(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】浮体式プラットフォームを有する洋上風力タービン
(51)【国際特許分類】
F03D 13/25 20160101AFI20240315BHJP
B63B 35/00 20200101ALI20240315BHJP
【FI】
F03D13/25
B63B35/00 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555151
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 DK2022050073
(87)【国際公開番号】W WO2022218488
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523340513
【氏名又は名称】スティースダル オフショア アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティースダル、ヘンリック
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178BB77
3H178DD61X
3H178DD67Z
(57)【要約】
浮体式プラットフォーム(1)と組み合わせた風力タービン(8)を備える洋上風力タービンシステム。プラットフォーム(1)は、三角形の構成の角部(5A、5B、5C)に3つの浮力モジュール(6)を備える。タワー(2)は、三角形の底辺の端部に位置している2つの浮力モジュール(6)間の中間にあり、底辺の(3)の近傍に中心から偏心して位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮体式プラットフォーム(1)と組み合わせた風力タービン(8)を備える洋上風力タービンシステムであって、前記プラットフォーム(1)が、前記風力タービン(8)のタワー(2)を支えるタワー支持体(10)を備え、前記タワー(2)が、風力ロータを支え、前記プラットフォーム(1)が、水中にあるときに前記プラットフォーム(1)に浮力を提供する3つの浮力モジュール(6)を備え、前記3つの浮力モジュール(6)が、三角形の構成で二等辺三角形(9)、任意選択的には正三角形の角部(5A、5B、5C)に配置され、前記三角形(9)が、底辺(3)と、前記底辺(3)の端部における2つの底角(5B、5C)から延在し、前記三角形(9)の頂角(5A)で交わる2つの等しい長さの辺(4A、4B)とを有し、前記プラットフォーム(1)が、前記浮力モジュール(6)をおおよそ四面体の構成で前記タワー支持体(10)と堅固に連結しているブレース(12A、12B、13A、13B、15)の支持構造物を備える、システムにおいて、
前記タワー(2)の中心軸が、
前記底辺(3)上に、又は前記底辺(3)から前記底辺(3)の長さLの0~15%の範囲内である距離(X1、X2)で、
前記底角(5B、5C)に対して等距離に、又はそのような等距離の構成からLの10%未満だけずれて
位置していることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記タワー2の前記中心軸(2A)が前記三角形(9)の外側に位置している、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記タワー2の前記中心軸(2A)が前記三角形(9)の内側に位置している、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記プラットフォーム(1)が、前記浮力モジュール(6)を前記タワー支持体(10)と堅固に連結するブレース(12A、12B、13A、13B、15)の支持構造物を備え、
前記支持構造物が、
前記タワー支持体(10)を前記頂角(5A)で前記浮力モジュール(6)と連結している第1の支持ブレース(12A)と、
前記底角(5B、5C)の前記浮力モジュール(6)の各々を前記タワー支持体(10)に堅固に連結しているさらなる支持ブレース(12B)と、
前記第1の支持ブレース(12B)の向かい側から前記底角(5B、5C)の前記浮力モジュール(6)に向かって延在し、1つ又は複数の前記さらなる支持ブレース(12B)と共に三角形の構成を形成する追加のブレース(13A)及び(13B)と
のブレース(12A、12B、13A、13B)の平面の配置を備え、
