(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】食事調理機
(51)【国際特許分類】
F24C 7/04 20210101AFI20240314BHJP
【FI】
F24C7/04 301Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558718
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 IL2022050323
(87)【国際公開番号】W WO2022201157
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523363361
【氏名又は名称】ジャフィー,シャイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ジャフィー,シャイ
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA04
3L087BB20
3L087BC01
3L087DA28
(57)【要約】
食事調理機と、食事調理機を用いる食事調理方法に関し、それぞれは、識別子を有する食事パッケージ(MP)を食事調理機に受け取り、少なくとも1つのセンサを用いて受け取ったMPの識別子の1つ以上の特性を感知して、感知した1つ以上の特性を示すセンサデータを出力し、センサデータに基づいて各MPの食事調理コードを識別し、識別した各MPの食事調理コードに関連付けられた食事調理計画を検索し、検索した食事調理計画に基づいて各MPの食事の調理を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食事調理機であって、
識別子を有する食事パッケージ(MP)を受け取り、少なくとも1つのセンサを用いて受け取った前記MPの前記識別子の特性のうち少なくとも1つを感知するように構成されたパッケージ処理サブシステムと、
数種類の食事を調理するように構成された1つ以上の食事調理機構と、
受け取った前記MPのそれぞれに関連する前記少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信し、受信した前記センサデータを用いて特定のMPの食事識別コードを認識し、各MPの識別した前記食事識別コードに基づいて前記特定のMPに関連付けられた食事調理計画を検索し、前記特定のMPに対して検索された前記食事調理計画に基づいて前記1つ以上の食事調理機構を制御するように構成された中央制御装置と、
を備える、食事調理機。
【請求項2】
各食事調理計画は、前記特定のMPにおける特定の種類の食事を調理するために前記食事調理機における制御型構成要素を動作させる、前記MPの特定食事種類調理用の命令及び/または制御コマンドを含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項3】
前記識別子は、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、トランスポンダチップ、磁気ストライプのうちいずれか1つを含み、前記少なくとも1つのセンサは、カメラ、光学センサ、バーコードスキャナ、磁気ストライプセンサ、RFIDセンサのうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項4】
前記1つ以上の食事調理機構は、
1つ以上の追加物質を分配する、1つ以上の制御型ディスペンサを含む分配サブシステムと、
密封されていないフリーズドライ食事パッケージのフリーズドライ食品を受け取り、前記分配サブシステムの前記1つ以上のディスペンサから1つ以上の追加物質を受け取り、前記フリーズドライ食品を、分配された前記1つ以上の追加物質と混合し、混合物を得るように構成された、混合サブシステムと、
前記混合物を受け取り、加熱して料理するように構成された料理サブシステムと、
を含み、
前記中央制御装置は、各MPの前記食事調理計画に基づいて、前記パッケージ処理サブシステム、前記分配サブシステム、前記混合サブシステム、前記料理サブシステムのそれぞれの各構成要素の作業を制御するように構成されている、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項5】
前記1つ以上の食事調理機構が、前記特定のMPの前記食事調理計画に基づいて、前記混合サブシステムから前記混合物を受け取り、それを所望の形状に成形するように構成された成形サブシステムを更に含む、請求項4に記載の食事調理機。
【請求項6】
包装部は、パッケージ開封分配機構を更に含み、前記分配機構は、パッケージホルダを備え、前記パッケージホルダは、挿入されたMPを保持するパッケージホルダ傾斜壁の傾斜と一致する角度の傾斜面を持つMPを中に受け入れる下部傾斜壁を有し、前記MPを保持するときは、封止カバーが上面を覆っているMPのもう一方の面が、前記パッケージ開封分配機構の、前記MPの前記封止カバーを取り除くための封止除去機構に対向する位置に保持し、前記MPの前記傾斜面と前記パッケージホルダは、前記MPの封止を取り除いたとき、前記MPの内容物が前記傾斜に沿ってMPから注ぎだされるようにする、請求項4に記載の食事調理機。
【請求項7】
前記封止除去機構は、
摺動トラックと、
制御された方式で前記摺動トラックに沿って摺動する制御型オープナー要素と、
を含み、
各MPの封止カバーは突出タブを有し、
前記除去機構の前記パッケージホルダにおける前記下部傾斜壁の縁は、前記MPの前記封止カバーのタブが前記封止カバーの他の部分に対して角度をつけて位置決めできるようにする湾曲型タブ支持体を有し、
制御型オープナー要素は、前記MPがパッケージホルダの中にあるとき、前記オープナー要素が前記封止カバーの前記タブに固定され、前記摺動トラックに沿って摺動して前記タブと、それに一体的に接続されている前記封止カバーを引っ張るように構成されており、それによって前記MPの少なくとも一部を開封する、請求項6に記載の食事調理機。
【請求項8】
前記制御型オープナー要素はフックを有し、前記MPの封止カバーのタブはスロットを有する、請求項7に記載の食事調理機。
【請求項9】
MPを挿入できる少なくとも1つの開口部と、調理済みの食事を取り出すことができる少なくとも1つドアとを有するハウジングを更に含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項10】
ユーザ入力の受信、及び調理プロセスに関する情報の表示のうちの少なくともいずれか一方を行うように構成されたインタフェース装置を更に含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項11】
前記中央制御装置は、ユーザ入力からの情報に従って前記特定のMPの前記食事調理計画を調整することにより、ユーザ入力にも応じて食事調理を制御するように更に構成されている、請求項10に記載の食事調理機。
【請求項12】
前記パッケージ処理サブシステムは、様々なサイズ及び寸法のうちの少なくともいずれか一方の食事パッケージの誘導、保持、開封を可能とするように構成されている、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項13】
各MPは、粉末、チャンク、フレークのうち1つ以上の形態をとるフリーズドライ食品を含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項14】
MPを分配するように構成されたMP分配機構を更に含む、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項15】
前記特定のMPに関連付けられた前記食事調理計画を、食事識別コードリストを含む記憶部から検索することができ、各食事識別コードは、前記食事調理計画に関連付けられている、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項16】
前記記憶部は、前記中央制御装置からなるか、或いは前記中央制御装置から遠隔に位置する、請求項15に記載の食事調理機。
【請求項17】
