(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】金属セラミック基板を機械加工するための方法及び金属セラミック基板
(51)【国際特許分類】
H05K 3/00 20060101AFI20240314BHJP
B23K 26/364 20140101ALI20240314BHJP
B26F 3/06 20060101ALI20240314BHJP
C04B 41/91 20060101ALI20240314BHJP
H05K 3/06 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
H05K3/00 J
B23K26/364
B26F3/06
C04B41/91 E
H05K3/00 N
H05K3/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023553410
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022055290
(87)【国際公開番号】W WO2022184773
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】102021105109.6
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515063390
【氏名又は名称】ロジャーズ ジャーマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Rogers Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Stadtwald 2, D-92676 Eschenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】コール、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レティンガー、ベルンハルト
【テーマコード(参考)】
3C060
4E168
5E339
【Fターム(参考)】
3C060AA16
3C060AA20
3C060CB14
3C060CF18
4E168AD02
4E168DA23
4E168DA46
4E168DA47
4E168DA48
4E168JA03
4E168JA04
4E168JA15
4E168JA28
5E339AB07
5E339AC05
5E339AE02
5E339BB02
5E339BC01
5E339BE05
5E339DD03
(57)【要約】
金属セラミック基板(1)を機械加工するための方法、特に、所定の破断点を形成するための方法であって、金属セラミック基板(1)を提供することと、金属セラミック基板(1)に所定の破断点(7)を形成することと、を含み、所定の破断点(7)が、その方向(V)に沿って、第1の深さ(T1)を有する少なくとも第1の部分(A1)と、第2の深さ(T2)を有する少なくとも第2の部分(A2)と、を有し、第1の深さ(T1)とは異なる第2の深さ(T2)が実現される、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属セラミック基板(1)を機械加工するための、特に所定の破断点を生成するための方法であって、
金属セラミック基板(1)を提供することと、
金属セラミック基板(1)に所定の破断点(7)を形成することと
を含み、
所定の破断点(7)が、その方向(V)に沿って、第1の深さ(T1)を有する少なくとも第1の部分(A1)と、第2の深さ(T2)を有する少なくとも第2の部分(A2)と、を有し、第1の深さ(T1)とは異なる第2の深さ(T2)が実現される、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
第1の部分(A1)及び第2の部分(A2)は、2つの所定の破断点(7)の交点の外側で実現される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
第1の深さ(T1)と第2の深さ(T2)との比は、0.2から0.8の間、好ましくは0.3から0.7の間、特に好ましくは0.4から0.6の間の値を有する、方法。
【請求項4】
請求項1~3のうちいずれか一項に記載の方法において、
第1の部分(A1)の第1の深さ(T1)は、所定の破断点(7)の方向(V)に寸法決めされた第1の長さ(L1)にわたって実質的に一定のままであること、及び/又は第2の部分(A2)の第2の深さ(T2)は、所定の破断点(7)の方向(V)に寸法決めされた第2の長さ(L2)にわたって実質的に一定のままである、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
第2の長さ(L2)に対する第1の長さ(L1)の比は、1.5未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.25未満である、方法。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか一項に記載の方法において、
第1の部分(A1)及び第2の部分(A2)は、周期的に交互になるように設けられる、方法。
【請求項7】
請求項1~6のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、好ましくは第1の深さ(T1)及び/又は第2の深さ(T2)とは異なる、前記方向(V)に垂直な方向に第3の深さを有する、方法。
