(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】眼内の調節を客観的に評価するための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/103 20060101AFI20240315BHJP
A61B 3/11 20060101ALI20240315BHJP
A61B 3/113 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61B3/103
A61B3/11
A61B3/113
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023559721
(86)(22)【出願日】2022-03-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 US2022021212
(87)【国際公開番号】W WO2022216451
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ビクター マヌエル ヘルナンデス
(72)【発明者】
【氏名】アルミン ソルタン ザディ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート デミトリ アンゲロプロス
(72)【発明者】
【氏名】テラ ホワイティング スマイリー
(72)【発明者】
【氏名】マディソン マガフ
(72)【発明者】
【氏名】ビディヤプリヤ スリーニバサン
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA01
4C316AA13
4C316AA21
4C316AA28
4C316AB06
4C316AB16
4C316FA01
4C316FB02
4C316FB11
4C316FB22
4C316FY02
4C316FY05
4C316FZ03
(57)【要約】
開示されるのは、眼内の調節を客観的に評価するための装置、システム及び方法である。例えば、調節を客観的に評価するための方法は、遠方ディスプレイにおいて第1の持続時間にわたって刺激目標を表示することと、近方ディスプレイにおいて第2の持続時間にわたって刺激目標を表示することとを含み得る。近方ディスプレイに表示された刺激目標は、近方ディスプレイに対して斜めの角度で配置された第1のビームスプリッタ上に投影され得る。遠方ディスプレイ上に表示された刺激目標は、第1のビームスプリッタ上に投影された刺激目標と軸方向に整列され得る。方法はまた、コントローラにおいて、コントローラと通信する屈折デバイスから、第1の持続時間及び第2の持続時間中の眼の屈折状態に関する測定値を取得することと、コントローラを使用して、それぞれの屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することとを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の眼内の調節を客観的に評価するためのシステムであって、
近方ディスプレイ及び前記近方ディスプレイに対して斜めの角度で配置された第1のビームスプリッタと、
前記近方ディスプレイ及び前記第1のビームスプリッタよりも前記眼から離れて位置する遠方ディスプレイと、
前記近方ディスプレイ及び前記遠方ディスプレイと通信するコントローラであって、1つ以上のプロセッサと、有形の非一時的機械可読媒体であって、その上に記憶された命令を含む有形の非一時的機械可読媒体とを含むコントローラと
を含み、前記1つ以上のプロセッサによる前記命令の実行は、前記コントローラに、
第1の持続時間にわたる前記遠方ディスプレイ上における及び第2の持続時間にわたる前記近方ディスプレイ上における刺激目標の出現を指示することであって、前記近方ディスプレイは、前記第1のビームスプリッタ上に前記刺激目標を投影するように構成され、前記遠方ディスプレイ上に表示された前記刺激目標は、前記第1のビームスプリッタ上に投影された前記刺激目標と軸方向に整列される、指示することと、
前記コントローラと通信する屈折デバイスから、前記第1の持続時間及び前記第2の持続時間中の前記眼の屈折状態に関する測定値を取得することと、
前記屈折状態に部分的に基づいて前記眼の調節応答を判定することと
を行わせる、システム。
【請求項2】
支持アセンブリと、
前記支持アセンブリの上部に結合された電動ステージであって、前記近方ディスプレイ及び前記第1のビームスプリッタを直線方向に並進させるように構成される電動ステージと
を更に含み、前記第1のビームスプリッタは、複数の刺激位置に並進されるように構成され、前記近方ディスプレイは、下向き方向に配向される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記刺激位置は、前記対象の前記眼から約0.80メートル、0.37メートル、0.33メートル及び0.25メートルに位置する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠方ディスプレイは、前記対象の前記眼から約4メートル~6メートルに位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
角度付きミラーと、
前記角度付きミラーの上方に且つ前記近方ディスプレイと前記対象との間に配置されたホットミラーと
を更に含み、前記屈折デバイスは、
照明ビームを生成するように構成された屈折光源であって、前記角度付きミラー及び前記ホットミラーは、前記照明ビームを前記対象の前記眼に誘導するように構成される、屈折光源と、
前記照明ビームに応じて前記眼によって反射された光を捕捉又は検出するように構成された屈折カメラであって、前記眼によって反射された前記光は、前記ホットミラー及び前記角度付きミラーを介して前記屈折デバイスに向けて誘導されて戻る、屈折カメラと、
前記眼によって反射された前記光に基づいて前記眼の屈折状態を判定するように構成された1つ以上の屈折プロセッサと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記近方ディスプレイアセンブリと前記遠方ディスプレイとの間の支持アセンブリの遠位端において、前記眼の視線内に配置された第2のビームスプリッタと、
前記コントローラと通信し、且つ前記眼のリアルタイム画像を捕捉するように構成された整列カメラであって、前記眼の前記視線からオフセットして配置され、前記第2のビームスプリッタは、前記対象の前記眼の画像を前記整列カメラに向けて反射するように構成される、整列カメラと、
前記コントローラと通信し、且つ前記整列カメラによって捕捉された前記眼の前記リアルタイム画像を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように構成されたコントローラディスプレイであって、前記GUIは、前記眼の前記リアルタイム画像上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィックを更に示し、前記対象の前記眼は、前記GUIが前記固定レチクルグラフィックの少なくとも一部内に前記眼の解剖学的特徴を示すとき、前記屈折デバイスと光学的に整列される、コントローラディスプレイと
を更に含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記コントローラの前記1つ以上のプロセッサは、前記コントローラに、
前記屈折デバイスから、前記眼の瞳孔直径及び視線変位に関する測定値を取得することと、
前記瞳孔直径が最小直径閾値を超え、且つ前記視線変位が最大変位閾値未満である場合にのみ、前記眼の前記調節応答を判定することに進むことと
を行わせるための更なる命令を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記対象の前記眼の視線は、前記ホットミラー、前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタを通して延び、それにより、前記対象は、前記ホットミラー、前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタを通して、前記遠方ディスプレイ上に表示された前記刺激目標を見る、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記支持アセンブリの前記遠位端に配置された遠方整列光源を更に含み、前記遠方整列光源は、前記第2のビームスプリッタを介して前記遠方ディスプレイ上に光マーカを投影するように構成され、前記刺激目標は、前記光マーカを包含する領域内で前記遠方ディスプレイ上に表示される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記近方ディスプレイ及び前記遠方ディスプレイの少なくとも1つ上に表示された前記刺激目標に関する前記対象からのユーザ入力を受信するように構成された入力デバイスを更に含み、前記入力デバイスは、コントローラと通信し、前記1つ以上のプロセッサは、前記コントローラに、
前記第1の持続時間にわたる複数の第1の回転配向での前記遠方ディスプレイ上における前記刺激目標の前記出現を指示することと、
前記第1の回転配向に対応する、前記入力デバイスからのユーザ入力を受信することと、
前記第2の持続時間にわたる複数の第2の回転配向での前記近方ディスプレイ上における前記刺激目標の前記出現を指示することと、
前記第2の回転配向に対応する、前記入力デバイスからのユーザ入力を受信することと
を行わせるための更なる命令を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記入力デバイスは、ジョイスティックであり、前記ユーザ入力の各々は、前記近方ディスプレイ又は前記遠方ディスプレイのいずれかに表示された前記刺激目標の回転配向に関連する方向において前記対象によって開始されるジョイスティックの動きである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラの前記1つ以上のプロセッサは、前記コントローラに、
前記屈折デバイスから較正手順中に前記対象の前記眼に関する屈折データを取得することであって、前記較正手順は、
赤外フィルタを前記眼の前に配置することと、
異なる視度強度の複数の試用レンズの各々を前記眼の前に順次配置することと、
前記対象に前記遠方ディスプレイを見るように指示し、且つ前記屈折デバイスを使用して、前記試用レンズの各々について前記眼の前記屈折状態を同時に測定することと
を含む、取得することと、
回帰技術を使用して測定された前記屈折状態の平均に対してプロットされた前記試用レンズの前記異なる視度強度のデータ点に直線を適合させることと、
較正係数として使用される前記直線の傾きを計算することと
を行わせるための更なる命令を実行するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記コントローラの前記1つ以上のプロセッサは、前記コントローラに、以下の式:
調節応答=CF*(X
F-X
N)
を使用して前記眼の前記調節応答を計算させるための更なる命令を実行するように構成され、式中、CFは、前記較正係数であり、X
Fは、前記刺激目標が前記遠方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第1の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間遠方屈折値であり、X
Nは、前記刺激目標が前記近方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第2の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間近方屈折値である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記刺激目標は、視標文字である、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記刺激目標は、約1.5cm~2.0cmの高さ寸法を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
対象の眼内の調節を客観的に評価するための方法であって、
遠方ディスプレイにおいて第1の持続時間にわたって刺激目標を表示することと、
近方ディスプレイにおいて第2の持続時間にわたって前記刺激目標を表示することであって、前記近方ディスプレイに表示された前記刺激目標は、前記近方ディスプレイに対して斜めの角度で配置された第1のビームスプリッタ上に投影され、前記遠方ディスプレイ上に表示された前記刺激目標は、前記第1のビームスプリッタ上に投影された前記刺激目標と軸方向に整列される、表示することと、
コントローラにおいて、前記コントローラと通信する屈折デバイスから、前記第1の持続時間及び前記第2の持続時間中の前記眼の屈折状態に関する測定値を取得することと、
前記コントローラを使用して、前記それぞれの屈折状態に部分的に基づいて前記眼の調節応答を判定することと
を含む方法。
【請求項17】
前記刺激目標を表示する前に、電動ステージを介して前記近方ディスプレイ及び前記第1のビームスプリッタを刺激位置に並進させることを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記屈折デバイスの屈折光源を使用して照明ビームを生成することであって、前記照明ビームは、角度付きミラー及び前記角度付きミラーの上方に配置されたホットミラーにより、前記対象の前記眼に誘導される、生成することと、
前記屈折デバイスの屈折カメラを使用して、前記照明ビームに応じて前記眼によって反射された光を捕捉又は検出することであって、前記眼によって反射された前記光は、前記ホットミラー及び前記角度付きミラーを介して前記屈折デバイスに向けて誘導されて戻る、捕捉又は検出することと、
前記屈折デバイスの1つ以上のプロセッサを使用して、前記眼によって反射された前記光に基づいて前記眼の屈折状態を判定することと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記眼の視線からオフセットして配置された整列カメラを使用して、前記眼のリアルタイム画像を捕捉することであって、前記眼の前記画像は、前記眼の前記視線内に配置された第2のビームスプリッタによって前記整列カメラに向けて反射される、捕捉することと、
前記コントローラと通信するコントローラディスプレイを使用して、前記整列カメラによって捕捉された前記眼の前記リアルタイム画像を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することであって、前記GUIは、前記眼の前記リアルタイム画像上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィックを更に示す、表示することと、
前記GUIが前記固定レチクルグラフィックの少なくとも一部内に前記眼の解剖学的特徴を示すまで、顎当てアセンブリ及び前記対象の頭部の位置の少なくとも1つを調整することにより、前記眼を前記屈折デバイスと整列させることと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記屈折デバイスから、前記眼の瞳孔直径及び視線変位に関する測定値を取得することと、
前記瞳孔直径が最小直径閾値を超え、且つ前記視線変位が最大変位閾値未満である場合にのみ、前記眼の前記調節応答を判定することに進むことと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
赤外線フィルタを前記眼の前に配置することと、
異なる視度強度の複数の試用レンズの各々を前記眼の前に順次配置することと、
前記対象に前記遠方ディスプレイを見るように指示し、且つ前記屈折デバイスを使用して、前記試用レンズの各々について前記眼の前記屈折状態を同時に測定することと、
回帰技術を使用して測定された前記屈折状態の平均に対してプロットされた前記試用レンズの前記異なる視度強度のデータ点に直線を適合させることと、
較正係数として使用される前記直線の傾きを計算することと
を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記コントローラを使用して、以下の式:
調節応答=CF*(X
F-X
N)
を使用して前記眼の前記調節応答を計算することを更に含み、式中、CFは、前記較正係数であり、X
Fは、前記刺激目標が前記遠方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第1の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間遠方屈折値であり、X
Nは、前記刺激目標が前記近方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第2の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間近方屈折値である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
対象の眼内の調節を客観的に評価するための方法であって、
遠方ディスプレイにおいて第1の持続時間にわたって複数の第1の回転配向で刺激目標を表示することと、
近方ディスプレイにおいて第2の持続時間にわたって複数の第2の回転配向で前記刺激目標を表示することであって、前記近方ディスプレイに表示された前記刺激目標は、第1のビームスプリッタ上に投影される、表示することと、
コントローラにおいて、前記対象によって入力デバイスに適用されたいくつかのユーザ入力を受信することであって、前記ユーザ入力は、前記第1の回転配向及び前記第2の回転配向に対応し、前記入力デバイスは、前記コントローラと通信する、受信することと、
前記コントローラにおいて、前記コントローラと通信する屈折デバイスから、前記第1の持続時間及び前記第2の持続時間中の前記眼の屈折状態に関する測定値を取得することと、
前記コントローラを使用して、前記それぞれの屈折状態及び前記ユーザ入力に部分的に基づいて前記眼の調節応答を判定することと
を含む方法。
【請求項24】