前記中央制御装置は、遠隔モバイル装置と通信を行い、前記遠隔モバイル装置からユーザ入力を受信する通信モジュールを更に含み、また、前記中央制御装置は、受信した前記ユーザ入力に基づいて前記食事調理計画を調整し、調整済み食事調理計画を作成して、前記調整済み食事調理計画に基づいて食事調理を制御するように更に構成されている、請求項1に記載の食事調理機。
【請求項18】
食事調理機を使用する食事調理方法であって、
識別子を有する食事パッケージ(MP)を前記食事調理機に受け取るステップと、
少なくとも1つのセンサを用いて受け取った前記MPの前記識別子の1つ以上の特性を感知して、感知した前記1つ以上の特性を示すセンサデータを出力するステップと、
前記センサデータに基づいて各MPの食事調理コードを識別するステップと、
識別した各MPの前記食事調理コードに関連付けられた食事調理計画を検索するステップと、
検索した前記食事調理計画に基づいて各MPの食事の調理を制御するステップと、を含む方法。
【請求項19】
受け取った前記MPの食事の調理は、
パッケージ封止除去機構を用いて受け取った前記MPを開封するステップと、
前記MPからフリーズドライ食品をミキサーボウルに移すステップと、
混合物を形成する1つ以上の制御型ディスペンサを用いて前記ミキサーボウルに少なくとも1つの追加材料を分配するステップと、
前記フリーズドライ食品を前記少なくとも1つの追加材料と混合して混合物を形成するステップと、
前記混合物を少なくとも1つの料理用型に入れるステップと、
前記食事調理機の1つ以上の加熱要素を用いて前記混合物を料理するステップと、を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ユーザインタフェース及び遠隔ユーザのモバイル装置のうちの少なくともいずれか一方からユーザ入力を受信するステップと、
前記ユーザ入力に基づいて食事の種類の選択、及び検索した前記食事調理計画の調整のうちの少なくともいずれか一方を行い、調整済み食事調理計画を作成するステップと、を更に含み、
各食事の調理は前記調整済み食事調理計画を用いて行われる、請求項18の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を調理する、より具体的には特定の食事を調理するための機械、器具、システム、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、調理時間と調理作業がほとんど必要なく、迅速かつ簡単に用意することができる調理済み食品に対する需要がますます増加している。半調理食品の多くは電子レンジや熱湯があれば食べられるが、特定の種類の乾燥食に限られる。
【0003】
食品の自動販売機は、ユーザが選択を入力して料金を支払うと、スナック、サンドイッチなど、包装調理済み食品を提供する。
【0004】
コーヒーマシンは、コーヒーカプセルを受け取り、ユーザが入力パネルに入力した選択に基づいて、ラテ、エスプレッソ、マキアート、カプチーノなどの様々なのコーヒーを淹れることができる。
【0005】
農産物のフリーズドライは、凍結乾燥や冷凍乾燥ともいい、低温低圧条件下で食品成分の脱水を行うプロセスに当たる。凍結乾燥を行うためには、通常、食品を三重点温度以下に冷却して、食品が後で昇華する際の水分の蓄積を減らし、次いで、食品中の氷結晶を化学昇華させるなど、低圧(数ミリバール)で乾燥食や冷凍食を加熱することによって食品を脱水(乾燥)する。
【0006】
図面に、本明細書に記載された様々な実施形態を、一般的に図示した。図示された実施形態は、本発明を限定するためのものではなく、本発明の一例に過ぎない。
【0007】
説明を簡単かつ明確にすべく、図示された要素の縮尺は必ずしも一定でない。例えば、理解しやすいように、一部の要素の寸法を他の要素より誇張してもよく、更には、同一要素や類似の要素には同じ参照番号を繰り返して振り分けてもよい。既に図示している要素は、それに関する図面や説明を必ずしも引用せず、省略する場合もある。数値は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一部の実施形態による、食事パッケージを用いて包装食事を自動的に調理するための食事調理機の主要部や構成要素のブロック図。
【
図2】一部の実施形態による、食事パッケージを用いて食事を自動的に調理する食事準備機械の図。
【
図3A】一部の実施形態による、
図2の食事調理機のパッケージ開封分配機構の様々な図であって、
図3Aはパッケージの開封分配機構の側面図、
図3Bはパッケージホルダによって支持された食事パッケージを有するパッケージ開封分配機構の側面図、
図3Cはパッケージ開封分配機構の背面図、
図3Dはパッケージ開封分配機構の上側斜視図である。
【
図3B】一部の実施形態による、
図2の食事調理機のパッケージ開封分配機構の様々な図であって、
図3Aはパッケージの開封分配機構の側面図、
図3Bはパッケージホルダによって支持された食事パッケージを有するパッケージ開封分配機構の側面図、
図3Cはパッケージ開封分配機構の背面図、
図3Dはパッケージ開封分配機構の上側斜視図である。
【
図3C】一部の実施形態による、
図2の食事調理機のパッケージ開封分配機構の様々な図であって、
図3Aはパッケージの開封分配機構の側面図、
図3Bはパッケージホルダによって支持された食事パッケージを有するパッケージ開封分配機構の側面図、
図3Cはパッケージ開封分配機構の背面図、
図3Dはパッケージ開封分配機構の上側斜視図である。
【
図3D】一部の実施形態による、
図2の食事調理機のパッケージ開封分配機構の様々な図であって、
図3Aはパッケージの開封分配機構の側面図、
図3Bはパッケージホルダによって支持された食事パッケージを有するパッケージ開封分配機構の側面図、
図3Cはパッケージ開封分配機構の背面図、
図3Dはパッケージ開封分配機構の上側斜視図である。
【
図4A】一部の実施形態による、様々な食事パッケージの図であって、
図4Aは
図2の食事包装機が受け取り、開封、分配を行えるように構成された中型食事パッケージであり、
図4Bは大中小の食事パッケージ3つで構成されたセット、
図4Cは中型パッケージの側面図、
図4Dは中型パッケージの背面図である。
【
図4B】一部の実施形態による、様々な食事パッケージの図であって、
図4Aは
図2の食事包装機が受け取り、開封、分配を行えるように構成された中型食事パッケージであり、
図4Bは大中小の食事パッケージ3つで構成されたセット、
図4Cは中型パッケージの側面図、
図4Dは中型パッケージの背面図である。
【
図4C】一部の実施形態による、様々な食事パッケージの図であって、
図4Aは
図2の食事包装機が受け取り、開封、分配を行えるように構成された中型食事パッケージであり、
図4Bは大中小の食事パッケージ3つで構成されたセット、
図4Cは中型パッケージの側面図、
図4Dは中型パッケージの背面図である。
【
図4D】一部の実施形態による、様々な食事パッケージの図であって、
図4Aは
図2の食事包装機が受け取り、開封、分配を行えるように構成された中型食事パッケージであり、
図4Bは大中小の食事パッケージ3つで構成されたセット、
図4Cは中型パッケージの側面図、
図4Dは中型パッケージの背面図である。
【
図5A】一部の実施形態による、食事パッケージが食事調理機のハウジングにおける指定パッケージ開口部を通して挿入される過程を示す図であって、
図5Aはパッケージ開口部が上側に位置するハウジングの上面図であり、
図5Bは、パッケージ開口部を通して挿入された包装食事を示す。
【
図5B】一部の実施形態による、食事パッケージが食事調理機のハウジングにおける指定パッケージ開口部を通して挿入される過程を示す図であって、
図5Aはパッケージ開口部が上側に位置するハウジングの上面図であり、
図5Bは、パッケージ開口部を通して挿入された包装食事を示す。
【
図6】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の分配サブシステムの斜視図。
【
図7A】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の混合サブシステムを示す図であって、
図7Aは混合サブシステムの上面斜視図、
図7Bは混合サブシステムの底面斜視図、
図7Cは回転型混合ツールを用いる混合サブシステムのミキサーヘッドを示す図である。
【