【請求項8】
請求項1~7のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、前記方向(V)に平行な平面内で台形又は三角形の形状を有する、方法。
【請求項9】
請求項1~8のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、レーザ光(10)、特に超短パルス(UKP)レーザによる機械加工によって生成され、所定の破断点(7)を形成する過程で、金属セラミック基板(1)は、機械加工前、機械加工中、及び/又は機械加工後に温度処理を受け、特に機械加工後、4℃/分未満、好ましくは2℃/分未満、より好ましくは0.5℃/分未満の冷却速度で冷却が行われる、方法。
【請求項10】
請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の方法によって製造された、所定の破断点(7)を有する、金属セラミック基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属セラミック基板を機械加工するための方法、及び所定の破断点を有する金属セラミック基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子モジュールは、例えば、パワー電子モジュールとして、従来技術から周知である。そのような電子モジュールは、導電性トラックを介して共有金属セラミック基板上に相互接続される切替え可能又は制御可能な電子部品を通常使用する。金属セラミック基板の必須の構成要素は、絶縁層であって、金属セラミック基板の場合、セラミックを含む材料から作られる絶縁層と、メタライゼーション層であって、好ましくは、金属セラミック基板の1つの構成要素側に構造化され、導電経路を形成するように形成される、メタライゼーション層と、である。
【0003】
通常、金属セラミック基板は、構造化後又は構造化前に、小さい金属セラミック基板に分離されるマスターカードとして実現される。そのようなマスターカードは、所定の破断点及び/又は分離点を生成するためにレーザ光によって処理される。次いで、それぞれの金属セラミック基板を、例えば、それらを分離することによって、マスターカードから分離してもよい。ここでは、例えば、特許文献1に記載されているように、超短パルスレーザの使用が有利であることが証明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
この従来技術に基づいて、本発明は、金属セラミック基板、特にマスターカードにおける所定の破断点の生成を改善することを目的とする。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この課題は、請求項1に記載の金属セラミック基板を機械加工するための方法、及び請求項10に記載の金属セラミック基板によって解決される。更なる実施形態は、後続の特許請求の範囲、及び明細書に見出すことができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、金属セラミック基板を機械加工するための方法は、
金属セラミック基板を提供することと、
金属セラミック基板に所定の破断点を形成することと
を含み、
所定の破断点が、その方向に沿って、第1の深さを有する少なくとも第1の部分と、第2の深さを有する少なくとも第2の部分と、を有し、第1の深さとは異なる第2の深さが実現される。
【0008】
従来技術で知られている所定の破断点と比較して、本発明によれば、第1のセクション及び第2のセクションは、所定の破断点に対して第1の深さ及び第2の深さをもたらし、それによって所定の破断点の底部は、所定の破断点の方向に調整されることを実現する。それに応じて、特に第1の深さを有する第1のセクション、及び第1の深さとは異なる第2の深さを有する第2のセクションを用いて、所定の破断点の底部を調整することによって、対応する金属セラミック基板を一方では可能な限り完全に破断することが可能であり、他方では所望の安定性を有することが可能であり、これにより、特に所定の破断点の領域において、搬送中に意図せずに金属セラミック基板が破断することのない安全な搬送が保証されることが分かった。これにより、意図しない破損又は不意の破損によって誤って破損する金属セラミック基板の不合格品の総量が減少する。これらは、好ましくは、マスターカードの形態の金属セラミック基板である。
【0009】
特に、第1の深さ及び/又は第2の深さは、それぞれ第1のセクション及び第2のセクションにおける所定の破断点の底部から、主延長面に垂直な方向に、金属セラミック基板又はセラミック層の上側にも延びる仮想平面まで寸法決めされることが意図される。第1のセクション及び第2のセクションとは、特に、主延長面に対して斜めに傾斜したコースを有さない所定の破断点の底部における、そのようなセクションを意味する。これに関連して、特に、第2のセクションの直後に斜めに延びる底部が続く場合、第1のセクション及び/又は第2のセクションはまた、いずれの場合も、点形状であってもよい。例えば、それは、所定の破断点の底部において、ジグザグ形状のコースであってもよい。好ましくは、第1のセクションと第2のセクションとの間には、いずれの場合も、所定の破断点の底部が主延長面に対して斜めに延びる傾斜領域が設けられる。
【0010】
