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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】充填レベル検出
(51)【国際特許分類】
   G01F 23/00 20220101AFI20240315BHJP
   G01F 23/263 20220101ALI20240315BHJP
   G01F 23/292 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01F23/00 Z
G01F23/263
G01F23/292
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023558804
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-16
(86)【国際出願番号】 US2022017666
(87)【国際公開番号】W WO2022203800
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】63/165,842
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511193846
【氏名又は名称】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】チャンド, トニー
(72)【発明者】
【氏名】フォード, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】シュレスタ, ラヴィ
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァイン, ジョナサン
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AA07
2F014EA00
2F014FA00
(57)【要約】
デバイスは、液体を保持するフラスコを含んでもよい。フラスコは、フラスコ内の液体の充填レベルを判定する液体センサーを含んでもよい。制御回路は、センサーから読み取り値を取得してもよく、高充填レベルに対する1つ又は複数の単一閾値条件、及び液体の充填レベルが低充填レベルにあると判定した場合の複数閾値条件を適用することによって、フラスコの充填レベルを判定してもよい。
【選択図】 図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体用のフラスコと、
前記フラスコ内の第1の充填レベルに存在する液体の第1の量を測定するように配置されている第1の液体センサーと、
前記フラスコ内の第2の充填レベルに存在する液体の第2の量を測定するように配置されている第2の液体センサーと、
前記第1及び第2の液体センサーと動作通信している制御回路であって、
前記第1のセンサーから第1の測定読み取り値を取得し、前記第1の測定読み取り値は、前記第1の量を示し、
前記第2のセンサーから第2の測定読み取り値を取得し、前記第2の測定読み取り値は、前記第2の量を示し、
前記第2の測定読み取り値が第2の充填レベル閾値を超える時に、1つ又は複数の単一閾値条件を満たすと判定し、
前記第1の測定読み取り値が第1の充填レベル閾値を超え、
前記第2の測定読み取り値が補足閾値を超え、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値と異なる
時に、複数閾値条件を満たすと判定し、
前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たす時に少なくとも前記第2の充填レベルまで前記フラスコに充填するという高充填レベル指示を生成し、
前記複数閾値条件を満たす時に前記第1の充填レベルまで前記フラスコに充填するという第1の充填レベル指示を生成するように構成されている制御回路と
を含むデバイス。
【請求項2】
前記フラスコは、
第3の充填レベルと、
第4の充填レベルと
を含み、
前記制御回路は、前記第2の充填レベル、前記第3の充填レベル、又は前記第4の充填レベルまで前記フラスコに充填するという指示を生成することによって、高充填レベル指示を生成するように構成されており、
任意選択的に、前記第1、第2、第3、及び第4の充填レベルは、25%、50%、75%、及び100%の充填レベル指示にそれぞれ対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記フラスコ内の第3の充填レベルに存在する液体の第3の量を測定するように配置されている第3の液体センサーを更に含み、
前記制御回路は、
第3の測定読み取り値が第3の充填レベル閾値を超える時に、前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たすと判定し、
前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たし、