前記支持構造物が、前記平面の配置(12A、12B、13A、13B)の面の外側に安定化ブレース(15)をさらに備え、前記安定化ブレース(15)が、前記タワー支持体(10)を前記3つの浮力モジュール(6)と連結している、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の支持ブレース(12A)と、1つ又は複数の前記さらなる支持ブレース(12B)とが、前記タワー支持体(10)の前記基部に連結しており、前記安定化ブレース(15)が、前記タワー支持体(10)の上部に連結している、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
2,000,000kgの重量を有する風力タービンについて、前記プラットフォーム(1)が、前記頂角(5A)に、前記風力タービンの前記重量の30~50%の範囲内である重量を有するバラストを設けられている場合に、前記浮力モジュール(6)が、8m以下の深さまで水の中へ下方に到達するように寸法決めされている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記中心軸(2A)が、前記底辺(3)から前記底辺(3)の前記長さLの0~10%の範囲内である距離(X1、X2)で、前記等距離の構成からLの5%未満だけずれて位置している、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記タワー(2)の前記中心軸が、前記底角(5B、5C)に対して等距離に位置している、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記浮力モジュール(6)が複数の浮力タンクを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風力タービン用の浮体式プラットフォームに関する。特に、本発明は、独立請求項の前文に開示されている風力タービン及び浮体式構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
洋上風力タービン用の浮体式プラットフォームについては、三角形の形状が好ましいことが多く、それは三角形の形状が、大きさと比較して、したがって大型風力タービンには相当である必要な材料に関しても比較的に、剛性の度合いが高いことに起因する。例は、国際特許出願WO2017/157399において与えられている。
【0003】
三角形の浮体式プラットフォームでは、通常三角形の各角部は、1つ又は複数の垂直浮力コラム(column)を備え、通常三角形の中心に、風力タービンタワーが置かれる。しかしながら、大型風力タービンタワーの場合、この配置は、組立クレーンがプラットフォームの周縁部からプラットフォームの中心まで到達しなければならず、これが最大35m以上であり得るため、組立に対する課題を暗示する。
【0004】
三角形の浮体式プラットフォームのいくつかの構成において、角部のうちの1つの上方に風力タービンを置くことが好ましいとされてきたのは、クレーンが容易に到達できるためである。しかしながら、1つの角部に追加されたタービンの重量を、他の2つの角部に同様の重量を追加することによって補償しなければならないため、角部の位置は最適ではないと判明した。1つの角部に2000トンのタービンを設置すると、それにより、他の2つの角部の各々に1000トンのバラストを追加する必要性がもたらされる。平衡を保つバラストのこの大幅な追加は、通常、望ましくない喫水をもたらし、喫水は、12mを超えることが多くなる。喫水が8mを超えないことが、浮体式洋上風力設備が利用可能な港の数を大幅に拡げるので、好ましいであろう。
【0005】
本発明の目的は、適度な喫水を維持しながら、同時にタービン設置に必要なクレーンのリーチを大幅に低減する三角形の浮体式洋上風力プラットフォームの構成を開示することである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際特許出願WO2017/157399
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、当該技術分野における改善を提供することである。特に、浮体式洋上プラットフォームのための改善された構成を提供することが目的である。この目的及びさらなる利点は、以下並びに特許請求の範囲で説明するシステム及び方法によって達成される。
【0008】
要するに目的は、浮体式プラットフォームと組み合わせた風力タービンを備える洋上風力タービンシステムで達成される。プラットフォームは、三角形の構成の角部に3つの浮力モジュールを備える。タワーは、三角形の底辺の端部に位置している2つの浮力モジュール間の中間又はほぼ中間にあり、底辺の近傍に中心から偏心して位置している。
