(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ラウドスピーカ装置
(51)【国際特許分類】
H04R 1/02 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
H04R1/02 101G
H04R1/02 102B
H04R1/02 101F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553977
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2021059953
(87)【国際公開番号】W WO2022218546
(87)【国際公開日】2022-10-20
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504147933
【氏名又は名称】ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ゴンチャロフ, ヴラディミル
(72)【発明者】
【氏名】ラフティ, ハンス
(72)【発明者】
【氏名】スターリング, ブライアン
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017AE11
(57)【要約】
ラウドスピーカ装置(800)は、第1の音響放射面を備える第1のラウドスピーカ(810)と、第2の音響放射面を備える第2のラウドスピーカ(820)と、エンクロージャ(834)とを備える。第1のラウドスピーカ(810)が、第2のラウドスピーカ(820)に機械的に結合されており、エンクロージャ(834)が、第1の音響放射面の第2の側と、第2の音響放射面の第2の側とを囲み、エンクロージャ(834)が、エンクロージャ(834)内の後部キャビティ(890)を外気に結合するポート(892)を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の音響放射面を備える第1のラウドスピーカ(710、810)と、
第2の音響放射面を備える第2のラウドスピーカ(720、820)と、
エンクロージャ(734、834)と、
を備えるラウドスピーカ装置(700、800)であって、
前記第1のラウドスピーカ(710、810)が、前記第2のラウドスピーカ(720、820)に機械的に結合されており、
前記エンクロージャ(734、834)が、前記第1の音響放射面の第2の側と、前記第2の音響放射面の第2の側とを囲み、
前記エンクロージャ(734、834)が、前記エンクロージャ(734、834)内の後部キャビティ(790、890)を外気に結合するポート(792、892)を備え、
前記第1の音響放射面の第1の側が前記第2の音響放射面の第1の側に面しており、前記第1の音響放射面の前記第1の側、及び前記第2の音響放射面の前記第1の側が、両方とも、第1のキャビティ(730、830)に面しており、前記第1のキャビティ(730、830)が、内部空気容積の方を向いている第1の開口部(732、832)を備えるか、または
前記第1の音響放射面の第2の側が前記第2の音響放射面の第2の側に面しており、前記第1の音響放射面の前記第1の側が第2のキャビティ(830a)に面しており、前記第2のキャビティ(830a)が、前記内部空気容積の方を向いている第2の開口部(832a)を備え、かつ前記第2の音響放射面の前記第1の側が、前記第2のキャビティ(830a)とは分離された別個の第3のキャビティ(830b)に面しており、前記第3のキャビティ(830b)が、前記内部空気容積の方を向いている第3の開口部(832b)を備える、前記ラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項2】
前記第1のラウドスピーカ(710、810)の前記音響放射面が、前記第2のラウドスピーカ(720、820)の前記音響放射面と平行に配置される、請求項1に記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項3】
第3の音響放射面を備える少なくとも1つの追加のラウドスピーカ(930、1030)をさらに備え、
前記第3の音響放射面の第1の側が、前記第1の音響放射面及び前記第2の音響放射面の前記第1の側に面しており、かつ前記第1のキャビティ(730、830、1030)に面しているか、または
前記第3の音響放射面の第2の側が、前記第1の音響放射面及び前記第2の音響放射面の前記第2の側に面しており、かつ前記第1のキャビティ(930a)及び前記第2のキャビティ(930b)とは分離された別個の第5のキャビティ(930c)に面しており、前記第5のキャビティ(930c)が、前記内部空気容積の方を向いている第5の開口部を備える、請求項1に記載のラウドスピーカ装置(700、800、900)。
【請求項4】
前記ラウドスピーカ装置(700、800)は偶数個のラウドスピーカを備え、
2つのラウドスピーカが一対のラウドスピーカを共に形成し、
前記ラウドスピーカの対が一列に配置され、
前記追加のラウドスピーカのそれぞれの前記音響放射面の第1の側が、前記第1のキャビティ(730、830)に面するか、または