言い換えれば、第1のセクション及び第2のセクションは、特に、所定の破断点の底部が主延長面に対して斜めに延びる所定の破断点のセクションを含まない。第1のセクション及び第2のセクションとしてカウントされない所定の破断点の底部の部分、すなわち傾斜部分は、例えば、主延長面に対して垂直に延び、及び/又は主延長面に対して30°~60°、好ましくは40°~50°、より好ましくは42°~48°の角度で延びてもよい。特に、所定の破断点の底部のそれぞれの斜めに延在するセクションは、延在方向に沿って本質的に一定の傾斜を形成し、すなわち、特に、すべての傾斜角の平均値から10%、好ましくは5%、より好ましくは2%を超えて逸脱しない。
【0011】
好ましくは、第1の深さは、0.01mm~0.12mmの間、好ましくは0.02mm~0.1mmの間、より好ましくは0.02mm~0.08mmの間の値を有し、一方、第2の深さは、0.01mm~0.16mmの間、好ましくは0.02mm~0.12mmの間、より好ましくは0.02mm~0.1mmの間の値を有する。
【0012】
更に、金属セラミック基板は、セラミック要素又はセラミック層の上側に接合された少なくとも1つの金属層を備え、金属層及びセラミック要素は、主延長面に沿って延在し、主延長面に対して垂直に延在する積層方向に沿って上下に配置される。
【0013】
金属層の考えられる材料は、銅、アルミニウム、モリブデン、タングステン及び/又は例えば、CuZr、AlSi又はAlMgSiなどのそれらの合金、並びに例えば、CuW、CuMo、CuAl及び/又はAlCuなどの積層体、若しくは例えば、CuW、CuMo又はAlSiCなどのMMC(金属マトリックス複合材)である。更に、好ましくは、製造された金属セラミック基板上の金属層は、特に構造メタライゼーションとして表面改質される。表面改質として、例えば、貴金属、特に銀及び/若しくは金、又は(無電解)ニッケル若しくはENIG(「無電解ニッケル浸漬金」を用いた封止が、あるいは亀裂の形成又は膨張を抑制するための金属層上のエッジカプセル化が、考えられる。
【0014】
好ましくは、セラミック要素は、セラミックの材料として、Al2O3、Si3N4、AlN、HPSXセラミック(すなわち、xパーセンテージのZrO2からなるAl2O3マトリックス、例えば9%のZrO2=HPS9を有するAl2O3、又は、25%のZrO2=HPS25を有するAl2O3を有するセラミック)、SiC、BeO、MgO、高密度MgO(理論密度の90%超)、TSZ(正方安定化酸化ジルコニウム)を有する。セラミック要素は、複合又はハイブリッドセラミックとして構成されることも考えられ、その場合、それぞれが材料組成に関して異なるいくつかのセラミック層が互いに重ねて配置され、様々な所望の特性を組み合わせるために互いに接合されてセラミック要素を形成する。好ましくは、可能な限り低い熱抵抗のために、可能な限り熱伝導性であるセラミックが使用される。
【0015】
好ましくは、金属層は、AMBプロセス及び/又はDCBプロセス及び/又は熱間静水圧プレスによって絶縁層に接合される。拡散接合プロセスによって、又は厚膜コーティングプロセスによって接合することも考えられる。
【0016】
当業者は、「DCBプロセス」(直接銅接合技術)又は「DAB処理」(直接アルミニウム接合技術)が、例えば、表面側に、層又はコーティング(融着層)を有する金属若しくは銅シート、又は金属若しくは銅箔を使用して、金属層若しくはシート(例えば、銅シート若しくは箔、又はアルミニウムシート若しくは箔)を互いに、及び/又はセラミック若しくはセラミック層に接合するために使用される、そのようなプロセスを意味することを理解する。例えば、米国特許第3744120号明細書又は独国特許第2319854号明細書に記載されているこのプロセスでは、この層又はコーティング(融着層)は、金属(例えば銅)の溶融温度より低い溶融温度で共融物を形成し、これにより、箔をセラミック上に配置し、すべての層を加熱することによって、本質的に融着層又は酸化物層の領域においてのみ金属又は銅を溶融することによって、それらは、互いに接合され得る。
【0017】
具体的には、DCBプロセスは、例えば、
-均一な酸化銅層が形成されるように銅箔を酸化し、
-セラミック層上への銅箔を配置し、
-その複合材を約1025℃~1083℃の間、例えば約1071℃のプロセス温度まで加熱し、
-周囲温度に冷却する、
以上のプロセス段階を有する。
【0018】
例えば、金属層又は金属箔、特に銅層又は銅箔をセラミック材料と接合するための活性はんだプロセスは、金属セラミック基板の製造にも特に使用されるプロセスであると理解され、結合は、銅、銀及び/又は金などの主成分に加えて活性金属も含むはんだを使用して、約650~1000°Cの間の温度で、金属箔、例えば銅箔と、セラミック基板、例えば窒化アルミニウムセラミックとの間で生成される。この活性金属は、例えば、Hf、Ti、Zr、Nb、Ce族のうちの少なくとも1つの元素であり、化学反応によってろう付けはんだとセラミックとの間の接合を確立し、ろう付けはんだと金属との間の接合は、金属ろう付けはんだ接合部である。あるいは、接合のために、厚いコーティングプロセスが考えられる。
【0019】
熱間静水圧プレスにおいて、容器、特に金属容器は、加熱加圧装置内で、100~2000バール(10~200MPa)の間、好ましくは150バール~1200バール(15~120MPa)の間、より好ましくは300~1000バール(30~100MPa)の間のガス圧と、300℃のプロセス温度まで、金属層及び/又は更なる金属層の溶融温度まで、特に金属層及び/又は更なる金属層の溶融温度より低い温度までに供されることが好ましい。したがって、有利には、直接金属接合プロセス、例えばDCBプロセス又はDABプロセスの必要な温度に達することなく、及び/又は能動はんだ付けに使用されるはんだ基材なしで、金属層、すなわち金属容器の金属層及び/又は更なる金属層をセラミック要素に接合することが可能であることが分かった。更に、適切なガス圧の利点又は使用は、可能な限り空隙がない、すなわち金属層とセラミック要素との間にガスが含まれない金属セラミック基板を製造する可能性がある。特に、独国特許出願公開第102013113734号明細書に記載され、熱間静水圧プレスに関連して明示的に参照されるプロセスパラメータが使用される。
