(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】マイクロ流体チップからの多方向光に基づく細胞分化
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20240315BHJP
G01N 15/14 20240101ALI20240315BHJP
G01N 15/1429 20240101ALI20240315BHJP
C12Q 1/04 20060101ALI20240315BHJP
C12M 1/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01N21/64 F
G01N15/14 C
G01N15/1429
C12Q1/04
C12M1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557735
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022020615
(87)【国際公開番号】W WO2022197845
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500368329
【氏名又は名称】エービーエス グローバル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アップルヤード, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ムカダ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】シャ, ジェン
(72)【発明者】
【氏名】シラー, ジェイムズ マクスウェル
(72)【発明者】
【氏名】サベージ, フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ルペル, ジョン ウォーカー ザ セカンド
(72)【発明者】
【氏名】ミラー, ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, アレック
【テーマコード(参考)】
2G043
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA16
2G043DA05
2G043EA01
2G043EA14
2G043FA06
2G043HA05
2G043HA09
2G043JA03
2G043KA09
2G043NA01
2G043NA02
4B029AA07
4B029AA09
4B029BB11
4B029DG08
4B029FA03
4B029HA05
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ08
4B063QX01
(57)【要約】
マイクロ流体チップを通って流れる試料中の異なる粒子タイプを区別する手法が開示されている。試料は、第1の細胞型対第2の細胞型の初期割合を有し得る。照明光源は、試料にコヒーレント光を放出することができ、チップから第1の方向に出ていく光を、第1の光検出器を使用して検出することができ、チップから第2の方向(例えば、第1の方向に直交する)に出ていく光を、第2の光検出器を使用して検出することができる。検出された光は、蛍光であり得る。試料中の複数の細胞の配向特徴を、検出器によって検出された光に基づいて判定することができる。配向特徴及び検出された光に基づいて、試料中の各細胞に対して偏倚動作を実行して、試料中の細胞型の修正された割合を得ることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
試料チャネルを有するマイクロ流体チップに、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を有する粒子母集団を含む試料を提供することと、
前記試料が前記チャネルを通過する際に、光源から照明光を、前記照明光が前記試料中の粒子と一致するように、第1の軸に沿って放出することと、
第1の光検出器を使用して、第1の軸に沿って前記試料から放出された第1の光を検出することと、
前記第1の光検出器又は第2の光検出器を使用して、第2の軸に沿って前記試料から放出された第2の光を検出することと、
前記第1の軸に沿って放出された前記検出された第1の光、及び前記第2の軸に沿って放出された前記検出された第2の光に基づいて、前記第1の粒子タイプ対前記第2の粒子タイプの前記割合を修正する偏倚動作を実行することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の光及び前記第2の光が、(i)前記試料中の粒子に対する前記照明光の入射から結果として生じ、かつ(ii)前記試料中の蛍光粒子から複数の異なる方向に進行する蛍光である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試料から前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って放出された前記光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成することと、
前記強度マップに基づいて、前記第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、前記第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出することと、
前記第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算することと、
前記第1の母集団中心と前記第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算することと、
前記第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定することと、
前記第1の母集団と前記第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定することと、
前記第1の母集団又は前記第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、前記ゲートが、前記第1の鞍点、前記第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成することと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ピクセルマップ内のカーネルを計算することと、
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って前記試料から放出された前記光に基づいて、前記カーネルの第1のインスタンスを前記ピクセルマップに追加することと、
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って前記試料から放出された前記光に基づいて、前記カーネルの第2のインスタンスを前記ピクセルマップに追加することと、
前記ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出することと、
前記ピクセルマップからデータを削除することと、
前記ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出することと、
前記第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成することと、
前記ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出することと、
前記第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成することと、
前記第1のトラフ点及び前記第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成することと、
前記多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすることと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ピクセルマップ内のカーネルを計算することと、
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って複数の試料から放出された前記光に基づいて、前記カーネルの事前定義された数のインスタンスを前記ピクセルマップに追加することと、
前記第1の軸に沿って前記ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出することと、
前記第1のヒストグラムに基づいて、前記ピクセルマップからデータを削除することと、
前記第2の軸に沿って前記ピクセルマップから第2のヒストグラムを生成することと、
前記第2のヒストグラムに基づいて、前記ピクセルマップ内の対象となる領域を判定することと、
前記ピクセルマップの前記対象となる領域の前記第2の軸に沿った追加の複数のヒストグラムを生成することと、
前記追加の複数のヒストグラムに基づいて、複数のトラフ点を判定することと、
前記複数のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成することと、
前記多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすることと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の軸が、前記第2の軸に直交する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
2つ以下の検出器を使用して、前記試料からの発光を検出する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記偏倚動作が、第2の光源を使用して、前記試料に第3の光を放出して、前記試料中の個々の粒子の状態を変化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の光を放出して、前記試料中の粒子を不活性化する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子母集団中の粒子が、細胞であり、前記細胞を不活性化することが、前記細胞を焼灼することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記照明光が、前記試料チャネルを通って流れる前記試料の経路中の第1の場所で前記試料と一致し、前記第3の光が、前記試料の前記経路中の第2の場所で前記試料と一致するように前記試料に放出され、前記第2の場所が、前記第1の場所の下流にある、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記試料中の1つ以上の粒子のセット中の各粒子の配向特徴を判定することを更に含む、請求項0に記載の方法。
【請求項13】
前記配向特徴が、前記検出された第1の光及び前記検出された第2の光に基づいて判定される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記粒子母集団が、細胞母集団であり、前記第1の粒子タイプが、第1の細胞型であり、前記第2の粒子タイプが、第2の細胞型である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、前記第2の細胞型が、前記Y染色体を有しない雌性精子細胞である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記偏倚動作によって修正された前記割合が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記偏倚動作が、前記第2の軸に沿って検出された蛍光と組み合わせた、前記第1の軸に沿って検出された蛍光に基づいて実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿った強度のヒストグラムを生成することと、前記第1のタイプの粒子又は前記第2のタイプの粒子に対応する前記ヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の光及び前記第2の光が、前記試料中の粒子の蛍光であり、前記ヒストグラムが、前記第1の軸及び前記第2の軸に沿った蛍光強度に対応する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、前記第2の軸に沿って放出された前記第2の光が前記アクセスポートを介して収集される、アクセスポートを更に備える、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記マイクロ流体チップの前記アクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の軸に沿って放出された前記検出された第1の光と、前記第2の軸に沿って放出された前記検出された第2の光と、に基づいてゲーティング動作を実行することを更に含む、請求項0に記載の方法。
【請求項23】
方法であって、
試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料であって、前記試料が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第1の割合を有する粒子母集団を含む、試料を提供することと、
照明光源を使用して、コヒーレント光を、前記試料が前記チャネルを通過する際に前記コヒーレント光が前記試料と一致するように、照明軸に沿って放出することと、
前記マイクロ流体チップからの第1の方向に沿った第1の場所で第1の光検出器を使用して、前記試料から前記第1の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することと、
前記第1の場所で、又は前記マイクロ流体チップからの第2の方向に沿った第2の場所で第2の光検出器を使用して、前記試料から前記第2の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することと、
前記光の第1のセット及び前記光の第2のセットに基づいて、前記第1の粒子タイプ対前記第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を得るように、偏倚動作を実行することと、を含む、方法。
【請求項24】
前記試料から前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って放出された前記光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成すること、
前記強度マップに基づいて、前記第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、前記第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出すること、
前記第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算すること、
前記第1の母集団中心と前記第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算すること、を更に含み、
前記第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定し、
前記第1の母集団と前記第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定し、
前記第1の母集団又は前記第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、前記ゲートが、前記第1の鞍点、前記第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
ピクセルマップ内のカーネルを計算することと、
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って前記試料から放出された前記光に基づいて、前記カーネルの第1のインスタンスを前記ピクセルマップに追加することと、
前記第1の軸及び前記第2の軸に沿って前記試料から放出された前記光に基づいて、前記カーネルの第2のインスタンスを前記ピクセルマップに追加することと、
前記ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出することと、
前記ピクセルマップからデータを削除することと、
前記ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出することと、
前記第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成することと、
前記ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出することと、
前記第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成することと、
前記第1のトラフ点及び前記第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成することと、
前記多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすることと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、かつ前記第2の細胞型が、前記Y染色体を有しない雌性精子細胞であるか、又は前記第1の細胞型が、X染色体を有する雌性精子細胞であり、かつ前記第2の細胞型が、前記X染色体を有しない雄性精子細胞である、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記偏倚動作の結果として、前記修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、前記第2の割合が、前記第1の割合よりも大きい、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記光の第1のセットが、前記第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含み、前記光の第2のセットが、前記第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の方向及び前記第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(i)前記第1の細胞型の粒子、(ii)前記第2の細胞型の粒子、(iii)第1の配向特徴を有する粒子、又は(iv)第2の配向特徴を有する粒子、のうちの少なくとも1つに対応する前記ヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の方向が、前記照明軸に沿っており、前記第2の方向が、前記照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っている、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
フローサイトメトリーシステムであって、
第1の波長を有し、かつマイクロ流体チップの試料チャネルと一致するコヒーレント光を放出するように構成された照明光源と、
前記試料チャネルから第1の方向に進行する光を検出するように構成された第1の光検出器と、
前記試料チャネルから第2の方向に進行する光を検出するように構成された第2の光検出器と、
制御ユニットと、を備え、前記制御ユニットは、
(i)前記マイクロ流体チップの前記試料チャネルを通過する試料であって、前記試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含む、試料を照明し、
(ii)前記第1の光検出器を使用して第1の光を検出し、前記第2の光検出器を使用して第2の光を検出し、かつ
(iii)前記第1の光検出器を使用して検出された前記第1の光と、前記第2の光検出器を使用して検出された前記第2の光と、の両方に基づいて、前記細胞母集団を修正して前記第1の細胞型対前記第2の細胞型の第2の割合を得るための偏倚動作を実行するように、1つ以上の偏倚機構を制御するように構成されている、フローサイトメトリーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年3月17日に出願された米国特許出願第63/162,138号の利益及び優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
標準的なフローサイトメトリー手法は、試料中の特定の粒子又は細胞型を効果的かつ特異的に分化させるには不十分である。異なる細胞型を区別する場合、1つの分化特性又は分化因子は、異なる細胞型に見出される核酸の量であり得る。しかし、細胞又は粒子が非対称の形状を有する場合、見かけの特徴又は因子(例えば、異なる細胞で蛍光を使用して検出可能なDNAの量)は、細胞又は粒子の位置又は配向に応じて変化し得、結果を歪め、比較の信頼性を低下させる。例えば、X染色体を有する精子細胞(「雌性」精子細胞)において検出可能なDNAの量は、Y染色体を有する精子細胞(「雄性」精子細胞)において検出可能なDNAの量よりも約4パーセント多い。しかしながら、雄性精子細胞は、蛍光が観察されるときの雄性精子細胞の位置及び/又は配向に応じて、雌性精子細胞と同じくらいのDNA、雌性精子細胞よりも多くのDNA、又はそうでなければわずかに異なる量のDNAを有するように見え得る。したがって、雄性精子細胞は、雌性精子細胞と区別できないように見える場合がり、雄性精子細胞は、雌性精子細胞として誤分類される場合があり、雌性精子細胞は、雄性精子細胞として誤分類される場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態は、方法であって、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を有する粒子母集団を含む試料を提供することと、試料がチャネルを通過する際に、光源から照明光を、照明光が試料中の粒子と一致するように、第1の軸に沿って放出することと、第1の光検出器を使用して、第1の軸に沿って試料から放出された第1の光を検出することと、第1の光検出器又は第2の光検出器を使用して、第2の軸に沿って試料から放出された第2の光を検出することと、第1の軸に沿って放出された検出された第1の光、及び第2の軸に沿って放出された検出された第2の光に基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を修正する偏倚動作を実行することと、を含む、方法に関する。
【0004】
