(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】対らせん状細線維タウに対するヒト化抗体及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/13 20060101AFI20240314BHJP
C07K 16/18 20060101ALI20240314BHJP
C07K 16/46 20060101ALI20240314BHJP
C12N 15/62 20060101ALI20240314BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20240314BHJP
C12N 1/15 20060101ALI20240314BHJP
C12N 1/19 20060101ALI20240314BHJP
C12N 1/21 20060101ALI20240314BHJP
C12N 5/10 20060101ALI20240314BHJP
C12P 21/02 20060101ALI20240314BHJP
C12P 21/08 20060101ALI20240314BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240314BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240314BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20240314BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240314BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240314BHJP
C07K 16/28 20060101ALN20240314BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/18 ZNA
C07K16/46
C12N15/62 Z
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/02 C
C12P21/08
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P25/16
A61K39/395 N
A61K47/68
C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558734
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 IB2022052763
(87)【国際公開番号】W WO2022201122
(87)【国際公開日】2022-09-29
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】509087759
【氏名又は名称】ヤンセン バイオテツク,インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100217663
【氏名又は名称】末広 尚也
(72)【発明者】
【氏名】ナンジュンダ,ラペシュ
(72)【発明者】
【氏名】チョウドリー,パーサ
(72)【発明者】
【氏名】シャ,ファーン
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG27
4B064CA02
4B064CA10
4B064CA19
4B064CC24
4B064CE10
4B064CE11
4B064CE12
4B064DA01
4B065AA26X
4B065AA92X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C076BB11
4C076BB13
4C076CC01
4C076CC29
4C076EE41
4C076EE59
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE01
4C085GG01
4C085GG02
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA28
4H045FA72
4H045FA74
4H045GA22
4H045GA23
4H045GA26
(57)【要約】
ヒト化抗PHF-タウ抗体及びその抗原結合断片が記載される。また、抗体をコードする核酸、抗体のコンジュゲート及び融合構築物、抗体を含む組成物、抗体を生成する方法、並びにタウ異常症などの状態を治療又は予防するための抗体を使用する方法も記載される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列からなるか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいて、タウタンパク質に結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片であって、前記抗体又はその抗原結合断片が、対らせん状細線維(PHF)-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合し、前記タウタンパク質のエピトープが、タウタンパク質のリン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435のうちの1つ以上を含むが、リン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435の全てを含まない、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号7又は14、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、配列番号12若しくは18と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号13、19、23、若しくは59と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、請求項1に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
配列番号12若しくは18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13、19、23、若しくは59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む、請求項2に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
(a)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(b)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号19のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(c)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号23のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(d)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
(a)配列番号15又は20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、24、又は60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17又は22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
(a)配列番号61又は62のポリペプチド配列を有する重鎖と、
(b)それぞれ配列番号16若しくは24、又は21若しくは60のポリペプチド配列を有する軽鎖とを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に結合された、請求項1~6のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片を含む、コンジュゲート。
【請求項8】
前記抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、中性pHで少なくとも1nM、好ましくは1~500nMの解離定数K
D、及び酸性pH、好ましくはpH5で少なくとも10
-4秒
-1、好ましくは10
-4~10
-1秒
-1のオフ速度定数k
dで、それぞれCD98、好ましくはヒトCD98hc、又はTfR、好ましくはヒトTfR1に結合する、請求項7に記載のコンジュゲート。
【請求項9】
前記抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、中性pHで2×10
-2~2×10
-4秒
-1、好ましくは8×10
-3秒
-1のオフ速度定数k
dを有する、請求項7又は8に記載のコンジュゲート。
【請求項10】
前記抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域と、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域とを含み、
(a)前記抗CD98抗体又はその抗原結合断片の前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号26、27、28又は33、29、30、及び31のアミノ酸配列を有する、又は
(b)前記抗TfR抗体又はその抗原結合断片の前記HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号35、36、37、38、39、及び40のアミノ酸配列を有する、請求項7~9のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項11】
前記抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して軽鎖可変領域に共有結合した重鎖可変領域を含む単鎖可変断片(scFv)であり、好ましくは、前記リンカーが、配列番号55又は56のアミノ酸配列を有し、より好ましくは、前記scFvが、配列番号25、配列番号32、配列番号34、又は配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
【請求項12】
請求項7~11のいずれか一項に記載のコンジュゲートを含む融合構築物であって、前記抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して前記単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖のうちの1つのみのカルボキシ末端に共有結合しており、好ましくは、前記リンカーが配列番号52のアミノ酸配列を有する、融合構築物。
【請求項13】
前記単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の前記2つの重鎖の各々が、野生型CH3ドメインポリペプチドと比較して、修飾ヘテロ二量体CH3ドメインなどの1つ以上のヘテロ二量体変異、又は1つ以上のノブ及びホール変異を含む、請求項12に記載の融合構築物。
【請求項14】
前記第1の重鎖の前記修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、L351、F405、及びY407におけるアミノ酸修飾を含み、前記第2の重鎖の前記修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、T366、K392、及びT394におけるアミノ酸修飾を含み、位置T350における前記アミノ酸修飾が、T350V、T350I、T350L、又はT350Mであり、前記位置L351におけるアミノ酸修飾が、L351Yであり、前記位置F405におけるアミノ酸修飾が、F405A、F405V、F405T、又はF405Sであり、前記位置Y407におけるアミノ酸修飾が、Y407V、Y407A、又はY407Iであり、前記位置T366におけるアミノ酸修飾が、T366L、T366I、T366V、又はT366Mであり、前記位置K392におけるアミノ酸修飾が、K392F、K392L、又はK392Mであり、前記位置T394におけるアミノ酸修飾が、T394Wであり、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに記載されるEUインデックスに従う、請求項13に記載の融合構築物。
【請求項15】
前記第1の重鎖の前記修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T366Wを含み、前記第2の重鎖の前記修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T366S、L368A、及びY407Vを含む、請求項13に記載の融合構築物。
【請求項16】
前記単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、新生児Fc受容体(RcRN)への前記融合物の結合を増強するFcドメイン中の1つ以上の変異を含み、好ましくは、前記1つ以上の変異が酸性pHでの結合を増強し、より好ましくは、前記FcがM252Y/S254T/T256E(YTE)変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに記載のEUインデックスに従う、請求項12~15のいずれか一項に記載の融合構築物。
【請求項17】
前記単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、エフェクター機能を低減又は排除するFcドメインにおける1つ以上の変異を含み、好ましくは、前記Fcが、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329の位置に1つ以上のアミノ酸修飾、例えば、L234A、L235A、及びP331Sの1つ、2つ、又は3つの変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに示されるEUインデックスに従う、請求項12~16のいずれか一項に記載の融合構築物。
【請求項18】
融合構築物であって、
(a)配列番号42~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、24、及び60からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、融合構築物。
【請求項19】
請求項1~6のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、請求項7~11のいずれか一項に記載のコンジュゲート、又は請求項12~18のいずれか一項に記載の融合構築物をコードする単離核酸。
【請求項20】
請求項19に記載の単離核酸を含む、ベクター。
【請求項21】
請求項19に記載の単離核酸又は請求項20に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項22】
請求項1~6のいずれか一項に記載のヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、請求項7~11のいずれか一項に記載のコンジュゲート、又は請求項12~18のいずれか一項に記載の融合構築物を生成する方法であって、前記ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、前記コンジュゲート、又は前記融合構築物をコードする核酸を含む細胞を、前記ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、前記コンジュゲート、又は前記融合構築物を生成する条件下で培養することと、前記細胞又は細胞培養物から前記ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、前記コンジュゲート、又は前記融合構築物を回収することとを含む、方法。
【請求項23】
請求項1~6のいずれか一項に記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、請求項7~11のいずれか一項に記載のコンジュゲート、又は請求項12~18のいずれか一項に記載の融合構築物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物。
【請求項24】
タウシーディングのブロックを必要とする対象における、タウシーディングをブロックする方法であって、請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項25】
抗体依存性貧食(ADP)の誘導を必要とする対象における、炎症促進性サイトカインの分泌を刺激することなく抗体依存性貧食を誘導する方法であって、請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項26】
タウ異常症の治療を必要とする対象における、前記タウ異常症を治療する方法であって、請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項27】
病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡散の低減を必要とする対象における、前記病理学的タウ凝集又は前記タウ異常症の拡散を低減する方法であって、請求項23に記載の医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記タウ異常症が、家族性アルツハイマー病、散発性アルツハイマー病、染色体17に関連したパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症複合、ダウン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、慢性外傷性脳症、及び拳闘家認知症(ボクサー病)からなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記医薬組成物が、注射により投与される、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記医薬組成物が、前記対象の血液脳関門(BBB)を通過して送達される、請求項24~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記投与が、Fc媒介性エフェクター機能を低下させる、及び/又は急速な網状赤血球枯渇を誘導しない、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
対象由来の生体試料におけるPHF-タウの存在を検出する方法であって、前記生体試料を請求項1~6のいずれか一項に記載のヒト化抗体又は抗原結合断片と接触させることと、前記対象由来の前記試料におけるPHF-タウへの前記ヒト化抗体又はその抗原結合断片の結合を検出することとを含む、前記方法。
【請求項33】
前記生体試料が、血液、血清、血漿、間質液、又は大脳脊髄液試料である、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ヒト化抗PHF-タウ抗体、抗体コンジュゲート、抗体をコードする核酸及び発現ベクター、ベクターを含有する組換え細胞、並びに抗体を含む組成物に関する。抗体を作製する方法、タウ異常症を含む状態を治療するために抗体を使用する方法、及びタウ異常症などの疾患を診断するために抗体を使用する方法もまた提供される。
【0002】
(電子的に提出された配列表の参照)
本出願は、ASCII形式の配列表としてEFS-Webを介して電子的に提出され、ファイル名が「065768.98US2配列表」で、2022年3月8日に作成され、125kbのサイズを有する配列表を含む。EFS-Webを介して提出された配列表は、本明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
アルツハイマー病(Alzheimer's Disease、AD)は、徐々に激しい精神機能低下を導き、最終的には死に至らしめる、記憶、認知、論理的思考、判断力、及び情動安定性の進行性喪失を臨床的特徴とする、退行性脳障害である。ADは、高齢者の進行性精神機能不全(認知症)の非常に一般的な原因であり、米国では4番目に多い医学的死亡原因を表すと考えられている。ADは、世界中の民族集団で観察され、現在及び未来の、主たる公衆の健康上の問題を提示する。
【0004】
ADを患う個体の脳は、老人性(又はアミロイド)斑、アミロイド血管症(血管におけるアミロイド沈着)及び神経原線維変化と呼ばれる特徴的な病変を呈する。これら病変の大多数、特にアミロイド斑及び対らせん状細線維の神経原線維変化は、一般に、ADを患う患者の記憶及び認知機能に重要なヒトの脳のいくつかの領域で見られる。
【0005】
現在のAD治療の状況には、認知症を患う患者における認知症状を治療するために認可された治療法のみが含まれる。ADの進行を修飾又は遅延させる承認された療法はない。潜在的な疾患修飾物質は、Eli Lillyのドナネマブ(Donanemab)、Aβ(p3-42)を認識するヒト化IgG1モノクローナル抗体、Aβのピログルタミン酸型、及びアデュカヌマブ、Aβ上に見出される立体配座エピトープに対するヒトIgG1モノクローナル抗体を含む抗アミロイド抗体である。これらの療法、及び今後10年間に開始し得る他の可能性のある疾患修飾物質のほとんどは、Aβ(ADの2つの「特徴的な」の病理学的徴候のうちの1つであるアミロイド斑の主成分)を標的とする。
【0006】
ADの第2の特徴的な病理学的兆候である神経原線維変化は主に、過剰リン酸化タウタンパク質の凝集体で構成される。タウの主な生理学的機能は、微小管の重合及び安定化である。タウの微小管への結合は、タウの微小管結合領域における正電荷と、微小管格子における負電荷との間のイオン性相互作用により発生する(Butner and Kirschner,J Cell Biol.115(3):717-30,1991)。タウタンパク質は、85個の可能なリン酸化部位を含有し、これらの部位の多くにおけるリン酸化が、タウの一次機能を妨げる。軸索の微小管格子に結合したタウは、擬リン酸化状態にあるが、AD内で凝集したタウは過剰リン酸化状態にあり、タウの生理学的に活性なプールとは異なる独自のエピトープをもたらす。
【0007】
タウ異常症の伝達及び拡散仮説が報告されており、これは、ヒトの脳におけるタウ異常症の進行のBraak段階及び前臨床的タウモデルにおけるタウ凝集体を注射した後のタウ異常症の拡散に基づいている(Frost et al.,J Biol Chem.284:12845-52,2009、Clavaguera et al.,Nat Cell Biol.11:909-13,2009)。
【0008】
タウの凝集を予防又は一掃する治療薬を開発することには長年関心が持たれており、抗凝集化合物及びキナーゼ阻害剤を含む候補薬物が、臨床試験に導入されている(Brunden et al.,Nat Rev Drug Discov.8:783-93,2009)。トランスジェニックマウスモデルにおける能動的及び受動的タウ免疫付与の両方の有益な治療効果を示す、複数の研究が公開されている(Chai et al.,J Biol Chem.286:34457-67,2011、Boutajangout et al.,J Neurochem.118:658-67,2011、Boutajangout et al.,J Neurosci.30:16559-66,2010、Asuni et al.,J Neurosci.27:9115-29,2007)。活性は、ホスホ指向性抗体及び非ホスホ指向性抗体の両方で報告されている(Schroeder et al.,J Neuroimmune Pharmacol.11(1):9-25,2016)。
【発明の概要】
【0009】
進展にもかかわらず、タウ凝集及びタウ異常症の進行を予防して、AD及び他の神経変性病などのタウ異常症を治療するのに効果的な治療薬が依然として必要とされている。
【0010】
本出願は、対らせん状細線維(paired helical filament、PHF)-タウに対して高い結合親和性を有し、リン酸化タウに対して選択的であるヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を提供することによりこの必要性を満たす。本出願のヒト化抗体は、マウスPHF-タウ特異的抗体のヒトフレームワークへの適応(human framework adaptation、HFA)によって生成された。リン酸化タウに対する抗体の選択性により、通常のタウ機能を妨げずに病原性タウに対する効能が可能となると考えられる。本出願はまた、抗体をコードする核酸、抗体を含む組成物、並びに抗体を生成する方法及び抗体を使用する方法も提供する。本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体、又はその抗原結合断片は、HEK細胞可溶化物に由来する、又は変異体タウトランスジェニックマウスの脊髄溶解物に由来するタウシードを使用する細胞アッセイにより測定されるように、タウシードを阻害する。更に、本出願の抗PHF-タウ抗体の可変領域及びマウスIg定常領域(例えばマウスIgG2a定常領域)を有するキメラ抗体は、インビボでの変異体タウトランスジェニックマウスにおいてシーディング活性をブロックした。
【0011】
AD脳におけるタウ異常症の進行は、異なる特殊な拡大パターンに従う。前臨床モデルにおいては、細胞外ホスホ-タウシードがニューロンでのタウ異常症を誘発し得ることが示されている(Clavaguera et al.,PNAS 110(23):9535-40,2013)。それゆえ、タウ異常症はある脳の領域から次の領域に、プリオンのように拡大し得ると考えられている。この拡大プロセスには、近くのニューロンにより取り込まれることができ、更なるタウオパチーを引き起こし得るタウシードの外在化が伴う。理論に束縛されるものではないが、本出願の抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片は、脳内でホスホ-タウシードと相互作用することにより、タウ凝集又はタウ異常症の拡大を予防すると考えられている。
【0012】
一般的な一態様では、本出願は、PHF-タウに結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0013】
別の一般的な態様では、本出願は、配列番号1のアミノ酸配列からなるか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいてタウタンパク質に結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片であって、対らせん状細線維(PHF)-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合する、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0014】
特定の態様によれば、本出願は、配列番号1のアミノ酸配列からなるか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいて、タウタンパク質に結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片が、対らせん状細線維(PHF)-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合し、タウタンパク質のエピトープが、タウタンパク質のリン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435のうちの1つ以上を含むが、リン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435の全てを含まない、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0015】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号7又は14、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、配列番号12若しくは18と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13、19、23、若しくは59と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む。
【0016】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12若しくは18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13、19、23、若しくは59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む。
【0017】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、
(a)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(b)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号19のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(c)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号23のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(d)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む。
【0018】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、
(a)配列番号15又は20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、又は24、又は60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17又は22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む。
【0019】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、
(a)配列番号61又は62のポリペプチド配列を有する重鎖と、
(a)それぞれ配列番号16若しくは24、又は21若しくは60のポリペプチド配列を有する軽鎖とを含む。
【0020】
別の一般的な態様において、本出願は、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に結合された、本出願の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片を含む、コンジュゲートに関する。
【0021】
特定の態様によれば、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、中性pHで少なくとも1nM、好ましくは1~500nMの解離定数KD、及び酸性pH、好ましくはpH5で少なくとも10-4秒-1、好ましくは10-4~10-1秒-1のオフ速度定数kdで、それぞれCD98、好ましくはヒトCD98hc、又はTfR、好ましくはヒトTfR1に結合する。
【0022】
別の特定の態様によれば、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、中性pHで2×10-2~2×10-4秒-1、好ましくは8×10-3秒-1のオフ速度定数kdを有する。
【0023】
別の特定の態様によれば、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域と、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域とを含み、
(a)抗CD98抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号26、27、28又は33、29、30、及び31のアミノ酸配列を有する、又は
(b)抗TfR抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号35、36、37、38、39、及び40のアミノ酸配列を有する。
【0024】