前記刺激目標を表示する前に、電動ステージを介して前記近方ディスプレイ及び前記第1のビームスプリッタを刺激位置に並進させることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記屈折デバイスの屈折光源を使用して照明ビームを生成することであって、前記照明ビームは、角度付きミラー及び前記角度付きミラーの上方に配置されたホットミラーにより、前記対象の前記眼に誘導される、生成することと、
前記屈折デバイスの屈折カメラを使用して、前記照明ビームに応じて前記眼によって反射された光を捕捉又は検出することであって、前記眼によって反射された前記光は、前記ホットミラー及び前記角度付きミラーを介して前記屈折デバイスに向けて誘導されて戻る、捕捉又は検出することと、
前記屈折デバイスの1つ以上のプロセッサを使用して、前記眼によって反射された前記光に基づいて前記眼の屈折状態を判定することと
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記眼の視線からオフセットして配置された整列カメラを使用して、前記眼のリアルタイム画像を捕捉することであって、前記眼の前記画像は、前記眼の前記視線内に配置された第2のビームスプリッタによって前記整列カメラに向けて反射される、捕捉することと、
前記コントローラと通信するコントローラディスプレイを使用して、前記整列カメラによって捕捉された前記眼の前記リアルタイム画像を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することであって、前記GUIは、前記眼の前記リアルタイム画像上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィックを更に示す、表示することと、
前記GUIが前記固定レチクルグラフィックの少なくとも一部内に前記眼の解剖学的特徴を示すまで、顎当てアセンブリ及び前記対象の頭部の位置の少なくとも1つを調整することにより、前記眼を前記屈折デバイスと整列させることと
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記屈折デバイスから、前記眼の瞳孔直径及び視線変位に関する測定値を取得することと、
前記瞳孔直径が最小直径閾値を超え、且つ前記視線変位が最大変位閾値未満である場合にのみ、前記眼の前記調節応答を判定することに進むことと
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
赤外線フィルタを前記眼の前に配置することと、
異なる視度強度の複数の試用レンズの各々を前記眼の前に順次配置することと、
前記対象に前記遠方ディスプレイを見るように指示し、且つ前記屈折デバイスを使用して、前記試用レンズの各々について前記眼の前記屈折状態を同時に測定することと、
回帰技術を使用して測定された前記屈折状態の平均に対してプロットされた前記試用レンズの前記異なる視度強度のデータ点に直線を適合させることと、
較正係数として使用される前記直線の傾きを計算することと
を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記コントローラを使用して、以下の式:
調節応答=CF*(X
F-X
N)
を使用して前記眼の前記調節応答を計算することを更に含み、式中、CFは、前記較正係数であり、X
Fは、前記刺激目標が前記遠方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第1の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間遠方屈折値であり、X
Nは、前記刺激目標が前記近方ディスプレイ上に表示されるとき、前記第2の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間近方屈折値である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記入力デバイスは、ジョイスティックであり、前記ユーザ入力の各々は、前記近方ディスプレイ又は前記遠方ディスプレイのいずれかに表示された前記刺激目標の回転配向に関連する方向において前記対象によって開始されるジョイスティックの動きである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月6日に出願された米国仮特許出願第63/171,320号明細書及び2021年9月29日に出願された米国仮特許出願第63/261,801号明細書の利益を主張するものであり、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、眼科用機器の分野に関し、より具体的には、眼内の調節を客観的に評価するための装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
調節とは、対象が近くの物体又は目標に焦点を合わせようとするときの眼の視度度数の増加を指す。それは、トライアド近くの眼球運動の1/3であり、他は、収束及び瞳孔収縮である。調節能力は、年齢が増加すると低下し、眼の水晶体の弾力性の喪失によって引き起こされる老眼又は遠視の開始を伴う。
【0004】
対象の調節能力は、従来、標準的なプッシュアップテスト及び患者向けの質問などの主観的手法を使用して臨床設定で測定されてきた。しかしながら、主観的テストは、患者及び臨床医の両方のバイアスに悩まされ、多くの場合、患者の調節能力を過大評価する。
【0005】
更に、いくつかの学術又は研究機関は、調節を客観的に測定するシステムの設計を提案しているが、そのようなシステムは、セットアップが困難であり、そのようなシステムから得られたデータは、有用な結果を得るために大量の後処理を必要とする。そのため、これらのシステムは、使いやすさが最も重要である臨床設定での使用を意図したものではない。
【0006】
更に、調節を測定するためのいくつかのシステムは、患者が焦点を合わせることが困難である、光学的に誘導される調節刺激に依存し、患者の調節能力を過小評価する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、上記の課題に対処する解決策が必要である。そのような解決策は、過度に複雑になることなく、対象の調節能力の正確且つ客観的な評価を提供するべきである。そのような解決策は、臨床的な配慮を念頭に置いて設計されるべきであり、且つ患者の焦点合わせを持続させることができる説得力のある実世界の目標を患者に提示すべきでもある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書に開示されるのは、眼内の調節を客観的に評価するための装置、システム及び方法である。一実施形態では、対象の眼内の調節を客観的に評価するためのシステムが開示される。システムは、近方ディスプレイと、第1のビームスプリッタと、近方ディスプレイ及び第1のビームスプリッタよりも眼から離れて位置する遠方ディスプレイとを含み得る。システムは、近方ディスプレイ及び遠方ディスプレイと通信するコントローラも含み得る。
【0009】
近方ディスプレイは、下向き方向に配向され得る。第1のビームスプリッタは、近方ディスプレイ上に表示されるグラフィック又は画像が近方ディスプレイ上に投影されるように、近方ディスプレイに対して斜めの角度で配置され得る。
【0010】
コントローラは、1つ以上のプロセッサと、有形の非一時的機械可読媒体であって、その上に記憶された命令を含む有形の非一時的機械可読媒体とを含み得る。1つ以上のプロセッサは、命令の少なくとも一部を実行して、コントローラに、第1の持続時間にわたる遠方ディスプレイ上における及び第2の持続時間にわたる近方ディスプレイ上における刺激目標の出現を指示させることができる。近方ディスプレイは、第1のビームスプリッタ上に刺激目標を投影するように構成され得る。遠方ディスプレイ上に表示された刺激目標は、第1のビームスプリッタ上に投影された刺激目標と軸方向に整列され得る。1つ以上のプロセッサは、コントローラに、コントローラと通信する屈折デバイスから、第1の持続時間及び第2の持続時間中の眼の屈折状態に関する測定値を取得することと、屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することとを行わせるための更なる命令を実行することができる。
【0011】
システムは、支持アセンブリ及び支持アセンブリの上部に結合された電動ステージも含み得る。電動ステージは、近方ディスプレイ及び第1のビームスプリッタを直線方向に並進させるように構成され得る。第1のビームスプリッタは、対象の眼から可変距離に位置する複数の刺激位置に自動的に並進され得る。例えば、刺激位置は、対象の眼から約0.80メートル、0.37メートル、0.33メートル及び0.25メートルに位置し得る。特定の実施形態では、遠方ディスプレイは、対象の眼から約4メートル~6メートルに位置し得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、刺激目標は、視標文字であり得る。刺激目標は、約1.5cm~2.0cmの高さ寸法を有し得る。
【0013】
システムは、角度付きミラーと、角度付きミラーの上方に配置されたホットミラーとを更に含み得る。ホットミラーは、近方ディスプレイアセンブリと対象との間に配置され得る。
【0014】
屈折デバイスは、照明ビームを生成するように構成された屈折光源と、照明ビームに応じて眼によって反射された光を捕捉又は検出するように構成された屈折カメラとを含み得る。角度付きミラー及びホットミラーは、照明ビームを対象の眼に誘導するように構成され得る。眼によって反射された光は、ホットミラー及び角度付きミラーを介して屈折デバイスに向けて誘導されて戻り得る。屈折デバイスの1つ以上のプロセッサは、眼によって反射された光に基づいて眼の屈折状態を判定するように構成され得る。
【0015】
システムは、第2のビームスプリッタと、コントローラと通信し、且つ眼のリアルタイム画像を捕捉するように構成された整列カメラとを更に含み得る。第2のビームスプリッタは、近方ディスプレイアセンブリと遠方ディスプレイとの間の支持アセンブリの遠位端において、眼の視線方向に配置され得る。対象の眼の視線は、ホットミラー、第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタを通して延び得、それにより、対象は、ホットミラー、第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタを通して、遠方ディスプレイ上に表示された刺激目標を見る。
【0016】
整列カメラは、眼の視線からオフセットして配置され得る。第2のビームスプリッタは、対象の眼の画像を整列カメラに向けて反射するように構成され得る。コントローラと通信するコントローラディスプレイは、整列カメラによって捕捉された眼のリアルタイム画像を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示するように構成され得る。GUIは、眼のリアルタイム画像上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィックを更に示すことができる。対象の眼は、GUIが固定レチクルグラフィックの少なくとも一部内に眼の解剖学的特徴を示すとき、屈折デバイスと光学的に整列される。
【0017】
システムは、支持アセンブリの遠位端に配置された遠方整列光源も含み得る。遠方整列光源は、第2のビームスプリッタを介して遠方ディスプレイ上に光マーカを投影するように構成され得る。刺激目標は、光マーカを包含する領域内で遠方ディスプレイ上に表示され得る。
【0018】
システムは、近方ディスプレイ及び遠方ディスプレイの少なくとも1つ上に表示された刺激目標に関する対象からのユーザ入力を受信するように構成された入力デバイスを更に含み得る。入力デバイスは、コントローラと通信することができる。1つ以上のプロセッサは、コントローラに、第1の持続時間にわたる複数の第1の回転配向での遠方ディスプレイ上における刺激目標の出現を指示することと、第1の回転配向に対応する、入力デバイスからのユーザ入力を受信することと、第2の持続時間にわたる複数の第2の回転配向での近方ディスプレイ上における刺激目標の出現を指示することと、第2の回転配向に対応する、入力デバイスからのユーザ入力を受信することとを行わせるための更なる命令を実行するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、入力デバイスは、ジョイスティックであり得る。これらの実施形態では、ユーザ入力の各々は、近方ディスプレイ又は遠方ディスプレイのいずれかに表示された刺激目標の回転配向に関連する方向において対象によって開始されるジョイスティックの動きである。
【0020】
コントローラの1つ以上のプロセッサは、コントローラに、屈折デバイスから、眼の瞳孔直径及び視線変位に関する測定値を取得させるための更なる命令を実行するように構成され得る。コントローラは、瞳孔直径が最小直径閾値を超え、且つ視線変位が最大変位閾値未満である場合にのみ、眼の調節応答を判定することができる。
【0021】
コントローラの1つ以上のプロセッサは、コントローラに、屈折デバイスから較正手順中に対象の眼に関する屈折データを取得させるための更なる命令を実行するようにも構成され得る。較正手順は、赤外フィルタを眼の前に配置することと、異なる視度強度の複数の試用レンズの各々を眼の前に順次配置することと、対象に遠方ディスプレイを見るように指示し、且つ屈折デバイスを使用して、試用レンズの各々について眼の屈折状態を同時に測定することとを含み得る。次いで、コントローラは、回帰技術を使用して測定された屈折状態の平均に対してプロットされた試用レンズの異なる視度強度のデータ点に直線を適合させ、且つ較正係数として使用される直線の傾きを計算することができる。
【0022】
コントローラの1つ以上のプロセッサは、コントローラに、以下の式を使用して眼の調節応答を計算させるための更なる命令を実行するように構成され得る。
調節応答=CF*(XF-XN)
【0023】
上記の式において、CFは、較正係数であり、XFは、刺激目標が遠方ディスプレイ上に表示されるとき、第1の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間遠方屈折値であり、XNは、刺激目標が近方ディスプレイ上に表示されるとき、第2の持続時間中に得られた測定値を使用して計算された中間近方屈折値である。
【0024】
対象の眼内の調節を客観的に評価するための方法も開示される。一実施形態では、方法は、遠方ディスプレイにおいて第1の持続時間にわたって刺激目標を表示することと、近方ディスプレイにおいて第2の持続時間にわたって刺激目標を表示することとを含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、近方ディスプレイに表示された刺激目標は、近方ディスプレイに対して斜めの角度で配置された第1のビームスプリッタ上に投影され得る。これら及び他の実施形態では、遠方ディスプレイ上に表示された刺激目標は、第1のビームスプリッタ上に投影された刺激目標と軸方向に整列され得る。
【0026】
方法は、コントローラにおいて、コントローラと通信する屈折デバイスから、第1の持続時間及び第2の持続時間中の眼の屈折状態に関する測定値を取得することも含み得る。方法は、コントローラを使用して、それぞれの屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することを更に含み得る。
【0027】
別の実施形態では、方法は、遠方ディスプレイにおいて第1の持続時間にわたって刺激目標を複数の第1の回転配向で表示することと、近方ディスプレイにおいて第2の持続時間にわたって刺激目標を複数の第2の回転配向で表示することとを含み得る。この実施形態では、方法は、コントローラにおいて、対象によって入力デバイスに適用されたいくつかのユーザ入力を受信することも含み得る。入力デバイス(例えば、ジョイスティック)は、コントローラと通信することができる。ユーザ入力(例えば、ジョイスティックの動き)は、第1の回転配向及び第2の回転配向に対応し得る。方法は、コントローラにおいて、屈折デバイスから、第1の持続時間及び第2の持続時間中の眼の屈折状態に関する測定値を取得することを更に含み得る。方法は、コントローラを使用して、それぞれの屈折状態及びユーザ入力に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することも含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、方法は、刺激目標を表示する前に、電動ステージを介して近方ディスプレイ及び第1のビームスプリッタを刺激位置に並進させることを含み得る。
【0029】
方法は、屈折デバイスの屈折光源を使用して照明ビームを生成することと、屈折デバイスの屈折カメラを使用して、照明ビームに応じて眼によって反射された光を捕捉又は検出することとを含み得る。いくつかの実施形態では、照明ビームは、角度付きミラー及び角度付きミラーの上方に配置されたホットミラーによって対象の眼に誘導され得る。眼によって反射された光は、ホットミラー及び角度付きミラーを介して屈折デバイスに向けて誘導されて戻り得る。屈折デバイスの1つ以上のプロセッサは、眼によって反射された光に基づいて眼の屈折状態を判定することができる。
【0030】
方法は、眼の視線からオフセットして配置された整列カメラを使用して、眼のリアルタイム画像を捕捉することも含み得る。眼の画像は、眼の視線内に配置された第2のビームスプリッタによって整列カメラに向けて反射され得る。方法は、コントローラと通信するコントローラディスプレイを使用して、整列カメラによって捕捉された眼のリアルタイム画像を示すグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を表示することも含み得る。GUIは、眼のリアルタイム画像上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィックを更に示すことができる。方法は、GUIが固定レチクルグラフィックの少なくとも一部内に眼の解剖学的特徴を示すまで、顎当てアセンブリ及び対象の頭部の位置の少なくとも1つを調整することにより、眼を屈折デバイスと整列させることを更に含み得る。
