(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】水質を監視するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/18 20060101AFI20240314BHJP
E03B 7/00 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
G01N33/18 Z
E03B7/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023536914
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 AU2021051504
(87)【国際公開番号】W WO2022126194
(87)【国際公開日】2022-06-23
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521339164
【氏名又は名称】オズグリーン エナジー プロプライエトリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マッケルベイ、レン
(57)【要約】
複数の分配ラインを1つ又は複数のノードと相互接続するために複数の分配ラインを含む水分配ネットワークであって、1つ又は複数のノードから水が分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワークにおいて、水質を監視するための水質監視システムは、複数の採水サブシステムであって、各サブシステムは、対応する分配ラインから水質パラメータを取得するために、対応する分配ラインと流体連通して配置され、各サブシステムは、通信ネットワークを介して、データベースに、水質パラメータに関連するデータを通信するための通信モジュールを含み、サブシステムの各々は、水質パラメータの同時的な測定をトリガするために、通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされる、複数の採水サブシステムを備える。システムは、水質の視覚的標識を提供するグラフを表示するための手段をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のノードを相互接続する複数の分配ラインを含む水分配ネットワークであって、前記1つ又は複数のノードノードから水が前記水分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワークにおいて、水質を監視するための水質監視システムであって、前記水質監視システムは、
複数の採水サブシステムであって、各サブシステムは、対応する分配ラインから水質パラメータを取得するために、前記対応する分配ラインと流体連通して配置され、各サブシステムは、通信ネットワークを介して、データベースに、水質パラメータに関連するデータを通信するための通信モジュールを含み、前記サブシステムの各々は、前記対応する分配ラインにおける前記サブシステムのすべてが、測定イベントにおいて前記水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされることを可能にするために、前記通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされる、複数の採水サブシステムと、
前記複数の採水サブシステムと通信する、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータであって、プロセッサ及びメモリ・デバイスと通信し、前記プロセッサは、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、前記水パラメータについての最大の測定された値、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水パラメータ値の前記セットからの、前記水パラメータについての最小の測定された値、及び
前記セット内の前記水パラメータのすべての測定された値の平均を算出することにより計算された、前記水パラメータについての平均の測定された値
を決定するために、前記データベースから前記データを検索するステップを遂行するように動作可能である、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータと
を備え、
前記メモリ・デバイスは、各測定イベントについて、前記最大の測定された値、前記最小の測定された値、及び前記平均値を示すための第1の軸と、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示すための第2の軸とを含むグラフを、ディスプレイ・デバイス上に表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するように前記プロセッサを構成するための実行可能命令を含む、水質監視システム。
【請求項2】
前記遠隔に配置されるサーバ・コンピュータのための前記プロセッサが、前記最大の測定された値と前記最小の測定された値との間の差を計算することにより、前記水質パラメータの前記測定された値のレンジを決定するように動作可能であり、前記メモリ・デバイスが、前記第1の軸上に、前記測定された値の前記レンジを示すための実行可能命令を含む、水質監視システム。
【請求項3】
前記採水サブシステムの動作を制御し、ある時間期間内に1つ又は複数の測定イベントを始動させるための、前記プロセッサと通信するユーザ入力インターフェースをさらに備える、請求項1又は2に記載の水質監視システム。
【請求項4】
各サブシステムは、
(a)圧力、
(b)過渡圧力、
(c)水の温度、
(d)水のpH、
(e)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(E
C)、及び、
(f)遊離塩素濃度
(g)濁度
のうちの1つ又は複数を測定するように構成される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項5】
前記メモリ・デバイスは、前記水質パラメータについての予め決定された最大限界値及び最小限界値を追加的に表示するための実行可能命令を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項6】
前記メモリ・デバイスは、各測定の前記平均値と、各測定についての前記最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項7】
前記メモリ・デバイスは、各測定の平均値と、各測定についての前記最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項8】
前記メモリ・デバイスは、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって、各測定についての前記測定された値を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項9】
