(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】器具の座屈を低減する血管アクセス装置
(51)【国際特許分類】
A61M 25/09 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
A61M25/09 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558733
(86)(22)【出願日】2022-03-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-15
(86)【国際出願番号】 US2022021319
(87)【国際公開番号】W WO2022204123
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】エリカ イー.ニューマン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーン ヘスロップ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA01
4C267AA28
4C267AA32
4C267CC08
4C267EE07
4C267HH04
(57)【要約】
血管アクセス装置はハウジングを含んでもよい。ハウジングの内表面は、基端端部と末端端部の間のハウジング内に配置された溝を含んでもよい。前進要素が溝を通って延びてもよく、後退位置と前進位置の間で溝に沿って直線的に移動するように構成されていてもよい。第1の端部と第2の端部とを有する器具が溝内に配置されてもよい。後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、器具の第2の端部は、末端端部を越えて前進されてもよい。支持特徴部は、溝の上又は溝内に配置されて後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して末端に移動するように構成されてもよい。支持特徴部は、溝からの器具の変位を制限してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管アクセス装置が、
ハウジングであって、基端端部、末端端部、及びスロットを備え、前記ハウジングの内表面が、前記ハウジングの前記基端端部と前記ハウジングの前記末端端部の間の前記ハウジング内に配置された溝を備える、ハウジング、
前記スロットを通って延びていて前記スロットに沿って後退位置と前進位置の間を直線的に移動するように構成された前進要素、
前記溝内に配置された器具であって、前記器具は第1の端部と第2の端部とを備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記器具の前記第2の端部が前記ハウジングの前記末端端部を越えて前進される、器具、及び
前記溝の上部又は前記溝内に配置され、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して末端に移動するように構成された支持特徴部であって、前記支持特徴部が前記溝からの前記器具の変位を制限する、支持特徴部、
を備える、血管アクセス装置。
【請求項2】
前記溝が直線状である、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項3】
前記支持特徴部が、前記溝の上に配置され、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記前進要素が、前記支持特徴部の基端端部に接触して前記支持特徴部を前記溝に沿って末端に押す、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項4】
前記支持特徴部の前記基端端部から延びるアームをさらに備え、前記アームが前記前進要素を通って延びており、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記前進要素が前記支持特徴部の前記基端端部に接触するまで、前記前進要素が前記アームに沿って末端にスライドする、請求項3に記載の血管アクセス装置。
【請求項5】
前記前進位置から前記後退位置への前記前進要素の移動に応答して、前記前進要素が前記アームと前記支持特徴部を基端に引く、請求項4に記載の血管アクセス装置。
【請求項6】
前記アームの基端端部がフックを備え、前記前進位置から前記後退位置への前進要素の移動に応答して、前記前進要素が前記フックを捕捉して前記アームと前記支持特徴部を基端に引く、請求項5に記載の血管アクセス装置。
【請求項7】
前記支持特徴部がバネを備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記バネが末端方向に圧縮する、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項8】
前記バネが前記溝内に配置され、前記器具が前記バネを通って延びるか、又は前記バネが前記溝の上に配置される、請求項7に記載の血管アクセス装置。
【請求項9】
前記前進要素が弧形状のチャネルを備え、前記器具が前記弧形状のチャネルを通って延びていて、前記器具の前記第1の端部が固定されていて、前記前進要素の第1の距離の移動に応答して、前記器具の前記第2の端部が第2の距離末端に前進するように構成されており、前記第2の距離は前記第1の距離の少なくとも2倍であり、前記溝は第1の溝であり、前記ハウジングの前記内表面は、前記ハウジングの前記基端端部と前記ハウジングの前記末端端部の間に、前記第1の溝と全体として平行な第2の溝を備え、前記器具は前記第2の溝を通って延びている、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項10】
前記支持特徴部が、前記第1の溝と前記第2の溝の間に配置され、前記第2の溝からの前記器具の変位を制限している、請求項9に記載の血管アクセス装置。
【請求項11】
前記支持特徴部が、前記第1の溝内に配置され、前記第2の溝内に配置された別の支持特徴部をさらに備え、前記器具が、前記支持特徴部と前記別の支持特徴部を通って延びている、請求項9に記載の血管アクセス装置。
【請求項12】
前記支持特徴部と前記別の支持特徴部が、それぞれバネを備える、請求項11に記載の血管アクセス装置。
【請求項13】
前記支持特徴部がアコーディオン形状を備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記アコーディオン形状が末端方向に圧縮する、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項14】
前記支持特徴部が、前記溝内に配置された複数のエラストマーディスクを備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記複数のエラストマーディスクの各々が、前記溝内で末端にスライドする、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項15】
前記支持特徴部が、入れ子式部材を備える、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項16】
前記支持特徴部がストリップを備え、前記ストリップが第1の端部と第2の端部を備え、前記第1の端部が前記前進要素に結合され、前記第2の端部が、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して巻き上がるように構成されている、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項17】
前記支持特徴部は、前記溝の上に延びるカバーを備え、前記カバーの第1の側部又は前記カバーの前記第1の側部と反対の前記カバーの第2の側部が、前記ハウジングに結合されている、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項18】
前記支持特徴部は、前記溝の上に延びるカバーを備え、前記カバーの第1の側部と前記第1の側部と反対の前記カバーの前記第2の側部が、前記ハウジングに結合され、前記カバーは前記カバーの中央までのスリットを備え又は前記前進要素は前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して前記カバーを切断する刃を備える、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項19】
