(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】オーバーモールドフィルムコンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/32 20060101AFI20240314BHJP
【FI】
H01G4/32 540
H01G4/32 551Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023560204
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 US2022022723
(87)【国際公開番号】W WO2022216509
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511231986
【氏名又は名称】ケメット エレクトロニクス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】ボーニ,エバンジェリスタ
(72)【発明者】
【氏名】ファンティーニ,フェデリコ
(72)【発明者】
【氏名】ピチニーニ,ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ,ワルター
【テーマコード(参考)】
5E082
【Fターム(参考)】
5E082EE07
5E082HH27
(57)【要約】
オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法を提供する。この方法は、上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、第1の導電層及び第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することを含む。第1のリード線が形成され、第1の導電層と電気的に接触される。第2のリード線が形成され、第2の導電層と電気的に接触される。オーバーモールドは、作用要素上に形成され、オーバーモールドは、熱可塑性樹脂を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバーモールドフィルムコンデンサを形成する方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、
前記第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
前記作用要素上に、20℃以下のTgを備えた熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、前記第1のリード線と前記第2のリード線とは、前記オーバーモールドから延設される方法。
【請求項2】
前記オーバーモールドを形成することは、300~2200バールの圧力で高圧成形を行うことを含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項3】
前記オーバーモールドを形成することは、少なくとも245℃の温度で行われる、請求項2に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項4】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項3に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項7】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項8】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項7に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項9】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項10】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項9に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項11】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに含む、請求項9に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項12】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項13】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項12に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項14】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項13に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項15】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項16】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項17】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項18】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項17に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項19】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項20】
オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、
前記第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
前記作用要素上に、0.1~5GPaのヤング率を有する熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、前記第1のリード線及び前記第2のリード線は、前記オーバーモールドから延設される方法。
【請求項21】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項22】
前記オーバーモールドを形成することは、300~2200バールの圧力で高圧成形を行うことを含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項23】
前記オーバーモールドを形成することは、少なくとも245℃の温度で行われる、請求項22に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項24】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項23に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項25】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項26】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項27】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項26に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項28】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項29】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項28に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項30】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに含む、請求項28に