(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】非接触スマートカードと登録支援装置を備えている生体認証システムおよびシステムを有しているユーザを登録するための方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/073 20060101AFI20240315BHJP
G06V 40/12 20220101ALI20240315BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240315BHJP
G06K 19/07 20060101ALI20240315BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240315BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20240315BHJP
【FI】
G06K19/073 054
G06V40/12
G06T7/00 530
G06K19/07 230
G06K19/07 180
G06K19/077 188
G06F21/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558167
(86)(22)【出願日】2022-03-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 SE2022050292
(87)【国際公開番号】W WO2022211702
(87)【国際公開日】2022-10-06
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521564434
【氏名又は名称】フィンガープリント カーズ アナカタム アイピー アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】トマス コーン
(72)【発明者】
【氏名】ハーラルド リーパ
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA02
5B043FA04
5B043FA07
(57)【要約】
ユーザ装置(12)のための第1表面部分(15)と非接触スマートカード(1)のための第2表面部分(17)を有しているキャリア(13)、キャリアにより支持され、キャリアの第1表面部分(15)に配置されている第1無線電力転送機器(19)、キャリアにより支持され、キャリアの第2表面部分(17)に配置されている第2無線電力転送機器(21)、およびキャリアにより支持され、第1無線電力転送機器(19)と第2無線電力転送機器(21)を伝導的に接続している導体機器(23)を備えている登録支援装置(11)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体認証システム(9)であって、
生体認証機器(3)と無線電力転送機器(5)を含んでいる非接触スマートカード(1)と、
登録支援装置(11)を備え、前記登録支援装置(11)は、
無線電力転送機器を含んでいるユーザ装置(12)の配置のための第1表面部分(15)と、前記非接触スマートカード(1)の配置のための、前記第1表面部分(15)から間隔を空けられている第2表面部分(17)を有しているキャリア(13)と、
前記キャリアにより支持され、前記ユーザ装置が前記キャリア(13)の前記第1表面部分(15)上に配置されたときに、前記ユーザ装置(12)の前記無線電力転送機器との第1無線電力転送リンクを形成するために配置されている第1無線電力転送機器(19)と、
前記キャリアにより支持され、前記非接触スマートカードが前記キャリア(13)の前記第2表面部分(17)上に配置されたときに、前記非接触スマートカード(1)の前記無線電力転送機器(5)との第2無線電力転送リンクを形成するために配置されている第2無線電力転送機器(21)と、
前記キャリアにより支持されている導体機器(23)であって、前記第1無線電力転送リンク、前記導体機器(23)、および前記第2無線電力転送リンクを介して、前記ユーザ装置(12)から前記非接触スマートカード(1)への電力転送が可能になるように、前記第1無線電力転送機器(19)と前記第2無線電力転送機器(21)を伝導的に接続している導体機器(23)を備え、
前記非接触スマートカード(1)は、前記登録支援装置(11)の前記キャリア(13)の前記第2表面部分(17)上に配置されていることを特徴とする生体認証システム(9)。
【請求項2】
前記キャリア(13)は、異なるユーザ装置の多数のアウトライン(31、33)および/またはガイドパターン(35)の形状の少なくとも1つの印を、ユーザが、前記キャリア(13)の前記第1表面部分(15)上に前記ユーザ装置(12)を、前記第1無線電力転送機器(19)に関して正しく配置することをガイドするために備えていることを特徴とする請求項1に記載の生体認証システム(9)。
【請求項3】