前記支持特徴部は、前記溝の上に延びていて前記前進要素の前記後退位置から前記前進位置への移動及び前記前進要素による接触に応答して旋回又は曲がるように構成された複数のタブを備える、請求項1に記載の血管アクセス装置。
【請求項20】
血管アクセス装置が
ハウジングであって、基端端部、末端端部、及びスロットを備え、前記ハウジングの内表面が、前記ハウジングの前記基端端部と前記ハウジングの前記末端端部の間の前記ハウジング内に配置された溝を備える、ハウジング、
前記スロットを通って延びていて後退位置と前進位置の間で前記スロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素、
前記溝内に配置された器具であって、前記器具が第1の端部と第2の端部を備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記器具の前記第2の端部が前記ハウジングの前記末端端部を越えて前進される、器具、及び
前記溝内に配置された管であって、前記器具が前記管を通って延びている、管、を備え、
前記前進要素が弧形状のチャネルを備え、前記後退位置から前記前進位置への前記前進要素の移動に応答して、前記管が前記弧形状のチャネル内に前記基端にスライドする、血管アクセス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年3月23日に出願された「器具の座屈を低減する血管アクセス装置」と題する米国仮出願シリアル番号第63/164,976号の優先権を主張し、その開示全体は参照によりその全体がここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
カテーテルは、様々な注入療法のために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、正常な生理食塩水、種々の医薬品、及び全非経口栄養などの流体を患者に注入するために使用されることがある。カテーテルはまた、患者から血液を抜き取るためにも使用されることがある。
【0003】
一般的なタイプのカテーテル装置には、オーバー・ザ・ニードルであるカテーテルが含まれる。その名が示すように、オーバー・ザ・ニードルであるカテーテルは、鋭利な末端先端を有する導入針上に載置されてもよい。カテーテル組立体は、カテーテルアダプタ、カテーテルアダプタから末端に延びるカテーテル、及びカテーテルを通って延びる導入針を含むことがある。カテーテルと導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延びて、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられることがある。カテーテルと導入針は一般に、皮膚から患者の血管系内に浅い角度で挿入される。
【0004】
導入針及び/又はカテーテルの血管内への適切な配置を確認するため、施術者は一般に、カテーテル組立体のフラッシュバックチャンバー内で血液の「フラッシュバック」があることを確認する。針の配置が確認されると、施術者は血管系の流れを一時的に遮断して針を抜き取って、カテーテルを将来の血液収集又は輸液のために所定の位置に残すことがある。
【0005】
カテーテルを使用した輸液や血液の抜き取りは、特にカテーテルの留置時間が長くなると、いくつかの理由で困難になることがある。フィブリン鞘又は血栓が、カテーテル組立体の内表面、カテーテル組立体の外表面、又はカテーテルの末端先端近傍の血管系内に形成されることがある。フィブリン鞘又は血栓は、カテーテルを通る流体経路を遮断又は狭窄することがあり、これが輸液及び/又は高品質の血液サンプルの採取を損なうことがある。
【0006】
ここで請求される主題は、いかなる欠点も解決する実施形態に限定されるものではなく、上述のような環境でのみ動作するものでもない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実施態様が実施されてもよい一例の技術領域を説明するために提供されるに過ぎない。
【0007】
発明の概要
本開示は、概して、血管アクセス装置及び関連するシステム及び方法に関する。いくつかの実施形態において、血管アクセス装置はハウジングを含んでもよく、これは基端端部、末端端部、及びスロットを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ハウジングの内表面は、ハウジングの基端端部とハウジングの末端端部との間のハウジング内に配置された溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置は、スロットを通って延びていて後退位置と前進位置との間でスロットに沿って直線的に移動するように構成された前進要素を含んでもよい。
【0008】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置は、溝内に配置された器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、第1の端部及び第2の端部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、器具の第2の端部がハウジングの末端端部を越えて前進されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置は、溝の上又は溝内に配置された支持特徴部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部は、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して末端に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部は、溝からの器具の変位を制限してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、溝は直線状であってもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部は溝の上に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、前進要素は支持特徴部の基端端部に接触して、支持特徴部を溝に沿って末端に押してもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置は、支持特徴部の基端端部から延びるアームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アームは前進要素を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、前進要素が支持特徴部の基端端部に接触するまで、前進要素がアームに沿って末端にスライドしてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、前進位置から後退位置への前進要素の移動に応答して、前進要素はアームと支持特徴部を基端に引っ張ってもよい。いくつかの実施形態では、アームの基端端部はフックを含んでもよい。幾つかの実施形態では、前進位置から後退位置への前進要素の移動に応答して、前進要素がフックを捕捉してアームと支持特徴部を基端に引っ張ってもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、支持特徴部はバネを含んでもよい。幾つかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、バネは末端方向に圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、バネは溝内に配置されてもよく、器具はバネを通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、バネは溝の上に配置されてもよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、支持特徴部は、溝内に配置された1つ以上のエラストマーディスクを含んでもよい。