各対のラウドスピーカの第1のラウドスピーカの音響放射面の第1の側が、前記第2のキャビティ(830a)に面し、各対のラウドスピーカの第2のラウドスピーカの音響放射面の第1の側が、前記第3のキャビティ(830b)に面する、請求項1または請求項2に記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項5】
カバー(694、794、894)をさらに備え、前記カバー(694、794、894)が、前記内部空気容積に対して前記エンクロージャ(634、734、834)を閉じるように構成されている、請求項1~4のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(600、700、800)。
【請求項6】
前記カバー(694、794)が、開口部(696、796)を備え、前記カバー(694、794)の前記開口部(696、796)が、前記第1のキャビティ(630、730)の前記第1の開口部(632、732)と位置合わせされているか、または
前記カバー(894)が、2つの開口部(832a、832b)を備え、前記カバー(894)の前記2つの開口部(832a、832b)のそれぞれが、前記第2のキャビティ(830a)の前記第2の開口部(832a)、及び前記第3のキャビティ(830b)の前記第3の開口部(832b)のうちの異なる開口部と位置合わせされる、請求項5に記載のラウドスピーカ装置(600、700、800)。
【請求項7】
前記カバー(694、794、894)が、車両の内部のパネルの一部分を形成するか、または前記カバー(694、794、894)が、部屋の壁の一部分を形成する、請求項5または請求項6に記載のラウドスピーカ装置(600、700、800)。
【請求項8】
前記第1の開口部(732)が、布地またはメッシュで覆われているか、または前記第2の開口部(832a)及び前記第3の開口部(832b)が、布地またはメッシュで覆われている、請求項1~7のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項9】
前記第1のラウドスピーカ(710、810)が、第1のスピーカバスケットを備え、前記第2のラウドスピーカ(720、820)が、第2のスピーカバスケットを備え、前記第1のスピーカバスケットが、前記第2のスピーカバスケットに機械的に結合されている、先行請求項のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項10】
前記第1のスピーカバスケットを前記第2のスピーカバスケットに接続するように構成された複数の第1の接続要素(352)及び複数の第2の接続要素(354)をさらに備える、請求項9に記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項11】
前記第1のスピーカバスケットと前記第2のスピーカバスケットとが接着剤で貼り合わされている、請求項9に記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項12】
前記第1の音響放射面の第1の側が前記第2の音響放射面の第1の側に面しており、前記第1の音響放射面の前記第1の側、及び前記第2の音響放射面の前記第1の側が、両方とも、第1のキャビティ(730)に面しており、前記第1のキャビティ(730)が、内部空気容積の方を向いている第1の開口部(732)を備え、
前記第1のスピーカバスケットが、前記第1のスピーカバスケットから前記第2のラウドスピーカ(720)に向かって第1の方向(y)に延在する第1の突出部を備え、
前記第2のスピーカバスケットが、前記第2のスピーカバスケットから前記第1のラウドスピーカ(710)に向かって前記第1の方向(y)に延在する第2の突出部を備え、
前記第1の突出部が前記第2の突出部に機械的に結合され、それによって前記第1のラウドスピーカ(710)の前面と、前記第2のラウドスピーカ(720)の前面との間に、前記第1のキャビティ(730)を画定する、請求項9~11のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(700)。
【請求項13】
前記第1の突出部及び前記第2の突出部が、前記第1の開口部(732)を形成するために、前記第1の方向(y)に垂直な第2の方向(z)では除かれる、請求項12に記載のラウドスピーカ装置(700)。
【請求項14】
前記第1の開口部(732)が、角が丸い長方形の断面、正方形の断面、長方形の断面、丸い断面、もしくは楕円形の断面を有するか、または
前記第2の開口部(832a)及び前記第3の開口部(832b)のそれぞれが、角が丸い長方形の断面、正方形の断面、長方形の断面、丸い断面、もしくは楕円形の断面を有する、先行請求項のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【請求項15】
