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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】サイドリンク間欠受信手順
(51)【国際特許分類】
   H04W 52/02 20090101AFI20240314BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240314BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20240314BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W92/18
H04W76/27
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560094
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 EP2022058655
(87)【国際公開番号】W WO2022207840
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】21166595.5
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】フェーレンバッハ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ギョクテペ バリス
(72)【発明者】
【氏名】セルヴァネサン サルン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィルト トーマス
(72)【発明者】
【氏名】シエアール トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゲ コーネリアス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067CC22
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
(57)【要約】
無線通信システムのためのユーザデバイスが開示される。無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含む。ユーザデバイスはサイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスから送信を受信する。ユーザデバイスは間欠受信モードで動作する。ユーザデバイスは、特定の基準が満たされた場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスからの送信を受信し、
前記ユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、
前記ユーザデバイスは、特定の基準が満たされた場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入る、ユーザデバイス。
【請求項2】
前記特定の基準は、
・送信終了通知を受信したこと、
・さらなるユーザデバイスからアナウンスされたすべての送信が受信されたこと、
・早期ACKなどの送信の再送信のために将来のさらなるリソースが予約されている前記送信の受信に成功したこと、
・前記さらなるユーザデバイスからの進行中の送信がないこと、
・グループリーダーユーザデバイスまたは特定のIDを有するユーザデバイスからの進行中の送信がないこと、
・基地局または中継ノードからの進行中の送信がないこと、
・受信した送信の内容、
・CAM(Cooperative Awareness Message)、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)、またはBSM(Basic Safety Message)を含む送信のような特定の送信をn回受信したこと(n=2、3、4・・・)、
・前記ユーザデバイスのバッテリ状態が、設定または事前設定された閾値を下回っていること、
・前記ユーザデバイスが、事前に定義されたゾーンまたは建物内などの特定の地理的位置内を移動していること、
・前記ユーザデバイスが移動しているまたは移動していないこと、
のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載のユーザデバイス。
【請求項3】
前記ユーザデバイスは、非アクティブタイマー持続時間の間、前記ユーザデバイスがアクティブ状態に留まり、且つ、送信を検出するために少なくとも制御チャネルを監視する、当該非アクティブタイマー持続時間を指定する非アクティブタイマーを備え、
前記ユーザデバイスは、第1のさらなるユーザデバイスによる送信を受信することに応答して前記非アクティブタイマーを開始する、請求項1または2に記載のユーザデバイス。
【請求項4】
前記ユーザデバイスは、前記非アクティブタイマー持続時間中の前記第1のさらなるユーザデバイスによるさらなる送信および/もしくは第2のさらなるユーザデバイスによる送信を受信することに応答して、またはグループリーダーユーザデバイスからの信号によって、または基地局、中継ノード、もしくは路側機からの信号によって、前記非アクティブタイマー持続時間を延長し、
前記ユーザデバイスは、前記第1のさらなるユーザデバイスおよび前記第2のさらなるユーザデバイスの両方による送信終了通知などの前記特定の基準が満たされた場合に応答して、前記延長された非アクティブタイマー持続時間の終了時点に達する前に前記非アクティブモードまたはスリープモードに入る、請求項3に記載のユーザデバイス。
【請求項5】
前記ユーザデバイスは、送信終了通知に応答して前記非アクティブモードまたはスリープモードに入り、
前記ユーザデバイスは、
・終了した前記送信を実行するさらなるユーザデバイス、
・前記ユーザデバイスが属するユーザデバイスグループのグループリーダーユーザデバイスなどの終了した前記送信を実行していないさらなるユーザデバイス、
・中継ノード、
・路側機またはIOTデバイス、
・基地局などの無線通信システムのアクセスポイント、
のうちの1つ以上から送信終了通知を受信する、請求項2から4のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項6】
さらなるユーザデバイスによる送信終了通知は、
・DRXコマンドMAC(Medium Access Control)、CE(Control Element)などを使用した、前記さらなるユーザデバイスによる送信終了通知、または
・TRIV(time resource indicator value)またはFRIV(frequency resource indicator value)などを使用した、前記さらなるユーザデバイスによる前記送信のために予約されたリソースの数の通知、または
・第1ステージSCI(sidelink control information)または第2ステージSCIなどのSCI、または
・AIM(assistance Information message)、
によって示される、請求項5に記載のユーザデバイス。
【請求項7】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスに1つ以上の送信を送り、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、
前記ユーザデバイスは、前記さらなるユーザデバイスが非アクティブモードまたはスリープモードに入ることができるように、前記さらなるユーザデバイスに前記1つ以上の送信の終了を示す、ユーザデバイス。
【請求項8】
前記ユーザデバイスは、
・間欠受信コマンドMAC(Medium Access Control)、CE(Control Element)などを使用した、前記さらなるユーザデバイスへの送信終了通知、または
・TRIV(time resource indicator value)またはFRIV(frequency resource indicator value)などを使用した、前記さらなるユーザデバイスへの前記送信のために予約されたリソースの数の通知、または
・第1ステージSCI(sidelink control information)または第2ステージSCIなどのSCI、または
・AIM(assistance Information message)、
・前記さらなるユーザデバイスに送信される送信の数もしくは送信されるデータの量などのバッファ状態レポートを示すもの、
によって、前記さらなるユーザデバイスに前記1つ以上の送信の終了を示す、請求項7に記載のユーザデバイス。
【請求項9】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスに複数の送信を送り、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、前記複数の送信はそれぞれ、少なくとも1つの初期送信を含み、
前記ユーザデバイスは、前記初期送信のうちの少なくとも1つより多くが、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスの前記間欠受信サイクルのオン持続時間内に収まるように、前記複数の送信を前記さらなるユーザデバイスに送信する、ユーザデバイス。
【請求項10】
前記複数の送信のうちの1つ以上は、より後の時点における前記初期送信に続く少なくとも1つのさらなる送信を含む、請求項9に記載のユーザデバイス。
【請求項11】
前記複数の送信は、特定の基準に関連付けられた送信である、請求項9または10に記載のユーザデバイス。
【請求項12】
前記特定の基準は、
・優先度が、設定または事前設定された閾値以上である、
・サービス品質要件が、設定または事前設定された閾値以上である、
・特定の設定または事前設定されたデータレート閾値などのパケットクオータ、
・設定または事前設定された最小または最大の送信の数などの送信の数、
・特定のCAM(Cooperative Awareness Message)または特定のDENM(Decentralized Environmental Notification Message)などのメッセージの内容、
のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載のユーザデバイス。
【請求項13】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスから送信を受信し、
前記ユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、
間欠受信サイクルの間、前記ユーザデバイスは特定のアクティブ時間の間アクティブであり、前記特定のアクティブ時間は1つ以上の基準に依存する、ユーザデバイス。
【請求項14】
前記1つ以上の基準は、
・送信のパケットの1つ以上の特性、
・送信に使用される論理チャネル、
・送信に使用される論理チャネルグループ、
・サービス品質フロー、
・優先度、遅延、またはデータレートなど、送信に関連するサービス品質要件、
・地理的位置またはゾーン、
・チャネルビジー率、
・ユーザデバイスのタイプ、
・初期送信および/または少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソース、
・ユーザデバイスの現在のバッテリ状態、
のうちの1つ以上を含む、請求項13に記載のユーザデバイス。
【請求項15】
前記ユーザデバイスは、前記間欠受信サイクルおよび前記アクティブ時間を定義する間欠受信設定を受信し、前記ユーザデバイスは、
・前記送信を実行するさらなるユーザデバイス、
・ユーザデバイスが属するユーザデバイスグループのグループリーダーユーザデバイスなどの前記送信を実行していないさらなるユーザデバイス、
・中継ノード、
・路側機またはIOTデバイス、
・基地局などの無線通信システムのアクセスポイント、
のうちの1つ以上から前記間欠受信設定を受信し得る、請求項13または14に記載のユーザデバイス。
【請求項16】
前記アクティブ時間は、設定されるか、事前設定されるか、または動的である、請求項13から15のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項17】
前記ユーザデバイスには、前記間欠受信サイクルに対して複数のオン継続時間が設定または事前設定されており、前記ユーザデバイスは、1つ以上の基準に応じて使用されるオン継続時間を決定する、請求項16に記載のユーザデバイス。
【請求項18】
前記ユーザデバイスには、前記間欠受信サイクルに対して1つ以上のデフォルトのオン継続時間が設定または事前設定されており、前記ユーザデバイスは、先行する送信に基づいて前記デフォルトのオン継続時間を延長し、延長されたオン継続時間にする、請求項16または17に記載のユーザデバイス。
【請求項19】
前記延長されたオン継続時間を引き起こした前記送信の終了に応答して、前記ユーザデバイスは前記延長を取り消し、前記デフォルトのオン継続時間に戻る、請求項18に記載のユーザデバイス。
【請求項20】
送信は、初期送信と、より後の時点における前記初期送信に続く少なくとも1つのさらなる送信とを含み、
前記少なくとも1つのさらなる送信による使用のために予約された1つ以上のリソースの指示に応答して、前記ユーザデバイスは、少なくとも前記指示された1つ以上のリソースを含むように前記アクティブ時間を延長する、請求項13から15のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項21】
前記ユーザデバイスは、
・前記指示された予約済みリソースまで、前記間欠受信サイクルのオン継続時間を延長する、および/または
・前記アクティブ時間中に監視されるべき前記指示された予約済みリソースのみを、前記間欠受信サイクルのオン継続時間に追加する
ことによって前記アクティブ時間を延長する、請求項20に記載のユーザデバイス。
【請求項22】
前記ユーザデバイスは、前記オン継続時間と、前記指示された予約済みリソースとの間で前記非アクティブモードまたはスリープモードに入る、請求項21に記載のユーザデバイス。
【請求項23】
前記1つ以上のさらなる送信は、前記初期送信の再送信であり、
前記オン継続時間内に前記初期送信を正常に受信したことに応答して、前記ユーザデバイスは、任意選択で肯定応答またはサイドリンクAIM(assistance information)を送信した後、前記非アクティブまたはスリープモードに入り、前記指示された予約済みリソースの監視をスキップする、請求項21または22に記載のユーザデバイス。
【請求項24】
前記1つ以上のさらなる送信は、前記初期送信の再送信であり、
前記オン継続時間外の予約済みリソースで再送信が受信されないことに応答して、前記ユーザデバイスは、
・非アクティブタイマーの間など前記再送信が予期されていたタイムスロットの後の特定の時間間隔の間、アクティブを維持する、または
・n個の再送信を受信するためにアクティブを維持する(n≦通知された、または事前設定された再送信の最大数)、または
・前記非アクティブモードまたはスリープモードに入り、前記間欠受信サイクルの次のオン継続時間の間だけ起動する、または
・AIM(assistance information)などの再送信のための時間および/または周波数情報を有する支援情報を送信機に送信する、または
・AIMなどの追加オン継続時間に関する情報を有する支援情報を前記送信機に送信する、請求項21または22に記載のユーザデバイス。
【請求項25】
前記予約済みリソースに加えて、前記ユーザデバイスはリソース予約期間を受信し、前記リソース予約期間は、前記予約済みリソースが、前記予約期間に続く期間中のさらなる送信に使用されることを示し、
前記リソース予約期間の指示に応答して、前記ユーザデバイスは、前記予約期間に続く期間中の前記指示された1つ以上のリソースを含むように前記アクティブ時間を延長する、請求項20から24のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項26】
前記送信機が前記送信のために他のリソースを選択したことを示す、ゼロなどの特定の継続時間を有するリソース予約期間に応答して、前記ユーザデバイスは前記非アクティブまたはスリープモードに入り、前記間欠受信サイクルの次のオン継続時間中にのみ起動する、請求項25に記載のユーザデバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つのさらなる送信によって使用される前記1つ以上のリソースは、サイドリンク情報SCIメッセージなどの前記ユーザデバイスによって受信される制御メッセージ内で指示される、請求項20から26のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項28】
前記SCIは、TRIV(time resource Indicator value)フォーマットまたはFRIV(format or a frequency resource indicator value)フォーマットなどを使用して、特定の数の将来のタイムスロット内で予約された前記リソースを示し、任意選択で、前記リソース予約期間は、前記予約期間に続く期間中のさらなる送信のために前記予約済みリソースが使用されることを示す、請求項27に記載のユーザデバイス。
【請求項29】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスと通信し、
前記ユーザデバイスは、前記さらなるユーザデバイスのうちの1つ以上を、間欠受信モードで動作するように設定し、
