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特表2024-513306剛性粒子を含む熱界面材料と層を熱的に接続するための方法、装置、及びアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】剛性粒子を含む熱界面材料と層を熱的に接続するための方法、装置、及びアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/36 20060101AFI20240315BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240315BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
H01L23/36 D
H05K7/20 F
C08J5/18 CES
C08J5/18 CFC
C08J5/18 CFH
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553497
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 US2022071276
(87)【国際公開番号】W WO2022204689
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,810
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523333858
【氏名又は名称】アリーカ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARIECA INC.
【住所又は居所原語表記】6024 Broad Street,Pittsburgh,Pennsylvania 15206 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カゼム,ネイビッド
(72)【発明者】
【氏名】マジディ,カーメル
(72)【発明者】
【氏名】シング,ビベック
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】カー,アリッサ
【テーマコード(参考)】
4F071
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
4F071AA14
4F071AA22
4F071AA42
4F071AA67
4F071AB01
4F071AB06
4F071AB07
4F071AB08
4F071AB28
4F071AD02
4F071AD06
4F071AH12
4F071BA09
4F071BC02
5E322AA01
5E322AA11
5E322AB11
5E322FA04
5F136BC01
5F136BC04
5F136FA01
5F136FA51
(57)【要約】
【解決手段】回路アセンブリのダイ及び回路アセンブリの上部層は、熱界面材料(TIM)をダイ上に適用することによって熱的に接続され、そのためTIMは、ダイと上部層との間にある。TIMは、液体金属液滴、剛性粒子、及び未硬化ポリマーのエマルションを含む。方法は、回路アセンブリを圧縮し、それにより、液体金属液滴を変形させることと、ダイと上部層との間に、剛性粒子の平均粒径の90%~110%である結合線距離を形成することと、を更に含む。適用前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径は、剛性粒子の平均粒径よりも大きい。熱界面材料が硬化され、それにより、回路アセンブリを形成する。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセンブリであって、
ダイと、
上部層と、
前記ダイ層及び前記上部層と接触して配設された熱界面材料と、を含み、
前記熱界面材料が、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子を含み、
前記ダイと前記上部層との間の結合線距離が、前記剛性粒子の平均粒径の95%~125%であり、
前記液体金属液滴が、第1のアスペクト比を有し、剛性球体が、第2のアスペクト比を有し、前記第1のアスペクト比が、前記第2のアスペクト比よりも大きく、
前記液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、アセンブリ。
【請求項2】
前記液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含み、前記剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記剛性粒子が、少なくとも100MPaのヤング率を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記熱界面材料が、30体積%~92体積%の前記液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の前記剛性粒子、及び7体積%~70体積%の前記ポリマーを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記液体金属液滴及び前記剛性粒子が、個別に、前記結合線距離の85%~前記結合線距離の100%の範囲内にある平均高さを含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
方法であって、
回路アセンブリのダイ上に剛性粒子を適用することと、
未硬化ポリマー及び液体金属液滴のエマルションを、適用された前記剛性粒子を有する前記回路アセンブリの前記ダイ上に適用し、それにより、回路アセンブリの前記ダイと上部層との間に熱界面材料を形成することであって、前記液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、形成することと、
前記回路アセンブリを圧縮して、それにより、前記液体金属液滴を変形させ、前記ダイと前記上部層との間に、前記剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することであって、適用前に、前記熱界面材料中の前記液体金属液滴の平均粒径が、前記剛性粒径の平均粒径よりも大きい、形成することと、
前記熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することと、を含む、方法。
【請求項7】
方法であって、
回路アセンブリのダイ上に熱界面材料を適用することであって、その結果、前記熱界面材料が回路アセンブリの前記ダイと上部層との間にあり、前記ダイに適用される前記熱界面材料が、液体金属液滴、未硬化ポリマー、及び剛性粒子のエマルションを含み、前記液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、適用することと、
前記回路アセンブリを圧縮して、それにより、前記液体金属液滴を変形させ、前記ダイと前記上部層との間に、前記剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することであって、適用前に、前記熱界面材料中の前記液体金属液滴の平均粒径が、前記剛性粒径の平均粒径よりも大きい、形成することと、
前記熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することと、を含む、方法。
【請求項8】
前記硬化アセンブリ内の前記ダイと前記上部層との間に形成される前記結合線距離が、150ミクロン以下である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記剛性粒子が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にある平均粒径を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項10】
前記ダイと前記上部層との間の前記結合線距離が、前記剛性粒子の前記平均粒径の100%~110%である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項11】
前記剛性粒子が、少なくとも0.9の球度を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項12】
前記剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、剛性ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含み、前記液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項13】
前記剛性粒子が、少なくとも100MPaのヤング率を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項14】
前記剛性粒子が、前記剛性粒子のD50の125%以下のD90を含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項15】
前記ダイが、プロセッサを備え、前記上部層が、ヒートシンク、統合ヒートスプレッダ、又はパッケージングを備える、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項16】
前記液体金属液滴が、堆積前に略球体であり、前記液体金属液滴が、前記アセンブリ圧縮後に略楕円体であり、前記剛性粒子が、堆積前及び前記アセンブリ圧縮後に略球体である、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項17】
前記熱界面材料が、30体積%~92体積%の前記液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の前記剛性粒子、及び7体積%~70体積%の前記ポリマーを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項18】
前記液体金属液滴及び前記剛性粒子が、個別に、前記結合線距離の85%~前記結合線距離の100%の範囲内にある平均高さを含む、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項19】
請求項6又は7に記載の方法によって製造される回路アセンブリ。
【請求項20】
アセンブリであって、
ダイなどの第1の層と、
上部層などの第2の層と、
前記第1の層及び前記第2の層と接触して配設された熱界面材料であって、
前記熱界面材料が、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子を含み、任意選択的に、前記熱界面材料が、30体積%~92体積%の前記液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の前記剛性粒子、及び7体積%~70体積%の前記ポリマーを含み、
任意選択的に、前記剛性粒子が、少なくとも110MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、少なくとも1GPa、又は少なくとも2GPaなどの少なくとも100MPaのヤング率を含み、
任意選択的に、前記液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含み、前記剛性粒子が、ステンレス鋼などの鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含み、
任意選択的に、前記液体金属液滴及び剛性粒子が、前記ポリマー全体に分散され、
前記第1の層と前記第2の層との間の結合線距離が、前記剛性粒子の平均粒径の95%~125%であり、任意選択的に、前記剛性粒子の平均粒径が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にあり得、