【0031】
方法は、屈折デバイスから、眼の瞳孔直径及び視線変位に関する測定値を取得することと、瞳孔直径が最小直径閾値を超え、且つ視線変位が最大変位閾値未満である場合にのみ、眼の調節応答を判定することに進むこととを更に含み得る。
【0032】
方法はまた、赤外フィルタを眼の前に配置することと、異なる視度強度の複数の試用レンズの各々を眼の前に順次配置することと、対象に遠方ディスプレイを見るように指示し、且つ屈折デバイスを使用して、試用レンズの各々について眼の屈折状態を同時に測定することとにより、対象の眼に対して器具を較正することを含み得る。次いで、コントローラは、回帰技術を使用して測定された屈折状態の平均に対してプロットされた試用レンズの異なる視度強度のデータ点に直線を適合させ、且つ較正係数として使用される直線の傾きを計算することができる。
【0033】
方法は、刺激目標が遠方ディスプレイ上に表示されるとき、第1の持続時間中に得られた測定値を使用して中間遠方屈折値を計算することと、刺激目標が近方ディスプレイ上に表示されるとき、第2の持続時間中に得られた測定値を使用して中間近方屈折値を計算することとを更に含み得る。次いで、中間遠方屈折値から中間近方屈折値を減算し、その結果を較正係数で乗算することにより、対象の眼の調節応答を計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】眼内の調節を客観的に評価するためのシステムの一実施形態を概略的に示す。
【
図2】
図1に示されるシステムの一部の斜視図である。
【
図3A】システムの屈折整列光源の一実施形態の斜視図である。
【
図3B-3C】2つの刺激目標が整列される例を示す概略図である。
【
図4】遠方整列光源を示すシステムの一部の一実施形態の上方斜視図である。
【
図5A】刺激目標が表示され得る複数の可能な領域を表示するシステムの遠方ディスプレイを示す。
【
図5B】可能な領域から領域が選択されると、その領域内に刺激目標が表示され得ることを示す。
【
図6】ジョイスティックの動きを、表示された刺激目標の回転配向に一致させるために、ジョイスティックが対象によって制御され得ることを示す。
【
図7】眼内の調節を客観的に評価する方法の一実施形態を示す。
【
図8】整列グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一実施形態を示す。
【
図11】屈折デバイスによって得られた生の又はスケーリングされていない屈折測定値を時間の関数として視覚化したグラフである。
【
図12】理想化された応答曲線と、各刺激位置において計算された調節応答に基づく対象の応答曲線との両方を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、対象の眼内の調節を客観的に評価するためのシステム100の一実施形態を概略的に示す。システム100は、対象が自由空間において実世界の刺激目標を両眼で見るときの眼の屈折状態の変化をリアルタイムで測定することができる。
図2は、
図1に示されるシステム100の一部の斜視図である。
【0036】
システム100は、複数の条件における視覚的調節を評価するために使用され得る。いくつかの実施形態では、システム100は、移植された調節眼内レンズ(AIOL)の有効性を判定するために使用され得る。例えば、本明細書に開示されるシステム100は、以下の米国特許出願及び刊行物に開示されたAIOLのいずれかの有効性を判定するために使用され得る。2020年10月1日に出願された米国特許出願第17/060,901号明細書、2020年10月1日に出願された米国特許出願第17/060,919号明細書、米国特許出願公開第2020/0337833号明細書、米国特許出願公開第2018/0256315号明細書、米国特許出願公開第2018/0153682号明細書、米国特許出願公開第2017/0049561号明細書及び以下の米国特許:米国特許第10,299,913号明細書、米国特許第10,195,020号明細書、米国特許第8,968,396号明細書であり、これらの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0037】
他の実施形態では、システム100は、偽水晶体眼内レンズ又は有水晶体眼内レンズの有効性を評価するために使用され得る。更なる実施形態では、システム100は、対象の天然水晶体の視覚的調節を評価するために使用され得る。
【0038】
図1及び
図2に示されるように、システム100は、対象の顎を支持するための顎当て104を更に含む顎当てアセンブリ102を含み得る。顎当て104は、対象が椅子又は座席(図示せず)に座っているときに対象の顎を支持し得る。
【0039】
顎当てアセンブリ102は、対象の顎が顎当て104上に静止した状態で調節され得る。顎当てアセンブリ102は、対象の眼をシステム100の特定の構成要素に整列させるように調整され得る。
【0040】
例えば、顎当て104を垂直方向に上下させたり、横方向に移動させたりすることができる。対象の眼の整列については、後のセクションで更に詳述する。
【0041】
システム100は、近方ディスプレイアセンブリ106及び近方ディスプレイアセンブリ106よりも眼から遠くに位置する遠方ディスプレイ108も含み得る。近方ディスプレイアセンブリ106は、眼から可変距離112に位置する複数の刺激位置110に自動的に並進させることができる。遠方ディスプレイ108は、眼から遠方距離114に位置し得る。遠方距離114は、可変距離112のいずれかよりも大きくすることができる。いくつかの実施形態では、遠方距離114は、約4.0メートル~6.0メートル(例えば、4、メートル、4.5メートル5.0メートル、5.5メートル又は6.0メートル)であり得る。可変距離112は、対象の目から約0.80メートル、0.37メートル、0.33メートル及び0.25メートルに位置し得る。
【0042】
近方ディスプレイアセンブリ106は、近方ディスプレイ116と、近方ディスプレイフレーム120によって担持又はその他の方法で支持される第1のビームスプリッタ118とを含み得る。第1のビームスプリッタ118は、ダイクロイックフィルタであり得るか、又は一部がダイクロイック材料で作成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるビームスプリッタ(第1のビームスプリッタ118又は第2のビームスプリッタ150のいずれかを含む、
図4も参照されたい)は、トルマリンで作成され得る。トルマリンは、アルミニウム、鉄、マグネシウム、リチウム、カリウム及び/又はナトリウムも含む結晶性ホウケイ酸塩鉱物である。他の実施形態では、第1のビームスプリッタ118又は第2のビームスプリッタ150のいずれかを、ミラー又はプレートとして成形された石英基板にダイクロイック光学コーティング又は金属コーティングを施すことによって作成されたプレート型ビームスプリッタとすることができる。
【0044】
図1及び
図2に示されるように、第1のビームスプリッタ118は、近方ディスプレイ116に対して斜めの角度(すなわち直角ではない角度)で配置され得る。例えば、第1のビームスプリッタ118は、ビームスプリッタが45度の入射角を有するように設計されると、45度の角度で近方ディスプレイ116に対して配置され得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1のビームスプリッタ118は、近方ディスプレイフレーム120の1つ以上のフレーム側面に取り付けられ得る。第1のビームスプリッタ118は、第1のビームスプリッタ118の角度が調整可能であるように、回転可能なヒンジを介して近方ディスプレイフレーム120に結合され得る。
【0046】
近方ディスプレイ116は、対象が見るための画像又はグラフィックを第1のビームスプリッタ118上に表示及び投影することができる。更に、
図1及び
図2に示されるように、近方ディスプレイ116は、近方ディスプレイ116が近方ディスプレイフレーム120のベースに面するように、垂直下向き方向又はフェースダウンに配向され得る。
【0047】
電動ステージ122は、支持アセンブリ124の上部に沿って配置され得る。いくつかの実施形態では、支持アセンブリ124は、細長いテーブル又はベンチであり得る。電動ステージ122は、近方ディスプレイ116及び第1のビームスプリッタ118を担持する近方ディスプレイフレーム120を直線方向に並進させることができる。いくつかの実施形態では、電動ステージ122は、1つ以上のサーボコントローラ又はモータ(例えば、ブラシレスサーボコントローラ)によって制御され得る。他の実施形態では、電動ステージ122は、リニアアクチュエータ、回転アクチュエータ又はステッピングモータなど、別のタイプのアクチュエータによって制御又は他の方法で動作され得る。
【0048】
第1のビームスプリッタ118は、対象の眼の視線126に沿って、複数の刺激位置110(
図1では、そのような位置の1つが幻線で示されている)に並進させることができる。刺激位置110は、対象の眼から0.25メートル~1.0メートルの任意の距離に位置し得る。より具体的には、刺激位置110は、対象の眼から約0.80メートル、0.37メートル、0.33メートル及び0.25メートルに位置し得る。これらは、それぞれ1.25ジオプター、2.7ジオプター、3.0ジオプター及び4.0ジオプターの視度距離に対応し得る。他の実施形態では、刺激位置110は、対象の眼から約0.66メートル、0.57メートル、0.50メートル及び0.29メートル(それぞれ1.50ジオプター、1.75ジオプター、2.0ジオプター及び3.5ジオプターの視度距離に対応する)の位置にも位置し得る。
【0049】
システム100は、1つ以上のプロセッサ130と少なくとも1つのメモリ132とを有するコントローラ128を含み得る。1つ以上のプロセッサ130は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィカル処理ユニット(GPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0050】
メモリ132は、その上に記憶された命令(例えば、ソフトウェア命令)を含む有形の非一時的機械可読媒体であり得る。例えば、メモリ132は、不揮発性メモリ、揮発性メモリ又は他のタイプのコンピュータ可読ストレージを指し得る。より具体的には、メモリ132は、フラッシュメモリ(ソリッドステートドライブの形態)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、低電力ダブルデータレート(LPDDR)SDRAMなどの同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、組み込み型マルチメディアコントローラ(eMMC)ストレージ又はそれらの組み合わせを指し得る。1つ以上のプロセッサ130は、メモリ132上に記憶された機械可読命令を実行して、システム100の特定の電子構成要素を制御することができる。
【0051】
コントローラ128は、1つ以上のネットワーク134を介して他の電子構成要素と通信することができる。いくつかの実施形態では、ネットワーク134は、双方向高速バス(例えば、シリアル通信バス)、光ファイバケーブル、イーサネット又はそれらの組み合わせなど、物理的又は有線接続を使用して確立されたネットワークであるか又はそれらを指し得る。例えば、ネットワーク134は、コントローラエリアネットワーク(CAN)又はフレキシブルデータレートを伴うコントローラエリアネットワーク(CAN-FD)などのローカルエリアネットワーク(LAN)の一部を指し得る。他の実施形態では、ネットワーク134は、3G無線通信規格、4G無線通信規格、5G無線通信規格、ロングタームエボリューション(LTE)無線通信規格、Bluetooth(登録商標)(IEEE 802.15.1)若しくはBluetooth(登録商標)低エネルギー(BLE)近距離通信プロトコル、無線フィデリティ(WiFi(登録商標))(IEEE 802.11)通信プロトコル、超広帯域(UWB)(IEEE 802.15.3)通信プロトコル、ZigBee(登録商標)(IEEE 802.15.4)通信プロトコル又はそれらの組み合わせなどの無線通信プロトコル又は規格を使用して確立されたネットワークであり得るか又はそれを指し得る。
【0052】
コントローラ128は、コントローラディスプレイ136と通信可能であり得るか、又はコントローラディスプレイ136と通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、コントローラ128は、専用のデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータであり得、コントローラディスプレイ136は、それぞれデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータのディスプレイであり得る。他の実施形態では、コントローラディスプレイ136は、別個のディスプレイであり得る。例えば、コントローラディスプレイ136は、高精細テレビ、超高精細テレビ、プロジェクタ又はコンピュータディスプレイであり得る。図には示されていないが、コントローラ128は、患者データ又はテストデータを管理するためのデータ管理モジュール又はクラウドストレージデータベースと通信することもできる。
【0053】
コントローラ128は、近方ディスプレイ116及び遠方ディスプレイ108と通信することができるか又は通信可能に結合され得る。コントローラ128の1つ以上のプロセッサ130は、メモリ132に記憶された命令を実行して、コントローラ128に、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116上の刺激目標200の出現を指示させることができる(例えば、
図2、
図3B、
図3C及び
図5Bを参照されたい)。
【0054】
いくつかの実施形態では、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116は、電子フラットパネルディスプレイであり得る。例えば、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116は、高解像度液晶ディスプレイであり得る。例えば、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116の少なくとも1つは、1280×1080のディスプレイ解像度を有し得る。他の実施形態では、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116の少なくとも1つは、1920×1080のディスプレイ解像度を有し得る。
【0055】
他の実施形態では、遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116の少なくとも1つは、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ又はアクティブマトリクスOLED(AMOLED)ディスプレイであり得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、刺激目標200は、遠方ディスプレイ108又は近方ディスプレイ116上に表示される、デジタル的又は電子的にレンダリングされたグラフィック、アイコン又は文字であり得る。いくつかの実施形態では、刺激目標200は、対象の視力を評価するために使用される、デジタル的又は電子的にレンダリングされた視標文字であり得る。例えば、刺激目標200は、デジタル的又は電子的にレンダリングされた文字「E」又は間隔をあけた直線又はパターンを有する別の視標文字(例えば、文字「F」)であり得る。他の実施形態では、刺激目標200は、任意の非対称グラフィック、アイコン又は文字であり得る。
【0057】
刺激目標200は、約1.50cm~2.0cmの高さ寸法を有し得る。例えば、刺激目標200は、約1.75cmの高さ寸法を有し得る。
【0058】
刺激目標200は遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116上に電子的に生成されるため、刺激目標200のサイズは、刺激目標200が対象の眼に近づくにつれて調整され得る。いくつかの実施形態では、刺激目標200のサイズは、刺激目標200が近方ディスプレイ116上に表示されるにつれて減少され得る。他の実施形態では、刺激目標200のサイズは、刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に表示されるにつれて増加又は拡大され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、刺激目標200は、高コントラストの文字、グラフィック又はアイコンであり得る。例えば、刺激目標200は、暗い色の背景(例えば、黒色の背景)上に表示された明るい色のグラフィック、アイコン又は文字(例えば、白色の文字「E」)であり得る。刺激目標200と背景との間のコントラストは、対象が刺激目標200の1つ以上のエッジを確認することを可能にするのに十分大きくあるべきである。
【0060】
いくつかの実施形態では、暗い色の背景のピクセル強度が0に設定され、刺激目標200(例えば、デジタル的にレンダリングされた文字「E」)のピクセル強度が255に設定され得る。
【0061】
他の実施形態では、刺激目標200は、明るい色の背景上に表示された暗い色のグラフィック、アイコン又は文字(例えば、暗い色の文字)であり得る。追加の実施形態では、刺激目標200の色は、刺激目標200が異なるディスプレイ上に出現するにつれて変化し得る。
【0062】
近方ディスプレイ116は、刺激目標200を下の第1のビームスプリッタ118上に投影するように構成され得る。第1のビームスプリッタ118は、刺激目標200の画像を対象の眼の上に反射することができる。刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に表示される場合(及び近方ディスプレイ116が刺激目標200を表示しない場合)、対象は、第1のビームスプリッタ118を通して遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200を見ることができる。
【0063】
遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200は、第1のビームスプリッタ118上に投影された刺激目標200と軸方向に整列され得る。例えば、遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200及び第1のビームスプリッタ118は、両方とも対象の眼の視線126と軸方向に整列され得る。後のセクションでより詳細に説明するように、対象の眼は、システム100の1つ以上の光学構成要素又はカメラ/検出器とも整列され得る。
【0064】
本明細書に開示されるシステム100の1つの技術的利点は、刺激目標200の表示及び移動が、コントローラ128によって自動化及び制御されることである。臨床医又は技術者は、コントローラディスプレイ136上にレンダリングされるグラフィカルユーザインターフェースの一部としてレンダリングされるボタンを単にクリックすることにより、調節評価を実行することができる。システム100は、臨床医又は技術者がそのような目標を物理的に移動させたり又は対象にそれらの位置を変更するように求めたりすることなく、対象に見るための実世界の刺激目標200を自動的に提示する。更に、刺激目標200は、その後の評価を実行し、それらの結果を以前の評価に対して比較することができるような反復可能な方法で並進される。
【0065】
図1及び
図2は、システム100が、支持アセンブリ124のベースに配置されたレール140に結合された屈折デバイス138を含み得ることも示す。屈折デバイス138は、刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び第1のビームスプリッタ118を介して対象に示されるとき、対象の眼の屈折状態を判定することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、屈折デバイス138は、赤外(IR)フォトリフラクタなどのフォトリフラクタであり得る。例えば、屈折デバイス138は、PlusOptix GmbHからのPlusOptix(登録商標)PowerRef 3などのフォトリフラクタであり得る。
【0067】
他の実施形態では、屈折デバイス138は、オートリフラクタであり得る。例えば、屈折デバイス138は、Shigiya Machinery Works LtdからのGrand Seiko WR-5100Kオートリフラクタであり得る。
【0068】
屈折デバイス138は、偏心光屈折を使用して、眼の屈折状態を測定することができる。例えば、屈折デバイス138は、屈折光源142を使用して照明ビーム141(例えば、約880nm±80nmでの赤外又は近赤外(NIR)ビーム)を生成して、対象の眼に向けて方向付けることができる。赤外光は人間の眼には見えないため、患者の快適さ、瞳孔直径又は調節応答に対する影響は存在しない。
【0069】
眼底は、照明ビーム141(例えば、IR又はNIRビーム)を、眼の瞳孔から出現する反射光143(例えば、反射IR又はNIR光)として反射して戻すことができる。反射光143は、屈折カメラ144(例えば、赤外カメラ又は検出器)によって捕捉され得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、屈折デバイス138は、眼の瞳孔に沿って観察されるクレセントの程度に基づいて、眼の屈折状態を判定することができる。クレセントのサイズが大きいほど、対象の眼の焦点ぼけが大きいことを示し得る。
【0071】
屈折デバイス138は、50Hz又は20ミリ秒(ms)ごとに1回の捕捉レートで反射光143の画像を記録することができる。記録された画像は、眼の屈折状態を判定するために屈折デバイス138によって使用され得る。
【0072】
システム100は、照明ビーム141を眼に方向付けて、反射光143を屈折デバイス138に反射して戻すように構成された角度付きミラー146及びホットミラー148も含み得る。
図1及び
図2は、屈折デバイス138が対象の視線126の外に配置され得ることを示す。例えば、屈折デバイス138は、顎当て104、電動ステージ122及び近方ディスプレイアセンブリ106の垂直下方に(すなわちY方向において垂直下方に)配置され得る。
図1に示されるように、照明ビーム141のビーム経路の少なくとも一部は、対象の眼の視線126に対して平行であるが垂直方向にオフセット(すなわちY方向において垂直方向にオフセット)され得る。角度付きミラー146及びホットミラー148は、照明ビーム141を対象の眼に誘導するように協働することができる。更に、同じホットミラー148及び角度付きミラー146を使用して、反射光143を屈折デバイス138に戻すように誘導することができる。反射光143の光路の少なくとも一部は、対象の眼の視線126に対して平行であるが、垂直方向にもオフセットされ得る。
【0073】
角度付きミラー146の反射面は、照明ビーム141の光路に対してある角度で配置され得る。例えば、角度付きミラー146の反射面は、照明ビーム141のビーム経路に対して45度の角度で配置され得る。ホットミラー148は、角度付きミラー146及び眼の視線126から反射されるビーム経路に対してある角度で配置され得る。例えば、ホットミラー148は、角度付きミラー146及び眼の視線126から反射されるビーム経路に対して45度の角度で配置され得る。
【0074】
角度付きミラー146は、レール140の近位端に配置され得る。角度付きミラー146は、屈折光源142から(例えば、屈折デバイス138のIR又はNIR光源から)発せられた照明ビーム141をホットミラー148に反射するように構成され得る。
【0075】
ホットミラー148は、電動ステージ122の近位端に又は近位端を過ぎて配置され得る。ホットミラー148は、近方ディスプレイアセンブリ106と対象との間に配置され得る。ホットミラー148は、角度付きミラー146の垂直上方に(
図1に示されるようにY方向において垂直上方に)配置され得る。ホットミラー148は、照明ビームを対象の眼に向けて選択的に反射するように構成され得る。
【0076】
ホットミラー148は、照明された眼の画像又は眼の瞳孔から出現するIR/NIR光を角度付きミラー146に向けて反射するようにも構成され得る。いくつかの実施形態では、ホットミラー148は、ダイクロイックフィルタであり得るか、又は一部がダイクロイック材料で作成され得る。
【0077】
角度付きミラー146は、照明された眼の像又は眼の瞳孔から出現するIR/NIR光を、屈折カメラ144(例えば、屈折デバイス内の赤外カメラ又は検出器)に向けて反射して戻すように構成され得る。
【0078】
本出願人が直面した1つの技術的課題は、対象が刺激目標200に焦点を合わせようとしている間、屈折デバイス138が対象の視線126を妨害することなく及び/又は対象の気を散らすことなく、屈折デバイス138を対象の眼と配置又は整列させる方法である。本出願人によって発見されて開発された1つの解決策は、屈折デバイス138が対象の視線126の下方に垂直に配置され(例えば、
図1及び
図2を参照されたい)、角度付きミラー146及びホットミラー148の両方が使用されて、屈折デバイス138を対象の測定された眼と光学的に整列させる、本明細書に開示されるセットアップである。対象は、ホットミラー148を通して刺激目標200を見ることができる。
【0079】
システム100は、屈折デバイス138によって測定された眼の屈折状態に基づいて、眼の調節応答を判定することができる。より具体的には、システム100は、対象が眼から異なる距離で刺激目標200を示されたときの眼の屈折状態の変化をリアルタイムで測定することができる。例えば、コントローラ128は、第1の持続時間にわたる遠方ディスプレイ108上における及び次いで第2の持続時間にわたる近方ディスプレイ116上における刺激目標200の出現を指示するようにプログラムされ得る。近方ディスプレイ116上に表示された刺激目標200は、対象が見るために第1のビームスプリッタ118上に投影され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1の持続時間及び第2の持続時間は、約5秒~15秒(例えば、10秒)で持続する期間であり得る。他の実施形態では、第1の持続時間及び第2の持続時間の少なくとも1つは、5秒未満又は15秒超であり得る。
【0081】
屈折デバイス138は、第1の持続時間及び第2の持続時間中、対象が刺激目標200に焦点を合わせているか又は合わせようとしているときの眼の屈折状態を判定することができる。屈折デバイス138は、測定された屈折状態をコントローラ128に送信することができる。
【0082】
次いで、コントローラ128は、これらの屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することができる。後のセクションでより詳細に説明するように、コントローラ128は、最初に、較正係数908を使用して屈折状態をスケーリング又は調整することができる(例えば、
図9を参照されたい)。コントローラ128は、第1の持続時間中に測定された屈折状態を使用して第1の平均屈折状態を計算し、第2の持続時間中に測定された屈折状態を使用して第2の平均屈折状態を計算することもできる。最後に、コントローラ128は、第1の平均屈折状態及び第2の平均屈折状態を使用して調節応答を判定することができる。
【0083】
図2は、システム100が、近方ディスプレイアセンブリ106と遠方ディスプレイ108との間で測定された眼の視線126内に配置された第2のビームスプリッタ150(
図4も参照されたい)も含み得ることを示す。第2のビームスプリッタ150は、支持アセンブリ124の遠位端に配置された隆起プラットフォーム152に固定又は他の方法で結合され得る。
【0084】
例えば、隆起プラットフォーム152は、支持アセンブリ124の脚部の1つとして機能するピラーの上部に配置された平坦面であり得る。他の実施形態では、隆起プラットフォーム152は、支持アセンブリ124とは別個の構造であり得る。
【0085】
システム100は、隆起プラットフォーム152に固定されるか又は他の方法で結合された整列カメラ202も含み得る。整列カメラ202は、眼の視線126から横方向にオフセット(例えば、
図2に示されるようにX方向にオフセット)して配置され得る。例えば、整列カメラ202のカメラレンズは、眼の視線126に対して実質的に垂直に配置され得る。
【0086】
対象が顎当てアセンブリ102に適切に配置されると、第2のビームスプリッタ150は、対象の眼の画像を整列カメラ202に向けて反射することができる。第2のビームスプリッタ150は、眼の視線126に対してある角度(例えば、約45度の角度)で配置され得る。これにより、対象が遠方ディスプレイ108上の刺激目標200を見ることを可能にしながら、第2のビームスプリッタ150が眼の画像を整列カメラ202に反射することを可能にすることができる。
【0087】
整列カメラ202は、眼のリアルタイム画像806(例えば、
図8、
図9及び
図10を参照されたい)を捕捉するように構成され得る。操作者は、整列カメラ202によって捕捉された画像を使用して、眼がシステム100の様々な構成要素と適切に整列されるか(すなわち光学的に整列されるか)どうかを判定することができる。例えば、操作者は、整列カメラ202によって捕捉された画像を使用して、眼が屈折デバイス138と適切に整列されるかどうかを判定することができる。
【0088】
本出願人が直面した1つの技術的課題は、対象が刺激目標200に焦点を合わせようとしている間に、カメラが対象の視線126を妨害することなく及び/又は対象の気を散らすことなく、調節手順中に対象の眼の画像を捕捉する方法である。本出願人によって発見されて開発された1つの解決策は、対象の視線126(例えば、
図1を参照されたい)に対して実質的に垂直に配置されてそこから横方向にオフセットされている、本明細書に開示される整列カメラ202(例えば、
図2及び
図3を参照されたい)である。整列カメラ202は、整列カメラ202及び対象の視線126に対してある角度で配置された第2のビームスプリッタ150を利用して、対象の眼の画像を整列カメラ202に反射する。対象は、第2のビームスプリッタ150を通して、遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200を見ることができる。
【0089】
整列カメラ202は、眼のリアルタイム画像806をコントローラ128に送信するようにも構成され得る。整列カメラ202は、コントローラ128と通信することができるか又は通信可能に結合され得る。
【0090】
前述したように、コントローラディスプレイ136は、コントローラ128と通信することができるか又は通信可能に結合され得る。コントローラ128は、1つ以上のグラフィカルユーザインターフェース(GUI(例えば、整列GUI800(
図8を参照されたい)、較正GUI900(
図9を参照されたい)又は調節GUI1000(
図10を参照されたい))を生成して、コントローラディスプレイ136上に表示することができる。GUIは、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像806を示すことができる。後のセクションでより詳細に説明するように、GUIの各々は、眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィック804(例えば、
図8、
図9及び
図10を参照されたい)を更に示すことができる。
【0091】
操作者は、GUIが固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部内に眼の解剖学的特徴を示しているかどうかに基づいて、対象の眼が屈折デバイス138の特定の構成要素(例えば、屈折光源142及び屈折カメラ144)と光学的に整列されるかどうかを判定することができる。眼の解剖学的特徴は、その可視性及び瞳孔に対するその位置に基づいて選択される眼の解剖学的構造又は構成要素であり得る。例示的な一実施形態では、眼の解剖学的特徴は、眼の辺縁であり得る。他の実施形態では、眼の解剖学的特徴は、虹彩の外側境界であり得る。
【0092】
固定レチクルグラフィック804は、複数の円形形状又はボイドを含み得る。例えば、操作者は、眼の辺縁が固定レチクルグラフィック804の円形形状又はボイドの少なくとも1つ内に入る(又はそれにより囲まれる)まで、顎当てアセンブリ102又は対象の頭部の少なくとも1つを調整することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、固定レチクルグラフィック804は、整列カメラ202のカメラレンズの中心に対応し得る。他の実施形態では、固定レチクルグラフィック804は、屈折デバイス138及び表示された刺激目標200と整列された別の基準点に対応し得る。後のセクションで説明するように、整列カメラ202が、屈折デバイス138並びに遠方ディスプレイ108及び第1のビームスプリッタ118上に表示された刺激目標200と光学的に整列されることを確実にするために、いくつかの事前整列ステップを実施することができる。
【0094】
図1は、対象が、ホットミラー148、第1のビームスプリッタ118及び第2のビームスプリッタ150を通して、遠方ディスプレイ108(例えば、
図5Bを参照されたい)上に表示された刺激目標200を見ることができることも示す。前述したように、第1のビームスプリッタ118及び第2のビームスプリッタ150の両方は、対象がビームスプリッタを通して見ることを可能にするように角度付けられる。
【0095】
システム100は、支持アセンブリ124の遠位端に配置された遠方整列光源400(例えば、
図4を参照されたい)も含み得る。いくつかの実施形態では、遠方整列光源400は、第2のビームスプリッタ150及び整列カメラ202と同じプラットフォーム152上に配置され得る。後のセクションでより詳細に説明するように、遠方整列光源400は、第2のビームスプリッタ150を介して、遠方ディスプレイ108上に光マーカ500を投影することができる。
【0096】
遠方整列光源400によって放射される光は、可視スペクトルの光(例えば、赤色レーザ光などの着色レーザ光)であり得る。例えば、遠方整列光源400は、レーザポインタであり得る。光マーカ500は、刺激目標200が遠方ディスプレイ108上のどこに表示されるかを判定するために使用され得る。例えば、光マーカ500は、赤色レーザスポットであり得る。遠方整列光源400は、遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200が眼の視線126と整列されることを確実にするために使用され得る。
【0097】
図1はまシステム100が入力デバイス154を構成し得ることも示す。入力デバイス154は、近方ディスプレイ116、遠方ディスプレイ108又はそれらの組み合わせ上に表示された刺激目標200に関する対象からのユーザ入力を受信するように構成され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、入力デバイス154は、ジョイスティックであり得る(例えば、
図6を参照されたい)。他の実施形態では、入力デバイス154は、タッチ入力を受信するように構成されたタッチパッド、キーストロークを受信するように構成されたキーボード又はマウスクリックを受信するように構成されたコンピュータマウスであり得る。入力デバイス154は、当業者に既知の他のタイプのコンピュータ入力デバイスであり得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、コントローラ128は、第1の持続時間にわたる複数の第1の回転配向(異なる回転配向の一例については、
図6を参照されたい)での遠方ディスプレイ108上における刺激目標200の出現を指示するようにプログラムされ得る。表示された刺激目標200に応じて、コントローラ128は、第1の回転配向に対応する、入力デバイス154からのユーザ入力(例えば、ジョイスティックの動き)を受信することができる。コントローラ128は、第2の持続時間にわたる複数の第2の回転配向での近方ディスプレイ116上における刺激目標200の出現(これは、次いで、第1のビームスプリッタ118上に投影される)を指示するように更にプログラムされ得る。表示された刺激目標200に応じて、コントローラ128は、第2の回転配向に対応する、入力デバイス154からのユーザ入力(例えば、ジョイスティックの動き)を受信することができる。
