(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】バリアフィルム組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 5/00 20160101AFI20240314BHJP
A23B 4/10 20060101ALI20240314BHJP
A23L 3/00 20060101ALI20240314BHJP
A23B 9/14 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A23L5/00 F
A23B4/10 Z
A23L3/00 102
A23B9/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558967
(86)(22)【出願日】2022-03-30
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022022678
(87)【国際公開番号】W WO2022212597
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516027797
【氏名又は名称】アピール テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャリ,クリシュナン
(72)【発明者】
【氏名】リャン,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】リー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】パーソン,テイラー
(72)【発明者】
【氏名】カウン,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジジ
【テーマコード(参考)】
4B021
4B035
4B169
【Fターム(参考)】
4B021LA14
4B021LA24
4B021LW02
4B021LW04
4B035LC05
4B035LG01
4B035LG07
4B035LG08
4B035LG15
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4B035LG25
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4B035LG32
4B035LG42
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4B035LG57
4B035LK12
4B035LK17
4B035LK19
4B035LP21
4B035LP26
4B169FA02
4B169HA01
4B169HA11
4B169HA20
(57)【要約】
農産物の貯蔵寿命を延長するために使用され得るバリアフィルム組成物が本明細書で提示される。このバリアフィルム組成物は、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、バイオポリマーと、水とを含み、及び少なくとも0.1Paの降伏応力を有することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バリアフィルム組成物であって、
モノグリセリドと;
脂肪酸又はその塩と;
バイオポリマーと;
水と
を含み、振動レオロジーによって1Hz及び25℃において評価されるとき、少なくとも0.1Paの降伏応力を有するバリアフィルム組成物。
【請求項2】
前記降伏応力は、約0.1Pa~約6Pa、約2Pa~約5Pa、約0.3Pa~約0.7Pa又は約0.8Pa~約1.4Paである、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項3】
前記バリアフィルム組成物の粘度は、5000s
-1の剪断速度及び25℃の温度において約0.001Pa.s~約0.1Pa.sである、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項4】
約5g/L~約150g/Lの前記モノグリセリドを含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項5】
約0.1g/L~約10g/Lの前記脂肪酸又は前記その塩を含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項6】
約1.5g/L~約8g/Lの前記バイオポリマーを含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項7】
前記バイオポリマーは、多糖、タンパク質又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項8】
前記バイオポリマーは、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項9】
前記バイオポリマーは、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、乳清タンパク質分離物、卵白、ゼイン、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項10】
前記モノグリセリドは、約C10~約C20の炭素鎖長を有する、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項11】
1つ以上の湿潤剤をさらに含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項12】
アニオン界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項13】
前記アニオン界面活性剤は、デシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項12に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項14】
防腐剤、安定剤、緩衝剤、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載のバリアフィルム組成物。
【請求項15】
植物性物質をコーティングする方法であって、請求項1~14のいずれか一項に記載のバリアフィルム組成物を前記植物性物質の表面に塗布することを含む方法。
【請求項16】
前記バリアフィルム組成物を前記植物性物質の前記表面に塗布することは、前記植物性物質を前記バリアフィルム組成物中に浸漬すること又は前記バリアフィルム組成物を前記植物性物質の前記表面上に吹き付けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記バリアフィルム組成物を塗布した後、前記植物性物質からの水損失速度は、低下する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記バリアフィルム組成物を塗布した後、前記植物性物質によるCO
2生成速度は、低下する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記バリアフィルム組成物を塗布した後、前記植物性物質の質量損失速度は、低下する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
約30秒~約180秒の時間にわたり、前記バリアフィルム組成物を少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記植物性物質は、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
農産物であって、前記農産物の表面上において、請求項1~14のいずれか一項に記載のバリアフィルム組成物のコーティングを含む農産物。
【請求項23】
分割されている、請求項22に記載の農産物。
【請求項24】
肉、植物性物質、真菌又はそれらの組み合わせを含む、請求項22に記載の農産物。
【請求項25】
前記肉は、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類又はそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の農産物。
【請求項26】
前記植物性物質は、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、請求項24に記載の農産物。
【請求項27】
コーティングされた農産物であって、
表面を有する農産物と;
前記農産物の前記表面上のコーティングと
を含み、前記コーティングは、
モノグリセリドと、
脂肪酸又はその塩と、
バイオポリマーと、
水と
を含む、コーティングされた農産物。
【請求項28】
前記コーティングは、約5g/L~約150g/Lの前記モノグリセリドを含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項29】
前記コーティングは、約0.1g/L~約10g/Lの前記脂肪酸又は前記その塩を含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項30】
前記バイオポリマーは、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項31】
前記モノグリセリドは、約C10~約C20の炭素鎖長を有する、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項32】
前記コーティングは、1つ以上の湿潤剤をさらに含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項33】
前記コーティングは、アニオン界面活性剤をさらに含み、及び/又は前記アニオン界面活性剤は、デシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項34】
前記コーティングは、防腐剤、安定剤、緩衝剤、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項35】
肉、植物性物質、真菌又はそれらの組み合わせを含む、請求項27に記載のコーティングされた農産物。
【請求項36】
前記肉は、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせを含む、請求項35に記載のコーティングされた農産物。
【請求項37】
前記植物性物質は、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、請求項36に記載のコーティングされた農産物。
【請求項38】
農産物をコーティングする方法であって、
第1のコーティング組成物を農産物の表面上に塗布して、コーティングされた農産物を得ることであって、前記第1のコーティング組成物は、バイオポリマー及び水を含む、得ることと;
第2のコーティングを、コーティングされた農産物の前記表面に塗布することと
を含む方法。
【請求項39】
前記バイオポリマーは、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第2のコーティングを、コーティングされた農産物の前記表面に塗布する前に、前記第1のコーティングをある長さの時間にわたって乾燥させることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記時間の長さは、約40分~約80分である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第2のコーティングを塗布する前に、約30℃~約50℃の温度で前記第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第2のコーティングを、前記コーティングされた農産物の前記表面に塗布することは、前記コーティングされた農産物を前記第2のコーティング中に浸漬すること又は前記第2のコーティングを、前記コーティングされた農産物の前記表面上に吹き付けることを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記第2のコーティングを塗布した後、前記農産物からの水損失速度は、低下する、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
第2のコーティングを塗布した後、前記農産物によるCO
2生成速度は、低下する、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記第2のコーティングを塗布した後、前記農産物の質量損失速度は、低下する、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容全体が参照により本明細書に援用される、2021年3月30日に出願された米国特許出願第63/167,865号に対する優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、植物性物質の貯蔵寿命を改善することに関し、特にバリアフィルムの塗布によって植物性物質の貯蔵寿命を延長することに関する。
【背景技術】
【0003】
農産物などの植物性物質は、品質低下(例えば、劣化及び分解)が起こりやすくなる場合がある。このような劣化及び/又は分解は、植物性物質の外面から大気中への蒸発による水分の損失又は呼吸(例えば、成熟)によって生じ得る。植物性物質の劣化及び/又は分解により、品質が低下し、植物性物質があまり望ましくないものになることがある。多くの種類の植物性物質は、成熟及び/又は品質の時間帯を有する。多くの種類の植物性物質は、植物性物質の品質がピークとなる短い時間帯及び/又は利用可能性の短い時間帯を有する。多くの農産物は、季節的なものであり、及び/又は最適な品質の短い時間帯を有するため、有効な貯蔵寿命を延長し、及び/又は他の場合に利用可能でないであろう時間にわたって植物性物質を消費者が利用できるようにするため、植物性物質の劣化及び/又は分解を遅延させることが望ましい場合がある。
【0004】
植物性物質の劣化を防止し、品質を維持し、貯蔵寿命を増加させるための従来の方法としては、特殊な包装及び/又は冷蔵が挙げられる。これらの方法は、費用がかかる場合があり、積極的な管理が必要となる場合がある。さらに、植物性物質の呼吸は、発熱プロセスである。輸送及び貯蔵中に放出される熱のため、貯蔵空間の積極的な冷却が必要であり、これは、輸送会社の主要なコスト推進要因となる。
【0005】
植物性物質の劣化を防止し、熱及び水分の発生を減少させ、品質を維持し、貯蔵寿命を増加させるための新規な方法が必要とされている。このような方法は、例えば、特殊な包装材料若しくは可食性バリアコーティングを必要とする場合があるか、又は冷蔵をほとんど若しくは全く必要としない場合がある。これら及び他の方法は、サプライチェーン全体にわたる利害関係者に対して有益となるであろう。
【発明の概要】
【0006】
バリアフィルム組成物のための組成物及び植物性物質をバリアフィルム組成物中にコーティングする方法が本明細書に提供される。
【0007】
実施形態1は、バリアフィルム組成物であって、モノグリセリドと;脂肪酸又はその塩と;バイオポリマーと;水とを含み、振動レオロジーによって1Hz及び25℃において評価されるとき、少なくとも0.1Paの降伏応力を有するバリアフィルム組成物である。
【0008】
実施形態2は、降伏応力が約0.1Pa~約6Pa、約2Pa~約5Pa、約0.3Pa~約0.7Pa又は約0.8Pa~約1.4Paである、実施形態1のバリアフィルム組成物である。
【0009】
実施形態3は、バリアフィルム組成物の粘度が5000s-1の剪断速度及び25℃の温度において約0.001Pa.s~約0.1Pa.sである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0010】
実施形態4は、約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む、実施形態1~3のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0011】
実施形態5は、約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸又はその塩を含む、実施形態1~4のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0012】
実施形態6は、約1.5g/L~約8g/Lのバイオポリマーを含む、実施形態1~5のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0013】
実施形態7は、バイオポリマーが多糖、タンパク質又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~6のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0014】
実施形態8は、バイオポリマーがキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~7のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0015】
実施形態9は、バイオポリマーが大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、乳清タンパク質分離物、卵白、ゼイン、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~7のバリアフィルム組成物である。
【0016】
実施形態10は、モノグリセリドが約C10~約C20の炭素鎖長を有する、実施形態1~9のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0017】
実施形態11は、1つ以上の湿潤剤をさらに含む、実施形態1~10のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0018】
実施形態12は、アニオン界面活性剤をさらに含む、実施形態1~11のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0019】
実施形態13は、アニオン界面活性剤がデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含む、実施形態12のバリアフィルム組成物である。
【0020】
実施形態14は、防腐剤、安定剤、緩衝剤、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、実施形態1~13のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0021】
実施形態15は、植物性物質をコーティングする方法であって、実施形態1~14のいずれか1つのバリアフィルム組成物を植物性物質の表面に塗布することを含む方法である。
【0022】
実施形態16は、バリアフィルム組成物を植物性物質の表面に塗布することが、植物性物質をバリアフィルム組成物中に浸漬すること又はバリアフィルム組成物を植物性物質の表面上に吹き付けることを含む、実施形態15の方法である。
【0023】
実施形態17は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質からの水損失速度が低下する、実施形態15又は実施形態16の方法である。
【0024】
実施形態18は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質によるCO2生成速度が低下する、実施形態15~17のいずれか1つの方法である。
【0025】
実施形態19は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質の質量損失速度が低下する、実施形態15~18のいずれか1つの方法である。
【0026】
実施形態20は、約30秒~約180秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物を少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む、実施形態15~19のいずれか1つの方法である。
【0027】
実施形態21は、植物性物質が果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、実施形態15~20のいずれか1つの方法である。
【0028】
実施形態22は、農産物であって、農産物の表面上において、実施形態1~14のいずれか1つのバリアフィルム組成物のコーティングを含む農産物である。
【0029】
実施形態23は、分割されている、実施形態22の農産物である。
【0030】
実施形態24は、肉、植物性物質、真菌又はそれらの組み合わせを含む、実施形態22又は実施形態23の農産物である。
【0031】
実施形態25は、肉が牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類又はそれらの組み合わせを含む、実施形態24の農産物である。
【0032】
実施形態26は、植物性物質が果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、実施形態24の農産物である。
【0033】
実施形態27は、コーティングされた農産物であって、表面を有する農産物と;農産物の表面上のコーティングとを含み、コーティングがモノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、バイオポリマーと、水とを含む、コーティングされた農産物である。
【0034】
実施形態28は、コーティングが約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む、実施形態27のコーティングされた農産物である。
【0035】
実施形態29は、コーティングが約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸又はその塩を含む、実施形態27又は実施形態28のコーティングされた農産物である。
【0036】