前記ユーザデバイスは、1つ以上の基準に応じて前記さらなるユーザデバイスの間欠受信設定を決定する、ユーザデバイス。
【請求項30】
前記1つ以上の基準は、
・送信のパケットの1つ以上の特性、
・送信に使用される論理チャネル、
・送信に使用される論理チャネルグループ、
・サービス品質フロー、
・優先度、遅延、またはデータレートなど、送信に関連するサービス品質要件、
・地理的位置またはゾーン、
・他のユーザデバイスのタイプ、
・初期送信および/または少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソース、
・ユーザデバイスの現在のバッテリ状態、
のうちの1つ以上を含む、請求項29に記載のユーザデバイス。
【請求項31】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスから送信を受信し、
前記ユーザデバイスは、間欠受信モードで動作し、間欠受信サイクル中、特定のアクティブ時間、例えば前記オン継続時間の間アクティブであり、
前記ユーザデバイスは1つ以上の基準に応じて、送信を復号するか、または送信の復号をスキップする、ユーザデバイス。
【請求項32】
前記1つ以上の基準は、優先度、および/または宛先、および/または前記送信に関連付けられたHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)インジケータ、および/またはユニキャスト送信、グループキャスト送信、またはブロードキャスト送信などの前記送信に関連付けられたキャストタイプを含む、請求項31に記載のユーザデバイス。
【請求項33】
送信機が前記送信に対するフィードバックを要求していることを前記送信に関連付けられたHARQインジケータが示す場合、前記ユーザデバイスは前記送信を復号し、前記フィードバックを送信する、請求項32に記載のユーザデバイス。
【請求項34】
前記ユーザデバイスは、物理サイドリンク制御チャネル上の第1ステージSCIにおいて優先度フィールドを確認し、前記優先度フィールドが、特定の優先度閾値を下回る優先度を示す場合、関連付けられた物理サイドリンク共有チャネルの復号をスキップする、請求項32に記載のユーザデバイス。
【請求項35】
前記ユーザデバイスは、物理サイドリンク共有チャネル上の第2ステージSCIにおいて宛先フィールドを確認し、前記宛先フィールドが、前記送信が前記ユーザデバイスまたは前記ユーザデバイスが所属するユーザデバイスグループ宛てではないことを示す場合、前記PSSCHのさらなる復号をスキップする、請求項34または34に記載のユーザデバイス。
【請求項36】
前記ユーザデバイスは、第1ステージSCIまたは第2ステージSCIなどのSCI内のキャストタイプを確認し、前記送信が特定のキャストタイプである場合、前記物理サイドリンク共有チャネルのさらなる復号をスキップする、請求項34または35に記載のユーザデバイス。
【請求項37】
前記ユーザデバイスは、物理サイドリンク共有チャネル上の第2ステージSCI内のソースIDフィールドを確認し、前記ソースIDフィールドにより、前記送信が、前記ユーザデバイスが通信を受信しようとしている送信機からの送信ではないこと、または前記送信が、復号すべきソースIDのリストに載っていないことが示される場合、前記物理サイドリンク共有チャネルのさらなる復号をスキップする、請求項34または36に記載のユーザデバイス。
【請求項38】
第2ステージSCIの復号が失敗し、第1ステージSCIの優先度フィールドが特定の閾値以上の優先度を示している場合、前記ユーザデバイスは、例えば再送信が受信されるまでアクティブ時間を延長することによって、前記再送信を受信するためにアクティブになるか、もしくは前記再送信のために前記第1ステージSCIで指示または予約されたリソースでアクティブになる、または
前記2ステージSCIの復号が失敗し、送信が、前記ユーザデバイスへの送信によって以前に予約されたリソース位置にある場合、前記ユーザデバイスは、前記再送信または別の送信が受信されるまでアクティブ時間を延長する、または
以前に予約されたリソースが予期された送信を含まない場合、前記ユーザデバイスは、前記再送信または別の送信が受信されるまでアクティブ時間を延長する、請求項35から37のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項39】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスであって、前記無線通信ネットワークは、複数のユーザデバイスを含み、
前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスと通信し、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信間欠受信モードで動作し、
前記ユーザデバイスは、さらなるユーザデバイスの間欠受信サイクルのオン継続時間中に、前記さらなるユーザデバイスに1つ以上のHARQ対応送信を送信し、
HARQフィードバックを受信しないことに応答して、前記ユーザデバイスは、前記さらなるユーザデバイスの次のオン継続時間までHARQ対応送信を控え、前記さらなるユーザデバイスの前記次のオン継続時間中に前記HARQ対応送信を送信する、ユーザデバイス。
【請求項40】
前記HARQ対応送信を控えることは、
・現在のトランスポートブロックについてそれ以上の再送信を行わない、
・前記次のオン継続時間まで再送信を行わない、
・前記次のオン継続時間中に再送信カウンタを再開する、
・初期冗長バージョンの使用、
・これまでのオン継続時間の量に応じて再送信の回数を減らす、
ことのうちの1つ以上を含む、請求項39に記載のユーザデバイス。
【請求項41】
前記ユーザデバイスは、デフォルトのオン継続時間が経過しても、前記HARQ対応送信を特定の回数だけ再送信し、HARQフィードバックを受信しないことに応答して、前記ユーザデバイスは、前記さらなるユーザデバイスの前記次のオン継続時間まで前記HARQ対応送信を控え、前記さらなるユーザデバイスの前記次のオン継続時間中に前記HARQ対応送信を送信する、請求項39に記載のユーザデバイス。
【請求項42】
前記ユーザデバイスはカバレッジ外モードで動作し、前記カバレッジ外モードにおいて、前記ユーザデバイスは、
・前記無線通信システムの基地局に接続されておらず、例えば、前記ユーザデバイスはモード2で動作するか、またはRRC接続状態にないため、前記ユーザデバイスは、前記基地局から、サイドリンクリソース割り当て設定または支援を受信しない、および/または
・1つ以上の理由により、前記ユーザデバイスのためのサイドリンクリソース割り当て設定または支援を提供できない前記無線通信システムの基地局に接続されている、および/または
・GSM、UMTS、またはLTE基地局などのNR V2Xサービスなどのサイドリンクサービスをサポートしない前記無線通信システムの基地局に接続されている、請求項1から41のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項43】
前記ユーザデバイスは、電力が限られているユーザデバイス、または歩行者によって使用されるユーザデバイスなど、VRU(Vulnerable Road User)もしくはP-UE(Pedestrian UE)と呼ばれるハンドヘルドユーザデバイス、または公安官および第一応答者によって使用される、PS-UE(Public safety UE)と呼ばれる装着型もしくはハンドヘルドユーザデバイス、または反復的なタスクを実行するためにキャンパスネットワーク内に設けられ、周期的にゲートウェイノードからの入力を必要とするセンサ、アクチュエータ、もしくはユーザデバイスなどのIoT ユーザデバイス、またはモバイル端末、または固定端末、またはセルラーIoT-ユーザデバイス、または車両ユーザデバイス、または車両グループリーダーユーザデバイス(GL-UE)、またはIoTもしくはNB-IoT(narrowband IoT)デバイス、または地上車両、または航空機、またはドローン、または移動基地局、または路側機RSU、または建物、または、センサもしくはアクチュエータなどの無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続を有する任意の他のアイテムもしくはデバイス、または、センサもしくはアクチュエータなどのサイドリンクを使用して通信することを可能にするネットワーク接続を有する任意の他のアイテム/デバイス、または任意のサイドリンク対応ネットワークエンティティ、のうちの1つまたは複数を備える、請求項1から42のいずれか一項に記載のユーザデバイス。
【請求項44】
請求項1から43のいずれか一項に記載のユーザデバイスを備えた無線通信システムであって、前記無線通信システムは、サイドリンク通信、例えば、前記無線通信システムのサイドリンクリソースのセットのうちのリソースを使用するサイドリンク通信のために構成されている、無線通信システム。
【請求項45】
前記無線通信システムは1つ以上の基地局を備え、前記基地局は、マクロセル基地局、またはスモールセル基地局、または基地局の中央ユニット、または基地局の分散されたユニット、またはIAB(Integrated Access and Backhaul)ノード、または路側機、またはユーザデバイス、またはグループリーダーユーザデバイス(GL-UE)、またはリレー、またはRRH(Remote Radio Head)、またはAMF、またはMME、またはSMF、またはコアネットワークエンティティ、またはモバイルエッジコンピューティングエンティティ、またはNRもしくは5Gコアコンテキストにおけるもののようなネットワークスライス、または、アイテムもしくはデバイスが前記無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイントのうちの1つ以上を含み、前記アイテムまたはデバイスは、前記無線通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続を有する、請求項44に記載の無線通信システム。
【請求項46】
無線通信システムのためのユーザデバイスの動作方法であって、前期無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含み、前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスからの送信を受信し、前記ユーザデバイスは、間欠受信モードで動作し、前記方法は、
特定の基準が満たされた場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入るステップを含む、方法。
【請求項47】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスの動作方法であって、前記無線通信ネットワークは複数のユーザデバイスを含み、前記方法は、
サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスに1つ以上の送信を送るステップであって、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信モードで動作する、送るステップと、
前記さらなるユーザデバイスが非アクティブモードまたはスリープモードに入ることができるように、前記さらなるユーザデバイスに前記1つ以上の送信の終了を示すステップとを含む、方法。
【請求項48】
無線通信ネットワークのためのユーザデバイスの動作方法であって、前記無線通信ネットワークは複数のユーザデバイスを含み、前記方法は、
サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスに複数の送信を送るステップであって、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、前記複数の送信はそれぞれ、少なくとも1つの初期送信を含む、送るステップと、
前記初期送信のうちの少なくとも1つより多くが、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスの前記間欠受信サイクルのオン持続時間内に収まるように、前記複数の送信を前記さらなるユーザデバイスに送信するステップとを含む、方法。
【請求項49】
無線通信システムのためのユーザデバイスの動作方法であって、前期無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含み、前記ユーザデバイスは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスからの送信を受信し、前記ユーザデバイスは、間欠受信モードで動作し、前記方法は、
間欠受信サイクル中、特定のアクティブ時間の間アクティブを維持するステップを含み、前記特定のアクティブ時間は1つ以上の基準に依存する、方法。
【請求項50】
無線通信システムのためのユーザデバイスの動作方法であって、前期無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含み、前記ユーザデバイスは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスと通信し、前記方法は、
前記さらなるユーザデバイスのうちの1つ以上を、間欠受信モードで動作するように設定するステップを含み、
前記さらなるユーザデバイスの間欠受信設定は1つ以上の基準に依存して決定される、方法。
【請求項51】
無線通信システムのためのユーザデバイスの動作方法であって、前記無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含み、前記ユーザデバイスは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスからの送信を受信し、前記ユーザデバイスは、間欠受信モードで動作し、間欠受信サイクル中、オン継続時間などの特定のアクティブ時間の間アクティブであり、前記方法は、
1つ以上の基準に応じて、送信を復号するか、または前記送信の復号をスキップするステップを含む、方法。
【請求項52】
無線通信システムのためのユーザデバイスの動作方法であって、前期無線通信システムは、複数のユーザデバイスを含み、前記ユーザデバイスは、サイドリンクを介して1つ以上のさらなるユーザデバイスと通信し、前記1つ以上のさらなるユーザデバイスは間欠受信モードで動作し、前記方法は、
さらなるユーザデバイスの間欠受信サイクルのオン継続時間中に、前記さらなるユーザデバイスに1つ以上のHARQ対応送信を送信するステップと、
HARQフィードバックを受信しないことに応答し、前記さらなるユーザデバイスの次のオン継続時間までHARQ対応送信を控え、前記さらなるユーザデバイスの前記次のオン継続時間中に前記HARQ対応送信を送信するステップとを含む、方法。
【請求項53】
コンピュータ上で実行されると、請求項46から52のいずれか一項に記載の方法を実行する命令を保存する。コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、無線通信システムまたは無線通信ネットワークの分野に関し、より具体的には、サイドリンク(SL)上での間欠受信(DRX)に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、図1(a)に示されるように、コアネットワーク102および1つ以上の無線アクセスネットワークRAN1、RAN2、・・・RANNを含む地上系無線ネットワーク100の一例の概略図である。図1(b)は、1つ以上の基地局gNB1~gNB5を含み得る無線アクセスネットワークRANnの一例の概略図である。各基地局は、それぞれのセル1061~1065によって概略的に表される、基地局を囲む特定のエリアにサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供するために設けられている。1つ以上の基地局は、ライセンスバンドおよび/またはアンライセンスバンドでユーザにサービスを提供し得る。基地局(BS)という用語は、5Gネットワーク内のgNB、UMTS/LTE/LTE-A/LTE-A Pro内のeNB、または他のモバイル通信規格の単なるBSを指す。ユーザは、固定デバイスであってもモバイルデバイスであってもよい。無線通信システムは、基地局またはユーザに接続するモバイルまたは固定IoTデバイスによってもアクセスされ得る。モバイルまたは固定デバイスとは、物理デバイス、ロボットまたは車等の地上車両、有人航空機または無人航空機(UAV)等の航空機(後者はドローンとも呼ばれる)、および建物、ならびに、電子機器、ソフトウェア、センサ、またはアクチュエータ等と、デバイスが既存のネットワークインフラを介してデータを収集および交換することを可能にするネットワーク接続とが組み込まれているアイテムまたはデバイスを含み得る。図1(b)は5つのセルの例示的な図を示しているが、RANnは、より多くのまたは少ないそのようなセルを含むことができ、また、RANnは基地局を1つしか含まなくてもよい。図1(b)は、セル1062内に存在し、基地局gNB2によってサービスを提供される、ユーザデバイスまたはユーザ機器とも呼ばれる2つのユーザUE1およびUE2を示している。基地局gNB4によってサービスを提供される、セル1064内の別のユーザUE3が示されている。矢印1081、1082、および1083は、ユーザUE1、UE2、およびUE3から基地局gNB2、gNB4にデータを送信するために、または基地局gNB2、gNB4からユーザUE1、UE2、UE3にデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を概略的に表している。これは、ライセンスバンドまたはアンライセンスバンド上で実現され得る。さらに、図1(b)は、、固定またはモバイルデバイスであり得る、セル1064内の2つのさらなるデバイス1101および1102、例えばIoTデバイスを示している。デバイス1101は、基地局gNB4を介して無線通信システムにアクセスし、矢印1121によって概略的に表されるようにデータを送受信する。デバイス110は、矢印112によって概略的に表されるように、ユーザUEを介して無線通信システムにアクセスする。