前記ラウドスピーカ装置(700、800)が、車両のパネル(798、898)に取り付けられ、前記パネル(798、898)が、前記内部空気容積を外気から分離する、先行請求項のいずれかに記載のラウドスピーカ装置(700、800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラウドスピーカ装置、特にハウジング内のラウドスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラウドスピーカ装置は、一般に、複数の異なる構成要素を含む。ラウドスピーカエンクロージャは、一般に、1つ以上のラウドスピーカを収容できる。ラウドスピーカエンクロージャは、壁に、または例えば車両の車室内のパネルに、取り付けられ得る。ラウドスピーカのエンクロージャは、多くの場合、例えば、壁またはパネルにネジで固定される。ラウドスピーカの膜、磁石、またはラウドスピーカ内のその他の全可動要素の動きにより、ラウドスピーカエンクロージャなどの他の要素も励起されて振動する場合がある。さらに、ラウドスピーカ装置の異なる部分及び要素が励起されて、互いにぶつかり合い、またはこすれ合ってきしる場合がある。さらに、ラウドスピーカ装置の振動が、例えば車両内のラウドスピーカ装置の近くに配置された壁パネルまたは他の要素など、ラウドスピーカ装置に直接的または間接的に接続された他の部分及び要素に伝達される場合がある。これにより、不要なノイズが発生することがあり、ユーザのサウンド体験が悪化する場合がある。さらに、車両内またはリスニング環境の壁に配置されるラウドスピーカ装置は、一般に、比較的小さいことが要求される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
ラウドスピーカ装置は、第1の音響放射面を含む第1のラウドスピーカと、第2の音響放射面を含む第2のラウドスピーカと、エンクロージャとを含む。第1のラウドスピーカが、第2のラウドスピーカに機械的に結合されており、エンクロージャが、第1の音響放射面の第2の側と、第2の音響放射面の第2の側とを囲み、エンクロージャが、エンクロージャ内の内部容積を外気に結合するポートを備え、第1の音響放射面の第1の側が第2の音響放射面の第1の側に面しており、第1の音響放射面の第1の側、及び第2の音響放射面の第1の側が、両方とも、第1のキャビティに面しており、第1のキャビティが、内部空気容積の方を向いている第1の開口部を備えるか、または第1の音響放射面の第2の側が第2の音響放射面の第2の側に面しており、第1の音響放射面の第1の側が第2のキャビティに面しており、第2のキャビティが、内部空気容積の方を向いている第2の開口部を備え、かつ第2の音響放射面の第1の側が、第2のキャビティとは分離された別個の第3のキャビティに面しており、第3のキャビティが、内部空気容積の方を向いている第3の開口部を備える。
【0004】
他のシステム、方法、特徴、及び利点は、以下の発明を実施するための形態及び図を検討することによって、当業者には明らかであろう、または明らかになるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴、及び利点は、この発明を実施するための形態に含まれ、本発明の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。
【0005】
本装置は、以下の説明及び図面を参照することによって、よりよく理解され得る。図中の構成要素は、必ずしも原寸に比例しているとは限らず、代わりに、本発明の原理を例示することに重点を置いている。さらに、図における同様の参照数字は、異なる図において対応する部分を指定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】ラウドスピーカ装置の断面図を概略的に示す。
【
図2】別のラウドスピーカ装置の寸法図を概略的に示す。
【
図3】取り付けられていない状態のラウドスピーカ装置のラウドスピーカの寸法図を概略的に示す。
【
図4】ラウドスピーカ装置のラウドスピーカの正面図を概略的に示す。
【
図5】ラウドスピーカ装置のラウドスピーカの側面図を概略的に示す。
【
図6】例示的なラウドスピーカ装置の分解図を概略的に示す。
【
図7】例示的なラウドスピーカ装置の断面図を概略的に示す。
【
図8】別の例示的なラウドスピーカ装置の断面図を概略的に示す。
【
図9】一例による、奇数個のラウドスピーカを備えるラウドスピーカ装置を概略的に示す。
【
図10】別の例による、奇数個のラウドスピーカを備えるラウドスピーカ装置を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1を参照すると、ラウドスピーカ装置100が概略的に示されている。具体的には、
図1は、ラウドスピーカ装置100の断面図を概略的に示す。ラウドスピーカ装置100は、例えば、壁または車両に取り付けられ得る。ラウドスピーカ装置100は、第1のラウドスピーカ110及び第2のラウドスピーカ120を備える。第1のラウドスピーカ110は、第1の音響放射面(例えば、第1の膜)を備え、第2のラウドスピーカ120は、第2の音響放射面(例えば、第2の膜)を備える。第1のラウドスピーカ110と第2のラウドスピーカ120とは、第1の方向yに、対向して配置される。すなわち、第1の音響放射面の第1の側は、第2の音響放射面の第1の側に、対向して配置され、かつ面している。この例における第1の音響放射面は、第2の音響放射面と本質的に平行に配置される。第1のラウドスピーカ110と第2のラウドスピーカ120との間の距離d1は、例えば、1cm~20cmの間であってもよい。第1のラウドスピーカ110と第2のラウドスピーカ120との間の距離d1は、例えば、ラウドスピーカ110、120のサイズによって決まり得る。
【0008】