前記キャリア(13)は、シートの形状で提供されることを特徴とする請求項1または2に記載の生体認証システム(9)。
【請求項4】
前記キャリア(13)はセルロース系であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の生体認証システム(9)。
【請求項5】
前記第1無線電力転送機器(19)、前記第2無線電力転送機器(21)、および前記導体機器(23)は、キャリア(13)上に印刷されていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の生体認証システム(9)。
【請求項6】
前記第1無線電力転送機器(19)と前記第2無線電力転送機器(21)は、誘導性電力転送のために構成されていることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の生体認証システム(9)。
【請求項7】
請求項1~6の何れか1項に記載の前記生体認証システム(9)、およびモバイルユーザ装置(12)の裏側に隣接している、電力転送のための電場を提供するために配置されている無線電力転送機器と、前記モバイルユーザ装置(12)の表側に配置されているディスプレイ(39)を含んでいる前記モバイルユーザ装置(12)を有しているユーザを登録する方法であって、
前記生体認証システム(9)において備えられている前記登録支援装置(11)の前記キャリア(13)の前記第1表面部分(15)上に、前記モバイルユーザ装置(12)の前記裏側を前記第1表面部分に対向させて、前記モバイルユーザ装置(12)を前記ユーザが配置することをガイドする(100)ステップと、
前記モバイルユーザ装置(12)により、前記キャリア(13)の前記第2表面部分(17)上に配置されている前記非接触スマートカード(1)に、生体認証登録の実行を開始させる、前記非接触スマートカード(1)に対する指示を符号化している信号を送信する(101)ステップと、
前記モバイルユーザ装置(12)により、前記キャリア(13)の前記第2表面部分(17)上に配置されている前記非接触スマートカード(1)から、前記生体認証登録が完了した後に、その旨を示す信号を受信する(102)ステップを備えていることを特徴とする方法。
【請求項8】
生体認証登録を実行させる、前記非接触スマートカード(1)に対する前記指示を符号化している前記信号は、前記生体認証システム(9)に含まれている前記登録支援装置(11)において備えられている前記第1無線電力転送機器(19)、前記導体機器(23)、および前記第2無線電力転送機器(21)を介して送信され、
前記登録が完了したことを示す前記信号は、前記生体認証システム(9)に含まれている前記登録支援装置(11)において備えられている前記第1無線電力転送機器(19)、前記導体機器(23)、および前記第2無線電力転送機器(21)を介して受信されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記生体認証システム(9)において備えられている前記登録支援装置(11)の前記キャリア(13)は、前記ユーザが前記モバイルユーザ装置(12)を、前記第1無線電力転送機器(19)に関して、前記キャリア(13)の前記第1部分(15)上に正しく配置することをガイドするための少なくとも1つの印(35)を備え、
前記ユーザをガイドする(100)前記ステップは、前記モバイルユーザ装置(12)の前記ディスプレイ(39)上に、前記モバイルユーザ装置の前記無線電力転送機器に関して、前記ディスプレイ上に配置されている整列パターン(37)を、および、前記キャリア(13)上に前記少なくとも1つの印(35)を提供し、それにより、前記ディスプレイ(39)上の前記整列パターン(37)を前記キャリア(13)上の前記少なくとも1つの印(35)と整列することにより、前記ユーザが、前記モバイルユーザ装置(12)の前記無線電力転送機器を、前記生体認証システム(9)において備えられている前記登録支援装置(11)の前記第1無線電力転送機器(19)と整列させることを可能とするように前記モバイルユーザ装置(12)を制御することを備えていることを特徴とする請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、前記モバイルユーザ装置(12)の型式を示す情報を受信するステップを更に備え、
前記ディスプレイ(39)上に形成される前記整列パターン(37)は、前記受信した情報に依存することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイルユーザ装置(12)を使用してユーザ認証を実行するステップと、
前記ユーザ認証が成功した場合のみ前記生体認証登録の完了を可能にするステップを更に備えていることを特徴とする請求項7~10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