別の特定の態様によれば、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して軽鎖可変領域に共有結合した重鎖可変領域を含む単鎖可変断片(scFv)であり、好ましくは、リンカーが、配列番号50又は51のアミノ酸配列を有し、より好ましくは、scFvが、配列番号25、配列番号32、配列番号34、又は配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0025】
別の一般的な態様では、本出願は、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖のうちの1つのみのカルボキシ末端に共有結合しており、好ましくは、リンカーが配列番号52のアミノ酸配列を有する、本出願に記載のコンジュゲートを含む融合構築物に関する。
【0026】
特定の態様では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖の各々が、野生型CH3ドメインポリペプチドと比較して、修飾ヘテロ二量体CH3ドメインなどの1つ以上のヘテロ二量体変異、又は1つ以上のノブ及びホール変異を含む。
【0027】
別の特定の態様によれば、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、L351、F405、及びY407におけるアミノ酸修飾を含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、T366、K392、及びT394におけるアミノ酸修飾を含み、位置T350におけるアミノ酸修飾が、T350V、T350I、T350L、又はT350Mであり、L351位のアミノ酸修飾がL351Yであり、位置F405におけるアミノ酸修飾が、F405A、F405V、F405T、又はF405Sであり、位置Y407におけるアミノ酸修飾が、Y407V、Y407A、又はY407Iであり、位置T366におけるアミノ酸修飾が、T366L、T366I、T366V、又はT366Mであり、位置K392におけるアミノ酸修飾が、K392F、K392L、又はK392Mであり、位置T394におけるアミノ酸修飾が、T394Wであり、アミノ酸残基の番号付けがKabatに記載されるEUインデックスに従う。
【0028】
別の特定の態様によれば、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T366Wを含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T366S、L368A、及びY407Vを含む。
【0029】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、新生児Fc受容体(RcRn)への融合物の結合を増強するFcドメイン中の1つ以上の変異を含み、好ましくは、1つ以上の変異が酸性pHでの結合を増強し、より好ましくは、FcがM252Y/S254T/T256E(YTE)変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに記載のEUインデックスに従う。
【0030】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、エフェクター機能を低減又は排除するFcドメインにおける1つ以上の変異を含み、好ましくは、Fcが、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329の位置に1つ以上のアミノ酸修飾、例えば、L234A、L235A、及びP331Sの1つ、2つ、又は3つの変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに示されるEUインデックスに従う。
【0031】
別の態様では、本出願は、
(a)配列番号42~49からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、24、及び60からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、融合構築物に関する。
【0032】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、本出願のコンジュゲート、又は本出願の融合構築物をコードする単離核酸に関する。
【0033】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願の融合タンパク質をコードする単離核酸を含むベクターに関する。
【0034】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願の単離核酸又は本出願のベクターを含む宿主細胞に関する。
【0035】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願のヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、本出願のコンジュゲート、又は本出願の融合構築物を生成する方法であって、ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物をコードする核酸を含む細胞を、ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物を生成する条件下で培養することと、細胞又は細胞培養物からヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物を回収することとを含む、方法に関する。
【0036】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片、本出願のコンジュゲート、又は本出願の融合構築物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
【0037】
別の一般的な態様では、本発明は、タウシーディングのブロックを必要とする対象における、タウシーディングをブロックする方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
【0038】
別の一般的な態様において、本出願は、抗体依存性貧食(ADP)の誘導を必要とする対象における、炎症促進性サイトカインの分泌を刺激することなく抗体依存性貧食を誘導する方法であって、対象に本出願の医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0039】
別の一般的な態様では、本出願は、タウ異常症の治療を必要とする対象における、タウ異常症を治療する方法であって、本出願の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
【0040】
別の一般的な態様では、本出願は、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡散の低減を必要とする対象における、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡散を低減する方法であって、本出願の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
【0041】
特定の態様によれば、タウ異常症が、家族性アルツハイマー病、散発性アルツハイマー病、染色体17に関連したパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症複合、ダウン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、慢性外傷性脳症、及び拳闘家認知症(ボクサー病)からなる群から選択される。
【0042】
別の特定の態様によれば、医薬組成物は静脈内投与される。
【0043】
別の特定の態様によれば、医薬組成物は、対象の血液脳関門(BBB)を通過して送達される。
【0044】
別の特定の態様によれば、投与は、Fc媒介性エフェクター機能を低下させる、及び/又は急速な網状赤血球枯渇を誘導しない。
【0045】
別の一般的な態様によれば、本出願は、対象由来の生体試料におけるPHF-タウの存在を検出する方法であって、生体試料を本出願に記載のヒト化抗体又はその抗原結合断片と接触させることと、対象由来の試料におけるPHF-タウへのヒト化抗体又はその抗原結合断片の結合を検出することとを含む、方法に関する。
【0046】
特定の態様によれば、生体試料が、血液、血清、血漿、間質液、又は大脳脊髄液試料である。
【0047】
本出願の実施形態による本発明の他の態様、特徴、及び利点は、出願の詳細な説明、並びにその好ましい実施形態及び添付の特許請求の範囲を含む以下の開示より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
上述の概要及び以降の本出願の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより良好に理解されるであろう。本出願は、図面に示される正確な実施形態に限定されない点を理解する必要がある。
【
図1】PT1B995及びPT1B585と比較した、ヒト化変異体PT1B1142の完全長タウタンパク質へのELISA結合を示すグラフである。
【
図2】PT1B995及びPT1B585と比較した、ある温度範囲にわたるヒト化変異体PT1B1142の熱安定性ELISAシグナルを示すグラフである。
【
図3】ヒト完全長組換えタウに対する親及びヒト化PT66抗体の代表的なSPR結合データを示す一連のグラフである。センサグラムは、2.2nM、6.7nM、20nM、及び60nMでの単一サイクル動態モードにおけるタウタンパク質の段階的注射を表す。黒一色のオーバーレイは、1:1ラングミュアモデルを用いたグローバルキネティクスフィッティングを示す。
【
図4】全長組換えタウタンパク質へのPT1B1183結合のSPRセンサグラムである。センサグラムは、1.1nM、3.3nM、10nM、及び30nMのタウタンパク質の単一サイクル動態モードでの段階的注射を表す。各タウ濃度の会合時間は3分であり、解離時間は120分である。黒一色のオーバーレイは、1:1ラングミュアモデルを用いたグローバルキネティクスフィッティングを示す。
【発明の詳細な説明】
【0049】
「背景技術」において、また、本明細書全体を通じて各種刊行物、論文及び特許を引用又は記載し、これら参照文献の各々はその全容が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に含まれる文書、操作、材料、デバイス、物品などの考察は、本出願のコンテキストを与えるためのものである。かかる考察は、これらの事物のいずれか又は全てが、開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術の一部を構成することを容認するものではない。
【0050】
定義
特に規定のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。そうでない場合、本明細書で使用される特定の用語は、本明細書に記載される意味を有するものである。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、特に文脈上明らかでない限り、複数の指示対象物を含むことに留意する必要がある。
【0051】
特に明記しない限り、本明細書に記載される濃度又は濃度範囲などのあらゆる数値は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、数値は、通常、記載される値の±10%を含む。例えば、1mg/mLの濃度は0.9mg/mL~1.1mg/mLを含む。同様に、1%~10%(w/v)の濃度範囲は0.9%(w/v)~11%(w/v)を含む。本明細書で使用するとき、数値範囲の使用は、文脈上そうでない旨が明確に示されない限り、その範囲内の整数及び値の分数を含む、全ての可能な部分範囲、その範囲内の全ての個々の数値を明示的に含む。
【0052】
本明細書に使用される場合、複数の列挙された要素間の「及び/又は」という接続的な用語は、個々の及び組み合わされた選択肢の両方を包含するものとして理解される。例えば、2つの要素が「及び/又は」によって接続される場合、第1の選択肢は、第2の要素なしに第1の要素が適用可能であることを指す。第2の選択肢は、第1の要素なしに第2の要素が適用可能であることを指す。第3の選択肢は、第1及び第2の要素が一緒に適用可能であることを指す。これらの選択肢のうちのいずれか1つは、意味に含まれ、したがって、本明細書に使用される場合、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。選択肢のうちの2つ以上の同時適用性もまた、意味に含まれ、したがって、用語「及び/又は」の要件を満たすことが理解される。
【0053】
本明細書及び以下の特許請求の範囲を通して、文脈上必要としない限り、用語「含む(comprise)」並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」などの変形は、指定の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を含むが、任意の他の整数若しくはステップ又は整数若しくはステップの群を除外するものではないことを意味すると理解されるであろう。本明細書で使用するとき、用語「含む」は、用語「含有する」又は「含む(including)」に置き換えることができ、又はときに本明細書で使用するとき、用語「有する」に置き換えることもできる。
【0054】
本明細書に使用される場合、「からなる(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素において指定されていない任意の要素、工程、又は成分を除外する。本明細書に使用される場合、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を及ぼさない材料又は工程は除外しない。本発明の態様又は実施形態の文脈において本明細書で使用するときは常に、本開示の範囲を変化させるために、「含む(comprising)」、「含有する」、「含む(including)」、及び「有する」という上記用語のいずれかを、用語「からなる」又は「から本質的になる」に置き換えることができる。
【0055】
本明細書で使用するとき、「単離(された)」という用語は、生物学的構成成分(例えば、核酸、ペプチド、又はタンパク質)が、これらの構成成分が天然に生じる生物の他の生物学的構成成分(すなわち、他の染色体及び染色体外DNA及びRNA、並びにタンパク質)から実質的に分離されたか、これらの他の成分とは別に生成されたか、又はこれらの他の成分から精製されたものであることを意味する。このため、「単離(された)」核酸、ペプチド、及びタンパク質は、標準的な精製法により精製された核酸及びタンパク質を含む。「単離された」核酸、ペプチド、及びタンパク質は、組成物の一部であることができ、このような組成物が核酸、ペプチド、又はタンパク質の本来の環境の一部ではない場合であっても単離されている。また、この用語は、宿主細胞中での組換え発現により調製された核酸、ペプチド、及びタンパク質、並びに化学合成された核酸も包含する。
【0056】
本明細書で使用するとき、「抗体」又は「免疫グロブリン」という用語は広い意味で用いられ、ポリクローナル抗体を含む免疫グロブリン又は抗体分子、マウス、ヒト、ヒト適合、ヒト化、及びキメラモノクローナル抗体及び抗体断片を含むモノクローナル抗体を含む。
【0057】
一般に、抗体は、特定の抗原に対する結合特異性を示すタンパク質又はペプチド鎖である。抗体の構造は、周知である。免疫グロブリンは、重鎖定常ドメインのアミノ酸配列に応じて5つの主なクラス、すなわち、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMに割り当てられ得る。IgA及びIgGは、アイソタイプのIgA1、IgA2、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4として更に細分類される。4つのIgGサブクラスのそれぞれは、エフェクター機能として既知の異なる生物学的機能を有する。これらのエフェクター機能は、一般に、Fc受容体(FcγR)との相互作用によって、及び/又はC1qの結合及び補体の固定によって媒介される。FcγRへの結合は、抗体依存性細胞媒介性細胞溶解又は抗体依存性細胞障害(ADCC)をもたらし得るが、補体因子への結合は、補体媒介性細胞溶解又は補体媒介性細胞障害(CDC)をもたらし得る。本出願の抗体としては、半減期の延び、ADCC又はCDCの増減、及びサイレンシングされたFcエフェクター機能が挙げられるがこれらに限定されない、野生型Fc領域と比較して変化した特性を有するように、Fc領域に多様性を有するものが挙げられる。したがって、本出願の抗体は、5つの主要なクラス又は対応する下位クラスのいずれかのものであり得る。好ましくは、本出願の抗体は、IgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4である。いずれの脊椎動物種の抗体軽鎖も、それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて2つの明確に異なるタイプ、すなわちκ及びλのうちの一方に割り当てることができる。したがって、本出願の抗体は、κ又はλ軽鎖定常ドメインを含有することができる。特定の実施形態によれば、本出願の抗体は、マウス抗体又はヒト抗体の重鎖及び/又は軽鎖定常領域を含む。
【0058】
重鎖及び軽鎖定常領域に加えて、抗体は、軽鎖及び重鎖可変領域を含有する。免疫グロブリン軽鎖又は重鎖可変領域は、「抗原結合部位」が割り込んだ「フレームワーク」領域からなる。抗原結合部位は、以下のとおり様々な用語及び符番スキームを用いて定義される。
(i)Kabat:「相補性決定領域」又は「CDR(Complementarity Determining Region)」は、配列可変性に基づく(Wu and Kabat,J Exp Med.132:211-50,1970)。一般に、抗原結合部位は、各可変領域に3つのCDR(例えば、重鎖可変領域(heavy chain variable region、VH)にHCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びに軽鎖可変領域(light chain variable region、VL)にLCDR1、LCDR2、及びLCDR3)を有する。
(ii)Chothia:「超可変領域」、「HVR(hypervariable region)」、又は「HV」という用語は、Chothia及びLeskにより定義されているように、構造中で超可変性である抗体可変ドメインの領域を指す(Chothia and Lesk,J Mol Biol.196:901-17,1987)。一般に、抗原結合部位は、各VH(H1、H2、H3)及びVL(L1、L2、L3)に3つの超可変領域を有する。CDR及びHVの付番体系及び注釈は、最近、Abhinandan及びMartinにより改訂された(Abhinandan and Martin,Mol.Immunol.45:3832-9(2008))。
(iii)IMGT:抗原結合部位を形成する領域の別の定義は、免役グロブリン及びT細胞受容体からのVドメインの比較に基づき、Lefranc(Lefranc et al.,Dev Comp Immunol.27:55-77,2003)により提案されている。International ImMunoGeneTics(IMGT)データベースが、標準化したこれらの領域の符番及び定義を提供している。CDR、HV、及びIMGTの描写間の対応については、Lefranc et al.,2003,同上に記載されている。
(iv)AbM:Kabat及びChothiaの付番スキームの妥協点は、Martin(Martin ACR(2010)Antibody Engineering,eds Kontermann R,Dubel S(Springer-Verlag,Berlin),Vol 2,pp 33-51)に記載されている、AbM番号付けの取り決めである。
(v)抗原結合部位はまた、「特異性決定残基使用量」(Specificity Determining Residue Usage、SDRU)に基づいて描写することができ(Almagro、Mol Recognit.17:132-43,2004)、SDRは、抗原接触に直接関与する免疫グロブリンのアミノ酸残基を指す。
【0059】
「フレームワーク」又は「フレームワーク配列」は、抗原結合部位の配列であると定義されるもの以外の、抗体の可変領域内の残りの配列である。抗原結合部位の正確な定義は、上述したような様々な描写により決定され得るため、正確なフレームワーク配列は、抗原結合部位の定義に依存する。フレームワーク領域(framework region、FR)は、より高度に保存された可変ドメインの部分である。天然の重鎖及び軽鎖の可変ドメインは各々、3つの超可変ループにより接続された、βシート構成を一般的に用いる4つのFR(それぞれFR1、FR2、FR3、及びFR4)を含む。各鎖の超可変ループはFRにより互いに緊密に折りたたまれ、他の鎖の超可変ループと共に、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。抗体の構造分析により、相補性決定領域により形成される結合部位の配列と形状との関係が明らかとなった(Chothia et al.,J.Mol.Biol.227:799-817,1992、Tramontano et al.,J.Mol.Biol.215:175-182,1990)。これらの高い配列可変性にもかかわらず、6つのループのうち5つだけが、「標準構造」と言われる、小さなレパートリーの主鎖構造を採用する。これらの構造はまず、ループの長さにより決定され、次に、折りたたみ、水素結合、又は異常な主鎖構造を推定する能力により構造が決定される、ループ及びフレームワーク領域の特定の位置における鍵となる残基の存在により決定される。
【0060】
「抗体」はまた、重鎖のみの抗体(HcAb)とも呼ばれる重鎖上の単一可変ドメイン(VHH)抗体であってもよく、これは軽鎖を欠いており、ラクダ科動物又はサメによって天然に生成され得る。HcAbの抗原結合部分は、VHH断片からなる。
【0061】
「組換え抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、抗体をコードする核酸を含む組換え宿主細胞によって発現される抗体(例えば、キメラ、ヒト化、又はヒト抗体若しくはその抗原結合断片)を指す。組換え抗体を生成するための「宿主細胞」の例としては、以下が挙げられる:(1)哺乳動物細胞、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)、COS、骨髄腫細胞(YO及びNSO細胞を含む)、ベビーハムスター腎臓(BHK)、Hela及びVero細胞;(2)昆虫細胞、例えば、sf9、sf21、及びTn5;(3)植物細胞、例えば、ニコチアナ(Nicotiana)属に属する植物(例えば、ニコチアナ・タバカム);(4)酵母細胞、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces)属に属する酵母細胞(例えば、Saccharomyces cerevisiae)又はアスペルギルス(Aspergillus)に属する酵母細胞(例えば、アスペルギルスニガー);(5)細菌細胞、例えば、大腸菌細胞又は枯草菌細胞など。
【0062】
抗体の「抗原結合断片」は、抗原に検出可能な程度に結合することができる、全長抗体の一部分を含む分子であり、典型的に、少なくともVH領域の1つ又は2つ以上の部分を含む。抗原結合断片は、抗体の1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の抗原結合部分と、単鎖構成体とを含む多価分子であり、VL及びVH領域、又はその選択された部分が、合成リンカーによって又は遺伝子組換え法によって接合されて機能性の抗原結合分子を形成する。抗原結合断片はまた、単一の単量体可変抗体ドメイン(VHH)からなる抗体断片である、ナノボディとしても知られる単一ドメイン抗体(single-domain antibody、sdAb)であり得る。一部の抗体の抗原結合性フラグメントは、より大きな抗体分子の実際の切断(例えば、酵素的開裂)によって得ることができるが、多くの場合は典型的に遺伝子組換え技法により産生される。本出願の抗体は、全長抗体又はその抗原結合断片として調製することができる。抗原結合断片の例としては、Fab、Fab’、F(ab)2、F(ab’)2、F(ab)3、Fv(典型的には、抗体の単一アームのVL及びVHドメイン)、単鎖Fv(scFv、例えば、Bird et al.,Science 1988;242:423-426及びHuston et al.PNAS 1988;85:5879-5883を参照されたい)、dsFv、Fd(典型的にはVH及びCH1ドメイン)、及びdAb(典型的にはVHドメイン)断片;VH、VL、VHH、及びV-NARドメイン;単一のVH鎖及び単一のVL鎖を含む一価分子;ミニボディ、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、及びカッパボディ(例えば、Ill et al.,Protein Eng 1997;10:949-57を参照されたい);ラクダIgG;IgNAR;並びに1つ以上の単離CDR又は抗原結合部位が挙げられ、単離CDR又は抗原結合残基若しくはポリペプチドは、機能的抗体断片を形成するように一緒に会合又は連結することができる。様々な種類の抗体断片が、例えば、Holliger and Hudson,Nat Biotechnol 2005;23:1126-1136、国際公開第2005040219号、並びに公開された米国特許出願公開第20050238646号及び同第20020161201号に記載又は総説されている。抗体断片は、従来の組換え又はタンパク質工学的手法を用いて得ることができ、この断片は、無傷の抗体と同様にして抗原結合又は他の機能に関してスクリーニングすることができる。
【0063】
抗体断片の作製のために様々な手法が開発されている。慣例的に、これらの断片は、全長抗体のタンパク分解消化から得られた(例えば、Morimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods,24:107-117(1992)、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)を参照されたい)に記載されている。しかしながら、これらの断片は現在、組換え宿主細胞によって直接に作製され得る。代替的に、Fab’-SH断片は、E.coliから直接回収でき、化学的に結合してF(ab’)2断片を形成することができる(Carter et al.,Bio/Technology,10:163-167(1992))。別のアプローチにより、F(ab’)2断片は、組換え宿主細胞培養から直接単離することができる。他の実施形態において、選ばれる抗体は単鎖Fv断片(single-chain Fv fragment、scFv)である。国際公開第1993/16185号、米国特許第5,571,894号、及び同第5,587,458号を参照されたい。抗体断片はまた、例えば、米国特許第5,641,870号において記述されるように「直鎖抗体」であってもよい。このような直鎖抗体断片は、単一特異性又は二重特異性であってもよい。
【0064】
本明細書で使用される「抗体誘導体」という用語は、完全長抗体又はその抗原結合断片を含む分子であって、1つ又は2つ以上のアミノ酸が化学的に修飾又は置換されている、分子を指す。抗体の誘導体において使用することができる化学修飾としては、例えば、抗体を第2の分子に連結するための、例えば、アルキル化、PEG化、アシル化、エステル形成、又はアミド形成などが挙げられる。例示的な修飾としては、PEG化(例えば、システインPEG化)、ビオチン化、放射性標識、第2の試薬(例えば、細胞毒性剤)との結合が挙げられる。
【0065】
本明細書中の抗体は、変更された抗原結合又は生物学的活性を有する「アミノ酸配列バリアント」を含む。そのようなアミノ酸変更の例としては、抗体に対する親和性が増強された抗体(例えば、「親和性成熟」抗体)、及びFc領域が変更された抗体(存在する場合)、例えば、抗体依存性細胞傷害(antibody dependent cellular cytotoxicity、ADCC)及び/又は補体依存性細胞傷害(complement dependent cytotoxicity、CDC)が変更された(増加又は減少した)抗体(例えば、国際公開第00/42072号(Presta,L.)及び国際公開第99/51642号(Iduosogie et al)を参照されたい)。並びに/又は血清半減期が増加若しくは減少した抗体(例えば、国際公開第00/42072号、Presta,L.を参照されたい)が挙げられる。
【0066】
「多重特異性分子」は、少なくとも1つの他の機能性分子(例えば、別の抗体又は受容体に対するリガンドなどの、別のペプチド又はタンパク質)に会合又は結合し、これによって少なくとも2つの異なる結合部位又は標的分子に結合する分子を形成する抗体又はその抗原結合性フラグメントを含む。例示的な多重特異性分子には、二重特異性抗体、及び可溶性受容体フラグメント又はリガンドに結合する抗体が含まれる。
【0067】
用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用するとき、フレームワーク及びCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリンに由来する(すなわち、それと同一又は本質的に同一の)可変領域を有する抗体を含むことが意図される。更に、抗体が定常領域を含む場合、この定常領域もヒト生殖細胞系免疫グロブリンに「由来する」。本出願のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列にコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロにおけるランダム若しくは部位特異的変異誘発により、又はインビボ(in viva)における体細胞変異により導入された変異)を含むことができる。しかしながら、用語「ヒト抗体」は、本明細書で使用するとき、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされた抗体を含むことは意図されていない。
【0068】
「ヒト化」抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含んだ、ヒト/非ヒトのキメラ抗体である。ほとんどの場合、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)(例えば、マウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長目)の超可変領域由来の残基により置き換えられている、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの例において、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基により置き換えられる。更に、ヒト化抗体は、レシピエント抗体又はドナー抗体で見出されない残基を含むことができる。これらの修飾は、抗体の性能を更に改良するために行われる。一般的には、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含むこととなり、この可変ドメインにおいて、全て又は実質的に全ての超可変ループは、非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、全て又は実質的に全てのFR残基は、ヒト免疫グロブリン配列のFR残基である。ヒト化抗体は、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)、典型的には、ヒト免疫グロブリンのFcのうち少なくとも一部も含み得る。更なる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);及びPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)、国際公開第92/02190号、米国特許出願第20060073137号、並びに米国特許第6,750,325号、同第6,632,927号、同第6,639,055号、同第6,548,640号、同第6,407,213号、同第6,180,370号、同第6,054,297号、同第5,929,212号、同第5,895,205号、同第5,886,152号、同第5,877,293号、同第5,869,619号、同第5,821,337号、同第5,821,123号、同第5,770,196号、同第5,777,085号、同第5,766,886号、同第5,714,350号、同第5,693,762号、同第5,693,761号、同第5,530,101号、同第5,585,089号、及び同第5,225,539号を参照。
【0069】
