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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】無機コーティング組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 1/00 20060101AFI20240315BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20240315BHJP
   H01M 50/28 20210101ALI20240315BHJP
   H01M 50/282 20210101ALI20240315BHJP
   C09D 7/65 20180101ALI20240315BHJP
   C04B 16/06 20060101ALI20240315BHJP
   C04B 14/10 20060101ALI20240315BHJP
   C04B 18/08 20060101ALI20240315BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20240315BHJP
   C04B 14/20 20060101ALI20240315BHJP
   C04B 22/08 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
C09D1/00
H01M50/204 401F
H01M50/28
H01M50/282
C09D7/65
C04B16/06 B
C04B14/10 A
C04B14/10 B
C04B14/10 Z
C04B18/08 Z
C04B16/06 A
C04B18/14 Z
C04B14/20 A
C04B22/08 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023556901
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 IB2022052405
(87)【国際公開番号】W WO2022195517
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】63/200,638
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ロマンコ,ウォルター アール.
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ミッチェル ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウニング,レサ エム.
(72)【発明者】
【氏名】フェアバンクス,マーク エー.
(72)【発明者】
【氏名】ベイツ,ダニエル エス.
【テーマコード(参考)】
4G112
4J038
5H040
【Fターム(参考)】
4G112MB01
4G112MB02
4J038CB082
4J038CE022
4J038DH002
4J038HA451
4J038HA481
4J038HA521
4J038HA546
4J038HA556
4J038KA08
4J038KA19
4J038NA15
4J038PB07
5H040AA37
5H040AS01
5H040AS04
5H040CC01
5H040LL04
5H040LL06
5H040LL10
(57)【要約】
本発明は、基材に適用された場合、高エネルギー熱暴走事象によって引き起こされる高温粒子放出に穿孔を生じることなく耐えることができるコーティング組成物を記載する。コーティング組成物は、無機充填剤と、無機結合剤と、チョップド有機繊維と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無機充填剤と、
無機結合剤と、
チョップド有機繊維と、
を含む、コーティング組成物。
【請求項2】
前記無機充填剤が、カオリン粘土、メタカオリン、タルク、雲母、ムライト、金雲母、白雲母、モンモリロナイト、スメクタイト、ベントナイト、イライト、クロライト、セピオライト、アタパルジャイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ラポナイト、レクトライト、パーライト、フライアッシュ、ヒュームドシリカ、シリカフューム、ポルトランドセメント及びコンクリートミックスのうちの1つである、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記無機充填剤が、カオリン粘土、メタカオリン、タルク、雲母、ムライト、金雲母、白雲母、モンモリロナイト、スメクタイト、ベントナイト、イライト、クロライト、セピオライト、アタパルジャイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ラポナイト