【0020】
好ましくは、所定の破断点の生成中に生成された粒子は、吸引装置によって吸引されるようになっている。そのような吸引装置は、処理中に、特に昇華によって生成されたセラミック粒子が金属セラミック基板の上側から吸引されるように特に構成された吸引流を引き起こす。好ましくは、この場合、吸引装置は、本質的に金属セラミック基板のレベルに配置され、吸引流を基板の主延長面に本質的に平行に、特に基板表面の近傍に流す。その結果、昇華によって形成されたセラミック粒子は、レーザパルスによる処理中に側方に吸引される。
【0021】
好ましくは、金属セラミック基板が、所定の破断点の形成中に静止して配置されること、及び/又はレーザ光が、所定の破断点を形成するために金属セラミック基板上を移動すること、を実現し、すなわち、金属セラミック基板は、好ましくは、金属セラミック基板を分離するための所定の破断点を生成する目的で、処理中に静止して配置される。「静止」とは、任意の場所に固定されているか、又は任意の場所に回転可能/旋回可能に固定されていることを意味する。この目的のために、例えば、好ましくはマスターカードとして提供される金属セラミック基板は、保持要素内で固定される。そのような保持要素は、例えば、金属セラミック基板の下側で、対応する真空によってプロセス中に保持要素内で金属セラミック基板を固定する吸引装置を備える。所定の破断点の生成中に金属セラミック基板を固定又は静止的に配置することにより、特に金属セラミック基板上へのレーザビームの複数の通過が実施される場合、微細な構造及び正確な形状の所定の破断点を有利な方法で生成し得る。好ましくは、UKPシステムのレーザビームは、所定の破断点の計画されたコースに沿って、好ましくは数回通過するように移動する。金属セラミック基板を横断するレーザビームは、毎秒0.1~2mの間、好ましくは毎秒0.8~1.5mの間の処理速度がある。
【0022】
好ましくは、第1のセクション及び第2のセクションは、2つの所定の破断点の交点の外側で実現される。これにより、マスターカード全体にわたる有利な破砕挙動が保証され、目標とする脆弱化は、上下に位置する交点のエリアでのみ設定されない。特に、第1のセクション又は第2のセクションは、2つの所定の破断点の交点にのみ形成されないことが意図される。特に、所定の破断点によってマスターカードを市松状に分割するために、交点で交差する所定の破断点は、互いに垂直に延びる。
【0023】
好ましくは、第1の深さT1と第2の深さT2との比は、0.05~1の間、好ましくは0.2~0.8の間、より好ましくは0.4~0.6の間である。特に、第1の深さの約2倍の大きさの第2の深さにおいて、取扱いに特に好適な所定の破断点を有する金属セラミック基板を提供することができ、同時に所定の破断点に沿って十分に良好な破断挙動を有することが分かった。
【0024】
更に、第1のセクションの第1の深さは、所定の破断点の方向に寸法決めされた第1の長さにわたって実質的に一定のままであること、及び/又は第2のセクションの第2の深さは、所定の破断点の方向に寸法決めされた第2の長さにわたって実質的に一定のままであることが特に好ましい。特に第1の長さ及び/又は第2の長さが一定期間にわたって一定である対応する調整の生成は、迅速で、多大な労力なしに実現され得る。
【0025】
好ましくは、第1の長さは、0.05mm~5.0mmの間、好ましくは0.05mm~2.0mmの間、より好ましくは0.05mm~0.01mmの間の値を有する一方で、第2の長さは、0.05mm~5.0mmの間、好ましくは0.05mm~2.0mmの間、より好ましくは0.05mm~0.01mmの間の値を有する。
【0026】
更に、第2の長さに対する第1の長さの比は、1.5未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.25未満であることが特に好ましい。
特に、第1の長さが第2の長さにほぼ等しく、その結果、その調整に関して、所定の破断点の底部の特に対称的なコースが得られることを実現することが特に好ましい。特に、間隔は、第1のセクションが点形状であり、したがって比が実質的に0であるような比も含む。これらの実施形態では、底部セクションは、主延長面に垂直であり、セクションの方向を通る断面において実質的に三角形の形状を形成する。
【0027】
上側及び下側の金属セラミック基板上に所定の破断点が生成され、これらは主延長面に垂直に延びる方向に互いに実質的に一致して配置される場合、特に好ましい。これに関連して、上側の第1のセクション及び第2のセクションは、下側の対応する第1のセクション及び第2のセクションに対して、上記方向に見て、互いに同じ位置又はオフセットで配置されることが考えられる。
【0028】
好ましくは、第1のセクション及び第2のセクションは、周期的に交互になるように設けられる。言い換えれば、上記方向に沿って、所定の破断点のアーチの接続する傾斜コースから離れて、第1のセクションと第2のセクションとが連続的に交互になる。好ましくは、傾斜エリアは、第1のセクションと第2のセクションとの間に形成される。
【0029】
