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特表2024-513289電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール
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  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図1
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図2
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図3
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図4
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図5
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図6A
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図6B
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図7
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図8
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図9
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図10
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図11
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図12
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図13
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図14
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図15
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図16
  • 特表-電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特に、ラックレール
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20240315BHJP
   H05K 7/18 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A47F5/00 E
H05K7/18 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542969
(86)(22)【出願日】2021-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2021055914
(87)【国際公開番号】W WO2022188955
(87)【国際公開日】2022-09-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516239921
【氏名又は名称】エスエーエス-イマーゴタグ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】レースル・アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118BA15
3B118FA15
(57)【要約】
電子機器20を機械的に固定するための支持装置1、有利には電子表示ユニットを固定するための支持装置1、有利にはラックレールとして実現された支持装置1であって、第一の境界画定壁2、特に基準面又は設置面を定義する基準壁2であって、この壁に、或いはこの壁に隣接して、表示機器が、特にその後方壁22を用いて支持装置1に設置可能である第一の境界画定壁と、第一の境界画定壁2に対して一定の角度8の方向を向いた第二の境界画定壁3であって、これらの第一の境界画定壁2と第二の境界画定壁3が、特に二つの側だけで、電子機器20を収容するための収容領域4の境界を画定する第二の境界画定壁と、電子機器20に電力を供給する配線路6を支持する配線支持体5とを備えた支持装置において、この配線支持体5が、第二の境界画定壁3を出発点として第一の境界画定壁2から間隔を開けて、特に第一の境界画定壁2に対して平行に収容領域4内に突き出ていることを特徴とする支持装置である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器(20)を機械的に固定するための支持装置(1)、有利には電子表示ユニットを固定するための支持装置(1)、有利にはラックレールとして実現された支持装置(1)であって、
第一の境界画定壁(2)、特に基準面又は設置面を規定する基準壁(2)であって、この基準壁に、或いはこの基準壁に隣接して、前記電子機器が、特にその後方壁(22)を用いて前記支持装置(1)に設置可能である、第一の境界画定壁と、
第一の境界画定壁(2)に対して所定の角度(8)の方向を向いた第二の境界画定壁(3)であって、前記第一の境界画定壁(2)と第二の境界画定壁(3)が、特に二つの側だけで、前記電子機器(20)を収容するための収容領域(4)の境界を画定する、第二の境界画定壁と、
電子機器(20)に電力を供給する配線路(6)を支持する配線支持体(5)と、
を備えた支持装置(1)において、
前記配線支持体(5)は、前記第二の境界画定壁(3)を出発点として前記第一の境界画定壁(2)から間隔を開けて、特に第一の境界画定壁(2)に対して平行に、前記収容領域(4)内に突入していることを特徴とする支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の支持装置(1)において、
前記配線支持体(5)は配線支持板として構成されている当該支持装置。
【請求項3】
請求項2に記載の支持装置(1)において、
前記配線支持板は、本支持装置(1)の長手方向の延びに沿って測った第一の寸法と、前記配線支持板の平面内においてこの配線支持板の前記第一の寸法に対して直角に測った第二の寸法(9)とを有し、前記配線支持板の第二の寸法は、前記第一の境界画定壁(2)のそれに対応する寸法(10)の20%~40%に等しい当該支持装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記配線支持体(5)は、有利には、前記配線支持体(5)の単一の側面に形成されるか、又は本支持装置(1)の長手方向の延びに沿って互いに平行に延びるか、或いはその両方である三本の配線路(6)を備えている当該支持装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記配線路(6)は、前記配線支持体(5)の外面上に部分的に突き出た電線として構成されている当該支持装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記配線路(6)は、前記第一の境界画定壁(2)の方を向いた、前記配線支持体(5)の側に配置されている当該支持装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第二の境界画定壁(3)は、前記配線支持体(5)を収容するように、特に側方に押し込み可能な形で収容するように設けられた収容縦穴(7)を有し、
前記配線支持体(5)は、前記収容縦穴の形状に対応する形状、特にT字形状又は逆立ちしたL字形状を有して、当該収容縦穴(7)に差し込まれる、支持装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第二の境界画定壁(3)は、凡そ前記配線支持体(5)に沿って延びて、当該配線支持体を機械的に支持する支持フレーム(11)を備えている、支持装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記配線支持体(5)はプラスチックから製造されている、支持装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第一の境界画定壁(2)と第二の境界画定壁(3)は、特に請求項7に記載された支持フレーム(11)も含めて、一体的に構成されている、特に鋼鉄から製造されている、支持装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第一の境界画定壁(2)は、その長手方向の延びに沿って格子状に配置された切欠き(13)、特に第一の境界画定壁(2)を貫通する開口部を有し、切欠き或いは開口部は、電子機器の固定手段と形状結合形態及び/又は圧力締め形態で結合するように定められている、支持装置。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記収容領域(4)の方を向いた、前記第一の境界画定壁(2)の側を基準にして、第一の境界画定壁(2)と第二の境界画定壁(3)の間に、鋭角(8)が、特に65°~85°の範囲内の角度が形成されている、支持装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第二の境界画定壁(3)は、長手方向の延びに沿って延びる周縁領域(12)を有し、
前記周縁領域は、前記収容領域(4)の方を向いており、有利には取手形状又はフック形状に形成されている、特に有利には湾曲した形に形成されている、支持装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
本支持装置(1)により支持可能な電子機器(20)に電力を供給する供給機器(40)を収容するように構成又は配備された側方区画を有する支持装置。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の支持装置(1)において、
前記第一の境界画定壁(2)は、特に前記配線支持体(5)が広がる領域に、境界画定壁尾根部(56)及びそれらの間に在る境界画定壁峡谷部(57)から成る構造を有し、
前記構造は、前記電子機器(20)を本支持装置(1)に所定の通り差し込んだ際に前記電子機器(20)を目標の方向に向けることを目的として、前記機器(20)の筐体(21)の筐体尾根部(54)及びそれらの間に在る筐体峡谷部(55)から成る構造と協力して動作するように配備されている当該支持装置。
【請求項16】
特にラックレールとして実現された支持装置(1)のための、前記支持装置(1)により支持可能な電子機器(20)、特に有利には電子表示ユニット(20)に電力を供給する供給機器(40)であって、
前記供給機器(40)は、前記支持装置(1)の側方区画又は終端区画と連結可能であるように構成されており、前記側方区画又は終端区画は、前記供給機器(40)を収容するように構成又は配備されており、