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項31】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項32】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項33】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項32に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項34】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項32に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項35】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項34に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項36】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項37】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項36に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項38】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項39】
オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、
前記第1の導電層に電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層に電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
300~2200バールの圧力、少なくとも245℃の温度にて、前記作用要素上に熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、
前記第1のリード線及び前記第2のリード線は、前記オーバーモールドから延設される、方法。
【請求項40】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項41】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項42】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項43】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項44】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項45】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項44に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項46】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項47】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項46に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項48】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに含む、請求項46に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項49】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項50】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項49に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項51】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項50に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項52】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項53】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項52に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項54】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項55】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項54に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項56】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項57】
オーバーモールドフィルムコンデンサであって、
上に導体が形成された誘電フィルムを備えた少なくとも1つの作用要素と、
前記作用要素を収容し、前記作用要素の上に直接熱可塑性樹脂を含み、樹脂充填ボックスを含まないオーバーモールドと、を備えるオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項58】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項59】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項60】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項61】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項62】
第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項63】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項64】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項63に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項65】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに含む、請求項63に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項66】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項67】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項68】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項67に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項69】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項70】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項71】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項72】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する請求項71に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項73】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年4月7日出願の係属中の米国仮特許出願第63/171,730号の優先権を主張するものであり、その内容を参照として本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は、改良されたフィルムコンデンサに関し、特に、改良されたオーバーモールドが、体積効率、製造効率、及び製品性能の点において利点をもたらす改良されたオーバーモールドによるフィルムコンデンサに関する。
