(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】エアロゾル生成方法及びその方法を行う電子装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20240315BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240315BHJP
H02M 7/493 20070101ALI20240315BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/50
H02M7/493
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517244
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-20
(86)【国際出願番号】 KR2022019102
(87)【国際公開番号】W WO2023167393
(87)【国際公開日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】10-2022-0027445
(32)【優先日】2022-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ヒュン ジン
(72)【発明者】
【氏名】コ、ウォンヨウン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ギホ
【テーマコード(参考)】
4B162
5H770
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC22
4B162AC32
4B162AC34
5H770AA29
5H770CA02
5H770DA22
5H770DA30
(57)【要約】
一例に係るエアロゾル生成基質を加熱するために、互いに異なる周波数を有する合成された交流電流を生成し、エアロゾル生成基質を包むコイルに合成された交流電流を供給することによってエアロゾル生成基質のサセプターで渦電流を発生させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置は、
前記電子装置の動作を制御する制御部と、
加熱部に電流を供給するインバータ部と、
前記電流を用いて前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質の少なくとも一部を加熱する加熱部と、
を含み、
前記電流は、同時二重周波数(Simultaneous dual frequency:SDF)を有する、電子装置。
【請求項2】
前記インバータ部は、
前記インバータ部に供給される直流電流の出力を調整する整流器と、
前記直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成する第1インバータと、
前記直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成する第2インバータと、
前記第1交流電流及び前記第2交流電流を合成することによって合成された交流電流を生成するフィルタと、
を含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記合成された交流電流によって前記エアロゾル生成基質の前記少なくとも一部に渦電流(eddy current)が発生され、
前記渦電流によって前記エアロゾル生成基質が加熱される、請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記第1交流電流に対応する前記合成された交流電流の第1成分によって前記エアロゾル生成基質の第1部分が加熱され、
前記第2交流電流に対応する前記合成された交流電流の第2成分によって前記エアロゾル生成基質の第2部分が加熱される、請求項3に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第1交流電流は中周波数(medium frequency:MF)であり、
前記第2交流電流は高周波数(high frequency:HF)である、請求項2に記載の電子装置。
【請求項6】
前記加熱部は、前記エアロゾル生成基質を包むように形成されるコイルを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の電子装置。
【請求項7】
電子装置を制御する方法は、
前記電子装置のインバータ部に供給される直流電流の出力を調整する動作と、
前記直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成する動作と、
前記直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成する動作と、
前記第1交流電流及び前記第2交流電流を合成することによって合成された交流電流を生成する動作と、
前記合成された交流電流を前記電子装置の加熱部に供給することによって前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質の少なくとも一部を加熱する動作と、
を含み、
前記合成された交流電流は、同時二重周波数(Simultaneous dual frequency:SDF)を有する、電子装置制御方法。
【請求項8】
前記合成された交流電流によって前記エアロゾル生成基質の前記少なくとも一部に渦電流が発生され、
前記渦電流によって前記エアロゾル生成基質が加熱される、請求項7に記載の電子装置制御方法。
【請求項9】
前記第1交流電流に対応する前記合成された交流電流の第1成分によって前記エアロゾル生成基質の第1部分が加熱され、
前記第2交流電流に対応する前記合成された交流電流の第2成分によって前記エアロゾル生成基質の第2部分が加熱される、請求項8に記載の電子装置制御方法。
【請求項10】
前記加熱部は、前記エアロゾル生成基質を包むように形成されるコイルを含む、請求項9に記載の電子装置制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、請求項7から10のいずれか一項に記載の電子装置制御方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の実施形態はエアロゾルを生成する技術に関し、具体的に電流に基づいて熱を生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、一般的な巻タバコの短所を克服する代替方法に関する需要が増加している。例えば、巻タバコを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、巻タバコ内のエアロゾル生成基質を加熱することによってエアロゾルを生成する方法に関する需要が増加している。そのため、加熱式巻タバコ又は加熱式エアロゾル生成装置に対する研究が盛んに行われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施形態は、電子装置によって実行されるエアロゾル生成方法を提供することにある。
【0004】
