(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-22
(54)【発明の名称】天然香味物質を含むタバコ物質及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240314BHJP
A24B 15/28 20060101ALI20240314BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20240314BHJP
A24D 3/02 20060101ALI20240314BHJP
【FI】
A24D1/20
A24B15/28
A24B15/30
A24D3/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561397
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 KR2022004781
(87)【国際公開番号】W WO2022215973
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0045867
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソク ス
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ファン
(72)【発明者】
【氏名】リ、スン ウォン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB22
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC20
4B043BC24
4B045AA21
4B045AA41
4B045AB11
4B045AB16
4B045BA01
4B045BA02
4B045BB03
(57)【要約】
本開示は、天然香味物質を含むタバコ物質及びその製造方法に関するものである。タバコ物質は、コアが第2タバコ粒子を含むシェルによって取り囲まれるコアシェル構造を有し、コアが第1タバコ粒子及び第1香味物質を含み、タバコ物質を含むエアロゾル発生物品は、特有の香味を発生させうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然香味物質を含むコアと、
前記コア周囲に形成され、タバコ混合物を含むシェルと、を含み、
前記タバコ混合物は、タバコ粒子及び水分を含む、タバコ物質。
【請求項2】
前記天然香味物質は、植物由来の成分を含む、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項3】
前記天然香味物質は、凍結乾燥された果物の皮または、天然オイルが含有された物質を含む、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項4】
前記タバコ物質は、前記タバコ物質全体100重量部を基準に、前記水分5.0~10.0重量部を含む、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項5】
前記コアは、0.01~0.3mmの直径を有し、前記シェルは、0.4~1.2mmの直径を有する、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項6】
前記タバコ物質は、5~200cpの粘度を有する、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項7】
前記タバコ物質は、0.1~10.0の表面粗さ(Ra)を有する、請求項1に記載のタバコ物質。
【請求項8】
請求項1に記載の前記タバコ物質を含むタバコロッドと、
フィルタセグメントと、を含む、喫煙物品。
【請求項9】
天然香味物質を含むコアを形成する第1段階と、
前記コアを取り囲むシェルを形成する第2段階と、を含む、タバコ物質の製造方法。
【請求項10】
前記第2段階は、
チャンバに前記コアを位置させる段階と、
前記チャンバにタバコ組成物を投入する段階と、
前記チャンバ内で、50℃~90℃の温度、及び1.5bar以下の風圧条件で前記コア周囲に前記タバコ組成物を成長させる段階と、を含む、請求項9に記載のタバコ物質の製造方法。
【請求項11】
前記タバコ組成物は、タバコ粉末40~70体積%、及び水30~60体積%を含む、請求項10に記載のタバコ物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、天然香味物質を含むタバコ物質及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、伝統的なタバコの代替品に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル発生物品(例えば、シガレット)を燃焼させてエアロゾルを発生させる方法ではないエアロゾル発生物品内のエアロゾル発生物質(例えば、タバコ物質)が加熱されることにより、エアロゾルを発生させる装置に関する需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示が解決しようとする課題は、天然香味物質を含むタバコ物質及びその製造方法を提供することである。
