(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】少なくとも1つの導電性タブを備え、内部にシールばねを収容する導電性の外側ハウジングを有する高電圧コネクタアセンブリのための、電磁干渉(EMI)保護方法
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6581 20110101AFI20240315BHJP
H01R 43/18 20060101ALI20240315BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01R13/6581
H01R43/18
H01R13/52 301H
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022552201
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2022-10-11
(86)【国際出願番号】 US2022022912
(87)【国際公開番号】W WO2022212760
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507164434
【氏名又は名称】ジェイ.エス.ティー.コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100120628
【氏名又は名称】岩田 慎一
(72)【発明者】
【氏名】デマラトス デイビッド
【テーマコード(参考)】
5E021
5E063
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA09
5E021FB15
5E021FB20
5E021FC21
5E021LA09
5E021LA19
5E063XA01
5E087LL04
5E087LL13
5E087RR03
5E087RR12
(57)【要約】
本発明は、1つ以上の導電性タブを有する導電性の外側ハウジングであって、シール(シールばね)、第2の外側ハウジング、及び導電性の第3の外側ハウジングも収容する導電性の外側ハウジングを採用することによって高電圧コネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供することにより、EMIの影響を低減する方法に関する。タブには、外側ハウジングを含むコネクタアセンブリのためのグランド方式の要素又は部分を提供するために、導電性塗膜が形成されている。導電性タブが導電性の第3の外側ハウジングに実質的に接触し、コネクタアセンブリのグランド方式の部分が完成する。シールばねは、シールばねがない場合よりも、第3の外側ハウジングとのより高い接触圧力のための大きな力、追加の力を提供し、使用時に導電性タブと導電性の第3の外側ハウジングとの間により良好な導電性をもたらす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリに、導電性の外側ハウジングと一続きである少なくとも1つの導電性タブを有する前記導電性の外側ハウジングを備え付けるステップと、
前記導電性の外側ハウジングを別の導電性の外側ハウジングに挿入するステップと、
少なくとも前記導電性の外側ハウジングが発生したEMIを前記少なくとも1つのタブに伝導するステップと、
前記少なくとも1つのタブからの前記EMIを前記別の導電性の外側ハウジングに伝導するステップと、
その後、前記別の導電性の外側ハウジングからの前記EMIをグランドに伝導するステップと、を特徴とする、
導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項2】
前記導電性の外側ハウジングに別のタブを備え付けるステップをさらに特徴とする、請求項1に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項3】
前記導電性の外側ハウジングに別のタブを備え付けるステップと、前記別のタブに導電性塗膜を備え付けるステップと、をさらに特徴とする、請求項1に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項4】
前記導電性の外側ハウジングにシールばねを挿入するステップをさらに特徴とする、請求項1に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項5】
コネクタアセンブリに、導電性の外側ハウジングと一続きである少なくとも1つの導電性タブを有する導電性の外側ハウジングを備え付けるステップと、
前記導電性の外側ハウジングを別の導電性の外側ハウジングに挿入するステップと、
少なくとも前記別の導電性の外側ハウジングが発生したEMIを前記少なくとも1つの導電性タブに伝導するステップと、
前記少なくとも1つの導電性タブからの前記EMIを前記導電性の外側ハウジングに伝導するステップと、
その後、前記導電性の外側ハウジングからの前記EMIをグランドに伝導するステップと、を特徴とする、
導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項6】