【0003】
それぞれの基地局gNB1~gNBは、例えば、S1インターフェースを介して、それぞれのバックホールリンク1141~1145を介して、コアネットワーク102に接続されてもよい。図1(b)では、バックホールリンクは、「コア」を指す矢印によって概略的に表されている。コアネットワーク102は1つ以上の外部ネットワークに接続され得る。外部ネットワークはインターネットであってもよく、またはプライベートネットワーク、例えば、イントラネットもしくは任意の他のタイプのキャンパスネットワーク、例えば、プライベートWiFi通信システムもしくは4G/5Gモバイル通信システムなどであり得る。また、それぞれの基地局gNB1~gNBの一部またはすべては、例えば、S1もしくはX2インターフェース、またはNR内のXNインターフェースを介して、図1(b)では「gNB」を指す矢印によって概略的に表されている、それぞれのバックホールリンク1161~1165を介して互いに接続され得る。サイドリンクチャネルは、デバイス間(D2D)通信とも呼ばれる、UE間の直接通信を可能にする。3GPP(登録商標)内のサイドリンクインターフェースはPCSと呼ばれている。
【0004】
データ送信のために、物理リソースグリッドが使用され得る。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号がマッピングされる、リソース要素のセットを含み得る。例えば、物理チャネルは、ユーザ固有データを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンク共有チャネルPDSCH、PUSCH、PSSCH(ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンクペイロードデータとも呼ばれる)と、例えば、マスター情報ブロックMIB、および1つ以上のシステム情報ブロックSIB、1つ以上のサイドリンク情報ブロックSLIB(サポートされている場合)を搬送する物理ブロードキャストチャネルPBCHと、例えば、ダウンリンク制御情報DCI、アップリンク制御情報UCI、およびサイドリンク制御情報SCIを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク、およびサイドリンク制御チャネルPDCCH、PUCCH、PSSCHと、PCSフィードバック応答を搬送する物理サイドリンクフィードバックチャネルPSFCHとを含み得る。サイドリンクインターフェースは2ステージSCIをサポートする可能性がある。これは、SCIの一部を含む第1の制御領域(第1ステージSCIとも呼ばれる)、および任意選択で、制御情報の第2の部分を含む第2の制御領域(第2ステージSCIとも呼ばれる)を指す。
【0005】
アップリンクの場合、物理チャネルはさらに物理ランダムアクセスチャネルPRACHまたはRACHを含み得る。これは、UEがMIBおよびSIBを同期させて取得した後に、ネットワークにアクセスするためにUEによって使用される。物理信号は、基準信号またはシンボルRS、および同期信号などを含むことができる。リソースグリッドは、時間領域において特定の持続時間を有し、周波数領域において所与の帯域幅を有するフレームまたは無線フレームを含み得る。フレームは、所定の長さ(例えば、1ms)のサブフレームを特定の数、有し得る。各サブフレームは、サイクリックプレフィックスCPの長さに応じて、12または14のOFDMシンボルの1つ以上のスロットを含み得る。フレームは、より少ない数のOFDMシンボルを有してもよく、例えば、短縮された送信時間間隔sTTI、または、わずか少数のOFDMシンボルを含むミニスロット/ノンスロットフレーム構造を利用する場合、そうであってもよい。
【0006】
無線通信システムは、周波数分割多重化を使用する任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムであり得、例えば、OFDM(orthogonal frequency-division multiplexing)システム、OFDMA(orthogonal frequency-division multiple access)システム、または、CP(Cyclic Prefix)を有するもしくは有さない任意の他のIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)ベースの信号、例えばDFT-s-OFDM(Discrete Fourier Transform-spread-OFDM)であってもよい。他の波形、例えば、多重アクセス用の非直交波形、例えば、FBMC(filter-bank multicarrier)、GFDM(generalized frequency division multiplexing)、またはUFMC(universal filtered multi carrier)が使用されてもよい。無線通信システムは、例えば、LTE-Advanced pro規格、または5GもしくはNR(New Radio)規格、またはNR-U(New Radio Unlicensed)規格に従って動作することができる。
【0007】
図1に示される無線ネットワークまたは通信システムは、異なるオーバーレイネットワーク(例えば、各マクロセルが、基地局gNB1~gNBのようなマクロ基地局を含むマクロセルネットワークと、図1には示されていない、フェムト基地局やピコ基地局などのスモールセル基地局)を有する異種ネットワークであってもよい。上記地上系無線ネットワークに加えて、衛星のような宇宙で動作する送受信機、および/または無人航空機システムのような空中で動作する送受信機など、非地上系無線通信ネットワークNTNも存在する。非地上系無線通信ネットワークまたはシステムは、例えば、LTE-AdvancedPro規格または5GもしくはNR(new radio)規格に従って、図1を参照して上述した地上システムと同様に動作し得る。
【0008】
モバイル通信ネットワークでは、例えば、図1を参照して上述したようなネットワークでは、LTEまたは5G/NRネットワークのように、例えば、PC5/PC3インターフェースまたはWiFiダイレクトを使用して、1つ以上のサイドリンクSLチャネルを介して互いに直接通信するUEが存在し得る。サイドリンクを介して互いに直接通信するUEとしては、他の車両と直接通信する車両(V2V通信)や、無線通信ネットワークの他のエンティティ、例えば、路側機RSU、または信号機、道路標識、もしくは歩行者などの路傍エンティティと通信する車両(V2X通信)が含まれ得る。RSUは、具体的なネットワーク構成に応じて、BSまたはUEの機能を有し得る。他のUEは、車両に関係のないUEであってもよく、上記デバイスのうちの任意のものを含み得る。このようなデバイスも、SLチャネルを使用して、互いに直接通信し得る(D2D通信)。
【0009】
例えば、PC5/PC3インターフェースを使用して、サイドリンクを介して互いに直接通信する2つのUEを考えると、UEのうちの1つはBSと接続されてもよく、サイドリンクインターフェースを介してBSから上記他方のUEに情報を中継してもよい(その逆も成立する)。中継は、同じ周波数帯域内で実行されてもよく(帯域内中継)、別の周波数帯域(帯域外中継)が使用されてもよい。1つ目のケースでは、Uuおよびサイドリンク上での通信は、時分割複信(TDD)システムのように、異なるタイムスロットを使用して切り離すことができる。
【0010】
図2は、互いに直接通信する2つのUEが共にある基地局に接続されているカバレッジ内シナリオの概略図である。基地局gNBは、基本的には図1に概略的に表されるセルに対応する、円200によって概略的に表されるカバレッジエリアを有する。互いに直接通信するUEは、基地局gNBのカバレッジエリア200内に両方が存在する第1の車両202および第2の車両204を含む。両方の車両202、204が基地局gNBに接続されおり、さらに、両者はPC5インターフェースを介して互いに直接接続されている。V2Vトラフィックのスケジューリングおよび/または干渉管理は、基地局とUEとの間の無線インターフェースであるUuインターフェースを介した制御通知により、gNBによって支援される。言い換えれば、gNBは、UEに、SLリソース割り当て設定または支援を提供し、また、gNBは、サイドリンクを介したV2V通信に使用されるリソースを割り振る。この設定は、NR V2Xではモード1設定とも呼ばれ、LTE V2Xではモード3設定とも呼ばれている。
【0011】
図3は、互いに直接通信しているUEが、物理的には無線通信ネットワークの或るセル内に存在し得るが、基地局に接続されていないか、または、互いに直接通信しているUEの一部もしくはすべてが基地局に接続されているが、基地局がSLリソース割り当て設定もしくは支援を提供しない、カバレッジ外シナリオの概略図である。例えば、PCSインターフェースを使用して、サイドリンクを介して互いに直接通信している3台の車両206、208、および210が示されている。V2Vトラフィックのスケジューリングおよび/または干渉管理は、車両間に実装されたアルゴリズムに基づいている。この設定は、NR V2Xではモード2設定とも呼ばれ、LTE V2Xではモード4設定とも呼ばれている。上述したように、カバレッジ外シナリオである図3のシナリオは、NRでのモード2UEまたはLTEでのモード4UEが基地局のカバレッジ200外に存在することを必ずしも意味するものではなく、むしろ、NRでのモード2UEまたはLTEでのモード4UEが、基地局によってサービスを提供されていないか、カバレッジエリアの基地局に接続されていないか、または基地局に接続されているが基地局からSLリソース割り当て設定もしくは支援を受信していないことを意味する。したがって、図2に示されるカバレッジエリア200内で、NRモード1またはLTEモード3のUE2022、204に加えて、NRモード2またはLTEモード4のUE206、208、210も存在する状況があり得る。さらに、図3は、ネットワークと通信するためにリレーを使用するカバレッジ外UEを概略的に示している。例えば、UE210は、サイドリンクを介してUE212と通信することができ、UE1は、Uuインターフェースを介してgNBに接続し得る。したがって、UE212は、gNBとUE210との間で情報を中継することができる。
【0012】
図2および図3は車両UEを示しているが、説明されるカバレッジ内シナリオおよびカバレッジ外シナリオは、車両以外のUEにも適用されることに留意されたい。言い換えれば、SLチャネルを使用して別のUEと直接通信するハンドヘルドデバイスのようなあらゆるUEがカバレッジ内およびカバレッジ外であり得る。
【発明の概要】
【0013】
図1図2、または図3を参照して上述した無線通信システムでは、サイドリンクを介して通信するUEは、間欠受信(DRX)モードで動作する可能性がある。
【0014】
上記したような従来技術を元に、サイドリンクを介して通信し、間欠受信(DRX)モードで動作するUEを拡張または改善する必要性が存在する可能性がある。
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態についてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、無線通信システムの一例を示す概略図である。
図2図2は、互いに直接通信する2つのUEが共にある基地局に接続されているカバレッジ内シナリオの概略図である;
図3図3は、UEが互いに直接通信するカバレッジ内シナリオの概略図である。
図4図4は、基地局と通信するユーザデバイスにおける従来のDRXモードを示す。
図5図5は、本発明の実施形態に従って動作可能な基地局などの送信機、およびユーザデバイス(UE)などの1つ以上の受信機を含む無線通信システムの概略図である。
図6図6は、サイドリンク制御情報SCI等の制御メッセージをサイドリンクを介して受信した後の延長されたオン持続時間の実施形態を示し、メッセージの受信後に早期終了通知が行われている。
図7図7は、RX UEがサイドリンクを介して2つのTX UEからそれぞれの送信および早期終了通知を受信する実施形態を示す。
図8図8は、指示されたリソースのみを監視することによる省電力の実施形態を示すし図8(a)は、将来のリソース予約に基づいてオン継続時間を延長する実施形態を示し、図8(b)は、将来のリソース予約に基づいて監視されるアクティブ時間スロットの実施形態を示す。
図9図9は、本発明の手法に係るユニットまたはモジュール、および方法のステップが動作し得るコンピュータシステムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態をより詳細に説明する。図中、同じまたは類似の要素には同じ参照符号が割り当てられている。
【0018】
図1図2、または図3を参照して上記したような無線通信システムまたはネットワークでは、それぞれのユーザデバイス間のサイドリンク通信、例えばV2V(vehide-to-vehicle communication)、V2X(vehicle-to-anything communication)、または、例えば上記したような任意の他のユーザデバイス間で行われる、任意のD2D(device-to-device communication)が実装され得る。しかし、NR-Uu動作、またはPC5動作などのサイドリンク動作では、UEは常時起動しており、ネットワークや別のUEから受信できるようにするために、すべてのサブフレームで制御チャネルを監視している。送信または受信するデータがない場合でもUEは常に起動しているため、UEでの電力消費が増加する。NR V2X のような車両のユースケースでは、車両UE(V‐UE)は、十分な電源、例えば車両の車載バッテリを備えたデバイスであることから、省電力は問題にならない可能性がある。
【0019】
しかし、サイドリンク通信またはサイドリンクPC5動作は車両UEの動作に限定されず、定期的に充電する必要があるバッテリを含む通常のユーザデバイスなど、電力供給が限られているまたは有限である他のUEもサイドリンクを介して通信する可能性がある。このようなUEには、歩行者UE(P-UE)などのいわゆる交通弱者(VUE)、公共の安全のためのファーストレスポンダーデバイス、または汎用IOT UEや産業用IOT UEなどのIOTデバイスが含まれ得る。この種のUEは常時電源に接続されておらず、バッテリに依存しているため、省電力が重要である。
【0020】
NRにおけるUEでの電力消費を削減するために、Uuインターフェースでは間欠受信(DRX)が採用されている。例えば、NRの場合、DRX動作のさらなる詳細は3GPP(登録商標) TS 38.321にて定義されている。DRXは、UEがある期間スリープモードに入り、その間データの送受信を行わないメカニズムである。UEは、データの送受信が行われ得る別の期間のために起動する。DRXの重要な側面の1つは、DRXサイクルとも呼ばれる起動サイクルとスリープサイクルに関するUEとネットワークとの間の同期である。最悪の場合は、ネットワークがスリープモードのUEにデータを送信しようとし、UEが起動したときには受信するデータが存在しない。NR-Uuインターフェースでは、スリープサイクルと起動サイクルに関して、UEとネットワークまたはシステムとの間で明確に定義された合意を維持することで、この状況が防止される。言い換えれば、gNBによってUEにDRXを設定することにより、DRXはgNBと同期される。DRXサイクルは、ある固定の時間間隔内にオン時間およびオフ時間の両方を含む。NR Uuインターフェースの場合は短いDRXサイクルと長いDRXサイクルが定義されており、短いDRXサイクルは、あるタイムスロット内の少数のシンボルにまたがる一方、長いDRXサイクルは、タイムスロット全体または複数のタイムスロットにまたがる可能性がある。新しい送信を示す制御メッセージの復号に成功した後にUEがアクティブ状態になる連続制御メッセージの数が、次の構成を用いて非アクティブタイマーによって指定され得る。
・タイマーは、新たな送信のための制御メッセージ、および/またはUEに向けられた他の制御メッセージ(例えば、UE固有RNTIまたはグループ固有RNTIによってスクランブルされたメッセージ)を受信したとき、または、例えばグループリーダーUE、基地局、中継ノード、または路側機(RSU)から対応する信号を受信したときに再開される。
・タイマーが満了すると、UEはDRXモードまたはオフ時間に移行する。
【0021】
図4は、非アクティビティタイマーを使用するDRXモードを示す。DRX設定は、DRXサイクルの開始時のオン時間または期間252、および後続するオフ時間またはオフ継続時間254を含む、特定の時間にわたるDRXサイクル250を定義する。Uuインターフェースでは、UEはオン時間252の間起動またはアクティブ状態になる。さらに、オン時間中に送信またはパケットが受信されるたびに、非アクティブタイマーとも呼ばれる上記タイマーが開始される。図4では、時点t3で始まるDRXサイクルのオン継続時間252中のデータパケットの受信が256にて示されている。例えば、DCI256がPDCCH上でUEによって受信されると、非アクティビティタイマーが開始さることによってDRXアクティブ時間258が追加され、DRX設定によって定義される元のオン継続時間252が時点t4からt6に延長される。これにより、送信機は、PSCCH上でDCI256に関連付けられたさらなるデータを送信できる。送信機がそれ以上データを送信するつもりがない場合、送信機は、UEを非アクティブモードまたはスリープモードにするためのDRXコマンドを送信し得る。例えば、非アクティブタイマー持続時間258中の任意の時点において、UEは、送信機からさらなるデータが来る予定がないこと、または送信機がさらなるデータを送信しないことを示すDRXコマンドを受信し得る。例えば、非アクティブタイマー持続時間258の終了時点t6より前の時点t5においてこのような送信終了通知260が受信されると、UEはスリープモードに戻ることができる。なお、送信終了通知260は、非アクティブタイマーをトリガしない送信に対しても受信されてもよい。これにより、DRX通信によって定義される通常のオン継続時間252が、通知260に応答して、そのオン継続時間252の設定された終了時点の前に終了されてもよい。