、レクトライト、パーライト、フライアッシュ、ヒュームドシリカ、シリカフューム、ポルトランドセメント及びコンクリートミックスから選択される少なくとも2つの充填剤を含む無機充填剤の混合物である、請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記無機充填剤がカオリン粘土と雲母との混合物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記無機結合剤が、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムを含むことができる、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記アルカリケイ酸塩が、式MSiO(式中、MはNa、K又はLiである)を有するアルカリメタケイ酸塩である、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング。
【請求項7】
前記アルカリケイ酸塩が、式MO(SiO・HO(式中、MはLi、Na又はKから選択され、nは1~15の整数、好ましくは2~9の整数である)を有するポリケイ酸塩である、請求項1~4のいずれか一項に記載のコーティング。
【請求項8】
前記有機繊維が、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ブレンドポリオレフィン繊維、ポリオレフィンコポリマー繊維及びナイロン繊維を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記有機繊維がポリビニルアルコール繊維からなる、請求項1~8のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記無機充填剤が、前記コーティング組成物の35重量%~85重量%を構成する、請求項1~9のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記無機結合剤が、前記コーティング組成物の15重量%~60重量%を構成する、請求項1~10のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記有機繊維が、前記コーティング組成物の0.1重量%~6.5重量%を構成する、請求項1~11のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物が、基材の平坦な表面に適用されている、耐火性物品。
【請求項14】
前記耐火性物品が、高エネルギー熱暴走事象によって引き起こされる高温(1200℃)粒子放出に穿孔を生じることなく耐えることができる、請求項13に記載の耐火性物品。
【請求項15】
前記基材が、ガラス布、玄武岩布、雲母板、耐炎性無機質紙又は板、及び他の高温耐性材料のうちの1つである、請求項13又は14に記載の耐火性物品。
【請求項16】
請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物が、基材の三次元表面に適用されている、請求項13~15のいずれか一項に記載の耐火性物品。
【請求項17】
前記三次元表面が電池パック用のアルミニウム蓋の内面である、請求項16に記載の耐火性物品。
【請求項18】
前記三次元表面が三次元耐炎性成形紙物品又は三次元雲母物品である、請求項16に記載の耐火性物品。
【請求項19】
前記基材上に配置された硬化コーティングされた表面上に配置された感圧接着剤を更に含む、請求項13~18のいずれか一項に記載の耐火性物品。
【請求項20】
前記チョップド有機繊維が、前記コーティング組成物から形成された硬化コーティング層の弾性率を少なくとも24%改善する、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項21】
前記チョップド有機繊維が、前記コーティング組成物から形成された硬化コーティング層の破断点応力を少なくとも24%改善する、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項22】
前記コーティング組成物が、前記無機充填剤、前記無機結合剤及び前記有機繊維から本質的になる、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【請求項23】
前記コーティング組成物中の前記チョップド有機繊維が、高温に加熱された際の前記硬化コーティングの亀裂を減少させる、請求項1~12のいずれか一項に記載のコーティング組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュール熱暴走事象の管理を補助するために電動ビークル(electric vehicle)の電池モジュールにおいて使用するためのコーティング組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、電池サポートされるハイブリッドビークル又は完全電動ビークルの市場及び支援技術は、急速に拡大している。ニッケル金属水素化物又はリチウムイオン電池を含む再充電性電池は、エネルギーを貯蔵し、電動ビークル及びハイブリッド電動ビークルにおいて電力を供給するために使用される。再充電中の電池への、又は電池からビークル及びその付属品へのいずれかの電流の流れは熱を発生させる。指定された範囲の境界外での動作は、電池内のセルを損傷させるか、又は電池内のセルの劣化を加速させる可能性がある。