一実施形態は、エアロゾルを生成する電子装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係る電子装置は、前記電子装置の動作を制御する制御部と、加熱部に電流を供給するインバータ部と、前記電流を用いて前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質の少なくとも一部を加熱する加熱部とを含み、前記電流は、同時二重周波数(Simultaneous dual frequency:SDF)を有することができる。
【0006】
前記インバータ部は、前記インバータ部に供給される直流電流の出力を調整する整流器と、前記直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成する第1インバータと、前記直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成する第2インバータと、前記第1交流電流及び前記第2交流電流を合成することによって前記電流を生成するフィルタとを含むことができる。
【0007】
前記電流によって前記エアロゾル生成基質の前記少なくとも一部に渦電流(eddy current)が発生され、前記渦電流によって前記エアロゾル生成基質が加熱されることができる。
【0008】
前記第1交流電流に対応する前記電流の第1成分によって前記エアロゾル生成基質の第1部分が加熱され、前記第2交流電流に対応する前記電流の第2成分によって前記エアロゾル生成基質の第2部分が加熱されることができる。
【0009】
前記第1交流電流は中周波数(medium frequency:MF)であり、前記第2交流電流は高周波数(high frequency:HF)であってもよい。
【0010】
前記加熱部は、前記エアロゾル生成基質を包むように形成されるコイルを含むことができる。
【0011】
一実施形態に係る電子装置を制御する方法は、前記電子装置のインバータ部に供給される直流電流の出力を調整する動作と、前記直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成する動作と、前記直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成する動作と、前記第1交流電流及び前記第2交流電流を合成することによって前記電流を生成する動作と、前記電流を前記電子装置の加熱部に供給することによって前記電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質の少なくとも一部を加熱する動作とを含み、前記電流は、同時二重周波数(Simultaneous dual frequency:SDF)を有する。
【0012】
前記電流によって前記エアロゾル生成基質の前記少なくとも一部に渦電流が発生され、前記渦電流によって前記エアロゾル生成基質が加熱されることができる。
【0013】
前記第1交流電流に対応する前記電流の第1成分によって前記エアロゾル生成基質の第1部分が加熱され、前記第2交流電流に対応する前記電流の第2成分によって前記エアロゾル生成基質の第2部分が加熱されることができる。
【0014】
前記加熱部は、前記エアロゾル生成基質を包むように形成されるコイルを含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
電子装置によって実行されるエアロゾル生成方法が提供されることができる。
【0016】
エアロゾルを生成する電子装置が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】様々な一例に係るエアロゾル生成装置に巻タバコが挿入された例を示す図である。
【
図2】様々な一例に係るエアロゾル生成装置に巻タバコが挿入された例を示す図である。
【
図4】様々な一例に係る巻タバコの例を示す図である。
【
図5】様々な一例に係る巻タバコの例を示す図である。
【
図6】一例に係る加熱部のコイルと巻タバコとの間の位置関係を示す。
【
図8】一実施形態に係る加熱部に電流を供給する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態に対する特定な構造的又は機能的な説明は単なる例示のための目的として開示されたものであって、様々な形態に変更されることができる。したがって、実施形態は特定な開示形態に限定されるものではなく、本明細書の範囲は技術的な思想に含まれる変更、均等物または代替物を含む。
【0019】
第1又は第2などの用語を複数の構成要素を説明するために用いることがあるが、このような用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ解釈されなければならない。例えば、「第1構成要素」は「第2構成要素」に命名することができ、同様に、「第2構成要素」は「第1構成要素」にも命名することができる。
【0020】
いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」されているか「接続」されていると言及されたときには、その他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されているが、中間に他の構成要素が存在し得るものと理解されなければならない。
【0021】
単数の表現は文脈上、明白に異なる意味を有しない限り複数の表現を含む。本開示において、「含む」又は「有する」などの用語は、説明された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれを組み合わせたものが存在するものと指定しようとするものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれを組み合わせたものの存在又は付加可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0022】
異なるように定義さがれない限り、技術的又は科学的な用語を含み、ここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0023】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関わらず同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0024】
図1及び
図2は、様々な一例に係るエアロゾル生成装置に巻タバコが挿入された例を示す図である。
【0025】
ユーザは、エアロゾル生成装置1が生成したエアロゾルの提供を受けることにより喫煙することができる。エアロゾル生成装置1は、電子タバコ装置又は喫煙スティックに命名される。例えば、エアロゾル生成装置1は、エアロゾル生成装置120に挿入された巻タバコ2に熱を加熱することによってエアロゾルを生成することができる。
【0026】
図1及び
図2を参照すると、エアロゾル生成装置1は、検出部10、バッテリ11、制御部12、及びインバータ部13、及び加熱部14を含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には巻タバコ2が挿入されてもよい。例えば、加熱部14は、エアロゾル生成装置1に挿入された巻タバコ2の少なくとも一部を囲むコイル(例えば、電気伝導性コイル)を含んでもよい。
【0027】
一実施形態によれば、コイルを利用した誘導加熱方式は、瞬間的な昇温に有利であり、消耗電力は低い。例えば、エアロゾル生成装置1の加熱部14は、サセプターを含まず、巻タバコ2のエアロゾル生成基質を包む巻紙(例えば、金属箔)を誘導加熱することができる。