【0022】
図4を参照して上述した、送信終了通知260に応答して、DRXモードで動作しているUEをスリープ状態または非アクティブ状態にし、設定された終了時点前にオン継続時間252を終了させるか、また非アクティブタイマー持続時間258が終了する前に延長されたオン継続時間を終了させるプロセスは、UEが基地局と通信している場合に上手く機能する。なぜなら、基地局は特定のUEに関するすべての送信を認識しており、基地局はこの知識に基づいて、UEへのさらなる送信がスケジュールされていない場合に、UEに送信終了を知らせる260決定をし得るからである。しかし、サイドリンク通信を考えると状況は異なる。
【0023】
UEはサイドリンクを介して複数の他のサイドリンクUEと通信する可能性があり、これらの他のUEは、送信機として動作する場合、ユニキャストメッセージ、グループキャストメッセージ、またはブロードキャストメッセージを送信するため、UEは他のサイドリンクUEから複数の送信を受信する可能性がある。
【0024】
しかし、各送信機(TX UE)は受信側UE(RX UE)の他の進行中の通信について知らないため、図4を参照して上述したような送信終了通知またはスリープコマンド260を提供することができない。なぜなら、受信側UEをスリープモードにすると、異なる送信機からの別の進行中の送信のデータまたはパケットをRX UEが受信できなくなるからである。例えば、サイドリンクユニキャスト通信は、サイドリンクを介した2つのUE間の1対1通信を表す。したがって、送信機が送信終了またはスリープコマンド260を送信すると、受信機はこの送信機からのさらなるパケットのためのリッスンを停止する可能性がある。しかし、受信機は複数の進行中の通信を有する可能性があるため、1つの送信機から送信終了またはスリープコマンド260を受信することは、Uuインターフェースを介した送信の場合でそうであるように、スリープ移行指示と同義ではない可能性がある。なぜなら、受信機はまだ、他のリンク上で進行中の送信をリッスンしなければならない可能性があるからである。サイドリンクグループキャスト通信の場合、グループ内の複数のUEがデータを送信する可能性があり、データを送信または送信するグループ内のUEが、受信側UEと通信する他のUEのことを認識していないため、図4を参照して説明したUuの手法を適用することはできない。したがって、グループキャストを送信するUEは、受信側UEに対して、さらなるデータが予定されておらず、UEがスリープ状態に入ってもよいことを通知することができない。これは、1つの送信機がすべてのサイドリンクUEに通信を提供するサイドリンクブロードキャスト通信にも当てはまり、この送信機はやはり、受信側UEが他のリンク上で他の進行中の通信を有しているかを認識していないため、図4を参照して上述した方法で送信終了コマンド260を送信し、UEにスリープモードまたはスリープ状態に戻るよう要求することができない可能性がある。
【0025】
サイドリンクを介してNR通信するUEにおいても電力消費を削減するために、サイドリンク上でもDRXモードが実装され得る。図2および図3を参照して上述したように、サイドリンクを介して通信するUEは、カバレッジ内またはカバレッジ外にある可能性がある。UEがカバレッジ内にある場合、DRXモードでサイドリンクを介して動作している場合であっても、DRXサイクルを認識しているgNBが、サイドリンク上のUEによる送信のリソース割り当てを処理する。UEがカバレッジ外の場合、例えばUEがモード2で動作している場合、これは不可能である。したがって、サイドリンクを介して他のUEと通信しており、非アクティブモードまたはスリープモードにするためのDRXモードで動作しているUEに対する、特定の送信機による送信終了通知は実装されない。
【0026】
したがって、送信が終了するとすぐにUEをスリープモードにし、それによって省電力特性を向上させるというUuインターフェースの既知の手法はサイドリンクUEには適用できず、DRXモードで動作するサイドリンクUEの省電力の可能性は、Uuインターフェースを介して通信するUEと比較して、より制限される可能性がある。
【0027】
本発明の実施形態は、サイドリンクを介して通信し、間欠受信(DRX)モードで動作するUEの省電力の可能性または能力の強化または向上を提供する。本発明の実施形態は、基地局およびユーザ(例えば、モバイル端末またはIoTデバイス)を含む図1図2、または図3に示されるような無線通信システムにおいて実装され得る。図5は、基地局などの送信機300と、ユーザデバイスUEなどの1つ以上の受信機302、304とを含む無線通信システムの概略図である。送信機300および受信機302、304は、無線リンクなどの1つ以上の無線通信リンクまたはチャネル306a、306b、308を介して通信することができる。送信機300は、1つ以上のアンテナANT以上のアンテナ要素を有するアンテナアレイ、信号プロセッサ300a、および送受信機300bを含み得、これらは互いに結合されている。受信機302、304は、互いに結合された1つ以上のアンテナANTUE、以上のアンテナを有するアンテナアレイ、信号プロセッサ302a、304a、および送受信機302b、304bを含む。基地局300とUE302、304とは、それぞれの第1の無線通信リンク306aおよび306b(例えば、Uuインターフェースを使用する無線リンク)を介して通信することができ、一方、UE302、304は、第2の無線通信リンク308(例えば、PC5またはサイドリンク(SL)インターフェースを使用する無線リンク)を介して互いに通信することができる。UEが基地局のサービスを受けていないか、基地局に接続されていない場合、例えば、両者がRRC接続状態に無い場合、より一般的には、SLリソース割り当て設定または支援が基地局によって提供されていない場合、UEは、サイドリンクを介して互いに通信することができる。図5のシステムまたはネットワーク、図5の1つ以上のUE302、304、および図5の基地局300は、本明細書に記載される発明的教示に従って動作することができる。
【0028】
装置
[RX UEは、特定の基準に応じてスリープモードに入る/リスニングを停止する]
SL RX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、特定の基準が満たされた場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入る。
【0029】
実施形態によれば、特定の基準は以下のうちの1つ以上を含む。
・送信終了通知の受信、
・他のUEからアナウンスされたすべての送信が受信された、
・当該送信の再送信のために将来のさらなるリソースが予約されている送信の受信に成功(例えば、早期ACK(early ACK)、
・進行中の他のUEからの送信がない、
・グループリーダーUEまたは特定のIDを持つUEからの進行中の送信がない、
・基地局または中継ノードからの進行中の送信がない、
・受信した送信の内容、
・特定の送信、例えば、CAM(Cooperative Awareness Message)、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)、またはBSM(Basic Safety Message)を含む送信を受信した回数n回(n=2、3、4・・・)、
・UEのバッテリ状態が、設定された、または事前に設定された閾値を下回っている、
・UEが特定の地理的位置(例えば、事前に定義されたゾーンまたは建物内)内を移動している、
・UEが移動しているまたは移動していない。
【0030】
実施形態によれば、ユーザデバイスは、UEがアクティブ状態に留まり、送信を検出するために少なくとも制御チャネルを監視する非アクティブタイマー持続時間を指定する非アクティブタイマーを備える。UEは、第1のさらなるUEによる送信を受信すると非アクティブタイマーを開始する。
【0031】
実施形態によれば、UEは、非アクティブタイマー持続時間中の第1のさらなるUEによるさらなる送信および/もしくは第2のさらなるUEによる送信を受信することに応答して、またはグループリーダーUEからの信号によって、または基地局、中継ノード、もしくは路側機(RSU)からの信号によって、非アクティブタイマー持続時間を延長する。UEは、特定の基準が満たされた場合、例えば、第1のさらなるUEおよび第2のさらなるUEの両方による送信終了通知に応答して、延長された非アクティブタイマー持続時間の終了時点に達する前に非アクティブモードまたはスリープモードに入る。
【0032】
実施形態によれば、UEは、送信終了通知に応答して非アクティブモードまたはスリープモードに入り、UEは、以下のうちの1つ以上から送信終了通知を受信する。
・終了した送信を実行するさらなるUE、
・終了した送信を実行していないさらなるUE、例えば、UEが属するUEグループのグループリーダーUE、
・中継ノード、
・路側機(RSU)またはIOTデバイス、
・無線通信システムのアクセスポイント(例えば、基地局)。
【0033】
実施形態によれば、さらなるUEによる送信終了通知は以下によって示される。
・さらなるUEによる送信終了通知(例えば、DRXコマンドMAC(Medium Access Control)、CE(Control Element)を使用して)、または
・さらなるUEによる送信のために予約されたリソースの数の通知(例えば、TRIV(time resource indicator value)またはFRIV(frequency resource indicator value)を使用して)、または
・SCI(sidelink control information)、例えば、第1ステージSCIまたは第2ステージSCI、または
・AIM(assistance Information message)。
【0034】
SL TX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEに1つ以上の送信を送信し、1つ以上のさらなるUEは、間欠受信DRXモードで動作し、UEは、さらなるUEが非アクティブモードまたはスリープモードに入ることを可能にするために、1つ以上の送信の終了をさらなるUEに示す。
【0035】
実施形態によれば、UEは、以下によって、さらなるUEに1つ以上の送信の終了を示す。
・さらなるUEへの送信終了通知(例えば、DRXコマンドMAC(Medium Access Control)、CE(Control Element)を使用して)、または
・さらなるUEへの送信のために予約されたリソースの数の通知(例えば、TRIV(time resource indicator value)またはFRIV(frequency resource indicator value)を使用して)、または
・SCI(sidelink control information)、例えば、第1ステージSCIまたは第2ステージSCI、または
・AIM(assistance Information message)、
・バッファ状態レポート(例えば、さらなるUEに送信される送信の数もしくは送信されるデータの量を示す)。
【0036】
[DRXオン継続時間中の送信の制限]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEに複数の送信を送信し、1つ以上のさらなるUEは、間欠受信DRXモードで動作し、複数の送信はそれぞれ、少なくとも初期送信を含み、UEは、初期送信のうちの少なくとも1つより多くが1つ以上のさらなるUEのDRXサイクルのオン継続時間内に収まるように、複数の送信をさらなるUEに送信する。
【0037】
実施形態によれば、複数の送信のうちの1つ以上は、より後の時点における初期送信に続く少なくとも1つのさらなる送信を含む。
【0038】
実施形態によれば、複数の送信は、特定の基準に関連付けられた送信である。
【0039】
実施形態によれば、特定の基準は以下のうちの1つ以上を含む。
・優先度が、設定されたまたは事前設定された閾値以上である、
・サービス品質(QoS)要件が、設定されたまたは事前設定された閾値以上である、または
・パケットクオータ(例えば、特定の設定されたまたは事前設定されたデータレート閾値)、
・送信の数(例えば、設定されたまたは事前設定された最小または最大の送信(例えば、CAMまたはDENMメッセージ)の数)、
・メッセージの内容(例えば、特定のCAMまたは特定のDENM)。
【0040】
[DRXサイクルのアクティブ時間の設定]
SL RX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、DRXサイクルの間、UEは特定のアクティブ時間の間アクティブであり、特定のアクティブ時間は1つ以上の基準に依存する。
【0041】
実施形態によれば、1つ以上の基準は以下のうちの1つ以上を含む。
・送信のパケットの1つ以上の特性、
・送信に使用される論理チャネル、
・送信に使用される論理チャネルグループ、
・サービス品質(QoS)フロー、
・優先度、遅延、またはデータレートなど、送信に関連するサービス品質(QoS)要件、
・地理的位置またはゾーン、
・チャネルビジー率、
・UEのタイプ、
・初期送信および/または少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソース、
・UEの現在のバッテリ状態。
【0042】
実施形態によれば、UEは、DRXサイクルおよびアクティブ時間を定義するDRX設定を受信し、UEは、以下のうちの1つ以上からDRX設定を受信し得る。
・送信を実行するさらなるUE、
・送信を実行していないさらなるUE、例えば、UEが属するUEグループのグループリーダーUE、
・中継ノード、
・路側機(RSU)、またはIOTデバイス、
・無線通信システムのアクセスポイント(例えば、基地局)。
【0043】
[アクティブ時間を決定する基準]
実施形態によれば、アクティブ時間は設定されるか、事前に設定されるか、または動的である。
【0044】
実施形態によれば、UEには、DRXサイクルに対して複数のオン継続時間が設定または事前設定されており、UEは、1つ以上の基準に応じて使用されるオン継続時間を決定する。
【0045】
実施形態によれば、UEには、DRXサイクルに対して1つ以上のデフォルトのオン継続時間が設定または事前設定されており、UEは、先行する送信に基づいてデフォルトのオン継続時間を延長し、延長されたオン継続時間にする。
【0046】
実施形態によれば、延長されたオン継続時間を引き起こした送信の終了に応答して、UEは延長を取り消し、デフォルトのオン継続時間に戻る。
【0047】
[スパース/間欠的なアクティブ時間]
実施形態によれば、送信は、初期送信と、初期送信に続く、より後の時点での少なくとも1つのさらなる送信とを含み、少なくとも1つのさらなる送信による使用のために予約された1つ以上のリソースの指示に応答して、UEは、少なくとも示された1つ以上のリソースを含むようにアクティブ時間を延長する。
【0048】
実施形態によれば、UEは以下によってアクティブ時間を延長する。
・指示された予約済みリソースまで、DRXサイクルのオン継続時間を延長する、および/または
・アクティブ時間中に監視されるべき指示された予約済みリソースのみを、DRXサイクルのオン継続時間に追加する。
【0049】
実施形態によれば、UEは、オン継続時間と、指示された予約済みリソースとの間で、非アクティブモードまたはスリープモードに入る。
【0050】
実施形態によれば、1つ以上のさらなる送信は、初期送信の再送信であり、オン継続時間内に初期送信を正常に受信したことに応答して、UEは、任意選択で肯定応答またはサイドリンクAIM(assistance information)を送信した後、非アクティブまたはスリープモードに入り、指示された予約済みリソースの監視をスキップする。
【0051】
実施形態によれば、1つ以上のさらなる送信は、初期送信の再送信であり、オン継続時間外の予約済みリソースで再送信を受信しないことに応答して、UEは、
・再送信が予期されていたタイムスロットの後の特定の時間間隔の間、例えば非アクティブタイマーの間、アクティブを維持する、または
・n個の再送信を受信するためにアクティブを維持する(n≦通知された、または事前設定された再送信の最大数)、または
・非アクティブモードまたはスリープモードに入り、DRXサイクルの次のオン継続時間の間だけ起動する、または
・再送信のための時間および/または周波数情報を有する支援情報(例えば、AIM)を送信機に送信する、または
・追加オン継続時間に関する情報を有する支援情報(例えば、AIM)を送信機に送信する。
【0052】
実施形態によれば、予約済みリソースに加えて、UEは、予約済みリソースが、予約期間に続く期間中のさらなる送信に使用されることを示すリソース予約期間を受信し、リソース予約期間の指示に応答して、UEは、予約期間に続く期間中の指示された1つ以上のリソースを含むようにアクティブ時間を延長する。
【0053】
