(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ToFセンサエレメントを動作させる方法、ToFセンサエレメントの使用、衛生装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 7/497 20060101AFI20240315BHJP
G01C 3/06 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01S7/497
G01C3/06 120Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536033
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2022056335
(87)【国際公開番号】W WO2022200080
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021107400.2
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228719
【氏名又は名称】グローエ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Grohe AG
【住所又は居所原語表記】58675 Hemer, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン プシビラ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィド マインカ
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ シェーンベック
(72)【発明者】
【氏名】バスティアン ゾボッタ
【テーマコード(参考)】
2F112
5J084
【Fターム(参考)】
2F112AD01
2F112BA04
2F112CA01
2F112DA25
2F112DA28
2F112DA32
2F112EA05
2F112EA09
2F112FA45
5J084AA02
5J084AA05
5J084AD01
5J084BA04
5J084BA12
5J084BA36
5J084BA38
5J084BA40
5J084CA03
5J084CA11
5J084EA40
(57)【要約】
本発明は、衛生装置(3)の利用領域(2)内にいる人を識別するためにToFセンサエレメント(1)を動作させる方法であって、少なくとも、・制御ユニット(6)によって作動可能な少なくとも1つのセンサ(4,5)と少なくとも1つの送信ダイオード(12)とを備えたToFセンサエレメント(1)を用意するステップと、・少なくとも1つのセンサ(4,5)または少なくとも1つの送信ダイオード(12)を選択的に作動させ、ToFセンサエレメント(1)の不要な機能を非アクティブ化するかまたは低減するステップとを含む、方法に関する。さらに、ToFセンサエレメントの使用、衛生装置、およびコンピュータプログラムを提示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衛生装置(3)の利用領域(2)内にいる人を識別するためにToFセンサエレメント(1)を動作させる方法であって、少なくとも、
制御ユニット(6)によって作動可能な少なくとも1つのセンサ(4,5)と少なくとも1つの送信ダイオード(12)とを備えたToFセンサエレメント(1)を用意するステップと、
前記少なくとも1つのセンサ(4,5)または前記少なくとも1つの送信ダイオード(12)を選択的に作動させ、前記ToFセンサエレメント(1)の不要な機能を非アクティブ化するかまたは低減するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記衛生装置(3)に配置する際に、前記ToFセンサエレメント(1)の少なくとも1つの機能が持続的に非アクティブ化される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
距離測定が非アクティブ化される、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
少なくとも、アクティブ化される前記センサ(4,5)の数が調整される、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記送信ダイオード(12)の作動は、電流持続時間、電流強度またはパルスパターンによって調整される、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記ToFセンサエレメント(1)のバッテリ(7)の現在の充電状態が考慮される、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
スリープ動作では前記ToFセンサエレメント(1)の低減された機能範囲が提供され、ウェイクアップ動作では前記ToFセンサエレメント(1)の完全な機能範囲が提供される、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
衛生装置(3)の利用領域(2)内にいる人をエネルギ効率的に識別するための、選択的に調整可能な少なくとも1つのセンサ(4,5)を備えたToFセンサエレメント(1)の使用。
【請求項9】
制御ユニット(6)を用いて選択的に作動可能な少なくとも1つのセンサ(4,5)を備えた少なくとも1つのToFセンサエレメント(1)によって監視可能である利用領域(2)を有し、