【0028】
一実施形態によれば、
図1及び
図2に示された構成要素の他に異なる汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを本実施形態に関する技術分野で通常の知識を有する者であれば理解できる。例えば、エアロゾル生成装置1はディスプレイをさらに含んでもよい。
【0029】
図1にはバッテリ11、制御部12、インバータ部13、及び加熱部14が一列に配置されたものと図示されている。また、
図2には、インバータ部13及び加熱部14が並列に配置されたものと図示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、
図1及び
図2に示されたものに限定されない。言い換えれば、エアロゾル生成装置1の設計に応じて、検出部10、バッテリ11、制御部12、インバータ部13、及び加熱部14の配置は変更されてもよい。
【0030】
巻タバコ2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は加熱部14を作動させ、エアロゾルを発生させ得る。加熱部14によって発生したエアロゾルは、巻タバコ2を通過してユーザに伝達される。
【0031】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1が動作するために使用される電力を供給する。例えば、バッテリ11は、制御部12が動作するために必要な電力を供給してもよい。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設置されたディスプレイ、センサ、モータなどが動作するために必要な電力を供給することができる。バッテリ11は、充電可能なバッテリや使い捨てバッテリであってもよい。例えば、バッテリ11は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリであってもよいが、記載された実施形態に制限されない。
【0032】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、検出部10、バッテリ11、インバータ部13、及び加熱部14のみならず、エアロゾル生成装置1に含まれている他の構成の動作を制御することができる。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0033】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、複数の論理ゲートのアレイとして実現されてもよく、汎用的なマイクロプロセッサとこのマイクロプロセッサで実行され得るプログラムが格納されたメモリの組み合せで実現されてもよい。また、別の形態のハードウェアで実現され得ることを、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができる。
【0034】
インバータ部13は、バッテリ11から供給される直流電流に基づいて加熱部14のコイルに供給する合成された交流電流を生成することができる。例えば、合成された交流電流は、同時二重周波数(Simultaneous dual frequency:SDF)を有することができる。インバータ部13については、下記で
図3を参照して詳細に説明される。
【0035】
加熱部14は、インバータ部13から供給された合成された交流電流によって加熱される。例えば、巻タバコ2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、加熱部14のコイルが巻タバコ2の外部の少なくとも一部を包むことができる。一実施形態によれば、コイルに流れる合成された交流電流は、巻タバコ2の表面に渦電流(eddy current)を発生させてもよい。渦電流によって巻タバコ2の少なくとも一部(例えば、エアロゾル生成基質)が加熱され、これによりエアロゾルが生成され得る。
【0036】
一実施形態によれば、加熱部13は、巻タバコ2を誘導加熱方式で加熱するためのコイルを含んでもよく、巻タバコ2は、コイルによって加熱されるサセプターを含んでもよい。例えば、サセプターは、エアロゾル生成装置を包む金属箔の形態であってもよい。
【0037】
一実施形態によれば、エアロゾル生成装置1は、液相組成物を加熱してエアロゾルを生成できる蒸気化器(図示せず)をさらに含んでもよい。蒸気化器を介して生成されたエアロゾルは、巻タバコ2を通過してユーザに伝達され得る。言い換えれば、蒸気化器によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動され、気流通路は、蒸気化器によって生成されたエアロゾルが巻タバコ2を通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0038】
例えば、蒸気化器は、液体格納部、液体伝達手段、及び加熱要素を含むが、これに限定されない。例えば、液体格納部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立的なモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0039】
液体格納部は、液相組成物を格納することができる。例えば、液相組成物は、揮発性タバコ香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。液体格納部は、蒸気化器から取り外し可能に製造されてもよく、蒸気化器と一体に製造されてもよい。
【0040】
例えば、液相組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、又は、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種の果物の香り成分などを含んでもよいが、これに制限されることはない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供できる成分を含む。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたものであるが、これに制限されることはない。また、液相組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0041】
液体伝達手段は、液体格納部の液相組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのようなウィク(wick)であってもよいが、これに限定されない。
【0042】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液相組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒーターなどが挙げられるが、これに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成されてもよく、液体伝達手段に巻かれる構造に配置されてもよい。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触した液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成され得る。
【0043】