第1のキャビティ130は、第1のラウドスピーカ110の前面と第2のラウドスピーカ120の前面との間に形成される。第1のラウドスピーカ110及び第2のラウドスピーカ120は、第1のキャビティ130内に音を放射し得る。第1のキャビティ130は、第1のラウドスピーカ110によって生成された音と、第2のラウドスピーカ120によって生成された音とが、第1のキャビティ130から環境に向かって出ることができる開口部を備え得る。開口部は完全に開いていてもよく、またはエンクロージャを収容する壁に装飾的な露出をもたらし得る布地またはメッシュなどの通気性のあるカバーで覆われていてもよい。開口部の反対側の壁面は、音が開口部から放射されるように、開口部の全長にわたって閉じられている。ただし、開口部は別の画像平面に配置されるため、
図1の断面図には見えない。
【0009】
ラウドスピーカ装置100は、第1のエンクロージャ部分114と第2のエンクロージャ部分124とを備えるエンクロージャをさらに備え得る。第1のエンクロージャ部分114は、第1のラウドスピーカ110の背面を取り囲む第1のキャビティ112を形成する。第2のエンクロージャ部分124は、第2のラウドスピーカ120の背面を取り囲む第2のキャビティ122を形成する。別の例によれば、第1のエンクロージャ部分114と第2のエンクロージャ部分124とは、合わせて、第1のラウドスピーカ110及び第2のラウドスピーカ120の両方の背面を取り囲む単一のキャビティを形成し得る。
【0010】
図1に示されるラウドスピーカ装置100は、1対のラウドスピーカを備え、その1対のラウドスピーカは、第1のラウドスピーカ110及び第2のラウドスピーカ120を含む。ただし、これは単なる例にすぎない。また、ラウドスピーカ装置が3つ以上のラウドスピーカを備えることも可能である。このことは、別のラウドスピーカ装置200の寸法図を概略的に示す
図2に例示的に示されている。
図2に示すラウドスピーカ装置200は、3対のラウドスピーカを備え、各対のラウドスピーカは、第1のラウドスピーカ210と第2のラウドスピーカ(
図2の寸法図では見えない)とによって形成される。しかしながら、他の任意の数のラウドスピーカも可能である。図には、対のラウドスピーカのみが示されているが、一般に、ラウドスピーカ装置100、200が奇数個のラウドスピーカを備えることも可能である。これについては、以下の
図9及び
図10を用いて例示的に説明される。
【0011】
少なくとも2つのラウドスピーカのそれぞれは、上記の
図1の第1のラウドスピーカ110及び第2のラウドスピーカ120に関して説明したものと同様に配置され得る。第1のキャビティ230は、例えば、全ての(対の)ラウドスピーカの間に連続的に形成されてもよい。第1のエンクロージャ部分214は、全ての第1のラウドスピーカ210を囲い、第1のラウドスピーカ210の背面に連続した閉じたキャビティを形成し得る。しかしながら、別個のキャビティが第1のラウドスピーカ210のそれぞれの背面に形成されることも可能である。同じことが第2のラウドスピーカ及び第2のエンクロージャ部分224にも適用され、第2のエンクロージャ部分224は、第2のラウドスピーカの背面に単一の連続キャビティを形成するか、または第2のラウドスピーカごとに別個のキャビティを形成し得る。別の例によれば、第1のラウドスピーカ210及び第2のラウドスピーカ全てが、ラウドスピーカの背面でエンクロージャによって形成される単一の連続キャビティ内に配置されることも可能である。第1のキャビティ230の開口部232は、第1の方向yに垂直な第2の方向zの方を向き得る。ラウドスピーカ装置200が3つ以上のラウドスピーカを備える場合、2つ以上のラウドスピーカが、第1の方向y及び第2の方向zの両方に垂直である第3の方向xに連続して配置され得る。
【0012】
ここで
図3の分解図を参照すると、第1のラウドスピーカ310及び第2のラウドスピーカ320が、取り付けられていない状態で概略的に示されている。
図3にはラウドスピーカエンクロージャは特に示されていない。第1のラウドスピーカ310は第1のラウドスピーカバスケット316を備え、第2のラウドスピーカ320は第2のラウドスピーカバスケット326を備える。一例によれば、第1ラウドスピーカ310及び第2ラウドスピーカ320は、第1の方向yに、対向して配置され得、互いに機械的に結合され得る。一例によれば、第1のラウドスピーカバスケット316は、第2のラウドスピーカバスケット326に機械的に結合される。第1のラウドスピーカ310または第1のラウドスピーカバスケット316は、第1の接続要素352及び第2の接続要素354によって、第2のラウドスピーカ320または第2のラウドスピーカバスケット326に結合され得る。例えば、第1のラウドスピーカ310は、複数の第1の接続要素352、及び複数の第2の接続要素354を備え得る。第2のラウドスピーカ320も、複数の第1の接続要素352、及び複数の第2の接続要素354を備えてもよく、第2のラウドスピーカ320の各第1の接続要素352は、第1のラウドスピーカ310の第2の接続要素354の対応部分を形成し、第2のラウドスピーカ320の各第2の接続要素354は、第1のラウドスピーカ310の第1の接続要素352の対応部分を形成する。しかしながら、第1のラウドスピーカ310を第2のラウドスピーカ320に結合するために接続要素を使用することは、単なる例にすぎない。ラウドスピーカ310、320は、他の任意の好適な方法で結合され得る。別の例によれば、第1のラウドスピーカ310と第2のラウドスピーカ320とは接着剤で貼り合わされる。
