(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】エネルギーチェーンにおけるラインの状態を監視するシステム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/58 20200101AFI20240315BHJP
G01R 31/66 20200101ALI20240315BHJP
G01R 31/08 20200101ALI20240315BHJP
H02H 3/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01R31/58
G01R31/66
G01R31/08
H02H3/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023560259
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2022059342
(87)【国際公開番号】W WO2022218828
(87)【国際公開日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202021101964.6
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202021106364.5
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】リヒャルト ヘイバリング
【テーマコード(参考)】
2G014
2G033
5G142
【Fターム(参考)】
2G014AA23
2G014AB33
2G014AB43
2G014AC18
2G033AA05
2G033AC00
2G033AD21
2G033AD22
2G033AE05
2G033AF01
2G033AG12
2G033AG14
5G142AA03
5G142AA12
(57)【要約】
本発明は、可動部分を有するラインガイドデバイス(1;41)及びラインガイドデバイス(1;41)にガイドされる監視対象のライン部分(130)を有する少なくとも1本のライン(13)並びにそれぞれ監視対象のライン部分の両側に設けられた第1のモジュール(200A)及び第2のモジュール(200B)を有する監視デバイス(10)を備える監視システムに関する。本発明によると、モジュール(200A、200B)は、所定の無線周波数(RF)信号に関するライン部分(13A;13B)の電気的な伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計される。第1のモジュール(200A)は、テスト信号としてライン部分(130)に所定のRF信号を結合するために監視対象のライン(13)に結合されるRF発生器を備える。第2のモジュール(200B)は、ライン部分(130)からRF信号を結合解除するために監視対象のラインに結合されたRF受信機を有し、ライン部分(130)上の伝送品質に関する少なくとも1つの値を判定するために受信RF信号の特性を評価するように設定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインガイドデバイス、特にエネルギーチェーンによってガイドされるラインの状態を監視する監視システムであって、
第1の接続点とそれに対して可動の第2の接続点との間でラインをガイドするための可動ラインガイドデバイス(1;41)であって、少なくとも1つの可動部分、及び監視対象のライン部分(130)とともに前記ラインガイドデバイス(1;41)によってガイドされる少なくとも1本のライン(13)を有するラインガイドデバイス(1;41)と、
前記監視対象のライン部分の両側にそれぞれ設けられた第1のモジュール(200A)及び第2のモジュール(200B)を有する監視デバイス(10)と、
を備え、
前記モジュール(200A、200B)は所定の無線周波数(RF)信号に関して前記ライン部分(13A;13B)の少なくとも1つの電気的な伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計され、
前記第1のモジュール(200A)は、好ましくは前記監視対象のラインの意図する使用から独立したテスト信号として所定のRF信号を前記ライン部分(130)に結合又は投入するために前記監視対象のライン(13)に結合されるRF発生器を備え、
前記第2のモジュール(200B)は、前記ライン部分(130)からの前記RF信号を結合解除又は受信するために前記監視対象のラインに結合されるRF受信機を有し、前記ライン部分(130)上の伝送品質に関する、特に受信信号強度又は信号減衰に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信された前記RF信号の特性を評価するように設定された、監視システム。
【請求項2】
ラインの状態を運用中に監視するアダプタシステムであって、監視対象のライン部分(130)のそれぞれ第1の端部又は第2の端部にアダプタ的態様で各々接続又は結合可能な第1のモジュール(200A)及び第2のモジュール(200B)を備え、
前記モジュール(200A、200B)は、好ましくは前記監視対象のライン(13)の意図する使用から独立した所定のRF信号に関して前記ライン部分(130)の少なくとも1つの電気的なRF(無線周波数)伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計され、
前記第1のモジュール(200A)は、所定のRF信号をテスト信号として印加するために前記監視対象のライン(13)に結合可能なRF発生器(210)を備え、
前記第2のモジュール(200B)は、前記ライン部分(130)からの印加された前記RF信号を受信するために前記監視対象のラインに結合されるRF受信機(210)を有し、前記ライン部分を介した伝送品質に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信された前記RF信号の特性、特に受信信号強度又は信号減衰を評価するように設定された、アダプタシステム。
【請求項3】
前記所定のRF信号(20)は、無線データ伝送信号であり、
前記RF発生器及びRF受信機が、いずれもそれぞれの無線送受信機(210)の構成要素として設計された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
RF発生器及びRF受信機が、いずれも集積回路、特に無線IC(210)の構成要素として、好ましくは両モジュール(200A、200B)における同一の無線IC(210)の構成要素として設計された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記受信されたRF信号(20)の強度の測定のために、特にRSSI測定のために、少なくとも前記第2のモジュール(200B)が設定され、特に前記RF受信機又は前記無線IC(210)が予め構成されている、請求項3から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
RF発生器及びRF受信機、特に両無線IC(210)は、意図するアンテナ接続部(212)によって前記監視対象のライン部分に結合されている、又は結合可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
両モジュール(500A、500B)は前記監視対象のライン部分への誘導結合のための結合回路を備え、該結合回路は、特にいずれも結合コイル(520)を有し、該結合コイルは、
前記テスト信号を前記監視対象のライン部分に誘導的に結合又は結合解除するために、
前記監視対象のライン部分(130)の端部領域に巻回可能であり若しくは巻回され、又は
前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲に配置された若しくは配置可能な磁化可能なトロイダルコアにおいて巻き付けられ、