幾つかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、エラストマーディスクの各々は、溝内で末端にスライドしてもよい。いくつかの実施形態において、支持特徴部は、入れ子式部材を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、入れ子式部材が末端方向につぶれてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、支持特徴部は、ストリップを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ストリップは、第1の端部と第2の端部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、第1の端部は前進要素に結合されてもよく、第2の端部は巻き上がるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、ストリップの第1の端部はストリップの基端端部を含んでもよく、ストリップの第2の端部はストリップの末端端部を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、支持特徴部は、溝の上を延びるカバーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カバーの第1の側部及び/又はカバーの第1の側部と反対のカバーの第2の側部は、ハウジングに結合されてもよい。いくつかの実施形態では、カバーは、カバーの中央までのスリットを含んでもよい。他の実施形態では、前進要素は、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答してカバーを切断する刃を含んでもよい。幾つかの実施形態では、支持特徴部は、溝の上を延びていて後退位置から前進位置への前進要素の移動と前進要素による接触に応答して旋回又は曲がるように構成された1つ以上のタブを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、前進要素は弧形状のチャネルを含んでもよい。幾つかの実施形態では、器具は弧形状のチャネルを通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、器具の第1の端部は固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、前進要素の第1の距離の移動に応答して、器具の第2の端部は、第2の距離末端に前進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の少なくとも2倍であってもよい。いくつかの実施形態では、溝は第1の溝であってもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングの内表面は、ハウジングの基端端部とハウジングの末端端部の間であって第1の溝と全体として平行な第2の溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、第2の溝を通って延びていてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、支持特徴部は、第1の溝と第2の溝の間に配置されてもよく、第1の溝及び/又は第2の溝からの器具の変位を制限してもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部は、第1の溝及び/又は第2の溝内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、第2の溝内に配置された別の支持特徴部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は、支持特徴部と他の支持特徴部を通って延びてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、支持特徴部及び/又は他の支持特徴部は、バネを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部及び/又は他の支持特徴部は、アコーディオン形状を含んでもよく、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、アコーディオン形状は末端方向に圧縮してもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、血管アクセス器具は、溝内に配置された管を含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具は管を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、菅はスリットを含んでもよく、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、前進要素はスリットを通って末端に移動してもよい。幾つかの実施形態では、前進要素は弧形状のチャネルを含んでもよく、後退位置から前進位置への前進要素の移動に応答して、管は弧形状の部分内にスライドしてもよい。
【0021】
前述の一般的な説明も以下の詳細な説明も、例であり説明的なものであって、特許請求の範囲に記載された本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【0022】
図面の簡単な説明
例示的な実施形態は、添付の図面の使用を通じて、さらに具体的かつ詳細に説明され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的な血管アクセス装置の上方斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的な血管アクセス装置の上方斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、例示的な後退位置にある例示的な前進要素を示す、
図2Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図3A】
図3Aは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的な支持特徴部を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図3B】
図3Bは、いくつかの実施形態による、前進要素が例示的な前進位置に向けて末端に移動するのに応答して前進要素によって押される支持特徴部を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図3C】
図3Cは、いくつかの実施形態による、前進位置にある前進要素を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図3D】
図3Dは、いくつかの実施形態による、前進位置から後退位置に向けて基端に後退されている前進要素を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図3E】
図3Eは、いくつかの実施形態による、後退位置に戻された前進要素を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図4A】
図4Aは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的なバネを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図4B】
図4Bは、いくつかの実施形態による、線1E-1Eに沿った
図1Aの血管アクセス装置の断面図である。
【
図4C】
図4Cは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及びバネを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図4D】
図4Dは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び複数のバネを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図4E】