複数の分配ラインを1つ又は複数のノードと相互接続するために複数の分配ラインを含む水分配ネットワークであって、前記1つ又は複数のノードから水が前記水分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワークにおいて、水質を監視する方法であって、
複数の採水サブシステムを、対応する分配ラインと流体連通して配置し、前記対応する分配ラインから水質パラメータを取得するステップであって、前記サブシステムの各々は、前記対応する分配ラインにおける前記サブシステムのすべてが、測定イベントにおいて前記水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされることを可能にするために、通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされている、ステップと、
前記採水サブシステムの通信モジュールを介して、通信ネットワークを介して、データベースに、水質パラメータに関連するデータを通信するステップと、
遠隔に配置されるサーバ・コンピュータを配置し、前記データベースからデータを検索するステップであって、前記サーバ・コンピュータは、プロセッサ及び不揮発性メモリ・デバイスと通信し、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、前記水パラメータについての最大の測定された値、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水パラメータ値の前記セットからの、前記水パラメータについての最小の測定された値、
前記セット内の前記水パラメータのすべての前記測定された値の平均を算出することにより計算された、前記水パラメータについての平均の測定された値
を決定するために、前記検索されたデータを処理するように前記プロセッサを動作させる、ステップと、
各測定イベントについて、前記最大の測定された値、前記最小の測定された値、及び前記平均値を示すための第1の軸と、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示すための第2の軸とを含むグラフを表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するように、前記プロセッサ及び前記メモリ・デバイスと通信するディスプレイ・デバイスを配置するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記最大の測定された値と前記最小の測定された値との間の差を計算することにより、前記水質パラメータの前記測定された値のレンジを決定するステップをさらに含み、前記メモリ・デバイスは、前記第1の軸上に、測定された値の前記レンジを示すための実行可能命令を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
以下の水質パラメータのうちの1つ又は複数を測定するステップを含み、
各サブシステムは、
(a)圧力、
(b)過渡圧力、
(c)水の温度、
(d)水のpH、
(e)酸化還元電位(ORP)、
(f)導電率(E
C)、及び、
(g)遊離塩素濃度
(h)濁度
のうちの1つ又は複数を測定するように構成される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ・デバイス上に、前記水質パラメータについての予め決定された最大限界値及び最小限界値を表示するステップをさらに含む、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
各測定の平均値と、各測定についての前記最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
各測定の前記平均値と、各測定についての前記最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む、請求項9から13までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年12月18日に出願された豪州仮出願第2020904744号の優先権を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、水質を監視するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術の方法、装置、又は文書へのいかなる言及も、それらの方法、装置、又は文書が、通常の一般的知識の一部分を形成した、又は形成するという、何らかの証拠又は自認を構成すると解釈されるべきではない。
【0004】
多くの飲料水分配システムにおける飲料水は、現在、限られた数の位置において、低頻度の水試料を手動で採取することにより監視されている。試料は、次いで、汚染物のリストについて試験室分析を受ける。汚染時から、確固たる検出のためのターンアラウンド時間は、汚染物のタイプ、及び、試験室サービスへのアクセス可能性に依存して、数日から数週間にわたり得る。それゆえに、リアル・タイムの水質監視を提供する必要性が存する。
【0005】
リアル・タイムの水質監視において、少なからぬ困難が、人間オペレータによる測定量の迅速及び正確な解釈を手助けする方式における、遠隔センサからの測定量の収集及び処理において経験されている。本発明者らは、これらの困難が、主に、測定量を、関心の時間期間にわたって実際の状況と相関させることと関連付けられる問題のために生起するということを洞察した。その上、大きい数の採水デバイスが、不断の水質監視のために使用されるとき、大きい分量の、水質に関連するデータが、水質を監視することについて責任をもつ要員に、何らかの有意味の推論を提供するように、処理及び分析されることを必要とする。特許文献1(参照により本明細書に組み込まれている)として公表された、本出願人の以前の発明は、リアル・タイムの水質監視を可能にする水質監視デバイスを提供する。しかしながら、大きい数の水質監視デバイスが、サーバに戻るように水質結果を報告しているとき、個人が、リアル・タイムでデータを処理し、オペレータに何らかの有意味の情報を提供することは、不可能ではないにしても、信じられないほどに困難になる。それゆえに、少なくとも、従来技術及び既存の技術の短所の一部に対処する、改善された方法及びシステムを提供することの必要性が存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際出願第PCT/AU2020/050073号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
特徴が述べられる、本発明を要約する、以下の記述のうちの一部において、図からの項目番号が、読者の利便性のために、特徴の実例として提供されることになる。そのような実例は、純粋に例示的であり、特徴を限定することを意図されていないということが理解されることになる。
【0008】
一態様において、本発明は、1つ又は複数のノードを相互接続する複数の分配ライン90を含む水分配ネットワーク80であって、1つ又は複数のノードから水が分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワーク80において、水質を監視するための水質監視システムであって、
