515は、j軸における高周波正弦波信号iδsin(ωt)をハイパスフィルタ510の出力から減算する。
【0082】
減算モジュール515の出力は、ijフレームワークにおける電圧注入信号を得るために、PIレギュレータ520に提供される。ijフレームワークにおける電圧注入信号は、フレームワーク変換モジュール525に提供される。フレームワーク変換モジュール525は、ijフレームワークにおける電圧注入信号をαβフレームワークにおける電圧注入信号
【数61】
に変換する。
【0083】
高周波注入電圧に対する高周波電流応答は、したがって、j軸のみにある基準に従うように制御される。高周波注入電圧に対するモータの高周波電流応答は、測定されたモータ電流ベクトルに対して垂直である。
【0084】
図6は、本発明による最大トルク/電流を使用するモータの直接磁束ベクトル制御の第2の例を表している。
【0085】
最大トルク/電流を使用するモータデバイス60の直接磁束ベクトル制御は、例えば、バス601によって接続された構成要素と、図8に開示されるようなプログラムによって制御されるプロセッサ600とに基づくアーキテクチャを有する。
【0086】
バス601は、プロセッサ600を、リードオンリーメモリROM602、ランダムアクセスメモリRAM603、及び入出力インターフェースI/O IF605にリンクさせる。
【0087】
入出力インターフェースI/O IF605は、モータ135の状態を監視するデバイスが、モータ135を流れる電流を表す信号を検知することを可能にする。
【0088】
メモリ603は、図8に開示されるようなアルゴリズムに関連したプログラムの変数及び命令を受信するように意図されたレジスタを含む。
【0089】
リードオンリーメモリROM602、又は場合によっては、フラッシュメモリは、デバイス60の電源が投入されると、ランダムアクセスメモリRAM603にロードされる、図8に開示されるようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。代替的に、プログラムは、ROM602から直接実行することもできる。
【0090】
デバイス60によって行われる計算は、PC(パーソナルコンピュータ)、DSP(デジタル信号プロセッサ)又はマイクロコントローラ等のプログラマブルコンピューティングマシンによる命令又はプログラムのセットの実行によってソフトウェアにおいて実現することもできるし、マシン、又は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)等の専用構成要素によってハードウェアにおいて実現することもできる。
【0091】
換言すれば、デバイス60は、デバイス60に、図8に開示されるようなアルゴリズムに関連したプログラムを実行させる回路部、又は回路部を備える装置を備える。
【0092】
図7は、本発明によって使用されるモータフレームワークを表している。
【0093】
図7には、αβ二相固定子フレームワークが表されている。αβフレームワークは、モータの固定子に対して静的である。
【0094】
図7には、dq二相回転子フレームワークが表されている。dqフレームワークは動的であり、回転子位置θに追従する。
【0095】
図7には、ij二相電流フレームワークが表されている。i軸は電流ベクトルに追従し、α軸と角度γを形成する一方、j軸は電流ベクトルに対して垂直である。
【0096】
図7には、fτ二相磁束フレームワークが表されている。f軸は、推定された磁束ベクトルに追従し、α軸と角度δを形成する一方、τ軸は推定された磁束ベクトルに対して垂直である。
【0097】
図7には、高周波電圧注入に対するHF電流応答iHFが表されている。HF電流応答iHFは、i軸に対して垂直であり、したがって、測定された電流ベクトルに対して垂直である。
【0098】
図7には、高周波注入電圧に対する推定された磁束のHF応答λHFが表されている。HF応答λHFは、i軸と整列され、したがって、測定された電流ベクトルと整列されている。j軸磁束は一定である。
【0099】
図8は、本発明によるモータを制御するアルゴリズムの一例を表している。
【0100】
本アルゴリズムは、プロセッサ600によって実行される、モータデバイス60の直接磁束ベクトル制御の一例において開示される。
【0101】
ステップS800において、プロセッサ600は、基準磁束λ MTPA及びモータ135の極対数を3/2倍したものとともに基準トルクTを使用して、τ軸における基準電流i τを以下の式として求める。
【数62】
【0102】
ステップS801において、プロセッサ600は、τ軸における基準電流i τと、推定された磁束
【数63】
ノルムと、fτフレームワークにおける測定された電流ifτと、基準磁束λ MTPAとから直接磁束ベクトル制御DFVCを実行する。プロセッサ600は、fτフレームワークにおける基準電圧v fτを求める。
【0103】
ステップS802において、プロセッサ600は、推定された負荷角
【数64】
を使用して、fτフレームワークにおける基準電圧v fτをαβフレームワークにおける基準電圧v αβに変換する。
【0104】
ステップS803において、プロセッサ600は、変更されたαβフレームワークにおける基準電圧v** αβを得るために、αβフレームワークにおける基準電圧v αβをαβフレームワークにおける注入電圧
【数65】
と加算する。
【0105】
ステップS804において、プロセッサ600は、変更されたαβフレームワークにおける基準電圧v** αβをモータ135に接続された電圧源インバータVSIに提供する。
【0106】
ステップS805において、プロセッサ600は、三相abcにおいてモータ電流ベクトルiabcを測定する。
【0107】
ステップS806において、プロセッサ600は、三相abcにおいて測定されたモータ電流ベクトルiabcを、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβに変換する。
【0108】
ステップS807において、プロセッサ600は、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβを、fτフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルifτに変換する。
【0109】
ステップS808において、プロセッサ600は、αβフレームワークにおける測定されたモータ電流ベクトルiαβ及び高周波正弦波信号iδsin(ωt)から、αβフレームワークにおける注入電圧
【数66】
を求める。この注入電圧は、測定された電流ベクトルに対して垂直となる電流の高周波を駆動するように求められる。
【0110】
ステップS809において、プロセッサ600は、αβフレームワークにおける測定された電流ベクトルiαβ及び基準電圧v αβから、推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数67】
及び推定された負荷角
【数68】
を求める。
【0111】
ステップS810において、プロセッサ600は、推定されたαβフレームワークにおける磁束
【数69】
及び高周波正弦波信号sin(ωt)から基準磁束λ MTPAを求める。この基準磁束は、測定された電流ベクトルと整列される磁束の高周波応答を駆動するように求められる。
【0112】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上記で説明した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】