本明細書で使用するとき、「エピトープ」という用語とは、免疫グロブリン、抗体、又はその抗原結合断片が特異的に結合する、抗原上の部位を指す。エピトープは、タンパク質の三次折りたたみにより並置された連続アミノ酸、又は非連続アミノ酸のいずれかから形成することができる。連続アミノ酸から形成したエピトープは、典型的には、変性溶媒にさらして保持されるが、三次折りたたみにより形成したエピトープは、典型的には、変性溶媒による処理で喪失される。エピトープは、典型的には、独自な空間構造の中に、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15個のアミノ酸を含む。エピトープの空間構造を決定する方法としては、例えば、x線結晶構造解析、及び二次元核磁気共鳴が挙げられる。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology,Vol.66,G.E.Morris,Ed.(1996)を参照されたい。
【0070】
参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」とは、競合アッセイにおいて参照抗体のその抗原への結合を50%又はそれ以上遮断する抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて抗体のその抗原への結合を50%又はそれ以上遮断する。
【0071】
標的抗体が天然標的リガンドへの標的分子の結合を「遮断する」能力とは、抗体が、可溶性又は細胞表面に結合した標的及びリガンド分子を使用するアッセイにおいて、用量依存な様式で標的分子のリガンドへの結合を検出可能に減少させ、標的分子は、抗体の非存在下でリガンドに検出可能に結合することを意味する。
【0072】
本明細書で使用するとき、「タウ」又は「タウタンパク質」という用語とは、複数のアイソフォームを有する、多くある中枢神経系及び末梢神経系のタンパク質を指す。ヒト中枢神経系(central nervous system、CNS)では、代替スプライシングにより、352~441アミノ酸長のサイズ範囲の6つの主要なタウアイソフォームが存在する(Hanger et al.,Trends Mol Med.15:112-9,2009)。アイソフォームは、0~2個のN末端挿入、及び3又は4個の一列に配列した微小管結合反復を制御して含めることにより互いに異なり、0N3R(配列番号53)、1N3R(配列番号54)、2N3R(配列番号55)、0N4R(配列番号56)、1N4R(配列番号57)、及び2N4R(配列番号58)と称される。本明細書で使用するとき、「対照タウ」という用語は、リン酸化及び他の翻訳後修飾されていない、配列番号58のタウアイソフォームを指す。本明細書で使用するとき、「タウ」という用語は、完全長野生型タウの変異(例えば、点変異、断片、挿入、欠失、及びスプライスバリアント)を含むタンパク質を含む。「タウ」という用語はまた、タウアミノ酸配列の翻訳後修飾を包含する。翻訳後修飾としては、リン酸化が挙げられるが、これに限定されない。本明細書中で使用される場合、句「タウタンパク質のリン酸化S433」及び類似の句は、全長野生型タウタンパク質の特定の位置のリン酸化アミノ酸、例えば、433位のセリンを指す。
【0073】
タウは、微小管に結合しており、タウのリン酸化によって調節され得るプロセスである、細胞を通じたカーゴの輸送を制御する。AD及び関連する疾患においては、タウの異常リン酸化が広く生じ、これは、タウの対らせん状細線維(PHF)と呼ばれる原線維への凝集の前に生じ、及び/又はその凝集を誘発すると考えられる。PHFの主要構成成分は、過剰リン酸化タウである。本明細書で使用するとき、「対らせん状細線維-タウ」又は「PHF-タウ」という用語とは、対らせん状細線維中のタウの凝集体を指す。PHF構造における2つの主要な領域は、電子顕微鏡、ファジーコート、及びコア細線維により明らかであり、ファジーコートは、タンパク質分解に敏感であり、細線維の外側に位置し、細線維のプロテアーゼ耐性コアは、PHFの主鎖を形成する(Wischik et al.Proc Natl Acad Sci USA.85:4884-8,1988)。
【0074】
本明細書で使用する場合、「PHF-タウに結合する単離ヒト化抗体」、又は「単離ヒト化抗PHF-タウ抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない、ヒト化抗PHF-タウ抗体を意味することを意図する(例えば、単離ヒト化抗PHF-タウ抗体はPHF-タウ以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、単離ヒト化抗PHF-タウ抗体は、例えば他の種(PHF-タウ種のホモログなど)の他の関連抗原に対して交差反応性を有する。
【0075】
本明細書で使用するとき、「特異的に結合する」又は「特異的結合」という用語は、本出願の抗PHF-タウ抗体が、約1×10-6M以上、例えば、約1×10-7M以下、約1×10-8M以下、約1×10-9M以下、約1×10-10M以下、約1×10-11M以下、約1×10-12M以下、又は約1×10-13M以下の解離定数(KD)で所定の標的に結合する能力を指す。KDは、Kaに対するKdの比率(すなわち、Kd/Ka)から得られ、モル濃度(M)として表される。抗体のKD値は、本開示を考慮して当該技術分野における方法を使用して決定することができる。例えば、抗PHF-タウ抗体のKD値は、表面プラズモン共鳴を用いることにより、バイオセンサシステム、例えば、Biacore(登録商標)システム、ProteOn機器(BioRad)、KinExA機器(Sapidyne)、ELISA、又は当業者に知られている競合結合アッセイを用いることなどにより、決定することができる。典型的には、抗PHF-タウ抗体は、例えば、ProteOn機器(BioRad)を使用した表面プラズモン共鳴によって測定した場合に、非特異的標的に対するKDよりも少なくとも10倍低いKDで所定の標的(すなわち、PHF-タウ)に結合する。しかしながら、PHF-タウに特異的に結合する抗PHF-タウ抗体は、他の関連標的、例えば、サル、例えばカニクイザル(Macaca fascicularis)、チンパンジー(Pan troglodytes)、又はコモンマーモセット(Callithrix jacchus)などの他の種由来の同じ所定の標的に対して交差反応性を有する場合がある。単一特異性抗体は、1つの抗原又は1つのエピトープに特異的に結合するのに対し、二重特異性抗体は、2つの異なる抗原又は2つの異なるエピトープに特異的に結合する。
【0076】
本明細書で使用される「コンジュゲート」は、治療用ペプチド若しくはタンパク質、抗体、標識、又は神経障害薬を含むがこれらに限定されない、1つ又は2つ以上の異種分子に共有結合した抗体又はタンパク質を指す。
【0077】
本明細書で使用するとき、用語「共役/結合した」は、2つ以上の物体を一緒に接合又は接続することを指す。化学化合物又は生物学的化合物を指す場合、共役/結合したとは、2つ以上の化学化合物又は生物学的化合物間の共有結合による接続を指し得る。非限定的な例として、本出願の抗体は、目的のペプチドと結合されて抗体結合ペプチドを形成することができる。抗体結合ペプチドは、抗体をペプチドに複合するように設計された特定の化学反応によって形成することができる。ある特定の実施形態では、本出願の抗体は、リンカーにより本出願のペプチドと共有結合され得る。リンカーは、例えば、最初に抗体又はペプチドに共有結合により接続され、次いでペプチド又は抗体に共有結合により接続され得る。
【0078】
本明細書で使用される「リンカー」は、2つの異なる実体を共有結合的に連結する化学リンカー又は単鎖ペプチドリンカーを指す。リンカーは、本出願の抗体又はその又はその断片、血液脳関門シャトル、融合タンパク質及びコンジュゲートのいずれか2つを連結することができる。リンカーは、例えば、scFv中のVH及びVL又はヒト化抗体若しくはその抗原結合断片を第2の抗体などの第2の分子と連結することができる。いくつかの実施形態では、一価結合実体がCD98、好ましくはヒトCD98hcに対するscFvを含み、治療用分子がタウに対する抗体を含む場合、リンカーはscFvをタウに対する抗体に接続することができる。いくつかの実施形態では、一価結合実体がTfR、好ましくはhuTfR1に対するscFvを含み、治療用分子がタウなどのCNS標的に対する抗体を含む場合、リンカーは、scFvをタウに対する抗体に接続することができる。ペプチド結合によって連結された1~25個のアミノ酸、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のアミノ酸から構成される単鎖ペプチドリンカーを使用することができる。ある特定の実施形態では、アミノ酸は、20種の天然アミノ酸から選択される。ある特定の他の実施形態では、1つ又は2つ以上のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、アスパラギン、グルタミン、及びリジンから選択される。炭化水素リンカー、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)リンカー、ポリプロピレングリコール(polypropylene glycol、PPG)リンカー、多糖リンカー、ポリエステルリンカー、PEGと埋め込まれた複素環とからなるハイブリッドリンカー、及び炭化水素鎖などの化学リンカーも使用することができる。
【0079】
本明細書で使用される「CD98」又は「CD98hc」という用語は、ジスルフィド結合によって複数の軽鎖のいずれかに連結する表面抗原分類98重鎖(CD98hc)からなる内在性膜タンパク質を指す。LAT1又はLAT2と会合する場合、ヘテロ二量体トランスポーター複合体は、必須アミノ酸交換体として挙動する。CD98hcは、約80kDaの分子量を有する。好ましくは、CD98hcはヒトCD98hc(huCD98hc)である。huCD98hcは、SLC3A2遺伝子によってコードされる。
【0080】
本明細書で使用される「トランスフェリン受容体」又は「TfR」という用語は、受容体媒介エンドサイトーシスのプロセスによる細胞鉄取り込みに必要な細胞表面受容体、トランスフェリンの担体タンパク質を指す。TfRは、脊椎動物における鉄取り込みに関与し、細胞内鉄濃度に応答して調節される。TfRは、受容体媒介エンドサイトーシスを介してトランスフェリン-鉄複合体を内在化することによって鉄を移入する。ヒトにおける2つのトランスフェリン受容体、トランスフェリン受容体1及びトランスフェリン受容体2が特徴付けられている。これらの受容体は両方とも膜貫通糖タンパク質である。TfR1は、高親和性の遍在的に発現される受容体である。TfR2は、TfR1よりも25~30分の1の親和性でトランスフェリンに結合する。TfR2の発現は特定の細胞型に限定され、細胞内鉄濃度によって影響を受けない。一実施形態では、TfRは、例えば、Schneider et al.Nature 311:675-678(1984)におけるようなアミノ酸配列を含むヒトTfRである。TfRは、約180,000ダルトンの分子量を有し得、各々が約90,000ダルトンの見かけの分子量を有する2つのサブユニットを有する。好ましくは、TfRは、ヒトTfR1(huTfR1)である。
【0081】
アミノ酸配列に関して使用するとき、「配列同一性」又は「配列同一性パーセント(%)」又は「同一性%」という語句は、アミノ酸配列の全長を構成するアミノ酸残基の数と比較した、2つ又は3つ以上のアラインされたアミノ酸配列の同一のアミノ酸の一致数(「ヒット」)を記載する。2つ又は3つ以上の配列についてアライメントを使用した他の用語において、配列が、当該技術分野で既知の配列比較アルゴリズムを使用して測定した場合の、又は手動でアライン及び目視検査したときの、最大一致性について比較及びアラインされたとき、同じであるアミノ酸残基のパーセンテージ(例えば、アミノ酸配列の全長にわたって90%、91%、92%、93%、94%、95%、97%、98%、99%、又は100%の同一性)が判定され得る。したがって、配列同一性を判定するために比較される配列は、アミノ酸の置換、付加、又は欠失によって異なり得る。タンパク質配列をアラインするための好適なプログラムは、当業者に既知である。タンパク質配列の配列同一性のパーセンテージは、例えば、CLUSTALW、Clustal Omega、FASTA、又はBLASTなどのプログラムを用いて、例えば、NCBI BLASTアルゴリズムを使用して判定され得る(Altschul SF,et al(1997),Nucleic Acids Res.25:3389-3402)。
【0082】
2つのアミノ酸配列の文脈において用語「実質的に同一」とは、その配列が、最適に位置合わせされたときに(例えば、デフォルトのギャップ加重を用いたGAP又はBESTFITなどのプログラムにより)、少なくとも約50パーセントの配列同一性を共有することを意味する。典型的には、実質的に同一な配列は、少なくとも約60パーセント、少なくとも約70パーセント、少なくとも約80パーセント、少なくとも約90パーセント、少なくとも約95パーセント、少なくとも約98パーセント、又は少なくとも約99パーセントの配列同一性を呈する。
【0083】
「ポリペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合により連結されてポリペプチドを形成する少なくとも2つのアミノ酸残基を含む分子を意味する。50個未満のアミノ酸からなる小分子ポリペプチドは、「ペプチド」と称され得る。
【0084】
本明細書で使用するとき、用語「ポリヌクレオチド」は、同義的に「核酸分子」、「ヌクレオチド」、又は「核酸」とも称され、非修飾RNA若しくはDNA又は修飾RNA若しくはDNAであってもよい、任意のポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチドを指す。「ポリヌクレオチド」としては、一本鎖及び二本鎖DNA、一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるDNA、一本鎖及び二本鎖RNA、並びに一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であるRNA、一本鎖又はより典型的には二本鎖又は一本鎖及び二本鎖の領域の混合物であってもよいDNA及びRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、「ポリヌクレオチド」は、RNA若しくはDNA又はRNA及びDNAの両方を含む三本鎖領域を指す。ポリヌクレオチドという用語には、1つ又は2つ以上の修飾された塩基を含有するDNA又はRNA、及び安定性又は他の理由により修飾された骨格を有するDNA又はRNAも含まれる。「修飾された」塩基は、例えば、トリチル化塩基及び異常な塩基、例えば、イノシンを含む。様々な修飾をDNA及びRNAに行うことができる。したがって、「ポリヌクレオチド」は、典型的には天然に認められるポリヌクレオチドの化学的、酵素的又は代謝的に修飾された形態、並びにウイルス及び細胞のDNA及びRNAの特徴を有する化学的形態を包含する。「ポリヌクレオチド」はまた、比較的短い核酸鎖(多くの場合、オリゴヌクレオチドと称される)も包含する。
【0085】
本明細書で使用するとき、用語「ベクター」は、別の核酸セグメントを機能的に挿入することによってそのセグメントの複製又は発現を行うことができるレプリコンのことである。
【0086】
本明細書で使用するとき、用語「宿主細胞」は、本出願の核酸分子を含む細胞を指す。「宿主細胞」は、例えば、初代細胞、培養中の細胞、又は細胞株由来の細胞のいずれのタイプの細胞であってもよい。一実施形態では、「宿主細胞」は、本出願の核酸分子をトランスフェクトした細胞である。別の実施形態では、「宿主細胞」は、かかるトランスフェクトされた細胞の子孫又は潜在的な子孫である。ある細胞の子孫は、例えば、後続の世代で生じ得る変異若しくは環境の影響、又は宿主細胞ゲノムへの核酸分子の組み込みによって、親細胞との同一性を有していない場合がある。
【0087】
本明細書で使用するとき、用語「発現」は、遺伝子産物の生合成を指す。この用語は、遺伝子のRNAへの転写を包含する。この用語はまた、RNAの1つ又は2つ以上のポリペプチドへの翻訳も包含し、全ての天然に生じる、転写後及び翻訳後修飾も更に包含する。PHF-タウに結合する、発現したヒト化抗体又はその抗原結合断片は、宿主細胞の細胞質内に存在することができ、細胞培養液の増殖培地などの細胞外環境に入ることができ、又は細胞膜に固着することができる。
【0088】
本明細書で使用するとき、用語「担体」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝液、安定剤、可溶化剤、油、脂質、脂質含有小胞、ミクロスフェア、リポソーム封入体、又は医薬製剤で使用するための当該技術分野において周知である他の材料を指す。担体、賦形剤又は希釈剤の特性は、特定の用途の投与経路によって決まる点は理解されよう。本明細書に使用される場合、用語「薬学的に許容される担体」は、本出願による組成物の有効性にも本出願による組成物の生物学的活性にも干渉しない非毒性性材料を指す。特定の実施形態によれば、本開示を考慮して、抗体の医薬組成物での使用に好適ないずれの薬学的に許容される担体も、本出願において使用することができる。
【0089】
本明細書で使用するとき、「対象」という用語は、動物、好ましくは哺乳動物を指す。特定の実施形態によれば、対象は、非霊長類(例えば、ラクダ、ロバ、シマウマ、ウシ、ブタ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ネコ、イヌ、ラット、ウサギ、モルモット又はマウス)、又は霊長類(例えば、サル、チンパンジー、又はヒト)を含む哺乳動物である。特定の実施形態では、対象はヒトである。
【0090】
本出願の方法に関して「投与」という用語は、本出願の抗体、その抗原結合断片、又はコンジュゲート、又はその形成物、組成物、若しくは薬剤を使用することにより、本明細書に記載の症候群、障害、又は疾患を、治療学的又は予防学的に、予防する、治療する、又は寛解させる方法を意味する。このような方法には、有効量の上記抗体、その抗原結合断片、あるいはそれらのコンジュゲート、又は形成物、組成物、若しくは薬剤を、治療過程中の異なる時点で、又は組み合わせ形式で同時に、投与することを含む。本出願の方法は、既知の治療的処置レジメンを全て包含するものとして理解されるものである。
【0091】
本明細書で使用するとき、「治療有効量」という用語は、対象に所望の生物学的又は薬理的応答を惹起する活性成分又は構成成分の量を指す。治療有効量は、記載される目的に対して経験的かつ通常の方法で決定することができる。例えば、任意選択的にインビトロアッセイを用いて、最適な用量範囲の特定に役立てることができる。具体的な有効用量の選択は、治療又は予防される疾病、伴う症状、患者の体重、患者の免疫状態、及び当業者に既知の他の因子を含むいくつかの因子の考慮に基づいて、当業者によって(例えば、臨床試験により)決定することができる。また、製剤に用いられる正確な用量は、投与経路及び疾患の重症度に応じて決まり、医師の判断及び各患者の状況に従って決定されるべきである。有効用量は、インビトロ又は動物モデル試験系から導かれる用量応答曲線から推定することができる。
【0092】
本明細書で使用する場合、用語「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は全て、タウ異常症に関連した少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善又は逆転を指すものであり、これは対象において必ずしも認識されるとは限らないが、対象において認識可能な場合もある。用語「治療する」、「治療すること」、及び「治療」はまた、疾患、障害、又は病態を退縮させる、その進行を防止する、又は少なくともその進行を遅らせることを指す場合もある。特定の実施形態では、「治療する(treat)」、「治療する(treating)」、及び「治療(treatment)」は、タウ異常症に関連する1つ又は2つ以上の症状の緩和、進展若しくは発症の予防、又はその期間の短縮を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態の再発の防止を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、疾患、障害、又は病態を有する対象の生存率の向上を指す。特定の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」は、対象における疾患、障害、又は病態の消失を指す。
【0093】
本明細書で使用するとき、「タウオパチー」は、脳内のタウの病理学的凝集を伴う任意の神経変性疾患を包含する。家族性及び散発性ADに加えて、他の例示的なタウオパチーは、染色体17に関連したパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia with parkinsonism linked to chromosome 17、FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症(tangle only dementia)、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症複合、ダウン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、及び、拳闘家認知症(ボクサー病)などの慢性外傷性脳症である(Morris et al.,Neuron,70:410-26,2011)。
【0094】
「血液脳関門」又は「BBB」は、末梢循環と脳及び脊髄との間の生理学的関門を指し、脳毛細血管内皮原形質膜内の密着結合によって形成され、脳内への分子の輸送を制限する強固な関門を作り出す。BBBは、尿素(60ダルトン)などの非常に小さな分子であっても脳内への輸送を制限することができる。BBBの例としては、脳内のBBB、脊髄内の血液-脊髄関門、及び網膜内の血液-網膜関門が挙げられ、これらは全てCNS内の隣接する毛細血管関門である。BBBは、血液-CSF関門(脈絡叢)も包含し、関門は、毛細血管内皮細胞ではなく上衣細胞から構成される。
【0095】
「血液脳関門受容体」(本明細書では「R/BBB」と略記する)は、BBBを横切って分子を輸送することができるか、又は外因性投与分子を輸送するために使用することができる、脳内皮細胞上で発現される細胞外膜結合受容体タンパク質である。R/BBBの例としては、CD98成分を含む大型中性アミノ酸輸送体(LAT)複合体、トランスフェリン受容体(TfR)、インスリン受容体、インスリン様成長因子受容体(IGF-R)、低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(LRP1)、及び低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質8(LRP8)を含むがこれらに限定されない低密度リポタンパク質受容体、並びにヘパリン結合上皮成長因子様成長因子(HB-EGF)が挙げられるがこれらに限定されない。本明細書における例示的なR/BBBは、CD98hc又はトランスフェリン受容体(TfR)である。
【0096】
「中枢神経系」又は「CNS」は、身体機能を制御する神経組織の複合体を指し、脳及び脊髄を含む。
【0097】
本明細書で使用される「神経障害」は、CNSに影響を及ぼす、及び/又はCNSに病因を有する疾患又は障害を指す。例示的なCNS疾患又は障害としては、神経障害、アミロイドーシス、癌、眼疾患又は障害、ウイルス又は微生物感染、炎症、虚血、神経変性疾患、発作、行動障害、及びリソソーム蓄積症が挙げられるが、これらに限定されない。本出願の目的のために、CNSは、通常、血液網膜関門によって身体の残りの部分から隔離されている眼を含むと理解される。神経障害の具体例としては、神経変性疾患(レビー小体病、灰白髄炎後症候群、Shy-ドレーガー症候群、オリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病、多系統萎縮症、線条体黒質変性症、脊髄小脳変性症、脊髄性筋萎縮症が挙げられるが、これらに限定されない)、タウ異常症(アルツハイマー病及び核上麻痺が挙げられるが、これらに限定されない)、プリオン病(ウシ海綿状脳症、スクラピー、クロイツフェルト・ヤコブ病、クールー、ゲルストマン・シュトロイスラー・シャインカー病、慢性消耗病、及び致死性家族性不眠症が挙げられるが、これらに限定されない)、眼球麻痺、運動ニューロン病、及び神経系ヘテロ変性障害(カナバン病、ハンティングトン病、ニューロンセロイド・リポフスチン症、アレキサンダー病、トゥレット症候群、メンケス縮毛症候群、コケイン症候群、ハラーフォルデン-シュパッツ症候群、ラフォラ疾患、レット症候群、肝水晶体変性、レッシュ・ナイハン症候群、及びアンベルリヒト・ルンドボルグ症候群が挙げられるが、これらに限定されない)、認知症(ピック病及び脊髄小脳変性症が挙げられるが、これらに限定されない)、癌(例えば、CNS及び/又は脳の癌(身体の他の場所の癌から生じる脳転移を含む))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
「神経障害薬」は、1つ以上の神経障害の影響を治療又は改善するのに有用な薬物又は治療剤である。本出願の神経障害薬としては、小分子化合物、抗体、ペプチド、タンパク質、1つ以上のCNS標的の天然リガンド、1つ以上のCNS標的の天然リガンドの修飾バージョン、アプタマー、阻害性核酸(すなわち、低分子阻害性RNA(siRNA)及び低分子ヘアピン型RNA(shRNA))、リボザイム、又は前述のいずれかの活性断片が挙げられるが、これらに限定されない。本出願の例示的な神経障害薬は、本明細書に記載されており、を含むが、これらに限定されない:アミロイド前駆体タンパク質若しくはその一部、アミロイドβ、β-セクレターゼ、γ-セクレターゼ、タウ、α-シヌクレイン、パーキン、ハンチンチン、DR6、プレセニリン、ApoE、グリオーマ、又はその他のCNS癌マーカなどを含むがそれらに限定されないCNS抗原又は標的分子自体である、又はそれらを特異的に認識する、及び/又は作用する(すなわち、阻害する、活性化する、又は検出する)抗体、アプタマー、タンパク質、ペプチド、阻害性核酸及び小分子並びにそれらのいずれかの活性断片。神経障害薬及びそれに対応する障害の非限定的な例は、以下脳由来神経栄養因子(BDNF)、慢性脳傷害(神経発生)、線維芽細胞増殖因子2(FGF-2)、抗上皮増殖因子受容体脳癌、(EGFR)-抗体、グリア細胞株由来神経因性パーキンソン病、(GDNF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、筋萎縮性側索硬化症、うつ病、脳のリソソーム酵素リソソーム蓄積障害、毛様体神経栄養因子(CNTF)筋萎縮性側索硬化症、ニューレグリン-1統合失調症、抗HER2抗体(例えば、トラスツズマブ)、HER2陽性癌からの脳転移を治療するために使用することができる。
【0099】
「標的抗原」又は「脳標的」は、本明細書で使用される場合、抗体又は小分子で標的化され得る、脳を含むCNSにおいて発現される抗原及び/又は分子を指す。このような抗原及び/又は分子の例としては、β-セクレターゼ1(BACE1)、アミロイドβ(Aβ)、上皮成長因子受容体(EGFR)、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)、タウ、アポリポタンパク質E4(ApoE4)、α-シヌクレイン、CD20、ハンチンチン、プリオンタンパク質(PrP)、ロイシンリッチリピートキナーゼ2(LRRK2)、パーキン、プレセニリン1、プレセニリン2、γセクレターゼ、デス受容体6(DR6)、アミロイド前駆体タンパク質(APP)、p75ニューロトロフィン受容体(p75NTR)、及びカスパーゼ6が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的抗原は、BACE1である。いくつかの実施形態では、標的抗原は、タウである。
【0100】
用語「医薬製剤」は、活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態であり、製剤が投与される対象に対して許容できないほど毒性である追加の成分を含有しない調製物を指す。
【0101】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される担体又は希釈剤」は、個体への投与における使用に適切な任意の物質を意味する。例えば、医薬的に許容される担体は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)又は注射用水などの滅菌水溶液であり得る。
【0102】
「薬学的に許容される塩」とは、オリゴマー化合物又はオリゴヌクレオチドなどの化合物の生理学的かつ医薬的に許容される塩、すなわち、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、望ましくない毒性作用を付与しない塩を意味する。
【0103】
本出願において使用するための薬学的に許容される酸性/アニオン性の塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グリセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレソルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、及びトリエチオジドが挙げられるが、これらに限定されない。また、有機酸又は無機酸としては、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、グリコール酸、メタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、シュウ酸、2-ナフタレンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクロヘキサンスルファミン酸、サッカリン酸又はトリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容され得る塩基性/カチオン性の塩としては、アルミニウム、2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-プロパン-1,3-ジオール(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トロメタン、又は「TRIS」としても知られる)、アンモニア、ベンザチン、t-ブチルアミン、カルシウム、クロロプロカイン、コリン、シクロへキシルアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、リチウム、L-リシン、マグネシウム、メグルミン、N-メチル-D-グルカミン、ピペリジン、カリウム、プロカイン、キニーネ、ナトリウム、トリエタノールアミン、又は亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0104】
本明細書で使用するとき、対象への2つ以上の療法の投与の文脈における用語「組み合わせで」は、2つ以上の療法の使用を指す。用語「組み合わせで」の使用は、療法を対象に投与する順序について限定しない。例えば、第1治療薬(例えば、本明細書に記載される組成物)を、被検者への第2治療薬の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)、同時、又はその後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与することができる。
【0105】
ヒト化抗PHF-タウ抗体
一般的な一態様において、本出願は、PHF-タウに結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。このような抗PHF-タウ抗体は、PHF-タウにてリン酸化エピトープを結合させる特性、又はPHF-タウにて非リン酸化エピトープを結合させる特性を有することができる。抗PHF-タウ抗体は治療薬として有用である場合があり、また、例えば組織又は細胞中での、生体試料におけるPHF-タウを検出するための調査又は診断試薬としても有用である場合がある。
【0106】
特定の態様によれば、本出願は、タウタンパク質のC末端ドメインにおけるエピトープにおいてタウタンパク質に結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列を有するか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいてタウタンパク質に結合し、抗体又はその抗原結合断片は、PHF-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合する。好ましくは、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号1のアミノ酸配列からなるか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいてタウタンパク質に結合し、抗体又はその抗原結合断片は、PHF-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合する。
