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特表2024-513299建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転する方法、並びに建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するためのポンプ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転する方法、並びに建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するためのポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 15/02 20060101AFI20240315BHJP
   E04G 21/04 20060101ALI20240315BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F04B15/02 B
E04G21/04
E04G21/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552038
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022055070
(87)【国際公開番号】W WO2022189201
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】102021202325.8
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519044656
【氏名又は名称】プツマイスター エンジニアリング ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】PUTZMEISTER ENGINEERING GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】フレデーリク コルト
【テーマコード(参考)】
2E172
2E174
3H075
【Fターム(参考)】
2E172AA00
2E172CA33
2E174CA41
3H075AA13
3H075BB03
3H075CC36
3H075DA07
3H075DB03
3H075EE02
3H075EE04
3H075EE16
(57)【要約】
本発明は、建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)を運転する方法に関し、前記方法は、a)圧送ピストン(3a、3b)を動かすためのモータシステム(4)の出力(P4)又は出力に対応する量の需要値(P4B)を決定するステップ、及びb)需要値(P4B)に応じて、モータシステム(4)の回転数値(n4e)を動作点(BP)とモータシステム(4)の特性曲線(KL)との間の出力及び/又は回転数予備値(PnR)が、予備限界値(PnRG)と等しいか又はそれより大きくなるように設定するステップを有し、動作点(BP)は出力(P4)又は量の需要値(P4B)及び回転数値(n4e)によって定義され、特性曲線(KL)は出力(P4)又は量の最大値(P4max)及び回転数値(n4)によって定義され、異なる回転数値(n4)が異なると、最大値(P4max)は少なくとも部分的に異なる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)を運転する方法であって、
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は、
少なくとも1つの圧送シリンダ(2a、2b)を有し、前記圧送シリンダ(2a、2b)は、建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を受容及び放出するために設計されており、
少なくとも1つの圧送ピストン(3a、3b)を有し、前記圧送ピストン(3a、3b)は、建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を前記圧送シリンダ(2a、2b)内に吸入し、且つ吸入された建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を前記圧送シリンダ(2a、2b)から押し出すように、前記圧送シリンダ(2a、2b)内に可動に配置されており、及び、
モータシステム(4)を有し、前記モータシステム(4)は前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすために設計されており、
前記方法は、
a)前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすための前記モータシステム(4)の出力(P4)又は出力に対応する量の需要値(P4B)を決定するステップと、
b)前記需要値(P4B)に応じて、前記モータシステム(4)の回転数値(n4e)を、動作点(BP)と前記モータシステム(4)の特性曲線(KL)との間の出力及び/又は回転数予備値(PnR)が、予備限界値(PnRG)と等しいか又はそれより大きくなるように設定するステップを有し、前記動作点(BP)は出力(P4)又は量の前記需要値(P4B)と前記回転数値(n4e)によって定義され、特性曲線(KL)は出力(P4)又は量の最大値(P4max)と回転数値(n4)によって定義され、前記回転数値(n4)が異なると、最大値(P4max)は少なくとも部分的に異なる、方法。
【請求項2】
前記回転数値(n4)が増加すると、最大値(P4max)が少なくとも部分的に増加する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップb)は、出力及び/又は回転数予備値(PnR)が別の予備限界値(PnRG’)と等しいか又はそれより小さくなるように、前記回転数値(n4e)を設定することを含み、別の予備限界値(PnRG’)は予備限界値(PnRG)より大きいか又はそれと等しい、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
出力及び/又は回転数予備値(PnR)は、(前記回転数値(n4e)における最大値(P4maxe)-前記需要値(P4B))/前記回転数値(n4e)における最大値(P4maxe)、及び/又は(設定された前記回転数値(n4e)-前記需要値(P4B)に等しい最大値(P4max)に対する回転数値(n4max))/設定された回転数値(n4e)に相当し、
特に、予備限界値(PnRG)が最小2%、特に最小5%、特に最小10%に相当し、及び/又は別の予備限界値(PnRG’)が最大40%、特に最大30%、特に最大20%に相当する、請求項1から3のいずれか1項、特に請求項3に記載の方法。