モバイルユーザ装置(12)の裏側の無線電力転送機器と、前記モバイルユーザ装置の表側のディスプレイ(39)を含んでいる前記モバイルユーザ装置上で作動されると、前記モバイルユーザ装置に、請求項7~11の何れか1項に記載の前記ステップを実行させるように構成されていることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体認証機器を含んでいる非接触スマートカードのユーザの生体認証登録を促進するための登録支援装置、およびそのユーザを登録する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生体認証機器は、モバイルフォンなどのような個人電子装置の利便性とセキュリティを増大させるための手段として広く使用されている。特に指紋感知機器は、現在では、モバイルフォンなどのようなすべての新しくリリースされた個人通信装置において大きな割合で含まれている。
【0003】
最近では、より低い演算能力、および/または、より少ない利用可能エネルギーしか有することができない他の装置において、指紋感知機器などのような生体認証機器を導入する努力もまた行われてきている。そのような他の装置の例は、いわゆるスマートカード、ドアロック、および、いわゆるインターネットのモノ(IoT)カテゴリなどにおける装置などである。
【0004】
しかし、そのような生体認証機器のユーザの安全で、信頼性があり、便利な生体認証登録を提供することは多くの労力を必要とする。例えば、生体認証機器を有する装置の中にはユーザインタフェースがないものもあり得、または、ユーザと相互作用するためのほんの初歩的な手段しか有していないことがあり得るという事実のために複雑になっている登録の間にユーザをガイドすることは望ましいことであり得る。例えば、生体認証が可能なスマートカードは典型的には、スマートカードに統合されているユーザインタフェースを有していないことがあり得る。
【0005】
非接触スマートカードに対しては、米国公開広報2020/0327533号は、ユーザのモバイル装置を使用する登録の間にスマートカードに電力を供給し、それと通信することを提案している。モバイル装置に関してユーザがスマートカードを正しく位置させるのを支援するために、米国公開広報2020/0327533号は、登録手順の間にユーザがスマートカードをモバイル装置の裏側に正しく配置することをガイドするために、視覚マーカをモバイル装置の画面上に表示することを開示している。
【0006】
モバイル装置の表側のディスプレイ上に提供される指示とガイダンスに従いながら、1本以上の指を登録することを試みている間に、ユーザがスマートカードをモバイル装置の裏側に押し付けるということは潜在的に面倒なことのように思われる。
【0007】
従って、生体認証が可能な非接触スマートカードにおいてよりユーザフレンドリな登録を提供することは望ましいことであろう。
【発明の概要】
【0008】
先行技術の上記および他の欠点を考慮し、本発明の目的は、生体認証が可能な非接触スマートカードにおける、改良され、特には、よりユーザフレンドリな登録を提供することである。
【0009】
従って、本発明の第1態様によれば、生体認証機器と無線電力転送機器を含んでいる非接触スマートカードのユーザの生体認証登録を促進するための登録支援装置が提供され、登録支援装置は、無線電力転送機器を含んでいるユーザ装置の配置のための第1表面部分と、非接触スマートカードの配置のための、第1表面部分から間隔を空けられている第2表面部分を有しているキャリアと、キャリアにより支持され、ユーザ装置がキャリアの第1表面部分上に配置されたときに、ユーザ装置の無線電力転送機器との第1無線電力転送リンクを形成するために配置されている第1無線電力転送機器と、キャリアにより支持され、非接触スマートカードがキャリアの第2表面部分上に配置されたときに、非接触スマートカードの無線電力転送機器との第2無線電力転送リンクを形成するために配置されている第2無線電力転送機器と、キャリアにより支持されている導体機器であって、第1無線電力転送リンク、導体機器、および第2無線電力転送リンクを介して、ユーザ装置から非接触スマートカードへの電力転送が可能になるように、第1無線電力転送機器と第2無線電力転送機器を伝導的に接続している導体機器を備えている。
【0010】
本発明は、生体認証が可能な非接触スマートカードにおける登録は、ユーザ装置からの無線電力転送を利用し、ユーザが登録手順の間に、ユーザ装置に関してスマートカードを積極的に保持することを要求されないように、ユーザ装置に関して非接触スマートカードの配置を容易にすることで向上できるということの認識に基づいている。本発明の発明者は更に、これは、所定の第1部分における第1無線電力転送機器と、第1部分から間隔を空けられている所定の第2部分における第2無線電力転送機器と、第1および第2無線電力転送機器と導体機器を介して、電力がユーザ装置から非接触スマートカードに転送されることが可能なように、第1および第2無線電力転送機器を接続する導体機器を有しているキャリアを有している登録支援装置を提供することにより達成できるということを認識した。