【0004】
本開示がなそうとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例から他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するための本開示の一実施例によるタバコ物質は、天然香味物質を含むコア及びコア周囲に形成され、タバコ混合物を含むシェルを含み、前記タバコ混合物は、タバコ粒子及び水分を含む。
【0006】
一実施例による喫煙物品は、前述したタバコ物質を含むタバコロッド及びフィルタセグメントを含む。
【0007】
一実施例によるタバコ物質の製造方法は、天然香味物質を含むコアを形成する第1段階及び前記コアを取り囲むシェルを形成する第2段階を含む。
【発明の効果】
【0008】
実施例によるタバコ物質は、コア内部に天然香味物質を含むことで、人工的ではなく、自然親和的な香味を提供することができる。
【0009】
また、実施例による製造方法によれば、天然香味物質を含むタバコ物質が別途の香味抽出工程を経ず、比較的簡単な工程を通じて製造され、製造収率が向上しうる。
【0010】
本開示の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含みうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施例によるタバコ物質を示す図面である。
【
図2A】一実施例によるタバコ物質を示す図面である。
【
図2B】一実施例によるタバコ物質を示す図面である。
【
図3A】一実施例による喫煙物品を示す図面である。
【
図3B】一実施例による喫煙物品を示す図面である。
【
図3C】一実施例による喫煙物品を示す図面である。
【
図3D】一実施例による喫煙物品を示す図面である。
【
図4】一実施例によるタバコ物質の製造方法のフローチャートである。
【
図5】一実施例によるタバコ物質の製造方法の第2段階を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一側面によれば、実施例によるタバコ物質は、天然香味物質を含むコア;及び前記コア周囲に形成されてタバコ混合物を含むシェル;を含み、前記タバコ混合物は、タバコ粒子及び水分を含む。
【0013】
前記天然香味物質は、植物由来の成分を含む。
【0014】
前記天然香味物質は、凍結乾燥された果物の皮または天然オイルが含有された物質を含む。
【0015】
前記タバコ物質は、前記タバコ物質全体100重量部を基準に、前記水分5.0~10.0重量部を含む。
【0016】
前記コアは、0.01~0.3mmの直径を有し、前記シェルは、0.4~1.2mmの直径を有する。
【0017】
前記タバコ物質は、5~200cpの粘度を有する。
【0018】
前記タバコ物質は、0.1~10.0の表面粗さ(Ra)を有する。
【0019】
一実施例による喫煙物品は、前述したタバコ物質を含むタバコロッドと、フィルタセグメントと、を含む。
【0020】
一実施例によるタバコ物質の製造方法は、天然香味物質を含むコアを形成する第1段階と、前記コアを取り囲むシェルを形成する第2段階と、を含む。
【0021】
前記第2段階は、チャンバに前記コアを位置させ、タバコ組成物をチャンバに投入する段階と、約50℃~90℃の温度、及び約1.5bar以下の空気圧条件で前記コア周囲に前記タバコ組成物を成長させる段階と、を含む。
【0022】
前記タバコ組成物は、タバコ粉末40~70体積%、及び水30~60体積%を含む。
【0023】
実施例で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において詳細にその意味を記載する。したがって、本開示において使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたった内容に基づいて定義されなければならない。
【0024】
明細書全体において、ある部分がある要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の要素を除くのではなく、他の要素をさらに含むことができるということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0025】
明細書全体において、「コアシェル(core-shell)構造」は、内部にコアが位置され、コアの外部にシェルが位置される構造を意味する。例えば、コアシェル構造は、コアが被膜によって覆い包まれるカプセル(capsule)構造を意味しうる。