【請求項5】
瞬時の回転数値(n4act)における瞬時の最大値(P4maxact)を決定するステップを含み、
前記ステップb)は、
瞬時の最大値(P4maxact)と前記需要値(P4B)に基づいて、瞬時の比較量値(P4B/P4maxact)、特に瞬時の出力及び/又は回転数予備値を決定し、
瞬時の比較量値(P4B/P4maxact)を、少なくとも予備限界値(PnRG)と関連する比較量限界値(P4B/P4maxactG)と比較し、特に少なくとも別の予備限界値(PnRG)と関連する別の比較量限界値(P4B/P4maxactG’)と比較し、
比較に応じて前記回転数値(n4e)を設定することを含む、請求項1から4のいずれか1項、特に請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)が制御装置(5)を有し、制御装置(5)は前記モータシステム(4)とは異なり、
前記方法は、前記需要値(P4B)、特に比較量値(P4B/P4maxact)を決定し、及び/又は前記モータシステム(4)により前記回転数値(n4e)を設定することを含み、
前記方法は、制御装置(5)により前記回転数値(n4e)を設定するために、設定命令(n4eB)を決定し、特に比較量値(P4B/P4maxact)を比較量限界値(P4B/P4maxactG)と比較することを含む、請求項1から5のいずれか1項、特に請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa)は、前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)の部分(6)の少なくとも1つの部分量(G6)に基づいて前記需要値(P4B)を決定し、部分(6)は前記モータシステム(4)とは異なる、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は油圧駆動システム(7)を有し、前記モータシステム(4)は油圧駆動システム(7)を動かすために設計されており、油圧駆動システム(7)、特に油圧駆動システム(7)の少なくとも1つの駆動ピストン(8a、8b)、特に少なくとも1つのピストンロッド(9a、9b)は前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすために設計されており、部分量(G6)は油圧駆動システム(7)の駆動量(G7)であり、及び/又は
部分量(G6)は前記圧送ピストン(3a、3b)の圧送量(G3)であり、及び/又は
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は位置調節可能な管路切換システム(10)を有し、部分量(G6)は管路切換システム(10)の切換量(G10)である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
駆動量(G7)及び/又は圧送量(G3)は、駆動ピストン(8a、8b)、ピストンロッド(9a、9b)及び/又は前記圧送ピストン(3a、3b)のストローク時間(HZD)及び/又は速度(v)であり、及び/又は
駆動量(G7)は駆動体積流量(Q7)であり、及び/又は圧送量(G3)は圧送体積流量(Q3)であり、及び/又は
駆動量(G7)は駆動圧力(p7)であり、及び/又は圧送量は圧送圧力であり、特に駆動圧力(p7)及び/又は圧送圧力は、建設材料及び/又は粘稠材料材料(BDS)の圧送中に設定され、及び/又は
切換量(G10)は管路切換システム(10)の位置調節時間(VZD)である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記需要値(P4B)は、前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすための前記モータシステム(4)の呼び出された出力(P4act)、又は呼び出された出力に対応する量である、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
支点(SP)に基づく補間によって特性曲線(KL)を決定し、支点(SP)は最大値(P4max)と回転数値(n4)によって定義される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ステップa)及びb)は、特に前記圧送シリンダ(2a、2b)内の前記圧送ピストン(3a、3b)のストローク運動の間に、特に数回繰り返される、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記ステップa)は、前記圧送シリンダ(2a、2b)内のストローク(HU)に沿って、その終端位置(POE)の間で、特に終端位置(POE)から離れて、前記圧送ピストン(3a、3b)の少なくとも1つの位置(POa、POb)、特に中央位置(POM)に対する前記需要値(P4B)を決定することを含む、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は、油圧駆動システム(7)を有し、油圧駆動システム(7)は、可変位置調節可能な斜板(12)を備えたアキシャルピストンポンプ(11)を有しており、前記モータシステム(4)はアキシャルピストンポンプ(11)を回転させるために設計され、アキシャルピストンポンプ(11)は前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすために設計されている、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を圧送するための、特に請求項1から14のいずれか1項に記載の方法を実施するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)であって、前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は、
少なくとも1つの圧送シリンダ(2a、2b)を有し、圧送シリンダ(2a、2b)は、建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を受容及び放出するために設計されており、
少なくとも1つの圧送ピストン(3a、3b)を有し、前記圧送ピストン(3a、3b)は、建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を圧送シリンダ(2a、2b)内に吸入し、且つ吸入された建設材料及び/又は粘稠材料(BDS)を圧送シリンダ(2a、2b)から押し出すように、圧送シリンダ(2a、2b)内に可動に配置されており、及び、
モータシステム(4)を有し、前記モータシステム(4)は前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすために設計されており、