好ましくは、所定の破断点は、好ましくは第1及び/又は第2の深さとは異なる、上記方向に垂直な方向に第3の深さを有する。これにより、例えば、上記方向に垂直な平面又は断面における所定の破断点のW字形又はW字形の輪郭が形成される。このような深さの増大は、例えば、所定の破断点の形成につながるレーザ光による、更なる通過に対する数回の通過の間にレーザ光をわずかにオフセットすることによって実現され得る。
【0030】
好ましくは、第1のセクション又は第2のセクションにおける所定の破断点は、上記方向に平行な平面内で台形又は三角形の形状を有する。これにより、所定の破断点に対して実質的に有利な底部セクションが得られる。
【0031】
好ましくは、所定の破断点は、レーザ光、特に超短パルスレーザによる機械加工によって生成され、所定の破断点を形成する過程で、金属セラミック基板は、機械加工前、機械加工中、及び/又は機械加工後に温度処理を受け、特に冷却、特に機械加工後に、4℃/分未満、好ましくは2℃/分未満、より好ましくは0.5℃/分未満の冷却速度で行われる。目標とする温度処理、特に金属セラミック基板の目標とする冷却は、製造された金属セラミック基板の熱機械的応力を防止することができ、破壊された金属セラミック基板の耐熱衝撃性を永続的に改善し得ることが分かった。
【0032】
好ましくは、UKPレーザは、0.1~800ps、好ましくは1~500ps、より好ましくは10~50psのパルス持続時間で、光パルスを提供するレーザ源である。このようなパルスによって、特に0.2~8m/sの間の処理速度で所定の破断点を生成することが特に有利であることが判明しており、これは、所定の破断点内の溶融セラミックと亀裂形成との間の特に好ましい比率を有し、それによって、破断中に選抜された金属セラミック基板に損傷が生じることなく、所定の破断点に沿った特に信頼性のある又は成功した破断が保証され得る。特に、CO2レーザによる処理と比較して、セラミックの機械的特性に影響を及ぼす可能性があり、そうでなければ金属セラミック基板のメタライゼーションによって誘発されて容易に拡張する可能性がある、金属セラミック基板への応力を低くする。これは、廃棄することになるか、又は少なくとも金属セラミック基板の寿命に影響を及ぼす可能性がある。超短パルスレーザ光を使用するこの効果は、パルスレーザ光の使用が温度処理を伴うときに、特に顕著であることが示されている。特に、金属セラミック基板の破砕の成功率が、更に向上され得る。
【0033】
本発明の別の目的は、本発明によるプロセスによって製造された、所定の破断点を有する金属セラミック基板である。本方法について記載した特性及び利点のすべては、金属セラミック基板にも同様に適用される。特に、金属セラミック基板は、特にマスターカードとして、第1の深さを有する第1の部分と、第2の深さを有する第2の部分と、を有することによって特定され、第1の深さは、第2の深さとは異なるものである。
【0034】
更なる利点及び特徴は、添付の図面を参照して、本発明の主題の好ましい実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。したがって、個々の実施形態の個々の特徴は、本発明の範囲内で組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の第1の例示的な実施形態による金属セラミック基板を機械加工するためのプロセスの概略図である。
【
図2a】従来技術による所定の破断点を示す図である。
【
図2b】本発明の第2の例示的な実施形態による所定の破断点を示す図である。
【
図2c】本発明の第3の例示的な実施形態による所定の破断点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態による金属セラミック基板1を機械加工するための方法を概略的に示している。そのような金属セラミック基板1は、好ましくは、特に、金属セラミック基板1に接続され得る電子部品又は電気部品のためのキャリアとして作用する。このような金属セラミック基板1の必須構成要素は、主延長面HSEに沿って延在するセラミック層又はセラミック要素と、セラミック層に接合された金属層と、である。セラミック層は、セラミックを含む少なくとも1つの材料で作られる。この場合、金属層及びセラミック層は、主延長面HSEに対して垂直に延在する積層方向に沿って上下に配置され、製造された状態で、少なくとも一部の領域で接合面を介して強固に接合される。好ましくは、次いで、金属層は、電気部品のための導電路又は接続点を形成するように構造化される。例えば、この構造化は、金属層にエッチングされる。しかしながら、事前に、金属層とセラミック層との間に永久接合、特に強固に接合された接合が形成されなければならない。
【0037】
金属層をセラミック層に恒久的に接合するために、特にDCB又はDAB接合プロセスにおいて金属セラミック基板を製造するためのシステムは、セラミック層と少なくとも1つの金属層との積層構成を加熱し、したがって接合を実現する炉を備える。例えば、金属層は、銅から作られた金属層であり、金属層とセラミック層とは、DCB(直接銅接合)プロセスを使用して互いに接合される。あるいは、活性はんだ付けプロセス又は厚膜プロセスを使用して、金属層をセラミック層に接合し得る。熱間静水圧プロセスによって、又は拡散接合によって接合することも考えられる。
【0038】