複数の採水サブシステム(100)であって、各サブシステム(100)は、対応する分配ライン(90)から水質パラメータに関連するデータを取得するために、対応する分配ライン(90)と流体連通して配置され、各サブシステム(100)は、通信ネットワーク(29)を介して、データベース(42)に、少なくとも1つの水質パラメータに関連するデータを通信するための通信モジュール(110)を含み、サブシステム(100)の各々は、対応する分配ラインにおけるサブシステムのすべてが、測定イベント(213)において水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされることを可能にするために、通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされる、複数の採水サブシステム(100)と、
前記複数の採水サブシステム(100)と通信する、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータ(33)であって、プロセッサ(35)及び不揮発性メモリ・デバイス(47)を含み、前記プロセッサ(35)は、
各測定イベント(213)において各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最大の測定された値(202)、
各測定イベント(213)において各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最小の測定された値(204)、
セット内の水パラメータのすべての測定された値の平均を算出することにより計算された、水パラメータについての平均の測定された値(205)
を決定するために、データベース(42)からデータを検索するステップを遂行するように動作可能である、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータ(33)と
を備え、
メモリ・デバイスは、各測定イベント(213)について、最大の測定された値(202)、最小の測定された値(204)、及び平均値(205)を示すための第1の軸(209)と、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示すための第2の軸(211)とを含むグラフ(207)を表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するための実行可能命令を含む、水質監視システムを提供する。
【0009】
一実施例において、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータ33のためのプロセッサ(35)は、最大の測定された値(202)と、最小の測定された値(204)との間の差を計算することにより、水質パラメータの測定された値のレンジ(206)を決定するように動作可能であり、メモリ・デバイスは、第1の軸(209)上に、測定された値のレンジ(206)を示すための実行可能命令(48)を含む。
【0010】
一実施例において、システムは、機能的にリンクされる採水サブシステム(100)の動作を制御し、1つ又は複数の測定イベント(213)を始動させるためのプロセッサ(35)と通信するユーザ入力インターフェース(43、44)をさらに含む。
【0011】
一実施例において、各サブシステム(100)は、(a)圧力、(b)過渡圧力、(c)水の温度、(d)水のpH、(e)酸化還元電位(ORP:oxidation reduction potential)、(f)導電率(EC)、(g)遊離塩素濃度、(h)濁度のうちの1つ又は複数を測定するように構成される。
【0012】
一実施例において、メモリ・デバイス(47)は、水質パラメータについて、最大の測定された値が、予め決定された最大限界値を上回るかどうか、及び/又は、最小の測定された値が、予め決定された最小限界値よりも少ないかどうかを追加的に示すための実行可能命令(48)を含む。
【0013】
一実施例において、メモリ・デバイスは、各測定の平均値と、各測定についての最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む。
【0014】
一実施例において、メモリ・デバイスは、各測定の平均値と、各測定についての最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む。
【0015】
別の態様において、本発明は、1つ又は複数のノードを相互接続する複数の分配ライン(90)を含む水分配ネットワーク(80)であって、1つ又は複数のノードから水が水分配ネットワーク(80)内へと供給される、水分配ネットワーク(80)において、水質を監視する方法であって、
複数の採水サブシステム(100)を、対応する分配ライン(90)と流体連通して配置し、前記対応する分配ラインから水質パラメータを取得することであって、サブシステム(100)の各々は、対応する分配ラインにおけるサブシステムのすべてが、測定イベント(213)において水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされることを可能にするために、通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされる、取得することと、
採水サブシステムの各々の通信モジュール(110)を介して、通信ネットワーク(29)を介して、データベース(42)に、水質パラメータに関連するデータを通信することと、
遠隔に配置されるサーバ・コンピュータ(33)を配置し、データベース(42)からデータを検索することであって、前記サーバ・コンピュータ(33)は、プロセッサ(35)及び不揮発性メモリ・デバイス(47)を含み、
各測定イベント(213)において各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最大の測定された値(202)、
各測定イベント(213)において各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最小の測定された値(204)、
セット内の水パラメータのすべての測定された値の平均を算出することにより計算された、水パラメータについての平均の測定された値(205)
を決定するために、検索されたデータを処理するようにプロセッサ(35)を動作させる、検索することと、
各測定イベント(213)について、最大の測定された値(202)、最小の測定された値(204)、及び平均値(205)を示すための第1の軸(209)と、複数の前記測定イベント(213)が起こった時間期間を示すための第2の軸(211)とを含むグラフ(207)を表示して、以て、水質の視覚的標識を提供するように、プロセッサ(35)及びメモリ・デバイス(47)と通信してディスプレイ・デバイス(33)を配置することプと
を含む、方法を提供する。
【0016】