【0026】
明細書全体において、「タバコ物質」は、タバコ植物由来の成分を含む、あらゆる形態の物質を意味する。
【0027】
明細書全体において、「タバコ粒子」は、タバコ植物由来の成分の粒子形態を意味する。例えば、タバコ粒子は、タバコ粒またはタバコ粉末(powder)でもある。
【0028】
明細書全体において、「喫煙物品」は、ユーザが吸煙に使用する物品を意味する。喫煙物品は、例えば、燃焼式シガレットでもあり、または、エアロゾル発生装置によって燃焼されずに加熱されるエアロゾル発生物品でもある。
【0029】
明細書全体において、「表面粗さ」は、ある物体表面の粗度を意味する。例えば、表面粗さは、KS B 0161基準によって中心線平均粗さ(Ra)によって表現されうる。
【0030】
明細書全体において「重量部」であるという用語は、特に言及しない限り、タバコ物質100重量部に対して計算された値を意味する。
【0031】
明細書全体において、「天然香味物質」は、自然で得た香味を発生させる物質を意味する。天然香味物質は、自然に由来することにより、人工的ではない自然親和的な香味を発生させうる。
【0032】
本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な要素を説明するのに使用されうるが、要素は、用語によって限定されない。用語は、1つの要素を他の要素から区別する目的で使用される。
【0033】
以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、互いに異なる様々な形態にも具現され、ここで、説明する実施例に限定されない。
【0034】
以下、図面に基づいて本開示の実施例を詳細に説明する。
【0035】
図1は、一実施例によるタバコ物質100を示す図面である。
【0036】
タバコ物質100は、コアシェル(core-shell)構造を有し、天然香味物質を含むコア110及びタバコ混合物を含むシェル120を含みうる。
【0037】
具体的に、タバコ物質100の中心部には、天然香味物質が位置され、タバコ物質100の外部には、タバコ混合物が位置されうる。天然香味物質は、タバコ混合物によって部分的にまたは全体として取り囲まれうる。
【0038】
コア110は、天然香味物質を含みうる。天然香味物質は自然に由来の香味物質でもあり、具体的に、天然香味物質は、植物由来の成分を含みうる。
【0039】
例えば、天然香味物質は、凍結乾燥された果物の皮でもある。果物の皮には、天然オイルが含有されており、それより自然の香味が発生しうる。果物の皮を-30℃以下で約5時間乾燥させ、粉砕する場合、凍結乾燥された果物の皮は、粉末の形態に製造されうる。果物は、例えば、ユズ、オレンジ、ミカン、ブドウ、梨、リンゴ、マルメロ、キウイ、柿、メロンなどでもあるが、必ずしもその限りではない。
【0040】
また、天然香味物質は、天然オイルが含有された物質でもある。天然オイルが含有された物質は、例えば、コーヒー豆、堅果類、植物の葉や花などでもある。天然香味物質は、天然オイルから人工的ではなく、自然親和的な香味を発生させうる。
【0041】
シェル120は、タバコ混合物を含みうる。タバコ混合物は、タバコ粒子及び水分を含みうる。タバコ粒子は、多様な種類のタバコ粉末を含みうる。タバコ粒子は、例えば、黄色種、バーレー種、火力乾燥種、日干乾燥種、及び空気乾燥種のうち少なくとも1つを含むタバコ粉末を含みうる。
【0042】
コア110は、直径d1を有しうる。d1は、例えば、約0.01~0.3mmでもあるが、必ずしもその限りではない。シェル120は、直径d2を有しうる。d2は、例えば、約0.4~1.2mmでもあるが、必ずしもその限りではない。
【0043】
タバコ物質100は、約5.0~10.0重量部の水分を有しうる。タバコ物質100が前述した数値範囲の水分を含むことで、タバコ物質100は、硬度、香保有性、及び香発現性のうち少なくとも1つの特性が向上しうる。タバコ物質100が、約5.0重量部未満の水分を有する場合、タバコ物質100の香発現性が落ちてしまう恐れがある。タバコ物質100が、約10.0重量部を超過する水分を有する場合、タバコ物質100は低い硬度を有しうる。
【0044】
タバコ物質100は、バインダ(binder)を含まなくてもよい。一般的に、タバコ混合物が堅固に製造されるために、タバコ物質100には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)またはカルボキシメチルセルロース(CMC)のようなバインダが含まれうる。しかし、本開示によれば、タバコ物質100は、上述したバインダを含まずとも、耐久性、硬度、粘度などの特性に優れている。
【0045】
タバコ物質100は、約5~200cpの粘度を有しうる。タバコ物質100が前述した数値範囲の粘度を有することで、タバコ物質100は、硬度、香保有性、及び香発現性のうち少なくとも1つの特性が向上しうる。タバコ物質100の粘度は、水分量によって調節されうる。