前記液体金属液滴が、第1のアスペクト比を有し、剛性球体が、第2のアスペクト比を有し、前記第1のアスペクト比が、前記第2のアスペクト比よりも少なくとも0.1以上、少なくとも0.5以上、少なくとも1以上、少なくとも2以上、又は少なくとも5以上など、前記第2のアスペクト比よりも大きく、
前記液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、アセンブリ。
【請求項21】
請求項20に記載のアセンブリを作製する方法であって、
前記熱界面材料が前記第1の層と前記第2の層との間にあるように、前記第1の層上に前記熱界面材料を適用することであって、任意選択的に、前記熱界面材料を適用することが、
前記第1の層上に剛性粒子を適用すること、適用された前記剛性粒子を有する前記第1の層上に未硬化ポリマー及び液体金属液滴のエマルションを適用し、それにより、前記第1の層と前記第2の層との間に熱界面材料を形成すること、
前記ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子のエマルションを前記第1の層上に適用すること、又は
これらの組み合わせを含む、適用することと、
前記回路アセンブリを圧縮し、それにより、前記液体金属液滴を変形させ、及び前記第1の層と前記第2の層との間に、前記剛性粒子の平均粒径の95%~125%である前記結合線距離を形成することであって、
適用前の前記熱界面材料中の前記液体金属液滴の平均粒径が、前記剛性粒子の前記平均粒径よりも大きい、形成することと、
前記熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、剛性粒子を含む熱界面材料と2つの層を熱的に接続するための方法、装置、及びアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
熱界面材料(TIM)は、2つ以上の層をともに熱的に接続するために使用することができる。例えば、TIMは、多くの場合、CPUパッケージにおいて、CPUダイをCPUパッケージの統合ヒートスプレッダ(IHS)に熱的に接続するために使用される。様々なタイプのTIMが存在し、使用され得る。しかしながら、現在のTIMは、課題を提示する。
【発明の概要】
【0003】
一般的な態様では、本発明は、ダイと、上部層とを熱的に接続するための方法を対象とする。方法は、回路アセンブリのダイ上に熱界面材料を適用することを含み、そのため、熱界面材料は、回路アセンブリのダイと上部層との間にある。様々な例において、回路アセンブリは、プロセッサ、ASIC、又はシステムオンチップ(SOC)であり得る。ある特定の例では、上部層は、統合ヒートスプレッダ、ヒートシンク、又はパッケージングであり得る。ダイに適用される熱界面材料は、液体金属液滴、剛性粒子、及び未硬化ポリマーのエマルションを含む。液体金属液滴は、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である。方法は、回路アセンブリを圧縮し、それにより、液体金属液滴を変形させることと、ダイと上部層との間に、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することと、を含む。適用前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径は、剛性粒子の平均粒径よりも大きい。方法は、熱界面材料を硬化させ、それにより、回路アセンブリを形成することを更に含む。
【0004】
別の一般的な態様では、本発明は、ダイ、上部層、並びにダイ層及び上部層と接触して配設された熱界面材料を含む、回路アセンブリを対象とする。熱界面材料は、ポリマー、液体金属液滴、及びポリマー全体に分散された剛性粒子を含む。ダイと上部層との間に形成される結合線距離は、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である。液体金属液滴は、第1のアスペクト比を有し、剛性球体は、第2のアスペクト比を有し、第1のアスペクト比は、第2のアスペクト比よりも大きい。液体金属液滴は、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である。
【0005】
別の一般的な態様では、本発明は、ダイ及び上部層を熱的に接続するための装置を対象とし、装置は、空洞を画定する容器、及び空洞内に配設されたエマルションを含む。エマルションは、液体金属液滴、剛性粒子、及び未硬化ポリマーを含み、容器は、回路アセンブリのダイ上へのエマルションの適用を可能にするように構成される。液体金属液滴の平均粒径は、剛性粒子の平均粒径よりも大きい。液体金属液滴は、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である。
【0006】
別の一般的な態様では、本発明は、2つ以上の層を熱的に接続するための方法を対象とする。方法は、熱界面材料がアセンブリの第1の層と第2の層との間にあるように、第1の層上に熱界面材料を適用することを含む。熱界面材料は、液体金属液滴、剛性粒子、及び未硬化ポリマーのエマルションを含む。液体金属液滴は、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である。方法は、アセンブリを圧縮し、それにより、液体金属液滴を変形させることと、ダイと上部層との間に、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することと、を含む。適用する前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径は、剛性粒子の平均粒径よりも大きい。方法は、熱界面材料を硬化させ、それにより、アセンブリを形成することを更に含む。
【0007】
本発明は、材料界面における低い接触抵抗、及び材料を通る低い熱抵抗の両方を提供することができる。低接触抵抗は、ポリマー及び液体金属液滴が、層の表面に適合して、所望の接触抵抗を達成することができるように、未硬化状態にあるポリマーの適用によって可能にすることができる。材料を通る低い熱抵抗は、液体金属液滴のサイズ及び/若しくは形状、並びに/又は剛性粒子のサイズを含む、液体金属液滴によって可能にすることができる。加えて、本明細書において説明される方法は、未硬化状態にあるポリマーの適用に起因する方法と比較して、設置するために高圧力を必要としない場合があり、本明細書において説明される方法は、未硬化状態にあるポリマーの適用、及び液体金属液滴が室温で液相であることに起因して、室温(例えば、23℃+/-3℃)で設置され得る。更に、ポリマーを硬化させることは、液体金属液滴からのポンプ圧送を抑制することができる。加えて、剛性粒子は、結合線距離の効果的な制御を可能にし得、ポリマー及び液体金属液滴のエマルションの適用前に剛性粒子を適用することは、結合線距離の効果的な制御を可能にし得る。本発明の様々な実施形態から実現可能なこれらの利点及び他の利点は、以下の説明から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の様々な実施例の特徴及び利点、並びにそれらを達成する様式は、より明らかになり、実施例は、添付の図面と併せて例に取られる実施例の以下の説明を参照することによってより良好に理解されるであろう。
【0009】
図1】本開示によるTIMエマルションを含む容器の概略図である。
【0010】
図2A】本開示によるTIMを含む回路アセンブリの側面断面図である。
【0011】
図2B】本開示によるTIMを含む回路アセンブリの側面断面図である。
【0012】
図3A】回路アセンブリを圧縮する前の図2の回路アセンブリの領域3Aの詳細図である。
【0013】
図3B】回路アセンブリ圧縮後の図3Aの回路アセンブリである。
【0014】
図4A】圧縮後の硬化した実施例製剤比較1の画像である。
【0015】
図4B】圧縮後の硬化した実施例製剤2の画像である。
【0016】
対応する参照文字は、いくつかの図全体にわたって対応する部分を示す。本明細書において記載された例示は、ある特定の実施例を1つの形態で例解し、かかる例示は、いずれの様式でも実施例の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のある特定の例示的な態様は、本明細書において開示される組成物、機能、製造、及び組成物の使用の原理並びに方法の全体的な理解を提供するためにここで説明される。これらの態様の一例又は複数の例は、添付の図において例解される。当業者は、本明細書において具体的に説明され、添付の図面において例解される組成物、物品、及び方法が非限定的な例示的態様であり、本発明の様々な例の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な態様に関連して例解されるか、又は説明される特徴は、他の態様の特徴と組み合わせられ得る。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0018】
材料がダイと統合ヒートスプレッダ(IHS)との間にあるように、材料を回路アセンブリのダイに適用することは、材料を通る熱抵抗と、材料界面における接触抵抗とのバランスをとる必要があり得る。例えば、ポリマー材料は、材料界面において低い接触抵抗を有するが、材料を通る熱抵抗が高い場合がある。固体金属は、材料を通る熱抵抗が低いが、材料界面において高い接触抵抗を有し得る。加えて、いくつかの固体材料(ポリマー又は金属)は、所望の接触抵抗を達成するために設置中に大きい圧力を必要とし得る。更に、液体金属液滴を有する熱界面材料を利用するとき、ダイとIHSとの間の所望の結合線距離を達成することに課題がある。
【0019】
それゆえ、本発明は、様々な実施形態において、所望の結合線厚さを達成しながら、材料界面における低接触抵抗及び材料を通る低熱抵抗の両方を提供することができる、熱界面材料(TIM)、2つの層を熱的に接続するためのアセンブリ、及び回路アセンブリを提供する。加えて、TIMは、他の固体材料と比較して設置するために高圧力を必要としない場合がある。例えば、TIMは、設置(例えば、圧縮)するために、1平方インチ当たり50ポンド以下の圧力を必要とし得る。本開示によるTIMは、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子を含むことができる。液体金属液滴は、ポリマー全体に分散され得、及び/又は剛性粒子が、ポリマー全体に分散され得る。
【0020】
本明細書で使用される際、「ポリマー」及び「ポリマーの」という用語は、プレポリマー、オリゴマー、並びにホモポリマー及びコポリマーの両方を意味する。本明細書で使用される際、「プレポリマー」とは、より高い分子量又は架橋状態を形成するために、反応性基又は複数の反応性基による更なる反応又は重合が可能なポリマー前駆体を意味する。
【0021】
ポリマーは、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、又はこれらの組み合わせであり得る。本明細書において使用される際、「熱硬化」という用語は、硬化又は架橋時に不可逆的に「硬化」するポリマーを表し、ポリマー成分のポリマー鎖は、共有結合によってともに接合され、共有結合は、多くの場合、例えば、熱又は放射線によって誘導される。様々な例では、硬化又は架橋反応は、周囲条件下で実行され得る。一度硬化されるか又は架橋されると、熱硬化性ポリマーは、熱の適用時に融解せず、従来の溶媒中で不溶であり得る。本明細書において使用される際、「熱可塑性」という用語は、構成ポリマー鎖が共有結合によって結合(例えば、架橋)されておらず、それにより、加熱時に液体流を受けることができ、従来の溶媒内で可溶性であるポリマー成分を含むポリマーを表す。ある特定の実施形態では、ポリマーは、エラストマー(例えば、ゴム状、軟質、伸縮性)又は剛性(例えば、ガラス状)であり得る。例えば、ポリマーは、エラストマーであり得る。
【0022】
熱硬化性ポリマーは、例えば、アミノプラスト、ポリイソシアネート(ブロックイソシアネートを含む)、ポリエポキシド、ベータ-ヒドロキシアルキルアミド、ポリ酸、無水物、有機金属酸官能性材料、ポリアミン、ポリアミド、又はこれらの組み合わせを含み得る架橋剤を含み得る。ポリマーは、架橋剤と反応する官能基を有し得る。