特にDCBプロセス、能動はんだ付けプロセス、拡散接合プロセス、熱間静水圧プレス、及び/又は厚膜コーティングプロセスによって接合した後、金属セラミック基板1は、マスターカードとして提供される。そのようなマスターカードは、いずれの場合でも、個片化された金属セラミック基板1を提供するために、後続のプロセスで個片化されることになる。好ましくは、そのような分離のために、レーザ光10、特に超短パルスレーザ光によってマスターカードを処理することが意図されている。そうすることで、レーザ光10による分離を直ちに実現し、及び/又は後続のプロセスでマスターカードがそれに沿って切断される所定の破断点7を形成して、個片化された金属セラミック基板1を形成することができる。超短パルスレーザでは、当業者は、特に、そのパルス長がナノ秒未満であるレーザパルスを放射するそのようなレーザ源を理解する。好ましくは、パルス持続時間は0.1~100psの間である。また、パルス持続時間が、フェムト秒の範囲、すなわち、パルス長が0.1fs~100fsであることが考えられる。あるいは、CO
2レーザの使用も考えられる。
図1に示す例示的な実施形態では、金属セラミック基板1は、保持要素40内に配置される。
【0039】
特に、金属セラミック基板1は、保持要素40によって定位置に固定されることが意図される。特に、金属セラミック基板1上の方向Vに沿った特定のコースを有する所定の破断点7uを生成するために、レーザ光10又はレーザビームが金属セラミック基板1上を移動することを実現する。言い換えれば、金属セラミック基板1をレーザ光10に対して移動させるか又はその整列配置する代わりに、金属セラミック基板1上を移動したレーザ光10が、それぞれの照射点で所定の破断点7及び/又は切断線を生成するように、レーザ光10又はレーザビームの整列配置をもたらすことが好ましい。所定の破断点7は、連続的及び/又は断続的であり、すなわち所定の破断点7は、穿孔として存在することが考えられる。この場合、金属セラミック基板1上を移動するレーザ光10は、0.1~2m/sの間、好ましくは0.8~1.5m/sの間の処理速度である。あるいは、金属セラミック基板1を変位させて、金属セラミック基板1に照射するレーザ光10の位置を変化させることが考えられる。
【0040】
特に、レーザ光10を整列させるために、レーザ光10はミラー要素30に向けられることが考えられる。レーザ光10は、ミラー要素30で反射された後、金属セラミック基板1に照射される。これに関連して、ミラー要素30は、レーザ光10を金属セラミック基板1上の特定の処理エリア又は特定のエリアと位置合わせするために、旋回可能に取り付けられる、特に少なくとも2つの軸の周りに旋回可能に取り付けられることが特に実現される。更に、ミラー要素30と金属セラミック基板1との間に、レンズ20、好ましくはfΘレンズが配置されることが好ましい。特に、レンズ20は、特にマスターカードとして、金属セラミック基板1の長さ及び/又は幅に対応する長さにわたって、実質的にレーザ光10の照射方向に実質的に垂直な平面に沿って延在する。言い換えれば、金属セラミック基板1上を移動するレーザ光10は、加工エリアによらず常に同じレンズ20を通過する。
【0041】
焦点距離が300mmを超え、好ましくは350mmを超え、特に好ましくは420mmを超えるレンズ20を使用することが特に有利であることが分かった。レンズ20の焦点距離に本質的に対応する金属セラミック基板1からの距離にレンズ20を配置することにより、金属セラミック基板1の主延長面HSEに垂直な垂直方向に対して、比較的わずかに傾斜した所定の破断点又は所定の破断凹部7を形成することが可能になる。そうでなければ、本質的にV字形又はノッチ形状の所定の破断点7である傾斜角を見込む必要がある。これは、特に、金属セラミック基板1の縁部に形成された所定の破断点7に適用される。このような傾斜した位置は、特に、レーザ光10又はレーザビームが、金属セラミック基板1の全範囲にわたって見られるように、金属セラミック基板1に均一に垂直に照射され得ないという事実によって引き起こされる。
【0042】
しかしながら、300mmを超える焦点距離を使用することによって、特に金属セラミック基板1の縁部領域におけるこの傾斜は、金属セラミック基板1の垂直方向に対して測定又は参照される傾斜角が12°未満、特に好ましくは10°未満であるように低減される。特に、金属セラミック基板1の中央の所定の破断点7の方向と比較した傾斜角の偏差は、12°よりも大きくならないことが分かる。したがって、有利には、破断挙動が実質的に金属セラミック基板1全体にわたって均一に分布する所定の破断点7を形成することが可能である。
【0043】
また、吸引装置25が設けられる。吸引装置25は、金属セラミック基板1又は保持要素40から横方向にオフセットして配置される。吸引装置25は、気体を吸引可能な開口部を有する。特に、吸引装置25は、昇華した粒子が機械加工プロセス中に金属セラミック基板1の表面又は上側から確実に吸引されるように機能する。これらの昇華したセラミック粒子は、超短パルスレーザ光による金属セラミック基板1の処理中に生成されたプラズマ形成又はプラズマ火炎6の結果である。横方向の配置に加えて、分割される金属セラミック基板1の上方の吸引装置25の配置も考えられ、開口部は金属セラミック基板1に向けられている。
【0044】
特に、それは、金属セラミック基板1が、所定の破断点7を生成の過程で、時間的にレーザ光10による機械加工前及び/又は機械加工中及び/又は機械加工後に、所定の破断点7の生成中に温度処理を受けることを実現する。特に、温度処理は、急激な温度変化又は強い温度変化を回避するように、金属セラミック基板1内の温度発現を制御するように構成される。これは、金属セラミック基板1における熱機械的に誘発される応力の形成を有利に低減する。これは、製造された、特に分割された金属セラミック基板1の耐熱衝撃性が改善され、シェル破壊に対する傾斜が低減され、特に垂直に延びる亀裂に対する傾斜を低減し得るという事実につながる。