【0100】
後のセクションでより詳細に説明するように、刺激目標200は、暗い色の背景上に表示された明るい色の文字「E」とすることができる。薄い色の文字「E」は、遠方ディスプレイ108上に、次いで近方ディスプレイ116上に表示されるときに(文字「E」が転がって見えるように)異なる方向に回転され得る。この例では、入力デバイス154は、ジョイスティックであり得る。対象は、対象のジョイスティックの動き(例えば、前方に押す動き、後方に引く動き、左方に押す動き又は右方に押す動き)を、表示された文字「E」の回転配向に整合させるように指示され得る。次いで、コントローラ128は、ジョイスティックの動きを回転配向と一致させて、評価中に対象が関与して注意を払っていることを確実にすることができる。
【0101】
屈折デバイス138は、第1の持続時間及び第2の持続時間中、対象が回転している刺激目標200に焦点を合わせているか又は焦点を合わせようとしているときの眼の屈折状態を測定することができる。屈折デバイス138は、測定された屈折状態をコントローラ128に送信することができる。次いで、コントローラ128は、これらの屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答を判定することができる。
【0102】
図3Aは、屈折整列光源300の斜視図を示す。屈折整列光源300は、システム100を最初にセットアップする際の事前整列手順において、屈折デバイス138を整列カメラ202と整列させるために操作者によって使用され得る。
【0103】
屈折整列光源300は、支持アセンブリ124の下のレール140に結合され得る(例えば、
図1及び
図2を参照されたい)。屈折整列光源300は、屈折デバイス138と角度付きミラー146との間に配置され得る。屈折整列光源300は、ヒンジ型コネクタを介してレールに結合され得る。これは、屈折整列光源300が屈折デバイス138の屈折光源142(例えば、IR/NIR光源)を遮断しないように、使用していないときに屈折整列光源300を折り畳むか、又は他の方法で下向きに(すなわち屈折整列光源300がレール140に対して平行になるように)回転させることを可能にするためである。
【0104】
屈折整列光源300は、屈折整列ビーム302を放射することができる。屈折整列ビーム302は、角度付きミラー146に方向付けられた可視光(例えば、緑色レーザ光)のビームであり得る(例えば、
図1及び
図2を参照されたい)。屈折整列光源300は、屈折整列ビーム302が屈折光源142によって放射される照明ビーム141を模倣し、且つ屈折整列ビーム302のビーム経路が照明ビーム141のビーム経路と整列されるようにサイズ決め及び/又は配置され得る。
【0105】
角度付きミラー146及びホットミラー148は、操作者の顎が顎当て104上に静止しているとき、屈折整列ビーム302を操作者の眼に誘導するか又は他の方法で方向付けることができる(例えば、
図1及び
図2を参照されたい)。操作者が屈折整列光源300を見えていない場合、操作者は、角度付きミラー146及びホットミラー148の少なくとも1つを調整することができる。
【0106】
屈折整列ビーム302(例えば、緑色レーザ光)が操作者に(例えば、ホットミラー148上の緑色レーザスポットとして)見えると、同じ操作者又は別の操作者は、次いで、屈折整列ビーム302が整列カメラ202のカメラレンズの中心と整列されるまで、整列カメラ202(又は整列カメラ202及び第2のビームスプリッタ150の組み合わせ)を調整することができる。前述したように、整列カメラ202のカメラレンズの中心は、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィック804に対応し得る(例えば、
図8、
図9及び
図10を参照されたい)。眼のリアルタイム画像806及び固定レチクルグラフィック804は、コントローラディスプレイ136上に表示されるグラフィカルユーザインターフェース上に示され得る。
【0107】
同じ操作者又は別の操作者は、グラフィカルユーザインターフェースをチェックして、(例えば、緑色レーザスポットなどのレーザスポットとして示されている)屈折整列ビーム302が固定レチクルグラフィック804の中心を整列されるか又は固定レチクルグラフィック804により包含されるかどうかを確認することができる。これを行うために、同じ操作者又は別の操作者は、操作者の顎を顎当て104上に静止した状態で、対象が通常座っているであろう場所に座ることができる。代わりに、不透明又は反射性の物体又は表面を顎当て104の後方で保持することができる。屈折整列ビーム302が固定レチクルグラフィック804の中心と整列されると、これは、整列カメラ202が屈折デバイス138と光学的に整列されることを示し得る。整列カメラ202が屈折デバイス138と整列されると、測定された眼が整列カメラ202及び屈折デバイス138と光学的に整列されることを確実にするするために臨床医に必要とされるのは、対象の測定された眼の解剖学的特徴(例えば、対象の眼の辺縁)が固定レチクルグラフィック804と整列されることを確実にすることのみである。
【0108】
事前整列手順の一部として、操作者は、屈折整列光源300がオンにされている間、コントローラ128に、近方ディスプレイ116及び遠方ディスプレイ108に刺激目標200を表示するように指示させることもできる(これは、一度に1回ずつ行われ得る)。次に、同じ操作者又は別の操作者は、第1のビームスプリッタ118及び遠方ディスプレイ108の各々上に表示された刺激目標200が屈折整列ビーム302と整列されるまで、第1のビームスプリッタ118(又は第1のビームスプリッタ118及び近方ディスプレイ116)並びに遠方ディスプレイ108の少なくとも1つの配置を調整することができる。更に、操作者は、コントローラ128内に特定のコマンドを入力して、コントローラ128に、刺激目標200が近方ディスプレイ116及び/又は遠方ディスプレイ108のどこに表示されるかを調整させることもできる。
【0109】
図3B及び
図3Cは、刺激目標200が屈折整列ビーム302(図ではレーザスポットとして示されている)と整列される例を示す。刺激目標200は、屈折整列ビーム302を表すレーザスポットがほぼ同じ位置で刺激目標200の各々上に見られると(例えば、刺激目標200が文字「E」であるとき、レーザスポットは文字「E」の垂直セグメントの正中線に見られ得る)、屈折整列ビーム302と整列され得る。これにより、表示された2つの刺激目標200が互いに整列されるだけでなく、視認者の眼が固定レチクルグラフィック804と整列されると、視認者(視認者は操作者又は対象のいずれかである)の視線126と整列された軸に沿って刺激目標200が表示されることを確実にすることができる。
【0110】
以下のセクションでより詳細に説明するように、遠方整列光源400(例えば、
図4を参照されたい)を使用して、遠方ディスプレイ108上の刺激目標200の整列を容易にすることもできる。遠方ディスプレイ108は、テストセッション後又はテストセッション中に、臨床医又は操作者によって移動され得るため(一方、第1のビームスプリッタ118及び近方ディスプレイ116は、近方ディスプレイフレーム120に固定されていて、テストセッション中に移動される可能性は低い)、遠方整列光源400は、遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200が、第1のビームスプリッタ118及びシステム100の他の構成要素上に投影された刺激目標200と整列されることを確実にし得る。
【0111】
図4は、遠方整列光源400を示すシステム100の一部の上方斜視図を示す。遠方整列光源400は、支持アセンブリ124の遠位端に配置され得る。いくつかの実施形態では、遠方整列光源400は、第2のビームスプリッタ150及び整列カメラ202と同じプラットフォーム152上に配置され得る。
【0112】
遠方整列光源400は、遠方整列ビーム402を放射することができる。遠方整列ビーム402は、可視スペクトルの光ビーム(例えば、赤色レーザ光などの着色レーザ光)であり得る。例えば、遠方整列光源400は、レーザポインタ(例えば、赤色レーザポインタ)であり得る。
【0113】
遠方整列ビーム402は、最終的に、遠方ディスプレイ108に方向付けられ得る。遠方整列ビーム402は、刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に表示されるべきスポットをマークするための光マーカ500(例えば、
図5Aを参照されたい)として機能することができる。例えば、光マーカ500は、臨床医又はシステム100の操作者が、刺激目標200が表示されるべき遠方ディスプレイ上の領域又はエリアを判定するために使用され得る。より具体的な例として、光マーカ500は、赤色レーザスポットであり得る。
【0114】
前述したように、遠方整列光源400を使用して、遠方ディスプレイ108上に表示された刺激目標200が、第1のビームスプリッタ118上に投影された刺激目標200及び眼の視線126と整列されることを確実にし得る。遠方整列光源400は、事前整列手順の最終ステップの一部として使用され得る。
【0115】
図4に示されるように、遠方整列光源400は、整列カメラ202に面することができる。遠方整列光源400は、遠方整列ビーム402が整列カメラ202のカメラレンズの中心と整列されるように配置され得る(例えば、遠方整列光源400がオンにされると、整列カメラ202のカメラレンズの中心に赤色レーザスポットが見える)。
【0116】
第2のビームスプリッタ150が整列カメラ202と遠方整列光源400との間の位置に置かれると、遠方整列ビーム402の少なくとも一部は、第2のビームスプリッタ150により、プラットフォーム152の遠位に配置された遠方ディスプレイ108に反射又は誘導され得る。第2のビームスプリッタ150は、整列カメラ202に対して既に45度の角度で配置されるため、遠方整列ビーム402も(遠方整列ビーム402が整列カメラ202のカメラレンズの中心と整列されるため)45度の角度で第2のビームスプリッタ150に当たることができる。遠方整列光源400がこのように整列されると、遠方ディスプレイ108に到達している遠方整列ビーム402も対象の眼の視線126(例えば、
図1を参照されたい)及び第1のビームスプリッタ118上の刺激目標200と整列されることになる。
【0117】
図4に示されるセットアップの1つの技術的利点は、ビームスプリッタが異なる目的で使用されているにもかかわらず、遠方整列光源400及び整列カメラ202が同じビームスプリッタを共有する(すなわち両方とも第2のビームスプリッタ150を使用する)ことである。例えば、遠方整列光源400は、事前整列ステップの一部として遠方整列ビーム402を遠方ディスプレイ108に方向付けるために第2のビームスプリッタ150を使用している一方で、整列カメラ202は、対象指向の手順(例えば、整列手順、較正手順及び/又は調節手順)中に対象の眼の画像を捕捉するために第2のビームスプリッタ150を使用している。
【0118】
図5Aは、刺激目標200が表示され得る複数の可能な領域502を表示する遠方ディスプレイ108を示す。例えば、遠方ディスプレイ108は、24の領域に分割され得る。領域502は、交差する格子線によって形成される正方形として表示され得る。当業者であれば、領域502の数及びそのような領域502の形状は、遠方ディスプレイ108のサイズ並びに刺激目標200のサイズ及び形状に基づいて調整され得ることを理解すべきであり、それは、本開示によって企図されている。
【0119】
前述したように、遠方ディスプレイ108は、LCDスクリーンであり得、領域502及び刺激目標200は、LCDスクリーン上のグラフィックスとしてレンダリングされ得る。
【0120】
領域502は、遠方整列ビーム402(例えば、
図4を参照されたい)が遠方ディスプレイ108に方向付けられ、その結果、光マーカ500(例えば、赤色レーザスポット)が領域502の少なくとも1つに投射されると、表示され得る。光マーカ500が領域502内に現れると、操作者又は臨床医は、次いで、入力デバイス(例えば、キーボード又はマウス)を介してコントローラ128にコマンドを入力するか、又はユーザ入力を適用して、その特定の領域502(
図5Aでは、この領域は、「3B」とラベル付けされた領域502である)内に刺激目標200を表示するように遠方ディスプレイ108に指示することができる。例えば、操作者又は臨床医は、コントローラディスプレイ136上に示された全ての領域番号のドロップダウンメニューから領域番号を選択することができる。
【0121】
光マーカ500が2つの領域502間の境界上に現れる場合又は光マーカ500の一部が隣接する領域502内に現れる場合、光マーカ500が1つの領域502のみに包含されるまで、遠方ディスプレイ108を移動させることができる。
【0122】
図5Bは、領域502が選択されると、刺激目標200がその領域502内に表示され得ることを示す。いくつかの実施形態では、刺激目標200は、刺激目標200が光マーカ500にオーバーラップするように表示され得る(
図5Bでは幻線で見られる)。他の実施形態では、刺激目標200は、光マーカ500が刺激目標200の中心に又は刺激目標200の垂直又は水平要素の正中線に現れるように表示され得る。次いで、領域502を示すグラフィックは、刺激目標200が表示される視界から隠され得る。
【0123】
遠方整列光源400及び表示された領域502を使用して遠方ディスプレイ108上で刺激目標200を整列させる前述のステップは、遠方ディスプレイ108がテストセッション後又はその間に移動させるときに必要となる場合がある。例えば、遠方ディスプレイ108は、可動マウント(例えば、車輪付きマウント)に貼り付けられたLCDスクリーンであり得る。遠方ディスプレイ108は、臨床医が臨床室のセットアップを変更して他の眼科用テストを実行することを可能にするために、セッション後に移動される必要がある場合がある。
【0124】
本出願人が直面した1つの技術的課題は、臨床医又はシステム100の他の操作者が、(例えば、臨床室内で他のテスト機器用のスペースを確保するために)遠方ディスプレイ108を移動させるたびに、システム100の他の構成要素を再整列させければならないことを防止する方法である。本出願人によって発見されて開発された1つの技術的解決策は、遠方整列光源400と、複数の可能な領域502を表示する遠方ディスプレイ108とを伴う迅速な整列手順である。前述したように、刺激目標200は、遠方ディスプレイ108上の遠方整列光源400によって投射される光マーカ500を包含する領域502内に表示され得る。これらの構成要素及び本明細書に開示される方法を使用することにより、臨床医は、たとえ遠方ディスプレイ108が以前に移動された場合でも、遠方ディスプレイ108上に刺激目標200の整列された例を表示すべき場所を迅速に把握することができる。
【0125】
図6は、入力デバイス154として機能するジョイスティックを対象が制御して、ジョイスティックの動きを、表示された刺激目標200の回転配向602に一致させることができることを示す。ジョイスティックの動きは、ユーザ入力600の一例であり得る。
【0126】
コントローラ128は、複数の回転配向602でのディスプレイ(遠方ディスプレイ108又は近方ディスプレイ116のいずれか)上の刺激目標200の出現を指示するようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ128は、刺激目標200を上向き、左向き、右向き又は下向きとして示すようにディスプレイに指示することができる。表示された刺激目標200に応じて、対象は、回転配向602に対応する入力デバイス154にユーザ入力600(例えば、ジョイスティックの動き)を適用することができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、刺激目標200は、(一連の予測可能な時計回り又は反時計回りの回転ではない)ランダムパターンで回転させることができる。他の実施形態では、刺激目標200は、部分的に設定パターン(例えば、時計回り又は反時計回りの回転パターン)で回転させ、部分的にランダムパターンで回転させることができる。
【0128】
例えば、
図6に示されるように、刺激目標200は、暗い色の背景上に表示された明るい色の文字「E」とすることができる。明るい色の文字「E」は、ディスプレイ(遠方ディスプレイ108又は近方ディスプレイ116のいずれか)上に一定の時間にわたって表示されるとき、(文字「E」が転がって見えるように)異なる方向に回転され得る。この例では、対象は、対象のジョイスティックの動きを、表示された文字「E」の回転配向に整合させることができる。より具体的には、ジョイスティックに適用される前方に押す動きは、文字「E」が上向きに示されている例に一致させることができ、後方に引く動きは、文字「E」が下向きに示されている例に一致させることができ、右方に押す動きは、文字「E」が右向きに示されている例(通常の「E」)に一致させることができ、左方に押す動きは、文字「E」が左向きに示されている例(鏡像の「E」)に一致させることができる。
【0129】
ジョイスティックの動きの形態で対象からユーザ入力600を引き出すことは、テストセッション中に対象が調節テストに関与して注意を払っていることを確実にする方法であり得る。例えば、刺激目標200を連続的に回転させることにより、対象に注意深く刺激目標200に焦点を合わせ続けるか又は合わせ続けようとさせることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、対象から受信されたユーザ入力600を評価し、刺激目標200の回転配向602に対して一致させることができる。これらの実施形態では、対象のユーザ入力600が表示された刺激目標200の回転配向602と十分に一致しない場合、テストセッションは、停止又は中止され得る。特定の実施形態では、所定の閾値数の不一致が検出された場合(すなわち最大閾値に達した場合)、テストセッションが停止又は中止されるような閾値が設定され得る。
【0131】
他の実施形態では、ユーザ入力600は、システム100によってカウントされないが、対象は、依然として、テストセッション中に対象の関与を維持するために、ユーザ入力600を回転配向602に一致させることを奨励される。