【背景技術】
【0003】
電子分野においては、より小さなスペースでより多くの機能を提供するというニーズが引き続き存在する。この努力は、通常、小型化と称されるが、電子回路及び電子機器の設計のあらゆる面に影響を及ぼしている。本発明の目的のため、電子部品レベルでの小型化、特に、フィルムベース電子コンデンサの小型化に注目する。電子部品は、典型的には、基板上で組み合わせられ、電子機器の決定的な要素である電子回路を形成する。電子機器は、典型的には、最終的な消費者が最も高く関心をもつところである。
【0004】
電子分野で並行的に努力されているのは、より高い容量でより長い平均寿命を備えた電子回路及び電子部品への駆動である。より長い平均寿命のための重要な要素は、パッケージ化であり、パッケージ化により電子機器の特定部分を全体として、電子回路を単位又は電子部品として保護する。本発明は、特に、電子部品、より具体的には、フィルムベース電子コンデンサの平均寿命を延ばすことに注目している。
【0005】
当業者にとって、小型化とパッケージ化とが両立しないことは周知である。パッケージ化では、典型的には、電気的機能に関してなんらの利点ももたらさないものの、必然的に電子部品又は電子回路に体積を追加する。パッケージ化は、場合によっては、電気的性能に弊害をももたらし得る。本発明は、空間的な利点を提供しつつ、電気的性能を損なわないオーバーモールドを提供する。
【0006】
過去にはコーティングが施されたが、フィルムベースコンデンサでは、フィルもコンデンサの熱的特性のため、コーティングを形成する能力が限定的であった。樹脂、典型的にはボックスの形態で収容されたものを利用することが考えられ、ボックスに樹脂を充填する。ボックスは、貴重な空間を消費してしまう。それゆえ、フィルムコンデンサは、多くの用途において受容できなかった。
【0007】
電子部品にコーティングを施す方法があるが、依然としてフィルムコンデンサに対して良好であるかは証明されていない。電子部品を浸漬させることによってコーティングを形成するのは、場合によっては好適であるが、コーティングの形状を制御する能力は限定的であり、与えられる保護は材料のコーティング特性に応じて決まり、共通のコーティング内に複数の成分を組み合わせることは非常に困難である。
【0008】
エポキシ樹脂の充填されたボックスが一般的に採用されるが、上述の小型化が犠牲にされる。同様に、場合によっては樹脂を伴わないボックスの使用が採用されるが、提供される環境保護が不十分である。
【0009】
本発明は、オーバーモールドと、フィルムコンデンサとの使用に好適なオーバーモールドを形成する方法であって、オーバーモールドは、外部ボックスの使用を伴わない直接モールドを含む方法と、を提供する。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、特にフィルムコンデンサのための改良されたオーバーモールドを提供する。
【0011】
特別な利点として、コーティングの施されたフィルムコンデンサ、又はボックス内に収容されたフィルムコンデンサに対して要求される体積量が低減される。
【0012】
他の特別な利点として、電気的性能を損なわず、又は低下させず、フィルムコンデンサの有効な寿命を延ばすオーバーモールドフィルムコンデンサである。
【0013】
これら及び他の利点は、実現されるように、オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法において提供され、この方法は、上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、第1の導電層及び第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、作用要素上に、20℃以下のTgを備えた熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、第1のリード線と第2のリード線とは、オーバーモールドから延設される。
【0014】
さらの他の実施形態は、オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法であって、この方法は、上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、第1の導電層及び第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、作用要素上に、0.1~5GPaのヤング率を有する熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、第1のリード線及び第2のリード線は、オーバーモールドから延設される。
【0015】
さらに他の実施形態は、オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法において提供され、この方法は、上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、第1の導電層及び第2の導電層が容量結合を形成する作用要素を形成することと、第1の導電層に電気的に接触した第1のリード線、及び第2の導電層に電気的に接触した第2のリード線を形成することと、300~2200バールの圧力、少なくとも245℃の温度にて、作用要素上に熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、第1のリード線及び第2のリード線は、オーバーモールドから延設される。
【0016】
さらに他の実施形態は、オーバーモールドフィルムコンデンサにおいて提供される。このフィルムコンデンサは、上に導体が形成された誘電フィルムを備えた少なくとも1つの作用要素を備える。オーバーモールドは、作用要素を収容し、作用要素の上に直接熱可塑性樹脂を含み、樹脂充填ボックスを含まない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、フィルムコンデンサの作用要素の断面概略図である。
【
図2】
図2は、フィルムコンデンサの作用要素の断面概略図である。
【
図3】
図3は、オーバーモールドフィルムコンデンサの断面概略図である。
【
図4】
図4は、共通にオーバーモールドされる複数のフィルムコンデンサの断面概略図である。
【
図5】
図5は、本発明によって提供される体積的利点を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、本発明によって提供される体積的利点を示す端面図である。
【
図7】
図7は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図8】
図8は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図9】
図9は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図10】
図10は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図11】
図11は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図12】
図12は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図13】
図13は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図14】
図14は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図15】
図15は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図16】
図16は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図17】