【0013】
第1のラウドスピーカ310は、第1の突出部318を備え得る。第1の突出部318は、第1のラウドスピーカバスケット316から第2のラウドスピーカ320に向かって第1の方向yに延在し得る。第1の突出部318は、第2の方向zと第3の方向xとによって画定された平面内で、第1の音響放射面を少なくとも部分的に取り囲み得る。
図3に概略的に示されているように、開口部332を形成するために、第1の突出部318が一面に対して除かれる場合がある。第2のラウドスピーカ320は、第2の突出部328を備え得る。第2の突出部328は、第2のラウドスピーカバスケット326から第1のラウドスピーカ310に向かって第1の方向yに延在し得る。第2の突出部328は、第2の方向zと第3の方向xとによって画定された平面内で、第2の音響放射面を少なくとも部分的に取り囲み得る。
図3に概略的に示されているように、開口部332を形成するために、第2の突出部328が一面に対して除かれる場合がある。第1の接続要素352及び第2の接続要素354は、それぞれ第1の突出部318及び第2の突出部328に沿って配置され得る。第1のラウドスピーカ310と第2のラウドスピーカ320とが互いに結合されるとき、第1の突出部318と第2の突出部328とが互いに結合され、それによって第1のラウドスピーカバスケット316が第2のラウドスピーカバスケット326に接続され得る。第1のキャビティ330は、第1の突出部318及び第2の突出部328によって画定され得る。すなわち、第1の突出部318及び第2の突出部328は、第2の方向zと第3の方向xとによって画定された平面内で、第1のキャビティ330を部分的に取り囲む。
【0014】
第1のラウドスピーカ310と第2のラウドスピーカ320との間に接続が形成されると、第1のキャビティ330が第1のラウドスピーカ310と第2のラウドスピーカ320との間に形成され、開口部332が第2の方向zに向かって形成される。
【0015】
第1のラウドスピーカ310及び第2のラウドスピーカ320は、使用中(例えば、音を生成するために第1の音響放射面及び第2の音響放射面が励起されるとき)、両方とも振動を発生する。第1のラウドスピーカ310を第2のラウドスピーカ320に機械的に接続することにより、2つのラウドスピーカ310、320の振動を互いに相殺させることができる。それは、両方のラウドスピーカ310、320が、一般に同じ音響信号を受信し、同時に同じ音を生成するためである。つまり、両方のラウドスピーカが同時に振動する。ラウドスピーカを互いに向かい合うように取り付けることにより、振動は互いに逆になり、したがって互いに打ち消し合う。このようにして、第1のラウドスピーカ310及び第2のラウドスピーカ320を備えるラウドスピーカ装置300の、結果として生じる振動は、ゼロであるか、または少なくともゼロに近い。したがって、例えば、ラウドスピーカエンクロージャなどの周囲の部品に振動が伝わることはほとんどない。同じことが、3つ以上のラウドスピーカを備える装置にも適用される。
【0016】
取り付けられた状態の第1のラウドスピーカ410及び第2のラウドスピーカ420が、
図4の正面図及び
図5の側面図に例示的に示されている。
図5の側面図に示すように、例えば、第1のラウドスピーカ510が第2のラウドスピーカ520に接続されるとき、第1のラウドスピーカ510及び第2のラウドスピーカ520により、第3の突出部540及び第4の突出部544が形成される。第3の突出部540は、ラウドスピーカ装置500から第2の方向zに延在し、第4の突出部544は、第1の突出部540とは反対側に、ラウドスピーカ装置500から第2の方向zに延在する。一例によれば、第3の突出部540は、第1のラウドスピーカバスケット516または第1の突出部518と、第2のラウドスピーカバスケット526または第2の突出部528とによって形成され得、第4の突出部544もまた、第1のラウドスピーカバスケット516または第1の突出部518と、第2のラウドスピーカバスケット526または第2の突出部528とによって形成され得る。例えば、第3の突出部540の上半分、及び第4の突出部544の上半分は、第1のラウドスピーカ510(第1のラウドスピーカバスケット516または第1の突出部518)によって形成され得、第3の突出部540の下半分、及び第4の突出部544の下半分は、第2のラウドスピーカ520(第2のラウドスピーカバスケット526または第2の突出部528)によって形成され得る。
【0017】
第3の突出部440、540及び第4の突出部444、544のそれぞれは、例えば、突出する縁部または棚を備え得る。第3の突出部440、540は、例えば第2及び第3の方向z、xによって画定される平面内で第1のキャビティ430の開口部432を囲み得る。
図4に概略的に示されるように、開口部432は、細長い形状(断面)、例えば角が丸い長方形を有してもよい。しかしながら、開口部432の他の任意の形状(断面)、例えば、正方形、長方形、円形、または楕円形などもあり得る。再び