様々な実施形態では、第1の光及び第2の光が、(i)試料中の粒子に対する照明光の入射から結果として生じ、かつ(ii)試料中の蛍光粒子から複数の異なる方向に進行する蛍光である。様々な実施形態では、この方法は、試料から第1の軸及び第2の軸に沿って放出された光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成することと、強度マップに基づいて、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出することと、第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算することと、第1の母集団中心と第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算することと、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定することと、第1の母集団と第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定することと、第1の母集団又は第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、ゲートが、第1の鞍点、第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成することと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、ピクセルマップ内のカーネルを計算することと、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第1のインスタンスをピクセルマップに追加することと、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第2のインスタンスをピクセルマップに追加することと、ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出することと、ピクセルマップからデータを削除することと、ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出することと、第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成することと、ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出することと、第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成することと、第1のトラフ点及び第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成することと、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすることと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、ピクセルマップ内のカーネルを計算することと、第1の軸及び第2の軸に沿って複数の試料から放出された光に基づいて、カーネルの事前定義された数のインスタンスをピクセルマップに追加することと、第1の軸に沿ってピクセルマップから第1のヒストグラムを導出することと、第1のヒストグラムに基づいて、ピクセルマップからデータを削除することと、第2の軸に沿ってピクセルマップから第2のヒストグラムを生成することと、第2のヒストグラムに基づいて、ピクセルマップ内の対象となる領域を判定することと、ピクセルマップの対象となる領域の第2の軸に沿った追加の複数のヒストグラムを生成することと、追加の複数のヒストグラムに基づいて、複数のトラフ点を判定することと、複数のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成することと、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすることと、を更に含む。様々な実施形態では、第1の軸が、第2の軸に対してある角度をなし、この角度が、45度~135度である。様々な実施形態では、この角度が、75度~105度である。様々な実施形態では、この角度が、85度~95度である。様々な実施形態では、第1の軸が、第2の軸に直交する。様々な実施形態では、第1の軸及び第2の軸が、同じ方向に沿っており、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを使用して、第1の検出器を使用して、波長の差に基づいて、第1の光及び第2の光を観測する。様々な実施形態では、第1の光が、第1の軸に沿った第1の位置に定位された第1の検出器を使用して検出され、第2の光が、第2の軸に沿った第2の位置に定位された第2の検出器を使用して検出される。様々な実施形態では、2つ以下の検出器を使用して、試料からの発光を検出する。様々な実施形態では、(i)第1の光が、第1の軸に沿った第1の位置に定位された第1の検出器を使用して検出され、(ii)第2の光が、第2の軸に沿った第2の位置から第1の軸に沿った第1の位置まで光を伝送する光ファイバ素子を介して、第1の検出器を使用して検出される。様々な実施形態では、第1の検出器が、第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域を有するアバランシェフォトダイオードを備え、この方法は、第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域における第1の光及び第2の光の強度に基づいて、それぞれ、各粒子の物理的位置特性を判定することを更に含む。様々な実施形態では、偏倚動作が、第2の光源を使用して、試料に第3の光を放出して、試料中の個々の粒子の状態を変化させることを含む。様々な実施形態では、第3の光を放出して、試料中の粒子を活性化する。様々な実施形態では、粒子が、第1の粒子タイプであり、第3の光を使用して粒子を活性化することが、粒子を第2の粒子タイプに変換する。様々な実施形態では、第2の光を放出して、試料中の粒子を不活性化する。様々な実施形態では、粒子母集団中の粒子が、細胞であり、細胞を不活性化することが、細胞を焼灼することを含む。様々な実施形態では、照明光が、試料チャネルを通って流れる試料の経路中の第1の場所で試料と一致し、第3の光が、試料の経路中の第2の場所で試料と一致するように試料に放出され、第2の場所が、第1の場所の下流にある。様々な実施形態では、この方法は、試料中の1つ以上の粒子のセット中の各粒子の配向特徴を判定することを更に含む。様々な実施形態では、配向特徴が、検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて判定される。様々な実施形態では、偏倚動作が、各粒子の配向特徴に基づいて、各粒子に対して実行される。様々な実施形態では、粒子母集団が、細胞母集団であり、第1の粒子タイプが、第1の細胞型であり、第2の粒子タイプが、第2の細胞型である。様々な実施形態では、この方法は、検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて、試料中の各細胞の配向特徴を判定することを更に含む。様々な実施形態では、配向特徴が、第2の軸に対する各細胞の一次表面の相対配向を含む。様々な実施形態では、各細胞の一次表面が、細胞の平坦部側又は細胞の縁部側である。様々な実施形態では、第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞である。様々な実施形態では、第2の細胞型が、XXY型子孫を産生することとなろう、X染色体及びY染色体を有する「XY」精子細胞である。様々な実施形態では、第1の細胞型が、所望の(「標的」)細胞型(例えば、各細胞に1つのY染色体を有する「雄性」精子細胞、又は各細胞に1つのX染色体を有する「雌性」精子細胞)であってもよく、第2の細胞型が、不所望の、かつ比例して除去されるか、若しくは別様に比例して低減されるか、又は制限される他の全ての細胞型(例えば、複数の染色体を有する「非雄性」又は「非雌性」細胞型)であってもよい。様々な実施形態では、偏倚動作によって修正された割合が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を含む。様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の雌性精子細胞を不活性化することを含む。様々な実施形態では、光源が、第1の波長を有するレーザであり、第1の光及び第2の光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する蛍光である。様々な実施形態において、光源が、第1の光源であり、偏倚動作を実行することが、第2の光源を使用して試料に光を放出し、試料中の第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプのいずれかの粒子の状態を変化させることを含む。様々な実施形態では、偏倚動作が、第2の軸に沿って検出された蛍光と組み合わせた、第1の軸に沿って検出された蛍光に基づいて実行される。様々な実施形態では、この方法が、第1の軸及び第2の軸に沿った強度のヒストグラムを生成することと、第1のタイプの粒子又は第2のタイプの粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む。様々な実施形態では、第1の光及び第2の光が、試料中の粒子の蛍光であり、ヒストグラムが、第1の軸及び第2の軸に沿った蛍光強度に対応する。様々な実施形態では、第1の光及び第2の光が、蛍光であり、この方法は、(i)検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて、試料中のセット粒子中の各粒子の配向特徴を判定することと、(ii)第1の軸及び第2の軸における蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(iii)第1の配向特徴を有する粒子及び第2の配向特徴を有する粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、光が複数の方向に検出される第1のマイクロ流体システム上に実装され、この方法は、多方向光検出を有しない第2のマイクロ流体システムに対して、識別された領域に基づいて第2の偏倚動作を実行することを更に含む。様々な実施形態では、マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、第2の軸に沿って放出された第2の光がアクセスポートを介して収集される、アクセスポートを更に備える。様々な実施形態では、マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える。様々な実施形態では、光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端する。様々な実施形態では、この方法は、第1の軸に沿って放出された検出された第1の光と、第2の軸に沿って放出された検出された第2の光と、に基づいてゲーティング動作を実行することを更に含む。様々な実施形態では、ゲーティング動作が、マイクロ流体チップ中の試料の流体力学的フローに影響を与える。様々な実施形態では、偏倚動作が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を修正するために、検出された第1の光と検出された第2の光との両方を必要とする。様々な実施形態は、この方法に従って生成された第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの修正された割合を有する粒子母集団を含む生成物に関する。
【0005】
様々な実施形態は、方法であって、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料であって、試料が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第1の割合を有する粒子母集団を含む、試料を提供することと、照明光源を使用して、コヒーレント光を、試料がチャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、照明軸に沿って放出することと、マイクロ流体チップからの第1の方向に沿った第1の場所で第1の光検出器を使用して、試料から第1の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することと、第1の場所で、又はマイクロ流体チップからの第2の方向に沿った第2の場所で第2の光検出器を使用して、試料から第2の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することと、光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を得るように、偏倚動作を実行することと、を含む、方法に関する。
【0006】
様々な実施形態では、この方法は、試料から第1の軸及び第2の軸に沿って放出された光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成すること、強度マップに基づいて、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出すること、第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算すること、第1の母集団中心と第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算すること、を更に含み、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定し、第1の母集団と第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定し、第1の母集団又は第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、ゲートが、第1の鞍点、第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成する。様々な実施形態では、この方法は、ピクセルマップ内のカーネルを計算すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第1のインスタンスをピクセルマップに追加すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第2のインスタンスをピクセルマップに追加すること、ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出すること、ピクセルマップからデータを削除すること、ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出すること、第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成すること、ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出すること、第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成すること、第1のトラフ点及び第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成すること、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすること、を更に含む。様々な実施形態では、光の第1のセットが、試料中の粒子からの第1の方向の蛍光を含み、光の第2のセットが、試料中の粒子からの第2の方向の蛍光を含む。様々な実施形態では、試料中の粒子に入射する照明光が、試料中の粒子の蛍光をもたらす。様々な実施形態では、偏倚動作が、マイクロ流体チップ中の試料フローに影響を与えるゲーティング動作を含む。様々な実施形態では、偏倚動作が、試料に第2のコヒーレント光を放出することを含む。様々な実施形態では、第2のコヒーレント光が、第2の光源を使用して放出される。様々な実施形態では、第2のコヒーレント光が、第1のコヒーレント光の波長よりも低い波長を有する。様々な実施形態において、第1のコヒーレント光が、試料フローの経路に沿った第1の場所で試料と一致し、第2のコヒーレント光が、第1の場所の下流にある経路に沿った第2の場所で試料と一致するように放出される。様々な実施形態では、第2のコヒーレント光が、試料中の粒子を活性化する。様々な実施形態では、第2のコヒーレント光が、試料中の粒子を不活性化する。様々な実施形態では、第1の光検出器が、検出器モジュールの第1の検出領域であり、第2の検出器が、検出器モジュールの第2の検出領域である。様々な実施形態では、方法が、第1の検出領域及び第2の検出領域における第1の光及び第2の光の強度に基づいて、各粒子の物理的位置特性を判定することを更に含む。様々な実施形態では、粒子母集団が、細胞母集団であり、第1の粒子タイプが、第1の細胞型であり、第2の粒子タイプが、第2の細胞型である。様々な実施形態では、この方法は、試料中の複数の細胞の配向特徴を判定することを更に含む。様々な実施形態では、配向特徴が、検出された光の第1のセット及び検出された光の第2のセットに基づいて判定される。様々な実施形態では、偏倚動作が、(i)複数の細胞の各々に対して、かつ(ii)追加的に複数の細胞の各々の配向特徴に基づいて実行される。様々な実施形態では、第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、第2の細胞型が、Y染色体を有しない(例えば、X染色体を有する)雌性精子細胞である。様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、(i)照明アクセスに面する細胞の一次表面に対応する第1の配向、及び(ii)照明軸に面して配向された細胞の二次表面に対応する第2の配向を含む。様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、(i)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して平坦部側を配向された細胞に対応する第1の配向、及び(ii)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して縁部側を配向された細胞に対応する第2の配向を含む。様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、縁部側と平坦部側との間で遷移的に配向された細胞に対応する第3の配向を更に含む。様々な実施形態では、偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、第2の割合が、第1の割合よりも大きい。様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を不活性化することを含む。様々な実施形態では、光の第1のセットが、第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含み、光の第2のセットが、第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含む。様々な実施形態では、照明光源が、第1の波長を有するレーザであり、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する。様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプの1つ以上の粒子の状態を変化させることを含む。様々な実施形態では、偏倚動作が、第2の方向に検出された蛍光と組み合わせた、第1の方向に検出された蛍光に基づいて実行される。様々な実施形態では、偏倚動作が、(i)第1の方向の蛍光、及び(ii)第2の方向の光散乱及び蛍光の両方に基づいて実行される。様々な実施形態では、この方法は、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の細胞型の粒子又は第2の細胞型の粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の配向特徴を有する粒子及び第2の配向特徴を有する粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(i)第1の細胞型の粒子、(ii)第2の細胞型の粒子、(iii)第1の配向特徴を有する粒子、又は(iv)第2の配向特徴を有する粒子、のうちの少なくとも1つに対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む。様々な実施形態では、この方法は、光が複数の方向に検出される第1のマイクロ流体システム上に実装され、この方法は、多方向光検出を有しない第2のマイクロ流体システムに対して、識別された領域に基づいて第2の偏倚動作を実行することを更に含む。様々な実施形態では、第1の方向が、照明軸に沿っており、第2の方向が、照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っている。様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に直交する。様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に対してある角度をなし、この角度が、45度~135度である。様々な実施形態では、マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、アクセスポートを介して光の第2のセットが収集される、アクセスポートを更に備える。様々な実施形態では、マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える。様々な実施形態では、光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端する。様々な実施形態では、この方法は、第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを更に含む。様々な実施形態では、フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを更に含む。様々な実施形態では、フィルタリングすることが、ファイバの波長ベース(例えば、埋め込みブラッグ格子の使用によって)及び/又は空間ベース(例えば、位置及び/又は開口数(NA)に基づく)であり得る。様々な実施形態では、この方法は、光の第3のセットの特性を検出することに基づいて、試料中の粒子の不活性化を判定することを更に含む。様々な実施形態では、この方法は、修正された細胞母集団に基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第3の割合を得るように、(i)マイクロ流体チップ、又は(ii)試料がマイクロ流体チップに提供される様式、のうちの少なくとも1つを変更することを更に含む。様々な実施形態では、この方法は、偏倚動作に続いてチャネルを介して試料を収集することを更に含む。様々な実施形態は、この方法に従って生成された第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を含む生成物に関する。
【0007】
様々な実施形態は、フローサイトメトリーシステムであって、第1の波長を有し、かつマイクロ流体チップの試料チャネルと一致するコヒーレント光を放出するように構成された照明光源と、試料チャネルから第1の方向に進行する光を検出するように構成された第1の光検出器と、試料チャネルから第2の方向に進行する光を検出するように構成された第2の光検出器と、制御ユニットと、を備え、制御ユニットは、(i)マイクロ流体チップの試料チャネルを通過する試料であって、試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含む、試料を照明し、(ii)第1の光検出器を使用して第1の光を検出し、第2の光検出器を使用して第2の光を検出し、かつ(iii)第1の光検出器を使用して検出された第1の光と、第2の光検出器を使用して検出された第2の光と、の両方に基づいて、細胞母集団を修正して第1の細胞型対第2の細胞型の第2の割合を得るための偏倚動作を実行するように、1つ以上の偏倚機構を制御するように構成されている、フローサイトメトリーシステムに関する。
【0008】
様々な実施形態では、システムは、マイクロ流体チップを更に含み、マイクロ流体チップが、第2の光が第2の検出器に到達するために通って進行する光ファイバ素子を有するアクセスポートを備える。様々な実施形態では、第1の方向が、照明光源の照明軸であり、第2の検出器が、照明軸に対してある角度をなす光を検出するように位置付けられている。様々な実施形態では、この角度が、45度~135度である。様々な実施形態では、第1の方向が、照明光源の照明軸であり、第2の検出器が、照明軸に対して直交して進行する光を検出するように位置付けられている。様々な実施形態では、1つ以上の偏倚機構が、照明レーザに対してより高い強度又はより低い波長を有する第2のレーザを含み、制御ユニットが、第2のレーザを使用して、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を不活性化するように更に構成されている。様々な実施形態では、1つ以上の偏倚機構が、マイクロ流体チップ中の試料フローに影響を与えるアクチュエータを含む。様々な実施形態では、制御ユニットが、第1の検出器を使用して検出された前方蛍光と、第2の検出器を使用して検出された側方蛍光と、に基づいて、偏倚動作を実行するように構成されている。様々な実施形態では、制御ユニットが、第1の方向及び第2の方向における蛍光強度のヒストグラムを生成するように更に構成されている。様々な実施形態では、制御ユニットが、(i)第1の細胞型の粒子、(ii)第2の細胞型の粒子、(iii)第1の配向特徴を有する粒子、又は(iv)第2の配向特徴を有する粒子、のうちの少なくとも1つに対応するヒストグラム中の領域を識別するように更に構成されている。様々な実施形態では、制御ユニットが、識別された領域に基づいて、第2の方向ではなく第1の方向に進行する検出された光のみを使用して第2の試料に対して第2の偏倚動作を実行するように、1つ以上の偏倚機構を制御するように更に構成されている。
【0009】
様々な実施形態は、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料を提供することを含む方法に関する。試料が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第1の割合を有する母集団を含んでもよい。例えば、試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含んでもよい。照明光源を使用して、照明軸に沿ってコヒーレント光を提供してもよい。コヒーレント光を、試料がチャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように提供してもよい。第1の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出してもよい。第1のセットの光を、マイクロ流体チップから第1の方向に(例えば、照明軸に沿って)検出してもよい。第1の光検出器を、例えばマイクロ流体チップ又は照明光源に対して、第1の場所に位置付けてもよいし、定位してもよい。第2の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出してもよい。光の第2のセットを、マイクロ流体チップから第2の方向(第1の方向に対して角度付けされている)に検出してもよい。第2の光検出器を、例えばマイクロ流体チップに対して、又はマイクロ流体チップ若しくは照明光源に対して、第2の場所に位置付けてもよいし、定位してもよい。偏倚動作を実行してもよい。偏倚動作を、少なくとも部分的に光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて実行してもよい。偏倚動作を、例えば修正された細胞母集団を得るように、実行してもよい。修正された細胞母集団が、第1の細胞型対第2の細胞型の第2の割合を有してもよい。第2の割合が、第1の母集団よりも高くてもよいし、低くてもよい。
【0010】
様々な実施形態では、試料中の複数の細胞又は他の粒子(例えば、試料チャネル内を進行する各細胞)の1つ以上の配向特徴及び/又は1つ以上の位置特徴を判定してもよい。
【0011】
様々な実施形態では、配向特徴及び/又は位置特徴を、例えば検出された光の第1のセット及び検出された光の第2のセットに基づいて判定してもよい。
【0012】
様々な実施形態では、偏倚動作を、複数の細胞の各々に対して実行してもよい。偏倚動作が、複数の細胞の各々の1つ以上の配向特徴及び/又は位置特徴に基づいてもよい。
【0013】
様々な実施形態では、第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であってもよい。第2の細胞型が、例えば、X染色体を有する、又は別様に単一のY染色体を有しない雌性精子細胞であってもよい。第2の細胞型が、例えば、「XY」精子細胞であり得る、Xを有し、かつY染色体を有する、精子細胞であってもよい。
【0014】
様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して平坦部側を配向された細胞に対応する第1の配向を含んでもよい。配向特徴が、第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して縁部側を配向された細胞に対応する第2の配向を含んでもよい。配向特徴が、縁部側と平坦部側との間で遷移的に配向された細胞に対応する第3の配向を含んでもよい。
【0015】
様々な実施形態では、偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、第2の割合が、第1の割合よりも大きくてもよい。
【0016】
様々な実施形態では、光の第1のセットが、第1の方向の光散乱及び/又は蛍光を含んでもよい。光の第2のセットが、第2の方向の光散乱及び/又は蛍光を含んでもよい。特定の実施形態では、光の第1のセット及び第2のセットが、2つの異なる方向に放出される蛍光である。
【0017】
様々な実施形態では、照明光源が、第1の波長を有するレーザであってもよい。蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有してもよい。
【0018】