前記導電性の外側ハウジングに別のタブを備え付けるステップをさらに特徴とする、請求項5に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項7】
前記導電性の外側ハウジングに別のタブを備え付けるステップと、前記別のタブに導電性塗膜を備え付けるステップと、をさらに特徴とする、請求項5に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【請求項8】
前記導電性の外側ハウジングにシールばねを挿入するステップをさらに特徴とする、請求項5に記載の導電性の外側ハウジングを有するコネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供するためにEMIの影響を低減する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本特許出願は、2021年4月1日に出願された仮特許出願第63/169,511号に対して優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものである。
【背景技術】
【0002】
電磁干渉(EMI:ElectroMagnetic Interference)は、発生源からの外乱に起因して、電磁誘導、静電結合、又は伝導によって電気回路に影響を及ぼす。EMIは、回路の性能を低下させたり、回路の機能を停止させることさえもある。回路がデータ経路を含む場合、EMIは、データの完全な損失に至るエラーレートの増加により、データ経路の有効性に影響を及ぼすことがある。EMIの原因となり得る電流及び電圧の変化を生じる得る発生源として、例えば、自動車の噴射装置、携帯電話のセルラネットワークなどが含まれ得る。したがって、EMIによって引き起こされる悪影響を回避し、結果として、本来ならEMIの悪影響を受けやすい電気回路の効果を最大限に高めるために、EMIの発生を管理することが必須である。
【0003】
EMIの悪影響を回避又は低減する方法として、伝導、遮蔽などが挙げられる。伝導によるEMI保護は、物理的に接触している導電性の要素間又は導体間でEMIを伝導することによって達成され、遮蔽によるEMI保護は、誘導によって放射EMIを遮蔽すること(すなわち、導体の物理的接触の不存在)によって達成される。高電圧コネクタアセンブリでは、伝導性EMIは、隣り合う導電性の要素又は導体の経路を通じて、該コネクタアセンブリが直列に配置される又は装着若しくは搭載されるデバイス、グランドとして機能するデバイス、に向かって導かれる。
【0004】
したがって、本発明の高電圧コネクタアセンブリに使用される導電性の外側ハウジングの構造又は構造的配置は、導電性の第3の外側ハウジングに対する接触圧力を提供する導電性塗膜が形成されたタブを使用することによって完全又は実質的なEMIカバレッジを提供し、導電性タブはこの導電性の第3の外側ハウジングと接触し、その中で完成した高電圧コネクタアセンブリ内のグランド方式を完成させることが望ましい。導電性の外側ハウジングは、導電性タブに対して追加の力を提供するシール(シールばね)を収容することもでき、完成した高電圧コネクタアセンブリ内で使用されるとき、及び完成した高電圧コネクタアセンブリが使用されているときに、導電性の第3の外側ハウジングに対してより高い接触圧力を提供する。より高い接触圧力により、使用時に導電性タブと導電性の第3の外側ハウジングとの間のより良好な導電性がもたらされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、内部空洞内に1つ以上の導電性タブを有する導電性の外側ハウジングを採用する高電圧コネクタアセンブリに電磁干渉(EMI)保護を提供することによって、EMIの影響を低減する方法に関する。導電性の外側ハウジングは、使用時に、その内部空洞内にシール(シールばね)、第2の外側ハウジング、及び導電性の第3の外側ハウジングを収容することができる。導電性の外側ハウジングの導電性タブは、導電性の外側ハウジングの内部空洞内で、導電性の外側ハウジングの開口部に向かって延びている、導電性の外側ハウジングはまた、内部空洞内へのシール(シールばね)のさらなる前進移動を防止するためのシール前進停止部を有する。シール(シールばね)は、シール(シールばね)が内部空洞内に挿入されるとタブと相互作用し、シール(シールばね)が完全に挿入されると導電性タブにばね力を印加する。
【0006】
導電性の外側ハウジングの導電性タブは、導電性の外側ハウジングを採用するコネクタアセンブリのためのグランド方式の要素又は部分を提供するために、導電性塗膜が形成される。完成した高電圧コネクタアセンブリで外側ハウジングが使用されると、導電性タブが導電性の第3の外側ハウジングと実質的に接触し、コネクタアセンブリグランド方式の一部を完成させることができる。これは、電磁干渉(EMI)の影響を低減し、EMIの抑制に役立つ。導電性の外側ハウジングにシールばねが設けられている場合、シールばねは、シールばねがない場合よりも、導電性の第3の外側ハウジングとの接触圧力を高めるための大きな力、追加の力を提供する。