【0003】
電動ビークルの電池は、いくつかの電池モジュールから構成され、各電池モジュールは、多くの相互接続された個々の電池セルを含む。電池モジュール内のあるセルが、その動作において損傷されるか又は不良である場合、モジュールから熱を取り除くことができるよりも速く、セル内の温度が上昇し得る。この温度上昇が放置される場合、熱暴走と呼ばれる壊滅的な現象が発生して、セルの発火をもたらす場合がある。結果として生じる火災は、連鎖反応中で隣接するセルに非常に急速に広がり、次いで、電池全体のセルに広がり得る。これらの火災は潜在的に大規模になる可能性があり、周囲の構造物に広がり、ビークル又はこれらの電池が配置されている構造物の乗員を危険にさらす場合がある。
【0004】
次世代の電動ビークルEV電池は、今日使用されている電池よりも高いエネルギーのものである。811(NMC若しくはニッケル-マンガン-コバルト比)又は類似のエネルギー密度と記載されるものなどの、高エネルギー電池は、穿刺又は過熱されると破滅的に故障し得る。これが起こると、続く電池の発火は1200℃以上の温度に達するだけでなく、中高速で破片(shrapnel)を放出することもある。電池パックは一般にアルミニウムシェル内に収容されるが、アルミニウムは660℃で溶融するので、シェルは、そのような故障の場合に電動ビークルの乗員に脱出する時間を与えるために、故障した電池の炎及び破片から保護されなければならない。
【0005】
高温炎に耐え抜き得る(すなわち、破損することなく2000℃の炎に数十分間)材料が存在するが、これらの材料は、高エネルギー電池熱暴走事象に関連するブラストに耐えることができない。したがって、高温のみならず、電池パックから放射されるブラスト粒子にも耐えることができる防火バリアが必要とされる。構成要素に対して曝露される自動車又は他の環境に耐え抜くために、これらの材料はまた、それらの特性を劣化させることなく、低温及び高温、並びに湿度に耐えることができなければならない。加えて、例示的な材料は、薄く、軽量で、強く、安価である必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、基材に適用された場合、高エネルギー熱暴走事象によって引き起こされる高温(例えば、750℃超、好ましくは1000℃超、より好ましくは1200℃超)粒子放出に穿孔を生じることなく耐えることができるコーティングを記載する。第1の例示的な実施形態では、無機充填剤と、無機結合剤と、チョップド有機繊維と、を含むコーティング組成物が記載される。
【0007】
第2の実施形態では、基材上にコーティングされた例示的なコーティング組成物を含む耐火性物品が記載され、コーティング組成物は、無機充填剤と、無機結合剤と、チョップド有機繊維と、を含む。
【0008】
他の実施形態では、本発明による例示的なコーティング組成物は、無機充填剤、無機結合剤及びチョップド有機繊維から本質的になり得る。このコーティング組成物は、硬化したコーティング組成物の所望の特性、又は基材の表面に配置された例示的なコーティングを含む耐火性物品の性能に著しく影響しない追加の材料を更に含んでもよい。
【0009】
本発明の上記の概要は、本発明のそれぞれの例示的実施形態又はあらゆる実践を記載することを意図するものではない。以下の図面及び発明を実施するための形態は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の構成要素は多数の様々な方向で位置決めされ得るため、方向に関する用語は、説明の目的で用いられており、限定するものではない。他の実施形態を利用することができ、構造的又は論理的な変更が、本発明の範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものである。
【0011】
熱暴走事象中の突然の火災及び/又は破片放出に関連する危険から保護することは、重要な技術的課題である。電池火災の1つの特性を保護することが、他の問題を引き起こす場合があるため、普遍的解決策を生み出そうとすることは、達成が困難である。例えば、不織ポリマーウェブ及び発泡体は、優れた断熱特性を示すことができるが、一般的なポリマーは、電池故障事象において経験する高温に耐えることができない。不燃性繊維(例えば、無機繊維)織布から作製された遮熱材は、火の侵入を防止するために効果的であり得るが、薄すぎて火又は断片の強烈な熱を十分に断熱できない可能性がある。より厚い遮熱材の層を使用することは、コストがかかりすぎる場合がある。これらの材料の組み合わせは解決策を提供する可能性があるが、特に結合される及び結合する材料の選択が可燃性の問題及び熱膨張係数の差によって制約され得る場合は、異なる材料を一緒に結合することは問題になる場合がある。