前記建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)は、
前記圧送ピストン(3a、3b)を動かすための前記モータシステム(4)の出力(P4)又は出力に対応する量の需要値(P4B)を決定し、
前記需要値(P4B)に応じて、前記モータシステム(4)の回転数値(n4e)を、出力及び/又は回転数予備値(PnR)が、前記モータシステム(4)の動作点(BP)と特性曲線(KL)との間の予備限界値(PnRG)と等しいか又はそれより大きくなるように設定するために設計されており、前記動作点(BP)は出力(P4)又は量の前記需要値(P4B)及び回転数値(n4e)によって定義され、特性曲線(KL)は出力(P4)又は量の最大値(P4max)及び回転数値(n4)によって定義され、回転数値(n4)が異なると、最大値(P4max)は少なくとも部分的に異なる、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転する方法、並びに建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明の課題は、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転する方法、並びにそれぞれが改良された特性を有する、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
上記の課題は、請求項1の特徴を有する方法、及び請求項15の特徴を有する建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを提供することにより解決される。本発明の有利な変形例及び/又は構成例は、従属請求項に記載されている。
【0004】
本発明による方法、特に自動的方法は、建設材料及び/又は粘稠材料を、特に自動的に圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを、特に自動的に運転するために想定若しくは設計若しくは構成されている。建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、少なくとも1つの圧送シリンダ、少なくとも1つの圧送ピストン、及びモータシステムを含み若しくは有する。圧送シリンダは、建設材料及び/又は粘稠材料を、特に直接受容し、特に直接放出するために設計若しくは構成されている。圧送ピストンは、建設材料及び/又は粘稠材料を特に直接圧送シリンダ内に吸入し、且つ吸入された建設材料及び/又は粘稠材料を特に直接圧送シリンダから押し出し、特に建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するために、圧送シリンダ内に可動に、特に長手方向に可動に配置され、特に設計若しくは構成されている。モータシステムは、圧送ピストンを特に周期的に動かすために、特に吸入して押し出すために設計若しくは構成されている。本方法は、a)圧送ピストンを動かすためのモータシステムの出力、特にモータ出力、又は出力に対応する量、特に物理量の、特に瞬時若しくは現在の需要値を決定する、特に自動的に決定及び/又は検出するステップと、b)特に決定された需要値に応じてモータシステムの回転数値、特にモータ回転数値を、動作点、特に瞬時若しくは現在の動作点、特にモータ動作点と、モータシステムの特性曲線、特にモータ特性曲線との間の出力及び/又は回転数予備値が、予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように設定若しくは適合し、特に自動的に設定するステップを有する。動作点は、特に決定された出力又は量の需要値と、特に設定された回転数値によって定義される。特性曲線は、出力又は量の最大値と、特に割り当てられた又は関連する回転数値によって定義される。異なる回転数値の場合、特に出力又は量の最大値は、少なくとも部分的に、特に完全に異なる。
【0005】
これにより、特に回転数値を需要に応じて設定し、若しくは回転数値を、出力及び/又は回転数予備値が、予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように設定することにより、特に建設材料及び/又は粘稠材料の圧送時に、モータシステムの過負荷及び/又は特にそれに伴う回転数値の急低下を回避することが可能になる。それにより、建設材料及び/又は粘稠材料のほとんど又は全く損なわれない圧送が可能になり、特に圧送体積流量はほとんど又は全く変化しない。
【0006】
特にモータシステムは慣性であることができ、特に慣性質料を持つことがある。その結果、特に回転数値が本発明に従って設定されない場合に、モータシステムの過負荷につながり、回転数値の急低下を招く可能性がある。これにより、建設材料及び/又は粘稠材料の圧送が損なわれ、特に圧送体積流量が減少する可能性がある。
【0007】
モータシステムは、特にエンジンシステム及び/又は電気モータシステムであることができ又はこれを有することができる。
【0008】
建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、特に移動式の建設材料及び/又は粘稠材料ポンプであるか又はそれを有することができる。
【0009】
「建設材料」は、特にモルタル、セメント、土間コン、コンクリート及び/又はプラスターと呼ぶことができる。追加的又は代替的に、粘稠材料はスラリーと呼ぶことができる。
【0010】
需要値、回転数値及び/又は出力及び/又は回転数予備値は、特にそれぞれ無段階に、特に連続的に変更可能若しくは可変であることができる。追加的又は代替的に、需要値が異なり若しくは変化すると、回転数値は異なり若しくは変更され又は設定されることができる。
【0011】
需要値に応じて回転数値を、出力及び/又は回転数予備値が予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように設定することは、回転数値を操作量又は制御量とする出力及び/又は回転数予備値及び/又は動作点を制御若しくは調節することを有し又は制御若しくは調節することであることができる。
【0012】
回転数値の設定は、出力及び/又は回転数予備値が予備限界値より小さくなる必要がないか又は小さくなることができないようにすることができる。
【0013】
予備限界値はゼロより大きくすることができる。追加的又は代替的に、予備限界値は、特に使用者又は操作者によって、及び/又は建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの運転モードに応じて、及び/又は特にモータシステムの瞬時若しくは現在の回転数値に応じて、予め指定若しくは定義することができる。特に予備限界値は、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの異なる運転モードに対して異なることができる。例えば、特に建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの1つのマスト、特に分配マストのみが操作され、そのため大きな出力変動が予想されない場合、予備限界値は小さくすることができる。追加的又は代替的に、予備限界値は、異なる瞬時の回転数値に対して異なることができる。更に追加的又は代替的に、限界値は目標値と呼ばれることがある。更に追加的又は代替的に、予備限界値は、出力及び/又は回転数の予備限界値であることができる。