【0007】
例えば、導電性の外側ハウジングの少なくとも1つの導電性タブが、例えば導電性の第3の外側ハウジングに接触する本発明の実施形態では、発生したEMIは、導電性の外側ハウジングから導電性タブの少なくとも1つに入り、そして導電性の第3の外側ハウジングに入る。EMIの経路は、導電性の第3の外側ハウジングから、さらなるコネクタグランド方式(不図示)又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)に直接進み、グランドに至る。あるいは、グランド、グランド装置、又はグランド要素の位置に起因してEMI流路が反対方向である場合、前述の流路の逆もまた実現可能である。EMIは、コネクタグランド方式(不図示)又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)を通って、導電性の第3の外側ハウジングまで、導電性タブ230a、230bまで、導電性の外側ハウジング200まで、電線シールド(不図示)、コネクタグランド方式(不図示)、又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)のうちの1つまで、直接進んで、グランドに至ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の導電性の外側ハウジングの端面斜視図である。
【
図2】導電性の外側ハウジング及びシールばねの断面図であり、シールばねは導電性の外側ハウジング内に存在する。
【
図3】導電性の外側ハウジングの断面図であり、導電性の外側ハウジングは、導電性の外側ハウジングの空洞に挿入されて存在するシールばねを有し、第2の外側ハウジングが設置されている。
【
図4】導電性の外側ハウジングを有する完成したコネクタアセンブリの断面図であり、導電性の外側ハウジングは、導電性の外側ハウジングの空洞に挿入されて存在するシールばねと、実装された第2の外側ハウジングと、実装された導電性の第3の外側ハウジングとを有し、高電圧コネクタアセンブリに沿ったEMI経路を示す。
【
図5】導電性タブを有する導電性の外側ハウジングを採用した高電圧コネクタアセンブリに沿ってEMIが通る経路を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1には、高電圧コネクタアセンブリの導電性の外側ハウジング200が示されている。導電性の外側ハウジング200は、本体206を有する。本体206の一方の端部が第1の端部212であり、反対側の端部が第2の端部222である。本体206はまた、内部空洞204を有し、内部空洞204は側壁214を有する。また、導電性の外側ハウジング200の内部空洞204は、導電性の外側ハウジング200の第1の端部212に開口部202を有する。開口部202は、内部空洞204に通じている。導電性の外側ハウジング200の内部空洞204はまた、表面252を有するシール前進停止部250を有する。シール前進停止部250は、その長さに沿って側壁214から、導電性の外側ハウジング200の長手方向(第1の端部212から第2の端部222への方向と定義され、その逆も然り)に対して実質的に垂直に延びている、表面252を備える。シール前進停止部250及びその表面252は、シールばね100が内部空洞204に挿入され、シールばね100が導電性の外側ハウジング200と共に使用されるときに、シールばね100と相互作用するように設けられる。シール前進停止部250は、シールばね100が第2の端部222に向かって内部空洞204内にさらに前方に挿入されるのを防止して停止させるために設けられている(
図2~4参照)。
【0010】
導電性の外側ハウジング200は、溶接もろう付けもせずに、一続きの単一の構造又は形態で構成されていることが好ましい。さらに、本発明の導電性の外側ハウジング200は、実質的に、その全体が一続き且つ連続した単一の構造である。本発明の導電性の外側ハウジング200の部品又は部分は、溶接、はんだ付け、又はろう付けされた部品又は部分で構成されていない。
【0011】
導電性の外側ハウジング200は、導電性の金属が注入された材料、導電性の金属が充填された材料などで作られ、材料は、プラスチック、樹脂、ナイロン、又は意図された使用中に同様の特性を有する同様の材料である。導電性の外側ハウジング200の金属注入材料又は金属充填材料中の導電性金属は、例えば、ステンレス鋼又は同様の導電特性を有する金属である。導電性の外側ハウジング200の導電性金属注入材料又は導電性金属充填材料の例は、RTP Corp.製のステンレス鋼充填樹脂又はステンレス鋼注入樹脂である。
【0012】
図1には、導電性の外側ハウジング200の第1の導電性タブ230a及び導電性の外側ハウジング200の第2の導電性タブ230bも示されている。各タブ230a、230bはまた、後述するように、グランド方式で使用するために導電性塗膜が形成されることが好ましい(
図5、