図5を参照すると、第4の突出部544は、第2の方向zにおいて、第3の突出部540とは反対側に、配置され得る。すなわち、例えば、第4の突出部544は第1のキャビティ530の後壁に配置され得、第3の突出部540は第1のキャビティ530の前方に配置され得る。ただし、これは単なる例にすぎない。別の例(図示せず)によれば、第3の突出部540は第1のキャビティ530の第1の側壁に配置され、第4の突出部544は第1のキャビティ430の第2の側壁に配置され得る。ただし、後者の場合、第3の突出部540は、第1のキャビティ530の開口部532を取り囲まない場合がある。第3の突出部540及び第4の突出部544は、例えば、エンクロージャ(
図4及び
図5には示されていない)内にラウドスピーカ410、420を取り付けるために使用することができる。
【0018】
ここで
図6を参照すると、一例によるラウドスピーカ装置が概略的に示されている。
図6に示す例では、上記で
図1~
図5に関して説明したように、第1のラウドスピーカ610(すなわち、第1のラウドスピーカバスケット)と第2のラウドスピーカ620(すなわち、第2のラウドスピーカバスケット)とは、互いに機械的に結合される。
図6に示されるラウドスピーカエンクロージャ634は、キャビティまたは空気容積チャンバ690及び通気ダクトまたはポート692を備える。ポート692は、キャビティ690に外気への通気口をつけることを可能にする。すなわち、第1のラウドスピーカ610と第2のラウドスピーカ620との間に形成される第1のキャビティ630の開口部632は、車内または室内に面してもよい。したがって、ラウドスピーカ610、620は、内部空気容積(例えば、部屋または自動車車室内)に音を放射し、一方、ポート692は、外気(例えば、部屋の外、または車の外)に向けた通気口を提供する。これにより、ラウドスピーカ装置の小型化が可能になる。具体的には、
図6に示されるエンクロージャ634は、ポートを備えないエンクロージャよりもはるかに小さくすることができる。ポート692を備えるエンクロージャ634を設けることにより、エンクロージャ634は、外気(例えば、車両の外部)と連通するキャビティ690の内部に、閉ざされていない空気容積を提供する。このようにして、ラウドスピーカ610、620の後面(キャビティ690に面する後面)で生成される逆位相音圧が内部空気容積(例えば、部屋または自動車車室内)に入ることが防止され、したがって内部空気容積内での音響の相殺が防止される。これにより、内部空気容積での音圧低下を防ぐことができる。また、音質の劣化を軽減することができる。
【0019】
上記で
図1~
図5に関して説明された、第1のラウドスピーカ610及び第2のラウドスピーカ620、ならびに任意選択でさらなるラウドスピーカを備える装置は、単一のキャビティ690が形成されるように、エンクロージャ634内に配置され得、その単一のキャビティ690が、少なくとも2つのラウドスピーカの背面を取り囲む。ラウドスピーカ装置は、内部空気容積に対してエンクロージャ634を閉じるように構成されたカバー694をさらに備え得る。すなわち、カバー694は、例えば、車室内のパネルの一部分、または室内の壁の一部分を構成してもよい。カバー694は開口部696を備える。開口部696は、第1のキャビティ630の開口部632と位置合わせされてもよい。このようにして、第1のキャビティ630の開口部632は開いたままで覆われておらず、一方、エンクロージャ634、具体的には空気容積チャンバ690は、内部空気容積に対して閉じられている。すなわち、エンクロージャ634は内部空気容積に対して閉じられているが、ポート692によって外気に対しては開口部が設けられている。
【0020】
次に
図7を参照すると、
図6に関して説明した装置の断面図が概略的に示されている。
図7は、第1のラウドスピーカ710と第2のラウドスピーカ720との間に第1のキャビティ730が形成された、互いに向かい合う第1のラウドスピーカ710及び第2のラウドスピーカ720を示す(第1の音響放射面の第1の側が第2の音響放射面の第1の側に面する)。上記で
図3に関して説明したように、第1のラウドスピーカ710(すなわち、第1のスピーカバスケット)と第2のラウドスピーカ720(すなわち、第2のスピーカバスケット)とは、互いに機械的に結合される。第1のラウドスピーカ710(または第1のラウドスピーカバスケット)は、上記で
図3に関して説明したように、接続要素によって第2のラウドスピーカ720(または第2のラウドスピーカバスケット)に接続され得る。第1のラウドスピーカ710と第2のラウドスピーカ720とを接着剤で貼り合わせることも可能である。第1のラウドスピーカ710及び第2のラウドスピーカ720は、第1のラウドスピーカ710の背面及び第2のラウドスピーカ720の背面を囲む後部キャビティ790(第1の音響放射面の第2の側、及び第2の音響放射面の第2の側が、後部キャビティ790の方を向く)を形成するエンクロージャ734内に取り付けられる。エンクロージャ734は、後部キャビティ790を外気に結合するように構成されたポート792を備える。ラウドスピーカ装置700は、車両のパネル798、例えば、内部空気容積を外気から分離するパネル798に取り付けられ得る。ラウドスピーカ装置700は、内部空気容積に対してエンクロージャ734または後部キャビティ790を閉じるカバー794を備えることができる。カバー794は、上記で
図6に関して説明したように、第1のキャビティ730の開口部732と位置合わせされた開口部を備える。
