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特表2024-513294置き忘れられたモバイルデバイスの検出および管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】置き忘れられたモバイルデバイスの検出および管理
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/24 20060101AFI20240315BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20240315BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G08B21/24
G08G1/123 A
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550086
(86)(22)【出願日】2021-08-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 US2021048136
(87)【国際公開番号】W WO2022186860
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】17/189,620
(32)【優先日】2021-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522122916
【氏名又は名称】ジーエム クルーズ ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ゲレーゼ,アレクサンダー,ウィレム
(72)【発明者】
【氏名】ジュエル,ジェレミー ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ミルダ,アーカンクシャ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,イーフェイ
【テーマコード(参考)】
5C086
5H181
【Fターム(参考)】
5C086AA21
5C086BA22
5C086CA06
5C086CA10
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA15
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA07
5H181AA21
5H181AA25
5H181AA26
5H181AA27
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF21
5H181FF27
5H181MA44
5H181MA48
(57)【要約】
モバイルデバイスを車両内に残されたときを検出し、置き忘れられたデバイスを所有者に返却するためのシステムおよび方法。追加的に、モバイルデバイスを車両内に残されるのを防止するためのシステムおよび方法が提供される。特に、車両内のセンサおよびモバイルデバイス上のセンサを使用して、所有者が車両から降りて移動を終えた後にモバイルデバイスが車両内に残っているときにそれを識別することができる。置き忘れられたデバイスをユーザに通知し、デバイスをユーザにインテリジェントに返却するためのシステムおよび方法が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内のデバイスを検出するための方法であって、
前記車両内の前記デバイスとの接続を確立するステップと、
乗客降車場所において、防止ルーチンを実行するステップと、
乗客が降車した後、前記デバイスとの前記接続が維持されているかどうかを決定するステップと、
前記決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するステップと
を含む方法。
【請求項2】
デバイスライドシェアアプリケーションを介して前記デバイスから発せられた選択された高周波音を検出するステップをさらに含み、前記デバイスとの接続を確立するステップは、前記選択された高周波を継続的に検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記デバイスとの前記接続が維持されているかどうかを決定するステップは、乗客が降車した後、前記選択された高周波が検出可能であるかどうかを決定するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記接続を確立するステップは、前記デバイスと前記車両との間のワイヤレスデータ接続を確立するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
接続を確立するステップは、少なくとも1つの撮像センサを介して前記デバイスを検出するステップを含み、前記少なくとも1つの撮像センサを介して前記デバイス位置を追跡するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
デバイスライドシェアアプリケーションを介してデバイス位置を追跡するステップと、乗客が降車した後、前記デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
乗客が降車した後、前記デバイスが前記車両内にあることを決定するステップと、前記デバイスを前記車両内の収納コンパートメントに収納するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
リカバリコードの入力、顔認識、および音声認識のうちの少なくとも1つに基づいて、前記収納コンパートメントへのアクセスを可能にするステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、
前記車両への乗客の乗車および前記車両からの乗客の降車を検出するように構成された前記車両上のセンサスイートと、
前記車両内の複数のセンサであって、前記センサのうちの少なくとも1つは、前記デバイスを検出し、前記デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、
乗客が降車した後、前記デバイスとの前記接続が維持されているかどうかを決定するように構成され、前記決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するように構成されたオンボードコンピュータと
を備えるシステム。
【請求項10】
前記センサのうちの前記少なくとも1つは、前記デバイスから発せられる選択された高周波音を検出するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記オンボードコンピュータは、乗客が降車した後、前記選択された高周波が前記車両内で検出可能であるかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記センサのうちの前記少なくとも1つは、前記デバイスとのワイヤレスデータ接続を確立するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記センサのうちの前記少なくとも1つは、画像センサであり、前記オンボードコンピュータは、前記画像センサを介して前記デバイスを追跡するようにさらに構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
ライドシェアアプリケーションを介してデバイス位置データを受信するように構成された中央コンピュータをさらに備え、乗客が降車した後、前記中央コンピュータは、デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
前記デバイスを収納するように構成された収納コンパートメントをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項16】
前記デバイスを前記収納コンパートメント内に配置するように構成されたロボット機構をさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、
前記車両内の複数のセンサであって、前記複数のセンサのうちの少なくとも1つは、前記デバイスを検出し、前記デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、
乗客が降車した後、前記デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するように構成された、前記車両内のオンボードコンピュータと、
ライドシェアアプリケーションを介して前記デバイスと、および前記オンボードコンピュータと通信するように構成された中央コンピューティングシステムであって、前記デバイスにデータを送信し、デバイス位置データを受信するように構成された、中央コンピューティングシステムと
を備えるシステム。
【請求項18】