【0046】
タバコ物質100は、約90%以上の硬度を有しうる。具体的に、タバコ物質100は、約95%~99.9%の硬度を有しうる。「タバコ物質の硬度」は、弾性及び復元度に係わる物性であり、タバコ物質100に対して垂直方向に加えられる圧力に抵抗する程度を意味する。「タバコ物質の硬度」は、硬度測定器を用いて測定され、下記計算式を通じて計算される。
【0047】
硬度(%)=[D-a]*100/D
【0048】
(D:タバコ物質の直径、a:300g錘によってタバコ物質が押し込まれる距離(mm))
【0049】
タバコ物質100は、約0.60~0.90g/ccの比重(density)を有しうる。望ましくは、タバコ物質100は、約0.62~0.75g/ccの比重を有しうる。
【0050】
タバコ物質100は、約0.1~10.0の表面粗さ(Ra)を有しうる。タバコ物質100の表面粗さについては、下記
図2A及び
図2Bを参照して詳細に説明する。
【0051】
実施例において、タバコ物質100は、コア110に天然香味物質が含まれることで、燃焼時または加熱時に人工的ではなく、自然の香味を発生させうる。具体的に、タバコ物質100が燃焼または加熱される場合、序盤部には、天然香味物質による香味がほとんど発生しておらず、中後半部に至って天然香味物質による香味が発生しうる。
【0052】
図2Aは、一実施例によるタバコ物質200を示す図面である。
【0053】
図2Aを参照すれば、タバコ物質200は、コア210及びシェル220を含む。コア210は、天然香味物質を含み、シェル220は、タバコ混合物を含みうる。コア210及びシェル220については、
図1で前述した説明が同一または類似して適用されうる。
【0054】
タバコ物質200は、全体として球(sphere)の形態を有しうる。コア210が球状を有することで、コア210の周囲に形成されるシェル220も球状を有しうる。シェル220の表面は、例えば、約0.1~5.0の表面粗さ(Ra)を有しうる。シェル220の表面が前述した数値範囲の表面粗さを有することで、より滑らかな表面が形成されうる。複数のタバコ物質200が喫煙物品(図示せず)に充填される場合、充填されるタバコ物質200の量が増大しうる。
【0055】
また、シェル220の表面の気孔度を調節することで、タバコ物質200の香発現性が調節されうる。
【0056】
図2Bは、一実施例によるタバコ物質300を示す図面である。
【0057】
図2Bを参照すれば、タバコ物質300は、コア310及びシェル320を含む。コア310は、天然香味物質を含み、シェル320は、タバコ混合物を含みうる。コア310及びシェル320については、
図1で前述した説明が同一または類似して適用されうる。
【0058】
タバコ物質300は、全体として非定形でもある。タバコ物質300の製造過程において、コア310の形態が完全な球状ではない場合、コア310を取り囲みながら成長するシェル320の形態も完全な球状ではない場合がある。これにより、
図2Bに図示されたように、タバコ物質300は、凸凹状を有しうる。そのような場合、シェル320の表面は、約5.0~10.0の表面粗さを有しうる。シェル320の表面の表面粗さが大きいほど香発現性が向上しうる。また、複数のタバコ物質300が喫煙物品(図示せず)に充填される場合、複数のタバコ物質300は、摩擦力によって喫煙物品に安定して保有され、タバコ物質300の表面積が増加して加熱時にニコチンの移行量が増大しうる。
【0059】
図3Aは、一実施例による喫煙物品400を示す図面である。喫煙物品400は、例えば、燃焼式シガレットでもある。
【0060】
図3Aを参照すれば、喫煙物品400は、第1部分410及び第2部分420を含みうる。第1部分410は、タバコロッドでもあり、第2部分420は、フィルタセグメントでもある。
【0061】
第1部分410は、複数個のタバコ物質411を含みうる。タバコ物質411は、前述したコアシェル構造のタバコ物質でもある。第1部分410は、ユーザによって点火されて燃焼されうる。
【0062】
第2部分420は、フィルタセグメントでもある。第2部分420は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第2部分420は、酢酸セルロースフィルタでもある。第2部分420は、円柱状フィルタまたは中空状フィルタでもあるが、第2部分420の形状には、特に制限がない。ユーザは、第2部分420を口にした状態で吸煙することができる。
【0063】
第1部分410が燃焼される場合、複数個のタバコ物質411から香味が発生しうる。例えば、タバコ物質411がコアに天然香味物質を含む場合、喫煙序盤部には、天然香味物質による香味がほとんど発生しておらず、喫煙の中後半部に至って天然香味物質による香味が発生しうる。
【0064】