一実施例において、方法は、最大の測定された値と最小の測定された値との間の差を計算することにより、水質パラメータの測定された値のレンジを決定するステップをさらに含み、メモリ・デバイスは、第1の軸上で、測定された値のレンジを指示するための実行可能命令を含む。
【0017】
一実施例において、方法は、ディスプレイ・デバイス上に、水質パラメータについての予め決定された最大限界値及び最小限界値を表示するステップをさらに含む。
【0018】
一実施例において、方法は、各測定の平均値と、各測定についての最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む。
【0019】
一実施例において、方法は、各測定の平均値と、各測定についての最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む。
【0020】
本発明の好適な特徴、実施例、及び変形例が、当業者が本発明を遂行するのに十分な情報を提供する、以下の発明を実施するための形態から洞察され得る。発明を実施するための形態は、決して、先の発明の概要の範囲を限定するとみなされるべきではない。発明を実施するための形態は、以下のようないくつかの図面を参照することになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】水分配ネットワーク内の対応する分配ラインにおいて複数の採水サブシステム100を利用する水分配ネットワークの線図である。
【
図2】好適な実施例による水質監視システムの様々な機能的要素を例解するボックス図である。
【
図3】好適な実施例のシステムにより生み出される第1の視覚化の図である。
【
図4】好適な実施例のシステムにより生み出される第2の視覚化の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、1つ又は複数のノードを相互接続する複数の分配ライン90(矢印は、水の流れの方向を示す)を含む水分配ネットワーク80であって、それらのノードから水が分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワーク80の線図を例解し、総体として100により指し示される、n個の採水サブシステム100-1、…、100-nが、対応する少なくとも1つの分配ライン90と流体連通して配置されている。
【0023】
少なくとも一部の実施例において、各採水サブシステム100は、PCT/AU2020/050073において説明される、ピット蓋に取り付けられた採水及び検査システムの形式において設けられ得る。各蓋に取り付けられた採水サブシステム100は、対応する分配ライン90と、その対応する分配ラインから水質パラメータを取得するために、流体連通しているように配置され得る。各水サブシステムは、ワイヤレス通信ネットワーク(好適な実施例において、インターネット)などの通信ネットワーク29を介して、各サブシステムからデータベース150に、水質パラメータに関連するデータを通信するための通信モジュール110を含む。
【0024】
図2において例解されるように、試料採取サブシステム100は、いくつかのグループへとグループ分けされ、各グループの試料採取サブシステムは、共通の遠隔端末ユニット(RTU:Remote Terminal Unit)120とデータ通信する。RTUは、フィールド・デバイスを監視及び制御する、次いで、プラント制御システムに接続する、マイクロプロセッサ・ベースのデバイスである。本明細書において使用される際の用語「RTU」は、機能的に等価なデバイス、例えば、ネットワーク・アクセス可能性及びデータ記憶能力を伴う、好適にプログラムされたプログラマブル・ロジック・コントローラ(PLC:programmable logic controller)を包括的に含むことになっている。
【0025】
例えば、
図2において、試料採取サブシステム100のグループ70a、70b、…、70mが示され、グループ70aの試料採取サブシステム100は、各々、RTU120aとデータ通信しており、グループ70bの試料採取サブシステム100は、各々、RTU120bとデータ通信しており、グループ70mまでずっとそうであり、そのグループ70mのセンサ・サブシステム100は、各々、RTU120mとデータ通信する。センサ・サブシステム100の各々は、ネットワーク・デバイスであり、基準時間信号、例えば、インターネットでアクセス可能なクロックからの信号を監視することができる。各試料採取サブシステム100は、その試料採取サブシステム100がその試料採取サブシステム100のグループ内のRTUからのウェイク・アップ・コールについてリッスンする、アイドル・モードを呈する。ウェイク・アップ・コールを受信することを基に、試料採取サブシステムは、RTUにより指定される時間においてパラメータの測定をなすために準備する。すべてのサブシステムが、共通の基準時間信号を監視するので、それらのサブシステムは、通信ネットワークを介して互いと効果的に機能的にリンクされ、そのことは、それらのサブシステムが、測定イベントにおける、対応する分配ラインにおける、機能的にリンクされるサブシステム100のすべてによる、水質パラメータの同時的な測定のためにトリガされることを可能にするために行われる。例えば、測定イベント213は、
図4において示されるように、5分間隔でトリガされることがあり、その
図4において、72個の測定イベントが、11月13日の00:00正時から、同じ日の06:00正時までの6時間の期間の経過にわたって示される。各RTUは、RTUのグループ内のセンサ・サブアセンブリ100からの測定データを記憶するデータ・ロガー122bを含む。RTUデータ・ロガー122からの測定データが、次いで、データベース42内での記憶のために、通信ネットワーク29を経て送信される。他の代替的な実施例において、測定イベント213は、所定の時間期間、又は、時間のレンジの中で同時的に遂行されるためにトリガされることがあり、そのことにより、測定イベント213は、厳密に同じ時間においてではなく、規定された時間期間の中で起こり得る。例えば、その時間期間は、5分期間であると規定されることがあり、イベントにおけるすべての「同時的な」測定は、この指定された時間期間中に引き受けられることになる。
【0026】
遠隔に配置されるサーバ・コンピュータ33は、複数の採水サブシステム100と通信するように配置され、前記サーバ・コンピュータは、1つ又は複数のプロセッサ(CPU)35と、2次記憶ハード・ドライブ又はソリッド・ステート・ドライブなどの不揮発性メモリ・デバイス47とを含む。サーバ33は、さらには、オペレーティング・システムのローディングよりも前にサーバをブート・アップするためのBIOS又はUEFIを内包するROM、RAM、2次記憶部内に記憶されるオペレーティング・システム、ネットワーク・インターフェース・カードなどの通信モジュール、及び、CPUとフラット・スクリーン・モニタなどのディスプレイ・デバイスとの間でインターフェース接続するためのグラフィックス・ドライバを含む、様々なモジュールを一体に結合するメインボードなどの、普通の構成部品を含む。
【0027】