実施形態30は、バイオポリマーがキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態27~29のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0037】
実施形態31は、モノグリセリドが約C10~約C20の炭素鎖長を有する、実施形態27~30のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0038】
実施形態32は、コーティングが1つ以上の湿潤剤をさらに含む、実施形態27~31のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0039】
実施形態33は、コーティングがアニオン界面活性剤をさらに含み、及び/又はアニオン界面活性剤がデシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム又はそれらの組み合わせを含む、実施形態27~32のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0040】
実施形態34は、コーティングが防腐剤、安定剤、緩衝剤、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせをさらに含む、実施形態27~33のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0041】
実施形態35は、肉、植物性物質、真菌又はそれらの組み合わせを含む、実施形態27~34のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0042】
実施形態36は、肉が牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせを含む、実施形態35のコーティングされた農産物である。
【0043】
実施形態37は、植物性物質が果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又はそれらの組み合わせを含む、実施形態36のコーティングされた農産物である。
【0044】
実施形態38は、農産物をコーティングする方法であって、第1のコーティング組成物を農産物の表面に塗布して、コーティングされた農産物を得ることであって、第1のコーティング組成物は、バイオポリマー及び水を含む、得ることと;第2のコーティングを、コーティングされた農産物の表面に塗布することとを含む方法である。
【0045】
実施形態39は、バイオポリマーがキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン又はそれらの組み合わせを含む、実施形態38の方法である。
【0046】
実施形態40は、第2のコーティングを、コーティングされた農産物の表面に塗布する前に、第1のコーティングをある長さの時間にわたって乾燥させることをさらに含む、実施形態38又は実施形態39の方法である。
【0047】
実施形態41は、時間の長さが約40分~約80分である、実施形態40の方法である。
【0048】
実施形態42は、第2のコーティングを塗布する前に、約30℃~約50℃の温度で第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む、実施形態38~41のいずれか1つの方法である。
【0049】
実施形態43は、第2のコーティングを、コーティングされた農産物の表面に塗布することが、コーティングされた農産物を第2のコーティング中に浸漬すること又は第2のコーティングを、コーティングされた農産物の表面上に吹き付けることを含む、実施形態38~42のいずれか1つの方法である。
【0050】
実施形態44は、第2のコーティングを塗布した後、農産物からの水損失速度が低下する、実施形態38~43のいずれか1つの方法である。
【0051】
実施形態45は、第2のコーティングを塗布した後、農産物によるCO2生成速度が低下する、実施形態38~44のいずれか1つの方法である。
【0052】
実施形態46は、第2のコーティングを塗布した後、農産物の質量損失速度が低下する、実施形態38~45のいずれか1つの方法である。
【0053】
定義
「pH調整剤」という用語は、組成物のpHを変化させる化合物を意味する。
【0054】
「界面活性剤」という用語は、2つの液体間、気体と液体との間又は液体と固体との間の表面張力を低下させる化合物を意味する。
【0055】
「湿潤剤」という用語は、水又は別の液体の表面張力を低下させて、それが表面上に広がることを可能にし、水又は液体の塗布性を増加させる物質を意味する。
【0056】
「ネットワーク形成性多糖」という用語は、物理的ネットワーク、例えば架橋したゲルと類似のネットワークを形成する能力を有する多糖を意味する。幾つかの場合、ネットワーク形成性多糖は、別の大分子(例えば、タンパク質)とともにネットワークを形成することもできる。
【0057】
「抗菌性」という用語は、細菌、真菌及びウイルスなどの微生物の増殖を阻害するか又は遅延させる化合物を意味する。
【0058】
本明細書で使用される場合、植物性物質の「呼吸速度」は、植物性物質がCO2を放出する速度を意味し、より具体的には単位時間当たり植物性物質の単位質量当たりに放出される(標準温度及び圧力における)CO2の体積である。幾つかの実施形態では、植物性物質の呼吸速度は、CO2センサーが取り付けられた既知の容積の密閉容器中に製品を入れ、容器内のCO2濃度を時間の関数として記録し、次に測定された濃度値を得るために必要なCO2放出速度を計算することによって測定することができる。幾つかの場合、ある容積(例えば、密閉又は半密閉容積)中の植物性物質の複数の構成単位の呼吸速度は、1つの測定で測定される(例えば、平均として)。呼吸速度は、限定するものではないが、ハイパースペクトルイメージング、NIR及び他の画像化又は特性決定プロセスなどの間接的な方法によって求められ得ることが理解されるであろう。
【0059】
本明細書で使用される場合、「植物性物質」という用語は、例えば、果実(植物学的な意味であり、果実の皮及び砂じょうを含む)、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根又は油を含む植物のあらゆる部分を意味する。植物性物質としては、収穫前の植物又はその一部並びに収穫後の植物又はその一部、例えば収穫された果実及び野菜、収穫された根及び液果並びに摘み取られた花が挙げられる。
【0060】
「質量損失速度」という用語は、(例えば、水及び他の揮発性化合物を放出することによって)製品の質量が失われる速度を意味する。質量損失速度は、典型的には、単位時間当たりの元の質量のパーセント値(例えば、1日当たりのパーセント)として表される。
【0061】
「質量損失係数」という用語は、特定の時間にわたる、コーティングされていない植物性物質の平均質量損失速度(対照群に対して測定される)の、対応する試験された植物性物質(例えば、コーティングされた植物性物質)の平均質量損失速度に対する比を意味する。したがって、コーティングされた植物性物質の質量損失係数が大きいことは、コーティングされた植物性物質の平均質量損失速度の減少が大きいことに対応する。
【0062】
本明細書で使用される場合、「脂肪酸誘導体」は、「親水性」末端として理解される、炭化水素鎖の一方の末端に結合した、一括して「オキシカルボニル部分」と呼ばれるエステル、酸又はカルボキシレート基を含む炭化水素鎖である一方、反対側の末端は、「疎水性」末端として理解される。脂肪酸誘導体としては、脂肪酸、脂肪酸エステル(例えば、モノグリセリド)及び脂肪酸塩が挙げられる。
【0063】
インターネット上で入手可能であり、本明細書において言及されるすべての刊行物、特許、特許出願及び情報は、それぞれ個別の刊行物、特許、特許出願又は情報の項目が参照により援用されることが明確に個別に示されるかのように参照により本明細書に援用される。参照により援用される刊行物、特許、特許出願及び情報の項目が、本明細書に含まれる本開示と矛盾する範囲において、本明細書は、あらゆるこのような矛盾する資料に対して優先され、及び/又は優先されることが意図される。
【0064】
値がある範囲に関して記述される場合、その記述は、特定の数値又は特定の部分的範囲が明記されているかどうかとは無関係に、そのような範囲内のあらゆる可能な部分的範囲及びそのような範囲内にある特定の数値の開示を含むと理解すべきである。
【0065】
項目の集団への言及に使用される場合、「それぞれ」という用語は、その集団内の個別の項目を識別することを意図されるが、特に明記されるのでなければ、必ずしもその集団内のすべての項目に言及する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
以下の図面は、本開示の特徴及び利点の特定の実施形態を示す。これらの実施形態は、決して添付の請求項の範囲を限定することを意図するものではない。
【0067】
【
図1】バリアフィルムで処理したアボカド、対照コーティングを有するアボカド及び未処理のアボカドの質量損失係数のプロットである。
【
図2】バリアフィルムで処理したアボカド、対照コーティングを有するアボカド及び未処理のアボカドのCO
2生成速度のプロットである。
【
図3】対照コーティングで処理したアボカド及び未処理のアボカドの質量損失係数のプロットである。
【
図4】対照コーティングで処理したアボカド及び未処理のアボカドのCO
2生成速度のプロットである。
【
図5】0.20%w/vのキサンタンガム、0.25%w/vのキサンタンガム、0.35%w/vのキサンタンガム及び0.5%w/vのキサンタンガムの溶液の剪断速度に対する粘度のプロットである。
【
図6】モノグリセリドと脂肪酸又はその塩との混合物(試料G)、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、レオロジー改質剤との混合物(試料H)、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、湿潤剤との混合物(試料J)、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、湿潤剤と、レオロジー改質剤との混合物(試料K)を有するバリアフィルムでコーティングされたアボカド及び未処理のアボカドの質量損失係数のプロットである。
【
図7】キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの質量損失係数のプロットである。
【
図8】キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの呼吸のプロットである。
【
図9】キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの呼吸/質量損失のプロットである。
【
図10】処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドのキトサン濃度の質量損失係数のプロットである。
【
図11】処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドのキトサン濃度の呼吸のプロットである。
【
図12】キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドの呼吸/質量損失のプロットである。
【
図13】処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のペルー産アボカドのキトサン濃度の呼吸のプロットである。
【
図14】処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアのキトサン濃度の質量損失係数のプロットである。
【
図15】処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアのキトサン濃度の呼吸のプロットである。
【
図16】キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアの呼吸/質量損失のプロットである。
【
図17】メキシコ産アボカド上のキトサンとの質量損失係数の呼吸の適合のプロットである。
【
図18】メキシコ産アボカドに対するキトサン処理(灰色データ)及び未処理(白色データ)との呼吸の適合のプロットである。
【
図19】メキシコ産アボカドに対するキトサン処理(灰色データ)及び未処理(白色データ)との呼吸の適合のプロットである。
【
図20】アルギン酸カルシウムコーティングしたアボカド(三角)及びアルギン酸カルシウム及びモノグリセリドと、脂肪酸又はその塩との混合物でコーティングしたアボカド(円)の経過時間に対する質量変化によって測定した水蒸気透過率のプロットである。
【
図21】5日(正方形)、2日(三角)及び新品(円)における表5のバリアフィルム組成物の特定の振動ひずみにおける降伏応力の変化を示すプロットである。
【
図22】Haasアボカド上の表5のバリアフィルム組成物の乾燥バリア効果を示す。
【
図23】Haasアボカド上の表5のバリアフィルム組成物の呼吸(CO
2生成速度)を示す。
【
図24】表5に示されるような短鎖及び長鎖モノグリセリド、脂肪酸塩並びに大豆タンパク質分離物の混合物を用いて調製したバリアフィルム組成物の分散期間を有する剪断弾性を示す。
【
図25】表5に示されるような短鎖及び長鎖モノグリセリド、脂肪酸塩並びに大豆タンパク質分離物の混合物を用いて調製したバリアフィルム組成物の分散期間を有する損失係数の傾向を示す。
【
図26】表5に記載の大豆タンパク質分離物分散物をコーティングしたアボカドは、記載の分散物又は時間の経過した分散物を有さないものよりも光沢が得られることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
組成物の実施形態
農産物は、肉、真菌及び植物性物質、例えば新鮮な農作物及び花を(特に)含むことができる。農産物としての植物性物質は、成長期及び成熟速度のばらつきのために消費者の利用しやすさが異なる場合がある。成熟速度及び成長期及び場所のばらつきは、農産物の貯蔵寿命に影響を与える場合がある。このような農産物の貯蔵寿命は、農産物の望ましさが低下する場合があるために限定され得る。例えば、植物性物質は、乾燥することがあり、植物性物質の質量(例えば、水)が失われるため、しおれて乾燥した外観及び質感を有することがある。植物性物質(例えば、農作物、花など)は、迅速に成熟することもあり、それにより目的地に到達する前及び/又は消費される前に農作物が傷む場合があるため、植物性物質の購入が望ましくなくなる場合がある。さらに、農産物が消費地から遠く離れて生育することがあり、それにより輸送に時間を要するため、農産物の成熟及び乾燥によって輸送が困難となる場合がある。幾つかの例では、植物性物質の表面にバリアフィルム組成物を塗布することにより、植物性物質からのCO2生成速度(例えば、呼吸)を減少させ、及び/又は質量損失速度を減少させることができる。農産物をコーティングする可食性バリアコーティング組成物により、質量損失及びCO2生成が減少することによって植物性物質の貯蔵寿命を増加させることができる。
【0069】
果実、野菜及び花などの植物性物質(又は農産物)は、様々な形状及び質感になる。ほとんどの植物性物質の表面は、疎水性であり、水性材料は、植物性物質の表面上に均一に広がらない。バリアフィルム組成物の目的の1つは、植物性物質の表面上にバリアフィルム組成物の均一なコーティングを実現することである。バリアフィルム組成物のたれ及びしたたりは、均一な塗布に影響することがある。たれは、傾いた(例えば、平坦又は水平ではない)表面に塗布した流体に対する重力の作用と関連する。たれにより、植物性物質の一部の領域がバリアフィルムの被覆をほとんど又は全く有しなくなり、別の領域は、バリアフィルムの被覆がより厚くなる場合がある。たれ及びしたたりが減少するか又は回避されるバリアフィルム組成物が望ましい。幾つかの場合、不均一な塗布により、植物性物質の魅力のない外観、不均一な成熟又は乾燥が生じることがある。
【0070】
コーティングの均一性を改善するために、湿潤剤及びクリング剤をバリアフィルム組成物に加えることができる。植物性物質の均一なぬれを改善するために、一部のバリアフィルムは、湿潤剤を含むことができる。たれ及びしたたりを軽減又は防止するために、一部のバリアフィルム組成物中にクリング剤を含めることができる。湿潤剤は、農産物の潜在的に疎水性で不均一な表面を被覆して、バリアフィルム組成物の表面へのコーティングを促進することができる。例えば、湿潤剤は、植物性物質の疎水性表面上への塗布を促進することができ、クリング剤(例えば、レオロジー改質剤)は、重力の作用を軽減するか又は打ち消すことができる。
【0071】
例えば、成熟の開始の防止若しくは遅延、乾燥の減少、呼吸の減少及び/又は質量損失の減少により、植物性物質及び/又は別の農産物の貯蔵寿命を改善するために使用され得る組成物、例えばバリアフィルムが本明細書に記載される。幾つかの実施形態では、組成物は、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、バイオポリマーと、水とを含む。植物性物質上でのバリアフィルム組成物の被覆率を改善するために、湿潤剤(例えば、界面活性剤)をバリアフィルムに加えることができる。
【0072】
バリアフィルム組成物の植物性物質への付着を改善するために、バリアフィルム組成物は、ずり減粘とともに降伏応力を示す化合物を含むことができる。「ずり減粘」又は「ずり減粘挙動」という用語は、剪断応力速度の増加とともに粘度が低下する(すなわち流量が増加する)ことを意味する。例えば、ずり減粘組成物(すなわちずり減粘挙動を示す組成物)は、剪断応力速度を増加させると粘度の低下(流量の増加)を示し得る。
【0073】
降伏応力特性は、加えられた応力がある値を超えない限り、材料が流動しない複合流体と関連する性質である。バリアフィルム組成物は、バリアフィルム組成物が植物性物質に塗布されるときに降伏応力特性を示し得る。
【0074】
降伏応力流体の弾性係数は、低値の加えられた応力又はひずみにおいて粘性係数を超え得る。弾性係数及び粘性係数が、増加する応力又はひずみの関数として測定され、降伏応力流体のネットワーク構造が破壊され、粘性係数が加えられた応力の値における弾性係数を超える場合、この加えられた応力の値は、降伏応力と呼ばれる。別の言い方では、弾性係数及び粘性係数の交点に対応する加えられた応力が降伏応力である。
【0075】
降伏応力の試験及び決定の種々の方法は、当技術分野において周知であり、Larsson et al., Annual Transactions of the Nordic Rheology Society, Vol. 21, 2013に記載の方法が挙げられる。降伏応力の測定方法の1つは、振動レオロジーを使用することであり、これにより粘性及び弾性の両方を定量化することができる。何らかの特定の理論によって束縛されるものではないが、幾つかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物の降伏応力は、約1Hzの周波数及び25℃の温度において振動レオロジーを用いて求められる。
【0076】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物の降伏応力は、振動レオロジーによって測定される。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物の降伏応力は、振動レオロジーによって約0.1Hz~約10Hzにおいて測定される。
【0077】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物の降伏応力は、振動レオロジーによって測定されて約0.1Pa~約6.0Paとなる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物の降伏応力は、振動レオロジーによって測定されて約0.4Pa~約6.0Pa、約0.6Pa~約6.0Pa、約0.8Pa~約6.0Pa、約1.0Pa~約6.0Pa、約1.2Pa~約6.0Pa、約1.4Pa~約6.0Pa、約1.6Pa~約6.0Pa、約1.8Pa~約6.0Pa、約2.0Pa~約6.0Pa、約2.2Pa~約6.0Pa、約2.4Pa~約6.0Pa、約2.6Pa~約6.0Pa、約2.8Pa~約6.0Pa、約3.0Pa~約6.0Pa、約3.2Pa~約6.0Pa、約3.4Pa~約6.0Pa、約3.6Pa~約6.0Pa、約3.8Pa~約6.0Pa、約4.0Pa~約6.0Pa、約4.2Pa~約6.0Pa、約4.4Pa~約6.0Pa、約4.6Pa~約6.0Pa、約4.8Pa~約6.0Pa、約5.0Pa~約6.0Pa、約5.2Pa~約6.0Pa、約5.4Pa~約6.0Pa、約5.6Pa~約6.0Pa又は約5.8Pa~約6.0Paとなる。
【0078】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせは、1つのモノグリセリド(例えば、1つの1-モノグリセリド又は1つの2-モノグリセリド)を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせは、2つのモノグリセリド(例えば、2つの1-モノグリセリド、2つの2-モノグリセリド又は1つの1-モノグリセリド及び1つの2-モノグリセリド)を含む。
【0079】
幾つかの実施形態では、組成物(例えば、コーティング剤又はコーティング)は、1つ以上の脂肪酸誘導体を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つ以上の脂肪酸塩を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つ以上の脂肪酸塩を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせと、1つ以上の脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせと、2つ以上の脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つの脂肪酸又はそのエステルと、1つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つのその脂肪酸と、1つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つの脂肪酸エステルと、1つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つの脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせと、2つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つの脂肪酸エステルと、2つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、2つの脂肪酸エステルと、1つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つの脂肪酸エステルと、1つの脂肪酸と、1つの脂肪酸塩とを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸誘導体は、1つの脂肪酸エステルと、1つの脂肪酸塩とを含む。
