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特表2024-513319自動水消火器および関連する防火設備
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】自動水消火器および関連する防火設備
(51)【国際特許分類】
   A62C 31/28 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A62C31/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023555456
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-08
(86)【国際出願番号】 FR2022050392
(87)【国際公開番号】W WO2022189737
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2102425
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2105007
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523343880
【氏名又は名称】グループ セーブ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キブラー、フィリップ
【テーマコード(参考)】
2E189
【Fターム(参考)】
2E189CC02
2E189CD03
2E189KC01
(57)【要約】
本発明は、パイプライン(40)の開口部(42)に取り付けられることを意図した自動水消火器(100)に関し、前記消火器(100)は、貫通孔(26)を有するベース(24A)と、開口部(42)と貫通孔(26)との間の接続部をシールすることを目的としたシール(28)とを備える。ベース(24A)は、少なくとも2つの固着点(25A)をさらに備え、消火器(100)は少なくとも1つのクランプカラー(30)を備え、少なくとも1つのクランプカラー(30)は、パイプライン(40)を部分的に取り囲むように意図され、前記固着点(25A)においてベース(24A)と協働する、細長い要素(31)と、消火器(100)が異なる直径のパイプライン(40)上に装着されることができるように少なくとも1つのクランプカラー(30)の長さを調節する手段(32)と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプライン(40)の開口部(42)に取り付けられるように意図された自動水消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)であって、前記パイプライン(40)は、5バールと20バールとの間で加圧された水を収容するように構成された設備の一部を形成し、消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)は:
- 貫通孔(26)を有するワンピースのベース(24A-24K)と、
- 前記パイプライン(40)の開口部(42)と前記ベース(24A-24K)の貫通孔(26)との間の接続部をシールするためのシール(28)と、を備え、
- 前記ベース(24A-24K)は、少なくとも2つの固着点(25A-25K)をさらに含み、
- 前記消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)は、少なくとも1つのクランプカラー(30)を備え、
前記少なくとも1つのクランプカラー(30)は、
パイプライン(40)を部分的に取り囲むように意図された細長い要素(31、39)であって、固着点(25A-25G)で前記ベース(24A-24K)と協働する前記細長い要素(31、39)、および
調節手段(32)を備え、前記調節手段(32)は前記ベース(24A-24K)とは独立しており、前記調節手段(32)は、前記少なくとも1つのクランプカラー(30)の長さを適合させて、前記消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)が、異なる直径のパイプライン(40)に取り付けられることを可能にする、
自動水消火器。
【請求項2】
前記消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)は、1つの単一のクランプカラー(30)と、前記べース(24A~24K)の両側に配置された2つの固着点(25A~25K)と、を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動水消火器。
【請求項3】
前記固着点(25A-25G)が、パイプライン(40)の主方向(D)に平行な方向に配向された貫通開口であり、前記細長い要素(31、39)は、前記細長い要素(31、39)の少なくとも一つの端部を前記貫通開口内に挿入して、ベース(24A-24G)の境界の周りにループを形成することによって、前記ベース(24A-24G)に取り付けられることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動水消火器。
【請求項4】
前記貫通開口は前記ベース(24A-24G)に設けられたスロットであることを特徴とする、請求項3に記載の自動水消火器。
【請求項5】
前記貫通開口は、前記ベース(24A-24G)と前記ベース(24A-24G)の軸(47)との間に形成される空間であることを特徴とする、請求項3に記載の自動水消火器。
【請求項6】
前記細長い要素(31、39)の2つの端部は、ベース(24H-24K)のいずれかの側に配置された固着点(25H-25K)と協働するように構成されることにより、前記細長い要素(31、39)は、前記調節手段(32)の作用後に前記パイプライン(40)を部分的に取り囲むことを特徴とする、請求項2に記載の自動水消火器。
【請求項7】
各固着点(25H-25K)が、2つのラグ(48)によって区切られ、細長い要素(31、39)の通過を可能にする大きさのスロットによって分離された、ハウジング(49)を備え、前記ハウジング(49)は、細長い要素(31、39)の端部に固定された軸(47)を受け入れることを意図し、ラグ(48、50)は、前記調節手段(32)に対する作用前に前記ハウジング(49)内への前記軸(47)の挿入を可能にし、前記調節手段(32)に対する作用後に前記軸(47)の抽出を遮断することを特徴とする、請求項6に記載の自動水消火器。
【請求項8】
各固着点(25H~25K)は、前記細長い要素(31、39)の端部に設けられた穴と協働するように意図されたラグ(50)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の自動水消火器。
【請求項9】