前記ライドシェアアプリケーションを介して前記デバイスに送信される前記データは、選択された高周波と、前記ライドシェアアプリケーションが前記デバイスから前記選択された高周波音を発するための命令とを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数のセンサのうちの前記少なくとも1つは、前記デバイスから発せられた前記選択された高周波音を検出するように構成され、前記オンボードコンピュータは、乗客が降車した後、前記選択された高周波が前記車両内で検出可能であるかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記中央コンピューティングシステムは、乗客が降車した後、デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するようにさらに構成される、請求項17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年3月2日に出願された「FORGOTTEN MOBILE DEVICE DETECTION AND MANAGEMENT」と題する米国特許出願第17/189,620号の利益およびそれに対する優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本開示は、一般に、自律車両(AV)と、車両内のデバイスを検出するためのシステムおよび方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
自律車両は、自動運転車、無人運転車両、およびロボット車両としても知られ、複数のセンサを使用して環境を感知し、人間の入力なしに移動する車両である。自律車両における自動化技術により、車両は、車道上を走行し、障害物、標識、および交通信号機を含む車両の環境を正確かつ迅速に認識することができる。車両を使用して、乗客を乗せて、選択された目的地に乗客を運ぶことができる。車両を使用して、パッケージおよび/または他の商品を乗せて、パッケージおよび/または商品を選択された目的地に配達することもできる。
【0004】
自律車両に乗っている乗客は、一般に、持ち物を持っており、時折、乗客は、車両内に不注意に忘れ物をすることがある。その忘れ物が、乗客が車両サービスと通信するための乗客のモバイルデバイスである場合、デバイスを返却するために乗客に連絡することは困難であり得る。
【発明の概要】
【0005】
モバイルデバイスが車両内に残されたときを検出し、置き忘れられたデバイス(forgotten device)を所有者に返却するためのシステムおよび方法が提供される。追加的に、モバイルデバイスが車両内に残されるのを防止するためのシステムおよび方法が提供される。特に、車両内のセンサおよびモバイルデバイス上のセンサを使用して、所有者が車両から降りて移動(trip)を終えた後にモバイルデバイスが車両内に残っているときにそれを識別することができる。置き忘れられたデバイスをユーザに通知し、デバイスをユーザにインテリジェントに返却するためのシステムおよび方法が提供される。
【0006】
一態様によれば、車両内に残されたデバイスを検出するための方法であって、車両内のデバイスとの接続を確立するステップと、乗客降車場所において、防止ルーチンを実行するステップと、乗客が降車した後、デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するステップと、決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するステップとを含む方法が提供される。
【0007】
別の態様によれば、車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、乗客が車両に乗り降りするときを決定するように構成された車両上のセンサスイートと、車両内の複数のセンサであって、センサのうちの少なくとも1つは、デバイスを検出し、デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、乗客が車両から降りた後にデバイスとの接続が維持されるかどうかを決定するように構成され、決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するように構成されたオンボードコンピュータとを備えるシステムが提供される。
【0008】
別の態様によれば、車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、車両内の複数のセンサであって、複数のセンサのうちの少なくとも1つは、デバイスを検出し、デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、乗客が降車した後、デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するように構成された、車両内のオンボードコンピュータと、ライドシェアアプリケーションを介してデバイスと、およびオンボードコンピュータと通信するように構成された中央コンピューティングシステムであって、デバイスにデータを送信し、デバイス位置データを受信するように構成された、中央コンピューティングシステムとを備えるシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示は、添付の図面とともに読まれるとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。当業界における標準的な慣行にしたがって、様々な特徴は必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、例示の目的のみのために使用されることが強調される。縮尺が明示的または暗示的に示される場合、それは、1つの実例となる例を提供するにすぎない。他の実施形態では、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために、任意に増加または減少され得る。
【0010】
本開示ならびにその特徴および利点のより完全な理解を提供するために、添付の図面と併せて以下の説明が参照され、同様の参照番号は同様の部分を表す。
図1】本開示のいくつかの実施形態による、自律車両を示す図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、モバイルデバイス検出のための方法を示す図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による、モバイルデバイス検出および回収のための方法を示す図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、デバイス通知の例を示す。
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、デバイス通知の例を示す。
図5】本開示の様々な実施形態による、モバイルデバイス回収のための方法を示す図である。
図6】本開示の様々な実施形態による、自律車両および乗客を示す図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による、中央コンピュータと通信している自律車両のフリートを示す図である。
図8】本技術の特定の態様を実装するためのシステムの例示的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
概要
モバイルデバイスが車両内に残されたときを検出し、置き忘れられたデバイスを所有者に返却するためのシステムおよび方法が提供される。追加的に、モバイルデバイスが車両内に残されるのを防止するためのシステムおよび方法が提供される。特に、車両内のセンサおよびモバイルデバイス上のセンサを使用して、所有者が車両から降りて移動を終えた後にモバイルデバイスが車両内に残っているときにそれを識別することができる。置き忘れられたデバイスをユーザに通知し、デバイスをユーザにインテリジェントに返却するためのシステムおよび方法が提供される。
【0012】
モバイル技術が指数関数的な速度で向上するにつれて、人々の日常生活の活動のより多くがモバイルデバイスを通じて行われるようになっている。したがって、モバイルデバイスなしでは、人は、物品またはサービスの代金を支払うこと、家のドアを開錠すること、友人、家族、同僚、または救急サービスに連絡すること、および目的地へのまたは目的地からの移動手段(transportation)を手配することなど、特定の重要な活動を実行することができないことがある。追加的に、デバイスは、非常に高価であり得、多くの人は、自身のモバイルデバイスに多額の投資を行う。乗客が誤って車両にモバイルデバイスを忘れた場合、乗客は、デバイス自体への投資だけでなく、デバイス上のデータも失い、日常活動を予定通りに進めることができなくなる危険性がある。
【0013】
現在のライドシェアサービスは、紛失した物品を回収する方法を提供するが、物品の回収には、運転手が物品を返却しなければならないという不都合に対して追加費用が発生する。追加的に、現在のライドシェア物品回収サービスは、物品が実際に車内で発見されたことを認める運転手の思慮分別に依存しており、数百ドルもする(多くの場合千ドルを超える)デバイスを返却するインセンティブは低い。本明細書では、乗客が自律車両内にモバイルデバイスを不注意に忘れるという問題を解決するためのシステムおよび方法、ならびに置き忘れられたデバイスをデバイス所有者に返却するためのシステムおよび方法が提供される。
【0014】
以下の説明および図面は、本開示の様々な原理が実行され得るいくつかの例示的な方法を示す、本開示の特定の実例となる実装形態を詳細に記載する。しかしながら、実例となる例は、本開示の多くの可能な実施形態を網羅するものではない。本開示の他の目的、利点、および新規の特徴は、適用可能な場合、図面を考慮して以下に記載される。
【0015】
モバイルデバイス検出のために構成された例示的な自律車両
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、自律車両110を示す図100である。自律車両110は、センサスイート102およびオンボードコンピュータ104を含む。様々な実装形態では、自律車両110は、センサスイート102からのセンサ情報を使用して、その位置を決定し、交通をナビゲートし、障害物を感知して回避し、その周囲を感知する。様々な実装形態によれば、自律車両110は、乗客および/または荷物を乗せて、選択された目的地まで運転するための車両のフリートの一部である。自律車両110は、モバイルデバイス検出および管理のために構成される。