【0023】
本明細書において説明されたTIM中のポリマーは、当該技術分野で既知の様々なポリマーのいずれかから選択され得る。例えば、熱硬化性ポリマーは、アクリルポリマー、ポリエステルポリマー、ポリウレタンポリマー、ポリアミドポリマー、ポリエーテルポリマー、ポリシロキサンポリマー(例えば、ポリ(ジメチルシロキソン))、フルオロポリマー、ポリイソプレンポリマー(例えば、ゴム)、それらのコポリマー(例えば、スチレンエチレンブチレンスチレン)、又はこれらの組み合わせを含み得る。熱硬化性ポリマー上の官能基は、例えば、カルボン酸基、アミン基、エポキシド基、ヒドロキシル基、チオール基、カルバメート基、アミド基、尿素基、イソシアネート基(ブロックイソシアネート基を含む)、メルカプタン基、及びこれらの組み合わせを含む、様々な反応性官能基のうちのいずれかから選択され得る。
【0024】
熱可塑性ポリマーは、プロピレン-エチレンコポリマー、スチレン-ブタジエン-スチレン、スチレンエチレンブチレンスチレン、又はこれらの組み合わせを含むことができる。ポリマーは、例えば、少なくとも摂氏120度、少なくとも摂氏150度、又は少なくとも摂氏200度など、少なくとも摂氏100度の融点を含むことができる。
【0025】
TIM用の液体金属は、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含むことができる。液体金属は、例えば、少なくとも摂氏-19度、少なくとも摂氏-10度、少なくとも摂氏0度、少なくとも摂氏5度、少なくとも摂氏10度、少なくとも摂氏15度、少なくとも摂氏20度、又は少なくとも摂氏25度など、少なくとも摂氏-20度(例えば、そのバルク形態では、摂氏-20度未満の融点を含むことができる)の少なくとも温度で液相であり得る。液体金属は、例えば、摂氏25度以下、摂氏20度以下、摂氏15度以下、摂氏10度以下、摂氏5度以下、摂氏0度以下、又は摂氏-10度以下など、少なくとも摂氏30度以下の温度で液相であり得る(例えば、そのバルク形態では、摂氏30度未満の融点を含むことができる)。液体金属は、例えば、摂氏-19度~摂氏30度、摂氏-19度~摂氏25度、又は摂氏-19度~摂氏20度など、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相であり得(例えば、そのバルク形態では、摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度未満の融点を含むことができる)。液相がそれぞれの温度で達成されるかどうかの判定は、1気圧の絶対圧で行うことができる。ある特定の実施形態では、TIMは、ガリウムインジウムスズ(例えば、ガリンスタン)及び摂氏-19度の融点を含むことができる。
【0026】
剛性粒子は、鉄、鉄合金(例えば、鋼、ステンレス鋼)、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金(例えば、青銅)、剛性ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含むことができる。剛性粒子は、液体金属液滴による変形及び/又は腐食に対して耐性であり得る。例えば、剛性粒子は、例えば、少なくとも110MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、少なくとも1GPa(ギガパスカル)、又は少なくとも2GPaなどの少なくとも100MPa(メガパスカル)のヤング率を含むことができる。ヤング率は、ASTM E111-17によって測定することができる。
【0027】
TIMは、ポリマー、液体金属、及び剛性粒子のエマルションを形成することによって、作成することができ、そのため液体金属液滴及び剛性粒子は、実質的にポリマー全体に分散される。例えば、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子は、容器内、乳鉢及び乳棒、超音波処理、又はこれらの組み合わせで振盪することによって、高せん断ミキサ、遠心ミキサとともに混合することができる。エマルションを形成するための例示的な方法に関する詳細は、(1)公開されたPCT WO/2019/136252、表題「Method of Synthesizing a Thermally Conductive and Stretchable Polymer Composite」、(2)公開された米国出願第2017/0218167号、表題「Polymer Composite with Liquid Phase Metal Inclusions」、及び(3)米国特許第10,777,483号、表題「Method,apparatus,and assembly for thermally connecting layers」に記載されており、これらの全ては、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、TIMは、剛性粒子の層を形成し、次いで、ポリマー及び液体金属のエマルションを剛性粒子の層に適用することによって作成することができる。
【0028】
組成物及び/又は混合技術は、未硬化状態にあるTIMエマルションの粘度が、例えば、750,000cP未満、500,000cP未満、250,000cP未満、200,000cP未満、150,000cP未満、100,000cP未満、50,000cp未満、15,000cP未満、14,000cP未満、13,000cP未満、12,000cP未満、11,000cP未満、又は10,000cP未満などの、850,000cp(センチポアズ)未満であるように選択することができる。TIMエマルションの粘度は、室温において回転粘度計又はコーン及びプレート粘度計によって測定することができる。粘度測定は、(例えば、材料が非ニュートン流体であるため)静的粘度を生成するのに好適な選定周波数で実施され得る。
【0029】
TIMは、例えば、TIMの総体積に基づいて、少なくとも10体積%、少なくとも15体積%、少なくとも20体積%、少なくとも25体積%、少なくとも30体積%、少なくとも35体積%、少なくとも40体積%、少なくとも45体積%、又は少なくとも50体積%などの、TIMの総体積に基づいて、少なくとも7体積%のポリマーを含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、65体積%以下、60体積%以下、55体積%以下、50体積%以下、45体積%以下、又は40体積%以下などの、TIMの総体積に基づいて、70体積%以下のポリマーを含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、20体積%~50体積%、30体積%~50体積%、30体積%~60体積%、40体積%~60体積%、又は40体積%~70体積%など、TIMの総体積に基づいて、7体積%~70体積%の範囲のポリマーを含むことができる。
【0030】
TIMは、全て液体金属液滴の総体積に基づいて、例えば、少なくとも5体積%の液体金属液滴、少なくとも10体積%の液体金属液滴、少なくとも20体積%の液体金属液滴、少なくとも30体積%の液体金属液滴、少なくとも40体積%の液体金属液滴、少なくとも50体積%の液体金属液滴、又は少なくとも60体積%の液体金属液滴などの、TIMの総体積に基づいて少なくとも1体積%の液体金属液滴を含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、90体積%以下の液体金属液滴、80体積%以下の液体金属液滴、70体積%以下の液体金属液滴、60体積%以下の液体金属液滴、50体積%以下の液体金属液滴、40体積%以下の液体金属液滴、30体積%以下の液体金属液滴、20体積%以下の液体金属液滴、又は10体積%以下の液体金属液滴などの、TIMの総体積に基づいて92体積%以下の液体金属液滴を含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、1体積%~90体積%の液体金属液滴、5体積%~50体積%の液体金属液滴、40体積%~60体積%の液体金属液滴、5体積%~90体積%の液体金属液滴、又は30体積%~50体積%の液体金属液滴など、TIMの総体積に基づいて1体積%~92体積%の液体金属液滴の範囲を含むことができる。液体金属液滴の量は、TIMの形態及びTIMの熱伝導率に影響を与える可能性がある。
【0031】
TIMは、全て液体金属液滴の総体積に基づいて、例えば、TIMの総体積に基づいて少なくとも1体積%の剛性粒子、少なくとも5体積%の剛性粒子、少なくとも10体積%の剛性粒子、又は少なくとも20体積%の剛性粒子などの、TIMの総体積に基づいて少なくとも0.1体積%の剛性粒子を含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、25体積%以下の剛性粒子、20体積%以下の剛性粒子、10体積%以下の剛性粒子、5体積%以下の剛性粒子、又は1体積%以下の剛性粒子など、TIMの総体積に基づいて30体積%以下の剛性粒子を含むことができる。TIMは、全てTIMの総体積に基づいて、例えば、0.1体積%~10体積%の剛性粒子、0.1体積%~5体積%の剛性粒子、1体積%~10体積%の剛性粒子、又は1体積%~5体積%の剛性粒子など、TIMの総体積に基づいて0.1体積%~30体積%の剛性粒子の範囲を含むことができる。剛性粒子の量は、TIMの形態、TIMの熱伝導率、及びTIMの結合線の厚さの制御に影響を与え得る。例えば、剛性粒子が十分でないと、TIMの結合線の厚さに対する制御の欠如につながる可能性があり、剛性粒子が多すぎると、TIMの形態及び/又はTIMの熱伝導率が望ましくない変化につながる可能性がある。
【0032】
組成物及び/又は混合技術は、TIM中の液体金属液滴の所望の平均粒径を達成するために選択され得る。液体金属液滴の平均粒径は、例えば、少なくとも5ミクロン、少なくとも10ミクロン、少なくとも20ミクロン、少なくとも30ミクロン、少なくとも35ミクロン、少なくとも40ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも60ミクロン、少なくとも70ミクロン、少なくとも80ミクロン、少なくとも90ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも120ミクロン、又は少なくとも150ミクロンなど、少なくとも1ミクロンであり得る。液体金属液滴の平均粒径は、例えば、150ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、60ミクロン以下、50ミクロン以下、40ミクロン以下、35ミクロン以下、30ミクロン以下、20ミクロン以下、10ミクロン以下、又は5ミクロン以下など、200ミクロン以下であり得る。例えば、液体金属液滴の平均粒径は、例えば、5ミクロン~150ミクロン、15~150ミクロン、35ミクロン~150ミクロン、35ミクロン~70ミクロン、又は5ミクロン~100ミクロンなど、1ミクロン~200ミクロンの範囲内にあり得る。様々な実施形態では、組成物及び/又は混合技術は、例えば、剛性粒子の平均粒径よりも少なくとも1%大きい、少なくとも2%大きい、少なくとも5%大きい、少なくとも10%大きい、又は少なくとも20%大きいなど、TIM中の剛性粒子の平均粒径よりも大きい液体金属液滴の平均粒径を達成するように選択され得る。
【0033】
本明細書において使用される際、「平均粒径」は、顕微鏡法(例えば、光学顕微鏡法又は電子顕微鏡法)を使用して測定される平均サイズ(すなわち、D50)を表す。サイズは、球体粒子の直径、又は楕円体若しくは他の不規則な形状の粒子の場合、最大寸法に沿った長さであり得る。本明細書において使用される際、粒子の「D10」は、粒子の体積の10%がより小さい直径を有する直径を表す。本明細書において使用される際、粒子の「D90」は、粉末中の粒子の体積の90%が、より小さい直径を有する直径を表す。
【0034】
液体金属液滴の多分散性は、単峰性又は多峰性(例えば、二峰性、三峰性)であり得る。多峰多分散性を利用すると、TIM中の液体金属液滴の充填密度を増加させることができる。多分散性が単峰性である、ある特定の実施形態では、ポリマー中の液体金属液滴の多分散性は、0.3~0.4の範囲内にあり得る。