【0080】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせは、1つ以上の脂肪酸エステルを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸エステルは、1つの脂肪酸エステルである。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸エステルは、2つの脂肪酸エステルである。
【0081】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸塩は、1つの脂肪酸塩である。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸塩は、2つの脂肪酸塩である。
【0082】
幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせは、1つのモノグリセリド(例えば、1つの1-モノグリセリド又は1つの2-モノグリセリド)を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の脂肪酸、脂肪酸エステル又はそれらの組み合わせは、2つのモノグリセリド(例えば、2つの1-モノグリセリド、2つの2-モノグリセリド又は1つの1-モノグリセリド及び1つの2-モノグリセリド)を含む。
【0083】
幾つかの実施形態では、モノグリセリドは、約C10~約C20の炭素鎖長を有する。幾つかの実施形態では、モノグリセリドは、C10モノグリセリド、C12モノグリセリド、C14モノグリセリド、C16モノグリセリド、C18モノグリセリド、C20モノグリセリド及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される炭素鎖長を有する。幾つかの実施形態では、モノグリセリドは、飽和モノグリセリドである。幾つかの実施形態では、飽和モノグリセリドは、モノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートである。
【0084】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約2g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約15g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約25g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約35g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約45g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約55g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約65g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約75g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約85g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約95g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約105g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約110g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約125g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約135g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド又は約145g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリドを含む。
【0085】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又はその塩は、C14脂肪酸若しくはその塩、C16脂肪酸若しくはその塩、C18脂肪酸若しくはその塩又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、脂肪酸又はその塩は、C16脂肪酸又はその塩及びC18脂肪酸又はその塩である。幾つかの実施形態では、脂肪酸又はその塩は、飽和している。幾つかの実施形態では、脂肪酸又はその塩は、不飽和である。
【0086】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又はその塩は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、パルミトレイン酸、カプリル酸、カプリン酸、セロチン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ミリストレイン酸、サピエン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノエライジン酸、α-リノレン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、それらの塩(例えば、ナトリウム塩)又はそれらの組み合わせである。
【0087】
幾つかの実施形態では、脂肪酸は、脂肪酸塩である。幾つかの実施形態では、脂肪酸塩は、ラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アラキジン酸塩、ベヘン酸ナトリウム、リグノセリン酸ナトリウム塩、アラキドン酸ナトリウム、エイコサペンタエン酸ナトリウム塩、ドコサヘキサエン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸ナトリウム、サピエネート、エライデート、リノール酸ナトリウム塩、リノール酸ナトリウム塩、エルカ酸ナトリウム、ドコサヘキサエン酸ナトリウム塩若しくはそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0088】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約0.125g/Lの脂肪酸又は塩~約10g/Lの脂肪酸又は塩を含む。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約0.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約0.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約1.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約1.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約2.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約2.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約3.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約3.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約4.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約4.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約5.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約5.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約6.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約6.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約7.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約7.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約8.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約8.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約9.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩又は約9.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩を含む。
【0089】
幾つかの実施形態では、モノグリセリドと脂肪酸又は塩とが混合される。幾つかの実施形態では、モノグリセリドと脂肪酸又は塩とは、約99%w/wのモノグリセリド対約1%w/wの脂肪酸若しくは塩、約95%w/wのモノグリセリド対約5%w/wの脂肪酸若しくは塩、約90%w/wのモノグリセリド対約10%w/wの脂肪酸若しくは塩、約85%w/wのモノグリセリド対約15%w/wの脂肪酸若しくは塩、約80%w/wのモノグリセリド対約20%w/wの脂肪酸若しくは塩、約75%w/wのモノグリセリド対約25%w/wの脂肪酸若しくは塩、約70%w/wのモノグリセリド対約30%w/wの脂肪酸若しくは塩、約65%w/wのモノグリセリド対約35%w/wの脂肪酸若しくは塩、約60%w/wのモノグリセリド対約40%w/wの脂肪酸若しくは塩、約55%w/wのモノグリセリド対約45%w/wの脂肪酸若しくは塩、約50%w/wのモノグリセリド対約50%w/wの脂肪酸若しくは塩、約45%w/wのモノグリセリド対約55%w/wの脂肪酸若しくは塩、約40%w/wのモノグリセリド対約60%w/wの脂肪酸若しくは塩、約35%w/wのモノグリセリド対約65%w/wの脂肪酸若しくは塩、約30%w/wのモノグリセリド対約70%w/wの脂肪酸若しくは塩、約25%w/wのモノグリセリド対約75%w/wの脂肪酸若しくは塩、約20%w/wのモノグリセリド対約80%w/wの脂肪酸若しくは塩、約15%w/wのモノグリセリド対約85%w/wの脂肪酸若しくは塩、約10%w/wのモノグリセリド対約90%w/wの脂肪酸若しくは塩又は約5%w/wのモノグリセリド対約95%w/wの脂肪酸若しくは塩の比で混合される。
【0090】
幾つかの実施形態では、モノグリセリド対脂肪酸又は塩の比は、約70%w/wのモノグリセリド対約30%w/wの脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、モノグリセリド対脂肪酸又は塩の比は、約95%w/wのモノグリセリド対約5%w/wの脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、モノグリセリド対脂肪酸又は塩の比は、約96%w/wのモノグリセリド対約4%w/wの脂肪酸又は塩である。
【0091】
幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、多糖、タンパク質又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、多糖である。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、ネットワーク形成性多糖である。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、キサンタンガムである。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、キトサンである。
【0092】
幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、タンパク質である。幾つかの実施形態では、タンパク質は、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、卵白、ゼイン、乳清タンパク質分離物、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。M.H. Tunick, J. Agricultural and Food Chemistry 59, 1481 (2011)を参照されたい。
【0093】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約0.5g/Lのバイオポリマー~約8g/Lのバイオポリマーを含む。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約1.0g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約1.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約2.0g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約2.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約3.0g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約3.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約4.0g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約4.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約5.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約6g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約6.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー、約7g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマー又は約7.5g/Lのバイオポリマー~約8.0g/Lのバイオポリマーを含む。
【0094】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのモノグリセリド、約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸塩、約1.5g/L~約5g/Lのバイオポリマー及び水を含む。
【0095】
例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/LのC10モノグリセリド、C12モノグリセリド、C14モノグリセリド、C16モノグリセリド、C18モノグリセリド、C20モノグリセリド及びそれらの組み合わせと;約0.1g/L~約10g/LのC14脂肪酸塩、C16脂肪酸塩、C18脂肪酸塩及びそれらの組み合わせと;約1.5g/L~約5g/Lのバイオポリマーと;水とを含むことができる。
【0096】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドは、飽和モノグリセリドである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸塩は、飽和脂肪酸塩である。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのバイオポリマーは、ネットワーク形成性多糖である。
【0097】
例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/LのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと;約0.1g/L~約10g/LのC14飽和脂肪酸塩、C16飽和脂肪酸塩、C18飽和脂肪酸塩又はそれらの組み合わせと;約1.5g/L~約5g/Lのネットワーク形成性多糖と、水とを含むことができる。
【0098】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドは、飽和モノグリセリドである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸塩は、飽和脂肪酸塩である。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、タンパク質である。
【0099】
例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/LのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと;約0.1g/L~約10g/LのC14飽和脂肪酸塩、C16飽和脂肪酸塩、C18飽和脂肪酸塩又はそれらの組み合わせと;約1.5g/L~約5g/Lのタンパク質と、水とを含むことができる。
【0100】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、モノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのネットワーク形成性多糖は、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン又はキトサンである。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アラキジン酸塩又はベヘン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lのキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサンと;水とを含むことができる。
【0101】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、モノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのタンパク質は、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、卵白、ゼイン、乳清タンパク質分離物、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩又はゼラチンである。
【0102】
例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アラキジン酸塩又はベヘン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lの大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、卵白、ゼイン、乳清タンパク質分離物、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩又はゼラチンと、水とを含むことができる。
【0103】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、モノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのバイオポリマーは、タンパク質及びネットワーク形成性多糖の組み合わせであり、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、卵白、ゼイン、乳清タンパク質分離物、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0104】
例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、アラキジン酸塩又はベヘン酸ナトリウムと、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、卵白、ゼイン、乳清タンパク質分離物、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される約1.5g/L~約5g/Lのタンパク質及びネットワーク形成性多糖の組み合わせと、水とを含むことができる。
【0105】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、グリセリルモノステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ステアリン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのタンパク質は、乳清タンパク質である。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのグリセリルモノステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのステアリン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lの乳清タンパク質分離物と;水とを含むことができる。