図3Bは、一実施例による喫煙物品500を示す図面である。喫煙物品500は、例えば、燃焼されずに加熱されてエアロゾルを発生させる物品でもある。
【0065】
喫煙物品500は、第1部分510、第2部分520、第3部分530、及び第4部分540を含みうる。第1部分510、第2部分520、第3部分530、及び第4部分540は、長手方向に沿って配置されうる。
【0066】
第1部分510は、タバコ物質511を含みうる。タバコ物質511は、前述したコアシェル構造のタバコ物質でもある。第1部分510は、エアロゾル発生物質をさらに含みうる。エアロゾル発生物質は、例えば、タバコ物質511の表面に塗布されうる。エアロゾル発生物質は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つでもある。第1部分510は、エアロゾル発生装置(図示せず)によって加熱されうる。
【0067】
第2部分520は、喫煙物品500を支持する支持部でもある。具体的な例示として、第2部分520は、中空状フィルタでもある。第2部分520は、第1部分510及び第3部分530を互いに連結して支持する役割が行える。
【0068】
第3部分530は、気流を冷却させる冷却部でもある。具体的な例示として、第3部分530は、中空状チューブ(tube)または紙管(paper tube)でもある。中空状チューブまたは紙管は、喫煙物品500外部の空気が流入されうる通気領域(図示せず)を含みうる。第3部分530は、第1部分510で発生するエアロゾルを冷却する役割が行える。
【0069】
第4部分540は、フィルタセグメントでもある。第4部分520は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第4部分520は、酢酸セルロースフィルタでもある。第4部分520は、円柱状フィルタまたは中空状フィルタでもあるが、第4部分520の形状には、特に制限がない。ユーザは、第4部分520を口にした状態で吸煙することができる。
【0070】
第1部分510が加熱される場合、複数個のタバコ物質511から香味が発生しうる。例えば、タバコ物質511がコアに天然香味物質を含む場合、喫煙序盤部には、天然香味物質による香味がほとんど発生しておらず、喫煙の中後半部に至って天然香味物質による香味が発生しうる。
【0071】
図3Cは、一実施例による喫煙物品600を示す図面である。喫煙物品600は、例えば、燃焼されずに加熱されてエアロゾルを発生させる物品でもある。
【0072】
図3Cを参照すれば、喫煙物品600は、第1部分610、第2部分620、第3部分630、及び第4部分640を含みうる。第1部分610、第2部分620、第3部分630、及び第4部分640は、長手方向に沿って配置されうる。
【0073】
第1部分610は、フィルタセグメントでもある。例えば、第1部分610は、内部に特定形態の中空を有する酢酸セルロースフィルタでもある。具体的な例示として、第1部分610は、「人」字形中空を有する酢酸セルロースフィルタでもあるが、必ずしもその限りではない。
【0074】
第2部分620は、タバコ物質621を含みうる。タバコ物質621は、前述したコアシェル構造のタバコ物質でもある。第2部分620は、エアロゾル発生物質をさらに含みうる。エアロゾル発生物質は、例えば、タバコ物質621の表面に塗布されうる。エアロゾル発生物質は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つでもある。第2部分620は、エアロゾル発生装置(図示せず)によって加熱されうる。
【0075】
第3部分630は、気流を冷却させる冷却部でもある。具体的な例示として、第3部分630は、中空状チューブ(tube)または紙管(paper tube)でもある。中空状チューブまたは紙管は、喫煙物品600外部の空気が流入されうる通気領域(図示せず)を含みうる。第3部分630は、エアロゾルを冷却する役割が行える。
【0076】
第4部分640は、フィルタセグメントでもある。第4部分640は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第4部分640は、酢酸セルロースフィルタでもある。第4部分640は、円柱状フィルタまたは中空状フィルタでもあるが、第4部分640の形状には、特に制限がない。ユーザは、第4部分640を口にした状態で吸煙することができる。
【0077】
図3Dは、一実施例による喫煙物品700を示す図面である。喫煙物品700は、例えば、燃焼されずに加熱されてエアロゾルを発生させる物品でもある。
【0078】
図3Dを参照すれば、喫煙物品700は、第1部分710、第2部分720、第3部分730、及び第4部分740を含みうる。第1部分710、第2部分720、第3部分730、及び第4部分740は、喫煙物品700の長手方向に沿って配置されうる。
【0079】