【0132】
本出願人が直面する1つの技術的課題は、対象が刺激目標200に常に焦点を合わせ続けるために十分な努力を発揮するように、調節評価中に対象を注意深く関与させ続ける方法である。本出願人によって発見されて開発された一つの技術的解決策は、刺激目標200を連続的に回転させ、対象に、入力デバイス(例えば、ジョイスティックの動き)へのユーザ入力600を刺激目標200の回転配向602に一致させることを要求することである。このようにして、対象は、異なる回転配向602を確認するために、テスト期間中、刺激目標200に焦点を合わせる努力を継続的に発揮する。
【0133】
図7は、本明細書に開示されるシステム100の構成要素を使用して眼の調節を客観的に評価する方法700の一実施形態を示すフローチャートである。例えば、方法700の特定のステップは、
図1のコントローラ128によって実行可能であり得る。方法700からの様々な出力は、
図8~
図10に示されるグラフィックユーザインターフェース(GUI)を介してもレンダリング及び表示され得る。当業者であれば、簡潔にするためにいくつかの方法ステップを省略することができ、方法700は、本明細書で示されて説明される特定の順序で適用される必要がないことも理解すべきである。
【0134】
方法700は、いくつかの事前整列ステップ702から開始することができる。次いで、方法は、一連の整列ステップ704(整列手順704とも呼ばれる)、較正ステップ706(較正手順706とも呼ばれる)及び調節評価ステップ708(調節手順708とも呼ばれる)に進むことができる。
【0135】
事前整列ステップ702は、システム100の特定の構成要素を互いに整列させることを伴い得る。例えば、事前整列ステップ702は、屈折デバイス整列光源300を使用して、屈折デバイス138を整列カメラ202と整列させることを含み得る(例えば、
図1、
図2及び
図3を参照されたい)。システム100の操作者(例えば、臨床医又は技術者)は、対象が座っているであろう場所に操作者が座っているときに屈折整列光源300が見えない場合、角度付きミラー146及びホットミラー148(例えば、
図1及び
図2参照されたい)の少なくとも1つを調整することができる。屈折整列ビーム302(例えば、緑色レーザ光)が操作者に(例えば、ホットミラー148上の緑色レーザスポットとして)見えると、同じ操作者又は別の操作者は、次いで、屈折整列ビーム302が整列カメラ202のカメラレンズの中心と整列されるまで、整列カメラ202(又は整列カメラ202及び第2のビームスプリッタ150の組み合わせ)を調整することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、整列カメラ202のカメラレンズの中心は、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像又は準リアルタイム画像806上にオーバーレイされるようにレンダリングされる固定レチクルグラフィック804に対応し得る。固定レチクルグラフィック804及び眼のリアルタイム又は準リアルタイムの画像806は、コントローラディスプレイ136上で操作者/臨床医に示される様々なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)(例えば、整列GUI800、較正GUI900及び調節GUI1000)の一部として表示され得る(例えば、
図8、
図9及び
図10を参照されたい)。
【0137】
更に、事前整列ステップ702は、第1のビームスプリッタ118及び遠方ディスプレイ108の各々上に表示された刺激目標200が、互いに軸方向に整列され、且つ視認者の眼が固定レチクルグラフィック804に整列されたときに視認者の視線126に整列されるまで、操作者が第1のビームスプリッタ118(又は第1のビームスプリッタ118及び近方ディスプレイ116)並びに遠方ディスプレイ108の少なくとも1つの配置を調整することを含み得る。この場合の視認者は、操作者又は操作者が装置を整列させることを補助する他の個人であり得る。
【0138】
更に、操作者は、第1のビームスプリッタ118及び遠方ディスプレイ108の各々上に表示された刺激目標200が屈折整列ビーム302と軸方向に整列されるまで、第1のビームスプリッタ118(又は第1のビームスプリッタ118及び近方ディスプレイ116)並びに遠方ディスプレイ108の少なくとも1つの配置を調整することができる。例えば、刺激目標200は、屈折整列ビーム302を表すレーザスポットがほぼ同じ位置で刺激目標200の各々上に見られると(例えば、刺激目標200が文字「E」であるとき、レーザスポットは文字「E」の垂直セグメントの正中線に見られ得る)、屈折整列ビーム302と(且つ互いに)整列され得る(例えば、
図3B及び
図3Cを参照されたい)。
【0139】
事前整列ステップ702は、刺激目標200が遠方ディスプレイ108上のどこに表示されるべきかを判定するために、遠方整列光源400(例えば、赤色レーザポインタ、
図4を参照されたい)を使用することも含み得る。これは、機器整列手順の一部として最初に行うことができ、その後、遠方ディスプレイ108を臨床医又は操作者が移動させるたびに行われ得る。
【0140】
例えば、事前整列ステップ702は、刺激目標200が表示され得る複数の可能な領域502を遠方ディスプレイ108上に表示又はレンダリングすることを更に含み得る(例えば、
図5Aを参照されたい)。事前整列ステップ702は、遠方整列光源400を使用して、遠方ディスプレイ108に遠方整列ビーム402を方向付けることを更に含み得る。この結果、光マーカ500(例えば、赤色レーザスポット)が、領域502の少なくとも1つに投射され得る(例えば、
図5Aを参照されたい)。光マーカ500が領域502内に現れると、操作者又は臨床医は、次いで、入力デバイス(例えば、キーボード又はマウス)を介してコントローラ128にコマンドを入力するか、又はユーザ入力を適用して、その特定の領域502内に刺激目標200を表示するように遠方ディスプレイ108に指示することができる(例えば、
図5を参照されたい)。領域502が選択されると、刺激目標200は、選択された領域502内に表示され得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、事前整列ステップ702は、刺激目標200が光マーカ500にオーバーラップするように刺激目標200を表示することを含み得る。他の実施形態では、事前整列ステップ702は、光マーカ500が刺激目標200の中心に又は刺激目標200の垂直又は水平要素の正中線に現れるように刺激目標200を表示することを含み得る。次いで、可能な領域502を示すグラフィックは、刺激目標200が表示される視界から隠され得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、前述の事前整列ステップ702の全ては、対象を関与させることなく実施することができる(例えば、システム100の操作者がこれらのステップを実行することができる)。他の実施形態では、事前整列ステップ702の少なくとも一部は、対象を関与させることができる。
【0143】
事前整列ステップ702が実行されると、方法700は、整列ステップ704に進むことができる。この時点から先では、方法700は、対象を関与させる。
【0144】
整列ステップ704は、操作者又は臨床医がコントローラディスプレイ136上に整列GUI800を表示させて(例えば、
図8を参照されたい)、整列カメラ202及び屈折デバイス138などのシステム100の様々な構成要素を起動又はオンにするなどの1つ以上の初期化ステップ710で開始することができる。
【0145】
次いで、対象は、対象の顎を顎当て104上に置いて、両眼を開いて遠方ディスプレイ108に向かって見るように指示され得る。
【0146】
初期化ステップ710は、次に、操作者又は臨床医が、対象の測定された眼の解剖学的特徴(例えば、眼の辺縁)が、表示ウィンドウ808内に表示された固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部(例えば、固定レチクルグラフィック804の中央の円形形状)内にあることを確実にするために、調節GUI1000上の表示ウィンドウ808をチェックすることを含み得る。これが当てはまる場合、対象の眼はシステム100と整列されたと見なされ、整列手順704の残りの部分は、ステップ712で開始することができる。
【0147】
ステップ712は、対象に対して特定の視覚刺激を表示することと、屈折デバイス138から、対象の眼の瞳孔直径812及び視線変位814(例えば、
図8を参照されたい)に関する測定値を取得することとを含み得る。例えば、コントローラ128は、遠方ディスプレイ108に第1の調節持続時間にわたって刺激目標200を表示するように指示し、且つ近方ディスプレイ116に第2の調節持続時間にわたって刺激目標200(これは、次いで、対象が見るために第1のビームスプリッタ118上に投影される)を表示するように指示するようにプログラムされ得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1の調節持続時間は、実際の調節手順708中に刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に表示される時間よりも短くすることができる。例えば、第1の調節持続時間及び第2の調節持続時間は各々、実際の評価調節手順708のために刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116の各々上に10秒間表示される間の、約5秒間とすることができる。
【0149】
コントローラ128は、複数の回転配向602において(遠方ディスプレイ108上又は近方ディスプレイ116上のいずれかの)刺激目標200の(例えば、上向きに面する、左向きに面する、右向きに面する、下向きに面する任意の組み合わせ)の出現を指示するようにもプログラムされ得る。表示された刺激目標200に応じて、対象は、回転配向602に対応する入力デバイス154にユーザ入力600(例えば、ジョイスティックの動き)を適用するように指示され得る。いくつかの実施形態では、刺激目標200は、(一連の予測可能な時計回り又は反時計回りの回転ではない)ランダムパターンで回転させることができる。他の実施形態では、刺激目標200は、部分的に設定パターン(例えば、時計回り又は反時計回りの回転パターン)で回転させ、部分的にランダムパターンで回転させることができる。刺激目標200を回転させ、ユーザ入力600を適用するよう対象に指示することにより、整列手順704中、対象を関与させ続けることができる。
【0150】
近方ディスプレイアセンブリ106(又は近方ディスプレイ116及び第1のビームスプリッタ118の少なくとも1つ)は、刺激目標200が表示される前に、対象の眼から最も遠い刺激位置110(0.80メートルの刺激位置110など)に最初に配置され得る。刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116上に連続して表示されると、近方ディスプレイアセンブリ106を次の刺激位置110(例えば、対象の眼により近い刺激位置110)に移動させることができる。このプロセスは、近方ディスプレイアセンブリ106が対象の眼に最も近い刺激位置110に移動するまで繰り返すことができる。このようにして、刺激目標200は、省略された方式ではあるが、調節手順708中の刺激目標200の提示を模倣する方法で提示される。この間、屈折デバイス138は、対象の眼の瞳孔直径812及び視線変位814(例えば、
図8を参照されたい)を測定し、そのようなデータをコントローラ128に送信している。
【0151】
視線変位814は、水平視線変位816及び垂直視線変位818(例えば、
図8を参照されたい)を含み得る。特定の実施形態では、平均瞳孔直径又は平均視線変位もコントローラ128によって計算され得る。
【0152】
特定の事前定義された基準又は閾値を、整列測定値に関して設定することができる。ステップ714は、対象の瞳孔直径812及び視線変位814が事前定義された基準を満たすかどうかを判定することを含み得る。整列手順704は、整列測定値が事前定義された基準を満たさない限り、対象が較正段階又は較正手順706に進まないようにセットアップされ得る。
【0153】
事前定義された基準は、視線変位814の最大値及び瞳孔直径812の最小値を含み得る。いくつかの実施形態では、最大変位閾値は、約5度又は4度であり得る。他の実施形態では、最大変位閾値は、3度又は2度などの4度未満であり得る。対象には、対象の焦点を刺激目標200に合わせ続け、視線をさまよわせたり居眠りしたりしないように指示することができる。最小直径の閾値を瞳孔直径812に対して設定することもできる。いくつかの実施形態では、最小直径閾値は、約3.5mmであり得る。他の実施形態では、最小直径閾値は、約3.0mm又は約4.0mmであり得る。対象の瞳孔直径812が最小直径閾値未満であると測定された場合、臨床医は、非サイクロプレギー拡張滴を適用することによって対象の瞳孔サイズを増大させることができるかどうかを判定することができる。
【0154】
対象の瞳孔直径812及び視線変位814が事前定義された基準を満たす場合、方法700は、較正段階又は較正ステップ706に進むことができる。対象の瞳孔直径812又は視線変位814のいずれか(水平視線変位816又は垂直視線変位818のいずれか)が事前定義された基準を満たさない場合、対象の他方の眼に切り替える前に、整列手順704を少なくとも2回以上繰り返すことができる。
【0155】
対象の眼の色素及びテスト/臨床環境の環境光が、屈折デバイス138によって受光及び評価される光の強度に影響を与える可能性があるため、較正手順706が必要となる。そのため、屈折デバイス138は、対象ごとに、且つ対象がテスト/臨床環境に戻るたびに較正されなければならない。
【0156】
較正手順706は、いくつかの事前較正ステップ716で開始することができる。例えば、事前較正ステップ716は、操作者又は臨床医が、較正タブ902にユーザ入力を適用することにより、コントローラディスプレイ136(例えば、
図9を参照されたい)上に較正GUI900を表示させることを含み得る。事前較正ステップ716は、操作者又は臨床医が、眼の解剖学的特徴(例えば、眼の辺縁)が表示ウィンドウ808内に示された固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部内にあることを確実にするために、調節GUI1000上の表示ウィンドウ808をチェックすることにより、測定された眼が依然としてシステム100と整列されることを確認することも含み得る。事前較正ステップ716は、操作者又は臨床医がIRフィルタ及び特定の視度強度の試用レンズを対象の眼の前に配置することを更に含み得る。
【0157】
ステップ718は、屈折デバイス138が試用レンズによって覆われた眼の屈折状態の測定を行う間、対象に(両眼を開いた状態で)遠方ディスプレイ108を見るように指示することを含み得る。コントローラ128が屈折デバイス138から測定値を受信すると、次いで、異なる視度強度の新たな試用レンズを対象の眼の前に配置し、新たな屈折測定を行うことができる。これらのステップは、いくつかの異なる視度強度の試用レンズを使用して屈折測定が行われるまで繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、以下の視度強度の試用レンズを、較正手順706の一部として使用することができる。+4.0D、+3.0D、+2.0D、+1.0D、0.0、-1.5D及び-2.5D。
【0158】
次いで、コントローラ128は、屈折測定値を使用して、使用された様々な試用レンズの中間屈折値又は平均屈折値を判定することができる。例えば、コントローラ128は、特定の視度強度又は度数の各試用レンズの中間屈折値又は平均屈折値を判定することができる。
【0159】
次いで、コントローラ128は、平均屈折値又は中間屈折値に対して、試用レンズの異なる視度強度をプロットすることができる。次に、コントローラ128は、回帰技法(例えば、R二乗回帰)を使用して、平均屈折値又は中間屈折値に対してプロットされた試用レンズの異なる視度強度のデータ点に直線906(例えば、
図9参照されたい)を適合させるようにプログラムされ得る。最後に、コントローラ128は、較正係数908として使用される線906の傾きを計算するようにプログラムされ得る(例えば、
図9を参照されたい)。
【0160】
ステップ720は、較正係数908が成功裏に計算されたかどうかを判定することができ、較正係数908が回帰直線の傾きから成功裏に計算された場合、方法700は、調節手順708に進むことができる。較正係数908が計算されなかった場合(例えば、データ点に直線を適合できなかった場合)、較正手順706を対象の他方の眼に対して試みる前に、較正手順706を少なくとも2回以上繰り返すことができる。
【0161】
調節手順708は、特定の事前評価ステップ722で開始することができる。事前評価ステップは、操作者又は臨床医が、調節タブ1002にユーザ入力を適用することにより、コントローラディスプレイ136(例えば、
図10を参照されたい)上に調節GUI1000を表示させることを含み得る。事前評価ステップ722は、操作者又は臨床医が再度、眼の解剖学的特徴(例えば、眼の辺縁)が表示ウィンドウ808内に示された固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部内にあることを確実にするために、調節GUI1000上の表示ウィンドウ808をチェックすることにより、測定された眼が依然としてシステム100と整列されることを確認することも含み得る。事前評価ステップ722は、操作者又は臨床医が対象の眼からIRフィルタ又は試用レンズを除去することを更に含み得る。
【0162】
調節手順708は、ステップ724において、近方ディスプレイアセンブリ106(近方ディスプレイ116及び第1のビームスプリッタ118を含む)を対象の眼から最も遠い刺激位置110(0.80メートルの刺激位置110など)に並進させることを更に含み得る。近方ディスプレイアセンブリ106は、支持アセンブリ124上の電動ステージ122を介して自動的に並進させることができる(例えば、
図1、
図2及び
図4を参照されたい)。