前記RF発生器又はRF受信機にそれぞれ導電接続される、請求項1から6のいずれか一項、特に請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
両モジュール(200A、200B)は、前記監視対象のライン部分へのRF発生器又はRF受信機のそれぞれのガルバニック結合のための結合回路(220)を備え、該結合回路は、特に、
特に前記RF信号に対して調整されたフィルタ特性の第1のフィルタ要素、
前記ラインのうちの異なる導体への選択可能な結合のための切換要素、及び/又は
インピーダンス整合要素
を備える、請求項1から6のいずれか一項、特に請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
各モジュール(200A、200B)はいずれも、前記監視対象のライン部分への前記RF信号の伝送を実質的に制限する少なくとも1つのフィルタ要素(232)を備える、請求項1から8のいずれか一項、特に請求項7に記載又は請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記伝送品質に関する値に基づいて前記監視対象のライン(13)の状態の情報を判定し、特に前記値を、予め記憶された基準情報、好ましくは許容範囲と比較する別個の評価装置(100)を有し、かつ/又は
少なくとも前記第2のモジュール(200B)は、更なる接続、特に有線接続を介して上位装置若しくは前記評価装置(100)に接続可能であり若しくは接続されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
各モジュール(200A、200B)は、無線放射の低減、好ましくは防止のためのシールド(204)を有し、該シールドは、特に、前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲を封止可能な2つの半シェルによって実装される、請求項1から10のいずれか一項、特に請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
各モジュール(200A、200B;500A、500B)は、前記監視対象のラインに結合するためのデバイス(520)及び/又は監視中に前記監視対象のライン(13)の意図する使用の目的のための前記ライン若しくは該ラインの個々の導体(13A、13B・・・)を通じたルーピングのための1つのデバイス(230)を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記監視対象のライン部分に対する前記モジュールの前記結合(220)が、導電結合又は非接触結合、特に誘導結合として設計された、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
各モジュールは、前記RF発生器又はRF受信機(210)の制御のための制御装置(240)、特にプログラム可能な集積回路を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
監視対象のライン部分のそれぞれ第1の端部又は第2の端部にアダプタ的態様でいずれも設けられた第1のモジュール及び第2のモジュールを備える、ラインの状態を運用中に監視するシステムの使用であって、
前記モジュールは、前記監視対象のラインの意図する使用から独立した所定のRF信号に関して前記ライン部分の少なくとも1つの電気的な伝送特性を運用中に判定するために協働し、
前記第1のモジュールは、所定の無線信号をテスト信号として前記ライン部分に投入又は結合し、
前記第2のモジュールは、前記ライン部分から前記無線信号を受信し、受信された前記無線信号の伝送品質、特に信号減衰に関するインジケータ値を判定するために前記受信された無線信号の特性を評価し、好ましくは別個の監視装置に伝達された前記インジケータ値は、監視される前記ラインの状態の評価に用いられる、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、可動消費機器に給電するために、電気ライン、特に、例えば、エネルギーチェーンなどのような動的ラインガイドデバイスによってガイドされるラインの状態を監視することの分野に関する。本発明は、特に、移動ラインの監視に関する。
【0002】
上記ライン、例えば、データ及び/又は電源のための供給ラインの限られた耐用年数及び場合によっては結果として起こる故障は、アプリケーションに特有の動作に起因して不可避であり、重大な状況及び高いコストをもたらすことになる。
【0003】
本発明は、特に、ラインの実際の運用中にライン状態を監視するシステム及び方法に関し、各々が監視対象のライン部分の両側に設けられ、例えば、接続又は結合される第1のモジュール及び第2のモジュールを有する監視デバイスを備える。これは、通常は、少なくとも監視ラインの保護されたガイドのための可動ラインガイドデバイスに配置され、ラインガイドデバイスは、第1の接続点と、それに対して可動の第2の接続点との間に少なくとも1つの可動部分を有し、それを通じて、動作によって負荷がかかるために監視されるべきライン部分がガイドされる。
【背景技術】
【0004】
そのような一般的なシステムは、例えば、本出願人の特許文献1において提案されている。ここでは、2つのモジュールが、監視対象のライン部分の端部に設けられる。これらのモジュールの各々は、状態監視を実行するためにデジタルデータ伝送プロトコルのプロトコルレイヤの特性を用いる。ここでの不利な点は、このコンセプトによると、そのようなデジタルデータプロトコル、例えば、Ethernetに対して意図されたライン又は少なくとも充分に適合するラインしか監視可能とならないことである。さらに、システムによって、場合によっては実際のデータ伝送は、-そのプロトコル特性が使用されるべきであるため-、ラインの状態を試験又は監視するために伝送されるだけの追加的データによって少なくとも若干影響を受ける。
【0005】
実際の有用なデータ伝送に影響を与えることなくライン状態を運用中にオンライン監視するための手段が、特許文献2に提案されている。ここでは、試験方法は、伝送プロトコルを中断することなく試験デバイスによって非アクティブフェーズ時にテスト信号を送信するために、例えば、フィールドバスラインを介して、データ伝送プロトコルの非アクティブフェーズを検出する。伝送ラインに沿うテスト信号の反射が、検出及び評価される。
【0006】
特許文献1とは異なり、例えば、特許文献2など、これまでに提案されたほとんどの手段は、反射波形を観測することによって電気ラインの特性を判定するために、通常は時間領域反射(TDR)の原理によって反射測定値を用いる。ここでの有利な効果は、それによって障害が位置特定可能となることである。しかし、これらの方法は、技術的に非常に複雑であり、運用中の(オンラインでの)アプリケーションにほとんど適さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2020/104491号
【特許文献2】独国特許出願公開第10112844号明細書
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の第1の課題は、電気ラインの状態が運用中に監視されることを可能とする手段を提案することであり、同手段は、意図する運用に対して可能な限り少ない影響で若しくは影響なく及び/又は比較的少ない労力で実施可能となる。この課題は、請求項1に記載の監視システム、請求項2に記載のアダプタシステム又は請求項15に記載の使用若しくは方法によって相互に独立して達成される。
【0009】
請求項1の前段部に記載の包括的な監視システムの場合、課題の達成のために、所定の無線周波信号、特にRF信号に関して監視対象のライン部分の少なくとも1つの電気的な伝送特性を運用中に判定するために、2つのモジュールが協働するように設計され、そのRF信号は、監視対象のラインの意図する使用から独立しており、又は有用な信号として使用されることが意図されずに、かつ、とりわけ可能な干渉に関して、好ましくは、使用のために可能な限り干渉がなくなるように選択されることが提案される。ここで、本発明の基本的着想によると、ライン部分を介した意図されないRF信号の伝送品質に関する値が、特に受信信号強度又は信号減衰に関して判定され、評価のために使用される。