図4Eは、いくつかの実施形態による、例示的な溝内のバネを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図4F】
図4Fは、いくつかの実施形態による、バネを含む別の例示的な血管アクセス装置を示す、例示的なカテーテルシステムの上方斜視図である。
【
図5】
図5は、いくつかの実施形態による、例示的なアコーディオン形状を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図6A】
図6Aは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的なエラストマーディスクを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図6B】
図6Bは、いくつかの実施形態による、エラストマーディスクの例示的な1つの拡大上方斜視図であり、そこを通って延びる例示的な器具を示す。
【
図6C】
図6Cは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及びエラストマーディスクを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図6D】
図6Dは、いくつかの実施形態による、エラストマーディスクの一例の拡大上方斜視図であり、そこを通って延びる器具を示す。
【
図7】
図7は、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的な入れ子式部材を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図8】
図8は、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的なストリップを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図9A】
図9Aは、いくつかの実施形態による、例示的なカバーを示す、
図1Aの線1C-1Cに沿った
図1Aの血管アクセス装置の断面図である。
【
図9C】
図9Cは、いくつかの実施形態による、カバーを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図9D】
図9Dは、いくつかの実施形態による、例示的な細長いカバーを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図9E】
図9Eは、いくつかの実施形態による、細長いカバーを示す、線1C-1Cに沿った
図1Aの血管アクセス装置の断面図である。
【
図10】
図10は、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び例示的な管を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、例示的なタブを示す、線1C-1Cに沿った
図1Aの血管アクセス装置の断面図である。
【
図11B】
図11Bは、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及びタブを示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【
図12】
図12は、いくつかの実施形態による、後退位置にある前進要素及び管を示す、
図1Aの血管アクセス装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
詳細な説明
ここで
図1A~1Dを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、カテーテル組立体のカテーテルを通って器具12を送達するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、器具12はカテーテルを通って前進されて、カテーテル又は血管系における閉塞(例えば、カテーテル先端の血栓又はフィブリン鞘、静脈の崩壊、弁など)を押し越えて、流体の流れのための明確な経路を形成してもよい。いくつかの実施形態では、器具12は、閉塞を低減又は除去して、カテーテルの滞留時間の間、血液の取得と同様に、投薬及び流体の送達のためのカテーテルの開通性を改善してもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、器具12は、ガイドワイヤ、プローブ、1つ以上のセンサを備えたガイドワイヤ又はプローブ、或いは別の適切な器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、センサは、患者又は装置の監視のために使用されてもよく、圧力、温度、pH、血液化学、酸素飽和度、流量、又は別の生理学的特性を測定するセンサを含んでもよい。一部の実施形態では、カテーテルは、末梢静脈カテーテル、末梢挿入中心カテーテル、又は正中線カテーテルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具12が送達されてもよいカテーテルは、患者の血管系内に先に挿入されていてもよく、器具12がカテーテルを通って前進されるときに血管系内に留置されていてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、器具12はハウジング14内に配置されてもよく、これは周囲の外部環境からの損傷及び/又は汚染から器具12を保護するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、剛性又は半剛性であってもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング14は、ステンレス鋼、アルミニウム、ポリカーボネート、金属、セラミック、プラスチック、及び別の適切な材料のうちの1つ以上で作られてもよい。いくつかの実施形態において、ハウジング14は、基端端部16、末端端部18、及びスロット20を含んでもよい。いくつかの実施形態において、スロット20は、ハウジング14の長手方向軸に平行に延びてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は前進要素22を含んでもよく、これはスロット20を通って延びてもよく、例えば
図1Aに示された後退位置と、前進位置との間でスロット20に沿って直線的に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、施術者は、前進要素22をつまんで又は把持して、前進要素22を前進要素22を後退位置と前進位置の間で移動させてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ハウジング14の末端端部18は、コネクタ24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、対向するレバーアーム26a、26bを含んでもよい。いくつかの実施形態において、対向するレバーアーム26a、26bの末端端部は、対向するレバーアーム26a、26bの基端端部に加えられる圧力に応答して、互いから離れるように移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、対向するレバーアーム26a、26bの基端端部に加えられる圧力の除去に応答して、末端端部が互いに接近して移動してもよく、例えば、針なしコネクタ、別のコネクタ、又はカテーテルアダプタの基端端部などのカテーテル組立体の一部を把持してもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、カテーテル組立体の一部内に挿入するように構成された鈍いカニューレ又は雄ルアーを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、コネクタ24は任意の適切なコネクタを含んでもよい。