図17は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図18】
図18は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図19】
図19は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図20】
図20は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図21】
図21は、本発明によって提供される利点を図示している。
【
図22】
図22は、本発明によって提供される利点を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、オーバーモールドフィルムコンデンサであって、オーバーモールドがプラスチック、好ましくは熱可塑性樹脂を含み、完成したオーバーモールドフィルムコンデンサが、オーバーモールドフィルムコンデンサで典型的に要求されるような樹脂充填ボックスなどのボックスを有さないオーバーモールドフィルムコンデンサに関する。より具体的には、本発明は、フィルムコンデンサ分野において典型的に要求されるような成形材料を収容するためのボックスの必要性のない、フィルムコンデンサの作用要素上に直接形成されたオーバーモールドに関する。
【0019】
特別な利点は、フィルムコンデンサ上に直接、少なくとも内側オーバーモールドとして熱可塑性を備えた高圧射出(HPI)成形を使用することによって提供される。特に好適なのは、溶融温度TMが約160℃~350℃であり、ガラス転移温度Tgが20℃以下であり、ヤング率が0.1~5GPaである熱可塑性樹脂である。ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)が特に好適であり、PPが特に好適である。
【0020】
高温及び高湿環境において機械的及び電気的な性能を得るには、オーバーモールド層が均質であることが必要であり、これは、本発明により言及した熱可塑性樹脂と高圧射出成形とを使用して達成される。
【0021】
高圧成形は、種々の用途のため、当分野で周知である。高圧成形は、典型的には、使用される熱可塑性樹脂のTgを上回り、好ましくは約200℃~350℃の成形温度で行われる。例として、成形温度は、PP及びPBTに対しては約200~240℃であり、PPSに対しては300~1000バールの圧力で約250℃超~320℃であることが好ましい。
【0022】
本発明は、本発明の明確さのために提供された明細書と一体の、かつその非限定的な一部である図面を参照して説明する。種々の図面を通じて、同様の要素はそれに応じた数字で示される。
【0023】
作用要素が概略積層図で示されており、2つの層が示されているものの、これに限定されない
図1を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図1において、作用要素は、全般的に10で示されており、第1の導電層18が片側に被覆された第1のフィルム層16を備える。第2の導電層18’が片側に被覆された第2のフィルム層16’は、第1のフィルム層とともに積層配置されている。認識されるとおり、逆の極性の隣接した金属層が、フィルム層によって分離されている。検討の目的のため、第1の導電層は、アノードと指定され、第2の導電層は、カソードとして指定されるが、これに限定されるものでない。各第1の導電層は、フィルム層によって隣接する第2の導電層から物理的及び電気的に分離されており、フィルム層は、第1の導電層と第2の導電層との間の誘電フィルムとして機能する。第1のフィルム層及び導電性コーティング、並びに第2のフィルム層及び導電性コーティングは、製造の簡便さのために同一であることが好ましく、又は製造又は設計の柔軟性を可能にするように異なっていてもよい。導電性パッド19は、任意であり、好ましくは導電層上に形成されることで、リード線21の電気的装着を可能にし、従来既知のとおり、第1の導電層、及び同一極性のこれらの層は第1のリード線に電気的に装着され、第2の導電層、及び同一極性のこれらの層は、第2のリード線に装着される。当業者にとって容易に理解されるとおり、隣接した導電層は、オフセットされることで、リード線への導電性を可能にし、隣接した導電層が共通に終端されないように保証する。
【0024】
作用要素が概略積層図において示された
図2を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図2において、作用要素は、全般的に10で示されており、第1の導電層118が第1の側に被覆され、第2の導電層118’が第2の側に被覆された第1のフィルム層であって、好ましくは、当業者にとって認識されるとおり、反対の極性のリード線への隣接する導体の終端を可能にするオフセットを伴った第1のフィルム層を備える。分離機12は、いずれの導電性コーティングも伴わないフィルムであることが好ましく、第1のフィルム層と第2のフィルム層との間に挟持される。より具体的には、分離機は、フィルム層の片側に導電層を有した各フィルム層間に設けられる。容量結合は、各隣接層間にフィルム層を備えた隣接する金属層によって形成される。検討の目的で、金属層118及び118”は、アノード層と指定され、層118’及び118’’’は、カソード層と指定されるが、これに限定されるものでない。
【0025】
図3を参照して、本発明の一実施形態を説明する。
図3において、オーバーモールドフィルムコンデンサは、断面概略図に示されている。リード線21を備えた作用要素10は、オーバーモールド26に収容される。オーバーモールドは、最外層であり、作用要素上に直接設けられ、これを収容する内側オーバーモールド22と、内側オーバーモールドを収容する外側オーバーモールド24と、を備えてもよい。少なくとも内側オーバーモールドは、高圧射出によって形成され、好ましくは内側オーバーモールド及び外側オーバーモールドの双方は、高圧射出によって形成される。オーバーモールド26は、オーバーモールドを通じて延設されたリード線21を備える作用要素10の全体を収容する。オーバーモールドは、作用要素上に現場で形成され、事前形成されたボックスを含まない。現場形成とは、本明細書中、流動している材料から形成されるものであり、流動している材料は、現場形成中に作用要素を巻き込むものと定義される。本発明の目的のために、オーバーモールドフィルム部品は、その上にオーバーモールドの形成されたフィルム部品である。位相変化材料(PCM)25は、任意であり、オーバーモールド26内にあることが好ましく、外側オーバーモールド24内にあることが好ましい。
【0026】
外側オーバーモールドは、内側オーバーモールドの熱可塑性樹脂に対応した任意の熱可塑性樹脂によって形成され得る。外側オーバーモールドに使用される好適な熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド(PLA)、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む。
【0027】
図4は、共通のオーバーモールド26における多数の作用要素10を断面図で概略的に示している。絶縁体27は、隣接する作用要素間に設けられることが好ましく、絶縁体は、オーバーモールドに先立って形成可能であるか、又は絶縁体は、オーバーモールド中に形成可能であり、絶縁体は、オーバーモールドに使用される熱可塑性樹脂を含む。
【0028】
フィルム層の断面サイズは、特に限定されるものでなく、利用可能な空間の関数として、容量を含む設計上の制限に合致するように選択される。
【0029】
特に好適なフィルム層は、二軸伸張されて周知の技術であるに軸方向配向フィルムを形成し、フィルムのロールがフィルムの幅に直交する機械方向(MD)と、フィルムの幅に平行な横断方向(TD)とに伸張される。機械方向及び横断方向は、同時に又は順次行うことができる。場合によっては、二軸伸張は、フィルムが部分的溶融状態にある間に行われる。二軸伸張は、圧延、一軸圧縮、テンターフレーム伸張など、当分野で既知の任意の技術によって達成可能である。二軸伸張は、ポリマーの結晶性を変化させることにより、鋳放し材料に対して特性を変化させる。二軸伸張ポリプロピレンは、種々の好適な厚さで幅広く商業的に利用可能であるため、本発明中でこのプロセスのさらなる説明には値しない。20μm未満の厚さを備えた二軸伸張ポリプロピレンが商業的利用可能性のために好適である。
【0030】