【0016】
センサスイート102は、位置特定および運転センサを含む。例えば、センサスイートは、光検出器、カメラ、RADAR、SONAR、LIDAR、GPS、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、マイクロフォン、歪みゲージ、圧力モニタ、気圧計、温度計、高度計、車輪速度センサ、およびコンピュータビジョンシステムのうちの1つまたは複数を含み得る。センサスイート102は、自律車両の環境を継続的に監視し、いくつかの例では、センサスイート102のデータは、選択されたイベントを検出するために使用される。具体的には、センサスイート102からのデータを使用して、選択されたイベント、遭遇したイベントの場所、および識別された場所でイベントに遭遇する頻度を識別するウェイポイントを有するレイヤを開発するために使用される情報を有するマップを更新することができる。いくつかの例では、センサスイート102からのデータは、選択された会場の外および/または周りの混雑および/または行列に関する情報を含むことができる。追加的に、センサスイート102のデータは、局所的な交通情報を提供することができる。このようにして、多くの自律車両からのセンサスイート102のデータは、マッピングシステムにフィードバックを継続的に提供することができ、ますます多くの情報が収集されるにつれて、高忠実度マップを更新することができる。
【0017】
様々な例では、センサスイート102は、固定された取付け(mounting)および視野を有する高解像度イメージャを使用して実装されたカメラを含む。さらなる例では、センサスイート102は、走査型LIDARを使用して実装されたLIDARを含む。走査型LIDARは、走査するように意図された領域の点群を提供する動的に構成可能な視野を有する。さらに別の例では、センサスイート102は、動的に構成可能な視野を有する走査型RADARを使用して実装されたRADARを含む。
【0018】
いくつかの実装形態では、センサスイート102からのデータを使用して、車両から降りる乗客を検出すること、および/または乗客が車両から降りたことを決定することができる。いくつかの例では、センサスイート102を使用して、乗客が車両から降りた後の乗客の初期の動きを追跡することができる。いくつかの例では、乗客の降車の決定は、乗客が車両から降りたことを検出することによって満たされる。例えば、内部カメラおよび/または外部カメラを使用して、乗客が車両から降りたことを検出することができる。いくつかの例では、他の内部センサおよび/または外部センサを使用して、乗客が車両から降りたことを検出することができる。
【0019】
自律車両110は、自律車両110を制御するように機能するオンボードコンピュータ104を含む。オンボードコンピュータ104は、自律車両110の状態を決定するために、センサスイート102および/または他のセンサからの感知されたデータを処理する。本明細書で説明されるいくつかの実装形態では、自律車両110は、車両内部にセンサを含む。いくつかの例では、自律車両110は、車両内部に1つまたは複数のカメラを含む。カメラを使用して、車両内部の物品または人を検出することができる。いくつかの例では、自律車両110は、車両内部に1つまたは複数の重量センサを含み、これは、車両内部の物品または人を検出するために使用することができる。いくつかの例では、内部センサを使用して、車両内部の乗客を検出することができる。いくつかの例では、内部センサを使用して、車両内部のモバイルデバイスを検出することができる。車両の状態およびプログラムされた命令に基づいて、オンボードコンピュータ104は、自律車両110の運転挙動を制御および/または修正する。
【0020】
オンボードコンピュータ104は、自律車両110の動作および機能を制御するように機能し、自律車両の状態を決定するために、センサスイート102および/または他のセンサからの感知されたデータを処理する。いくつかの実装形態では、オンボードコンピュータ104は、車両制御システムおよびセンサシステムとのI/O通信に適合された汎用コンピュータである。いくつかの実装形態では、オンボードコンピュータ104は、任意の適切なコンピューティングデバイスである。いくつかの実装形態では、オンボードコンピュータ104は、ワイヤレス接続を介して(例えば、セルラーデータ接続を介して)インターネットに接続される。いくつかの例では、オンボードコンピュータ104は、任意の数のワイヤレスまたはワイヤード通信システムに結合される。いくつかの例では、オンボードコンピュータ104は、自律車両によって形成されたメッシュネットワークなどの、デバイスのメッシュネットワークを介して1つまたは複数の通信システムに結合される。
【0021】
様々な実装形態によれば、図1の自律運転システム100は、自律車両110が(例えば、乗客インターフェースを介して)車両乗客によって設定されたパラメータに応答して運転挙動を修正および/または設定することを可能にするように機能する。自律車両の運転挙動は、明示的な入力またはフィードバック(例えば、乗客が最高速度または相対的な快適レベルを指定すること)、暗示的な入力またはフィードバック(例えば、乗客の心拍数)、または任意の他の適切なデータまたは運転挙動の好みを通信する方法にしたがって修正され得る。
【0022】
自律車両110は、好ましくは、完全自律自動車であるが、追加的または代替的に、任意の半自律車両または完全自律車両であってもよい。様々な例では、自律車両110は、ボート、無人航空機、無人運転車、ゴルフカート、トラック、バン、レクリエーション車、電車、路面電車、三輪車、またはスクータである。追加的または代替的に、自律車両は、半自律状態と完全自律状態との間で切り替わる車両であってもよく、したがって、いくつかの自律車両は、車両の状態に応じて半自律車両および完全自律車両の両方の属性を有してもよい。
【0023】
様々な実装形態では、自律車両110は、エンジンスロットル、モータ速度(例えば、電気モータの回転速度)、または任意の他の移動を可能にする機構を制御するスロットルインターフェースを含む。様々な実装形態では、自律車両110は、自律車両110のブレーキを制御し、自律車両110の任意の他の移動抑制機構を制御するブレーキインターフェースを含む。様々な実装形態では、自律車両110は、自律車両110のステアリングを制御するステアリングインターフェースを含む。一例では、ステアリングインターフェースは、自律車両の車輪の角度を変更する。自律車両110は、追加的または代替的に、任意の他の車両機能、例えば、フロントガラスワイパー、ヘッドライト、方向指示器、空調、などの制御のためのインターフェースを含み得る。
【0024】
モバイルデバイス検出のための例示的な方法
図2は、本開示の様々な実施形態による、モバイルデバイス検出のための方法200を示す図である。様々な実装形態では、乗客のモバイルデバイスは、乗客が車両に乗る前に識別され、追跡される。例えば、乗客がライドシェアアプリケーションを使用しているとき、乗客のモバイルデバイス識別情報およびGPS位置がライドシェアアプリケーションと共有される。追加的に、自律車両が乗車位置に到着すると、車両は、乗客が車両に乗る前に乗客のモバイルデバイスに接続し、乗客のモバイルデバイスを追跡し得る。方法200は、ステップ202において乗客が車両に乗ると開始する。ステップ204において、乗客のデバイスが検出される。いくつかの例では、ステップ202において、乗客のデバイスは、乗客が車両の近くにいるときに、乗客が車両に乗る前に検出される。ステップ206において、デバイスと車両との間の接続が確立される。様々な例では、この接続により、車両はデバイスを追跡することができる。
【0025】
モバイルデバイスは、一般に、デバイスを識別および追跡するために構成された複数のセンサを含む。モバイルデバイスに組み込まれたセンサは、車両内のセンサと併用することができる。一般に、車両はまた、車両の内部および外部の両方に多くのセンサを含む。いくつかの車両センサを使用して、乗客のモバイルデバイスを追跡することができる。ステップ204においてデバイスを検出することができる方法は多種多様である。同様に、ステップ206においてデバイスとの接続を確立することができる方法も多種多様である。
【0026】
一例では、高周波音を使用して、モバイルデバイスを識別して接続する。特に、乗車をリクエストするために使用されるライドシェアモバイルアプリケーションは、選択された高周波音をモバイルデバイス上で再生させることができる。高周波音は、人間が知覚できるものよりも高い。デバイスから発せられる特定の周波数がデバイスを識別するために使用され得るように、特定の周波数が特定のモバイルデバイスに割り当てられ得る。車両のマイクロフォンは、高周波音を検出し、周波数がデバイスに送信された特定の周波数と一致することを検証することができる。デバイスは、乗車が終了した後まで周波数を発し続ける。いくつかの例では、ライドシェアアプリケーションは、デバイスに、乗車が終了してから、選択された期間の間、周波数を発することを行わせる。乗客が車両から降りた後に車両センサが高周波音を検出し続けた場合、デバイスが車両内に残されたと決定することができる。様々な例では、デバイスによって発せられる高周波音は、デバイスが車両を離れてから数秒以内に、車のマイクロフォンでは知覚できなくなる。したがって、この方法は、乗客が車両を降りてから数秒以内に、置き忘れられたデバイスを識別することができる。
【0027】