図7B】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の混合サブシステムを示す図であって、
図7Aは混合サブシステムの上面斜視図、
図7Bは混合サブシステムの底面斜視図、
図7Cは回転型混合ツールを用いる混合サブシステムのミキサーヘッドを示す図である。
【
図7C】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の混合サブシステムを示す図であって、
図7Aは混合サブシステムの上面斜視図、
図7Bは混合サブシステムの底面斜視図、
図7Cは回転型混合ツールを用いる混合サブシステムのミキサーヘッドを示す図である。
【
図8A】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の成形サブシステム及び料理サブシステムを示す図であって、
図8Aは成形サブシステムと料理サブシステムの斜視図、
図8Bは、調理/ベーキングトレイが型として中に配置されている、成形サブシステムと調理システムの斜視図である。
【
図8B】一部の実施形態による、
図2の食事調理機の成形サブシステム及び料理サブシステムを示す図であって、
図8Aは成形サブシステムと料理サブシステムの斜視図、
図8Bは、調理/ベーキングトレイが型として中に配置されている、成形サブシステムと調理システムの斜視図である。
【
図9】一部の実施形態による、食事調理機を使用して、パッケージ識別コードと食事調理計画との関係に基づき、食事パッケージを識別し、食事パッケージの内容物を以って食事を調理するプロセスを概略的に示すフローチャート。
【
図10】一部の実施形態による、食事調理機を使用して、バーコードスキャンと食事調理計画との関係に基づき、食事パッケージを識別し、食事パッケージの内容物を以って食事を調理するプロセスを概略的に示すフローチャート。
【
図11】一部の実施形態による、食事調理機を用いて食事を調理するプロセスを概略的に示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示における実施形態の態様は、フリーズドライ食材や乾燥食材など(その他の食材も使用可能である)の食事調理用食材を含む食事パッケージから食事を調理するように構成された食事調理機に関し、食事調理機は、例えば、
バーコード、識別タグなどの識別子を有する食事パッケージ(MP)を受け取り、少なくとも1つのセンサを用いて受け取ったMPの識別子の特性のうち少なくとも1つを感知するように構成された パッケージ処理サブシステムと、
1つ以上の種類の食事を調理するために水和、混合、料理など、一連の食事調理操作を行うように構成された、様々な食事調理機構または食事調理装置と、
受け取ったMPのそれぞれに関連する少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信し、受信したセンサデータを用いて特定のMPの食事識別コードを識別し、各MPの識別した食事識別コードに基づいて特定のMPに関連付けられた食事調理計画を検索し、特定のMPに対して検索された食事調理計画に基づいて1つ以上の食事調理機構を制御するように構成された中央制御装置(CC)と、を含む。
【0010】
一部の実施形態によると、各食事調理計画は、特定のMPにおける特定の種類の食事を調理するために食事調理機における制御型構成要素を動作させる、MPの特定食事種類調理用の命令及び/または制御コマンドを含む。
【0011】
一部の実施形態によると、識別子は、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、トランスポンダチップ、磁気ストライプなどを含み、特定の識別子に対応するコード読み取りセンサとして構成されたセンサを必要とする。例えば、少なくとも1つのセンサは、カメラ、バーコードスキャナなど、バーコードなどの視覚的識別子を感知する光学センサ、或いは、磁気ストライプ識別子に用いられる磁気ストライプセンサ、或いは、RFID識別子の無線周波数(RF)信号を検出するRFIDセンサを含んでもよい。
【0012】
一部の実施形態によると、食事調理機は、バーコード識別子に留まらず、RFIDなどの様々な種類の識別子の読み取りを可能とするために、複数の種類の複数のセンサを含む。
【0013】
食事調理機は、食事の種類や皿サイズなどが異なる様々な食事を調理できるように構成されてもよく、各識別子は、特定のMPの特定の食事に関連付けられる識別可能なコードを有する。例えば、利用可能な食事パッケージ(MP)は、1食MP、3食MP、4食MPなど、同じ料理(食事の種類)の異なる(選択可能な)部分の自動調理を可能とするために、サイズが異なる複数のパッケージを含んでいてもよい。また、MPは、ハンバーガー、麺料理など、様々な種類の食品を含んでいてもよい。
【0014】
一部の実施形態によると、各MPは、例えば、粉末、チャンク、フレーク、スライスなどの形態を持つ、フリーズドライ食品を含む。
【0015】
一部の実施形態によると、食事調理機は、更には、追加のユーザ入力を受信し、受信した追加のユーザ入力に基づいて各MPに対して検索した食事調理計画を調整できるようにする。追加のユーザ入力は、タッチパネルや制御パネルなどを含む食事調理機のインタフェース装置、或いは、ユーザのモバイル装置など遠隔装置における指定モバイルアプリなどを介して受け取るものとする。
【0016】
一部の実施形態によると、パッケージ処理サブシステムは、様々なサイズ及び/または寸法の食事パッケージの誘導、保持、開封を可能とするように構成されている。
【0017】
食事調理機は、水、油、ソース、ドレッシング、レモン汁、調味料など、食事調理に必要な追加物質を分配する1つ以上の(制御型)ディスペンサを含む分配サブシステムを備えてもよい。食事調理機は、ディスペンサの選択や、各食事調理計画に基づいて各MPから調理された食事に対する分配量を制御してもよい。
【0018】
一部の実施形態によると、各物質ディスペンサを、電気制御型弁を介して制御する。
【0019】
一部の実施形態によると、中央制御装置は、遠隔モバイル装置と通信を行い、遠隔モバイル装置からユーザ入力を受信する通信モジュールを更に含む。また、中央制御装置は、受信した前記ユーザ入力に基づいて食事調理計画を調整し、調整済み食事調理計画を作成して、調整済み食事調理計画に基づいて食事調理を制御するように更に構成されている。
【0020】
「モバイル装置」とは、携帯電話、タブレット端末、パソコン、ノートパソコンなど、様々な通信演算装置を指す。
【0021】
必要によって、中央制御装置は、例えば、ユーザのモバイル装置にインストールして操作することができる指定モバイルアプリなどを介して、ローカルデータ記憶部及び/または遠隔サーバから受け取って処理した各MPに対する各食事調理計画を検索するように構成されてもよい。この場合、記憶部は食事調理コードリストとそれに対応する食事調理計画リストとを記憶するように構成され、各食事調理コードは食事調理計画と関連付けられる。
【0022】
一部の実施形態によると、前述の食事調理機と、指定アプリと、少なくとも1つの遠隔サーバと、を含むシステムが提供される。当該システムを以って、ユーザは、食事調理機を操作し、次の作業のうち1つ以上を行うことができる。
【0023】
(i)自動食事調理を行う食事調理機を遠隔制御する。食事調理機は、例えば、パッケージ処理サブシステムの、受け取ったパッケージを開封してその内容物を分配する開封分配機構に、遠隔制御により選択された食事パッケージの種類を自動的に挿入する1つ以上のパッケージディスペンサを更に含んでもよい。選択されたパッケージの自動分配は、自動販売機の同様の作業で実装してもよい。
【0024】
(ii)メンテナンスメッセージ(補充や容器の交換を必要とするディスペンサ、給水障害などを知らせるメッセージ)や食事調理情報(食事の用意ができる予想時間など)など、食事調理機に関連する情報を受信して提示する。指定アプリは、ユーザが食事の種類の選択、食事の調理スケジュールの設定などの情報を入力できるように設計されたユーザインタフェース(UI)を含んでいてもよい。
【0025】
本開示における実施形態の態様は、上述した食事調理機を用いる食事調理方法に関する。一部の実施形態によると、当該方法は、
識別子を有する食事パッケージ(MP)を食事調理機に受け取るステップと、