本発明における使用に好適な金属化フィルムは、本明細書において特に限定されるものでない。特に好適な実施形態において、金属化フィルムは、当業者にとって周知のとおり、誘電フィルムの表面上に蒸着された金属コーティングとして形成される。金属フィルムは、当分野で既知のとおり、導体に電気的に接続されていない側において絶縁マージンを備えることが好ましい。金属は、特に限定されるものでなく、アルミニウム及び亜鉛が本発明の実証には特に好適である。
【0031】
誘電フィルムは、本明細書中、特に限定されるものでないが、プラスチック誘電フィルムが好適である。本発明の実証の使用に特に好適なフィルムには、ポロプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、テトラフルオロエチレン(TFE)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、及びこれらの組み合わせが含まれる。フッ素化フィルム、特にフッ素化オレフィンは、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とともに使用されると特に好適であり、テトラフルオロエチレンがその一例である。誘電フィルムは、酸化チタンバリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、及びチタン酸ベリリウムからなる群より選択された酸化物等の充填剤としての複合酸化粒子を含み得る。本発明の実証に好適な他の酸化物には、周期表の第2周期から第5周期までの2族金属元素からなる材料、具体的には、酸化チタンバリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウムなどが含まれる。
【0032】
導体は、本明細書において特に限定されるものでない。金属蒸着によって、又は金属箔から形成される導体が本発明の実証に特に好適である。
【0033】
引き出し端子は、本明細書中において特に限定されるものでなく、当分野において共通に採用される任意の従来の引き出し端子が本発明の実証に好適である。
【0034】
導電層材料は、導電性コーティングを提供してコンデンサの導体として作用するために、フィルム層上に被覆可能な任意の材料である。金属、炭素、及びこれらの組み合わせが特に好適である。特に好適な導電性コーティングには、アルミニウム、銅、亜鉛、金、銀、及びこれらの組み合わせが含まれる。導電層は、蒸着、熱蒸発、PVD、被覆、噴射など、当分野で既知の任意の技術によって付与される。導電性コーティングは、典型的には、少なくとも10nm~500nm以下までの厚さに付与される。
【0035】
同一のフィルムコンデンサが従来の方法でオーバーモールド又はパッケージ化されている
図5及び
図6を参照して、効果を説明する。
図5は、斜視図であり、
図6は、端面図である。コンデンサCは、ボックス52内において従来の樹脂50を使用した従来のパッケージ化フィルムコンデンサである。パッケージ化コンデンサの最小サイズは、ボックスのサイズによって限定され、ボックスは、その内部に収容されるコンデンサより必ず大きくなければならない。コンデンサAは、高圧射出オーバーモールドフィルムコンデンサを含む本発明のコンデンサであり、オーバーモールド22は、ポリプロピレンである。本発明のフィルムコンデンサの厚さT
Aは、コンデンサCで表される従来のパッケージ化フィルムコンデンサの厚さT
Cよりも著しく薄い。コンデンサBは、コンデンサAについて説明したとおり、本発明の第1のオーバーモールドを含み、ポリフェニレンスルフィドの追加のオーバーモールド24がポリプロピレンオーバーモールドを収容する。コンデンサBの厚さT
Bは内側オーバーモールド及び外側オーバーモールドにより僅かに大きいが、環境条件に対する保護がより良好になり、厚さは、T
Cとして表される従来のパッケージ化コンデンサの厚さよりも依然として薄い。認識されるとおり、端面図に対して示された厚さの効果は、3次元において明らかであるため、従来技術に対する本発明のコンデンサの全体寸法により、小型化に関して著しい効果を提供する。
【0036】
本発明は、小型化及び電気的性能を上回る恩恵をもたらす。内部にコンデンサ及び樹脂が挿入されたボックスを取り除くことで、ボックスのコストを取り除き、フィルムコンデンサを環境条件から保護するのに必要な材料の総量を低減する。
【0037】
本発明により、オーバーモールドの形状の著しい柔軟性も可能にする。オーバーモールドを成形する能力により、多くの利点をもたらす。一実施形態において、オーバーモールドの形状は、オーバーモールド中のフィルムコンデンサの形状に合致し得る。フィルムコンデンサの形状の合致することにより、オーバーモールド内の材料の量が、オーバーモールドの一部に過剰な厚さを伴うことなく、環境保護をもたらすのに必要な厚さに最適化可能であるため、材料コストを低減する。他の実施形態において、オーバーモールドの形状は、ピックアンドプレース部品、安定性部品等を提供するのに合わせて調整可能である。
【0038】
本発明の特徴は、1つの共通の成形において複数の部品をオーバーモールドする能力であり、これによってさらなる小型化及び柔軟性を可能にする。
【0039】
本発明は、著しい審美的外観を備えたオーバーモールドを提供する。所望の形状を利用した上述の能力に加えて、当分野で一般的なボックス充填樹脂のこれらの要素、例えば、樹脂又はボックス内の割れ、キャップの腫れ、樹脂内の泡又はボイド、染み等が取り除かれる。
【0040】
本発明の特徴は、1つの共通の成形において複数の部品をオーバーモールドする能力であり、これによって小型化及び柔軟性を可能にする。特別な特徴は、オーバーモールド、特に外側オーバーモールドに位相変化材料を組み込む能力である。
【0041】
位相変化材料の非限定的な例には、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料が含まれ得る。
【0042】
特に好適な位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kg、より好ましくは50kJ/kg~600kJ/kgにおける位相変化に対してエンタルピーを有する。
【0043】
特に好適な位相変化材料は、45℃~300℃、より好ましくは80℃~200℃の位相変化温度を有する。
【0044】
位相変化材料としての使用に特に好適な合金には、約117℃の溶融温度を有する、Indalloy1E等のInSnベース合金、約154℃の溶融温度を有するIndalloy164等のInAgベース合金、約175℃の溶融温度を有するIndalloy204等のInPbベース合金、及び約138℃の溶融温度を有するIndalloy281等のBiSnベース合金を含むはんだが含まれる。
【0045】
特に好適な有機位相変化材料には、約89℃の溶融温度を有するPluss(登録商標)からのsavE(登録商標)HS89、約151℃の溶融温度を有するPure Temp LLCからのPureTemp(登録商標)151、約75.9℃の溶融温度を有するParaffin33-Carbon、約118℃の溶融温度を有するPlusICE A118、約164℃の溶融温度を有するPlusICE A164が含まれる。
【0046】
水及び水性PCMは、約100℃の位相転移温度を有する。
【0047】
特に好適な蝋には、約50℃~約80℃の溶融温度を有する商業的に利用可能な蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋が含まれる。
【0048】
特に好適な水和塩ベース材料には、約120℃の溶融温度を有するPlusICE H120、約117℃の溶融温度を有する塩化マグネシウム六水和物、約117℃の溶融温度を有するPlusICE S117が含まれる。
【0049】
特に好適な固相-固相変化材料には、約130℃の位相転移温度を有するPlusICE X130、約130℃の位相転移温度を有するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、約134℃の位相転移温度、約169℃の溶融温度、及び約293kJ/kgのエンタルピーエネルギーを有するForsman Scientific (Beijing) Co.,Ltd.からのFSM-PCM95が含まれる。
【0050】
特に好適な固相-粘性相-液相変化材料は、約120℃の位相転移温度、及び約200kJ/kgのエンタルピーエネルギーを有するGuangdong Kingbali New Material Co.,Ltdから入手可能な9005-H120シリーズ等、ゴム充填剤をベースとする。