前記ToFセンサエレメント(1)がバッテリ(7)に接続されている、
衛生装置(3)。
【請求項10】
請求項1から7までのいずれか1項記載の方法ステップを請求項9記載の衛生装置(3)に実行させるための命令を含んでいる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ToFセンサエレメントを動作させる方法、ToFセンサエレメントの使用、衛生装置、およびコンピュータプログラムに関する。
【0002】
大きな受信到達範囲を有する人感センサと小さな到達範囲を有する別のセンサとを備えた、電気的に操作可能な衛生水回り設備が公知であり、この場合、大きな到達範囲を有する人感センサは、ユーザの存在が検出された場合に、電子制御ユニットをスリープモードから作業モードへ移行させるように構成されている。この場合、小さな到達範囲を有するセンサを制御ユニットを介して作動させることができ、状況に応じて水回り設備を切り替えることができる。
【0003】
小さな到達範囲を有するセンサ、例えばいわゆるToFセンサ(ToF=Time of Flight、飛行時間)が例えば水回り設備内に組み付けられている場合、このセンサは、電源に接続されるのではなく、バッテリまたは蓄電池によって作動されることが所望されることが多い。しかし、こうしたバッテリまたは蓄電池は制限された寿命しか有しておらず、または所定の時間後に再充電されなければならないので、過度に頻繁に水回り設備を交換する必要が生じないよう、電力消費を可能な限り小さく保つことが望ましくかつ有利である。
【0004】
また、基本的には、小さな到達範囲を有するセンサがバッテリまたは蓄電池を介して作動されることも考えられる。小さな到達範囲を有するこうしたセンサは、基本的には水回り設備内に組み込まれていてよい。しかしまた、小さな到達範囲を有するセンサが、衛生装置のさらなる把握領域において、水回り設備の近傍ではなく、例えばドアの近傍またはエントランス領域の天井に配置されていることもある。
【0005】
小さな到達範囲を有するセンサが予め定められた検出を行うと、このセンサにより、人感センサをスタンバイモードから動作モードへ切り替えることができる。すなわち、人感センサは、ユーザが存在しない場合にはスタンバイモードにあり、ユーザが衛生装置のさらなる把握領域に到達するまで待機することができる。ユーザが存在する場合、このユーザは、まず小さな到達範囲を有するセンサによって検出される。次いで、小さな到達範囲を有するセンサの対応する信号によって人感センサが動作モードへ移行され、ここで、ユーザが同様に第1の空間領域内に現れるかどうかを検出することができる。ここにおいてもユーザが存在する場合、人感センサは、衛生装置が作動されるかまたは少なくとも作動のためにイネーブルされる切り替え過程、例えば洗浄部または給水栓がオンとなるかもしくは操作のためにイネーブルされる切り替え過程をトリガすることができ、これにより、水の放出を開始することができるかまたはスイッチオンすることができる。
【0006】
ただし、ToFセンサは、連続的に測定を実行するために、バッテリ適用にとってはきわめて大きなエネルギを必要とする。このため、エネルギ需要を低減するためのストラテジが必要である。
【0007】
このことから出発して、本発明の課題は、従来技術に関して述べた問題を少なくとも部分的に解決することである。特に、衛生装置のエネルギ効率的かつ確実な監視および/または操作を可能にする、技術的に簡単な解決手段が提供されることが望ましい。
【0008】
こうした課題は、各独立請求項に記載の方法、使用、衛生装置およびコンピュータプログラムにより解決される。有利な発展形態は各従属請求項に記載されている。特許請求の範囲に記載する各特徴は、技術的に有意の任意の形式で相互に組み合わせ可能であり、かつ場合により明細書に記載の各特徴によってさらに精密化することができる。本発明を特に図を参照しつつ示し、さらなる実施例も提示する。
【0009】
上記の課題に対し、衛生装置の利用領域内にいる人を識別するためにToFセンサエレメントを動作させる方法であって、少なくとも、
・制御ユニットによって作動可能な少なくとも1つのセンサと少なくとも1つの送信ダイオードとを備えたToFセンサエレメントを用意するステップと、
・少なくとも1つのセンサまたは少なくとも1つの送信ダイオードを選択的に作動させ、ToFセンサエレメントの不要な機能を非アクティブ化するかまたは低減するステップと
を含む、方法が寄与する。
【0010】
当該方法は、衛生装置の利用領域内にいる人を識別するために用いられる。衛生装置は、例えば水栓、シャワー、浴槽などのような水回り設備であってよい。したがって、利用領域とは、特に、人(例えば人の手)が進入した際に衛生装置が使用準備完了状態へ切り替えられかつ/または(給水部が)アクティブ化される、衛生装置に接したまたは衛生装置周囲の(予め定められた)周辺領域を意味している。
【0011】
こうした利用領域への人の進入の識別は、ここでは、少なくとも1つのToFセンサエレメントによって自動的に実行される。複数のToFセンサエレメントが(アレイとして相互に接続されて)設けられていてもよい。好ましくは、衛生装置の利用領域内にいる人の識別のために、厳密に1つのもしくは唯一のToFセンサエレメントが用意されている。
【0012】