図6参照)。導電性の外側ハウジング200は、図示のように、一対の第1の導電性タブ230aを有し得るが、その数はこれに限定されない。導電性の外側ハウジング200は、図示のように、一対の第2の導電性タブ230bを有し得るが、その数はこれに限定されない。導電性の外側ハウジング200の第1の導電性タブ230a及び導電性の外側ハウジング200の第2の導電性タブ230bは、内部空洞204内に延在し、導電性の外側ハウジング200の後壁240から実質的に垂直に延びている。後壁240は、内部空洞204内にあり、その長さに沿って導電性の外側ハウジング200の内部空洞204の側壁214から、導電性の外側ハウジング200の長手方向(第1の端部212から第2の端部222への方向と定義され、その逆も然り)に対して実質的に垂直に延びている。第1の導電性タブ230a及び第2の導電性タブ230bはそれぞれ、各導電性タブ230a、230bの端部に位置する先端部232a、232bを有する。導電性タブ230a、230bは、内部空洞204内で開口部202に向かってに延び、その方向に、導電性の外側ハウジング200の開口部202の方を実質的に向いている先端部232a、232bを有する。導電性タブ230a、230bの反対側の端部は、取付け端239a、239bである。取付け端239a、239bは、導電性タブ230a、230bの、導電性の外側ハウジング200の後壁240に取り付けられた部分である。それぞれ片持梁アーム238a、238bを有する、各導電性タブ230a、230b。片持梁アーム238a、238bは、導電性タブ230a、230bの長さによってその長さに沿って、より具体的には、取付け端239a、239bと先端部232a、232bとの間の導電性タブ230a、230bの部分によって形成される。
【0013】
第1の導電性タブ230aは、236aにある傾斜先頭部も有し、第2の導電性タブ230bは、236bにある傾斜先頭部も有する。236a、236bにある傾斜先頭部の各々は、先端部232a、232bに向かってその長さにほぼ沿って傾斜しているか、又は先細になっており、導電性の外側ハウジング200の長手方向(第1の端部212から第2の端部222への方向と定義され、その逆も同様である)に対する方向に先細になっている。236a、236bにある傾斜先頭部の各々は、導電性の外側ハウジング200の内部空洞204の側壁214に実質的に面している。第1の導電性タブ230a及び第2の導電性タブ230bの各々の、236a、236bにある傾斜先頭部は、後述するように、使用時にシールばね100と接触するように設けられている。
【0014】
第1の導電性タブ230aは第1の表面234a及び第2の表面235aも有し、第2の導電性タブ230bは第1の表面234b及び第2の表面235bも有する。各第1の表面234a、234bは、導電性の外側ハウジング200の内部空洞204に面している。各第1の表面は、他方の第1の表面234a、234bと対向してもよい。
図1に示されるように、その長さに沿って、第1の導電性タブ230aの第1の表面234aは、第2の導電性タブ230bの対向する反対側の第1の表面234bに実質的に面し、逆もまた同様である。第2の表面235a、235bは、導電性の外側ハウジング200の内部空洞204の側壁214に面している。
【0015】
図2には、シールばね100が挿入された導電性の外側ハウジング200が示されている。ここで、シールばね100は、導電性の外側ハウジング200に挿入されるが、最初に第1の面102が導電性の外側ハウジング200の後部222に向かって挿入される。シールばね100の第1の面102と該第1の面の表面112はまた、その前進停止部250及び表面252に当接してもよい。導電性の外側ハウジング200の第1の導電性タブ230a及び第2の導電性タブ230bがシールばね100の内部アパーチャ108に入っているが、最初にそれぞれの先端部232a、232bがシールばね100の内部アパーチャ108に入り、シールばね100と接触している。さらに、1つ以上の導電性タブ230a、230bの各々の、236a、236bにある傾斜先頭部は、図示のように、シールばね100が導電性の外側ハウジング200内にさらに挿入されると、シールばね100の内部側壁109とさらに接触する。
【0016】
図3に示されるように、シールばね100が導電性の外側ハウジング200内に挿入されてもよく、シールばね100は、第2の外側ハウジング300によって導電性の外側ハウジング200内に保持される。導電性の外側ハウジング200及びシールばね100の空洞は、
図4に示されるように、導電性の第3の外側ハウジング400が挿入及び収容され得る空間を有する。
【0017】
上述したように、導電性タブ230a、230bは、シールばね100の内部側壁109の表面110に当接且つ接触する。より具体的には、導電性タブ230a、230bは、内部側壁109のフレア部又は傾斜部に当接且つ接触する。導電性タブ230a、230bが内部アパーチャ108に入ってシールばね100に接触すると、シールばね100の内部側壁109のフレア部又は傾斜部分が圧縮し、シールばね100が導電性タブ230a、230bに対してばね様の力を加える。導電性タブ230a、230bは、