第2の例では、ライドシェアアプリケーションは、モバイルデバイスのGPS位置を追跡する。ライドシェアアプリケーションは、アプリケーションが使用されているときにモバイルデバイスのGPSデータにアクセスして、乗車位置を決定する。モバイルデバイスのGPSデータは、途中でおよび目的地で監視され続けることができる。乗客が車両から降りると、モバイルデバイスのGPS位置を追跡して、車両のGPS位置から乖離していることを確認することができる。乗客が降車した後、モバイルデバイスのGPS位置が車両位置から乖離しない場合、モバイルデバイスが車両内に残されたと決定することができる。追加的に、デバイス加速度計データを監視し、車両加速度計データと比較して、差(またはデバイスが車両内にある場合には差がないこと)を検出することができる。
【0028】
第3の例では、車載撮像デバイスを使用して、車両内のモバイルデバイスを識別することができる。特に、車両内のカメラは、画像認識技術ならびにモバイルデバイスの一般的なフォームファクタ(例えば、矩形、約5~6インチ×約2.5インチ、ブラックスクリーン、など)およびモバイルデバイスがある一般的な場所(例えば、人の手の中、人のポケットの中、または座席に置いてある)などのヒューリスティクスと併用され得る。これらの技術を使用して、カメラの視野内にあるモバイルデバイスを高精度で識別することができる。乗客が車両から降りるとき、車載カメラが車内のスイープを実行し、視覚的にモバイルデバイスが残されていないことを確認することができる。車両内でデバイスが識別される場合、モバイルデバイスが乗車中に追跡されるので、この方法は、置き忘れられたデバイスをほぼ直ちに検出する。いくつかの例では、乗客の降車の決定は、乗客が車両から降りたことを(例えば、内部センサおよび/または外部センサを介して)検出することによって満たされる。
【0029】
第4の例では、近距離無線通信(NFC)センサを使用して、モバイルデバイスを検出することができる。一般に、NFCセンサは、短距離センサであり、通常、約2インチの範囲内のデバイスのみを検出する。いくつかの例では、NFCセンサは、車載電話充電器の隣、または乗客が移動中に自身の電話を置く可能性が高い他の場所など、車両内に戦略的に位置する。NFCセンサは、デバイスが車両内に残されているかどうかに関して強い信号を与えることができる。特に、NFCセンサによるデバイス感知は、デバイスが車両内にあることを示す。
【0030】
第5の例では、Bluetooth(登録商標)信号を使用して、車両内のモバイルデバイスを検出することもできる。特に、Bluetooth(登録商標)は、特定の半径内でのみ接続する。したがって、乗客のモバイルデバイスがBluetooth(登録商標)信号を介して車両媒体に接続し、乗客が車両から降りた後に接続が維持される(および、乗客と車両との間の距離がBluetooth(登録商標)信号半径を超える)場合、モバイルデバイスが車両内に残されていると決定することができる。
【0031】
同様に、第6の例では、モバイルデバイスは、車両内WiFiに接続することができる。WiFi信号は、特定の半径内でのみ接続する。したがって、乗客のモバイルデバイスが車両WiFiに結合され、乗客が車両から降りた後に接続が維持される(および、乗客と車両との間の距離がWiFi信号半径を超える)場合、モバイルデバイスが車両内に残されていると決定することができる。
【0032】
第7の例では、座席重量センサは、車両座席上に残されたモバイルデバイスを検出することができる。乗客が車両から降りた後、座席重量センサは、座席上に残された物品の重量を検出することができる。別のセンサを使用して、感知された重量がモバイルデバイスであるか、何らかの他の物品であるかを識別し得る。
【0033】
様々な実装形態によれば、上記の例のうちの1つまたは複数を使用して、乗車中にデバイスとの接続を確立することができる。図3は、本開示のいくつかの実施形態による、自律車両302の内部の上面図を示す図300である。図3に示されるように、モバイルデバイス304は、車両302の後部座席上にある。複数のセンサ306a、306b、306c、306d、306e、306f、306gが車両全体にわたって位置しており、様々な実装形態では、センサ306a~306gのうちの1つまたは複数は、センサ306a~306gの他のものとは異なり得る。図3に示されるように、モバイルデバイス304は、第1のセンサ306a、第2のセンサ306e、第3のセンサ306f、および第4のセンサ306gに結合される。一例では、第1のセンサ306aは、デバイス304からの高周波音を検出するマイクロフォンであり、第2のセンサ306eは、デバイス304を検出するカメラであり、第4のセンサ306eは、デバイス304が結合されるBluetooth(登録商標)リンクである。様々な例では、車両302内に1人または複数の乗客が降り、他の例では、1人または複数の乗客は車両302から降りている。
【0034】
ステップ208において、目的地の降車場所において、防止ルーチンが実施される。防止ルーチンは、乗客が自身のモバイルデバイスを車両内に忘れてくるのを防止するように設計される。いくつかの例では、降車前の音声メッセージが再生され、すべての持ち物を持っていることを確認するよう乗客にリマインドする。いくつかの例では、降車前の視覚的メッセージが車両内のスクリーンに表示され、すべての持ち物を持っていることを確認するよう乗客にリマインドする。いくつかの例では、乗客の電話にメッセージが表示され、持ち物を持っていくように乗客にリマインドする。いくつかの例では、乗客の電話から音声メッセージが再生され、持ち物を持っていくように乗客にリマインドする。一例では、メッセージは、乗客が電話をチェックするためのリマインダを含む。いくつかの例では、乗客は、車両から降りる際に自身のデバイスをセンサに通すように求められる。他の例では、乗客のデバイスに通知が送信され、乗客にその降車場所を確認するように求めるか、または他の方法で乗客を自身のデバイスに関与させる。
【0035】
車両が降車場所に到達すると、乗客が車両から降りてから、選択された期間の間、接続を維持し続けることができる。例えば、デバイス上のライドシェアアプリケーションは、デバイスに、10秒間、20秒間、30秒間、または1分間、接続を継続しようとさせ得る。このようにして、乗客が降りた後に依然としてデバイスが車両内にある場合、接続は強いままとなり、デバイスが車両内に残っていることを示す。しかしながら、デバイスが乗客とともに車両から出た場合、デバイスと車両との間の距離が増加するにつれて、接続を継続しようとしても、接続は切断されることになる。
【0036】
ステップ210において、乗客が車両を降りた後にモバイルデバイスが車両内に残されたかどうかが決定される。モバイルデバイスが車両内に残されているとして検出されない場合、方法200は終了する。いくつかの例では、ステップ210において、デバイスが車両内に残されたことを乗客に通知するプッシュ通知が乗客のモバイルデバイスに送信される。通知により、乗客は、乗客が自身のモバイルデバイスを持っていることを確認することができるので、モバイルデバイスが、車両内に残されていると誤って検出された場合に、乗客は、デバイスを所持していることを示すことができ、方法200が終了する。
【0037】
図4Aおよび図4Bは、本開示のいくつかの実施形態による、デバイス通知の例400、420を示す。特に、図4Aは、プッシュ通知406を示すデバイス402の例400を示す。プッシュ通知406は、ロック画面上、ホーム画面上、またはライドシェアアプリケーションにおいて表示され得る。ユーザがデバイスを有している場合、プッシュ通知406は、デバイスが車両内に残されている可能性があるとライドシェアアプリケーションが決定したことをユーザに警告する。図4Bは、デバイス402の例420を示しており、ユーザが紛失デバイス通知を却下するためのボタン422が表示されている。ボタン422により、ユーザは、紛失電話通知を却下することができる。様々な実装形態では、通知を却下するためにコードまたはパスワードが入力される。例えば、電話ロックコードまたはライドシェアアプリケーションパスワードが入力され得る。このようにして、異なる乗客がデバイスを発見または拾得した場合、その異なる乗客は、通知を却下することも、紛失電話プロトコルを終了することもできない。
【0038】
ステップ210において、デバイスが車両内に残されたと決定された場合、ステップ212において、乗客通知プロトコルが開始される。乗客は、いくつかの異なる方法で、発見されたデバイスを通知され得る。いくつかの例では、乗客ライドシェアアカウントは電子メールアドレスを含み、電子メールアドレスに通知が送信される。いくつかの例では、乗客ライドシェアアカウントは、1つまたは複数の指定された回収連絡先を含み、1つまたは複数の指定された回収連絡先に電子メールおよび/またはテキストメッセージが送信される。いくつかの例では、音声メッセージが、1つまたは複数の指定された回収連絡先に送信される。いくつかの例では、ユーザのライドシェアアカウントには、ウェブブラウザを介してアクセスすることができ、ユーザのライドシェアアカウントに通知が送信される。いくつかの例では、車両は、デバイスを車両に忘れてきた乗客とともに移動する1人または複数の同乗者のデバイスと結合され、1人または複数の同乗者に通知される。
【0039】
モバイルデバイス回収のための例示的な方法
図5は、本開示の様々な実施形態による、モバイルデバイス回収のための方法500を示す図である。ステップ502において、モバイルデバイスが車両内に残されているとして検出された場合、ステップ504において、乗客が車両の近くにいるかどうかが決定される。いくつかの例では、これは、乗客が車両を降りてからの時間量に基づく(非常に短い時間量は、乗客がまだ近づくにいることを示す)。いくつかの例では、乗客が近くにいることを示すカメラまたはビデオ画像などのセンサスイートデータに基づく。いくつかの例では、デバイスとの接続に基づく。いくつかの例では、GPSデータに基づく。ステップ504において、乗客がまだ車両の近くにいる場合、ステップ506において、乗客に警告する。乗客に警告することは、クラクションまたは音声アナウンスなどの大きな音を周囲の領域に発することと、1つまたは複数の外部(外向き)ディスプレイに「携帯電話の忘れ物あり」メッセージを表示することとを含むことができる。