第1部分710は、エアロゾル発生基材でもある。エアロゾル発生基材は、例えば、エアロゾル発生物質が含浸された紙シート(sheet)を含みうる。エアロゾル発生物質は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つでもある。第1部分710は、エアロゾル発生装置(図示せず)によって加熱されうる。
【0080】
第2部分720は、ニコチン発生基材でもある。第2部分720は、タバコ物質721を 含みうる。タバコ物質721は、前述したコアシェル構造のタバコ物質でもある。
【0081】
また、第2部分720は、例えば、タバコ物質721及びエアロゾル発生物質が含浸された紙シート(sheet)を含みうる。第2部分720は、エアロゾル発生装置(図示せず)によって加熱されうる。
【0082】
第3部分730は、気流を冷却させる冷却部でもある。具体的な例示として、第3部分730は、中空状チューブ(tube)または紙管(paper tube)でもある。中空状チューブまたは紙管は、喫煙物品600外部の空気が流入される通気領域(図示せず)を含みうる。第3部分730は、エアロゾルを冷却する役割が行える。
【0083】
第4部分740は、フィルタセグメントでもある。第4部分740は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第4部分740は、酢酸セルロースフィルタでもある。第4部分740は、円柱状フィルタまたは中空状フィルタでもあるが、第4部分740の形状には、特に制限がない。ユーザは、第4部分740を口にした状態で吸煙することができる。
【0084】
図4は、一実施例によるタバコ物質の製造方法(S100)のフローチャートである。
【0085】
図4を参照すれば、タバコ物質の製造方法(S100)は、第1段階(S110)及び第2段階(S120)を含みうる。
【0086】
第1段階(S110)は、天然香味物質を含むコアを形成する段階である。
【0087】
具体的な例示として、第1段階(S110)は、果物から皮が分離される段階、果物の皮が-30℃以下で約5時間凍結乾燥される段階、及び凍結乾燥された果物の皮が粉砕されて約0.01~0.3mmの直径を有する粉末が形成される段階を含みうる。形成された粉末は、天然香味物質を含むコアとしての役割が行える。天然香味物質の種類及び目的によって前述した凍結乾燥の条件は変更されうる。
【0088】
他の例示として、第1段階(S110)は、天然オイルが含有された物質が粉砕されて約0.01~0.3mmの直径を有する粉末が形成される段階を含みうる。形成された粉末は、天然香味物質を含むコアとしての役割が行える。
【0089】
実施例において、天然香味物質を含むコアは、コア100重量部に対して約3.0~8.0重量部の水分を有しうる。コアは、凍結乾燥されるために、シェルに比べて比較的低い水分量を有しうる。
【0090】
第2段階(S120)は、タバコ物質のコアを取り囲むシェルを形成する段階でもある。シェルは、タバコ組成物から形成されうる。タバコ組成物は、タバコ粉末及び水を含みうる。具体的に、タバコ組成物は、タバコ粉末約40~70体積%、及び水約30~60体積%を含みうる。例えば、タバコ組成物は、タバコペーストでもある。
【0091】
第2段階(S120)については、下記
図5を参照して詳細に説明する。
【0092】
図5は、一実施例によるタバコ物質の製造方法の第2段階(S120)を示す図面である。
【0093】
図5を参照すれば、タバコ物質の製造装置は、保存部1100、供給部1200、及びチャンバ1300を含みうる。保存部1100は、タバコ組成物Aを保存することができる。供給部1200は、タバコ組成物Aを保存部1100からチャンバ1300に供給することができる。チャンバ1300は、タバコ組成物Aがタバコ物質のシェルに形成される場所でもある。チャンバ1300は、外部から空気が流入される流入口1310を含みうる。
【0094】
第2段階(S120)において、第1段階(S110)で形成されたコアSは、チャンバ1300に位置され、タバコ組成物Aが供給部1200からチャンバ1300に投入されうる。
【0095】
第2段階(S120)において、コアSは、チャンバ内に位置され、約50℃~90℃の温度、及び約1.5bar以下の風圧条件でコアSの周囲にタバコ組成物Aが成長されてシェルが形成されうる。具体的に、外部空気は、流入口1310を介してチャンバ1300の外部から内部に流入され、コアSがチャンバ1300内で浮遊している状態でコアSの周囲にタバコ組成物Aが凝集しうる。
【0096】
これにより、コアSの周囲にタバコ組成物Aが凝集することで、本開示によるコアシェル構造のタバコ物質が形成されうる。
【0097】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されなければならない。発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての違いは、発明に含まれていると解釈されねばならない。
【国際調査報告】