例えば、コネクタ24は、ねじ雄ルアー、スリップ雄ルアー、スピンロック付きねじ雄ルアー、取り外し可能な鈍いカニューレスナップ接続付きねじ雄ルアー、取り外し可能な鈍いカニューレスナップ接続付きスリップ雄ルアー、又は他の適切なコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、各々が延長管を受容するように構成されてもよい1つ以上のボンドポケットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、スロット20を含むハウジング14の本体とモノリシックに形成されてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、器具12は、第1の端部28と第2の端部30を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動は、器具12の第2の端部30がハウジング14の末端端部18を超えて前進されること引き起こしてもよい。いくつかの実施形態では、前進要素22を前進位置に移動させることは、器具12をカテーテル組立体内に及び/又はカテーテルを通して導入してもよい。いくつかの実施形態では、器具12がカテーテル組立体内及び/又はカテーテルを通して導入されることに応答して、器具12はカテーテル組立体の流体経路及び/又は患者の血管系にアクセスしてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、血管系内に有意な滞留時間を有するカテーテル組立体のカテーテルは、狭窄、崩壊、キンク、破片(例えば、フィブリン又は血小板の塊)による閉塞、及びカテーテルの先端の血管系への付着の影響を受けやすいことがある。従って、カテーテルを使用した血液の引き抜きは、困難なことがある。いくつかの実施形態では、器具12は、追加の針を刺すことなく患者の血管系へのアクセスを提供するために、カテーテル組立体のカテーテルの直径よりも小さい直径を有してもよい。いくつかの実施形態では、器具12は、血液サンプルを収集するための経路を清浄してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、針なし血液収集及び/又は流体注入に使用されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、延長管32が血管アクセス装置10に結合されてもよく、延長管32が血液収集及び/又は流体注入に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、延長管32はハウジング14のポート34から延びてもよい。いくつかの実施形態では、流体シール36がハウジング14内にあって、閉じた流体経路を維持しながら器具12を前進及び/又は後退させることを可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、器具12は、流体シール36を通って延びるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体シール36は、ポート34に対して基端に配置されてもよく、前進位置にある前進要素22に対して末端に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、流体シール36は、シリコーン、ゴム、エラストマー、又は他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、流体シール36は、開口部、スリットなどを含んで、器具12をその中に収容してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、延長管32の基端端部は、血液収集装置38に結合されてもよい。例えば、延長管32の基端端部は、コネクタ40と一体化されてもよく、これは血液収集装置38に結合されてもよい。一部の実施形態では、針なしコネクタがコネクタ40と血液収集装置38の間に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ40及び/又はポート34は、IVライン又は別の流体接続部に結合されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、ハウジング14の内表面42は、1つ以上の溝を含んでもよい。例えば、内表面42は、第1の溝44及び/又は第2の溝46を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44及び/又は第2の溝46は、基端端部16と末端端部18の間のハウジング14内に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、器具12は、第1の溝44及び/又は第2の溝46内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44及び/又は第2の溝46は、支持壁48、支持壁と反対の別の支持壁50、及び支持壁48と別の支持壁50の間に延びる底部52を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44及び/又は第2の溝46は、底部52の反対に開口してもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44及び/又は第2の溝46は、器具12が末端に前進及び/又は基端に後退するときに、器具12を案内するように直線状であってもよく及び/又は構成されてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、前進要素22は、弧形状のチャネル54を含んでもよく、これはU字形状であってもよい。いくつかの実施形態では、器具12は弧形状のチャネル54を通って延びて移動してもよい。いくつかの実施形態では、器具12の第1の端部28は固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、器具の第1の端部28は、ハウジング14内に固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、前進要素22の第1の距離の移動に応答して、器具12の第2の端部は、第2の距離だけ末端に前進するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の2倍であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離は、第1の距離の2倍を超えていてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、器具12は、複数のU字形状又は他の弧形状を通って延びてもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1の溝44及び/又は第2の溝46が底部52の反対に開口しているため、器具12は、例えば
図1Bに示されているように、前進要素22が末端に前進されるのに応答して、座屈する傾向があってもよい。
【0037】
次に
図2A~2Bを参照すると、いくつかの実施形態による別の血管アクセス装置60が示されている。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置60は、1つ以上の特徴部及び/又は動作の点で、血管アクセス装置10と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置60は、血管アクセス装置10と同様に、器具12を全体として直線的な方式で前進及び/又は後退させてもよい。いくつかの実施形態では、第1の端部28は、前進要素22に結合又は固定されていてもよい。いくつかの実施形態では、前進要素22の第1の距離の移動に応答して、器具12の第2の端部は、第1の距離と同じ距離だけ末端に前進するように構成されてもよい。これらの実施形態では、ハウジング14は、第1の溝44を含んでもよく、第2の溝46を含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の溝44が底部52の反対に開口しているため、器具12は、前進要素22が流体シール36を通って末端に前進されることに応答して、座屈する傾向があってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、