前記細長い要素(31)はストリップであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項10】
前記細長い要素(39)はケーブルであることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項11】
前記細長い要素(31、39)は金属材料で形成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項12】
前記少なくとも1つのクランプカラー(30)の長さの調節手段(32)は、前記シール(28)を所定の速度で圧縮することを可能にするマーカーを含むことを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項13】
前記調節手段(32)が前記細長い要素(31、39)の端部と一体化していることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項14】
前記貫通孔(26)を遮断するための遮断要素(23)を更に備え、前記遮断要素(23)は温度に敏感であり、前記貫通孔(26)を解放するように構成されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の自動水消火器。
【請求項15】
前記ベース(24A-24K)の上方に固定され、前記パイプライン(40)から来る水流を噴霧するように意図されたデフレクタ(22)をさらに備えることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の自動水消火器。
【請求項16】
前記ベース(24A-24K)およびヘッド(20)が、一体のブロックである、デフレクタ(22)、スターラップ(29)および/または遮断要素(23)を備えることを特徴とする、請求項14または15に記載の自動水消火器。
【請求項17】
ベース(24A-24G)及びヘッド(20)は、互いに独立した、デフレクタ(22)、スターラップ(29)及び/又は遮断要素(23)を備え、前記ヘッド(20)は、ねじ止めによって前記ベース(24A-24K)に取り付けられていることを特徴とする、請求項14又は15に記載の自動水消火器。
【請求項18】
少なくとも1つの開口(42)を有する少なくとも1つのパイプライン(40)および
請求項1~17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの自動水消火器(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100)を備える、防火設備。
【請求項19】
前記パイプライン(40)は、その内面および外面が塗装もしくは事前塗装されたパイプラインであることを特徴とする、請求項18記載の防火設備。
【請求項20】
前記パイプライン(40)の塗装がエポキシポリマーバインダを含むことを特徴とする、請求項19に記載の防火設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火設備の分野に関する。
本発明は、特に、少なくとも1つのクランプカラーを含む自動水消火器に基づいており、クランプカラーの直径はいくつかのパイプライン直径に適合されている。
本発明は、特に、いくつかの既存のタイプのパイプラインにその場で消火器を適合させることを可能にする。
【背景技術】
【0002】
火災は産業災害の主な原因の一つである。したがって、火災を防ぐことは、公衆を受ける企業や場所にとってかなりの課題である。たしかに、火災に関係した事故は、かなりの物的被害と人的被害を引き起こす可能性がある。従って、企業は、火災のリスクや、法的手続きおよび罰則につながる可能性がある違反を防止することを目的とした措置を実施しなければならない。
【0003】
従来、防火設備は、所与のゾーンを検出、指示、および確保するように構成された設備である。これを行うために、防火設備は、一般に、火災の存在を検出するための部材と、火災を止めるように構成された抑止部材と、火災の存在を警告するように構成された警告部材と、検出部材からの情報を受信し、火災の場合に抑止部材および警告部材をトリガする制御ステーションとを備える。
【0004】
異なる種類の設備の中で、加圧水を使用する火災防護設備は、従来、防護すべきゾーン内に配備されたパイプラインネットワークを備えている。パイプラインは、「スプリンクラー」としても知られる自動水消火器を備えており、より多くの場合、抑止機能と検出機能の両方を確実にする。これを行うために、自動水消火器は、パイプライン上に取り付けられる開口部が貫通したベースから構成される。この開口部は、温度に敏感なバルブまたはヒューズによって閉じたままにされる。火災時には、温度の上昇によってバルブが壊れたり、ヒューズが溶けたりして、加圧された水の通路が解放され、開口部から噴出して、炎が入ったゾーンに噴出する。特定の実施態様において、水流は、自動水消火器の開口部に直接対面して配置されたデフレクターに当たる。このデフレクタは、水流を拡大し、火炎帯の方向に配向させることを可能にする。
【0005】
また、この設置の変形例もあり、消火器は検出機能を備えず、噴霧機能のみを備える。この場合、パイプラインには連続的に加圧された水は含まれていないが、消火器には、さらに火災が検出された場合にのみ水が供給される。これらの実施形態では、スプリンクラーは、水の通過を遮断することを可能にするバルブまたはヒューズを一切備えていない。
【0006】
パイプライン上に自動水消火器を固定するために、パイプラインに作られた開口部の周りにスリーブを溶接することから成る第一のシステムがある。次に、自動水消火器がスリーブにねじ止めされる。しかし、スリーブを塗装またはメッキして、パイプラインの残りの部分と同じ色にする必要があり、これは溶接後にのみ行うことができ、設備を製造するためのプロセスをより高価なものにする。
【0007】
これらの欠点を克服するために、パイプライン上へのスリーブの固定を溶接によって行わず、サポートカラーを介しておこなうシステムが開発された。
【0008】
一実施形態の第1例によれば、自動水消火器は、サポートカラーから独立している。例えば、文献EP 0598151は、カラー上に自動水消火器をねじ込むことを可能にするコネクタを備えるサポートカラーを記載している。サポートカラーは2つの部分から構成される。第1部分は、コネクタを支持し、湾曲されて、導管の上部の形状に適合される。第2の部品は、スプリング効果を有し、パイプライン上にサポートカラーをクリップすることを可能にする部品である。変形例では、第2の部分はまた、湾曲した剛性部分であってもよい。
【0009】
一実施形態の第2例によれば、自動水消火器は、サポートカラーと一体化することができる。例えば、文献EP 3756733は、自動水消火器を含む上部を下部と接続するための手段とを備えるサポートラーを記載している。上部は湾曲しており、導管の上部の形状に適合するようになっている。変形例においては、文献DE9106943およびGB8422476に例示されているように、上部を平坦にすることもできる。