【0009】
「浮力モジュール」という用語は、プラットフォームに浮力及び/又は安定性を提供する要素に使用される。例えば、浮力モジュールは浮力タンクであり、又は互いに装着された複数の浮力タンクを備える。浮力モジュールが備えるもの、あるいは浮力モジュールであるものは、任意選択的に、三角形の構成の角部に位置しており、かつプラットフォームに浮力及び/若しくは安定性を提供することができる垂直か垂直に近い円筒、2つ以上の垂直か垂直に近い円筒の群、又は関連する垂直か垂直に近い容器の他の構成である。
【0010】
タワーが三角形の構成の中心に支持される先行技術と比較して、提示された構造は、風力タービンをプラットフォーム上に設置するために使用されるクレーンのアウトリーチを大幅に低減する。
【0011】
タワーが三角形の構成の角部で支持される先行技術と比較して、提示された構造は、風力タービンを支持するために1つではなく2つの浮力モジュールが使用されるので、タービンの負荷の重量を釣り合わせるのに必要なバラストが少ない。これにより、タービンが設置されるときの運用上の深さが低減される。例えば、15MWの出力定格を有する洋上風力タービンの設置は、通常、風力タービンの角部の位置に対して12m程度の水深を必要とするであろうが、この提示された構造は、8m程度の深さしか必要とせず、底辺の各端部に1つずつある2つの角部の浮力モジュールがタワーを支持することが分かる。
【0012】
これは典型的に、プラットフォームの平衡を保つためのいくらかのバラスト、例えば風力タービンの重量の3分の1から3分の2程度のバラストが、第3の浮力モジュールに設けられることを暗示すると指摘される。
【0013】
より詳細には、洋上プラットフォームは、風力タービンのタワーを支えるタワー支持体、例えばタワー支持コラムを備え、タワーは、風力ロータを支える。プラットフォームは、3つの浮力モジュールを備える。例えば、各モジュールは、浮力部材の群、例えば浮力タンクなどの2つ、3つ、又はそれ以上の浮力部材の群を備える。浮力モジュールは、水よりも軽く、水中にあるときにプラットフォームに浮力を提供する。3つのモジュールは、三角形の構成で二等辺三角形の角部に配置されており、二等辺三角形は、底辺と、底辺の端部における2つの底角から延在し、三角形の頂角で交わる2つの等しい長さの辺とを有する。二等辺三角形は、任意選択的に、3つの等しい長さの辺を有する正三角形である。
【0014】
いくつかの実施形態では、タワーの中心軸は、底角に対して等距離に位置しており、底辺上に位置している。あるいは、タワーの中心軸は、底辺からある距離で三角形の内側又は外側に位置している。その距離は、底辺の長さLの0~15%、例えば底辺の長さLの0~15%の範囲内であることが有利である。
【0015】
例えば、タワーは、頂角から底辺の中央を通って延在する線の上に位置している。
【0016】
タワーの中心軸の典型的な位置は、底辺の中央であるが、底辺の角部に対する等距離からのわずかなずれも可能である。例えばずれは、2%から5%など、2%から10%以内である。
【0017】
等距離の構成からの10%のずれは、一方の底辺の角部までの距離が0.55Lであり、他方の底辺の角部までの距離が0.45Lであり、タワーの中心線から底辺の角部までの各距離は、L/2の10%だけ低減又は拡大されることを暗示することになる。
【0018】
しかし典型的に、ずれはより小さく、むしろ2%から5%の範囲内である。小規模な非対称は、必要な負荷及び支持能力を維持しながら固有周波数の問題を低減する場合があるという点で、有利であり得る。
【0019】
いくつかの実用的な実施形態では、プラットフォームは、浮力モジュールをタワー支持体と連結している堅固な管状部材、特にブレースの支持構造物を備える。都合がよく有用な構成は、四面体又はおおよそ四面体の構成である。
【0020】
例えば、支持構造物はブレースの配置を備え、この配置では、浮力部材をタワー支持体の基部に連結している支持ブレースと、浮力モジュールをタワー支持体の上部部分、例えば頂上に連結している追加のブレースとによって、各浮力部材がタワー支持体に連結されている。浮力モジュールは、補助ブレースによって互いに連結されてもよいことが有利である。このブレースの配置は、全体として四面体の形状を形成してもよい。
【0021】