例えば、蒸気化器14は、カートマイザ(cartomizer)又はアタマイザ(atomizer)のように称されるが、これに限定されない。
【0044】
一方、エアロゾル生成装置1は、検出部10、バッテリ11、制御部12、インバータ部13、ヒーター13、及び加熱部14の他に、汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/又は触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。
【0045】
一実施形態によると、検出部10は、パフ検出センサ、温度検出センサ、巻タバコの挿入検出センサをさらに含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、巻タバコ2が挿入された状態でも外気が流入されたり、内部気体が流出され得る構造で製造されることができる。
【0046】
図1~
図2には図示していないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられてもよい。又は、クレードルとエアロゾル生成装置1が結合された状態でヒーター13が加熱されてもよい。
【0047】
巻タバコ2は、一般的な燃焼型の巻タバコに類似している。例えば、巻タバコ2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。又は、巻タバコ2の第2部分にもエアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒又はカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0048】
エアロゾル生成装置1の内部には第1部分の全体が挿入され、第2部分は外部に露出されている。又は、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部のみが挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口でくわえている状態でエアロゾルを吸入することができる。ここで、エアロゾルは、外気が第1部分を通過することにより生成され、生成されたエアロゾルは第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0049】
一例として、外気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入することができる。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/又は空気通路の大きさはユーザによって調整され得る。そのため、煙霧量、喫煙感などがユーザによって調整され得る。異なる例として、外気は、巻タバコ2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介して巻タバコ2の内部に流入されてもよい。
【0050】
【0051】
一実施形態によれば、インバータ部300(例えば、
図1及び
図2のインバータ部14)は、整流器310、第1インバータ320、第2インバータ330、及びフィルタ340を含む。
【0052】
整流器310は、インバータ部300に供給される直流電流の出力の大きさを調整することができる。例えば、整流器310は、エアロゾル生成装置1のバッテリ11から直流電流が供給される。
【0053】
一実施形態によれば、第1インバータ320は、直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成することができる。例えば、第1周波数は、中周波数(medium frequency:MF)であってもよい。第2インバータ330は、直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成することができる。例えば、第2周波数は、高周波数(high frequency:HF)であってもよい。第1インバータ320及び第2インバータ330は、ハーフブリッジインバータで構成されてもよい。
【0054】
フィルタ340は、第1交流電流及び第2交流電流を合成することで、合成された交流電流を生成することができる。例えば、フィルタ340は、デュアルフィルタを介して第1交流電流及び第2交流電流を合成することができる。合成された交流電流は、SDF波形を有してもよい。
【0055】
合成された交流電流がコイル(例えば、
図1及び
図2の加熱部14のコイル)に印加される場合、コイル内に位置している物体(例えば、エアロゾル生成基質のサセプター)に渦電流が形成され得る。合成された交流電流は、第1周波数に対応する第1成分及び第2周波数に対応する第2成分を含む。第1成分によって第1サセプター及び第2成分によって第2サセプターが同時に又は時差をもって加熱され得る。
【0056】
図4及び
図5は、様々な一例に係る巻タバコの例を示す図である。
【0057】
図4を参照すると、巻タバコ2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。タバコロッド21はエアロゾル生成物質を含み、フィルタロッド22はフィルタなどを含む。
【0058】
図4にはフィルタロッド22が単一のセグメントで図示されているが、これに限定されない。言い換えれば、フィルタロッド22は、複数のセグメントから構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれている所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0059】
一実施形態によれば、タバコロッド21は、第1部分21a及び第2部分21bを含む。
【0060】
巻タバコ2は、少なくとも1つのラッパー24によって包装される。ラッパー24には、外気が流入されたり内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されている。一例として、巻タバコ2は、1つのラッパー24によって包装されてもよい。異なる例として、巻タバコ2は、2以上のラッパー24によって重複的に包装されてもよい。例えば、第1-1ラッパー24a-1によってタバコロッド21の第1部分21aが包装され、第1-2ラッパー24a-1によってタバコロッド21の第2部分21bが包装され、ラッパー21b,24c,24dによってフィルタロッド22が包装されてもよい。そして、単一ラッパー24eによって巻タバコ2の全体が再包装されてもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成されれば、それぞれのセグメントがラッパー24b,24c,24dによって包装されることができる。
【0061】
例えば、第1-1ラッパー24a-1、第1-2ラッパー24a-2、及び第2ラッパー24bは、一般的なフィルタ巻紙で製造されることができる。異なる例として、第1-1ラッパー24a-1、第1-2ラッパー24a-2、及び第2ラッパー24bは、多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。更なる例として、第1-1ラッパー24a-1、第1-2ラッパー24a-2、及び第2ラッパー24bは、耐油性を有する紙類及び/又はアルミニウム合紙包装材で製造されてもよい。更なる例として、第1-1ラッパー24a-1、第1-2ラッパー24a-2、及び第2ラッパー24bは、互いに異なる物質で製造されてもよい。