【0010】
下部は剛性の湾曲部であり、導管の下部及び/又は側部の形状に適合するように構成される。
【0011】
いずれにせよ、第1の部分および/または第2の部分の湾曲した形状は、別のパイプライン直径に対してそれを適合させることが不可能である。
【0012】
事実、スプリンクラーが設置される標準的な防火設置パイプラインサイズを規定する基準はない。寸法はニーズやメーカーによって異なる。例として、従来市販されているパイプラインは、”DN 25”または”DN 125”とも呼ばれる、25~125mmの標準化された直径の範囲で変化する寸法を有している。
【0013】
したがって、先行文献によって提案されたシステムは、パイプラインの寸法を事前に知って、サポートカラーのサイズを正しく選択する必要がある。したがって、このシステムは、サポートカラーの寸法がパイプラインの寸法に適合しない場合に、追加のコストおよび設置の遅れを引き起こすことがあり、適応性の欠陥を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、発明が提案して解決しようとする技術的問題は、いくつかの既存のパイプライン直径に適合させることができる自動水消火器を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この問題を解決するために、本発明は、パイプラインの形状およびサイズに適合させることを可能にする可撓性材料で作られた少なくとも1つのクランプカラーを備える自動水消火器を開発することを提案する。したがって、本発明は、これらの可撓性クランプカラーを、取付けの品質を損なうことなく、従来技術の剛性カラーに置き換えることができる発見の結果である。
【0016】
事実、防火設備は非常に制約のある基準にさらされており、それは、その設備がその試運転時には適合していることを要求するとともに、火災時に有効であるために、それらの設備がその寿命の間中、この適合性を維持することを要求している。これらの規格は、特に、設備の構成要素が対応しなければならない圧力を規定する。
【0017】
しかし、当業者は、本発明の可撓性クランプカラーが、特に、火災設備において必要な10バール前後、例えば5~20バールの間、好ましくは8~12バールの間の圧力を受ける場合、摩耗および変形のリスクが高すぎることを当然考えるであろう。したがって、当業者は、安全リスクを制限するために、スプリンクラーの分野にこれらのクランプカラーを使用することを避けていたであろう。
【0018】
このように、本発明は、パイプラインの開口部に取り付けられることを意図した自動水消火器に関し、前記パイプラインは、5~20バールに加圧された水を収容するように構成され、前記消火器は:
- 貫通孔を有する一ピースのベース、および
- 前記パイプラインの開口部と前記ベースの貫通孔との間の接続部をシールすることを目的とするシール、を備える。
【0019】
このような消火器は:
- べースは、少なくとも2つの固着点をさらに含み、
- 消火器は、少なくとも1つのクランプカラーを備え:
前記少なくとも1つのクランプカラーは、
パイプラインを部分的に取り囲むように意図された細長い要素であって、前記固着点において前記ベースと協働する細長い要素、および
前記ベースとは独立した調節手段であって、消火器が異なる直径のパイプライン上に装着されることができるように少なくとも1つのクランプカラーの長さを適合させることを可能にする調節手段と、を備える。
【0020】
換言すれば、調節手段は、パイプラインの直径に対するクランプカラーの長さを適合させることを可能にする。例えば、カラーは、25~50mmの直径に適合されるのに十分な長さを有することができる。
【0021】
この適応能力を得るために、調節手段は、細長い要素内に作られたノッチと協働するループの形成で提示することができる。
【0022】
調節手段は、ベースの遠方のゾーンに配置され、したがってパイプラインの開口部に加わる圧力の制約に最もよく抵抗できるようにするために、ベースから独立している。実際、調節手段がベースから離れているほど、クランプカラーは伸張、変形及び破断に抵抗する。
【0023】
好ましくは、調節手段は、パイプラインの開口部と直径方向の反対側に設置され、パイプラインの開口部からベースに加えられる圧力を最良に補償する。パイプラインの周囲にかかる張力は、したがって、より良く分散される。
【0024】
本発明によれば、ベースは一ピースであり、すなわち、ベースは、例えば、文献WO2018/014066に記載されているような幾つかの構成要素のアセンブリからなる部品とは異なる、1つの単一に形成された部品である。高圧がかかる場合、一ピースベースを使用することで、例えば5 ~10年間の動作保証期間で、長時間の抵抗を保証することができる。
【0025】
シールと、調節手段と、ベースと協働する細長い要素とを関連付けることにより、パイプラインと自動消火器との間の接続部の密封性、並びに異なるパイプライン直径に対するクランプカラーの適応性を保証することが可能となる。事実、細長い要素は、ベースとパイプラインとの間に介在するシールが圧縮される一方で、ベースをパイプラインに押し付けることを可能にする。ベース上の伸張要素の牽引下で、シールは変形し、パイプラインの貫通孔の周りのベースのシールを保証し、パイプラインの曲率に追従する。このように、ベースの圧力下のシールにより、パイプラインとベースの曲率差を吸収することが可能となる。更に、調節手段は、細長い要素をシールが圧縮される位置に固定することを可能にし、そのため、シールの圧縮能力がクランプ手段の固定位置の進行性の欠如を埋める。
【0026】
その結果、細長い要素がベースに及ぼす牽引力、調節手段のモジュラー性およびシールの変形能力が、ベースを様々な直径のパイプラインに適合させることを可能にする。
【0027】
さらに、調節手段および細長い要素は、時間が経過しても耐久性がある。すなわち、それらは変形せず、時間が経過しても誤動作しない。したがって、接続部は耐久性を保ってシールされたままである。
【0028】
さらに、調節手段とシールとの関連によって、製造公差のために、クランプカラーの長さをパイプラインの直径の非常に低い変動に適合させることも可能になる。事実、例えば直径25mmのような、所定の直径のパイプラインの間で、製造者の許容誤差は、パイプラインの直径が変化し得る+/1mmのマージンを提供することができる。好ましくは、調節手段のノッチは、製造者の許容誤差への適合を可能にするように、十分に小さくされたピッチを有する。
【0029】
自動水消火器は、パイプラインの開口部に固定されている限り、パイプラインに対して任意の向きで配置することができる。一例として、自動水消火器をパイプラインの上、下、または側面に配置することができる。
