(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】油分離器及び空調システム
(51)【国際特許分類】
F25B 43/02 20060101AFI20240315BHJP
F25B 43/00 20060101ALI20240315BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F25B43/02 A
F25B43/00 W
F25B1/00 387A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555532
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 CN2022073485
(87)【国際公開番号】W WO2022227734
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202120936703.0
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】王 俊杰
(72)【発明者】
【氏名】郎 壮
(57)【要約】
筒体(1)、返油管(2)及び濾過ユニット(3)を含み、筒体(1)の底部に第1取り付け孔(11)が設けられており、返油管(2)の一端が第1取り付け孔(11)内に取り付けられ、濾過ユニット(3)が返油管(2)の筒体(1)に接続された一端に位置し、第1取り付け孔(11)の内壁に位置決め部(12)が設けられており、濾過ユニット(3)を位置決めするために濾過ユニット(3)の一部が位置決め部(12)に当接される、油分離器(100)及び空調システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体、返油管及び濾過ユニットを含み、前記筒体の底部に第1取り付け孔が設けられており、前記返油管の一端が前記第1取り付け孔内に取り付けられ、前記濾過ユニットが前記返油管の前記筒体に接続された一端に位置し、
前記第1取り付け孔の内壁に位置決め部が設けられており、前記濾過ユニットを位置決めするために、前記濾過ユニットの一部が前記位置決め部に当接される、油分離器。
【請求項2】
前記濾過ユニットは、取り付け座及びフィルタを含み、前記取り付け座が前記位置決め部に当接され、前記フィルタが前記取り付け座に取り付けられる、請求項1に記載の油分離器。
【請求項3】
前記取り付け座には取り付け溝が設けられており、前記フィルタの一端が前記取り付け溝内に固定される、請求項2に記載の油分離器。
【請求項4】
前記フィルタの前記筒体の内部に向かう一端を半球状とする、請求項2に記載の油分離器。
【請求項5】
前記返油管の前記第1取り付け孔内に入り込んだ一端が前記濾過ユニットに当接される、請求項1に記載の油分離器。
【請求項6】
前記返油管の前記第1取り付け孔に入り込んだ一端に拡径セグメントが設けられており、前記拡径セグメントは前記第1取り付け孔内に入り込んで前記筒体に接続される、請求項1に記載の油分離器。
【請求項7】
前記拡径セグメントと前記筒体とは溶接により接続される、請求項6に記載の油分離器。
【請求項8】
前記筒体に取り付けられた排気管を更に含み、
前記筒体の頂部に第2取り付け孔が設けられており、前記排気管の一端が前記第2取り付け孔から前記筒体内に入り込む、請求項1に記載の油分離器。
【請求項9】
前記排気管は、第1セグメント及び第2セグメントを含み、前記第1セグメントの一端が前記第2取り付け孔から前記筒体内に入り込み、他端が前記筒体の外側に位置し、且つ前記第1セグメントの他端に縮径部を有し、
前記第2セグメントの一端は前記縮径部に入り込んで前記第1セグメントに接続される、請求項8に記載の油分離器。
【請求項10】
吸音板を更に含み、前記吸音板は前記筒体内に取り付けられて前記筒体を第1チャンバ及び第2チャンバに分割し、且つ前記吸音板には前記第1チャンバと第2チャンバとを連通する複数の吸音孔が設けられており、
前記排気管の前記第2取り付け孔に入り込んだ一端は前記第1チャンバを経て前記吸音板を貫通して第2チャンバまで延在する、請求項8に記載の油分離器。
【請求項11】
前記筒体は、ステンレス製筒体であり、且つ一体成形される、請求項1に記載の油分離器。
【請求項12】
圧縮機及び請求項1から11のいずれか一項に記載の油分離器を含み、前記油分離器の返油管と前記圧縮機とが互いに接続される、空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2021年4月30日に出願された出願番号が202120936703.0であり、発明の名称が「油分離器及び空調システム」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は冷暖房の技術分野に関し、特に、油分離器及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