【0106】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、グリセロールモノステアレート及びモノラウリンの組み合わせである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ステアリン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのタンパク質は、大豆タンパク質分離物である。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのグリセロールモノステアレート及びモノラウリンと;約0.1g/L~約10g/Lのステアリン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lの大豆タンパク質分離物と;水とを含むことができる。
【0107】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、グリセリルモノステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ステアリン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのネットワーク形成性多糖は、キサンタンガムである。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのグリセリルモノステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのステアリン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lのキサンタンガムと、水とを含むことができる。
【0108】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、グリセリルモノステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ステアリン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのネットワーク形成性多糖は、グアーガムである。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのグリセリルモノステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのステアリン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lのグアーガムと;水とを含むことができる。
【0109】
幾つかの実施形態では、約5g/L~約150g/Lの飽和モノグリセリドは、グリセリルモノステアレートである。幾つかの実施形態では、約0.1g/L~約10g/Lの飽和脂肪酸塩は、ステアリン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、約1.5g/L~約5g/Lのネットワーク形成性多糖は、キトサンである。例えば、バリアフィルム組成物は、約5g/L~約150g/Lのグリセリルモノステアレートと;約0.1g/L~約10g/Lのステアリン酸ナトリウムと;約1.5g/L~約5g/Lのキトサンと;水とを含むことができる。
【0110】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、湿潤剤をさらに含む。幾つかの実施形態では、湿潤剤は、アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、湿潤剤は、界面活性剤である。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アニオン性、非イオン性又は両性イオン性である。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、脂肪アルコールエトキシレート、アミンオキシド、スルホキシド、C10~C18エトキシル化アルコール、C10~C18エトキシル化プロポキシル化アルコール、C12~18エーテルアルコール、アルキル(C12~C16)アルコール硫酸塩、C10~C18アルキルジメチルアミン、ベンゼン塩、モノスルホベンゼン誘導体、D-グルコシド誘導体、C6~C16アルキル-ポリ-D-グルコシド、D-グルシトール若しくはその誘導体、C10-16-アルキルグリコシド、C16-18及びC18-不飽和脂肪酸とのエタンアミニウムエステル並びにそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0111】
幾つかの実施形態では、界面活性剤は、ヘキサデセン酸、ドデカンスルホン酸、1-プロパン酸、エイコセン酸、酢酸、オレイン酸、オレイルアミン、クメンスルホン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、キシレンスルホン酸アンモニウム、1-メチルエチル-ベンゼン、ベンゼンスルホン酸、ココアルキルジメチルベタイン、ブタン二酸、スルホブタン二酸、ブタン二酸二ナトリウム塩、ブチルD-グルコシド、ブチルポリ-D-グルコシド、キシレンスルホン酸カルシウム、カプリンジメチルアミンオキシド、エトキシル化ヒマシ油、硫酸化ヒマシ油、ヒマシ油ナトリウム塩、セラミンオキシド、セテアリルグルコシド、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルアミンオキシド、コカミンオキシド、シクロカルボキシプロピルオレイン酸、D-グルコピラノース、2-ヒドロキシ-3-スルホプロピルエーテル、ヘプチルグルコシド、デカン酸及び/又はその塩、デシルグルコシド、オクチル-ポリ-D-グルコシド、デシル-ポリ-D-グルコシド、デシルベンゼンスルホン酸、ジエチレングリコールモノラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウリミノジプロピオン酸二ナトリウム、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ドコサン酸、ドデカン酸及び/又はその塩、ドデセン-1-スルホン酸及びその塩、ドデシルアルコール、エトキシル化ドデシルアルコール、ドデシルトリエチレングリコールエーテル、ドデシル-β-D-グルコシド、ドデシルベンゼンスルホン酸、エイコサン酸、エタンアミニウム、2-ヒドロキシ-N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N-メチル-エタンアミニウム及び/又はその塩、エチレングリコールモノパルミテート、エチレングリコールモノステアレート、ガルドール、グリセリンオレエート、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノオレエート、グリセリルモノステアレート、グリコールジステアレート、ラウラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルアミンオキシド、ラウリルグルコシド、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、リグノセリン酸、リノール酸、リノレン酸、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスタミドプロピルアミンオキシド、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリストレイン酸、ミリスチルベタイン、n-オクチルポリオキシエチレン、N-オクチルピロリドン、オクタン酸、オクタン酸、オレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ポロキサレン、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアレート、ポリオキシエチレンジオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリソルベート80、ココイルグルタミン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、ソルビタン及びその誘導体、ステアリン酸、スルホン酸及びその誘導体、テトラデカン酸、ウンデシル-D-グルコシド並びにそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0112】
幾つかの実施形態では、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ステアリン酸ナトリウム、コカミドモノエタノールアミン(コカミドMEA)、コカミドジエタノールアミン(コカミドDEA)、ココグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、ラウリルグルコースカルボン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルナトリウム加水分解小麦タンパク質又はココイルナトリウム加水分解コラーゲンの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルPEGスルホスクシネート、例えばラウレススルホコハク酸二ナトリウム又はデセススルホコハク酸二ナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルスルホスクシネート、例えばラウリルスルホコハク酸二ナトリウム又はココスルホコハク酸二ナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アミドプロピルベタイン、例えばコカミドプロピルベタイン(ココベタイン、コカミドベタイン)である。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルスルホアセテート、例えばラウリルスルホ酢酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルイミダゾリン、例えばココアンホ酢酸ナトリウム、ココアンホプロピオン酸ナトリウム、ココアンホ二酢酸二ナトリウム又はココアンホ二プロピオン酸二ナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルタウレート、例えばココイルメチルタウリンナトリウム又はオレオイルメチルタウリンナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アシルサルコシン、例えばラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アシルイセチオネート、例えばココイルイセチオン酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、オリーブ油脂肪酸ナトリウム、ヤシ脂肪酸ナトリウム、ナトリウムカノレート、オリーブ油脂肪酸カリウム、カリウムカノレート、ヤシ脂肪酸カリウムである。幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アルキルエーテルサルフェート、例えばパレス硫酸ナトリウム又はセテアレス硫酸ナトリウムである。
【0113】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物は、1つ以上の添加剤をさらに含むことができる。幾つかの実施形態では、添加剤は、防腐剤、安定剤、緩衝剤、ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0114】
幾つかの実施形態では、安定剤は、アルギン酸、寒天、カラギーナン、ペクチン又はそれらの組み合わせである。
【0115】
幾つかの実施形態では、緩衝剤は、クエン酸塩、リン酸塩、酒石酸塩又はそれらの組み合わせである。
【0116】
幾つかの実施形態では、防腐剤は、ニトリット誘導体若しくはその塩、スルフィット誘導体若しくはその塩、ベンゾエート誘導体若しくはその塩又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、防腐剤は、ブチル化ヒドロキシアニソール320、ブチル化ヒドロキシトルエン321又はそれらの組み合わせである。
【0117】
幾つかの実施形態では、ビタミンは、ビタミンA若しくはその誘導体、ビタミンB若しくはその誘導体、ビタミンC若しくはその誘導体、ビタミンD若しくはその誘導体、ビタミンE若しくはその誘導体又はそれらの組み合わせである。
【0118】
幾つかの実施形態では、ミネラルは、マクロミネラル、微量ミネラル又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、ミネラルは、鉄、マンガン、銅、ヨウ素、亜鉛、コバルト、フッ化物、セレン又はそれらの組み合わせである。
【0119】
幾つかの実施形態では、顔料は、青色#1、青色#2、緑色#3、赤色#3、赤色#40、黄色#5、黄色#6、シトラスレッド#2、対応するそれらのアルミニウムレーキ又はそれらの組み合わせである。
【0120】
幾つかの実施形態では、酵素は、デカルボキシラーゼ、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アスパラギナーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キモシン、シプロシン、フィシン、グルカナーゼ、イソメラーゼ、グルタミナーゼ、インベルターゼ、ラクターゼ、リパーゼ、リアーゼ、リゾチーム、マンナナーゼ、オキシダーゼ、ペクチナーゼ、ペプチダーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスホリパーゼ、プロテアーゼ、トリプシン、ウレアーゼ又はそれらの組み合わせなどの酵素製剤である。
【0121】
幾つかの実施形態では、酸化防止剤は、抗酸化ビタミン、トコフェロール、没食子酸塩若しくはその誘導体又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、酸化防止剤は、4-ヘキシルレゾルシノールアスコルビン酸若しくはその脂肪酸エステル、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カルシウム、クエン酸、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、tert-ブチルヒドロキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン又はそれらの組み合わせである。
【0122】
幾つかの実施形態では、組成物は、pH調整剤をさらに含む。幾つかの実施形態では、pH調整剤は、酸である。幾つかの実施形態では、pH調整剤は、塩基である。pH調整剤としては、例えば、クエン酸、酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸、アスコルビン酸、酒石酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、ホウ酸又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0123】
幾つかの実施形態では、組成物は、食品安全性抗菌剤をさらに含む。幾つかの実施形態では、食品安全性抗菌剤は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、カルバクロール、カルコン、フルジオキソニル、2-ヒドロキシカルコン、4-ヒドロキシカルコン、4’-ヒドロキシカルコン、2,2’-ジヒドロキシカルコン、2,4’-ジヒドロキシカルコン、2’,4-ジヒドロキシカルコン、2’,4’-ジヒドロキシカルコン、2’,4,4’-トリヒドロキシカルコン、2’,4,4’-トリヒドロキシカルコン中間体、ビオラスチレン、オブツサキノン、アピオール、ピペリン、セラストロール、オイゲノール、アルトン酸、レオイジン、アンチマイシンA、アンチマイシンA1、ジフラクタ酸、オルセリン酸エチル、オルセリン酸メチル、ミコフェノール酸、ジクロロオルセリン酸エチル、アンゴレンシン、イソコトイン、オイパトリオクロメン、キサントキシリン、ウスニン酸、アロイン、オノネチン、アポシニン、イソポミフェリン、デオキシサッパノンB7,4’-ジメチルエーテル、クリシンジメチルエーテル、ベルガプテン、ガンボギン酸、2-ヒドロキシキサントン、イソピムピネリン、キサンチレチン、アセチルヒメトクロム、ノビレチン、ヒメクロム、メトキサレン、4-メチルエスクレチン、タンゲリチン、ケリン、フラボン、3,4’,5,6,7-ペンタメトキシフラボン、デグエリン(-)、シトロプテン、デオキシサッパノンBトリメチルエーテル、デオキシサッパノンB7,3’-ジメチルエーテル、2’,4’-ジヒドロキシ-4-メトキシカルコン、塩酸ダウノルビシン、プルンバギン、メナジオン、チモキノン、レボメントール、チモール、トリメトキシケイ皮酸メチル、カビコール、シンナミルフェノール、ベンゾエート、ナフトキノン、フェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、フェニルアセトフェノン、サリチル酸、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル又はキトサンの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、1つ以上の食品安全性抗菌剤は、ベンゾエートである。幾つかの実施形態では、1つ以上の食品安全性抗菌剤は、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、1つ以上の食品安全性抗菌剤は、安息香酸ナトリウムである。幾つかの実施形態では、1つ以上の食品安全性抗菌剤は、カルコンである。幾つかの実施形態では、抗真菌剤は、イミダゾール、エピカテキン、サリチル酸メチル(MeSA)及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0124】
バリアフィルム組成物でコーティングされた農産物
農産物であって、農産物の表面上において、本明細書に記載のいずれか1つのバリアフィルム組成物コーティングを有する農産物も本明細書に提供される。
【0125】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、本明細書に記載のいずれかの方法を用いて農産物に塗布される。
【0126】
幾つかの実施形態では、農産物は、肉、植物、真菌又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、肉は、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせからなる群から得られる。
【0127】
幾つかの実施形態では、農産物は、植物性物質であり、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、農産物は、分割されている。
【0128】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、収穫前の農産物に塗布される。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、収穫後の農産物(例えば、生命現象の大部分が行われた場所から農産物が引き離された後)に塗布することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、収穫後の農産物に塗布される。
【0129】
可食性コーティング(例えば、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物)は、バイオポリマー(例えば、多糖)を含むことができ、農産物及び加工食品(例えば、植物性代替肉)の包装材料として有用となり得る。幾つかの場合、バイオポリマーを含み別の成分を含まない可食性コーティングは、保存のために冷蔵及び/又はさらなる包装材料(すなわちプラスチック包装材料)を必要とする場合がある。
【0130】
コーティングされた農産物が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、農産物の包装材料としてコーティングを使用することができる。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、バイオポリマー、モノグリセリド、脂肪酸若しくはその塩及び水を含む表面上のコーティングとを含む。
【0131】
幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、水と混合され、農産物の表面上の第1のコーティングとして塗布される。幾つかの実施形態では、コーティングは、約0.5M濃度~約5M濃度でバイオポリマーを含む。幾つかの実施形態では、コーティングは、約1M濃度~約5M濃度、約1.5M濃度~約5M濃度、約2M濃度~約5M濃度、約2.5M濃度~約5M濃度、約3M濃度~約5M濃度、約3.5M濃度~約5M濃度、約4M濃度~約5M濃度又は約4.5M濃度~約5M濃度でバイオポリマーを含む。
【0132】