【0030】
クランプカラーの長さは、カラーの有用な部分に対応しており、これはパイプラインの壁に接して配置されるように意図されている。事実、クランプカラーは、固定された全長を有することができるが、調節の間、カラーの1つの部分のみを効果的に使用して、自動水消火器をパイプラインに対して保持することができる。無駄な部分を任意に切断して、自動水消火器によって発生する消火を妨げないようにすることができる。
【0031】
有利には、このような自動水消火器は、設置をよりコンパクトにすることを可能にする。実際、本発明は、自動消火器を受け入れるためのスリーブが存在しない状態で行うことを可能にする。したがって、この構成により、自動消火器の高さを低くすることができる。したがって、これは、例えば、貯蔵ラックのような縮小された空間、又は低い天井の下の空間に、より容易に挿入することができる。
【0032】
さらに、クランプカラーは、いくつかのパイプライン直径に適合することができるので、異なるカラーサイズの数を制限することが可能となり、生産コストを制限する。更に、クランプカラーの調節は、単一のパイプライン直径に適合した形状を有する従来技術の支持カラーとは反対に、実質的に連続的に行うことができる。
【0033】
さらに、本発明のクランプカラーは、カラーの数およびサイズを事前に準備する必要なく、自動水消火器をその場で適合させることを可能にする。これにより、大幅な時間の節約とコストの大幅な低減が可能になる。
【0034】
一実施形態では、消火器は、1つの単一のクランプカラーと、ベースの両側に配置された2つの固着点とを備える。
【0035】
実際に、本発明の可撓性クランプカラーは摩耗及び変形のリスクが高すぎることから、クランプカラーの構造を補強するためにクランプカラーの数を倍増させることになると当業者は考える。しかし、本発明は、例えば、漏れのリスクを増大させることなく、全ての推定に反して、ただ1つのクランプカラーを使用することを可能にする。
【0036】
本発明の意味において、「固着点」はベースの受入れ要素に対応しており、クランプカラーがパイプラインの周囲を囲んでいるときにクランプカラーを固定することを可能にしている。これらの固着点は、ラグなどの開口部または膨張部に対応することができる。
【0037】
一実施形態によれば、固着点は、パイプラインの主方向に平行な方向に向けられた貫通開口であり、細長い要素は、細長い要素の少なくとも1つの端部を貫通開口内に挿入することによって、また、前記ベースの境界の周りにループを形成することによって、ベースに取り付けられている。
【0038】
本発明によれば、パイプラインの主方向は、パイプラインの長さに平行な方向に対応する。
【0039】
したがって、調節方法が容易に再現可能であり、かつ、少ない工具しか必要としないので、ベース上へのクランプカラーの取り付けが容易になる。一例として、細長い要素がパイプラインを囲むように、下から上へ2つの開口部を通過すれば十分である。細長い要素の端部は、次に、ベースの頂部から引っ張られ、ベースの端部の上方で折り曲げられて、パイプラインの周りのクランプ用カラーをクランプする。次いで、細長い要素の端部は、一緒に戻され、調節手段によって固定される。パイプラインへの自動水消火器の設置は、このように主に迅速化されている。
【0040】
実際には、貫通開口は、ベース内に作られたスロットに対応することができる。変形例では、貫通開口は、ベースとベース上に取り付けられた軸との間に形成された空間に対応することができる。
【0041】
好ましくは、開口は、ベースの中心軸に対して対称に作られ、従って、パイプラインの開口部に対する自動消火器の誤った位置決めのリスクを低減することを可能にする。
【0042】
別の実施形態によれば、細長い要素の2つの端部は、ベースの両側に配置された固着点と協働するように構成され、その結果、細長い要素は、調節手段への作用後にパイプラインを部分的に取り囲む。
【0043】
実際には、各固着点は、細長い要素の通過を可能にするように寸法決めされたスロットによって区切られた2つのラグによって区切られたハウジングを備え、このハウジングは、細長い要素の端部に固定された軸を受けることを意図されており、このラグは、調節手段に作用する前にハウジング内に軸の挿入を可能にし、調節手段に作用した後に前記軸の抽出を遮断することが意図されている。
【0044】
したがって、調節方法が容易に再現可能であり、かつ、少ない工具しか必要としないので、ベース上へのクランプカラーの取り付けが容易になる。細長い要素がパイプラインを包囲し、軸線を備えたその端部がベースのハウジング内でブロックされることは十分である。次に、クランプカラーは、調節手段を介してパイプラインの直径に適合される。パイプラインへの自動水消火器の設置は、このように主に迅速化されている。
変形例では、各固着点は、細長い要素の端部に設けられた穴と協働するように意図されたラグを含む。
【0045】
クランプカラーのベース上への取り付けは、穴を設けたその端部がベースのラグ上に塞がれるように細長い要素をパイプラインの周りに取り付けることによって行われる。次に、クランプカラーは、調節手段を介してパイプラインの直径に適合される。
細長い要素は異なる形態をとることができる。第1の形態では、細長い要素は、ストリップ、すなわちバンドに類似した形態である。変形例では、細長いエレメントはケーブルであり、細いが、耐性がある。事実、本発明は、設備の安全性を損なうことなく細長い要素を使用することを可能にし、その幅は減少される。
【0046】
実際には、細長い要素は金属材料で形成される。驚くべきことに、本発明は、設備の安全性を損なうことなく、細長い要素を製造するのに異なる材料を使用することを可能にする。
【0047】
有利には、少なくとも1つのクランプカラーの長さを調節する手段は、所定の速度でシールを圧縮することを可能にするマーカーを備える。
【0048】
この実施形態は、クランプカラーの設置を容易にし、エラーのリスクを除去することを可能にする。技術者は、実際に設置中に視覚マーカーに頼ることができ、クランプカラーをどこまでクランプして、シールが直径および使用圧力に従って漏れを生じないように最適に圧縮されるかを示すことができる。変形例では、これらの調節マーカは、クランプカラーの調節張力を測定するための器具と置き換えることもできるし、これと関連付けることもできる。
【0049】
さらに、好ましい実施形態では、調節手段は、細長い要素の端部と一体になっている。
【0050】
実際、この実施形態は、細長い要素の自由端を引っ張る簡単な動きを行うことによって、パイプライン上の自動消火器のクランプを達成することを可能にする。
【0051】
上記の特徴を有するクランプカラーは、パイプライン上への自動水消火器の取り付けに必要な時間を有利に単純化し、減少させることを可能にする。
【0052】
しかし、細長い要素をブロックするシステムは、本発明の正しい動作を損なうことなく、異なるものとすることができる。