【0010】
このために、まず、特に、第1の監視モジュールはRF発生器又はRF発生源を備え、RF発生器又はRF発生源は、テスト信号の態様で指定される使用から独立した別個の信号として試験対象のライン部分に所定のRF信号を印加するために、例えば、それを電気的に印加し、又はそれをラインの少なくとも1つの導体に結合(供給、挿入、電圧印加など)するために監視対象のラインに結合されることが規定される。
【0011】
一方、第2のモジュールは、ライン部分からRF信号を受信するために監視対象のラインに結合されるRF信号又はRF信号シンクに適したRF受信機を有し、モジュール又はRF受信機は、特に受信信号強度又は信号減衰に関してライン部分を介した伝送品質に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信RF信号の特性を評価するように設定される。第2のモジュールは、好ましくは、この値を上位装置に、更なる接続、特に有線又は他の無線接続を介して出力するように設定される。
【0012】
監視対象のラインへの結合は、アプリケーションの場合に応じて、導電的に又は非導電的に、例えば、容量的及び/又は誘導的に、データラインの場合にはおそらくは導電的に、供給電圧を搬送するラインの場合には、例えば、保護的絶縁の目的のために、好ましくは非導電的に実行可能である。
【0013】
本場合において、無線周波数(RF)での電気工学設計の場合では一般的であるように、まず、約10kHz~THz範囲の周波数範囲を一般に無線周波数(RF)という(すなわち、単に短波又はMF無線とVHF無線との間の範囲についての無線工学設計からの、より限定的なHFの定義ではない)。本場合において、無線周波数によって、特に少なくとも1MHz~10GHzの範囲内の周波数、特に標準的な無線周波数も意味する。特に好ましくは、ITU無線通信規則(2012年版、第5条)による許可不要及び免許不要のISMバンド(産業科学医療用バンド)の1つが使用可能である。
【0014】
さらに、監視対象のライン部分のそれぞれ第1の端部及び第2の端部に対してアダプタ的態様で各々接続可能な2つの対応するモジュールを有する、ラインの状態を運用中に監視するためのアダプタシステムが提案される。本発明によると、ここでは、以下が、対応して規定される。
-それらのモジュールは、所定のRF信号に関してライン部分の少なくとも1つの電気的なRF(無線周波数)伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計され、その信号は、好ましくは監視対象のラインの意図する使用から独立し、
-第1のモジュールは、所定のRF信号をテスト信号として印加するために、監視対象のラインに結合可能なRF発生器を備え、
-第2のモジュールは、ライン部分から印加RF信号を受信するために監視対象のラインに結合されるRF受信機を有し、特に受信信号強度又は信号減衰に関して、ライン部分を介した伝送品質に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信RF信号の特性を評価するように設定される。
【0015】
さらに、少なくとも第2のモジュールは、この値を上位装置に、更なる接続、特に有線接続を介して出力するように設定可能である。
【0016】
本発明は、まず、意図しないRF信号に対して意図されるもの以外のラインを用いるという常識に反するアプローチに基づき、その意図されないRF信号は、特に、無線伝送に対して意図された同様に常識に反する無線信号の形態を有し得る。本発明は、無線信号、特に、無線データ通信に対して意図された無線信号を提供して有線導体を試験することができる。それは、例えば、情報が、場合によっては変調によって影響を受ける無線周波キャリア周波数を有する無線信号であってもよいが、その使用はラインの意図する使用には重要ではない。
【0017】
さらに、本発明は、その実際の信号機能、例えば、情報伝送のためのRF信号の使用が意図されていない場合、ラインとRF信号の間の好適でないアライメントは重要でないという知見に基づく。テスト信号の絶対的な伝送品質は、本発明には重要でない。
【0018】
これに対して、理論に拘泥することなく、障害を有するライン、特に1本又は2本の有線ライン上での放射損失は、信号周波数に対して概ね二次関数的に増加する。したがって、より高い周波数の信号は、移動する柔軟なライン、特に、エネルギーチェーンにおける通常の摩滅の兆候、例えば、連続曲げ応力、拠れ、ストランド破断又は他の障害によってもたらされる断面変化などを検出するのに一般に適する。ただし、信号減衰は、例えば、理想化された単線又は2線導体の場合に、比較的低くなり得る。
【0019】
原則として、テスト信号の伝送品質の相対的変化は、ラインの摩滅又は摩耗に関連する劣化のインジケータとして監視及び利用される。
【0020】
したがって、実施形態では、監視用に使用される所定のRF信号が無線データ伝送信号であることが規定される。
【0021】
ここでは、RF装置(RF発生器及び/又はRF受信機)はいずれも、それぞれの無線送受信機の構成要素として設計され得る。結果として、例えば、市販の安価な無線送受信機が使用可能となる。
【0022】
好適な実施形態は、RF発生器及びRF受信機は、集積回路、特に無線IC(IC=集積回路)の構成要素として設計されることを規定する。RF装置は、好ましくは、両モジュールにおいて構造的に同一の無線ICの構成要素として存在し得る。これにより、とりわけ、構造が標準化されてコストが低減される。
このような実施形態では、好ましくは、RF発生器及びRF受信機の双方はいずれも、受信信号強度を推定する機能を既に内在的に実装している商用無線プロトコル又は無線規格に従うデータ伝送のための無線ICの構成要素として設計されることが規定される。そのような無線ICの例は、例えば、WLAN、LoRaWAN、LTE又は無線データ伝送のための同様のプロトコル/規格のためのIC又はチップセットである。データ伝送のための実際の機能は使用されてはならず又は使用されるべきではないが、信号品質を判定するための、特に、監視部分上で受信されたRF信号又は無線信号の相対的品質を推定するための集積された機能が主に使用される。したがって、例えば、2.4GHz周波数帯(IEEE802.11b/g/n)又は5GHz周波数帯(IEEE802.11a/h及びIEEE802.11n)におけるWLAN/Wi-Fiは、RSSI測定値又はRCPI測定値を提供する。RSSIは、受信される電力レベルを示す。LoRaWANの場合、例えば、欧州での約433~435MHz(ISMバンド領域1)及び863~870MHz(SRDバンド https://de.wikipedia.org/wiki/Short_Range_Devices)の周波数帯、又は北米での周波数帯902~928(基本周波数915MHz)では、RSSI測定値などは、商用LoRa-ICの予め含まれた機能としても通常は既に提供されている。監視ライン上の受信信号強度又は信号減衰を評価するための他の同等のアプローチも、本発明の範囲内のものである。
【0023】
そのために、商用無線ICのプロトコル内在的又は規格内在的な態様で実施される機能は、好ましくは、商用無線プロトコル又は無線規格に従うデータ伝送のために使用される。これは、とりわけ、現在のTDRアプローチの場合に通常あるような複雑な測定技術のコストを回避する。
【0024】
使用されるRF信号は、好ましくは、監視対象のラインの実際の有用なアプリケーションの意図する使用から可能な限り独立した周波数スペクトルを、特に大幅に高い周波数帯に、例えば、特に1MHz~10GHzの範囲内、特に100MHz<f<7GHzの範囲内の基本周波数f周辺の周波数帯に有する。この場合、プロトコル内在的又は規格内在的な変調のためのキャリア周波数は、同様に/代替的にこの範囲内となり得る。選択は、ラインの有用な信号と可能な限り少ない干渉しか生成しないように行われるべきである。