当該供給機器(40)は、
電力供給回路(42)と、
前記電力供給回路(42)に接続された接点(44)であって、前記支持装置(1)の配線支持体(5)上に配置された配線路(6)との通電接続を構築するための接点(44)と、
を備える、供給機器において、
前記接点(44)は、第一のグループの金属製接点ベルト(44)により実現されており、
各接点ベルト(44)は、第一の区画、有利には第一の終端区画(45)と、第二の区画、有利には第二の終端区画(46)とを有し、
前記第一の区画(45)は前記電力供給回路(42)と接続されており、
前記第二の区画(46)は、前記配線支持体(5)の配線路(6)と接触するように定められており、
各接点ベルト(44)は、湾曲した形又は折れ曲がった形、有利には少なくともL字形状に、特に有利にはU字形状に構成されている、ことを特徴とする供給機器。
【請求項17】
請求項16に記載の供給機器(40)において、
各接点ベルト(44)は、その第二の区画(46)に、前記配線路(6)の中の一つと直接接触するように設けられたアーチ形状(47)を有する当該供給機器。
【請求項18】
請求項16又は17に記載の供給機器(40)において、
本供給機器は、少なくとも片側が開いた筐体部分(41)を備え、その結果、この開いた筐体側に前記配線支持体(5)を差し込むことが可能であり、
前記筐体部分(41)は、前記接点ベルト(44)の第二の区画(46)と当該第二の区画に接触可能な配線支持体(5)の部分とを包み込むような形状を有する当該供給機器。
【請求項19】
後方壁(22)、特にスクリーン(24)を有する前方壁(23)、及び後方壁(22)と前方壁(23)との間に延びる側方壁(25)を備えた筐体(21)を有する、特に電子表示ユニット(20)である、電子機器(20)であって、
前記側方壁(25)は、前記後方壁(22)に対して凡そ平行に延びる、支持装置(1)の配線支持体(5)を収容するように定められた配線支持体用スリット(26)を有し、
前記配線支持体(5)は、電子機器(20)、特に表示ユニット(20)に電力を供給する配線路(6)を備えている当該電子機器。
【請求項20】
請求項19に記載の電子機器(20)において、
本電子機器は、前記配線支持体(5)の配線路(6)との通電接続を構築するための接点(27)を備え、
前記配線支持体用スリット(26)を形成する筐体部分が第一の筐体開口部を有し、前記筐体開口部を貫通して前記接点(27)は、前記筐体(21)から突き出ている当該電子機器。
【請求項21】
請求項20に記載の電子機器(20)において、
前記第一の筐体開口部は、後方壁(22)に最も近い、前記配線支持体用スリット(26)の側に実現されている当該電子機器。
【請求項22】
請求項20又は21に記載の電子機器(20)において、
前記配線支持体(5)が所定の通り前記配線支持体用スリット(26)に差し込まれた場合に、前記筐体開口部の中のそれぞれ一つが、前記配線路(6)の中の精確に一つの位置に一致する当該電子機器。
【請求項23】
請求項20~22のいずれか1項に記載の電子機器(20)において、
本電子機器(20)は、機器用電子回路(29)を備え、
前記接点(27)は、第二のグループの金属製接点ベルト(27)として実現されており、
各接点ベルト(27)は、第一の区画(28)、有利には第一の終端区画と、第二の区画(30)、有利には第二の終端区画とを有し、
前記第一の区画(28)は前記機器用電子回路(29)と接続されており、
前記第二の区画(30)は、前記配線支持体(5)の配線路(6)と接触するように定められており、
前記第二のグループの金属製接点ベルト(27)は、ばね部品として実現されており、
有利には各接点ベルト(27)は、湾曲した形又は折れ曲がった形、特に階段形状に構成されている当該電子機器。
【請求項24】
請求項23に記載の電子機器(20)において、
各接点ベルト(27)は、その第二の区画(30)に、前記配線路(6)の中の一つと直接接触するように配備された盛り上がった形状(31)を有し、
少なくとも前記接点ベルト(27)の盛り上がった形状(31)は、それに割り当てられた筐体開口部の所で前記筐体(21)から外に出て、前記配線支持体用スリット(26)により境界を画定された空間領域内に突入している当該電子機器。
【請求項25】
請求項19~24のいずれか1項に記載の電子機器(20)において、
本電子機器は、前記後方壁(22)に固定用筐体開口部を有するとともに、有利には手動で操作可能な固定機構(32)を備え、
前記固定機構(32)は、少なくとも二つの可動式固定用フック又は固定用取手(33)を備え、これらは、非操作時に前記固定用筐体開口部を通って突き出ており、前記固定機構(32)の操作時に、それらの位置を変更する当該電子機器。
【請求項26】
請求項25に記載の電子機器(20)において、
前記固定機構(32)は、手動で操作可能なボタン(34)を備え、
前記ボタンは、固定用フック又は固定用取手(33)と連結されており、有利には固定用フック又は固定用取手(33)と一体的に構成されており、配線支持体用スリット(26)とは反対の側方壁(25)に自由にアクセスできる当該電子機器。
【請求項27】
請求項26に記載の電子機器(20)において、
前記固定機構(32)は、固定機構ばね部品(35)を備え、前記固定機構ばね部品は、非操作時に前記ボタン(34)を第一の位置に保持する当該電子機器。
【請求項28】
請求項19~27のいずれか1項に記載の電子機器(20)において、
筐体尾根部(54)及びそれらの間に在る筐体峡谷部(55)から成る構造が、前記筐体(21)に形成されており、
当該構造は、前記電子機器(20)を支持装置(1)に所定の通り差し込んだ際に前記電子機器(20)を目標の方向に向けることを目的として、第一の境界画定壁(2)の境界画定壁尾根部(56)及びそれらの間に在る境界画定壁峡谷部(57)と協力して動作するように設けられている当該電子機器。
【請求項29】
請求項1~15のいずれか一つに記載の少なくとも一つの本発明による支持装置(1)と、当該支持装置と連結された請求項16~18のいずれか一つに記載の供給機器と、当該支持装置(1)により支持された請求項19~28のいずれか一つに記載の少なくとも一つの電子機器(20)、特に電子表示機器(20)とを備えたシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、有利には電子表示ユニットを支持するための支持装置、特にラックレールに関し、この支持装置は、電子機器を収容する収容領域の境界を画定する境界画定壁を備える。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電子表示ユニットとして実現された電子機器を機械的に固定するように構成されたラックレールの形態の支持装置を開示している。そのラックレールは、U字形状に配置された三つの側方壁によって、表示ユニットを収容する収容領域の境界を画定している。即ち、そこでは、収容領域が三つの側から境界を画定されており、表示ユニットを、U字形状の開放された側を通してラックレールに差し込むか、或いはそれから取り出すことができる。
【0003】
中央の第一の側方壁は、板により構成されている。その板は、表示ユニットの後方壁を用いて表示ユニットをラックレールに設置できるようにする基準面又は設置面としての役割を果たしている。その板は、格子状に配置された差込口を有する。それらの差込口は、表示ユニットに電力を供給するために、表示ユニットの接点ピンにより電気導体路と接触させる役割を果たしている。それらの導体路は、第一の側方壁の、収容領域とは反対側に設置された上に配置されている。
【0004】
ラックレールの長手方向に見て、第一の側方壁は、上方の第二の側方壁と下方の第三の側方壁によって境界を画定されている。
【0005】
その下方の側方壁は、ラックレールの長手方向に延びる固定用の縁を有し、この縁は、表示装置の固定用スリットによって囲むことができる。
【0006】
その上方の側方壁は、ラックレールの長手方向に格子状に配置された穴状の空所を有し、これらの空所には、表示装置の出し入れ可能な固定用ピンを係合させることができ、それによって、ラックレールに沿って表示装置の位置を固定することが可能である。
【0007】
そのラックレールは、穴状の空所のパターンに基づきラックレールに沿った表示装置の精確な設置を可能にし、引き出されて上方の側方壁に係合されるピンと組み合わせた第二と第三の側方壁によって、ラックレールからの表示装置の意図しないずれ、それどころが意図しない、さもなければ故意の取り出しを、破壊的な力の作用無しに出来る限り不可能にするので、動作時において優れていることが立証されている。
【0008】
しかし、中央の板と固定用の縁の間における下方の側方壁により形成される溝にも、配線路に通じる中央の板の差込口にも汚れが堆積する可能性があるので、ラックレールの手入れが問題であることが分かっている。それらの汚れが、一方において、ラックレールの光学的な外観に悪い影響を及ぼし、他方において、表示ユニットの電力供給を、そのため、その機能の信頼性を損なう可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際特許公開第2017/153481号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上のことから、本発明の課題は、改善された支持装置、およびこの装置に相応に適合した電子機器を提供し、その結果、前に考察した問題を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、請求項1に記載の支持装置によって解決される。従って、本発明の対象は、有利には、ラックレールとして実現された、電子機器を機械的に固定するための支持装置、特に有利には、電子表示ユニットを固定するための支持装置であって、第一の境界画定壁、特に、基準面又は設置面を規定する基準壁であって、この壁に、或いはこの壁に隣接して、表示機器が、特に、その後方壁を用いて支持装置に設置可能である第一の境界画定壁と、第一の境界画定壁に対して一定の角度で配向された第二の境界画定壁であって、これらの第一の境界画定壁と第二の境界画定壁が、特に、二つの側だけで、電子機器を収容するための収容領域の境界を画定する第二の境界画定壁と、この機器に電力を供給する配線路を支持する配線支持体5とを備えた支持装置において、この配線支持体が、第二の境界画定壁を出発点として第一の境界画定壁から間隔を開けて、特に、第一の境界画定壁に対して平行に収容領域内に突入していることを特徴とする支持装置である。
【0012】
更に、この課題は、請求項16に記載の供給機器によって解決される。従って、本発明の対象は、特に、ラックレールとしての実現された支持装置のための、この支持装置により支持可能な電子機器、特に有利には、電子表示ユニットに電力を供給する供給機器であって、この供給機器は、この支持装置の側方区画又は終端区間と連結可能に構成されており、この側方区画又は終端区間が、この供給機器を収容するように構成又は配備されており、電力供給回路と、この電力供給回路と接続された、支持装置の配線支持体上に配置された配線路との通電接続を構築する接点とを備えた供給機器において、これらの接点が、第一のグループの金属製接点ベルトにより実現され、各接点ベルトが、第一の区画、有利には、第一の終端区画と、第二の区画、有利には、第二の終端区画とを有し、この第一の区画が電力供給回路と接続され、この第二の区画が、配線支持体の配線路と接触するように定められ、各接点ベルトが、湾曲した形又は折れ曲がった形、有利には、少なくともL字形状に、特に有利には、C字形状又はU字形状に構成されていることを特徴とする供給機器である。