【0053】
本発明の特定の実施形態では、自動水消火器は、前記貫通孔を遮断するための要素をさらに備え、要座波温度に敏感で、温度が閾値を超えると貫通孔を解放してパイプラインから水流を抽出するように構成される。
【0054】
有利には、自動水消火器はまた、前記ベースの上方に固定されかつパイプラインから来る水流を噴霧するように意図されたデフレクタを備える。
【0055】
これらの要素は、自動水消火器のヘッドを形成する。本発明は、スターラップとベースとが一体のブロックを形成し、その上にデフレクタと阻止要素とが取り付けられる実施形態をカバーする。あるいは、本発明は、スターラップ、デフレクタ、および遮断要素によって形成されるヘッドがベースから独立している実施形態もカバーする。
【0056】
言い換えると、第1の実施形態によれば、デフレクタ、スターラップおよび/または遮断要素を備えるベースおよびヘッドは、モノリシックブロックを形成する。
【0057】
第2の実施形態によれば、デフレクタ、スターラップおよび/または遮断要素を備えるベースおよびヘッドは独立しており、ねじ止め、溝付きコネクタにおける連動、または任意の他の連動手段によって、ヘッドがベース上に取り付けられる。
【0058】
その他のもう1つの態様において、本発明は、
-少なくとも1つの開口部を有する少なくとも1つのパイプライン、および
-上述のような少なくとも1つの自動水消火器を含む、防火設備に関する。
【0059】
好ましくは、パイプラインは、その内部面および外部面がペイントまたは事前ペイントされたパイプラインである。すなわち、パイプラインは、その内部面および外部面を覆うペイントを含む。塗装により、特に錆による劣化からパイプラインを保護することができる。
【0060】
塗装を施すことにより、はく離のないピアシングやカッティングが可能となり、作業現場での製造時間を大幅に短縮することができる。実際、既知の方法で通常行われる製造後の塗装段階は除去される。
【0061】
好ましくは、パイプラインの塗装は、ピアシング及び切断に特に耐性を有するエポキシポリマーバインダーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0062】
発明を達成する方法、並びにこれから生ずる利点は、以下の実施形態の説明から、添付の図面を支持して明らかになる:
図1】4つの異なる実施形態による4つの自動水消火器が固定されたパイプラインの斜視図である。
図2】別の4つの異なる実施形態による4つの自動水消火器が固定されたパイプラインの斜視図である。
図3図1の第1の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図4図1の第1の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図5図1の第1の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図6図1の第2の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図7図1の第2の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図8図1の第2の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図9図1の第3の実施形態によるパイプライン上に取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図10図1の第3の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図11図1の第3の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図12図1の第4の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図13図1の第4の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図14図1の第4の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図15図2の第5の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図16図2の第5の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図17図2の第5の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図18図2の第6の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図19図2の第6の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図20図2の第6の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図21図2の第7の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図22図2の第7の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である。
図23図2の第7の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図24図2の第8の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の正面図である。
図25図2の第8の実施形態によるパイプラインに取り付けられた自動水消火器の側面図である
図26図2の第8実施例に係るパイプラインに取り付けられた自動水消火器の上面図である。
図27】第9実施例に係るパイプラインに取り付けられた自動水消火器のベースとクランプカラーの斜視図である。
図28図27のクランプカラーの調節手段の斜視図である。
図29図27のクランプカラーの調節手段の部分断面図である。
図30a】本発明の第10実施形態による自動水消火器を設置する第1の工程の断面図である。
図30b】本発明の第10実施形態による自動水消火器を設置する第2の工程の断面図である。
図30c】本発明の第10実施形態による自動水消火器を設置する第3の工程の断面図である。
図30d】本発明の第10実施形態による自動水消火器を設置する第4の工程の断面図である 。
図31】本発明の第11実施形態に係る自動水消火器のベースの上方からみた斜視図である。
図32図31の自動水消火器のベースの正面図である。
図33図31の自動水消火器のベースの下方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1および図2に図示されるように、自動水消火器100、200、300、400、800、900、1000、1100は、少なくとも1つのパイプライン40を備える防火設備に取り付けられる。