【0107】
いくつかの実施形態では、タウタンパク質のエピトープは、タウタンパク質のリン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435のうちの1つ以上を含むが、リン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435の全てを含むわけではない。
【0108】
ヒト化抗体は、実質的にヒト抗体からの可変領域フレームワーク残基(「アクセプター抗体」と呼ばれる)と、実質的にマウス抗体からの相補性決定領域(ドナー免疫グロブリンと称される)とを有する。Queen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.86:10029-10033,1989、国際特許公開第90/07861号、米国特許第5693762号、同第5693761号、同第5585089号、同第5530101号、及び同第5225539号を参照されたい。存在する場合、定常領域もまた実質的に、又は全体的にヒト免疫グロブリンに由来する。ヒト可変ドメインは通常、フレームワーク配列が、CDRが由来するマウス可変領域ドメインと高度な配列同一性を示す、ヒト抗体から選択される。重鎖及び軽鎖可変領域フレームワーク残基は、同一の又は異なるヒト抗体配列に由来することができる。ヒト抗体配列は、自然に生じるヒト抗体の配列であることができる、又は、いくつかのヒト抗体のコンセンサス配列であることができる。国際公開第92/22653号を参照されたい。CDR構造及び/又は抗原への結合に対する可能性のある影響に基づいて、ヒト可変領域フレームワーク残基からの特定のアミノ酸が、置換のために選択される。このような可能性のある影響の調査は、モデリング、特定の位置におけるアミノ酸特性の検査、又は、特定のアミノ酸の置換若しくは変異誘発の影響についての実験的観察によるものである。
【0109】
例えば、アミノ酸の、マウス可変領域フレームワーク残基と選択されたヒト可変領域フレームワーク残基とが異なる場合、アミノ酸が、(1)抗原に直接非共有結合する、(2)CDR領域に隣接する、(3)別様においてはCDR領域と相互作用する(例えば、約6オングストロームのCDR領域の中に存在する)、又は(4)VL-VH界面に関与することが合理的に予想されるのであれば、ヒトフレームワークアミノ酸は通常、マウス抗体の等価なフレームワークアミノ酸により置換されるべきである。
【0110】
置換の他の候補は、その位置におけるヒト免疫グロブリンにとっては通常のものではない、アクセプターヒトフレームワークアミノ酸である。これらのアミノ酸は、マウスドナー抗体の等価な位置のアミノ酸、又は、より典型的なヒト免疫グロブリンの等価な位置のアミノ酸で置換することができる。ヒト化免疫グロブリンの可変領域フレームワークは通常、ヒト可変領域フレームワーク配列、又はそのようなコンセンサス配列に対して少なくとも85%の配列同一性を示す。例示的なフレームワーク置換としては、例えば、以下の実施例1に記載されるものが挙げられる。
【0111】
抗体ヒト化は、特異性決定残基の表面再構成(specificity determining residues resurfacing、SDRR)(米国特許出願公開第2010/0261620号)、表面再構成(Padlan et al.,Mol.Immunol.28:489-98,1991)、スーパーヒト化(国際特許公開第04/006955号)、及びヒトストリング含有量の最適化(米国特許第7657380号)などの周知の方法を使用して達成することができる。グラフト化又はヒト化に有用なヒトフレームワーク配列は、当業者であれば関連するデータベースから選択することができる。選択したフレームワークを、Queen et al.,1989、同上に開示されているような技術により更に修飾して、結合親和性を保存又は向上させることができる。特定の実施形態に従うと、マウス親抗体の抗PHF-タウ抗体をヒト化する方法としては、以下の実施例1に記載されているものが挙げられる。
【0112】
本出願の抗体は、多様な技術により、例えば、ハイブリドーマ法により生成することができる(Kohler and Milstein,Nature.256:495-7,1975)。ドナー抗体(典型的にはマウス)に由来する軽鎖及び重鎖可変領域と共に、アクセプター抗体(典型的にはヒトなどの別の哺乳類種)に由来する軽鎖及び重鎖定常領域を含有するキメラモノクローナル抗体を、米国特許第4816567号に記載されている方法により調製することができる。非ヒトドナー免疫グロブリン(典型的にはマウス)に由来するCDRを有し、分子の残りの、免疫グロブリンに由来する部分は1種類又はそれ以上のヒト免疫グロブリンに由来する、CDRグラフトモノクローナル抗体を、例えば米国特許第5225539号に開示されている、当業者に知られている技術により調製することができる。非ヒト配列を欠く完全ヒトモノクローナル抗体は、Lonberg et al.,Nature.368:856-9,1994;Fishwild et al.,Nat Biotechnol.14:845-51,1996、及びMendez et al.,Nat Genet.15:146-56,1997において参照された技術により、ヒト免役グロブリントランスジェニックマウスから調製することができる。ヒトモノクローナル抗体はまた、ファージディスプレイライブラリーから調製及び最適化され得る(例えば、Knappik et al.,J Mol Biol.296:57-86,2000、Krebs et al.,J Immunol Methods.254:67-84,2001、Shi et al.,J Mol Biol.397:385-96,2010を参照されたい)。
【0113】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号7又は14、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、抗体又はその抗原結合断片が、PHF-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合しており、重鎖可変領域ドメインのフレームワーク領域、及び軽鎖可変領域ドメインのフレームワーク領域は、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を含む、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片に関する。
【0114】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又は抗原結合断片が、配列番号12若しくは18と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%又は90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の同一性を有するポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号13、19、若しくは23と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%又は90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の同一性を有するポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又は抗原結合断片が、配列番号12又は18と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%又は90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の同一性を有するポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号13、19、又は23と少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%又は90%、より好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは100%の同一性を有するポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、及び配列番号19のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号23のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む。
【0117】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、
(a)配列番号15又は20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、又は24、又は60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17又は22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖、を含む。
【0118】
別の特定の態様によれば、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、
(b)配列番号61又は62のポリペプチド配列を有する重鎖と、
(c)配列番号16若しくは24、又は21若しくは60のポリペプチド配列を有する軽鎖とを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号15のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号15のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片は、配列番号20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体は、各々が配列番号61のポリペプチド配列を有する2つの重鎖、及び各々が配列番号16又は24のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖を含む。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体は、各々が配列番号62のポリペプチド配列を有する2つの重鎖、及び各々が配列番号21又は60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖を含む。
【0121】
いくつかの実施形態では、単離モノクローナル抗体又はその抗原結合断片に関し、抗体又は抗原結合断片が、ヒトPHF-タウに、5×10-9M以下の解離定数(KD)、好ましくは1×10-9M以下又は1×10-10M以下のKDで結合し、KDが、表面プラズモン共鳴分析により、例えばBiacore又はProteOnシステムを使用することにより測定される。
【0122】
PHF-タウに結合するヒト化抗体及びその抗原結合断片の機能活性は、当該技術分野において既知の方法により、そして本明細書に記載のとおりに特性決定することができる。PHF-タウに結合する抗体及びその抗原結合断片を特性評価するための方法としては、Biacore、ELISA、及びFACS分析を含む親和性及び特異性アッセイ;免疫組織化学分析;タウシーディングを阻害する際の抗体の有効性を決定するためのインビトロ細胞アッセイ及びインビボ注射アッセイ;抗体の抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity、ADCC)及び補体依存性細胞傷害(complement dependent cytotoxicity、CDC)活性の存在を検出するための細胞傷害性アッセイ等が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態によれば、PHF-タウに結合する抗体及びその抗原結合断片を特性評価するための方法としては、以下の実施例に記載されるものが挙げられる。PHF-タウに結合するが対照タウには結合しないヒト化抗体の例示的なマウス親抗体は、抗体PT3であり、これは、米国特許第9,371,376号に記載されており、その内容は、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0123】
いくつかの公知の方法を用いて本出願の抗体の結合エピトープを決定することができる。例えば、両方の個別の構成成分の構造が既知である場合、インシリコでタンパク質-タンパク質ドッキングを行って、適合する相互作用部位を特定することができる。抗原抗体複合体を用いて水素-重水素(Hydrogen-deuterium、H/D)交換を行うことによって、抗体が結合する抗原の領域をマッピングすることができる。抗原のセグメント及び点変異誘導を用いることにより、抗体の結合に重要なアミノ酸の位置を特定することができる。抗体-抗原複合体の共結晶構造を使用して、エピトープ及びパラトープに寄与する残基を特定することができる。
【0124】
本発明の抗体は、二重特異的又は多重特異的であってよい。例示的な二重特異的抗体は、PHF-タウの2つの異なるエピトープに結合することができるか、又はPHF-タウ及びアミロイドベータ(Aβ)に結合することができる。別の例示的な二重特異性抗体は、PHF-タウ及び内因性血液脳関門トランスサイトーシス受容体、例えば、インスリン受容体、トランスフェリング受容体(transferring receptor)、インスリン様増殖因子-1受容体、及びリポタンパク質受容体に結合することができる。例示的な抗体は、IgG1タイプである。
【0125】
本出願の抗体の免疫エフェクターの特性は、当業者には既知の技術により、Fc修飾によって強化又はサイレンシングすることが可能である。例えば、C1q結合、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)、貧食、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体(BCR))の下方制御などのFcエフェクター機能は、これらの活性を担うFcの残基を修飾することによって提供及び/又は制御され得る。また、薬物動態的な特性は、抗体の半減期を延長するFcドメインの残基を変異させることによって向上させることができる(Strohl,Curr Opin Biotechnol.20:685-91,2009)。
【0126】
抗PHF-タウ抗体は、エフェクター機能を有さないか、又は最小限のエフェクター機能を有し得るが、FcRnに結合するその能力を保持し、その結合は、抗体が延長されたインビボ半減期を有する主要な手段であり得る。FcγR又は補体(例えば、C1q)の抗体への結合は、いわゆるFc部分結合部位における規定されたタンパク質-タンパク質相互作用によって引き起こされる。そのようなFc部分結合部位は、当技術分野において公知である。このようなFc部分結合部位は、例えば、アミノ酸L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329(番号付けはKabatのEUインデックスに従う)を含む。いくつかの実施形態では、抗PHF-タウ抗体は、エフェクター機能を排除するために、1つ以上のFc部分結合部位に1つ以上の置換を含む。例えば、抗PHF-タウは、以下の置換のうちの1つ以上を含有するFc領域を更に含有することができる:残基233におけるグルタミン酸のプロリンでの置換、残基234におけるフェニルアラニンのアラニン又はバリンでの置換、及びに残基235におけるロイシンのアラニン又はグルタミン酸での置換(EU付番、Kabat,E.A.et al.(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.U.S.Dept.of Health and Human Services,Bethesda,Md.,NIH Publication no.91-3242)。好ましくは、目的の抗体は、L234A、L235A、及びP331S(EU番号付け、Kabat)の1つ、2つ又は3つの変異を含有する。
【0127】
サブクラスIgG1、IgG2、及びIgG3の抗体は、通常、C1q及びC3結合を含む補体活性化を示すが、IgG4は補体系を活性化せず、C1q及び/又はC3に結合しない。ヒトIgG4 Fc領域は、他のIgGサブタイプと比較して、FcγR及び補体因子に結合する能力が低減されている。好ましくは、本出願の抗PHF-タウ抗体は、ヒトIgG4 Fc領域に由来するFc領域を含む。より好ましくは、Fc領域は、エフェクター機能を排除する置換を有するヒトIgG4 Fc領域を含有する。例えば、残基297(EU番号付け)においてAsnの代わりにAlaを使用することによって、IgG4 Fc領域におけるN連結グリコシル化部位を除去することは、残留エフェクター活性が排除されることを確実にする別の方法である。
【0128】
更に、本出願の抗体は、グリコシル化、異性化、脱グリコシル化、又はポリエチレングリコール部分の付加及び脂質化等の自然界では生じない共有結合修飾等のプロセスによって、翻訳後修飾してもよい。かかる修飾は、インビボ又はインビトロで行われ得る。例えば、本出願の抗体はポリエチレングリコールとコンジュゲート(PEG化)することによって薬物動態的なプロファイルを向上させることができる。コンジュゲーションは、当業者に既知の方法によって行うことができる。治療用抗体の、PEGとのコンジュゲーションは、機能を低下させずに薬力学を向上させることが示されている(Knight et al.,Platelets.15:409-18,2004、Leong et al.,Cytokine.16:106-19,2001、Yang et al.,Protein Eng.16:761-70,2003)。
【0129】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片をコードしている、単離ポリヌクレオチドに関する。タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく、タンパク質のコード配列を変える(例えば置換する、欠失する、挿入するなど)ことができることが、当業者には理解されよう。したがって、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片をコードする核酸配列は、タンパク質のアミノ酸配列を変えることなく変更することができることが当業者には理解されよう。例示的な単離ポリヌクレオチドは、実施例(例えば、配列番号15~17、20~22、24、及び60~62)に記載される免疫グロブリン重鎖及び軽鎖を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、並びに重鎖可変領域(VH)及び軽鎖可変領域(VL)(例えば、配列番号12、13、18、19、23、及び59)を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。遺伝コードの縮重又は所与の発現系におけるコドンの選好性を考慮すると、本出願の抗体をコードする他のポリヌクレオチドも本出願の範囲内に含まれる。本出願の単離核酸は、公知の組換え又は合成技術を用いて作製することができる。モノクローナル抗体をコードしているDNAは、当該技術分野において公知の方法を用いて容易に単離され、配列決定される。ハイブリドーマが生成される場合、そのような細胞はそれらのDNAの供給源として機能することができる。あるいは、コード配列と翻訳生成物が結合したディスプレイ技術、例えばファージ又はリボソームディスプレイライブラリーを使用することができる。
【0130】
別の一般的な態様では、本出願は、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片をコードしている単離ポリヌクレオチドを含むベクターに関する。本開示を考慮して、当業者に既知である任意のベクター、例えばプラスミド、コスミド、ファージベクター、又はウイルスベクターを使用することができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、プラスミドなどの組換え発現ベクターである。ベクターは、例えば、プロモータ、リボソーム結合エレメント、ターミネータ、エンハンサ、選択マーカ、及び複製起点という、発現ベクターの従来の機能を確立するための任意のエレメントを含むことができる。プロモータは、常時発現型、誘導型、又は再形成可能なプロモータであり得る。細胞に核酸を送達することができる多数の発現ベクターが当該技術分野において既知であり、細胞内で抗体又はその抗原結合断片を産生するために、本明細書で使用することができる。従来のクローニング技術、又は人工遺伝子合成法を使用して、本出願の実施形態に従った組換え発現ベクターを生成することができる。
【0131】
別の一般的な態様では、本出願は、本発明の検出抗体又はその抗原結合断片をコードしている単離ポリヌクレオチドを含む宿主細胞に関する。本開示を考慮すると、当業者に知られている任意の宿主細胞を、本出願の抗体又はその抗原結合断片の組換え発現に使用することができる。そのような宿主細胞は、真核細胞、細菌細胞、植物細胞又は古細菌細胞であってよい。例示的な真核細胞は、哺乳動物、昆虫、鳥類、又は他の動物由来のものであってもよい。哺乳動物真核細胞としては、SP2/0(米国培養コレクション(American Type Culture Collection、ATCC)、Manassas、Va、CRL-1581)、NS0(欧州細胞培養コレクション(European Collection of Cell Cultures、ECACC)、Salisbury、Wiltshire、UK、ECACC No.85110503)、FO(ATCC CRL-1646)及びAg653(ATCC CRL-1580)ネズミ細胞株などといった、ハイブリドーマ又は骨髄腫の細胞株などの不死化細胞株が挙げられる。例示的なヒト骨髄腫細胞株は、U266(ATTC CRL-TIB-196)である。他の有用な細胞株としては、CHO-K1SV(Lonza Biologics)、CHO-K1(ATCC CRL-61、Invitrogen)、又はDG44などのチャイニーズハムスターの卵巣(Chinese Hamster Ovary、CHO)細胞に由来するものが挙げられる。
【0132】
別の一般的な態様において、本出願は、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片を生成する方法であって、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片を生成する条件下で、ヒト化抗体又はその抗原結合断片をコードするポリヌクレオチドを含む細胞を培養することと、細胞又は細胞培養液から(例えば上清から)、抗体又はその抗原結合断片を回収することとを含む、方法に関する。発現した抗体又はその抗原結合断片を細胞から回収して、当該技術分野において通常的な技術に従い精製することができる。
【0133】
抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はそれらの抗原結合断片とのコンジュゲート及び融合構築物
血液脳関門(BBB)は、有害な物質が脳に入るのを防ぎ、脳の恒常性に不可欠であるが、薬物を脳に効率的に送達するための厄介な障害を提示する。治療用モノクローナル抗体(mAb)の脳送達を改善するために、受容体媒介トランスサイトーシス(RMT)の使用を含む多数のアプローチが研究されている。RMTは、脳内皮細胞を介した輸送のために、BBBの管腔側で豊富に発現される受容体を利用する。治療用mAbの脳内への送達のための臨床的に実現可能なプラットフォームを生成するためのこれまでの取り組みは、トランスサイトーシスの有効性を増加させるための抗体操作に焦点を当てており、結合価、pH依存性、及び親和性に関する観察を通して得られた恩恵を伴う(Goulatiset al.,2017,Curr Opin Struct Biol45:109-115に概説されている)。しかしながら、非ヒト霊長類(NHP)及び臨床への移行は、標的媒介性薬物処方(TMDD)からの迅速な末梢クリアランス及び急性網状赤血球枯渇からの安全によって制限されている(Gadkar K.et al.,Eur J Pharm Biopharm.2016;101:53-61を参照)。
【0134】
一般的な態様において、本出願は、脳送達のために最適化されたプラットフォームに結合されたヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片に関する。プラットフォームは、CD98又はTfR結合分子、特にCD98又はTfR、好ましくはヒトCD98重鎖(huCD98hc)又はヒトTfR1(huTfR1)に結合する抗体又はその抗原結合断片を利用する。本発明者らは、予期せぬことに、最適値が、典型的な抗体-標的相互作用において予想され得るような単純に最も速いオン速度ka値及び最も遅いオフ速度kd値ではないことを発見した。すなわち、この系について、抗体-標的複合体の最長寿命を有するために、CD98又はTfRと比較的高い速度で「結合」して会合し、次いでCD98又はTfRからよりゆっくりと解離する分子を使用することを必ずしも望まない。その代わりに、薬剤(例えば、mAb)の最適な脳PK及びPDが抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片によって効率的に送達されるためには、速すぎも遅すぎもしない中立のオフ速度が必要である。新生児Fc受容体(FcRn)への結合が増加した、操作された抗体定常領域は、末梢クリアランスの減少及び脳濃度の増強をもたらすことも発見された。
【0135】
追加のFc変異を導入して、Fcガンマ受容体(FcγR)への結合を無効にし、エフェクター機能媒介性毒性を回避する。高親和性抗タウ結合mAbと結合される場合、これらの変異は、ミクログリア取り込み及び標的分解のための新規の非FcγR機構を介して抗体依存性貧食(ADP)を維持しながら、末梢におけるエフェクター機能媒介性毒性を防止する。この機構は、CD98又はTfRを介した内部移行に依存し、炎症促進性サイトカインの分泌を刺激することなく、従来のFcγR媒介ADPよりも標的分解を促進するのに効率的である。
【0136】
好ましくは、本出願の抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、pH感受性であり、例えば、異なるpHでCD98又はTfRに対して異なる結合親和性を有する。例えば、本出願の抗CD98又は抗TfR抗体は、中性pH、例えば、生理的pH(例えば、pH7.4)で高い親和性でCD98又はTfRに結合することができるが、エンドソーム区画への内部移行時に、酸性pH、例えば、比較的低いpH(pH5~6.0)でCD98又はTfRから解離する。親和性は、2つの部分、例えば抗体と抗原との間の結合の強度の尺度である。親和性は、いくつかの方法で表すことができる。1つの方法は、相互作用の解離定数(KD)に関するものである。KDは、平衡透析を含む慣用的な方法によって、又は抗原-抗体解離及び会合の速度、それぞれ、koff(kd又はkdis)及びkon(又はka)速度を直接測定することによって測定することができる(例えば、Nature,1993 361:186-87を参照)。koff/konの比は、親和性と関係しない全てのパラメータを消すことを可能とするものであり、解離定数KDに等しい(一般論についてはDavies et al.,Annual Rev Biochem,1990 59:439-473を参照)。したがって、より小さいKDは、より高い親和性を意味する。親和性の別の表現は、KDの逆数であるKa、又はkon/koffである。したがって、より高いKaは、より高い親和性を意味する。例えば、本出願の組成物及び/又は方法における使用のためのCD98若しくはTfR抗体又はその抗原結合断片は、中性pH(例えば、pH6.8~7.8)、例えば、生理学的pH(例えば、pH7.4)において1ナノモル濃度(nM、10-9M)以上のKDでCD98又はTfRに結合し、酸性pH(例えば、pH4.5~6.5)、例えば、pH5.0において10-4秒-1以上のKdisでCD98又はTfRから解離する抗体又はその断片であり得る。
【0137】
したがって、本出願の一般的な態様は、それを必要とする対象の脳への送達のための、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に結合したヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片に関し、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、中性pHで少なくとも1nM、好ましくは1nM~500nMの解離定数KD及び酸性pH、好ましくはpH5で少なくとも10-4秒-1、好ましくは10-4~10-1秒-1のオフ速度定数kdで、CD98、好ましくはCD98hc、より好ましくはヒトCD98hc、又はTfR、好ましくはTfR1、より好ましくはヒトTfR1に結合する。
【0138】
いくつかの実施形態では、本出願の抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、中性pHにおいて、2×10-2~2×10-4sec-1、例えば、2×10-2、1×10-2,9×10-3、8×10-3、7×10-3、6×10-3、5×10-3、4×10-3、3×10-3、2×10-3、1×10-3,9×10-4、8×10-4、7×10-4、6×10-4、5×10-4、4×10-4、3×10-4、2×10-4sec-1又はその間の任意の値のオフ速度定数kdを有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、ヒトCD98又はTfRに結合する抗体又はその抗原結合断片は、フレキシブルリンカーを介して軽鎖可変領域(LV)に共有結合された重鎖可変領域(HV)を含む単鎖可変断片(scFv)である。scFvは、定常領域の除去及びリンカーの導入にもかかわらず、元の免疫グロブリンの特異性を保持することができる。scFvにおいて、ドメインの順序は、HV-リンカーLV又はLV-リンカーHVのいずれかであり得る。リンカーは、重大な立体障害を伴わずにscFvの可変ドメインを架橋する際に適合する長さ及び立体構造を提供するように、新規に設計され得るか、又は公知のタンパク質構造に由来し得る。リンカーは、10~約25アミノ酸長を有することができる。好ましくは、リンカーは、ドメインが折りたたまれてインタクトな抗原結合部位を形成する能力に影響を及ぼすことなく、可変ドメインのカルボキシ末端と他のドメインのアミノ末端との間で約3.5nm(35Å)に及ぶペプチドリンカーである(Huston et al.,Methods in Enzymology,vol.203,pp.46-88,1991、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。リンカーは、好ましくは、タンパク質フォールディングを通じて可変ドメイン内又は可変ドメイン間へのペプチドの挿入を回避するために、親水性配列を含む(Argos,Journal of Molecular Biology,第211巻、第4号、943-958、1990)。例えば、リンカーは、Gly及びSer残基を含むことができる、及び/又は可溶性を高めるために散在するGlu、Thr、及びLysなどの荷電残基と一緒に含むことができる。いくつかの実施形態では、リンカーは、配列番号50(GGGSGGSGGCPPCGGSGG)又は配列番号51(GTEGKSSGSGSESKST)のアミノ酸配列を含む。任意の他の適切なリンカーもまた、本開示を考慮して使用することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域と、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域とを含み、
(a)抗CD98抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号26、27、28又は33、29、30、及び31のアミノ酸配列を有する、又は
(b)抗TfR抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号35、36、37、38、39、及び40のアミノ酸配列を有する。
【0141】
いくつかの実施形態では、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して軽鎖可変領域に共有結合した重鎖可変領域を含む単鎖可変断片(scFv)であり、好ましくは、リンカーが、配列番号50又は51のアミノ酸配列を有し、より好ましくは、scFvが、配列番号25、配列番号32、配列番号34、又は配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0142】