様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型及び/又は第2の細胞型の1つ以上の細胞(又は他の粒子)の状態を焼灼、不活性化、又は別様に変化させることを含んでもよい。粒子状態を、光源からの放出を使用して変化させてもよい。例えば、照明光源よりも高い強度及び/又は照明光源とは異なる波長(例えば、より低い波長)を有し得る、焼灼光源からの放出を使用して、細胞を焼灼してもよい。焼灼光源が、検出光源又は非焼灼光源とは異なるフルエンス(例えば、強度/面積)を有してもよい。光源が、試料中の細胞又は他の粒子を不活性化してもよいし、「殺し」てもよい。
【0019】
様々な実施形態では、偏倚動作が、第2の方向に検出された蛍光と組み合わせた、第1の方向に検出された蛍光に基づいて実行されてもよい。
【0020】
様々な実施形態では、偏倚動作が、(i)第1の方向の蛍光、及び(ii)第2の方向の光散乱及び蛍光の両方に基づいて実行されてもよい。
【0021】
様々な実施形態では、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成してもよい。第1の粒子タイプ(例えば、第1の細胞型)の粒子(例えば、細胞)又は第2の粒子タイプ(例えば、第2の細胞型)の粒子(例えば、細胞)に対応するヒストグラム中の領域を識別してもよい。
【0022】
様々な実施形態では、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムが生成されてもよい。第1の配向特徴を有する粒子(例えば、細胞)及び第2の配向特徴を有する粒子(例えば、細胞)に対応するヒストグラム中の領域を識別してもよい。
【0023】
様々な実施形態では、この方法は、光が複数の方向に検出される(例えば、それぞれ、第1の位置及び第2の位置で第1の検出器及び第2の検出器を使用して)第1のマイクロ流体システム上に実装されてもよい。学習されたものを、その後、多方向光検出なしにマイクロ流体システムに適用してもよい。様々な実施形態では、多方向光検出なしで、第2のマイクロ流体システム上の識別された領域に基づいて、第2の偏倚動作を実行してもよい。識別された領域は、単一の検出器からの光に基づいて、期待される粒子又は細胞型を示すガイドとして機能してもよい。
【0024】
様々な実施形態では、第1の方向が、照明軸に沿っていてもよく、第2の方向が、照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っていてもよい。
【0025】
様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に直交してもよい。
【0026】
様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に対してある角度をなしてもよい。この角度が、例えば、85度~95度、又は80度~100度、又は75度~105度、又は70度~110度、又は65度~115度、又は60度~120度、又は55度~125度、又は50度~130度、又は45度~135度、又は30度~150度であってもよい。
【0027】
様々な実施形態では、マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、アクセスポートを介して光の第2のセットが収集される、アクセスポートを更に備えてもよい。
【0028】
様々な実施形態では、マイクロ流体チップのアクセスポートが、1つ以上の光ファイバ素子を備えてもよい。光ファイバ素子が、光の第2のセットを、例えば第2の検出器に、伝送してもよい。
【0029】
様々な実施形態では、光ファイバ素子が、ビーム分割素子で終端してもよい。ビーム分割素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されてもよい。
【0030】
様々な実施形態では、光の第3のセットが、第2の照明光源からフィルタリングされてもよい。
【0031】
様々な実施形態では、フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを含んでもよい。
【0032】
様々な実施形態では、光の第3のセットに基づいて、試料中の細胞の不活性化を判定してもよい。
【0033】
様々な実施形態では、修正された細胞母集団に基づいて、(i)マイクロ流体チップ、又は(ii)試料がマイクロ流体チップに提供される様式のうちの少なくとも1つを変更して、例えば、第1の細胞型対第2の細胞型の第3の割合を得てもよい。
【0034】
様々な実施形態では、試料が、偏倚動作の後にチャネルを介して収集されてもよい。
【0035】
様々な実施形態は、上記で議論された方法に従って生成された第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を含む生成物に関する。
【0036】
様々な実施形態は、フローサイトメトリーシステムに関する。このシステムは、第1の波長を有し、かつマイクロ流体チップの試料チャネルと一致するコヒーレント光を放出するように構成され得る照明光源を備えてもよい。このシステムは、試料チャネルから第1の方向に進行する光を検出するように構成された第1の光検出器を備えてもよい。このシステムは、試料チャネルから第2の方向に進行する光を検出するように構成された第2の光検出器を備えてもよい。このシステムは、制御ユニットを備えてもよい。制御が、マイクロ流体チップの試料チャネルを通過する試料を照明するように構成されてもよい。試料が、第1の細胞型(又は第1の粒子タイプ)対第2の細胞型(又は第2の粒子タイプ)の第1の割合を有する細胞母集団(又は他の粒子母集団)を含んでもよい。制御ユニットが、第1の光検出器を使用して第1の光を検出し、かつ第2の光検出器を使用して第2の光を検出するように構成されてもよい。制御ユニットが、偏倚動作を実行するための偏倚機構を制御してもよい。偏倚動作が、第1の光検出器を使用して検出された第1の光と、第2の光検出器を使用して検出された第2の光と、の両方に基づいてもよい。偏倚動作が、細胞母集団(又は粒子母集団)を修正して、第1の細胞型(又は第1の粒子タイプ)対第2の細胞型(又は第2の粒子タイプ)の第2の割合を得るように実行されてもよい。
【0037】
様々な実施形態において、このシステムは、マイクロ流体チップを更に備えてもよい。マイクロ流体チップが、アクセスポートを備えてもよい。アクセスポートが、光ファイバ素子であって、光ファイバ素子を通って第2の光が進行して第2の検出器に到達する、光ファイバ素子を備えてもよい。
【0038】
様々な実施形態では、第1の方向が、照明光源の照明軸であってもよい。第2の検出器が、照明軸に対してある角度をなす光を検出するように位置付けられてもよい。この角度が、75~105度、又は60~120度、又は45~135度、又は30度~150度であってもよい。この角度が、第2の検出器が照明軸に直交して移動する光を検出するように、実質的に90度であってもよい。
【0039】
様々な実施形態では、偏倚機構が、焼灼レーザ又は他の不活性化光源であり得る第2の光源を備えてもよい。制御ユニットが、焼灼レーザ又は他の不活性化光源を使用して、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を焼灼するか、又は別様に不非活性化する(又はそうでなければ、試料中の第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプの1つ以上の粒子を焼灼又は不活性化する)ように構成されてもよい。偏倚機構が、(焼灼レーザ又は不活性化光源に代えて又は加えて)、例えば検出された光に基づいて試料中の粒子を活性化するように、制御ユニットによって制御され得る1つ以上の活性化光源を含んでもよい。
【0040】
様々な実施形態では、制御ユニットが、第1の検出器を使用して検出された「前方」蛍光と、第2の検出器を使用して検出された「側方」蛍光と、に基づいて、偏倚動作を実行するように構成されてもよい。様々な実施形態では、制御ユニットが、第1の検出器を使用して検出された第1の蛍光と、第2の検出器を使用して検出された第2の蛍光と、に基づいて偏倚動作を実行するように構成されてもよい。第1の蛍光及び第2の蛍光が各々、1つの方向から検出された蛍光であってもよい。第1の蛍光及び第2の蛍光が、異なる方向から検出された蛍光であってもよい。様々な実施形態では、開示された軸が、例えば、いずれかの検出器が「第1の」検出器又は「第2の」検出器と標記され得るように、互いに対して「反転」されてもよく、同様に、いずれかの方向が、「前方」方向又は「側方」方向であってもよい。
【0041】
様々な実施形態は、マイクロ流体チップに関する。このチップは、試料入口から試料出口まで延在する試料チャネルを備えてもよい。このチップは、細胞母集団(又は他の粒子母集団)を含む試料を受容するように構成されてもよい。このチップは、マイクロ流体チップにおける開口部から試料チャネルまで延在するアクセスポートを備えてもよい。このチップは、アクセスポートに定位され、かつ試料チャネルを通過する試料から光散乱及び蛍光のうちの少なくとも1つに対応する波長を有する光の波長を伝送するように構成された光ファイバ素子を備えてもよい。このマイクロ流体チップは、照明軸に沿った照明レーザを使用して試料を照明するように構成されてもよい。このチップは、照明軸に同軸的に放出された光を収集するように構成されてもよい。光ファイバ素子が、照明レーザを使用して照明された細胞から直交して放出された光を収集するように構成されてもよい。試料の細胞母集団中の細胞の配向特徴が、光ファイバ素子によって収集された光と、照明軸に同軸で収集された光と、から導出可能であってもよい。
【0042】
様々な実施形態では、このチップは、光ファイバ素子を通って伝送された光の散乱波長から光の蛍光波長を分離するように構成されたビーム分割素子を備えてもよい。
【0043】
様々な実施形態では、試料の細胞母集団中の細胞の配向特徴が、照明軸に対する粒子の一次表面の相対配向である。
【0044】
様々な実施形態は、特定の方法に従って生成された第1の細胞型対第2の細胞型の修正された割合を有する修正された細胞母集団を含む生成物に関する。この方法が、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料を提供することを含んでもよい。試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の初期割合を有する細胞母集団を含んでもよい。この方法が、照明光源を使用して、試料がチャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、照明軸に沿ってコヒーレント光を放出することを含んでもよい。この方法が、マイクロ流体チップからの第1の方向に、かつ第1の場所で、第1の場所における第1の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することを含んでもよい。この方法が、マイクロ流体チップからの第2の方向に、かつ第2の場所で、第2の場所における第2の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することを含んでもよい。この方法が、検出された光の第1のセット及び検出された光の第2のセットに基づいて、試料中の各細胞についての位置及び/又は配向を判定することを含んでもよい。この方法が、第1の細胞型対第2の細胞型の修正された割合を有する修正された細胞母集団を得るように、偏倚動作を実行することを含んでもよい。偏倚動作は、光の第1のセット、光の第2のセット、及び/又は判定された配向及び/又は位置に基づいて実行されてもよい。
【0045】
様々な実施形態では、第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であってもよく、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞であってもよい。
【0046】
様々な実施形態では、偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、修正された割合が、初期割合よりも大きくてもよい。
【0047】
様々な実施形態では、光の第1のセットが、第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含んでもよく、光の第2のセットが、第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0048】
様々な実施形態では、照明光源が、第1の波長を有するレーザであってもよく、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有してもよい。
【0049】
様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を焼灼することを含んでもよい。
【0050】
様々な実施形態では、偏倚動作が、第2の方向に検出された蛍光と組み合わせた、第1の方向に検出された蛍光に基づいて実行されてもよい。
【0051】
様々な実施形態では、偏倚動作を、(i)第1の方向の蛍光、及び(ii)第2の方向の光散乱及び蛍光の両方に基づいて実行してもよい。
【0052】
様々な実施形態では、この方法が、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の細胞型の細胞又は第2の細胞型の細胞に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を含んでもよい。
【0053】
様々な実施形態では、第1の方向が、照明軸に沿っていてもよく、第2の方向が、照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っていてもよい。
【0054】
様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に直交してもよい。
【0055】
様々な実施形態では、第2の方向が、照明軸に対してある角度をなしてもよい。この角度が、75~105度、又は60~120度、又は45~135度、又は30度~150度であってもよい。
【0056】
様々な実施形態では、マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、アクセスポートを介して光の第2のセットが収集される、アクセスポートを備えてもよい。
【0057】
様々な実施形態では、マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備えてもよい。
【0058】
様々な実施形態では、光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端してもよい。
【0059】
様々な実施形態では、この方法が、第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを含んでもよい。
【0060】
様々な実施形態では、フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを含んでもよい。
【0061】
様々な実施形態では、この方法が、光の第3のセットに基づいて、試料中の細胞の不活性化を判定することを更に含んでもよい。
【0062】
様々な実施形態では、この方法が、第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを更に含んでもよい。
【0063】
様々な実施形態は、照明光源を使用して、試料がマイクロ流体チップの試料チャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、照明軸に沿ってコヒーレント光を放出することを含む方法に関する。試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含んでもよい。第1の場所における第1の光検出器を使用して、マイクロ流体チップから第1の方向(例えば、照明軸に沿って、又は照明軸に平行)に、1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出してもよい。第2の場所における第2の光検出器を使用して、マイクロ流体チップから第2の方向(例えば、第1の方向に対して角度を付けられた軸)に、1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出してもよい。光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて、試料中の複数の細胞の配向特徴を判定してもよい。第1の細胞型対第2の細胞型の第2の割合を有する修正された細胞母集団を得るように、偏倚動作を実行してもよい。偏倚動作が、(i)複数の細胞の配向特徴、及び(ii)光の第1のセット又は光の第2のセットのうちの少なくとも1つに基づいて実行されてもよい。
【0064】
様々な実施形態では、第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であってもよく、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞である。
【0065】
様々な実施形態では、偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、第2の割合が、第1の割合よりも大きくてもよい。
【0066】
様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、(i)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して平坦部側を配向された細胞に対応する第1の配向、及び(ii)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して縁部側を配向された細胞に対応する第2の配向を含んでもよい。
【0067】
様々な実施形態では、複数の細胞の配向特徴が、縁部側と平坦部側との間で遷移的に配向された細胞に対応する第3の配向を含んでもよい。
【0068】
様々な実施形態では、光の第1のセットが、第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含んでもよく、光の第2のセットが、第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0069】
様々な実施形態では、照明光源が、第1の波長を有するレーザであってもよく、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有してもよい。
【0070】
様々な実施形態では、偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を焼灼することを含んでもよい。
【0071】
様々な実施形態では、偏倚動作が、第1の方向に検出された蛍光と、第2の方向に検出された蛍光と、に基づいて実行されてもよい。
【0072】
様々な実施形態では、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成してもよい。様々な実施形態では、ヒストグラムが、両方の検出器からの情報を組み合わせた二次元(2D)ヒストグラムである(独立した検出器についての一次元(1D)ヒストグラムのペアとは対照的である)。第1の細胞型の細胞又は第2の細胞型の細胞に対応するヒストグラム中の第1の領域を識別してもよい。代替的又は追加的に、第1の配向特徴を有する細胞に対応するヒストグラム中の第2の領域を識別してもよく、第2の配向特徴を有する細胞に対応する第3の領域を識別してもよい。
【0073】
様々な実施形態では、第1の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成してもよく、第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成してもよい。第1の検出器によって検出された蛍光に基づいて、第1のヒストグラムを生成してもよく、第2の検出器によって検出された蛍光に基づいて、第2のヒストグラムを生成してもよい。様々な実施形態では、第1のヒストグラムと第2のヒストグラムとを組み合わせるか、又はオーバーレイして、第1の方向及び第2の方向から、又は第1の検出器及び第2の検出器から検出された蛍光情報を含む組み合わされたヒストグラムを生成してもよい。
【0074】
特定の例示的な実施形態では、偏倚動作によって、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を修正する。仮定では、試料が1000個の細胞(又は他の粒子)を含み、450(45%)が第1のタイプ(例えば、「雌性」)、450(45%)が第2のタイプ(「雄性」)、及び100(10%)が第3のタイプ(例えば、死細胞)である場合、450の第1のタイプ対450の第2のタイプ(例えば、雄性対雌性)の割合、すなわち1:1の比率を有する試料が存在するであろう。例えば、100(10%)の雌性細胞、400(40%)の雄性細胞、及び500(50%)の死細胞をもたらし得る第1のタイプ及び第2のタイプ(例えば、雌性細胞及び雄性細胞)を含む試料中の第1のタイプ(例えば、雌性細胞)を焼灼するか、殺傷するか、又は別様に不活性化する傾向がある偏倚動作に続く。この仮定の場合での第1の細胞型と第2の細胞型との新しい(修正された)割合は、100雌性対400雄性、すなわち1:4の比率となるであろう。別の仮定の偏倚動作は、50雌性、500雄性、150死、及び300の第4のタイプ(例えば、「去勢」)の収量を残し得る。ここで、修正された割合は、50雌性対500雄性、すなわち1:10となるであろう。また別の仮定では、ゼロの雌性細胞が残される場合、修正された割合は、0:1となるであろう。したがって、様々な実施形態では、粒子タイプ(例えば、細胞型)の異なる混合比があり得る場合でも、特定のタイプが偏倚後に偏倚前と比較して比例してより高く又はより低くなるように割合を変更することができる。
【0075】
前述の概要は、例解的であるにすぎず、いかなる形であれ限定することを意図するものではない。以下の図面及び詳細な説明を参照することで、上で説明される例解的な態様、実施形態、及び特徴に加えて、更なる態様、実施形態、及び特徴が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【
図1】様々な潜在的な実施形態による、コンピューティングデバイス及び試料処理システムを含むマイクロ流体システムを描いたものである。
【
図2】様々な潜在的な実施形態による、試料処理システムの構成要素についての例示的な構成を表すものである。
【
図3】様々な潜在的な実施形態による、試料処理システムの構成要素についての別の例示的な構成を表す。
【
図4】様々な潜在的な実施形態による、単一検出器試料処理システムを使用して取得された前方蛍光データを描いたものである。
【
図5】様々な潜在的な実施形態による、二重検出器試料処理システムを使用して取得された前方蛍光及び側方蛍光のヒストグラムを描いたものである。
【
図6】様々な潜在的な実施形態による、試料処理システムを使用して取得された側方蛍光データを描いたものである。
【
図7】様々な潜在的な実施形態による、細胞の異なる配向特徴に対応する領域を示す、
図5のデータを描いたものである。
【
図8A】様々な潜在的な実施形態による、サイドポート及び光ファイバを有する例示的なマイクロ流体チップの切断図面を含む。
【
図8B】様々な潜在的な実施形態による、サイドポート及び光ファイバを有する例示的なマイクロ流体チップの切断図面を含む。
【
図8C】様々な潜在的な実施形態による、サイドポート及び光ファイバを有する例示的なマイクロ流体チップの切断図面を含む。
【
図8D】様々な潜在的な実施形態による、サイドポート及び光ファイバを有する例示的なマイクロ流体チップの切断図面を含む。
【
図9A】様々な潜在的な実施形態による、試料処理システムの構成要素としての3つの検出器を含む例示的な構成を描いたものである。
【
図9B】様々な潜在的な実施形態による、試料処理システムの構成要素としての3つの検出器を含む例示的な構成を描いたものである。
【
図10】様々な潜在的な実施形態による、試料を処理して修正された粒子母集団を得るための例示的なフローチャートを表す。
【
図11A】様々な潜在的な実施形態による、雄性母集団及び雌性母集団を分離する論理的に構築されたゲートを描いたものである。
【
図11B】様々な潜在的な実施形態による、雄性母集団及び雌性母集団を分離する論理的に構築されたゲートを描いたものである。
【
図12】様々な潜在的な実施形態による、前方蛍光及び側方蛍光のヒストグラムに対して鞍ゲートを論理的に賦課するための例示的なフローチャートを表す。
【
図13A】様々な潜在的な実施形態による、蛍光ヒストグラムに対するカーネル密度推定ゲートの論理的な賦課を描いたものである。
【
図13B】様々な潜在的な実施形態による、蛍光ヒストグラムに対するカーネル密度推定ゲートの論理的な賦課を描いたものである。
【
図13C】様々な潜在的な実施形態による、蛍光ヒストグラムに対するカーネル密度推定ゲートの論理的な賦課を描いたものである。
【
図13D】様々な潜在的な実施形態による、蛍光ヒストグラムに対するカーネル密度推定ゲートの論理的な賦課を描いたものである。
【
図14】様々な潜在的な実施形態による、蛍光ヒストグラムに対してカーネル密度推定ゲートを論理的に賦課するための例示的なフローチャートを表す。
【
図15】様々な実施形態による、それぞれ、分解図及び組み立て図の、蛍光を検出することができる例示的なフォトダイオード検出器アセンブリを表す。
【
図16A】様々な潜在的な実施形態による、それぞれ、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数によって定義される複数の点、並びに様々な潜在的な閾値点を有する行ヒストグラムを表す。
【
図16B】様々な潜在的な実施形態による、それぞれ、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数によって定義される複数の点、並びに様々な潜在的な閾値点を有する行ヒストグラムを表す。
【
図16C】様々な潜在的な実施形態による、それぞれ、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数、列ヒストグラム及び列ヒストグラムの導関数によって定義される複数の点、並びに様々な潜在的な閾値点を有する行ヒストグラムを表す。
【
図17】様々な潜在的な実施形態による、ピクセルマップの対象となる領域(ROI)の行ヒストグラム及び列ヒストグラムを、
図13Cの画像にオーバーレイされたそれらの導関数及び様々な閾値点とともに表す。
【
図18】
図12及び14によって開示された方法を実行し、かつ様々な潜在的な実施形態による本開示の一部分を別様に実行するように構成された例示的なシステムのフロー図を表す。
【
図19】