プロセッサ35は、2次記憶部47内に記憶されるプログラム48を成立させる命令により、各測定イベント213において各サブシステム100により測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最大の測定された値(M
x)(
図3において、202として示される)と、各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水パラメータ値のセットからの、水パラメータについての最小の測定された値(M
N)(
図3において、204として示される)と、プロセッサ35が各測定イベントについての水パラメータ値のセット内の水パラメータのすべての測定された値の平均を算出することにより計算する、水パラメータについての平均の測定された値(A
v)(
図3において、205として示される)とを決定するために、データベース42からデータを検索するステップを遂行するように動作可能であるように構成される。好適な実例において、あらゆる測定イベントについて、16個のデータ点が、各採水サブシステム100について記録される。具体的には、水質パラメータの測定された値のレンジ(
図3において、206として示される)(M
R)が、最大の測定された値(M
x)202と、最小の測定された値(M
N)204との間の差を計算することにより取得される。
【0028】
メモリ・デバイス47は、各測定イベント213(
図4)について、最大の測定された値(M
x)202、最小の測定された値(M
N)204、及び/又は、測定された値のレンジ206(M
R)、並びに平均値(A
V)205を示すための第1の軸209と、複数の前記測定イベント213が起こった時間期間、例えば、
図3においては、11月13日の00:00正時から、11月20日の12:00正時までを示すための第2の軸209とを含むグラフ(
図3において、207として示される、を、ディスプレイ・デバイス49上で表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するようにプロセッサ35を構成する、プログラム48を成立させる実行可能命令を記憶する。本明細書において説明されるシステム及び方法は、相互接続される採水サブシステム100により取得されるデータを変換するために使用され、視覚化技法が、オペレータ及び監督要員による迅速な評価及び分析のために、より好適及び有用である様式において、大きい分量のデータを提示するために使用される。
【0029】
図2を再度参照すると、メモリ・デバイス47及びディスプレイ・デバイス49と組み合わせたプロセッサ35は、一実施例にしたがって、データ視覚化デバイス45と呼称され得る。データ視覚化デバイス45は、入力インターフェース、例えばキーボード44及びマウス43、ディスプレイ・デバイス49などの出力インターフェース、モデム41などの通信インターフェースを含むことがあり、データベース42からデータセット(例えば、水質パラメータに関係する測定値データのセット)を検索し得る。より少数の、異なる、及び/又は、追加的な構成要素が、データ視覚化デバイス45内へと組み込まれ得る。
【0030】
入力インターフェースは、当業者により理解されるように、データ視覚化デバイス45内へのエントリのための、ユーザからの情報を受け取るためのインターフェースを提供し得る。入力インターフェースは、ユーザが、データ視覚化デバイス内へと情報を入れることを、又は、ディスプレイ上で表示されるユーザ・インターフェースにおいて提示される選択をなすことを可能にするために、キーボード、マウス、ディスプレイ、トラック・ボール、キーパッド、マイクロホン、1つ又は複数のボタン、その他を含む、ただしそれらに限定されない、様々な入力技術とインターフェース接続し得る。同じインターフェースが、入力インターフェース及び出力インターフェースの両方をサポートし得る。例えば、タッチ・スクリーン・ディスプレイは、ユーザ入力をサポートし、ユーザへの出力を提示する。データ視覚化デバイス45は、同じ又は異なる入力インターフェース技術を使用する、1つ又は複数の入力インターフェースを有し得る。入力インターフェース技術は、さらに、通信インターフェースを通して、データ視覚化デバイスによりアクセス可能であり得る。ユーザ入力インターフェースは、さらには、測定イベントをトリガするためのユーザ入力を受け取り得る。具体的には、採水サブシステム100の各々は、センサ・サブアセンブリ100の各々において同時的に1つ又は複数の測定イベントを、発動させる、又はトリガするために、通信ネットワーク29及びRTU120を介して、プロセッサ35に機能的にリンクされ得る。
【0031】
出力インターフェースが、さらには、データ視覚化デバイスのユーザによる見直しのために、情報を出力するために提供され得る。例えば、出力インターフェースは、ディスプレイ、プリンタ、その他を含む、ただしそれらに限定されない、様々な出力技術とインターフェース接続し得る。データ視覚化デバイスは、同じ又は異なる出力インターフェース技術を使用する、1つ又は複数の出力インターフェースを有し得る。出力インターフェース技術は、さらに、通信インターフェースを通して、データ視覚化デバイスによりアクセス可能であり得る。
【0032】
通信インターフェース、例えばインターフェース41は、当業者により理解されるように、様々なプロトコル、送信技術、及び媒体を使用して、デバイスどうしの間でデータを受信及び送信するためのインターフェースを提供する。通信インターフェースは、有線及び/又はワイヤレスであり得る、様々な送信媒体を使用して、通信をサポートし得る。データ視覚化デバイス45は、同じ又は異なる通信インターフェース技術を使用する、1つ又は複数の通信インターフェースを有し得る。例えば、データ視覚化デバイスは、Ethernet(登録商標)ポート、Bluetoothアンテナ、電話ジャック、USBポート、その他を使用して、通信をサポートし得る。データ及びメッセージが、通信インターフェースを使用して、データ視覚化デバイスと他のコンピューティング・デバイスとの間で転送され得る。
【0033】
メモリ・デバイス47は、情報、及び、プログラム48を成立させる命令などの命令のための電子的な保持場所又は記憶部であり、そのため、情報は、当業者により理解されるように、プロセッサ35によりアクセスされ得る。メモリ・デバイス47は、磁気記憶デバイス(例えば、ハード・ディスク、フロッピー(登録商標)・ディスク、磁気ストリップ、…)、光学ディスク(例えば、コンパクト・ディスク(CD:compact disc)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD:digital versatile disc)、…)、スマート・カード、フラッシュ・メモリ・デバイス、その他などの、任意のタイプのランダム・アクセス・メモリ(RAM:random access memory)、任意のタイプの読み出し専用メモリ(ROM:read only memory)、任意のタイプのフラッシュ・メモリ、その他を含み得るものであり、ただしそれらに限定されない。データ視覚化デバイス45は、同じ又は異なるメモリ媒体技術を使用する、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体を有し得る。データ視覚化デバイスは、さらには、CD、DVD、外部ハード・ドライブ、その他などのメモリ媒体のローディングをサポートする、1つ又は複数のドライブを有し得る。1つ又は複数の外部ハード・ドライブが、さらに、通信インターフェースを使用して、データ視覚化デバイスに接続され得る。