実施形態によれば、送信機が送信のために他のリソースを選択したことを示す、ゼロなどの特定の継続時間を有するリソース予約期間に応答して、UEは非アクティブまたはスリープモードに入り、DRXサイクルの次のオン継続時間中にのみ起動する。
【0054】
実施形態によれば、少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソースは、UEによって受信される制御メッセージ、例えばサイドリンク情報(SCI)メッセージ内で指示される。
【0055】
実施形態によれば、SCIは、例えば、TRIV(time resource Indicator value)フォーマットまたはFRIV(format or a frequency resource indicator value)フォーマットを使用して、特定の数の将来のタイムスロット内で予約されるリソースを示し、任意選択で、リソース予約期間は、予約期間に続く期間中のさらなる送信のために予約済みリソースが使用されることを示す。
【0056】
SL TX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEと通信を行い、UEは、さらなるUEのうちの1つ以上を、間欠受信(DRX)モードで動作するように設定し、UEは、1つ以上の基準に応じてさらなるUEのDRX設定を決定する。
【0057】
実施形態によれば、1つ以上の基準は以下のうちの1つ以上を含む。
・送信のパケットの1つ以上の特性、
・送信に使用される論理チャネル、
・送信に使用される論理チャネルグループ、
・サービス品質(QoS)フロー、
・優先度、遅延、またはデータレートなど、送信に関連するサービス品質(QoS)要件、
・地理的位置またはゾーン、
・他のUEのタイプ、
・初期送信および/または少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソース、
・UEの現在のバッテリ状態。
【0058】
[アクティブ時間の延長/制限]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、DRXサイクル中、特定のアクティブ時間(例えば、オン継続時間)の間アクティブであり、UEは、1つ以上の基準に応じて、送信を復号するか、または復号をスキップする。
【0059】
実施形態によれば、1つ以上の基準は、優先度、および/または宛先、および/または送信に関連付けられたHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)インジケータ、および/または送信に関連付けられたキャストタイプ(例えば、ユニキャスト送信、グループキャスト送信、またはブロードキャスト送信)を含む。
【0060】
実施形態によれば、送信に関連付けられたHARQインジケータが、送信機が送信に対するフィードバックを要求していることを示す場合、UEは送信を復号し、フィードバックを送信する。
【0061】
実施形態によれば、UEは、物理サイドリンク制御チャネルPSCCH上の第1ステージSCIにおいて優先度フィールドを確認し、優先度フィールドが、特定の優先度閾値を下回る優先度を示す場合、関連付けられた物理サイドリンク共有チャネルPSSCHの復号をスキップする。
【0062】
実施形態によれば、UEは、物理サイドリンク共有チャネルPSSCH上の第2ステージSCIにおいて宛先フィールドをチェックし、宛先フィールドが、送信がUEまたはUEが所属するUEグループ宛てではないことを示す場合、PSSCHのさらなる復号をスキップする。
【0063】
実施形態によれば、UEは、第1ステージSCIまたは第2ステージSCI等のSCI内のキャストタイプをチェックし、送信が特定のキャストタイプである場合、PSSCHのさらなる復号をスキップする。
【0064】
実施形態によれば、UEは、物理サイドリンク共有チャネルPSSCH上の第2ステージSCI内のソースIDフィールドをチェックし、ソースIDフィールドが、UEが通信を受信しようとしている送信機から送信ではないこと、または送信が、復号すべきソースIDのリストに載っていないことを示す場合、PSSCHの更なる復号をスキップする。
【0065】
実施形態によれば、
第2ステージSCIの復号が失敗し、第1ステージSCIの優先度フィールドが特定の閾値以上の優先度を示している場合、UEは、例えば再送信が受信されるまでアクティブ時間を延長することによって、再送信を受信するためにアクティブになるか、もしくは再送信のために第1ステージSCIで指示または予約されたリソースでアクティブになる、または
第2ステージSCIの復号が失敗し、当該送信が、UEへの送信によって以前に予約されたリソース位置にある場合、UEは、再送信または別の送信が受信されるまでアクティブ時間を延長する、または
以前に予約されたリソースが予期された送信を含まない場合、UEは、再送信または別の送信が受信されるまでアクティブ時間を延長する。
【0066】
[フィードバックに基づくアクション]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEを提供し、無線通信システムは複数のユーザデバイスUEを含み、UEはサイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEと通信し、1つ以上のさらなるUEは間欠受信(DRX)モードで動作し、UEは、さらなるUEのDRXサイクルのオン継続時間中に、さらなるUEに1つ以上のHARQ対応送信を送信し、HARQフィードバックが受信されない場合、UEは、さらなるUEの次のオン継続時間までHARQ対応送信を控え、さらなるUEの次のオン継続時間中にHARQ対応送信を送信する。
【0067】
実施形態によれば、HARQ対応送信を控えることは、以下のうちの1つ以上を含む。
・現在のトランスポートブロックTBについてそれ以上の再送信を行わない、
・次のオン継続時間まで再送信を行わない、
・次のオン継続時間中に再送信カウンタを再開する、
・初期冗長バージョンRVの使用、
・これまでのオン継続時間の量に応じて再送信の回数を減らす。
【0068】
実施形態によれば、UEは、デフォルトのオン継続時間が経過しても、HARQ対応送信を特定の回数だけ再送信し、HARQフィードバックを受信しないことに応答して、UEは、さらなるUEの次のオン継続時間までHARQ対応送信を控え、さらなるUEの次のオン継続時間中にHARQ対応送信を送信する。
【0069】
システム
本発明は、(例えば、無線通信システムのサイドリンクリソースのセットからのリソースを使用する)サイドリンク通信用に構成された複数の独創的なユーザデバイスUEを備える無線通信システムを提供する。
【0070】
方法
[RX UEは、特定の基準に応じてスリープモードに入る/リスニングを停止する]
SL RX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、方法は、特定の基準が満たされた場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入ることを含む。
【0071】
SL TX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、方法は、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEに1つ以上の送信を送信することであって、1つ以上のさらなるUEは、間欠受信DRXモードで動作する、送信することと、さらなるUEが非アクティブモードまたはスリープモードに入ることを可能にするために、1つ以上の送信の終了をさらなるUEに示すことと、を含む。
【0072】
[DRXオン継続時間中の送信の制限]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、方法は、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEに複数の送信を送信することを含み、1つ以上のさらなるUEは、間欠受信DRXモードで動作し、複数の送信はそれぞれ、少なくとも初期送信を含み、少なくとも1つ以上の初期送信より多くが1つ以上のさらなるUEのDRXサイクルのオン継続時間内に収まるように、複数の送信がさらなるUEに送信される。
【0073】
[DRXサイクルのアクティブ時間の設定]
SL RX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、方法は、DRXサイクルの間、UEは特定のアクティブ時間の間アクティブを維持することを含み、特定のアクティブ時間は1つ以上の基準に依存する。
【0074】
SL TX UE
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUE通信を行い、方法は、さらなるUEのうちの1つ以上を、間欠受信(DRX)モードで動作するように設定することを含み、さらなるUEのためのDRX設定は、1つ以上の基準に応じて決定される。
【0075】
[アクティブ時間の延長/制限]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供する。無線通信システムは、複数のユーザデバイスUEを含み、UEは、サイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEからの送信を受信し、UEは、間欠受信(DRX)モードで動作し、DRXサイクル中、特定のアクティブ時間(例えば、オン継続時間)の間アクティブであり、方法は、1つ以上の基準に応じて、送信を復号するか、または復号をスキップすることを含む。
【0076】
[フィードバックに基づくアクション]
本発明は、無線通信システムのためのユーザデバイスUEの動作方法を提供し、無線通信システムは複数のユーザデバイスUEを含み、UEはサイドリンクSLを介して1つ以上のさらなるUEと通信し、1つ以上のさらなるUEは間欠受信(DRX)モードで動作し、方法は、さらなるUEのDRXサイクルのオン継続時間中に、さらなるUEに1つ以上のHARQ対応送信を送信することと、HARQフィードバックが受信されない場合、さらなるUEの次のオン継続時間までHARQ対応送信を控え、さらなるUEの次のオン継続時間中にHARQ対応送信を送信することと、を含む。
【0077】
[コンピュータプログラム製品]
本発明の実施形態は、コンピュータによって実行されると、本発明に係る1つ以上の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0078】
[SL通信の早期終了の実装]
本発明の第1の態様の実施形態は、サイドリンクを介して他のUEと通信するサイドリンクUE等の受信機が、特定の基準が満たされる場合に非アクティブまたはスリープモードに入ることを可能にすることによって、UEの省電力の可能性または能力を改善するための手法を提供する。言い換えれば、本発明の実施形態は、サイドリンクを介した通信に対しても、DRXサイクルのアクティブ時間の早期終了の実装を提供する。
【0079】
実施形態によれば、SL RX UEは、以下の基準のうちの1つ以上が満たされる場合、非アクティブモードまたはスリープモードに入ることができる。
・送信終了通知の受信。
・他のUEからアナウンスされたすべての送信が受信された。
例えば、さらなるUEは、特定の量のデータを送信しようとしていることを知らせるBSR(Buffer Status Report)のようなレポートをRX UEに送信することができる。RX UEは、その量を受信すると、このUEからはそれ以上のデータ送信はないと見なすまたは想定する。
・当該送信の1つ以上の再送信のために将来のさらなるリソースが予約されている送信の受信に成功(例えば、早期ACK)。
・SL上で進行中の他のUEからの送信がない。
・グループリーダーUEまたは特定のIDを持つUEからの進行中の送信がない。
・基地局または中継ノードからの進行中の送信がない。
・送信終了通知が受信され、かつSL上で進行中の別のさらなるUEからの送信がない。
・受信された送信の内容、例えば、CAM(Cooperative Awareness Message)、ITS-G5(5,9 GHz intelligent transport system)におけるメッセージ、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)、またはBSM(Basic Safety Message)等の特定のメッセージを含む通信。
・特定の通信を受信した回数。
例えば、同じ送信を複数回、例えば2回、3回、またはより一般的にn回(nは、1より大きい設定または事前設定された自然数N)受信した後、UEは、それ以上の送信は必要ないと判断し、次のオン継続時間までスリープモードに入ってもよい。例えば、これは、CAM(Cooperative Awareness Message)、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)、またはBSM(Basic Safety Message)を含む送信に適用され得、異なる送信で同じメッセージを複数回受信すると、UEはそれ以上は必要ないと判断し得る。
・SL RX UEのバッテリ状態が、設定された、または事前に設定された閾値を下回っている。
・SL RX UEが特定の地理的位置(例えば、事前に定義されたゾーンまたは建物内)内を移動している。
・SL RX UEが移動しているまたは移動していない。
【0080】
例えば、UEが移動しているか否かは、UEのGPS位置、またはチャネルインパルス応答の変動に基づいて決定され得る。UEが移動しない場合には、周波数フラットチャネルが与えられ、チャネルインパルス応答には実質的に変化がない。
【0081】
したがって、SL受信機がスリープまたはリスニングを停止できるようにすることで、Uuインターフェースで通信する場合と同様に、アクティブ時間を短縮することでサイドリンク通信での電力保存能力が向上する。
【0082】
次に、本発明の第1の態様の実施形態を、サイドリンク送信側UE(SL TX UE)からの、すなわち送信を送るUEから送信終了通知を受信したことに応答して、SL RX UEがスリープモードまたは非アクティブモードに入るかを決定するシナリオを参照して説明する。サイドリンク受信機SL RX UEは、DRXモードで動作している間、送信機SL TX UEが、初期送信に続く1つ以上のさらなる送信が予期されるか、および/またはどこで予期されるかを示す通知を提供することに応答して、オン継続時間の早期終了について決定することができる。
【0083】
図6は、サイドリンク制御情報SCI等の制御メッセージをサイドリンクを介して受信した後の延長されたオン持続時間の実施形態を示し、メッセージの受信後に早期終了通知が行われている。SL TX UEは、SL RX UEのオン継続時間252中に初期SCI1を送信する。オン継続時間は時点t1で始まり、オン継続時間252中の時点t2でSCI1が受信され、その後にサイドリンクを介してTX UEからRX UEへの第1のデータ送信PSSCH1が続く。SCI1が受信されると、オン継続時間252は、t4で終了する元の持続時間を超えて延長される。元のオン継続時間252中、または延長されたオン継続時間中に、TX UEは、時点t3に受信される、SCI2に関連付けられたさらなる送信を送信し得る。図示の実施形態では、時点t3は、時点t3における元のオン継続時間252の終了時点の前である。オン継続時間252が延長されているため、RX UEは延長された持続時間アクティブのままであり、さらなるデータ送信PSSCH2も受信する。さらに、SCI2の受信に応答して、オン持続時間が、例えば非アクティブタイマーを再開することによって、さらに延長される。そのため、図6に示される実施形態では、全体的なオン持続時間延長262は、元のオン持続時間252を時点t4から時点t6まで延長する。
【0084】
実施形態によれば、サイドリンクを介してTX UEと通信するRX UEが省電力特性を改善できるようにするために、TX UEは、当該UEがTX UEからのさらなる送信を予期すべきではないという指示を、RX UEへの送信に含める。TX UEは、RX UEにPSSCH早期終了260を示してもよい。例えば、最後のデータ送信PSSCH2の終わりにおいて、PSSCH早期終了260を送信することで、TX UEからのさらなる送信を予期すべきではないことをRX UEに知らせることによって、TX UEからの送信の終わりが通知され得る。RX UEは、延長されたオン継続時間262を時間t5で終了することができ、すなわち、時間t5の後にRX UEは非アクティブ状態になることができる。したがって、実施形態によれば、サイドリンクTX UEがサイドリンクRX UEに送信の終了を知らせることを可能にすることによって、サイドリンクRX UEは、延長されたオン継続時間262を終了することができ、すなわち、RX UEは、発生しないことが指示されているさらなる送信のために監視をする必要がなくなるため、非アクティブ状態に移行することができる。これにより、RX UEは、アクティブ時間をt1~t6の期間ではなくt1~t5の期間に短縮し、電力を節約できる。
【0085】
なお、図6の実施形態に関して、送信の終了260は、TX UEからの送信がオン継続時間252中にのみ発生する状況でも生じ得ることに留意されたい。例えば、送信PSSCH1は、例えば送信の終わりに、早期終了260を含み得、その結果、RX UEは終了通知に応答して、PSSCH1を受信した後に非アクティブ状態に入り得る。したがって、元のオン持続時間252が、時点t4における元の終了時点の前に終了され得る。例えば、終了は、TX UEからの早期終了指示後の時点t3で生じ得る。この状況では、アクティブ時間がt1~t3の期間に制限されるので、同様にアクティブ時間を短縮して電力を節約することができる。