【0025】
例示的プロトタイプを用いる最初の実験は、EthernetラインへのLoRa無線信号の印加又は挿入によって、Ethernet伝送の過度の干渉なしに、RSSI値を用いて摩耗又は摩滅に対して感度を有する監視が可能となることを示した。
【0026】
したがって、好ましくは、受信RF信号のRF減衰測定、特にRSSI測定のために、少なくとも第2のモジュールが設定され、特にRF受信機又は無線ICが予め構成されることが規定され得る。構造的に同一のICの場合には、両モジュールに適合性があり、結果として、適切な設計の場合には互換可能な使用も可能となる。
【0027】
特に、従来の無線ICを用いる場合、これらは、意図するアンテナ接続部によって監視対象のライン部分に結合可能であり又は結合されることができ、それのために、適用可能であれば適切な結合装置又は結合回路が設けられる。
【0028】
実施形態では、両モジュールは、監視対象のライン部分へのRF発生器又はRF受信機のガルバニック結合のための結合回路を備える。これは、更なる基本的装置、特に、
-特にRF信号に対して調整されたフィルタ特性の第1のフィルタ要素、
-複数導体ラインのうちの異なる導体への選択可能な結合のための切換要素、及び/又は
-インピーダンス整合要素
を有利に備え得る。
【0029】
システム又はモジュールのさらに有利な展開が、従属請求項8~14から得られる。
【0030】
モジュールを用いる監視は、好ましくは、おそらくは、例えば、所定の規則的な又は不規則な時点において時間離散的に基準運転中に連続的に実施される。
【0031】
ここで、特に、監視ライン部分上の伝送品質を示すテスト信号の品質値の、好ましくは外部的な更なる処理が、強調されることになる。そのために、受信機として作用するモジュールは、判定値、例えば、RSSI値を、適用可能な場合には、任意の適切な形式でデジタル値に変換した後に別個の評価装置に送信してもよい。
【0032】
したがって、実施形態では、システムが別個の評価装置を有し、その評価装置が伝送品質に関する値に基づいて監視対象のラインの状態の情報を判定し、そのために、例えば、その値を、予め記憶された情報と比較することが規定される。
【0033】
これに対して追加的又は代替的に、第2のモジュールは、更なる接続、特に有線又は他の無線接続を介して上位装置又は評価装置に接続可能であり又は接続され得る。
【0034】
そのために、評価装置は、特に、伝送品質値、例えば、RSSI値を、予め記憶された許容範囲と比較することができる。許容範囲は、通常は、アプリケーションに応じたものであり、とりわけ、例えば、ライン種、ライン長、使用されるコネクタ及び他のパラメータに応じる。始動時に、許容範囲は、初期化によって及び/又は障害なしとみなされる初期運用期間にわたって決定可能であり、例えば、評価装置に記憶され得る。単なる例示として、RSSI値がエネルギーチェーンの数動作ストローク後の始動時に-52dBm~-56dBm(デシベル-ミリワット)の間で変動した場合には、許容範囲として、これらの値の±2dBmの値、すなわち、-50dBm~-58dBmが名目上許容可能とみなされ得る。所定の許容範囲からの各逸脱事象が、潜在的な不良の場合として評価され得る。偽陰性の結果を防止するために、不良の場合に対する決定は、場合によっては、例えば、同時間帯ウインドウにわたる各積分に対する決定許容度での応答をトリガすべきである。応答は、例えば、予知保全のための保守メッセージであってもよいし、安全目的のためにシステム停止をトリガするための制御信号であってもよい。
【0035】
現在のところ、例えば、受信信号強度又は信号減衰の情報及びその情報と予め記憶された許容範囲との比較を与えるRSSI値又は同等の値を監視することは、好適なアプローチとみなされている。予め記憶された許容範囲は、例えば、経験値においてプログラムされ又はそこからパラメータ化されてもよいし、アプリケーションを整合させる初期化工程を通じて学習されてもよいし、他のアプローチも可能である。
【0036】
ラインガイドデバイスの運用中の連続的監視が、一般に好適である。
【0037】
提案されるモジュールは、監視ラインへの導電結合の場合、取外し可能なプラグ接続部に対して適宜選択されたソケットを有し得る。2つのモジュールのうちの、特に可動消費機器における一方がエネルギーチェーン又は動的ラインガイドの外部に配置されるので、提案されるシステムは、可動接続部におけるコネクタでの、稀に生じるわけではない障害の場合を内在的に認識し得る。実際には、動作応力に起因して、実際のラインにおいて摩耗による障害ではなく機械的負荷、例えば、ワイヤのうちの1本にかかる張力による障害が定期的に起こり、これにより、可動接続部におけるコネクタが故障する。この場合、伝送の劣化も、内在的に伴い得る。
【0038】
さらに、本発明は、独立請求項15に記載の方法の特徴を有する、ラインの状態を運用中に(オンラインで)監視するシステムの方法又は使用にも関する。
【0039】
個々のリンクで構成されるエネルギーチェーンに加えて、運用中にラインに動的に負荷がかかる他の種類の動的ラインガイドも考えられる。単に例示として、例えば、国際公開第2016/042134号は、本発明も適用可能な、クリーンルーム用途のための柔軟なラインガイドを開示する。
【0040】
提案される手段は、運用中に、データラインに加えて、様々なライン、例えば、電源ラインのためのバスラインの状態を監視するのにも適する。この場合、ラインは、特に動的ラインガイドにおいてガイド可能である。そのコンセプトは、多種多様なデータライン、例えば、Ethernet(IEEE802.3)、PROFIBUS又は例えば、CANバス、EIA-485などの他の産業用フィールドバスタイプ若しくは他の制御ラインなどに適用可能である。しかし、提案されるコンセプトは、国際公開第2020/104491号(特許文献1)とは異なり、純粋な電源用の供給ラインにも容易に適用可能である。
【0041】
特に、提案される手段によって、予知保全又は予防的保守が故障を防止することが可能となる。
【0042】
本発明の更なる有利な特徴及び効果を、添付図面を参照して好適な実施形態例を参照して、上記の一般性を限定することなく、以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1の実施形態例による本発明に係る監視システムを有するエネルギーチェーンの側面模式図である。
【
図2】RF信号をラインに印加するためのモジュールの模式図である。
【
図3A】特に
図1による監視システムのための、本発明に係るモジュールの実施形態例の模式図である。
【
図3B】特に
図1による監視システムのための、
図3Aによるコンセプトによる2つのモジュールを有するシステムの模式図である。
【
図4】アプリケーション例として、
図1による監視システムを装備可能な空間的に偏向可能なエネルギーチェーンを有する産業用ロボットの側面図である。
【
図5】誘導結合を用いる第2の実施形態例による本発明に係る監視システムを有するエネルギーチェーンの側面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1では、動的ラインガイドデバイスの一例として模式的に示すエネルギーチェーンは、全体として符号1で指定される。エネルギーチェーン1は、可動消費機器への電気ライン(より詳細には図示されない)の保護されたガイドに使用される。エネルギーチェーン1は、移動ラン2、ここでは上側ランと、静止ラン3、ここでは下側ランとの間に、所定の曲率の付随的な偏向カーブ4を形成する。偏向カーブ4は、所定の最小曲率半径を有してラインの破断を回避する。したがって、エネルギーチェーン1は、ガイドされるラインが許容可能な曲率半径未満とならないことを保証する。エネルギーチェーン1は、通常は、アプリケーションに応じた本数及び種類のラインがガイドされる内側ガイドチャネルを形成する。エネルギーチェーン1の設計は、本発明に対して決定的なものではなく、例えば、それ自体周知の全ての動的ラインガイドが考慮され、適用可能であれば、個々のチェーンリンクなしのもの、例えば、帯状ラインパケット又は柔軟なホース内にガイドされるものも考慮される。