【0064】
パイプライン40は、約10バール、例えば5~20バール、好ましくは8~12バールの圧力を支持するように構成される。これを行うために、パイプライン40は、好ましくは、良好な耐変形特性を有する材料からなり、典型的には、鋼、ステンレス鋼、亜鉛メッキ鋼、銅または塩素化ポリ塩化ビニルからなる。
【0065】
更に、パイプライン40の直径は、リンクされた保護されるべきゾーンの必要性、設置の寸法及び水源に対する自動消火器の位置決めに従って、典型的には「DN 25」又は「DN 125」とも呼ばれる25から125mmの間で変化させることができる。
【0066】
一例として、防火設備は、より大きな寸法の中央パイプライン骨格40と、より小さな直径のパイプラインによって形成される分岐部とで形成することができる。
本発明の自動水消火器100、200、300、400、800、900、1000、1100を一体化するために、一つ以上の開口42がパイプライン40に作られる。開口42は、例えば、上面図において、10~25mmの直径の円形であり、「DN 10」または「DN 25」とも呼ばれる。開口部42の直径は、保護されるべきゾーンの消火のために選択されるスプリンクラーヘッドに従って寸法決めされる。さらに、本発明は、DN32~DN40のパイプラインに対しても実施できることが観測されている。
【0067】
2つの開口部42を分離する距離は、一般に2~4.6mの間で調節される。同様に、開口部42は、保護すべきゾーンの壁から少なくとも1m離れていなければならない。2つの開口部42を分離する距離が0.9mになり得ることが最近観察された。
【0068】
図1および図2は、本発明による自動水消火器100、200、300、400、800、900、1000、1100のいくつかの実施形態を示している。しかしながら、全ての実施形態は共通の要素を有する。一例として、図3図5を参照して、自動水消火器100、200、300、400、800、900、1000、1100は、0.5~1.5cmの厚さの平らでほぼ平行六面体形状を有するワンピースベース24A~24D、2AH~24Kが形成される。変形例において、ベース24E、24Gの下面は、図27および図31~33に例示されているように、わずかな曲率を有することができる。下面の湾曲は、自動水消火器500、700を適合させることができるより大きな直径のパイプライン40の湾曲に適合するように選択される。より最近では、3mmの厚さを有するベース24E、24Gが観察されている。
【0069】
ベース24A-24D、24H-24Kは、成形方法、機械加工またはレーザ切断などの材料を差し引く方法、または、3D印刷などの添加方法によって直接得ることができる。
【0070】
ベース24A-24Kは、さらに、例えば、2~10mmの直径の貫通開口26を有する。直径は、本発明を変更することなく、より大きくすることができ、典型的には、10~500mmである。
【0071】
有利には、シール28は、ベース24A-24Kの開口26およびパイプライン40の開口42をそれぞれ取り囲むように、ベース24A-24Kの下面に面して、典型的にはベース24A-24Kとパイプライン40との間に配置される。一例として、シール28は、0.2~0.7cmの厚さのゴム製Oリングである。変形例では、より大きな直径のパイプラインの場合、シールはリップを含み、0.5~3cmの厚さを有することができる。
【0072】
ベース24A-24Kの開口26は、好ましくは、自動水消火器100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100の近傍の温度が、典型的には57-343℃の間のトリガ閾値に達したときに、劣化するように構成されたガラスバルブまたはヒューズである感熱遮断素子23によって遮断される。
【0073】
バルブおよび/またはヒューズを劣化させるためのいくつかの温度標準がある。これらの規格は、特にバルブに含まれる液体の色に認識可能である。一例として、赤色は68℃のトリガ温度に対応する。
【0074】
有利には、デフレクタ22が、ベース24A-24D、24H-24Kの開口部26に面して配置される。デフレクタ22は、傘またはパラソルに似た形状、すなわち円形表面、好ましくは湾曲した形状を有し、その凹部は、開口部26から来る水流を遮断し、それを燃焼ゾーンに向け直すように、開口部26に面して配置される。変形例において、デフレクタ22は、水流の効果的な分散を可能にする任意の他の形状を有することができる。
【0075】
有利には、デフレクタの周囲にはフィン21が設けられている。デフレクタ22は、側部スターラップ29、有利にはそのうちの2つによって保持される。アセンブリは、例えば、真鍮、青銅、アルミニウム、ステンレス鋼、チタンまたは銅で作られる。ねじは、例えば、スターラップ29とデフレクタとの間の接合部に固定される。このねじは、デフレクタを保持し、遮断要素23を押圧することを可能にする。
【0076】
図1乃至図26に図示された実施形態によれば、「ヘッド」20とも呼ばれるデフレクタ22、スターラップ29、および遮断要素23により形成されるアセンブリは、ベース24A-24D、24H-24Kと一体化されている。
【0077】
例えば、図27および31から33に示される他の実施形態において、ヘッド20は、表されていないが、ベース24E、24Gから独立していてもよい。すなわち、ヘッド20の貫通開口部をベース24E、24Gの貫通開口部26と位置合わせすることによって、ヘッド20をベース24E、24Gに取り付けることができる。例えば、ヘッド20は、ねじ山または溝を有し、ベース24E、24Gの貫通開口26の壁に作られた第2のねじ山または溝と協働する雄部を有することができる。したがって、ヘッド20は、ベース24E、24G上の溝付きコネクタによってねじ止めまたは固定することができる。
【0078】
クランプカラー30は、ヘッド20をパイプライン40上に固定して保持することを可能にする。クランプカラー30は、細長い要素、例えば、幅が0.5~2cmのストリップ、または直径が0.2~1cmのケーブルからなる。変形例では、細長い要素は、金属材料で作られた「セルフレックス」タイプのクランプ要素とすることができる。クランプカラー30は、また、長さ及び締付けの調節手段32を備えている。ベース24A-24Kには、パイプライン40の設置および直径の必要性に応じて、1つまたは複数のクランプカラー30を設けることができる。
【0079】
調節手段32は、ベース24A-24Kから独立している。
【0080】
第1の例によれば、調節手段32は、クランプカラー30の細長い要素から独立させることもできる。それらは、所定の位置に保持するために細長い要素上に固定することができるか、またはインターロックすることができる1つまたは複数の装着部品から構成することができる。