例えば、タワーの設置の方法は、浮体式プラットフォームを岸壁に隣接して位置付ける行為であって、タワー支持コラムなどのタワー支持体が、浮力モジュールとは別個に配置されており、かつ底辺が岸壁に隣接して配置された状態、及びタワーの中心線が底辺上又は底辺に隣接する位置で底辺の中心又はその近傍にある状態で配置されている、浮体式プラットフォームを岸壁に隣接して位置付ける行為を含む。次いで、タワー並びにナセル及びロータは、浮体式プラットフォームのタワー支持体の上に設置される。浮体式プラットフォームは、この設置に続いて、洋上の最終位置まで曳航されてもよい。この配置により、岸壁に隣接する比較的深さの低い港においてでも、過度なクレーンのリーチを必要とせずに、港に浮体式プラットフォームがある間に、浮体式プラットフォーム上に風力タービンを直接設置することが可能になる。2つの浮力モジュール例えば浮力タンクは、風力タービンの重量を支持し、一方で第3の浮力モジュール例えば浮力タンクは、釣り合い重り及び安定性を提供する。第3の浮力部材は、かなりの距離にあり、あまり大量のバラストは必要としない。全体的な配置により、そうでなければ深さによって生じる制限が課される港において、大規模な浮体式プラットフォーム上に大規模な負荷を置くことさえも可能になる。
【0022】
一例として、15MWの風力タービンが、深さが8m以下の港に着岸している開示の浮体式プラットフォーム上に設置されてもよい。任意の浮力部材の設置中すなわち浮遊中の喫水は、8m未満であってもよいことが有利である。また、第3の浮力部材の設置中の喫水は、8m未満、6m未満、又は4m未満であってもよい。
【0023】
本発明の実施形態は、図面において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】風力タービン用の浮体式プラットフォームの三角形の構造原理を示す図である。
【
図2】浮体式プラットフォーム上の風力タービンを示す図である。
【
図3】
図2の浮体式プラットフォームの上面図である。
【
図6】a)穏やかな水面、b)低い波、及びc)高い波にさらされたときの、遠洋で使用中の浮体式プラットフォームを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、三角形のプラットフォーム1の原理、及びプラットフォーム1上の風力タービンタワー2の位置を説明するための略図である。角部5A、5B、5Cには、浮力モジュール6が設けられており、浮力モジュール6は、洋上プラットフォーム1が浮遊している水の表面において、風力タービンを有するプラットフォーム1を保持するのに十分な浮力を提供するように寸法決めされている。
【0026】
プラットフォーム1の三角形の形状並びにタワー2の位置を説明するために使用される基準三角形9は、単一の浮力モジュール6の中心から延在する。
【0027】
しかしながら、典型的な実用事例では、各角部5A、5B、5Cの浮力モジュール6は、単一の部材ではなく、タンクなどの浮力部材の群である。そして、浮力モジュール6の中心は、例えば、一対の浮力部材における2つの浮力部材間の中心など、複数の浮力部材に対する中心として構築されなければならない。
【0028】
現在の例示では、三角形9は、底辺3と、頂角5Aで交わる2つの等しい長さの辺4A、4Bとを有する二等辺三角形である。しかしながら、三角形9は、正三角形であることもできる。
【0029】
タワー2は、頂角5Aから底辺3の中央を通って延在する想像線7上に位置している。例えば、線7は、プラットフォーム1の支持構造物の一部としての管状の支持ブレースに続く。
【0030】
典型的には、タワー2は、その中心2Aが底辺3の中央に位置した状態で置かれる。しかしながら、いくつかの実施形態では、タワー2の中心は三角形9の外側にあり、底辺3から距離X1だけ位置を変えられており、これは参照番号2’で示されている。この構成は、特に浮力モジュールが大きな直径を覆う場合に、タワー2をプラットフォーム上に取り付けるクレーンが近くなるという利点を有する。
【0031】
以下でより詳細に示すように、このことは、浮力モジュール6が、
図1に示すよりも複雑な構成で配置される場合に有利である。例えば、X1は、底辺の長さLの0~15%、潜在的には長さLの0~10%の範囲内である。
【0032】
あるいは、タワー2は、任意選択的に三角形の内側に位置しており、底辺3から三角形9の中心に向かって距離X2だけ位置を変えられている。これは、参照番号2”によって示されている。例えば、X2は、底辺の長さLの0~15%、潜在的には長さLの0~10%の範囲内である。これは、風力タワーの重量が頂角5Aの浮力モジュール6上により多く積まれるので、取り付け中にプラットフォームに必要な深さが低くなることが有利である。
【0033】