【0051】
固相-固相転移PCMは、部品が、断熱性能を損なうことなく、複数のリフローサイクル又はリワークサイクルに耐え得ることを可能にするので、特に好適である。構造が構造内に液体を維持し、その液体が構造からこぼれでないようにすれば、固相-液相転移PCMも特に好適である。
【0052】
液体-蒸気又は固体-蒸気転移の位相変化材料は、製造中等、一度必要な場合に熱吸収中の使用に好適である。
【0053】
実施例
1つのシリーズの同一のフィルムコンデンサは、5mmのピッチ、すなわち外部リード線間距離を備えて調製した。コントロールコンデンサを形成するための従来の標準慣例に従い、ボックス及び樹脂を使用して、一組の個々のフィルムコンデンサをパッケージ化した。第2の組の個々のフィルムコンデンサは、高圧射出でポリプロピレンでオーバーモールドして、本発明のオーバーモールドフィルムコンデンサを形成した。コントロールコンデンサに対する本発明のオーバーモールドフィルムコンデンサの平均寸法削減、高さ×長さ×幅(HLW)は、3.2mm×0.0mm×1.1mmであり、231.5mm3、すなわち約35%の平均体積削減をもたらす。体積の関数としての平均容量密度又は容量は、77.7×10-3nF/mm3、すなわち約52%増加した。
【0054】
1つのシリーズの同一のフィルムコンデンサは、27.5mmのピッチ、すなわち外部リード線間距離で調製した。一組の個々のフィルムコンデンサは、コントロールコンデンサを形成するための従来の標準的な慣例に従い、ボックス及び樹脂を使用してパッケージ化した。第2の組の個々のフィルムコンデンサは、高圧射出でプリプロピレンによってオーバーモールドして、本発明のオーバーモールドフィルムコンデンサを形成した。コントロールコンデンサに対する本発明のオーバーモールドフィルムコンデンサの平均寸法削減、HLWは、5.5mm×1.7mm×1.0mmであり、これは3631.5mm3、すなわち約30%の平均体積削減であった。平均容量密度は、189×10-3nF/mm3、すなわち約42%増加した。
【0055】
他の1つのシリーズの同一のフィルムコンデンサは、27.5mmのピッチ、又は外部リード線間距離で調製した。一組の個々のフィルムコンデンサは、コントロールコンデンサの形成のための従来の標準的な慣例に従い、ボックス及び樹脂を使用してパッケージ化した。第2の組の個々のフィルムコンデンサは、高圧射出でポリプロピレンによってオーバーモールドして本発明のオーバーモールドフィルムコンデンサを形成した。平均体積削減削減は、18%であり、容量密度、すなわち体積の関数としての容量の平均増加は、22%であった。
【0056】
1つのシリーズのDC-リンク用途用の同一出力ボックスフィルムコンデンサは、27.5mmのピッチを備えたリード線に電気的に接続されたアルミニウム及び亜鉛で単一金属化されたPPベースフィルムを使用して調製した。コンデンサは、PP樹脂でオーバーモールドした。フィルムコンデンサは、高圧射出オーバーモールドの前後に特性化された。1つのシリーズをポリプロピレンによる高圧射出成型前後に試験した。高圧射出成型は、200℃~250℃の温度、及び400バールの圧力で行われ、コンデンサ要素周辺全体に約1mmの厚さでコーティングを形成した。すべてのサンプルは、kVの単位の降伏電圧(FBDV)について試験し、結果は
図7に図示されており、μFの単位の容量は、
図8に図示されており、Tgδ@1kHzは、
図9に図示されている。特性化の後、これらのサンプルを3つのグループに分けた。3つのうちの1つのグループは、85℃@780Vdcで試験し、その結果が
図10に図示されており、1つのグループは105℃@585Vdcで試験し、その結果が
図12に図示報告されており、3番目のグループは、-55+105℃の急速な温度変化について、DF@1kHzで試験され、結果は
図13に図示報告されており、変化パーセンテージ変化が
図11中に図示されている。
【0057】
電磁波妨害(EMI)抑制用途用の1つのシリーズの同一のフィルムコンデンサは、アルミニウム及び亜鉛による単一金属化PPベースフィルムを使用して調製し、PP樹脂でオーバーモールドしたリード線に電気的に接続した。フィルムコンデンサは、高圧射出オーバーモールディングの前後の特性化した。1つのシリーズすべてを、高圧射出成型前に試験した。ポリプロピレンの高圧射出成型は、同一のグループに形成した。高圧射出成型は、200℃~250℃の温度、400バールの圧力で行われ、コンデンサ要素周辺全体に約1mmの厚さでコーティングを形成した。すべてのサンプルをkVの単位で降伏電圧(FBDV)について試験し、結果を
図16に図示報告しており、μFの単位の容量は、
図14に図示報告されており、成形前後におけるTgδ@1kHzは、
図15に図示されている。
【0058】
27.5mmのピッチを備えたリード線によって電気的に接続されたアルミニウム及び亜鉛による単一の金属化PPベースフィルムを使用して、2つのシリーズのDCリンク用途用の同一出力ボックスフィルムコンデンサを調整した。1つのシリーズは、PBT樹脂と30%ガラスファイバーのブレンドでオーバーモールドした。第2のシリーズは、PPSでオーバーモールドした。すべてのフィルムコンデンサは、高圧射出オーバーモールド前後に特性化した。高圧射出成型は、1500バール未満の圧力にて、PBTについては250℃~300℃で、PPSについては300~360℃で行われ、コンデンサ要素周辺全体に約1mmの厚さのコーティングを形成した。第1のグループ及び第2のグループは、
図19に図示報告されるとおり、kVの単位で降伏電圧(FBDV)について試験を行い、μFの単位の容量は、
図17に図示報告されており、HPI成形の前後のTgδ@1kHzは、
図18に図示報告されている。特性化の後、第1のシリーズ、成形されたPBT及びガラスファイバーは、3つのグループに分けられた。1つのグループは、65℃-93%RHのバイアス湿度下、電圧450Vdcで試験され、その結果が
図20に図示されており、1つのグループは、85℃@780Vdcで動作寿命について試験され、結果が
図21に図示されており、第3のグループは、105℃@585Vdcで試験され、結果が
図22に図示されている。
【0059】
DCリンクは、商業的に利用可能なC4AQ-Pコンデンサからなる金属化ポリプロピレンフィルムで調製した。標準C4AQ-Pコンデンサは、典型的には、樹脂を備えた矩形プラスチックボックスにおいて利用可能である。同一の容量結合は、270~300℃の温度で300~600バールの圧力でPBTによりオーバーモールドした。オーバーモールドサンプルの容量降下は、商業的限度の範囲内であり、DFは、標準C4AQ-Pに対して非常に良好であった。
【0060】
米国特許第9,127,153号明細書及び国際出願である国際公開第2000070569号について、本明細書中に参照として援用する。
【0061】
本発明について、好適な実施形態を参照して説明したが、これに限定されるものでない。当業者は、添付の請求書に説明及び記載された追加の実施形態を認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバーモールドフィルムコンデンサを形成する方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成
し、前記第1のフィルム層がプラスチック誘電フィルムである作用要素を形成することと、
前記第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
前記作用要素上に、20℃以下のTgを備えた熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、前記第1のリード線と前記第2のリード線とは、前記オーバーモールドから延設される方法。
【請求項2】
前記オーバーモールドを形成することは、300~2200バールの圧力で高圧成形を行うことを含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項3】