【0081】
図27図29に図示されているように、クランプカラー30は金属ストリップ31の形状で提示することができ、調節手段はストリップ31とは独立して、ストリップ31の端部が挿入されるハウジング35を備えるループ33Aを含むことができる。セルフタッピングねじ34は、異なるストリップ31の厚さを挿入することを可能にする。有利には、ループ33Aは、セルフタッピングネジ34の本体の下側部分を受け入れることを可能にする開口部36を有する。
【0082】
したがって、細長い要素は、シール28が最適な圧縮率で圧縮されるように、また、パイプラインと自動消火器との間の接続が可能な限り密封されるように、必要な開口部を作ることによって、パイプライン40の直径および許容誤差に直接適合させることができる。調節は「ベスポーク」で行われ、調節オプションはほぼ連続的である。
【0083】
変形例は、図面に表されていない実施形態では、細長い要素は、細長い要素に沿って規則的かつ密接に作られた開口部を備える金属ストリップである。細長い素子を直径に直接適合させることができ、かつパイプラインの公差に適合させることができるように、開口部間のピッチは、好ましくは、製造業者の公差以下である。通常、パイプラインの直径が25mmで、許容誤差が+/1mmの場合、開口部間のピッチは1mm以下である。したがって、シールを最適な圧縮率で圧縮することができ、パイプラインと自動消火器との接続部が可能な限り密閉された状態になる。
【0084】
パイプライン40上にベース24Eを固定するために、これをパイプライン40の開口部42上に配置することで、パイプライン40の主方向Dに垂直な方向に水が噴出するように、ヘッドのスターラップがパイプライン40の長さと一直線になるようにする。ストリップ31の2つの端部は、底部から頂部への移動において、固着点を通って挿入され、ストリップ31がパイプライン40を取り囲むように、側部開口25Eによって実現される。次いで、ストリップ31の端部は、ベース24Eの頂部から引っ張られ、ベース24Eの端部の上方で折り畳まれ、クランプカラー30をパイプライン40の周りでクランプする。次いで、ストリップ31の端部は一緒に戻され、従って、ベース24Eの各縁部の周りにループを形成する。次に、ストリップ31の端部は、調節手段32によって一緒に固定される。
【0085】
従って、図29に例示されているように、ループ33Aは第1のストリップ31の厚さ上に位置付けられる。次いで、ストリップ31の端部を折り曲げてループ33Aのハウジング35内に挿入し、次にパイプライン40上にベース24Eを効果的に保持するようにクランプする。これを行うために、ストリップ31の端部は、少なくとも1cmの長さにわたってハウジング35の各側を通過する。ストリップ31の端部は、このように、ループ33Aの本体37に重ねられる。セルフタッピングねじ34は、この重ね合わせで最終的に挿入され、ストリップ31の端部によって形成された2つの厚さをピアシングする。
【0086】
図30a~図30dに図示されているような変形例では、調節手段32はストリップの端部と一体とすることができる。従って、クランプカラー30は金属ストリップ31の形成で提示することができ、調節手段は、ストリップ31の端部に固定されたハウジング35を含むループ33Bを含むことができる。
【0087】
また、ハウジング35は、平行六面体断面の管状の形態を採ることができ、金属ストリップ31の一部を通過させることができるように意図されている。さらに、セルフタッピングねじ34のような固定手段を、管の長さに垂直に、かつ管に対するストリップ31の移動方向に垂直に、ハウジング35上に配置することができ、これにより、パイプライン40の周囲で圧縮されてハウジング内に挿入されたときに、ストリップ31の移動を拘束することができる。
【0088】
図示されていない代替実施形態では、固定手段は、管状ハウジング内に収容されて細長い素子の動きを遮断することを意図したボールを含む。これを行うために、ハウジングは、可変断面を有する。典型的には、ハウジングの断面は、ボールの直径よりも大きい寸法から、ボールの直径に実質的に等しい寸法まで狭められる。従って、細長い要素が管内で滑動する間、ボールは、細長い要素の挿入方向とは反対の方向に、縮小された寸法のハウ陰部の部分に向かって駆動され、そこでブロックされる。したがって、ボールはまた、細長い要素をブロックする。
【0089】
図30a~図30dの実施形態では、ベース24Fの空間25Fは、ストリップ31の固着点を作り出すために使用される。これを行うために、図30aに例示されているように、ループ33Bを設けていないストリップ31の端部は、ベース24Fの第1の固着点を取り囲むように第1の動きM1で挿入される。この動きM1は、ベース24Fの上面からベース24Fの下面までの空間25Fにストリップ31を挿入し、パイプライン40に沿ってストリップ31が到達するまで行う。
【0090】
このようにしてストリップ31がベース24Fの第2固着点までパイプライン40の周囲を移動する。このように、図30bに示すように、ベース24Fの第2固着点を取り囲むように、移動M2に応じて空間25Fにストリップ31が導入される。この移動M2は、ベース24Fの下面からベース24Fの上面までの空間25Fにストリップ31を挿入し、パイプライン40に沿ってストリップ31が到達するまで行う。
【0091】
ストリップ31は、このように、図30cに示されている移動M3に従ってループ33B内に導入される。次に、クランプカラー30は、その通過後にストリップ33の端部をループ33Bのハウジング内に引っ張ることにより、移動M4に従ってパイプライン40の周りで圧縮される。
【0092】
ある実施形態において、ストリップ31の圧縮張力が得られると、ストリップ31をハウジング内に固着する手段は、図30dに示すように、ハウジング35の長さに垂直な方向M5の作用によって、ループ33C内に挿入することができる。続いて、ループ33Cを通過したストリップ31の残りの端部は、任意に分離することができる。
【0093】
さらに、ストリップはまた、調節手段32を受け入れる又はブロックすることを可能にするノッチ又は溝を有することができる。
【0094】
有利には、クランプカラー30はまたマーカーを有しており、クランプを圧力およびパイプライン40の直径に適合させることが可能である。
【0095】
クランプカラー30をベース24A-24Kに取り付けることを可能にする実施形態がある。
【0096】
図3図5に例示するように、第1の実施形態では、ベース24Aは、角部にベベルを有する平行六面体形状を有する。ベース24Aは、2~10cmの長さと、2~5cmの幅を有する。ベース24Aの長さは、パイプライン40の主方向Dに直交する方向に位置するものである。ベース24Aは、その端部に、ベース24Aの厚さ方向に作られた2つの側溝25Aを有し、略平行管形状であり、クランプカラー30のストリップ31の通路を可能にするように意図されている。