【0011】
これにより、非接触スマートカードとユーザ装置は、例えば、登録手順全体の間にスマートカード上の、指紋センサなどのような生体認証センサへの容易なアクセスをユーザが有するように配置できる。ユーザ装置がGUI(グラフィカルユーザインタフェース)を有している場合は、ユーザを、ユーザ装置のGUIを使用して登録の間にガイドすることもできる。これは、より短い登録手順を提供でき、登録された生体認証テンプレートのより高い品質という結果にもなり得る。
【0012】
更に、キャリアと第1および第2無線電力転送機器、およびキャリアにより支持される相互接続導体機器を有する構成は、バッテリまたは従来のようなケーブル敷設などが必要ないので、相対的に低コストで環境フレンドリな登録支援装置の製造を提供する。
【0013】
従って、本発明の実施形態に係わる登録支援装置は、コストおよび環境への影響を削減して、生体認証機器を有している非接触スマートカードと共に、またはそれとは別個にユーザに配布できる。
【0014】
実施形態においては、登録支援装置は、第1および第2無線電力転送機器と、シート上に提供された、またはシートに埋め込まれている相互接続導体機器を有しているシートの形状において提供できる。シートは少なくとも部分的には紙で製造できる。
【0015】
登録支援装置は更に生体認証システムに含むことができ、生体認証機器と無線電力転送機器を含んでいる非接触スマートカードを更に備え、非接触スマートカードは、登録支援装置のキャリアの第2表面部分上に配置されている。
【0016】
本発明の第2態様によれば、上記の生体認証システム、およびモバイルユーザ装置の裏側に隣接している、電力転送のための電場を提供するために配置されている無線電力転送機器と、モバイルユーザ装置の表側に配置されているディスプレイを含んでいるモバイルユーザ装置を有しているユーザを登録する方法が提供され、方法は、生体認証システムにおいて備えられている登録支援装置のキャリアの第1表面部分上に、モバイルユーザ装置の裏側を第1表面部分に対向させて、モバイルユーザ装置をユーザが配置することをガイドするステップと、モバイルユーザ装置により、キャリアの第2表面部分上に配置されている非接触スマートカードに、生体認証登録の実行を開始させる、非接触スマートカードに対する指示を符号化している信号を送信するステップと、モバイルユーザ装置により、キャリアの第2表面部分上に配置されている非接触スマートカードから、生体認証登録が完了した後に、その旨を示す信号を受信するステップを備えている。
【0017】
本発明に係わる方法の種々の実施形態においては、生体認証システムにおいて備えられている登録支援装置のキャリアは、ユーザがモバイルユーザ装置を、第1無線電力転送機器に関して、キャリアの第1部分上に正しく配置することをガイドするための少なくとも1つの印を備えることができ、ユーザをガイドするステップは、モバイルユーザ装置のディスプレイ上に、モバイルユーザ装置の無線電力転送機器に関して、ディスプレイ上に配置されている整列パターンを、および、キャリア上に少なくとも1つの印を提供し、それにより、ディスプレイ上の整列パターンをキャリア上の少なくとも1つの印と整列させることにより、ユーザが、モバイルユーザ装置の無線電力転送機器を、生体認証システムにおいて備えられている登録支援装置の第1無線電力転送機器と整列させることを可能にするようにモバイルユーザ装置を制御することを備えることができる。
【0018】
実施形態においては、方法は更に、モバイルユーザ装置を使用してユーザ認証を実行するステップと、ユーザ認証が成功した場合のみ、生体認証登録の完了を可能にするステップを備えることができる。
【0019】
モバイルユーザ装置を使用するユーザ認証は、例えば、パスワード、PIN、またはOTPをモバイルユーザ装置に入力すること、または、モバイルユーザ装置を使用して生体認証を実行することを含むことができる。認証の成功に続いて、モバイルユーザ装置により非接触スマートカードに提供される信号により、非接触スマートカードの生体認証登録機能のロックを解除できる。そのような手順それ自体は、関連する技術における技量を有する者にはよく知られている。
【0020】
代替的に、非接触スマートカードにおける登録は、上記のユーザ認証を実行する前に実行でき、その後のユーザ認証が失敗、または実行されない場合は、非接触スマートカードをロックでき、または、登録された生体認証情報を削除できる。
【0021】
本発明の実施形態に係わる方法は、少なくとも部分的には、モバイルユーザ装置上で作動されるコンピュータプログラム(アプリケーションなどのような)により有利に実行できる。そのようなコンピュータプログラムは、例えば、非接触スマートカードの発行元によりユーザに提供できる。非接触スマートカードは、例えば、デュアルインタフェーススマートカードであってよい。
【0022】
