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特表2024-513269トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器
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  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図1
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図2
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図3
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図4
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図5
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図6
  • 特表-トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 83/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
H01H83/02 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519559
(86)(22)【出願日】2022-03-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-25
(86)【国際出願番号】 KR2022004110
(87)【国際公開番号】W WO2023171848
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】10-2022-0030518
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522121458
【氏名又は名称】ドンア エレクトリック カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DONG-A ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】74, Dadae-ro 137beon-gil, Saha-gu Busan 49393 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、テウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュ、チョルブム
(72)【発明者】
【氏名】パク、ウンシク
【テーマコード(参考)】
5G030
【Fターム(参考)】
5G030YY13
(57)【要約】
本発明は、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器に関するもので、電源と負荷線路との間に設置され、線路を遮断させるトリップモジュールと線路瞬時電流を監視するCTを含む漏電遮断器において、前記CTで感知する瞬時電流の伝達を受けて単位時間当たりの瞬時電流値を測定し、単位時間当たりの瞬時電流の勾配を演算する演算モジュール、前記勾配が過電流判断値Aを超えると、過負荷状態と判断し、過負荷状態判断信号を出力させる判断モジュール、及び前記判断モジュールの過負荷状態判断信号に応じてトリップモジュール作動信号を出力して線路を遮断させる出力モジュールを含む制御回路部をさらに含んでなることを特徴とする。本発明は、瞬時電流を監視して、バイメタルなしで、漏電遮断器に含まれているトリップモジュールを用いて、瞬時電流が0である時点で精密に回路を遮断させることを特徴とする、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器を提供するという利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷線路との間に設置され、線路を遮断させるトリップモジュールが含まれている漏電遮断器において、
線路に設置されて瞬時電流を監視するCTと;
前記CTで感知する瞬時電流の伝達を受けて単位時間当たりの瞬時電流値を測定し、単位時間当たりの瞬時電流の勾配を演算する演算モジュール、前記勾配が過電流判断値Aを超えると、過負荷状態と判断し、過負荷状態判断信号を出力させる判断モジュール、及び前記判断モジュールの過負荷状態判断信号に応じてトリップモジュール作動信号を出力して線路を遮断させる出力モジュールを含む制御回路部と;を含んでなり、
瞬時電流の勾配に応じて前記トリップモジュールを作動させることを特徴とする、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項2】
前記判断モジュールは、
設定過電流判断時間Tの間、前記過電流判断値Aの超過が連続する場合にのみ過負荷状態判断信号を出力させることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項3】
前記出力モジュールは、
前記トリップモジュール作動信号が、瞬時電流が0となる時間(以下、「ZC」という)に電源が遮断されるように制御出力されることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項4】
前記トリップモジュール作動信号は、
ZC≦T≦ZCn+1-Ttripの場合には、
offはZCn+1-Ttripまで時間遅延後に出力させて、
ZCn+1で電源が遮断されるようにすることを特徴とする、請求項3に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
【請求項5】
前記トリップモジュール作動信号は、
ZCからZCn+1までの時間の間で、
ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合には、