【0034】
より早い節において解説されたように、プロセッサ35は、当業者により理解されるように、命令を実行する。命令は、特殊目的コンピュータ、ロジック回路、又はハードウェア回路により履行され得る。プロセッサ35は、ハードウェア及び/又はファームウェアの形で実現され得る。プロセッサ35は命令を実行し、そのことは、そのプロセッサ35が、その命令により求められる動作を遂行/制御するということを意味する。用語「実行」は、アプリケーションを走らせることのプロセス、又は、命令により求められる動作の履行である。命令は、1つ又は複数のプログラミング言語、スクリプト言語、アセンブリ言語、その他を使用して書かれ得る。プロセッサ35は、情報を受信するために、送出するために、及び処理するために、入力インターフェース(例えば、キーボード44、マウス43)と、出力インターフェース(例えば、ディスプレイ49)と、通信インターフェース(例えば、モデム41)と、及び、メモリ・デバイス47と動作可能に結合する。プロセッサ35は、永久メモリ・デバイスから命令のセットを検索し、一般的には何らかの形式のRAMである一時メモリ・デバイスに、実行可能形式において命令をコピーし得る。データ視覚化デバイス45は、さらには、同じ又は異なる処理技術を使用する、複数のプロセッサを含み得る。
【0035】
プログラム48の形式におけるデータ視覚化アプリケーションが、複数の採水サブシステム100からの、各測定イベントについて測定される水質パラメータと関連付けられるデータセットから生成される、グラフ207などのグラフィカル表示の形式における、1つ又は複数の視覚化を提供すること(一部の実施例において、下水パラメータを監視することを包括的に含む)と関連付けられる動作を遂行するために、データ視覚化デバイス45上で提供され得る。本明細書において説明される動作の一部又はすべては、データ視覚化アプリケーション48において実施され得る。動作は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、これらの方法の任意の組み合わせを使用して実現され得る。
図2の実例実施例を参照すると、データ視覚化方法は、メモリ・デバイス47内に記憶され、データ視覚化アプリケーションの動作を実施する命令の実行のためにプロセッサ35によりアクセス可能である、プログラム48(コンピュータ可読及び/又はコンピュータ実行可能命令から構成される)の形式におけるソフトウェアの形で実現される。データ視覚化アプリケーション48は、1つ又は複数のプログラミング言語、アセンブリ言語、スクリプト言語、その他を使用して書かれ得る。
【0036】
データ視覚化アプリケーション48は、さらには、ウェブ・アプリケーションとして実現され得る。例えば、データ視覚化アプリケーションは、ハイパーテキスト・トランスポート・プロトコル(HTTP:hypertext transport protocol)レスポンスを受信するように、及び、HTTPリクエストを送出するように構成され得る。HTTPレスポンスは、HTTPリクエストに応答して生成される、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML:hypertext markup language)ドキュメントなどのウェブ・ページ、及び、リンクされたオブジェクトを含み得る。各ウェブ・ページは、アクセスされることになるリソースを内包するコンピューティング・デバイスのロケーション又はアドレスを、そのコンピューティング・デバイス上のリソースのロケーションに加えて含む、ユニフォーム・リソース・ロケータ(URL:uniform resource locator)により識別され得る。ファイル又はリソースのタイプは、ファイル転送プロトコル、HTTP、H.323、その他などのインターネット・アプリケーション・プロトコルによって決まる。アクセスされるファイルは、単純なテキスト・ファイル、画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル、実行ファイル、コモン・ゲートウェイ・インターフェース・アプリケーション、Java(登録商標)アプレット、拡張可能マークアップ言語(XML:extensible markup language)ファイル、又は、HTTPによりサポートされる任意の他のタイプのファイルであり得る。
【0037】
本発明の一実施例にしたがって視覚化デバイス45により視覚化される各データセットは、測定イベントについて、あらゆる接続される採水サブシステム100により引き受けられる、複数の水質パラメータについての測定値を含む。あらゆる測定イベントについて、各採水サブシステム100は、同じ時間において(測定イベントが、すべての採水サブシステム100に及んでトリガされるときに)複数の水質パラメータの測定を引き受け得る。例えば、以下の水質パラメータについての値が測定され得る。
(a)圧力、
(b)過渡圧力、
(b)水の温度、
(c)水のpH、
(d)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(EC)
(f)遊離塩素濃度
(g)濁度
【0038】
各測定イベントについて、各採水サブシステム100により生成されるデータは、その各採水サブシステム100の遠隔端末ユニット(RTU)データ・ロガー122においてロギングされ、中央データベース42に送信され得る。データベースは、さらには、コンピュータ可読媒体の形式をとる、及び/又は、1つ若しくは複数の他のコンピューティング・デバイス上にあり、通信インターフェース41を使用して遠隔サーバ・コンピュータ33によりアクセスされ得る。データセットは、ファイル、ファイル・システム、リレーショナル・データベース、テーブルのシステム、構造化照会言語データベース、キューブ、その他を含む、当業者に知られているような様々なファイル・フォーマットを使用して記憶され得る。
【0039】
図3を、及び、
図3において表示されるグラフの最初の6時間の詳細である
図4を参照すると、データ視覚化器45により遂行される動作の結果の実例が例解される。例解される実例において、遊離塩素レベルが、各採水サブシステム100により測定された。測定イベント213は、5分ごとに採水サブシステム100のすべてに及んでトリガされ、測定量は、7日期間の間記録された。遊離塩素測定は、16個の試料採取サブシステムを使用することにより、1週間の間執行され、各試料採取サブシステムは、7日期間にわたって2,193の測定(5分ごとの測定)を執行し、すなわち、35,088の個々の測定が遂行された。
【0040】
視覚化動作において、グラフ(
図3において示されるグラフ207と同様)が、ディスプレイ49上でプロセッサ35により提示される。グラフ207は、最大の測定された値(M
X)2002、最小の測定された値(M