幾つかの実施形態では、コーティングは、約50g/L~約5000g/L、約150g/L~約5000g/L、約250g/L~約5000g/L、約350g/L~約5000g/L、約450g/L~約5000g/L、約550g/L~約5000g/L、約650g/L~約5000g/L、約750g/L~約5000g/L、約850g/L~約5000g/L、約950g/L~約5000g/L、約1050g/L~約5000g/L、約1150g/L~約5000g/L、約1250g/L~約5000g/L、約1350g/L~約5000g/L、約1450g/L~約5000g/L、約1550g/L~約5000g/L、約1650g/L~約5000g/L、約1750g/L~約5000g/L、約1850g/L~約5000g/L、約1950g/L~約5000g/L、約2050g/L~約5000g/L、約2150g/L~約5000g/L、約2250g/L~約5000g/L、約2350g/L~約5000g/L、約2450g/L~約5000g/L、約2550g/L~約5000g/L、約2650g/L~約5000g/L、約2750g/L~約5000g/L、約2850g/L~約5000g/L、約2950g/L~約5000g/L、約3050g/L~約5000g/L、約3150g/L~約5000g/L、約3250g/L~約5000g/L、約3350g/L~約5000g/L、約3450g/L~約5000g/L、約3550g/L~約5000g/L、約3650g/L~約5000g/L、約3750g/L~約5000g/L、約3850g/L~約5000g/L、約3950g/L~約5000g/L、約4050g/L~約5000g/L、約4050g/L~約5000g/L、約4150g/L~約5000g/L、約4250g/L~約5000g/L、約4350g/L~約5000g/L、約4450g/L~約5000g/L、約4550g/L~約5000g/L、約4650g/L~約5000g/L、約4750g/L~約5000g/L、約4850g/L~約5000g/L又は約4950g/L~約5000g/Lでバイオポリマーを含む。
【0133】
幾つかの実施形態では、モノグリセリド及び脂肪酸又はその塩は、水と混合され、第1のコーティングは、コーティングされた農産物の表面上に第2のコーティングとして塗布される。幾つかの実施形態では、モノグリセリド及び脂肪酸又はその塩は、水と混合され、第1のコーティングの上に第2のコーティングとして塗布される。
【0134】
幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約2g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む。幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約15g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約25g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約35g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約45g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約55g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約65g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約75g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約85g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約95g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約105g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約110g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約125g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド、約135g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリド又は約145g/Lのモノグリセリド~約150g/Lのモノグリセリドを含む。
【0135】
幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約2g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリドを含む。幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約5g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約10g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約15g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約20g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約25g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約30g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約35g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド、約40g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリド又は約45g/Lのモノグリセリド~約50g/Lのモノグリセリドを含む。
【0136】
幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約50g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリドを含む。幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約60g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド、約70g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド、約80g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド、約90g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド、約100g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド、約110g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリド又は約120g/Lのモノグリセリド~約125g/Lのモノグリセリドを含む。
【0137】
幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約0.125g/Lの脂肪酸又は塩~約10g/Lの脂肪酸又は塩を含む。幾つかの実施形態では、第2のコーティングは、約0.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約0.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約1.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約1.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約2.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約2.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約3.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約3.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約4.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約4.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約5.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約5.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約6.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約6.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約7.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約7.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約8.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約8.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩、約9.0g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩又は約9.5g/Lの脂肪酸若しくは塩~約10g/Lの脂肪酸若しくは塩を含む。
【0138】
幾つかの実施形態では、モノグリセリドと脂肪酸又は塩とが混合される。例えば、モノグリセリドと脂肪酸又は塩とは、バイオポリマーを含まずに混合することができる。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物の前に農産物に塗布される。
【0139】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約80%w/wのモノグリセリド及び20%w/wの脂肪酸又は塩におけるモノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0140】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約80%w/wの飽和モノグリセリド及び20%w/w脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0141】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約80%w/wの飽和モノグリセリド及び20%w/wの飽和脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0142】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約90%w/wのモノグリセリド及び10%w/wの脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0143】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約90%w/wの飽和モノグリセリド及び10%w/wの脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0144】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約90%w/wの飽和モノグリセリド及び10%w/wの飽和脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0145】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約95%w/wのモノグリセリド及び5%w/wの脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0146】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約95%w/wの飽和モノグリセリド及び5%w/wの飽和脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0147】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約96%w/wのモノグリセリド及び4%w/wの脂肪酸又は塩におけるモノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0148】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約96%w/wの飽和モノグリセリド及び4%w/wの脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0149】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のバイオポリマーと;約96%w/wの飽和モノグリセリド及び4%w/wの飽和脂肪酸又は塩における飽和モノグリセリドと飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0150】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約70%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、約30%w/wの脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0151】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約70%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、30%w/wの飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0152】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約80%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、20%w/wの脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0153】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約80%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、20%w/wの飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0154】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約90%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、10%w/wの脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0155】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約90%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、約10%w/wの飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0156】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約95%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、5%w/wの脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0157】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約95%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、5%w/wの飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0158】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;約96%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、4%w/wの脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0159】
幾つかの実施形態では、脂肪酸又は塩は、飽和脂肪酸又は塩である。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度の多糖と;96%w/wのC10飽和モノグリセリド、C12飽和モノグリセリド、C14飽和モノグリセリド、C16飽和モノグリセリド、C18飽和モノグリセリド、C20飽和モノグリセリド及びそれらの組み合わせと、約4%w/wの飽和脂肪酸又は塩との混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0160】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン若しくはキトサン及びそれらの組み合わせと;約70%w/wのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと、30%w/wのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0161】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン若しくはキトサン及びそれらの組み合わせと;約80%w/wのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと、20%w/wのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0162】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン若しくはキトサン及びそれらの組み合わせと;約90%w/wのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと、10%w/wのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0163】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン若しくはキトサン及びそれらの組み合わせと;約95%w/wのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと、5%w/wラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0164】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン若しくはキトサン及びそれらの組み合わせと;約96%w/wのモノラウリン、グリセリルモノステアレート、グリセロールモノステアレート又はグリセリルヒドロキシステアレートと、4%w/wのラウリン酸ナトリウム、ミリステート、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム又はベヘン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0165】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸カルシウムと;約70%w/wグリセリルモノステアレートと30%w/wステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0166】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸カルシウムと;約80%w/のグリセリルモノステアレートと20%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0167】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸カルシウムと;約90%w/wのグリセリルモノステアレートと10%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0168】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸カルシウムと;約95%w/wのグリセリルモノステアレートと5%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0169】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸カルシウムと;約96%w/wのグリセリルモノステアレートと4%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0170】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸ナトリウムと;約70%w/wのグリセリルモノステアレートと30%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0171】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸ナトリウムと;約80%w/のグリセリルモノステアレートと20%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0172】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸ナトリウムと;約90%w/wのグリセリルモノステアレートと10%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0173】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸ナトリウムと;約95%w/wのグリセリルモノステアレートと5%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0174】