【0045】
図1は、直線的にかつ一平面内で、例えば、水平に可動のエネルギーチェーン1による標準的な構成を単なる例示として示す。
図1では、移動ラン2は、例えば、可動機械部品(不図示)のドライバに締結された端部リンクの第1の接続端2Aで終端する。静止ラン3は、
図1に模式的に示すように、例えば、機械又はシステムの固定点に締結された端部リンクの第2の接続端3Aで終端する。
図4は、空間的に偏向可能なリンクを有する産業用ロボットにおいて多く使用される他の種類のエネルギーチェーン、すなわち、3次元可動エネルギーチェーンを示す。
【0046】
図1は、本発明の一態様として、全体として符号10で示される監視デバイスを模式的に示す。監視デバイス10は、より詳細にここに説明するように、本発明に係るRF(無線周波数)装置を備える第1のモジュール200A及び第2のモジュール200Bを備える。
【0047】
モジュール200A、200Bは、ライン13又はそれによって給電される機械若しくはシステムの運用中に、特にこの目的のためにテスト信号としてライン部分130に結合される所定のRF信号に関してラインの、エネルギーチェーン1にガイドされるライン部分130(
図3B)の少なくとも1つの電気的なRF(無線周波数)伝送特性を判定するために、協働する。
【0048】
図2は、RF発生器(RF=無線周波数)を有する第1のモジュール200Aを非常に模式的に示し、RF発生器は、
図2では点線で模式的に表す所定のRF信号20を、ここでは監視される単線13Aに投入又は結合する。その信号は、単線13Aに対して一点鎖線で模式的に表したライン13の意図する使用において使用される信号23から独立しており、好ましくは、ここでは監視する価値のある干渉を最小限しか又は全く生成しない。実際の動作信号23は、例えば、単なる例示として、Ethernet信号、任意の所望の産業用バスによる信号、又は非パケットベースのバスシステム若しくは例えばアクチュエータ(ドライブ、モータなど)若しくは任意の所望のセンサ、例えば、ロータリエンコーダのための、任意の所望のデジタル若しくはアナログ制御ライン若しくは測定ラインの信号であり得る。
【0049】
本発明は、原則として電源ラインにも適用可能である。
図2が模式的に示すように、第1のモジュール200Aは、テスト信号の一種として所定のRF信号を単線13Aに追加的に印加するために、監視対象のライン13、ここでは、例えば、単線13Aに結合されるRF発生器210を有する。原則として、特にデータラインの場合には各適宜の導電性のもの、又は特に活線の場合には非接触結合のもの、特に誘導結合のものも考慮される。
【0050】
図3Bがより詳細に示すように、第2のモジュール200Bは、例えば、コネクタ-ソケット接続によって監視対象のライン部分130の他端に接続される。モジュールは、監視ラインに適した入出力ソケット、例えば、CAT7-Ethernetライン用のRJ45ソケット又は他の適宜のソケットによってアダプタ状に構成され得る。
図3Bは、複数の単線13A、13Bなどを模式的に示し、それらは、ここでは例示として4対の撚り対ラインとして存在するが、アプリケーションに特有のものであり、すなわち、監視対象のライン13に応じる。
【0051】
第2のモジュール200Bは、例えば、監視対象のラインに結合されるRF送受信機210(
図3A参照)の形態のRF受信機を有し、ライン部分130からテスト信号又はRF信号20をタップ又は受信する。第2のモジュール200Bは、特に、テスト信号の受信品質、特に、モジュール200とのライン13の可動接続部における受信RF信号20の信号強度又は信号減衰を表す値を判定するように設定又は構成される。このために、例えば、RF送受信機210は、第2のモジュール200Bにおいて受信RF信号の特性を評価するように設定され、それにより、ライン部分130上の伝送品質について、信号強度又は信号減衰を示す値を生成する。
【0052】
図1が示すように、第2のモジュール200Bは、好ましくは、少なくともこの値を更なる接続、例えば、同時にモジュール200Bに給電する有線USB接続を介して、上位監視装置100に、例えば、igus社(51147、Cologne)から商品名「i.Cee:plus」又は「iCom」で入手可能なモジュールに出力するように設定される。監視装置100は、特に、所望のアプリケーションにおいて工学設計するシステムと通信するように設定され、又はクラウド手段によって構成され得る。
【0053】
実施形態では、無線データ伝送のための構造的に同一の集積回路、要するに無線IC210が両モジュール200A、200Bにおいて使用され、送信機(Tx)又はRF発生器として及び受信機(Rx)として使用可能である。したがって、RF発生器及びRF受信機は、好ましくは、そのような無線IC210の送受信機(Trx)によって実施される。
【0054】
好ましくは、ISMバンド、例えば、LoRaWAN(Long Range Wide Area Network:https://lora-alliance.org/参照)における商用無線規格に対する無線IC210が、RSSI測定又はその同様の測定において使用される。特にWi-Fi又はIEEE802.11ファミリの規格によるWLANのIC又はチップセットも考慮される。
【0055】
RSSI(受信信号強度インジケータ)又はRSSI同等の機能、例えば、IEEE802.11によるRCPI(受信チャネル電力インジケータ)を有する任意の無線IC210が、好ましくは考慮される。したがって、受信機側無線IC210は、受信信号強度又は信号減衰についての所望の値を、特に無線IC210の製造者の仕様に従うデジタル出力値として、第2のモジュール200Bにおいて内在的にかつ低コストで提供するのに適する。RF受信機は、任意の所望の形式の値を、例えば、接続部におけるアナログ電圧としても出力することができる。
【0056】
一部の商用無線IC210の場合では、RSSIは、例えば、IF増幅器の前段で中間周波数段(IF)において転用される。RSSI出力は、その後に、そのICによってアナログDCレベルとして提供され、例えば、外部でデジタル値に変換され得る。統合された受信電界強度測定の結果として適宜の無線IC210が送出する任意の同等のアナログ値は、RSSI値として、又は単位dBm若しくはASU(任意強度単位)などの無次元の電力レベルとして表現及び利用可能であり、例えば、デバイスに応じてスケーリング及び変換可能である。そのような無線IC210内のIF段からのアナログ値も、無線IC210の内部アナログ-デジタルコンバータ(ADC)によってサンプリング可能であり、それにより、結果として得られる値がインターフェース、例えば、周辺プロセッサバスを介してデジタル的に利用可能となる。具体的な条件の種類及び値は、重要ではない。
【0057】
本発明は、原則として、特に受信テスト信号の品質、例えば、信号強度若しくは信号減衰又は受信電界強度に関して、任意の適宜の種類の充分に決定的な判定、推定又は測定を有利に用いることができる。例えば、LoRaWAN用ICの場合におけるRSSI判定又はWi-Fi ICのRCPI判定など、既に統合された機能を有する商用無線IC210の使用は、そのために特にコスト効率が高い。通常、値は、対数スケールにおいて、<0dBm(損失なしの伝送の理想値)~-100dBm([ほとんど]信号受信がない)の範囲にある。他の無線規格、例えば、LTEも、このような機能を提供する。
【0058】
図3Aは、送信機側の第1のモジュール200A及び受信機側の第2のモジュール200Bの両方として使用可能なハードウエア実施例を示す。ここでは、モジュール200A及び200Bは、特に、ハードウエアの観点では構造的に同一に設計されるが、ソフトウエアの観点では、特に送信機(Tx)及び評価機能を有する受信機(Rx)又は受信信号の品質として、おそらくは異なる態様で構成又はプログラムされる。