【0035】
TIM内の剛性粒子の平均粒径は、アセンブリ内の所望の結合線距離を達成するために選択することができる。剛性粒子の平均粒径は、例えば、少なくとも5ミクロン、少なくとも10ミクロン、少なくとも20ミクロン、少なくとも30ミクロン、少なくとも35ミクロン、少なくとも40ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも60ミクロン、少なくとも70ミクロン、少なくとも80ミクロン、少なくとも90ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも120ミクロン、又は少なくとも125ミクロンなど、少なくとも1ミクロンであり得る。剛性粒子の平均粒径は、例えば、125ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、90ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、60ミクロン以下、50ミクロン以下、40ミクロン以下、35ミクロン以下、30ミクロン以下、20ミクロン以下、10ミクロン以下、又は5ミクロン以下など、150ミクロン以下であり得る。例えば、剛性粒子の平均粒径は、例えば、15~150ミクロン、5ミクロン~125ミクロン、35ミクロン~125ミクロン、35ミクロン~70ミクロン、又は50ミクロン~70ミクロンなど、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にあり得る。
【0036】
TIMは、図1において例解されるように、使用前に容器100内に格納され得る。例えば、容器は、空洞を画定する壁102を備えることができ、TIMエマルション104は、空洞内に格納され得る。TIM104は、容器100内で未硬化状態であり得る。容器100内のTIM104の貯蔵は、TIM104の硬化を抑制することができる。容器100は、ピローパック、注射器、ビーカ、瓶、ボトル、ドラム、又はこれらの組み合わせであり得る。様々な例では、容器100は、例えば、ピローパック又は注射器などの、すぐに使用可能な分配デバイスであり得る。他の例では、TIM104は、貯蔵されなくてもよく、貯蔵なしでエマルションの生成後に使用される場合がある。
【0037】
本明細書において使用される際、「硬化(cure)」及び「硬化する(curing)」という用語は、基材上に適用されるエマルション若しくは材料中の成分の化学的架橋、又は基材上に適用されるエマルション若しくは材料中の成分の粘度の増加を表す。したがって、「硬化」及び「硬化する」という用語は、溶媒又は担体蒸発を通してエマルション又は材料の物理的乾燥のみを包含するものではない。この点で、熱硬化性ポリマーを含む例において本明細書で使用される際、「硬化された」という用語は、エマルション又は材料の成分が化学的に反応して、エマルション又は材料内で新しい共有結合(例えば、結合剤樹脂と硬化剤との間に形成される新しい共有結合)を形成したエマルション又は材料の状態を表す。本明細書において、熱可塑性ポリマーを含む例において使用される際、「硬化された」という用語は、熱可塑性ポリマーの温度が熱可塑性ポリマーの融点を下回って減少し、そのため、エマルション又は材料の粘度が増加するエマルション又は材料の状態を表す。熱硬化性ポリマー及び熱可塑性ポリマーの両方を含む例では、「硬化された」という用語は、本明細書に記載のように硬化するポリマーの一方又は両方を表す。
【0038】
熱硬化性ポリマーの硬化は、例えば、少なくとも摂氏10度、少なくとも摂氏50度、少なくとも摂氏100度、又は少なくとも摂氏150度など、TIM104に少なくとも摂氏-20度の温度を適用することによって達成することができる。硬化は、例えば、摂氏250度以下、摂氏200度以下、摂氏150度以下、摂氏100度以下、又は摂氏50度以下など、TIM104に摂氏300度以下の温度を適用することによって達成され得る。硬化は、例えば、摂氏10度~摂氏200度、又は摂氏50度~摂氏150度など、TIM104に摂氏-20度~摂氏300度の範囲内の温度を適用することによって達成され得る。例えば、硬化は、TIMを熱焼成することを含むことができる。温度は、例えば、5分超、30分超、1時間超、又は2時間超など、1分超の期間にわたって適用することができる。
【0039】
TIM104は、容器100から分配され、未硬化状態の層に適用され得る。様々な例において、TIM104は、容器100内の剛性粒子を含まず、剛性粒子は、粒子層として適用され、剛性粒子のないTIM104は、粒子層の上に適用される。その後、TIM104は、硬化されて、硬化したTIM104を形成することができる。TIM104を硬化させることは、(例えば、熱硬化性ポリマーでの例において)TIM104を加熱すること、TIM104に触媒を添加すること、TIM104を空気に曝露すること、(例えば、熱可塑性ポリマーを有する例において)TIM104を冷却すること、TIM104に圧力を適用すること、又はこれらの組み合わせを含むことができる。TIM104を硬化させることは、TIMエマルションの粘度を、例えば、20,000cP超、30,000cP超、50,000cP超、100,000cP超、150,000cP超、200,000cP超、250,000cP超、500,000cP超、750,000cP超、又は850,000cP超など、15,000cP超まで増加させることができる。例えば、TIM104中のポリマーを硬化させることができる。様々な例において、TIM104は、接着剤であり得る。TIM104中のポリマーは、硬化中のTIM104のガス放出を低減するために選択され得る。
【0040】
本開示によるTIMは、TIMが第1の層及び第2の層を含むアセンブリの2つの層の間にあるように、第1の層に適用することができる。TIMは、単一の工程又は少なくとも2つの工程において適用され得る。例えば、剛性粒子は、粒子層内の第1の層に適用することができる。剛性粒子と溶媒との混合物は、例えば、ガラスピペットを介して第1の層に適用することができ、その後、溶媒は、剛性粒子を第1の層に残して除去することができる。溶媒は、室温で溶媒を第1の層から除去することができるような引火点を有することができる。例えば、溶媒は、アセトンなどを含むことができる。使用される剛性粒子の平均粒径及びタイプに応じて、ポリマー及び液体金属液滴のエマルションの前に剛性粒子を適用することで、結合線の厚さの不適切な制御につながり、及び/又は別様に、TIMの適用に関する問題を引き起こす(例えば、適用中に注射器を詰まらせる)可能性がある、剛性粒子の凝集を低減させることができる。
【0041】
第1の層は、発熱電子構成要素(例えば、集積回路、回路アセンブリ)であり得、第2の層は、熱伝導性であり得る上部層であり得る。例えば、上部層は、ヒートスプレッダ、ヒートシンク、又はパッケージングであり得る。その後、アセンブリは圧縮され、それにより、TIM内の液体金属液滴を変形させ、第1の層と第2の層との間に、剛性粒子の95%~125%の平均粒径である結合線距離を形成することができる。TIMは、アセンブリを形成するために硬化させることができる。TIM104を未硬化状態で適用することは、所望の接触抵抗を達成し、アセンブリを圧縮するときにより低い圧力が使用されることを可能にすることができる。剛性粒子を利用することは、第1の層と第2の層との間の距離が剛性粒子の平均粒径に近づくにつれて、剛性粒子が、第1の層と第2の層との間の距離の更なる減少を抑制することができるため、結合線距離のより効果的な制御を可能にすることができる。例えば、剛性粒子は、第1の層と第2の層との間の距離を更に減少させるために必要な圧力が、著しく増加するように、第1の層及び/又は第2の層と接触することができる。TIMは、様々な層及びデバイスに適用することができ、回路アセンブリを参照し、図2A図2Bを参照して以下に説明されるが、回路アセンブリだけに限定されない。
【0042】
図2Aを参照すると、TIM204は、回路アセンブリ208のダイ206に適用され得、そのためTIM204は、回路アセンブリ200のダイ206と上部層210との間にあり得る。TIM204の適用は、上で本明細書において説明されるように、1つの工程又は少なくとも2つの工程で発生し得る。TIM204をダイ206に適用することは、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ロールコーティング、フローコーティング、フィルムコーティング、ブラシコーティング、押出成形、分配、又はこれらの組み合わせを含むことができる。TIM204は、TIMがダイ206及び上部層210の表面に適合可能であるように、それらの間で所望のレベルの表面接触を達成することができるように、未硬化状態で適用することができる。様々な例では、TIM204は、ダイ206に直接適用することができ、その後、上部層210は、TIM204に直接適用することができる。様々な他の例では、TIM204は、上部層210に直接適用することができ、その後、ダイ206は、TIM204に直接適用することができる。様々な例では、TIM204の適用後、TIM204は、ダイ206及び上部層210と直接接触することができる。ある特定の実施形態では、TIM204の適用は、TIM204が効率的に使用され得るように、ダイ206の表面に限定され得る。
【0043】
本明細書において使用される際、特に層、フィルム、又は材料に関連して、「上に(on)」、「上に(onto)」、「上に(over)」という用語、及びそれらの変形(例えば、「上に適用される」、「上に形成される」、「上に堆積される」、「上に提供される」、「上に位置付けられる」、など)は、基材の表面上に適用されるか、形成されるか、堆積されるか、提供されるか、又は別様に位置付けられるが、基材の表面と必ずしも接触しないことを意味する。例えば、基材に「適用」されるTIMは、適用されるTIMと基材との間に位置付けられる、同じ若しくは異なる組成の別の層又は他の層の存在を除外しない。同様に、第1の層に「適用」される第2の層は、適用される第2の層と適用されるTIMとの間に位置付けられる、同じ若しくは異なる組成の別の層又は他の層の存在を除外しない。
【0044】
回路アセンブリ200は、圧縮することができる。例えば、図3A図3Bの詳細図を参照すると、ダイ206及び上部層210は、第1の距離dが第2の結合線距離dblに減少することができるようにともに付勢され得る。適用前及び/又は圧縮プロセスの前に、TIM204内の液体金属液滴312の平均粒径は、ダイ206と上部層210との間に形成される、所望の結合線距離dblよりも大きくなるように選択することができる。例えば、適用前及び/又は圧縮プロセス前の液体金属液滴312の平均粒径は、例えば、結合線距離dblより1%大きい、結合線距離dblより2%大きい、結合線距離dblより5%大きい、結合線距離dblより10%大きい、結合線距離dblより15%大きい、結合線距離dblより20%大きい、結合線距離dblより30%大きい、結合線距離dblより40%大きい、結合線距離dblより50%大きい、又は結合線距離dblより75%大きいなど、結合線距離dblよりも大きい可能性がある。適用前及び/又は圧縮プロセス前の液体金属液滴312の平均粒径は、例えば、結合線距離dblよりも75%以下、結合線距離dblよりも50%以下、結合線距離dblよりも40%以下、結合線距離dblよりも30%以下、結合線距離dblよりも20%以下、結合線距離dblよりも15%以下、結合線距離dblよりも10%以下、結合線距離dblよりも5%以下、結合線距離dblよりも2%以下など、結合線距離dblよりも100%以下である可能性がある。適用前及び/又は圧縮プロセス前の液体金属液滴312の平均粒径は、例えば、結合線距離dblより1%~50%大きい、結合線距離dblより1%~30%大きい、結合線距離dblより2%~30%大きい、又は結合線距離dblより5%~20%大きいなど、結合線距離dblより1%~100%大きい範囲内にあり得る。
【0045】