冷暖房装置において、圧縮機と復水器との間に油分離器が接続されており、油分離器は循環流体から潤滑油及び冷媒を分離して、潤滑油を圧縮機のオイルタンクに戻し、冷媒を復水器に戻して熱交換に関与させるために用いられる。
【0004】
現在、空調システムにおける不純物が油分離器の返油管から圧縮機内に流れ込んで、圧縮機が損傷することを防止するために、油分離器内に濾過構造を設けることが普通であるが、濾過構造は取り付けが複雑である、及び/又は取り付けが不安定である欠陥を有し、使用時に濾過構造に緩みが発生して、油分離器の濾過性能に影響を与え、且つ濾過構造の取り付け方が複雑であることは、油分離器の構造の複雑、コストの増加、製造効率の低下に繋がる。
【発明の概要】
【0005】
これに鑑みて、背景技術で提起された技術課題を解決するための油分離器及び空調システムを提供する必要がある。
【0006】
本出願で提供される油分離器は、筒体、返油管及び濾過ユニットを含み、筒体の底部に第1取り付け孔が設けられており、返油管の一端が第1取り付け孔内に取り付けられ、濾過ユニットが返油管の筒体に接続された一端に位置し、第1取り付け孔の内壁に位置決め部が設けられており、濾過ユニットを位置決めするために濾過ユニットの一部が位置決め部に当接される。
【0007】
一実施例において、濾過ユニットは、取り付け座及びフィルタを含み、取り付け座が位置決め部に当接され、フィルタが取り付け座に取り付けられる。
【0008】
一実施例において、取り付け座には取り付け溝が穿設されており、フィルタの一端が取り付け溝内に固定される。
【0009】
一実施例において、フィルタの筒体の内部に向かう一端を半球状とする。
【0010】
一実施例において、返油管の第1取り付け孔内に入り込んだ一端が濾過ユニットに当接される。
【0011】
一実施例において、返油管の第1取り付け孔に入り込んだ一端に拡径セグメントが設けられており、拡径セグメントは第1取り付け孔内に入り込んで筒体に接続される。
【0012】
一実施例において、拡径セグメントと筒体とは溶接により接続される。
【0013】
一実施例において、油分離器は、筒体に取り付けられた排気管を更に含み、ここで、筒体の頂部に第2取り付け孔が穿設されており、排気管の一端が第2取り付け孔から筒体内に入り込む。
【0014】
一実施例において、排気管は、第1セグメント及び第2セグメントを含み、第1セグメントの一端が第2取り付け孔から筒体内に入り込み、他端が筒体の外側に位置し、且つ第1セグメントの他端に縮径部を有し、第2セグメントの一端は縮径部に入り込んで第1セグメントに接続される。
【0015】
一実施例において、油分離器は、吸音板を更に含み、吸音板は筒体内に取り付けられて筒体を第1チャンバ及び第2チャンバに分割し、且つ吸音板には第1チャンバと第2チャンバとを連通する複数の吸音孔が穿設されており、排気管の第2取り付け孔に入り込んだ一端は第1チャンバを経て吸音板を差し込んで第2チャンバまで延在する。
【0016】
一実施例において、筒体は、ステンレス製筒体であり、且つ一体成形される。
【0017】
本出願は、圧縮機及び上記のいずれか一種の油分離器を含み、油分離器の返油管と圧縮機とが互いに接続される空調システムを更に提供する。
【0018】
本出願で提供された油分離器及び空調システムは、関連技術と比較して以下のような有益な効果を有する。
本出願は、第1取り付け孔の内壁に位置決め部を設けることで、位置決め部により濾過ユニットの位置決めを実現し、油分離器の使用過程において濾過ユニットに緩み及び/又は変位が発生して不純物が返油管内に入って圧縮機が損傷することを防止する。関連技術における濾過構造が複雑な取り付け及び位置決めの方法に比べて、本出願の濾過ユニットに対する位置決め及び取り付けの方法がより簡単で、油分離器の製造難度及び製造コストを効果的に低下させ、油分離器の製造効率を大幅に向上させる。
【0019】
更に、返油管の第1取り付け孔内に入り込んだ一端が濾過ユニットに当接され、返油管と位置決め部との係合により濾過ユニットの固定を実現し、固定方法が簡単で、且つ別の固定構造を増加させる必要がなく、製造コストを低減させて、製造効率を向上させるのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本出願の一実施例で提供される油分離器の模式図である。
【0021】