従って、まとめると、本発明は、ユーザ装置に対する第1表面部分と、非接触スマートカードに対する第2表面部分を有しているキャリア、キャリアにより支持され、キャリアの第1表面部分に配置されている第1無線電力転送機器、キャリアにより支持され、キャリアの第2表面部分に配置されている第2無線電力転送機器、および、キャリアにより支持され、第1無線電力転送機器と第2無線電力転送機器を伝導的に接続する導体機器を備えている登録支援装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のこれらの、および他の態様はここにおいて、発明の例としての実施形態を示している付随する図面を参照してより詳細に記述される。
【0024】
【
図1A】
図1Aは、例としての生体認証が可能な非接触スマートカードを示している。
【0025】
【
図1B】
図1Bは、スマートカードの機能部分を見せるために覆いを外したときの、
図1Aにおけるスマートカードの模式図である。
【0026】
【
図2】
図2は、本発明の例としての実施形態に係わる登録支援装置と、登録支援装置の予め定められている第2表面部分上に配置されている、
図1Aにおける非接触スマートカードを含んでいる生体認証システムの模式図である。
【0027】
【
図3A】
図3Aは、非接触スマートカードがない状態での、
図2における登録支援装置の表側の図である。
【0028】
【0029】
【
図4A】
図4Aは、
図3A~Bにおける登録支援装置11の、異なる例としての構成の模式断面図である。
【
図4B】
図4Bは、
図3A~Bにおける登録支援装置11の、異なる例としての構成の模式断面図である。
【0030】
【
図5】
図5は、本発明の例としての実施形態に係わる方法を示しているフローチャートである。
【0031】
【
図6】
図6は、どのようにして、登録支援装置に関してユーザ装置を正しく配置するようにユーザをガイドできるかを示している模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1Aは、ここでは指紋センサモジュールの形状の生体認証機器3を含んでいる、例としての非接触スマートカード1を模式的に示している。非接触スマートカード1は、例えば、生体認証が可能な支払いカードであってよく、支払いは、
図1Aにおいて模式的に示されているように、ユーザを生体認証することにより認可できる。もちろん、
図1Aにおいて示されているような支払いカードは、本発明の実施形態が有用であり得る、生体認証が可能な非接触スマートカードの種類のみではない。生体認証が可能な非接触スマートカードの他の種類の例としては、アクセスカード、メモリカード、IDカードなどを含むことができる。
【0033】
図1Bにおいて模式的に示されているように、スマートカード1は無線電力転送機器5と、この特別な実施形態においてはセキュアエレメント7を追加的に備えている。無線電力転送機器5は、時間変動電場から電力を取り入れるために、および、カードリーダ(示されていない)などのようなリモート装置と、典型的には負荷変調を通して無線通信するために使用できる。セキュアエレメント7は、例えば、トランザクションを認可するための情報を含むことができ、生体認証機器3に接続されている。ユーザが生体認証機器3により(または、セキュアエレメント7と協働して生体認証機器3により)認証されると、セキュアエレメント7に含まれている情報のロックを解除することができ、無線電力転送機器5を介してリモート装置に無線通信で送ることを可能とすることができる。
【0034】
図2は、生体認証システム9の模式図であり、生体認証システム9は、本発明の例としての実施形態に係わる登録支援装置11と、登録支援装置11の予め定められている第2表面部分上に、固定されるなどして配置されている
図1Aにおける非接触スマートカード1を含んでいる。見た目には、
図2における生体認証システム9は、スマートカードの発行元によりユーザに送られた手紙に類似し得るが、そのような手紙における通常の紙のシートに取って代わる登録支援装置11は、ユーザが、非接触スマートカード1の生体認証機器3を使用して生体認証登録を容易に実行することを支援できる。非接触スマートカード1は、例えば、適切な接着剤により固定でき、登録支援装置11に備えられているスリーブに挿入でき、または、予め定められている第2表面部分上でゆるく配置することができる。
【0035】
図2において、ユーザ装置12は、上記の生体認証登録の間に、非接触スマートカード1に無線で電力を供給するために、登録支援装置11の予め定められている位置に置かれているものとして示されている。
【0036】
図3Aは、
図2における登録支援装置11の表側の図であり、
図3Bは、裏側の図である。まず
図3Aを参照すると、登録支援装置11は、第1表面部分15と、第1表面部分15から間隔を空けられている第2表面部分17を有しているキャリア13を備えている。第1表面部分15は、ユーザ装置の配置のためであり、第2表面部分17は、非接触スマートカードの配置のためである。
【0037】
ここで
図3Bを参照すると、登録支援装置11は更に、第1無線電力転送機器19、第2無線電力転送機器21、および、キャリア13により支持され、第1無線電力転送機器19と第2無線電力転送機器21を伝導的に接続している導体機器23を備えている。