【0012】
本発明は、熱暴走条件下で保護セラミック表面を形成する防火コーティングを提供することによって、これらの問題に対処する。例示的なコーティングを耐炎性の耐火性紙又は耐炎性の耐炎性板の表面に適用して、高エネルギー電池モジュール又はパックにおける熱暴走中の高温及び破片の放出に耐えることができる防火バリア物品を作り出すことができる。電動ビークルの電池用途では、比較的薄い耐炎性の紙又は板と防火コーティングの組み合わせは、火災加熱の場合の保護、構造的完全性、及び高度な断熱を提供することができる。
【0013】
例示的な一実施形態では、防火バリア物品は、破局的な電池故障中の高温粒子のブラスト又は放出への壁として機能するように、電池パックの蓋の下側を裏打ちするために使用することができる。材料形態は、個々のシート(平面用途の場合)として顧客に提供されてもよく、あるいは電池パックの蓋(三次元輪郭を有する電池パックの蓋の場合)の下側がコーティング若しくは硬化されていてもよく、又はPCT公開第WO2021/113278号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている三次元耐火材料などの他の三次元基材であり、次いでこれを、電池パックの蓋、側面若しくは底部に適用することができる。この例示的な防火バリア物品の要件は、単に難燃性であることをはるかに超えている。防火バリア物品は、極めて高い温度を取り扱う能力を有するべきであるだけでなく、粒子ブラストにも耐えなければならない。結果として、有機又はシリコーン材料を含む従来の構造物は、高エネルギー熱暴走事象中に必要な保護を提供しない。
【0014】
加えて、自動車は、一連の衝撃及び振動、極端な温度及び湿度、化学物質への曝露、並びに他の悪条件に曝露されるので、自動車部品の特性は、注意深く調整されなければならない。特に衝撃及び振動は、多くの構成要素にとって非常に困難なものになる可能性があり、それは、これらの構成要素が、特にそれらが機械的減衰なしにビークルに堅固に取り付けられている場合、一連の頻度、加速度及び急な動きを受けるからである。したがって、材料の機械的特性は、蓋の下における用途のための新しい材料を配合する場合に重要な考慮事項である。
【0015】
本明細書に記載される実質的に無機のコーティングシステムでは、材料の引張特性ではなく曲げ特性の測定が、材料を特徴付けるために使用される。一般に、より高い曲げ弾性率及び高い破断点曲げ応力を有して、構成要素が自動車環境、特に蓋の下における用途において衝撃及び振動に耐え抜けることが望ましい。したがって、これらのシステムの曲げ弾性率及び/又は破断点曲げ応力を増加させることが望ましい。本発明による無機コーティング組成物は、乾燥コーティング中の固形分パーセントに基づいて、少なくとも90重量%、好ましくは少なくとも93重量%、より好ましくは97重量%の無機材料を含む。
【0016】
本明細書に記載される例示的なコーティング組成物は、硬化組成物の物理的特性を改善するために低濃度の有機繊維を含み、同時に高温粒子ブラストに耐え抜くことができる硬化コーティング層も提供する。例示的なコーティング組成物は、電池パック蓋の下側、又は高温、高強度及びブラスト耐性が必要とされる他の用途に使用することができる。
【0017】
例示的なコーティング組成物は、無機充填剤と、無機結合剤と、チョップド有機繊維と、を含む。より具体的には、コーティング組成物は、乾燥コーティング中の固形分パーセントに基づいて、35重量%~85重量%の無機充填剤、15重量%~60重量%の無機結合剤及び0.1重量%~6.5重量%のチョップド有機繊維を含んでもよい。
【0018】
例示的な無機充填剤としては、カオリン粘土、メタカオリン粘土、タルク、雲母、ムライト、金雲母、白雲母モンモリロナイト、スメクタイト、ベントナイト、イライト、クロライト、セピオライト、アタパルジャイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ラポナイト、レクトライト、パーライト、ガラス繊維、セラミック繊維、フライアッシュ、ヒュームドシリカ、ポルトランドセメント、コンクリートミックス又は類似した無機材料、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適なカオリン粘土の種類としては、水洗カオリン粘土、メタカオリン粘土、デラミカオリン粘土、焼成カオリン粘土、及び表面処理カオリン粘土が挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