【0045】
特に、当業者は、「所定の破断点を生成する過程で、」によって、温度上昇がレーザ光10を用いた機械加工のために起こり、以前に発生した温度上昇、例えばDCBプロセス及び/又は能動はんだ付けプロセスの過程で金属層をセラミック層に接合するとき、あるいは金属セラミック基板1の製造後、例えば動作中に起こる熱の発生のとき、を指すものではないことを理解する。この目的のために、例えば、金属セラミック基板1の加熱は、所定の破断点7を生成するために金属セラミック基板1を機械加工103する前に、15分以内、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内に行われる。レーザ光10による機械加工後の温度処理についても同様である。
【0046】
例えば、この目的のために、金属セラミック基板1は、機械加工の前、又はレーザ光10による機械加工の前に、特に40°Cを超える、好ましくは80°Cを超える、より好ましくは150°Cを超える温度まで加熱される。特に、これにより、加熱102は、レーザパルス自体によって実行される熱入力をもたらし、好ましくは、比例して減少される短時間の熱入力をもたらす。特に、この目的のために、温度処理は、5°C/分未満、好ましくは3°C/分未満、より好ましくは0.5°C/分未満の加熱速度で行われる。
【0047】
好ましくは、冷却は、4°C/分未満、好ましくは2°C/分未満、より好ましくは0.5°C/分未満の冷却速度で行われる。金属セラミック基板1の機械加工中の温度処理は、特に、例えば、任意の位置を複数回通過する場合、レーザビーム又はレーザ光10は、第1の通過と、続く第2の通過とで同じ位置を通過することを意味する。第1の通過と第2の通過との間の具体的に調整可能な時間間隔によって、機械加工中の金属セラミック基板1の冷却が、目標とする方法で実施され得る。代替的又は追加的に、第2の通過までの時間間隔を設定することに加えて、金属セラミック基板1を更に冷却することも考えられる。これにより、第2の通過までの時間間隔を短くすることができ、所定の破断点7を形成しつつ、金属セラミック基板1を製造又は機械加工する製造プロセス全体を高速化し得る。
【0048】
目標とする方法で金属セラミック基板1の温度処理を実行するために、例えば、保持要素40は、好ましくは所定の破断点7又は計画された所定の破断点7の下で、主延長面HSEに垂直に延びる方向に配置された、例えば加熱要素50を有することが考えられる。これに関して、対応する加熱要素50は、例えば、保持要素40内に配置されてもよく、及び/又は保持要素40の外側に取り付けられてもよい。例えば、保持要素40が金属セラミック基板を備えているとき、加熱要素50は金属セラミック基板1に直接隣接する。また、保持要素40は、金属セラミック基板1を主延長面HSEに平行な方向に積極的及び/又は非積極的に固定することが好ましい。結果として、保持要素40は、金属セラミック基板1を位置決めするために更に使用され得る。あるいは、保持要素40の内側又は外側に加熱要素50を形成するために、保持要素40全体は、金属セラミック基板1を加熱及び/又は冷却するために、加熱される、及び/又は選択的に冷却される、ことも考えられる、及び/又は補完的に考えられる。この目的のために、保持要素40は、好ましくは、比較的高い熱伝導率、特に、100W/mKを超える、好ましくは200W/mKを超える、特に好ましくは400W/mKを超える熱伝導率を有する材料で作られる。
【0049】
好ましくは、保持要素40は、例えば、保持要素40の中又はその上に、規則的に及び/又は不規則に分布する加熱コイル又は加熱要素50によって加熱される。好ましくは、加熱コイル又は加熱要素50は、主延長面HSEに垂直な方向において、計画された所定の破断点7の下に少なくとも部分的に一致して配置される。
【0050】
図2aは、最新技術による所定の破断点7を示している。特に、これは、方向Vに沿った断面図であり、特にその底部又は基部において、所定の破断点7の輪郭を見ることができる。特にセラミック層に陥没した所定の破断点7は、金属セラミック基板1、特に、所定の破断点7が陥没した金属セラミック基板1のセラミック層の上面OSと、底部との間の主延長面HSEに垂直な方向に測定された第1の深さT1を有する。これに関連して、第1の深さT1は、特に、考え方に関して、セラミック層の上側OSを連続する平面、すなわち、上側OSと平行に延びる平面と常に呼ばれる。従来技術による例示的な実施形態は、主延長面に対して斜めに延在するコースとは別に、従来技術による所定の破断点7が、最初及び最後に実質的に一定の第1の深さT1を有することを示している。これに関連して、当業者は、第1の一定の深さT1が、進行方向Vに沿って10%未満、5%未満、及び2%未満で変化するものであると理解する。
【0051】
図2bは、本発明の好ましい実施形態による所定の破断点7を示している。特に、
図2bの所定の破断点7は、第1のセクションA1及び第2のセクションA2を有し、第1のセクションA1の第1の深さT1は、第2のセクションA2の第2の深さT2とは異なる。特に、第1のセクションA1又は第2のセクションA2は、それぞれ、所定の破断点7の、又は所定の破断点7の底部の、そのような部分セクションであると理解され、それは、主延長面HSEに本質的に平行な方向Vに沿って延びる。言い換えれば、所定の破断点7における第1のセクションA1及び第2のセクションA2は、主延長面HSEに対して本質的に斜めに延びる、底部又は所定の破断点7上のセクションを除外し、例えば、上面OSを第1のセクションA1と接続し、及び/又は第1のセクションA1を第2のセクションA2と接続する。