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のアルギン酸ナトリウムと;約96%w/wのグリセリルモノステアレートと4%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0175】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のセルロースと;約70%w/wのグリセリルモノステアレートと30%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0176】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のセルロースと;約80%w/のグリセリルモノステアレートと20%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0177】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のセルロースと;約90%w/wのグリセリルモノステアレートと10%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0178】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のセルロースと;約95%w/wのグリセリルモノステアレートと5%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0179】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のセルロースと;約96%w/wのグリセリルモノステアレートと4%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0180】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキトサンと;約70%w/wのグリセリルモノステアレートと30%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0181】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキトサンと;約80%w/のグリセリルモノステアレートと20%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0182】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキトサンと;約90%w/wのグリセリルモノステアレートと10%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0183】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキトサンと;約95%w/wのグリセリルモノステアレートと5%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0184】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、約1M濃度のキトサンと;約96%w/wのグリセリルモノステアレートと4%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物と;水とを含むコーティングとを含む。
【0185】
幾つかの実施形態では、界面活性剤は、アニオン界面活性剤である。幾つかの実施形態では、アニオン界面活性剤は、デシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。
【0186】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、肉、植物、真菌又はそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、肉は、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせからなる群から得られる。
【0187】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される植物性物質である。幾つかの実施形態では、農産物は、分割されている。幾つかの実施形態では、植物性物質は、果実である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、野菜である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、花である。
【0188】
幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物のコーティングは、収穫前に塗布される。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物のコーティングは、収穫後の農産物(例えば、生命現象の大部分が行われた場所から農産物が引き離された後)に塗布することができる。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物のコーティングは、収穫後の農産物に塗布される。幾つかの実施形態では、コーティングされた農産物は、コーティングを塗布する前に分割されている。
【0189】
方法
植物性物質及び/又は農産物をコーティングする方法であって、本明細書に記載のいずれかの実施形態に記載のバリアフィルム組成物を提供することと、バリアフィルム組成物を植物性物質の表面上に塗布することとを含む方法も本明細書に提供される。
【0190】
農産物のコーティングする別の方法であって、バイオポリマー及び水を含む第1のコーティングを提供することと;第1のコーティングを農産物の表面上に塗布することと;モノグリセリドと、脂肪酸塩と、水とを含む第2のコーティングを提供することと;農産物の表面の第1のコーティングの上に第2のコーティングを塗布することとを含む方法も本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、バイオポリマーは、アルギン酸カルシウムである。幾つかの実施形態では、第1のコーティングを農産物の表面上に塗布する前に、アルギン酸カルシウムを架橋させる。
【0191】
幾つかの実施形態では、方法は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを水とブレンドする(例えば、均質化させる)ことをさらに含む。幾つかの実施形態では、植物性物質及び/又は農産物に塗布する前に、本明細書に記載のバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、水と均質化される。幾つかの実施形態では、水は、脱イオン水である。幾つかの実施形態では、水は、加熱される。幾つかの実施形態では、水は、約60℃~約100℃の温度に加熱される。幾つかの実施形態では、水は、約70℃~約100℃、約80℃~約100℃又は約90℃~約100℃約に加熱される。幾つかの実施形態では、水は、約90℃~約110℃又は約100℃~約110℃約に加熱される。幾つかの実施形態では、水は、約80℃に加熱される。幾つかの実施形態では、水は、約90℃に加熱される。
【0192】
幾つかの実施形態では、方法は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを水とある時間にわたってブレンドする(例えば、均質化する)ことを含む。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、あらゆる適切な均質化方法を用いて均質化される。市販の均質化装置を用いて、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを均質化することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、ブレンダーを用いて均質化される。幾つかの実施形態では、方法は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質に塗布する前に組成物を均質化することをさらに含む。幾つかの実施形態では、時間は、約1分~約15分、約2分~約15分、約3分~約15分、約4分~約15分、約5分~約15分、約6分~約15分、約7分~約15分、約8分~約15分、約9分~約15分、約10分~約15分、約11分~約15分、約12分~約15分、約13分~約15分又は約14分~約15分である。
【0193】
いずれかのバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、あらゆる適切な手段を用いて植物性物質(例えば、農産物)の外面上に配置することができる。幾つかの実施形態では、植物性物質及び/又は農産物は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングの浴中でディップコーティングすることができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物を植物性物質及び/又は農産物に塗布することは、植物性物質をバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティング中に浸漬することを含む。バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、植物性物質の表面上で薄層を形成することができ、これにより植物性物質を生物学的ストレス要因、水損失及び/又は酸化から保護することができる。
【0194】
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、植物性物質及び/又は農産物の上にスプレーコーティングすることができる。幾つかの実施形態では、組成物を植物性物質の表面に塗布することは、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質の表面上に吹き付けることを含む。市販の噴霧器を用いて、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質の表面上に吹き付けることができる。
【0195】
幾つかの実施形態では、方法は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質(例えば、農産物)に塗布した後、約30秒~約180秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを少なくとも部分的に蒸発させる(例えば、乾燥させる)ことをさらに含み得る。幾つかの実施形態では、時間は、約40秒~約180秒、約50秒~約180秒、約60秒~約180秒、約70秒~約180秒、約80秒~約180秒、約90秒~約180秒、約100秒~約180秒、約110秒~約120秒、約140秒~約180秒、約150秒~約180秒、約160秒~約180秒又は約170秒~約180秒である。幾つかの実施形態では、時間は、約60秒~約120秒、約70秒~約120秒、約80秒~約120秒、約90秒~約120秒、約100秒~約120秒又は約110秒である。
【0196】
幾つかの実施形態では、方法は、植物性物質に塗布した後、約90秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む。幾つかの実施形態では、方法は、植物性物質に塗布した後、約100秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む。幾つかの実施形態では、方法は、植物性物質に塗布した後、約110秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む。
【0197】
幾つかの実施形態では、方法は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質(例えば、農産物)に塗布した後、約40分~約80分の時間にわたり、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを少なくとも部分的に蒸発させる(例えば、乾燥させる)ことをさらに含み得る。幾つかの実施形態では、時間は、約45分~約80分、約50分~約80分、約55分~約80分、約60分~約80分、約65分~約80分、約70分~約80分又は約75分~約80分である。幾つかの実施形態では、方法は、農産物の表面の第1のコーティングの上に第2のコーティングを塗布する前に、ある時間にわたって第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む。
【0198】
幾つかの実施形態では、堆積されたバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、約2ミクロン未満、例えば1ミクロン未満、900nm未満、800nm未満、700nm未満、600nm未満、500nm未満、400nm未満、300nm未満、200nm未満又は100nm未満の厚さを有することができ、これにより、バリアフィルム組成物は、肉眼で透明になる。例えば、堆積されたバリアフィルム組成物は、約50nm、60nm、70nm、80nm、90nm、100nm、110nm、120nm、130nm、140nm、150nm、200nm、250nm、300nm、350nm、400nm、450nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm又は約1,000nm(これらの間のすべての範囲を含む)の厚さを有することができる。
【0199】
堆積されたバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、透過率を低下させるために高い結晶化度を有することができ、そのため、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、植物性物質の上に同じ形状で堆積し、欠陥及び/又はピンホールを含まない。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質に塗布することは、植物性物質をバリアフィルム組成物中に浸漬することを含む。
【0200】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングの流れ(例えば、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングの滝)の下に農産物を通すことによって植物性物質などの農産物の上に堆積することができる。例えば、植物性物質は、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングの流れを通過するコンベア上に配置することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、植物性物質の表面上に蒸着することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、収穫前に野外で塗布することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、収穫前の植物性物質に塗布される。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物は、収穫後の植物性物質(例えば、植物性物質が、大部分の成長が起こった場所から引き離された後)に塗布することができる。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングは、収穫後の植物性物質に塗布される。
【0201】
幾つかの実施形態では、植物性物質は、花又は農作物(例えば、新鮮な農作物)などの農産物である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花及びそれらの組み合わせの1つ以上を含むか又はそれらからなる群から選択される。幾つかの実施形態では、植物性物質は、花である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、新鮮な農作物である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、野菜である。幾つかの実施形態では、植物性物質は、果実である。
【0202】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを植物性物質に塗布した後、乾燥が減少する。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを塗布した後、植物性物質からの水損失速度が低下する。幾つかの実施形態では、乾燥は、質量損失を用いて測定される。幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを塗布した後、質量損失速度が低下する。幾つかの実施形態では、水損失は、質量損失によって測定される。例えば、質量損失は、バリアフィルム組成物を塗布した後、ある時間が経過した後に植物性物質の重量間の差を求めることによって測定することができる。幾つかの実施形態では、質量損失は、1日後、2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、8日後、9日後及び/又は10日後又はそれらのあらゆる組み合わせの後に測定される。幾つかの実施形態では、質量損失は、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、7週間後、8週間後、9週間後、10週間後、11週間後、12週間後又はそれらのあらゆる組み合わせの後に測定される。
【0203】
幾つかの実施形態では、バリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングを塗布した後、植物性物質の呼吸速度が低下し得る。例えば、本明細書に記載のいずれかのバリアフィルム組成物、第1のコーティング及び/又は第2のコーティングの塗布を用いて、特にエチレン、CO2及びO2などの気体の拡散を遮断又は制限することができ、それにより成熟及び/又は老化を遅らせることができる。幾つかの実施形態では、組成物を塗布した後、植物性物質によるCO2生成速度が低下する。
【実施例】
【0204】
実施例
本開示の材料及び方法は、以下の実施例でさらに説明されるが、これらの実施例は、請求項に記載の方法及び組成物の範囲を限定するものではない。
【0205】
実施例1
この実施例では、モノグリセリド及び脂肪酸又はその塩とキサンタンガムとの脱イオン蒸留水中の混合物の粘弾性挙動を示す。
【0206】
94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wのステアリン酸ナトリウムとの30グラムの混合物を、80℃に加熱しておいた1000mLの脱イオン蒸留水に加えることにより、モノグリセリドと脂肪酸又はその塩との分散物を調製した。この混合物をSILVERSON(登録商標)L5M-Aブレンダー中において最高速度(10,200rpm)で3分間ブレンドし、次に室温まで冷却した。この分散物は、実験台上で終夜維持した後に安定であり、さらなる試料の調製に使用した。
【0207】
4グラムのキサンタンガムを1000mLの水に加え、マグネチックスターラーを用いて終夜撹拌することにより、脱イオン蒸留水中のキサンタンガム(CP KELCO(登録商標)のKELTROL(登録商標))の溶液を調製した。この溶液をさらなる試料の調製に使用した。
【0208】
上記の試料を混合して、以下のさらなる試料を調製した。
【0209】
試料A
0.2%のキサンタンガムw/vを有する脱イオン蒸留水中15g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0210】
試料B
0.15%のキサンタンガムw/vを有する脱イオン蒸留水中15g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0211】
試料C(対照)
0.1%のキサンタンガムw/vを有する脱イオン蒸留水中15g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0212】
試料D(対照)
0.1%のキサンタンガムw/vを有する脱イオン蒸留水中の10g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0213】
試料E(対照)
脱イオン蒸留水中15g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0214】
試料F(対照)
脱イオン蒸留水中10g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物)。
【0215】
二重同心円筒測定形状を有するTA INSTRUMENTS(商標)のDHR-3レオメーターを用いて、試料A~Fの25℃における粘弾性応答を求めた。1Hzの周波数における振動応力振幅の関数としてそれぞれの試料の弾性係数(G’)及び粘性係数(G’’)を測定し、G’及びG’’の交差部分を降伏応力として記録した。
【0216】
【0217】
試料A及びBでは降伏応力が検出されたが、試料C、D、E及びFでは検出されなかった。
【0218】
実施例2
この実施例では、新鮮な農作物上の配合物のコーティング及びバリア特性に対する降伏応力の影響を示す。
【0219】
試料A、B及びE(実施例1を参照されたい)の2Lのバッチを調製した。これらの試料中でアボカドのディップコーティングを行い、次に65~70℃の回転並進加熱トンネル中で100秒間乾燥させた。同じサイズ、品質、成熟、包装日及び果樹園の90個のアボカドを各群に使用した。
【0220】
処理済みの果実に対して質量損失及び呼吸を測定し、未処理の果実と比較した。結果を
図1及び
図2に示す。
図1では、処理済み(試料A及びB)及び対照(試料E)のアボカドの質量損失係数である。質量損失係数は、未処理の対照の質量損失速度をそれぞれの処理の値で割ることによって求めた。
【0221】