【0013】
更に、この課題は、請求項19に記載の電子機器によって解決される。従って、本発明の対象は、後方壁と、特にスクリーンを有する前方壁と、後方壁と前方壁の間に延びる側方壁とを備えた筐体を有する電子機器、特に、電子表示ユニットであって、この側方壁が、後方壁に対して凡そ平行に延びる、支持装置の配線支持体を収容するように定められた配線支持体用スリットを有し、この配線支持体が、電子機器、特に、表示ユニットに電力を供給する配線路を備えている電子機器である。
【0014】
更に、この課題は、請求項29に記載のシステムによって解決される。従って、本発明の対象は、本発明による支持装置と、この装置と連結された本発明による供給機器と、本支持装置によって支持された少なくとも一つの本発明による電子機器とを備えたシステムである。
【0015】
本発明による措置によって、電子機器の組み込みが著しく簡単になるとの利点が得られる。本発明による措置により得られる、既知のラックレールが備えているような、下方の側方壁の固定用の縁が無くなることによって、傾斜させて動かすこと無く、電子機器を支持装置に簡単に押し込むことができる。これは、電子機器が、この場合、基準壁としても機能できる第一の境界画定壁に沿って、第二の境界画定壁に向かって押し込むことが可能な形で、特に、押し込むべき電子機器を第一の境界画定壁から持ち上げる必要無しに移動可能であることを意味する。
【0016】
このことは、電子機器の取り出しに関しても同様に成り立つ。
【0017】
従来技術の不利な構成を無くすことによって、即ち、(ラックレールを水平に取り付けた場合に下方の)固定用の縁を無くすことによって、そのため溝も無くすことによって、更に、ここでは、固体又は液体の物質の形態の汚れが最早堆積できなくなるとの利点が得られる。そのため、それに起因する光学的な悪影響も、機能的な障害も事実上取り除かれる。
【0018】
確かに二つの境界画定壁によって囲まれた、或いは境界を画定された、収容領域内の領域に配線支持体の配線路を移転することによって、そこでは配線路が殆ど、或いは全く汚染される可能性が無いことも十分に保証される。有意義なこととして、同じことが、配線支持体を収容するために配備された、電子機器の配線支持体用スリットに関しても成り立ち、そこには、電子機器の接点が在る。つまり、支持装置に機器を差し込んだ場合に、この配線支持体用スリットが、支持装置の第二の境界画定壁によって覆われる、即ち、保護される。
【0019】
即ち、本発明による措置によって、特に、ラックレールとして実現された支持装置又はシステム全体の保守頻度を著しく低減することができる。汚れに関して危険な箇所が本発明による構成において取り除かれるか、或いはここでは、汚れる虞を出来る限り最小化するように配置、構成されるので、清掃がより簡単になり、その必要な頻度がより少なくなる。
【0020】
最も有利な場合、第一の境界画定壁に対する配線支持体の向きは、その壁に対して平行である。しかし、それ以外の向きも可能である。そのように、例えば、第二の境界画定壁から見て、第一の境界画定壁からの間隔が連続的に増大するような方向に配線支持体を向けることもできる。そして、配線支持体は、収容領域内において、収容領域の開いた側の方向に対して前方に向かって僅かに傾斜した方向に向けられる。この場合、電子機器の後方壁に対する配線支持体用スリットの向きもそれに対応して適合させることができ、その結果、電子機器を配線支持体に沿って第一の境界画定壁に向かってスライドさせる形で収容領域に差し込むことができる。
【0021】
また、第一の境界画定壁では、この第一の境界画定壁の後方側が、必ずしも第一の境界画定壁の前方側に対して平行に延びる必要はない。むしろ、観察方向に対して第一の境界画定壁の前方側と後方側が、第二の境界画定壁に向かって楔形状に重なり合って先細になる方向を向くと規定することもできる。そのため、第一の境界画定壁の横断面は、凡そ楔形状に実現することもできる。即ち、境界画定壁の後方側とそれに対して傾斜した境界画定壁の(例えば、基準側と呼ばれる)前方側の間を区別することができる。この場合でも、既に言及した通り、の向きは、境界画定壁の前方側に対して平行な方向又はそれから僅かに一定の角度だけ傾斜した方向に向けることができ、後者の場合、前述したとおり、配線支持体用スリットの向きもそれに対応して適合させることができる。
【0022】
同様に、配線支持体用スリットの向きを適合させるのではなく、この向きを電子機器の前方側に対して凡そ平行なままにしておくか、さもなければ電子機器の前方側と後方側の間の中央を延びるようにして、電子機器の後方壁の向きを適合させて、支持装置に差し込まれた電子機器が凡そ形状結合形態で納まることを実現することも可能である。
【0023】
例えば、水平に延びるラックレールにおいて、このラックレールの後方から電子機器にアクセスできることによって、全体的な取扱いも容易になる。
【0024】
更に、本発明による措置により、支持装置がよりコンパクトになり、そのため、その下に在る対象物、特に、商品に対する視野が拡大されるとの利点が得られる。そのように、例えば、ラックレールとして実現された本発明による支持装置では、例えば、顧客が、ラックレールの下方に向かって張り出した構造部品によって妨害されること無く、ラックレールの下方の棚の製品を良好に見分することができる。
【0025】
一般的に、これらの本発明による措置は、本システム、特に、支持装置とこの装置に固定された電子機器、特に、電子表示ユニットのより自由で、より容易な外観を可能にするとともに、それにより商品のより良好な展示を可能にする。
【0026】
本発明による措置とそれにより得られる下方の固定用の縁の省略は、更に、第一の境界画定壁(基準壁)に対して平行に、第一の境界画定壁の拡張部をほんの僅か上回る、場合によっては、大きく上回る拡張部を備えることができる電子機器の使用を可能にする。そのため、そのようなラックレールは、表示ユニットと比べて、より細くすることができ、このことは、ラックレールが光学的に邪魔になる大きな部品として見做されること無く、自動的に注意を表示ユニットに向けるようにすることができる。即ち、下方の固定用の縁の省略は、第一の境界画定壁又は基準壁に対して平行な寸法がほぼ任意である電子機器の使用を可能にする。それによって、ほぼ如何なる電子機器も、そのような支持装置と共に使用するのに適合させることができる。特に、非常に特殊で非常に異なるスクリーンサイズの電子表示ユニットも、例えば、タッチスクリーンなどの大画面の電子対話媒体も差し込むことができる。これらの機器は、例えば、その下方側が支持装置の上方に在るので、観察者に対して、支持装置内に吊り下げて保持されているように見える。
【0027】
この支持装置は、基本的に様々な形で実現することができる。そのように、例えば、カウンターに設置するか、或いはそこに固定できるテーブルスタンドであるとすることができる。同様に、この支持構造は、衣類を吊り下げてそこに固定できる衣類用ハンガーとして構成することが可能である。しかし、本発明をコンパクトに記述するとの理由から、以下では、支持装置の有利な構成として専らラックレールを参照する。
【0028】
支持装置の向きを、そのため、そこに固定された機器の向きも任意に設定することもできる。
【0029】
これらの供給機器と支持装置の間の通電接続は、条件に応じて解除可能な形で、或いは解除不可能な形で、即ち、特に、材料結合形態で、例えば、半田接続によって実現することができる。
【0030】
多くの場合、この通電接続が再び簡単に解除可能であるのが有利である。そのような接続は、特に、コネクタ接続又はねじ込みプラグなどの解除可能な接続を用いて実現することができる。
【0031】
有利には、この通電接続は、ばね部品を備えた解除可能な接続として実現される。そのように、このばね部品は、接続すべき構成部分の位置が或る範囲内で変化しても、最小限の力で電気的な接触を確保したままであることを保証する。そのような位置の変化は、例えば、製造公差、熱膨張、摩擦による変形、コンポーネントの不正確な組み立て又はシステムコンポーネントの機械的な負荷によって引き起こされる可能性がある。
【0032】
有利には、この供給機器は、第一のグループの金属製接点ベルト、即ち、導電性の金属接点ベルトを備えている。これらの接点ベルトは、支持装置又は支持装置の配線路との通電接続を提供するように構成されている。
【0033】
これらの接点ベルトは、例えば、材料結合形態による接点などの解除不可能な接点又は解除可能接点を実現するように構成することができる。
【0034】
コネクタ接続を用いた接点に関する実施構成では、これらの接点ベルトは、供給機器を支持装置に押し込んだ場合に、接点ベルトが配線路に近づくように実現される。そのために、配線路の周囲は、接点ベルトが配線路から離れてずれることが防止されるように構成される。柔軟な領域での局所的な変形に起因して、確実な接触が得られる。
【0035】
解除不可能な接点、特に、材料結合形態による接点を実現するために、接点ベルトは、支持装置に押し込まれた状態で配線路と接触するように実現することができ、それに続いて、例えば、接点ベルトを半田接続することができる。
【0036】
しかし、有利には、ばねに基づく解除可能な接続、即ち、ばね部品による接続が用いられる。この場合、接点ベルトは、供給機器が支持装置に押し込まれた場合に、ばね力によって配線路に対して押し付けられるように実現される。コネクタ接続と異なり、接触を保証する力は、接触箇所での変形によって発生しないか、或いは局所的にしか発生しないのではなく、例えば、特に変形によって、例えば、曲がりによって、接触箇所ではない箇所で発生するか、或いは接点ベルトに沿って発生する。
【0037】
特に有利には、接点ベルト自体が、ばね部品を構成する。即ち、接点ベルトが、供給用ばね接点部品として実現される。
【0038】
前述したとおり、これらの接点ベルトは、電力供給回路と接続された第一の区画、有利には、第一の終端区画を有する。更に、これらの接点ベルトは、通電接続又は接点を提供するように構成された第二の区画、有利には、第二の終端区画を有する。
【0039】
これらの接点ベルトは、様々な形状で構成するか、或いは第一と第二の区画の配置構成を様々な形で実現することができる。
【0040】
そのように、一つの簡単な構成では、接点ベルトを棒形状現することができ、その結果、第一と第二の区画が、凡そ棒の表面に沿った面上に在る。
【0041】
これら二つの区画を少しずらして、しかし、凡そ互いに平行に、即ち、一段又は複数段、或いはZ形状に構成することも可能である。
【0042】
二つの区画を互いに相対的に一定の角度を成して配置して、その結果、L字形状又はV字形状が得られるようにすることも可能である。
【0043】
二つの区画を凡そ互いに平行であるが、それらの間に複数の区画を折れ曲がった形で配置して、その結果、C字形状、U字形状又はW字形状が得られるようにすることも可能である。