N)204を示すための垂直軸209を含み、遊離塩素の測定された値のレンジ206が、グラフ207上で視覚的に表示される。加えて、すべての16個の採水サブシステム100に及んだ遊離塩素レベルの平均値205が、さらには、各測定イベントについてグラフ上で示される。水平軸211は、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示し、以て、水質の視覚的標識を提供する。
図3において示される視覚化において、水平軸211は、7日時間期間にわたって示される。
【0041】
視覚化動作において、メモリ・デバイス47は、プロセッサ35が、各測定イベントについてのすべての16個のサブシステム100に及んだ平均値と、各測定についての、最大の測定された値、又は、測定された最小量との間の差(第1の変数)を計算するための、プログラム48内の実行可能命令を含み得る。同様に、平均値からの各個々の値と、最大値及び最小値との間の乖離又は差(第2の変数)が、さらには計算され得る。第1及び第2の変数は、次いで、水質における何らかの予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって処理され得る。
図5において示されるように、予め決定された規則が満たされるとき、データ視覚化デバイス45は、水質における予想外の変化を記録している、特定のサブシステム100の標識を提供する。好適な実施例において、パイ・チャート75a、75b、75cが示されており、パイ・チャートの各セクタは、特定の採水サブシステム100を指し示す。何らかの予想外の変化が、予め決定された規則が満たされるときに、特定の採水サブシステム100に関して、赤色により示される(
図5において、パイ・チャート75b内の黒セグメント77により表される)。パイ・チャート内のセグメント(センサ・サブアセンブリ11を表す各セグメントとして識別され得る)は、測定されるパラメータの一部が、測定パラメータについての、可変の、ユーザにより予めセットされた、又は、算出された、規定された限界よりも上又は下にある、水分配ネットワーク80内のノードの即時の視覚的識別体として働く。
【0042】
pHについての(
図5において示される)実例において、赤セグメント77は、当該の地点におけるpHが、その個別の測定ノードについての、最大及び最小pHレベルについての、ユーザにより確定された、及び、予めセットされたアラーム・レベル・パラメータよりも相当に上又は下であるということを示す、最も高い等級のアラームである。
【0043】
一部のさらなる実施例において、パイ・チャートのセグメントは、2つ以上の標識を提供するようにプログラムされ得る。例えば、何らかのセグメントは、ユーザにより、予め決定され、システム内へとセットされた、しきい値アラート・レベルを、測定量が上回ったということを伝えるために、オレンジとして示され得る。
【0044】
アラート(オレンジ)又はアラーム(赤)ステータスにおけるセグメントは、個別のノードにおける水質が、そのノード、又は、水分配システムの一部分についての、エンド・ユーザにより確定された、安全水質の予め決定されたパラメータを上回っている、リアル・タイム・イベントを示す。
【0045】
好適な実施例は線グラフを利用するものの、棒グラフ、ヒストグラム、値域ごとに分類された(binned)棒グラフ、密度プロット・グラフ、カーネル密度推定プロット・グラフ、パイ・グラフ、ツリー・マップ、バブル・グラフ、その他などの他のグラフが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく利用され得ることに留意することは重要である。任意のグラフであって、集約されたデータがそのグラフ内の要素の次元にマッピングされる、任意のグラフが使用されてもよい。
【0046】
当業者の読者は、本発明の実体が、共通の測定イベント時間において同時的な(又は、ほぼ同時的な)測定を遂行するためにセンサ・サブアセンブリをトリガし、次いで、関心のパラメータについて、それらの測定から平均、最小、及びレンジ値を導出することにより、測定量は、ユーザが、測定量を迅速に解釈し、アラームについての原因であり得る、レンジ外れの測定量を見分けることを可能にする様式において、人間ユーザに有意味に提示され得るということの現実化にあるということを理解することになる。一方で、好適な実施例において、特別にプログラムされたコンピュータが、視覚化を実現するために使用されていた。
【0047】
法規を順守して、本発明は、構造的又は組織的な特徴に多少なりとも特有の文言において説明されている。用語「含む」、並びに、「含んでいる」及び「から構成される」などの、その用語のバリエーションは、全体を通して包含的な語意において使用され、何らかの追加的な特徴の排除のためには使用されない。
【0048】
本発明は、示された、又は説明された特定の特徴に限定されるものではなく、なぜならば、本明細書において説明された手段は、本発明を施行することの好適な形式を含むからであるということが理解されるべきである。
【0049】
本発明は、それゆえに、当業者により適切に解釈される、添付される特許請求の範囲の、適正な範囲の中の、本発明の形式又は変更形態のいずれかにおいて請求される。
【手続補正書】
【提出日】2022-12-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のノードを相互接続する複数の分配ラインを含む水分配ネットワークであって、前記1つ又は複数のノードノードから水が前記水分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワークにおいて、水質を監視するための水質監視システムであって、前記水質監視システムは、
複数の採水サブシステムであって、各サブシステムは、対応する分配ラインから水質パラメータを取得するために、前記対応する分配ラインと流体連通して配置され、各サブシステムは、通信ネットワークを介して、データベースに、水質パラメータに関連するデータを通信するための通信モジュールを含み、前記サブシステムの各々は、
信号をアイドル・モードで監視する、前記対応する分配ラインにおける前記サブシステムのすべてが、測定イベントにおいて前記水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされる
ように準備することを可能にするために、前記通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされる、複数の採水サブシステムと、
前記複数の採水サブシステムと通信する、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータであって、プロセッサ及びメモリ・デバイスと通信し、前記プロセッサは、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水
質パラメータ値のセットからの、前記水
質パラメータについての最大の測定された値、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水
質パラメータ値の前記セットからの、前記水
質パラメータについての最小の測定された値、及び
前記セット内の前記水
質パラメータのすべての測定された値の平均を算出することにより計算された、前記水