【0062】
第3ラッパー24cは、ハード巻紙で製造されてもよい。
【0063】
第4ラッパー24dは、耐油性ハード巻紙で製造されてもよい。
【0064】
第5ラッパー24eは、滅菌紙(MFW)で製造されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度などが一般の紙よりも増進されるように特殊製造された紙を意味する。
【0065】
第5ラッパー24eは、所定の物質が内添されることができる。ここで、所定の物質の例としてシリコンが挙げられるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種の薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は、電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば、制限されることなく第5ラッパー24eに塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0066】
第5ラッパー24eは、巻タバコ2が燃焼される現像を防止できる。例えば、タバコロッド21が加熱部14によって加熱されれば、巻タバコ2が燃焼する可能性がある。具体的に、タバコロッド21に含まれた物質のいずれか1つの発火点以上に温度が上昇する場合、巻タバコ2が燃焼する。このような場合にも、第5ラッパー24eは不燃性物質を含んでいるため、巻タバコ2が燃焼する現像が防止される。
【0067】
また、第5ラッパー24eは、巻タバコ2で生成される物質によってホルダが汚染されることが防止される。ユーザのパフによって、巻タバコ2内で液体物質が生成される。例えば、巻タバコ2で生成されたエアロゾルが外気によって冷却されることで、液体物質(例えば、水分など)が生成される。第5ラッパー24eが巻タバコ2を包装することにより、巻タバコ2内で生成された液体物質が巻タバコ2の外部に漏れることを防止できる。
【0068】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むが、これに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/又は有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含有することができる。また、タバコロッド21には、メンソール又は保湿剤などの加香液がタバコロッド21に噴射されることによって添加してもよい。
【0069】
タバコロッド21は多様に製造されることができる。例えば、タバコロッド21はシート(sheet)で製造されてもよく、ストランド(strand)で製造されてもよい。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻草で製造されてもよい。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によって囲まれてもよい。例えば、熱伝導物質は、アルミホイルのような金属ホイールであってもよいが、これに限定されない。一例として、タバコロッド21を包む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を等しく分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上でき、これによりタバコの味を向上させることができる。また、タバコロッド21を包む熱伝導物質は、加熱部14のコイルにより加熱されサセプターとしての機能を果たす。ここで、図面に示していないが、タバコロッド21は、外部を包む熱伝導物質の他にも追加のサセプターをさらに含んでもよい。
【0070】
一実施形態によれば、タバコロッド21は、第1部分21a及び第2部分21bを含み、第1部分21a及び第2部分21bを包む第1-1ラッパー24a-1及び第1-2ラッパー24a-2は、互いに異なる物質から構成されてもよい。例えば、第1部分21aは液相を含んでもよく、第2部分21bは媒質を含んでもよい。合成されている交流電流がコイルを介して流れる場合、第1-1ラッパー24a-1及び第1-2ラッパー24a-2はそれぞれ互いに異なるサセプターとして機能することができる。第1-1ラッパー24a-1のサセプターは合成された交流電流の第1成分に反応し、第1-2ラッパー24a-2のサセプターは合成された交流電流の第2成分に反応する。合成された交流電流の第1成分及び第2成分のうち少なくとも1つを制御することで、第1部分21a及び第2部分21bの加熱温度を分離し制御することができる。例えば、合成された交流電流の第1成分及び第2成分を制御することによって、第1部分21a及び第2部分21bのそれぞれに対する温度上昇及び温度下降の方向性が互いに分離され得る。
【0071】
前記の実施形態によれば、互いに異なるサセプターを同じ媒質(例えば、シートタバコ又は刻草)に適用する場合、口部に近い上部の温度を先に高め、下部の温度を後で高める温度制御方式を介して、ユーザにエアロゾルとしてニコチン及びグリセリンを均一に提供することができる。
【0072】
前記の実施形態によれば、互いに異なるサセプターを互いに異なる物質(例えば、液相及び媒質)に適用する場合、下部にある液相の温度を先に上昇させて初期煙霧を促進させ、上部にある媒質の温度を後で高める温度制御方式を介して、ユーザにエアロゾルとしてニコチン及びグリセリンを均一に提供することができる。
【0073】
フィルタロッド22は、アセチルセルロースフィルタであってもよい。一方、フィルタロッド22の形状には制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱タイプのロッドであってもよく、内部に中空部を含むチューブタイプのロッドであってもよい。また、フィルタロッド22はリセースタイプのロッドであってもよい。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントから構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状に製造されてもよい。
【0074】
フィルタロッド22の第1セグメントは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。例えば、第1セグメントは、内部に中空部を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメントにより加熱部14が挿入される場合、タバコロッド21の内部物質が後ろにずれる現像を防止することもでき、エアロゾルの冷却効果も発生し得る。
【0075】
第1セグメントの製造時に可塑剤の含量を調整することによって第1セグメントの硬度が調整され得る。また、第1セグメントは、内部(例えば、中空部)に同一あるいは離型の材質のフイルム、チューブなどの構造物を挿入して製造されることができる。
【0076】
フィルタロッド22の第2セグメントは、加熱部14がタバコロッド21を加熱することによって生成されたエアロゾルを冷却させる。したがって、ユーザは、適度な温度で冷却されたエアロゾルを吸入することができる。第2セグメントの長さ又は直径は、巻きタバコ2の形態に応じて多様に決定される。
【0077】