【0044】
前記の実施構成の外に、これらの区画の別の複数段の構成も可能であり、その結果、例えば、雷門形状の接点ベルトが得られる。
【0045】
これらの折れ曲がった複数段の実施構成は、材料の負担が小さくなると同時に、より大きなばねの撓みが実現可能であるとの利点を有し、そのため、これらは有利な構成である。このことは、金属製接点ベルトの湾曲した形状でも実現することができる。
【0046】
更に、接点ベルトのベルト形状の構成は、その接点ベルトが接続された電子回路と、接触させるべき配線路の平面との間のレベル差を問題無く克服することを可能にするか、或いは克服する形状を可能にする。それにより、接点ベルトの材料の造形と弾力性によって設定又は定義できる所定の最小力(さもなければ、即ち、発生する力の範囲内の最大力)での接触を実現できるとの作用も得られる。
【0047】
有利には、腐食に強い鋼鉄製ベルトが用いられる。
【0048】
即ち、接触面又は接触ゾーンの可動性にも関わらず、複雑な、特に、互いに相対的に動く機械的な個別部品が省かれる。
【0049】
本発明の別の特に有利な実施形態及び改善構成は、従属請求項及び以下の記述から明らかになる。
【0050】
電子機器に関する最終的に数えきれない例として、運動センサー、温度センサー、光センサー及びカメラなどのセンサーユニット又はセンサー、ボタン、接触センサー、タッチスクリーンなどの入力機器、照明器、スピーカー、印刷機、例えば、サーマルプリンターなどの出力機器、或いは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)式スクリーン、有機発光ダイオード(OLD)式スクリーンなどや、Eペーパーディスプレイ又は電気泳動式ディスプレイを用いて実現された電子表示ユニットが挙げられる。
【0051】
この供給機器は、電子機器に対して、その動作に必要な供給電圧も、通信技術的に必要な供給電圧も供給する。即ち、電力供給(供給電圧と電流)の外に、情報の伝送及び電子機器の駆動を目的としたデータ技術的又は信号技術的な供給も引き受ける。電力供給を目的として、この供給機器は、ネットワーク機器、(再充電可能な)バッテリー構成又は「Power over WiFi」を用いて供給することができる。バッテリー(充電可能なバッテリーも)、さもなければ蓄電池において、このエネルギー貯蔵機器は、有利には、素早い複雑でない交換を可能にするために、支持装置又は隣接する構成部品の所の磁石を用いて、供給機器の直ぐ近くに固定することができる。この支持装置は、充電可能なバッテリーへの蓄電を目的としてエネルギーを蓄えるために使用される光起電モジュールを備えることもできる。
【0052】
この供給機器又は供給機器の電力供給回路は、更に、データを処理又は編集するように、即ち、例えば、サーバーからアクセスポイントを介してデータを受信するとともに、電子機器により読取り可能な、或いは処理可能な信号又はデータを変換するか、さもなければ単純にローデータとして関連する(アドレス指定された)機器にのみ転送するように構成することができる。データを機器から受信して、アクセスポイントを介してサーバーに出力することもできる。これらのアクセスポイントと供給機器の間の伝送は、有線接続により、或いは無線に基づき行うことができる。
【0053】
この供給機器は、支持装置と独立して配置するか、或いは支持装置の後方又は支持装置の一つの側に固定して、支持装置の配線支持体の配線路と通電接続することができる。
【0054】
この文脈において、支持装置が、支持装置により支持可能な電子機器への電力供給を目的として供給機器を収容するために構成又は配備された側方区画を備えるのが特に有利であると立証されている。
【0055】
有利には、この供給機器は、それに対応して支持装置の側方区画に収容されるように構成される。
【0056】
それによって、非常にコンパクトなシステムが実現され、それと同時に、供給機器が、例えば、湿気や機械的な負荷などの周囲環境からの影響に対して保護された形で支持装置の構造内に収容される。
【0057】
供給機器と支持装置の間の緩いケーブル配線は見ることも操作することもできない。
【0058】
別個の供給機器をレールと完全に統合することが有利であり、この場合、例えば、供給機器の筐体も支持装置の形状に適合しており、その結果、二つが一緒になって一つの鋳造物から構成されるような印象を与える。
【0059】
更に、各接点ベルトが、その第二の区画に、配線路の中の一つと直に接触するように規定されたアーチ形状を有するのが有利であると立証されている。
【0060】
このアーチ形状は、供給機器を差し込んだ際に接点ベルトの第二の区画が支持装置に食い込むか、或いは引っ掛かることを防止する。そのように、食い込み又は引っ掛かりは、不注意な、或いは急いだ差し込みの際に、コンポーネントの損傷、例えば、接点ベルト、さもなければ配線路の変形を引き起こす可能性がある。従って、このアーチ形状は、前記のリスクの無い形でシステムのより速い効率的な組み立てと保守を可能にする。
【0061】
そのようにアーチ形状の曲率半径により、金属ベルトに沿って定義された接触面又は接触ゾーンが得られるので、この形状により、改善された接触も得られる。
【0062】
配線路と接点ベルトの間の接触を最適化するために、第二の区画のアーチ形状は、配線路の形状に適合した接触領域を有することができる。そのように、配線路の横断面が円形の場合に、アーチ形状の表面が、例えば、それに対応して配線路に適合した半円形の刻み目又は溝を有することができ、その結果、配線路の湾曲に沿って接触面又は接触ゾーンが拡大される。
【0063】
別の観点では、この供給機器は、少なくとも一方の側が開いた筐体部分を備え、その結果、この開いた筐体側に配線支持体を差し込むことが可能になり、この筐体部分は、接点ベルトの第二の区画及びそれと接触可能な配線路の部分、即ち、配線支持体の当該部分が包囲されるような形状である。
【0064】
この実施構成は、嵌め込まれた接点ベルトと配線路に対する保護を提供する。特に、接触、湿気、機械的な負荷、温度的な負荷及び望ましくない眺めに対する保護、即ち、視覚的な保護をコンポーネントに提供する。
【0065】
更に、この筐体部分は、配線路に対して相対的な接点ベルトの所定の位置を保証する。この目的のために、筐体は、この筐体部分を支持装置と協力して動作させて、そこに相応に設置又は保持するための区画又は面を有する。
【0066】
この筐体部分は、供給機器に安定性を与えると同時に、供給機器の全てのコンポーネントをそれらの目標位置に保持する構造を提供する。
【0067】
この筐体部分は、更に配線支持体の一部を覆う、或いは収容するように構成することができる。この措置は、組み立てられた状態において、更にシステムの電子コンポーネントに対する許可されていない操作を困難にする。筐体が配線支持体とも接触する場合、この措置は、金属製接点ベルトがそれ自身のばね作用により引き起こされた力で配線路を押し付けられる、従って、配線支持体を押し付ける如何なる箇所においても機械的な安定性を保証する。
【0068】
この支持装置の配線支持体は、ワンピース形態又はマルチピース形態で実現することができる。両方の場合に、配線路を一つ又は複数の面内に置くことが可能であり、その際、供給機器の接点ベルトは、それに対応して配線路と接触するように構成又は配置しなければならない。
【0069】
しかし、支持装置の配線支持体を配線支持体板として構成するのが特に有利であると立証されている。
【0070】
これは、非常に省スペースで、細いと同時に安定した実施構成であり、配線路に対する十分なスペースを可能にする。この配線支持体板には、この板の一つの側又は異なる側に配線路を設置することができる。この配線支持体板は、特に、配線路が配線支持体板に沿って、例えば、一つの面内を互いに十分な間隔を開けて延びることができるとの利点を提供する。
【0071】
この配線支持体板の使用は、本システムを所定の通り使用した時に、配線支持体又は配線支持体板が電子機器と接触する所定の接触点又は接触ゾーンを電子機器に提供する。特に、この機器を配線支持体用スリットに完全に差し込んだ場合に、この機器の位置が精確に定義され、このことは、特に、確実に電子的に接触する形で生じる。
【0072】
別の観点では、この配線支持体板は、支持装置の長手方向の延びに沿って測った第一の寸法と、配線支持体板の面内において配線支持体板の第一の寸法に対して直角に測った第二の寸法とを有し、この配線支持体板の第二の寸法は、第一の境界画定壁のそれに対応する寸法の20%~40%に等しい。
【0073】
これにより、配線支持体板が十分に安定して強固に実現される一方、配線路の間の十分な間隔も同時に保証されることが達成される。
【0074】
更に、これらの寸法の比率は、支持装置への押し込みの際又は支持装置からの引き出しの際に、この配線支持体板の寸法によって、この機器の移動に関する空間的な案内が確保されるので、支持装置からの電子機器の簡単な取り出しと支持装置への電子機器の簡単な差し込み又は設置を可能にする。
【0075】
これらの寸法では、従来の材料と材料強度を用いて、十分な安定性と堅牢性が得られるので、第一の境界画定壁に対する配線支持体板の欠点を確実に防止することができ、それによって、支持装置に沿って電子機器を締め付けること無くスライドさせるか、或いはずらすことも保証される。
【0076】
有利には、この機器に全長に渡って供給できるようにするためにも、この第一の寸法は、支持装置の全長に渡って延びる。
【0077】
この配線支持体は、信号技術的な供給のための複数本の配線路と、電力供給のための複数本、特に、二本の配線路とを備えることができる。そのように、例えば、一対の配線路が、電力を供給する役割を果たし、別の、例えば、十本の配線路が両方向の並列情報伝送のためのデータバスを実現する。
【0078】
しかし、有利には、この配線支持体は、有利には、配線支持体の単一の側方面に構成されるか、又は支持装置の長手方向の延びに沿って互いに平行に延びるか、或いはその両方である、ちょうどスリーピースの配線路を備える。
【0079】
この実施構成は、出来る限り少ないコンポーネント、特に、具体的には接点ベルトなどの接点コンポーネントを用いて信号技術的な供給も、電力供給も可能にする。そのため、コンパクトで省スペースな実現形態が可能である。
【0080】
これらの少ないコンポーネントは、この実現形態の誤動作に対する脆弱性も低下させ、従って、このことは、動作の安全性を向上させ、それ故全体的な保守負担を低減させる。それにより、安価な製造も得られる。
【0081】
このちょうどスリーピースの配線路から成る配線支持体の実現形態は、これらの配線路の中の一つである信号供給配線又はデータ供給配線も、別の配線路である電力供給配線も同じ基準電位を利用することによって実現でき、ここで、基準電位配線とも呼ばれる第三の配線路が、この基準電位を有する。
【0082】
特に有利には、これらの配線路は、電子機器を押し込む方向に対して、第一の配線路としてアース配線が配置され、次に、信号供給配線又はデータ供給配線が配置され、最後に、電力供給配線が配置されるように設置される。そのため、電力供給配線とアース配線の間の電流回路が、完全に押し込まれた状態で漸く得られ、このことは、電子コンポーネントの短絡と損傷を防止する。