少なくとも1つのセンサを用いて受け取ったMPの前記識別子の1つ以上の特性を感知して、感知した前記1つ以上の特性を示すセンサデータを出力するステップと、
センサデータに基づいて各MPの食事調理コードを識別するステップと、
識別した各MPの食事調理コードに関連付けられた食事調理計画を検索するステップと、
検索した食事調理計画に基づいて各MPの食事の調理を制御するステップと、を少なくとも含む。
【0026】
一部の実施形態によると、受け取ったMPの食事の調理は、
パッケージ封止除去機構を用いて受け取ったMPを開封するステップと、
MPから食品(フリーズドライ食品など)をミキサーボウルに移すステップと、
混合物を形成する1つ以上の制御型ディスペンサを用いてミキサーボウルに少なくとも1つの追加材料を分配するステップと、
フリーズドライ食品を前記少なくとも1つの追加材料と混合して混合物を形成するステップと、
混合物を少なくとも1つの料理用型に入れて成形するステップと、
食事調理機の1つ以上の加熱要素を用いて混合物を料理するステップと、を含む。
【0027】
本明細書における「料理」とは、ベーキング、揚げ、焼き、グリル焼き、蒸しなど、加熱によって食品を調製する方法を指すものである。
【0028】
一部の実施形態によると、食事調理機は、混合物の用意に熱湯や沸騰水を使用する(例えば、ミキサーボウルに水を注ぐ前にディスペンサや水タンクの水を加熱する)ために、或いは混合物を調理するために1つ以上の加熱要素や加熱装置を含む。
【0029】
一部の実施形態によると、ディスペンサのうち1つ以上は、(調理における混合段階または料理段階の後)調理された食事に一定の物質(オリーブオイルなど)をトッピングとして追加するために、付随的に、或いは独占的に使用される。
【0030】
一部の実施形態によると、食事調理機は、食事調理機の部品や区域で行われる機能やプロセスを示す物理的特性をリアルタイムで測定・表示する1つ以上の検知器(センサなど)を更に含む。例えば、料理段階、混合物の加熱程度、生地の膨らみの条件を識別する温度計や、混合物の形状及び/または膨らみ状態を確認する光学センサなどが挙げられる。
【0031】
本明細書における「混合物」とは、生地、マッシュ、エマルション、フレーク混合物、一塊型チャンク、チャンク混合物などの形態であってもよい。
【0032】
本明細書における「混合」とは、材料の組み合わせ、或いは材料の食感及び/または粘度に変化をもたらす行為を指し、撹拌、泡立て、練り、混練、打ち、ロール、脱気、シャッフルのうち1つ以上を説明するために用いるか、これらに取り替えてもよい。
【0033】
一部の実施形態によると、MPの内容物が乾燥食品やフリーズドライ食品である場合、食事調理機は、食品の種類(野菜、肉、それらの混合物など)、状態(粉末、チャンク、それらの混合物など)や分量など、内容物の特性に応じて、食品の水和や解凍を制御する手段を更に含む。水量、水の状態(蒸気や水の温度など)、周囲温度、圧力などを制御することで、水和を、必要によっては解凍も制御することができる。
【0034】
一部実施形態による食事調理機(MPM)1000の主要部や装置をブロック図で概略的に図示する
図1を参照するものとする。MPM1000は、入力部1100を備える。
【0035】
入力部1100は、
(i)一定、または様々なサイズのMPを受け取り、MPを開封して内容物を注ぐように構成され、各MPにある識別子を読む取る1つ以上のセンサを持つ識別子リーダ1111を含む、パッケージ処理サブシステム1110と、
(ii)ユーザが食事調理時の好みを選択し、及び/またはユーザの選択肢、及び/または食事調理プロセスに関する情報(予想調理時間、調理完了までの予想残り時間(リアルタイム)、調理する食事の画像、調理中のリアルタイムの画像など)を表示するために用いられるユーザインタフェース付きのタッチパネルなど、ユーザインタフェース1120と、を有する。
【0036】
更にMPM1000は、(ii)識別子リーダ1111からのセンサデータ、必要によっては食事調理コードの識別と対応する食事調理計画の検索に用いられるユーザインタフェース1120からのユーザ入力を受信して処理する処理部1210と、各MPに対して検索された各食事調理計画に基づいて食事の調理、食事調理プロセスの監視、情報の表示などに必要な全ての作業を制御する制御部1220と、を含む中央制御装置(CC)1200と、
(iii)複数のディスペンサD1~Dnを含み、ディスペンサD1など、各ディスペンサが容器1301、漏斗出口管などのチャネリング手段1302、電子制御型弁1303などの分配制御手段を備え、必要によってはドレッシング、ソース、トッピングなどの物質を料理後に分配する追加の料理後ディスペンサ1320を有する、分配サブシステム1300と、
混合サブシステム(MU)であって、(a)ミキサーボウル、モータ、取付型または固定の1つ以上の混合ツール(生地フック、泡立てツール、ワイヤーホイップ、ビータなど)を備えるスタンドミキサーなどの混合装置1410と、(b)解凍及び/または水和装置1401(例えば、熱湯/沸騰水をミキサーボウルに導入する前に水ディスペンサからの水を加熱するように構成されてもよい)と、(c)混合プロセス段階の1つ以上の特性を感知し、調理プロセスの障害を識別すべくCC1200が識別/分析するMUセンサデータを出力する少なくとも1つのMU検知器を含むMUセンサ群1402と、を有する、MU1400と、
MU1400から混合物を受け取り、混合物を1つ以上の型に入れて成形する一方、型(例えば、トレイ)や制御型ローリングピンなど、1つ以上の成形要素1503を有し、必要によっては、型の位置決めや交換などに用いられる機械アーム1505を備える、成形サブシステム1500と、
1つ以上の加熱要素1610と、1つ以上のCUセンサ(CC1200の料理プロセス監視のためにストーブ温度を測定する温度計など)を含むCUセンサ群1620と、を有し、必要によっては熱分散のために1つ以上のファン1630を含む、料理サブシステム1600と、
ユーザが調理済みの食事を乗せた皿を取り出せるように、例えば取り出し型サービングトレイ1710などを有する、食事供給部1700と、を含む。
【0037】
【0038】
MPM2000は、
ハウジング2100と、
MPM2000の上部に位置するパッケージ処理サブシステム2200と、
分配サブシステム2300と、
MPM2000の中間部に位置する混合サブシステム2400と、
成形サブシステム2500と、
MPM2000の下部に位置する料理サブシステム2600と、
中央制御装置2700と、を含んでもよい。
【0039】
一部の実施形態によると、
図2に図示されているように、ハウジング2100は、
MP500を受け入れるように構成されている上部開口部2130と、
上部開口部2130を閉じるカバー2135(例えば、摺動型シャッタ)と、
混合サブシステム2400にアクセスできる(例えば、交換や洗浄のために部品を取り外す)中間ドア2110と、
MPM2000の下部に位置し、透明、または部分的に透明であって、ユーザが食事の調理段階を見れるようにする下部ドア2120と、を含む。
【0040】
一部の実施形態によると、
図2A~
図2Dに図示されているように、パッケージ処理サブシステム2200は、
(i)各MPに位置するバーコードプリント(例えば、MP500の背面にあるバーコードタグ510)を必要によってスキャンするバーコードスキャナなどのような、識別子読取センサ2210と、
(ii)挿入されたMPを案内するために、
ハウジング開口部2130から内下側に延在する案内チャネル2221、及び、パッケージホルダ2222の隣接する後壁とα角(α角は90°以上)を成す下部傾斜壁2222aと、
傾斜壁2222aに対して角度を付けた位置にパッケージ500のタブ505を保持する湾曲型タブ支持体2222bとを有するパッケージホルダ2222を備える、パッケージ開封分配機構2220と、
(iii)封止除去機構であって、垂直軸「y」を画定する摺動トラック2231と、摺動トラック2231の内部に配置され、ポール2235の上を摺動する取っ手要素2232とを含み、ポール2235は、ネジ付きポール(例えば、外部雄ネジを有する)であってもよく、取っ手要素2232は、例えば取っ手要素2232のフック状部分に接続されたリングの内壁に対応する雌ネジを設けることで、ポールのy軸に沿って横移動してもよく、ポール2235はモータ2236によってy軸を中心として時計回り方向と反時計回り方向に回転し、取っ手要素2232を上下方向と横方向に移動させる、封止除去機構2230と、