図2に示されるように、シールばね100の内面109に圧入されて押し込まれている。シールばね100は、導電性の外側ハウジング200及び導電性タブ230a、230bにさらに挿入することができ、第2の外側ハウジング300が挿入され、その後、導電性の第3の外側ハウジング400が挿入されると(
図3、
図4参照)、シールばね100の内面109にさらに圧入されて押し込まれる。シールばね100は、使用時に、導電性タブ230a、230bに対して適切なばね力を提供して発揮し、先端部232a、232bと、236a、236bにある傾斜先頭部と、導電性タブ230a、230bの第2の表面235a、235bとに対して自身を外側方向に押し出して、そのばね力を印加する。さらに、内部側壁109の角度又はテーパは、導電性タブ230a、230bがシールばね100の内部側壁の表面110と実質的に接触するときに、導電性タブ230a、230bの部分236a、236bにある傾斜先頭部が内部側壁109のフレア部又は傾斜部分の上に存在するようになっている。各導電性タブ230a、230bの先端部232a、232bは、ハウジング200に挿入されるときにシールばね100の第1の面102と実質的に接触しなくてもよい。シールばね100が挿入されたときに、第1の面102は、その中で、先端部232a、232bと、236a、236bにある傾斜先頭部と、第2の表面235a、235bの下にある。また、内部側壁109の角度又はテーパは、内部側壁109のフレア部分又は傾斜部分が、それぞれの導電性タブ230a、230bの部分236a、236bの傾斜先頭部の下に存在するようになっている。したがって、内部側壁109の傾斜又はテーパ部分によってシールばね100のばね力が発揮され、導電性タブ230、230bに印加される。より具体的には、ばね力は、一般に、導電性タブ230a、230bの部分236a、236bにある傾斜先頭部に向けられる。導電性タブ230a、230bはわずかに可撓性であり、片持梁アーム238a、238bの部分でその長さに沿って可撓性であることが好ましい。導電性タブ230a、230bは、先端部232a、232b、又は236a、236bにある傾斜先頭部、又は第2の表面235a、235bが、ここではシールばね100(
図3、
図4参照)と接触すると撓む。シール100の内部側壁109の角度又はテーパはまた、シールばね100が挿入されて使用されるときに導電性タブ230a、230b又はコネクタハウジングの同様特徴と接触したとき、シールばね100が使用中に損なわれたり、歪んだり、破れたり、裂けたり、又は破壊されたりするのを防止する。同様に、236a、236bにある傾斜先頭部は、シールばね100又は他の挿入されたシールが、その使用時に損なわれたり、反ったり、裂けたり、引き裂かれたり、あるいは破壊されたりすることを防止する。
【0018】
導電性の外側ハウジング200の導電性タブ230a、230bは導電性塗膜を有し、したがって、導電性タブ230a、230bは、導電性の外側ハウジング200を含む高電圧コネクタアセンブリのためのグランド方式の要素又は部分を提供することができる。ここでは、導電性タブ230a、230bの導電性塗膜により、導電性の外側ハウジング200が、挿入された導電性の第3の外側ハウジング400(
図4を参照)と導電接触することを含むグランド方式が実現される。また、これは、導電性タブ230a、230bの片持梁部分が導電性の第3の外側ハウジング400と実質的に接触することによって促進される。具体的には、導電性タブ230a、230bの各々の第1の表面234a、234bが、導電性の第3の外側ハウジング400の表面に接触する。シールばね100はまた、組み立てられたときに、導電性タブ230a、230bに対して圧縮及びばね力をかけ、導電性タブ230a、230bを導電性の第3の外側ハウジング400に対して押圧する。したがって、導電性タブ230a、230b上の導電性塗膜が導電性の第3の外側ハウジング400に接触すると、コネクタアセンブリのグランド方式の部分が完成する。
【0019】
図4に詳細に示されているのは、完成したコネクタアセンブリに組みあげられた導電性の外側ハウジング200の例であり、シールばね100、第2の外側ハウジング300、及び導電性の第3の外側ハウジング400が存在している。ここで、上述したように、片持梁アーム238a、238bはわずかに撓み、撓み運動は、導電性タブ230a、230bがシールばね100の内部側壁109と接触する方向とは反対の方向又は逆の方向である。導電性タブ230a、230bが撓む方向は、一般に内側方向、すなわち、内部空洞204、内部アパーチャ108、又は(前述のように)対向する他方の導電性タブ230a、230b、に向かう方向である。したがって、