いくつかの実施形態では、無機充填剤は、上記で提供された複数の充填剤の混合物であり得る。例えば、無機充填剤は、カオリン粘土、メタカオリン、タルク、雲母、ムライト、金雲母、白雲母、モンモリロナイト、スメクタイト、ベントナイト、イライト、クロライト、セピオライト、アタパルジャイト、ハロイサイト、バーミキュライト、ラポナイト、レクトライト、パーライト、フライアッシュ、ヒュームドシリカ、シリカフューム、ポルトランドセメント及びコンクリートミックスから選択される少なくとも2つの充填剤を含む無機充填剤の混合物であってもよい。いくつかの例示的な実施形態では、無機充填剤はカオリン粘土と雲母との混合物である。
【0020】
無機充填剤は、湿潤コーティング組成物混合物の20重量%~70重量%を構成することができる。代替的には、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の全固形分に基づいて、35重量%~85重量%、好ましくは50重量%~80重量%、より好ましくは55重量%~75重量%の無機充填剤を含むことができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、無機結合剤は、式MSiO(式中、MはNa、K又はLiである)を有することができ、したがって、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)、ケイ酸カリウム(KSiO)ケイ酸リチウム(LiSiO)を含む。加えて、無機結合剤は、コロイドシリカを更に含むことができる。いくつかの実施形態では、無機結合剤は、上記で提供された無機結合剤(すなわち、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウム及びコロイドシリカ)のうちの少なくとも2つの組み合わせを含んでもよい。代替的には、無機結合剤は、式MO(SiO2)・HO(式中、MはLi、Na、K、好ましくはK又はNaから選択され、nは1~15の整数、好ましくは2~9の整数である)を有するポリケイ酸塩とすることができる。結合剤は、溶媒、好ましくは水で用いられることが更に好ましい。無機結合剤は、コーティング組成物湿潤混合物の30重量%~80重量%を構成することができる。代替的には、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の全固形分に基づいて、15重量%~60重量%の無機結合剤、好ましくは20重量%~50重量%の無機結合剤、より好ましくは25重量%~45重量%の無機結合剤を含むことができる。
【0022】
例示的な有機繊維は、ポリビニルアルコール(PVA)繊維、ポリプロピレン(PP)繊維、ブレンドポリオレフィン繊維、ポリオレフィンコポリマー繊維、ナイロン繊維又はこれらの組み合わせを含む。有機繊維は、湿潤コーティング組成物混合物の0.06重量%~5重量%を構成することができる。代替的には、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の総固体含有量に基づいて、0.1重量%~6.5重量%の有機繊維、好ましくは0.3重量%~3重量%の有機繊維、より好ましくは0.9重量%~1.5重量%の有機繊維を含むことができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の全固形分に基づいて、35重量%~85重量%の無機充填剤、15重量%~60重量%の無機結合剤及び0.1重量%~6.5重量%の有機繊維を含むことができる。他の実施形態では、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の全固形分に基づいて、50重量%~80重量%の無機充填剤、20重量%~50重量%の無機結合剤及び0.3重量%~3重量%の有機繊維を含むことができる。なお他の実施形態では、例示的なコーティング組成物は、乾燥コーティング中の全固形分に基づいて、55重量%~75重量%の無機充填剤、25重量%~45重量%の無機結合剤及び0.9重量%~1.5重量%の有機繊維を含むことができる。
【0024】
前述されるように、例示的なコーティング組成物は、基材の第1の主表面に適用されて、熱/火炎バリアなどの保護デバイス又はシステムとして使用することができる例示的な防火バリア物品を形成し得る。例示的な態様では、耐火性物品は、高エネルギー熱暴走事象によって引き起こされる高温(例えば、750℃超、好ましくは1000℃超、より好ましくは1200℃超)の粒子放出に穿孔を生じることなく耐えることができる。驚くべきことに、チョップド有機繊維は、高温での例示的な硬化無機コーティングの亀裂を減少又は排除することができる。
【0025】