【0038】
第1無線電力転送機器19は、登録支援装置11の表側(
図3A)から見たときに、第1表面部分15の下のキャリア13により支持されており、それにより、ユーザ装置(
図2におけるモバイルユーザ装置12などのような)がキャリア13の第1表面部分15上に正しく配置されたときに、ユーザ装置の無線電力転送機器との第1無線電力転送リンクを形成できる。第2無線電力転送機器21は、登録支援装置11の表側(
図3A)から見たときに、第2表面部分17の下のキャリア13により支持されており、それにより、非接触スマートカード1がキャリア13の第2表面部分17上に正しく配置されたときに、非接触スマートカード(
図2における非接触スマートカード1などのような)の無線電力転送機器との第2無線電力転送リンクを形成できる。
【0039】
導体機器23は、上記の第1無線電力転送リンク、導体機器23、および上記の第2無線電力転送リンクを介して、ユーザ装置12から非接触スマートカード1への電力転送が可能になるように、第1無線電力転送機器19と第2無線電力転送機器21を伝導的に接続している。
【0040】
キャリア13は有利なように、環境への影響を最小にするためにセルロース系であり得るが、代替的に、化石材料(化石燃料(石油、石炭、天然ガスなど)を使用して得られる材料)を使用することなくリサイクルおよび/または製造が可能であるプラスチック材料で製造することができる。第1無線電力転送機器19、第2無線電力転送機器21、および導体機器23を形成している導体パターンは、キャリア13の表側または裏側の何れかで、キャリア13の表面上で支持できる。代替的に、導体パターンはキャリア13に埋め込むことができる。例えば、キャリア13は多層構造であってよい。
【0041】
図4Aは、
図3BにおいてA-A’で示されている断面における登録支援装置11の部分模式断面図であり、上記の導体パターンを形成している導体25が、キャリア13の表面において提供されている第1の例としての構成を示している。導体25は、それ自体は知られている技術を使用して、伝導性インクを使用して印刷できる。代替的に、導体25は、キャリア13に付着できるステッカ上に予め形成できる。
【0042】
図4Bは、導体25が第1シート27と第2シート29の間の積層を介してキャリア13の内部に埋め込まれている第2の例としての構成を示している。
【0043】
非接触スマートカードの標準化されたフォームファクタのために、第2無線電力転送機器21に関しての非接触スマートカード1の正しい配置を達成することは、相対的に問題がない。上記で更に記述したように、非接触スマートカード1は、第2表面部分17における正しい場所に予め取り付けることができる。ユーザ装置12の正しい配置を達成することは、ユーザ装置12の無線電力転送機器の構成と配置が型式に依存して変化し得るので、より多くの労力を必要とし得る。例えば、
図3Aを再び参照すると、ユーザ装置の1つの型式は、
図3Aにおける第1アウトライン31により示されているように置かれると、登録支援装置11の第1無線電力転送機器19との信頼できる無線電力転送リンクを形成でき、ユーザ装置の他の型式は、
図3Aにおける第2アウトライン33により示されているように置くことが必要となり得る。
【0044】
ユーザ装置12の正しい置き方を促進するために、第1無線電力転送機器19に関して、キャリア13の第1部分上にユーザ装置12を正しく配置するようにユーザをガイドするための少なくとも1つの印をキャリア13に設けることができる。少なくとも1つの印は、例えば、ほとんどの通常のユーザ装置12の物理アウトラインに対応する、上記のような多数のアウトライン31、33を備えることができる。代替的に、または組み合わせにおいて、少なくとも1つの印は、
図2と
図3Aにおいて示されている例としてのグリッドパターン35などのようなガイドパターンを備えることができる。
【0045】
上記の登録支援装置11の例としての実施形態においては、無線電力転送機器19、21は、誘導性電力転送のために構成されているとして例示されている。容量性電力転送などのような無線電力転送の他の形状も代替的に使用可能であるということは留意されるべきである。更に、ユーザ装置12は必ずしも、モバイルフォン、または、類似の個人通信装置である必要はない。実施形態においては、登録支援装置11は、例えば、無線充電器または類似の装置との使用のために構成できる。
【0046】
本発明の実施形態に係わる方法が、ここで
図5におけるフローチャートを参照して、および、示されているような他の図を追加的に参照して記述される。方法が実行されるときは、ユーザは、