前記第3の測定読み取り値が第3の充填レベル閾値を超える
時に、少なくとも前記第3の充填レベルまで前記フラスコに充填するという前記高充填レベル指示を生成するように更に構成されている、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記フラスコ内の第4の充填レベルに存在する液体の第4の量を測定するように配置されている第4の液体センサーを更に含み、
前記制御回路は、
第4の測定読み取り値が第4の充填レベル閾値を超える時に、前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たすと判定し、
前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たし、
前記第4の測定読み取り値が第4の充填レベル閾値を超える
時に、少なくとも前記第4の充填レベルまで前記フラスコに充填するという前記高充填レベル指示を生成するように更に構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記制御回路は、充填レベル指示を生成しない時に空フラスコエラーを生成するように構成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記制御回路は、最高充填レベル未満の1つ又は複数の充填レベルに対して条件を満たすかどうかにかかわらず、単一閾値条件、複数閾値条件、又は両方を満たす最高充填レベルに対する最高充填レベル指示を生成するように構成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記制御回路は、前記最高充填レベル未満の前記充填レベルのいずれかに対応する充填レベル指示を抑止するように構成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記フラスコは、乱流状態に前記液体を保持するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記乱流状態は、加湿のための気体注入に起因する泡立ちを含む、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値の約半分に設定されており、
任意選択的に、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値の40%と60%との間に設定されており、
任意選択的に、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値の43%と50%との間に設定されており、
任意選択的に、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値の44%に設定されており、
任意選択的に、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値の49%に設定されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記制御回路は、前記第1の液体センサーからの生読み取り値から較正値を引くことによって、前記第1の測定読み取り値を取得するように構成されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記制御回路は、前記第1の液体センサーからの生読み取り値に温度依存調整を適用することによって、前記第1の測定読み取り値を取得するように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記液体センサーは、容量センサー、光センサー、イオン化センサー、又はこれらの任意のグループ化を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1及び第2の液体センサーは、
最小動作許容範囲未満に前記フラスコに充填する場合の前記制御回路によるエラーメッセージの生成、又は
最大動作許容範囲を超えて前記フラスコに充填する場合の前記制御回路によるエラーメッセージの生成
を支援するように配置されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項15】
前記制御回路は、間隔を置いて前記液体センサーをポーリングするように更に構成されており、
任意選択的に、前記制御回路は、前記液体センサーの前記ポーリングが充填レベル指示を生成しない時に、空フラスコエラーを生成するように構成されており、
任意選択的に、前記間隔は、
所定の間隔、
周期的な間隔、
又は両方
を含み、
任意選択的に、前記間隔は、1分未満であり、
任意選択的に、前記間隔は、20秒未満であり、及び
任意選択的に、前記間隔は、10秒である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
フラスコと、
前記フラスコの低充填レベルに対応する下部液体センサーと、