例示的なコーティング組成物は、噴霧、塗装、スクリーン印刷などによって塗布することができる。例示的なコーティング組成物は、溶媒ベースのコーティング又は水性ベースのコーティング、好ましくは水性ベースのコーティング組成物とすることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、例示的なコーティング組成物は、例示的な防火バリア物品を形成するために、支持材料なしで平面構造にコーティングされ、乾燥されてもよい。この例示的な防火バリア物品を、ハイブリッド若しくは電動ビークル、又は他の電気輸送用途若しくは場所で見出され得るものなどの、リチウムイオン電池セル、モジュール、又はパックなどの可燃性エネルギー貯蔵デバイスに組み込むか、又はその周りに巻き付けることができる。他の用途では、例示的な防火バリア物品は、可燃性エネルギー貯蔵デバイス用の蓋/パックライナーとして使用することができる。例示的なエネルギー貯蔵デバイスは、グリッドエネルギー貯蔵、家庭用エネルギー貯蔵、産業用エネルギー貯蔵などの電池貯蔵用途で使用することができる。
【0027】
例示的な火炎バリア材料が電動ビークル電池パックに使用される場合、その目的は、火災がビークルの乗客コンパートメントに入るのを防止させるか又は遅延させ、ビークルの乗員がビークルから脱出するのに十分な時間を与えることである。同様に、例示的な火炎バリア材料が他の電池貯蔵用途で使用される場合、その目的は、電池故障事象から生じる火災が周囲の構造物に広がるのを防止又は遅延させ、したがって周囲の構造物への損傷を軽減又は遅延させることである。
【0028】
いくつかの態様では、例示的なコーティングは、無機質紙又は雲母ベース紙などの耐炎性紙、無機織物、無機繊維板又は雲母板若しくはシートなどの耐炎性板など、二次元基材の少なくとも一部分の上にある均一層などの基材上にコーティングされ得るか、あるいは前述の材料のうちの1つ以上を含んで例示的な防火バリア物品を形成する耐炎性積層体又は多層材料を、ハイブリッド若しくは電動ビークル又は他の電気輸送用途若しくは場所において見出すことができるようなリチウムイオン電池セル、モジュール又はパックなどの可燃性エネルギー貯蔵デバイスに組み込むか、又はその周りに巻き付けることができる。代替的な態様では、例示的なコーティングは、火炎バリア物品を形成するため、以前に記載された三次元基材の少なくとも一部分の上にある均一層などの基材上にコーティングされてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、二次元基材は、その全体が本明細書に組み込まれるPCT公開第WO2020/023357号に記載されるように、熱的及び電気的に絶縁性であり、無機絶縁紙又は板の形態であり得る。断熱及び電気絶縁性を有する無機系板又は多層紙材料をもたらすために、無機系紙層の複数のシート、すなわち、プライ又はサブレイヤが湿式積層され、加圧され得る。用語「紙(paper)」は、3-in.マンドレルの周りに曲げられるために十分な可撓性を有する可撓性の単一又は多層材料を指す。用語「板(board)」は、屈曲させることができるが、マンドレルの周りに巻き付く能力を有しない、比較的堅い材料を指す。
【0030】
例示的な無機布は、Eガラス繊維、Rガラス繊維、ECRガラス繊維、玄武岩繊維、セラミック繊維、ケイ酸塩繊維、Nextel繊維、鋼フィラメント、又はそれらの組み合わせを含み得る。無機布中の繊維は、化学的に処理され得る。織物は、例えば、織布又は不織布マット、フェルト、布、編物、ステッチボンド布、クロッシェ編布、交絡布、又はそれらの組み合わせであり得る。
【0031】
例示的な多層材料は、無機粒子若しくは無機繊維又はそれらの組み合わせを含む少なくとも1つの層と、耐炎性発泡不織布マット又は他の多孔質材料;フィルム又は不織布材料の形態の耐炎性布材料又は耐炎性ポリマー材料を含む少なくとも第2の層とを含むことができる。無機粒子又は無機繊維を含む少なくとも1つの層の無機繊維は、Eガラス繊維、Sガラス繊維、Rガラス繊維、ECRガラス繊維、玄武岩繊維、セラミック繊維、多結晶繊維、ケイ酸塩繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、ケイ酸ホウ素繊維、又はそれらの組み合わせの群から選択され得る。より具体的には、繊維状材料は、アニールされたガラス繊維又は非バイオ永続繊維を含む、アニールされた溶融形成セラミック繊維、ゾルゲル形成セラミック繊維、多結晶セラミック繊維、アルミナ-シリカ繊維、ガラス繊維を含み得る。無機織物は、例えば、不織布マット、ステッチボンドマット、ニードルマット、無機結合剤若しくはポリマー結合剤(両方とも以下でより詳細に説明される)のいずれかを使用する化学結合マット、又は熱結合マット(一成分若しくは二成分繊維又は粉末)又はそれらの組み合わせであり得る。Liイオン電池又は他の高エネルギー電池の熱事象において発生した高温に耐える場合、他の繊維も可能である。
【0032】
なお他の用途では、例示的なコーティング組成物は、電池パック用のアルミニウム蓋などの電池モジュール又はパックの構成要素に直接適用することができる。
【0033】