図12及び14によって開示された方法を実行し、かつ様々な潜在的な実施形態による本開示の一部分を別様に実行するように構成された例示的なシステムの別のフロー図を表す。
【0077】
本開示の前述及び他の特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態のみを描いたものであり、それゆえ、その範囲を限定するものとみなされないことを理解した上で、本開示は、添付図面の使用を通じて、追加的な具体性及び詳細性をもって説明されている。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成する添付図面を参照する。図面では、同様の記号は、典型的には、文脈が別段の指示をしない限り、同様の構成要素を識別する。詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲で説明される例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。本明細書で提示された主題の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、かつ/又は他の変更を行うことができる。本明細書で全般的に説明され、図に例解される本開示の態様を、多種多様な異なる構成で配置、置換、組み合わせ、及び設計することができ、これらの全てが明示的に企図され、本開示の一部となることが容易に理解されよう。
【0079】
様々な実施形態は、試料中の粒子母集団を非対象化して第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプを選好するための用途を提供する。粒子は、細胞又は分子であり得る。偏倚動作を採用して、例えば、選択された粒子を非活性化すること、選択された粒子を活性化すること、細胞を焼灼すること、スライスすること、光損傷すること、又は細胞を別様に非機能化すること、及び/又は試料の成分を物理的に分離することなどによって、特定の粒子又は細胞を選択してもよい。偏倚動作の有効性は、粒子の配向又は位置を知ることに依存し得る。例えば、細胞のフルオロフォアタグ付き成分を励起し、それによって、検出可能な蛍光を生じさせるように、細胞を照明してもよい。蛍光の強度は、細胞の特性に対応するとみなされ得る。そのような場合、検出表面の面積(すなわち、この表面に励起光が当たる)は、表面積が大きいほど励起が大きくなり、したがって、蛍光が大きくなるように、蛍光強度と正の相関があり得る。細胞が不規則な形状であるか、又は別様に非対称である場合、細胞は、相対的に最大の面積を有する一次表面、相対的に最小の面積を有する三次表面、及び一次表面の面積と三次表面の面積との面積を有する二次表面などの、複数の「表面」(すなわち、検出表面の面積は異なり得る)を効果的に有し得る。
【0080】
一実施例では、試料は、雄性精子細胞及び雌性精子細胞の両方を有する精液を含むことができ、主にY染色体を有する(「Y非対称」)性精液産生物が所望され得る。標準的なフローサイトメトリー手法は、Y非対称の性精液産生物の産生のためにY染色体を有する精子細胞を効果的に特異的に分化させるには、不十分であった。特に、典型的なフローサイトメータ動作(すなわち、検出レーザビームと同軸方向に配向された単一の検出器)の下での蛍光強度のヒストグラム(すなわち、雄性精子細胞と雌性精子細胞との間で、蛍光DNA染料(例えば、Hoechst 33342染料)で染色された染色体DNAの観察可能な約4パーセントの差)上に描かれるX染色体及びY染色体を有する精子細胞の相対的な形状及び重複は、Y染色体ピークを十分な程度にX染色体ピークから効果的に区別して、商業的に生存可能な産生物に関連付けられた高スループット及び非対称比率で、X染色体を有する精子細胞を除去する能力を向上させることを許容しない。複数の方向に検出された光の組み合わせに基づいて、異なる細胞型を区別する際に、細胞又は他の粒子の位置及び/又は配向を識別し、考慮することができる。例えば、様々な実施形態では、光ファイバは、マイクロ流体チップに組み込まれて、例えば、照明レーザ軸に直交する(又はこれに対して別様に角度を付けた)(かつまた、試料フローの方向に対して潜在的に直交するか、又は別様に角度を付けた)方向の放出光を集取することができる。そのような光ファイバは、細胞からの側方蛍光及び側方散乱データの集取を容易にする。二次元ヒストグラム上の領域を識別することは、異なる配向及び粒子タイプをより効果的に区別するのに役立つ。
【0081】
図1を参照すると、様々な実施形態では、マイクロ流体システム100は、コンピューティングデバイス110(又は互いに同じ場所にあるか、又はリモートである複数のコンピューティングデバイス)及び試料処理システム150を含むことができる。様々な実施形態では、コンピューティングデバイス110(又はその構成要素)は、試料処理システム150(又はその構成要素)と統合されていてもよい。試料処理システム150は、試料プラットフォーム154を含むことができ、試料プラットフォーム154は、試料チャネルを介して試料を受け取るマイクロ流体チップ158を受容することができる。試料の送達及び移動は、流体フローを制御するか、又は光学構成要素を再配置する流体工学構成要素166を含むアクチュエータ162によって制御され得る。光学構成要素170は、光ファイバ172、ビームスプリッタ174、又は発光を受け取り、分離し、組み合わせ、送達し、伝送し、フォーカスし、デフォーカスし、コリメートし、又は誘導するための他の構成要素(例えば、光学フィルタ、ミラー、及びレンズ)を含むことができる。本明細書で使用される場合、「誘導」は、様々な光ビームに対するフォーカス動作、デフォーカス動作、及び/又はコリメート動作を含み得る。発光源178は、照明光182(例えば、励起レーザ)並びに不活性化光及び/又は活性化光186(例えば、「殺傷」レーザ)などの、異なる波長及び電力レベルの様々な光源を含むことができる。試料処理システム150は、様々な位置に定位された光検出器194のセットなどのセンサ190を含む。センサ190は、光散乱(例えば、試料に当たり、かつ様々な方向に散乱される光)及び蛍光光(例えば、発光源178のうちの1つによって励起されたとき、細胞中のフルオロフォアによって、又は試料中の他の粒子によって放出される光)を検出することができる。
【0082】
コンピューティングデバイス110(又は複数のコンピューティングデバイス)を使用して、試料処理システム150の構成要素(例えば、光検出器194を使用して検出された光)を制御し、この構成要素を介して取得される信号を受信することができる。コンピューティングデバイス110は、1つ以上のプロセッサと、キャプチャ、取得、記録、及び/又は生成されたコンピューティングコード及びデータを記憶するための1つ以上の揮発性メモリ及び不揮発性メモリと、を含むことができる。コンピューティングデバイス110は、試料プラットフォーム154、アクチュエータ162、光学構成要素170、発光源178、及び/又はセンサ190と制御信号を交換するように構成された制御ユニット114を含むことができ、制御ユニット114は、コンピューティングデバイス110を使用して、例えば、試料の送達、光を用いた照明、検出、及び偏倚動作の性能を制御することを可能にする。試料処理システム150を使用して捕捉されたデータに対する計算及びデータの分析を、分析モジュール118を使用して実行することができ、分析モジュール118は、例えば、ヒストグラムを生成及び処理することができるヒストグラムユニット122を含むことができる。偏倚モジュール126は、アクチュエータ162(例えば、試料フローに影響を与えるか、又は光源によって放出された光の照準に影響を与えるように光源を再配向するゲーティング動作を実行するための)及び/又は発光源178(例えば、粒子を活性化又は不活性化する光を放出するための)を制御することなどによって、センサ190を使用して検出された光に基づいて、動作を識別及び実行し得る。
【0083】
トランシーバ130は、コンピューティングデバイス110が、読み取り値、制御コマンド、及び/又は他のデータを試料処理システム150(又はその構成要素)と交換することを可能にする。1つ以上のユーザインターフェース134は、コンピューティングデバイス110が(例えば、キーボード、タッチ画面、マイクロフォン、カメラなどを介して)ユーザ入力を受け取り、かつ(例えば、ディスプレイ画面、オーディオスピーカなどを介して)出力を提供することを可能にする。コンピューティングデバイス110は、追加的に、例えば、1つ以上のセンサ190を介して取得された信号、生成されたヒストグラムなどを格納するための1つ以上のデータベース138を含んでもよい。いくつかの実装態様では、データベース138(又はその一部分)は、代替的又は追加的に、同じ場所にあるか、又はリモートであり、かつコンピューティングデバイス110及び/又は試料処理システム150(又はその構成要素)と通信する別のコンピューティングデバイスの一部であってもよい。
【0084】
図2を参照すると、例示的な構成200が表されている。マイクロ流体チップ208にレーザ光204を放出することができる。前方方向において(例えば、照明軸に沿っていてもよい第1の方向において)、チップ208からレーザ散乱220及び蛍光228を受け取ることができる。前方散乱(「FS」)検出器224を使用してレーザ散乱220を検出することができ、前方蛍光(「FF」)検出器232を使用して蛍光228を検出することができる。側方方向において(例えば、第1の方向に実質的に直交し得るか、又は第1の方向に対してある角度にあり得る第2の方向において)、チップ208からレーザ散乱250及び蛍光258を受け取ることができる。側方散乱(「SS」)検出器254を使用してレーザ散乱250を検出することができ、側方蛍光(「SF」)検出器262を使用して蛍光258を検出することができる。
【0085】
図3を参照すると、例示的な構成300が、ダイクロイック(例えば、Chroma Technology Corp.からの単一レーザダイクロイックZ355rdc)を含む多側方検出器配置における側方蛍光信号と側方散乱信号との分離を示している。レーザ光304は、マイクロ流体チップ308に到達し、前方方向には、ダイクロイック320及びフィルタ324(例えば、Newport Corp.製のカラーガラス代替CGA-395フィルタなどの長波長通過フィルタ)を使用して、蛍光328を得ることができ、FFアバランシェフォトダイオード(APD)332で蛍光328を受け取ることができる。側方方向において、ダイクロイック350を使用して、蛍光362及びレーザ散乱370を得ることができる。フィルタ354(例えば、Omega Optical,LLC製の360LP低域通過マスクアライナフィルタ)を使用して、SSフォトマルチプライヤチューブ(PMT)374で受け取られるレーザ散乱370をフィルタリングすることができ、フィルタ358(例えば、360/23帯域通過フィルタ)を使用して、SF PMT366で受け取られる蛍光362をフィルタリングすることができる。
【0086】
図4は、細胞母集団中の細胞型を識別する試行を描いた、前方蛍光(FF)単独に基づいて得られた(すなわち、光は第2の方向から検出されない)単一検出器(一次元)ヒストグラム400を表す。
図4は、試料の前方蛍光(「CH1プロミネンス」)に対する細胞の数を表し、左側に低強度ピーク、右側に高強度ピークを有する2つのピークを示す。左側のピークには、相対的に少ないDNAを有する細胞(例えば、雄性精子細胞)が対応するものと予想され、右側のピークには、相対的に多いDNAを有する細胞(例えば、雌性精子細胞)が対応するものと予想される。しかし、精子細胞の頭部は、円盤状の形状を有し、蛍光がより広い平面又は「一次表面」(蛍光が、精子細胞から検出される相対的に最高の強度を有するような)、より狭い縁部又は「三次表面」(蛍光が、精子細胞から検出される相対的に最低の強度を有するような)、又は平面と縁部又は「二次表面」との間の遷移配向(蛍光が、より高い平面強度とより低い縁部強度との間の強度を有するような)から受け取られ得るように配向され得る。結果として、蛍光が検出されたときに、全ての細胞が同じ配向を有するように配向されていない限り(すなわち、検出表面の面積がかなり一定のままでない限り)、いくつかの雌性細胞は、雄性細胞に対して別様に予想される強度で観察される(したがって、左側のピークが落ちる)場合があり、いくつかの雄性細胞は、雌性細胞に対して別様に予想される強度で観察される(したがって、右側のピークが落ちる)場合がある。
図4の1検出器セットアップでは、領域410が落ちる細胞は、雄性細胞又は他の標的細胞であるとみなされ得る(かつ領域410の外側で落ちる細胞は、雌性細胞などの標的細胞ではないために非活性化され得る)が、いくつかの標的(雄性)細胞は、領域410の外側で落ちている場合があり、いくつかの非標的(雌性)細胞は、領域410内で落ちている場合がある。
【0087】
図5を参照すると、X軸上に前方蛍光(FF)(「CH1プロミネンス」)を、Y軸上に側方蛍光(SF)(「CH2プロミネンス」)をプロットした、例示的な前方蛍光/側方蛍光(FF/SF)二次元(2D)ヒストグラム500が描かれている。ヒストグラム500は、2Dヒストグラム400上で強調表示された細胞母集団410に対して2検出器システムを使用する。領域510は、識別可能な雄性母集団を指し示しており、矢印520は、所望の雄性母集団を汚染している雌性母集団の「尾部」を指し示している。
図6におけるヒストグラム600は、試料について、X軸上に側方蛍光(SF)(「CH2プロミネンス」)を、Y軸上に細胞の数(「カウント」)Y軸上に細胞の数(「カウント」)を描いたものであり、領域610は、標的細胞に対応する。ここで、標的細胞は、生存したままであり、かつ不活性化、焼灼、スライス、又は破壊されていない細胞を指す。
図7を参照すると、したがって、特定の領域が特定の配向及び/又は位置(例えば、特定の配向特徴を有する細胞)に対応すると判定することができる。(
図5と同じデータに基づく)ヒストグラム700では、第1の例示的な領域710は、一次検出器に対して平坦部側を配向された細胞に対応し得、第2の例示的な領域720は、(平坦部と縁部との間で)遷移的に配向された細胞に対応し得、第3の例示的な領域730は、一次検出器に対して縁部側を配向された細胞に対応し得る。配向特徴と前方検出器及び側方検出器を使用して検出された光のセットとに基づいて、異なる細胞型をより良く区別することができる。
【0088】
様々な実施形態では、単一の検出場所単独では、偏倚を達成することができない(又は効果的又は効率的に達成することができない)か、又は偏倚が別様に実行されない。様々な実施形態では、偏倚動作は、光の単一のセットから(例えば、前方蛍光のみ又は側方蛍光のみから)導出可能でなく、したがって、偏倚動作は、光の2セットが複数の方向に進行することを必要とし得る。様々な実施形態では、光の単一のセットを使用して、又は単一の検出場所から偏倚を達成することができる場合、偏倚動作を、光の1つを超えるセット又は1つを超える方向からの光の使用した偏倚でのように効率的又は効果的に実行することができない。
【0089】
複数の方向での光の収集を容易にするために、様々な実施形態は、光ファイバを、照明レーザ軸に実質的に直交する(又は別様に角度を付けられた)方向の放出された光(例えば、細胞からの側方蛍光及び側方散乱)を集取することを可能にするマイクロ流体チップと統合し得る。
図8A、8B、8C、及び8Dを参照すると、それぞれ、フロー軸815を有する試料チャネル810を有する、例示的なマイクロ流体チップ800a、800b、800c、及び800dの切断図が示されている。チップ800a、800b、800c、及び800dは、それぞれ、光ファイバ素子830a、830b、830c、及び830dのためのアクセスポート820a、820b、820c、及び820dを含み、これらは、様々な実施形態では、照明光軸及び/若しくはフロー軸の一方又は両方に直交して挿入され得るか、又はそれらに対して別様に角度を付けられ得る。アクセスポートは、様々な構成を有することができ、
図8A~8Dに表されるように、フロー軸に対して、かつ/又は「前方」照明軸に対して様々な角度を形成することができる。光ファイバ素子(例えば、830a、830b、830c、及び830d)は、波長伝送のために選択され、例えば、照明レーザ(例えば、励起レーザ)によって照明されている細胞から直交して放出された光を収集することが可能であり得る。様々な実施形態では、この光ファイバ素子(「ファイバ」)は、相対的に大きくてもよい。このことは、光子の捕捉/検出を強化する(すなわち、捕捉及び検出される光子の数を増加させる)。より小さいファイバは、識別のための十分な数の光子、例えば、X染色体とY染色体との間のDNA含有量の4%の差(例えば、放出強度の4%の差)を収集することができない場合がある。様々な実施形態では、光ファイバ素子は、追加の光源(例えば、殺傷レーザ又は試料中の細胞若しくは他の粒子の状態を変化させるレーザ)からの、又は追加の光源による励起によって引き起こされる放出が捕捉されないように位置付けられ得る。特定の実施形態では、光ファイバ素子は、そのような殺傷レーザ放出を除外するために、部分的にマスク又はフィルタリングされ得る(例えば、1つ以上の好適なレンズ又は不透明な構成要素を含み得る部分的マスク並びに/又はフィルタ811及び812(
図8D))。代替的又は追加的に、ファイバのサイズは、光のセットについての検出場所に関して空間的に選択的であるように選択されてもよい。例えば、より小さいファイバを使用して、第2の蛍光又は励起事象からではなく、第1の蛍光又は励起事象に関連付けられた光のみを捕捉してもよい。しかしながら、より小さいファイバは、収集され得る光子の量を低減し得る。代替的又は追加的に、ファイバを角度付けするか、又は湾曲させて、レーザ放出/励起放出がファイバによって捕捉されないようにファイバの面を位置付けてもよい。これらの解決策は、ファイバが大きいほどより好適であり得る。光ファイバ素子の直径は、適正に位置付けされていないか、マスクされていないか、又はフィルタリングされていない場合に、光ファイバ素子が殺傷レーザ及び検出レーザの両方に関連する放出を捕捉し得るようなものであり得る。
【0090】
様々な実施形態では、ファイバは、所望の直径及び/又は開口数に基づいて選択され得る。ファイバのサイズは、マイクロ流体チップの厚さによって、又はチップへのファイバの接続の様式によって制限され得る。様々な実施形態では、ファイバは、直径が10~600ミクロンであり得る。直径は、ファイバが偏倚判定に十分なデータを提供するのに十分な光を収集するのに十分な大きさになるように選択され得る。ファイバは、例えば開口数、又はファイバが収集することができる光の量に基づいて、選択され得る。このことは、ファイバの材料に基づいており、様々な実施形態では、収集されるのに十分な光を提供するのに、0.1~0.5の開口数で十分であり得る。
【0091】
光は、2つの範囲のうちの少なくとも1つにあり得る:蛍光(例えば、約400ナノメートル(nm)以上の波長)、及び照明レーザと同じ波長(例えば、約355nm)を有するであろう散乱光。代替的に、照明レーザの波長により近い(例えば、360nmよりも大きい)光をフィルタリングするフィルタを使用してもよい。光ファイバは、散乱波長から蛍光波長を分離するように、ダイクロイック光学系を使用して波長ベースの分離を達成するビーム分割キューブにおいて終端し得る。2つの波長範囲は、光検出器(例えば、PMT又はAPD)上で集束してもよく、これらの検出器からの信号は、例えば組み込みハードウェア(FPGA)を使用して、処理されてもよい。対応するピーク強度信号を、
図5及び7に示されるように、二次元ヒストグラムとしてプロットすることができる。第2の検出器信号システム(
図5及び6)は、汚染する雌性細胞の識別を可能にする単一の検出器(
図4)を介して追加の情報を提供する。2つの検出器を用いると、追加の情報は、様々な実施形態では、雄性母集団を雌性母集団からより良く分離することができるゲートの作成を可能にする。例えば、
図11B及び13Cに開示されるゲート。当業者は、様々な母集団を分離するために更なるゲートが使用されてもよいことを理解するであろう。
【0092】
様々な実施形態では、2つの検出器を使用するのではなく、多数のピクセルを有する単一の検出器を使用してもよく、両方の検出点からの光(例えば、側方及び前方などの異なる方向に対応する第1の軸及び第2の軸に沿った)が、同じ多ピクセル検出器にルーティングされてもよい。特定の実施形態では、側方方向(例えば、第2の軸)でファイバ束を使用してもよく、ファイバは、多ピクセルAPD又はカメラ(例えば、電荷結合素子(CCD)検出器)などの検出器上の異なるエリア又はゾーンへの束の検出器端部で分割されてもよい。検出器又はカメラの異なるピクセル又は領域で検出されたエミッションの強度に対して処理を実行してもよく、このことを使用して、空間的場所を機能的に分離するように、又は異なるピクセル若しくはエリアで強度を比較分析するために、追加の情報を得てもよい。
【0093】
その上、(上述したように)大きいファイバを使用して、わずかに異なる主チャネルの場所で、レーザ放出又は蛍光放出の1つを超える色又は波長を捕捉してもよい。この情報を組み合わせるか、加算するか、又は区別して、粒子のサイズ、形状、量、位置、又は配向などの追加の情報を得てもよい。追加的又は代替的に、ファイバによって捕捉された光について位相差を判定してもよい。これらは、粒子の「物理特性又は位置特性」と称され得る。
【0094】
様々な実施形態では、第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域で測定された光強度を使用して粒子の位置特性を判定することは、複数のピクセル検出領域の使用が単一の検出器上の多数のピクセルを使用して実装され得ることを除いて、2つの別個の検出器からの測定された光と非常に類似し得る。光強度及びピクセルは、同じ方向(ファイバ束)又は別個の方向からのものであり得る。異なる測定された光強度レベルは、一次の検出表面、二次の検出表面、又は三次の検出表面(例えば、平坦部向き、縁部向き、又は中間)を示すことができる。異なる測定された光強度レベルはまた、コアストリーム内の位置(X、Y、Z)を示し得る。位置特性を提供するために実行されることとなろう特定の数学演算は、ピクセルの場所及びそれらのピクセルに関連する予想される細胞の配向/場所に依存する。様々な実施形態では、特徴の抽出が、数学的操作、回帰、機械学習、又は他の手法から帰結し得る。
【0095】
様々な実施形態では、構成要素850は、光ファイバ830を介して伝送される光を誘導及び/又は検出するために使用され得る。構成要素850は、試料プラットフォーム154の一部又は試料処理システム150の他の構成要素である光ファイバなどの別の光ファイバであり得る。特定の実施形態では、光ファイバ830は、取り外し可能なマイクロ流体チップ158を有したままである一方、光ファイバ850は、試料処理システムを有したままである。光ファイバ850は、光を検出器に向けて誘導し、そうでなければ、構成要素間のクロストークを低減するための、様々な形状(例えば、曲線セクションなど)及びサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、構成要素850は、光検出器であり得るか、又は光検出器を備え得る。
【0096】
様々な実施形態では、ファイバ又は他の導波路は、
図8Cに示される角度でマイクロ流体チップに入り得る。そのような構成であれば、殺傷場所からの、直接のレーザ放出又は蛍光放出のいずれかの光がファイバに入ることを防止し、信号干渉を引き起こすか、又は単に検出信号に打ち勝つことを防止することができる。代替的又は追加的に、
図8Dに示されるように、マイクロ流体チップ又はファイバのいずれか上の部分的なフィルタ又はマスクを使用してもよい。
【0097】
様々な実施形態では、レンズを使用して、ファイバによって収集された光をフィルタリングし、マスクし、又はより良好に結像してもよい。チップ端部におけるフィルタであれば、ファイバの検出器端部でのマスキング又はフィルタリングを提供することができる。レンズがまた、検出器端部でのより大きい画像の分析のためのカメラ(例えば、CCD)の使用のためのより良い結像を提供し得る。
【0098】
図9A及び9Bを参照すると、マイクロ流体試料処理システムの構成要素の代替的な配置が示されている。
図9A及び9Bでは、マイクロ流体チップ900は、
図9Aでの正面向き、及び
図9Bでの縁部向きの2つの異なる視点から示されている。チップ900は、試料が下方向に流れる試料チャネル910を含む。
図9Aでは、第1の光源L1(例えば、照明レーザ)は、ページから外へ進行する第1の方向(例えば、前方方向又は照明軸)にチップ900の後ろから光を放出する。光は、試料が下に流れる際に、試料チャネル910中の試料(及び細胞又は試料中の他の粒子)と一致する。前方方向に進行するチップ900からの光(例えば、L1及び/又は散乱からの光から結果として生じる励起から結果として生じる蛍光)は、チップの前に(L1が定位された側と反対側に)定位された第1の検出器D1を使用して検出可能である。L1からの光は、第1の波長であり得る一方、D1によって検出されるチップからの光は、第2の波長(例えば、蛍光)であり得る。第2の方向に進行するチップ900からの光(例えば、側方蛍光又は側方散乱)は、第1のファイバF1を介して収集され、第2の検出器D2を使用して検出され得る。F1は、示されるように(920を参照)試料チャネル910中の試料フローの方向に直交する軸に沿って進行する光を収集することに留意されたい。したがって、D2で検出される光は、照明軸及び試料フローの軸の両方に対して実質的に90度の(又は他の)角度で進行中であり得る。様々な実施形態では、第1の方向と第2の方向との間の角度は、75~105度、又は60~120度、又は45~135度、又は30度~150度であり得る。同様に、第1の方向とフロー方向との間の角度920は、75~105度、又は60~120度、又は45~135度、又は30度~150度であり得る。
【0099】
第2の光源L2は、下流に(例えば、
図9Aに描かれているように、試料チャネル910に沿って更に下に)配置され得る。試料がL1からの光の経路になくなった後に、放出された光が試料チャネル910内の試料に当たるように、L2は、第1の方向に平行である軸に沿ってチップ900の後ろから光を放出する偏倚光(例えば、焼灼レーザ、不活性化レーザ、活性化レーザなど)であり得る。第2の方向に平行に進行するチップ900からの光(例えば、側方蛍光又は側方散乱)は、第2のファイバF2を介して収集され、第3の検出器D3を使用して検出され得る。L2からの光を使用して、例えば、L2光の経路における細胞を不活性化する(例えば、スライスするか、又は別様に「殺傷する」)ことができる。試料チャネル910を通って進行する細胞は、試料中の各細胞がL1光及びL2光の両方と一致するように、細胞が次々と単一の線で試料チャネル910を通って進行し得る。D3で検出された光は、例えば、試料チャネル中の各細胞がL2からの光を当てられた(したがって、この光によって不活性化された)という確認として機能することができる。例えば、L2光はまた、細胞中の蛍光団を励起し、かつ側方蛍光をもたらすように機能してもよい。そのような場合、L2光の放出後にD3で側方蛍光のバーストが検出された場合、その側方蛍光を、細胞がL2からの不活性化光を当てられたことの指標として使用することができる。