【0014】
最大値は、利用できる最大値又は公称値と呼ばれることがある。
【0015】
動作点は、特性曲線の下方及び/又は右側にあることができる。
【0016】
「少なくとも部分的に」は、少なくとも20%(パーセント)、特に少なくとも30%、特に少なくとも40%、特に少なくとも50%を意味することができる。
【0017】
本方法、特にステップa)は、特に圧送ピストンを動かすためのモータシステムのトルク、特にモータトルク、又はトルクに対応する量、特に物理量の、特に瞬時若しくは現在の需要値を、特に自動的に決定することを有する若しくは含むことができる。追加的又は代替的に、本方法、特にステップb)は、特に決定されたトルク需要値に応じてトルク値を、特に瞬時若しくは現在の動作点、特にモータ動作点と、モータシステムのトルク特性曲線、特にモータ特性曲線との間のトルク予備値がトルク予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように決定することを有する若しくは含むことができる。トルク動作点は、特に決定されたトルクのトルク需要値又は量と、特に設定された回転数値によって定義される。特性曲線は、トルク又は量の最大値と、特に割り当てられた又は関連する回転数値によって定義される。回転数値が異なると、特にトルク又は量の最大値は、少なくとも部分的に、特に完全に異なる。これにより、モータシステムの過負荷を回避することが可能となる。特に、モータシステムは、パワーテイクオフ及び/又はギアボックスを有することができる。追加的又は代替的に、トルク予備値は、無段階、特に連続的に変更可能若しくは可変であることができる。更に追加的又は代替的に、トルク需要値が異なり若しくは変化すると、回転数値は異なり若しくは変更又は設定されることができる。更に追加的又は代替的に、トルク需要値に応じて回転数値を、トルク予備値がトルク予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように設定することは、回転数値を操作量又は制御量とする出力及び/又は回転数予備値及び/又は動作点を制御若しくは調節することを有し又は制御若しくは調節することであることができる。更に追加的又は代替的に、回転数値の設定は、トルク予備値が予備限界値より小さくなる必要がないか又は小さくなることができないようにすることができる。更に追加的又は代替的に、トルク予備限界値はゼロより大きくすることができる。更に追加的又は代替的に、トルク予備限界値は、予め指定若しくは定義することができる。更に追加的又は代替的に、トルク動作点はトルク特性曲線の下方及び/又は右側にある若しくは位置することができる。
【0018】
本発明の変形例において、回転数値が増加すると、最大値は少なくとも部分的に、特に完全に増加する。したがって需要値が増加すると、回転数値を増加又は設定することができ、需要値が減少すると、回転数値を減少又は設定することができる。
【0019】
本発明の変形例において、ステップb)は、出力及び/又は回転数の予備値が別の予備限界値と等しいか又はそれより小さくなるように回転数値を設定することを含み若しくは有する。別の予備限界値は、予備限界値より大きいか又はそれと等しい。これにより、最適な、特に効率に最適な回転数値若しくは最適な、特にエネルギー消費に最適な及び/又は摩耗に最適な及び/又は騒音エミッションに最適なモータシステムの運転が可能になる。特に、別の予備限界値は、特に使用者によって及び/又は建設材料ポンプ及び/又は粘稠材料ポンプの運転モードに応じて、予め指定又は定義することができる。特に別の予備限界値は、建設材料ポンプ及び/又は粘稠材料ポンプの異なる動作モードに対して異なることができる。更に追加的又は代替的に、別の予備限界値は、特にモータシステムの瞬時若しくは現在の回転数値に応じて予め指定又は定義することができる。特に瞬時の回転数値が異なると、別の予備限界値は異なることができる。
【0020】
特に、出力及び/又は回転数予備値、特に出力予備値は、特に(特に設定された回転数における最大値-値需要値)に相当することができる。追加的又は代替的に、出力及び/又は回転数予備値、特に回転数予備値は、特に(回転数値-需要値に等しい最大値に対する設定された回転数値)に相当することができる。
【0021】
本発明の変形例、特に構成例において、出力及び/又は回転数予備値は、(特に設定された回転数値における最大値-需要値)/特に設定された回転数値における最大値、及び/又は(需要値に等しい最大値に対する設定された回転数値)/設定された回転数値に相当する。特に、予備限界値は、最小2%、特に最小5%、特に最小10%に相当し、特に等しいか若しくはこれらの値である。追加的又は代替的に、別の予備限界値(ある場合)は、最大40%、特に最大30%、特に最大20%に相当し、特に等しいか若しくはこれらの値である。
【0022】
本発明の変形例、特に構成例において、本方法は、特にモータシステムの瞬時若しくは現在の回転数値における瞬時若しくは現在の最大値を決定する、特に自動的に決定するステップを含み若しくは有する。ステップb)は、特に決定された瞬時の最大値及び特に決定された需要値に基づいて、瞬時若しくは現在の比較量値、特に瞬時若しくは現在の出力及び/又は回転数予備値を、特に自動的に決定及び/又は計算することを含み若しくは有する。瞬時の比較量値、特に決定された瞬時の比較量値を、少なくとも予備限界値と関連する比較量限界値と比較し、特に少なくとも別の予備限界値と関連する別の比較量限界値(ある場合)と比較することを含み若しくは有する。特に比較の結果に応じて、回転数値を設定する。これにより、出力及び/又は回転数予備値は、特に予備限界値と等しいか又はそれより大きくなることができ、特に別の予備限界値と等しいか又はそれより小さくなることができる。
【0023】
本発明の変形例、特に構成例において、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、制御装置、特に電気制御装置を含み若しくは有する。制御装置は、特にモータシステムとは、特に完全に異なる。本方法は、特に需要値、特に比較量値(ある場合)を決定すること、及び/又はモータシステムによって回転数値を設定することを含み若しくは有する。本方法は、制御装置によって回転数値を設定するために、設定命令、特に設定命令の値を決定すること、特に自動的に決定すること及び/又は計算すること、特に比較量値を比較量限界値(ある場合)と比較することを含み若しくは有する。これにより、有利な機能若しくはタスクの分配が可能になり、及び/又は特にこのようにして建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの有利な構造が可能になる。特にモータシステム及び/又は制御装置は、特にそれぞれプロセッサ及び/又はメモリを有することができる。