図4に示すように、各導電性タブ230a、230bの第1の表面234a、234bは、完成したコネクタアセンブリの導電性の外側ハウジング200内に挿入されて、そこにあり、そこに存在している導電性の第3の外側ハウジング400の表面にさらに接触する。ここで、導電性の第3の外側ハウジング400は、第1の表面234a、234bと係合しており、導電性タブ230a、230bをシールばね100の内部側壁109にさらに押し込む。これにより、シールばね100が圧縮され、その結果、導電性タブ230a、230bに対する上向きのばね力が発生し、シールばね100がない場合よりも、導電性の第3の外側ハウジング400に対する導電性タブ230a、230bの接触圧力を高めるためのさらに大きな力、追加の力が提供される。高電圧コネクタアセンブリが使用されているときに導電性タブ230a、230bと導電性の第3の外側ハウジング400との間に、より良好な導電性が提供され、もたらされる、より高い接触圧力。また、この力及びその後の圧力は、樹脂のみから作られた導電性タブ230a、230b、片持梁アーム238a、238b、及びハウジング200の使用と比較して、応力緩和に対してはるかに耐性がある。ここでも、シールばね100の利点は、導電性の外側ハウジング200と導電性の第3の外側ハウジング400との間のより高い接触圧力である。導電性の第3の外側ハウジング400は、導電性があるめっき樹脂のハウジングであり、コネクタアセンブリ内のグランド方式の要素であり、コネクタアセンブリの遮蔽を助けるものであることが好ましい。前述のように、導電性の外側ハウジング200はまた、導電性で、金属であり、金属注入樹脂から構成され、使用時にコネクタアセンブリの遮蔽を補助するものでもあることが好ましい。それぞれの導電性の外側ハウジング200内のグランド要素は例えば、グランドの目的のために導電性の外側ハウジング200の内部で、表面で、又は該ハウジング200によって利用されるめっき表面、従来のスタンプシールド、箔ライニング表面、又は他の導電性材料であってもよい。上述したように、導電性タブ230a、230bが導電性の第3の外側ハウジング400と接触すると、導電性の外側ハウジング200を使用するコネクタアセンブリのグランド方式の部分を完成することができる。
【0020】
本発明の導電性の外側ハウジング200を利用してコネクタアセンブリを遮蔽及びグランドするための方法は、例示のみを目的として
図5に1本の破線で示されているEMI流路Aを含む。EMI流路Aは、例えば、導電性の外側ハウジング200の表面に接触し、導電性の外側ハウジング200の内部又はそのような各遮蔽手段(不図示)に当接する、電線シールド(不図示)、コネクタグランド方式(不図示)、又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわちスタンプシールド)のうちの1つから移動し、EMIはその後、導電性の外側ハウジング200に移動して伝導し、導電性塗膜が形成された導電性タブ230a、230bを通過し、次に導電性の第3の外側ハウジング400に移動して伝導し、さらにコネクタグランド方式(不図示)、又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)に移動して伝導し、グランドに至る。逆もまた同様で、この流路の逆も実現可能であり、EMI流路が反対方向である場合、グランド、グランド装置、又はグランド要素(
図5、
図6参照)の位置に依存する。
【0021】
図6は、導電性の外側ハウジング200を採用した高電圧コネクタアセンブリに沿ってEMIが通る経路を示すフローチャートである。
図6に示すように、EMIは、ステップ1(S1)において、例えば、電線シールド(不図示)、コネクタグランド方式(不図示)、又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)のうちの1つから導電性の外側ハウジング200に直接移動する。EMIは、ステップ2(S2)において、導電性の外側ハウジング200を通って、導電性の第3の外側ハウジング400に接触する導電性タブ230a、230bに直接進む。ステップ3(S3)において、EMIは、導電性タブ230a、230bから導電性の第3の外側ハウジング400に直接移動する。その後、ステップ4(S4)において、EMIは、さらなるコネクタグランド方式(不図示)又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)に直接進み、グランドに至る。
【0022】
図6に代替的に示すように、グランド、グランド装置、又はグランド要素の位置に起因してEMI流路が反対方向である場合、前述の流路の逆もまた実現可能である。EMIは、コネクタグランド方式(不図示)又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)を通って、ステップ4(S4)のように導電性の第3の外側ハウジング400まで、ステップ3(S3)のように導電性タブ230a、230bまで、ステップ2(S2)のように導電性の外側ハウジング200まで、ステップ1(S1)のように電線シールド(不図示)、コネクタグランド方式(不図示)、又は従来の遮蔽手段(不図示、すなわち、スタンプシールド)のうちの1つまで、直接進んで、グランドに至ることもできる。
【0023】
前述の説明は本発明の好ましい実施形態を対象としているが、当業者には他の変形及び修正が明らかであり、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく行うことができることに留意されたい。さらに、本発明の一実施形態に関連して説明された特徴は、上記で明示的に述べられていなくても、他の実施形態と併せて使用され得る。
【国際調査報告】