図2.処理済み(試料A及びB)及び対照のアボカドの呼吸速度対時間。本明細書における方法により、質量損失及び呼吸に関してバリア特性の顕著な改善が得られることが明らかである。試料A及びBで処理した果実は、試料E(対照)と比較してはるかに大きい質量損失係数及び低い呼吸速度を示している。
【0222】
実施例3
この実施例では、新鮮な農作物上の配合物のコーティング及びバリア特性に対する降伏応力の影響も示している。
【0223】
試料D及びF(対照 - 実施例1を参照されたい)の2Lのバッチを調製した。水中に0.2%のキサンタンガムを含有するが、別のものを含有しない追加の対照の2Lのバッチも調製した。これらの試料中でアボカドのディップコーティングを行い、次に65~70℃の回転並進加熱トンネル中で100秒間乾燥させた。同じサイズ、品質、成熟、包装日及び果樹園の90個のアボカドを各群に使用した。処理済みの果実に対して質量損失及び呼吸を測定し、未処理の果実と比較した。結果を
図3及び
図4に示す。
図3 処理済み(試料D及びF及び追加の対照の0.2%のキサンタンガム(KELTROL(登録商標)))及び未処理のアボカドの質量損失係数。
図4 処理済み(試料D及びF並びに0.2%(KELTROL(登録商標))及び未処理のアボカドの呼吸速度対時間。
【0224】
降伏応力及びレオロジー改質剤を含まないモノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、レオロジー改質剤との混合物単独では、レオロジー改質剤を含まない組成物(対照試料F)と比較してバリア特性の実質的な利点が得られないことが明らかである。
【0225】
実施例4
この実施例では、脱イオン蒸留水中のモノグリセリドと脂肪酸又はその塩とキサンタンガムとの混合物中のずり減粘を有する降伏応力特性を示す。
【0226】
94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wのステアリン酸ナトリウムとの50グラムの混合物を、80℃に加熱しておいた1000mLの脱イオン蒸留水に加えることにより、モノグリセリドと脂肪酸又はその塩との分散物を調製した。この混合物をSILVERSON(登録商標)L5M-Aブレンダー中において最高速度(10,200rpm)で3分間ブレンドし、次に室温まで冷却した。この分散物は、実験台上で終夜維持した後に安定であり、さらなる試料の調製に使用した。
【0227】
次に、この分散物を脱イオン蒸留水中のキサンタンガムの溶液と混合して、25g/L(の94%w/wのグリセリルモノステアレートと6%w/wのステアリン酸ナトリウムとの混合物)と、0.2%~0.5%w/vの範囲の種々の濃度のキサンタンガムとを含む一連の試料を調製した。二重同心円筒測定形状を有するTA INSTRUMENTS(商標)のDHR-3レオメーターを用いて、50~500s
-1の剪断速度範囲における25℃での剪断速度の関数としてのこれらの試料の粘度を求めた。これらの測定の結果を
図5に示す。ローラー塗布で農作物の表面に配合物を塗布する時点で評価される剪断速度である、5000s
-1の剪断速度における粘度を評価するために、
図5の曲線は、Carreauの式を用いてフィットさせた。これらの試料の降伏応力も実施例1に記載の方法と同じ方法で測定した。
【0228】
【0229】
表2は、これらの組成物が、降伏応力と、塗布の時点における望ましい低粘度(0.05Pa.s未満)とを併せ持つことを示す。
【0230】
実施例5
この実施例では、モノグリセリドと、より長い鎖の脂肪酸又はその塩と、より短い鎖の脂肪酸又はその塩と、レオロジー改質剤キサンタンガムとの脱イオン蒸留水中の混合物のバリアフィルム特性及びレオロジーを示す。この場合、より長い鎖の脂肪酸又はその塩は、モノグリセリドの乳化剤として機能する一方、より短い鎖の脂肪酸又はその塩は、農作物の表面上に配合物が広がることを促進するための潤滑剤として機能する。
【0231】
実施例1~4に概略を示す方法により、以下の組成を有する試料を調製した。
【0232】
【0233】
これらの試料中でアボカドのディップコーティングを行い、実施例2に記載の方法と同じ方法で乾燥させた。処理済みの果実の質量損失を測定し、未処理の果実と比較した。結果を
図6に示す。
【0234】
モノグリセリド及び乳化剤とレオロジー改質剤又は湿潤剤のいずれか(試料H及びJ)とを含む組成物で処理した果実の質量損失係数は、モノグリセリド及び乳化剤を含むが、これらの添加剤を含まない組成物(試料G)で処理した果実よりも大きい。しかし、モノグリセリド及び乳化剤に加えて、湿潤剤及びレオロジー改質剤の両方を含む組成物(試料K)の場合、はるかに大きい質量損失係数(より有効な水分バリア特性を示す)が観察される。
【0235】
試料H及びKの降伏応力は、実施例1に記載のように求めた。
【0236】
【0237】
湿潤剤の添加により、付着の実現の要因となる降伏応力の損失が起こらないことが観察される。
【0238】
実施例6
この実施例は、カリフォルニア産アボカドに対するキトサン濃度の研究である。
【0239】
目的:カリフォルニア産アボカドに対する濃度に関して、水及びガスのバリアとしてのキトサンの有効性を調べること。
【0240】
実験計画:群1つ当たり180個のカリフォルニア産アボカド
・対照:未処理のもの並びに25g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウム。
・処理:1g/L、5g/L及び10g/Lのキトサン
・塗布方法:キトサンの場合にはボウル浸漬、94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照の場合にはブラシベッド塗布。
・乾燥方法:周囲乾燥
【0241】
結論 質量損失係数は、キトサン濃度と正の相関を有する。
図7は、キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの質量損失係数のプロットである。
【0242】
図8は、キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの呼吸のプロットである。呼吸係数(RF)は、キトサン濃度と正の相関を有する。25g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照と比較して、キトサンは、はるかに良好なガスバリアとなる。対照の25g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムは、RF:1.30x10g/Lを示し、キトサンは、RF:2.73xを示した。
【0243】
図9は、キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のカリフォルニア産アボカドの呼吸/質量損失のプロットである。25g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照は、RF/MLF比が1未満である一方、すべてのキトサン溶液の比は、1を超え、RF/MLF比は、キトサン濃度の増加とともに増加する。
【0244】
実施例7
この実施例は、メキシコ産アボカドに対するキトサン濃度の研究である。
【0245】
目的:濃度に関して、水及びガスのバリアとしてのキトサンの有効性を調べること。
【0246】
実験計画:
・群1つ当たり120個のメキシコ産アボカド
・対照:未処理のもの、50g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウム。
・処理群:1g/L、5g/L、10g/Lのキトサン
・塗布方法:キトサンの場合にはボウル浸漬、94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照の場合にはブラシベッド塗布。
・乾燥方法:周囲乾燥
【0247】
対照:メキシコ産アボカドに関して、質量損失係数は、キトサン濃度の増加とともに増加する。
図10は、あるキトサン濃度で処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドの質量損失係数のプロットである。メキシコ産アボカドに関して、呼吸係数(RF)は、キトサン濃度の増加とともに増加する。94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照と比較して、キトサンは、より良好なガスバリアとなる。94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照は、RF:1.37xであり、10g/Lキトサンは、RF:2.12xとなった。
図11は、処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドのキトサン濃度の呼吸係数のプロットである。94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照は、RF/MLF比が1未満である一方、5g/L及び10g/Lのキトサンの場合の比は、1を超える。RF/MLF比は、キトサン濃度の増加とともに増加する。
図12は、キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のメキシコ産アボカドの呼吸/質量損失のプロットである。
【0248】
実施例8
ペルー産アボカドに対するキトサン濃度の研究:呼吸係数。
目的:ペルー産アボカドに対する濃度に関して水及びガスのバリアとしてのキトサンの有効性を調べること。
【0249】
実験計画:
・群1つ当たり96個のペルー産アボカド
・対照:未処理のもの、10g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウム。
・処理群:1g/L、5g/L、10g/Lのキトサン
・塗布方法:キトサンの場合にはボウル浸漬、94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照の場合にはブラシベッド塗布。
・乾燥方法:ラック上で周囲乾燥
【0250】
結論:呼吸係数は、キトサン濃度と正の相関がある。
【0251】
キトサンは、94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照よりも良好なガスバリアとなる。94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照は、RF:1.53xであり、10g/Lキトサンは、RF:2.36xであった。
図13は、あるキトサン濃度で処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のペルー産アボカドの呼吸のプロットである。
【0252】
実施例9
ボスクペアに対するキトサン濃度の研究。
目的:ボスクペアに対する濃度に関して水及びガスのバリアとしてのキトサンの有効性を調べること。
【0253】
実験計画:
・群1つ当たり90個のボスクペア
・対照:未処理のもの、30g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウム。
・処理群:1g/L、5g/L、10g/Lのキトサン、10g/Lのキトサン+5g/LのC10モノグリセリド(例えば、C10短鎖モノグリセリド)。
【0254】
結論:質量損失係数及びキトサン濃度の傾向は、存在しなかった。C10モノグリセリドを加えると、質量損失性能が高まった。
図14は、あるキトサン濃度で処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアの質量損失係数のプロットである。キトサンは、5g/L以上で呼吸性能を示す。C10モノグリセリドの添加で、呼吸性能は、変化しなかった。
図15は、あるキトサン濃度で処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアの呼吸のプロットである。アボカドと同様に、30g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムの対照は、RF/MLFが1未満である一方、5g/L以上のキトサンは、RF/MLFが1を超える。
図16は、キトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)のボスクペアの呼吸/質量損失のプロットである。
【0255】
実施例10
メキシコ産アボカドに対するキトサンとの呼吸の適合。
目的:貯蔵寿命が延びたメキシコ産アボカドに対する質量損失係数の有意性を選び出すこと。
【0256】
実験計画
・群1つ当たり120個のメキシコ産アボカド。
・対照:未処理のもの。
・処理:50g/Lの:30g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウム、3、4、5、6及び7g/Lのキトサン。
【0257】
結論:キトサン溶液は、4g/Lにおいて質量損失係数が約1.31xで横ばいとなった。
図17は、メキシコ産アボカドに対するキトサンとの質量損失係数、呼吸の適合のプロットである。2つの呼吸点後、すべてのキトサン溶液は、呼吸係数が50g/Lの:30g/Lの94%w/wのグリセリルモノステアレート及び6%w/wのステアリン酸ナトリウムをわずかに下回っている。
図18は、メキシコ産アボカドに対するキトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)との呼吸の適合のプロットである。キトサン処理済みのすべてのアボカドは、RF/MLFが1を超え、6g/Lにおいてピークとなる。
図19は、メキシコ産アボカドに対するキトサン処理済み(灰色データ)及び未処理(白色データ)との呼吸の適合のプロットである。
【0258】
実施例11
この実施例では、バイオポリマーで覆われたアボカド及び第1のコーティングと第2のコーティングとで覆われたアボカドの水蒸気透過速度を示す。
【0259】
モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物(例えば、第2のコーティング)を有する及び有しないアルギン酸カルシウムフィルム(例えば、第1のコーティング)について、水蒸気透過速度(WVTR)を測定した。濃度30g/Lにおけるモノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物を、架橋した(不溶性)アルギン酸カルシウムフィルムの表面にボウル浸漬によって塗布し、室温で終夜乾燥させた。次に、コーティングされたフィルムのWVTRを、コーティングなしの(作製されたままの)フィルムと同じ方法で測定した。モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物のコーティング(例えば、第2のコーティング)を有しないアルギン酸カルシウムのコーティング(例えば、第1のコーティング)を有する農産物は、第1のコーティング及び第2のコーティングの両方を有する農産物よりも多い水蒸気放出を示した。第1のコーティング(アルギン酸カルシウム)及び第2のコーティング(モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物)の両方を有する農産物は、WVTRが約55%低下した。アルギン酸カルシウムのコーティング(例えば、第1のコーティング)を有し、モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物のコーティング(例えば、第2のコーティング)を有しない農産物は、1.99×10
-3g/cm
2・hを示した。第1のコーティング(アルギン酸カルシウム)及び第2のコーティング(モノグリセリドと脂肪酸又は塩との混合物)両方を有する農産物は、0.894×10
-3g/cm
2・hを示した。結果を
図20に示す。
【0260】
図20は、アルギン酸カルシウムでコーティングしたアボカド(三角)及びアルギン酸カルシウム及びモノグリセリド、脂肪酸又はその塩の混合物でコーティングしたアボカド(円)の経過時間に対する質量変化によって測定した水蒸気透過のプロットである。
【0261】
実施例12
この実施例では、水中のタンパク質を有するモノグリセリドと脂肪酸又はその塩との混合物の粘弾性挙動を示す。グリセロールモノステアレート、ステアリン酸ナトリウム、モノラウリン、大豆タンパク質分離物及び水を混合することにより、モノグリセリド、脂肪酸又はその塩、大豆タンパク質分離物及び水の分散物を調製した。試験した組成を以下の表5に示す。
【0262】
【0263】
以下のストック分散物を調製した:
・磁気撹拌子を用いて周囲条件下で調製した64g/Lの大豆タンパク質分離物及び脱イオン水。
・95%グリセロールモノステアレート及び5%ステアリン酸ナトリウム及び熱脱イオン水の60g/Lのモノグリセリド及び脂肪酸分散物。ブレンダー中で高速で混合した。
・3g/Lのモノラウリン及び熱脱イオン水。ブレンダー中で高速で混合した。
【0264】
ブレンダーを用いて高速混合である量のストック溶液を3分間互いに混合して、表5による試料を得た。周囲温度及び約20℃において農作物を表5の分散物で処理した。処理した農作物を75℃の加熱トンネル中で乾燥させ、コーティング時の農作物の特性を種々の時点で測定した。
【0265】
図21は、種々の時点(例えば、5日、2日及び新品)の表5のバリアフィルム組成物の特定の振動ひずみにおける降伏応力の変化を示すプロットである。正方形は、5日後の表5のバリアフィルム組成物を示す。三角は、2日後の表5のバリアフィルム組成物を示す。円は、新しい試料としての表5のバリアフィルム組成物を示す。記号†は、貯蔵(すなわち弾性)係数を示し、記号*は、損失(すなわち粘性)係数を示す。
図21は、貯蔵弾性係数及び損失係数が時間とともに増加することを示す。貯蔵弾性係数及び損失係数の増加は、分散物が主として液体として挙動するが、固体様の挙動が増加することを示している。5日経過すると、バリアフィルム組成物の降伏応力は、約0.1Paとなる。
【0266】
図22は、Haasアボカド上の表5のバリアフィルム組成物の乾燥バリア効果を示す。以下の条件下でHaasアボカドに対する質量損失効果を測定した。
・未処理
・試料A=39.9g/Lのグリセロールモノステアレート、2.1g/Lのステアリン酸ナトリウム、2g/Lのモノラウリン
・試料B=試料A+19g/Lの大豆タンパク質分離物、1日経過
・試料C=試料B、7日経過
【0267】
図23は、Haasアボカド上の表5のバリアフィルム組成物の呼吸(CO
2生成速度)を示す。Haasアボカドに対して以下の条件下で呼吸を測定した。
・未処理
・試料A=39.9g/Lのグリセロールモノステアレート、2.1g/Lのステアリン酸ナトリウム、2g/Lのモノラウリン
・試料B=試料A+19g/Lの大豆タンパク質分離物、1日経過
・試料C=試料B、7日経過
【0268】
結果は、短鎖及び長鎖モノグリセリド、脂肪酸塩並びに大豆タンパク質分離物の混合物を用いて調製したバリアフィルム組成物によってガスバリアが増加することを示し、これは、
図23の呼吸速度の減少によって示された。これにより、アボカドなどの農作物の成熟に関連するガスバリアを選択的に調節するための選択肢を得ることができた。農作物の水分及び固さの管理も維持される。
図21及び
図22は、時間が経過した表5の分散物により、剪断弾性が増加し、呼吸速度が減少することを示し、これは、コーティングによってガスの移動に対する抵抗がより高くなることを示唆している。結果は、バリアフィルム特性が脂質/タンパク質分散物の化学組成及びそのフィルムへの加工(分散物の時間経過)によって調節可能であることを示している。
【0269】
図24は、表5に示される短鎖及び長鎖モノグリセリド、脂肪酸塩並びに大豆タンパク質分離物の混合物を用いて調製したバリアフィルム組成物の剪断弾性を分散時間とともに示す。破線(下)は、新しい分散物であり、実線(中央)は、2日後であり、点線(上)は、5日後である。剪断弾性係数G’は、分散物の時間経過とともに増加する。5日(上の点線)において、分散物は、約0.1Paの降伏応力を有する。
【0270】
図25は、表5に示される短鎖及び長鎖モノグリセリド、脂肪酸塩並びに大豆タンパク質分離物の混合物を用いて調製したバリアフィルム組成物の損失係数の傾向を分散期間とともに示す。破線(上)は、新しい分散物であり、実線(中央)は、2日後であり、点線(下)は、5日後である。損失係数の傾向は、液体分散物が分散期間とともに弾性が高くなることを示している。損失係数>1の場合、分散物は、主として液体状の挙動を示すが、分散時間とともに弾性又はその「固体状」の挙動が増加する。これにより、損失係数の値がどのように分散期間とともに1に近づくかを見ることができる。
【0271】
図26は、表5に記載の大豆タンパク質分離物分散物をコーティングしたアボカドが、記載の分散物又は時間の経過した分散物を有しないアボカドよりも光沢を与えることを示す。
図26に示されるアボカドで示されるように、表5に記載の配合物は、粗い表面を有する果実にさらに光沢を付与することができ、左下の図では、別の処理よりもさらに光沢が付与されている。
【0272】
実施形態
実施形態1は、モノグリセリドと、脂肪酸又はその塩と、バイオポリマーと、水とを含むバリアフィルム組成物であって、少なくとも0.1Paの降伏応力を有するバリアフィルム組成物である。
【0273】
実施形態2は、約0.1Pa~約6.0Paの降伏応力の実施形態1のバリアフィルム組成物である。
【0274】
実施形態3は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約2Pa~約5Paである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0275】
実施形態4は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約0.3Pa~約0.7Paである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0276】
実施形態5は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約0.5Paである、実施形態4のバリアフィルム組成物である。
【0277】
実施形態6は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約0.8Pa~約1.4Paである、実施形態1のバリアフィルム組成物である。
【0278】
実施形態7は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約1.1Paである、実施形態6のバリアフィルム組成物である。
【0279】