【0163】
調節手順708は、眼の調節を評価するためのいくつかの刺激駆動テストステップ726を更に含み得る。例えば、テストステップ726は、遠方ディスプレイ108において、複数の回転配向602で刺激目標200を回転させながら、第1の持続時間(例えば、約10秒)、刺激目標200を表示することを含み得る。テストステップ726は、近方ディスプレイ116において、複数の回転配向602で刺激目標200を回転させながら、第2の持続時間(例えば、約10秒)、刺激目標200を表示することも含み得る。対象は、回転している刺激目標200に焦点を合わせ、且つ刺激目標200をできるだけシャープに保つように指示することができる。
【0164】
近方ディスプレイ116によって表示された刺激目標200は、対象の眼で見るために第1のビームスプリッタ118上に投影され得る。回転している刺激目標200が第1の持続時間及び第2の持続時間中に対象に提示されている間、屈折デバイス138は、眼の屈折状態を測定することができる。更に、この同じ期間中、コントローラ128は、ユーザ入力600を回転配向602に一致させようとする、対象によって入力デバイス154に適用されるユーザ入力600を受信することができる。例えば、ユーザ入力600は、表示された刺激目標200の回転配向602に関連する方向において対象によって行われるジョイスティックの動きであり得る。
【0165】
刺激目標200を回転させることが
図6で議論され、示されているが、刺激目標200を回転させることなく同じ調節手順708が実施され得ることが本開示によって企図され、それは、当業者によって理解されるべきである。
【0166】
いくつかの実施形態では、屈折デバイス138は、偏心光屈折を使用して眼の屈折状態を測定することができる。例えば、屈折デバイスは、照明ビーム141(例えば、IR/NIRビーム)を生成して対象の眼に方向付けることにより、眼の屈折状態を測定することができる(例えば、
図1を参照されたい)。照明ビーム141は、屈折光源142によって生成することができ、照明ビーム141は、角度付きミラー146及び角度付きミラー146の上方に配置されたホットミラー148により、対象の眼に誘導することができる。次いで、屈折デバイス138は、屈折カメラ144を使用して、照明ビーム141に応じて対象の眼によって反射された光(例えば、IR/NIR光)を捕捉又は検出することができる。眼によって反射された光は、ホットミラー148及び角度付きミラー146を介して屈折デバイス138に向けて方向付けられて戻り得る。
【0167】
コントローラ128は、第1の持続時間及び第2の持続時間中の眼の屈折状態に関する、屈折デバイス138によって得られた測定値を取得することができる。屈折デバイス138は、50Hz又は20msごとに1回の測定レートで測定を行うことができる。テストステップ726は、コントローラ128を使用して、屈折デバイス138から得られた屈折状態に部分的に基づいて眼の調節応答(例えば、
図10を参照されたい)を判定することも含み得る。
【0168】
特定の実施形態では、眼の調節応答は、屈折デバイス138から得られた屈折状態及びユーザ入力600に部分的に基づいて判定される。例えば、対象から受信されたユーザ入力600は、刺激目標200の回転配向602に対して評価及び一致され得る。これらの実施形態では、対象のユーザ入力600が表示された刺激目標200の回転配向602と十分に一致しない場合、調節手順708は、停止又は中止され得る。特定の実施形態では、閾値は、所定の閾値数の不一致が検出された場合(すなわち最大閾値に達した場合)にのみ、調節手順708が停止又は中止されるように設定され得る。他の実施形態では、ユーザ入力600は、システム100によってカウントされないが、対象は依然として、調節手順708中に対象の関与を維持するために、ユーザ入力600を回転配向602に一致させることを奨励される。
【0169】
いくつかの実施形態では、眼の調節応答を判定することは、屈折デバイス138によって行われた測定値から中間屈折値又は平均屈折値を計算することを含み得る。例えば、コントローラ128は、第1の持続時間(刺激目標200が遠方ディスプレイ108に表示されるとき)、屈折デバイス138によって得られた屈折測定値の全てから中間近方屈折値(XN)を計算することができる。例えば、コントローラ128は、第2の持続時間(刺激目標200が近方ディスプレイ116に表示されるとき)、屈折デバイス138によって得られた屈折測定の全てから中間遠方屈折値(XF)を計算することもできる。中間近方屈折値(XN)及び中間遠方屈折値(XF)は、スケーリングされていない生の屈折測定値である。
【0170】
次に、その特定の刺激位置110(眼から最も遠い刺激位置110)における調節応答は、中間遠方屈折値(XF)から中間近方屈折値(XN)を減算して、その結果に較正手順706(下記の式Iを参照されたい)から計算された較正係数(CF)908を乗算することによって計算することができる。
調節応答=CF*(XF-XN) (式I)
【0171】
調節手順708は、ステップ728において、近方ディスプレイアセンブリ106がその最終刺激位置110(例えば、対象の眼に最も近い刺激位置)に到達したかどうかを判定することを更に含み得る。近方ディスプレイアセンブリ106がその最終刺激位置110に到達していない場合、ステップ730において近方ディスプレイアセンブリ106を次の刺激位置110に自動的に並進させることができ、テストステップ726を、新しい刺激位置110において繰り返す(すなわち刺激目標200を最初に遠方ディスプレイ108上に、次いで近方ディスプレイ116上に示す)ことができる。
【0172】
近方ディスプレイアセンブリ106が最終刺激位置110(例えば、対象の眼に最も近い刺激位置110又は4.0D/0.25メートルの刺激位置110)に移動されると、各刺激位置110において計算された調節応答は、調節GUI1000の一部として含まれる調節テーブル1010内に一覧表示され得る(例えば、
図10を参照されたい)。
【0173】
調節手順708は、ステップ732において、テストの別のサイクルが所望されるかどうかを判定することを更に含み得る。サイクルとは、近方ディスプレイアセンブリ106を刺激位置110の全てに移動させて、刺激位置110の各々において調節応答を判定することを指し得る。いくつかの実施形態では、調節手順708は、システム100が3つのサイクルを完了したときに終了することができる。他の実施形態では、ステップ732は、臨床医又は操作者に(例えば、調節GUI1000上に表示されたポップアップウィンドウを介して)テストの別のサイクルが所望されるかどうかを問い合わせることを含み得る。テストの別のサイクルが所望される場合、近方ディスプレイアセンブリ106は、初期刺激位置110に自動的に移動して戻され、対象には、テストが再度開始されることが通知される。
【0174】
テストの最後のサイクルが完了すると、方法700全体を終了することができる。この時点において、計算された調節応答の全てを、調節GUI1000の調節テーブル1010内に提示することができる。更に、対象の応答曲線1202を、調節応答を使用して生成することができ、対象の応答曲線1202を、理想化された応答曲線1200と並べて提示することができる(例えば、
図12を参照されたい)。追加の実施形態では、調節評価の一部として収集された患者データは、クラウドベースのデータベースへの送信又は印刷のために利用可能であり得る。
【0175】
図8は、整列手順704中にコントローラディスプレイ136上に表示され得る整列GUI800の一実施形態を示す。操作者又は臨床医は、システム100を動作させるために操作者又は臨床医に提示されるメインGUI上の整列タブ802を選択することにより、整列GUI800にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、メインGUIは、コントローラディスプレイ136上に表示され得る。
【0176】
前述したように、整列GUI800(較正GUI900及び調節GUI1000とともに、それぞれ
図9及び
図10を参照されたい)は、整列カメラ202によって捕捉されて表示ウィンドウ808を介して表示された、眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィック804を示すことができる。
【0177】
操作者又は臨床医は、表示ウィンドウ808が固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部内に眼の解剖学的特徴を示しているかどうかに基づいて、対象の眼が屈折デバイス138(屈折光源142及び屈折カメラ144を含む)と整列されるかどうかを判定することができる。更に、眼の解剖学的特徴が固定レチクルグラフィック804の少なくとも一部内にあるとき、眼の視線126は、遠方ディスプレイ108及び第1のビームスプリッタ118上に表示された刺激目標200と軸方向に整列される。
【0178】
例えば、眼の解剖学的特徴は、その可視性及び瞳孔に対するその位置に基づいて選択される眼の解剖学的構造又は構成要素であり得る。1つの例示的な実施形態では、眼の解剖学的特徴は、眼の辺縁であり得る。他の実施形態では、眼の解剖学的特徴は、虹彩の外側境界であり得る。
【0179】
固定レチクルグラフィック804は、中央の円形ボイドの周りに放射状に配置された複数の直線を含み得る。放射状に配置された線は、中央の円形形状を画定することができる。対象の眼は、眼の解剖学的特徴(眼の辺縁部など)が、放射状に配置された直線によって画定された中央の円形形状内に配置されるか又は中央の円形形状によって囲まれているときに整列されると見なすことができる。例えば、操作者又は臨床医は、対象の眼の辺縁が固定レチクルグラフィック804の中央の円形形状内になるまで、顎当てアセンブリ102(顎当て104を含む)、対象の頭部又はそれらの組み合わせを調整することができる。
【0180】
前述のように、固定レチクルグラフィック804は、整列カメラ202のカメラレンズの中心に対応し得る。整列カメラ202は一連の事前整列ステップを通して屈折デバイス138(屈折光源142及び屈折カメラ144を含む)と光学的に整列されるため、眼の解剖学的特徴(例えば、辺縁)が固定レチクルグラフィック804(例えば、中央の円形形状)内にあるとき、対象の眼は屈折デバイス138と整列されると見なされる。
【0181】
本出願人が直面した1つの技術的課題は、臨床医又は操作者が、システム100の構成要素のいずれかを物理的に調整する必要なく、対象の測定された眼がシステム100の様々な構成要素と整列されることを迅速に確認する能力を提供する方法である。本出願人によって発見されて開発された1つの技術的解決策は、整列GUI800(較正GUI900及び調節GUI1000と同様に、それぞれ
図11及び
図12を参照されたい)に示される表示ウィンドウ808であり、そこで、固定レチクルグラフィック804は、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされる。この表示ウィンドウ808を整列GUI800(並びに較正GUI900及び調節GUI1000)上に提供することにより、対象の眼がシステム100の構成要素を整列されることを確認するために、臨床医又は操作者に必要とされるのは、単に表示ウィンドウ808を迅速にチェックすることである。臨床医又は操作者が対象の眼が整列ずれとなった(例えば、辺縁が固定レチクルグラフィック804の中央の円形形状内にない)ことを発見した場合、臨床医又は操作者は、対象の眼が再度整列されるまで、対象の頭部、顎当て104又はそれらの組み合わせを調整することができる。
【0182】
操作者又は臨床医が、眼の解剖学的特徴(例えば、辺縁)が固定レチクルグラフィック804(例えば、中央の円形形状)内にあることを整列GUI800の表示ウィンドウ808上で確認すると、操作者又は臨床医は、整列手順の次の部分704を開始するために、ユーザ入力(例えば、マウスクリック又はタッチ入力)をチェック整列ボタン810に適用することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、ユーザ入力をチェック整列ボタン810に適用することにより、屈折デバイス138を起動又は開始することができる。他の実施形態では、屈折デバイス138は、チェック整列ボタン810が押される前に、操作者又は臨床医によって起動又は開始され得る。
【0184】
操作者又は臨床医がユーザ入力をチェック整列ボタン810に適用すると、コントローラ128は、遠方ディスプレイ108に第1の調節持続時間にわたって刺激目標200を表示するように指示し、且つ近方ディスプレイ116に第2の調節持続時間にわたって刺激目標200(これは、次いで、対象が見るために第1のビームスプリッタ118上に投影される)を表示するように指示するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、第1の調節持続時間は、実際の調節手順708中に刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に表示される時間よりも短くすることができる。例えば、第1の調節持続時間は、実際の評価調節手順708のために刺激目標200が遠方ディスプレイ108上に10秒間表示される間の、約5秒間とすることができる。第2の調節持続時間は、実際の評価調節手順708中、刺激目標200が近方ディスプレイ116上に表示される時間よりも短くすることもできる(例えば、実際の評価調節手順708用の10秒に対して5秒)。
【0185】
コントローラ128は、複数の回転配向602で刺激目標200(遠方ディスプレイ108上又は近方ディスプレイ116上のいずれか)の出現を指示するようにもプログラムされ得る。例えば、コントローラ128は、刺激目標200を上向き、左向き、右向き又は下向きとして示すようにディスプレイに指示することができる。表示された刺激目標200に応じて、対象は、回転配向602に対応する入力デバイス154にユーザ入力600(例えば、ジョイスティックの動き)を適用するように指示され得る。
【0186】
いくつかの実施形態では、刺激目標200は、(一連の予測可能な時計回り又は反時計回りの回転ではない)ランダムパターンで回転させることができる。他の実施形態では、刺激目標200は、部分的に設定パターン(例えば、時計回り又は反時計回りの回転パターン)で回転させ、部分的にランダムパターンで回転させることができる。刺激目標200を回転させ、ユーザ入力600を適用するよう対象に指示することにより、整列手順704中、対象を関与させ続けることができる。
【0187】
近方ディスプレイアセンブリ106は、刺激目標200が表示される前に、対象の眼から最も遠い刺激位置110(0.80メートルの刺激位置110など)に最初に配置することができる。刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116上に連続して表示されると、近方ディスプレイアセンブリ106を次の刺激位置110(例えば、対象の眼により近い刺激位置110)に移動させることができる。このプロセスは、近方ディスプレイアセンブリ106が対象の眼に最も近い刺激位置110に移動するまで繰り返すことができる。このようにして、刺激目標200は、省略された方式ではあるが、調節手順708中の刺激目標200の提示を模倣する方法で提示される。この間、屈折デバイス138は、対象の眼の瞳孔直径812及び視線変位814を測定し、そのようなデータをコントローラ128に送信している。
【0188】
眼の視線変位814は、水平方向の視線変位816(又はX軸に沿った眼の視線変位、
図1及び
図2を参照されたい)及び垂直方向の視線変位818(又はY軸に沿った眼の視線変位、
図1及び
図2を参照されたい)を含み得る。水平方向の視線変位816及び垂直方向の視線変位818は、屈折デバイス138によって追跡することができ、視線変位値は、整列GUI800の一部としてレンダリングされた視線チャート820上にリアルタイム又は準リアルタイムでグラフ化され得る。
【0189】
視線チャート820に加えて、屈折デバイス138によって測定された瞳孔直径812及び視線変位814は、整列GUI800の一部として提示される整列測定ウィンドウ822内に提示され得る。特定の実施形態では、平均瞳孔直径又は平均視線変位が計算されて、整列測定ウィンドウ822内に表示され得る。
【0190】
前述したように、整列測定値が事前定義された基準を満たさない限り、対象が較正段階又は較正手順706に進まないように、整列測定値に関して特定の事前定義された基準又は閾値を設定することができる。事前定義された基準は、視線変位814の最大値及び瞳孔直径812の最小値を含み得る。
【0191】
例えば、最大変位閾値を、視線変位814に対して設定することができる。いくつかの実施形態では、最大変位閾値は、約5度又は4度であり得る。他の実施形態では、最大変位閾値は、3度又は2度などの4度未満であり得る。対象には、水平方向の視線変位816又は垂直方向の視線変位818が最大変位閾値を超えるのを防止するように、対象の焦点を刺激目標200に合わせ続け、視線をさまよわせたり居眠りしたりしないように指示することができる。
【0192】
例えば、最小直径の閾値を瞳孔直径812に対して設定することもできる。いくつかの実施形態では、最小直径閾値は、約3.5mmであり得る。他の実施形態では、最小直径閾値は、約3.0mm又は約4.0mmであり得る。対象の瞳孔直径812が最小直径閾値未満であると測定された場合、臨床医又は操作者は、非サイクロプレギー拡張滴を適用することによって対象の瞳孔サイズを増大させることができるかどうかを判定することができる。非サイクロプレギー滴は、眼の焦点合わせを補助する筋肉を麻痺させることなく、瞳孔を拡張させることができる。
【0193】
図9は、較正手順706中にコントローラディスプレイ136に表示され得る較正GUI900の一実施形態を示す。操作者又は臨床医は、メインGUI上の較正タブ902を選択することにより、整列GUI800にアクセスすることができる。
【0194】