【0083】
これらの支持装置の配線路は、様々な形状又は横断面を有することができる。
【0084】
一つの実施構成では、これらの配線路が平坦であるか、或いは四角形の横断面を有することができる。この実施構成は、ばねに基づく接続の際に、接触箇所において配線のより大きな横断面が保証されるとの利点を提供する。平坦な配線路は、例えば、プリント基板の場合などと同様に、支持体板上の線路として容易に実現することができる。
【0085】
しかし、一つの有利な実施構成では、これらの配線路は、配線支持体の外面を越えて部分的に突き出た電線として実現される。
【0086】
これらの製造技術的な利点の外に、この実施構成は、電子機器との電気的な接触に関する利点を提供する。
【0087】
このことは、特に、電子機器、特に、電子表示ユニットが一つの有利な実施構成に基づき配線支持体の配線路との通電接続を構築する接点を備えた場合に効果を発揮し、その際、配線支持体用スリットを形成する各筐体部分が第一の筐体開口部を有し、この開口部を通って、これらの接点が筐体から突き出る。
【0088】
この配線支持体用スリットは、配線路に対して電子機器とその接点を明確に定義された位置に設置することを可能にし、その結果、この機器が支持装置に固定されると、即ち、配線支持体が、配線支持体用スリットにおける、その目標位置に設置されると、これらの接点が、確実に更なる調整無しに自動的に配線路と通電接続することになる。
【0089】
配線路としての電線は、配線支持体の面を越えて盛り上がるように突き出た、凡そ丸い横断面を有する。この横断面は、配線支持体の面と凡そ面一に終止する平坦な横断面以外に、電子機器を差し込む際に、電子機器の接点の中の一つが電線の中の一つと接触した時の触感による応答を可能にする。そのように、使用者は、この機器の各接点が既に配線支持体に到達したのか、或いは通過したのかを容易に確認することができる。
【0090】
配線路としての電線は、更に、例えば、平坦な配線路と比べた、そのロバスト性のために納得できるものである。
【0091】
有利には、これらの電線は、その横断面の少なくとも50%を配線支持体内に埋め込まれている。この実施構成では、配線支持体が、少なくとも180°を少し上回る程度で各電線の周囲を包囲するので、配線支持体内での確実な保持が得られる。即ち、配線路が配線支持体から意図しない形で転がり出ることが確実に防止される。
【0092】
これらの配線路は、これらが配線支持体の第一の境界画定壁又は基準壁とは反対側の各側面に配置されるように、配線支持体に配置することができる。
【0093】
しかし、有利には、この支持装置は、配線路が配線支持体の第一の境界画定壁又は基準壁の方を向いた各側面に配置されるように構成される。
【0094】
従って、この電子機器は、有利には、後方壁に最も近い、配線支持体用スリットの側に第一の筐体開口部が実現されるように構成される。
【0095】
これらの有利な実施構成の措置により、配線路が見え難くなるだけか、全く見えなくなって、特に、導電性の対象物との過誤による、或いは意図的な接触がほぼ排除されるとの利点が得られる。この結果、短絡又は伝送障害の虞も低減されるか、或いは完全に排除される。この配線路が支持装置(例えば、ラックレール)の観察者の視線から凡そ隠れて延びる配置構成は、何れにせよ汚れからの広範囲に及ぶ保護を提供し、その結果、これに関する保守負担が無視できるようになる。
【0096】
別の観点では、この電子機器は、配線支持体が所定の通り配線支持体用スリットに差し込まれた際に、筐体開口部の中の一つがそれぞれ配線路の中のちょうど一つの位置に対応するように構成される。
【0097】
このことは、この機器を支持装置と組み合わせた場合に、最終位置又は目標位置で配線路を精密に接触させる、常に精確に定義された接触ゾーンが生じることを保証する。そのため、この電子機器を支持装置に完全に差し込んだ場合に、二つの対象物の相対的な位置の後調整又は修正を必要とすること無く、必然的に正しい電気接続が得られる。
【0098】
別の観点では、この電子機器の接点が、第二のグループの金属製接点ベルトとして実現され、各接点ベルトが、第一の区画(この第一の区画は、この機器の電子回路と接続されている)、有利には、第一の終端区画と、第二の区画(この第二の区画は配線支持体の配線路と接触するように定められている)、有利には、第二の終端区画とを有し、この第二のグループの金属製接点ベルトは、ばね部品として実現され、有利には、各接点ベルトは、湾曲した形又は折れ曲がった形、特に、階段形状に構成される。
【0099】
このことは、圧力を加えた接触を可能にする。そのため、第一のグループの金属製接点ベルトの文脈において、ばねによる通電接続として実現した際に挙げた利点は、この場合にも有効である。そのように、例えば、この場合でも、接触面の角度誤差とずれを平準化することができる。
【0100】
コイルばねがピン形状の接点を直線的な動きでそれに対する接点に押し付ける、従来技術により公知の接点は、そのコンポーネントが多いとの理由からだけでなく、特に、汚れた場合に、それが直ぐに動作しなくなるとの理由からも、不利であることが分かっている。
【0101】
第二のグループの金属製接点ベルトを(凡そワンピースの)ばね部品として実現することによって、テレスコープベースのばね接点の欠点が克服される。これらの既知のシステムに到達する可能性があり、誤動作を引き起こす、例えば、穀物や塵などの汚れの粒子、さもなければ粘着性の液体は、本発明による実施構成に如何なる不利な作用も及ぼさない。
【0102】
一つの有利な実施構成では、これらの接点ベルトは、湾曲した形又は折れ曲がった形、特に、階段形状に構成されている場合、このことは、ばねの撓みを一層向上させ、このことは、汚れ又は摩耗の結果として食い込む又は挟み込む虞を更に低減させる。
【0103】
更に、接点ベルトの帯形状の構成は、そのベルトが接続された電子回路と、接触させるべき配線路の平面との間のレベル差を問題無く克服することを引き起こすか、或いはそのような形状を可能にする。それにより、接点ベルトの材料の造形と弾力性によって設定又は定義できる所定の最小力(さもなければ、発生する力の範囲内での最大力)による接触を実現できるとの作用も得られる。
【0104】
有利には、腐食に強い鋼鉄製ベルトが用いられる。
【0105】
即ち、接触面又は接触ゾーンの可動性にも関わらず、複雑な、特に、互いに相対的に動く機械的な個別部品が省かれる。
【0106】
この電子機器、特に、電子表示ユニットの一つの有利な実施構成では、第二のグループの各接点ベルトが、その第二の区画に、配線路の中の一つとの直接的な接触のために設けられた盛り上がった形状を有し、少なくともこの接点ベルトの盛り上がった形状が、それに対応する筐体開口部の所で筐体から飛び出して、配線支持体用スリットにより境界を画定された空間領域内に突き出る。
【0107】
この盛り上がった形状は、この盛り上がった形状の箇所のほぼ一点において、それぞれ単一の配線路だけを各接点ベルトと確実に接触させることを可能にし、それと同時に、接点ベルトの隣り合う領域が、配線路に対して間隔を開けて延びる、即ち、配線路と接触すること無く延びる。
【0108】
有利には、この盛り上がった形状は、組み立てられた状態で配線路と接触する側が丸くなっている。
【0109】
この盛り上がった形状は、食い込むこと無く、ほぼ摩擦無しに電子機器を支持装置内に押し込み可能であることを引き起こす。押し込む際に、接点ベルトの第二の区画が、先ずは配線支持体の面に沿って、配線路に到達するまでスライドする。そこに到達すると、接点ベルトの第二の区画は、更に押し込む際に、食い込むこと無く、或いは配線路を擦ること無く配線路の横断面形状に追従する。
【0110】
この盛り上がった形状は、例えば、接点ベルトを当該箇所で曲げて、その結果、それが、例えば、盛り上がった形状である湾曲を有することによって実現できる。しかし、この盛り上がった形状は、例えば、そうでなければ直線的である接点ベルトの第二の区画に追加の材料を取り付けることによっても実現できる。しかし、この望ましい形状は、別の変形方法によっても作り出すことができ、その結果、プランジャによって、取手の形状が、例えば、ブリキから成る第二の区画に対して押し上げられる。
【0111】
この接点ベルトの造形は、電子機器に対しても、供給機器に対しても同じ手法で実現することができる。
【0112】
この支持装置の配線支持体は、支持装置の第二の境界画定壁と材料結合形態で連結することができる。そのように、例えば、これらのコンポーネントを互いに溶接又は接着させることができる。
【0113】
配線支持体と第二の境界画定壁は、共に単一の材料から製造することもできる。そのように、例えば、鋳造部分とすることができる。
【0114】
更に、配線支持体と第二の境界画定壁は、互いにねじ留め又はリベット留めすることができる。
【0115】
この配線支持体は、コネクタ接続を用いて、特に、逆鉤によるコネクタ接続を用いて支持装置と接続することもできる。
【0116】
しかし、この支持装置の第二の境界画定壁が、配線支持体を収容するように、特に、側方にスライド可能な形で収容するように設けられた収容縦穴を有し、この配線支持体が、この収容縦穴の形状に対応する形状、特に、T字形状又は逆立ちしたL字形状などを有して、この収容縦穴に差し込まれるのが特に有利であると分かっている。このことは、支持構造との配線支持体の簡単な組み立てを可能にすると同時に、良好な安定性を同時に提供する。この配線支持体は、そのように保守又は清掃のために簡単に取り外すこともできる。この配線支持体は、そのようにモジュラー方式で交換部分として取り換えることもできる。そのように、例えば、損傷した場合に、支持装置全体を交換する必要がなくなる。
【0117】
一つの別の観点では、支持装置の第二の境界画定壁は、凡そ配線支持体の長手方向の延びに沿って延びて、それを機械的に支えるサポートフレームを備えることができる。
【0118】
このサポートフレームは、安定性を低下させた形で配線支持体を設計することを可能にし、このことは、一方において、より安価な材料に頼ることを可能にし、他方において、配線支持体のより狭い外観を実現するか、さもなければ、材料を節約した形で配線支持体を容易に実現することを可能にする。
【0119】
この機械的な補強により、支持装置のより長い変化形態を実現することもできる。更に、このサポートフレームは、組み込み中又は動作中の配線支持体の損傷を阻止するように作用する。配線支持体を保護することにより、配線支持体が、場合によっては、曲げモーメントの作用のために巻き添えになる、或いは変形する程度が小さくなるので、配線ベルトの保護の向上も得られる。
【0120】
このサポートフレームは、例えば、プラスチックから、或いは、有利には、金属から製造することができる。
【0121】
一つの実施構成では、このサポートフレームは、配線支持体の傍で第二の境界画定壁の収容縦穴に収容されるように構成され、第二の境界画定壁は、それに対応して、配線支持体とサポートフレームを一緒に収容するように構成され、第二の境界画定壁は、それに対応して、配線支持体とサポートフレームを一緒に収容するように構成される。そのために、このサポートフレームは、例えば、相応の終端に、収容縦穴に差し込まれるT字形状を有することができるとともに、この配線支持体は、収容縦穴内でサポートフレームのT字形状の片側で固定されるL字形状を有することができる。