前記フラスコの高充填レベルに対応する上部液体センサーであって、前記高充填レベルは前記低充填レベルよりも高い上部液体センサーと、
前記第1及び第2の液体センサーと動作通信している制御回路であって、
前記上部液体センサーからの測定読み取り値が高充填レベル閾値を超える時に、前記フラスコが前記高充填レベルにあるという高充填レベル指示を生成し、
前記下部液体センサーからの測定読み取り値が低充填レベル閾値を超え、
前記上部液体センサーからの前記測定読み取り値が補足閾値を超える
時に、前記フラスコが前記低充填レベルにあるという低充填レベル指示を生成し、
充填レベル指示を生成しない時に空フラスコエラーを生成するように構成されている制御回路と
を含むデバイス。
【請求項17】
前記低充填レベルは、前記制御回路が充填レベル指示を生成するように構成されている最低充填レベルを含む、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記高充填レベルは、前記低充填レベルに隣接する充填レベルを含む、請求項16又は17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記高充填レベルよりも高い1つ又は複数の充填レベルを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
前記制御回路は、
前記下部液体センサーからの前記測定読み取り値が前記低充填レベル閾値を超え、
前記上部液体センサーからの前記測定読み取り値が前記高充填レベル閾値を超える
時に、前記低充填レベル指示を抑止するように構成されている、請求項16~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
フラスコと、
泡立ち液体-気体混合物を前記フラスコに上方へ押し込むために前記フラスコに結合されている気体注入路と、
前記フラスコの低充填レベルで前記泡立ち液体-気体混合物の液体量を測定するように配置されている下部容量センサーと、
前記フラスコの第2の充填レベルで前記泡立ち液体-気体混合物の液体量を測定するように配置されている第2の充填レベル容量センサーであって、前記第2の充填レベルは、前記低充填レベルよりも高く、前記低充填レベルに隣接する第2の充填レベル容量センサーと、
前記下部及び第2の充填レベル液体センサーと動作通信している制御回路であって、
前記第2の充填レベルにおける前記泡立ち液体-気体混合物の前記液体量が第2の充填レベル閾値を超える時に、前記フラスコが前記第2の充填レベルにあるという第2の充填レベル指示を生成し、
前記低充填レベルにおける前記泡立ち液体-気体混合物の前記液体量が低充填レベル閾値を超え、
前記第2の充填レベルにおける前記泡立ち液体-気体混合物の前記液体量が補足閾値を超える
時に、前記フラスコが前記低充填レベルにあるという低充填レベル指示を生成し、
充填レベル指示を生成しない時に空フラスコエラーを生成するように構成されている制御回路と
を含むデバイス。
【請求項22】
前記気体注入路は、
気体注入線と、
前記気体注入線に結合されている貯蔵庫であって、前記泡立ち液体-気体混合物を前記フラスコに上方へ押し込むために前記フラスコの下に結合及び位置決めされている貯蔵庫と
を含む、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記フラスコは、前記液体量への暴露を介して前記泡立ち液体-気体混合物の気体を加湿するために加湿フラスコを含む、請求項21又は22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記液体量は、水量を含む、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記デバイスは、培養器の気体加湿システム内に含まれており、
任意選択的に、前記気体加湿システムは、前記加湿フラスコを含む複数の並列加湿フラスコを含み、
任意選択的に、前記複数の並列加湿フラスコは、構成及び1つ又は複数の動作パラメータが異なり、
任意選択的に、前記培養器は、生殖補助技術(ART)システム内に含まれている、請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
第1の液体センサーから第1の測定読み取り値を取得するステップであって、前記第1の測定読み取り値は、フラスコの第1の充填レベルに存在する液体の第1の量を示すステップと、
第2の液体センサーから第2の測定読み取り値を取得するステップであって、前記第2の測定読み取り値は、フラスコの第2の充填レベルに存在する液体の第2の量を示し、前記第2の充填レベルは、前記第1の充填レベルと異なるステップと、
前記第2の測定読み取り値が第2の充填レベル閾値を超える時に、1つ又は複数の単一閾値条件を満たすと判定するステップと、
前記第1の測定読み取り値が第1の充填レベル閾値を超え、
前記第2の測定読み取り値が補足閾値を超え、前記補足閾値は、前記第2の充填レベル閾値と異なる
時に、複数閾値条件を満たすと判定するステップと、