実施形態8は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約0.1Pa~約6Paである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0280】
実施形態9は、バリアフィルム組成物の粘度が5000s-1の剪断速度において約0.001Pa.s~約0.1Pa.sである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0281】
実施形態10は、バリアフィルム組成物の降伏応力が約1Pa~約5Paである、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0282】
実施形態11は、バリアフィルム組成物の粘度が5000s-1の剪断速度において約0.05Pa.s未満である、実施形態1又は実施形態2のバリアフィルム組成物である。
【0283】
実施形態12は、約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む、実施形態1~11のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0284】
実施形態13は、約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸又はその塩を含む、実施形態1~12のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0285】
実施形態14は、約1.5g/L~約8g/Lのバイオポリマーを含む、実施形態1~13のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0286】
実施形態15は、バイオポリマーが多糖、タンパク質又はそれらの組み合わせを含む、実施形態1~14のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0287】
実施形態16は、バイオポリマーが多糖である、実施形態1~15のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0288】
実施形態17は、バイオポリマーがネットワーク形成性多糖である、実施形態1~16のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0289】
実施形態18は、バイオポリマーが、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態1~17のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0290】
実施形態19は、バイオポリマーがキサンタンガムである、実施形態1~18のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0291】
実施形態20は、バイオポリマーがキトサンである、実施形態1~18のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0292】
実施形態21は、バイオポリマーがアルギン酸カルシウムである、実施形態1~18のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0293】
実施形態22は、バイオポリマーがタンパク質である、実施形態1~21のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0294】
実施形態23は、タンパク質が、大豆タンパク質分離物、小麦グルテン、コラーゲン、乳清タンパク質分離物、卵白、ゼイン、ヒヨコマメタンパク質分離物、カゼイン塩、ゼラチン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態22のバリアフィルム組成物である。
【0295】
実施形態24は、モノグリセリドが約C10~約C20の炭素鎖長を有する、実施形態1~23のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0296】
実施形態25は、モノグリセリドが、C10モノグリセリド、C12モノグリセリド、C14モノグリセリド、C16モノグリセリド、C18モノグリセリド、C20モノグリセリド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素鎖長を有する、実施形態1~24のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0297】
実施形態26は、モノグリセリドが飽和モノグリセリドである、実施形態1~25のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0298】
実施形態27は、モノグリセリドがグリセリルモノステアレートである、実施形態1~26のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0299】
実施形態28は、降伏応力が約20℃~約30℃の温度で測定される、実施形態1~27のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0300】
実施形態29は、降伏応力が約25℃の温度で測定される、実施形態1~28のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0301】
実施形態30は、1つ以上の湿潤剤をさらに含む、実施形態1~29のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0302】
実施形態31は、1つ以上の湿潤剤及び多糖をさらに含む、実施形態1~29のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0303】
実施形態32は、1.2Paを超える降伏応力を有する、実施形態31のバリアフィルム組成物である。
【0304】
実施形態33は、アニオン界面活性剤をさらに含む、実施形態1~32のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0305】
実施形態34は、アニオン界面活性剤が、デシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態33のバリアフィルム組成物である。
【0306】
実施形態35は、添加剤をさらに含む、実施形態1~34のいずれか1つのバリアフィルム組成物である。
【0307】
実施形態36は、添加剤が、防腐剤、安定剤、緩衝剤ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態35のバリアフィルム組成物である。
【0308】
実施形態37は、植物性物質をコーティングする方法であって、実施形態1~27のいずれか1つのバリアフィルム組成物を提供することと;バリアフィルム組成物を植物性物質の表面上に塗布することとを含む方法である。
【0309】
実施形態38は、バリアフィルム組成物を植物性物質の表面に塗布することが、植物性物質をバリアフィルム組成物中に浸漬することを含む、実施形態37の方法である。
【0310】
実施形態39は、バリアフィルム組成物を植物性物質の表面に塗布することが、バリアフィルム組成物を植物性物質の表面上に吹き付けることを含む、実施形態36又は実施形態37の方法である。
【0311】
実施形態40は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質の水損失速度が低下する、実施形態37~39のいずれか1つの方法である。
【0312】
実施形態41は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質によるCO2生成速度が低下する、実施形態37~40のいずれか1つの方法である。
【0313】
実施形態42は、バリアフィルム組成物を塗布した後、植物性物質の質量損失速度が低下する、実施形態37~41のいずれか1つの方法である。
【0314】
実施形態43は、約30秒~約180秒の時間にわたり、バリアフィルム組成物を少なくとも部分的に蒸発させることをさらに含む、実施形態37~42のいずれか1つの方法である。
【0315】
実施形態44は、時間が約100秒である、実施形態43の方法である。
【0316】
実施形態45は、植物性物質に塗布する前にバリアフィルム組成物を均質化させることをさらに含む、実施形態37~44のいずれか1つの方法である。
【0317】
実施形態46は、水が約60℃~約100℃の温度に加熱される、実施形態37~45のいずれか1つの方法である。
【0318】
実施形態47は、植物性物質が、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態37~46のいずれか1つの方法である。
【0319】
実施形態48は、バリアフィルム組成物が収穫前の植物性物質に塗布される、実施形態37~46のいずれか1つの方法である。
【0320】
実施形態49は、バリアフィルム組成物が収穫後の植物性物質に塗布される、実施形態37~47のいずれか1つの方法である。
【0321】
実施形態50は、コーティングされた農産物であって、農産物の表面上において、実施形態1~36のいずれか1つのバリアフィルム組成物のコーティングを含む、コーティングされた農産物である。
【0322】
実施形態51は、バリアフィルム組成物が収穫前の農産物上にコーティングされる、実施形態50のコーティングされた農産物である。
【0323】
実施形態52は、バリアフィルム組成物が収穫後の農産物上にコーティングされる、実施形態50の農産物である。
【0324】
実施形態53は、分割されている、実施形態50~52のいずれか1つの農産物である。
【0325】
実施形態54は、肉、植物、真菌又はそれらの組み合わせである、実施形態50~53のいずれか1つの農産物である。
【0326】
実施形態55は、肉が、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせからなる群から得られる、実施形態54の農産物である。
【0327】
実施形態56は、植物が、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物性物質である、実施形態54の農産物である。
【0328】
実施形態57は、植物性物質が花である、実施形態56の農産物である。
【0329】
実施形態58は、植物性物質が果実である、実施形態56の農産物である。
【0330】
実施形態59は、植物性物質が野菜である、実施形態56の農産物である。
【0331】
実施形態60は、コーティングされた農産物であって、表面を有する農産物と、表面上のコーティングであって、モノグリセリド、脂肪酸又はその塩、バイオポリマー及び水を含むコーティングとを含む、コーティングされた農産物である。
【0332】
実施形態61は、コーティングが約5g/L~約150g/Lのモノグリセリドを含む、実施形態60のコーティングされた農産物である。
【0333】
実施形態62は、コーティングが約0.1g/L~約10g/Lの脂肪酸又はその塩を含む、実施形態60又は実施形態61のコーティングされた農産物である。
【0334】
実施形態63は、コーティングが約1M濃度でバイオポリマーを含む、実施形態60~62のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0335】
実施形態64は、バイオポリマーが多糖である、実施形態60~63のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0336】
実施形態65は、バイオポリマーがネットワーク形成性多糖である、実施形態60~64のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0337】
実施形態66は、多糖が、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態60~65のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0338】
実施形態67は、バイオポリマーがキサンタンガムである、実施形態60~66のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0339】
実施形態68は、バイオポリマーがキトサンである、実施形態60~66のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0340】
実施形態69は、バイオポリマーがアルギン酸カルシウムである、実施形態60~66のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0341】
実施形態70は、アルギン酸カルシウムが架橋されている、実施形態69のコーティングされた農産物である。
【0342】
実施形態71は、モノグリセリドが約C10~約C20の炭素鎖長を有する、実施形態60~70のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0343】
実施形態72は、モノグリセリドが、C10モノグリセリド、C12モノグリセリド、C14モノグリセリド、C16モノグリセリド、C18モノグリセリド、C20モノグリセリド及びそれらの組み合わせからなる群から選択される炭素鎖長を有する、実施形態60~71のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0344】
実施形態73は、モノグリセリドが飽和モノグリセリドである、実施形態60~72のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0345】
実施形態74は、モノグリセリドがグリセリルモノステアレートである、実施形態60~73のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0346】
実施形態75は、コーティングが1つ以上の湿潤剤をさらに含む、実施形態60~74のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0347】
実施形態76は、コーティングがアニオン界面活性剤をさらに含む、実施形態60~75のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0348】
実施形態77は、アニオン界面活性剤が、デシル硫酸ナトリウム、N-ラウロイル-N-メチルタウリン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態76のコーティングされた農産物である。
【0349】
実施形態78は、コーティングされた農産物のコーティングが添加剤をさらに含む、実施形態60~77のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0350】
実施形態79は、添加剤が、防腐剤、安定剤、緩衝剤ビタミン、ミネラル、pH調整剤、塩、顔料、芳香剤、酵素、触媒、酸化防止剤、抗真菌剤、抗菌剤又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態78のコーティングされた農産物である。
【0351】
実施形態80は、分割されている、実施形態60~79のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0352】
実施形態81は、肉、植物、真菌又はそれらの組み合わせである、実施形態60~80のいずれか1つのコーティングされた農産物である。
【0353】
実施形態82は、肉が、牛肉、ラム、家禽、豚肉、魚、貝、イノシシ、バイソン、シカ、ヘラジカ、ラクダ、イノシシ、齧歯類及びそれらの組み合わせからなる群から得られる、実施形態81のコーティングされた農産物である。
【0354】
実施形態83は、植物が、果実、野菜、葉、茎、樹皮、種子、花、皮、根及びそれらの組み合わせからなる群から選択される植物性物質である、実施形態81のコーティングされた農産物である。
【0355】
実施形態84は、植物性物質が花である、実施形態83のコーティングされた農産物である。
【0356】
実施形態85は、植物性物質が果実である、実施形態83のコーティングされた農産物である。
【0357】
実施形態86は、植物性物質が野菜である、実施形態83のコーティングされた農産物である。
【0358】
実施形態87は、農産物をコーティングする方法であって、(a)バイオポリマーと水とを含む第1のコーティングを提供することと;(b)第1のコーティングを農産物の表面上に塗布することと;(c)モノグリセリドと、脂肪酸塩と、水とを含む第2のコーティングを提供することと;(d)第2のコーティングを農産物の表面に塗布することとを含む方法である。
【0359】
実施形態88は、コーティングがバイオポリマーに関して約1M濃度で含む、実施形態88の方法である。
【0360】
実施形態89は、バイオポリマーが多糖である、実施形態87又は実施形態88のいずれか1つの方法である。
【0361】
実施形態90は、バイオポリマーがネットワーク形成性多糖である、実施形態87~89のいずれか1つの方法である。
【0362】
実施形態91は、多糖が、キサンタンガム、グアーガム、ペクチン、アラビアゴム、カラギーナン、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸ナトリウム、寒天、セルロース、デンプン、キトサン及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、実施形態87~89のいずれか1つの方法である。
【0363】
実施形態92は、バイオポリマーがキサンタンガムである、実施形態87~91のいずれか1つの方法である。
【0364】
実施形態93は、バイオポリマーがキトサンである、実施形態87~91のいずれか1つの方法である。
【0365】
実施形態94は、バイオポリマーがアルギン酸カルシウムである、実施形態87~91のいずれか1つの方法である。
【0366】
実施形態95は、(b)前にアルギン酸カルシウムが架橋される、実施形態94の方法である。
【0367】
実施形態96は、(d)前にある時間にわたって第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む、実施形態87~95のいずれか1つの方法である。
【0368】
実施形態97は、時間が約40分~約80分である、実施形態96の方法である。
【0369】
実施形態98は、時間が約60分である、実施形態96又は実施形態97の方法である。
【0370】
実施形態99は、(c)前に約30℃~約50℃の温度で第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む、実施形態87~98のいずれか1つの方法である。
【0371】
実施形態100は、約40℃の温度で第1のコーティングを乾燥させることをさらに含む、実施形態99の方法である。
【0372】
実施形態101は、第1のコーティングの上で農産物の表面上に第2のコーティングを塗布することが、植物性物質を第2のコーティング中に浸漬することを含む、実施形態86~100のいずれか1つの方法である。
【0373】
実施形態102は、第1のコーティングの上で農産物の表面上に第2のコーティングを塗布することが、第2のコーティングを農産物の表面上に吹き付けることを含む、実施形態87~100のいずれか1つの方法である。
【0374】
実施形態103は、第2のコーティングを塗布した後、農産物からの水損失速度が低下する、実施形態87~102のいずれか1つの方法である。
【0375】
実施形態104は、第2のコーティングを塗布した後、農産物によるCO2生成速度が低下する、実施形態87~103のいずれか1つの方法である。
【0376】
実施形態105は、第2のコーティングを塗布した後、農産物の質量損失速度が低下する、実施形態87~104のいずれか1つの方法である。
【0377】
実施形態106は、第1のコーティング及び第2のコーティングが収穫前の農産物上にコーティングされる、実施形態105のコーティングされた農産物である。
【0378】
実施形態107は、第1のコーティング及び第2のコーティングが収穫後の農産物上にコーティングされる、実施形態105の農産物である。
【0379】
実施形態108は、分割されている、実施形態87~107のいずれか1つの農産物である。
【0380】
本開示は、多くの具体的な実施形態の詳細を含むが、これらは、その主題の範囲又は特許請求され得る範囲に対する限定であると解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有であり得る特徴の記述であると解釈されるべきである。別々の実施形態に関連して本開示に記載される特定の特徴は、組み合わせて1つの実施形態で実施することもできる。逆に、1つの実施形態に関連して記載される種々の特徴は、別々に又はあらゆる適切な部分組み合わせで複数の実施形態において実施することもできる。さらに、前述の特徴は、ある組み合わせで機能すると記載されている場合があり、最初にそのように特許請求される場合があるが、特許請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、幾つかの場合、その組み合わせから除外することができ、特許請求される組み合わせは、部分組み合わせ又は部分組み合わせの変形形態を対象とする場合がある。
【0381】
主題の特定の実施形態が記載されている。当業者に明らかとなるように、別の実施形態、記載の実施形態の変更形態及び並べ換えは、以下の請求項の範囲内となる。図面又は請求項において、特定の順序で操作が記載されるが、これは、そのような操作が、示される特定の順序若しくは連続する順序で行われること又は記載のすべての操作が所望の結果を得るために行われる(一部の操作は、任意選択であると見なすことができる)ことが要求されるものと理解すべきではない。
【0382】
したがって、前述の例の実施形態は、本開示を規定又は限定するものではない。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、別の変化形態、置換形態及び変更形態も可能である。
【国際調査報告】