(iV)受け取って保持するMP500を撹拌してMPの内容物を空にすることをサポートする撹拌機2250と、を含む。例えば、
図3Dに図示されているように、撹拌機2250は、挿入保持されるMP500の側面と係合/解除する可撓性アーム2252を回転させ、MP500に振動をかけて開封後のMP500の内容物を分配するモータ2251を有してもよい。
【0041】
MP500/600は、
図4A~
図4Dに図示されているように、食材(フリーズドライ食材など)を収容する容器部501/601と、少なくとも容器部501/601を密封する封止部503/603と、タブスロット507/607を有するプルタブ505/605と、を含む。
【0042】
一部の実施形態によると、取っ手要素2232は、パッケージホルダ2222の中にあるMP500のプルタブ505に挿入でき、タブスロット507を通してプルタブを引っ張り出すフックとして形成される(
図3A~
図3Bを参照)。
【0043】
MP500の下側壁501aは、MP500の背面501bに対して同様のα角を成しており、パッケージホルダ2222に嵌合するのに適したサイズや寸法を有していてもよい。
【0044】
一部の実施形態によると、
図3A~
図3Dに図示されているように、MP500/600がパッケージホルダ2222の中に配置されると、MP500/600のプルタブ505/605は、湾曲型タブ支持体2222bによって支持され、それによって、フック状の取っ手要素2232が、タブスロット507/607を通して挿入されプルタブ505/605を締結し、タブ505/605をy軸に沿って引き上げてMP500/600の封止材503/603を引っ張り、MP500/600を開封することができる位置に保持される。
【0045】
MP500の下側壁501aの傾斜度と、それに対応するパッケージホルダ2222の下部傾斜面2222aの傾斜度は、挿入されたMP500の内容物(物質)を、MP500を回したりひっくり返したりせずとも、開封されたMP500から混合サブシステム2400に注ぎ出せるようにする。
【0046】
一部の実施形態によると、例えば、
図4C~
図4Dと
図5A~
図5Bに図示されているように、MP600のような各MPは、MPの傾斜面が下方を向いてパッケージホルダ2222の傾斜面2222aと係合するなど、MPが間違った方向に挿入されることを防止するように設計されてもよい。
【0047】
例えば、
図4A~
図4Dと
図5A~
図5Bに図示されているように、封止材603を含むMP600の前面は、第1幅w1を有する第1部分608aと、第2幅w2を有する第2部分608bと、を含み、w2はw1より大きい(w2>w1)ので、リム621の長さδ1とリム622の長さδ2に差ができ、長さδ1がリム622の長さδ2より大きくなる(δ2>δ1)。
【0048】
それに対して、MP600などのMPは、単一の向きでMPの受取ができる形状に設計された開口部2130を通り、開口部の縁2131と2132がそれぞれ、リム621と622(
図5A~
図5Bを参照)が通れるようにδ1とδ2に対応する幅を有するので、MPの傾斜面601aは、所望の向きで開口部2130と対向する。この場合、開口部の縁2131c(縁2132よりも短い)は、リム621(リム622よりも短い)のみを通せるので、MP600の挿入方向と側面が正確なものとなる。
【0049】
一部の実施形態によると、
図4Bに図示されているように、同様に設計されたMPを、小型MP700、中型MP600、大型MP500のような複数のパッケージサイズで提供してもよい。MP500、600、700の上下の幅W_uとW_1、必要によって深度は、全て同じで、長さのみが異なる。大型MP500の長さをdl、中型MP600の長さをd2、小型MP700の長さをd3としたとき、dl>d2>d3となる。
【0050】
一部の実施形態によると、分配サブシステム2300は、
水源に当たる水タンクまたは給水パイプから水を制御可能に混合サブシステム2400のミキサーボウル2420に分配(分注)するように構成され、給水のタイミングや水量を制御する電子制御型弁(図示せず)を含んでもよい、水ディスペンサ2350(本実施例において水ディスペンサ2350は水タンクである)と、
液状または固形(例えば、粉末)の追加物質や食材(油、スパイス、香辛料、花、ソース、だし汁、トッピング、ドレッシングなどを含むが、これらに限られる訳ではない)を分配するディスプレンサ2111~2114など、複数のディスペンサを有するディスペンサ群2310と、を含む。
【0051】
一部の実施形態によると、
図6に図示されているように、ディスペンサ2311~2314のそれぞれは、内容物(本明細書では「添加物質」)を漏斗出口2331~2334などの出口管と、制御型弁(図示せず)を介してミキサーボウル2420に制御可能に案内する。
【0052】
一部の実施形態によると、
図6に図示されているように、ディスペンサ2311~2314のそれぞれ(例えばディスペンサ2311)は、取っ手を有し、タンクホルダ2311bなどのタンクホルダ内に位置する、脱着型タンク2311aなどの脱着型タンクを有する。
【0053】
一部の実施形態によると、ディスペンサ2311~2314、2350からの水や添加物質の分配の制御は、水の分配特性(水量や分配タイミングなど)と添加物質の分配特性(必要な物質の選択(ディスペンサ選択))、水量や分配タイミングなどの分配特性の制御などを制御することで、挿入されたMPの特定の食事調理計画に従って行われる。制御はCC2700が担う。
【0054】
一部の実施形態によると、混合サブシステム2400は(
図7A~
図7Cを参照)、
1つ以上のシャフト(シャフト241)を回転させ、それによって混合ツール(混練混合ツール2430)を回転させるように構成されたモータを内部に含むミキサーヘッド2410と、
ミキサーボウル2420と、を含む。
【0055】
一部の実施形態によると、ミキサーボウル2420は混合物を分配して成形サブシステム2500と料理サブシステム2600へと送り込むボウルの底部に取り外し可能な封止材2425を有する。封止材2425は、CC2700を介して制御可能な方式で開閉することができる。
【0056】
混合サブシステム2400は、ミキサーボウル2420の底部外側に接続できる回転型ブレード2435などのスライス機構を更に含み、吐出された混合物(この場合は、生地)が料理用型に入る前に、例えば割付け、装飾成形などのためにスライスしてもよい。
【0057】
一部の実施形態によると、成形サブシステム2500は、
図8A~
図8Bに図示されているように、料理サブシステム2600の区域内に少なくとも部分的に配置されている。
【0058】
成形サブシステム2500は、ローリングピン2520のような可動成形部材を中に受け入れる細長い溝2511を含む側壁を有するフレーム構造2510を含んでもよい。ローリングピン2520は、溝2511のx軸に沿って横方向に移動する回転軸zを中心に回転するように、例えば、混合物がy軸において型2610の高さを超えないように、CC2700によって制御される。
【0059】
一部の実施形態によると、料理サブシステム2600は、MPM2000の料理区域、例えばMPM2000の下部の3つの側面に配置された1つ以上の加熱要素(例えば、加熱要素2601~2603)と、1つ以上の型(例えば、型10)を乗せて支持する型支持体2620と、を有してもよく、必要によっては、料理区域における加熱空気を循環させる1つ以上のファンを含む空気循環部(図示せず)を含んでもよい。
【0060】
このようにして、ミキサーボウル2420の底部開口部から出た混合物は、料理サブシステム2600の1つ以上の加熱要素2601~2603によって料理(例えば、焼きまたはグリル焼き)されるべく、型10(
図2と
図8Bを参照)の中に落下する。
【0061】
一部の実施形態によると、
図2と
図8Aに図示されているように、オーブン壁2650を取り囲む電子装備を冷やすべく、外部ファン部2005のファンなど、追加のファンを、料理サブシステム2600のオーブン領域に配置する。
【0062】