TIM204内の剛性粒子316の平均粒径は、ダイ206と上部層210との間に形成される、所望の結合線距離、dblに基づいて選択することができ、そのため、結合線距離dblの更なる減少は、剛性粒子316によって抑制され得る。例えば、結合線距離dblは、例えば、剛性粒子316の平均粒径の少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも100%、又は少なくとも101%など、剛性粒子316の平均粒径の少なくとも95%であり得る。結合線距離dblは、例えば、剛性粒子316の平均粒径の120%以下、115%以下、110%以下、又は105%以下など、剛性粒子316の平均粒径の125%以下であり得る。例えば、結合線距離dblは、例えば、剛性粒子316の平均粒径の95%~120%、95%~110%、100%~120%、100%~110%、又は101%~110%など、剛性粒子316の平均粒径の95%~125%の範囲内にあり得る。
【0046】
適用前及び/又は圧縮プロセス前の液体金属液滴312の平均粒径は、例えば、剛性粒子316の平均粒径よりも少なくとも5%大きい、少なくとも10%大きい、少なくとも20%大きい、又は少なくとも25%大きいなど、剛性粒子316の平均粒径よりも大きい可能性がある。
【0047】
回路アセンブリ200を圧縮することは、TIM204に圧縮力を適用することができ、TIM204のポリマー314内に分散された液体金属液滴312を変形させることができる。TIM204が未硬化状態にあるため、ポリマー314は、圧縮力が液体金属液滴312を剛性粒子316のサイズに変形させることができるように、依然として適合可能及び移動可能である。液体金属液滴312は、圧縮のためにより低い圧力が必要とされ、所望の変形が達成されるように、変形中に液相であり得る。圧縮中、第1の距離dを減少させるとき、剛性粒子316の平均粒径に近づくと、圧縮に必要な圧力は、著しく増加し、それにより、所望の結合線距離dblが達成されたことを示し、及び/又は第1の距離dにおいて更に減少することを抑制することができる。様々な例では、ポリマー314及び液体金属液滴312のエマルションの前に剛性粒子316を適用することは、所望の結合線距離dblの制御を妨げる可能性がある、剛性粒子316の凝集を低減することができる。したがって、剛性粒子316は、結合線距離dblの効果的な制御を可能にすることができる。
【0048】
圧縮力は、例えば、2PSI~45PSI、10PSI~45PSI、15PSI~45PSI、15PSI~30PSI、又は20PSI~40PSIなど、1PSI~50PSIの範囲内にあり得る。
【0049】
液体金属液滴312は、図3Aに示されるように略球体であり得、その後、図3Bに示されるように略楕円体であり得る。様々な例では、圧縮前の液体金属液滴312は、第1の平均アスペクト比を有し得、圧縮後、液体金属液滴312は、第2の平均アスペクト比を有することができる。第2の平均アスペクト比は、第1の平均アスペクト比とは異なる可能性がある。例えば、第2の平均アスペクト比は、第1の平均アスペクト比よりも大きい可能性がある。平均アスペクト比は、液体金属液滴312の幅対液体金属液滴312の高さの平均比であり得る。様々な例では、第1のアスペクト比は、1であり得、第2のアスペクト比は、1超であり得る。ある特定の実施形態では、第1のアスペクト比は、1~1.5の範囲内にあり得る。ある特定の実施形態では、第2のアスペクト比は、例えば、第1のアスペクト比よりも少なくとも1大きい、第1のアスペクト比よりも少なくとも2大きい、又は第1のアスペクト比よりも少なくとも5大きいなど、第1のアスペクト比よりも少なくとも0.5大きい可能性がある。液体金属液滴312の幅は、回路アセンブリ200内のTIM204の長手方向平面と実質的に位置合わせされ得、液体金属液滴312の高さは、TIM204の厚さ(例えば、距離、d)と実質的に位置合わせされ得る。液体金属液滴312の幅は、回路アセンブリ200の圧縮時に増加する可能性がある。例えば、ある特定の実施形態では、圧縮前の球体液体金属液滴の半径は、100μm(例えば、第1のアスペクト比が1)であり得、20μmの結合線厚さに圧縮後、液体金属液滴は、316μm幅(例えば、第2のアスペクト比が15.6)の楕円形状に変形することができる。
【0050】
剛性粒子316は、図3Aに示されるように略球体であり得、その後、図3Bに示されるように、実質的にその球度を維持することができる。様々な例では、圧縮前の剛性粒子316は、第3の平均アスペクト比を有することができ、圧縮後、剛性粒子316は、第3の平均アスペクト比を実質的に維持することができる。様々な例では、第3の平均アスペクト比は、例えば、第3の平均アスペクト比が1であり得るなど、0.9~1.1の範囲内にあり得る。図3Bに示されるような液体金属液滴312の第2の平均アスペクト比は、例えば、第3のアスペクト比よりも少なくとも0.1大きいなど、例えば、第3のアスペクト比よりも少なくとも0.5大きい、第3のアスペクト比よりも少なくとも1大きい、第3のアスペクト比よりも少なくとも2大きい、又は第3のアスペクト比よりも少なくとも5大きいなど、図3Bに示されるような剛性粒子の第3の平均アスペクト比よりも大きい可能性がある。
【0051】
様々な実施形態では、剛性粒子316は、例えば、少なくとも0.95、少なくとも0.96、少なくとも0.97、少なくとも0.98、又は少なくとも0.99など、少なくとも0.9の平均球度を含むことができる。剛性粒子316は、サイズが実質的に均一であり得る。例えば、剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の125%以下、120%以下、115%以下、又は110%以下などの、剛性粒子316のD50の125%以下のD90を含むことができる。剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の125%以下、少なくとも101%、少なくとも105%、又は少なくとも110%などの、剛性粒子316の少なくともD50のD90を含むことができる。例えば、剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の101%~120%、101%~115%、101%~110%、101%~105%、又は100%~105%などの、剛性粒子316の少なくともD50から剛性粒子316のD50の125%までの範囲内にあるD90を含む。剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%などの、剛性粒子316のD50の少なくとも90%のD10を含むことができる。剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の99%以下、98%以下、又は95%以下などの、剛性粒子316のD50以下のD10を含むことができる。例えば、剛性粒子316は、例えば、剛性粒子316のD50の90%~99%、95%~99%、95%~100%、98%~100%、又は99~100%などの、剛性粒子316のD50の90%から剛性粒子316のD50までの範囲内にあるD10を含むことができる。したがって、剛性粒子316の均一性及び形状に起因して、剛性粒子316の配向は、結合線距離dblに影響を及ぼさない可能性がある。
【0052】
様々な例では、液体金属液滴312及び剛性粒子316は、例えば、結合線距離dblの90%~100%、90%~99%、95%~99%、95%~100%、98%~100%、又は99%~100%など、結合線距離dblの85%~結合線距離dblの100%の範囲内にある、(ダイ206から上部層210までの方向において測定される際の)平均高さを含み得る。
【0053】
ある特定の例では、液体金属液滴312及び剛性粒子316は、圧縮後に図3Bに示されるように、実質的に単層で位置合わせされ得る。単層は、液体金属液滴312の平均粒径、剛性粒子316の平均粒径、及び結合線距離dblを選択することによって達成され得る。単層中で液体金属液滴312及び剛性粒子316を構成することは、TIM204の熱抵抗を低減させることができる。
【0054】
TIM204は、硬化され、それにより、回路アセンブリ200を形成することができる。TIM204を硬化させることは、ポリマー314の粘度を増加させることができ、ポリマー314を硬くさせることができる。例えば、ポリマー316は、固体になり得る。様々な例では、硬化後のポリマー314は、エラストマーである。ポリマー314を硬化させることは、回路アセンブリ200の熱サイクル中に液体金属液滴312からのポンプ圧送を抑制することができ、ダイ206と上部層210との間に機械的結合を提供することができる。
【0055】
アセンブリ200は、例えば、145ミクロン以下、140ミクロン以下、120ミクロン以下、100ミクロン以下、80ミクロン以下、70ミクロン以下、50ミクロン以下、40ミクロン以下、35ミクロン以下、又は30ミクロン以下など、150ミクロン以下の硬化アセンブリ内のダイ206と上部層210との間に形成される結合線距離dblを含むことができる。アセンブリ200は、例えば、少なくとも30ミクロン、少なくとも35ミクロン、少なくとも40ミクロン、少なくとも50ミクロン、少なくとも70ミクロン、少なくとも80ミクロン、少なくとも100ミクロン、少なくとも120ミクロン、少なくとも140ミクロン、又は少なくとも145ミクロンなどの、少なくとも15ミクロンである硬化アセンブリ内のダイ206と上部層210との間に形成される結合線距離dblを含むことができる。アセンブリ200は、例えば、15ミクロン~90ミクロン、15ミクロン~70ミクロン、30ミクロン~70ミクロン、35ミクロン~70ミクロン、又は15ミクロン~100ミクロンなど、15ミクロン~150ミクロンの範囲内にある硬化アセンブリ内のダイ206と上部層210との間に形成される結合線距離dblを含むことができる。
【0056】
硬化は、第1の期間にわたって発生し得、圧縮は、第2の期間にわたって発生し得る。第1の期間は、第2の期間の後であり得るか、又は第2の期間と少なくとも部分的に重複し得る。例えば、液体金属液滴312は、ポリマー314の実質的な硬化の前に変形され得、そのためより低い圧縮圧力が、液体金属液滴312を変形させるために使用され得る。
【0057】
液体金属液滴314の平均粒径、剛性粒子316の平均粒径、及び液体液滴312の変形は、TIM204の熱抵抗値を改善することができる。例えば、硬化後のTIM204は、例えば、20(°K*mm)/W以下、15(°K*mm)/W以下、10(°K*mm)/W以下、9(°K*mm)/W以下、8(°K*mm)/W以下、7(°K*mm)/W以下、又は5(°K*mm)/W以下など、30(°K*mm)/W以下の熱抵抗値を含むことができる。硬化後のTIM204は、例えば、少なくとも1(°K*mm)/W、少なくとも2(°K*mm)/W、少なくとも3(°K*mm)/W、少なくとも5(°K*mm)/W、又は少なくとも10(°K*mm)/Wなど、少なくとも0.5(°K*mm)/Wの熱抵抗値を含むことができる。硬化後のTIM204は、例えば、0.5(°K*mm)/W~20(°K*mm)/W、0.5(°K*mm)/W~15(°K*mm)/W、1(°K*mm)/W~10(°K*mm)/W、2(°K*mm)/W~10(°K*mm)/W、又は2(°K*mm)/W~8(°K*mm)/Wなど、0.5(°K*mm)/W~30(°K*mm)/Wの範囲内にある熱抵抗値を含むことができる。熱抵抗値は、Siemens(Munich,Germany)から入手可能なDynTIM-S装置、NanoTest(Germany)製のTIMA装置、及び/又はLongWin LW 9389(Taiwan)を使用して測定することができる。
【0058】
ダイ206は、例えば、プロセッサ、又はASIC、又はシステムオンチップ(SOC)などの集積回路を備えることができる。上部層210は、統合ヒートスプレッダであり得る。TIM204は、プロセッサと統合ヒートスプレッダとの間に直接適用され得る。例えば、TIM204は、TIM1、TIM1.5、又はこれらの組み合わせであり得る。TIM1は、蓋付きパッケージ内でダイ及び統合ヒートスプレッダを熱的に接続するために使用することができる。TIM1.5は、ベアダイパッケージ内でダイをヒートシンクに熱的に接続するために使用することができる。
【0059】