【0086】
アクティブ時間中、RX UEは少なくとも制御チャネルを監視して、図6のSCI2によって示される第2の送信等のさらなる送信を検出する。終了260が受信されない場合、RX UEは、PSSCH2の終わりから、延長されたオン継続時間262の終了時点であるt6までの期間、監視を続ける。例えばさらなるSCIを検出することによって、さらなる送信が検出された場合、例えば非アクティブタイマーを再開することにより、オン持続時間262をさらに延長することができる。しかし、上述したように、図6の例では、終了260がない場合、RX UEは、時点t6まで少なくとも制御チャネルをさらに監視する。これによって、RX UEがTX UEからのさらなる送信を予期すべきではないという通知に応答して、RX UEが延長されたオン継続時間262またはオン継続時間252を終了することを可能にすることによって節約され得る電力が無駄になる。したがって、アクティブ時間中に、TX UEは、送信機が延長されたアクティブ時間中にさらなる送信を追って送ることができるようにするよう、アクティブ時間の延長をトリガする1つ以上の送信を、受信機またはRX UEに送信し得る。送信機が送信を完了すると、受信機は、動的に延長されたアクティブ時間262が終了するまでリッスンしない。なぜなら、受信機は、信号260に応答して、送信の終了を示した送信機からの送信のリスニングを停止することができるからである。
【0087】
実施形態によれば、図6の実施形態に示されるように、TX UEによってRX UEに提供される通知260は、例えば、TX UEからのさらなる送信を予期すべきではないことを送信の終わりに明示的に指示するDRXコマンド等のMAC CE(control element)を送ることによって行われる、送信終了指示であってもよい。
【0088】
実施形態によれば、図6に示すように送信終了指示を通知する代わりに、TX UEは、制御情報の提供時に、さらに送信があることを示してもよい。一実施形態によれば、TX UEは、バッファ状態レポート、例えば、RX UEに送信される送信の数もしくは送信されるデータの量を示すレポートを送信し得る。別の実施形態によれば、TX UEは、制御情報の提供時に、送信のために予約されたリソースを示すことができる。例えば、TX UEがモード2で動作していると想定する場合、送信のために予約されたリソースが通知される可能性がある。したがって、送信の終了を指示または通知する代わりに、SCIおよび/またはAIM(assistance information message)等の特定の送信に関連付けられた制御メッセージは、(例えば予約されている実際のリソースの形態で)制御メッセージ内に示された送信のために予約されている特定の数のリソースを示し得る。これは、例えば、1つ以上のトランスポートブロック(TB)の再送信を実行する場合に適用できるが、他の送信にも適用できる。
【0089】
例えば、図3を参照して上述したように、モード2での動作を想定する場合、TX UEは、周期的または半永続的送信/再送信と、非周期的または動的送信/再送信とではわずかに異なる動作方法を有し得る。例えば、送信/再送信の最大数Nは、周期的送信および非周期的送信では32に制限され得る。この数に関する1つの制限は、候補リソースセット内の利用可能なリソースの数であり得る。別の制限は、SCIで指定できるリソースの数であり得、これは、初期送信または初期送信が発生するリソースを含め、最大で3つのリソースのみである可能性がある。これらのリソースは、32msのウィンドウに収まるように制限され得る。
【0090】
モード2では、UEは、候補リソースセット内で利用可能なリソースの中から、行われる可能性がある送信/再送信のそれぞれに必要なリソースを識別し、TBのPDB(packet delay budget)に基づく制限が存在する可能性がある。UEが利用可能な候補リソースのリストを識別し終えると、UEはN個の候補リソースを選択する。UEは最初に、N個の候補リソースのうち1つをランダムに選択する。スロットmlにて最初の候補リソースが選択されたと想定すると、UEは第2の候補リソースもランダムに選択するが、この候補リソースと最初に選択された候補リソースとの間のギャップは32スロットのウィンドウWよりも小さい必要があるという制限が課される。これは、第2の候補リソースが、[m1‐31、m1+31]というスロット範囲内のスロットm2に位置し得ることを意味する。これにより、選択された2つの候補リソースのうちの一方の第1ステージSCIが、他方の候補リソースを予約できることが保証される。N>2の場合、UEは第3の候補リソースもランダムに選択するが、範囲[m1‐31、m1+31]内または範囲[m2‐31、m2+31]内のスロットm3に位置するという制限が課される。このチェーン手順は、送信/再送信用のすべての候補リソースが先行するSCIによって予約されることを目的として繰り返される。しかし、UEが、この手順に従って、N個の候補リソースのサブセットしか選択できない場合、先行する第1ステージの限定を満たしていない場合であっても、選択ウィンドウ内で残りのリソースがランダムに選択される。
【0091】
異なるサイズのTBを送信する場合、送信に使用されるサブチャネルの数が変更されてもよく、サブチャネルの数は、TBおよびTBに関連付けられたSCI(第1ステージSCIおよび第2ステージSCIを含む)が候補リソースセットに収まるように選択される。これは、サイドリンク通信に使用されるリソースを定義するリソースプール内で定義されている、または許容されるサブチャネルの最大数によって制限され得る。
【0092】
TBを送信するUEのみがTBに関連付けられたPDBを認識しており、PDBに応じて選択ウィンドウが選択される可能性があり、TBに関連付けられたすべての送信/再送信が選択ウィンドウ内で完了されなければならない。非周期的送信の場合、再選択カウンタによって送信/再送信の回数が追跡されてもよい。TBの送信終了後、すなわち、TBおよびTBのすべての可能な再送信が送信された後、再選択カウンタが1だけ減らされ得る。再選択カウンタをゼロにする最後のTBを送信する前に、TX UEは、次のTBのために新しいリソースが選択されるべきかを評価し得る。そうである場合、UEは、第1ステージSCIにおいてリソース予約期間を0msに設定し、それによって、次のTBについて同じリソースを予約していないことを他のUEに示すことができる。そうでない場合、UEは次のTBのためにすでに予約されている同じリソースを保持することができ、同じリソース予約期間が第1ステージSCIに含まれる。
【0093】
例えば初期送信と、初期送信の1回以上の再送信とを含む、複数の送信のためのリソースを決定する上記例では、送信機は、受信側UEに、特定の送信用に予約されたリソースを通知することができ、その結果、例えばSCIまたはAIM等を受信したUEは、特定の送信がいつ終了するかを知ることができる。リソースは、例えば次のような方法で示され得る。例えば、時間にわたるリソースは、次のいずれかの方法で示すことができる。
・時間にわたるビットマップによって示され、ビットマップは、例えばOFDMシンボル、タイムスロット、サブフレーム、またはフレーム等のリソースを示し、リソースセットは、1つのBWPの長さの一部または全体にまたがって定義されている、
・タイムスロットまたはサブフレーム等の開始リソース、およびリソースセットの持続時間によって、
・タイムスロットまたはサブフレーム番号などの明示的なリソース番号によって、
・明示的に言及されているリソース、または別のリソースセットもしくはRPの一部であるリソースをパンクチュアリングすることによって、
・開始リソース、および後続の発生のための周期的なオフセットによって、
・シンボル、タイムスロット、サブフレーム、またはフレームのパターンによって、
・TS38.214で定義されているTRIV(time resource indicator value)を定義するために使用される以下の式によって、
if N = 1
TRIV = 0
else if N = 2
TRIV = t
else
if (t - t - 1) ≦ 15
TRIV = 30 (t - t - 1) + t + 31
else
TRIV = 30 (31 - t + t) * 62 - t
end if
end if
【0094】
ここで、
Nは、AIMによって示されるタイムスロットの数を示し、
0は、AIMが受信されたタイムスロットを意味し、
1は、AIMが受信されたタイムスロットと、AIMが受信されたタイムスロットに関して1つの別の将来のタイムスロットとを意味し、
2は、AIMが受信されたタイムスロットと、AIMが受信されたタイムスロットに関して2つの別の将来のタイムスロットとを意味し、
は、AIMが受信されたタイムスロットに関して第1の将来のリソースタイムスロットを示し、
は、AIMが受信されたタイムスロットに関して第2の将来のリソースタイムスロットを示す。
【0095】
周波数にわたるリソースは、次のいずれかの方法で示すことができる。
・ビットマップによって示され、ビットマップは、1つのBWPにわたる複数のリソース、例えば、リソースブロックを示す、
・開始リソース(例えば、リソースブロック)と、リソースセットのリソースの数とによって、
・リソースセットが周波数的に不連続である場合、複数の開始リソース(例えば、リソースブロック)と複数の終了リソースとによって、
・リソースブロックインデックス等の明示的なリソースインデックスによって、
・明示的に言及されているリソース、または別のリソースセットもしくはRPの一部であるリソースをパンクチュアリングすることによって、
・開始リソース、および後続の発生のための周期的なオフセットによって、
・リソースブロックまたはサブチャネルのパターンによって、
・TS38.214で定義されているFRIV(frequency resource indicator value)を定義するために使用される以下の式によって、
【数1】
時間および周波数にわたるリソースは、次のいずれかの方法で示すことができる。
・行列によって示され、行列は、リソースを時間にわたって(例えば、シンボル、タイムスロット、またはサブフレームもしくはフレーム)、および周波数にわたって(例えば、リソースブロックまたはサブチャネル)示す、
・パターンによって示され、パターンは、リソースを時間にわたって(例えば、シンボル、タイムスロット、またはサブフレームもしくはフレーム)、および周波数にわたって(例えば、リソースブロックまたはサブチャネル)示す。パターンはビットマップまたはビットベクトルとして通知され得る。
【0096】
したがって、上記のフォーマットを使用して、TX UEによる送信のために予約されたリソースが、例えば図6のSCI1内で通知され得る。予約済みリソースの指示を受信すると、RX UEは、TX UEからのさらなる送信が予期されない時間を決定することができる。SCI1が支援情報を含むか、またはRX UEが追加のAIM(assistance information message)を受信してもよく、これらは、TX UEからの送信用に予約されたリソースについてRX UEに知らせるものである。これにより、RX UEは、送信PSSCH2の後、TX UEからのさらなる送信を予期すべきではないことを知り、よって、t5にて非アクティブ状態になることができる。同様に、SCI1がPSSCH1のためのリソースのみを示す場合、RX UEはPSSCH1の後にTX UEからさらなる送信を予期しないため、t3で非アクティブ状態に入ることができる。
【0097】
さらなる実施形態によれば、RX UEは、1つのTX UEによる送信が終了するという指示を受信したとき、サイドリンクを介する1つのTX UEからRX UEへの1つの進行中の送信しかない場合、上記したように非アクティブ状態に入り得る。しかし、RX UEは、1つ以上のさらなるサイドリンクTX UEとも通信する可能性があり、別のTX UEからの送信を受信する可能性もある。したがって、実施形態によれば、サイドリンクを介して複数のTX UEと通信しているRX UEは、別のTX UEとの他の進行中の送信が存在しないことをRX UEが確認した場合にのみ、1つのTX UEからの送信の早期終了260の通知に応答して非アクティブ状態に入り得る。言い換えれば、1つのTX UEからの送信終了の指示に応答して、RX UEは、別のTX UEからの送信に起因してアクティブでない場合、スリープモードまたは非アクティブ状態に移行し得る。
【0098】
図7は、RX UEがサイドリンクを介して第1のTX UE Aおよび第2のTX UE Bから送信を受信する本発明の実施形態を示す。t1~t4のON期間252中に、RX UEは、サイドリンクを介するTX UE Aからの1つ以上の送信に関連付けられたSCIを受信する。SCIを受信すると、時点t4から時点t7までオン継続時間252が延長される。時点t3において、RX UEは、さらなるTX UE Bによる1つ以上の送信に関連付けられたさらなるSCIBを受信し、これにより、オン継続時間またはアクティブ時間が時点t7から時点t8までさらに延長される。図7に示される実施形態によれば、TX UE Bは、RX UEがTX UE Bからのさらなる送信を予期すべきではないことを示すPSSCH MAC_CEBを通知することができる。これは、時点t5で受信され得、この通知に応答して、RX UEは非アクティブモードに入ることができ、すなわち、延長されたオン継続時間を終了することができる。しかし、RX UEは、TX UE Aからのさらなる送信を予期すべきではないという指示をTX UE Aからまだ受信していないため、本発明の実施形態によれば、TX UE Aによる進行中の送信に起因して、RX UEはt5にて、第1の早期終了260Aに応答してアクションを何ら取らず、すなわち、アクティブ状態に留まり、さらなる送信のために制御チャネルを監視し続ける。時間t6にて、TX UE Aは、TX UE Aからのさらなる送信が予期されないことを示すPSSCH MAC.CEAを送信し、その結果、RX UEは時間t7にて早期終了260Aを開始し、延長されたオン継続時間の実際終了時点t8の前に非アクティブモードに入ることができる。これにより、電力節約が可能になる。時間t6にて、TX UE Bによって通知された通り、TX UE Bからの送信等の他のすべての送信がすでに終了していることから、RX UEは、TX UE Aからの送信のみが進行中の送信であることを知っている。したがって、TX UE Aによって早期終了信号が送られると、RX UEは時点t7にてスリープまたは非アクティブモードに入る可能性がある。
【0099】
したがって、TX UEからのさらなる送信が予期されないという指示をそれぞれのTX UEが提供することにより、受信機は、実際にスリープモードまたは非アクティブモードに移行するタイミング、またはさらなる送信のための制御チャネルのリスニングを停止するタイミングを確実に検出できる。これにより、図6および図7を参照して説明したように、RX UEが延長されたオン継続時間全体にわたってアクティブである必要がないため、消費電力を削減できる。
【0100】
本発明は、送信終了通知が、当該送信を送るSL TX UEによって提供される上記実施形態に限定されない。他の実施形態によれば、送信終了通知は、無線通信ネットワークの以下のエンティティの1つ以上によって提供されてもよい。
・終了した送信を実行していないさらなるUE、例えば、UEが属するUEグループのグループリーダー。
・中継ノード。
・路側機(RSU)。
・IoTデバイス。
・無線通信システムの基地局等のアクセスポイント(例えば、SL TX UEがモード1UEである場合)。
【0101】
[TX UEによるオン継続時間の送信制限]
本発明の第2の態様の実施形態は、サイドリンクを介して送信機と通信するRX UEが、未使用のオン継続時間を回避することによって電力を節約できるようにする手法を提供する。より具体的には、図6に示すような状況を想定すると、TX UEが任意の時点、例えばRX UEのON期間252外で送信を行う場合、TX UEによる送信は受信されない。そして、TX UEは、そうするように設定されている場合は、最終的に次のON期間中にRX UEによって検出され得る再送信を送信することができる。しかし、これにより、RX UEは送信が行われないオン継続時間を最初は監視することになるため、この時間中は電力が節約されない可能性がある。
【0102】
第2の態様の実施形態によれば、RX UEがON期間252中に送信の開始を確実に受信するようにすることによって、そのような状況が回避され、電力が節約され得る(図6参照)。したがって、本発明の実施形態は、RX UEがアクティブである時間中、すなわちON期間中に送信を開始するTX UEを提供する。送信動作はMACスケジューラ内で実行され得、同様に上記したように、PHY層は候補リソースのセットをMACスケジューラに報告する。送信またはデータパケットのためにどの候補リソースを使用するかを決定するとき、または次にどのデータパケットを送信するかを決定するとき、MACスケジューラは、RX UEによって使用されるDRXサイクルの対応する1つ以上のオン継続時間と、非アクティブタイマーによって取得される潜在的な延長とを考慮に入れて決定する。
【0103】
実施形態によれば、この手法は、高優先度送信とも呼ばれる、特定の設定されたまたは事前設定された閾値またはレベルを有する優先度に関連付けられた送信に適用され得る。このような高優先度送信の確実性を高めるために、RX UEは送信を確実に検出する。RX UEがON期間中に高優先度送信を受信しない場合、RX UEはスリープモードまたは非アクティブモードに入る。このような送信が確実に検出されることを確実にするために、および必要に応じて、潜在的な再送信のためにオン継続時間を延長することでさらなるアクティブ時間が取得されるようにするため、TX UEは、初期送信をRX UEのオン継続時間内に配置する。これにより、RX UEが送信機の送信をすべて見逃す可能性が低くなる。したがって、送信がRX UEで受信されることを確実にしつつ、送信が初期オン継続時間中に受信されることも保証されるため、オン継続時間中に初期送信を送信せずに再送信のみを行う場合の電力の無駄が回避される。