【0040】
図6は、本開示の様々な実施形態による、自律車両110および乗客620を示す図600である。乗客620は、自律車両110のセンサスイート102からある距離622離れている。様々な例では、所与の距離622離れた位置において、センサスイート102は乗客620を検出することができ、乗客620は、車両から発せられるアナウンスまたは他の音を聞くことができるが、乗客は、車両から十分に離れているため、確立された接続からデバイスが切断されるはずである。デバイスが依然として結合されている場合、デバイスがまだ車両110内にある可能性が高いと決定することができる。
【0041】
ステップ508において、乗客がモバイルデバイスを回収するために車両に戻ったかどうかが決定される。乗客が車両に戻った場合、方法500はステップ502に戻り、車両内に残っているデバイスがないことを確認することができ、残っている場合、ステップ504に進む。
【0042】
ステップ504において、置き忘れられたモバイルデバイスが検出されたときに乗客がもはや近くにいない場合、方法はステップ510に進む。同様に、ステップ508において、乗客が車両に戻らない場合、方法はステップ510に進む。いくつかの例では、ステップ512はステップ510と同時に行われる。ステップ510において、モバイルデバイスは、安全な場所に移動される。
【0043】
モバイルデバイスを安全な場所に移動させるための選択肢はいくつかある。いくつかの実装形態では、アプリまたは車内メッセージは、置き忘れられたデバイスを安全なボックスに入れるように次の乗客に依頼することができる。乗客には、置き忘れられたデバイスを保管することに協力するためのインセンティブ、例えば、乗車クレジットなどが提供され得る。いくつかの例では、車両は、最寄りの車庫または倉庫に戻り、そこで、サービス員は、安全に保管するためにデバイスを手動で取り外すことができる。いくつかの実装形態では、車両内のロボットデバイスが、置き忘れられたデバイスを取り出す。例えば、単純なロボットデバイスにより、車両の座席上のあらゆる物品を車の床上の格納式トレイ内に自動的に押し込むことができる。格納式トレイは、座席の下から外に延びて、座席上の押されたあらゆる物品を受け止め、車両の座席の下に戻る。他の例では、車両内のロボットアームがデバイスをピックアップし、それを保管のために安全なボックスに入れる。
【0044】
ステップ510においてモバイルデバイスを安全に保管することに加えて、ステップ512において、方法500は、発見されたデバイスを乗客に通知し、回収プロセスを開始することを含む。発見されたデバイスについて、いくつかの異なる方法で乗客に通知することができる。いくつかの例では、乗客ライドシェアアカウントは電子メールアドレスを含み、電子メールアドレスに通知が送信される。いくつかの例では、乗客ライドシェアアカウントは、1つまたは複数の指定された回収連絡先を含み、1つまたは複数の指定された回収連絡先に電子メールおよび/またはテキストメッセージが送信される。いくつかの例では、音声メッセージが、1つまたは複数の指定された回収連絡先に送信される。いくつかの例では、ユーザのライドシェアアカウントには、ウェブブラウザを介してアクセスすることができ、ユーザのライドシェアアカウントに通知が送信される。
【0045】
ステップ514において、デバイス回収プロセスが開始される。デバイス回収プロセスは、デバイスを所有者に返却するプロセスである。いくつかの例では、ユーザは、オンラインポータルを通じてデバイス返却詳細を設定することができる。例えば、ユーザは、デバイスがどこに返却されるべきか、およびデバイスがどの時間枠内で返却されるべきかを指定することができる。様々な例では、ユーザは、デバイス返却に対する料金を請求され得、料金は、提供されるサービスのレベルに依存する。例えば、ユーザは、ラッシュ料金を支払い、デバイスを直ちに返却してもらうことを選択することができ、車両は、デバイスをユーザに直接配達することができる。いくつかの例では、ユーザは、より少ない額を支払うことを選択して、より長い時間枠内でデバイスを返却してもらってもよい。いくつかの例では、長距離移動、すなわち、選択された距離よりも長い移動の場合、配車アルゴリズムは、車両を、車両を返却アドレスにより近づける乗車リクエストとマッチングすることができる。これにより、車両の利用率を低下させることなくライドシェアサービスを継続することができるとともに、ユーザに請求される返却量を減らすことができる。いくつかの例では、短距離移動(例えば、約5分未満または約2マイル未満)の場合、車両は、安全な返却の確率を最大化し、ユーザエクスペリエンスを向上させるために、返却アドレスに直接配車されることができる。
【0046】
様々な例では、置き忘れられたモバイルデバイスを有する車両が返却アドレスに到着すると、ユーザは、リカバリコードを入力して、ユーザの身元を確認し、デバイスを取り出すためにすることができる。リカバリコードは、ユーザライドシェアアカウントを介して、ユーザの電子メールアドレスを介して、および/または指定されたユーザ回収連絡先を介して、ユーザに送信され得る。いくつかの例では、リカバリコードにより、ユーザは、車両のドアを開けることができる。他の例では、リカバリコードにより、ユーザは、デバイスを含むロックボックスにアクセスすることができる。いくつかの実装形態では、ユーザの身元を確認するために、リカバリコードの代わりに、顔認識および/または音声認識が使用される。
【0047】
いくつかの実装形態では、デバイスは遺失物取扱所に保管され、ユーザは、遺失物取扱所に移動してデバイスを取り出すことを選択することができる。他の例では、遺失物取扱所に保管されたデバイスを、指定されたアドレスに配達するために車両に乗せることができる。
【0048】
いくつかのシナリオでは、モバイルデバイスを紛失した乗客は、乗車を注文した乗客のゲストである。したがって、紛失したモバイルデバイスは、関連するライドシェアアカウントを有していないことがある。ライドシェアアカウントがない場合、デバイスは、図2に関して列挙された例の多くを使用して車両に直接結合することはできない。いくつかの例では、非ライドシェアアカウントユーザは、依然としてWiFiまたはBluetooth(登録商標)に接続し得る。しかしながら、いくつかの例では、デバイスが乗客および/またはライドシェアアカウントユーザのゲストに属するとき、デバイスを検出するための、およびデバイス所有者を決定するための方法はより少ない。いくつかの例では、どの乗客/ライドシェアアカウントユーザとともにゲストが車両に乗ったかが決定され、その乗客に対して、置き忘れられたデバイスに関する警告がなされる。
【0049】
いくつかの例では、ライドシェアのユースケースでは、第1の乗客は、第1の乗客が知らない他の乗客と車両を共有する。第1の乗客が車両にデバイスを忘れてきた場合、他の乗客の誰かがそのデバイスを回収することが可能である。システムを使用して、どの他のデバイスが、紛失したデバイスが車両から一緒に離れたかを追跡して、誰がそれを回収したかを決定することができる。いくつかの例では、車両内のカメラを使用して、紛失したデバイスを回収した人物を特定することができる。いくつかの例では、車両が、紛失したデバイスを検出し、紛失したデバイスを追跡していることを他の乗客に警告することができる。他の乗客は、紛失したデバイスを特定の場所に置くように求められ得る。
【0050】
追加的に、シェアライドにおいて、車両は、車両内の各それぞれのライドシェアアプリケーションユーザのデバイスを追跡する。特に、車両は、どのデバイスがどの乗客に属するかを追跡する。いくつかの例では、顔認識を使用して、乗客が車両に乗るときに乗客を特定することができる。追加的に、各乗客のデバイスから特定の高周波音を再生することができ、各乗客のデバイスは、異なる高周波音を再生する。特定の乗客とともに入ってくる選択された周波数を使用して、特定の乗客を選択された周波数に関連付けることができる。同様に、データ接続では、乗客が車両に乗るときに接続するデバイスのIPアドレスを使用して、特定の乗客をデバイスのIPアドレスに関連付けることができる。
【0051】
例示的な自律車両フリート
図7は、本開示のいくつかの実施形態による、中央コンピュータ702と通信している自律車両710a、710b、710cのフリートを示す図700である。図7に示すように、車両710a~710cは、クラウド704および中央コンピュータ702とワイヤレスで通信する。中央コンピュータ702は、ルーティングコーディネータと、フリート内の車両710a~710cからの情報のデータベースとを含む。自律車両フリートルーティングは、フリート内の複数の車両のルーティングを指す。中央コンピュータは、集中型乗車管理システムとしても機能し、ライドシェアサービス706を介してライドシェアユーザと通信する。車両710a~710cを使用して、それぞれ、図2および図5のデバイス検出および回収方法を実施することができる。いくつかの実装形態では、自律車両710a~710cは、互いに直接通信する。
【0052】
乗客がライドシェアサービス706を介して乗車をリクエストすると、ライドシェアサービス706はそのリクエストを中央コンピュータ702に送信する。中央コンピュータ702は、そのリクエストに基づいて、車両710a~710cを選択する。車両710a~701cが乗客を乗せると、図2および図5の方法に関して上記で説明したように、乗客のデバイスが検出され、乗客のデバイスとの接続が確立される。車両710a~710cは、デバイスを監視し続ける。しかしながら、乗客が車両710a~710cから降りた後にデバイスが車両710a~710c内に残っている場合、車両710a~710cは、中央コンピュータ702に連絡して、デバイス回収プロトコルを開始する。車両710a、710b、710cは、クラウド704を介して中央コンピュータ702と通信する。