【0122】
有利には、この配線支持体は、プラスチックから製造される。
【0123】
このことは、追加の絶縁層の無い、特に、電線として実現された配線路の実施形態を可能にする。この場合、配線支持体自体が絶縁体である。更に、製造が安価になり、重量が軽くなる。この場合、プラスチックは、高分子に対する同意語であるとも理解すべきであり、その結果、自然の高分子物質も含まれる。更に、この配線支持体は、繊維強化プラスチック又は硬質紙から製造することができる。
【0124】
第一の境界画定壁又は基準壁と第二の境界画定壁は、同じくプラスチックから製造することができる。
【0125】
これらの部分は個別に製造して、既に述べた形態で互いに接続することができる。
【0126】
しかし、第一の境界画定壁又は基準壁と第二の境界画定壁を、特に、サポートフレームも一体的に構成するのが、特に、鋼鉄から製造するのが特に有利であると分かっている。
【0127】
そのように、この支持装置の最適な剛性が実現可能であり、このことは、更なる結果として、負荷が加わっても、或いは、特に、支持装置の長手方向の延びが比較的長くなっても、明確に定義された接触場所も保証する。特に、サポートフレームも第一の境界画定壁又は基準壁及び第二の境界画定壁と共に、一体的に実現された場合に、配線支持体が、全長に渡って安定的に支えられる。そのため、損傷も配線路による接点損失も防止される。
【0128】
このことは、これらのコンポーネントが鋼鉄から、特に、曲がった薄板、場合によっては、溶接された薄板から製造された場合に、特に良好に実現することができる。この実施構成は、十分な安定性を提供するだけでなく、容易で安価な製造も可能にする。
【0129】
大抵の場合、この電子機器は、意図しない落下又は取り外しを防止するために、支持装置と連結しなければならない。このことは、例えば、組み合わせた状態で、これらが圧力締めにより互いに接続されるように支持装置の寸法と電子機器の寸法を選定することによって達成できる。そのために、例えば、差し込まれた電子機器に圧力を加えて、この圧力が摩擦により電子機器を所望の位置に保持するように、配線支持体と第一の境界画定壁又は基準壁の寸法を定めることができる。
【0130】
しかし、一つの有利な実施構成では、この支持装置の第一の境界画定壁又は基準壁が、その長手方向の延びに沿って格子状に配置された切欠き、特に、第一の境界画定壁又は基準壁を貫通する開口部を有し、これらの切欠き或いは開口部が、電子機器の固定手段と圧力締め及び/又は形状結合形態により連結されるように定められている。
【0131】
そのような固定手段は、電子機器が後方壁の所に固定用筐体開口部を有するとともに、有利には、手動で操作可能な固定機構を有するように実現することができる。この固定機構は、少なくとも二つの可動式固定フック又は固定取手を備え、これらは、操作されていない状態で固定用筐体開口部を通って突き出ており、固定機構の操作時に、それらの位置を変える。
【0132】
この場合、切欠きは、固定フック又は固定取手よりも著しく幅を広くすることができ、このことは、支持装置に沿って広い領域内で無段階に電子機器を設置することを可能にする。
【0133】
有利には、これらの切欠きは、固定フック又は固定取手と幅がほぼ同じである。このことは、格子間隔単位で支持装置に沿って電子機器を精確に設置することを可能にする。支持装置に沿って同じ間隔で複数の電子機器を設置することも容易にする。そのため、これらの機器が均等に配置されたのかを別に測り直す必要がなくなるので、例えば、電子表示部及びそれ以外の電子機器をラックにより速く装備することが可能になる。
【0134】
更に、比較的細かな格子は、細かいステップによる設置を可能にする、即ち、無段階の変化形態と同様の多数の造形の自由度を与える一方、それと同時に所定の最小間隔を遵守しつつ測り直し無しに精確に設置することが可能になる。
【0135】
特に、相対的に細かい、支持装置のほぼ全長に渡って延びる格子形態は、そこに固定された機器を支持装置に沿って意図しない形でスライドできないことを保証する。
【0136】
更に、(支持装置の長手方向の延びの方向に測った)幅の異なる機器を出来る限りに密に支持装置に設置することができて、そこで利用可能な装備領域を最適に活用できるように、これらの切欠きの格子形態又は寸法を決めて、固定フック又は固定取手の寸法又は配置形態に合わせるのが特に有利であることが分かっている。
【0137】
有利には、電子機器、特に、電子表示ユニットの固定機構は、手動で操作可能なボタンを備え、このボタンは、固定フック又は固定取手と連結され、特に有利には、固定フック又は固定取手と一体的に構成されており、縦方向構造物スリットの各々に対向する側方壁に自由に到達可能である。
【0138】
そのようなボタンは、電子機器の簡単な操作と速い取り外しを可能にする。それにより、この機器の速く簡単な保守又は調整が得られる。この場合、取り外しは、特に、特殊な工具無しに可能である。
【0139】
このボタンの操作は、実施構成に応じて、固定フック又は固定取手が電子機器に畳み込まれるか、挿入方向にスライドするか、或いはその両方であることを引き起こすことができる。全ての場合に、このボタンの操作とそれにより生じる固定フック又は固定取手の動きは、電子機器が支持装置から取り出し可能になることを引き起こす。
【0140】
この機器の固定手段の一体的な構成は、固定フック又は固定取手とボタンを組み合わせたものであり、これらの固定フック又は固定取手が直に切欠きに係合する。
【0141】
それに対して、この機器の固定手段のツーピース又は複数ピース構成は、後方の筐体壁が、切欠きの格子(或いは格子間隔の倍数の所)に配置される固定フック又は固定取手を備えるように実現することができる。特に、この後方の筐体壁は、(特に、格子間隔又は格子間隔の倍数で配置されたツーピース式)固定フック又は固定取手と共に一体的に構成される。この場合、前記の固定用筐体開口部は、筐体壁フレームとして構成された固定フック又は固定取手の境界を画定するU字形状の隙間によって形成される。
【0142】
力学的に緩められた休止位置では、これらの固定フック又は固定取手は、この機器がそこで保持される程度で支持装置の切欠き内に突き刺さる。有利には、二つの固定フック又は固定取手が配備されて、後方の筐体壁の中央に対して十分な間隔を開けて、一方が後方の筐体壁の左側に配置され、他方が右側に配置される。
【0143】
このボタンは、支持装置から電子機器を解除することを目的として、固定フック又は固定取手の数に対応する数の、それらの位置に対応して設置された操作突起を備えることができる。これらの操作突起は、ボタンの操作時に、固定フック又は固定取手を機器の筐体内部の方向に旋回させる作用を奏するような形状をしており、その結果、支持装置から機器を取り出すことができる。このボタンが解放されると、固定フック又は固定取手は、筐体材料の弾力性、固定フックの材料又は固定取手の材料の弾力性及びそれに対応して作用するばねのために再び休止位置に旋回する。
【0144】
固定フック又は固定取手と操作突起の協力した動作を容易にするために、これらは、先細りの終端を有することができ、その結果、これらの終端は、実質的に傾斜した面に沿って互いに接して一緒に動くことができ、その際、固定フック又は固定取手の動きを引き起こす力を互いに及ぼし合う。
【0145】
一つの有利な実施構成では、この固定機構は、操作されていない状態でボタンを第一の位置に保持する固定機構用ばね部品を備える。
【0146】
この場合、操作されていない状態とは、電子機器が本発明に基づき支持装置に据え付けられている状態、即ち、組み入れられる途中でないか、或いは取り出される途中でない状態を意味する。ボタンに関して、この操作されていない状態とは、ボタンが押し込まれていないことを意味する。
【0147】
この固定機構用ばね部品は、簡単な操作を提供するだけなく、支持装置から機器を取り出すことを目的として、場合によっては、摩擦力の成分に加えて、ばねの力を克服する程の強さの力の作用が目的通りボタンに加わることも保証する。そのため、例えば、筐体に対する、即ち、ボタンに対してではない側方からの力の作用による、支持装置からの機器の不用意な脱落が阻止される。
【0148】
一つの有利な実施構成では、この支持装置は、収容領域の方を向いた第一の境界画定壁の側に関して、第一の境界画定壁(又は基準壁又は基準側)と第二の境界画定壁の間に鋭角が、特に、35°~85°の範囲内の角度が形成されるように構成される。
【0149】
この鋭角によって、電子機器が固定機構により支持装置内に展開された時に、この機器が最早前方に向かって、或いは下方に向かって支持装置から脱落できないことが保証される。
【0150】
有利には、この第二の境界画定壁は、長手方向の延びに沿って延びる周縁領域を有し、この領域は、収容領域の方を向いて、有利には、取手形状又はフック形状に構成される、特に有利には、湾曲した形に構成される。
【0151】
このことは、第二の境界画定壁が、所定通りの使用時に、差し込まれた状態において第二の境界画定壁の最も近くに在る電子機器の縁を前方に向かって支える周縁領域を有することを意味する。この文脈では、「前方に向かって」とは、第一の境界画定壁から電子機器に向かう方向を意味する。即ち、この周縁領域は、電子機器を筐体の前方の縁で捉えて、そこで第二の境界画定壁の下に保護する形で保持する。
【0152】
この鋭角は、機器の最も外側の上縁を捉えて、第一の境界画定壁に対する固定フック又は固定取手の作用の下で機器をそこに保持する形で展開することを可能にする。
【0153】
更に、この機器を覆う周縁領域は、ラック上に保管された、或いはラックの前縁を介して挿入される、或いは取り出される対象物に対して保護する作用を奏する。
【0154】
即ち、第二の境界画定壁のこれらの角度及び寸法は、有利には、電子機器が、その前方の壁で支持装置の周縁領域と確実に接触して、そのようにして位置を保持することができるように選定される、或いは互いに調整される。
【0155】
第二の境界画定壁は、出来る限り直線的に延びることも、一定の横断面を有することも必要ではない。第二の境界画定壁の形状の推移が複雑である実施構成では、この角度は、第一の境界画定壁が広がる平面と、第一の境界画定壁と第二の境界画定壁の交線と第二の境界画定壁の周縁領域の間の平面との間の角度であると理解することができる。
【0156】
本発明の別の観点は、支持装置に差し込んだ際の電子機器の正しい方向設定に関する。これを保証するためには、支持装置の第一の境界画定壁が、特に、配線支持体によって覆われる領域において、電子機器を支持装置に所定通り差し込んだ際に電子機器の目標の向きを作り出すことを目的として、この機器の筐体の筐体尾根部とその間に在る筐体峡谷部の構造と協力して作用するように配備された境界画定壁尾根部とその間に在る境界画定壁峡谷部の構造を有するのが有利であると立証されている。この電子機器も、その筐体に、電子機器を支持装置に所定通り差し込んだ際に電子機器の前記の目標の向きを作り出すことを目的として、第一の境界画定壁の境界画定壁尾根部とその間に在る境界画定壁峡谷部と協力して動作するように配備された筐体尾根部とその間に在る筐体峡谷部の構造を有する。
【0157】