ToFセンサエレメントは、物理的な物体および人の存在の非接触での検出またはこれらまでの距離の測定を可能にする。ToFセンサエレメントは、光子による、センサから物体もしくは人までの距離または逆に物体もしくは人からセンサまでの距離の往復走行を時間的に検出することにより、目標物体までの距離を測定する。ToFセンサエレメントは、垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL:Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser)および単一光子アバランシェフォトダイオード(SPAD:Single Photon Avalanche Photodiode)のアレイを備えるように構成可能である。ToFセンサエレメントは、複数の、例えば3つの距離モード機能、例えば近接モード、中間モードおよび短距離モードを実現することができる。ToFセンサエレメントは、例えば、1mm(ミリメートル)の分解能を有する距離測定を、センサの制御端子としても使用されるデジタルI2Cインタフェースを介して、上位の制御ユニットに通知することができる。
【0013】
ToFセンサエレメントは実質的に1次元である。個々のToFセンサエレメントは、片手ジェスチャの方向を識別することはできないが、例えば1回/2回のタッピング(ToFセンサエレメントに触れるために手を下方へ動かすこと)および/または1回/2回のワイピング(ToFセンサエレメントの検出領域を通して手を動かすこと)のような簡単なジェスチャの識別は可能である。ジェスチャおよび運動を複数の次元で検出するために、複数のToFセンサを相互に接続することもできる。
【0014】
少なくとも1つのToFセンサエレメントは、その検出領域が予め定められた利用領域とほぼ一致するように、または当該検出領域が少なくとも部分的にカバーされるように、衛生装置に結合されるかまたは衛生装置に対して適用される。
【0015】
衛生装置は多くの場合に時折または散発的にしか使用されず、このようなToFセンサエレメントによる完全な監視は場合により望ましくない高いエネルギ消費をもたらすので、本明細書では、ToFセンサエレメントの(例えばスリープ動作のための)機能および/または構成要素を少なくとも一時的に非アクティブ化することが提案される。このようにすれば、ToFセンサエレメントのエネルギ需要を長期間にわたって大幅に低減することが可能である。
【0016】
ここで、例えば、ToFセンサエレメントにつき、その検出領域が(一時的に、または所定の時間経過後に)選択的に狭められるように設定することができる。このために、例えば、命令を用いて、ToFセンサエレメントのアレイ内の個々のSPAD(センサ)をスイッチオフすることができる。近接センサのSPADアレイが例えば16×16アレイの256個のフォトダイオードを含む場合、この種の命令により、アレイのそれぞれの正方形部分または長方形部分(ただし場合により少なくとも4×4アレイ)をアクティブ化することができる。アクティブとなるセンサの数を低減することにより、ToFセンサエレメントの検出領域が低減され、ひいてはToFセンサエレメントによって検出される利用領域が狭められる。
【0017】
「選択的に調整可能である」とは、ToFセンサエレメントのセンサが、特に、制御ユニットを介した命令によって(場合により相応に予めインストールされたソフトウェアを介して、例えば外部データクエリおよび/または外部スイッチを用いて)個々のセンサをスイッチオフ/スイッチオンすることができ、かつ/またはこのセンサの動作がそれぞれ異なる駆動信号もしくは駆動電流によって可能となる、ということである。
【0018】
換言すれば、このことは、物体または人が検出領域内に存在する場合にのみ、状況に応じて(完全な)ToF測定が実行されることを意味する。検出領域内に何らかのものが存在するか否かについての(最初のもしくは初期の)識別は、きわめて僅かなエネルギしか必要としない方法によって行われる。当該識別は同じToFセンサエレメントによって行うことができ、最終的には(完全な)ToF測定に対しても使用可能である。一般に、ToFセンサエレメントは、多数の個別センサ(例えばSPAD)と(個々の)送信ダイオード(例えばVCSEL、IRダイオードまたはレーザーダイオード)とのセンサ複合体から成る。例えば使用される個別センサのセットを選定可能であること、および/または送信ダイオードの電流持続時間、電流強度および/または場合によりパルスパターンが(外部から)調整可能であることによって、個々の機能(測定)のみを実行することができ、これにより、より少ないエネルギでの動作が可能となる。したがって、僅かなエネルギでもって、まず、(例えばスリープ動作中に)検出領域内に何らかのものが存在するかどうかを識別することができ、次いで、別の構成要素および/または測定方法(機能)のアクティブ化後に、(ウェイクアップ動作において)動作そのものを実行することができる。
【0019】
衛生装置に配置する際のToFセンサエレメントの少なくとも1つの機能を持続的に非アクティブ化することができる。こうして、例えばToFセンサエレメントの設置時の環境状況および/または予想される使用強度を考慮して、命令により、制御ユニットを介して、持続的には必要とされない機能をスイッチオフすることができる。これにより、(スリープ動作およびウェイクアップ動作における)ToFセンサエレメントの持続的な省エネルギ動作が可能となる。
【0020】
このように、少なくとも一時的に(特にスリープ動作中に)非アクティブ化されている「距離測定」の機能は、能力節約状態と見なされる。したがって、当該非アクティブ化された機能によって、ToFセンサエレメントまでの距離を算定する/計算することはできない。
【0021】
エネルギ節約のさらなる手段は、少なくともアクティブ化されるセンサの数を異なって調整するもしくは設定することにおいて認められる。
【0022】