【0100】
図9Bに示される視点では、L1からの光は、チップ900の左から第1の方向に右方向に進行し、チップ900の試料チャネル中の試料に当たる。同じ軸に沿って第1の方向に進行するチップ900からの光は、チップ900の右側のD1で検出される。第2の方向(第1の方向に直交する)に進行するチップ900からの光は、第2の検出器D2(
図9Bにおける視点からチップの前に位置付けられた)に向かってページの外側に進行する。同様に、L2からの光は、チップ900の左から右方向(第1の方向に平行)に進行し、チップ900の試料チャネルの下流で試料に当たる。第2の方向に平行である軸に沿って進行するチップ900からの光は、第3の検出器D3で検出される(
図9Bにおける視点からチップの前に位置付けられた)。D1及びD2からのデータを使用して、配向特徴及び細胞型を判定することができ、D3からのデータを使用して、「殺傷ショット」の確認を提供し得る。
【0101】
図10を参照すると、様々な潜在的な実施形態に従って、試料の成分の分化を強化するための例示的なプロセス1000が描かれている。1005において、マイクロ流体チップの試料チャネルに試料が提供され得る。例えば、制御ユニット114が、チップが試料プラットフォーム154にあるときにマイクロ流体チップ158への試料の送達をもたらすように、流体工学構成要素166に信号伝達し得る(例えば、ユーザインターフェース134を通して受け取られたユーザ入力に基づいて)。試料は、第1の粒子タイプ(例えば、第1の細胞型)対第2の粒子タイプ(例えば、第2の細胞型)の初期(第1の)割合を有し得る。試料中の細胞又は他の粒子は、試料チャネルを通して流される前に、フルオロフォアで染色されていてもよい。
【0102】
1010において、試料が試料チャネル中の試料を通って流れる際に、試料にコヒーレント光が放出され得る。例えば、制御ユニット114が、光(例えば、355nmの波長を有し得る)を放出するように、制御信号を照明光182(励起レーザなど)に送信し得る。1015において、第1の方向(例えば、照明軸に沿った前方方向)に進行する(1つ以上の波長を有する)光の第1のセットの光が検出され得る。光の第1のセットは、散乱光(例えば、照明光と同じ波長、355nm)及び/又は蛍光(例えば、約400nmの場合の波長)であり得る。制御ユニットは、照明軸に沿って光を検出し、かつ検出された光に対応する信号を第1の光検出器194から受信するように、第1の光検出器194を制御し得る。信号は、処理のために、制御ユニット114によって分析モジュール118に供給され得る。1020において、第2の方向(例えば、前方方向に対して直交する、又はそうでなければ角度を付けた側方向)に進行する(1つ以上の波長を有する)光の第2のセットが、第2の場所で第2の光検出器を使用して検出され得る。
【0103】
1025において、(例えば、
図7及び9に関して上述したように検出された光の第1のセット及び第2のセットに基づいて、試料中の細胞の位置及び/又は配向が判定され得る。例えば、ヒストグラムユニット122が、細胞の光がヒストグラム中のどの領域に入るかに基づいて、細胞の配向特徴を識別し得る。1030において、配向特徴及び検出された光に基づいて、偏倚動作が実行され得る。例えば、制御ユニット114が、不要な細胞型であると識別された細胞に方向付けられる不活性化光186(例えば、焼灼レーザ)を制御し得る。このようにして、試料中の細胞型の修正された割合を達成することができる。
【0104】
図11A及び11Bを参照すると、雄性母集団及び雌性母集団をカバーする複数のゲートが開示されている。各母集団の論理的分離は、母集団のカウント、追跡、又は観測を支援することができ、偏倚された母集団(例えば、主に雄性又は主に雌性)をもたらすように本明細書に記載されるものなどの偏倚方法及びシステムと併せて使用され得る。当業者が理解するであろうように、同様のゲートを使用して、他の次元に沿って母集団を識別してもよい。例えば、非活性の母集団又は死んでいる母集団が、ゲートされ得る。同様に、そのような母集団が、当該ゲートを併用して偏倚、追跡などされてもよい。強度マップ1110は、同様の方法及びシステムによって判定され得る、複数のピーク前方及び側方蛍光測定値に基づいて、
図5のヒストグラムと同様に編成され得る。いくつかの実施形態では、追加のセンサ又はより少ないセンサを使用して、強度マップを収集してもよい。例えば、追加のセンサを使用して、n次元の強度マップ1110を生成してもよいし、二次元強度マップ1110の精度、検出率などを向上させてもよい。
【0105】
図11Aは、任意のオーバーレイされたゲートを伴わない強度マップを描いたものである。強度マップ1110は、識別可能な雄性母集団1120、識別可能な雌性母集団1130、及び混合された雄性標本及び雌性標本を含み得る尾部1140を有する、
図5と同様の母集団を描いたものである。いくつかの事例では、識別可能な母集団は、同様に混合され得る。例えば、識別可能な雄性母集団は、わずかなパーセントの雌性標本を含む場合があり、その逆もまた同様であり、母集団間には、これらの母集団を完全に分離するには十分な不感帯が存在する。描かれた各母集団は、識別可能な母集団内のピーク強度によって定義される母集団中心を有する。描かれた実施形態では、雄性及び雌性の母集団はおよそ等しく、各母集団のピーク強度は、大体等しい。いくつかの実施形態では、2つの母集団のピーク強度は、等しくない場合がある。例えば、母集団の歪みを更に増加させるための反復偏倚プロセスから結果として生じる母集団、非活性な標本などの自然拡散母集団、バイモーダル母集団、トリモーダル母集団など。いくつかの実施形態では、母集団中心は、代替の基準によって、例えば、ピーク強度の点又はエリアではなく、母集団の地理的平均によって定義され得る。
【0106】
描かれた実施形態では、2つの母集団中心は、最高強度の2つのエリアに従って定義される。2つの母集団中心は、雄性母集団及び雌性母集団に対応し、雄性母集団中心1122及び雌性母集団中心1132が描かれている。いくつかの実施形態では、2つの母集団中心は、強度プロファイルに基づいて位置特定され得る。例えば、第1の強度プロファイル1162が、強度マップの1つの軸に沿って配設され得、描かれた行に検出された母集団の合計を示す。第1の強度プロファイルは、強度マップ1110の尾部1140に対応し得る第1の極大値1162aと、母集団中心のうちの1つ以上に対応し得る第2の極大値1162bと、を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の強度プロファイルはまた、追加の母集団中心に対応し得る第3の極大値を含んでもよい。例えば、雄性母集団中心1122及び雌性母集団中心1132は、第1の強度プロファイルから別個に識別可能であり得る。描かれた実施形態では、2つの母集団は、描画されるように容易に識別可能ではないが、更なる処理が、これらの母集団の識別を可能にし得る。
【0107】
2つの極大値、雄性母集団中心1122に関連する第1の極大値1164a、及び雌性母集団中心1132に関連する第2の極大値1164bを有する第2の強度プロファイル1164も描かれている。次いで、雄性母集団の強度寄与を除外するために、第2の強度プロファイルの第2の極大値1164bに沿って引かれた垂直線における強度に基づいて、第3の強度プロファイル1166が計算され得る。雌性母集団の強度寄与を除外するために、第2の強度プロファイル1164の第1の極大値1164aに沿って引かれた垂直線における強度に基づいて、第4の強度プロファイル(描かれず)が計算され得る。次いで、第3の強度プロファイル1166及び第4の強度プロファイルの各々を評価して、それぞれ、雄性母集団中心及び雌性母集団中心の中心を判定し得る。第3の強度プロファイル1166によって定義される最大強度に加えて、雌性母集団中心を通過する垂直線に沿って複数の追加の強度が記録され得る。例えば、最大強度の75%、最大強度の50%、最大強度の25%、及び最大強度の10%の点が選択される。当業者が理解するであろうように、これらの数値は、単なる1つの可能なセットであり、特定のデータに対して、より良好に形成され得る他の数値が選択されてもよい。更に、選択された座標系によれば、垂直線又は水平線に基づく任意の動作は、反転又は切り捨てられてもよく、そのような説明は、本開示を限定するものではなく、ここでの図を説明することのみが意図されている。
【0108】
ここで
図11Bを参照すると、同じ強度マップ1110が描かれており、第1の傾斜線1170は、雄性母集団中心1122及び雌性母集団中心1132を通過する。2つの母集団中心間の距離は、以後、定数として使用するためにWと称され得、様々な潜在的な実施形態に従って、垂直距離単独、又は総距離を指し得る。第5の強度プロファイルが、第1の傾斜線1170に沿って生成され、鞍点(すなわち、2つの強度極大値の間に配設された強度極大値)が、第1の点1180として定義される。強度プロファイルの追加のセットが、第1の傾斜線1170に平行である追加の対応する線に沿って計算される。例えば、第2の傾斜線1171が描かれている。鞍点は、後続の各線に沿って判定される。鞍点1180、1181、1182、1183、及び1184が示されており、様々な傾斜線(それらのうちの第1の1170及び第2の1171のみが示されている)に沿って生成された強度プロファイルの鞍点に基づいて判定され得る。1つ以上のゲートが、部分的に、鞍点に沿って形成された線によって境界付けされ得る。主に雄性の母集団をカバーする第1のゲート1150と、主に雌性の母集団をカバーする第2のゲート1155と、が描かれている。
【0109】
代替の実施形態では、追加の又はより少ない鞍点が選択されてもよい。いくつかの実施形態では、鞍点は、(例えば、第1のゲートによってゲートされる雌性標本、又は第2のゲートによってゲートされる雄性標本を最小化するために)左又は右に歪んでもよい。追加的に、最終的な鞍点(本明細書は1184として描かれている)は、(例えば、歪みを最大化し得る、ゲートされた標本の数を最大化するために)上方に、又は(例えば、適格性を最大化し得る、ゲートされた標本の数を最小化するために)下方に調整されてもよい。例えば、ゲートは、尾部の全体を通って延伸してもよく、このことは、ゲートされた標本の実質的な増加をもたらし得るが、母集団間の歪みを低減し得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、強度マップ1110は、2つの母集団中心に基づいて配向され得る。例えば、2つの母集団中心は、強度マップの水平軸に沿って、又はほぼ沿って配設され得る。例えば、強度マップ1110は、計算強度を最小化し得る母集団中心の水平アライメントを維持するために、収集されたデータに基づいて、又は履歴データに基づいて描示され得る。そのような実施形態では、傾斜線は、ゼロの傾きを有し得る。代替的に、計算要件を最小化するか、若しくは別様に低減するために、又は描かれた鞍点に対してオフセットを課すために、ゼロの傾きが推定されてもよい。
【0111】
また、適切な境界点の選択によって、様々なゲートが境界付けされ得る。境界点は、事前定義され得るか、又は鞍点若しくは他の測定値に基づき得る。描かれた強度マップ1110では、第1のゲート1150は、雄性母集団の中心と雌性母集団の中心との間の距離の2倍に等しい距離で、最下部の鞍点1184に対して水平な点に配置された第1の境界点1185によって境界付けされている。第2の境界点1186は、第1の境界点1185から上方に、最上部の鞍点1180と最下部の鞍点1184との間の距離(これは、以後、「H」と称され得、第2の境界点1186は、第1の境界点1185よりも2H上方に配設されている)の2倍延伸する垂直線に沿った点に配置されている。第3の境界点1187は、1180からの垂直線と1186からの水平線とが交差する点に配設されている。他の境界点の場所が可能である。例えば、第1の境界点1185は、他の境界点を調整して、1H又は3.5Hに配設され得る。
【0112】
第2のゲート1155は、第1のゲートに対して略対称であってもよいし、異なっていてもよい。描かれた実施形態では、第2のゲートの右上の境界で、第4の境界点1188は、第2の境界点1186に対して対称であり得る(すなわち、反対方向の第3の境界点から2Wに位置する)。下側境界は、最下部の鞍点1184よりもH下方に位置する第5の境界点で画定され、第2のゲート1155の境界は、下側境界1189から引かれた水平線が右側境界1188から引かれた垂直線と交差する点を参照することによって完了する。したがって、第2のゲート1155は、第1のゲート1150よりも下方に延伸し得、このことは、有利なことに、混合された尾部に起因して、下方のゲートが第1のゲート1150に対してもたらすであろう縮小された歪みなしに、適格な標本を増加させ得る。
【0113】
追加の母集団は、強度マップ1110上に表示されない場合があるが、いくつかの反復では、追加の母集団が存在し得る。例えば、非活性の母集団、XY標本などが存在し得る。したがって、境界点は、いくつかの実施形態では追加の特異性を必要とし得る。追加の又はより少ない境界点は、ゲートを境界付け得る。更に、いくつかの実施形態では、複数のゲートが、オーバーレイされ得る。例えば、複数のゲートを配設することができ、これらのゲートでブール関数を演算することができる。
【0114】
図12を参照すると、鞍マップを生成するための方法1200が開示されている。動作1210において、蛍光強度ピークが、第1の方向に測定される。例えば、本明細書に開示される様々な実施形態によれば、第1の方向は、試料から正面の蛍光(「前方」蛍光)を検出するように配向された蛍光検出器に対応し得る。更に、動作1210において、蛍光強度ピークが、第2の方向に測定される。第2の方向は、第1の方向に略直交(例えば、側面)して配設されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、第2の方向は、異なる時点で同じ方向にあり得る。
【0115】
動作1220において、強度マップが生成される。強度マップは、2つの方向の各々において観測されるピーク強度の二次元表現である。したがって、
図5のヒストグラムと同様に、強度マップは、母集団の二次元表現を示す。マップの作成は、母集団の同様の標本のクラスタ化を明らかにし得る。例えば、生存可能な精子は、そのようなマップ上で高度にクラスタ化され得る。更に、雄性精子及び雌性精子は、識別可能であり得るが、これらの精子の近接性に起因して、母集団を描写するための追加の処理を必要とし得る。
【0116】
動作1230において、母集団中心が識別される。母集団中心は、ピーク強度、及び/又は期待される場所に従って識別され得る。例えば、2つのピーク強度がすぐに隣接しており、かつ別のわずかにより小さいピーク強度が、期待される距離又は期待される方向に離れて配設されている場合、より小さい強度が母集団中心として選択され得る。好適な母集団中心を位置特定することができない場合、追加のデータが収集され得るか、エラーがセンサの問題を示し得るか、又はデータが後の再検討のためにアーカイブされ得る。
【0117】
動作1240において、鞍点が識別される。鞍点は、2つの最大値によって境界付けされた極小値に基づいて識別され得る。鞍点は、2つの母集団中心間の線に平行な傾斜線、行に沿った等しい密度の2つのエリア間の傾斜線などに基づいて識別されてもよい。鞍点は、規則的な間隔で、若しくは歪みを最大化するために選択されたパターンとして定義されてもよいし、別様に選択されてもよい。
【0118】
動作1250において、第1の母集団が、鞍点と外側境界との間に母集団を含むゲートを形成することによって境界付けされる。外側境界は、静的に、母集団特徴に関連して、手動でなどで定義され得る。いくつかの実施形態では、境界(及び/又は鞍点)は、動的に調整され得る。例えば、鞍点からのオフセットを使用して、母集団を境界付けし得る。歪みを最大化するために、鞍点を含まないゲートが形成され得る。例えば、ゲートは、ゲートによって境界付けされた母集団の割合、又はゲートによって境界付けされた標本の全体数を増加させる(例えば、捕捉された混合された母集団を縮小又は増大させることによって)ために、計算された鞍点からの左又は右のシフト点を含み得る。
【0119】
動作1260において、第2の母集団が、第1の母集団と同様の様式で境界付けされる。この動作は、動作1260に加えて又は代えて実行され得る。例えば、多くの実施形態では、単一のゲートのみが形成され得る。いくつかの実施形態では、両方のゲートが(例えば、データ追跡/分析のために)形成されてもよいが、単一のゲート(又はゲートなし)のみが偏倚プロセスと併せて使用されるようになっている。開示されるステップは、方法1200のいくつかの実施形態を開示するが、当業者は、本文書の他の実施形態に従って、特定のステップが追加、省略、改変などされ得ることを理解するであろう。例えば、関連する方法が、三次元システムとして、3つの測定(例えば、蛍光又は他の測定)に基づいて実行されてもよい。
【0120】
図13Aを参照すると、Epanechnikovカーネル1301のデジタル近似が開示されている。同様の近似が、ガウスカーネルなどの他のカーネルで考慮されてもよい。結果として生じるデータセットを平滑化し得る複数のカーネルが配置されてもよい。例えば、描かれたカーネルは、各ピクセルについてのnビット深度(すなわち、各ピクセルは、0~2
’’-1の確率値によって表され得る)と、mピクセルの分解能と、を有し得る。例えば、8ビットカーネルは、カーネルの各ピクセルについて256個の可能な値を有し得る。したがって、中心値(すなわち、ルートピクセル1302)は、200の値を有し得、外側ピクセル1303は、10の値を有し得る。描かれたカーネルは、7ピクセルの半径を有する。ピクセル分解能の増加は、カーネル(例えば、放物型Epanechnikovカーネル)をより良好に捕捉し、したがって、表示を平滑化し得るが、そのような平滑化は、システム上の計算負荷を増加させ得る。いくつかの実施形態では、システムは、リアルタイムで(例えば、標本を偏倚するために標本の分類に依拠する特定のシステムで)動作しなければならず、したがって、計算負荷は、利用可能なコンピューティングリソースに従って管理され得る。例えば、一実施形態は、4ビット深度及び5ピクセルの半径を有し得る一方、別の実施形態は、8ビット深度及び32ピクセルの半径を有し得る。カーネルは象形的に描かれているが、
図13Aのピクセルは、他のデータセットと同様に、ディスプレイ上で提示され、ユーザに提示されるなどの必要はないことに留意されたい。ピクセル術語体系は、様々なカーネルを合計するために使用される様々な離散的な場所を記述することが意図されており、必ずしもディスプレイ技術に関連するものではない。各カーネルは、細胞(例えば、精子細胞)の測定値を表し得る。各測定は、複数の検出を含み得る。例えば、細胞の蛍光は、2つの方向において測定され、次元に基づいてピクセルマップ上に配置され得る(例えば、側方蛍光は、x軸に沿った場所を判定することができ、正面の蛍光は、y軸に沿った場所を判定することができる)。追加の又はより少ない測定値は、追加の又はより少ない次元を有するピクセルマップをもたらし得る。
【0121】
図13Bを参照すると、複数のピクセルがピクセルマップ1305上に合計され得る。例えば、2つの部分的にオフセットしたピクセルが、200の1つのピクセル値が10のピクセル値にオーバーレイするようにオーバーレイされる場合には、210の値が生成される。追加のカーネルを追加し続けて、2つの方向から測定された複数の細胞の蛍光に関連してなど、カーネルの密度関数を表すピクセルマップ1305を形成し得る。したがって、様々な細胞の蛍光は、様々な識別可能な細胞の母集団の相対的な蛍光を明らかにするようにマッピングされ得る。例えば、1つの細胞の母集団は、非活性化細胞1340、雄性細胞1320、雌性細胞1330などの母集団として記述され得る。いくつかの母集団は、計装の制限又はエラーを記述し得る。例えば、いくつかの細胞は、他のシステム構成要素からの干渉に起因して、1つの方向(例えば、側方方向)で非常に高いレベルの蛍光で検出され得、そのような細胞は、飽和細胞1350と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、そのような細胞は、更なる測定を行うことによるか、又は追加のデータ処理ステップによるなどで、雄性、雌性、非活性などとして分類され得る。
【0122】
いくつかの母集団又は誤りは、1つ以上の対象となる母集団をより良好に分析するために、ピクセルマップから削除され得る。対象となる母集団は、特性、場所、又は過去の経験に基づいて識別され得る。
図13Bを再び参照すると、対象となる2つの母集団、雄性母集団1320、及び雌性母集団1330が開示されている。母集団は、
図7及び11と同じ特徴的な形状を示す。更に、母集団は、他の検出された母集団よりも実質的に高密度である。例えば、推定される非活性の母集団1340及び推定される飽和母集団1350。
【0123】
対象となる母集団は、ピクセルマップ1305を調整して無関係な母集団、母集団がない空間、ノイズなどを除外することによって、より良好に分析され得る。ピクセルマップの列を合計して、ヒストグラムをプロットすることができ、ヒストグラムの導関数を使用して、導関数のゼロ交差に基づいて、ヒストグラムの極大値及び極小値を位置特定することができる。特定の実施形態では、不感帯を使用して、ノイズによって誘発されるゼロ交差を抑制する。不感帯は、固定されてもよいし、動的であってもよい。例えば、不感帯は、ピーク導関数値のパーセントに基づいてもよい。定義された母集団について、様々な臨界点が、概して予測可能であり得、出現場所、不感帯空間からの出口/入口の方向、傾きなどに基づいて定義され得る。対象となる範囲外の全ての列が、ノイズ、及び不所望の母集団に関する情報を低減するためにクリアされ得る。
【0124】
そのような列ヒストグラムのフィルタリングが、ノイズ又は無関係な母集団を適切に削除しない場合がある。例えば、飽和母集団1350は、対象となる母集団と垂直に整列されない場合があり、結果として、列フィルタリングによって削除されない場合がある。したがって、第2の行のヒストグラムが生成され、ヒストグラムの導関数が生成される。列フィルタリングと同様に、既知の母集団が、包含又は除外のために識別され得、ノイズは、不感帯の使用によって削除され得る。既知又は所望の母集団は、導関数のゼロ交差、及び/又は行ごとの解析(例えば、導関数に従って判定された極大値又は極小値に近い行ごとの解析)に基づいて判定され得る。
【0125】
図13Cは、雄性母集団/雌性母集団に焦点を当てた、
図13Bの拡大バージョンを例示している。特定の対象となる領域は、上述したヒストグラムの分析に従って計算され得る。対象となる母集団は互いに密接して配設されており、かつ混合され得るため、2つの母集団の分割は、より計算集約的である。しかしながら、ピクセルマップの多くが排除されているため、計算集約的なタスクは、描かれた部分などの、ピクセルマップの局所化された部分で実行されてもよい。
【0126】
第2の行のヒストグラムが生成され、より低い閾値を判定するために使用される。より低い閾値は、雄性細胞と雌性細胞とが大きく混合される可能性がある尾部を排除する。より低い閾値は、最小密度、又は密度の変化の変曲に従って定義され得る。例えば、ピクセルマップの負のy軸に沿ったピクセルマップの概して減少する密度は、尾部の曲率によって遅くなる場合があり、その時点で変曲点が尾部の閾値を確立し得る。
【0127】
閾値が確立されると、閾値を上回るピクセルを行ごとにサンプリングして、トラフ線1390を確立し得る。トラフ線1390は、2つの極大値の間に水平に配設された極小値によって定義される。臨界点1399が、行ヒストグラムに従って最大密度で垂直に配設されたトラフ線上の点によって定義され、トラフ線1390の終端であり得る。トラフ線1390の傾きは、臨界点1399でゼロである(すなわち、描かれるように、垂直である)。また、トラフ線に沿った追加の点が収集される。第2のトラフ線点1398、及び第3のトラフ線点1397が描かれている。増加した点は、概して、トラフ線のフィッティングを改善し、したがって歪みを改善するため、いくつかの点が定義され得る。例えば、トラフ線点は、あらゆる行に対して定義され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、プロットされたトラフ線1390を直接使用することができる。他の実施形態では、トラフ線1390に基づいて関数(例えば、ラグランジュ多項式)を生成してもよい。トラフ線1390の生成は、必要な計算を簡素化するために、ピクセルマップを90度回転させることを含んでもよい。その上、多項式を二次多項式に制限し、多項式をゼロの傾きで臨界点を通過させることを強制することが、計算を更に低減することができ、いくつかのトラフ線1390によくフィッティングし得る。他の実施形態では、高次多項式を選択してもよく、最良のフィッティング線を受け入れてもよい。いくつかの実施形態では、生成されたトラフ線1390又は生成された関数のいずれかは、固定された数の点によって近似されてもよい。例えば、多項式は、4つ、6つ、又は8つの線セグメントに還元されてもよい。有利なことに、そのような近似は、特定のシステムにおけるトラフ線に基づいてゲートを定義するために必要とされる計算を低減し得る。
【0129】
図11の鞍と同様に、トラフ線1390は、固定点、相対距離、又は他の基準に基づいて境界付けされ得る。例えば、臨界点と尾部閾値との間の垂直距離、又は臨界点の行における2つのピークの間の距離は、ベース測定値として使用され得る。トラフ線1390の左又は右の母集団の境界点は、ゲートを定義するためのベース測定値のいくつかの倍数(例えば、0.1倍、0.25倍、0.5倍、1倍、2倍、5倍、10倍など)であり得る。幅のベース測定値も、定義又は計算され得る。
【0130】
図13Dを参照すると、飽和母集団1350の拡大図が表示されており、概して、2つの母集団、主に雄性の飽和母集団1352と主に雌性の飽和母集団1353とに分割されている。飽和母集団を雄性1352の構成部分と雌性1353の構成部分とにほぼ二分する臨界点1399の垂直延伸部1380が描かれている。ゲートを臨界点から垂直に上方に延伸させることによって、飽和母集団1350は、トラフ線1390の左又は右の母集団を含むゲートに含められ得る(例えば、多項式トラフ線の延伸は、臨界点を上方に延伸させることに対して、母集団を二分しなくてもよいし、追加の計算負荷を課してもよい)。
【0131】
そのことは計算上許容され得るが(すなわち、過度に計算集約的ではなく、したがって、特定のアプリケーションに過度に時間を消費しない)、臨界点1399を垂直に上方に延伸させることは、臨界点を上回るトラフ線1390の凹状が不飽和の雄性母集団と雌性母集団との分離に影響を与え得るため、望ましくない場合がある。したがって、ゲートは、飽和細胞の存在又は不在に基づいて、選択的に延伸され得る。例えば、行ヒストグラムは、飽和母集団1350の存在又は不在を示し得る。第1の行ヒストグラムの最小密度に従って判定され得る飽和母集団1350が存在する場合、ゲートは、飽和母集団を含むように上方に延伸され得る。有利なことに、このことは、適格な細胞を最大化し得る。飽和母集団1350が存在しない場合、ゲートは、任意の潜在的な飽和細胞にかかわらずに構築され得る。有利なことに、そのような実施形態は、不飽和母集団における臨界点1399を上回るトラフ線の凹状を維持することによって、主母集団内に所望の歪みを維持し得る。