【0024】
本発明の変形例において、ステップa)は、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの部分の少なくとも1つの部分量、特に部分量の値に基づいて需要値を決定すること、特に自動的に決定及び/又は計算することを含み若しくは有する。この部分は、モータシステムとは、特に完全に異なる。これにより、モータシステムによる需要値の決定が可能ではないかもしれない場合、特に可能ではない場合、若しくは需要値がモータシステムによって提供できないかもしれない場合、特に提供できない場合、需要値を決定することが可能になる。特に、本方法は、部分量を決定する、特に自動的に決定及び/又は検出するステップを有することができる。
【0025】
本発明の構成例において、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、油圧駆動システムを含み若しくは有する。モータシステムは、油圧駆動システムを動かすために設計若しくは構成されている。油圧駆動システム、特に油圧駆動システムの少なくとも1つの駆動ピストン、特に少なくとも1つのピストンロッドは、圧送ピストンを動かすため、特に吸入して押し出すために設計若しくは構成されている。部分量は、油圧駆動システムの駆動量である。追加的又は代替的に、部分量は、圧送ピストンの圧送量である。更に追加的又は代替的に、建設材料ポンプ及び/又は粘稠材料ポンプは、位置調節可能な管路切換システムを含み若しくは有する。部分量は、管路切換システムの切換量である。このような部分量は、需要値を決定することを可能にする。特に油圧駆動システムは、少なくとも1つの駆動シリンダを有することができる。駆動シリンダは、油圧作動液、特に油圧油を、特に直接受容するために設計することができる。駆動ピストンは、駆動シリンダ内に可動に、特に長手方向に可動に配置することができる。追加的又は代替的に、ピストンロッドは、圧送ピストンと特に直接的な運動結合のために、若しくは圧送ピストンへの運動伝達のために、駆動ピストン、特に圧送ピストンに固定することができる。更に追加的又は代替的に、管路切換システムはスライドシステムと呼ばれることがある。更に追加的又は代替的に、管路切換システムは、切換管、特にS字管を有することができる。更に追加的又は代替的に、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、供給部、特に供給ホッパを有することができる。管路切換システムは、圧送シリンダを所定の位置で圧送管と接続するか、或いは別の位置で建設材料及び/又は粘稠材料の流れ又は流動のために建設材料及び/又は厚膜物供給部と接続するように設計することができる。
【0026】
本発明の構成例において、駆動量及び/又は圧送量は、それぞれ特にストローク運動若しくは移動ストローク又は移動サイクルのストローク時間若しくはサイクル時間であり、及び/又は駆動ピストン、ピストンロッド及び/又は圧送ピストンの速度である。追加的又は代替的に、駆動量は駆動体積流量である。更に追加的又は代替的に、圧送量は、特に建設材料及び/又は粘稠材料の圧送体積流量である。更に追加的又は代替的に、駆動量は、特に油圧作動液の駆動圧力である。更に追加的又は代替的に、圧送量は、特に建設材料及び/又は粘稠材料の圧送圧力である。特に、駆動圧力及び/又は圧送圧力は、特にそれ自体で及び/又はそれぞれ建設材料及び/又は粘稠材料の圧送中に設定される。更に追加的又は代替的に、切換量は、特に管路切換システムの位置調節の位置調節時間である。特に、ストローク時間及び/又は回転数及び/又は位置調節時間は、それぞれ時間検出装置及び/又は位置検出装置、特に変位測定装置によって検出することができる。追加的又は代替的に、圧送体積流量は、使用者によって予め指定することができる。更に追加的又は代替的に、駆動体積流量は圧送体積流量に基づいて決定することができる。更に追加的又は代替的に、駆動圧力及び/又は圧送圧力は、それぞれ特に圧力検出装置によって検出することができる。更に追加的又は代替的に、駆動圧力は、建設材料及び/又は粘稠材料の圧送中に、圧送圧力に応じて、特にそれ自体で設定されることができる。更に追加的又は代替的に、駆動圧力は駆動高圧であることができる。
【0027】
本発明の変形例において、需要値は、圧送ピストンを動かすためのモータシステムの、特に瞬時若しくは現在の、呼び出された若しくは放出された若しくは実際の出力、又は呼び出された出力に対応する量である。
【0028】
本発明の変形例において、本方法は、特に所定の支点に基づく補間、特に線形補間によって特性曲線を決定する、特に自動的に決定することを含み若しくは有する。支点は、特に所定の最大値と、特に所定の回転数値によって定義される。これにより、特性曲線を完全に知ることができないかもしれない場合、特に知ることができない場合に、特性曲線を決定することが可能になる。
【0029】
本発明の変形例において、ステップa)及びb)は、特に圧送シリンダ内の圧送ピストンのストローク運動又は移動ストローク若しくは移動サイクルの間に、特に数回及び/又は自動的に繰り返される。これにより、モータシステムの過負荷及び/又は特にそれに伴い回転数値の急低下を特に良好に回避することが可能となる。
【0030】
本発明の変形例において、ステップa)は、圧送シリンダ内のストロークに沿って、その終端位置の間で、特に終端位置から離れて、圧送ピストンの少なくとも1つの位置、特に中央位置に対する需要値を決定することを含み若しくは有する。これにより需要値の代表性が可能になる。追加的又は代替的に、これにより、モータシステムの過負荷及び/又は特にそれに伴う回転数値の急低下を回避することが、特にそれぞれ可能になる。特に、圧送ピストンの移動の方向転換時、若しくは特に圧送ピストンのそれぞれの終端位置における移動方向の転換時、若しくは圧送ピストンの特にストローク運動の始点及び/又は終点における移動方向の転換時に、需要値は、特に中央若しくは中央位置と比較して増大できるか、又はピーク、特に出力ピークを有することができる。モータシステムは慣性であることができ、特に慣性質料を有することができるので、特に発明によらない反応、特に回転数値の設定は、終端位置では遅すぎることがある。そのためこれは、特に本発明によらずに需要値に応じて終端位置間の位置に対して回転数値が決定された場合に、終端位置で若しくは終端位置においてモータシステムの過負荷及び/又は特にそれに伴う回転数値の急低下を来す可能性がある。特に「終端位置から離れて」とは、終端位置より中央位置に近いことを意味することができる。追加的又は代替的に、少なくとも1つの位置又はこの位置に対応する量、特に物理量は、位置検出装置、特に変位測定システムによって検出することができる。