【0104】
第2の態様のさらなる実施形態によれば、この手法は以下のように適用されてもよい。
・サービス品質(QoS)要件が、設定されたまたは事前設定された閾値以上である送信に対して、または
・特定のパケットクオータ(例えば、特定の設定されたまたは事前設定されたデータレート閾値)を有する送信に対して、または
・設定または事前設定された送信数、例えば最小または最大の送信(例えばCAM、DENM、またはBSM)の数に依存して、
・メッセージの内容(例えば、特定のCAMまたは特定のDENM)に依存して。
TX UEによるアクティブ時間の設定
上記実施形態では、アクティブ時間は、オン継続時間252または延長されたオン継続時間262のいずれかによって定義されている。本発明の第3の態様の実施形態によれば、アクティブ時間は、以下のうちの1つ以上に応じて決定され得る。
・送信されるデータパケットの特性または特徴、例えば送信パケットの1つ以上の特性、
・宛先RX UE(例えば、UEのタイプ)、
・送信に使用される論理チャネル、
・サービス品質(QoS)フロー、
・優先度、遅延、またはデータレートなど、送信に関連するサービス品質(QoS)要件、
・送信に使用される論理チャネルグループ、
・UEのバッテリ状態、
・UEが特定の地理的位置(例えば、事前に定義されたゾーンまたは建物内)内を移動している、
・チャネルビジー率、
・UEのタイプ、
・初期送信および/または少なくとも1つのさらなる送信によって使用される1つ以上のリソース。
【0105】
したがって、上記基準の1つ以上に応じて、DRXサイクルのアクティブ時間が変化する可能性がある。例えば、RX UEは、周期的であり得る複数の異なるON持続時間252を用いて設定または事前設定されてもよく、TX UEは、RX UEで利用可能な設定済み/事前設定済みのON継続時間を認識していてもよい。したがって、サービスまたは通信リンクに応じて、TX UEは、送信に関連付けられた制御情報とともに、RX UEが適用すべきアクティブ時間またはオン継続時間を示すことができる。例えば、第1ステージSCIまたは第2ステージSCI等のSCI内の通知によりRX UEは、複数の設定済みまたは事前設定済みのオン継続時間から、TX UEから受信される送信用に指示されたオン継続時間を選択し得る。
【0106】
例えば、RX UEは、DRXサイクルおよびアクティブ時間を定義するDRX設定を受信することができる。RX UEは、次のうちの1つ以上のDRX設定を受信し得る。
・送信を実行するさらなるUE、
・送信を実行していないさらなるUE、例えば、UEが属するUEグループのグループリーダーUE、
・中継ノード、
・RSUまたはIOTデバイス、
・無線通信システムのアクセスポイント(例えば、基地局)。
【0107】
例えば、TX UEは、間欠受信(DRX)モードで動作するようにRX UEのうちの1つ以上を設定し、上記基準のうちの1つ以上に応じてRX UEを設定するためのDRX設定を選択または決定することができる。
【0108】
他の実施形態によれば、アクティブ時間は動的に制御可能であり、例えば、先行する送信に基づいて制御され得る。これにより、例えば、図6および図7を参照して上記したように、受信されたパケットによってオン持続時間(例えば、非アクティブタイマー)を延長することができ、これにより、TX UEが新たなパケットを送信できる。言い換えれば、そのような実施形態では、(例えば、DRX設定情報によって)初期設定された、または事前設定されたオン継続時間252が、送信またはデータパケットの受信に応答して延長され、それによって、DRX動作に対して初期設定されていたオン継続時間252を置き換える延長されたオン継続時間262が作成され得る。例えば、DRXサイクルのON持続時間252の実際の時間の長さは、後続のDRXサイクルごとに延長されてもよく、すなわち、パケットの受信後の周期的な初期ON持続時間252の代わりに、延長されたON持続時間262が使用される。
【0109】
さらなる実施形態によれば、延長は、TX UEが送信の終了を示すと取り消されてもよい。すなわち、図6および図7を参照して上記した終了通知260の通知後、DRXサイクルは延長されたオン継続時間262の使用を停止し、デフォルトオン持続時間とも呼ばれる初期設定のオン継続時間252に戻ってもよい。
【0110】
この直前の実施形態によれば、設定されたまたは事前設定されたアクティブ時間が、DRXサイクル中のオン継続時間または延長されたオン継続時間を決定するためにRX UEで使用される。他の実施形態によれば、リソースを監視すべき特定の期間を定義するのではなく、SL送信の特定の特性、すなわち、SL送信および潜在的な将来の送信のために指示または予約されるリソースが使用され得る。実施形態は、この特性を利用して、サイドリンク送信のために実際に指示または予約されたリソースのみを監視することによって、電力消費の削減を可能にする。このような将来のリソースを示すために使用されるパラメータは、時間および周波数リソース割り当てパラメータであってもよい。このようなパラメータは、SCIフォーマット1-a、第1ステージSCIを使用して定義されてもよい。これは、例えば、上記TRIVフォーマットおよび上記FRIVフォーマットをそれぞれ使用して、または予約済みリソースを通知するための上記フォーマットのいずれかを使用して、次の32タイムスロット内で予約されるリソースを示す。予約済みリソースに関する情報はAIM(assistance information message)に含まれてもよく、これは、SCIメッセージ、第1および/もしくは第2ステージSCIの一部であってもよく、またはSCIメッセージとは別個であってもよい(例えば、データまたはPSSCH内で送信される)。
【0111】
TX UEによるさらなる送信に使用される実際のリソースに関する情報に基づいて、RX UEは、オン継続時間中にリソースを監視することに加えて、1つ以上の送信のために、TX UEによって指示されたリソースを監視してもよい。したがって、オン継続時間のリソース以外のリソースの追加監視を、送信のために示されたリソースのみに制限することにより、RX UEの省電力特性を改善することができる。
【0112】
実施形態によれば、指示されたリソースのみの監視に関する省電力は、将来のリソース予約に基づいてオン継続時間を延長することによって、または将来の送信のために指示されたリソースのみをリッスンすることによって達成され得る。1つ目のケースでは、オン継続時間の固定延長は生じず、延長はTX UEによって通知された最後のリソースまでのみであるため、RX UEは、送信終了通知を受信する必要なく、最後に指示されたリソース後の他のリソースの監視を停止することができる。
【0113】
オン継続時間後の送信が発生するリソースのみが監視され、オン継続時間と延長された時間との間の送信のないリソースは監視する必要がないため、そのような時間中、UEはスリープモードまたは非アクティブモードに入ることができる。
【0114】
図8は、指示されたリソースのみを監視することによる省電力の実施形態を示す。図8(a)は、将来のリソース予約に基づいてオン継続時間を延長する実施形態を示し、図8(b)は、将来のリソース予約に基づいて監視されるアクティブ時間スロットの実施形態を示す。
【0115】
図8は、RX UEのDRXサイクル250を示す。DRXサイクル250は、実施形態によれば、TX UEによる送信のために予約される将来のリソースに応じて延長され得る周期的オン継続時間252を含む。図8の実施形態では、図の中央に示すように、オン継続時間252中に、タイムスロット(1)でTX UEから初期送信が受信されると仮定する。初期送信は、初期送信を送信したTX UEのさらなる送信のために予約されたリソースも示す制御情報に関連付けられている。このようなさらなる送信は、タイムスロット(2)および(3)での初期送信の再送信であってもよいし、または他の実施形態によれば、TX UEの他の初期送信を含んでもよい。図8(a)に示される実施形態では2回の再送信の送信が想定されており、タイムスロット(1)での初期送信は、例えば支援情報を使用して、再送信がタイムスロット(2)および(3)で行われることをRX UEに示す。RX UEは、タイムスロット(2)での第1の再送信が依然としてオン継続時間252内にあるが、タイムスロット(3)での第2の再送信はオン継続時間252外であることを認識する。RX UEは、最後の再送信が行われるタイムスロット(3)までアクティブ時間を延長することによってオン継続時間252を延長し、監視すべき実際のリソースに応じて延長されたオン継続時間262を作成する。したがって、図8(a)の実施形態によれば、アクティブ時間またはオン継続時間252中に受信されるパケット(例えば、タイムスロットCDでの初期送信)により、さらなる送信のための指示された将来のタイムスロット予約に依存する持続時間だけ(本実施形態では2つのタイムスロットによって図示されている)、オン継続時間252が延長される。したがって、図8(a)の実施形態では、デフォルトのオン継続時間252外のタイムスロット(3)での1つのさらなる送信がTX UEによって通知され、RX UEは、タイムスロット(3)における予約済みパケットの終了時点まで自身のアクティブ時間を延長する。
【0116】
図8(b)は、RX UEが、TX UEによって指示されるオン継続時間またはデフォルトのオン継続時間252外の追加リソースのみをリッスンする実施形態を示す。図8(b)の状況は、RX UEが、デフォルトのオン持続時間252外の第2の再送信のために指示されたタイムスロット(3)のみを監視することを除いて、図8(a)の状況と同様であるが、デフォルトのオン継続時間252の終了時点と、延長されたアクティブタイムスロット(3)との間の2つのタイムスロットはRX UEによって監視されない。
【0117】
したがって、図8(a)によれば、デフォルトのON期間の実際の延長が、送信(例えば、タイムスロット(3))用の最後の予約済みリソースまででしかないために、RX UEの省電力特性が強化されるが、図8(b)では、デフォルトのオン継続時間と実際と、タイムスロット(3)での再送信との間のタイムスロットをリッスンまたは監視しないことによって、省電力特性をさらに高めることができる。したがって、RX UEで電力を節約するために、RX UEがON期間252内の送信またはトランスポートブロックを受信することが保証されるが、ON期間252が終了すると、RX UEは(例えばTRIVフォーマットによって)指示されたタイムスロットのみをリッスンし、そうでない場合、RX UEは、指示されたリソース間で非アクティブまたはスリープモードに入る。これによって、省電力能力が向上する。
【0118】
さらなる実施形態によれば、上述したように、サイドリンクを介したTX UEのRX UEへの送信は、図8に示すように、初期送信および初期送信の再送信を含み得る。さらなる実施形態によれば、初期送信および再送信を送信する場合、オン継続時間252内に最初の送信を受信した後、RX UEは送信が正常に受信されるとスリープモードまたは非アクティブモードに入り得る。すなわち、送信はすでに正常に復号されているため、RX UEは、そのトランスポートブロックの将来の再送信をリッスンすることを停止する。したがって、図8を想定すると、タイムスロット(1)での初期送信がRX UEで正常に受信された場合、さらにタイムスロット(2)および(3)を監視する必要がないことから、RX UEはタイムスロット(1)後にスリープまたは非アクティブモードに入り得る。実施形態によれば、TX UE送信がHARQイネーブル送信である場合、非アクティブ/スリープモードへの移行は、初期送信が正常に受信された後の1つ以上のタイムスロットの間、延期され得る。これにより、タイムスロットCDでの正常な初期送信に応答して、RX UEは肯定応答(ACK)またはサイドリンク支援情報(AIM)を送信し、スリープモードに入る。初期送信が正常に受信されなかった場合でも、タイムスロット(2)で受信された第1の再送信が正常に復号された場合には、同じプロセスが適用され得る。
【0119】
さらなる実施形態によれば、TX UEは、Rel-16で定義されているように周期的送信を実行することで、さらなるまたは第2の送信またはトランスポートブロックのためにリソースを予約し得る。例えば、さらなる送信のためのリソースを指示するために、TRIVパラメータ等の上記フォーマットが使用され得る。このような場合、制御情報には、実際の予約済みリソースの通知に加えて、さらなるパラメータとして、例えばSCIフォーマット1-aに含まれる、いわゆるリソース予約期間が含まれる可能性がある。この期間では、指示された予約期間後、同じリソースがさらなる送信のために使用され得る。このような実施形態によれば、TX UEは、第2のまたはさらなるトランスポートブロックの送信に使用されるリソースを変更する必要がある可能性があり、そのような状況では、TX UEは、一定の持続時間、例えば持続時間としてゼロが指示された予約期間を送信することができる。これはRX UEに、TX UEからさらなる送信がこれ受信または予期されないことを通知するので、RX EUは言及された送信のためのリソースの監視を停止し、スリープまたは非アクティブモードに入ることができる。
【0120】
さらなる実施形態によれば、予約済みリソースを示すタイムスロット(例えば、オン継続時間後のタイムスロットまたは再送信の実際のタイムスロット(例えば、図8(b)のタイムスロット(3)))を監視するRX UEは、そのタイムスロットで送信または再送信を受信しない可能性がある。そのような状況において、実施形態によれば、オン継続時間252外の予約されたリソース(3)で送信または再送信を受信しない場合、RX UEは、例えば、送信を予期していたタイムスロット(3)後に非アクティブタイマーを開始することによって、短期間アクティブ状態を維持し得る。タイムスロット(3)での再送信の欠落は、TX UEによって使用されるリソースの再評価が理由である可能性があるため、最初に通知されたリソース(3)は、何らかの理由によりTX UEによって送信に使用できなくなったと判断された可能性がある。指示されたリソース(3)後に短期間アクティブ状態を維持しているUEは、TX UEによって選択された再評価されたリソース上で、欠落していた再送信を検出する可能性がある。再送信がRX UEで復号できない場合にも、再送信が受信されない可能性がある。
【0121】
他の実施形態によれば、RX UEは、n回の再送信の受信の間アクティブ状態を維持することができ、ここでnは、通知または事前設定された最大再送信回数以下である。他の実施形態によれば、RX UEは直接スリープまたは非アクティブモードに入り、次のオン継続時間中にのみ起動し得る。さらに他の実施形態によれば、RX UEは、RX UEがアクティブであり、再送信またはAIM等の支援情報を受信可能な時間および/または周波数情報を含むAIM等の支援情報(RX UEの1つ以上のオン継続時間に関する情報を含む)をTX UEに送信することができる。
【0122】
[TX UEによるアクティブ時間の延長/制限]
本発明の第4の態様の実施形態によれば、サイドリンクを介して他のUEと通信するRX UEの省電力特性は、TX UEの特定の送信が実際にRX UEで処理されるべきか否かを決定することによってさらに強化され得る。
【0123】
例えば、RX UEで受信された送信が特定のタイプのものであるか、特定の特性を有するか、または特定の基準を満たしていると判断された場合、RX UEは電力を節約するために、RX UEによって処理されるべき送信の要件に沿ったメッセージまたは送信のみを監視し、他の送信またはメッセージは破棄し得る。例えば、UEは、1つ以上の基準に応じて、送信を復号するか、または送信の復号をスキップするかを決定することができる。これにより、特定のメッセージまたは送信の必要な復号が実行されなくなるため、消費電力が削減される。
【0124】
例えば、送信がRX UEにとって関心のあるものであるか否かが、宛先IDに基づいて(例えば、送信がユニキャスト送信であるかグループキャスト送信であるかに基づいて)、および/または送信に関連付けられた優先度に依存して、および/または送信にHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)インジケータが関連付けられているか否かに基づいて、および/または送信に関連付けられたキャストタイプ(例えば、ユニキャスト送信、グループキャスト送信、またはブロードキャスト送信)に基づいて決定され得る。
【0125】
例えば、送信に関連付けられたSCI内で宛先IDおよび優先度が示され、オン継続時間中に監視対象の制御チャネル内で受信され得る。例えば、アプリケーションの優先度を考慮する場合、PSCCH上で送信される第1ステージSCI内のフィールドが評価され得る。第1ステージSCIの優先度フィールドを評価することにより、指定された優先度が特定のレベルに達していない場合、RX UEはPSSCH復号をスキップできる。例えば、省電力RX UEは、特定の優先度を超える送信またはメッセージのみを監視し、それより低い優先度のPSSCHメッセージまたは送信を破棄するか、または復号しない可能性がある。
【0126】