より低いエネルギ必要量で、設定された時間にわたって自身の(低減された)機能を維持できるよう、少なくとも1つの送信ダイオードの動作が電流持続時間、電流強度および/またはパルスパターンを用いて調整される場合、さらに別の手段が得られる。
【0023】
ToFセンサエレメント(および/またはセンサ)の選択的にアクティブ化される機能範囲もしくは非アクティブ化される機能範囲に関して、ToFセンサエレメントのバッテリの現在の充電状態を考慮することができる。このことは特に、ToFセンサエレメントに専らバッテリを介して電気エネルギが供給される場合に当てはまる。充電状態が第1の閾値を上回ると、少なくとも1つの別の機能をアクティブ化することができる。充電状態が第1の閾値とは異なっていてよい第2の閾値を下回ると、少なくとも1つの別の機能を非アクティブ化することができる。
【0024】
特に、スリープ動作中には、ToFセンサエレメントの低減された機能範囲が提供され、ウェイクアップ動作中には、ToFセンサエレメントの完全な機能範囲が提供されることが提案される。
【0025】
別の態様によれば、衛生装置の利用領域内にいる人をエネルギ効率良く識別するための、選択的に調整可能な少なくとも1つのセンサを備えたToFセンサエレメントの使用が提案される。特に、衛生装置の利用領域内にいる人の識別を専ら1つもしくは複数のToFセンサエレメントによって実行するための使用が提案される。使用のさらなる特徴については、本発明の別の態様についての説明を全面的に参照することができる。
【0026】
本発明のさらに別の態様によれば、少なくとも1つのセンサを備えた少なくとも1つのToFセンサエレメントによって監視される利用領域を有する衛生装置が提案される。この場合、センサは、制御ユニットによって選択的に作動可能であり、この場合、ToFセンサエレメントは(専ら)(少なくとも1つの)バッテリに接続されている。衛生装置のさらなる特徴については、本発明の別の態様に関する説明を全面的に参照することができる。衛生装置は、本明細書で提案する方法を実行するように構成可能である。本明細書で提案する方法を、本明細書に開示する衛生装置を用いて実行することができる。
【0027】
別の態様は、コンピュータプログラムであって、本明細書に記載の方法ステップを衛生装置に実行させるための命令を含んでいるコンピュータプログラムに関する。コンピュータプログラムのさらなる特徴については、本発明の別の態様についての説明を全面的に参照することができる。
【0028】
ToFセンサエレメントの使用は、特に洗面台、小便器またはトイレ付近にいる人の検出のために提供される。エネルギの問題に基づき、バッテリ動作を可能にする複数の解決手段を提示している。
【0029】
本発明および技術的環境を以下に添付の図に則して詳細に説明する。本発明は、記載の実施例に限定されるべきではないことに留意されたい。特に明示の断りがない限り、図に示した事実内容の部分的態様を抽出して、本明細書の別の構成部分および別の知見に組み合わせることも可能である。図、特に図示の縮尺は概略的なものに過ぎないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】ToFセンサエレメントを備えた衛生装置を示す図である。
【0031】
図1には、単一のToFセンサエレメント1を備えた衛生装置3が示されている。この場合、衛生装置3は衛生水回り設備の形態で構成されており、例えば、前方に位置決めされた洗面台に水を放出することができる。ToFセンサエレメント1は、このToFセンサエレメント1が衛生装置3の設定された利用領域2を監視することができ、特に人(もしくは物体)が利用領域2内へ進入した場合に識別を行うように配置されている。
図1に示されている実施例では、ToFセンサエレメント1を備えた衛生装置3は(専ら)バッテリ7によって作動される。
【0032】
図2は、本明細書で提案する方法の実行に適した、ToFセンサエレメント1の可能な構造を説明するために用いられる。ToFセンサエレメント1は、例えば、部分的に透明なパネル9によって画定された内部空間を有するハウジングを有する。当該内部空間には、複数のセンサ4,5(例えばSPAD)と、(個々の)送信ダイオード12(例えばVCSEL、IRダイオード、またはレーザーダイオード)とが収容されている。送信ダイオード12から送出された光は、様々な界面(例えばパネル9)で、かつ/またはToFセンサエレメント1の外部の検出領域にある物体8で、反射されうる。反射されたビームは複数のセンサによって検出可能であり、ここで、例えば、第1のセンサ4は、第2のセンサ5よりも送信ダイオード12からさらに離れた箇所に配置されている。使用されるセンサ4,5の数もしくは位置は選択可能であり、かつ/または電流持続時間、電流強度および/または場合により送信ダイオード12のパルスパターンは調整可能である。このようにして、場合によりバッテリ7のみによってエネルギが供給される制御ユニット6を介して、個々の機能(F1,F2または測定)を必要に応じて実行するかまたは非アクティブ化することができ、このことにより低エネルギでの動作が可能となる。
【0033】
したがって、本明細書では、従来技術に関して述べた問題を少なくとも部分的に解決する解決手段を提示している。特に、衛生装置のエネルギ効率的かつ確実な監視および/または操作を可能にする、技術的に簡単な解決手段を提示したものである。
【符号の説明】
【0034】
1 ToFセンサエレメント
2 利用領域
3 衛生装置
4 第1のセンサ
5 第2のセンサ
6 制御ユニット
7 バッテリ
8 物体
9 パネル
10 送信器
11 駆動線路
12 送信ダイオード
【国際調査報告】