【0059】
これにより、使用される無線IC210、例えば、LoRaWAN用ICは、そのアンテナ接続部212によって監視対象のライン部分130に結合される。その結合のために、ここでは、例えば、監視対象のライン部分130への、特に複数の単線13A、13Bなどのうちの1つ又は任意選択的に1つへのアンテナ接続部212のガルバニック結合のために、結合回路220がモジュール200A、200B内に設けられる。
【0060】
特にRF信号20に対して調整されたフィルタ特性を有する第1のフィルタ又は第1のフィルタ要素が結合回路220内に設けられてもよく、その結果、意図する信号23の最小の可能な部分がアンテナ接続部212に到達し、又は意図する信号23は全くアンテナ接続部212に到達しない。フィルタ要素は、例えば、急峻なエッジのπ型フィルタ又はRF信号20の無線周波数帯に対するバンドパスフィルタとして設定可能であり、好ましくは、別個の構成要素によるアナログ技術において実施可能である。結合回路220は、適用可能であれば、特に全てのラインの機能が監視される必要がある場合、ライン部分130の異なる導体又は配線13A、13Bなど(
図3B参照)への選択可能な又は調整可能な結合のための切換装置又は切換要素を有し得る。必要であれば、少なくとも1つのインピーダンス整合要素が、少なくとも配線13A、13Bなどとアンテナ接続部212との間の整合の向上のためにさらに設けられてもよい。
【0061】
一般に好ましくは、使用される結合の種類にかかわらず、すなわち、例えば、誘導結合の場合にも、適宜のデカップリングフィルタ回路が設けられ、それは、テスト信号又はRF信号20の全ての寄生の、特にライン搬送による、又は望ましくない伝搬経路を抑制し、監視ライン部分130へのテスト信号を制限する。
【0062】
図3Aは、さらに、監視中の監視対象のラインの意図する使用の目的のためのライン13又はその個々の導体13A、13Bを通じたルーピングのための回路構成要素又はデバイス230を示す。この回路構成要素230には、好ましくは、ライン13に対して、実質的に監視対象のライン部分130に対して2つの接続部201、202の一方へのRF信号の伝送を制限するフィルタ要素232が含まれる。そのために、フィルタ要素232は、例えば、疑似無線信号又はテスト信号20の周波数帯が顧客システムの部品15、16に通過することを可能な限り許容しない帯域阻止フィルタ又はバンドストップフィルタとして設計され得る。
【0063】
モジュールは、好ましくは、無線IC210による無線放射を可能な限り完全に低減するためにハウジング204内で又はそれにより実施される可能な限り包括的なシールドを有し、結果として、モジュール200A、200B間の望まれない空中接続が、可能な限り排除される。ハウジング204のシールドはまた、例えば、外部無線信号が診断結果を一時的又は永続的に干渉して歪ませることを防止する。
【0064】
制御及び/若しくは信号評価又は無線IC210からの値の更なる処理のために、モジュールは、制御装置、特にマイクロプロセッサ240などのプログラム可能な集積回路をさらに有し得る。これは、評価装置100に、データ接続の目的のために更なる適宜の接続部203を介して、例えば、無線IC210内のRF発生器又はRF受信機を制御するためのUSB接続を介して接続可能である。マイクロプロセッサ240及び接続部203を介して、任意選択的な設定が、例えば、第1のモジュール200Aとしての用途のために送信機の挙動に対して施されてもよいし、第2のモジュール200Bとしての用途のために受信機の挙動及び評価に対して施されてもよい。
図3Aのアーキテクチャが明らかとするように、図示するモジュール200A/200Bは、任意選択的に送信機又は受信機として使用可能であり、そのためには、接続部の反転用途(交換システム側/エネルギーチェーン側)及び対応のプログラミングしか必要とならない。
【0065】
受信機モジュール200Bが好ましくは接続部203を介して別個の上位評価装置100に接続可能であり、例えば、制御キャビネット内にそれとともに搭載可能であるので、電源供給(不図示)は、モジュールが送信機モジュール200Aとして使用されるのか、それとも受信機モジュール200Bとして使用されるのかに応じて、監視ライン13を介して又は例えばUSB接続部203を介して実施され得る。
【0066】
評価装置100は、伝送品質、例えば、RSSI値に関する現在値を、モジュール200Bから又は無線IC210から連続的に、おそらくは制御装置240及び接続部203を介して、あるいは不図示の更なる外部無線接続を介して受信し、それを、例えば、予め記憶された基準情報と、好ましくは許容範囲と比較し、かつ/又はこの値を、値を評価する更に上位のコンピュータ制御に伝達し、適用可能であれば、システムに介入することができ、例えば、緊急停止をトリガする。
【0067】
評価装置100、又は小型でコスト効率の高いモジュール200A、200Bから好ましくは独立した他の装置は、モジュール200Bにおける受信品質に関して受信した値であって監視ライン部分130における及び場合によっては接続部201又は202とのそのプラグ接続における望ましくない物理的変化について有益な値に基づいて、監視対象のラインの状態に関する状態情報を判定する。
【0068】
実施形態例では、評価装置100自体が、以前に記憶された許容範囲との比較によってRSSI値を評価する。値が許容範囲未満となり又は許容範囲を超える場合、評価装置100は警告又はエラーメッセージを上位モニタに、好ましくは別個のチャネルを介して発出する。これにより、受信機モジュール200Bにおける受信品質の劣化は、通常はライン13が完全に故障する前に起こるため、予知保全が可能となる。
【0069】
監視デバイス10に対する例示のアプリケーションとして、
図4は、例えば、製造工程におけるワークの完全自動ハンドリングのための関節アームロボット40を示す。関節アームロボットの固定ベース40Aから、ここでは、例えば、
図1~3と同様の直線的に可動の第1のエネルギーチェーン1が旋回ジョイントに続き、そこから(例えば、国際公開第2004/093279号による)空間的に偏向可能な第2のエネルギーチェーン41がエンドエフェクタ42又は端部側ロボット工具に続く。エンドエフェクタ42には、通常は、一般的なフィールドバスプロトコル又は例えばPROFINETプロトコルに既に適合している多数のアクチュエータ及びセンサが設けられる。
【0070】
これらのアクチュエータ及びセンサも、第2のエネルギーチェーン41における部分130(
図3B)によってガイドされるライン13を介して給電され得る。したがって、
図1~2及び
図3A~3Bによるコンセプトに係る監視デバイス10は、エネルギーチェーン1、41、特にエネルギーチェーン41によってガイドされる少なくとも1本の又は適用可能な場合には全てのデータ及び/又は信号ラインの摩耗状態を監視できる。そのためには、安価に実施可能なモジュール200A、200B、及び場合によっては既に利用可能なコンピュータ上のソフトウエアモジュールの形態でも実施可能な評価装置100しか必要とならない。既に利用可能な制御装置又は監視装置が、評価装置100として使用されてもよい。
【0071】
送受信機が使用される場合、テスト信号の関連する品質値は、場合によっては、送信モードにおいて、受信機モジュール200Bから送信機モジュール200Aに返送され得る。したがって、
図1に示すものとは逆では、受信機モジュール200Bは、移動機械又はシステム部品上に配置されてもよく、例えば、RSSI値を送信機モジュール200Aに場合によってはテスト信号20を介して連続的に返送することができ、それはその後に評価装置100に同様に接続される。
【0072】
したがって、ライン状態を監視するための提案されるシステムは、予知保全を支援するため及び/又は休止時間を短縮若しくは回避するための安価な手段を提供する。本発明は、とりわけ、より脆弱な、可能な場合には、コスト集約的なデータライン、空間的ラインなどの、それらの可能な耐用年数に対する最大使用を可能とし、すなわち、不要な早期交換を回避する。