【0132】
代替的に、又は加えて、別の方法によって母集団を二分することが有用であり得る。例えば、多項式は、飽和母集団にかかわらず生成されてもよく、その後、線セグメントが、臨界点1399の上方から、飽和母集団1350上の、又は飽和母集団1350の上方の飽和二分点1392まで延伸してもよい。したがって、臨界点を上回る主母集団は、歪み性能を維持してもよく、母集団は、より正確に二分されてもよい。
【0133】
飽和二分点1392は、例えば、飽和細胞1350の中心付近に局所ピークカーネル密度を示す行ヒストグラムに基づいて、トラフ線1390に沿った点と同様に計算されてもよく、次いで、オフセットされ(例えば、固定された数の行を垂直に上げ)てもよい。飽和母集団の混合された「尾部」細胞は、容易に識別可能でない場合があるため、潜在的なゲートが、より緊密に結合され得る。雄性飽和母集団1352の中心の近くに配設された第1の境界線1321が示されている。第1の境界線1321は、ゲートから多くの雄性標本を境界付けすることをもたらし得るが、そのことはまた、選択の特異性(すなわち、歪み)を増加させ得る。第1の境界線1321は、歪みと適格性とのバランスをとるために、左側に又は右側に移動され得る。例えば、第1の境界線1321は、飽和母集団全体の除外を回避するために配置され得、これは、有利なことに、ゲートされる細胞の数を増加させ得る。同様に、別の境界線(描かれず)は、飽和細胞の右側に沿って配設され得る。しかしながら、飽和母集団1350は、不飽和母集団と同様の特徴を呈するため、限られた混合が右側に存在する場合があり、したがって、母集団の右側から延伸する境界線などの、より広い境界線が選択されてもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、複数のゲートが組み合わせて使用され得る(例えば、飽和母集団及び非飽和母集団に別個のゲートが使用され得る)。有利なことに、離散的な母集団についての追加のゲートを、存在する任意の他のゲートに平行に生成することができ、このことは、単一のより複雑なゲートよりも、少なくともいくつかのシステムに好適であり得る。そのような実施形態では、追加のゲートは、不飽和母集団に関連付けられた任意のゲートと同様の様態で課されてもよいし、異なる方法によって課されてもよく、例えば、
図12によって開示される鞍方法、又は別の方法によって課されてもよい。
【0135】
図14を参照すると、カーネル密度推定ゲートを生成する方法1400が説明されている。この方法は、
図13B及び13Cに例示されるデータセットなどの様々な実施形態による多くのデータセットに対して実行され得る。動作1402において、カーネルが生成される。カーネルは、計算性能、精度などのために選択され得る。例えば、カーネルは、細胞を検出する様々なセンサデバイスの含意された精度に従って、及び結果の品質に従って選択され得る。いくつかの実施形態では、データセット(例えば、リアルタイムデータ、履歴データなど)に対して複数のカーネルを生成することができ、方法1400は、各々を用いて実行され、結果を比較し得る。カーネルが選択されると、システム要件(例えば、コンピュータメモリ又は処理リソースの量、検出器解像度など)に従って、デジタルに分解するカーネルが生成される。いくつかの実施形態では、カーネルの最小分解能、深さなどを判定することができ、システムが、そのようなシステムをサポートするように設計され得る。いくつかの実施形態では、デジタルに分解するカーネルは、特定の利用可能なハードウェア上で動作するように構成され得る。
【0136】
動作1404において、システムは、第1のデータ点を待ち受ける。データ点は、細胞の母集団の細胞(すなわち、個体)の属性に関する。例えば、データ点は、複数の検出器による、精子の様々な母集団内に含まれるDNAの蛍光であり得る。例えば、データ点の1つの次元は、第1の方向(例えば、「正面」方向)に検出される蛍光に関連し得、第2のデータ点は、第2の方向(例えば、「側方」方向)に検出される蛍光に関連し得る。いくつかの実施形態では、絶対蛍光をグラフ化することができ、他の場合では、蛍光を正規化することができる(例えば、検出器の違いを考慮してデータを前処理するためなど)。例えば、データは、後の処理を最小化するために範囲チェックされ得る。
【0137】
動作1406において、データ点を表すカーネルが、ピクセルマップに追加される。データ点の追加は、場所データ点の確率中心を表すルートピクセル、及びルートピクセルから、生成されたカーネルの外縁部までの離れた(典型的には減少する)確率を表す残りのカーネルを含み得る。カーネルの追加が任意の既存のカーネルにオーバーレイする場合、重複する各ピクセルは、累積カーネルが各ピクセルで利用可能な確率密度を超えてピクセルマップ上に確率密度を示し得るように、ピクセルマップに追加される。この理由で、ピクセルマップの深度は、カーネルの深さを超える必要があり得る(例えば、各ピクセルは、8ビット深度を有するピクセルを表示するために32ビット深度を必要とし得る)。所望の分解能及び深さについてカーネルを解くことは、計算上高価であり得るため、多くの実施形態では、事前生成されたカーネルは、カーネルの中心にあり得るか、又はそうでない場合があるルートピクセルからのオフセットに基づいて、各ピクセルに合計され得る。
【0138】
動作1408において、データ点の数が、妥当性についてチェックされる。いくつかの実施形態では、単純な数値チェック(例えば、少なくとも100,000個のデータ点、120,000個のデータ点、又は140,000個のデータ点)が実行され得る。そのような実施形態では、この動作は、データ点カウンタをインクリメントすることを更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、カウンタの代わりに、又はカウンタに加えて、別のチェックを実行してもよい。例えば、ピクセルマップを、最小密度についてチェックしてもよい。例えば、いずれかの母集団がXの密度を超える場合、適度の数のデータ点が収集され得る。代替的に、又は加えて、データ点の数が適度であるかどうかをチェックするために、(例えば、データが影響を受けないように、ピクセルマップのコピーに対して)追加の動作1410~1434を暫定的に実行してもよい。有利なことに、そのような方法は、母集団に対する偏倚又は他の動作を可能にし得るゲートゾーンのより早い識別を可能にし得る。データ点の数が不十分であると判定された場合、動作は、動作1438に進み、今後のデータ点を待ち受け得る。
【0139】
データ点の数が適度であると判定された場合、動作1410において第1のヒストグラムが生成される。
図14は列ヒストグラムを説明しているが、第1のヒストグラムを、任意の次元で取り上げてもよい(実際、方法1400は、n次元システムで実行されるのに好適であり得、したがって、第1のヒストグラムは、行ヒストグラムでも列ヒストグラムでもなくてもよい)。第1のヒストグラムは、チャートから特定の母集団及びノイズを排除するように取り上げられている。例えば、死細胞、ノイズ、及び飽和細胞は、ピクセルマップから排除されることが所望され得る。ヒストグラムは、一次元であってもよいし、いくつかの実施形態ではn-1次元であってもよく、少なくとも1つの軸の全体にわたってピクセルマップによって表される密度関数の尺度となり得る。
【0140】
第1のヒストグラムの生成によって、動作1412において様々な対象となる点を確立して、対象となる母集団を識別することができ、他の母集団を削除し得る。例えば、ピクセルマップの密度関数は、追加の処理された関数(導関数、キープアウトバンド(keep out band)、最小値など)とともにプロットされ得る。極小値又は極大値を示す対象となる点を使用して、母集団の場所の中心を判定することができ、対象となる母集団を、動的プロセス又は静的プロセスに従って選択することができる。いくつかの実施形態では、所定又は設定された数のピクセル列(500ピクセル列など)を選択して、ピーク密度の中心、又はこの中心からオフセットしたところを中心とすることができる。他の実施形態では、感知されたデータに従って(例えば、極小値又は極大値に基づいて)、可変数の列を選択し得る。いくつかの実施形態では、固定数の列、行、ピクセルなどが、利用可能なコンピューティングパワーによって制限され得る。対象となる領域(ROI)は、選択された対象となる点に基づいて判定される。いくつかの実施形態は、複数の対象となる領域を含む。例えば、一実施形態では、飽和母集団は、以後に議論されるX/Y母集団に加えて、対象となる領域であり得る。そのような実施形態では、本方法1400と同様であり得るか、又は異なり得る各領域内で、追加の処理が実行され得る。
【0141】
動作1414において、進行中の処理が、選択された対象となる領域に基づき得るように、対象となる領域の外にある母集団のデータは、破棄され、アーカイブされ、消去されるなどされる。代替的に、又は加えて、ピクセルマップの要素が、定義される場所又は属性に従ってフィルタリングされてもよい。例えば、対象となる母集団の場所がプロット前に既知である場合、特定の測定値は、プロットされなくてもよく、ピクセル閾値を下回るピクセル(例えば、ノイズ、誤った試料などに起因する)は、領域にかかわらず抑制されてもよい。
【0142】
動作1416において、別のヒストグラムである、第1の行ヒストグラムが生成される。
図13B及び13Cに描かれたものなどのいくつかの実施形態では、第1の行ヒストグラムは、様々な精子の母集団の取られた側方蛍光データを含み、ピクセルマップの行の密度ヒストグラムである。代替の実施形態では、第2のヒストグラムは、直交軸に基づいてもよく、直交軸は、物理次元に関連していてもよく、関連していなくてもよい(例えば、第1のヒストグラムは、第1の蛍光測定値であり、第2の測定値は、第2の直交若しくは非直交の蛍光測定値、又は速度、位置などの別の測定値に基づく)。動作1410において、ピクセルマップの一部分が消去され、ゼロ化され、アーカイブされている場合があることから、第2の行ヒストグラムは、ピクセルマップの限られた部分にわたって生成されてもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、第2のヒストグラムは、省略され得る。例えば、前処理又は適切な座標系の使用を生成して、第1のヒストグラムによって捕捉されない母集団を最小化し得る。いくつかの実施形態では、第2のヒストグラム、又は第1のヒストグラムは、(例えば、適度の試料サイズの判定に続いて)1回のみ生成されてもよく、このことは、有利なことに、関連付けられたハードウェア要件を低減し得る処理要件を最小化し得るか、又は向上させた分解能及び/又は深さを可能にし得る。
【0144】
動作1418において、様々な対象となる点が、第1の行ヒストグラム上に見出される。対象となる点を判定することが最大密度に基づいてもよいし、追加の処理が行われてもよい。例えば、ヒストグラムの導関数がまた、ゼロ点(例えば、極大値及び最小値)を検出するようにプロットされてもよく、そのような極大値及び極小値又は最大値及び最小値を使用して、更なる検査及び処理のための対象となる領域を判定してもよい。
【0145】
動作1420において、不所望の母集団に関するデータを、破棄し、アーカイブし、消去するなどし得る。例えば、ピクセルマップ上の対象となる領域の外側の全てのデータが、そのように処分され得る。いくつかの実施形態では、いくつかのデータが、データがどの領域にあるかにかかわらず破棄され得る。例えば、密度の閾値を下回るピクセルが破棄され(すなわち、0密度に設定され)てもよいし、後の分析を簡素化するために他の前処理が行われてもよい。
【0146】
動作1422において、動作1414及び1420によって縮小されている場合がある対象となる領域中にわたって、第2の行ヒストグラムが生成される。いくつかのデータセットによれば、対象となる領域は、元のピクセルマップよりも実質的に小さくてもよく、これにより、追加の計算が可能になり得る。
【0147】
動作1424において、ピクセルマップの行(又はその一部分)の密度関数が生成され、密度関数の第1の導関数及び第2の導関数が生成され、これの導関数は、変曲点を判定することを支援し得る。変曲点を使用して、マップ上の対象となる点(POI)を識別し得る。例えば、母集団の中心の下方に位置し、かつ母集団の中心から離れた正の変曲点は、より低い閾値を示し得る。有利なことに、そのような手法は、密度値自体、又は密度値の絶対変化率を考慮するだけでは困難であり得る、尾部を有するものなどの比較的複雑なピクセルマップの特徴の位置特定を可能にし得る。
【0148】
動作1426において、尾部閾値が定義される。尾部閾値は、動作1424の第2の行ヒストグラムの密度関数の変曲点に基づいて定義され得る。例えば、減少する密度の速度は、母集団中心から離れた低下した母集団密度が尾部に達して遅くなるにつれて、低下する(すなわち、尾部が、尾部に垂直ではなく行に沿って整列することに起因する)。いくつかの実施形態では、変曲の点は、尾部閾値として使用され得る。他の実施形態では、固定又は可変オフセットが使用され得る。例えば、変曲点の上方又は下方の25個のピクセルが選択され得る。いくつかの実施形態では、閾値は、試料の現在の適格性又は歪みに基づいて、動的に判定され得る(例えば、閾値は、歪みを増加させるために上方に、又は適格性を増加させるために下方に調整され得る)。
【0149】
動作1430において、各行に対してトラフ線点が定義される。行は、要件及び利用可能なコンピューティングパワーに従って、高さの単一のピクセルであってもよいし、1つを超える数のピクセルを有する別の高さであってもよい。各行のヒストグラムを生成して、2つの母集団の間に配設された第1の母集団、第2の母集団、及びトラフ線点の場所を判定する。特に注目すべきは、(臨界点として定義される)行ヒストグラムに従う最大密度を有する行において判定されたトラフ線点があることである。
【0150】
動作1432において、全ての行が完了したかどうかの判定が行われる。行は、尾部閾値を上回る対象となる領域内のあらゆる行に従って完了されてもよいし、更に制限されてもよい。例えば、行は、密度関数に従って定義された上側境界によって(例えば、最小密度に達したときに)、又は変曲点若しくは臨界点によって、又は変曲点若しくは臨界点からのオフセットによって制限されてもよい(例えば、臨界点を上回る10個のピクセルの行は、計算された関連付けられたトラフ点を有してもよい)。いくつかの実施形態では、トラフ線は、追加の処理ステップに従って定義され得る。例えば、方法1200のプロセスと同様に、グリッド上の傾斜線に沿って行が定義され得る。
【0151】
動作1434において、トラフ線に沿って回帰を実行して、トラフ線を記述する多項式関数を定義する。この関数は、複数のトラフ点、臨界点における傾き(例えば、傾きはゼロに制限され得る)などによって制限され得る。いくつかの実施形態では、トラフ線は、二次多項式に限定され得る。例えば、トラフ線点が臨界点を上回ってサンプリングされない実施形態では、そのような実施形態は、所望の凹状を強制し得る。いくつかの実施形態では、多項式は、所望の歪み又は適格性メトリックのバランスをとるために、左又は右にシフトされ得る。多項式を計算するために、ピクセルマップは、「上方」、「下方」などへの様々な参照が随意に定義され得ることから、回転され得る。多様なセンサを含むいくつかの実施形態では、そのような参照は、n-1次元、n-2次元などから単一次元までであることに関して理解され得る。例えば、五次元システムでは、上記は、一次元又は四次元に関して実行され得る。
【0152】
動作1436において、複数の離散線セグメントが、多項式トラフ線にフィッティングするように生成される。線セグメントの数は、意図されたコンピューティングシステムに従って、又はゲートの所望の性能に従って判定され得る。一実施形態では、8セグメント線が、適度のゲート選択を提供し、計算上管理可能であり得る。いくつかの実施形態は、追加の又はより少ないセグメントを利用してもよい。いくつかの実施形態は、多項式関数を直接採用するゲートを強制してもよい。
【0153】
線セグメントが、対象となる領域/ピクセルマップを2つのゲートに二分してもよいし、追加の境界点が、ゲートを画定してもよい。例えば、ゲートの下側境界が、尾部閾値によって、又は尾部閾値に関連して定義されてもよい。ゲートの上側境界が、密度関数(例えば、最小密度、変曲点など)に基づいて、臨界点(例えば、尾部閾値と臨界点との間の垂直距離の2倍の距離)に関連して、固定され(例えば、対象となる領域の上面によって定義され)てもよいし、別様に定義されてもよい。非連続であり得る追加のゲートが形成されてもよい。例えば、1つのゲートが、
図13Cに描かれた画像の左側、及び
図13Bに描かれた飽和母集団の左側を含むことができる。そのような非連続ゲートは、単一(非連続)ゲートと称され、さもなければ多重(連続)ゲートと称され得る。
【0154】
図15Aを参照すると、1つ以上の方向から蛍光を検出し得る例示的な検出器が描かれている。検出器は、光感知面1510aを有するアバランシェフォトダイオード1510を備える。様々な波長の光が、センサ表面1510a上に光を方向付けるように構成されたチューブレンズ1520によってアバランシェフォトダイオード1510に集束され得る。レンズに入る光自体は、コリメータ1530によってアライメントされる。コリメータ1530は、追加のインターフェースを伴い得る光ファイバ(例えば、低ヒドロキシル(低OH)0.5NAマルチモードファイバ)から光を受け取る。例えば、ファイバは、様々な隔壁中の空隙を通過し得る。インターフェースに関連付けられた空隙を通した伝送は所望されない場合があり、システム動作にほとんど又は全く影響を与えずに、いくつかの減衰が許容可能であり得るように適度のマージンを有するシステムが設計され得る。当業者が理解するであろうように、所望の光周波数、波長などに従って、様々な光ファイバが選択され得る。例えば、低OHファイバは、特定の光波長に対して選択されない場合がある。
図15Bは、
図15Aの組み立てられたデバイスを描いたものである。
【0155】
図16Aを参照すると、ヒストグラム及びヒストグラムの導関数を示すデバッグプロットが描かれている。ヒストグラムは、
図13Bのピクセルマップなどのピクセルマップに関連し得る。第1のPOI1610において、ヒストグラムの最大値及び導関数のゼロによって、第1の母集団ピークが示されている。第1のPOI1610は、変曲点に基づいて、又は傾き及び/又はゼロからの偏差(例えば、不感帯からの出現)に基づいて判定され得る第1の左側境界1605によって境界付けされている。第1のPOI1610は、右側でも境界付けされている。例えば、第1の右側境界変曲点1620及び第1の右側境界不感帯カットオフ1625は、対象となる領域を画定し得る。例えば、第1のPOI1610と右側境界不感帯カットオフ1625との間の距離を使用して、第1の母集団を画定する帯域を判定することができ、この帯域は、非活性の細胞の母集団であることが既知であり得るか、又は推測され得る。
【0156】
最大値において第2のPOI1635を定義することができ、これは、別の母集団(例えば、雄性母集団)に相関し得る。第3のPOI1640が、第2のPOIと第4のPOIとの間に配設されたトラフ又は鞍(例えば、雌性母集団の最大値を表す)を定義し得る。当業者は、様々な最大値及び最小値が様々なピクセルマップに対して存在し得ることを理解するであろう。例えば、軸に沿って直線的に配設された2つの母集団を有するピクセルマップ(例えば、雄性精子及び雌性精子のバイモーダル母集団の側方蛍光を指すX軸に沿って)が、直交軸に沿って取られたヒストグラムの単一の最大値を有し得る。別の母集団1650(例えば、飽和母集団)が存在することが認められるが、POIは認められない。これは、小さい試料サイズ、密度などに起因してヒストグラム及び/又は導関数が不感帯エリアを出るに至らないためであり得るか、又はこの母集団を破棄するプログラム的決定の結果であり得る。
【0157】
ここで
図16Bを参照すると、16Aのプロットに対して様々な制限が課されている。第1の母集団中心1655は、第1のPOI1610の密度のピークに沿って配設されている。この点は、特定の場所などにある最小値を超えて第1のヒストグラムに従って選択され得るか、又は更に追加の制約に従って判定され得る(例えば、第1の左側境界1605の右、及び1つ以上の右側境界の右に配設される)。第1の母集団閾値1660が、第1の母集団中心の右に配設されて示されており、これを、第1の母集団中心1655と追加の母集団との間に配設された不感帯内の場所に基づいて判定することができ、このことは、今後のピクセルマップを生成すること、考慮されるピクセルマップからデータを切り捨てることなどに有用であり得る。第2の母集団閾値1655が、1つ以上の母集団の右側境界として示されている。例えば、第2の母集団閾値は、不感帯への戻りに基づいて、追加のPOIに基づいて、デバッグプロット又はピクセルマップ上の事前定義された又は手動で入力された点に基づいて生成され得る。
【0158】
図16Cを参照すると、追加のPOIを含む別のデバッグプロットが、関連付けられたピクセルマップと併せて開示されている。ピクセルマップは、
図16Bと同じ第2の母集団閾値、及び飽和細胞の母集団を指定し得る第2の母集団中心1675を開示している。本明細書で議論するように、そのようなヒストグラムは、第2の母集団をピクセルマップから消去し、第2の母集団を選好して、又は第2の母集団に不利に偏倚する目的で使用され得る。いくつかの実施形態では、第2の母集団は、更に処理され、第2の母集団(例えば、雄性及び雌性に分かれる)中心1675を更に定義することは、更なる処理ステップを可能にし得る。
【0159】
図17を参照すると、
図13Cのピクセルマップが描かれており、このピクセルマップ上に、垂直軸に沿った第1のヒストグラム1702及び対応する第1の導関数1704がオーバーレイされている。また、母集団中心に対応する垂直最大密度1710が描かれている。また、第2のヒストグラム1706及び対応する第1の導関数1708が、水平軸に沿ってオーバーレイされている。第2のヒストグラムは、第1の最大値1720、トラフ点1730、及び第2の最大値1740を含み、これらは、ピクセル図の任意の行に沿った密度を表し得る。これらの最大値点及び最小値点は、行ごとにプロットされ、第1の最大密度線1725、トラフ線1735、及び第2の最大密度線1745をもたらし得る。
【0160】
図18を参照すると、様々な方法(例えば、方法1200、方法1400など)を可能にし得る、システムを通る情報のフローが開示されている。センサ1610は、複数の方向から細胞の蛍光を測定する1つ以上の蛍光センサ、又は試料若しくは試料に関連付けられた環境の他の特質を測定し得る別のセンサタイプであり得るか、又はこれらを含み得る。センサデータは、損失を最小化し得る、第1のアナログ形式1815で受け渡され得る。当業者は、デジタルフィルタリング又はアナログフィルタリングの選択が特定の実装態様に従って選択され得ることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、アナログ信号の伝送損失が信号を劣化させることとなる場合、アナログからデジタルへの変換は、実用可能な限りすぐに施され得るのに対して、アナログ信号の非常に低い損失(又は均一な損失)を有するシステムでは、デジタル変換の前にアナログ信号に対して様々なフィルタリング及び処理が施され得る。描かれた実施形態では、アナログフィルタリング及び測定1820は、伝送されたアナログ信号で実行され、デジタル処理システムに入力されるデジタル信号データ1825をもたらし、デジタル処理システムは、様々な母集団、サブ母集団などをゲートするための、様々なフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、及び他の構成要素(例えば、組み込みFPGAシステム1830)を含み得る。ゲート実施データ1860は、母集団を偏倚するための偏倚要素1865(例えば、選択細胞を非活性化するためのレーザ又は他の非活性化デバイス)に供給され得る。
【0161】
ゲート実施データ1860に加えて、又はこの代わりに、様々なデータが組み込みソフトウェアシステム1840に提供されてもよく、組み込みソフトウェアシステム1840は、デジタルイベントデータに基づいてリアルタイム又は非リアルタイムのデータ分析を実行してもよく、様々なゲートデータ、境界、構成設定などを有する別の構成要素(例えば、組み込みFPGAシステム1830)を提供してもよい。いくつかの実施形態では、組み込みソフトウェアシステム1840はまた、サーバ1850及びクライアントを備える(例えば、データを記憶する、特定の処理をオフロードするなどのために)ハイパワーソフトウェアコンピューティングシステムとインターフェースしてもよい。サーバ1850は、次に、要約レポート、ゲート視覚化1855、予測データ又は分析データなどを、更なる処理のためにクライアントに提供し、様々なパラメータを調整し、又は本明細書に開示されるピクセルマップ、プロットなどのようなグラフィック表現によって様々なデータを提示し得るグラフィックユーザインターフェースなどを介して、視覚的プレゼンテーション又は他のプレゼンテーションをユーザに提供してもよい。
【0162】
図19を参照すると、別のフロー図が提示されている。細胞データ1910は、測定媒体A1920を通して伝送される。所望の測定値が前方蛍光のものである場合、測定媒体A1920は、様々な空隙、光学系、レンズなどを含み得る。測定媒体は、細胞データ1910を正確に測定すること、又はデータをセンサA(例えば、APDの光感知面)に受け渡す前に特定の特徴を増幅することを意図され得る。第2の測定値(例えば、側方蛍光)が、測定媒体B1925を通してセンサB1935に受け渡され得る。処理1940は、アナログデジタル変換、本明細書に記載されるようなデータ分析などを含み得るセンサ測定値に対して実行され得る。そのような処理は、ゲーティング1950を定義することができ、ゲーティング1950の場所は、特定の細胞が偏倚されるべきであることを示すことができ、このことは、いくつかの細胞を(例えば、レーザによって)非活性化することを含み得る。いくつかの実施形態では、この非活性化レーザは、蛍光センサなどのセンサとの干渉をもたらし、特定の細胞が飽和レベルの蛍光を示すことをもたらし得る。この飽和母集団及び他の母集団を第2の処理1960によって更に処理して、ゲート場所を最適化し、傾向データを判定するなどしてもよい。いくつかの実施形態では、第2の処理1960は、全てのゲート場所を判定し、第1の処理1940は、細胞が所与のゲート内にある(又はゲート内にない)かどうかを判定する。第2の処理1960はまた、処理をオフロードするためのサーバ、又は様々なデータを提示するためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)などへの、様々な入力/出力(I/O)デバイス1970とインターフェースし得る。いくつかの母集団では、ゲート基準及び他のシステムパラメータ(例えば、第1の処理、ゲーティングなどのパラメータ)は、I/Oデバイス1970を介して判定されてもよい。