【0053】
目的地が選択され、ユーザが車両を注文すると、ルーティングコーディネータは、乗車率および交通渋滞を回避するように経路を最適化することができる。いくつかの例では、目的地への途中で追加の乗客を乗せることができ、追加の乗客の目的地は異なることができる。様々な実装形態では、ルーティングコーディネータは、フリート内のすべての車両のためのルートに関する情報を有するので、ルーティングコーディネータは、車両ルートを調整して、混雑を緩和し、乗車率を高めることができる。
【0054】
上記で説明したように、車両のフリート内の各車両710a~710cは、ルーティングコーディネータと通信する。したがって、フリート内の様々な自律車両710a~710cによって収集された情報を保存し、将来のルーティング決定のための情報を生成するために使用することができる。例えば、センサデータを使用して、ルート決定パラメータを生成することができる。一般に、フリート内の車両から収集された情報は、ルート生成または既存のルートの修正に使用することができる。いくつかの例では、ルーティングコーディネータは、複数の自律車両からの位置データをリアルタイムに収集して処理し、交通渋滞を回避し、各自律車両のための最速時間ルートを生成する。いくつかの実装形態では、ルーティングコーディネータは、収集された位置データを使用して、1つまたは複数の走行選好および/またはルーティング目標を考慮して、自律車両のための最良のルートを生成する。いくつかの例では、ルーティングコーディネータは、緊急事態に対応する収集された位置データを使用して、潜在的な緊急事態を回避するための自律車両のための最良のルートを生成する。
【0055】
様々な実装形態によれば、ルートまたはルート修正を決定する際にどのメトリックが(およびどの程度まで)考慮されるかを決定するパラメータのセットが確立され得る。例えば、既知のイベントに基づく予想される混雑または交通渋滞を考慮することができる。一般に、ルーティング目標は、ルーティングサーバの管理者および自律車両のユーザのうちの少なくとも1つによって示されるルーティングプランの1つまたは複数の所望の属性を指すが、これらに限定されない。所望の属性は、ルートプランの所望の継続時間、ルートプランの快適レベル、ルートプランのための車両タイプ、ルートプランの安全性などに関連し得る。例えば、ルーティング目標は、他の制約を条件として、個々の自律車両のための個々の移動を最小化させることを含み得る。別の例として、ルーティング目標は、他の制約を条件として、自律車両のための個々の移動の快適性が向上または最大化されることであり得る。
【0056】
ルーティング目標は、それらが適用される車両と、それらがどの時間枠にわたって適用されるかとの両方に関して、具体的または一般的であり得る。車両におけるルーティング目標の特異性の例として、ルーティング目標は、特定の車両のみ、または特定の領域内のすべての車両、または特定のタイプのすべての車両、などに適用することができる。ルーティング目標の時間枠は、目標がいつ適用されるか(例えば、一部の目標は、設定された時間の間のみ「アクティブ」であり得る)、および目標がどのように評価されるか(例えば、より長期の目標について、短期の目標に対しては最適化しないが、長期の目標を補助し得るいくつかの決定を行うことが許容され得る)の両方に影響を与え得る。同様に、ルーティング車両の特異性はまた、目標がどのように評価されるかに影響を与え得る。例えば、目標に対して最適化しない決定でも、その決定が車両のフリート全体にわたる目標の最適化を補助する場合には、一部の車両に対して許容され得る。
【0057】
ルーティング目標のいくつかの例は、移動継続時間(移動ごと、または車両および/または時間のいくつかのセットにわたる平均移動継続時間のいずれか)、物理、法律、および/または企業ポリシー(例えば、湖の中または交差点の途中で終わるユーザによって選択されたルートを調整すること、高速道路を通るルートを拒否すること、など)、距離、速度(例えば、最大、最小、平均)、出発地/目的地(例えな、事前に承認された駐車スペースや充電ステーションなど、特定の場所で車両が出発/到着することが最適であり得る)、到着予定時刻(例えば、ユーザが目的地に到着することを望む時刻)、デューティサイクル(例えば、車がアクティブな移動であるときまたはアイドルであるときの頻度)、エネルギー消費量(例えば、ガソリンまたは電気エネルギー)、維持費(例えば、推定される消耗)、稼いだ金銭(例えば、ライドシェアに使用される車両について)、人-距離(例えば、移動した人の数に移動した距離を乗じたもの)、稼働率、到着時間のより高い信頼度、ユーザ定義ルートまたはウェイポイント、燃料ステータス(例えば、バッテリーがどのくらい充電されているか、タンク中にどのくらいのガソリンがあるか)、乗客満足度(例えば、乗客によって設定された、または乗客のために設定された目標を満たすこと)または快適性目標、環境への影響、乗客の安全性、歩行者の安全性、通行料金などを伴う目標を含む。車両需要が重要である例では、ルーティング目標は、車両需要に対処するかまたはそれを満たすことを試みることを含み得る。
【0058】
ルーティング目標は、複合ルーティング目標を形成するために任意の方法で組み合わせることができる。例えば、複合ルーティング目標は、移動継続時間、ライドシェア収入、およびエネルギー使用料を入力とする性能メトリックを最適化し、また快適性メトリックを最適化することを試み得る。複合ルーティング目標の構成要素または入力は、1つまたは複数のルーティングコーディネータ指令および/または乗客の好みに基づいて、異なるように重み付けされ得る。
【0059】
同様に、ルーティング目標は、任意の方法で優先されたり重み付けされたりしてもよい。例えば、1つの環境ではルーティング目標のセットが優先され得、第2の環境では別のセットが優先され得る。第2の例として、ルーティング目標のセットがしきい値に達するまではそのセットが優先され得、その時点以降は、ルーティング目標の第2のセットが優先される。ルーティング目標およびルーティング目標優先度は、任意の適切なソース(例えば、自律車両のルーティングプラットフォーム、自律車両の乗客)によって設定され得る。
【0060】
ルーティングコーディネータは、マップを使用して、乗車リクエストを満たすためにフリートから自律車両を選択する。いくつかの実装形態では、ルーティングコーディネータは、選択された自律車両に、乗車位置および目的地を含む乗車リクエストの詳細を送信し、選択された自律車両上のオンボードコンピュータは、ルートを生成し、目的地までナビゲートする。いくつかの実装形態では、中央コンピューティングシステム702内のルーティングコーディネータは、各選択された自律車両710a~710cのためのルートを生成し、ルーティングコーディネータは、自律車両710a~710cが自律車両の現在地から目的地まで移動するためのルートを決定する。
【0061】
乗車リクエストのためのコンピューティングシステムの例
図8は、本技術の特定の態様を実装するためのコンピューティングシステム800の例示的な実施形態を示す。様々な例では、コンピューティングシステム800は、オンボードコンピュータ104、中央コンピューティングシステム702、または本明細書で説明される任意の他のコンピューティングシステムを構成する任意のコンピューティングデバイスであり得る。コンピューティングシステム800は、本明細書で説明されるコンピューティングシステムの任意の構成要素を含むことができ、システムの構成要素は、接続805を使用して互いに通信する。接続805は、バスを介した物理的接続、またはチップセットアーキテクチャなどにおけるプロセッサ810への直接接続とすることができる。接続805は、仮想接続、ネットワーク接続、または論理接続とすることもできる。
【0062】
いくつかの実装形態では、コンピューティングシステム800は、本開示に説明される機能が、データセンタ、複数のデータセンタ、ピアネットワークなど内に分散され得る分散システムである。いくつかの実施形態では、説明されるシステム構成要素のうちの1つまたは複数は、構成要素が説明される機能のうちのいくつかまたはすべてをそれぞれが実行する多くのそのような構成要素を表す。いくつかの実施形態では、構成要素は、物理デバイスまたは仮想デバイスであり得る。
【0063】
例示的なシステム800は、少なくとも1つの処理ユニット(CPUまたはプロセッサ)810と、読取り専用メモリ(ROM)820およびランダムアクセスメモリ(RAM)825などのシステムメモリ815を含む様々なシステム構成要素をプロセッサ810に結合する接続805とを含む。コンピューティングシステム800は、プロセッサ810に直接接続されるか、近接しているか、またはその一部として統合された高速メモリ812のキャッシュを含むことができる。
【0064】
プロセッサ810は、任意の汎用プロセッサと、プロセッサ810を制御するように構成された、ストレージデバイス830に記憶されたサービス832、834、および836などのハードウェアサービスまたはソフトウェアサービスと、ソフトウェア命令が実際のプロセッサ設計に組み込まれた専用プロセッサとを含むことができる。プロセッサ810は、本質的に、複数のコアまたはプロセッサ、バス、メモリコントローラ、キャッシュなどを含む完全に自己完結型のコンピューティングシステムであり得る。マルチコアプロセッサは、対称であっても非対称であってもよい。
【0065】