100 油分離器、1 筒体、11 第1取り付け孔、12 位置決め部、13 第2取り付け孔、14 第3取り付け孔、15 制限溝、16 第1チャンバ、17 第2チャンバ、2 返油管、21 拡径セグメント、22 凸部、23 銅製継手、3 濾過ユニット、31 取り付け座、32 取り付け溝、33 フィルタ、4 排気管、41 第1セグメント、411 縮径部、42 第2セグメント、5 吸音板、51 吸音孔、6 吸気管、61 銅スリーブ、7 補強板。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本出願の実施例における図面を参照して本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は、本出願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。当業者が、本出願における実施例に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0023】
説明すべきこととして、アセンブリが他のアセンブリに「装着される」とされる場合、他のアセンブリに直接装着されてもよく、又は介在するアセンブリが存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「設けられる」とみなされる場合、他のアセンブリに直接設けられてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。アセンブリが他のアセンブリに「固定される」とみなされる場合、他のアセンブリに直接固定されてもよく、又は介在するアセンブリが同時に存在してもよい。
【0024】
特に定義しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語や科学用語は、本出願の属する技術分野における当業者が通常理解している意味と同じである。ここで、本出願の明細書に使用される用語は、単に具体的な実施例を説明することを目的とし、本出願を制限するものではない。本明細書に使用される「及び/又は」という用語は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の及び全ての組み合わせを含む。
【0025】
図1から
図3を参照すると、本出願で提供される油分離器100は、循環流体から潤滑油及び冷媒を分離して、潤滑油を圧縮機のオイルタンクに戻すために用いられる。
【0026】
この油分離器100は、筒体1、返油管2及び濾過ユニット3を含み、筒体1の底部に第1取り付け孔11が設けられており、返油管2の一端が第1取り付け孔11内に取り付けられ、濾過ユニット3が返油管2の筒体1に接続された一端に位置し、第1取り付け孔11の内壁に位置決め部12が設けられており、取り付けるときに濾過ユニット3を位置決めし、濾過ユニット3に緩み又は変位が発生することを防止するとともに、濾過ユニットが筒体中部に振り入れられることを防止するために濾過ユニット3の一部が位置決め部12に当接される。
【0027】
本出願は、第1取り付け孔11の内壁に位置決め部12を設けることで、位置決め部12により濾過ユニット3の位置決めを実現し、油分離器100の使用過程において濾過ユニット3に緩み及び/又は変位が発生して不純物が返油管2内に入って圧縮機が損傷することを防止する。関連技術における濾過構造が複雑な取り付け及び位置決めの方法に比べて、本出願の濾過ユニット3に対する位置決め及び取り付けの方法がより簡単で、油分離器100の製造難度及び製造コストを効果的に低下させ、油分離器100の製造効率を大幅に向上させる。
【0028】
ここで、位置決め部12は、第1取り付け孔11の内壁に設けられた突起構造であってもよく、突起構造はより簡単で、油分離器100の製造難度及び製造コストを低下させるのに更に有利である。当然ながら、第1取り付け孔11に縮径を設けることにより段差を形成してもよく、この段差により上記の位置決め部12を形成し、段差構造も同様に簡単で、油分離器100の製造難度を大幅に低下させる。当然ながら他の実施例において、位置決め部12の具体的な構造は上記又は図示に限定されず、位置決め部12は、濾過ユニット3と互いに係合して係止されることができる構造であってもよい。
【0029】
選択的に、筒体1はステンレス製筒体1であり、且つ一体成形され、ステンレス製筒体1の一体成形は溶接を低減させ、作業効率を向上させる。ここで、現在油分離器100の筒体1は通常銅材を採用するが、本出願では選択的にステンレス材を採用して筒体1を製造する。ステンレス材は、筒材に比べて、硬度がより高く、変形しにくく、耐食性に優れ、且つより低価であるため、ステンレス材を採用すると、生産コストを大幅に低減させることができる。
【0030】
図1から