様々な他の例では、図2Bを参照すると、TIM216は、上部層210(例えば、統合ヒートスプレッダ)と異なる上部層218との間に適用され得る。上部層218は、ヒートシンクを備え得る。例えば、TIM216は、TIM2であり得る。
【0060】
様々な他の例では、本開示によるTIMは、パッケージ上のシステム内で使用することができる。例えば、単一の水平TIM層は、一方の側面で複数のダイと接触し得(例えば、集積回路は、複数のダイを備えることができ、又は複数の集積回路は、TIMの同じ側面と接触し得る)、異なる側面上で上部層又は複数の層と接触し得る。
【0061】
<実施例>
【0062】
本開示は、本開示の例示的であり非限定的な態様を提供する、以下の実施例を参照することによって、より完全に理解されるであろう。本明細書に記載される開示は、必ずしも本セクションにおいて説明される実施例に限定されないことを理解されたい。
【0063】
以下の表1により、アセンブリ内の結合線距離制御を、3つの異なる実施例TIM製剤に関して試験した。
【0064】
【表1】
【0065】
各TIM実施例製剤を、アセンブリの第1の層に適用し、アセンブリの第2の層を、TIM製剤に適用した。次いで、15PSI又は29PSIの圧縮圧力のいずれかを、アセンブリを圧縮するために使用した。TIM製剤がその圧力で圧縮されなくなるまで圧力を適用し、圧縮後に結果として生じる結合線の厚さを測定した。この手順を、各実施例製剤に関して複数回繰り返した。
【0066】
実施例製剤比較1は、第1の層と第2の層との間の距離が最小限になるように、15PSI又は29PSIのいずれかにおいて結合線の厚さをほとんど制御しないことが観察された。実施例製剤2は、平均結合線厚さが、ガラス剛性粒子のメジアン径と同様であるように、実施例製剤比較1に対して、15PSI及び29PSIの両方で結合線厚さを有利に制御することが観察された。実施例製剤3は、平均結合線厚さが、ガラス剛性粒子のメジアン径と同様であるように、実施例製剤比較1に対して、15PSI及び29PSIの両方で結合線厚さを有利に制御することが観察された。加えて、29PSIの圧縮圧力を、実施例製剤2及び実施例製剤3においてより均一な結合線厚さを達成するために観察した。
【0067】
実施例製剤比較1の形態は、図4Aに示され、実施例製剤2の形態は、図4Bに示される。実施例製剤2の形態は、実施例製剤比較1と比較して、ガラス剛性粒子の添加によって実質的に影響を受けないことが観察された。
【0068】
本開示による本発明の様々な態様は、限定されるものではないが、以下の番号付き条項内に列挙される態様を含む。
【0069】
1.熱界面材料が回路アセンブリのダイと上部層との間にあるように、回路アセンブリのダイ上に熱界面材料を適用することであって、ダイに適用される熱界面材料が、液体金属液滴、未硬化ポリマー、及び剛性粒子のエマルションを含み、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、適用することと、回路アセンブリを圧縮し、それにより、液体金属液滴を変形させ、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である上部層との間の結合線距離を形成することであって、適用前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径が、剛性粒子の平均粒径よりも大きい、形成することと、熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することを含む、方法。
【0070】
2.回路アセンブリのダイ上に剛性粒子を適用することと、適用された剛性粒子とともに、回路アセンブリのダイ上に未硬化ポリマー及び液体金属液滴のエマルションを適用し、それにより、回路アセンブリのダイと上部層との間に熱界面材料を形成することであって、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、形成することと、回路アセンブリを圧縮して、それにより、液体金属液滴を変形させ、ダイと上部層との間に、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することであって、適用前に、熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径が、剛性粒径の平均粒径よりも大きい、形成することと、熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することと、を含む、方法。
【0071】
3.ダイが、プロセッサを備える、条項1又は2に記載の方法。
【0072】
4.上部層が、プロセッサの統合ヒートスプレッダを備える、条項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【0073】
5.上部層が、ヒートシンク、統合ヒートスプレッダ、又はパッケージングを備える、条項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【0074】
6.硬化アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、150ミクロン以下である、条項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【0075】
7.硬化アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、100ミクロン以下である、条項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【0076】
8.硬化アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、70ミクロン以下である、条項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【0077】
9.硬化アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、15ミクロン~90ミクロンの範囲内にある、条項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【0078】
10.適用前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径が、硬化アセンブリ中のダイと上部層との間に形成される結合線距離よりも大きい、条項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【0079】
11.堆積前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径が、硬化アセンブリ中のダイと上部層との間に形成される結合線距離よりも1%~100%大きい範囲内にある、条項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【0080】
12.液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含む、条項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
13.硬化後の熱界面材料が、30(°K*mm)/W以下の熱抵抗値を含む、条項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
14.硬化後の熱界面材料が、10(°K*mm)/W以下の熱抵抗値を含む、条項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
15.液体金属液滴が、単峰多分散性を含む、条項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0084】
16.液体金属液滴が、多峰分散性を含む、条項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【0085】
17.ポリマーが、熱硬化性ポリマーを含む、条項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【0086】
18.ポリマーが、熱可塑性ポリマーを含む、条項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
19.エマルションが、硬化前に850,000cP未満の粘度を有する、条項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
20.液体金属液滴が、堆積前に略球体であり、液体金属液滴が、アセンブリ圧縮後に略楕円体である、条項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
21.液体金属液滴及び剛性粒子が、個別に、アセンブリ圧縮後に結合線距離の85%~結合線距離の100%の範囲内にある平均高さを含む、条項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
22.熱界面材料が、30体積%~92体積%の液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の剛性粒子、及び7体積%~70体積%のポリマーを含む、条項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【0091】
23.硬化が第1の期間にわたって発生し、圧縮が、第2の期間にわたって発生し、第1の期間が、第2の期間の後であるか、又は少なくとも部分的に第2の期間と重複する、条項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
24.剛性粒子が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にある平均粒径を含む、条項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
25.ダイと上部層との間の結合線距離が、剛性粒子の平均粒径の100%~110%である、条項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
26.剛性粒子が、少なくとも0.9の球度を含む、条項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
27.剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、剛性ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含む、条項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【0096】
28.液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含む、条項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【0097】
29.剛性粒子が、少なくとも100MPaのヤング率を含む、条項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【0098】
30.剛性粒子が、剛性粒子のD50の125%以下のD90を含む、条項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【0099】
31.剛性粒子が、堆積前及びアセンブリ圧縮後に、略球体である、条項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
32.条項1~31のいずれか一項に記載の方法によって製造される回路アセンブリ。
【0101】