食事の調理が終われば、ハウジング2100の下部ドア2120を開けて型(トレイ)10を取り外せばよく、よって、型10を料理サブシステム2600から簡単に取り出すことができる。
【0063】
上述のとおり、CC2700は、挿入された各MBにおける識別コードに自動検知(読取)を行って得た当該コードに基づき、パッケージの開封分配の全てのプロセスと、食事調理プロセスの全体と、を制御する。
【0064】
一部の実施形態によると、
図2に図示されているように、MPM2000は、タッチパネル付きパソコンなどのユーザインタフェース装置2800を更に含んでもよく、ユーザインタフェース装置とは、食事調理の好みや選択などの情報をユーザが入力できるようにする一方、食事の種類の画像やテキスト説明、タイミング情報(料理の完了時、及び/または料理の完成までの残り時間などを示す情報)のような食事調理関連情報をユーザに表示することもできる。ユーザインタフェース装置2800は、CC2700と通信を行うように、関連付けられている。
【0065】
一部の実施形態によると、ユーザインタフェース装置2800は、CC2700のタッチパネルであってもよく、全てのソフトウェア及び/またはハードウェアベースのデータ受信や処理はCC2700のハードウェア及び/またはソフトウェアモジュールで行われ、タッチパネルを介して表示される。また、タッチパネルは、CC2700を介して、指定のユーザインタフェースによりデータを入力させることもできる。
【0066】
一部の実施形態によると、MPM2000は、MPM2000の部品や装置の物理的特性や性質をリアルタイム(RT)で、或いは実質的にリアルタイムで感知し、必要によっては、RT機能感知に基づいて食事調理計画及び/またはそれに関する作業スケジュールの調整、または更新を行う、追加の検知器を備えてもよい。検知器としては、例えば、温度計、湿度センサ、光学検知器(例えば、所定の時間における混合物の位置を検知するものなど)等のうち1つ以上が挙げられる。
【0067】
一部の実施形態によると、上述の食事調理機は、フリーズドライ食材を含むMPに対して、MPの食材を最適に昇華させる機構を更に有してもよく、昇華させるようにプログラミングされてもよい。
【0068】
一部の実施形態による、識別子を有する食事パッケージから食事調理機を用いて食事を調理するプロセスを概略的に図示する
図9を参照するものとする。食事調理プロセスは、
パッケージ受取保持機構によってMPを受け取るとMPを自動的に開封するように構成されたパッケージ処理サブシステムを用いて、MPを受け取って開封するステップ(21)と、
1つ以上のセンサを用いて、受け取ったMPにある識別子の1つ以上の特性を感知し、MP識別子の特性を示すセンサデータを出力する(例えば、画像データを出力する)ステップ(22)と、
センサデータを受信して処理を行い、受信したセンサデータに基づいて、特定のMPの食事識別コードを検知するステップ(23)と、
例えば、食事識別コードリストや複数の食事調理計画を含み、各食事識別コードは食事調理計画に関連付けられているデータベースから検知した食事識別コードに関連付けられている食事調理計画を検索し、該食事調理計画は、食事調理機の様々な装置や要素の作業を適時に操作・制御するために指定された命令及び/またはコマンドを含む、ステップ(24)と、
例えば、検索した食事調理計画における既定の命令及び/またはコマンドに従って食事調理機の各装置の作業を制御して、検索した食事調理計画に基づいて食事を調理するステップ(25)と、を含む。
【0069】
一部の実施形態による、バーコード識別子を有する食事パッケージを用いて、ユーザインタフェース装置を介してユーザ入力を受け付けることができる食事調理機を以って食事を調理するプロセスを概略的に図示する
図10を参照するものとする。食事調理プロセスは、
挿入されたMPを、バーコードスキャナセンサがスキャンした後、食事識別コードに当たる、スキャンされたバーコードを受信し、また必要によって、ユーザインタフェース装置を介して食事調理におけるユーザの好みなど、ユーザの入力を受信するステップ(31)と、
MPのバーコードに関連付けられている食事調理計画を検索するステップ(32)と、
ユーザ入力を受信した場合、必要によって、受信したユーザ入力に基づいて検索した食事調理計画をカスタマイズし、カスタマイズした食事調理計画を作成するステップ(33)と、
追加の検知器から得たデータをリアルタイムで受信・分析し、リアルタイム、或いは実質的にリアルタイムで食事調理や食事調理機の作業に必要な調整を把握するステップ(34)と、
検知した必要な調整に基づき、リアルタイム、或いは実質的にリアルタイムで食事調理計画を調整し、カスタマイズした食事調理計画を作成するステップ(35)と、
カスタマイズした食事調理計画に、リアルタイム調整があれば必要によってはそれにも基づき、食事調理を制御するステップ(36)と、
食事調理までの残り時間、調理済みの食事などのリアルタイム食事調理情報の表示/提示(例えば、視覚的及び/または聴覚的提示)をユーザに提供するステップ(37)と、
食事が用意されると(38)、ディッシュトレイ(型)を押し出す、或いは、ユーザインタフェース装置を介して食事が用意されたことを示す(39)ステップと、を含む。
【0070】
一部の実施形態による、MPの食事識別コードを検知してそれに関連付けられた食事調理計画を検索して取得した食事調理計画に応じ、食事調理機を用いて食事を調理するプロセスを概略的に図示する
図11を参照するものとする。当該プロセスは、
例えばパッケージ開封機構などを用いて挿入されたMPを開封するステップ(61)と、
受け取った開封済みのMPに入っている食材を、食事調理機の混合サブシステムにおけるミキサーボウルに全て注ぐステップ(62)と、
水、油、ソース、スパイスなどの1つ以上の食材を、ミキサーボウルに分配するステップ(63)と、
食事調理機が様々な用具から混合用具を選択することができる場合、混合用具を選択するステップ(64)と、
混合速度を選択するステップ(65)と、
ミキサーを稼働してMPの食材を分配された物質と混合し、混合物を形成するステップ(66)と、
例えば、混合物の特性を判定するセンサと指定の分析を用いて、或いは、検索した食事調理計画において混合作業に指定された予定時間を確認して、混合物が用意されているか否かを検知するステップ(67)と、
混合物が用意されている場合(67)、用意された混合物を1つ以上の型へ送る(例えば、注ぎ、落とし、搬送、移動などによる)か(68)、成形サブシステムを用いて形作りを行う(例えば、平らにする、設計する、捏ねる、形成するなど)(69)ステップと、
例えば、生地混合物を膨らますとき、或いは、冷却/保温が必要となるとき等、混合物を型で休ませる必要がある場合(70)、食事調理計画に記載の時間の間、休ませる(71)ステップと、
検索した食事調理計画に予め設定されている所要時間、またはユーザ入力に基づいて調整した所要時間の間、混合物を料理する(例えば、焼き、グリル焼き等を行う)ステップ(72)と、
食事ができると(73)、「食事ができました」とのメッセージをユーザに示し、及び/または、食事調理機からできた食事が入っている型を搬出するか、ユーザが直接取り出せる食事調理機の区域に食事を置く(74)ステップと、を含む。
【0071】
一部の実施形態において、食事調理機(例えば、食事調理機1000または2000など)、例えば、混合サブシステムの区域、及び/または料理サブシステムの区域に位置して、例えば、食事調理プロセスの複数の部分を映すライブビデオ撮影映像が得られるように構成された、1つ以上のビデオカメラなど、1つ以上のカメラを有する。リアルタイムで取得した映像を、食事調理機2000のユーザインタフェース装置2800、及び/または、モバイル装置から操作できる指定のモバイルアプリがインストールされた、ユーザの持つ1つ以上のモバイル装置における提示手段(例えば、画面)を介し、ユーザに提示されてもよい。
【0072】
実施例
【0073】
実施例1の食事調理機は、
(i)識別子を有する食事パッケージ(MP)を受け取り、
少なくとも1つのセンサを用いて受け取ったMPの識別子の特性のうち少なくとも1つを感知するように構成されたパッケージ処理サブシステムと、
(ii)数種類の食事を調理するように構成された1つ以上の食事調理機構と、
(iii)受け取ったMPのそれぞれに関連する少なくとも1つのセンサからセンサデータを受信し、