ユーザ対話を可能にするために、コンピューティングシステム800は、スピーチのためのマイクロフォン、ジェスチャまたはグラフィカル入力のためのタッチセンシティブスクリーン、キーボード、マウス、動き入力、スピーチなど、任意の数の入力機構を表すことができる入力デバイス845を含む。コンピューティングシステム800はまた、当業者に知られているいくつかの出力機構のうちの1つまたは複数であり得る出力デバイス835を含むこともできる。いくつかの事例では、マルチモーダルシステムは、ユーザがコンピューティングシステム800と通信するために複数のタイプの入力/出力を提供することを可能にすることができる。コンピューティングシステム800は、一般に、ユーザ入力およびシステム出力を統制および管理することができる通信インターフェース840を含むことができる。任意の特定のハードウェア構成上で動作することに制限はなく、したがって、ここでの基本的な特徴は、改良されたハードウェアまたはファームウェア構成が開発されるにつれて、それらと容易に置き換えられ得る。
【0066】
ストレージデバイス830は、不揮発性メモリデバイスであり得、磁気カセット、フラッシュメモリカード、ソリッドステートメモリデバイス、デジタル多用途ディスク、カートリッジ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、および/またはこれらのデバイスの何らかの組み合わせなど、コンピュータによってアクセス可能なデータを記憶することができるハードディスクまたは他のタイプのコンピュータ可読媒体とすることができる。
【0067】
ストレージデバイス830は、ソフトウェアサービス、サーバ、サービスなどを含むことができ、それらは、そのようなソフトウェアを定義するコードがプロセッサ810によって実行されると、システムに機能を実行させる。いくつかの実施形態では、特定の機能を実行するハードウェアサービスは、機能を実行するために、プロセッサ810、接続805、出力デバイス835などの必要なハードウェア構成要素に関連してコンピュータ可読媒体に記憶されたソフトウェア構成要素を含むことができる。
【0068】
上述したように、車両のフリートにおける各車両は、ルーティングコーディネータと通信する。車両にサービスのフラグが立てられると、ルーティングコーディネータは、サービスのために車両をスケジューリングし、車両をサービスセンターにルーティングする。車両にメンテナンスのフラグが立てられるとき、サービスの重要度または即時性のレベルを含めることができる。このように、即時性のレベルが低いサービスは、車両のダウンタイムを最小化し、任意の所与の時間にサービスから外される車両の数を最小化するために、車両および車両のフリートにとって都合の良い時間にスケジュールされる。いくつかの例では、サービスは、定期的にスケジュールされたサービスの一部として実行される。即時性のレベルが高いサービスは、車両に対するアクティブなニーズにもかかわらず、サービスから車両を外すことを必要とし得る。
【0069】
ルーティング目標は、それらが適用される車両と、それらがどの時間枠にわたって適用されるかとの両方に関して、具体的または一般的であり得る。車両におけるルーティング目標の特異性の例として、ルーティング目標は、特定の車両のみ、または特定のタイプのすべての車両、などに適用することができる。ルーティング目標の時間枠は、目標がいつ適用されるか(例えば、目標の緊急性、または、一部の目標は、設定された時間の間のみ「アクティブ」であり得る)、および目標がどのように評価されるか(例えば、より長期の目標について、短期の目標に対しては最適化しないが、長期の目標を補助し得るいくつかの決定を行うことが許容され得る)の両方に影響を与え得る。同様に、ルーティング車両の特異性はまた、目標がどのように評価されるかに影響を与え得る。例えば、目標に対して最適化しない決定でも、その決定が車両のフリート全体にわたる目標の最適化を補助する場合には、一部の車両に対して許容され得る。
【0070】
様々な実装形態では、ルーティングコーディネータは、インターネット接続を介して自律車両に接続されたリモートサーバまたは分散コンピューティングシステムである。いくつかの実装形態では、ルーティングコーディネータは任意の適切なコンピューティングシステムである。いくつかの例では、ルーティングコーディネータは、分散システムとして動作する自律車両コンピュータの集合体である。
【0071】
本明細書で説明されるように、本技術の一態様は、品質およびエクスペリエンスを向上させるために、様々なソースから利用可能なデータを収集し、使用することである。本開示は、いくつかの事例では、この収集されたデータが個人情報を含み得ることを企図する。本開示は、そのような個人情報に関与するエンティティが、プライバシーポリシーおよび慣行を尊重し、評価することを企図する。
【0072】
実施例を選択
実施例1は、車両内に残されたデバイスを検出するための方法であって、車両内のデバイスとの接続を確立するステップと、乗客降車場所において、防止ルーチンを実行するステップと、乗客が降車した後、デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するステップと、決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するステップとを含む方法を提供する。
【0073】
実施例2は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、本方法は、デバイスライドシェアアプリケーションを介してデバイスから選択された高周波音を発するステップをさらに含み、デバイスとの接続を確立するステップは、選択された高周波を検出するステップを含む。
【0074】
実施例3は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するステップは、選択された高周波が検出可能であるかどうかを決定するステップをさらに含む。
【0075】
実施例4は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、接続を確立するステップは、デバイスと車両との間のワイヤレスデータ接続を確立するステップを含む。
【0076】
実施例5は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、接続を確立するステップは、少なくとも1つの撮像デバイスを介してデバイスを検出するステップを含み、少なくとも1つの撮像デバイスを介してデバイス位置を追跡するステップをさらに含む。
【0077】
実施例6は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、本方法は、デバイスライドシェアアプリケーションを介してデバイス位置を追跡するステップと、乗客が降車した後、デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するステップとをさらに含む。
【0078】
実施例7は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、本方法は、乗客が降車した後、デバイスが車両内にあることを決定するステップと、デバイスを車両内の収納コンパートメントに収納するステップとをさらに含む。
【0079】
実施例8は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載の方法を提供し、本方法は、リカバリコードの入力、顔認識、および音声認識のうちの少なくとも1つに基づいて、収納コンパートメントへのアクセスを可能にするステップをさらに含む。
【0080】
実施例9は、車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、乗客が車両に乗り降りするときを決定するように構成された車両上のセンサスイートと、車両内の複数のセンサであって、センサのうちの少なくとも1つは、デバイスを検出し、デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、乗客が車両から出た後、デバイスとの接続が維持されるかどうかを決定するように構成され、決定に基づいて、乗客通知プロトコルを開始するように構成されたオンボードコンピュータとを備えるシステムを提供する。
【0081】
実施例10は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、センサのうちの少なくとも1つは、デバイスから発せられる選択された高周波音を検出するように構成される。
【0082】
実施例11は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、オンボードコンピュータは、乗客が車両から出た後、選択された高周波が車両内で検出可能であるかどうかを決定するようにさらに構成される。
【0083】
実施例12は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、センサのうちの少なくとも1つは、デバイスとのワイヤレスデータ接続を確立するように構成される。
【0084】
実施例13は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、センサのうちの少なくとも1つは、画像センサであり、オンボードコンピュータは、画像センサを介してデバイスを追跡するようにさらに構成される。
【0085】
実施例14は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、本システムは、ライドシェアアプリケーションを介してデバイス位置データを受信するように構成された中央コンピュータをさらに備え、乗客が降車した後、中央コンピュータは、デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するように構成される。
【0086】