【0021】
しかしながら、第1の音響放射面(第1のラウドスピーカ710)の第1の側と第2の音響放射面(第2のラウドスピーカ720)の第1の側との間に形成された単一のキャビティ730の方を向いている第1のラウドスピーカ710及び第2のラウドスピーカ720、ならびに任意選択で追加のラウドスピーカ全ては、単なる例にすぎない。別の例によれば、
図8に概略的に示されるように、第1の音響放射面の第2の側が、第2の音響放射面の第2の側に、対向して配置され、かつ面していることが代替として可能である。上記で
図1~
図7に関して説明した装置と同様に、
図8の例では、2つのラウドスピーカ810、820のそれぞれによって生成される振動を相殺させるために、第1の音響放射面は、第2の音響放射面と本質的に平行に配置され、第1のラウドスピーカ810(すなわち、第1のラウドスピーカバスケット)は、第2のラウドスピーカ820(すなわち、第2のラウドスピーカバスケット)に機械的に結合される。しかしながら、
図8に示される例では、第1のラウドスピーカ810及び第2のラウドスピーカ820のそれぞれは、それぞれの他のキャビティとは別個の分離されたキャビティ830a、830bに面している。すなわち、第1のラウドスピーカ810(第1の音響放射面の第1の側)は、第2のキャビティ830aに面し、第2のラウドスピーカ820(第2の音響放射面の第1の側)は、第2のキャビティ830aとは別個の分離された第3のキャビティ830bに面している。第2のキャビティ830aは、内部空気容積に向かう第2の開口部832aを備え、第3のキャビティ830bは、内部空気容積に向かう第3の開口部832bを備える。
【0022】
第1のラウドスピーカ810及び第2のラウドスピーカ820は、第1のラウドスピーカ810の背面(第1の音響放射面の第2の側)及び第2のラウドスピーカ820の背面(第2の音響放射面の第2の側)を取り囲む後部キャビティ890を形成するエンクロージャ834内に配置される。エンクロージャ834は、上記で
図6及び
図7に関して説明した装置と同様に、後部キャビティ890を外気に結合するポート892を備える。第1のラウドスピーカ810と第2のラウドスピーカ820とは、上記で説明したものと同様に、互いに機械的に結合される。一例によれば、第1のラウドスピーカの第1のラウドスピーカバスケットは、
図8に一点鎖線で示される接続線に沿って、第2のラウドスピーカ829の第2のラウドスピーカバスケットに結合される。ラウドスピーカ810、820は、上記で
図3に関して説明したように、第1の接続要素及び第2の接続要素によって互いに接続され得る。しかしながら、ラウドスピーカ810、820を接続線に沿って接着剤で貼り合わせること、または他の任意の好適な種類の接続要素を使用することも可能である。ラウドスピーカ装置800は、カバー894をさらに備えることができ、このカバーは、2つの開口部を備え、カバー894の2つの開口部のそれぞれは、第2のキャビティ830aの第2の開口部832a、及び第3のキャビティ830bの第3の開口部832bのうちの異なる開口部と位置合わせされる。
【0023】
図8のポート892は、第1のラウドスピーカ810と第2のラウドスピーカ820との間の中央に配置されている。ただし、これは単なる例にすぎない。ポート892は、エンクロージャ834の任意の好適な位置に配置することができる。一般に、ポート892の正確な位置は、ラウドスピーカ装置800が取り付けられる車両または壁の設計によって決まり得る。ラウドスピーカ装置800は、車両のパネル898、例えば、内部空気容積を外気から分離するパネル898に取り付けられ得る。
【0024】
上記のように、ラウドスピーカ装置は2つ以上のラウドスピーカを備える。第1のラウドスピーカと第2のラウドスピーカとは、それらの膜または音響放射面が互いに平行に(機械的に)配置されるように、配置することができる。一例によれば、第1のラウドスピーカの第1の音響放射面の第1の側は、第2のラウドスピーカの第2の音響放射面の第1の側に面する(例えば、
図7を参照)。別の例によれば、第1のラウドスピーカの第1の音響放射面の第2の側は、第2のラウドスピーカの第2の音響放射面の第2の側に面する(例えば、
図8を参照)。追加のラウドスピーカは、その音響放射面が、第1のラウドスピーカの音響放射面か、第2のラウドスピーカの音響放射面かのいずれかと位置合わせされるように配置することができる。すなわち、少なくとも1つの追加のラウドスピーカのそれぞれの音響放射面は、第1のラウドスピーカの音響放射面か、第2のラウドスピーカの音響放射面かのいずれかと同じ平面内に配置される。一例によれば、ラウドスピーカ装置は、偶数個のラウドスピーカを備え、2つのラウドスピーカがそれぞれ一対のラウドスピーカを共に形成する。上記で
図3に関して説明したのと同様に、ラウドスピーカの対は、互いに隣接して一列に配置することができる。上記で
図7に関して説明した装置では、追加のラウドスピーカのそれぞれの音響放射面の第1の側は、第1のキャビティ730に面する。上記で
図8に関して説明した装置では、各対のラウドスピーカの第1のラウドスピーカの音響放射面の第1の側は第2のキャビティ830aに面し、各対のラウドスピーカの第2のラウドスピーカの音響放射面の第1の側は第3のキャビティ830bに面する。
【0025】
次に