offは直ちに出力されて低電流区域でトリップ接点が行われるようにすることを特徴とする、請求項3に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
【請求項6】
前記トリップモジュール作動信号は、
ZCからZCn+1までの時間の間で、
ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合には、
offはZCn+2-Ttripまでの時間遅延後に出力させて、
ZCn+2で電源が遮断されるようにすることを特徴とする、請求項3に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
ZCn+2:ZCn+1の次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
【請求項7】
前記制御回路部は、
瞬時電流の周期を分割させる単位時間設定部を含むことで、
過負荷判断時間解像度を調節することができることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項8】
前記制御回路部は、
過電流判断時間Tを設定させるT値設定入力部を含むことで、
ノイズ判断値を調節することができることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項9】
前記制御回路部は、
過電流判断値Aを設定する作動電流設定部を含んで構成されることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【請求項10】
前記制御回路部は、
前記トリップモジュールの作動をテストするテストボタンと、
前記テストボタンの作動開始から電源遮断までの時間を演算して保存するトリップモジュール作動時間設定部をさらに含んで構成されることで、
トリップモジュール作動時間マージンTtripを自動的に収集することができることを特徴とする、請求項1に記載のトリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器に係り、詳細には、瞬時電流の勾配値をリアルタイムにて計測して過電流か否かを判断し、トリップモジュールを制御する回路遮断器機能を行う制御回路部が内蔵された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回路遮断器は、電源と負荷との間に設置され、負荷装置に異常が発生して過電流が流れる場合には素早く電源を遮断してその他の機器を保護する役割を果たす。
【0003】
一般に、漏電遮断器では、バイメタル構造の回路遮断器を内蔵している。
【0004】
ところが、このような漏電遮断器における回路遮断器の動作時点は、発熱温度によって異なるため、電源位相角が考慮されずに回路遮断器が作動するので、前記電源位相角に応じて大きな電流が流れる時点で遮断動作が行われ、アークによる内部部品の焼損のおそれがある。
【0005】
一方、漏電遮断器には、ソレノイドとこれにより作動する機構的構造との組み合わせで形成されるトリップモジュールが設けられることにより、ソレノイド作動信号に応じて電源を遮断させる動作を行うが、各個別装置ごとにソレノイド反応誤差があり、機構的作動誤差を持っている。
【0006】
このような作動誤差が交流入力の周期を基準に観察すると、各個別装置ごとに大きな作動誤差を持つので、正確な作動制御時間を予め入力しておくことが困難であるという問題点がある。
【0007】
したがって、従来技術の漏電遮断器において各単位装置が独立したトリップモジュール作動誤差を持つので、トリップモジュールで交流瞬時電流が0である時点を精密に選択して電源を遮断することが困難であるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、瞬時電流を監視して、バイメタルなしで、漏電遮断器に含まれているトリップモジュールを用いて、瞬時電流が0である時点で精密に回路を遮断させることを特徴とする、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明は、電源と負荷線路との間に設置され、線路を遮断させるトリップモジュールが含まれている漏電遮断器において、線路に設置されて瞬時電流を監視するCTと;前記CTで感知する瞬時電流の伝達を受けて単位時間当たりの瞬時電流値を測定し、単位時間当たりの瞬時電流の勾配を演算する演算モジュール、前記勾配が過電流判断値Aを超えると、過負荷状態と判断し、過負荷状態判断信号を出力させる判断モジュール、及び前記判断モジュールの過負荷状態判断信号に応じてトリップモジュール作動信号を出力して線路を遮断させる出力モジュールを含む制御回路部と;を含んでなり、瞬時電流の勾配に応じて前記トリップモジュールを作動させることを特徴とする、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器を技術的要旨とする。
【0010】
ここで、前記判断モジュールは、設定過電流判断時間Tの間、前記過電流判断値Aの超過が連続する場合にのみ過負荷状態判断信号を出力させることを特徴とする。
【0011】
また、前記出力モジュールは、前記トリップモジュール作動信号が、瞬時電流が0となる時間(以下、「ZC」という)に電源が遮断されるように制御出力されることを特徴とする。
【0012】
また、前記トリップモジュール作動信号は、ZC≦T≦ZCn+1-Ttripの場合には、ToffはZCn+1-Ttripまで時間遅延後に出力させて、ZCn+1で電源が遮断されるようにすることを特徴とする。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
また、前記トリップモジュール作動信号は、ZCからZCn+1までの時間の間で、
ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合には、
offは直ちに出力されて低電流区域でトリップ接点が行われるようにすることを特徴とする。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