図3~12の1つ以上の支持特徴部62が血管アクセス装置60内に配置されてもよいことが理解される。例えば、バネ72は、血管アクセス装置60の第1の溝44を覆ってもよく及び/又はその中に配置されてもよい。別の例として、アコーディオン形状84が第1の溝44内に配置されてもよい。さらに別の例として、エラストマーディスク86が第1の溝44内に配置されてもよい。さらに別の例として、第1の入れ子式部材88a、ストリップ90、カバー92、又はタブ102が第1の溝44を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、管98が第1の溝44内に配置されてもよい。
【0039】
次に
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、例えば
図3Aに図示される後退位置から例えば
図3Cに図示される前進位置への前進要素22の移動に応答して末端に移動するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、前進要素22は、例えば
図3Bに図示されているように、支持特徴部62の基端端部66に接触し、支持特徴部62を第1の溝44に沿って末端に押してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、ハウジング14に沿ってスライドするように構成されたスライダを含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、摩擦、干渉、又はスナップ嵌めでハウジング14内の適所に保持されてもよい。幾つかの実施形態では、前進要素22が後退位置にあるとき、支持特徴部62は、ハウジングの全体として中央部又は第1の溝44及び/又は第2の溝46の中間点に位置してもよく、これは器具12の座屈が生じやすい場所となってもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、アーム68が支持特徴部62の基端端部66から延びてもよい。いくつかの実施形態では、アーム68は、前進要素22の開口部を通って延びてもよい。幾つかの実施形態では、前進要素22の後退位置から前進位置への移動に応答して、前進要素22は、前進要素22が支持特徴部62の基端端部66に接触するまで、アーム68に沿って末端にスライドしてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、前進要素22の前進位置から後退位置への移動に応答して、前進要素22はアーム68及び支持特徴部62を基端に引いてもよい。いくつかの実施形態では、アームの基端端部はフック70を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前進要素22の前進位置から後退位置への移動に応答して、前進要素22はフック70を捕捉してもよく、アーム68及び支持特徴部62を基端に引いてもよい。いくつかの実施形態では、フック70は、前進要素22の一部の内径よりも大きい外径を有する突起を含んでいてもよく、これがフック70が前進要素22を捕捉することを引き起こしてもよい。幾つかの実施形態では、フック70は「L」形状を含んでもよい。いくつかの実施形態では、フック70は、前進要素22が後退位置にあるときにハウジング14の基端端部16に結合されてもよく、これが支持特徴部62の移動に抵抗してもよい。いくつかの実施形態では、フック70は、支持特徴部62を末端に押す前進要素22の末端移動に応答して、ハウジングの基端端部16から結合解除されてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、アーム68は剛性であってもよく、これがアーム68に沿った前進要素22の移動を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、アーム68は、可撓性縄を含んでもよく、これは紐、リボン、テープ、又は他の可撓性材料で構成されてもよい。これらの実施形態では、支持特徴部62は、摩擦、干渉、又はスナップ嵌めによりハウジング14内の所定位置に保持されてもよく、フック70を含まなくてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、第1の溝44及び/又は第2の溝46を覆ってもよい。いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、例えば
図3A~3Eに示されるように、第1の溝44及び/又は第2の溝46の上に配置されてもよい。これら及び他の実施形態において、支持特徴部62は、支持壁48及び/又は他方の支持壁50の上に着座してもよい(例えば、
図1D参照)。いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、第1の溝44及び/又は第2の溝46内に延びてもよく、これは支持特徴部62のためのガイドとして作用してもよい。これら及び他の実施形態において、支持特徴部62は、
図6C~6Dに関して説明されたエラストマーディスク86の1つと同様であってもよく、エラストマーディスク86の1つ以上の特徴部を含んでもよい。
【0045】
ここで
図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、支持特徴部62はバネ72を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、バネ72は末端方向に圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は複数のコイルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、前進要素22の末端方向への移動に応答して、バネ72は、器具12に接触して器具12が座屈し又は第1の溝44及び/又は第2の溝46から離れるのを防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、らせん状又は丸形であってもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、例えば
図4Bに図示されているように、長円形であってもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、金属ワイヤ又は他の適切な材料を含んでもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、バネ72は、第1の溝44及び/又は第2の溝46を覆ってもよく、これが第1の溝44及び/又は第2の溝46内への器具12の保持を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、例えば
図4A~4Bに図示されているように、第1の溝44及び/又は第2の溝46の上に配置されてもよい。これらの実施形態では、バネ72は、第1の溝44の支持壁48及び/又は他方の支持壁50の上に着座又は接触してもよい(例えば、
図1D参照)。いくつかの実施形態では、前進要素22が後退位置にあるとき、バネ72は、ハウジング14の全体として中央部又は第1の溝44及び/又は第2の溝46の中間点にあってもよく、そうでなければ、器具12の座屈が生じやすい場所にあってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、バネ72は、第1の溝44及び/又は第2の溝46の全長に沿って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、第1の溝44及び/又は第2の溝46の全長に沿って延びていなくてもよい。いくつかの実施形態では、バネ72の基端端部は、前進要素22から間隔を空けられてもよい。いくつかの実施形態では、バネ72の末端端部は、器具12の第1の端部28から間隔をあけられ及び/又はこれに対して基端に配置されてもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、バネ72の基端端部は前進要素22に結合されてもよく、及び/又はバネ72の末端端部はハウジング14に結合されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、バネ72の1つ以上の端部は固定されていてもよい。ここで
図4Cを参照すると、他の実施形態では、バネ72は、自立していてもよいし、ハウジング14内に固定されていなくてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態では、バネ72の基端端部は前進要素22に結合されていなくてもよく、バネ72の末端端部はハウジング14に結合されていなくてもよい。