前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たす時に少なくとも前記第2の充填レベルまで前記フラスコに充填するという高充填レベル指示を生成するステップと、
前記複数閾値条件を満たす時に前記第1の充填レベルまで前記フラスコに充填するという第1の充填レベル指示を生成するステップと
を含む方法。
【請求項27】
前記1つ又は複数の単一閾値条件を満たし、前記複数閾値条件を満たす時に、前記第1の充填レベル指示を省略するステップを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記フラスコの下部を介して気体を上方へ押し込むことによって、前記フラスコに存在する前記液体の乱流を引き起こすステップを更に含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
間隔を置いて前記液体センサーをポーリングするステップと、
各間隔で充填レベル指示又は空フラスコエラーを生成するステップと
を更に含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の測定読み取り値を取得するステップは、前記第1の液体センサーからの第1の生読み取り値から第1の較正値を引くステップを含み、
前記第2の測定読み取り値を取得するステップは、前記第2の液体センサーからの第2の生読み取り値から第2の較正値を引くステップを含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第1の測定読み取り値を取得するステップは、前記第1の液体センサーからの第1の生読み取り値に第1の温度依存調整を適用するステップを含み、
前記第2の測定読み取り値を取得するステップは、前記第2の液体センサーからの第2の生読み取り値に第2の温度依存調整を適用するステップを含む、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
上部液体センサーからの測定読み取り値が高充填レベル閾値を超える時に、フラスコが高充填レベルにあるという高充填レベル指示を生成するステップであって、前記上部液体センサーは、フラスコの高充填レベルに対応するように位置決めされるステップと、
下部液体センサーからの測定読み取り値が低充填レベル閾値を超え、前記下部液体センサーは、フラスコの低充填レベルに対応するように位置決めされ、
前記上部液体センサーからの前記測定読み取り値が補足閾値を超える
時に、前記フラスコが低充填レベルにあるという低充填レベル指示を生成するステップと、
充填レベル指示を生成しない時に空フラスコエラーを生成するステップと
を含む方法。
【請求項33】
請求項1~25のいずれか一項に記載のデバイスのいずれかを動作させることによって実施される方法。
【請求項34】
機械可読媒体と、
前記機械可読媒体に記憶されている命令であって、請求項33の方法を機械に実行させるように構成されている命令と
を含み、
任意選択的に、前記命令は、実行可能であり、
任意選択的に、前記機械可読媒体は、持続的であり、
任意選択的に、前記機械可読媒体は、一時的な信号以外であり、
任意選択的に、前記命令は、制御器回路ファームウェア命令を含む、
製品。
【請求項35】
開示に記載の特徴のいずれか又はいずれかの組み合わせを実施するステップを含む方法。
【請求項36】
開示に記載の特徴のいずれか又はいずれかの組み合わせを実施するように構成されている回路を含むシステム。
【請求項37】
機械可読媒体と、
前記機械可読媒体に記憶されている命令であって、開示に記載の特徴のいずれか又はいずれかの組み合わせを機械に実施させるように構成されている命令と
を含み、
任意選択的に、前記機械可読媒体は、持続的であり、
任意選択的に、前記機械可読媒体は、一時的な信号以外であり、
任意選択的に、前記命令は、実行可能であり、
任意選択的に、前記命令は、制御器回路ファームウェア命令を含む、
製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、フラスコにおける充填レベル検出用のシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々なシステムにおいて、デバイスの動作は、フラスコにおける液体の充填レベルに左右されることがある。例において、燃料タンクにおける液体の充填レベルは、車両のための動作の残存持続時間を示すことがある。別の例において、加湿システムにおけるフラスコの充填レベルは、加湿システムの動作の残存持続時間を示すことがある。様々なシナリオにおいて、液体を保有するフラスコを用いたデバイスの適切な動作の停止は、壊滅的な故障(例えば、乗客の足止め、試料の乾燥、又は他の故障)を引き起こすことがある。従って、低い(又は他の不適切な)充填レベルに起因する故障を回避するために、改善応答に対する信号伝達のタイミングを改善することは、デバイス動作及びユーザ経験を改善し続ける。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】充填レベル検出デバイスの例を示す。