較正GUI900は、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィック804を示す表示ウィンドウ808の例も含み得る。眼の解剖学的特徴(例えば、眼の辺縁)が表示ウィンドウ808内に示された固定レチクルグラフィック804(例えば、中央の円形形状)内にあることを操作者又は臨床医が確認すると、操作者又は臨床医は、対象の眼及びテスト/臨床環境に対して屈折デバイス138の較正を進めることができる。対象の眼の色素及びテスト/臨床環境の環境光が、屈折デバイス138によって受光及び評価される光の強度に影響を与える可能性があるため、較正が必要となる。そのため、屈折デバイス138は、対象ごとに、且つ対象がテスト/臨床環境に戻るたびに較正されなければならない。
【0195】
較正手順706は、操作者又は臨床医が、IRフィルタ(可視光を遮断してIR光のみを透過させるフィルタ)及び特定の視度強度又は度数の試用レンズを対象の眼の前に配置することを含み得る。次いで、対象は、(両眼を開いた状態で)遠方ディスプレイ108上に示された刺激目標200を見るように指示される。この時点において、操作者又は臨床医は、較正GUI900上の測定ボタン904にユーザ入力(例えば、マウスクリック又はタッチ入力)を適用して、屈折デバイス138に試用レンズにより覆われた眼の屈折状態の測定を行わせることができる。
【0196】
次いで、異なる視度強度の新たな試用レンズを対象の目の前に配置して、新たな屈折測定を行うことができる。これらのステップは、いくつかの異なる視度強度の試用レンズを使用して屈折測定値が得られるまで繰り返すことができる。いくつかの実施形態では、以下の視度強度の試用レンズを、較正手順の一部として使用することができる。+4.0D、+3.0D、+2.0D、+1.0D、0.0、-1.5D及び-2.5D。
【0197】
屈折デバイス138によって得られた屈折測定値は、コントローラ128に送信されるか、又はコントローラ128によって他の方法で取得され得る。次いで、コントローラ128は、屈折デバイス138によって得られた屈折測定値から中間屈折値又は平均屈折値を判定することができる。例えば、コントローラ128は、特定の視度強度又は度数の各試用レンズの中間屈折値又は平均屈折値を判定することができる。
【0198】
次いで、コントローラ128は、屈折デバイス138によって得られた屈折測定値から計算された平均屈折値に対して、試用レンズの異なる視度強度をプロットすることができる。次に、コントローラ128は、回帰技法(例えば、R二乗回帰)を使用して、平均屈折値に対してプロットされた試用レンズの異なる視度強度のデータ点に直線906を適合させるようにプログラムされ得る。最後に、コントローラ128は、較正係数908として使用される直線906の傾きを計算するようにプログラムされ得る。較正係数908は、対象の眼の調節応答を判定するために、コントローラ128によって使用され得る。
【0199】
図9に示されるように、較正GUI900は、プロット及び適合直線906をレンダリングするグラフウィンドウ910から構成され得る。較正GUI900は、較正係数908として使用され得る直線906の計算された傾きを表示することもできる。
【0200】
図10は、調節手順708中にコントローラディスプレイ136上に表示され得る調節GUI1000の一実施形態を示す。操作者又は臨床医は、メインGUI上の調節タブ1002を選択することにより、調節GUI1000にアクセスすることができる。操作者又は臨床医は、対象が整列手順704及び較正手順706(後者の出力は、計算された較正係数908である)を成功裏に完了した場合にのみ、眼の調節の評価に進むことができる。
【0201】
調節GUI1000は、整列カメラ202によって捕捉された眼のリアルタイム画像806上にオーバーレイされた固定レチクルグラフィック804を示す表示ウィンドウ808の例も含み得る。操作者又は臨床医が、眼の解剖学的特徴(例えば、眼の辺縁)が表示ウィンドウ808に示された固定レチクルグラフィック804(例えば、中央の円形形状)内にあることを再度確認すると、操作者又は臨床医は、調節機能GUI1000上のテスト開始ボタン1004にユーザ入力(例えば、マウスクリック又はタッチ入力)を適用することにより、調節評価に進むことができる。
【0202】
テスト開始ボタン1004へのユーザ入力に応じて、コントローラ128は、第1の持続時間にわたる遠方ディスプレイ108上における及び第2の持続時間にわたる近方ディスプレイ116上における刺激目標200の出現を指示するようにプログラムされ得る。いくつかの実施形態では、近方ディスプレイ116を構成する近方ディスプレイアセンブリ106は、刺激目標200が表示される前に、対象の眼から最も遠い刺激位置110(0.80メートルの刺激位置110など)に配置されるか又はその位置に移動させることができる。近方ディスプレイ116上に表示された刺激目標200は、対象が見るために第1のビームスプリッタ118上に投影され得る。
【0203】
前述したように、刺激目標200は、複数の回転配向602で表示され得る(例えば、刺激目標200は、ランダムに回転させることができる)。対象には、刺激目標200に焦点を合わせて、刺激目標200をできるだけシャープに保つように指示することができる。対象は、刺激目標200の回転配向602に一致させるように、入力デバイス154にユーザ入力600を適用する(例えば、ジョイスティックを様々な方向に動かす)ようにも指示され得る。
【0204】
第1の持続時間及び第2の持続時間中、屈折デバイス138は、眼の屈折状態の測定を継続的に行うことができる。例えば、屈折デバイス138は、50Hz又は20msごとに1回の測定レートで測定を行うことができる。屈折測定値は、屈折デバイス138からコントローラ128に送信されるか、又は他の方法でコントローラ128によって取得され得る。
【0205】
いくつかの実施形態では、屈折デバイス138から受信された屈折測定値は、生の又はスケーリングされていない屈折測定値であり得る(例えば、
図11を参照されたい)。生の又はスケーリングされていない屈折測定値は、較正係数908(例えば、
図9を参照されたい)を乗算することができ、結果として得られるスケーリングされた屈折測定値は、時間(秒単位)に対してプロットされて、調節GUI1000上の屈折チャート1006上に表示され得る。
【0206】
コントローラ128は、刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116/第1のビームスプリッタ118上に表示されるとき、屈折デバイス138によって得られた屈折測定値から中間屈折値又は平均屈折値を計算するようにもプログラムされ得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、その特定の刺激位置110における調節応答1008は、中間遠方屈折値(XF)から中間近方屈折値(XN)を減算して、その結果に較正手順706(上記の式Iを参照されたい)から計算された較正係数(CF)908を乗算することによって計算することができる。
【0208】
式I内の中間近方屈折値(XN)及び中間遠方屈折値(XF)は、較正係数908によってスケーリングされていない生の屈折測定値である。
【0209】
屈折応答は、他の刺激位置110(例えば、3つ以上の他の刺激位置110)でも判定され得る。例えば、近方ディスプレイアセンブリ106は、刺激目標200が表示される前に、対象の眼から最も遠い刺激位置110(0.80メートルの刺激位置110など)に最初に配置することができる。刺激目標200が遠方ディスプレイ108及び近方ディスプレイ116上に連続して表示されると、近方ディスプレイアセンブリ106を次の刺激位置110(例えば、対象の眼により近い刺激位置110)に移動させることができる。このプロセスは、近方ディスプレイアセンブリ106が対象の眼に最も近い刺激位置110(例えば、4.0D又は0.25mの刺激位置110)に移動するまで繰り返すことができる。各刺激位置110において計算された調節応答は、調節GUI1000の一部として含まれる調節テーブル1010内に一覧表示することができ、且つ/又は操作者若しくは臨床医によって印刷されるレポートとして提示することができる。
【0210】
図11は、屈折デバイス138によって行われた生の又はスケーリングされていない屈折測定値を時間の関数として視覚化したグラフである。屈折値が縦軸上に示され、秒単位の時間が横軸上に示されている。屈折測定値は、(刺激目標200が遠方ディスプレイ108に表示される)第1の継続時間中に屈折デバイス138によって得られた複数の遠方屈折測定値1100と、(刺激目標200が近方ディスプレイ116に表示されて、見るために第1のビームスプリッタ118上に投影される)第2の継続時間中に屈折デバイス138によって得られた複数の近方屈折測定値1102とを含み得る。移行期間中に得られた複数の測定値を示す移行セグメント1104は、近方屈折測定値1102から遠方屈折測定値1100を分離することができる。
【0211】
第1の持続時間は、第1の時間1106で開始し、第2の時間1108で終了することができる。例えば、第1の持続時間は、約5秒~20秒(例えば、約10秒)であり得る。第2の持続時間は、第3の時間1110で開始し、第4の時間1112で終了することができる。例えば、第2の持続時間は、約5秒~20秒(例えば、約10秒)でもあり得る。屈折デバイス138は、50Hz又は20msごとに1回の測定レートで測定を行うことができる。
【0212】
遠方屈折測定値1100は、中間遠方屈折値(XF)を得るために平均化され得る。近方屈折測定値1102は、中間近方屈折値(XN)を得るために平均され得る。
【0213】
いくつかの実施形態では、その特定の刺激位置110における調節応答は、中間遠方屈折値(XF)から中間近方屈折値(XN)を減算して、その結果に較正手順706(上記の式Iを参照されたい)から計算された較正係数(CF)を乗算することによって計算することができる。
【0214】
他の実施形態では、屈折デバイス138によって行われた生の又はスケーリングされていない屈折測定値は、最初に較正係数908を乗算することができ、結果としてのスケーリングされた屈折測定値は、時間(秒単位)に対してプロットされ、宿泊施設GUI1000を介して示される屈折チャート1006内に表示され得る(例えば、
図10を参照されたい)。(負の傾き/較正係数を使用して)スケーリングされた屈折測定値が計算されると、スケーリングされた中間近方屈折値及びスケーリングされた中間遠方屈折値を計算することができ、この場合の調節応答は、単にスケーリングされた中間近方屈折値からスケーリングされた中間遠方屈折値を減算したものである。
【0215】
調節応答は、他の刺激位置110(例えば、3つ以上の他の刺激位置110)において、刺激目標200がそれらの他の刺激位置110に示されているときに屈折デバイス138によって得られた屈折測定値を使用して同じ計算を繰り返すことによって判定することもできる。例えば、次いで、対象の調節能力を評価するために、応答曲線1202(例えば、
図12を参照されたい)をプロットすることができる。
【0216】
図12は、理想化された応答曲線1200(完全な調節)と、各刺激位置110において計算された対象の調節応答に基づく対象の応答曲線1202との両方を示すグラフである。対象の応答曲線1202は、対象の調節能力を評価するために、理想化された応答曲線1200と比較され得る。追加の応答曲線1202は、追加のテスト実行又はテストサイクルから計算された追加の調節応答値に基づいても生成され得る。
【0217】
各刺激位置110において計算された対象の調節応答は、行列又はテーブルの一部としても保存され得る。各刺激位置110において計算された対象の調節応答及び対象の応答曲線1202は、臨床医又は他の医療専門家による更なる評価のために保存することができ、対象から得られた以前又は将来の調節データと比較することもできる。
【0218】
複数の実施形態について説明してきた。それにもかかわらず、当業者であれば、実施形態の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示に対する様々な変更形態及び修正形態がなされ得ることを理解するであろう。任意の実施形態とともに示されるシステム、デバイス、装置及び方法の要素は、特定の実施形態に対して例示的なものであり、本開示内の他の実施形態に組み合わせて又は他の方法で使用することができる。例えば、図に描かれた又は本開示に記載された任意の方法のステップは、所望の結果を達成するために、示された又は記載された特定の順序又は連続的な順序を必要としない。加えて、所望の結果を達成するために、他のステップ動作が提供され得るか、又は記載された方法若しくはプロセスからステップ若しくは動作が排除若しくは省略され得る。更に、所望の結果を達成するために、本開示に記載された又は図に描かれた任意の装置又はシステムの任意の構成要素又は部品が除去、排除又は省略され得る。加えて、本明細書に示された又は記載されたシステム、デバイス又は装置の特定の構成要素又は部分は、簡潔性及び明瞭性のために省略されている。
【0219】
したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内であり、本明細書及び/又は図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味であると見なされ得る。
【0220】
本明細書に記載され、図示された個々の変形形態又は実施形態の各々は、他の変形形態又は実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はその特徴と容易に組み合わされ得る個別の構成要素及び特徴を有する。本発明の目的、趣旨又は範囲に適合させるために、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス行為又はステップに対する変更形態がなされ得る。
【0221】
本明細書で言及される方法は、言及される事象の順序と同様に、論理的に可能な言及される事象の順序の任意の順序で実施され得る。更に、所望の結果を達成するために、追加のステップ若しくは動作を提供するか、又はステップ若しくは動作を排除することができる。
【0222】
更に、値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の全ての介在する値及びその記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在する値は、本発明に包含される。記載された本発明の変形形態の任意選択の特徴は、独立して又は本明細書に記載された特徴のいずれか1つ以上と組み合わせても記載及び特許請求され得る。例えば、1~5の範囲についての記載は、1~3、1~4、2~4、2~5、3~5などのサブ範囲並びにその範囲内の個々の数値、例えば1.5、2.5など、及びその間の全体的又は部分的な増分を開示していると見なされるべきである。
【0223】
本明細書で言及される全ての既存の主題(例えば、刊行物、特許、特許出願)は、その主題が本発明の主題と矛盾し得る場合(その場合、本明細書に存在するものが優先するものとする)を除き、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。参照された項目は、本出願の出願日前の開示のためにのみ提供される。本明細書のいかなる内容も、本発明が従来の発明によりそのような資料に先行する権利を付与されないことを認めるものとして解釈されるべきではない。
【0224】
単数の項目への言及は、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、「前記」及び「その」は、文脈上明らかにそうでないことが規定されない限り、複数の参照物を含む。更に、特許請求の範囲は、任意選択の要素を除外するように起草され得ることに留意されたい。そのため、この陳述は、請求項要素の言及に関連して「単独で」、「のみ」などの排他的用語の使用又は「否定的」な限定の使用に対する先行する根拠として機能することを意図している。特に定義しない限り、本明細書で用いられる全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0225】
「少なくとも1つの」という語句への言及は、そのような語句が複数の項目又は構成要素(又は項目又は構成要素の列挙されたリスト)を修飾する場合、それらの項目又は構成要素の1つ以上の任意の組み合わせを意味する。例えば、「A、B及びCの少なくとも1つ」という語句は、(i)A、(ii)B、(iii)C、(iv)A、B及びC、(v)A及びB、(vi)B及びC、又は(vii)A及びCを意味する。
【0226】
本開示の範囲を理解する上で、本明細書で使用される用語「含む」及びその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、グループ、整数及び/又はステップの存在を指定するが、他の記載されていない特徴、要素、構成要素、グループ、整数及び/又はステップの存在を排除しない、オープンエンドな用語であることを意図する。上記は、用語「含む」、「有する」及びそれらの派生語など、類似の意味を有する単語にも適用される。「部分」、「セクション」、「一部分」、「部材」、「要素」又は「構成要素」という用語は、単数形で使用される場合、単一の部分又は複数の部分という二重の意味も有し得る。本明細書で使用される場合、「前方、後方、上方、下方、垂直、水平、下方、横断方向、横方向及び垂直」という方向の用語並びに他の類似の方向の用語は、デバイス又は機器のそれらの位置又は並進若しくは移動されるデバイス又は機器のそれらの方向を指す。
【0227】
最後に、本明細書で使用される「実質的に」、「約」及び「およそ」などの程度の用語は、最終結果が有意に又は実質的に変化しないような、指定値又は指定値及び指定値からの妥当な量の偏差(例えば、そのような変動が適切であるように最大±0.1%、±1%、±5%又は±10%の偏差)を意味する。例えば、「約/およそ1.0m」は、「1.0m」又は「0.9m~1.1m」を意味すると解釈され得る。ある範囲の一部である数値又は値に言及するために「約」又は「およそ」などの程度の用語が使用される場合、その用語は、最小及び最大の数値又は値の両方を修正するために使用され得る。
【0228】
本開示は、記載された特定の形態の範囲に限定されることを意図するものではなく、本明細書に記載された変形形態又は実施形態の代替形態、修正形態及び均等物を包含することを意図する。更に、本開示の範囲は、本開示に鑑みて当業者に対して自明となり得る他の変形形態又は実施形態を完全に包含する。
【国際調査報告】