本発明の例示的な防火バリア物品は、故障したセル又はモジュールから隣接するセル若しくはモジュール又は乗客コンパートメントに熱が流れることを防止すべきである。例えば、例示的な防火バリア物品は、材料の片側が高温に曝露された際に、材料全体で高い熱勾配又は温度低下を提供するべきである。代替的には、例示的な防火バリア物品は、熱バリアラップとして、又は電池パックからの熱流量を防止又は低減することができる、電動ビークルの電池パック内の熱バリアの蓋として使用され得る。
【0034】
上記の例示的な防火バリア物品のいずれも、電池パック又はモジュール用の蓋の内面など、保護が必要な表面に防火バリア物品を取り付けるために、基材又はコーティングされた表面上に配置された接着剤層を更に含むことができる。接着剤層のための接着剤は、火炎バリア物品を表面に結合するための感圧接着剤、半構造B段階ハイブリッド接着剤、又は熱硬化性接着剤であってもよい。接着剤は、アクリル接着剤、エポキシ接着剤、シリコーン接着剤、金属ケイ酸塩接着剤、又は類似の接着剤のファミリーから選択され得る。
【0035】
本発明のいくつかの態様では、感圧接着剤を乾燥コーティング組成物の表面に結合させて、乾燥コーティング組成物を他の基材に接着させることができる。他の実施形態では、ケイ酸ナトリウム、エポキシ、シリコーン、又は類似の接着剤などの硬化性接着剤を利用して、この乾燥コーティング組成物を他の基材に結合することができる。
【0036】
本発明は、開示される又は列挙された要素のいずれかを好適に含み得、これらからなり得、又はこれらから本質的になり得る。本明細書で使用される場合、用語「~から本質的になる」は、所与の組成物又は生成物の所望の特性に著しく影響しない追加の材料の存在を除外しない。
【0037】
例えば、本発明による例示的なコーティング組成物は、無機充填剤、無機結合剤、及びチョップド有機繊維から本質的になり得る。この例示的なコーティング組成物は、基材の表面上に配置された例示的なコーティングを含む硬化コーティング組成物又は耐火性物品の所望の特性に著しく影響しない、消泡剤、界面活性剤、レオロジー改質剤、成形助剤、pH調整材料、又はこれらの組み合わせなどの追加の材料を更に含んでもよい。このコーティング組成物の無機充填剤、無機結合剤、及びチョップド有機繊維は、示唆された組み合わせのいずれかにおいて上記に提供された材料のいずれかであり得る。
【0038】
本明細書を踏まえれば、本発明が対象とする当業者には、様々な変形例、等価なプロセス、並びに本発明が適用可能であり得る多数の構造が容易に明らかとなるであろう。
【実施例
【0039】
これらの実施例は説明目的のためのものにすぎず、添付の「特許請求の範囲」の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書の実施例及び他の箇所における全ての部、百分率、比などは、別段の指定がない限り、重量によるものである。
【0040】
試験方法
機械的特性
コーティングされたガラス布試料の曲げ特性を、若干修正されたASTM D790の3点曲げ試験の使用により、Insight5引張試験機において85℃/85%相対湿度での28日間のエージングの前後に測定した。エージングした試料を、試験の前に110℃のオーブンで1時間乾燥させた。支持体間の距離は25.4mmであり、クロスヘッド速度は5.1mm/分であった。測定した曲げ特性を、対照材料(比較例1(CE1))に対するパーセント変化として表3及び表5に示す。
【0041】
ブラスト耐性試験
熱粒子ブラストに対する試験片の抵抗を、熱暴走条件において電動ビークル高エネルギー電池をシミュレートするために試験した。高エネルギー電池は、燃焼するだけではなく、高い燃焼温度で材料を侵食し得る粒子をブラストする。
【0042】
試験片を1200℃の炎で平衡化した後、試料を10秒間続く一連のグリットブラストに供し、続いて5秒間の休止期間に付した。グリットを、25psiの圧縮空気圧力源で基材にブラストし、グリット粒子は120グリットの酸化アルミニウム非成形媒体であった。これらの10秒間のブラストと5秒間の休止(炎は継続して適用)を、炎とグリットが試験片を通して穿刺するまで繰り返した。試験片シート構造のコーティングされた側は、熱粒子ブラストに向けられていた。構造体全体を穿刺する前に、耐え抜いたブラストの数を記録し、表4に示した。
【0043】
材料
PQ Corporation(Valley Forge,PA,USA)から入手可能なKASIL(登録商標)1ケイ酸カリウム溶液(MR>3.2;29%の固形分)。
【0044】
PQ Corporation(Valley Forge,PA,USA)から入手可能なKASIL(登録商標)6ケイ酸カリウム溶液(2.6<MR≦3.2;39.2%の固形分)。
【0045】
PQ Corporation(Valley Forge,PA,USA)から入手可能なK(登録商標)ケイ酸ナトリウム(KSS)溶液(2.6<MR≦3.2;42.7%の固形分)。
【0046】
Nalco Chemical Company(Naperville,IL,USA)から入手可能なNALCO 2327 Colloidial Silica(40.0%の固形分)。
【0047】