また、前記トリップモジュール作動信号は、ZCからZCn+1までの時間の間で、
ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合には、ToffはZCn+2-Ttripまでの時間遅延後に出力させて、ZCn+2で電源が遮断されるようにすることを特徴とする。
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
ZCn+2:ZCn+1の次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
【0013】
また、前記制御回路部は、瞬時電流の周期を分割させる単位時間設定部を含むことで、過負荷判断時間解像度を調節することができることを特徴とする。
【0014】
また、前記制御回路部は、過電流判断時間Tを設定させるT値設定入力部を含むことで、ノイズ判断値を調節することができることを特徴とする。
【0015】
また、前記制御回路部は、過電流判断値Aを設定する作動電流設定部を含んで構成されることを特徴とする。
【0016】
また、前記制御回路部は、前記トリップモジュールの作動をテストするテストボタンと、前記テストボタンの作動開始から電源遮断までの時間を演算して保存するトリップモジュール作動時間設定部をさらに含んで構成されることで、トリップモジュール作動時間マージンTtripを自動的に収集することができることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
上述した本発明によれば、瞬時電流を監視して、バイメタルなしで、漏電遮断器に含まれているトリップモジュールを用いて、瞬時電流が0である時点で精密に回路を遮断させることを特徴とする、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器が提供されるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の構造図である。
図2】本発明の実施形態を示すグラフである。
図3】本発明の実施形態を示すグラフである。
図4】本発明の実施形態を示すグラフである。
図5】本発明の制御回路部の内部ブロック図である。
図6】本発明の制御回路部の外部ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態に対する制御フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明について説明する。本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術又は構成についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に不明確にするおそれがあると判断された場合には、その詳細な説明は省略する。
【0020】
後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義された用語であり、これは、ユーザ、運用者の意図又は慣例などによって異なり得るので、その定義は、本発明を説明する本明細書全体にわたる内容に基づいて行われるべきである。
【0021】
図1は本発明の構造図、図2図4は本発明の実施形態を示すグラフ、図5は本発明の制御回路部の内部ブロック図、図6は本発明の制御回路部の外部ブロック図、図7は本発明の一実施形態に対する制御フローチャートである。
【0022】
図1に示すように、本発明は、トリップモジュール式回路遮断器が内蔵された漏電遮断器に関するものであり、トリップモジュール40と、CT(Current Transformer)20と、演算モジュール61、判断モジュール62及び出力モジュール63を含む制御回路部60と、をさらに含んで構成される。
【0023】
一般に、漏電遮断器は、電源10と負荷50の線路30との間に設置され、線路を遮断させるトリップモジュール40と、線路瞬時電流を監視するCT20と、を含んでいる。
本発明において、前記CT20は、活性線路に結合されたコア22とコアコイル21で形成され、瞬時電流iを感知する。
【0024】
前記トリップモジュール40は、一般な漏電遮断器のソレノイド42、及びこれによって作動するトリップスイッチ41を含む装置である。
【0025】
前記CT20の出力端は、本発明の制御回路部60に接続され、制御回路部60は、図5に示すように、演算モジュール61、判断モジュール62、出力モジュール63に区分してブロック化させることができる。
【0026】
以下、図7を参照して本発明の実施について説明する。
本発明の前記演算モジュール61は、前記CT20で感知する瞬時電流iの伝達を受けて単位時間当たりの瞬時電流値を測定し、単位時間当たりの瞬時電流の勾配を演算する回路部である。
【0027】
前記演算モジュール61の一実施形態としては、図7に示すように、前記CT20の測定値が入力されると、内蔵されたICから単位時間当たりの測定電流値を出力し、各単位時間当たりの測定電流値を比較することにより、単位時間当たりの瞬時電流の勾配を計算することができる。
【0028】
本発明の判断モジュール62は、前記勾配が過電流判断値Aを超えると、過負荷状態と判断し、過負荷状態判断信号を出力させる回路部である。
【0029】
前記過電流判断値Aは、予め設定入力する値であって、設定に応じて変更することができる。
【0030】
このため、前記制御回路部60には、図6に示すように、前記A値を設定入力させることができる作動電流設定部600を設けることで、ユーザが、過電流監視量を自由に定めることができるようにすることが好ましい。
【0031】
前記判断モジュール62は、設定過電流判断時間Tの間、前記過電流判断値Aの超過が連続する場合にのみ過負荷状態判断信号を出力させることができる。
【0032】
前記過電流判断時間Tは、単位時間の持続回数mで定めることができ、瞬間的なノイズ電流跳躍による判断誤りを防止するためである。
【0033】
前記単位時間ΔTは、瞬時電流iの周期を細分化したものである。本発明の制御回路部60には前記T値設定入力部630及び単位時間設定入力部610を設けることで、ユーザが判断精度及び監視解像度を自由に定めることができるようにする。