33.アセンブリであって、ダイと、上部層と、ダイ層及び上部層と接触して配設された熱界面材料を含み、熱界面材料がポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子を含み、ダイと上部層との間に形成される結合線距離が、剛性粒子の平均粒径の95%~125%であり、液体金属液滴が、第1のアスペクト比を有し、剛性球体が、第2のアスペクト比を有し、第1のアスペクト比が、第2のアスペクト比よりも大きく、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、アセンブリ。
【0102】
34.ダイが、プロセッサを備える、条項33に記載のアセンブリ。
【0103】
35.上部層が、ヒートシンク、統合ヒートスプレッダ、又はパッケージングを備える、条項33又は34に記載のアセンブリ。
【0104】
36.アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、150ミクロン以下である、条項33~35のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0105】
37.アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、100ミクロン以下である、条項33~36のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0106】
38.アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、70ミクロン以下である、条項33~37のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0107】
39.アセンブリ内のダイと上部層との間に形成される結合線距離が、15ミクロン~90ミクロンの範囲内にある、条項33~38のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0108】
40.液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、若しくはこれらの組み合わせを含み、かつ/又は剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、ポリマー、ガラス、セラミック、若しくはこれらの組み合わせを含む、条項33~39のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0109】
41.液体金属液滴及び剛性粒子が、ポリマー全体に分散される、条項33~40のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0110】
42.熱界面材料が、30体積%~92体積%の液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の剛性粒子、及び7体積%~70体積%のポリマーを含む、条項33~41のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0111】
43.熱界面材料が、30(°K*mm)/W以下の熱抵抗値を含む、条項33~42のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0112】
44.熱界面材料が、10(°K*mm)/W以下の熱抵抗値を含む、条項33~43のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0113】
45.液体金属液滴が、単峰多分散性を含む、条項33~44のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0114】
46.液体金属液滴が、多峰分散性を含む、条項33~44のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0115】
47.ポリマーが、熱硬化性ポリマーを含む、条項33~46のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0116】
48.ポリマーが、熱可塑性ポリマーを含む、条項33~47のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0117】
49.液体金属液滴が、略楕円体であり、剛性粒子が、略球体である、条項33~48のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0118】
50.剛性粒子が、少なくとも100MPaのヤング率を含む、条項33~49のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0119】
51.剛性粒子が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にある平均粒径を含む、条項33~50のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0120】
52.ダイと上部層との間の結合線距離が、剛性粒子の平均粒径の100%~110%である、条項33~51のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0121】
53.剛性粒子が、少なくとも0.9の球度を含む、条項33~52のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0122】
54.剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、剛性ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含む、条項33~53のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0123】
55.剛性粒子が、剛性粒子のD50の125%以下のD90を含む、条項33~54のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0124】
56.剛性粒子が、堆積前及びアセンブリ圧縮後に、略球体である、条項33~55のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【0125】
57.ダイ及び上部層を熱的に接続するための装置であって、装置が、空洞を画定する容器と、空洞内に配設されたエマルションと、を含み、エマルションが、液体金属液滴、剛性粒子、及び未硬化ポリマーを含み、容器が、回路アセンブリのダイ上へのエマルションの適用を可能にするように構成され、液体金属液滴の平均粒径が、剛性粒子の平均粒径よりも大きく、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、装置。
【0126】
58.ダイ及び上部層を熱的に接続するためのシステムであって、システムが、第1の空洞を画定する容器と、第2の空洞を画定する第2の容器と、を備え、第1の容器が、第1の空洞内に配設されたエマルションを含み、エマルションが、液体金属液滴及び未硬化ポリマーを含み、第1の容器が、回路アセンブリのダイ上へのエマルションの適用を可能にするように構成され、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相であり、第2の容器が、剛性粒子と溶媒の混合物を含み、第2の容器が、回路アセンブリのダイ上への混合物の適用を可能にするように構成され、液体金属液滴の平均粒径が、剛性粒子の平均粒径よりも大きい、システム。
【0127】
59.容器が、注射器又は第1の容器及び第2の容器のうちの少なくとも1つが注射器である、条項58に記載のシステムである、条項57に記載の装置。
【0128】
60.容器が、ピローパック又は第1の容器及び第2の容器のうちの少なくとも1つがピローパックである、条項58に記載のシステムである、条項57に記載の装置。
【0129】
61.ダイが、プロセッサを備える、条項57及び59~60のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~60のいずれか一項に記載のシステム。
【0130】
62.上部層が、ヒートシンク、統合ヒートスプレッダ、又はパッケージングを備える、条項57及び59~61のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~61のいずれか一項に記載のシステム。
【0131】
63.エマルション中の液体金属液滴の平均粒径が、ダイと回路アセンブリの上部層との間に形成される、結合線距離よりも大きい、条項57及び59~62のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~62のいずれか一項に記載のシステム。
【0132】
64.液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含む、条項57及び59~63のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~63のいずれか一項に記載のシステム。
【0133】
65.液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相である、条項57及び59~63のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~63のいずれか一項に記載のシステム。
【0134】
66.液体金属液滴が、単峰多分散性を含む、条項57及び59~65のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~65のいずれか一項に記載のシステム。
【0135】
67.液体金属液滴が、多峰分散性を含む、条項57及び59~65のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~65のいずれか一項に記載のシステム。
【0136】
68.ポリマーが、熱硬化性ポリマーを含む、条項57及び59~67のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~67のいずれか一項に記載のシステム。
【0137】
69.エマルションが、硬化前に250,000cP未満の粘度を有する、条項57及び59~68のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~68のいずれか一項に記載のシステム。
【0138】
70.液体金属液滴が、略球体である、条項57及び59~69のいずれか一項に記載の装置、又は条項58及び59~69のいずれか一項に記載のシステム。
【0139】
71.剛性粒子が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にある平均粒径を含む、条項57及び59~70のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~70のいずれか一項に記載のシステム。
【0140】
72.ダイと上部層との間の結合線距離が、剛性粒子の平均粒径の100%~110%である、条項57及び59~71のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~71のいずれか一項に記載のシステム。
【0141】
73.剛性粒子が、少なくとも0.9の球度を含む、条項57及び59~72のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~72のいずれか一項に記載のシステム。
【0142】
74.剛性粒子が、鉄、鉄合金、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、剛性ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせを含む、条項57及び59~73のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~73のいずれか一項に記載のシステム。
【0143】