Kamin LLC(Macon,GA,USA)から入手可能なPolyplate(登録商標)P水洗カオリン粘土。
【0048】
ポリ(ビニルアルコール)繊維、Nycon Corporation(Fairless Hills,PA,USA)から入手可能なNYCON-PVA RMS702チョップドポリビニルアルコール繊維、直径24ミクロン、長さ6mm。
【0049】
ポリプロピレン繊維、Nycon Corporation(Fairless Hills,PA,USA)から入手可能なNycon ProCon Mチョップドポリプロピレン繊維、直径38ミクロン、長さ19mm。
【0050】
ナイロン繊維、Nycon Corporation(Fairless Hills,PA,USA)から入手可能なNycon RCナイロン繊維、直径9ミクロン、長さ3mm。
【0051】
Unifrax(Tonawanda,NY,USA)から入手可能なUnifrax Eガラスマイクロファイバー(直径6ミクロン、長さ6mm)。
【0052】
Imerys(Boucherville,Quebec,CA)から入手可能なSuzorite 20S金雲母(1300ミクロンの中央値粒径)。
【0053】
Imerys(Boucherville,Quebec,CA)から入手可能なSuzorite 200 HK金雲母粉末(60ミクロンの中央値粒径)。
【0054】
JPS Composite Materials(Anderson,SC)から入手可能なEガラス布-坪量76g/m、厚さ0.072mm。
【0055】
コーティング組成物の調製
全ての固形物構成要素を混合容器に添加し、手動で混合した。次いで、無機結合剤を添加し、得られるスラリー又はペースト中の固形分が十分に湿潤するまで手動で混合した。次いで、混合物を、FlackTek SpeedMixer中で3,000rpmで2分間混合した。各コーティング組成物の組成を表1に提供する。
【表1】
【0056】
実施例1~実施例4及び比較例1~5のコーティング組成物を薄いeガラス布上にコーティングし、100℃で68時間乾燥させた。乾燥組成物のコーティング重量は、約1400g/mであった。
【0057】
実施例5、実施例6、実施例7、実施例9、実施例10、及び実施例11のコーティング組成物をリリースライナー上にコーティングし、120℃で16時間乾燥させた。実施例5及び実施例6のコーティング重量は、約1700g/mであった。実施例7のコーティング重量は、約1300g/mであった。実施例9のコーティング重量は、約2600g/mであった。実施例10のコーティング重量は、約1400g/mであり、実施例11のコーティング重量は約1300g/mであった。
【0058】
実施例8のコーティング組成物を、PCT公開第WO2020/023357号に記載されている耐炎性紙などの耐炎性紙上にコーティングした。実施例8のコーティング重量(耐炎性紙を除く)は、2000g/mであった。
【表2】
【表3】
【0059】
表3から、コーティング組成物へのPVA繊維の添加は、比較例1の対照試料と比べてコーティング組成物の曲げ弾性率及び破断点曲げ応力を改善し、またガラス繊維(実施例5)を含むコーティング組成物の曲げ弾性率及び破断点曲げ応力よりも高いことが分かる。加えて、湿度エージングデータは、ガラス繊維組成物の曲げ弾性率及び破断点曲げ応力が対照とほぼ同じであるが、PVA繊維のこれらの特性は、対照(又はガラス繊維)の特性よりも大きいままであることを示している。いずれのタイプの繊維を添加しても、破断点曲げ歪みは増加しない。
【表4】
【0060】
表4の実施例4と比較例2、比較例4及び比較例5との比較は、有機繊維の添加が、耐え抜いたブラストの数に否定的に影響しないことを示す。したがって、例示的な無機コーティングへの有機繊維の添加は、良好なブラスト抵抗性及び耐熱性を維持しながら、コーティングの曲げ特性を向上させることが見出された。
【表5】
【0061】
比較例6は熱に曝露された際に亀裂が生じる傾向があったが、乾燥コーティング中に0.5重量%の有機繊維を含むことを除いて比較例6と実質的に同じ組成を有した実施例10は、増加した曲げ弾性率を有した。しかし、実施例10の試料は、高温(約1200℃)に曝露された際に依然として亀裂を生じた。実施例11によって提供されるように、乾燥コーティング中の有機繊維を1.6重量%に増加することは、適切なレベルでの有機繊維の添加が、良好なブラスト抵抗性も提供しながら、高温に曝露された際の亀裂を防止できることを示した。
【0062】
したがって、有機繊維は、これらの無機コーティングの曲げ弾性率及び強度の両方を増加させる。驚くべきことに、これらの無機システムに有機繊維を組み込むことは、有機繊維の熱安定性をはるかに超える温度で予想外の高温、ブラスト抵抗特性を実証した。加えて、有機繊維はまた、有機繊維がそれらの熱安定性限界をはるかに超えているにもかかわらず、いくつかの無機コーティングが高温で亀裂を生じる傾向を減少させることもできる。
【国際調査報告】