宛先を考慮する場合、RX UEは、PSSCH上で送信される第2ステージSCIに含まれる宛先フィールドを評価することができる。例えば、RX UEは、示された宛先IDに基づいて、特定の送信が実際にRX IDのアドレスを指定しており、復号する必要があるか否かを判断することができる。さらに、RX UEは、例えば宛先フィールド内に示されるグループIDおよびユニキャストIDに基づき、送信がグループへの送信であるかユニキャスト送信であるかを確認することができる。例えば、RX UEは、ユニキャスト送信は復号すべきであるが、グループキャスト送信は復号しなくてもよいと決定する可能性がある。
【0127】
送信に関連付けられたHARQインジケータが、送信機が送信に対するフィードバックを要求していることを示す場合、RX UEは送信を復号し、フィードバックを送信する。そうでない場合、すなわち、HARQインジケータが、送信機がフィードバックを要求していないことを示す場合、UEは電力を節約するために復号をスキップしてもよい。さらなる実施形態では、UEは、フィードバックが要求された場合であっても復号をスキップし得る。これは、例えば、省電力グループのメンバーが優先度の低いメッセージをスキップする場合のグループキャスト通信で役立つ可能性があ。ただし、グループメンバー全員からのフィードバックを予期している送信機にフィードバックが送信されない場合、送信機はメッセージを再送信する。この場合、上記挙動を回避するために、メッセージが正常に復号されなかった場合でもACKを送信することができ、これによって不必要な再送信が回避される。
【0128】
他の実施形態によれば、RX UEは特定のキャストタイプをスキップすることができる。これは、TX UEもしくは基地局によって設定されるか、またはリソースプール上で事前設定されてもよい。RX UEは、例えば第1ステージSCIまたは第2ステージSCI等のSCI内のキャストタイプをチェックし、送信が特定のキャストタイプである場合、PSSCHのさらなる復号をスキップする。
【0129】
さらなる実施形態によれば、RX UEは、第2ステージSCIが、UEの関心のある通信パートナーのリストとは異なるソースIDを示す場合、さらなるPSSCH復号をスキップすることができる。例えば、RX UEは、物理サイドリンク共有チャネルPSSCH上の第2ステージSCI内のソースIDフィールドを確認し、ソースIDフィールドが、RX UEが通信を受信しようとしている送信機からの送信ではないこと、または送信が、復号すべきソースIDのリストに載っていないことを示す場合、PSSCHのさらなる復号をスキップする。
【0130】
さらなる実施形態は、RX UEが、第1のステージSCIからの情報に基づいてPSSCH上の第2ステージSCIを復号することを決定したが、復号が失敗した状況に対処する。このような状況またはシナリオでは、第1ステージSCIで示される優先度が高優先度、すなわち特定の優先度レベルにある場合、RX UEは、例えば非アクティブタイマーをトリガすることによって、特定の時間だけアクティブ状態を維持し、パケットの再送信を受信し得る。RX UEは、アクティブ時間を延長するか、または、UEが予約フィール内に示されるリソースまでアクティブ状態を維持するか(図8(a))、もしくは再送信が発生するリソースに到達した際に再びアクティブになるように(図8(b))、再送信がいつどこで予期されるかを示す第1ステージSCI内の予約フィールドを確認することによって、特定の時間だけアクティブ状態を維持し得る。
【0131】
他の実施形態によれば、RX UEは、例えば予約済みリソースの指示のおかげで、復号が失敗した位置での送信が、実際にはTX UEからRX UEへの送信用に以前に予約されていることを認識する。復号が失敗した場合は、RX UE宛ての送信のコリジョンまたはプリエンプションが発生した可能性がある。この場合も、RX UEがON期間後のリソースを監視するアクティブ時間が延長されることで、コリジョンの場合には次の送信、またはプリエンプションの場合には代わりの送信が検出および受信され得る。これは、予約済みリソースに予期された送信が全く含まれていなかった場合、すなわち、送信がなかったため復号に失敗した場合にも適用できる。
【0132】
[HARQフィードバックに基づくTX UEによるアクション]
本発明の第5の態様の実施形態によれば、サイドリンクを介して他のUEと通信するTX UEは、RX UEのオン継続時間中に1つ以上の送信またはデータパケットを送信し、フィードバックを要求し得る。例えば、TX UEはHARQ対応送信を送信し得る。RX UEが受信したパケットまたは送信のいずれかに対して必要なHARQフィードバックを報告しない場合、TX UEは、RX UEが送信もしくはパケットを受信しなかった可能性があるか、またはこれは別の問題、例えば半二重問題によるものである仮定する。このような場合、TX UEは、RX UEが送信またはパケットを逃したため、アクティブ時間を延長しなかったと仮定する可能性がある。言い換えれば、TX UEは、DRXサイクルのデフォルトのON期間が適用されると仮定するため、TX UEは即時の再送信を考慮せず、RX UEのDRXサイクルの次のON期間まで待機する。言い換えれば、TX UEはHARQ対応送信を保留し得、保留は次のうちの1つ以上を含み得る。
・次のオン継続時間まで再送信を行わない。
・現在のトランスポートブロックTBについてそれ以上の再送信を行わない、
次のオン継続時間まで待つのではなく、このTBのための再送信は即座に停止される。
・次のオン継続時間中に再送信カウンタを再開する。
・初期冗長バージョンRVを使用する。
【0133】
例えば、初期送信を逃した場合、UEは初期RVのコピーを有さない。しかし、UEが初期RVを逃した場合、復号のパフォーマンスが低下するようなコードが設計される。
【0134】
したがって、初期RVは単独で正常な復号のための最高のパフォーマンスを備えていることから、初期RVが再び送信される。
・これまでのオン継続時間の量に応じて再送信の回数を減らす。
他の実施形態によれば、TX UEは、例えばRX UEがサイドリンクを介して2つ以上の他の送信機から送信を受信する可能性が高いと見なされるため、例えば非アクティブタイマーを作動することによって、RX UEがデフォルトのオン継続時間を延長したと仮定し得る。また、TX UEは、半二重問題によりRX UEが応答しなかったと仮定し得る。いずれの場合でも、デフォルトのオン継続時間が経過したにもかかわらず、TX UEは、これらの仮定に基づいて、RX UEによってトリガされたと仮定される延長されたオン継続期間を理由として、同じ送信またはパケットを設定または事前設定された回数だけ再送信する可能性がある。RX UEが依然としてこれらの再送信に応答しない場合、TX UEは次のデフォルトのオン継続時間までパケットまたは送信を保留し得る。
【0135】
[一般的事項]
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、各実施形態および態様は個別に実施されてもよいし、2つ以上を組み合わせて実施されてもよい。
【0136】
実施形態によれば、無線通信システムは、地上系ネットワーク、または非地上系ネットワーク、または航空機もしくは宇宙車両を受信機として使用するネットワークもしくはネットワークの一部、またはそれらの組み合わせを含むことができる。
【0137】
実施形態によれば、本明細書に記載のユーザデバイスUEは、電力が限られているUE、または歩行者によって使用されるUEなど、VRU(Vulnerable Road User)もしくはP-UE(Pedestrian UE)と呼ばれるハンドヘルドUE、または公安官および第一応答者によって使用される、PS-UE(Public safety UE)と呼ばれる装着型もしくはハンドヘルドUE、またはIoT UE(例えば、反復的なタスクを実行するためにキャンパスネットワーク内に設けられ、周期的にゲートウェイノードからの入力を必要とするセンサ、アクチュエータ、もしくはUE)、またはモバイル端末、または固定端末、またはセルラーIoT-UE、または車両UE、または車両グループリーダー(GL)UE、またはIoTもしくは狭帯域IoT(NB-IoT)デバイス、またはWiFi非アクセスポイントステーション(non-AP STA)(例えば、802.11axまたは802.11be)、または地上車両、または航空機、またはドローン、または移動基地局、または路側機(RSU)、または建物、または、無線通信ネットワークを使用してアイテム/デバイスが通信することを可能にするネットワーク接続を有する任意の他のアイテムもしくはデバイス(例えば、センサもしくはアクチュエータ)、または、サイドリンクを使用して通信することを可能にするネットワーク接続を有する任意の他のアイテム/デバイス(例えば、センサもしくはアクチュエータ)、または任意のサイドリンク対応ネットワークエンティティ、のうちの1つ以上であり得る。
【0138】
本明細書に記載の基地局BSはモバイルまたは非モバイル基地局として実装され得、マクロセル基地局、またはスモールセル基地局、または基地局の中央ユニット、または基地局の分散されたユニット、またはIAB(Integrated Access and Backhaul)ノード、または路側機、またはUE、またはグループリーダーGL、またはリレー、またはRRH(Remote Radio Head)、またはAMF、またはMME、またはSMF、またはコアネットワークエンティティ、またはモバイルエッジコンピューティングエンティティ、またはNRもしくは5Gコアコンテキストにおけるもののようなネットワークスライス、またはWiFi AP STA(例えば、802.11axまたは802.11be)、または、アイテムもしくはデバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイントTRP、のうちの1つ以上であり得、アイテムまたはデバイスは、無線通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続を有する。
【0139】
上記概念のいくつかの態様は装置の文脈で説明されているが、これらの態様は対応する方法の説明も表していることは明らかであり、ブロックまたはデバイスは方法ステップ、または方法ステップの特徴に対応する。.同様に、方法ステップの文脈で説明される態様も、対応する装置の対応するブロック、アイテム、または特徴の説明を表す。
【0140】
本発明の様々な要素および特徴は、アナログおよび/またはデジタル回路を使用するハードウェアとして実装されてもよく、1つ以上の汎用プロセッサまたは専用プロセッサによる命令の実行を通じてソフトウェアとして実装されてもよく、またはハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして実装されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステムまたは別の処理システムの環境で実装され得る。図9はコンピュータシステム600の例を示す。ユニットまたはモジュール、ならびにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つ以上のコンピュータシステム600上で実行され得る。コンピュータシステム600は、専用または汎用デジタル信号プロセッサのような1つ以上のプロセッサ602を含む。プロセッサ602は、バスまたはネットワークのような通信インフラストラクチャ604に接続される。コンピュータシステム600は、メインメモリ606、例えばランダムアクセスメモリRAM、および二次メモリ608、例えばハードディスクドライブおよび/またはリムーバブルストレージドライブを含む。二次メモリ608は、コンピュータプログラムまたは他の命令がコンピュータシステム600にロードされることを可能にし得る。
【0141】
コンピュータシステム600は、コンピュータシステム600と外部デバイスとの間でソフトウェアおよびデータを転送できるようにする通信インターフェース610をさらに含み得る。通信は、電子信号、電磁気信号、光信号、または、通信インターフェースによって処理可能な他の信号の形態を有し得る。通信は、ワイヤーまたはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、およびその他の通信チャネル612を使用し得る。
【0142】
「コンピュータプログラム媒体」および「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、リムーバブルストレージユニットまたはハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指して使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム600にソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、メインメモリ606および/または二次メモリ608に保存される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース610を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム600が本発明を実施することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ602が、本明細書に記載の方法のいずれかなどの本発明のプロセスを実施することを可能にする。したがって、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム600のコントローラを表し得る。本開示がソフトウェアを使用して実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に保存され、リムーバブルストレージドライブ、通信インターフェース610などのインターフェースを使用してコンピュータシステム600にロードされ得る。
【0143】
ハードウェアまたはソフトウェアでの実装は、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働する、または協働可能な電子的に読み取り可能な制御信号が保存されているデジタル記憶媒体、例えばクラウドストレージ、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイ、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM(登録商標)、またはFLASH(登録商標)メモリを使用して実行され得る。したがって、デジタル記憶媒体はコンピュータ可読であり得る。
【0144】
本発明に係るいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働できる電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアを含む。
【0145】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装され得、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、方法の1つを実行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械可読キャリア上に保存され得る。
【0146】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するための、機械可読キャリア上に保存されたコンピュータプログラムを含む。換言すれば、したがって、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータ上で実行されると、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0147】
したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムが記録されたデータキャリア、もしくはデジタル記憶媒体、またはコンピュータ可読媒体である。したがって、本発明の方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリームまたは信号のシーケンスである。データストリームまたは信号のシーケンスは、例えばインターネットなどのデータ通信接続を介して転送されるように構成されてもよい。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するように構成または適合された、例えばコンピュータまたはプログラマブルロジックデバイスなどの処理手段を含む。さらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをインストールしたコンピュータを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイなどのプログラマブルロジックデバイスを使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部またはすべてが実施され得る。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法の1つを実施するためにマイクロプロセッサと協働することができる。一般に、方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0149】
上記実施形態は、本発明の原理の例示に過ぎない。本明細書に記載される配置および詳細の改変および変更が、当業者には明らかであることを理解されたい。したがって、現行の特許請求の範囲によってのみ限定され、本明細書の実施形態の記載および説明によって提示される具体的詳細によって限定されることは意図されていない。
図1a
図1b
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
【国際調査報告】