図3を参照すると、選択的に、返油管2の第1取り付け孔11内に入り込んだ一端が濾過ユニット3に当接され、返油管2と位置決め部12との係合により濾過ユニット3の固定を実現し、固定方法が簡単で、且つ別の固定構造を増加させる必要がなく、製造コストを低減させて、製造効率を向上させるのに有利である。なお組み立てる際、溶接ジョイントを増加させることなく、返油管2が濾過ユニット3に当接さればよいため、組み立て効率が高い。当然ながら他の実施例において、返油管2と位置決め部12との間に固定構造を設けることで、固定構造及び位置決め部12により濾過ユニット3をクランプし固定して、濾過ユニット3の緩みを更に防止することも可能である。
【0031】
図1、
図2を参照すると、濾過ユニット3は、取り付け座31及びフィルタ33を含み、組み立てるときに取り付け座31の筒体1の内部に向かう一端が位置決め部12に当接され、フィルタ33が取り付け座31に取り付けられ、返油管2を取り付けた後に、返油管2の第1取り付け孔11内に入り込んだ一端が取り付け座31の他端に当接されることで、取り付け座31の、筒体1の軸方向に沿う制限を実現し、取り付け座31の側壁が第1取り付け孔11の側壁に当接され、取り付け座31の、筒体1の径方向に沿う制限を実現する。ここで、濾過構造は、構造が簡単で、入手しやすく、製造コストの低減に有利である。当然ながら他の実施例において、濾過ユニット3の具体的な構造は上記に限定されない。
【0032】
選択的に、
図2、
図3を参照すると、取り付け座31には取り付け溝32が穿設されており、フィルタ33の一端が取り付け溝32内に固定され、取り付け溝32によりフィルタ33の一端を制限し、取り付け方が簡単で、別の固定構造を設ける必要がなく、濾過ユニット3の製造コストを効果的に低減させ、フィルタ33の組み立ての難度を低下させる。当然ながら他の実施例において、フィルタ33の取り付け座31への取り付け方は上記又は図示に限定されず、例えば、接着又は溶接によりフィルタ33を取り付けてもよく、また、例えば他の固定構造によりフィルタ33を取り付け座31に取り付けてもよい。
【0033】
引き続き
図2を参照すると、選択的に、フィルタ33の筒体1の内部に向かう一端を半球状とするが、半球状はフィルタ33の有効濾過面積の増加に有利であり、且つ、フィルタ33によりオイル中の不純物が濾過された場合、半球状の円弧面により不純物をフィルタ33の縁部までガイドすることができるため、不純物がフィルタ33に堆積することを回避し、フィルタ33が詰まることをより良好に回避する。
【0034】
更に、
図1、
図2を参照すると、返油管2の第1取り付け孔11に入り込んだ一端に拡径セグメント21が設けられており、拡径セグメント21は第1取り付け孔11に入り込んで筒体1に接続され、拡径セグメント21を設けることにより、組み立てるときに拡径セグメント21と第1取り付け孔11とがインターフェアランスフィットされ、第1取り付け孔11と返油管2との間の気密性を強化させて、オイルが第1取り付け孔11と返油管2との間から漏れることを防止する。なお、拡径セグメント21の濾過ユニット3に近接した一端が濾過ユニット3に当接されて、濾過ユニット3を位置決め部12と返油管2との間に固定し、濾過ユニット3の緩みを更に防止する。
【0035】
更に、拡径セグメント21と筒体1とは溶接により接続されて、返油管2の組み立て及び固定を実現し、返油管2の緩みを防止する。
【0036】
なお、
図1を参照すると、返油管2の第1取り付け孔11から離れた一端に銅製継手23が設けられており、ステンレス材の硬度がより高く且つより低価であるため、選択的に、返油管2はステンレス材を採用して作製されるが、冷房技術分野において、通常、空調システム内の接続管が銅材であり、銅材とステンレス材との溶接特性の差異が非常に大きいことで、ステンレス材質の返油管2と空調システム内の接続管とを共に溶接するプロセス難度が比較的大きくなり、使用時に組み立て難度が比較的高くなるので、返油管2の第1取り付け孔11から離れた一端に銅製継手23を設けて空調システム内の接続管に接続させることは、溶接難度を低下させ、油分離器100の組み立て効率を向上させるのに有利である。
【0037】
なお、
図1、
図5を参照すると、選択的に、返油管2の銅製継手23に接続された管内壁に凸部22を設け、凸部22が銅製継手23に対して位置決めの役割を果たして、銅製継手23が返油管2内に入り込む長さを限定し、具体的には、返油管2が縮径した後に拡径して管内に向かって突出する凸部22を形成するので、形成方法が簡単で、加工難度を低下させる。当然ながら他の実施例において、凸部22の形成方法は上記に限定されず、例えば管内壁に突起構造を直接設けてもよい。
【0038】
引き続き