質パラメータについての平均の測定された値
を決定するために、前記データベースから前記データを検索するステップを遂行するように動作可能である、遠隔に配置されるサーバ・コンピュータと
を備え、
前記メモリ・デバイスは、各測定イベントについて、前記最大の測定された値、前記最小の測定された値、及び前記平均値を示すための第1の軸と、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示すための第2の軸とを含むグラフを、ディスプレイ・デバイス上に表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するように前記プロセッサを構成するための実行可能命令を含む、水質監視システム。
【請求項2】
前記遠隔に配置されるサーバ・コンピュータのための前記プロセッサが、前記最大の測定された値と前記最小の測定された値との間の差を計算することにより、前記水質パラメータの前記測定された値のレンジを決定するように動作可能であり、前記メモリ・デバイスが、前記第1の軸上に、前記測定された値の前記レンジを示すための実行可能命令を含む、
請求項1に記載の水質監視システム。
【請求項3】
前記採水サブシステムの動作を制御し、ある時間期間内に1つ又は複数の測定イベントを始動させるための、前記プロセッサと通信するユーザ入力インターフェースをさらに備える、請求項1又は2に記載の水質監視システム。
【請求項4】
各サブシステムは、
(a)圧力、
(b)過渡圧力、
(c)水の温度、
(d)水のpH、
(e)酸化還元電位(ORP)、
(e)導電率(EC)、及び、
(f)遊離塩素濃度
(g)濁度
のうちの1つ又は複数を測定するように構成される、請求項1から3までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項5】
前記メモリ・デバイスは、前記水質パラメータについての予め決定された最大限界値及び最小限界値を追加的に表示するための実行可能命令を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項6】
前記メモリ・デバイスは、各測定の前記平均値と、各測定についての前記最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項7】
前記メモリ・デバイスは、各測定の平均値と、各測定についての前記最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から6までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項8】
前記メモリ・デバイスは、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって、各測定についての前記測定された値を処理するための実行可能命令を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の水質監視システム。
【請求項9】
複数の分配ラインを1つ又は複数のノードと相互接続するために複数の分配ラインを含む水分配ネットワークであって、前記1つ又は複数のノードから水が前記水分配ネットワーク内へと供給される、水分配ネットワークにおいて、水質を監視する方法であって、
複数の採水サブシステムを、対応する分配ラインと流体連通して配置し、前記対応する分配ラインから水質パラメータを取得するステップであって、前記サブシステムの各々は、
ワイヤレスで受信した信号をアイドル・モードで監視する、前記対応する分配ラインにおける前記サブシステムのすべてが、測定イベントにおいて前記水質パラメータの同時的な測定を遂行するためにトリガされる
ように準備することを可能にするために、通信ネットワークを介して互いと機能的にリンクされている、ステップと、
前記採水サブシステムの通信モジュールを介して、通信ネットワークを介して、データベースに、水質パラメータに関連するデータを通信するステップと、
遠隔に配置されるサーバ・コンピュータを配置し、前記データベースからデータを検索するステップであって、前記サーバ・コンピュータは、プロセッサ及び不揮発性メモリ・デバイスと通信し、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水
質パラメータ値のセットからの、前記水
質パラメータについての最大の測定された値、
各測定イベントにおいて各サブシステムにより測定された水
質パラメータ値の前記セットからの、前記水
質パラメータについての最小の測定された値、
前記セット内の前記水
質パラメータのすべての前記測定された値の平均を算出することにより計算された、前記水
質パラメータについての平均の測定された値
を決定するために、前記検索されたデータを処理するように前記プロセッサを動作させる、ステップと、
各測定イベントについて、前記最大の測定された値、前記最小の測定された値、及び前記平均値を示すための第1の軸と、複数の前記測定イベントが起こった時間期間を示すための第2の軸とを含むグラフを表示し、以て、水質の視覚的標識を提供するように、前記プロセッサ及び前記メモリ・デバイスと通信するディスプレイ・デバイスを配置するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記最大の測定された値と前記最小の測定された値との間の差を計算することにより、前記水質パラメータの前記測定された値のレンジを決定するステップをさらに含み、前記メモリ・デバイスは、前記第1の軸上に、測定された値の前記レンジを示すための実行可能命令を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
以下の水質パラメータのうちの1つ又は複数を測定するステップを含み、
各サブシステムは、
(a)圧力、
(b)過渡圧力、
(c)水の温度、
(d)水のpH、
(e)酸化還元電位(ORP)、
(f)導電率(EC)、及び、
(g)遊離塩素濃度
(h)濁度
のうちの1つ又は複数を測定するように構成される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ディスプレイ・デバイス上に、前記水質パラメータについての予め決定された最大限界値及び最小限界値を表示するステップをさらに含む、請求項9から11までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
各測定の平均値と、各測定についての前記最大の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む、請求項9から12までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
各測定の前記平均値と、各測定についての前記最小の測定された値との間の差を計算し、水質における予想外の変化の標識を提供するために、1つ又は複数の予め決定された規則にしたがって前記差を処理するステップをさらに含む、請求項9から13までのいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】