図2】充填レベル検出論理の第1の例を示す。
図3】充填レベル検出論理の第2の例を示す。
図4】容量充填レベル検出デバイスの例を示す。
図5】気体加湿システムの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
様々なシナリオにおいて、フラスコ(例えば、貯蔵庫、タンク、又は他の流体容器)は、デバイス内に液体を保有してもよい。保有液体を、デバイスの動作に使用してもよい。場合によっては、デバイスの1つ又は複数の動作モードの適切な実行中に、液体を使用してもよい。更に、デバイスの動作は、デバイス内の液体を使い果たすことがあり、及び/又は、処理(例えば、蒸発、漏れ、オーバーフロー、及び/又は他の処理)を介して、液体を使い果たすことがある。従って、デバイスの適切な動作と一致する充填レベルに液体が存在することを保証するために、フラスコを監視してもよい。
【0005】
様々なシナリオにおいて、フラスコは、不透明であってもよく、又は別の方法で視界から隠された内容物を有してもよい。様々なシナリオにおいて、例えば、一貫した動作を保証するために、自動監視を使用してもよい。従って、フラスコは、監視を支援するために、液体センサーシステムを含んでもよい。液体センサーは、容量センサー、光(例えば、光電)センサー、イオン化センサー、及び/又は送信器/受信器の対の間の1つ又は複数の経路にわたってフラスコに及ぶ透過(場合によっては、静的な場)を用いた他のセンサーを含んでもよい。実例において、液体センサーは、コンデンサを形成する電極を含んでもよい。コンデンサの例における場は、フラスコに及んで、フラスコ内の液体内容物の影響を受けることがある。電極間の静電容量を使用して、フラスコ内の位置で液体の存在及び/又は量を判定してもよい。
【0006】
様々なシナリオにおいて、液体は、乱流を受けることがある。例えば、様々な気体加湿用途において、明確な充填線がフラスコ内の液体の充填レベルに生じるのを妨げることがある乱流を引き起こすフラスコ内の液体を介して泡立つように、気体を押し込んでもよい。従って、例えば、デバイス内の制御回路によって実行される論理によって使用される充填レベル検出方式は、不明確な(又は存在しない)充填線を考慮することがある。
【0007】
図1は、充填レベル検出デバイス100の例を示す。デバイス100は、フラスコ102を含んでもよい。デバイス100は、フラスコ内の充填レベル114、116、144に対応する(例えば、2つ以上の)液体センサー104、106、134を含んでもよい。デバイスは、液体センサー104、106、134と通信している制御回路108を含んでもよい。論理(例えば、論理200、300の例)を用いて、制御回路は、(例えば、液体センサー104、106、134からの測定読み取り値に基づいて)出力118を生成してもよい。出力は、例えば、フラスコ102内の液体の充填レベルの指示、及び/又はエラー(例えば、空フラスコエラー、過剰充填エラー、又は他の充填レベルエラー)を含んでもよい。
【0008】
第1の液体センサー104及び第2の液体センサー106は、下部及び上部センサーに対応してもよい。下部センサーは、例えば、充填レベル指示を生成する最低充填レベルに対応するフラスコの近く又は下部の液体センサーに対応してもよい。上部センサーは、上部センサーの下に位置決めされる1つ又は複数のセンサーがあるセンサーを含んでもよい。デバイス100の例に示すように、第2の液体センサーは、下に位置決めされる1つのセンサーがある第2のレベルの充填センサーに対応してもよい。様々な実装形態において、下部センサー、及び下部充填レベルに隣接する又は別の方法で下部充填レベルに近い充填レベルにおけるセンサーを、例えば、空フラスコ状態の検出に使用してもよい。図示しないが、様々な実装形態において、第1の液体センサー104及び第2の液体センサー106は、フラスコの上部の近くに設置されたセンサーを含んでもよく、例えば、過剰充填フラスコ状態の検出に使用されてもよい。
【0009】
さて、図1について説明し続けながら、図2について説明する。充填レベル検出論理FLDL200の第1の例を示す。
【0010】
FLDL200は、液体センサー104、106、134から測定読み取り値を取得してもよい(202)。測定読み取り値を取得することは、センサーから生読み取り値(例えば、未変更読み取り値)のような信号を受信することを含んでもよい。場合によっては、測定読み取り値を取得することは、生読み取り値を調整して、1つ又は複数の要因を補正することを含んでもよい。
【0011】
例えば、測定読み取り値は、較正値(例えば、フラスコが空である間に取り込まれた生読み取り値からの値)を(例えば、通常動作中に取り込まれた)現在の生値から引く調整を含んでもよい。
【0012】
例において、測定読み取り値は、温度調整を含んでもよい。例えば、温度に対して索引を付けた、及び/又は温度を入力として使用するアルゴリズムを用いて計算されたルックアップテーブルから、調整を行ってもよい。