本発明の目的に適うこととして、これらの構造は、直線状に延びるとともに、一方において、支持装置の長手方向の延びに対して直角に広がるか、或いは他方において、配線支持体用スリットの延びに対して直角に広がる。
【0158】
これらの互いに適合する構造は、電子機器を支持装置に所定通り差し込んだ際に支持装置に対する電子機器の目標の向きを作り出す作用を奏する。それにより、場合によっては、誤動作を引き起こす、それどころか配線路の間の短絡を引き起こす可能性のある配線路の誤った接触が確実に防止される。
【0159】
これらの構造の長さは、目標の向きが作り出されるまでの差し込む動きに沿った位置を定義する。配線路が配線支持体に沿って延びるので、これらの構造の長さも、配線支持体の長手方向の延びに対して直角の方向に沿って、第一の境界画定壁の平面に対して平行に測った配線支持体の寸法の方向を向くことが特に有利であると立証されている。これは、電子機器が配線支持体に接近した場合に既に、或いは電子機器が配線支持体に最初に接触した場合に漸く目標の向きを作り出すための最低限の程度として規定すべきである。
【0160】
これらの構造の幅は、有利には、支持装置の長手方向の延びに沿った切欠きの格子間隔に凡そ等しい。
【0161】
最後に、一つの有利な実施構成では、切欠きも、その間に在る支持装置の材料フレームも、ちょうど格子間隔に等しい同じ幅を有し、その結果、支持装置の長手方向の延びに沿った空所と材料フレームの周期的なシーケンスが得られることにも言及したい。
【0162】
即ち、この支持装置は、全体として。よりコンパクトに実現することができ、その結果、製品又はラック底面の前の覆われる視界がより狭くなる。そのようなより狭い外観は、本システムを価値が高いように見せるだけでなく、支持装置の後ろに在る品物をより良好に見ることも可能にする。
【0163】
本発明のこれらの観点及び別の観点は、以下において考察する図面によって明らかになる。
【0164】
以下において、添付図面を参照して、実施例に基づき本発明を再度詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されない。この場合、異なる図において、同じコンポーネントには同じ符号を付与している。
【図面の簡単な説明】
【0165】
図1】ラックレールとして実現された本発明による支持装置の横断面とそこに設置された本発明による電子表示ユニットの模式図
図2】ラックレールに固定された電子表示ユニットの模式図
図3】格子状の切欠きを有するラックレールの領域を後方から見た模式図
図4】第一の実施例による電子表示ユニットを後方から見た模式図
図5】電子表示ユニットの側面の模式図
図6A】電子表示ユニットの接点とラックレールの電線の電気接触形態の模式図
図6B】電子表示ユニットの金属製接点ベルトの模式図
図7】支持フレームを備えたラックレールの実施例の模式図
図8】支持フレームを備えたラックレールの別の実施例の模式図
図9】側方からラックレールに差し込まれた、筐体の大部分を破断した形の供給機器の模式図
図10】筐体の無い形で見た、ラックレールと供給機器の間の電気接続部の模式図
図11】ラックに磁気式に取り付けられた、ラックレールの電子回路に電力を供給するバッテリーユニットの模式図
図12】ラックレールと二つの表示ユニットの概観の模式図
図13】供給機器が差し込まれたラックレールを後方から見た模式図
図14】表示機器の第二の実施構成の模式図
図15】表示機器の第二の実施構成の模式図
図16】表示機器の第二の実施構成の模式図
図17】表示機器の第二の実施構成の模式図
【発明を実施するための形態】
【0166】
図1は、ラックレール1として実現された支持装置と、例えば、電子表示ユニット20として実現された、このラックレール1に適合する機器とを横方向から観察した形で図示しており、表示ユニットに隣接する断面に沿った断面図でラックレール1を見ている。
【0167】
このラックレール1は、図面内において垂直に表示された第一の境界画定壁2(基準壁2)を有する。
【0168】
この第一の境界画定壁又は基準壁2は、その上端で第二の境界画定壁3に移行している。この実施例では、第二の境界画定壁3と基準壁2は、鋼鉄から一体的に製造されている。
【0169】
基準壁2と第二の境界画定壁3の間には、これらの壁2及び3によって両側の境界を画定された、表示ユニット20を収容する収容領域4が在る。
【0170】
表示ユニット20の側で、即ち、収容領域4の空間領域内で測って、基準壁2と第二の境界画定壁3の間には、約53°の鋭角8が形成されている。
【0171】
この第二の境界画定壁3は、収容縦穴7を有し、この収容縦穴には、配線支持板として実現された配線支持体5が差し込まれている。この収容縦穴7に挿入される、配線支持体5の側面は、収容縦穴7の形状に適合している、即ち、凡そT字形状に形成されている。この配線支持体5は、収容縦穴7内において、図1の図平面に対して直角方向に、この収容縦穴から取り出したり、そこに押し入れることが可能であり、これにより、配線支持体をそこに差し込むか、さもなければそこから取り出すことができる。
【0172】
この配線支持体5は、三本の配線路6を支持している。これらの配線路6は、それぞれ単線の銅線6から製造され、絶縁層が無い形で実現されている。これらの電線6の横断面の50%以上、半径方向の寸法の約2/3が、配線支持体5に埋め込まれている。この場合、第二の境界画定壁3に最も近い電線6が電力供給配線であり、中央の配線路6が信号供給配線であり、第二の境界画定壁3から最も遠い配線路6が基準電位配線である。これらの電線6は、配線支持体5の基準壁2の方を向いた側に配置されている。
【0173】
これらの配線支持体5と基準壁2は、それぞれ図平面から遠ざかる向きに、或いは図平面に近づく向きに測った長さの程度を表す第一の寸法(長手方向の延び)を有し、この実施例では、両方は同じ大きさであり、例えば、約1.5mの長さである。しかし、ラックレール1に関して、それ以外の長さも規定することができる。
【0174】
この配線支持体5は、図1で配線支持体5の垂直方向の拡がりを表す第二の寸法(高さ)9を有する。それに対応して、基準壁2は、図1で基準壁2の垂直方向の拡がりを表す第三の寸法(高さ)10を有する。この実施例では、配線支持体5の第二の寸法9は、基準壁2の第三の寸法10の約40%である。この実施例では、第二の寸法9は、例えば、約3cmである。
【0175】
この実施例では、配線支持体5は、射出成形方法を用いて、絶縁性のポリプロピレンから製造され、電線6は、配線支持体5の製造方法の際に既に埋め込まれている。
【0176】
この場合、配線支持体5は、支え無しで配置されている。それに対して、図7と8では、支持フレーム11を備えた実施例が図示されている。図7では、支持フレーム11が第二の境界画定壁3と材料結合形態で接続されており、基準壁2、第二の境界画定壁3及び支持フレーム11が一緒になって一つの構成部分を形成している。即ち、これらは、一体的に構成されている。図8では、支持フレーム11が独立した部分として実現されており、配線支持体5と共に収容縦穴7に収容されるか、或いは押し込まれるように構成されている。
【0177】
この第二の境界画定壁3は、図1,2,7及び8で見られる通り、片側に取手形状又はフック形状に構成された周縁領域12を有し、この周縁領域は、表示ユニット20が差し込まれた時に、基準壁2に対して直角の方向に表示ユニットが基準壁2から離れるように動けることを防止する。
【0178】
この基準壁2は、格子状に配置された切欠き13を有し、これらの切欠きは、図3に図示されており、表示ユニット20を固定する役割を果たし、以下において、それを更に取り上げる。
【0179】
図1では、表示ユニット20は、基準壁2に対して平行な直線的な動きにより下方から第二の境界画定壁3の方向に向かってラックレール1に押し込むことができるような位置に在る。
【0180】
この表示ユニット20は、後方壁22を備えた筐体21を有する。この場合、後方壁22は、図2において明らかな通り、ラックレール1に差し込まれた状態で基準壁2の最も近くに在る、筐体21の部分である。後方壁22と反対の側には、スクリーン24を備えた前方壁23が在る。この前方壁23は、その上端にラックレール1の周縁領域12を収容するように構成された階段部を有する。前方壁23と後方壁22の間の筐体21は、側方壁25によって形成されている。表示ユニット20の表側に沿って延びる側方壁25は、配線支持体用スリット26を有し、その垂直な壁面は、後方壁22に対して凡そ平行に延びている。この配線支持体用スリット26は、配線支持体5を収容するために配備されており、その寸法に適合する大きさを有する。
【0181】
この筐体21は、配線支持体用スリット26において後方壁側に筐体開口部を有し、これらの開口部を通って、接点27が筐体21から配線支持体用スリット26内に突き出ている。これらの接点27は、金属製接点ベルト27のグループによって実現されている。
【0182】
これらの金属製接点ベルト27は、図6A図6Bに詳しく図示されている。図6Bは、一つの接点ベルト27の構造又は形状を図示しており、この接点ベルトは、部分的にしか図示されていない筐体用電子回路又は表示用電子回路29と半田付けられた第一の終端区画28を有する。更に、この接点ベルト27は、図6Aに図示されている通り、電線6の中の一つと接触するように構成又は形成された第二の終端区画30を有する。
【0183】
この第二の終端区画30は、接触ゾーンとして盛り上がった形状31を有する。この盛り上がった形状31は、図1と2の表示ユニットの側面図において見ることができる、金属製接点ベルト27の部分でもある。
【0184】
この実施例では、図6A又は6Bにおいて見える通り、両方の終端区画28,30が平行であるが、ずれた形で配置されており、その結果、接点ベルト27が一つの階段部を形成している。この階段部は、弾力的な材料に対してばねの撓みを大きくするとともに、曲げ荷重を分散させることを可能にする。それと同時に、この階段部は、表示用電子回路29の平面と電線6により形成される接触部の平面の間の間隔(レベル差)を克服する。
【0185】
図6Aでは、見易くするとの理由で、固定機構32を見れるようにするために、電子表示ユニット20の多数のコンポーネントが図示されていない。この固定機構32は、一体的に実現されており、二つの固定用フック33及びそれと連結された一つのボタン34を有する。この固定機構32は、更に、コイルばねとして実現されたばね部品35と接触する。
【0186】
図4と5において見ることができる通り、後方壁22は、固定用筐体開口部を有し、これらの開口部を通って、固定用フック33が突き出ている。
【0187】
更に、図6Aは、プラグ接続形態又はクランプ接続形態により、二つの筐体半分体(筐体21の前方と後方の筐体半分体)を互いに連結する筐体接続部品36を図示している。
【0188】
このばね部品35は、図6Aに図示された側が付勢により筐体21に当接されている。即ち、このばね部品35は、固定機構32と筐体21の間で作用する。従って、この部品は、後方壁22に対して平行に図6Aの向きに対して下方に向かって固定機構32を、それにより固定用フック33とボタン34を配線支持体用スリット26から押し離している。
【0189】