【0049】
図4Cに示されるように、いくつかの実施形態では、バネ72は、第1の溝44及び/又は第2の溝46内に延びていてもよく、これはバネ72のガイドとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、バネ72は、基端-末端方向よりも器具座屈の方向に硬くてもよく、これが器具12を支持しながら末端方向にバネ72を圧縮することを容易にしてもよい。
【0050】
次に
図4Dを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44に支持特徴部62を、及び/又は、第2の溝46に別の支持特徴部74を含んでもよい。いくつかの実施形態では、別の支持特徴部74は、1つ以上の特徴部及び/又は動作の点で支持特徴部62と類似又は同一であってもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、支持特徴部62はバネ72を含んでよく、及び/又は他の支持特徴部74は別のバネ76を含んでもよい。いくつかの実施形態では、バネ72及び/又は他のバネ76は、器具12を取り囲んでいてもよい。これら及び他の実施形態では、バネ72及び/又は他のバネ76は、器具12から間隔を空けられてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、バネ72及び他のバネ76は、末端方向に圧縮してもよい。ここで
図4Eを参照すると、いくつかの実施形態では、バネ72は第1の溝44に配置されてもよく、第2の溝46は他のバネ76を含まなくてもよい。
【0052】
ここで
図4Fを参照すると、いくつかの実施形態では、ハウジング14は、末端方向につぶれることが可能で器具12を末端方向に前進させてもよい。いくつかの実施形態では、器具12は、例えば基端端部16などのハウジング14の一部に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング14が末端方向につぶれることに応答して、バネ72が圧縮されてもよく、ハウジング14の基端端部16がコネクタ24に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コネクタ24は、ハウジング14が末端方向につぶれることに応答してハウジング14の基端端部16の雄ルアーを受容してもよい雌ルアーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、器具12はバネ72を通って延びてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、コネクタ24は、カテーテル組立体78に結合されてもよく、これはカテーテルアダプタ80及びカテーテル82から末端方向に延びるカテーテル82を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ24は、1つ以上の延長管及び/又は1つ以上の他のコネクタを介してカテーテル組立体78に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、血液収集装置38は、器具12の基端端部に結合されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、器具12は、患者の血管系内へのカテーテル組立体78の挿入に応答して血液が流れる管を含んでもよい。
【0054】
次に
図5を参照すると、いくつかの実施形態では、支持特徴部62はアコーディオン形状84を含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、アコーディオン形状84が末端方向に圧縮してもよい。いくつかの実施形態では、器具12は、例えば、アコーディオン形状84の中間の開口部を通ってなど、アコーディオン形状84を通って延びてもよい。いくつかの実施形態では、第2の溝46は、アコーディオン形状84と類似又は同一のアコーディオン形状をその中に含んでもよい。
【0055】
次に
図6A~6Dを参照すると、いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、第1の溝44内に配置された1つ以上のエラストマーディスク86を含んでもよい。例えば、第1のエラストマーディスク86a、第2のエラストマーディスク86b、第3のエラストマーディスク86c、及び第4のエラストマーディスク86d(本開示では「エラストマーディスク86」と総称する)が、第1の溝44内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44内に1~10個のエラストマーディスク86を含んでもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44内に10個を超えるエラストマーディスク86を含んでもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、エラストマーディスク86は、互いに対して間隔を空けられ及び/又は等間隔に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、エラストマーディスク86の各々は、第1の溝44内で末端にスライドしてもよく、及び/又は、互いに接触して積層体を形成してもよい。いくつかの実施形態では、第2の溝46は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点でエラストマーディスク86と類似又は同一の1つ以上のエラストマーディスクをその中に含んでもよい。
【0057】
図6C~6Dに示されるように、いくつかの実施形態では、エラストマーディスク86は、第1の溝44と第2の溝46の間に延びてもよい。いくつかの実施形態では、エラストマーディスク86の各々は、第1の溝44及び/又は第2の溝46内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、エラストマーディスク86の各々は、第1のスロット及び/又は第2のスロットを含んでいてそれを通って器具12が延びてもよい。いくつかの実施形態では、第1のスロットは第1の溝44内に配置されてもよく及び/又は第2のスロットは第2の溝46内に配置されてもよい。
【0058】
次に
図7を参照すると、支持特徴部62は、第1の入れ子式部材88aを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44を覆う第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の溝46を覆う第2の入れ子式部材88bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の入れ子式部材88bは、前進要素22との接触ゆえに末端につぶれてもよい。さらに詳細には、いくつかの実施形態において、第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の入れ子式部材88bは、2つ以上の部品を含んでもよい。いくつかの実施形態では、部品のうちの最も基端の1つは、部品のうちの最も基端の1つの中につぶれるように構成された1つ以上の末端部品を受容するのに十分な大きさの内径を含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の入れ子式部材88aは、第1の溝44の全長に沿って延びてもよく、及び/又は第2の入れ子式部材88bは、第2の溝46の全長に沿って延びてもよく、これが器具12の座屈を低減してもよい。いくつかの実施形態では、第1の入れ子式部材88aの基端端部及び/又は第2の入れ子式部材88bの基端端部は、前進要素22に結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の入れ子式部材88aの末端端部及び/又は第2の入れ子式部材88bの末端端部は、ハウジング14の内表面42に結合されてもよく又はハウジング14に対して押し付けられるように構成されてもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、前進位置から後退位置への前進要素22の移動に応答して、第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の入れ子式部材88bは、例えば