第2セグメントは、ポリマー繊維を製織して製造できる。この場合、ポリマーで製造された繊維に加香液を塗布してもよい。又は、加香液の塗布された別途の繊維とポリマーで製造された繊維を共に製織して第2セグメントを製造してもよい。又は、第2セグメントは、巻軸されたポリマーシートによって形成されてもよい。
【0078】
例えば、ポリマーは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニール(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、アセチルセルロース(CA)及びアルミホイルからなる群より選択された材料で製造されることができる。
【0079】
第2セグメントが製織されたポリマー繊維又は巻軸されたポリマーシートによって形成されることにより、第2セグメントは縦方向に延びる単数又は複数のチャネルを含んでもよい。ここで、チャネルは、気体(例えば、空気又はエアロゾル)が通過する通路を意味する。
【0080】
一方、第2セグメントには、揮発性の香味成分を含有するスレッド(thread)が含まれてもよい。ここで、揮発性の香味成分はメントールであってもよいが、これに制限されることはない。例えば、スレッドには、1.5mg以上のメントールを第2セグメントに提供するために、十分な量のメントールが充填され得る。
【0081】
フィルタロッド22の第3セグメントは、アセチルセルロースフィルタであってもよい。第3セグメントを製造する過程において、第3セグメントに加香液を噴射することによって香味が発生されるように製造してもよい。又は、加香液の塗布された別途の繊維を第3セグメントの内部に挿入してもよい。タバコロッド21で生成されたエアロゾルは、フィルタロッド22の第2セグメントを通過することにより冷却され、冷却されたエアロゾルが第3セグメントを介してユーザに伝達される。したがって、第3セグメントに加香要素が添加される場合、ユーザに伝達される香味の持続性が増進されるという効果が発生する。
【0082】
また、フィルタロッド22には少なくとも1つのカプセル23が含まれてもよい。ここで、カプセル23は香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル23は、球状又は円筒状の形状を有し得るが、これに制限されることはない。
【0083】
図5を参照すると、巻タバコ3は、巻タバコ2に比べてせん断プラグ33をさらに含む。せん断プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に配置される。せん断プラグ33はタバコロッド31が外部に離脱することを防止し、喫煙中にタバコロッド31から液相化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(例えば、
図1及び
図2のエアロゾル生成装置1)に流れ込むことを防止する。
【0084】
フィルタロッド32は、第1セグメント32a及び第2セグメント32bを含む。ここで、第1セグメント32aは、
図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント32bは、
図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0085】
巻タバコ3は、少なくとも1つのラッパー35によって包装される。ラッパー35には外気が流入されたり内部気体が流出する少なくとも1つの孔が形成されることができる。例えば、第1ラッパー35aによってせん断プラグ33が包装され、第2ラッパー35b-1、35b-2によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパー35cによって第1セグメント32aが包装され、第4ラッパー35dによって第2セグメント32bが包装される。そして、第5ラッパー35eによって巻タバコ3の全体が再包装されることができる。
【0086】
また、第5ラッパー35eには、少なくとも1つの穿孔36が形成されることができる。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を包む領域に形成されるが、これに制限されることはない。穿孔36は、
図1及び
図2に示された加熱部14により形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を果たす。
【0087】
また、第2セグメント32bには少なくとも1つのカプセル34が含まれてもよい。ここで、カプセル34は香味を発生させる機能を行ってもよく、エアロゾルを発生させる機能を行ってもよい。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で包んだ構造であってもよい。カプセル34は、球状又は円筒状の形状を有するが、これに制限されることはない。
【0088】
第1ラッパー35aは、一般的なフィルタ巻紙にアルミホイルのような金属ホイールが結合されたものであってもよい。
【0089】
例えば、第2-1ラッパー35b-1、第2-2ラッパー35b-2、及び第3ラッパー35cは一般的なフィルタ巻紙で製造されてもよい。異なる例として、第2-1ラッパー35b-1、第2-2ラッパー35b-2、及び第3ラッパー35cは、多孔質の巻紙又は無多孔質の巻紙であってもよい。更なる例として、第2-1ラッパー35b-1、第2-2ラッパー35b-2及び第3ラッパー35cは、耐油性を有する紙類及び/又はアルミニウム合紙包装材で製造されてもよい。更なる例として、第2-1ラッパー35b-1、第2-2ラッパー35b-2及び第3ラッパー35cは、互いに異なる物質で製造されてもよい。
【0090】
第4ラッパー35dは、PLA合紙で製造されてもよい。ここで、PLA合紙は、紙層、PLA層及び紙層を含む3重の紙を意味する。
【0091】
第5ラッパー35eは、滅菌紙(MFW)で製造されてもよい。ここで、滅菌紙(MFW)は、引張強度、耐水度、平滑度が一般の紙よりも増進されるように特殊製造された紙を意味する。
【0092】
第5ラッパー35eは所定の物質が内添されてもよい。ここで、所定の物質の例としてシリコンが挙げられるが、これに限定されない。例えば、シリコンは、温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種の薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、又は、電気絶縁性などの特性を有する。但し、シリコンでなくても、上述した特性を有する物質であれば、制限されることなく第5ラッパー35eに塗布(又は、コーティング)されることができる。
【0093】
せん断プラグ33は、アセチルセルロースで製造されることができる。一例として、せん断プラグ33は、アセチルセルローストウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造してもよい。アセチルセルローストウを構成するフィラメントのモノデニール(mono denier)は1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは4.0~6.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のフィラメントのモノデニールは5.0であってもよい。また、せん断プラグ33を構成しているフィラメントの断面はY字型であってもよい。せん断プラグ33のトータルデニール(total denier)は20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、25000~30000の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、せん断プラグ33のトータルデニールは28000であってもよい。