【0031】
本発明の構成例において、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、特に油圧駆動システムを含み若しくは有する。油圧駆動システムは、可変位置調節可能な斜板若しくは摺動板を備えたアキシャルピストンポンプを含み若しくは有する。モータシステムは、アキシャルピストンポンプを回転させるために設計若しくは構成されている。アキシャルピストンポンプは、圧送ピストンを、特に吸入して押し出すために動かすように設計若しくは構成されている。これにより、特に、回転数値を需要に応じて設定すること、若しくは出力及び/又は回転数予備値が、予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように回転数値を設定することにより、特に斜板の旋回角度の調節若しくは減少が可能となり、そのため建設材料及び/又は粘稠材料の移送が損なわれることを回避できる。特に、アキシャルピストンポンプは、特に駆動ピストンひいては圧送ピストンを動かすために、油圧作動液の、特に駆動圧力を有する駆動体積流量を生み出すために設計することができる。
【0032】
本発明による建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するために設計若しくは構成されている。建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、特に少なくとも1つの圧送シリンダ、特に少なくとも1つの圧送ピストン、及び特にモータシステムを備えている。圧送シリンダは、建設材料及び/又は粘稠材料を受容し、圧送するために設計されている。圧送ピストンは、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送シリンダ内に吸入し、吸入された建設材料及び/又は粘稠材料を圧送シリンダから押し出すために、圧送シリンダ内に可動に配置されている。モータシステムは、圧送ピストンを動かすために設計されている。建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、圧送ピストンを動かすためのモータシステムの、特に出力又は特に出力に対応する量の、特に需要値を決定するために設計されている。建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、特に需要値に応じてモータシステムの回転数値を、特に動作点と特にモータシステムの特性曲線との間の出力及び/又は回転数予備値が、特に予備限界値と等しいか又はそれより大きくなるように設定するために設計されている。動作点は、出力又は量の需要値と、回転数値によって定義される。特性曲線は、出力又は量の最大値と、回転数値によって定義される。回転数値が異なると、最大値は少なくとも部分的に異なる。
【0033】
この建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、先に記載若しくは説明した方法と同じ利点を可能にする。
【0034】
特に、この建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは、先に記載した方法を実施するために、及び/又は方法について上述したのと少なくとも部分的に又は完全に同様に設計することができる。
【0035】
本発明の別の利点及び態様は、特許請求の範囲、及び以下に図を参照して説明する本発明の実施形態の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転するための本発明による方法により、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための、本発明による建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの概略回路図である。
図2図2は、図1の建設材料及び/又は粘稠材料ポンプのモータシステムの出力を、モータシステムの回転数に対して示すグラフである。
図3図3は、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの圧送シリンダ内の圧送ピストンの運動の模式図と、図1の建設材料及び/又は粘稠材料ポンプのモータシステムの出力需要値を経時的に示すグラフと、モータシステムの回転数を経時的に示すグラフと、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ、特に建設材料及び/又は粘稠材料ポンプの油圧駆動システムの加速された質量、例えば油圧作動液、駆動ピストン、ピストンロッド、圧送ピストン及び/又は建設材料及び/又は粘稠材料の加速を経時的に示すグラフである。
図4図4は、図1の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを圧送するための、本発明による建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1を示している。
【0038】
図1から図4は、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを圧送する建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1を運転するための、本発明による方法を示している。
【0039】
建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、少なくとも1つの圧送シリンダ2a、2bと、少なくとも1つの圧送ピストン3a、3b、及びモータシステム4を備えている。圧送シリンダ2a、2bは、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを受容及び放出するために設計されており、特に図3に示すように受容及び放出する。圧送ピストン3a、3bは、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを圧送シリンダ2a、2b内に吸入し、及び吸入された建設材料及び/又は粘稠材料BDSを圧送シリンダ2a、2bから外に押し出すために圧送シリンダ2a、2b内に可動に配置されており、特に移動し、吸入して押し出す。モータシステム4は、圧送ピストン3a、3bを動かすために設計されており、特に動かす。
【0040】