実施例15は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、本システムは、デバイスを収納するように構成された収納コンパートメントをさらに備える。
【0087】
実施例16は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、本システムは、デバイスを収納コンパートメント内に配置するように構成されたロボット機構をさらに備える。
【0088】
実施例17は、車両内のデバイスを検出するためのシステムであって、車両内の複数のセンサであって、複数のセンサのうちの少なくとも1つは、デバイスを検出し、デバイスとの接続を確立するように構成される、複数のセンサと、乗客が降車した後、デバイスとの接続が維持されているかどうかを決定するように構成された、車両内のオンボードコンピュータと、ライドシェアアプリケーションを介してデバイスと、およびオンボードコンピュータと通信するように構成された中央コンピューティングシステムであって、デバイスにデータを送信し、デバイス位置データを受信するように構成された、中央コンピューティングシステムとを備えるシステムを提供する。
【0089】
実施例18は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、ライドシェアアプリケーションを介してデバイスに送信されるデータは、選択された高周波と、ライドシェアアプリケーションがデバイスから選択された高周波音を発するための命令とを含む。
【0090】
実施例19は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、複数のセンサのうちの少なくとも1つは、デバイスから発せられた選択された高周波音を検出するように構成され、オンボードコンピュータは、乗客が降車した後、選択された高周波が車両内で検出可能であるかどうかを決定するようにさらに構成される。
【0091】
実施例20は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、中央コンピューティングシステムは、乗客が降車した後、デバイス位置が車両位置から乖離しているかどうかを決定するようにさらに構成される。
【0092】
実施例21は、先行する実施例および/または後続の実施例のうちの1つまたは複数に記載のシステムを提供し、オンボードコンピュータは、乗客が降車した後、デバイス接続が維持されるときに乗客通知プロトコルを開始するようにさらに構成され、オンボードコンピュータは、乗客通知プロトコルを中央コンピューティングシステムに通知し、中央コンピューティングシステムは、第1の通知をライドシェアアプリケーションに送信する。
【0093】
変形例および実装形態
様々な例によれば、運転挙動には、自律車両がどのように運転するかに関する任意の情報が含まれる。例えば、運転挙動は、自律車両が、いつどのようにブレーキおよびアクセルを作動させるか、およびどのように操舵するかを含む。特に、自律車両には、命令のセット(例えば、ルートまたはプラン)が与えられ、運転挙動は、様々な目的地へおよび目的地から車を運転するために、および潜在的に乗客または物品のために停止するために、命令のセットがどのように実施されるかを決定する。運転挙動には、自律車両の制御された操作および動きの説明、および自律車両が1つまたは複数の運転セッション中に交通規則を適用する方式が含まれ得る。運転挙動は、追加的または代替的に、自律車両がどのようにルートを計算するか(例えば、最速時間を優先するのか最短距離を優先するのか)、他の自律車両作動挙動(例えば、ライト、フロントガラスワイパー、トラクションコントロール設定などの作動)、および/または自律車両が環境刺激にどのように応答するか(例えば、雨が降っている場合、または動物が車両の前に飛び込んできた場合に自律車両がどのように挙動するか)についての任意の情報を含み得る。運転挙動に寄与し得る要素のいくつかの例には、加速制約、減速制約、速度制約、ステアリング制約、サスペンション設定、ルーティング優先設定(例えば、観光ルート、より速いルート、高速道路なし)、照明の好み、「法的な曖昧さ」行為(例えば、青信号点灯時に左折する状況で、車両が交差点に出るか、または交差点の線で待機するか)、アクションプロファイル(例えば、車両の方向転換、車線変更、または運転操作の実行をどのように行うか)、およびアクション頻度制約(例えば、車両が車線変更を行う頻度)が含まれる。追加的に、運転挙動は、自律車両が運転および/または駐車しているかどうかに関する情報を含む。
【0094】
当業者によって理解されるように、本開示の態様、特に、本明細書で説明される自律車両のための知覚システムの態様は、様々な方法で具現化され得る(例えば、方法、システム、コンピュータプログラム製品、またはコンピュータ可読記憶媒体として)。したがって、本開示の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェア態様とハードウェア態様とを組み合わせた実施形態の形態をとり得る。本開示で説明される機能は、1つまたは複数のコンピュータの1つまたは複数のハードウェア処理ユニット、例えば1つまたは複数のマイクロプロセッサによって実行されるアルゴリズムとして実装され得る。様々な実施形態では、本明細書で説明する方法の各々の異なるステップおよびステップの部分は、異なる処理ユニットによって実行され得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された、例えば、記憶された、好ましくは非一時的な、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体(複数可)に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。様々な実施形態では、そのようなコンピュータプログラムは、例えば、既存のデバイスおよびシステム(例えば、既存の知覚システムデバイスおよび/またはそれらのコントローラなど)にダウンロード(更新)されるか、またはこれらのデバイスおよびシステムの製造時に記憶され得る。
【0095】
以下の詳細な説明は、特定のある実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に説明される革新は、例えば、特許請求の範囲および/または選択された例によって定義され、網羅されるように、多数の異なる方法で具現化され得る。以下の説明では、同様の参照番号が同一または機能的に類似した要素を示すことができる図面が参照される。図面に示される要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことが理解されよう。さらに、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含むことができることを理解されよう。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0096】
前述の開示は、本開示の特徴および機能を実装するための様々な実例となる実施形態および例を説明する。特定の構成要素、配置、および/または特徴が、様々な例示的な実施形態に関連して以下で説明されるが、これらは、本開示を簡略化するために使用される例にすぎず、限定することを意図するものではない。当然ながら、任意の実際の実施形態の開発において、実装形態ごとに異なり得るシステム、ビジネス、および/または法的制約の順守を含む、開発者の特定の目標を達成するために、多数の実装形態に特有の決定が行われなければならないことが理解されよう。さらに、そのような開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとっては日常的な作業であることが理解されよう。
【0097】
本明細書では、添付の図面に示されるように、様々な構成要素間の空間的関係、および構成要素の様々な態様の空間的配向が参照され得る。しかしながら、本開示を完全に読んだ後に当業者によって認識されるように、本明細書で説明されるデバイス、構成要素、部材、装置などは、任意の所望の配向で配置され得る。したがって、様々な構成要素間の空間的関係を説明するための、またはそのような構成要素の態様の空間的配向を説明するための、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「上部」、「底部」などの用語、または他の同様の用語の使用は、本明細書で説明される構成要素が任意の所望の方向に配向され得るので、それぞれ、構成要素間の相対的関係またはそのような構成要素の態様の空間的配向を説明するものと理解されるべきである。要素、動作、および/または条件の寸法または他の特性(例えば、時間、圧力、温度、長さ、幅など)の範囲を説明するために使用されるとき、「XとYとの間」という表現は、XとYとを含む範囲を表す。
【0098】
本開示の他の特徴および利点は、説明および特許請求の範囲から明らかになるであろう。上記で説明した装置のすべての随意の特徴はまた、本明細書で説明する方法またはプロセスに関して実装され得、例における詳細は、1つまたは複数の実施形態のどこでも使用され得ることに留意されたい。
【0099】
これらの事例(上記)における「~ための手段」は、任意の適切なソフトウェア、回路、ハブ、コンピュータコード、ロジック、アルゴリズム、ハードウェア、コントローラ、インターフェース、リンク、バス、通信経路などとともに、本明細書で説明する任意の適切な構成要素を使用することを含むことができる(ただし、それに限定されない)。第2の例では、システムは、実行されたときに、システムに上述の活動のいずれかを実行させる機械可読命令をさらに含むメモリを含む。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】