受信したセンサデータを用いて特定のMPの食事識別コードを識別し、
各MPの識別した食事識別コードに基づいて特定のMPに関連付けられた食事調理計画を検索し、
特定のMPに対して検索された食事調理計画に基づいて1つ以上の食事調理機構を制御するように構成された中央制御装置と、を備える。
【0074】
実施例2によると、実施例1の対象発明において、食事調理計画は、特定のMPにおける特定の種類の食事を調理するため食事調理機における制御型構成要素を動作させる、MPの特定食事種類調理用の命令及び/または制御コマンドを含む。
【0075】
実施例3によると、実施例1または2の対象発明において、識別子は、バーコード、無線周波数識別(RFID)タグ、トランスポンダチップ、磁気ストライプのうちいずれか1つを含み、少なくとも1つのセンサは、カメラ、光学センサ、バーコードスキャナ、磁気ストライプセンサ、RFIDセンサのうち少なくとも1つである。
【0076】
実施例4によると、実施例1~3のうちいずれか1つ以上の対象発明において、1つ以上の食事調理機構は、
1つ以上の追加物質を分配する、1つ以上の制御型ディスペンサを含む分配サブシステムと、
密封されていないフリーズドライ食事パッケージのフリーズドライ食品を受け取り、
分配サブシステムの1つ以上のディスペンサから1つ以上の追加物質を受け取り、
フリーズドライ食品を、分配された1つ以上の追加物質と混合し、混合物を得るように構成された混合サブシステムと、
混合物を受け取り、加熱して調理するように構成された調理サブシステムと、を含み、
中央制御装置は、各MPの食事調理計画に基づいて、パッケージ処理サブシステム、分配サブシステム、混合サブシステム、調理サブシステムのそれぞれの各構成要素の動作を制御するように構成されている。
【0077】
実施例5によると、実施例4の対象発明において、1つ以上の食事調理機構が、特定のMPの食事調理計画に基づいて、混合サブシステムから混合物を受け取り、それを所望の形状に成形するように構成された成形サブシステムを更に含む。
【0078】
実施例6によると、実施例4~5のうちいずれか1つ以上の対象発明において、包装部は、パッケージ開封分配機構を更に含み、分配機構は、パッケージホルダを備え、パッケージホルダは、挿入されたMPを保持するパッケージホルダ傾斜壁の傾斜と一致する角度の傾斜面を持つMPを中に受け入れる下部傾斜壁を有し、MPを保持するときは、封止カバーが上面を覆っているMPのもう一方の面が、パッケージ開封分配機構の、MPの封止カバーを取り除くための封止除去機構に対向する位置に保持し、MPの傾斜面とパッケージホルダは、MPの封止を取り除いたとき、MPの内容物が傾斜に沿ってMPから注ぎだされるようにする。
【0079】
実施例7によると、実施例6の対象発明において、封止除去機構は、摺動トラックと、制御された方式で摺動トラックに沿って摺動する制御型オープナー要素と、を含み、各MPの封止カバーは突出タブを有し、除去機構のパッケージホルダにおける下部傾斜壁の縁は、MPの封止カバーのタブが封止カバーの他の部分に対して角度をつけて位置決めできるようにする湾曲型タブ支持体を有し、制御型オープナー要素は、MPがパッケージホルダの中にあるとき、オープナー要素が封止カバーのタブに固定され、摺動トラックに沿って摺動してタブと、それに一体的に接続されている封止カバーを引っ張るように構成されており、それによってMPの少なくとも一部を開封する。
【0080】
実施例8によると、実施例7の対象発明において、制御型オープナー要素はフックを有し、MPの封止カバーのタブはスロットを有する。
【0081】
実施例9によると、実施例1~8のうちいずれか1つ以上の対象発明において、食事調理機は、MPを挿入できる少なくとも1つの開口部と、調理済みの食事を取り出すことができる少なくとも1つドアとを有するハウジングを更に含む。
【0082】
実施例10によると、実施例1~9のうちいずれか1つ以上の対象発明において、食事調理機は、ユーザ入力の受信、及び/または調理プロセスに関する情報の表示を行うように構成されたインタフェース装置を更に含む。
【0083】
実施例11によると、実施例10の対象発明において、中央制御装置は、ユーザ入力からの情報に従って特定のMPの食事調理計画を調整することにより、ユーザ入力にも応じて食事調理を制御するように更に構成されている。
【0084】
実施例12によると、実施例1~11のうちいずれか1つ以上の対象発明において、パッケージ処理サブシステムは、様々なサイズ及び/または寸法の食事パッケージの誘導、保持、開封を可能とするように構成されている。
【0085】
実施例13によると、実施例1~12のうちいずれか1つ以上の対象発明において、各MPは、粉末、チャンク、フレークのうち1つ以上の形態をとるフリーズドライ食品を含む。
【0086】
実施例14によると、実施例1~13のうちいずれか1つ以上の対象発明において、食事調理機は、MPを分配するように構成されたMP分配機構を更に含む。
【0087】
実施例15によると、実施例1~14のうちいずれか1つ以上の対象発明において、特定のMPに関連付けられた食事調理計画を、食事識別コードリストを含む記憶部から検索することができ、各食事識別コードは、食事調理計画に関連付けられている。
【0088】
実施例16によると、実施例15の対象発明において、記憶部は、中央制御装置からなるか、或いは中央制御装置から遠隔に位置する。
【0089】
実施例17によると、実施例1~16のうちいずれか1つ以上の対象発明において、中央制御装置は、遠隔モバイル装置と通信を行い、遠隔モバイル装置からユーザ入力を受信する通信モジュールを更に含み、また、中央制御装置は、受信したユーザ入力に基づいて食事調理計画を調整し、調整済み食事調理計画を生成して、調整済み食事調理計画に基づいて食事調理を制御するように更に構成されている。
【0090】
実施例18は食事調理機を使用する食事調理方法であって、
識別子を有する食事パッケージ(MP)を食事調理機に受け取るステップと、
少なくとも1つのセンサを用いて受け取ったMPの識別子の1つ以上の特性を感知して、感知した1つ以上の特性を示すセンサデータを出力するステップと、
センサデータに基づいて各MPの食事調理コードを識別するステップと、
識別した各MPの食事調理コードに関連付けられた食事調理計画を検索するステップと、
検索した食事調理計画に基づいて各MPの食事の調理を制御するステップと、を含む。
【0091】
実施例19によると、実施例18に記載の対象発明において、受け取ったMPの食事の調理は、
パッケージ封止除去機構を用いて受け取ったMPを開封するステップと、
MPからフリーズドライ食品をミキサーボウルに移すステップと、
混合物を形成する1つ以上の制御型ディスペンサを用いてミキサーボウルに少なくとも1つの追加材料を分配するステップと、
フリーズドライ食品を少なくとも1つの追加材料と混合して混合物を形成するステップと、
混合物を少なくとも1つの料理用型に入れるステップと、
食事調理機の1つ以上の加熱要素を用いて混合物を料理するステップと、を含む。
【0092】
実施例20によると、実施例18または19に記載の対象発明において、当該方法は、ユーザインタフェース及び/または遠隔ユーザのモバイル装置からユーザ入力を受信するステップと、ユーザ入力に基づいて食事の種類の選択、及び/または検索した食事調理計画の調整を行い、調整済み食事調理計画を作成するステップと、を更に含み、各食事の調理は調整済み食事調理計画を用いて行われる。
【0093】
以上では、本発明の例示的な実施形態を一部開示しているが、これらの実施形態は、本発明の範囲を限定するためのものではなく、本発明の実装を可能とする様々な態様を例示として示すものと見なされる。
【0094】
本明細書に記載の方法及び/またはプロセスは、1つ以上のソフトウェア、及び/またはハードウェア、要素装置、デバイス、機構、電子及び/またはデジタルコンピュータ化システム、ユニット、処理モジュール、デバイス、機械、エンジンなどによって実装してもよい。
【0095】
システム、モジュール、ユニット、デバイス等、またはその一部は、本明細書に開示される1つ以上の方法やプロセスを実装することができるプログラマブルハードウェア及び/またはソフトウェアベースの実行モジュールからのコンピュータ可読実行型命令、規則、条件などに従って特定の機能を実行するようにプログラムすることができ、よって、実質的に開示される各方法/プロセスの実施形態を意図する「特殊用途コンピュータ」を開示していると見なすことができる。