好ましい実施形態では、CD98、好ましくはCD98hc、より好ましくはヒトCD98hcに結合するか、又はTfR、好ましくはTfR1、より好ましくはヒトTfR1に結合する抗体又はその抗原結合断片は、遊離システインを含有しない。
【0143】
抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片(scFv断片など)は、本開示を考慮して、当技術分野において好適な方法を使用して生成することができる。例えば、scFv断片は、抗体断片の生成に適した条件下で組換え宿主細胞(細菌、酵母又は哺乳動物細胞など)を増殖させ、細胞培養物から断片を回収することによって組換えにより生成することができる。例示的な抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、例えば、米国特許出願公開第63/036,020号及び同第63/035,961号に見出され、これらの開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0144】
本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片は、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片と組み合わせた形態で、又は抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に連結させて、非経口的に、例えば、静脈内に送達することができる。例えば、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片は、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に非共有結合することができる。ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片は、抗CD98抗体又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に共有結合して、コンジュゲートを形成することもできる。ある特定の実施形態では、コンジュゲーションは、タンパク質融合物の構築による(すなわち、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片及び抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片をコードする2つの遺伝子の遺伝子融合及び単一タンパク質としての発現による)。本開示を考慮して、既知の方法を使用して、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を、CD98又はTfR抗体又はその抗原結合断片に連結することができる。例えば、Wu et al.,Nat Biotechnol,23(9):1137-46,2005;Trail et al.,Cancer Immunol Immunother、52(5):328-37,2003;Saito et al.,Adv Drug Deliv Rev.,55(2):199-215,2003;Jones et al.,Pharmaceutical Research,24(9):1759-1771,2007を参照。
【0145】
いくつかの実施形態では、脳に送達されるヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片と、抗CD98抗体又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片とは、非ペプチドリンカー又はペプチドリンカーを介して互いに共有結合する(又はコンジュゲートする)ことができる。非ペプチドリンカーの例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール、ポリビニルアルコール、多糖類、デキストラン、ポリビニルエーテル、生分解性ポリマー、重合脂質、キチン、及びヒアルロン酸、又はそれらの誘導体、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドリンカーは、ペプチド結合によって連結された1~50個のアミノ酸からなるペプチド鎖又はその誘導体であり得、そのN末端及びC末端は、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片に共有結合することができる。
【0146】
ある特定の実施形態では、本出願のコンジュゲートは、PHF-タウに結合する第1の抗原結合領域と、CD98又はTfRに結合する第2の抗原結合領域とを含む多重特異性抗体である。多重特異性抗体を作製するための技術には、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組換え共発現が含まれるが、これらに限定されない(Milstein及びCuello,Nature305:537,1983を参照、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655,1991を参照)、及び「ノブ・イン・ホール」エンジニアリング(例えば、米国特許第5,731,168号を参照)。多重特異性抗体は、静電ステアリング効果を操作すること(国際公開第2009/089004A1号)、2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば、米国特許第4,676,980号、及びBrennan et al.,Science,229:81,1985を参照);ロイシンジッパーを使用すること(例えば、Kostelny et al.,148(5):1547-1553,1992を参照);「ダイアボディ」技術を使用すること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)を参照)、単鎖Fv(sFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber et al.Immunol,152:5368(1994)を参照);及び、例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60.1991に記載されるように三種特異性抗体を使用することによっても作製することができる。本出願の多重特異性抗体は、「オクトパス抗体」又は「二重可変ドメイン免疫グロブリン」(DVD)を含む、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する抗体も包含する(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号、及びWu et al.Nature Biotechnology,25(11):1290-7,2007を参照)。本出願の多重特異性抗体はまた、CD98又はTfR並びに脳抗原(例えば、タウ)に結合する抗原結合領域を含む「二重作用Fab」又は「DAF」を包含する(例えば、米国特許出願公開第2008/0069820号を参照)。一実施形態では、抗体は抗体断片であり、様々なそのような断片が本明細書に開示されている。
【0147】
一実施形態では、本出願の多重特異性抗体は、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に共有結合した(又は融合した)本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を含む融合構築物である。抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の軽鎖及び/又は重鎖のカルボキシ及び/又はアミノ末端に、直接又はリンカーを介して融合することができる。
【0148】
一実施形態では、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の軽鎖のカルボキシ末端に、直接又はリンカーを介して融合される。
【0149】
別の実施形態では、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の軽鎖のアミノ末端に、直接又はリンカーを介して融合される。
【0150】
別の実施形態では、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の重鎖のカルボキシ末端に、直接又はリンカーを介して融合される。
【0151】
別の実施形態では、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の重鎖のアミノ末端に、直接又はリンカーを介して融合される。
【0152】
好ましい実施形態では、本出願の融合構築物は、リンカーを介して、PHF-タウに結合するヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖のうちの1つのみのカルボキシ末端に共有結合された、本出願の抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片、好ましくは、抗huCD98 hc scFv断片又は抗hUTfR 1 scFv断片を含む。好ましくは、リンカーは、配列番号52のアミノ酸配列を有する(GGAGGA)。
【0153】
2つの重鎖、例えば、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片の融合を有するものと、抗CD98又は抗TfRアームのFcを有さないもの、又は含有するものと、抗PHF-タウアームのFcを有するものとの間のヘテロ二量体の形成を容易にするために、ヘテロ二量体変異を2つの重鎖のFcに導入することができる。そのようなFc変異の例としては、Zymework変異(例えば、米国特許第10,457,742号を参照)及び「ノブ・イン・ホール」変異(例えば、Ridgway et al.,Protein Eng.,9(7):617-621,1996を参照)が挙げられるが、これらに限定されない。他のヘテロ二量体変異も本出願において使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾CH3は、2つの重鎖間のヘテロ二量体の形成を促進するために使用される。
【0154】
いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖の各々が、野生型CH3ドメインポリペプチドと比較して、修飾ヘテロ二量体CH3ドメインなどの1つ以上のヘテロ二量体変異、又は1つ以上のノブ及びホール変異を含む。いくつかの実施形態では、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、L351、F405、及びY407におけるアミノ酸修飾を含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、T366、K392、及びT394におけるアミノ酸修飾を含み、位置T350におけるアミノ酸修飾が、T350V、T350I、T350L、又はT350Mであり、位置L351におけるアミノ酸修飾が、L351Yであり、位置F405におけるアミノ酸修飾が、F405A、F405V、F405T、又はF405Sであり、位置Y407におけるアミノ酸修飾が、Y407V、Y407A、又はY407Iであり、位置T366におけるアミノ酸修飾が、T366L、T366I、T366V、又はT366Mであり、位置K392におけるアミノ酸修飾が、K392F、K392L、又はK392Mであり、位置T394におけるアミノ酸修飾が、T394Wであり、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに記載されるEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、変異T350V、L351Y、F405A、及びY407Vを含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、変異T350V、T366L、K392L、及びT394Wを含む。いくつかの実施形態では、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、位置T366におけるアミノ酸修飾を含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、位置T366、L368、及びY407におけるアミノ酸修飾を含み、位置T366におけるアミノ酸修飾はT366W又はT366Sであり、位置L368におけるアミノ酸修飾はL368Aであり、位置Y407におけるアミノ酸修飾はY407Vである。いくつかの実施形態では、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、プロテインA結合を破壊し、精製中にホール-ホールホモ二量体を除去するために、H435R及びY436Fアミノ酸修飾を更に含む。いくつかの実施形態では、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、変異T366Wを含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインは、変異T366S、L368A、Y407V、H435R、及びY436Fを含む。
【0155】
ヘテロ二量体変異に加えて、他の変異も導入することができる。いくつかの実施形態では、融合構築物又は二重特異性抗体のFc領域は、ADCC/CDCを変化させる(増加させる若しくは減少させる)、好ましくは排除する1つ以上の変異(本明細書に記載のAAS変異など)、及び/又は融合構築物若しくは二重特異性抗体のFcRnへの結合を変化させる(増加させる若しくは減少させる)、好ましくは増加させる1つ以上の変異(本明細書に記載のYTE変異など)を更に含む。いくつかの実施形態では、融合構築物又は二重特異性抗体中の1つ以上のシステイン残基は、セリンなどの他のアミノ酸で置換される。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、新生児Fc受容体(RcRn)への融合物の結合を増強するFcドメイン中の1つ以上の変異を含み、好ましくは、1つ以上の変異が酸性pHでの結合を増強し、より好ましくは、FcがM252Y/S254T/T256E(YTE)変異を有し、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに記載のEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、エフェクター機能を低減又は排除するFcドメインにおける1つ以上の変異を含み、好ましくは、Fcが、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329の位置に1つ以上のアミノ酸修飾、例えば、L234A、L235A、及びP331Sの1つ、2つ、又は3つの変異を有し、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに示されるEUインデックスに従う。
【0156】
特定の実施形態では、本出願の融合構築物は、
(1)配列番号42~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、
(2)各々が配列番号16、21、24、及び60からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、
(3)配列番号17及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号42のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号42のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号43のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号44のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号44のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列とを有する第2の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号45のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号46のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖を含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号47のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号46のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号47のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号48のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号49のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号43のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号45のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号48のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。いくつかの実施形態では、本出願の融合構築物は、配列番号49のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む。
【0158】
本出願のコンジュゲート、例えば、多重特異性抗体又は融合構築物は、本開示を考慮して当該技術分野で既知の多くの技術のいずれかによって作製し得る。例えば、それは、組換え宿主細胞から発現することができ、融合構築物又は多重特異性抗体の重鎖及び軽鎖をコードする発現ベクター(複数可)が、標準的な技術によって宿主細胞にトランスフェクトされる。宿主細胞は、原核又は真核宿主細胞であり得る。
【0159】
例示的なシステムでは、本出願の融合構築物のヘテロ二量体の2つの重鎖及び軽鎖をコードする1つ又は2つ以上の組換え発現ベクターが、トランスフェクション又はエレクトロポレーションによって宿主細胞に導入される。選択された形質転換宿主細胞を培養して、融合構築物を産生するのに十分な条件下で重鎖及び軽鎖の発現を可能にし、融合構築物を培養培地から回収する。標準的な分子生物学技術を使用して、組換え発現ベクターを調製し、宿主細胞をトランスフェクし、形質転換体を選択し、宿主細胞を培養し、培養培地からタンパク質構築物を回収する。
【0160】
本出願は、本明細書に記載の実施形態のいずれか又は請求項のいずれかにおける融合構築物又は多重特異性抗体の一部として、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片のアミノ酸配列をコードする単離核酸を提供する。単離核酸は、ベクター、好ましくは、発現ベクターの一部であり得る。
【0161】
別の態様では、本出願は、本明細書に開示されるベクターで形質転換された宿主細胞に関する。一実施形態では、宿主細胞は、原核細胞、例えばE.coliである。別の実施形態では、宿主細胞は、真核細胞、例えば、原生生物細胞、動物細胞、植物細胞、又は真菌細胞である。一実施形態では、宿主細胞は、CHO、COS、NS0、SP2、PER.C6を含むがこれらに限定されない哺乳動物細胞、又はSaccharomyces cerevisiaeなどの真菌細胞、又はSf9などの昆虫細胞である。
【0162】
医薬組成物及び治療方法
本出願の抗PHF-タウ抗体若しくはその断片、そのコンジュゲート、又は本出願の融合構築物は、脳内でのタウの病理学的凝集を伴う神経変性病、又はタウ異常症を有する患者、例えばADを患う患者における症状の治療、低減、又は予防に使用することができる。
【0163】
したがって、別の一般的な態様では、本出願は、本出願の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物に関する。
【0164】
別の一般的な態様では、本発明は、タウシーディングのブロックを必要とする対象における、タウシーディングをブロックする方法であって、本発明の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。本明細書で使用される「タウシード」は、細胞によって内在化された場合、又はインビトロで単量体タウに曝露された場合に、細胞内タウ凝集を核形成又は「シーディング」することができるタウ凝集体を指す。タウシーディング活性は、本明細書に記載される細胞タウ凝集アッセイにおいて評価され得る(例えば、その全体が参照により組み込まれる米国特許第9,834,596号も参照)。
【0165】
別の一般的な態様において、本出願は、タウ異常症などの病気、疾患又は状態の症状の治療又は低減を必要とする対象における、タウ異常症などの病気、疾患又は状態の症状の治療又は低減方法であって、対象に本出願の医薬組成物を投与することを含む、方法に関する。
【0166】
別の一般的な態様では、本出願は、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡散の低減を必要とする対象における、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡散を低減する方法であって、本出願の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。
【0167】
本出願の実施形態によれば、医薬組成物は、治療有効量のヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物を含む。ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物に関して本明細書で使用するとき、治療有効量は、疾患、障害、若しくは状態の治療をもたらす、疾患、障害、若しくは状態の進行を予防する若しくは遅延させる、又は免疫疾患、障害、若しくは状態に関連する症状を低減若しくは完全に緩和する、モノクローナル抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片の量を意味する。
【0168】
特定の実施形態によれば、治療有効量は、以下の効果のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれ以上を達成するのに十分な治療の量を指す:(i)治療される疾患、障害若しくは状態又はそれに関連する症状の重症度を軽減又は改善すること、(ii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の期間を短縮すること、(iii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の進行を予防すること、(iv)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の退縮を生じさせること、(v)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の進行又は発症を予防すること、(vi)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状の再発を予防すること、(vii)治療される疾患、障害、若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の入院を減少させること、(viii)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の入院期間を短縮させること、(ix)治療される疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を有する対象の生存率を高めること、(xi)治療される対象の疾患、障害若しくは状態、又はそれと関連する症状を阻害又は軽減すること、及び/あるいは(xii)別の療法の予防又は治療効果を強化又は改善すること。
【0169】
特定の実施形態によれば、治療される病気、疾患又は状態はタウ異常症である。より具体的な実施形態によれば、治療される病気、疾患又は状態としては、家族性アルツハイマー病、散発的アルツハイマー病、染色体17に関連したパーキンソン症候群による前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症、石灰化によるびまん性神経原線維変化、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症合併症、ダウン症、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、慢性外傷性脳症、又は拳闘家認知症(ボクサー病)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0170】
タウ異常症に関連する行動的表現型としては、認知障害、初期人格変化及び脱抑制、感情鈍麻、無為症、無言症、失行症、反復症、常同運動/挙動、口愛過度、混乱、連続タスクを計画又は組織化する能力の欠如、利己的行動/無神経、反社会的特徴、共感の欠如、言葉のつかえ、錯誤的誤りは頻繁にあるが比較的理解力は保たれている失文症的な話し方、理解障害及び換語欠陥、緩徐進行性歩行不安定性、後方突進、すくみ、頻繁な転倒、非レボドパ反応性軸剛性、核上性注視麻痺、方形波痙攣、緩徐な垂直断続性運動、仮性球麻痺、四肢失行症、筋緊張異常、皮質性感覚消失、及び振戦が挙げられる。
【0171】
治療を受けやすい患者としては、AD又は他のタウ異常症のリスクがある無症候性の個体、及び現在症状を示している患者が挙げられるが、これらに限定されない。治療の影響を受けやすい患者としては、ADの家族歴又はゲノムにおける遺伝的リスク因子の存在など、ADの公知の遺伝的リスクを有する個体が挙げられる。例示的なリスク因子は、特に、位置717、並びに位置670及び671におけるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein、APP)の変異(それぞれ、Hardy及びSwedish変異)である。他のリスク因子は、プレセニリン遺伝子PS1及びPS2、並びにApoE4における変異、高コレステロール血症又はアテローム性動脈硬化症の家族歴である。現在ADに罹患している個体は、上記リスク因子の存在によって特徴的な認知症から認識することができる。更に、ADを有する個体を特定するために、多数の診断試験が利用可能である。これらとしては、脳脊髄液のタウ濃度及びAβ42濃度の測定が挙げられる。タウ濃度の上昇及びAβ42濃度の低下は、ADの存在を表す。また、ADに罹患している個体は、AD及び関連障害の協会の基準によって診断することもできる。
【0172】
本出願の抗PHF-タウ抗体は、AD又は他のタウ異常症等、タウの病理学的凝集を伴う神経変性疾患を治療又は予防するための治療剤及び予防剤の両方に好適である。無症候性患者では、治療は何歳から開始してもよい(例えば、約10、15、20、25、30歳)。しかしながら、通常、患者が約40、50、60、又は70歳に達するまで治療を始める必要はない。治療は、典型的には、ある期間にわたる複数回投与を伴う。治療は、経時的に治療剤に対する抗体、又は活性化T細胞若しくはB細胞の応答を評価することによってモニタリングしてもよい。応答(反応)が低下した場合、追加用量を指示してよい。
【0173】
予防用途では、医薬組成物又は薬剤は、疾患の生化学的、組織学的、及び/又は挙動的症状、その合併症、並びに疾患の発現中に提示される中間病理学的表現型を含む、疾患のリスクをなくす又は低減する、重症度を低下させる、又は疾患の発症を遅らせるのに十分な量で、ADに罹患しやすいか又はそうでなければADのリスクを有する患者に投与される。治療用途では、組成物又は薬剤は、疾患の症状(生化学的、組織学的、及び/又は挙動的)のいずれかを低減、阻止、又は遅延させるのに十分な量で、かかる疾患が疑われるか又は既に罹患している患者に投与される。治療薬の投与により、特徴的なアルツハイマー病状を未だ発現していない患者における軽度の認知障害を低減又はなくすことができる。
【0174】
治療有効量又は用量は、治療される疾患、障害又は状態、投与手段、標的部位、対象の生理学的状態(例えば、年齢、体重、健康状態を含む)、対象がヒトであるか動物であるか、投与される他の薬剤、及び、治療が予防的なものであるか治療的なものであるか、などの様々な因子によって異なり得る。治療用量は、安全性及び有効性を最適化するために最適に漸増される。
【0175】
いくつかの実施形態では、本出願は、血液脳関門(BBB)を通過してヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を輸送する方法であって、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、それに結合したヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を血液脳関門を通過して輸送するように、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片に結合した抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片を血液脳関門に曝露することを含む方法に関する。好ましくは、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物は、アミノ酸輸送を妨害しない。抗体は、アミノ酸輸送を妨害しないようにCD98又はTfRに特異的に結合する。いくつかの実施形態では、BBBは、哺乳動物、好ましくはヒトなどの霊長類、より好ましくは神経障害を有するヒトに存在する。一実施形態では、神経障害は、アルツハイマー病(AD)、卒中、痴呆症、筋ジストロフィー(MD)、多発性硬化(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、嚢胞性線維症、アンジェルマン症候群、リドル症候群、パーキンソン病、ピック病、パジェット病、癌、及び外傷性脳傷害からなる群から選択される。
【0176】
本出願の抗体は、薬学的に許容される担体内の活性成分として、治療有効量の抗体(単数又は複数)、コンジュゲート、又は融合構築物を含有する医薬組成物として調製することができる。担体は、液体、例えば水、及び落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油等の、石油、動物、植物、又は合成起源のものを含む油であってよい。例えば、0.4%生理食塩水及び0.3%グリシンを用いることができる。これらの溶液は滅菌され、概して粒子状物質を含まない。これらは、従来から公知の滅菌技術(例えば、濾過)によって滅菌することができる。組成物は、生理学的条件に近づけるために必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えばpH調整剤及び緩衝剤、安定化剤、増粘剤、潤滑剤、及び着色剤等を含有することができる。こうした医薬製剤中の本出願の薬剤の濃度は大きく、すなわち、約0.5重量%未満、通常は少なくとも約1重量%~最大で15又は20重量%まで異なってよく、選択される特定の投与様式に従って、主として必要とされる用量、流体体積、粘度等に基づいて選択される。
【0177】
本出願の抗体を治療的に使用するための投与様式は、薬剤を宿主に送達する任意の好適な経路であってもよい。例えば、本明細書に記載する組成物は、非経口的投与、例えば皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻孔内、若しくは頭蓋内投与に好適であるように製剤化することができ、又は、脳若しくは脊椎の脳脊髄液内に投与することができる。
【0178】
治療は、単回投与スケジュール、又は複数回投与スケジュールで行ってもよく、複数回投与計画では、一次治療過程が1~10回の別個の投与と、続いて、応答を維持しかつ/又は強化するのに必要な後続の時間間隔で他の投与とを行い、例えば第2の投与を、1~4ヶ月で行い、また必要であれば、次の投与を数ヶ月後に行う。好適な治療スケジュールの例としては、(i)0、1ヶ月及び6ヶ月、(ii)0、7日及び1ヶ月、(iii)0及び1ヶ月、(iv)0及び6ヶ月、又は疾患の症状を軽減するか若しくは疾患の重症度を低下させることが期待される、所望の応答を惹起するのに十分な他のスケジュールが挙げられる。
【0179】
本出願の抗体は、保存のために凍結乾燥させ、使用前に好適な担体に溶解させることができる。この技術は、抗体及び他のタンパク質調製物に効果的であることが示されており、当該技術分野において公知の凍結乾燥及び溶解技術を用いることができる。
【0180】