【0094】
また、必要に応じて、せん断プラグ33は少なくとも1つのチャネルを含んでもよく、チャネルの断面形状は多様に製造され得る。
【0095】
タバコロッド31は、
図4を参照して上述したタバコロッド21に対応する。したがって、以下では、タバコロッド31に対する具体的な説明は省略する。
【0096】
第1セグメント32aは、アセチルセルロースで製造されることができる。例えば、第1セグメントは内部に中空を含むチューブ形態の構造物であってもよい。第1セグメント32aは、アセチルセルローストウに可塑剤(例えば、トリアセチン)を加えて製造されることができる。例えば、第1セグメント32aのモノデニール及びトータルデニールは、せん断プラグ33のモノデニール及びトータルデニールと同一であってもよい。
【0097】
第2セグメント32bは、アセチルセルロースで製造されることができる。第2セグメント32bを構成しているフィラメントのモノデニールは1.0~10.0の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、8.0~10.0の範囲内に含まれてもよい。さらに好ましくは、第2セグメント32bのフィラメントのモノデニールは9.0であってもよい。また、第2セグメント32bのフィラメントの断面はY字型であってもよい。第2セグメント32bのトータルデニールは20000~30000の範囲内に含まれてもよく、好ましくは、25000であってもよい。
【0098】
図6は、一例に係る加熱部のコイルと巻タバコとの間の位置関係を示す。
【0099】
一実施形態によれば、巻タバコ6(例えば、
図4の巻タバコ2又は
図5の巻タバコ3)がエアロゾル生成装置1に挿入することができる。例えば、巻タバコ6のタバコロッド61(例えば、
図4のタバコロッド21又は
図5のタバコロッド31)がエアロゾル生成装置1の加熱部14のコイル650内に位置するように巻タバコ6がエアロゾル生成装置1に挿入されてもよい。一例として、コイル650の形態が螺旋形の形態に示されているが、コイル650の形態は、タバコロッド61を包み得る形態であれば制限されることなく適用される。
【0100】
一実施形態によれば、タバコロッド61は、第1部分61a(例えば、
図4の第1部分21a又は
図5の第1部分31a)及び第2部分61b(例えば、
図4の第2部分21b又は
図5の第2部分31b)を含んでもよい。例えば、第1部分61a及び第2部分61bを包むラッパーそれぞれは互いに異なる物質から構成されてもよい。
【0101】
合成された交流電流がコイル650を介して流れる場合、第1部分61a及び第2部分61bのラッパーはそれぞれ互いに異なるサセプターとして機能する。第1部分61aのラッパーのサセプターは合成された交流電流の第1成分に反応し、第2部分61bのラッパーのサセプターは合成された交流電流の第2成分に反応する。合成された交流電流の第1成分及び第2成分のうち少なくとも1つを制御することで、第1部分61a及び第2部分61bの加熱温度を分離し制御することができる。例えば、合成された交流電流の第1成分及び第2成分を制御することによって、第1部分61a及び第2部分61bのそれぞれに対する温度上昇及び温度下降の方向性が互いに分離され得る。
【0102】
【0103】
一側面に係る制御部700(例えば、
図1及び
図2の制御部12)は、通信部710、プロセッサ720及びメモリ730を含む。
【0104】
通信部710は、プロセッサ720、及びメモリ730に接続されてデータを送受信する。通信部710は、外部の他の装置と接続してデータを送受信することができる。以下、「A」を送受信するという表現は「Aを示す情報(information)又はデータ」を送受信することを示す。
【0105】
通信部710は、制御部700内の回路網で実現することができる。例えば、通信部710は内部バス及び外部バスを含んでもよい。異なる例として、通信部710は、制御部700と外部の装置を接続する要素であってもよい。通信部710はインターフェースであってもよい。通信部710は外部の装置からデータを受信し、プロセッサ720及びメモリ730にデータを送信する。
【0106】
プロセッサ720は、通信部710が受信したデータ及びメモリ730に格納されたデータを処理する。「プロセッサ」は目的とする動作を実行させるための物理的な構造を有する回路を有するハードウェアで具現されたデータ処理装置であってもよい。例えば、目的とする動作は、プログラムに含まれたコード又は命令を含んでもよい。例えば、ハードウェアで具現されたデータ処理装置は、マイクロプロセッサー(microprocessor)、中央処理装置(central processing unit)、プロセッサコア(processor core)、マルチ-コアプロセッサ(multi-core processor)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)を含んでもよい。
【0107】
プロセッサ720は、メモリ(例えば、メモリ730)に格納されたコンピュータで読出し可能なコード(例えば、ソフトウェア)及びプロセッサ720によって誘発された命令を実行する。
メモリ730は、通信部710が受信したデータ及びプロセッサ720が処理したデータを格納する。例えば、メモリ730は、プログラム(又はアプリケーション、ソフトウェア)を格納してもよい。格納されるプログラムは、エアロゾル生成装置(例えば、
図1及び
図2のエアロゾル生成装置1)を制御できるようにコーディングされてプロセッサ720によって実行可能なシンタックス(syntax)の集合であってもよい。
【0108】
一態様によれば、メモリ730は1つ以上の揮発性メモリ、不揮発性メモリ、及びRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ及び光学ディスクドライブを含んでもよい。
【0109】
メモリ730は、制御部700を動作させる命令語セット(例えば、ソフトウェア)を格納する。制御部700を動作させる命令語セットはプロセッサ720によって実行される。
【0110】
通信部710、プロセッサ720、及びメモリ730に対して、以下の
図8を参照して詳細に説明される。
【0111】
図8は、一実施形態に係る加熱部に電流を供給する方法のフローチャートである。
【0112】
下の動作810~850は、電子装置(例えば、
図1のエアロゾル生成装置1)によって実行されることができる。
【0113】
動作810において、電子装置は、インバータ部(例えば、
図1のインバータ部13)に供給される電流の出力を調整する。例えば、電子装置のインバータ部の整流器は、バッテリ(例えば、
図1のバッテリ11から供給される電力又は直流電流の出力を調整することができる。
【0114】
動作820において、電子装置のインバータ部の第1インバータは、直流電流に基づいて第1周波数を有する第1交流電流を生成する。例えば、第1周波数は中周波数(medium frequency:MF)帯域内の周波数であってもよい。例えば、中周波数帯域は300KHz~3000KHzを含んでもよい。