【0013】
様々な実装形態において、FLDL200は、後の閾値比較のために、制御回路に設置されたメモリに測定読み取り値を記憶してもよい。
【0014】
様々な実装形態において、FLDL200は、間隔を置いて液体センサー104、106、134をポーリングしてもよい。例えば、FLDLは、周期的に(例えば、1分毎に、20秒毎に、10秒毎に、1秒毎に)及び/又は所定の間隔でセンサーをポーリングしてもよい。
【0015】
第2の液体センサー106及び/又は他の液体センサー134から測定読み取り値を取得した後、FLDL200は、1つ又は複数の単一閾値条件を満たすかどうかを判定してもよい(204)。単一閾値条件は、単一液体センサーからの1つ又は複数の読み取り値に依存する条件又は条件のセットを含んでもよい。従って、他の充填レベルに存在する任意の条件とは無関係に、フラスコ内の所与の充填レベルの単一閾値条件を満たしてもよい。1つ又は複数の単一閾値条件を満たすかどうかを判定するために、FLDL200は、第2の液体センサー106及び/又は他の液体センサー134からの測定読み取り値を、第2の液体センサー106及び/又は他の液体センサー134の各充填レベルに対する各充填レベル閾値と比較してもよい。充填レベル閾値は、所与の充填レベルで液体飽和を示すように選択された所定の値を含んでもよい。従って、所与の充填レベルに対する液体センサーからの測定読み取り値がその充填レベルに対する対応する所定の値を超える場合、対応する単一閾値条件を満たす。
【0016】
第2の液体センサー106及び第1の液体センサー104から測定読み取り値を取得した後、FLDL200は、1つ又は複数の複数閾値条件を満たすかどうかを判定してもよい(206)。複数閾値条件は、異なる充填レベルで測定値を取得するように各々配置された複数の液体センサーの各々からの少なくとも1つの読み取り値に依存する条件のセットを含んでもよい。従って、対応する充填レベル閾値を超える所与の充填レベルに対する液体センサーからの測定読み取り値は、複数閾値条件を満たすのに不十分であることがある。むしろ、1つ又は複数の他の液体センサーからの測定読み取り値が対応する補足閾値を超えながら、液体センサーからの測定読み取り値が対応する充填レベル閾値を超える場合、複数閾値条件を満たしてもよい。様々な実装形態において、所与の充填レベルに対する補足閾値は、対応する充填レベル閾値よりも低くてもよい。従って、補足閾値のこのような例は、補足閾値を超える対応する液体センサーの充填レベルで部分的液体飽和を示してもよい。
【0017】
様々な実装形態において、所与の充填レベルに対する補足閾値は、その充填レベルに対する対応する充填レベル閾値の約半分であってもよい。例えば、補足閾値は、対応する充填レベル閾値の40%と60%との間であってもよい。例えば、補足閾値は、対応する充填レベル閾値の43%と50%との間であってもよい。例えば、補足閾値は、対応する充填レベル閾値の44%であってもよい。例えば、補足閾値は、対応する充填レベル閾値の49%であってもよい。
【0018】
実例において、複数閾値条件は、第1の液体センサー104から測定読み取り値が充填レベル閾値を超え、第2の液体センサー106から測定読み取り値が補足閾値を超える条件を含んでもよい。
【0019】
従って、部分的飽和が第2の充填レベルで存在すると同時に、液体飽和が第1の充填レベルで存在する場合、複数閾値条件の例を満たしてもよい。上述のように、単一閾値条件を、対応する充填レベルに存在する液体飽和によって満たしてもよい。従って、複数閾値条件は、幾つかの単一閾値条件よりも厳しくてもよい。
【0020】
嘘の測定読み取り値(例えば、乱流又は他の一時的な影響に起因する極めて高い(又は低い)読み取り値)が、フラスコを使用しているシステムの動作中に故障を引き起こすことがある充填レベルで、複数閾値条件を実施してもよい。例えば、複数閾値条件を実施してもよい充填レベルは、フラスコの実際の充填がその充填レベルよりも低い(又は高い)場合、このような故障が発生する充填レベルを含んでもよい。
【0021】
単一閾値条件のうち1つ又は複数を満たす場合、FLDL200は、対応する充填レベルまでフラスコに充填することを示す1つ又は複数の充填レベル指示を生成してもよい(208)。複数閾値条件を満たす場合、FLDL200は、第1の充填レベルまでフラスコに充填することを示す充填レベル指示を生成してもよい(210)。
【0022】
様々な実装形態において、FLDL200は、条件(単一閾値条件又は複数閾値条件)を満たす最高充填レベルに対応する充填レベル指示を送信してもよい。場合によっては、より低い充填レベルで条件を満たすかどうかにかかわらず、最高充填レベルに対応する充填レベル指示を送信してもよい。場合によっては、より低い充填レベルに対する充填レベル指示を省略してもよい(例えば、より高い充填レベルに対する条件を満たす場合、より低い充填レベルで試験をスキップするようにFLDL200を構成することができるので、充填レベル指示を生成しない)。場合によっては、より低い充填レベルに対する充填レベル指示を削除してもよい。場合によっては、より低い充填レベルに対する充填レベル指示を抑止してもよい(例えば、充填レベル指示を、生成及び記憶するけれども、表示及び/又は記録のために送信しない)。場合によっては、より低い充填レベルに対する充填レベル指示を上書きしてもよい(例えば、対応する条件を満たす場合、FLDL200がより高い充填レベル指示を後で書き込む同じメモリ位置に、充填レベル指示を記憶する)。