図7に示されているように、基端に膨張してもよく及び/又はそれらを膨張位置に付勢する捕捉部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の入れ子式部材88bの形状は、円筒形、矩形、又は任意の他の適切な形状であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の入れ子式部材88aは第1の溝44内に配置されてもよく、及び/又は第2の入れ子式部材88bは第2の溝46内に配置されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、第1の入れ子式部材88a及び/又は第2の入れ子式部材88bは、全体として平坦であってもよい。
【0061】
次に
図8を参照すると、支持特徴部62は第1のストリップ90aを含んでもよい。いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44を覆う第1のストリップ90a及び/又は第2の溝46を覆う第2のストリップ90bを含んでもよい。いくつかの実施形態では、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bが巻き上がってもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bは、それぞれ第1の端部と第2の端部を含んでもよい。幾つかの実施形態では、第1の端部は前進要素22に結合されてもよく、第2の端部は、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して巻き上がり又はコイル状となるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の端部は、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bの基端端部を含んでもよく、第2の端部は、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bの末端端部を含んでもよい。
【0063】
これら及び他の実施形態において、第1の端部は前進要素22に結合又は固定されてもよく、及び/又は第2の端部はハウジング14に結合又は固定されてもよい。幾つかの実施形態では、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bは、ハウジング14に対してピン又は固定要素の周りに巻き上がるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、巻き上がるように構成された第2の端部は、前進要素22内に配置されてもよく、及び/又は第1の端部は、ハウジング14に結合又は固定されてもよい。幾つかの実施形態では、第1のストリップ90a及び/又は第2のストリップ90bは、その幅にわたって平坦又は弧状であってもよい。
【0064】
次に
図9A~9Bを参照すると、いくつかの実施形態において、支持特徴部62は、第1の溝44及び/又は第2の溝46の上に延びる1つ以上のカバー92を含んでもよい。
図9A~9Cは、いくつかの実施形態による、第1のカバー92a、第2のカバー92b、及び第3のカバー92c(これらは、本開示において「カバー92」と総称されてもよい)を示す。いくつかの実施形態では、任意の数のカバー92が、第1の溝44及び/又は第2の溝46の上に延びてもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、特定のカバー92の第1の側部及び/又は第1の側部とは反対の特定のカバー92の第2の側部が、ハウジング14に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、カバー92は、それぞれ薄膜又は他の適切な材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カバー92は、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、前進要素22によって分割又は切断されてもよい。カバー92を分割又は切断してもよい前進要素22の刃99の例が
図10に示されている。いくつかの実施形態では、カバー92は可撓性材料で構成されていてもよいが、座屈を防止するために器具12に支持を与えるのに十分な剛性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性材料は、カバー92の中央部分の移動又はカバー92の広がりを容易にしてもよい。
【0066】
次に
図9D~9Eを参照すると、いくつかの実施形態では、血管アクセス装置10は、第1の溝44上のカバー92のうちの1つのみ、及び/又は第2の溝46上のカバー92のうちの1つのみを含んでもよい。例えば、カバー92aが第1の溝44の長さの大部分又は全体に沿って延びてもよく、及び/又はカバー92bが第2の溝46の長さの大部分又は全体に沿って延びてもよい。
【0067】
次に
図10及び12を参照すると、いくつかの実施形態では、管98が第1の溝44内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、同様の管が第2の溝96内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば
図10に示されているように、器具12は管98を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態では、管98はスリット100を含んでいてもよく、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、前進要素22はスリット100を通って末端に移動してもよい。いくつかの実施形態では、
図9のカバー92は、それぞれスリット100と同様のスリットを含んでもよい。例えば
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、前進要素22は弧形状のチャネル54を含んでもよく、後退位置から前進位置への前進要素22の移動に応答して、管98は弧形状のチャネル54内にスライドしてもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、管98は、可撓性材料で構成されていてもよいが、座屈を防止するために器具12を支持するのに十分な剛性を有していてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性材料は、管98の中央部分の移動又は管98の広がりを容易にして、前進要素22の進入又は通過を可能にしてもよい。
【0069】
次に
図11A~11Bを参照すると、いくつかの実施形態では、支持特徴部62は、第1の溝44及び/又は第2の溝46の上に延びる1つ以上のタブ102を含んでもよい。いくつかの実施形態では、タブ102は、後退位置から前進位置への前進要素22の移動及び前進要素22による接触に応答して、末端方向に旋回及び/又は曲がるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、タブ102の各々は、タブ102の各々をハウジング14に結合するピンの周りに旋回又は枢動してもよい。いくつかの実施形態では、タブ102は、可撓性材料で構成されて、末端方向に曲がって前進要素22の通過を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、タブ102は、前進要素22の通過に応答して器具12の座屈方向に移動又は曲がらなくてもよく、したがって、器具12を支持してもよい。
【0070】
ここで援用されるすべての例及び条件付き文言は、読者が本発明及び当技術分野をさらに発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的な目的のために意図されており、そのような具体的に援用された例及び条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされてもよいことが理解されるべきである。
【国際調査報告】