【0163】
上記に見ることができるように、様々な実施形態では、二重検出器セットアップ又はシステムを使用することは、ヒストグラム中のY領域のサブセットをヒストグラムのXスライスから区別する能力を提供する。例えば、X軸上のCH2プロミネンスの二次元ヒストグラムでは、1.75~1.875は、X範囲における全てのY値をカバーすることとなろうが、第2の検出器の使用は、Y値を、識別し、かつ全てのY値のサブセット、例えば2.00~2.375に絞り込むことを提供する。全ての値のサブセットを定義することができることは、Y染色体を有する精子母集団に対するゲートの自動定義を提供することができる。
【0164】
様々な実施形態では、X染色体を有する精子細胞のセット又はX染色体を有する複数の精子細胞と、Y染色体を有する精子細胞のセット又はY染色体を有する複数の精子細胞と、を含むウシ属の動物又はブタの精液試料などの精液試料は、雌雄鑑別又は処理された精液生成物を生成するための二重検出器セットアップ又はシステムを備えるマイクロ流体システムによって処理され得る。雌雄鑑別又は処理された精液生成物は、第2のタイプの精子細胞(例えば、所望されるもの以外のDNA含有量を含む精子細胞)の母集団、第2のタイプの精子細胞のセット、又は複数の第2のタイプの精子細胞に対して、所望の第1のタイプの精子細胞(例えば、X染色体精子細胞又はY染色体精子細胞)の「純度」又はパーセンテージを有し得、第1の母集団の所望の純度は、50~55パーセント、55~60パーセント、60~65パーセント、65~70パーセント、70~75パーセント、75~80パーセント、80~85パーセント、85~90パーセント、及び90~95パーセントである。様々な実施形態では、所望の純度は、少なくとも75パーセント、少なくとも80パーセント、少なくとも85パーセント、少なくとも90パーセント、又は少なくとも95パーセントである。
【0165】
様々な実施形態では、2つの検出場所又は2つの検出器システムを使用して、Xゲートがどのように見えるべきかをより明確に理解することができる。Xゲートを、例えばX歪みの1%~2%の改善を得るように、最適化することができる。同じ歪みパーセンテージで、X染色体細胞の収集効率の更なる改善を得ることができる。例えば、ヒストグラム中の2つの「カンマ」形状の尾部を、Xピークの「ボール」又は頭部だけが収集されることとならないように、分析することができる。また、尾部を高い歪みパーセンテージで収集して、より高い適格性のためにX染色体細胞の全体的な収集パーセンテージを増加させることができる。この分析技法は、特定の特性の収集パーセンテージを増加させるために、他の粒子の他の「物理的特性又は位置特性」にも適用され得る。
【0166】
様々な実施形態では、検出器は、実質的に90度の直交検出器であり、一方は、チップの面に実質的に垂直に配向されており、また一方は、チップの面に実質的に平行に(例えば、チップの側面を通って、又はこれに沿って)配向されている。2つの直交配向された検出器を使用することは、単一の検出器と比較した場合に、より良好な配向測定を提供することができる。一方又は両方の検出器は、例えば、フォトマルチプライヤチューブ又はアバランシェフォトダイオードであり得る。
【0167】
様々な実施形態では、2つの検出器間の直交する位置関係は、フローストリーム内の細胞についての配向情報及び位置情報の両方を識別する能力を提供することができる。このことは、精子細胞などの非対称粒子にとって特に貴重な情報である。位置情報及び配向情報を使用して、ヒストグラムからの情報のサブセットを識別して、Y染色体を有する精子細胞についての偏倚を自動的に判定し、非対称細胞アライメントのための最適なマイクロ流体条件(例えば、流量、使用される傾斜路など)を判定することができる。例えば、一実施形態では、流量は、毎秒約10,000~約30,000個の細胞に選択され得、任意の特定の細胞が、毎秒約8~約15メートルの速度を有する。より具体的には、毎秒約10~約12メートルの速度で、毎秒約13,000~約20,000個の細胞の流量が選択され得る。センサ感度、発光率、及び演算能力に従って、追加の細胞又はより少ない細胞が、毎秒受け渡され得、より高い速度又はより低い速度を有し得る。
【0168】
様々な実施形態では、有益であり得る2つの検出器を使用して捕捉され得る追加の情報は、各検出器によって捕捉された任意の信号の明るさ、各検出器によって捕捉された任意の信号の持続時間、及び検出器についての同期のレベル又は程度である。
【0169】
様々な実施形態では、チップにおける開口部又はアクセスポートを通して使用される光ファイバは、殺傷レーザビームからのクロストーク又は干渉を低減するために、角度を付けられてもよく、かつ/又は湾曲したプロファイルを有してもよい。直交ファイバは、0.4などの特定の値の開口数を有するファイバであり得る。0.4の実効開口数を有する光収集システムであれば、様々な実施形態では、アバランシェフォトダイオードを使用するのに十分な蛍光情報の収集を提供することができよう。
【0170】
様々な実施形態では、二重検出器システムにおける重要な態様は、殺傷レーザからの信号のフィルタリングであり得る。直交(サイドポート)光ファイバについての湾曲プロファイル又は曲線プロファイルは、殺傷レーザ信号の必要とされるフィルタリングの一部又は全てを提供し得る。ソフトウェア又は電子機器ベースの解決策も使用され得る。殺傷レーザからの信号は、殺傷レーザのパルス幅が非常に短いため、検出レーザ及び/又は蛍光の信号からフィルタリングされ得る。殺傷レーザの蛍光強度は、持続時間がサブマイクロ秒であり、励起レーザが当たっている細胞から、はるかに長い蛍光パルスが検出される。ローパスフィルタなどのデジタル電子フィルタ又はアナログ電子フィルタを使用して、殺傷レーザからの信号をフィルタ除去して、細胞から蛍光パルスのみを得てもよい。
【0171】
様々な実施形態では、第2の(直交)検出器がまた、殺傷確認のために使用されてもよい。殺傷信号を(物理的手段又はソフトウェア手段によって)フィルタリングする代わりに、又はフィルタリングする前に、殺傷レーザによって引き起こされる蛍光パルス(短いマイクロパルス)を処理して、信号の強度、持続時間、又はタイミングに基づいて、細胞に正常に当たったか、又は細胞を正常に不活性化したかを判定し得る。殺傷レーザ信号を、検出レーザ信号(細胞からの蛍光パルス)からフィルタリング、除去、又は分割してもよく、殺傷確認決定を行うために別個に処理してもよい。従来の単一検出器システムは、マスキング又は物理的なフィルタ(例えば、回折格子)を使用して、殺傷レーザ信号をフィルタリングし、二重検出器セットアップにおけるように、殺傷信号及び検出信号の両方を処理するように容易に適応可能ではない。
【0172】
様々な実施形態では、使用されるファイバは、収集される光の波長に合わせて調整又は構成される光ファイバである。様々な実施形態では、マイクロ流体チップにおける光ファイバは、このシステムにおけるマイクロ流体チップの容易な、迅速な、かつ/又は単純な交換又は変更を提供するような方途で取り付けられ得る。これは、チップが「蛇行」することも、チップが変更されるたびに光ファイバを所定の位置に慎重に送り込むこともなく、チップの変更を提供する、チップにおけるインターフェース又はファイバ用の固定手段であり得る。
【0173】
様々な実施形態では、直交して位置付けされた二重検出器システムは、試料母集団内からのY染色体を有する精子細胞の効果的な区別を提供する。Y染色体を有する精子を母集団から分離するために、サイトメーターを通って移動するときに薄暗く見えるか、又は配向若しくは位置の違いを有するX染色体を有する精子も分離する必要がある場合がある。第2の検出器(例えば、光ファイバを使用した直交して位置付けられた検出器)を使用することは、貴重な配向情報及び位置情報を提供することができる。このことは、配列、頓服、レンズ効果、及び他の要因によって引き起こされる同様の信号からのDNA含有量に起因する蛍光信号の分化を提供することができる。
【0174】
様々な実施形態では、フローサイトメトリーシステムは、2つ以下の検出器を有する。そのような構成は、有利なことに、様々な実施形態で可能な、相対的に最小で、最も「軽量」で、安価なシステムを提供し得る。これにより、そのようなフローサイトメトリーシステムによって生成又は処理された任意の生成物についての複雑さ、オペレータ訓練時間、較正の複雑さ及び時間、並びに商品のコストが低減される。
【0175】
本明細書で使用される場合、ゲーティング動作は、検出器によって収集されるデータの分析に基づいて、「ゲート」又は「ゲーティング」を判定することを含み得る。ゲーティングは、何が判定されたゲートの内側にあり、何が判定されたゲートの外側にあるかを判定することを伴い得る。ゲーティング動作は、粒子がどのように処理されることとなるかの判定、又はゲートのサイズ又はパラメータを判定すること伴い得る。様々な実施形態では、ゲーティング動作の後に、例えば、濃縮ステップ、選択ステップ、選別ステップ、不活性化ステップ、焼灼ステップ、殺傷ステップなどであり得る「アクションステップ」又は「アクション動作」が続き得る。様々な実施形態では、アクションは、1)ゲートのサイズ又はパラメータの判定、及び2)粒子がゲートの内側にあるか外側にあるかの判定の後に実行され得る。
【0176】
追加的に、様々な実施形態では、単一検出器ゲートベースのシステムを、最適化されていないシステムに対してより良好に性能発揮し得るが、二重検出器システムの性能レベルに近づき得るように、二重検出器ベースのシステムから集取された情報を使用して最適化してもよい。
【0177】
様々な実施形態では、多検出器システム(例えば、2検出器システム)からの情報を使用して、1検出器システム上で偏倚動作を実行し得る。例えば、特定の実施形態では、二次元ヒストグラムを使用して、一次元ヒストグラムを使用すると識別することができないであろう、重複する「尾部」領域を識別する。2検出器システムを使用してゲーティングを実行し、このゲートは、1検出器システムによって使用される。1検出器システムからのいくつかのフィードバックを、そのシステムの特定の測定された動作に基づいて調整するために提供し得る。効果的に、2検出器システムからのデータは、重複する領域における雄性母集団及び雌性母集団のより良好な識別を可能にする。この知識があると、2検出器データを、データが単一検出器システムから生じたかのように再評価することができ、ゲートを、歪みを増加させるように数学的に最適化することができる。
【0178】
例えば、様々な実施形態では、例示的なプロセスは、特性を測定し、2検出器システムを使用してゲーティングを実行することと、特定の測定された特性及び2検出器システムの動作に基づいて、1検出器システムで使用される最良のゲートを計算することと、2検出器システムによって提供されるゲートを有する1検出器システムを使用して細胞を分類することと、を伴い得る。
【0179】
本明細書で利用される場合、「およそ」、「約」、「実質的に」という用語、及び同様の用語は、本開示の主題が属する当業者による一般的かつ受け入れられた使用法と調和した広い意味を有することが意図されている。これらの用語は、これらの特徴の範囲を提供される正確な数値範囲に制限することなく、記載され、特許請求される特定の特徴の説明を可能にすることが意図されていることを、本開示を検討する当業者は理解するはずである。したがって、これらの用語は、記載され、特許請求される主題の実質的でない又は重要でない修正又は改変が、添付の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲内であるとみなされることを示すものと解釈されるべきである。
【0180】
本明細書で様々な実施形態を説明するために使用される「例示的な(exemplary)」、「例示的な(example)」、「潜在的な」という用語、及びそれらの変化形は、そのような実施形態が、可能な実施形態の可能な例、表現、又は例示であることを示すことが意図されている(及びそのような用語は、そのような実施形態が必ずしも特別又は最高の例であることを意味することを意図されていない)ことに留意されたい。
【0181】
本明細書で使用される場合、「結合された」という用語及びその変化形は、2つの部材の互いの直接的又は間接的な接合を意味する。そのような接合は、静的(例えば、永久的又は固定的)又は移動可能(例えば、取り外し可能又は解放可能)であり得る。そのような接合は、互いに直接結合された2つの部材、別個の介在部材及び互いに結合された任意の追加の中間部材を使用して互いに結合された2つの部材、又は2つの部材のうちの1つと単一体として一体的に形成された介在部材を使用して互いに結合された2つの部材を用いて達成され得る。「結合された」又はその変化形が追加の用語によって修正される(例えば、直接結合された)場合、上記で提供される「結合された」の包括的な定義は、追加の用語の平易な言葉の意味によって修正され(例えば、「直接連結された」は、いかなる別個の介在部材もなく2つの部材を接合することを意味する)、上記で提供される「結合された」の包括的な定義よりも狭い定義をもたらす。そのような結合は、機械的であっても、電気的であっても、流体的であってもよい。
【0182】
本明細書で使用される場合、「又は」という用語は、要素のリストをつなげるために使用される場合に、「又は」という用語が、列挙内の要素のうちの1つ、いくつか、又は全てを意味するように、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用される。別段断らない限り、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という語句などの接続語は、要素が、X、Y、Zのいずれか、XとY、XとZ、YとZ、又はXとYとZ(すなわち、X、Y、及びZの任意の組み合わせ)であり得ることを伝えると理解される。したがって、そのような接続語は、概して、別途示されない限り、特定の実施形態が少なくとも1つのX、少なくとも1つのY、及び少なくとも1つのZがそれぞれ存在することを必要とすることを含意することを意図されていない。
【0183】
要素の位置(例えば、「最上」、「最下」、「上方」、「下方」)への本明細書での参照は、単に、図中の様々な要素の配向を説明するために使用されている。様々な要素の配向は、他の例示的な実施形態に従って異なり得ること、及びそのような変形は、本開示によって包含されることが意図されていることに留意されたい。
【0184】
本明細書で説明される実施形態は、図面を参照して説明されたものである。図面は、本明細書で説明されるシステム、方法、及びプログラムを実装する特定の実施形態の特定の詳細を例示している。しかしながら、図面を用いて実施形態を説明することが、図面に存在し得る任意の制限を本開示に課すものと解釈するべきではない。
【0185】
例示的な実施形態に示される、デバイス、アセンブリ、及びステップの構造及び配置は、単なる例示であることに留意することが重要である。追加的に、一実施形態に開示される任意の要素は、本明細書に開示される任意の他の実施形態と組み合わされてもよいし、これとともに利用されてもよい。別の実施形態に組み込まれ得るか、又は利用され得る一実施形態からの要素の1つの例のみが上述されているが、様々な実施形態の他の要素が、本明細書に開示される他の実施形態のいずれかと組み合わされ得るか、又はこれとともに利用され得ることを理解されたい。
【0186】
前述の実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提示されたものである。網羅的であること、又は開示された形態そのものに本開示を限定することは意図されておらず、修正及び変形が、上記の教示に照らして可能であるか、又は本開示から取得され得る。本開示の原理と、当業者が様々な実施形態を、想定される特定の使用に適するような様々な修正とともに利用することを可能にするための、その実際的な応用と、を説明するために、実施形態を選定及び説明した。添付の特許請求の範囲に表されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、実施形態の設計、動作条件、及び配置において、他の置換、修正、変更、及び省略が行われ得る。
【0187】
本開示の全体に従って、当業者が理解するであろう実体のない実施形態を表すために、いくつかの試料の実施形態が以下に開示される。
実施形態AA:方法であって、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を有する粒子母集団を含む試料を提供することと、試料がチャネルを通過する際に、光源から照明光を、照明光が試料中の粒子と一致するように、第1の軸に沿って放出することと、第1の光検出器を使用して、第1の軸に沿って試料から放出された第1の光を検出することと、第1の光検出器又は第2の光検出器を使用して、第2の軸に沿って試料から放出された第2の光を検出することと、第1の軸に沿って放出された検出された第1の光、及び第2の軸に沿って放出された検出された第2の光に基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を修正する偏倚動作を実行することと、を含む、方法。
実施形態AB:第1の粒子タイプ及び第2の粒子タイプが、2つの性別の生存細胞であり、異なる粒子タイプが、非活性化細胞である、実施形態AA。
実施形態AC:第1の光及び第2の光が、(i)試料中の粒子に対する照明光の入射から結果として生じ、かつ(ii)試料中の蛍光粒子から複数の異なる方向に進行する蛍光である、実施形態AA又はAB。
実施形態AD:試料から第1の軸及び第2の軸に沿って放出された光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成すること、強度マップに基づいて、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出すること、第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算すること、第1の母集団中心と第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算すること、を含み、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定し、第1の母集団と第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定し、第1の母集団又は第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、ゲートが、第1の鞍点、第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成する、実施形態AA~ACのいずれか。
実施形態AE:ピクセルマップ内のカーネルを計算すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第1のインスタンスをピクセルマップに追加すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第2のインスタンスをピクセルマップに追加すること、ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出すること、ピクセルマップからデータを削除すること、ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出すること、第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成すること、ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出すること、第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成すること、第1のトラフ点及び第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成すること、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすること、を含む、実施形態AA~ADのいずれか。
実施形態AF:第1の軸が、第2の軸に対してある角度をなし、角度が、45度~135度である、実施形態AA~AEのいずれか。
実施形態AG:角度が、75度~105度である、実施形態AA~AFのいずれか。
実施形態AH:角度が、85度~95度である、実施形態AA~AGのいずれか。
実施形態AI:第1の軸が、第2の軸に直交する、実施形態AA~AHのいずれか。
実施形態AJ:第1の軸及び第2の軸が、同じ方向に沿っており、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを使用して、第1の検出器を使用して、波長の差に基づいて、第1の光及び第2の光を観測する、実施形態AA~AIのいずれか。
実施形態AK:第1の光が、第1の軸に沿った第1の位置に定位された第1の検出器を使用して検出され、第2の光が、第2の軸に沿った第2の位置に定位された第2の検出器を使用して検出される、実施形態AA~AJのいずれか。
実施形態AL:2つ以下の検出器を使用して、試料からの発光を検出する、実施形態AA~AKのいずれか。
実施形態AM:(i)第1の光が、第1の軸に沿った第1の位置に定位された第1の検出器を使用して検出され、(ii)第2の光が、第2の軸に沿った第2の位置から第1の軸に沿った第1の位置まで光を伝送する光ファイバ素子を介して、第1の検出器を使用して検出される、実施形態AA~ALのいずれか。
実施形態AN:第1の検出器が、第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域を有する複数ピクセル光検出器を備え、方法は、第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域における第1の光及び第2の光の強度に基づいて、それぞれ、各粒子の物理的位置特性を判定することを更に含む、実施形態AA~AMのいずれか。
実施形態AO:偏倚動作が、第2の光源を使用して、試料に第3の光を放出して、試料中の個々の粒子の状態を変化させることを含む、実施形態AA~ANのいずれか。
実施形態AP:第3の光を放出して、試料中の粒子を活性化する、実施形態AA~AOのいずれか。
実施形態AQ:粒子が、第1の粒子タイプであり、第3の光を使用して粒子を活性化することが、粒子を第2の粒子タイプに変換する、実施形態AA~APのいずれか。
実施形態AR:第2の光を放出して、試料中の粒子を不活性化する、実施形態AA~AQのいずれか。
実施形態AS:照明光が、試料チャネルを通って流れる試料の経路中の第1の場所で試料と一致し、第3の光が、試料の経路中の第2の場所で試料と一致するように試料に放出され、第2の場所が、第1の場所の下流にある、実施形態AA~ARのいずれか。
実施形態AT:試料中の1つ以上の粒子のセット中の各粒子の配向特徴を判定することを含む、実施形態AA~ASのいずれか。
実施形態AU:配向特徴が、検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて判定される、実施形態AA~ATのいずれか。
実施形態AV:偏倚動作が、各粒子の配向特徴に基づいて、各粒子に対して実行される、実施形態AA~AUのいずれか。
実施形態AW:粒子母集団が、細胞母集団であり、第1の粒子タイプが、第1の細胞型であり、第2の粒子タイプが、第2の細胞型である、実施形態AA~AVのいずれか。
実施形態AX:検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて、試料中の各細胞の配向特徴を判定することを含む、実施形態AA~AWのいずれか。
実施形態AY:配向特徴が、第2の軸に対する各細胞の一次表面の相対配向を含む、実施形態AA~AXのいずれか。
実施形態AZ:各細胞の一次表面が、細胞の平坦部側又は細胞の縁部側である、実施形態AA~AYのいずれか。
実施形態AAA:第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞である、実施形態AA~AZのいずれか。
実施形態AAB:偏倚動作によって修正された割合が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を含む、実施形態AA~AAAのいずれか。
実施形態AAC:偏倚動作を実行することが、試料中の雌性精子細胞を不活性化することを含む、実施形態AA~AABのいずれか。
実施形態AAD:光源が、第1の波長を有するレーザであり、第1の光及び第2の光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する蛍光である、実施形態AA~AACのいずれか。
実施形態AAE:光源が、第1の光源であり、偏倚動作を実行することが、第2の光源を使用して試料に光を放出し、試料中の第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプのいずれかの粒子の状態を変化させることを含む、実施形態AA~AADのいずれか。
実施形態AAF:偏倚動作が、第2の軸に沿って検出された蛍光と組み合わせた、第1の軸に沿って検出された蛍光に基づいて実行される、実施形態AA~AAEのいずれか。
実施形態AAG:第1の軸及び第2の軸に沿った強度のヒストグラムを生成することと、第1のタイプの粒子又は第2のタイプの粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を含む、実施形態AA~AAFのいずれか。
実施形態AAH:第1の光及び第2の光が、試料中の粒子の蛍光であり、ヒストグラムが、第1の軸及び第2の軸に沿った蛍光強度に対応する、実施形態AA~AAGのいずれか。
実施形態AAI:第1の光及び第2の光が、蛍光であり、(i)検出された第1の光及び検出された第2の光に基づいて、試料中のセット粒子中の各粒子の配向特徴を判定することと、(ii)第1の軸及び第2の軸における蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(iii)第1の配向特徴を有する粒子及び第2の配向特徴を有する粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む、実施形態AA~AAHのいずれか。
実施形態AAJ:方法は、光が複数の方向に検出される第1のマイクロ流体システム上に実装され、方法は、多方向光検出を有しない第2のマイクロ流体システムに対して、識別された領域に基づいて第2の偏倚動作を実行することを更に含む、実施形態AA~AAIのいずれか。