前記オーバーモールドを形成することは、少なくとも245℃の温度で行われる、請求項2に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項4】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項3に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項7】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項8】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項7に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項9】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項1に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項10】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項9に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項11】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに
含む、請求項9に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項12】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項13】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項12に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項14】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項13に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項15】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項16】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項17】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項18】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項17に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項19】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項11に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項20】
オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成
し、前記第1のフィルム層がプラスチック誘電フィルムである作用要素を形成することと、
前記第1の導電層と電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層と電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
前記作用要素上に、0.1~5GPaのヤング率を有する熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、前記第1のリード線及び前記第2のリード線は、前記オーバーモールドから延設される方法。
【請求項21】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項22】
前記オーバーモールドを形成することは、300~2200バールの圧力で高圧成形を行うことを含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項23】
前記オーバーモールドを形成することは、少なくとも245℃の温度で行われる、請求項22に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項24】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項23に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項25】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項26】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項27】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項26に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項28】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項20に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項29】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項28に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項30】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに
含む、請求項28に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項31】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項32】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項33】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項32に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項34】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項32に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項35】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項34に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項36】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項37】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項36に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項38】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項30に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項39】
オーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法であって、
上に第1の導電層を備えた第1のフィルム層、及び上に第2の導電層を備えた第2のフィルム層を備え、前記第1の導電層及び前記第2の導電層が容量結合を形成
し、前記第1のフィルム層がプラスチック誘電フィルムである作用要素を形成することと、
前記第1の導電層に電気的に接触した第1のリード線、及び前記第2の導電層に電気的に接触した第2のリード線を形成することと、
300~2200バールの圧力、少なくとも245℃の温度にて、前記作用要素上に熱可塑性樹脂を含むオーバーモールドを形成することと、を含み、
前記第1のリード線及び前記第2のリード線は、前記オーバーモールドから延設される、方法。
【請求項40】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項41】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項42】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項43】