【0073】
この手段は、さらに電源ラインにも適用可能である。
【0074】
図5は、エネルギーチェーン1(
図1参照)においてガイドされるライン13の監視対象のライン部分130に対するテスト信号20(
図2)の誘導結合又は結合解除のための2つのモジュール500A、500Bを有する好適な実施形態例を示す。
【0075】
そのために、
図5によると、各モジュール500A、500Bでは、誘導コイル520がライン部分130のそれぞれの端部領域に巻回され、所望のテスト信号20を誘導的に結合又は結合解除する。各モジュール500A、500Bは、2つの共役的又は相互に整合する半シェル504A、504Bを有し、これらは、モジュール500A、500Bの間の望まれない空中接続又は無線リンクを介した無線放射の可能な限り完全な低減のための可能な限り包括的なシールドを与える。これは、例えば、外部無線信号が干渉することも防止する。
【0076】
半シェル504Aでは、いずれも、回路が、テスト信号20の結合又は結合解除のために、
図3Aに対応する設計で設けられる。その回路(より詳細には不図示)も、適宜の無線IC210(
図3A参照)を有し、その周波数帯に対して、例えば、誘導コイル520の長さが整合される。誘導コイル520は、無線IC210に導電接続される。一方、
図3Aとは対照的に、
図5では、ライン13へのテスト信号20の結合及び結合解除は純粋に誘導的に、すなわち、試験対象のライン13での変更なしに実施される。
【0077】
2つの半シェル504A、504Bは、所定の巻回幾何形状、特に一定の巻回ピッチ長及び誘導コイル520とライン13の間の同じ径方向距離を保証するために、形成溝をさらに有する。
図5では、テスト信号20の結合及び結合解除も、好ましくは、構造的に同一の装置又はモジュール500A、500Bを介して実行される。
【0078】
ライン部分130との誘導結合は、任意の適宜の設計で実施可能である。これは、
図5に示す設計に対して代替的に、例えば、電流トランス又は単巻トランスの態様で実施されてもよい。ここで、いずれも、磁化可能なトロイダルコア、例えば、2つのコア部品からなるフェライトコア、例えば、リング2分割体(不図示)が、ライン部分130の端部領域の周囲で各モジュール500A、500Bに配置されてもよい。トロイダルコアであれば、誘導コイル520は、二次コイルとして誘導電流トランス又はコアバランストランスの態様で協働し得る。ライン部分130は、理想的な回路図における(単一の)一次巻線を表す。ライン部分130の状態を監視することを可能とする誘導コイル520間のテスト信号の伝送は、このようにしても実現可能である。
【0079】
例えば、
図5による誘導結合が、基本的に好適である。誘導結合の重要な有利な効果は、モジュール500A、500Bが、エネルギーチェーン1の両側の所望の箇所での単なる巻回又は包囲によって、監視対象のラインにおける変化又は介入なしに取付け可能であることである。例えば、
図5による誘導結合は、特に、安全上の理由により介入がむしろ望ましくない活線にも適する。
【0080】
無線IC210の適宜の選択の場合、本発明は、ライン13の意図する使用、例えば、伝送データと干渉することなく、運用中に使用可能な、複雑な技術を要さない安価な手段を可能とする。テスト信号20は、場合によっては、その伝送品質を試験するためのみに使用可能であり、すなわち、特に、メッセージ又は情報の実際の伝送のために使用されてはならない。
【0081】
一方、実際のアプリケーションに意図された監視ライン13の信号自体は、特に監視目的には使用されない。さらに、ラインの状態の継続的又は連続的な確認/監視が、比較的低い性能で可能となる。
【0082】
種々の測定基準が、それらがライン部分の現況についての情報を提供可能であれば、受信機モジュールでの受信品質を試験するのに使用されてもよい。
【0083】
本発明に係るシステム又は方法は、RF技術によってラインのデータ伝送特性を運用中に判定する。したがって、追加の導体又は測定配線若しくは犠牲配線が不要となる。モジュール200A、200B又は500A、500Bは、特にラインガイドデバイス1、42を通じて監視対象の領域の開始及び終端において挿入アダプタをそれぞれ構成する。モジュール200A、200B又は500A、500Bの小型の設計は、それぞれ容易な遡及的設置を可能とする。その後、検出値は、運用中にさらに処理される。伝送特性が劣化し始めると、これは、適時のライン交換のためのインジケータとして直ちに考慮可能となる。システム休止時間も、このプラグコネクタを含む移動ライン全体のインテリジェントな状態監視を通じて防止可能となる。
【符号の説明】
【0084】
図1
1 ラインガイドデバイス(エネルギーチェーン)
2 移動ラン
2A 第1の接続端
3 静止ラン
3A 第2の接続端
4 偏向カーブ
10 監視デバイス
100 監視装置
13 バスライン/供給ライン
15 第1の領域(顧客ネットワーク/バス)
16 第2の領域(顧客ネットワーク/バス)
200A 第1のモジュール
200B 第2のモジュール
図2及び
図3A~3B
13 ライン
13A、13B 単線(例えば、撚り対)
20 無線信号
23 有用な信号
130 監視ライン部分
200A 第1のモジュール
200B 第2のモジュール
201、202、203 接続部(ソケット、例えば、RJ45)
204 ハウジング(シールドあり)
210 無線IC(例えば、LoRaWAN)
212 アンテナ接続部
220 結合回路
230 通過帯域回路
232 フィルタ
240 制御装置(マイクロプロセッサ)
図4
1 第1のエネルギーチェーン(直線的に可動)
2 第1のラン
3 第2のラン
4 偏向カーブ
40 関節アームロボット
40A ベース
41 第2のエネルギーチェーン(空間的に偏向可能)
42 エンドエフェクタ
図5
13 ライン
130 監視ライン部分
500A 第1のモジュール
500B 第2のモジュール
504A 第1の半シェル
504B 第2の半シェル
520 誘導コイル/アンテナ
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインガイドデバイス、特にエネルギーチェーンによってガイドされるラインの状態を監視する監視システムであって、
第1の接続点とそれに対して可動の第2の接続点との間でラインをガイドするための可動ラインガイドデバイス(1;41)であって、少なくとも1つの可動部分、及び監視対象のライン部分(130)とともに前記ラインガイドデバイス(1;41)によってガイドされる少なくとも1本のライン(13)を有するラインガイドデバイス(1;41)と、
前記監視対象のライン部分の両側にそれぞれ設けられた第1のモジュール(200A)及び第2のモジュール(200B)を有する監視デバイス(10)と、
を備え、
前記モジュール(200A、200B)は所定の無線周波数(RF)信号に関して前記ライン部分(13A;13B)の少なくとも1つの電気的な伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計され、
前記第1のモジュール(200A)は、
所定のRF信号をテスト信号として生成するためのRF発生器を備え、前記テスト信号は前記監視対象のライン(13)の意図する使用とは独立したものであり、ペイロード信号としては使用されず、前記RF発生器は、前記所定のRF信号をテスト信号として前記ライン部分(130)に結合又は投入するために前記監視対象のライン(13)に結合さ
れ、
前記第2のモジュール(200B)は、前記ライン部分(130)からの前記RF信号を結合解除又は受信するために前記監視対象のラインに結合されるRF受信機を有し、前記ライン部分(130)上の伝送品質に関する、特に受信信号強度又は信号減衰に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信された前記RF信号の特性を評価するように設定された、監視システム。
【請求項2】