建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、図2に示すように、圧送ピストン3a、3bを動かすためのモータシステム4の出力P4又は出力に対応する量の需要値P4Bを決定するために設計されており、特に決定する。建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、需要値P4Bに応じて、モータシステム4の回転数値n4eを、モータシステム4の動作点BPと特性曲線KLとの間の出力及び/又は回転数予備値PnRが、予備限界値PnRGと等しいか又はそれより大きくなるように設定するために設計されており、特に設定する。
【0041】
本方法は、a)圧送ピストン3a、3bを動かすためのモータシステム4の出力P4又は出力に対応する量の需要値P4Bを決定するステップ、及びb)需要値P4Bに応じて、モータシステム4の回転数値n4eを、モータシステム4の動作点BPと特性曲線KLとの間の出力及び/又は回転数予備値PnRが、予備限界値PnRGと等しいか又はそれより大きくなるように設定するステップを含んでいる。
【0042】
動作点BPは、出力P4の需要値P4B又は量と回転数値n4eによって定義される。特性曲線KLは、出力P4又は量の最大値P4maxと回転数値n4によって定義される。回転数値n4が異なると、最大値P4maxは少なくとも部分的に異なる。
【0043】
詳細には、回転数値n4が増加するに連れて、最大値P4maxは少なくとも部分的に増加する。
【0044】
更に、ステップb)は、回転数値n4eを、出力及び/又は回転数予備値PnRが別の予備限界値PnRG’と等しいか又はそれより小さくなるなるように設定することを有する。別の予備限界値PNRG’は、予備限界値PnRGより大きいか又はそれと等しい。
【0045】
更に、出力及び/又は回転数予備値PnRは、図2に示すように、(回転数値n4eにおける最大値P4maxe-需要値P4B)/回転数値n4eにおける最大値P4maxeに相当する。
【0046】
追加的又は代替的に、出力及び/又は回転数予備値PnRは、(設定された回転数値n4e-需要値P4Bに等しい最大値P4maxに対する回転数値nmax)/設定された回転数値n4eに相当する。
【0047】
特に、予備限界値PnRGは最小2%、特に最小5%、特に最小10%に相当する。
【0048】
追加的又は代替的に、別の予備限界値PnRG’は、最大40%、特に最大30%、特に最大20%に相当する。
【0049】
更に、本方法は、図1図2及び図4に示すように、瞬時の回転数値n4actにおける瞬時の最大値P4maxactを決定するステップを有する。ステップb)は、瞬時の最大値P4maxactと需要値P4Bに基づいて、瞬時の比較量値P4B/P4maxact、特に瞬時の出力及び/又は回転数予備値を決定することを含む。瞬時の比較量値P4B/P4maxactを、少なくとも予備限界値PnRGと関連する比較量限界値P4B/P4maxactG、特に少なくとも別の予備限界値PnRG’と関連する別の比較量限界値P4B/P4maxactG’と比較する。比較に応じて、回転数値n4eを設定する。
【0050】
瞬時の比較量値P4B/P4maxactが比較量限界値P4B/P4maxactGより大きい場合は、回転数値n4eは増加され、特に図2に右向きの矢印AR1で示すように設定される。これにより、出力及び/又は回転数予備値PnRが、予備限界値PnRGと等しいか又はそれより大きくなる。
【0051】
瞬時の比較量値P4B/P4maxactが別の比較量限界値P4B/P4maxactG’より小さい場合は、回転数値n4eは減少され、特に図2に左への矢印AR2によって示されているように設定される。これにより、出力及び/又は回転数予備値PnRが、別の予備限界値PnRG’と等しいか又はそれより小さくなる。
【0052】
更に、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、図1に示すように、制御装置5を備えている。制御装置5は、モータシステム4とは異なる。本方法は、需要値P4B、及び特に比較量値P4B/P4maxactを決定すること、及び/又はモータシステム4によって回転数値n4eを設定することを含む。本発明は、設定命令n4eBを決定すること、特に制御装置5によって回転数値n4eを設定するために比較量値P4B/P4maxactを比較量限界値P4B/P4maxactGと比較することを含む。
【0053】
上記図4において、需要値P4B、及び特に比較量値P4B/P4maxactは、モータシステム4によって決定される。
【0054】
追加的又は代替的に、特に図4の中央下側で、ステップa)は、需要値P4Bを、特に制御装置5によって建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1の部分6の少なくとも1つの部分量G6に基づいて、図4下側の式によって示すように決定し、特に計算することを含む。部分6は、モータシステム4とは異なる。
【0055】
詳細には、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、油圧駆動システム7を備えている。
【0056】
モータシステム4は、油圧駆動システム7を動かすために設計されており、特に動かす。油圧駆動システム7、特に油圧駆動システム7の少なくとも1つの駆動ピストン8a、8b、及び少なくとも1つのピストンロッド9a、9bは、圧送ピストン3a、3bを動かすために設計されており、特に動かす。部分量G6は、油圧駆動システム7の駆動量G7である。
【0057】
追加的又は代替的に、部分量G6は、圧送ピストン3a、3bの圧送量G3である。
【0058】
更に追加的又は代替的に、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプは位置調節可能な管路切換システム10を有する。部分量G6は、管路切換システム10の切換量G10である。
【0059】
特に、駆動量G7及び/又は圧送量G3は、駆動ピストン8a、8b、ピストンロッド9a、9b及び/又は圧送ピストン3a、3bのストローク時間HZD及び/又は速度vである。
【0060】
追加的又は代替的に、駆動量G7は駆動体積流量Q7である。
【0061】
更に追加的又は代替的に、圧送量G3は圧送量流量Q3である。
【0062】
更に追加的又は代替的に、駆動量G7は駆動圧力p7、特に駆動高圧である。更に追加的又は代替的に、圧送量は圧送圧力である。特に駆動圧力p7及び/又は圧送圧力は、特にそれ自体で及び/又はそれぞれ建設材料及び/又は粘稠材料材料BDSの圧送中に設定される。
【0063】
更に追加的又は代替的に、切換量G10は管路切換システム10の位置調節時間VZDである。
【0064】
それ以外に、図4に示す式において、pnは駆動低圧、ηはモータシステム4までの少なくとも1つの駆動ポンプの全体効率、LKFは出力補正係数である。
【0065】
代替的な実施例において、式は、位置調節時間、ストローク時間及び/又は出力補正係数、若しくは最後の2つの項/分数を必要とせず又は有さず若しくは使用しなくてもよい。