【0115】
動作830において、電子装置のインバータ部の第2インバータは、直流電流に基づいて第2周波数を有する第2交流電流を生成する。例えば、第2周波数は、高周波数(high frequency:HF)帯域内の周波数であってもよい。例えば、高周波数帯域は、3MHz~30MHzを含んでもよい。
【0116】
一実施形態によれば、第1インバータ及び第2インバータは、ハーフブリッジインバータで構成されるが、インバータ部内の回路構造は、記載された実施形態に限定されない。
【0117】
動作840において、電子装置のインバータ部のフィルタは、第1交流電流及び第2交流電流を合成することにより、合成された交流電流を生成する。合成された交流電流はSDFを有してもよい。
【0118】
一実施形態によれば、フィルタは二重帯域(dual-band)フィルタであってもよい。
【0119】
動作850において、電子装置は、合成された交流電流を加熱部(例えば、
図1及び
図2の加熱部14)に供給することにより、電子装置に挿入されるエアロゾル生成基質の少なくとも一部を加熱する。例えば、エアロゾル生成基質は、
図4のタバコロッド21又は
図5のタバコロッド31に対応する。
【0120】
一実施形態によれば、エアロゾル生成基質は、互いに異なる物質で構成される第1部分(例えば、
図4の第1部分21a又は
図5の第1部分31a)及び第2部分(例えば、
図4の第2部分21b又は
図5の第2部分31b)を含んでもよい。例えば、第1部分は液相を含んでもよく、第2部分は媒質を含んでもよい。
【0121】
第1部分は第1サセプターを含む第1ラッパーで包まれ、第2部分は第2サセプターを含む第2ラッパーで包まれる。第1サセプター及び第2サセプターは互いに異なる物質、又は、誘導加熱に対する互いに異なる特性を有する。第1ラッパーの第1サセプターは合成された交流電流の第1成分に反応し、第2ラッパーの第2サセプターは合成された交流電流の第2成分に反応する。合成された交流電流の第1成分及び第2成分のうち少なくとも1つを制御することで、第1部分及び第2部分の加熱温度を分離して制御することができる。例えば、合成された交流電流の第1成分及び第2成分を制御することで、第1部分及び第2部分のそれぞれに対する温度上昇及び温度下降の方向性が互いに分離され得る。
【0122】
前記の実施形態によれば、互いに異なるサセプターを互いに異なる物質(例えば、液相及び媒質)に適用する場合、下部にある液相の温度を先に上昇させて初期煙霧を促進させ、上部にある媒質の温度を後で高める温度制御方式を介して、ユーザにエアロゾルとしてニコチン及びグリセリンを均一に提供することができる。
【0123】
一実施形態によれば、エアロゾル生成基質は、同じ物質(例えば、媒質)から構成される第1部分(例えば、
図4の第1部分21a又は
図5の第1部分31a)及び第2部分(例えば、
図4の第2部分21b又は
図5の第2部分31b)を含む。
【0124】
第1部分は第1サセプターを含む第1ラッパーで包まれ、第2部分は第2サセプターを含む第2ラッパーで包まれてもよい。第1サセプター及び第2サセプターは互いに異なる物質であるか、又は、誘導加熱に対する互いに異なる特性を有してもよい。
【0125】
前記の実施形態によれば、互いに異なるサセプターを同じ媒質に適用する場合、口部と近い上部の温度を先に高め、下部の温度を後で高める温度制御方式を介して、ユーザにエアロゾルとしてニコチン及びグリセリンを均一に提供することができる。
【0126】
一実施形態によれば、電子装置の制御部は、ユーザが現在の喫煙状態(例えば、喫煙開始、吸気、呼気、パフ回数、又は喫煙終了など)を検出部(例えば、
図1及び
図2のセンサ部10)から取得した情報に基づいて決定し、決定された現在の喫煙状態に基づいて直流電流の出力、第1周波数又は第2周波数のうち少なくとも1つを調整することができる。例えば、様々な喫煙状態に対応するエアロゾル生成基質の第1部分及び第2部分に対するそれぞれの温度プロファイルに基づいて、直流電流の出力、第1周波数、又は第2周波数のうち少なくとも1つが調整されることができる。
【0127】
本実施形態による方法は、様々なコンピュータ手段を介して実施されるプログラム命令の形態で具現され、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録される。記録媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独又は組み合せて含む。記録媒体及びプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計して構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり使用可能なものであってもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例として、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM、DVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含む。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行される高級言語コードを含む。上記で説明したハードウェア装置は、本発明に示す動作を実行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成してもよく、その逆も同様である。
【0128】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム、コード、命令、又はそのうちの一つ以上の組合せを含み、希望の通りに動作するよう処理装置を構成したり、独立的又は結合的に処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されたり処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれかの類型の機械、構成要素、物理的装置、仮想装置、コンピュータ格納媒体又は装置、又は送信される信号波に永久的又は一時的に具体化することができる。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散され、分散した方法で格納されたり実行され得る。ソフトウェア及びデータは一つ以上のコンピュータで読出し可能な記録媒体に格納され得る。
【0129】
上述したように実施形態をたとえ限定された図面によって説明したが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の説明に基づいて様々な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順に実行され、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合わせられてもよく、他の構成要素又は均等物によって置き換え又は置換されたとしても適切な結果を達成することができる。
【0130】
したがって、他の具現、他の実施形態および特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求範囲の範囲に属する。
【国際調査報告】