図1を参照すると、本出願で提供される油分離器100は、筒体1に取り付けられた排気管4を更に含み、油分離器100内の気相冷媒は排気管4から輸出される。ここで、筒体1の頂部に第2取り付け孔13が穿設されており、排気管4の一端が第2取り付け孔13から筒体1内に入り込む。
【0039】
更に、排気管4は、第1セグメント41及び第2セグメント42を含み、第1セグメント41の一端が第2取り付け孔13から筒体1内に入り込み、他端が筒体1の外側に位置し、且つ第1セグメント41の他端に縮径部411を有し、第2セグメント42の一端は縮径部411に入り込んで第1セグメント41に接続され、縮径部411を設けることにより第2セグメント42の一端にインターフェアランスフィットで接続されるので、第1セグメント41と第2セグメント42との接続をより安定化し、第2セグメント42と第1セグメント41との間の気密性を向上させる。なお、第2セグメント42の材料が銅材であり、第2セグメント42と空調システム内の接続管との溶接が容易になり、溶接難度を低下させ、油分離器100の組み立て効率を向上させるのに有利である。
【0040】
引き続き
図1、
図4を参照すると、油分離器100は、吸音板5を更に含み、吸音板5は筒体1内に取り付けられて筒体1を第1チャンバ16及び第2チャンバ17に分割し、且つ吸音板5には第1チャンバ16と第2チャンバ17とを連通する複数の吸音孔51が穿設されており、排気管4の第2取り付け孔13に入り込んだ一端は第1チャンバ16を経て吸音板5を差し込んで第2チャンバ17まで延在し、吸音板5により排気管4を固定し、排気管4が揺れて騒音が発生することを防止する。
【0041】
図4を参照すると、筒体1の内壁に制限溝15が形成され、吸音板5の外周側が制限溝15内に係止されて、吸音板5の固定を実現する。当然ながら他の実施例において、吸音板5の取り付け及び固定の方法は上記に限定されず、例えば筒体1の内壁に係止構造を設けて、吸音板5と係止構造とが係合して係止されて固定を実現してもよい。
【0042】
引き続き
図1を参照すると、本出願で提供される油分離器100は、筒体1に取り付けられた吸気管6を更に含み、筒体1の側壁に第3取り付け孔14が穿設されており、吸気管6の一端が第3取り付け孔14内に取り付けられ、且つ筒体1の内部と連通して設けられ、気液二相が混合された冷媒は吸気管6から油分離器100内に輸入されて油分離される。
【0043】
選択的に、第3取り付け孔14の軸線と筒体1の軸線とは交差せず、言い換えれば、第3取り付け孔14が偏心して設けられ、作業時に筒体1が高速回転することにより、吸気管6から筒体1内に入った気液二相が混合された冷媒及びオイルが遠心力の作用下で筒壁に沿って回転して分離し、これにより液状冷媒が揮発してガス状冷媒が形成され、ガス状冷媒は排気管4から輸出されるが、オイルは重力の作用により筒壁に沿って降下して筒体1内に沈殿される。当然ながら他の実施例において、第3取り付け孔14の軸線は、筒体1の軸線に交差するように設けてもよい。
【0044】
更に、吸気管はステンレス材を採用して作製し、吸気管6の第3取り付け孔14から離れた一端に銅スリーブ61が設けられており、銅スリーブ61により空調システム内の銅質接続管に溶接されるので、溶接難度を低下させ、油分離器100の組み立て効率を向上させるのに有利である。
【0045】
引き続き
図1を参照すると、油分離器100は、補強板7を更に含み、補強板7は、吸気管6の第3取り付け孔14に取り付けられた一端に嵌合して取り付けられ、且つ筒体1の外側に位置し、筒体1に固定され、且つ補強板7の筒体1に向かう側壁の一面が筒体1の側壁に密着され、補強板7が筒体1との接触面積を増加させ、吸気管6と筒体1と接続強度を効果的に増加させることができる。
【0046】
本出願で更に提供される空調システムは、圧縮機及び上記のいずれか一種の油分離器100を含み、油分離器100の返油管2と圧縮機とが互いに接続され、具体的には、圧縮機の接続配管と返油管2の銅製継手23とが溶接により互いに接続される。本出願で提供される空調システムは、より低いコストで、圧縮機のオイルに対する良好な濾過を実現し、圧縮機の安全を確保するとともに、この空調システムの作製効率を向上させることができる。
【0047】
以上の実施形態の各技術特徴は任意に組み合わせてもよく、説明を簡潔にするために上記の実施形態における各技術特徴の可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術特徴の組み合わせが矛盾しない限り、いずれも本明細書に記載されている範囲とみなすべきである。
【0048】
当業者が理解すべきこととして、以上の実施形態は単に本出願を説明するために使用され、本出願を限定するためのものではなく、本出願の実質的な趣旨の範囲内で、以上の実施形態によりなされる適切な変更及び変化はいずれも本出願の保護を請求する範囲に属する。
【国際調査報告】