75.剛性粒子が、少なくとも100MPaのヤング率を含む、条項57及び59~74のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~74のいずれか一項に記載のシステム。
【0144】
76.剛性粒子が、剛性粒子のD50の125%以下のD90を含む、条項57及び59~75のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~75のいずれか一項に記載のシステム。
【0145】
77.剛性粒子が、略球体である、条項57及び59~76のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~76のいずれか一項に記載のシステム。
【0146】
78.液体金属液滴及び剛性粒子が、個別に、アセンブリ圧縮後に結合線距離の85%~結合線距離の100%の範囲内の平均高さを含む、条項57及び59~77のいずれか一項に記載の装置又は条項58及び59~77のいずれか一項に記載のシステム。
【0147】
79.アセンブリであって、ダイなどの第1の層と、上部層などの第2の層と、第1の層及び第2の層と接触して配設された熱界面材料と、を含み、熱界面材料が、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子を含み、液体金属液滴が、第1のアスペクト比を有し、剛性球体が、第2のアスペクト比を有し、第1のアスペクト比が、少なくとも0.1より大きい、少なくとも0.5より大きい、少なくとも1より大きい、少なくとも2より大きい、又は少なくとも5より大きいなど、第2のアスペクト比よりも大きく、液体金属液滴が、少なくとも摂氏-20度~摂氏30度の範囲内にある温度で液相であり、第1の層と第2の層との間の結合線距離が、剛性粒子の平均粒径の95%~125%であり、任意選択的に、熱界面材料が、30体積%~92体積%の液体金属液滴、0.1体積%~5体積%の剛性粒子、及び7体積%~70体積%のポリマーを含み、任意選択的に、剛性粒子が、少なくとも110MPa、少なくとも150MPa、少なくとも200MPa、少なくとも250MPa、少なくとも500MPa、少なくとも750MPa、少なくとも1GPa、又は少なくとも2GPaなど、少なくとも100MPaのヤング率を含み、任意選択的に、液体金属液滴が、ガリウム、ガリウム合金、インジウム、インジウム合金、スズ、スズ合金、水銀、水銀合金、又はこれらの組み合わせを含み、剛性粒子が、ステンレス鋼、バナジウム、バナジウム合金、ニオブ、ニオブ合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金、ポリマー、ガラス、セラミック、又はこれらの組み合わせなどの鉄、鉄合金を含み、任意選択的に、液体金属液滴及び剛性粒子が、ポリマー全体を通して分散され、任意選択的に、剛性粒子の平均粒径が、1ミクロン~150ミクロンの範囲内にあり得る、アセンブリ。
【0148】
80.方法が、熱界面材料が第1の層と第2の層との間にあるように、第1の層上に熱界面材料を適用することであって、任意選択的に、熱界面材料を適用することが、第1の層上に剛性粒子を適用すること、適用された剛性粒子を有する第1の層上に未硬化ポリマー及び液体金属液滴のエマルションを適用し、それにより第1の層と第2の層との間に熱界面材料を形成すること、ポリマー、液体金属液滴、及び剛性粒子のエマルションを第1の層上に適用すること、又はこれらの組み合わせを含む、適用することと、回路アセンブリを圧縮し、それにより、液体金属液滴を変形させ、第1の層と第2の層との間に、剛性粒子の平均粒径の95%~125%である結合線距離を形成することであって、適用前の熱界面材料中の液体金属液滴の平均粒径は、剛性粒子の平均粒径よりも大きい、形成することと、熱界面材料を硬化させ、それにより、硬化アセンブリを形成することと、を含む、条項79に記載のアセンブリを作成する方法。
【0149】
当業者は、本明細書に記載の組成物、物品、方法、及びそれらに付随する考察が、概念的な明確さのための例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。その結果として、本明細書において使用される際、記載される具体的な実施例及び付随する考察は、それらのより一般的なクラスを表現であることが意図される。概して、任意の具体的な実施例の使用は、そのクラスを表現することを意図しており、具体的な構成要素(例えば、動作)、デバイス、及びオブジェクトの非包含は、限定的であるとみなされるべきではない。
【0150】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、その中で列挙された動作が、概して、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作フローがシーケンスにおいて提示されるが、様々な動作は、例解されるもの以外の順序で実施され得るか、又は同時に実施され得ることを理解されたい。かかる代替的な順序付けの例としては、文脈が別様に規定しない限り、重複、インターリーブ、中断、並べ替え、増分、準備、補完、同時、逆、又は他の可変の順序付けが挙げられ得る。更に、「に応答する」、「に関連する」、又は他の過去時制形容詞のような用語は、概して、文脈が別様に規定しない限り、かかる変形を除外することを意図しない。
【0151】
様々な例が本明細書に記載されているが、それらの例に対する多くの修正、変形、置換、変更、及び等価物が実装され得、当業者に対して発生するであろう。また、ある特定の構成要素に関して材料が開示される場合、他の材料が使用されることがある。したがって、前述の説明及び添付の特許請求の範囲は、開示される実施例の範囲内にあるような全てのかかる修正及び変形を対象にすることが意図されることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、かかる全ての修正及び変形を対象にすることが意図される。
【0152】
開示される組成物、コーティング、及び方法を含む、本発明の組成物、構造、製造、機能、及び/又は動作の理解を提供するために、様々な特徴及び特性が本明細書に記載される。本明細書に記載される本発明の様々な特徴及び特性は、かかる特徴及び特性が本明細書において組み合わせて明示的に記載されているかどうかにかかわらず、任意の好適な様式で組み合わせることができることが理解されたい。発明者及び出願人は、かかる特徴及び特性の組み合わせが、本明細書に記載される本発明の範囲内に含まれることを明示的に意図する。このように、特許請求の範囲は、任意の組み合わせで、本明細書に明示的に又は本質的に記載されている、又は別様に本明細書によって明示的に又は本質的に支持されている任意の特徴及び特性を列挙するために補正することができる。更に、出願人は、これらの特徴及び特性が本明細書に明示的に記載されていない場合でも、先行技術において存在し得る特徴及び特性を肯定的に否定するために特許請求の範囲を補正するための権利を留保する。したがって、任意のかかる補正は、明細書又は特許請求の範囲に新しい事項を追加するものではなく、書面による説明、説明の十分性、及び追加された事項の要件に準拠する。
【0153】
本明細書に列挙される任意の数値範囲は、列挙された範囲内に含まれる同じ数値精度の全てのサブ範囲(すなわち、同じ数の指定された桁を有する)を説明する。例えば、「1.0~10.0」の列挙された範囲は、例えば、「2.4~7.6」の範囲が本明細書のテキスト内に明示的に列挙されていない場合でも、「2.4~7.6」などの列挙された最小値1.0~列挙された最大値10.0の(その上限及び下限を含む)全てのサブ範囲を説明する。したがって、出願人は、本明細書に明示的に列挙される範囲内に含まれる同じ数値精度の任意のサブ範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む、本明細書を補正するための権利を留保する。かかる範囲は全て、本明細書に本質的に記載されており、そのため任意のかかるサブ範囲を明示的に列挙するための補正は、書面による説明、説明の十分性、及び追加された事項の要件に準拠する。
【0154】
また、明示的に指定されていないか、又は文脈によって別様に要求されない限り、本明細書に記載の全ての数値パラメータ(値、範囲、量、パーセンテージなどを表すものなど)は、たとえ「約」という単語が数値の前に明示的に現れていない場合でも、「約」という単語が前置きされているように読むことができる。加えて、本明細書において記載されている数値パラメータは、報告された有効桁数、数値精度、及び通常の四捨五入技術を適用することによって解釈されるべきである。また、本明細書に記載の数値パラメータは、パラメータの数値を判定するために使用される基礎となる測定技術の固有の変動性特性を必然的に有することを理解されたい。
【0155】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似であるが、具体的な実施例において記載される数値は、可能な限り正確に報告される。しかしながら、任意の数値は、そのそれぞれの試験測定において見出される標準的な変動から必然的にもたらされる、ある特定の誤差を本質的に含む。
【0156】
本明細書を通して「様々な例」、「いくつかの例」、「1つの例」、「例」などを参照することは、例に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が例に含まれることを意味する。それゆえ、本明細書全体の定位置において「様々な例では」、「いくつかの例では」、「一例では」、「ある例では」などのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例を表すわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、一例又は複数の例において任意の好適な様式で組み合わされ得る。それゆえ、一例に関連して例解されるか又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、限定されないが、全体又は部分的に、別の例又は他の複数の例の特徴、構造、又は特性と組み合わされ得る。かかる修正及び変形は、本実施例の範囲内に含まれることが意図される。
【0157】
本明細書において特定された任意の特許、刊行物、又は他の文書は、別様に指示がない限り、組み込まれた材料が、本明細書に明示的に記載されている既存の説明、定義、記述、図解、又は他の開示材料と矛盾しない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。したがって、必要な範囲で、本明細書に記載される明示的な開示は、参照により組み込まれる任意の矛盾する材料に優先する。本明細書に参照により組み込まれるが、本明細書において記載される既存の定義、記述、又は他の開示材料と矛盾する任意の材料、又はその一部分は、その組み込まれた材料と既存の開示材料との間に矛盾が生じない限りにおいてのみ組み込まれる。出願人は、参照により組み込まれる任意の主題又はその一部分を明示的に列挙するために、本明細書を補正する権利を留保する。かかる組み込まれた主題を追加するための本明細書の補正は、書面による説明、説明の十分性、及び追加された主題の要件に準拠する。
【0158】
例解目的で本発明の特定の例が上で説明されてきたが、本発明の詳細の多くの変形例が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。
【0159】
本開示は、本開示の様々な態様及び/又はその潜在的な用途を例解する目的で、様々な具体的な態様の説明を提供するが、当業者には変形及び修正が発生することが理解されたい。したがって、本明細書において記載された発明又は複数の発明は、それらが特許請求されるのと少なくとも同じくらい広範であり、本明細書に提供される特定の例示的な態様によってより狭く定義されるものではないと理解されるべきである。
【0160】
本明細書に記載の発明は、概要又は詳細な説明において要約された実施例に限定されないことを理解されたい。様々な他の態様が、本明細書に記載されかつ例示される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
【国際調査報告】