図9を参照すると、一例による奇数個のラウドスピーカを備えるラウドスピーカ装置900が概略的に示されている。この例におけるラウドスピーカ装置900は、3つのラウドスピーカ910、920、980を備える。各ラウドスピーカ910、920、980の音響放射面の第2の側は、互いに対して向けられている。各ラウドスピーカ910、920、980の音響放射面の第1の側は、互いから遠ざけるように配置される。3つのラウドスピーカ910、920、980のそれぞれは、互いに等しい角度97で放射状配列に配置される。
図9に示すように、3つのラウドスピーカ910、920、980は、音放射の中心軸C、D、Eが互いにおおむね120度の方位に合わせられるように配向される。音響放射面の第2の側からの音放射C、D、Eは、外心98で交差する。ラウドスピーカ910、920、980は、エンクロージャ934内に配置される。この例のエンクロージャ934は六角形の形状をしており、六角形の1つおきの側面にラウドスピーカの1つが取り付けられている。しかしながら、エンクロージャ934はまた、例えば、エンクロージャ934の各側面にラウドスピーカ910、920、980の1つが取り付けられた三角形であってもよい。各ラウドスピーカ910、920、980(各音響放射面の第1の側)は、別個のキャビティ930a、930b、930cに面している。ラウドスピーカ910、920、980は、互いに機械的に結合されている。
【0026】
図10は、奇数個のラウドスピーカ1010、1020、1080を備える別の例示的なラウドスピーカ装置1000を示す。この例では、ラウドスピーカ1010、1020、1080の音響放射面の第1の側は、互いの方へ向けられる。ラウドスピーカ1010、1020、1080の音響放射面の第2の側は、互いから遠ざけるように向けられる。3つのラウドスピーカ1010、1020、1080のそれぞれは、互いに等距離の角度107で放射状配列に配置される。
図10に示すように、3つのトランスデューサ1010、1020、1080は、音放射の中心軸J、K、Lが互いに角度的に等距離になるように配向される。3つのラウドスピーカ1010、1020、1080を備えたこの例では、中心軸J、K、Lは互いにおおむね120度の方位に配向されている。音響放射面の第1の側からの音放射J、K、Lは、キャビティ1030の外心108で交差する。ラウドスピーカ1010、1020、1080は、ラウドスピーカ101、1020、1080の音響放射面の第2の側を囲むエンクロージャ(
図10には具体的に図示されていない)の内部に配置することができる。
図10に示す例では、キャビティ1030は三角形の形状を有する。ただし、これは単なる例にすぎない。他の形も一般に可能である。ラウドスピーカ1010、1020、1080は、互いに機械的に結合されている。
【0027】
第1の方向、第2の方向、及び第3の方向x、y、zは、説明の全体にわたって、例示のみを目的として使用される。この方向は、地面に関して定義されるものではない。むしろ、方向は、様々な要素の向きと互いに関する配置とを示すために使用されているにすぎない。壁または車両の内部に取り付けられる場合、説明したラウドスピーカ装置は、任意の好適な位置に回転させてもよく、その結果、任意の好適な方位に向けられることになる。
【0028】
本発明の様々な実施形態を説明してきたが、本発明の範囲内でさらに多くの実施形態及び実施態様が可能であることは、当業者には明らかであろう。特に、当業者であれば、異なる実施形態からの様々な特徴の互換性があることを認識するであろう。これらの技術及びシステムは、特定の実施形態及び例に関連して開示されてきたが、これらの技法及びシステムは、具体的に開示された実施形態の範囲を超えて、他の実施形態及び/またはその使用及び明らかな修正に拡張され得ることが理解されるであろう。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物を考慮する場合を除き、制限されるべきではない。
【0029】
実施形態の説明は、図示及び説明の目的で提示されている。実施形態に対する好適な修正及び変形は、上記の説明に照らして実行されてもよく、または方法を実践することから得られてもよい。記載される装置は、本質的に例示であり、追加の要素を含み、及び/または要素を省略してもよい。本出願で使用されるとき、単数で列挙され、用語「a」または「an」で進めた要素は、このような除外が規定されない限り、複数の要素を除外しないとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」または「一例」に対する言及は、列挙される機構も組み込む追加の実施形態の存在を除外すると解釈されることを意図していない。用語「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などは、単にラベルとして使用され、それらの対象に数値的要件または特定の位置的順序を課すことを意図していない。記載されるシステムは、本質的に例示であり、追加の要素を含み、及び/または要素を省略してもよい。本開示の主題は、様々なシステム及び構成の全ての新しくかつ非自明の組み合わせ及び部分的組み合わせ、ならびに開示される他の特徴、機能、及び/または特性を含む。以下の特許請求の範囲は、新しくかつ非自明と見なされる上記の開示からの主題を具体的に指し示す。
【国際調査報告】