【0066】
更に、図示の実施例では、需要値P4Bは、圧送ピストン3a、3bを動かすためのモータシステム4の呼び出された出力P4act又は呼び出された出力に対応する量である。
【0067】
更に、特に図4下側で、本方法は図2に示すように、支点SPに基づく補間によって特性曲線KLを決定することを含む。支点SPは最大値P4maxと回転数値n4によって定義される。
【0068】
更に、ステップa)及びb)は、特に圧送シリンダ2a、2b内の圧送ピストン3a、3bのストローク運動の間に、特に数回繰り返される。
【0069】
更にステップa)は、圧送シリンダ2a、2b内のストロークHUに沿って、その終端位置POEの間で、特に終端位置POEから離れて、圧送ピストン3a、3bの少なくとも1つの位置POa、POb、特に中央位置POMに対する需要値P4Bを決定することを含み若しくは有する。
【0070】
特に、圧送ピストン3a、3bの移動方向が転換すると、図3に示すように、需要値P4Bが終端位置POEで、特に中央位置POMに比べて増加し、若しくはピークを有する。
【0071】
特に終端位置POEの間の位置POa、PObについて決定された回転数値n4eを、特に需要値P4Bに応じて、出力及び/又は回転数の予備値PnRが予備限界値PnRGと等しいか又はそれPnRGより大きくなるように設定することによって、モータシステム4の過負荷、及び/又は特にそれに伴う回転数値n4の急低下、特に終端位置POEで建設材料及び/又は粘稠材料BDSの圧送が損なわれることを回避することが可能になる。換言すれば、終端位置POEで、特に増大した需要値P4Bをちょうどカバーすることができる。
【0072】
詳細には、油圧駆動システム7は、特に駆動ポンプとして、可変位置調節可能な斜板12を備えたアキシャルピストンポンプ11を備えている。モータシステム4は、アキシャルピストンポンプ11を回転させるために設計されており、特に回転させる。アキシャルピストンポンプ11は、圧送ピストン3a、3bを動かすために設計されており、特に動かす。
【0073】
図示の実施例では、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1、特に油圧駆動システム7は、正確に2つの圧送シリンダ2a、2b、正確に2つの圧送ピストン3a、3b、正確に2つの駆動ピストン8a、8b、駆動ピストン8a、8bが可動に配置されている、油圧作動液HFを受容するための正確に2つの駆動シリンダ13a、13b、及び/又は正確に2つのピストンロッド9a、9bを有する。代替実施例では、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ、特に油圧駆動システムは、単一の圧送シリンダ、単一の圧送ピストン、単一の駆動ピストン、単一の駆動シリンダ、及び/又は単一のピストンロッド、又は少なくとも3つの圧送シリンダ、少なくとも3つの圧送ピストン、少なくとも3つの駆動ピストン、少なくとも3つの駆動シリンダ及び/又は少なくとも3つのピストンロッドを有することができる。
【0074】
特に、図示の実施例で、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1、特に油圧駆動システム7は、特に油圧作動液HFのための揺動管14を備えている。
【0075】
アキシャルピストンポンプ11と2つの駆動シリンダ13a、13bは、揺動管14によって油圧作動液HFのための、特に閉じた駆動回路を形成する。換言すれば、駆動シリンダ13a、13bは揺動管14によって、特に駆動シリンダ13a、13bの間で油圧作動液HFの流れ若しくは流動のために接続されている。
【0076】
更に、2つの駆動ピストン8a、8b、したがって特にピストンロッド9a、9b、したがって圧送ピストン3a、3bが、揺動管15によって、少なくとも一時的に、特に持続的に互いに、特に逆相で、特に180度逆相で若しくは反対方向に動くように連結される。
【0077】
更に、アキシャルピストンポンプ11若しくは駆動回路は、特に建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1の運転中、周期的に互いに入れ替わる高圧側と低圧側を有する。更に、建設材料及び/又は粘稠材料ポンプ1は、圧送管16と、建設材料及び/又は粘稠材料供給部17を有する。管路切換システムは、圧送シリンダ2a、2bを所定の位置で圧送管16と接続するか、或いは別の位置で建設材料及び/又は粘稠材料BDSの流れ又は流動のために建設材料及び/又は厚膜物供給部と接続するように設計することができる。管路切換システム10は、特に、圧送シリンダ2a、2bを、所定の位置で圧送管16と接続するか、或いは別の位置で建設材料及び/又は粘稠材料BDSの流れ若しくは流動のために建設材料及び/又は粘稠材料供給部17と接続するために設計されており、特に接続する。
【0078】
図1において、管路切換システム10は、圧送シリンダ2aを圧送管16と接続し、圧送シリンダ2bを建設材料及び/又は粘稠材料供給部17に接続している。
【0079】
更に、圧送ピストン3bは、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを、特に接続された建設材料及び/又は粘稠材料供給部17から圧送シリンダ2b内に吸入する。特に同時に、圧送ピストン3aは吸入された建材及び/又は粘稠材料BDSを圧送シリンダ2aから、特に接続された圧送管16へと押し出す。
【0080】
圧送ピストン3a、3bが、それらの、特にそれぞれの終端位置POEに到達した場合若しくは到達すると、管路切換システム10が、特に制御装置5によって位置調節される。それにより管路切換システム10は、圧送シリンダ2bを圧送管16と接続し、圧送シリンダ2aを建設材料及び/又は粘稠材料供給部17と接続する。したがって圧送ピストン3aは、特に接続された建設材料及び/又は粘稠材料供給部17から、建設材料及び/又は粘稠材料BDSを圧送シリンダ2a内に吸入する。特に同時に、圧送ピストン3bは、吸入された建設材料及び/又は厚さ物質BDSを圧送シリンダ2bから、特に接続された圧送管16へと押し出す。
【0081】
それ以外では、制御装置5は、図1に点線で示すように、特にモータシステム4、アキシャルピストンポンプ11及び/又は管路切換システム10と、それぞれ信号接続、特に電気信号接続を有する。
【0082】
以上説明した図示の実施例から明らかなように、本発明は、建設材料及び/又は粘稠材料を圧送する建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを運転するための有利な方法、並びに建設材料及び/又は粘稠材料を圧送するための有利な建設材料及び/又は粘稠材料ポンプを提供し、それぞれが改善された特性を有する。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】