【0023】
様々な実装形態において、(例えば、どの条件も満たさないので)充填レベル指示を生成しない場合、FLDL200は、空フラスコエラーを生成してもよい。例えば、センサーをポーリングし、充填レベル指示を生成しない場合、FLDL200は、空フラスコエラーを生成してもよい。
【0024】
充填レベル指示及び空フラスコエラーを、ユーザに提示するために、記録及び/又は表示用のメモリに送信してもよい。ユーザによる容易又は解釈のために、充填レベルを、充填百分率(又は他の部分識別子)として提示してもよい。例えば、(デバイス100の例に示すような)4つの充填レベルを有するフラスコは、25%、50%、75%、及び100%に対応する充填レベルを有してもよい。同様に、3つの充填レベルを有するフラスコは、満杯の1/3、満杯の1/2、及び満杯に対応する充填レベルを有してもよい。
【0025】
さて、図1について説明し続けながら、図3について説明する。FLDL300の第2の例を示す。FLDL300の第2の例を、(例えば、制御回路108によって)実行してもよい。様々な実装形態において、FLDL300の第2の例は、FLDL200の第1の例の様々な特徴を含んでもよい。例えば、様々な実装形態において、FLDL300は、間隔を置いてセンサーをポーリングしてもよい。例えば、様々な実装形態において、FLDL300は、2つ以上の充填レベル(例えば、少なくとも低充填レベル及び1つの高充填レベル)を有するフラスコで動作してもよい。様々な実装形態において、FLDL300は、フラスコ内の液体の乱流で動作してもよい。様々な実装形態において、FLDL300は、較正値及び/又は温度ベースの調整に基づいて調整可能な測定読み取り値を用いて動作してもよい。
【0026】
様々な実装形態において、FLDL300は、上部液体センサー(例えば、第2の液体センサー106又は他の液体センサー134のうちいずれか1つ)からの測定読み取り値が高充填レベル閾値を超える場合、フラスコが高充填レベル(例えば、第2の充填レベル116又は他の充填レベル144のうちいずれか1つ)にあるという高充填レベル指示を生成する(302)。
【0027】
FLDL300は、下部液体センサー(例えば、第1の液体センサー104)からの測定読み取り値が低充填レベル閾値を超え、更に、上部液体センサーからの測定読み取り値が補足閾値を超える場合、低充填レベル指示を生成してもよい(304)。
【0028】
FLDL300は、充填レベル指示を生成しない場合、空フラスコエラーを生成してもよい(306)。
【0029】
様々な実装形態において、FLDL300は、より高いレベルに対する充填レベル指示を生成する場合、より低いレベルに対する充填レベル指示を、抑止、削除、上書き、又は省略してもよい。
【0030】
実装形態の例
【0031】
様々な実装形態が、具体的に説明されている。しかし、多くの他の実装形態も可能である。例えば、下記に含まれる実装形態の例は、上述の原理の様々な実装形態の例示であるように説明される。しかし、下記に含まれる例は、むしろ、場合によっては、上述の技法及びアーキテクチャの説明に役立つ特定の例を限定するように意図されていない。実装形態の下記の例の特徴を、上述の技法及びアーキテクチャに従って様々なグループ化で組み合わせてもよい。
【0032】
図4について説明する。容量充填レベル検出デバイス400の例を示す。デバイス400の例は、フラスコ402を含んでもよい。デバイス400は、フラスコ内の充填レベル414、416、418、420に対応する4つの容量液体センサー404、406、408、410を含んでもよい。4つの容量センサーは各々、線434、436、438、及び440を介して、制御回路432と通信可能に個々に結合される外部電極424、426、428、及び430を含んでもよい。4つの容量センサーは各々、(フラスコの外壁上の)外部電極と同じ平面上にあり、線454を介してグループとして制御回路432と通信可能に結合される内部電極444、446、448、及び450を含んでもよい。論理(例えば、論理300の例)を用いて、制御回路432は、(例えば、容量液体センサー404、406、408、410からの測定読み取り値に基づいて)出力458を生成してもよい。充填レベル414、416、418、420は、25%、50%、75%、及び100%の充填レベルにそれぞれ対応する。
【0033】
内部電極は、パルス(又は他の過渡信号)を生成してもよい。パルスから各外部電極に達するエネルギー量は、フラスコ内の対応する充填レベルにおける液体量に左右されることがある。センサーの静電容量を変更し、電極間で伝達されるエネルギー量を増加するフラスコ内の対応する充填レベルで液体量が増加する場合、内部及び外部電極の間の電気的結合は増加される。