特定の実施形態によれば、タウ異常症の治療で使用される組成物を、関係する神経変性病の治療に効果的な他の作用物質と組み合わせて使用することができる。ADの場合、本出願の抗体は、アミロイドベータ(amyloid-beta、Aβ)の沈着を低減又は予防する作用物質と組み合わせて投与することができる。PHF-タウ及びAβの病理は相乗的である可能性がある。したがって、PHF-タウ、並びにAβ及びAβ関連病理の両方のクリアランスを同時に標的とする併用療法は、各々を個々に標的とするよりも効果的であり得る。パーキンソン病及び関連する神経変性疾患の場合、α-シヌクレインタンパク質の凝集形態をクリアランスするための免疫修飾も新たに開発された治療法である。タウ及びα-シヌクレインタンパク質のクリアランスを同時に標的とする併用療法は、いずれかのタンパク質を個々に標的とするよりも効果的であり得る。
【0181】
別の全般的な態様では、本出願は、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片を含む、医薬組成物を製造する方法であって、ヒト化抗体又はその抗原結合断片を薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法に関する。
【0182】
別の実施形態では、本出願は、薬剤の製造又は調製における本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物の使用に関する。一実施形態では、薬剤は、神経疾患又は障害の治療のためのものである。更なる実施形態では、薬剤は、神経疾患又は障害を有する個体に有効量の医薬を投与することを含む、神経疾患又は障害を治療する方法において使用するためのものである。
【0183】
本出願の別の一般的な態様は、抗体依存性貧食(ADP)の誘導を必要とする対象における、炎症促進性サイトカインの分泌を刺激することなく抗体依存性貧食を誘導する方法であって、本出願の実施形態による抗CD98抗体結合断片又は抗TfR抗体結合断片のその抗原結合断片に結合された、好ましくは共有結合されたヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片を含む複合体を対象に投与することを含み、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片が、エフェクター機能を有さない方法に関する。例えば、ヒト抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片は、ADCC又はCDCなどのエフェクター機能を低減又は排除する1つ又は2つ以上のアミノ酸修飾、例えば、Fcγ受容体への結合を低減又は消失させる変異を含み得る。そのような変異は、位置L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329、例えば、L234A、L235A、及びP331Sの1つ、2つ、又は3つの変異であり得、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに示されるEUインデックスに従う。
【0184】
いくつかの実施形態では、本方法は、有効量の少なくとも1つの追加の治療剤を対象に投与することを更に含む。特定の実施形態では、追加の治療剤は、ヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物が治療に使用されているのと同じ又は異なる神経障害を治療するのに有効な治療剤である。例示的な追加の治療剤としては、上記の種々の神経薬、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、及びタクリン)、NMDA受容体拮抗剤(例えば、メマンチン)、アミロイドβペプチド凝集インヒビター、抗酸化剤、γ-セクレターゼモジュレータ、神経増殖因子(NGF)模倣物又はNGF遺伝子療法、PP ARγ拮抗剤、HMS-CoAレダクターゼ阻害剤(スタチン)、アンパカイン、カルシウムチャネルブロッカー、GABA受容体拮抗剤、グリコーゲンシンターゼキナーゼ阻害剤、静脈内免疫グロブリン、ムスカリン受容体拮抗剤、ニコチン性受容体モジュレーター、能動又は受動アミロイドβペプチド免疫、ホスホジエステラーゼ阻害剤、セロトニン受容体拮抗剤、及び抗アミロイドβペプチド抗体が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤が、神経薬の1つ以上の副作用を緩和する能力のために選択される。追加の治療剤は、同じ又は別個の製剤で投与することができ、ヒト化抗PHF-タウ抗体若しくはその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物と一緒に又は別個に投与することができる。本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体若しくはその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物は、追加の治療剤及び/又は補助剤の投与の前に、それと同時に、及び/又はその後に投与することができる。本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体若しくはその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物は、他の介入療法、例えば、限定されないが、放射線治療、行動療法、又は当該技術分野において既知であり、治療又は予防される神経障害に適した他の療法と組み合わせて使用することもできる。
【0185】
別の態様では、本出願は、上記の障害の治療又は予防に有用な材料を含有する製造物品(例えば、キットなど)に関する。製造物品は、典型的には、容器と、この容器に付着又は添付されるラベル又はパッケージ添付文書とを含む。好適な容器としては、例えば、瓶、バイアル、シリンジなどが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの様々な材料から形成することができる。容器は、単独で、又は病状を治療若しくは予防するための有効量である別の組成物と組み合わせた組成物を保持し、無菌アクセスポートを有してもよい(例えば、容器は、皮下用注射針で突き刺し可能な栓を有する静注用溶液バッグ又はバイアルであってよい)。組成物中の少なくとも1つの活性薬剤は、本出願の抗体、その抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物である。ラベル又は添付文書は、組成物が、選択の状態を治療するために用いられることを示す。更に、製造物品は、(a)本出願の抗体、その抗原結合断片、又はコンジュゲートを含む組成物が中に含有されている第1の容器、及び(b)更なる細胞毒性剤又は他の治療剤を含む組成物が中に含有されている第2の容器を含むことができる。本出願のこの実施形態における製造物品は、組成物が特定の状態を処置するために使用され得ることを示す添付文書を更に含むことができる。任意選択的に、この製造物品は、薬学的に許容される緩衝剤を含む第2(又は第3)の容器を更に含んでよく、この緩衝剤には、注射用静菌水(bacteriostatic water for injection、BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル溶液、及びデキストロース溶液が含まれる。この製造物品は、他の緩衝剤、希釈剤、フィルタ、針、及びシリンジを含む、商業的及び使用者の観点から望ましい他の材料を更に含むことができる。
【0186】
診断方法及びキット
本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体を、対象におけるAD又は他のタウ異常症の診断方法において使用することができる。
【0187】
したがって、別の一般的な態様において、本出願は、対象にPHF-タウが存在することを検出する方法、及び、本出願のヒト化抗体又はその抗原結合断片を使用して対象にPHF-タウが存在することを検出することにより、タウ異常症を診断する方法に関する。
【0188】
一実施形態では、本出願のヒト化抗PHF-タウ抗体又はその抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物は、症状の発症前に神経障害を検出するために、及び/又は疾患又は障害の重症度又は持続期間を評価するために使用される。抗体、抗原結合断片、そのコンジュゲート、又はその融合構築物は、X線撮影、断層撮影、又は磁気共鳴画像法(MRI)による画像化を含む、神経障害の検出及び/又は画像化を可能にする。
【0189】
生体試料を診断抗体試薬と接触させ、対象の試料において、診断抗体試薬のリン酸化タウへの結合を検出することにより、対象の生体試料(例えば血清、血漿、間質液、又は大脳脊髄液試料)においてリン酸化タウを検出することができる。検出を実行するためのアッセイとしては、ELISA、免疫組織化学、ウエスタンブロット、又はインビボイメージングなどの周知の方法が挙げられる。
【0190】
診断抗体又は同様の試薬は、患者の体内に静脈内注射により投与することができ、又は作用物質を宿主に送達する任意の好適な経路により脳内に直接投与することができる。抗体の用量は、治療方法と同じ範囲内であるべきである。典型的には、抗体は標識されるが、いくつかの方法において、リン酸化タウに対して親和性を有する一次抗体は未標識であり、二次標識剤が、一次抗体に結合させるために用いられる。標識の選択は、検出手段に依存する。例えば、蛍光標識は、光学検出に好適である。常磁性標識の使用は、外科的介入のないトモグラフィー検出に好適である。また、放射標識は、PET又はSPECTを用いて検出され得る。
【0191】
診断は、対象由来の試料又は対象における、標識PHF-タウ、タウ凝集体、及び/又は神経原線維変化の数、大きさ、及び/又は強度を、対応するベースライン値と比較することによって行われる。ベースライン値は、健常な個体の集団における平均レベルを表し得る。また、ベースライン値は、同じ対象において決定された以前の値を表す。
【0192】
また、上記の診断方法は、治療前、治療中、又は治療後の対象におけるリン酸化タウの存在を検出することによって治療に対する対象の応答をモニタリングするために用いることもできる。ベースラインに対する値の減少は、治療に対する陽性応答を示す。また、値は、病理学的タウが脳からクリアランスされたとき、生物学的流体において一時的に増加する場合がある。
【0193】
本出願は、更に、上記診断及びモニタリング方法を実施するためのキットに関する。典型的には、このようなキットには、本出願の抗体などの診断試薬と、任意選択的に検出可能な標識とが入っている。診断抗体自体は、直接検出可能であるか又は二次反応(例えば、ストレプトアビジンとの反応)を介して検出可能である、検出可能な標識(例えば、蛍光標識、ビオチン等)を含有してもよい。あるいは、検出可能な標識を含有する第2の試薬を使用してもよく、この場合、第2の試薬は、一次抗体に対する結合特異性を有する。生体試料におけるPHF-タウを測定するのに好適な診断キットでは、キットの抗体は、マイクロタイターディッシュのウェル等の固相に予め結合して供給され得る。
【0194】
実施形態
本出願は以下の非限定的な実施形態も提供する。
【0195】
実施形態1は、配列番号1のアミノ酸配列を有するか、又は配列番号1のアミノ酸配列内のタウタンパク質のエピトープにおいて、タウタンパク質に結合する単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片であって、抗体又はその抗原結合断片が、対らせん状細線維(PHF)-タウ、好ましくはヒトPHF-タウに結合し、タウタンパク質のエピトープが、タウタンパク質のリン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435のうちの1つ以上を含むが、リン酸化T427、リン酸化S433、及びリン酸化S435の全てを含まない、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0196】
実施形態2は、それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号7又は14、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含み、配列番号12若しくは18と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号13、19、23、若しくは59と少なくとも90%同一のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態1に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0197】
実施形態2aは、それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号7、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、実施形態2に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0198】
実施形態2bは、それぞれ配列番号4、5、及び6のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン重鎖相補性決定領域(HCDR)HCDR1、HCDR2、及びHCDR3、並びにそれぞれ配列番号14、8、及び9のポリペプチド配列を有する免疫グロブリン軽鎖相補性決定領域(LCDR)LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む、実施形態2に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0199】
実施形態3は、配列番号12若しくは18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号13、19、23、若しくは59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態2に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0200】
実施形態4は、
(a)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号13のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(b)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号19のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、
(c)配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号23のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域、又は
(d)配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域とを含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0201】
実施形態6aは、配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号13のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態6に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0202】
実施形態4bは、配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号19のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態4に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0203】
実施形態4cは、配列番号12のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号23のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態4に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0204】
実施形態4dは、配列番号18のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域、又は配列番号59のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態4に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0205】
実施形態5は、
(a)配列番号15又は20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、又は24、又は60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17又は22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0206】
実施形態5aは、配列番号15のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態5に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0207】
実施形態5bは、配列番号20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態5に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0208】
実施形態5cは、配列番号15のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態5に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0209】
実施形態5dは、配列番号20のポリペプチド配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のポリペプチド配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のポリペプチド配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態5に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0210】
実施形態5eは、
(a)配列番号61又は62のポリペプチド配列を有する重鎖と、
(b)配列番号16若しくは24、又は21若しくは60のポリペプチド配列を有する軽鎖とを含む、実施形態1~4のいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0211】
実施形態5fは、好ましくは、配列番号61のポリペプチド配列を有する重鎖可変領域と、配列番号16又は24のポリペプチド配列を有する軽鎖可変領域を含む、実施形態5eに記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0212】
実施形態5gは、配列番号62のポリペプチド配列を有する重鎖と、配列番号21又は60のポリペプチド配列を有する軽鎖とを含む、実施形態5に記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片である。
【0213】
実施形態6は、抗CD98又は抗TfR抗体又はその抗原結合断片に結合された、実施形態1~5gのいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片を含む、コンジュゲートである。
【0214】
実施形態7は、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、中性pHで少なくとも1nM、好ましくは1~500nMの解離定数KD、及び酸性pH、好ましくはpH5で少なくとも10-4秒-1、好ましくは10-4~10-1秒-1のオフ速度定数kdで、それぞれCD98、好ましくはヒトCD98hc、又はTfR、好ましくはヒトTfR1に結合する、実施形態6に記載のコンジュゲートである。
【0215】
実施形態8は、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、中性pHで2×10-2~2×10-4秒-1、好ましくは8×10-3秒-1のオフ速度定数kdを有する、実施形態6又は7に記載のコンジュゲートである。
【0216】
実施形態9は、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、HCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域と、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域とを含み、
(a)抗CD98抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2、及びLCDR3が、それぞれ配列番号26、27、28又は33、29、30、及び31のアミノ酸配列を有する、又は
(b)抗TfR抗体又はその抗原結合断片のHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3が、それぞれ配列番号35、36、37、38、39、及び401のアミノ酸配列を有する、実施形態6~8のいずれか1つに記載のコンジュゲートである。
【0217】
実施形態9aは、抗CD98抗体又はその抗原結合断片が、それぞれ配列番号26、27、及び28のアミノ酸配列を有するHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域、並びにそれぞれ配列番号29、30、及び31のアミノ酸配列を有するCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む、実施形態9に記載の方法である。
【0218】
実施形態9bは、抗CD98抗体又はその抗原結合断片が、それぞれ配列番号26、27、及び33のアミノ酸配列を有するHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域、並びにそれぞれ配列番号29、30、及び31のアミノ酸配列を有するLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む、実施形態9に記載の方法である。
【0219】
実施形態9cは、抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、それぞれ配列番号36、36、及び37のアミノ酸配列を有するHCDR1、HCDR2、及びHCDR3を含む重鎖可変領域、並びにそれぞれ配列番号38、39、及び40のアミノ酸配列を有するLCDR1、LCDR2、及びLCDR3を含む軽鎖可変領域を含む、実施形態9に記載の方法である。
【0220】
実施形態10は、抗CD98抗体若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して軽鎖可変領域に共有結合した重鎖可変領域を含む単鎖可変断片(scFv)であり、好ましくは、リンカーが、配列番号50又は51のアミノ酸配列を有し、より好ましくは、scFvが、配列番号25、配列番号32、配列番号34、又は配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、実施形態6~9cのいずれか1つに記載のコンジュゲートである。
【0221】
実施形態10aは、抗CD98抗体又はその抗原結合断片が、配列番号25のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば、少なくとも85%、90%、95%、又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むscFvである、実施形態10に記載のコンジュゲートである。
【0222】
実施形態10bは、抗CD98抗体又はその抗原結合断片が、配列番号32のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むscFvである、実施形態10に記載のコンジュゲートである。
【0223】
実施形態10cは、抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、配列番号34のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むscFvである、実施形態10に記載のコンジュゲートである。
【0224】
実施形態10dは、抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、配列番号41のアミノ酸配列に対して少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含むscFvである、実施形態10に記載のコンジュゲートである。
【0225】
実施形態11は、抗CD98若しくは抗TfR抗体又はその抗原結合断片が、リンカーを介して単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖のうちの1つのみのカルボキシ末端に共有結合しており、好ましくは、リンカーが配列番号52のアミノ酸配列を有する、実施形態6~10のいずれか1つに記載のコンジュゲートを含む融合構築物である。
【0226】
実施形態12は、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片の2つの重鎖の各々が、野生型CH3ドメインポリペプチドと比較して、修飾ヘテロ二量体CH3ドメインなどの1つ以上のヘテロ二量体変異、又は1つ以上のノブ及びホール変異を含む、実施形態11に記載の融合構築物である。
【0227】
実施形態13は、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、L351、F405、及びY407におけるアミノ酸修飾を含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、位置T350、T366、K392、及びT394におけるアミノ酸修飾を含み、位置T350におけるアミノ酸修飾が、T350V、T350I、T350L、又はT350Mであり、位置L351におけるアミノ酸修飾が、L351Yであり、位置F405におけるアミノ酸修飾が、F405A、F405V、F405T、又はF405Sであり、位置Y407におけるアミノ酸修飾が、Y407V、Y407A、又はY407Iであり、位置T366におけるアミノ酸修飾が、T366L、T366I、T366V、又はT366Mであり、位置K392におけるアミノ酸修飾が、K392F、K392L、又はK392Mであり、位置T394におけるアミノ酸修飾が、T394Wであり、アミノ酸残基の番号付けは、Kabatに記載されるEUインデックスに従う、実施形態12の融合構築物である。
【0228】
実施形態13aは、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T350V、L351Y、F405A、及びY407Vを含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T350V、T366L、K392L、及びT394Wを含む、実施形態13に記載の融合構築物である。
【0229】
実施形態14は、第1の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変位T366Wを含み、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異T366S、L368A、及びY407Vを含む、実施形態12に記載の融合構築物である。
【0230】
実施形態14aは、第2の重鎖の修飾ヘテロ二量体CH3ドメインが、変異H435R及びY436Fを更に含む、実施形態14に記載の融合構築物である。
【0231】
実施形態15は、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、新生児Fc受容体(RcRn)への融合物の結合を増強するFcドメイン中の1つ以上の変異を含み、好ましくは、1つ以上の変異が酸性pHでの結合を増強し、より好ましくは、FcがM252Y/S254T/T256E(YTE)変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに記載のEUインデックスに従う、実施形態11~14aのいずれか1つに記載の融合構築物である。
【0232】
実施形態16は、単離ヒト化抗体又はその抗原結合断片が、エフェクター機能を低減又は排除するFcドメインにおける1つ以上の変異を含み、好ましくは、Fcが、L234、L235、D270、N297、E318、K320、K322、P331、及びP329の位置に1つ以上のアミノ酸修飾、例えば、L234A、L235A、及びP331Sの1つ、2つ、又は3つの変異を有し、アミノ酸残基の番号付けが、Kabatに示されるEUインデックスに従う、実施形態11~15のいずれか1つに記載の融合構築物である。
【0233】
実施形態17は、
(a)配列番号42~49からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、
(b)各々が配列番号16、21、24、及び60からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、
(c)配列番号17及び22からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%、95%又は100%同一であるアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む融合構築物である。
【0234】
実施形態17aは、配列番号42のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0235】
実施形態17bは、配列番号42のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0236】
実施形態17cは、配列番号43のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0237】
実施形態17dは、配列番号44のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0238】
実施形態17eは、配列番号44のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0239】
実施形態17fは、配列番号45のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態22に記載の融合構築物である。
【0240】
実施形態17gは、配列番号46のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0241】
実施形態17hは、配列番号47のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号16のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0242】
実施形態17iは、配列番号46のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0243】
実施形態17jは、配列番号47のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号24のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号17のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0244】
実施形態17kは、配列番号48のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0245】
実施形態17lは、配列番号49のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号21のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0246】
実施形態17mは、配列番号43のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0247】
実施形態17nは、配列番号45のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0248】