【0096】
加えて、または代替的に、本明細書に開示された方法及び/またはプロセスは、特殊用途コンピュータによって読み取りができる信号媒体によって有形または無形に具現化されてもよいコンピュータプログラムとして実装することができる。コンピュータ可読型信号媒体は、例えば、ベースバンドまたは搬送波の一部として、その中に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝搬データ信号を含むことができる。当該伝搬信号は、電磁式、光学式、またはそれらの適切な組合せを含むがこれらに限定されない、様々な形式のいずれかを取ることができる。コンピュータ可読型信号媒体は、コンピュータまたは機械によって読み取りができる持続性記憶装置ではなく、本明細書で議論される装置、システム、プラットフォーム、方法、操作、及び/またはプロセスによって、またはこれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または伝送することができる任意のコンピュータ可読型媒体であってよい。
【0097】
「持続性のコンピュータ可読型記憶装置」や「持続性の機械可読型記憶装置」とは、配布媒体、中間記憶媒体、コンピュータの実行メモリ、本明細書に開示される方法の実施形態を実装するコンピュータプログラムによって後で読み取ることを目的として記憶することができる任意の媒体や装置も含むことができる。コンピュータプログラム製品は、単一のコンピュータで、或いは、同じ現場に存在する、または複数のポイントにわたって分散される、または1つ以上の通信ネットワークによって相互接続してある複数のコンピュータで実行されるように展開してもよい。
【0098】
コンピュータ可読実行型命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、またはその他の装置にロードし、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他の装置で実行される命令が、フローチャート及び/またはブロック図で指定された機能/行為を実装すべく、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他の装置で一連の作業ステップを実行させてもよい。
【0099】
モジュール、デバイス、機構、ユニット、またはサブシステムは、それぞれ、機械実行型命令(例えば、コマンド)から構成されてもよい。モジュールは、本明細書に開示されるような方法、プロセス、及び/または作業をシステムに実装させるようにプログラミングされた回路や制御装置によって具現化されてもよい。例えば、モジュールは、例えば、カスタマイズの超大規模集積(VLSI)回路またはゲートアレイ、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理チップ、トランジスタ、及び/または他のディスクリート構成要素などの市販の半導体からなるハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールはまた、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなど、プログラマブルハードウェアデバイスに実装することも可能である。
【0100】
上記の開示において、別途指定のない限り、本発明の実施形態を特徴付ける条件や関係を規定する「実質的に」、「約」、「およそ」などの表現は、当該条件または特徴が、それが意図される用途に対する実施形態の作業に許容される許容範囲内にて定義されることを意味する。
【0101】
明細書に開示された方法/プロセス及び/またはシステム/デバイス/サブシステム/装置等は、図面に記載されたフローチャート及び/または図に厳密に限定されるものではない。例えば、方法は、図に記載されているものに対して、プロセスやステップを追加してもよく、数を減らしてもよい。更に、本方法の実施形態は、必ずしも本明細書に図示・記載された時系列に限られない。
【0102】
「処理」、「演算」、「算出」、「判定」、「成立」、「分析」、「確認」、「推定」、「導出」、「選択」、「推論」、「識別」、「検知」などの用語は、コンピュータのレジスタ及び/またはメモリにおける物理量として表れるデータ(例えば、電子信号または光信号)を操作する、もしくは、同様にコンピュータのレジスタ及び/またはメモリ、或いは操作及び/またはプロセスを行う命令を保存する他の情報記憶媒体における物理量として表れる他のデータに変換する、コンピュータ、演算プラットフォーム、演算システム、その他の電子演算装置にて行われる操作及び/またはプロセスを指すものである。
【0103】
単数形で使用される用語は、明示的に別段の記載がある場合、または文脈上別段の定めがある場合を除き、複数形を含むものとする。
【0104】
本出願の明細書及び特許請求の範囲において、「含む(comprise)」「備える(include)」「有する(have)」の各動詞、並びにそれらの活用語は、動詞の目的語が、動詞の主語の構成要素、要素または部分を全て羅列しているとは限らないことを示すものである。
【0105】
別途記載のない限り、選択肢のリストの最後の2つの間に「及び/または」という表現を使用することは、リストされた選択肢の1つ以上の選択が適切であり、指定された選択肢の可能な組み合わせが全て許されることを意味する。更に、「及び/または」という表現は、様々な選択肢のリストの後に続く「うち少なくとも1つ」「うちいずれか1つ」または「うち1つ以上」という表現に取り替えることができる。
【0106】
別個の実施形態または例の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供され得る。また、単一の実施形態、実施例、及び/または選択肢の文脈で説明されている本発明の様々な特徴を、別個に、または任意の適切な組み合わせで、あるいは本発明の他の説明された実施形態、実施例、または選択肢において適切なように提供されてもよい。様々な実施形態、実施例、及び/または選択肢の実装において文脈として説明される特定の特徴は、その実施形態、実施例、及び/または選択肢の実装がそれらの要素なしでは動作不能とならない限り、それらの実施形態の本質的な特徴とは見なされない。
【0107】
本明細書における「一部の実施形態における」「一部の実施形態による」「本発明の実施形態によると」「例えば」「一例として」「必要によっては」などの表現は、互いに取り替えられる。
【0108】
図面に図示されている要素の数は、本発明を限定するものではなく、説明のみを目的として選ばれたものである。
【0109】
本明細書における「操作可能(operable to)」は、「変更」や「構成」の意味をも網羅する。言い換えれば、なにかの作業を行うように「操作可能」な機器は、一部の実施形態では、その機能を実行し得る単なる能力を持つこと(そのように「変更」されている)を、また、一部の実施形態では、その機能を実行し得るように実際に作り上げられたいること(そのように「構成」されている)の両方を意味する。
【0110】
本願を通して、様々な実施形態が範囲の形式で、或いはそれに関連して提示されている。範囲形式での説明は、単に便宜を図り、簡潔に説明を纏めるためのものであり、実施形態の範囲を実際の制限するものとして解釈してはいけない。よって、範囲の説明は、可能な下位範囲やその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと同じであると見なされるべきである。例えば、さる範囲が1~6であると、これは1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの下位範囲や、1、2、3、4、5、6など、その範囲に属する個々の数値を具体的に提示したものと解釈すべきである。これは、範囲の広さとは関係なく適用される。
【0111】
一番目の数字「から」二番目の数字「までの範囲」という表現は「一番目の数字~二番目の数字の範囲」と同様の意味であり、互いの取り替えが利く。その上、一番目の数字と二番目の数字は勿論、その間の分数や整数を全て包括するものと見なされる。
【国際調査報告】