【0034】
様々な実装形態において、容量液体センサー404、406、408、410は、市販のタッチスクリーン容量センサーに基づいていてもよい。
【0035】
図5は、容量充填レベル検出デバイス400の例を実施することができる気体加湿システム(GHS)500の例を示す。GHS500の例は、充填レベル検出デバイス400(フラスコ402を含む)を含んでもよい。GHS500の例は、気体注入路510を更に含んでもよい。気体注入路を、泡立ち液体-気体混合物をフラスコ402に上方へ押し込むためにフラスコ402に結合してもよい。
【0036】
気体注入路510は、気体注入線512、及び気体注入線512に結合された貯蔵庫514を含んでもよい。貯蔵庫514を、下部からフラスコ402に結合してもよい。貯蔵庫514は、気体注入線512を介して気体を貯蔵庫514に送る場合、フラスコ402に上方へ押し込まれる液体(例えば、水)を保持してもよい。
【0037】
GHS500は、液体がフラスコ402を介して泡立つ時に、液体への気体の暴露を介して注入気体を加湿してもよい。
【0038】
GHS500を、様々な気体加湿システムで使用してもよい。例えば、培養システム(例えば、生殖補助技術(ART)システムで使用される胚培養器)で使用される気体を加湿するために、GHS500を使用してもよい。
【0039】
様々な用途において、複数の気体加湿システム(例えば、GHS500の例)を実施して、統合デバイス内で並列に動作してもよい。複数の気体加湿システムは、同様に動作してもよく、又は、フラスコ構造及び/又は動作パラメータ(例えば、充填レベル閾値、温度調整、補足閾値、及び/又は他の動作パラメータ)が互いに異なってもよい。
【0040】
上述の方法、デバイス、処理、及び論理を、多くの異なる方法で、及びハードウェア及びソフトウェアの多くの異なる組み合わせで、実施してもよい。例えば、実装形態の全部又は一部は、命令プロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、又はマイクロプロセッサ)を含む回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はアナログ回路部品、デジタル回路部品、又はアナログ回路部品及びデジタル回路部品の両方を含む個別論理又は他の回路部品を含む回路、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。例として、回路は、個別相互接続ハードウェア部品を含んでもよく、及び/又は、回路を、単一集積回路チップ上で結合し、多重集積回路チップの中で分布させ、又は共通パッケージで多重集積回路チップの多重チップモジュール(MCM)に実装してもよい。
【0041】
回路は、回路による実行用の命令を更に含んでもよく、又は命令にアクセスしてもよい。命令を、信号及び/又はデータストリームとして具体化してもよく、及び/又は、一時的な信号以外の有形記憶媒体(例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM))内に、又は磁気ディスク又は光ディスク(例えば、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CDROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、又は他の磁気ディスク又は光ディスク)上に、又は別の機械可読媒体内又は上に記憶してもよい。製品(例えば、コンピュータプログラム製品)は、記憶媒体、及び媒体内又は上に記憶される命令を特に含んでもよく、デバイス内の回路によって実行される場合の命令は、上述又は図示された処理のいずれかをデバイスに実施させてもよい。
【0042】
実装形態を、回路(例えば、ハードウェア、及び/又は、任意選択的に多重分散処理システムを含む多重システム部品の中の(例えば、多重プロセッサ及びメモリの中の)ハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ)として分布させてもよい。パラメータ、データベース、及び他のデータ構造を、別々に記憶及び管理してもよく、単一メモリ又はデータベースに組み込んでもよく、多くの異なる方法で論理的及び物理的に編成してもよく、リンクリスト、ハッシュ表、配列、レコード、オブジェクト、又は暗黙の記憶機構などをデータ構造として含む多くの異なる方法で実装してもよい。プログラムは、幾つかのメモリ及びプロセッサにわたって分散された、又は多くの異なる方法で、例えば、共用ライブラリ(例えば、ダイナミックリンクライブラリ(DLL))などのライブラリで実装された単一プログラム、個別プログラムの一部(例えば、サブルーチン)であってもよい。例えば、DLLは、回路によって実行される場合、上述又は図示された処理のいずれかを実行する命令を記憶してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】