【0097】
図6図8に示されるように、第2の実施形態において、ベース24Bは、長さが4~10cm、幅が4~10cmの平行六面体形状を有する。また、ベースの長さは、パイプライン40の主方向Dに直交する方向に向けられるものである。ベース24Bは、中央の平行六面体形状の溝と、スターラップ29を受け入れて固定することができるように2つの側面凹部とを有する。また、ベース24Bは、その端部に、ベース24Bの厚さ寸法に形成された2つの溝部25Bを備え、略直方体形状とし、クランプカラー30のストリップ31の通過を可能とするものである。
【0098】
図9図11に示すように、第3の実施形態において、基台24Cは、長さが2~10cm、幅が2~5cmの平行六面体形状である。また、ベースの長さは、パイプライン40の主方向Dに直交する方向に向けられるものである。ベース24Cは、2つの凹部によって形成された固着点を有しており、開口25Cを作ることが可能である。凹部の端部は2つの軸43を備える。したがって、クランプカラー30のストリップ31は、開口25Cを通過して、軸43のまわりにループを形成する。
【0099】
図12図14に示すように、第4の実施形態において、ベース24Dは、長さが2~8cmで幅が2~5cmの平行六面体形状を有する。また、基台24Dの長さは、パイプライン40の主方向Dと直交する方向に向けられるものである。
【0100】
ベース24Dはさらに、ベース24Dの両側に取り付けられた2つの軸43を固定する手段を有する。軸43は、クランプカラー30の固着点であり、ベース24Dのエッジと軸43との間に自由空間25Dを残すように配置されている。この空間25Dは、クランプカラー30のストリップ31の通過を可能にするように意図されており、従って、軸43の周りにループを形成することが可能である。
【0101】
図15~17に図示されるように、第5の実施形態では、ベース24Hは、ベース24Hの両側である2つの固着点25Hを含む。各固着点25Hは、0.3~1cmの深さを有し、0.5~4cmの長さ及び0.1~1cmの直径を有する軸47を受ける、ハウジング49を含む。この第5実施形態において、ハウジング49は、ベース24Hの全幅に亘って延びている。ハウジング49は、2つの平行六面体形状のラグ48によって縁取られている。好ましくは、上部は、固着点25Hでの2つの軸47の設置の間に、ハウジング49に向かう軸47の動きをガイドすることを可能にするために、斜めまたは丸められた形状を有する。2つのラグ48は、ケーブル39の通過を可能にし、かつパイプライン40の周りでケーブル39をクランプする間、軸47を保持するようなサイズのスロットによって分離されている。これにより、ケーブル39がパイプライン40の周囲に張られているときには、軸47はラグ48によって保持されてハウジング49内に固定される。
【0102】
図18~20に図示されるように、第6の実施形態では、固着点25Iのハウジング49は、軸47の抽出に至らず、より低い深さを有することができる。スロットの幅は、細長い要素31の幅にさらに適合させることができる。第6の実施形態では、スロットは、ストリップ31の通過を可能にする大きさである。
【0103】
図21図23に図示されるように、第7の実施形態では、ベース24Jは、細長い要素31の端部に設けられた穴と協働するように意図されたラグ50を含む固着点25Jを有する。ベース24J上に細長い要素を取り付けるために、細長い要素31の穴は、同じくパイプライン50を取り囲むようにラグ50上に挿入され、次に、クランプカラー30は、調節手段32を介してパイプラインの直径に適合される。
【0104】
図24図26に図示されるように、第8の実施形態において、ベース24Kは、細長い要素31の幅の通過を可能にする大きさのスロットによって分離された2つのラグ48によって縁取りされたハウジング49を有する。スロットは、2つのラグ48を連結するプレートによって覆われ、したがって、0.05~0.2cmの厚さの空間を作り、軸47の通過を可能にするのではなく、細長い要素31の空間だけを作る。したがって、細長い要素31を挿入するためには、まず、軸49を除去しなければならず、次に、細長い要素31の端部が、プレートによって覆われたスロット内に挿入される。その後、軸47は、例えば、細長い要素31の端部に形成されたループに滑り込ませることによって、細長い要素31の端部に固定される。最後に、軸47がハウジング49に挿入される。このように軸47は、プレートの存在によってブロックされるので、ハウジング49から抽出することはできない。
【0105】
図27に示されるように、本発明の第9の実施形態では、ベース24Eは、ベース24Eの厚さに作られた溝25Eを含む。また、溝25Eの下部にボア46が形成され、溝が外側に開くことができるようになっている。このボア46は、ストリップ31がパイプライン40の形状に最もよく適合することを可能にする。
【0106】
図31から図33に例示されるように、第11の実施形態において、ベース24Gは、消火器がベース24G上に固定される前に、パイプライン40上に取り付けることができる。この実施形態において、ベース24Gは、長さが2~8cmで幅が2~5cmの略六角形状を有する。また、ベース24Gの長さは、パイプライン40の主方向Dに直交する方向に向けられるものである。
【0107】
ベース24Gはさらに、ベース24Gの両側に略直方体形状で2対の側溝25Gをベース24Gの厚さ方向に有し、側溝25Gは2つのクランプカラー30の通過を可能とするものである。好ましくは、溝は1~3cmの間隔で配置される。このタイプのベース24Gは、例えば、通常DN50より大きい直径を有するパイプライン40のために、消火器がベース24Gに取り付けられる溝付きのヘッド20を備える場合に特に採用される。
【0108】
2つのクランプカラー30の取り付けは、図17a乃至17dで説明したものと同様に行われ、クランプカラー30は、次々に同時に取り付けることができる。
結論として、本発明は、全ての既存のパイプライン直径に適応できる自動水消火器を開発することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
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図12
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図14
図15
図16
図17
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図19
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図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30a
図30b
図30c
図30d
図31
図32
図33
【国際調査報告】