実施形態17oは、配列番号48のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0249】
実施形態17pは、配列番号49のアミノ酸配列を有する第1の重鎖と、各々が配列番号60のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖と、配列番号22のアミノ酸配列を有する第2の重鎖とを含む、実施形態17に記載の融合構築物である。
【0250】
実施形態18は、実施形態1~5gのいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、実施形態6~10dのいずれか1つに記載のコンジュゲート、又は実施形態11~17pのいずれか1つに記載の融合構築物をコードする単離核酸である。
【0251】
実施形態19は、実施形態18に記載の単離核酸を含む、ベクターである。
【0252】
実施形態20は、実施形態18に記載の単離核酸又は実施形態19に記載のベクターを含む宿主細胞である。
【0253】
実施形態21は、実施形態1~5gのいずれか1つに記載のヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、実施形態6~10のいずれか1つに記載のコンジュゲート、又は実施形態11~17pのいずれか1つに記載の融合構築物を生成する方法であって、ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物をコードする核酸を含む細胞を、ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物を生成する条件下で培養することと、細胞又は細胞培養物からヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、コンジュゲート、又は融合構築物を回収することとを含む、方法である。
【0254】
実施形態22は、実施形態1~5gのいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、実施形態6~10dのいずれか1つに記載のコンジュゲート、又は実施形態11~17pのいずれか1つに記載の融合構築物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物である。
【0255】
実施形態23は、タウシーディングのブロックを必要とする対象における、タウシーディングをブロックする方法であって、実施形態22に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0256】
実施形態24は、抗体依存性貧食(ADP)の誘導を必要とする対象における、炎症促進性サイトカインの分泌を刺激することなく抗体依存性貧食を誘導する方法であって、実施形態22に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0257】
実施形態25は、タウ異常症の治療を必要とする対象における、タウ異常症を治療する方法であって、実施形態22に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0258】
実施形態26は、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡大の低減を必要とする対象における、病理学的タウ凝集又はタウ異常症の拡大を低減する方法であって、実施形態22に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、方法である。
【0259】
実施形態27は、タウ異常症が、家族性アルツハイマー病、散発性アルツハイマー病、染色体17に関連したパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症複合、ダウン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、慢性外傷性脳症、及び拳闘家認知症(ボクサー病)からなる群から選択される、実施形態25又は26に記載の方法である。
【0260】
実施形態28は、医薬組成物が静脈内投与される、実施形態23~27のいずれか1つに記載の方法である。
【0261】
実施形態29は、医薬組成物が、対象の血液脳関門(BBB)を通過して送達される、実施形態23~28のいずれか1つに記載の方法である。
【0262】
実施形態30は、投与がFc媒介性エフェクター機能を低下させる、及び/又は急速な網状赤血球枯渇を誘導しない、態様23~29のいずれか1つに記載の方法である。
【0263】
実施形態31は、対象由来の生体試料におけるPHF-タウの存在を検出する方法であって、生体試料を実施形態1~5gのいずれか1つに記載のヒト化抗体又は抗原結合断片と接触させることと、対象由来の試料におけるPHF-タウへのヒト化抗体又はその抗原結合断片の結合を検出することとを含む、方法である。
【0264】
実施形態32は、生体試料が、血液、血清、血漿、間質液、又は大脳脊髄液試料である、実施形態31に記載の方法である。
【0265】
実施形態33は、実施形態1~5gのいずれか1つに記載のヒト化抗体又は抗原結合断片を含む、医薬組成物を製造する方法であって、ヒト化抗体又はその抗原結合断片を薬学的に許容される担体と組み合わせて、医薬組成物を得ることを含む、方法である。
【0266】
実施形態34は、タウ異常症の治療を必要とする対象における、タウ異常症の治療に使用するための、実施形態1~5gのいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、又は実施形態22に記載の医薬組成物である。
【0267】
実施形態35は、タウ異常症が、家族性アルツハイマー病、散発性アルツハイマー病、染色体17に関連したパーキンソン症候群を伴う前頭側頭型認知症(FTDP-17)、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、ピック病、進行性皮質下神経膠症、神経原線維変化優位型認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、嗜銀顆粒性認知症、筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン症候群認知症複合、ダウン症候群、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ハラーフォルデン・シュパッツ病、封入体筋炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、多系統萎縮症、C型ニーマン・ピック病、プリオンタンパク質大脳アミロイド血管障害、亜急性硬化性全脳炎、筋強直性ジストロフィー、神経原線維変化による非グアマニアン運動ニューロン疾患、脳炎後パーキンソン症候群、慢性外傷性脳症、及び拳闘家認知症(ボクサー病)からなる群から選択される、実施形態34に記載の使用である。
【0268】
実施形態36は、タウ異常症の治療を必要とする対象における、タウ異常症を治療するための薬剤を製造するための、実施形態1~5gのいずれか1つに記載の単離ヒト化抗体若しくはその抗原結合断片、実施形態6~10dのいずれか1つに記載のコンジュゲート、又は実施形態11~17pのいずれか1つに記載の融合構築物の使用である。
【実施例】
【0269】
以下の本出願の実施例は、本発明の本質を更に説明するためのものである。以下の実施例は本出願を限定するものではなく、また本出願の範囲は添付の特許請求の範囲によって定められることが理解されるべきである。
【0270】
実施例1-抗体の生成、発現、及び精製
抗タウマウスmAb PT/66:PT1B1142のヒト化
PT/66(PT1B585)の軽鎖(LC)及び重鎖(HC)のV領域をFabフォーマットでヒト化した。簡潔に述べると、PT/66からのV
LCDR(AbM定義)をヒトIGKV2-24*01生殖細胞系にグラフトし、ヒトからマウスへの復帰変異として2つの位置F41L及びS28P(Kabat番号付けシステムに従うF41L及びS28P)を同定した。PT/66由来のV
HCDRをヒトIGHV1-18*01生殖系列に移植し、1つの位置A40Rをヒトからマウスへの復帰変異として同定した。更に、V
L及びV
HCDRを、ヒトからマウスへの復帰変異を伴わない上記のヒト生殖系列に移植した(PT1B995)。3つ全ての変異を含む1つのFab変異体はPT1B1142であり、その完全ヒトIgGバージョンはPT1B1153である。PT1B1153の軽鎖中の第2のフレームワーク領域を修飾して、別のヒト化抗体PT1B1183を得た。完全長組換えタウタンパク質に結合するPT1B1183のSPRセンサグラムを
図4に示す。
【0271】
ヒト化PT/66 Fab変異体PT1B1142の組換えタウへの結合
ヒト化PT/66変異体を大腸菌で発現させ、次いで、組換え完全長タウタンパク質への結合及び熱安定性についてスクリーニングした。簡潔に述べると、Fabコード配列を、それぞれ重鎖及び軽鎖の分泌のためのPelB及びOmpAリーダー配列を有するvDR001246ベクター(Antibody Design Labs、カリフォルニア州サンディエゴ)にクローニングした。大腸菌細胞(MC1061株)をプラスミドで形質転換し、100μg/mLのカルベニシリンを補充した2×YT微生物成長培地において37℃で一晩成長させた。一晩経った培養物を使用して、0.5mLの発現培養物に接種し、OD600約2.0まで37℃で成長させた。1mMのIPTGを添加することによってタンパク質発現を誘導し、培養物を30℃で一晩成長させた。発現後、3,500×gで10分間遠心分離することによって細胞をペレット化し、上清を収集し、ELISAアッセイで直接試験した。ELISAのために、ビオチン化全長タウタンパク質を、2倍希釈で0.039μg/mL~2.5μg/mLの範囲の濃度でプレート上に固定化し、続いて室温で45分間インキュベートした。プレートを、3%ミルクを補充した1×PBS-Tweenでブロックした。プレートを1×PBS-Tweenで洗浄した。上清を各プレートに添加し、室温で45分間インキュベートした。結合したFabを、1つのウェル当たり50uLで1:5,000に希釈したGoatAnitFab’2-西洋ワサビペルオキシダーゼを使用して検出し、次いで化学発光基質(Sigmaカタログ番号11582950001)で検出した。PT/66に由来する全ての試験したFab分子は、完全長タウタンパク質に結合した。PT/66及びPT1B995と比較したPT1B1142の結合曲線を
図1に示す。
【0272】
ヒト化Fab変異体の熱安定性の判定
ヒト化PT/66変異体の熱安定性を熱処理ELISAアッセイで判定した。発現及びELISAアッセイを上記(結合)のように行った。しかしながら、各変異体の発現上清を4つのアリコートに分割した。1つのアリコートを室温で維持し、他の3つをそれぞれ60℃、65℃、及び70℃に加熱し、次いで室温に冷却した。4つ全ての試料のELISA結合シグナル(3連)を得た。RTシグナルに対する比として表される高温での結合シグナルは、変異体の熱安定性を表す(表1及び
図2)。
【0273】
【0274】
抗タウマウスmAb PT/66のヒト化:PT1B635及びPT1B901
別の試みでは、異なるアクセプターヒトフレームワークを用いてPT/66をヒト化した。簡潔に述べると、PT/66由来のVLCDRをヒトIGKV2D-40*01生殖系列に移植し、VHCDRをヒトIGHV1-18*01生殖系列に移植した。軽鎖には復帰変異はなかった。しかしながら、VLにおける2つの位置、M70L及びT72V(Kabat番号付けシステム)は、ヒトからマウスへの復帰変異として同定された。ヒト化変異体をPT1B635と命名する。更に、PT/66由来のLCは、異性化のリスクを示すDG(CDR1の位置43~44)モチーフを含んでいた。このリスクは、変異G44Lを含有する変異体を作製することによって軽減された。この変異体は、PT1B901である。PT1B635及びPT1B901を、SPRによって組換えタウタンパク質への結合について試験した。
【0275】
抗体の発現及び精製
PT1B635及びPT1B901をコードする精製プラスミドDNAでの一過性トランスフェクションによって、ExpiCHO細胞において小規模(2mL)で発現させた。トランスフェクトした細胞を37℃で7日間インキュベートした後、培養上清を回収した。回収した上清を遠心分離によって清澄化し、続いて濾過した。細胞培養上清をMabSelectSuRe Protein-A親和性クロマトグラフィを用いて精製し、単量体タンパク質を含有する最終溶出液(Tris-酢酸緩衝液中)をdPBS7.2中に透析した。精製されたタンパク質の濃度を、NanoDrop分光光度計で280nmにおける吸光度によって決定し、品質を分析用SE-HPLCによって評価した。最終生成物の純度は98%超であり、追跡調査に使用した。以下のヒト化抗体を発現させ、精製した。
【0276】
【0277】
実施例2-SPRによる組換えタウへの抗タウ抗体の結合特性評価
抗タウ抗体とヒト完全長組換えタウ(2N4R)との相互作用を、3mM EDTA及び0.05%Tween 20を補充したHBS pH7.4緩衝液を用いて25℃でBiacore T200を使用するSPRによって試験した。簡潔に述べると、アミンカップリング化学に関する製造業者の説明書を使用して、抗マウス/抗ヒトIgG Fcγ断片特異的抗体の混合物をCM4センサチップの表面にカップリングさせることによって、バイオセンサ表面を調製した(4000超の応答単位(RU))。カップリング用緩衝液は、10mMの酢酸ナトリウム(pH4.5)であった。抗タウ抗体をランニング緩衝液に希釈し、抗原結合の検出を可能にするに十分な捕捉を得た。抗タウmAbの捕捉に続いて、5倍希釈で0.12nM~75nMの組換え発現した対照タウ溶液を注射した。会合及び解離を、50μL/分の流速でそれぞれ3分間及び60分間監視した。センサ表面の再生は、0.85%H
3PO
4を用いて行った。結合センサグラムを、1:1ラングミュア結合モデルを使用してフィッティングして、オン速度、オフ速度、及び親和性を得た。PT1B635及びPT1B901は、親mAbであるPT/66又はPT1B545と同様の強固な親和性で全長タウタンパク質に結合した(
図3及び以下の表2)。
【0278】
【表3】
k
offは、1時間限界*又は2時間限界**に基づき、5%解離と仮定する。対応する親和性は、「よりタイト」として報告される。
【0279】
実施例3-免疫枯渇による機能試験
最大阻害率値がADタウシード上のエピトープの密度又はPT/66エピトープを含有するシードの数に関連しているかどうかを調べるために、PT/66のヒト化変異体を、免疫枯渇アッセイにおいてタウシーディングの阻害について試験する。このアッセイにおいて、マウス親PT/66抗体は、タウシードの90%超を枯渇させることが示されている(内容の全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第63/166,439号を参照)。免疫枯渇のためのタウシードを含有するホモジネートは、22~23週齢のP301Sトランスジェニック動物の脊髄、又は冷凍保存したヒトAD脳組織から生成することができる。免疫枯渇試料の生化学分析は、細胞シーディングアッセイと非常によく相関するhTau60/hTau60及び/又はPT/66/PT/66自己サンドイッチMSDアッセイによって行われる(例えば、米国特許出願公開第63/166,439を参照)。後者は、凝集により非常に近接したときにシグナルを生成する、2つの発色団タグK18タウ断片を発現するHEK細胞を利用する。細胞を、異なる供給源に由来する凝集し、リン酸化された完全サイズのタウシードで処理する場合、蛍光活性化細胞選別(fluorescence-activated cell sorting、FACS)を使用して蛍光共鳴エネルギー移動(fluorescence resonance energy transfer、FRET)陽性細胞をカウントすることによって定量化され得るK18凝集体を誘発する(Holmes et al.,2014,PNAS.111(41):E4376-85)。
【0280】
ADタウシードを試験抗体と共にインキュベートし、タンパク質Gビーズと共に溶液から除去する。枯渇した上清を、PT/66/PT/66自己サンドイッチMSDアッセイを使用して、残留タウシードについて試験する。これにより、PT/66のヒト化バージョンが、ADタウシードの枯渇において親PT/66 mAbと同程度に効率的であるかどうかが確認される。
【0281】
実施例4-融合構築物
融合構築物設計
CD98hc又はhuTfRに対する抗体の抗原結合断片(scFv)とヒト化抗PHF-タウ抗体(タウAb)との融合物を含有する融合構築物は、タウAbがBBBを透過することを可能にするように開発され、タウAb単独と比較して実質的により高い脳内濃度をもたらす。
【0282】
例えば、ヒト化タウAbと、CD98hc又はhuTfR結合scFvとを含有する融合構築物を、短い可撓性リンカーを使用してヒト化タウの1つの抗体重鎖のC末端に付加した。融合構築物を、トランスサイトーシスを増強することが以前に記載されている特徴:結合価、結合親和性、pH依存性結合、及び脳内皮細胞における迅速な内部移行について分析する(Goulatis及びShusta 2017)。
【0283】
CD98hc又はhuTfRに対する抗体の重鎖及び軽鎖可変配列を、以下のフォーマットを使用して一本鎖可変断片(scFv)として単一遺伝子構築物に融合させる。
【0284】
Hc_GGGSGGSGGCPPCGGSGG(配列番号50)_Lc
又はHc_GTEGKSSGSGSESKST(配列番号51_Lc)
次いで、GGAGGA(配列番号52)リンカーを使用して、CD98hc又はhuTfRに対するscFvをヒト化タウAbの1つの重鎖(Hc)のC末端に融合させる。CH3におけるノブ及びホールヘテロ二量体化変異を、抗体Hc(HCaノブ:T366W;Hc Bホール:T366S_L368A_Y407V)において利用して、融合構築物を生成する。加えて、CH3におけるRF二重変異(H435R_Y436F)は、プロテインA結合を破壊し、精製中にホール-ホールホモ二量体を除去するために、HCaに対して利用される。融合構築物は、同一のアミノ酸配列を有する2つの軽鎖及び異なるアミノ酸配列を有する2つの重鎖を含有する。2つの重鎖のうちの1つのみが、CD98又はTfR抗体のscFvに融合され、2つの重鎖はまた、2つの重鎖間のヘテロ二量体化を促進するために、それらの定常領域において異なる。したがって、本出願の実施形態による各融合構築物は、3つのアミノ酸配列:CD98又はTfR抗体の抗原結合断片に融合された第1の重鎖のアミノ酸配列、軽鎖のアミノ酸配列、及びCD98又はTfR抗体の抗原結合断片に融合されていない第2の重鎖のアミノ酸配列と会合する。
【0285】
融合発現、精製、及び特徴評価
融合構築物をCHO-Expi細胞中で発現させ、プロテインA親和性クロマトグラフィ、続いてサイズ排除クロマトグラフィ、又はイオン交換クロマトグラフィを使用して精製する。
【0286】
作製された融合構築物の例を表3に示す。
【0287】
【0288】
結合特性及び免疫枯渇による機能試験を、上記の実施例2及び3に記載される方法と類似の方法を使用して、融合構築物について判定する。
【0289】
内在化
ヒト脳内皮細胞(hCMECD3)を、コラーゲン被覆384ウェルCell Carrier Ultraプレート(Perkin Elmer)に10,000細胞/ウェルで播種し、加湿インキュベータ中、37℃で16時間付着させる。次いで、細胞(50,000細胞)を200μg/mLの精製融合構築物と共にインキュベートし、37℃で1時間インキュベートする。細胞を固定し、洗浄し、蛍光標識二次抗体と共に1時間インキュベートする。次いで、細胞を再度洗浄し、蛍光標識したアクチン染色、ファロイジン、及び核染色、Hoeschst 33342と共にインキュベートする。細胞を再度洗浄し、40倍対物レンズを備えたImageXpress Micro(Molecular Devices)を使用して撮像する。内在化構築物は、MetaXpress 6.0を用いてファロイジンとの共局在化に基づいて同定される。
【0290】
ミクログリア細胞におけるタウ凝集体の取り込みを促進する融合構築物の可能性を評価するために、人工多能性幹細胞(iPSC)に由来するヒトミクログリアを、384ウェルPerkin Elmer Cell Carrier Ultraプレート上に、1プレート当たり7000細胞の希釈で播種し、Glutamax+、ペニシリン/ストレプトマイシン、IL34(100ng/ml)、及びGMCSF(10ng/ml)を含む改良型DMEM/F12培地に維持する。アッセイ当日に、ビオチン化タウオリゴマーを、15倍モル過剰のストレプトアビジンAlexa Flour 488(AF488)と複合体化させる。次いで、標識タウオリゴマーを、室温で30分間、約2倍モル過剰で試験構築物に結合させる。次に、Ab:タウオリゴマー複合体を20μl/ウェルでミクログリアに送達する。インキュベーションの2、4、及び8時間後に、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドの存在下、室温で15分間固定する。固定後、細胞を再度PBS中で2回洗浄し、透過化緩衝液(0.1%サポニン+1%魚皮ゼラチン)中4μg/mlの濃度のリソソームのマーカであるLAMP1一次抗体と共に4℃で一晩インキュベートする。インキュベーション後、細胞をPBSで2回洗浄し、透過化緩衝液中のAlexa flour 647にコンジュゲートした1μg/ml二次抗体で4℃にて1時間染色する。インキュベーション後、細胞をPBSで2回洗浄し、PBS中、室温で10分間、1μg/mlのHoechst DNA染色で対比染色する。次いで、細胞をPBSで最後に1回洗浄し、ウェル当たり20μlのPBSに再懸濁し、Opera Phenix 共焦点ハイコンテント顕微鏡で画像化する。取得した画像を、Harmony及びImageJ分析ソフトウェアを使用して分析する。LAMP1抗体で標識されたファゴリソソーム構造内のタウオリゴマーの存在について、条件当たり約500個の細胞をスコア化する。融合構築物を、ファゴソームへの取り込みについてタウAbと比較する。
【0291】
以上、本発明の実施形態を詳細に、かつその具体的な実施形態を参照して説明したが、当業者には、発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変更及び改変を行い得ることは明らかであろう。
【0292】
配列
PHF-タウエピトープ配列番号1
SPQLATLADEVSASLAK
抗PHF-タウ抗体
下線を付したCDR
PT/66抗PHF-タウモノクローナルAb
PT1B545 VH 配列番号2
【0293】
[1]
PT1B545 VL 配列番号3
【0294】
[2]
PT1B545 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B545 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B545 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B545 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B545 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B545 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B545 HC 配列番号10
QVQLQQPGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYWITWVKQRPGQGLEWIGDIHPGRGSTKSNEKFKSKATLTVDTSSSTAYMQFSSLTSEDSAVYYCARRWGFDYWGQGTTLTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
PT1B545 LC 配列番号11
DIVITQDELSNPVTSGESVSISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQRPGQSPQLLIYLMSTRASGVSDRFSGSGSGTDFTLEISRVKAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
PT1B901ヒト化Ab
PT1B901 VH 配列番号12
【0295】
[3]
PT1B901 VL 配列番号13
【0296】
[4]
PT1B901 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B901 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B901 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B901 LCDR1 配列番号14
RSSKSLLYKDLKTYLN
PT1B901 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B901 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B901 HC1 配列番号15
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B901 LC1/2 配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B901 HC2 配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B901 HC 配列番号61
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B1153ヒト化Ab
PT1B1153 VH 配列番号18
【0297】
[5]
PT1B1153 VL 配列番号19
【0298】
[6]
PT1B1153 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B1153 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B1153 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B1153 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B1153 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B1153 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B1153 HC1 配列番号20
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B1153 LC1/2 配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B1153 HC2 配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B1153 HC 配列番号62
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B635ヒト化Ab
PT1B635 VH 配列番号12
【0299】
[7]
PT1B635 VL 配列番号23
【0300】
[8]
PT1B635 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B635 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B635 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B635 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B635 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B635 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B635 HC1 配列番号15
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B635 LC1/2 配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B635 HC2 配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B635 HC 配列番号61
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
抗CD98及び抗TfR scFv配列
下線を付したCDR、イタリック体のscFvリンカー
C98B72(抗CD98hc scFv)配列番号25
>TPP000231088|C98B72|mature_scFv|_scFv C98B72(抗CD98hc)scFv-HL[16-aa修飾Birdリンカー]
【0301】
[9]
C98B72 HCDR1 配列番号26
GFTFSSYGMH
C98B72 HCDR2 配列番号27
IISYDGSNKH
C98B72 HCDR3 配列番号28
APSSFYFDY
C98B72 LCDR1 配列番号29
KSSQSVLFSSNNKNYLA
C98B72 LCDR2 配列番号30
WASTRES
C98B72 LCDR3 配列番号31
QQYYSTPPT
C98B73(抗CD98 hc scFv)配列番号32
>TPP000231089|C98B73|mature_scFv|_scFv C98B73(抗CD98hc)scFv-HL[16-aa修飾Birdリンカー]
【0302】
[10]
C98B73 HCDR1 配列番号26
GFTFSSYGMH
C98B73 HCDR2 配列番号27
IISYDGSNKH
C98B73 HCDR3 配列番号33
APSHFYFDY
C98B73 LCDR1 配列番号29
KSSQSVLFSSNNKNYLA
C98B73 LCDR2 配列番号30
WASTRES
C98B73 LCDR3 配列番号31
QQYYSTPPT
TFRB321(抗TfR scFv)配列番号34
>TPP000231087|TFRB321|mature_scFv|TFRB321(抗TfR)spFv-HL[stapled linker]
【0303】
[11]
TFRB321 HCDR1 配列番号35
GFTFSSYAMN
TFRB321 HCDR2 配列番号36
GISGSGGHTY
TFRB321 HCDR3 配列番号37
EGYDSSGYNPFDY
TFRB321 LCDR1 配列番号38
SGDKLGDKYAS
TFRB321 LCDR2 配列番号39
QDSKRPS
TFRB321 LCDR3 配列番号40
QAWDSSTVV
TFRB320(抗TfR scFv)配列番号41
>TPP000231086|TFRB320|mature_scFv| TFRB320 (抗TfR)scFv-HL [16-aa修飾Bird linker]
【0304】
[12]
TFRB320 HCDR1 配列番号35
GFTFSSYAMN
TFRB320 HCDR2 配列番号36
GISGSGGHTY
TFRB320 HCDR3 配列番号37
EGYDSSGYNPFDY
TFRB320 LCDR1 配列番号38
SGDKLGDKYAS
TFRB320 LCDR2 配列番号39
QDSKRPS
TFRB320 LCDR3 配列番号40
QAWDSSTVV
抗Tau-BBBコンジュゲート
下線を付したScFV、Hc_scFvテザーリンカーはイタリック体である。
【0305】
BBBB1910
>BBBB1910|heavy_chain_1|配列番号43
【0306】
[13]
>BBBB1910|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1910|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1909
>BBBB1909|heavy_chain_1|配列番号45
【0307】
[14]
>BBBB1909|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1909|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1626
>BBBB1626|heavy_chain_1|配列番号42
【0308】
[15]
>BBBB1626|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1626|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1625