ここで、電子表示ユニット22が、図1に図示された配置構成を出発点として、基準壁2に対して平行に第二の境界画定壁3の方向に押し動かされて、その結果、この表示ユニット22が、最終的に図2に図示されている通りラックレール1内の位置に置かれて、固定されると、接点ベルト27の終端区画30が電線6と接触する。
【0190】
ここで、配線支持体5が、その自由端に第一の境界画定壁又は基準壁2の方を向いた面取り部を有し、この面取り部は、表示ユニット22が下方からラックレール1におけるその目標位置に押し込まれる際に、接点ベルト27の盛り上がった形状31が問題無く電線6の平面上に持ち上げられることを保証する。この場合、各接点ベルト27は付勢される。ラックレール1に更に押し込まれると、三つの接点の全てが、それらの盛り上がった接触ゾーンを最終的にそれぞれ接触させるべき電線6に到達させて、そこで配線支持体5から持ち上げられる、即ち、付勢が強化される(このことは、電線6の最適な電気的な接触に寄与する)まで、三つの接点の中の少なくとも二つが、それらの盛り上がった接触ゾーンを電線6の中の二つを越えてスライドさせることにも言及したい。
【0191】
この表示ユニット22をラックレール1に押し込む際に、固定用フック33が、基準壁2の切欠き13に到達するまで、基準壁2に沿うようにスライドして、その切欠きに自動的に繋止することに言及したい。図3では、固定用フック33が切欠き13の下方の縁から少し離れているので、如何にして表示ユニット20がラックレール1に直線的に差し込まれたり、そこから取り出されるのかが分かる。差し込まれた状態では、これらは、切欠き13の下方の縁に、即ち、第二の境界画定壁3から最も離れた縁に接触する。図3に図示された切欠き13は、凡そ固定用フック33と同じ幅であるか、或いはそれよりも僅かに広い幅である。このことは、細かいが、良く定義された格子を実現し、その結果、電子表示ユニット20を最早ラックレール1に沿って連続的に移動できるのではなく、明らかに所定の場所に設置できることになる。
【0192】
図6Aにおいて明らかな通り、表示ユニット1の内部において、ばね部品35が、一方において筐体21に作用し、他方において固定機構32に作用し、その結果、固定用フック33が、後方壁22の切欠き13の下方の縁に対して押し付けられて、それにより、電子表示ユニット20が第二の境界画定壁3の方向に上方に向かって押される。図2で見ることができる通り、配線支持体5の下方の縁又は側が、即ち、第二の境界画定壁3から最も遠くに在る配線支持体5の側が、配線支持体用スリット26の最も深い箇所に当接し、その結果、電子表示ユニット20とラックレール1の間の明確に定義された機械的な接触箇所が得られる。そのように定義された二つの別の接触箇所が、前方壁23の周縁領域12と上縁との間に在るとともに、基準壁2と電線6の領域内に延びる後方壁22の領域との間に在る。これらの所定の接触箇所は、繋ぎ合わされた状態において、ラックレール1に対する電子表示ユニット20の揺るぎない点又はその逆に対する点を一義的に定めることを可能にする。即ち、表示ユニット20をラックレール1に差し込んだ際に、ばね部品35のばねの作用によって、表示ユニット20が、再現可能な形で自動的に常に同じ形で、或いは常に最適な形でラックレール1に収容されて、向きを調整される。
【0193】
ここで、ボタン34が押されると、固定用フック33と基準壁2の連結が解除され、それに続いて、下方に向かって、場合によっては、配線支持体5の寸法だけ下げた後に前方に向かって傾けた形でも、電子表示ユニット20をラックレール1から取り出すことができる。ボタン34が操作されると、固定用フック33が一方において上方に向かって、即ち、第二の境界画定壁3の方向に動き、他方において電子表示ユニット20の中に、即ち、基準壁2から遠ざかるように動き、それによって、ラックレール1から取り出すために、表示ユニット20が解放される。
【0194】
図4は、後方から見た、即ち、視線を後方壁22に向けた形で見た電子表示ユニット20を図示している。この図面では、金属製接点ベルト27の盛り上がった形状31の位置が、後方壁22の筐体開口部を通して見える。そこでは、これらは電気的に接触し、その結果、ラックレール1の外でも表示ユニット20を動作させたり、試験することができる。
【0195】
更に、図4では、後方壁22が、前述の格子状に配置された盛り上がった筐体尾根部54を有し、これらの尾根部の間には、筐体峡谷部55が在ることが分かる。これらの構造54と55は、幅が同じで、直線的に構成され、配線支持体用スリット26の長手方向の延びに対して厳密に90°の角度で、即ち、上方の側方壁25から下方の側方壁25の方向に延びている。また、このラックレール1は、その第一の境界画定壁又は基準壁2における配線支持体5に対して平行な領域内に境界画定壁尾根部56を有し、これらの尾根部の間には、境界画定壁峡谷部57が在る。これらの構造56と57は、幅が同じで、直線的に構成され、ラックレール1の長手方向の延びに対して厳密に90°の角度で延びている。
【0196】
これらのラックレール1の構造56と57は、筐体25の構造54と56に対して、それぞれ一単位格子の分だけずれており、その結果、筐体尾根部54は、境界画定壁峡谷部57内に入り込むことができる一方、境界画定壁尾根部57は、筐体峡谷部55に入り込むことができる。有利には、固定用フック又は固定用取手33のための筐体開口部の位置は、常に筐体尾根部54の位置に在る。
【0197】
これらの構造54~57は、表示ユニット20を傾斜させて差し込む時に発生する可能性がある接触エラー、場合によっては、電線6の間の短絡を防止するために、表示ユニット20が、ラックレール1に押し込まれた際に、早期に配線支持体5の長手方向の延びに対して出来る限り精確に直角(90°)の方向を向くことを保証する。
【0198】
図5は、電子表示ユニット20の側面図を図示しており、図1及び2と異なり、表示ユニット20がラックレール1の無い形で図示されている、即ち、固定用フック33も見える。
【0199】
図9は、ラックレール1の側方の終端区画に差し込まれて、そこでラックレール1と連結された供給機器40を図示している。
【0200】
この供給機器40は筐体部分41を備え、この図面では、この部分の大部分が、そこに在るコンポーネントへの視野を保証するために、破断された形で図示されている。この供給機器40は、電力供給回路42を備え、この回路には、アンテナ43も付属し、この電力供給回路42は、アンテナ43を用いて無線に基づきアクセスポイントとデータを交換して処理するとともに、ラックレール1における機器と有線接続形態で通信するか、或いはこれらの機器を制御して、これらの機器にその動作のための電力を供給するように構成されている。
【0201】
この供給機器40は、表示機器20の接点と同様に、第二のグループの金属製接点ベルト44として実現された接点を有する。これらの接点ベルト44の各々は、電力供給回路42と半田付けされた第一の終端区画45と、接触ゾーンとしてアーチ形状47を有する第二の終端区画46とを有する。
【0202】
これらの第一の終端区画45と第二の終端区画46は、互いに凡そ平行に配置されており、各接点44がC字又はU字の形状となるように互いに連結されている。それにより、ラックレール1の側方の縁が包み込まれている、詳しくは、所望の接触領域外で接触しないように包み込まれている。
【0203】
これらの接点ベルト44は、弾性に構成されており、所定の接触力を提供する付勢により、そのアーチ形状47を電線6に対して押し付けており、各接点ベルト44は、精確に一つの電線6に割り当てられている。
【0204】
この筐体部分41は、片側(図9の視点で左側)が開いており、その結果、(図9の視点で右から)供給機器40をラックレール1に押し込むことができ、その際、接点ベルト44が、そのアーチ形状47を電線6に沿ってスライドさせて、導電接続を構築する。この電力供給回路42は、ラックレール1の基準壁2の後方に押し込まれて、そこで、ラックレール1の部分によって取り囲まれて保護される。この筐体部分41は、所定の接触ゾーンを有し、ラックレール1に対する供給回路42の精確な設置を保証するために、この接触ゾーンを用いて、ラックレール1と機械的に接触する。
【0205】
図10は、ラックレール1に挿入された供給回路42を図示しており、見易くするために、例えば、筐体部分41やアンテナ43などの幾つかのコンポーネントの図示が省略されている。
【0206】
図11は、蓄電池(さもなければ再充電可能なバッテリー)51と固定部品52を備え、供給機器40と(図示されていない)ケーブルで接続された再充電可能な蓄電池ユニット50を図示している。この固定部品52は、三角形に配置された三つの磁石を用いて実現されており、ラックの鋼鉄から製造されたラック側方部分53に平面的に載せるための接触面を有する。蓄電池ユニット50を見えるようにするために、このラックから、ラック底部が取り去られている。
【0207】
ラックレール1は、このラック側方部分53に対して直角に取り付けられる。
【0208】
保守の際に、磁石接続のために、蓄電池ユニット50全体を容易に取り外して、交換することができる。
【0209】
図14では、ラックレール1の一つの区画と表示ユニット20を後方側から見ている。図15では、これら二つの部材1と20が互いに分離された形で図示されており、ここでは、筐体21も、表示ユニット20の内部が見えるように、その後方壁を破断された形で図示されている。図16では、表示ユニット20が差し込まれたラックレール1をその後方側から見ており、図17は、図16の断面線BBに沿った断面を図示している。ここでは、見易くするとの理由から、これらの図では、符号の中の幾つかが記入されていないことに言及したい。
【0210】
前の図面に図示された表示ユニット20と異なり、ここでは、固定手段のマルチピース構成が採用されている。この場合には、筐体21が、筐体21の構成部分として実現された二つの固定用フック又は固定用取手58を備えている。これらの固定用フック又は固定用取手58は、図14,16及び17において明確に見ることができる通り、ラックレール1の切欠き13に嵌まり込む。
【0211】
図15では、二つの固定用フック又は固定用取手58を操作するために配備された二つの操作突起59を有するボタン34を詳細に見ることができる。更に、図17では、如何にして操作突起59が固定用フック又は固定用取手58と協力して動作するのかを、言い換えると、長手方向の延びに対して傾斜した向きの平面60、即ち、それぞれの構成部分の端に形成され、その結果、ボタン34を操作した際に構成部分の端が互いに接してスライドできるようにする傾斜面(図17も参照)によって協力して動作するのかを見ることができる。ボタン34を操作した際に、二つの操作突起59が、操作突起59の長手方向の動きにより筐体の内部に押し付けられて、ラックレール1と表示ユニット20の間の連結が解除される。
【0212】
最後に、前に詳しく説明した図は、単に本発明の範囲を逸脱すること無く当業者によって様々な手法で修正できる実施例であることをもう一度指摘しておく。また、完璧にするために、「一つの」との不定詞の使用は、関連する特徴が複数存在する可能性を排除しないことも指摘しておく。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】