大抵の場合、タワーの中心線2Aは、底角5B、5Cに対して等距離に位置しているが、場合によっては、共振周波数を打ち消すために、そのような等距離の構成からのわずかなずれ20が望ましい場合がある。そのようなわずかなずれ20は、典型的にはLの5%未満であり、標準的にはLの10%を超えないであろう。
【0034】
図2は、風力タービン8を支持するように構成されている浮体式プラットフォーム1の一例を示している。プラットフォーム1は、風力タービンタワー2を支持するパワー支持コラム10の形態のタワー支持体で構成されている。タンクなどの浮力部材6Aの対の形態である3つの浮力モジュール6は、浮力及び安定性を提供している。浮力部材6Aは、平面の三角形9の角部5A、5B、5Cに配置されている。浮力部材6Aの各々には、下端に、海での垂直運動を減衰させるためのヒーブプレート16が設けられている。ヒーブプレート16は、基準三角形9に平行であり、かつ円筒形のタワー2の中心線2Aと直角である基準面17内にある。任意選択的に、ヒーブプレート16は、港湾内での操縦の際に便宜上折り畳み可能である。
【0035】
プラットフォーム1は、管状構造物によって安定性を達成され、この管状構造物は、頂角5Aにある最も遠位の浮力モジュール6からタワー支持コラム10まで延在する第1の支持ブレース12Aと、タワー支持コラム10から底辺の角部5B、5Cにある他の2つの浮力モジュール6の各々まで延在し、場合によっては単一のさらなる支持ブレースへと複合される2つのさらなる支持ブレース12Bとを備える。さらなる安定性は、追加のブレース13A及び13Bによって達成され、これらは、2つのさらなる支持ブレース12Bから、タワー支持コラム10に対して最も遠位の頂角5Aにある浮力モジュール6の近傍の第1の支持ブレースまで延在する。追加のブレース13A、13Bは、2つのさらなる支持ブレース12Bと共に、平面の三角形を形成する。例示されるように、この平面の三角形は、基準三角形9と同じ平面内にある。
【0036】
安定化ブレース15は、プラットフォーム1に堅固な構造を提供するため、支持タワー支持コラム10の上端から、浮力モジュール6の位置での支持ブレース12A、12Bの各々まで延在する。形状は四面体におおよそ似ている。
【0037】
作業プラットフォーム14は、タワー2を取り囲み、典型的にはタワー2に締結される。
【0038】
支持タワー支持コラム10は、その中心線2Aが浮力部材6間の中間にある底辺3上に設けられており、風力タービンタワー2を支持している。このことは、上面図である
図3により詳細に示されている。
【0039】
図2及び
図3は、タワーが底辺3の上に位置していることを示したのに対して、
図4は、
図1の参照番号2’で示されたものに対応する浮体式プラットフォーム1のさらなる一実施形態を示しており、すなわち、タワーの位置が、基準三角形の外側にあり、例えば、底辺3の長さの15%以下に対応する特定の距離だけ偏位している。2つのさらなる支持ブレース12Bは、底辺3と平行ではなく、角度を形成する。
【0040】
比較すると、
図2及び
図3の実施形態では、第1の支持ブレース12Aとさらなる支持ブレース12Bとの組合せがT字形状であり、
図4の実施形態は矢印形状に似ている。
【0041】
図5は、
図1の参照番号2”で示されたものに対応する浮体式プラットフォーム1の一実施形態を示しており、すなわちタワーの位置が、基準三角形9の内側にあり、例えば底辺3の長さの15%以下に対応する特定の距離だけ基準三角形9の内側へ偏位している。
【0042】
図6A、
図6B、及び
図6Cは、波に関する3つの異なる状況におけるプラットフォーム1上のタービン8を示している。
図6Aは、穏やかな海を示している。任意選択的に2000トン(2,000,000kg)程度である風力タービン8の重量により、タワー2に隣接しタワー2の重量を支える2つの浮力モジュール6’は、タワー2までの距離がより長い浮力モジュール6”よりも水中のより深くにある。
図6A、
図6B、及び
図6Cの順序で示されている風の増加により増加するタワー2の傾斜は、この遠位の浮力モジュール6”を水から押し出し、その結果、浮力モジュール6”の重量、並びに表面より上にあるプラットフォームの部分の重量が安定性を増加させる。この遠位の浮力モジュール6”及びプラットフォーム1の一部が水から押し出される程度は、風力タービンに対する風に依存する。しかしながら、さらに押し下げられている隣接する浮力モジュール6’と、水中から押し出されている遠位の浮力モジュール6”との組合せは、プラットフォーム1に対する波の作用並びに風力タービン8に対する風の押圧がある間中、安定化効果を有する。プラットフォームは、ケーブル18A、18Bによって海底19に固定されている。
【国際調査報告】