図2を参照して上述したような生体認証システム9を有している。登録支援装置11と、キャリア13の第2表面部分17上に配置されている非接触スマートカード1を含んでいる生体認証システム9は、金融機関などのようなカードの発行元がユーザにメールにより事前に送っておくことができる。ユーザはまた、モバイルユーザ装置の裏側に隣接している、電力転送のための電場を提供するために配置されている無線電力転送機器、およびモバイルユーザ装置12の表側に配置されているディスプレイを含んでいる、モバイルフォンまたはタブレットなどのようなモバイルユーザ装置12を有している。
【0047】
第1ステップにおいてユーザは、生体認証システム9において備えられている登録支援装置11のキャリア13の第1表面部分15上に、モバイルユーザ装置12の裏側を第1表面部分15に対向させて、モバイルユーザ装置12を配置するようにガイドされる。このガイドは、ユーザにガイダンスを提供することにより達成される。そのようなガイダンスは、例えば、ユーザに提供される生体認証システム9に含めることができる。例えば、文字および/または図によるガイダンスをキャリア上に印刷できる。上述したように、そのような図によるガイダンスは、一般向けのモバイルフォンのアウトライン31、33を含むことができる。
【0048】
代替的に、モバイルユーザ装置12のディスプレイ39上に整列パターン37を提供するようにモバイルユーザ装置12を制御することによりユーザをガイドできる(
図2および
図6における例としてのモバイルユーザ装置12の図を参照)。モバイルユーザ装置12はソフトウェアにより制御され、例えば、カード発行元により提供できるアプリケーションにより制御され、ユーザが、ディスプレイ上の整列パターン37を、キャリア13上の少なくとも1つの印35と整列させることにより、モバイルユーザ装置12の無線電力転送機器を、生体認証システム9において備えられている登録支援装置11の第1無線電力転送機器19と整列させることを可能にするように、モバイルユーザ装置12の無線電力転送機器に関して、整列パターン37をディスプレイ39上に配置し、少なくとも1つの印(グリッドパターン35などのような)をキャリア13上に配置するように制御される。
【0049】
この例においては、モバイルユーザ装置12上で作動しているソフトウェアには、キャリア13上の少なくとも1つの印35、モバイルユーザ装置12に備えられている無線電力転送機器、およびモバイルユーザ装置12のディスプレイ39の構成間の関連する位置関係が提供されている。
【0050】
後続のスッテプ101において、モバイルユーザ装置12は、非接触スマートカード1に生体認証登録の実行を開始させる指示を符号化している信号を、非接触スマートカード1に送信する。この信号は無線で非接触スマートカード1に送られ、近距離通信のための、それ自体は知られている技術を使用して、登録支援装置11を介して送ることができる。代替的に、この信号は、低電力無線送信を使用してなどのように、他の無線通信リンクを使用して無線で送信できる。
【0051】
登録手順の間、モバイルユーザ装置12のディスプレイ39上に提供される指示および/または図によりユーザをガイドできる。そのような指示および/または図は、モバイルユーザ装置12に無線で非接触スマートカード1から提供される情報に基づくことができる。例えば、ユーザに、指を置くことに関して指示することができ、および/または、ユーザは、登録手順のステータスについての情報を受信できる。
【0052】
非接触スマートカード1の生体認証機器3により決定されるように登録手順が完了すると、モバイルユーザ装置はステップ102において、登録が完了したことを示す信号を受信する。
【0053】
実施形態においては、登録を首尾よく完了させ、非接触スマートカード1の生体認識機能の使用を可能にする機能は、モバイルユーザ装置12を使用して実行されるユーザ認証の条件付きであってよい。これは特には、生体認証テンプレートがスマートカードに格納されていない、いわゆる初期登録の場合であり得る。そのような実施形態においては、モバイルユーザ装置12は、例えば、指紋センサ41、またはモバイルユーザ装置12に備えられている他の生体認証機器を使用して、ユーザ認証を局所的に実行できる。代替的に、モバイルユーザ装置12は、リモートサーバにおける認証のための、リモートサーバに対する送信のためのパスワード、PIN、またはOTPなどのようなコードの入力のための入力装置として使用できる。
【0054】
実施形態においては、非接触スマートカード1に登録の実行を開始させる(正しい)指示を符号化している信号は、まず、ユーザ認証の実行が成功したときに送ることができるのみである。他の実施形態においては、登録は実行できるが、ユーザ認証の実行が成功しない限り、生成された生体認証テンプレートを破棄でき、または、スマートカード1の生体認証機能をロックできる。
【0055】
特許請求の範囲においては、「備えている」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、「1つの」という用語は、複数を除外するものではない。ある手段が相互に異なる従属請求項において列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用できないということを示してはいない。
【国際調査報告】