実施形態AAK:マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、第2の軸に沿って放出された第2の光がアクセスポートを介して収集される、アクセスポートを更に備える、実施形態AA~AAJのいずれか。
実施形態AAL:マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える、実施形態AA~AAKのいずれか。
実施形態AAM:光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端する、実施形態AA~AALのいずれか。
実施形態AAN:第1の軸に沿って放出された検出された第1の光と、第2の軸に沿って放出された検出された第2の光と、に基づいてゲーティング動作を実行することを含む、実施形態AA~AAMのいずれか。
実施形態AAO:ゲーティング動作が、マイクロ流体チップ中の試料の流体力学的フローに影響を与える、実施形態AA~AANのいずれか。
実施形態AAP:偏倚動作が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの割合を修正するために、検出された第1の光と検出された第2の光との両方を必要とする、実施形態AA~AAOのいずれか。
実施形態AAQ:ピクセルマップ内のカーネルを計算すること、第1の軸及び第2の軸に沿って複数の試料から放出された光に基づいて、カーネルの事前定義された数のインスタンスをピクセルマップに追加すること、第1の軸に沿ってピクセルマップから第1のヒストグラムを導出すること、第1のヒストグラムに基づいて、ピクセルマップからデータを削除すること、第2の軸に沿ってピクセルマップから第2のヒストグラムを生成すること、第2のヒストグラムに基づいて、ピクセルマップ内の対象となる領域を判定することと、ピクセルマップの対象となる領域の第2の軸に沿った追加の複数のヒストグラムを生成すること、追加の複数のヒストグラムに基づいて、複数のトラフ点を判定すること、複数のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成すること、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすること、を含む、実施形態AA~AAPのいずれか。
実施形態BA:実施形態AA~AAPの方法に従って生成された第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの修正された割合を有する粒子母集団を含む生成物。
実施形態CA:方法であって、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料であって、試料が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第1の割合を有する粒子母集団を含む、試料を提供することと、照明光源を使用して、コヒーレント光を、試料がチャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、照明軸に沿って放出することと、マイクロ流体チップからの第1の方向に沿った第1の場所で第1の光検出器を使用して、試料から第1の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することと、第1の場所で、又はマイクロ流体チップからの第2の方向に沿った第2の場所で第2の光検出器を使用して、試料から第2の方向に進行する1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することと、光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を得るように、偏倚動作を実行することと、を含む、方法。
実施形態CB:光の第1のセットが、試料中の粒子からの第1の方向の蛍光を含み、光の第2のセットが、試料中の粒子からの第2の方向の蛍光を含む、実施形態CA。
実施形態CC:試料中の粒子に入射する照明光が、試料中の粒子の蛍光をもたらす、実施形態CA又はCB。
実施形態CD:偏倚動作が、マイクロ流体チップ中の試料フローに影響を与えるゲーティング動作を含む、実施形態CA~CCのいずれか。
実施形態CE:偏倚動作が、試料に第2のコヒーレント光を放出することを含む、実施形態CA~CDのいずれか。
実施形態CF:第2のコヒーレント光が第2の光源を使用して放出される、実施形態CA~CEのいずれか。
実施形態CG:第2のコヒーレント光が、第1のコヒーレント光の波長よりも低い波長を有する、実施形態CA~CFのいずれか。
実施形態CH:第1のコヒーレント光が、試料フローの経路に沿った第1の場所で試料と一致し、第2のコヒーレント光が、第1の場所の下流にある経路に沿った第2の場所で試料と一致するように放出される、実施形態CA~CGのいずれか。
実施形態CI:第2のコヒーレント光が、試料中の粒子を活性化する、実施形態CA~CHのいずれか。
実施形態CJ:第2のコヒーレント光が、試料中の粒子を不活性化する、実施形態CA~CIのいずれか。
実施形態CK:第1の光検出器が、検出器モジュールの第1のピクセル検出領域であり、第2の検出器が、検出器モジュールの第2のピクセル検出領域である、実施形態CA~CJのいずれか。
実施形態CL:第1のピクセル検出領域及び第2のピクセル検出領域における第1の光及び第2の光の強度に基づいて、各粒子の物理的位置特性を判定することを含む、実施形態CA~CKのいずれか。
実施形態CM:粒子母集団が、細胞母集団であり、第1の粒子タイプが、第1の細胞型であり、第2の粒子タイプが、第2の細胞型である、実施形態CA~CLのいずれか。
実施形態CN:試料中の複数の細胞の配向特徴を判定することを含む、実施形態CA~CMのいずれか。
実施形態CO:配向特徴が、検出された光の第1のセット及び検出された光の第2のセットに基づいて判定される、実施形態CA~CNのいずれか。
実施形態CP:偏倚動作が、(i)複数の細胞の各々に対して、かつ(ii)追加的に複数の細胞の各々の配向特徴に基づいて実行される、実施形態CA~COのいずれか。
実施形態CQ:第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、かつ第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞であるか、又は第1の細胞型が、X染色体を有する雌性精子細胞であり、かつ第2の細胞型が、X染色体を有しない雄性精子細胞である、実施形態CA~CPのいずれか。
実施形態CR:複数の細胞の配向特徴が、(i)照明アクセスに面する細胞の一次表面に対応する第1の配向、及び(ii)照明軸に面して配向された細胞の二次表面に対応する第2の配向を含む、実施形態CA~CQのいずれか。
実施形態CS:複数の細胞の配向特徴が、(i)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して平坦部側を配向された細胞に対応する第1の配向、及び(ii)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して縁部側を配向された細胞に対応する第2の配向を含む、実施形態CA~CRのいずれか。
実施形態CT:複数の細胞の配向特徴が、縁部側と平坦部側との間で遷移的に配向された細胞に対応する第3の配向を更に含む、実施形態CA~CSのいずれか。
実施形態CU:偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、第2の割合が、第1の割合よりも大きい、実施形態CA~CTのいずれか。
実施形態CV:偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を不活性化することを含む、実施形態CA~CUのいずれか。
実施形態CW:光の第1のセットが、第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含み、光の第2のセットが、第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含む、実施形態CA~CVのいずれか。
実施形態CX:照明光源が、第1の波長を有するレーザであり、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する、実施形態CA~CWのいずれか。
実施形態CY:偏倚動作を実行することが、試料中の第1の粒子タイプ又は第2の粒子タイプの1つ以上の粒子の状態を変化させることを含む、実施形態CA~CXのいずれか。
実施形態CZ:偏倚動作が、第2の方向に検出された蛍光と組み合わせた、第1の方向に検出された蛍光に基づいて実行される、実施形態CA~CYのいずれか。
実施形態CAA:偏倚動作が、(i)第1の方向の蛍光、及び(ii)第2の方向の光散乱及び蛍光の両方に基づいて実行される、実施形態CA~CZのいずれか。
実施形態CAB:第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の細胞型の粒子又は第2の細胞型の粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を含む、実施形態CA~CAAのいずれか。
実施形態CAC:第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の配向特徴を有する粒子及び第2の配向特徴を有する粒子に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を含む、実施形態CA~CABのいずれか。
実施形態CAD:第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(i)第1の細胞型の粒子、(ii)第2の細胞型の粒子、(iii)第1の配向特徴を有する粒子、又は(iv)第2の配向特徴を有する粒子、のうちの少なくとも1つに対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を含む、実施形態CA~CACのいずれか。
実施形態CAE:方法は、光が複数の方向に検出される第1のマイクロ流体システム上に実装され、方法は、多方向光検出を有しない第2のマイクロ流体システムに対して、識別された領域に基づいて第2の偏倚動作を実行することを更に含む、実施形態CA~CADのいずれか。
実施形態CAF:第1の方向が、照明軸に沿っており、第2の方向が、照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っている、実施形態CA~CAEのいずれか。
実施形態CAG:第2の方向が、照明軸に直交する、実施形態CA~CAFのいずれか。
実施形態CAH:第2の方向が、照明軸に対してある角度をなし、角度が、45度~135度である、実施形態CA~CAGのいずれか。
実施形態CAI:マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、アクセスポートを介して光の第2のセットが収集される、アクセスポートを更に備える、実施形態CA~CAHのいずれか。
実施形態CAJ:マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える、実施形態CA~CAIのいずれか。
実施形態CAK:光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端する、実施形態CA~CAJのいずれか。
実施形態CAL:第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを更に含む、実施形態CA~CAKのいずれか。
実施形態CAM:フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを更に含む、実施形態CA~CALのいずれか。
実施形態CAN:光の第3のセットの特性を検出することに基づいて、試料中の粒子の不活性化を判定することを含む、実施形態CA~CAMのいずれか。
実施形態CAO:修正された細胞母集団に基づいて、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第3の割合を得るように、(i)マイクロ流体チップ、又は(ii)試料がマイクロ流体チップに提供される様式、のうちの少なくとも1つを変更することを含む、実施形態CA~CANのいずれか。
実施形態CAP:偏倚動作に続いてチャネルを介して試料を収集することを含む、実施形態CA~CAOのいずれか。
実施形態DA:実施形態AA~CAOに従って生成された第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの第2の割合を有する修正された粒子母集団を含む生成物。
実施形態EA:フローサイトメトリーシステムであって、第1の波長を有し、かつマイクロ流体チップの試料チャネルと一致するコヒーレント光を放出するように構成された照明光源と、試料チャネルから第1の方向に進行する光を検出するように構成された第1の光検出器と、試料チャネルから第2の方向に進行する光を検出するように構成された第2の光検出器と、制御ユニットと、を備え、制御ユニットは、(i)マイクロ流体チップの試料チャネルを通過する試料であって、試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含む、試料を照明し、(ii)第1の光検出器を使用して第1の光を検出し、第2の光検出器を使用して第2の光を検出し、かつ(iii)第1の光検出器を使用して検出された第1の光と、第2の光検出器を使用して検出された第2の光と、の両方に基づいて、細胞母集団を修正して第1の細胞型対第2の細胞型の第2の割合を得るための偏倚動作を実行するように、1つ以上の偏倚機構を制御するように構成されている、フローサイトメトリーシステム。
実施形態EB:マイクロ流体チップが、第2の光が第2の検出器に到達するために通って進行する光ファイバ素子を有するアクセスポートを備える、マイクロ流体チップを含む、実施形態EA。
実施形態EC:第1の方向が、照明光源の照明軸であり、第2の検出器が、照明軸に対してある角度をなす光を検出するように位置付けられている、実施形態EA又はEB。
実施形態ED:角度が、45度~135度である、実施形態EA~ECのいずれか。
実施形態EE:第1の方向が、照明光源の照明軸であり、第2の検出器が、照明軸に対して直交して進行する光を検出するように位置付けられている、実施形態EA~EDのいずれか。
実施形態EF:1つ以上の偏倚機構が、照明レーザに対してより高い強度又はより低い波長を有する第2のレーザを含み、制御ユニットが、第2のレーザを使用して、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を不活性化するように更に構成されている、実施形態EA~EEのいずれか。
実施形態EG:1つ以上の偏倚機構が、マイクロ流体チップ中の試料フローに影響を与えるアクチュエータを含む、実施形態EA~EFのいずれか。
実施形態EH:制御ユニットが、第1の検出器を使用して検出された前方蛍光と、第2の検出器を使用して検出された側方蛍光と、に基づいて、偏倚動作を実行するように構成されている、実施形態EA~EGのいずれか。
実施形態EI:制御ユニットが、第1の方向及び第2の方向における蛍光強度のヒストグラムを生成するように更に構成されている、実施形態EA~EHのいずれか。
実施形態EJ:制御ユニットが、(i)第1の細胞型の粒子、(ii)第2の細胞型の粒子、(iii)第1の配向特徴を有する粒子、又は(iv)第2の配向特徴を有する粒子、のうちの少なくとも1つに対応するヒストグラム中の領域を識別するように更に構成されている、実施形態EA~EIのいずれか。
実施形態EK:制御ユニットが、識別された領域に基づいて、第2の方向ではなく第1の方向に進行する検出された光のみを使用して第2の試料に対して第2の偏倚動作を実行するように、1つ以上の偏倚機構を制御するように更に構成されている、実施形態EA~EJのいずれか。
実施形態FA:マイクロ流体チップであって、試料入口から試料出口まで延在し、かつ細胞母集団を含む試料を受容するように構成された試料チャネルと、マイクロ流体チップの開口部から試料チャネルまで延在するアクセスポートと、アクセスポート内に定位されており、かつ試料チャネルを通過する試料から光散乱及び蛍光のうちの少なくとも1つに対応する波長を有する光の波長を伝送するように構成された光ファイバ素子と、を備え、マイクロ流体チップが、照明軸に沿って照明レーザを使用して試料を照射するように構成されており、照明軸に同軸で放出された光を収集するように構成されており、光ファイバ素子が、照明レーザを使用して照射された細胞から直交して放出された光を収集するように構成されており、試料の細胞母集団中の細胞の配向特徴が、光ファイバ素子によって収集された光と、照明軸に同軸で収集された光と、から導出可能である、マイクロ流体チップ。
実施形態FB:光ファイバ素子を通って伝送された光の散乱波長から光の蛍光波長を分離するように構成されたビーム分割素子を備える、実施形態FA。
実施形態FC:試料の細胞母集団中の細胞の配向特徴が、照明軸に対する粒子の一次表面の相対配向である、実施形態FA又はFB。
実施形態GA:生成物であって、試料チャネルを有するマイクロ流体チップに試料であって、試料が、第1の粒子タイプ対第2の粒子タイプの初期割合を有する粒子母集団を含む、試料を提供することと、照明光源を使用して、コヒーレント光を、試料がチャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、照明軸に沿って放出することと、マイクロ流体チップから第1の方向に第1の場所で、第1の場所における第1の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することと、マイクロ流体チップから第2の方向に第2の場所で、第2の場所における第2の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することと、光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて、試料中の各細胞についての配向又は位置のうちの少なくとも1つを判定することと、(i)判定された配向又は位置のうちの少なくとも1つと、(ii)検出された光の第1のセット及び検出された光の第2のセットのうちの少なくとも1つと、に基づいて、第1の細胞型対第2の細胞型の修正された割合を有する修正された細胞母集団を得るように、偏倚動作を実行することと、を含む、方法に従って生成された、第1の細胞型対第2の細胞型の修正された割合を有する修正された細胞母集団を含む、生成物。
実施形態GB:第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞である、実施形態GA。
実施形態GC:偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、修正された割合が、初期割合よりも大きい、実施形態GA又はGB。
実施形態GD:照明光源が、第1の波長を有するレーザであり、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する、実施形態GA~GCのいずれか。
実施形態GE:偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を焼灼することを含む、実施形態GA~GDのいずれか。
実施形態GF:偏倚動作が、第2の方向に検出された蛍光と組み合わせた、第1の方向に検出された蛍光に基づいて実行される、実施形態GA~GEのいずれか。
実施形態GG:偏倚動作が、(i)第1の方向の蛍光、及び(ii)第2の方向の光散乱及び蛍光の両方に基づいて実行される、実施形態GA~GFのいずれか。
実施形態GH:方法が、第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、第1の細胞型の細胞又は第2の細胞型の細胞に対応するヒストグラム中の領域を識別することと、を更に含む、実施形態GA~GGのいずれか。
実施形態GI:第1の方向が、照明軸に沿っており、第2の方向が、照明軸に対して角度を付けられた第2の軸に沿っている、実施形態GA~GHのいずれか。
実施形態GJ:第2の方向が、照明軸に直交する、実施形態GA~GIのいずれか。
実施形態GK:第2の方向が、照明軸に対してある角度をなし、角度が、45度~135度である、実施形態GA~GJのいずれか。
実施形態GL:マイクロ流体チップが、アクセスポートであって、アクセスポートを介して光の第2のセットが収集される、アクセスポートを更に備える、実施形態GA~GKのいずれか。
実施形態GM:マイクロ流体チップのアクセスポートが、光の第2のセットを伝送するための光ファイバ素子を備える、実施形態GA~GLのいずれか。
実施形態GN:光ファイバ素子が、蛍光波長を照明光源に対応する波長から分離するように構成されたビーム分割素子において終端する、実施形態GA~GMのいずれか。
実施形態GO:方法は、第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを更に含む、実施形態GA~GNのいずれか。
実施形態GP:フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを更に含む、実施形態GA~GOのいずれか。
実施形態GQ:方法が、光の第3のセットに基づいて、試料中の細胞の不活性化を判定することを更に含む、実施形態GA~GPのいずれか。
実施形態GR:方法が、第2の照明光源からの光の第3のセットをフィルタリングすることを更に含む、実施形態GA~GQのいずれか。
実施形態GS:フィルタリングすることが、曲線形状を有する長さによって画定される光ファイバによってフィルタリングすることを更に含む、実施形態GA~GRのいずれか。
実施形態GT:方法が、光の第3のセットに基づいて、試料中の細胞の不活性化を判定することを更に含む、実施形態GA~GSのいずれか。
実施形態HA:方法であって、照明光源を使用して、コヒーレント光を、試料がマイクロ流体チップの試料チャネルを通過する際にコヒーレント光が試料と一致するように、放出することであって、試料が、第1の細胞型対第2の細胞型の第1の割合を有する細胞母集団を含む、放出することと、マイクロ流体チップから第1の方向に第1の場所で、第1の場所における第1の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第1のセットを検出することと、マイクロ流体チップから第2の方向に第2の場所で、第2の場所における第2の光検出器を使用して、1つ以上の波長の1つ以上の光の第2のセットを検出することと、光の第1のセット及び光の第2のセットに基づいて、試料中の複数の細胞の配向特徴を判定することと、(i)複数の細胞の配向特徴、及び(ii)光の第1のセット又は光の第2のセットのうちの少なくとも1つに基づいて、第1の細胞型対第2の細胞型の第2の割合を有する修正された細胞母集団を得るように、偏倚動作を実行することと、を含む、方法。
実施形態HB:第1の細胞型が、Y染色体を有する雄性精子細胞であり、第2の細胞型が、Y染色体を有しない雌性精子細胞である、実施形態HA。
実施形態HC:偏倚動作の結果として、修正された細胞母集団が、雌性精子細胞に対してより多くの雄性精子細胞を有するように、第2の割合が、第1の割合よりも大きい、実施形態HA又はHB。
実施形態HD:複数の細胞の配向特徴が、(i)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して平坦部側を配向された細胞に対応する第1の配向、及び(ii)第1の検出器又は第2の検出器のうちの少なくとも1つに対して縁部側を配向された細胞に対応する第2の配向を含む、実施形態HA~HCのいずれか。
実施形態HE:複数の細胞の配向特徴が、縁部側と平坦部側との間で遷移的に配向された細胞に対応する第3の配向を更に含む、実施形態HA~HDのいずれか。
実施形態HF:光の第1のセットが、第1の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含み、光の第2のセットが、第2の方向の光散乱又は蛍光のうちの少なくとも1つを含む、実施形態HA~HEのいずれか。
実施形態HG:照明光源が、第1の波長を有するレーザであり、蛍光が、第1の波長とは異なる第2の波長を有する、実施形態HA~HFのいずれか。
実施形態HH:偏倚動作を実行することが、試料中の第1の細胞型又は第2の細胞型の1つ以上の細胞を焼灼することを含む、実施形態HA~HGのいずれか。
実施形態HI:偏倚動作が、第1の方向に検出された蛍光と、第2の方向に検出された蛍光と、に基づいて実行される、実施形態HA~HHのいずれか。
実施形態HJ:第1の方向及び第2の方向の蛍光強度のヒストグラムを生成することと、(i)第1の細胞型の細胞又は第2の細胞型の細胞に対応するヒストグラム中の第1の領域、又は(ii)第1の配向特徴を有する細胞及び第2の配向特徴を有する細胞に対応するヒストグラム中の第2の領域のうちの少なくとも1つを識別することと、を更に含む、実施形態HA~HIのいずれか。
実施形態HK:試料から第1の軸及び第2の軸に沿って放出された光に基づいて、各粒子タイプに関連付けられたピーク蛍光の強度マップを生成すること、強度マップに基づいて、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団中心と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団中心と、を検出すること、第1の母集団中心を通過する第1の線に沿った相対強度を計算すること、第1の母集団中心と第2の母集団中心とを結ぶ第2の線の傾きを計算すること、を含み、第1の粒子タイプに関連付けられた第1の母集団と、第2の粒子タイプに関連付けられた第2の母集団と、を結ぶ第3の線に沿って第1の鞍点を位置特定し、第1の母集団と第2の母集団とを結ぶ第4の線に沿って第2の鞍点を位置特定し、第1の母集団又は第2の母集団を境界付けることによってゲートであって、ゲートが、第1の鞍点、第2の鞍点、及び追加の境界点に基づいて境界付けされる、ゲートを生成する、実施形態HA~HJのいずれか。
実施形態HI:ピクセルマップ内のカーネルを計算すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第1のインスタンスをピクセルマップに追加すること、第1の軸及び第2の軸に沿って試料から放出された光に基づいて、カーネルの第2のインスタンスをピクセルマップに追加すること、ピクセルマップから第1のヒストグラムを導出すること、ピクセルマップからデータを削除すること、ピクセルマップの第1の行から第2のヒストグラムを導出すること、第2のヒストグラムから第1のトラフ点を生成すること、ピクセルマップの第2の行から第3のヒストグラムを導出すること、第3のヒストグラムから第2のトラフ点を生成すること、第1のトラフ点及び第2のトラフ点に基づいて、多項式関数を生成すること、多項式関数及び追加の境界点に基づいて、母集団を境界付けすること、を含む、実施形態HA~HKのいずれか。
【国際調査報告】