【0052】
図2bに示す例示的な実施形態では、方向Vに平行に寸法決めされた第1のセクションA1の第1の長さL1は、第2のセクションA2の第2の長さL2に実質的に対応する。更に、
図2bから、第2のセクションA2の第2の深さT2は、第1のセクションA1の第1の深さT1の実質的に2倍であることが分かる。更に、第1のセクションA1と第2のセクションA2とが方向Vの方向に交互になって、それにより所定の破断点7の底部の周期的パターンを形成することが好ましい。異なる深さで所定の破断点7を形成することが分かった、すなわち、第1の距離A1及び第2のセクションA2に対して少なくとも第1の深さT1及び第2の深さT2は、特にマスターカードの形態で金属セラミック基板1の十分な安定性の提供に適しており、それによって特にその輸送を可能にする。同時に、異なる深さT1、T2は、所定の破断点7に沿ったほぼ排他的でない破断を可能にする。
【0053】
特に、所定の破断点7の底部は、第1のセクションA1及び第2のセクションA2を形成するように、方向Vに沿って連続的に、特に連続的で周期的に調整されることを実現する。特に、底部は、主延長面HSEに垂直で方向Vを通過する断面図の断面において、台形及び/又は三角形の断面を有するものになる。
【0054】
このような所定の破断点7を得るためには、例えば、レーザ光10がセラミック層を通過する頻度が、第1のセクションA1よりも第2のセクションA2の方が高いことが考えられる。あるいは、第1の深さT1を有する凹部が生成された後、マスキング要素、特に適切にパターニングされたマスキング要素が、セラミック層上に配置され、これにより、光がマスキング要素内の非陰影エリアを通ってセラミック層にのみ到達し、そこでセラミック材料が除去されることが考えられる。このようにして、適切に調整された所定の破断点7を実現し得る。
【0055】
図2cに示す本発明の例示的な実施形態では、第2のセクションA2の第2の長さL2は、第1のセクションA1の第1の長さL1よりも長いことが更に実現される。特に、第1のセクションA1は、所定の破断点7の底部で三角形を形成するように、実質的に点形状になる。
【符号の説明】
【0056】
1 金属セラミック基板
6 プラズマ火炎
7 所定の破断点
10 レーザ光
20 レンズ
25 吸引装置
30 ミラー要素
50 発熱要素
A1 第1のセクション
A2 第2のセクション
T1 第1の深さ
T2 第2の深さ
V 方向
OS 上面
HSE 主延長面
【手続補正書】
【提出日】2022-11-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属セラミック基板(1)を機械加工するための、特に所定の破断点を生成するための方法であって、
金属セラミック基板(1)を提供することと、
金属セラミック基板(1)に所定の破断点(7)を形成することと
を含み、
所定の破断点(7)が、その方向(V)に沿って、第1の深さ(T1)を有する少なくとも第1の部分(A1)と、第2の深さ(T2)を有する少なくとも第2の部分(A2)と、を有し、第1の深さ(T1)とは異なる第2の深さ(T2)が実現され
、
第1の部分(A1)及び第2の部分(A2)は、2つの所定の破断点(7)の交点の外側で実現され、
第1の部分(A1)の第1の深さ(T1)は、所定の破断点(7)の方向(V)に寸法決めされた第1の長さ(L1)にわたって実質的に一定のままであり、
第2の部分(A2)の第2の深さ(T2)は、所定の破断点(7)の方向(V)に寸法決めされた第2の長さ(L2)にわたって実質的に一定のままである、方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の方法において、
第1の深さ(T1)と第2の深さ(T2)との比は、0.2から0.8の間、好ましくは0.3から0.7の間、特に好ましくは0.4から0.6の間の値を有する、方法。
【請求項3】
請求項
1に記載の方法において、
第2の長さ(L2)に対する第1の長さ(L1)の比は、1.5未満、好ましくは0.5未満、より好ましくは0.25未満である、方法。
【請求項4】
請求項1~
3のうちいずれか一項に記載の方法において、
第1の部分(A1)及び第2の部分(A2)は、周期的に交互になるように設けられる、方法。
【請求項5】
請求項1~
4のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、好ましくは第1の深さ(T1)及び/又は第2の深さ(T2)とは異なる、前記方向(V)に垂直な方向に第3の深さを有する、方法。
【請求項6】
請求項1~
5のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、前記方向(V)に平行な平面内で台形又は三角形の形状を有する、方法。
【請求項7】
請求項1~
6のうちいずれか一項に記載の方法において、
所定の破断点(7)は、レーザ光(10)、特に超短パルス(UKP)レーザによる機械加工によって生成され、所定の破断点(7)を形成する過程で、金属セラミック基板(1)は、機械加工前、機械加工中、及び/又は機械加工後に温度処理を受け、特に機械加工後、4℃/分未満、好ましくは2℃/分未満、より好ましくは0.5℃/分未満の冷却速度で冷却が行われる、方法。
【請求項8】
請求項1~
7のうちのいずれか一項に記載の方法によって製造された、所定の破断点(7)を有する、金属セラミック基板。
【国際調査報告】