前記オーバーモールドを形成することは、360℃以下の温度で行われる、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項44】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項45】
前記第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項44に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項46】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項39に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項47】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項46に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項48】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに
含む、請求項46に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項49】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項50】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項49に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項51】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項50に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項52】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項53】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項52に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項54】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項55】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する、請求項54に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項56】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項48に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサの形成方法。
【請求項57】
オーバーモールドフィルムコンデンサであって、
上に導体が形成された
、プラスチック誘電フィルムである誘電フィルムを備えた少なくとも1つの作用要素と、
前記作用要素を収容し、前記作用要素の上に直接熱可塑性樹脂を含み、樹脂充填ボックスを含まないオーバーモールドと、を備えるオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項58】
前記熱可塑性樹脂は、160℃~350℃の溶融温度を有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項59】
前記熱可塑性樹脂は、0.1~5GPaのヤング率を有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項60】
前記熱可塑性樹脂は、20℃以下のTgを有する、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項61】
前記第1のフィルム又は前記第2のフィルムのうちの少なくとも一方は、ポロプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルフィド、テトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、及びシクロオレフィンポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項62】
第1のフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項63】
前記オーバーモールドは、内側オーバーモールドと外側オーバーモールドとを含む、請求項57に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項64】
前記外側オーバーモールドは、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、多環式オレフィン、ポリフェニレンスルフィド、アクリル酸、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ナイロン(登録商標)、ポリラクチド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、並びにポリテトラフルオロエチレン、及びバイオベースポリマーからなる群より選択された材料を含む、請求項63に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項65】
前記内側オーバーモールド又は前記外側オーバーモールドのうちの少なくとも一方は、位相変化材料をさらに
含む、請求項63に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項66】
前記外側オーバーモールドは、前記位相変化材料を含む、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項67】
前記位相変化材料は、合金、有機位相変化材料、水性位相変化材料、ワックス、水和塩ベース材料、固相-固相変化材料、糖アルコールベース材料、及び固相-粘性相-液相変化材料からなる群より選択される、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項68】
前記位相変化材料は、InSnはんだ、InAgはんだ、InPbはんだ、BiSnはんだ、savE(登録商標)HS89、PureTemp(登録商標)151、Paraffin 33-Carbon、PlusICE A118、及びPlusICE A164、蜜蝋、カルナウバ蝋、パラフィン蝋、PlusICE H120、塩化マグネシウム六水和物、PlusICE S117、PlusICE X130、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、FSM-PCM95、及び9005-H120からなる群より選択される、請求項67に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項69】
前記位相変化材料は、0.1kJ/kg~4186kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項70】
前記位相変化材料は、50kJ/kg~600kJ/kgの位相変化範囲に対してエンタルピーを有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項71】
前記位相変化材料は、45℃~300℃の位相変化温度を有する、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項72】
前記位相変化材料は、80℃~200℃の位相変化温度を有する請求項71に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【請求項73】
前記オーバーモールドは、少なくとも1重量%の前記位相変化材料を含む、請求項65に記載のオーバーモールドフィルムコンデンサ。
【国際調査報告】