【0034】
前記単位時間設定入力部610は、瞬時電流の周期を等間隔に分割させる回路部であって、単位時間の大きさが減少するほど監視解像度が増加する。
【0035】
前記T値設定入力部630では単位時間ΔTの回数値mを入力させることができ、これにより、図7に示すように、過電流判断時間TがmΔT値以上持続する場合、ノイズではなく、過電流と判断することにより、ノイズに対する判断誤りを減らすことができる。
【0036】
本発明の出力モジュール63は、前記判断モジュール62の過負荷状態判断信号に基づいてトリップモジュール作動信号ioffを出力して線路を遮断させる回路部である。
【0037】
前記出力モジュール63は、一般的な漏電遮断器におけるソレノイド作動回路に該当する。
【0038】
一般に、漏電遮断器では、トリップモジュール作動信号ioff出力時間から実際に電源が遮断される時間までは、ソレノイド42とトリップスイッチ41の物理的な作動時間遅延が発生し、各個別装置ごとに、このような作動時間遅延は、作動誤差が関与して独立して異なるように形成される。
【0039】
これを考慮して、本発明のトリップモジュール作動について図2を参照して検討する。
図2において、
ZC:以前瞬時電流値が0である時間
ZCn+1:ZCの次の瞬時電流値が0である時間
ZCn+2:ZCn+1の次の瞬時電流値が0である時間
trip:トリップモジュール作動時間マージン
off:トリップモジュール作動信号出力時間
:過負荷状態判断時間
と記号を定義するとき、瞬時電流iが流れる間に過電流が発生すると、
トリップモジュール作動信号出力時間Toffで実際に電源が遮断される遅延時間Ttripが発生し、これをトリップモジュール作動時間マージンと定義する。
【0040】
このようなトリップモジュール作動時間マージンTtripは、物理的な微小誤差によって各単位装置ごとに異なるように現れ、これは、瞬時電流iを監視する単位時間ΔTでは大きな意味を持つ。
【0041】
したがって、各単位漏電遮断器ごとにTtripの正確な測定が必要であり、本発明は、図6に示すように、前記制御回路部60に前記トリップモジュール40の作動をテストするテストボタン620と、前記テストボタン620の作動開始から電源遮断までの時間を計算して保存するトリップモジュール作動時間設定部(制御回路部内に設置、図示せず)をさらに含んでなり、トリップモジュール作動時間マージンTtripを自動的に収集する。
図6の実施形態では、前記テストボタン620を作動させると、作動時間から前記瞬時電流入力が0になる時間を測定してトリップモジュール作動時間マージンTtripを定めることができる。
【0042】
本発明は、このように各装置ごとにトリップモジュール作動作時間マージンTtripを測定して保存することができ、各装置に独立した最適制御が可能になる。
【0043】
一方、本発明の前記出力モジュール63は、前記トリップモジュール作動信号ioffを、瞬時電流が0になる時間ZCで電源が遮断されるように時間制御出力させて、スイッチング部分のアーク発生を防止する。
【0044】
そのために、前記出力モジュール63から出力される前記トリップモジュール作動信号ioffは、図2に示すように、過負荷状態判断時間TがZC≦T≦ZCn+1-Ttrip区間に属する場合、
offは、ZCn+1-TtripまでTdelayだけ時間遅延後に出力させて、瞬時電流値が0となるZCn+1で電源が遮断されるようにする。
【0045】
一方、本発明は、前記過負荷状態判断時間TがZC≦T≦ZCn+1-Ttrip区間に属さない場合、
すなわち、ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合には、様々な制御要素を形成させることができる。
【0046】
前記制御要素の一実施形態としては、ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合に、図3に示すようにToffを直ちに出力させて、低電流区域でトリップ接点が行われるようにする。
【0047】
これによると、瞬時電流がOではないため、アークが発生するおそれがあるが、比較的低電流領域であって迅速な消弧が可能であるという利点がある。
【0048】
別の実施形態としては、図4に示すように、ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合にZCn+2で電源が遮断されるようにすることができる。
これによると、半周期中の熱損が比較的許容できる熱量である場合、アーク防止に優先する制御方法である。
【0049】
別の実施形態としては、前記実施形態を複合的に使用する方法であって、ZCn+1-Ttrip≦T≦ZCn+1の場合にZCn+1までの時間距離又は電流勾配の大きさに応じてToffを直ちに出力させるか、或いはZCn+2で電源が遮断されるようにすることを選択することを検討することができる。
【0050】
このように構成される本発明によれば、瞬時電流iの大きさ値をリアルタイムにて監視して、トリップモジュール40を介した電源遮断が行われるため、漏電遮断器の内部に対してバイメタル等の付属部品を取り除くことができ、電流監視解像度、電流監視サイズ、精度等を各単位装置の特性に応じてユーザが自由に設定し得る装置が提供されるという利点がある。
【0051】
以上、本発明の説明のために示された図面は、本発明が具体化される一実施形態として、図示のごとく、本発明の要旨が実現されるために様々な形態の組み合わせが可能であることが分かる。
【0052】
よって、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で請求するように本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば誰でも様々な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があるというべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】