>BBBB1625|heavy_chain_1|配列番号42
【0309】
[16]
>BBBB1625|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1625|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1624
>BBBB1624|heavy_chain_1|配列番号43
【0310】
[17]
>BBBB1624|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1624|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1622
>BBBB1622|heavy_chain_1|配列番号44
【0311】
[18]
>BBBB1622|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1622|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1621
>BBBB1621|heavy_chain_1|配列番号44
【0312】
[19]
>BBBB1621|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1621|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1620
>BBBB1620|heavy_chain_1|配列番号45
【0313】
[20]
>BBBB1620|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1620|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1548
>BBBB1548|heavy_chain_1|配列番号46
【0314】
[21]
>BBBB1548|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1548|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1546
>BBBB1546|heavy_chain_1|配列番号47
【0315】
[22]
>BBBB1546|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1546|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1545
>BBBB1545|heavy_chain_1|配列番号46
【0316】
[23]
>BBBB1545|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1545|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1543
>BBBB1543|heavy_chain_1|配列番号47
【0317】
[24]
>BBBB1543|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1543|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1508
>BBBB1508|heavy_chain_1|配列番号48
【0318】
[25]
>BBBB1508|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1508|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1506
>BBBB1506|heavy_chain_1|配列番号49
【0319】
[26]
>BBBB1506|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1506|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1505
>BBBB1505|heavy_chain_1|配列番号48
【0320】
[27]
>BBBB1505|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1505|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1503
>BBBB1503|heavy_chain_1|配列番号49
【0321】
[28]
>BBBB1503|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1503|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
>PT1B1183VH 配列番号18
【0322】
[29]
>PT1B1183VL 配列番号59
【0323】
[30]
>PT1B1183HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
>PT1B1183HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
>PT1B1183HCDR3 配列番号6
RWGFDY
>PT1B1183LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
>PT1B1183LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
>PT1B1183LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
>PT1B1183HC1 配列番号20
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>PT1B1183 LC 配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>PT1B1183HC2 配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
>PT1B1183HC 配列番号62
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【配列表】
【誤訳訂正書】
【提出日】2023-12-07
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0293
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0293】
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0294
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0294】
PT1B545 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B545 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B545 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B545 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B545 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B545 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B545 HC 配列番号10
QVQLQQPGAELVKPGASVKMSCKASGYTFTSYWITWVKQRPGQGLEWIGDIHPGRGSTKSNEKFKSKATLTVDTSSSTAYMQFSSLTSEDSAVYYCARRWGFDYWGQGTTLTVSSAKTTAPSVYPLAPVCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVTSSTWPSQSITCNVAHPASSTKVDKKIEPRGPTIKPCPPCKCPAPNLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPIVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPAPIERTISKPKGSVRAPQVYVLPPPEEEMTKKQVTLTCMVTDFMPEDIYVEWTNNGKTELNYKNTEPVLDSDGSYFMYSKLRVEKKNWVERNSYSCSVVHEGLHNHHTTKSFSRTPGK
PT1B545 LC 配列番号11
DIVITQDELSNPVTSGESVSISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQRPGQSPQLLIYLMSTRASGVSDRFSGSGSGTDFTLEISRVKAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGAGTKLELKRADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC
PT1B901ヒト化Ab
PT1B901 VH 配列番号12
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0295
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0295】
【誤訳訂正4】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0296
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0296】
PT1B901 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B901 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B901 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B901 LCDR1 配列番号14
RSSKSLLYKDLKTYLN
PT1B901 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B901 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B901 HC1 配列番号15
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B901 LC1/2 配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B901 HC2 配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B901 HC 配列番号61
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B1153ヒト化Ab
PT1B1153 VH 配列番号18
【誤訳訂正5】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0297
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0297】
【誤訳訂正6】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0298
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0298】
PT1B1153 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B1153 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B1153 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B1153 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B1153 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B1153 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B1153 HC1 配列番号20
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B1153 LC1/2 配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B1153 HC2 配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B1153 HC 配列番号62
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B635ヒト化Ab
PT1B635 VH 配列番号12
【誤訳訂正7】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0299
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0299】
【誤訳訂正8】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0300
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0300】
PT1B635 HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
PT1B635 HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
PT1B635 HCDR3 配列番号6
RWGFDY
PT1B635 LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
PT1B635 LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
PT1B635 LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
PT1B635 HC1 配列番号15
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
PT1B635 LC1/2 配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
PT1B635 HC2 配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
PT1B635 HC 配列番号61
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
抗CD98及び抗TfR scFv配列
下線を付したCDR、イタリック体のscFvリンカー
C98B72(抗CD98hc scFv)配列番号25
>TPP000231088|C98B72|mature_scFv|_scFv C98B72(抗CD98hc)scFv-HL[16-aa修飾Birdリンカー]
【誤訳訂正9】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0301
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0301】
C98B72 HCDR1 配列番号26
GFTFSSYGMH
C98B72 HCDR2 配列番号27
IISYDGSNKH
C98B72 HCDR3 配列番号28
APSSFYFDY
C98B72 LCDR1 配列番号29
KSSQSVLFSSNNKNYLA
C98B72 LCDR2 配列番号30
WASTRES
C98B72 LCDR3 配列番号31
QQYYSTPPT
C98B73(抗CD98 hc scFv)配列番号32
>TPP000231089|C98B73|mature_scFv|_scFv C98B73(抗CD98hc)scFv-HL[16-aa修飾Birdリンカー]
【誤訳訂正10】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0302
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0302】
C98B73 HCDR1 配列番号26
GFTFSSYGMH
C98B73 HCDR2 配列番号27
IISYDGSNKH
C98B73 HCDR3 配列番号33
APSHFYFDY
C98B73 LCDR1 配列番号29
KSSQSVLFSSNNKNYLA
C98B73 LCDR2 配列番号30
WASTRES
C98B73 LCDR3 配列番号31
QQYYSTPPT
TFRB321(抗TfR scFv)配列番号34
>TPP000231087|TFRB321|mature_scFv|TFRB321(抗TfR)spFv-HL[stapled linker]
【誤訳訂正11】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0303
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0303】
TFRB321 HCDR1 配列番号35
GFTFSSYAMN
TFRB321 HCDR2 配列番号36
GISGSGGHTY
TFRB321 HCDR3 配列番号37
EGYDSSGYNPFDY
TFRB321 LCDR1 配列番号38
SGDKLGDKYAS
TFRB321 LCDR2 配列番号39
QDSKRPS
TFRB321 LCDR3 配列番号40
QAWDSSTVV
TFRB320(抗TfR scFv)配列番号41
>TPP000231086|TFRB320|mature_scFv| TFRB320 (抗TfR)scFv-HL [16-aa修飾Bird linker]
【誤訳訂正12】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0304
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0304】
TFRB320 HCDR1 配列番号35
GFTFSSYAMN
TFRB320 HCDR2 配列番号36
GISGSGGHTY
TFRB320 HCDR3 配列番号37
EGYDSSGYNPFDY
TFRB320 LCDR1 配列番号38
SGDKLGDKYAS
TFRB320 LCDR2 配列番号39
QDSKRPS
TFRB320 LCDR3 配列番号40
QAWDSSTVV
抗Tau-BBBコンジュゲート
下線を付したScFV、Hc_scFvテザーリンカーはイタリック体である。
【誤訳訂正13】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0306
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0306】
>BBBB1910|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1910|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1909
>BBBB1909|heavy_chain_1|配列番号45
【誤訳訂正14】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0307
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0307】
>BBBB1909|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1909|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1626
>BBBB1626|heavy_chain_1|配列番号42
【誤訳訂正15】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0308
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0308】
>BBBB1626|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1626|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1625
>BBBB1625|heavy_chain_1|配列番号42
【誤訳訂正16】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0309
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0309】
>BBBB1625|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1625|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1624
>BBBB1624|heavy_chain_1|配列番号43
【誤訳訂正17】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0310
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0310】
>BBBB1624|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1624|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1622
>BBBB1622|heavy_chain_1|配列番号44
【誤訳訂正18】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0311
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0311】
>BBBB1622|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1622|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1621
>BBBB1621|heavy_chain_1|配列番号44
【誤訳訂正19】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0312
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0312】
>BBBB1621|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1621|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1620
>BBBB1620|heavy_chain_1|配列番号45
【誤訳訂正20】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0313
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0313】
>BBBB1620|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1620|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1548
>BBBB1548|heavy_chain_1|配列番号46
【誤訳訂正21】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0314
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0314】
>BBBB1548|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1548|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1546
>BBBB1546|heavy_chain_1|配列番号47
【誤訳訂正22】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0315
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0315】
>BBBB1546|light_chain_1/2|配列番号16
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDLKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1546|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1545
>BBBB1545|heavy_chain_1|配列番号46
【誤訳訂正23】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0316
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0316】
>BBBB1545|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1545|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1543
>BBBB1543|heavy_chain_1|配列番号47
【誤訳訂正24】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0317
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0317】
>BBBB1543|light_chain_1/2|配列番号24
DIVITQTPLSLPVTPGEPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFLQKPGQSPQLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1543|heavy_chain_2|配列番号17
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQAPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTLTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1508
>BBBB1508|heavy_chain_1|配列番号48
【誤訳訂正25】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0318
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0318】
>BBBB1508|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1508|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1506
>BBBB1506|heavy_chain_1|配列番号49
【誤訳訂正26】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0319
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0319】
>BBBB1506|light_chain_1/2|配列番号21
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWLQQRPGQPPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1506|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1505
>BBBB1505|heavy_chain_1|配列番号48
【誤訳訂正27】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0320
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0320】
>BBBB1505|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1505|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
BBBB1503
>BBBB1503|heavy_chain_1|配列番号49
【誤訳訂正28】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0321
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0321】
>BBBB1503|light_chain_1/2|配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>BBBB1503|heavy_chain_2|配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
>PT1B1183VH 配列番号18
【誤訳訂正29】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0322
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0322】
【誤訳訂正30】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0323
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0323】
>PT1B1183HCDR1 配列番号4
GYTFTSYWIT
>PT1B1183HCDR2 配列番号5
DIHPGRGSTK
>PT1B1183HCDR3 配列番号6
RWGFDY
>PT1B1183LCDR1 配列番号7
RSSKSLLYKDGKTYLN
>PT1B1183LCDR2 配列番号8
LMSTRAS
>PT1B1183LCDR3 配列番号9
QQLVDYPLT
>PT1B1183HC1 配列番号20
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLWCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
>PT1B1183 LC 配列番号60
DIVMTQTPLSSPVTLGQPASISCRSSKSLLYKDGKTYLNWFQQRPGQSPRLLIYLMSTRASGVPDRFSGSGAGTDFTLKISRVEAEDVGVYYCQQLVDYPLTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
>PT1B1183HC2 配列番号22
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLYITREPEVTCVVVSVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLSCAVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLVSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNRFTQKSLSLSPGK
>PT1B1183HC 配列番号62
QVQLVQSGAEVKKPGASVKVSCKASGYTFTSYWITWVRQRPGQGLEWMGDIHPGRGSTKYAQKLQGRVTMTTDTSTSTAYMELRSLRSDDTAVYYCARRWGFDYWGQGTLVTVSSASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKKVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK
【国際調査報告】