ラインの状態を運用中に監視するアダプタシステムであって、監視対象のライン部分(130)のそれぞれ第1の端部又は第2の端部にアダプタ的態様で各々接続又は結合可能な第1のモジュール(200A)及び第2のモジュール(200B)を備え、
前記モジュール(200A、200B)は
、所定のRF信号に関して前記ライン部分(130)の少なくとも1つの電気的なRF(無線周波数)伝送特性を運用中に判定するために協働するように設計され、
前記第1のモジュール(200A)は、所定のRF信号をテスト信号として生成するためのRF発生器(210)を備え、
前記テスト信号は前記監視対象のライン(13)の意図する使用とは独立したものであり、ペイロード信号としては使用されず、前記RF発生器は、前記所定のRF信号をテスト信号として印加するために前記監視対象のライン(13)に結合可
能であり、
前記第2のモジュール(200B)は、前記ライン部分(130)からの印加された前記RF信号を受信するために前記監視対象のラインに結合されるRF受信機(210)を有し、前記ライン部分を介した伝送品質に関する少なくとも1つの値を判定するために、受信された前記RF信号の特性、特に受信信号強度又は信号減衰を評価するように設定された、アダプタシステム。
【請求項3】
前記所定のRF信号(20)は、無線データ伝送信号であり、
前記RF発生器及びRF受信機が、いずれもそれぞれの無線送受信機(210)の構成要素として設計された、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
RF発生器及びRF受信機が、いずれも集積回路、特に無線IC(210)の構成要素として
設計され、又は
RF発生器及びRF受信機が、いずれも両モジュール(200A、200B)における同一の無線IC(210)の構成要素として設計された、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記受信されたRF信号(20)の強度の測定のために、特にRSSI測定のために、少なくとも前記第2のモジュール(200B)が設定され、特に前記RF受信機又は無線IC(210)が予め構成されている、請求項
3に記載のシステム。
【請求項6】
RF発生器及びRF受信機、特に両無線IC(210)は、意図するアンテナ接続部(212)によって前記監視対象のライン部分に結合されている、又は結合可能である、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項7】
両モジュール(500A、500B)は前記監視対象のライン部分への誘導結合のための結合回路を備え、該結合回路は、特にいずれも結合コイル(520)を有し、該結合コイルは、
前記テスト信号を前記監視対象のライン部分に誘導的に結合又は結合解除するために、
前記監視対象のライン部分(130)の端部領域に巻回可能であり若しくは巻回され、又は
前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲に配置された若しくは配置可能な磁化可能なトロイダルコアにおいて巻き付けられ、
前記RF発生器又はRF受信機にそれぞれ導電接続される、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項8】
両モジュール(500A、500B)は前記監視対象のライン部分への誘導結合のための結合回路を備え、該結合回路は、特にいずれも結合コイル(520)を有し、該結合コイルは、
前記テスト信号を前記監視対象のライン部分に誘導的に結合又は結合解除するために、
前記監視対象のライン部分(130)の端部領域に巻回可能であり若しくは巻回され、又は
前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲に配置された若しくは配置可能な磁化可能なトロイダルコアにおいて巻き付けられ、
前記RF発生器又はRF受信機にそれぞれ導電接続される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
両モジュール(200A、200B)は、前記監視対象のライン部分へのRF発生器又はRF受信機のそれぞれのガルバニック結合のための結合回路(220)を備え、該結合回路は、特に、
特に前記RF信号に対して調整されたフィルタ特性の第1のフィルタ要素、
前記ラインのうちの異なる導体への選択可能な結合のための切換要素、及び/又は
インピーダンス整合要素
を備える、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項10】
両モジュール(200A、200B)は、前記監視対象のライン部分へのRF発生器又はRF受信機のそれぞれのガルバニック結合のための結合回路(220)を備え、該結合回路は、特に、
特に前記RF信号に対して調整されたフィルタ特性の第1のフィルタ要素、
前記ラインのうちの異なる導体への選択可能な結合のための切換要素、及び/又は
インピーダンス整合要素
を備える、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
各モジュール(200A、200B)はいずれも、前記監視対象のライン部分への前記RF信号の伝送を実質的に制限する少なくとも1つのフィルタ要素(232)を備える、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項12】
各モジュール(200A、200B)はいずれも、前記監視対象のライン部分への前記RF信号の伝送を実質的に制限する少なくとも1つのフィルタ要素(232)を備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
各モジュール(200A、200B)はいずれも、前記監視対象のライン部分への前記RF信号の伝送を実質的に制限する少なくとも1つのフィルタ要素(232)を備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、前記伝送品質に関する値に基づいて前記監視対象のライン(13)の状態の情報を判定し、特に前記値を、予め記憶された基準情
報と比較する別個の評価装置(100)を有し、かつ/又は
少なくとも前記第2のモジュール(200B)は、更なる接続、特に有線接続を介して上位装置若しくは前記評価装置(100)に接続可能であり若しくは接続されている、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項15】
各モジュール(200A、200B)は、無線放射の低
減のためのシールド(204)を有し、該シールドは、特に、前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲を封止可能な2つの半シェルによって実装される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項16】
各モジュール(200A、200B)は、無線放射の低
減のためのシールド(204)を有し、該シールドは、特に、前記監視対象のライン部分の端部領域の周囲を封止可能な2つの半シェルによって実装される、請求項7に記載のシステム。
【請求項17】
各モジュール(200A、200B;500A、500B)は、前記監視対象のラインに結合するためのデバイス(520)及び/又は監視中に前記監視対象のライン(13)の意図する使用の目的のための前記ライン若しくは該ラインの個々の導体(13A、13B・・・)を通じたルーピングのための1つのデバイス(230)を有する、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項18】
前記監視対象のライン部分に対する前記モジュールの前記結合(220)が、導電結合又は非接触結合、特に誘導結合として設計された、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項19】
各モジュールは、前記RF発生器又はRF受信機(210)の制御のための制御装置(240)、特にプログラム可能な集積回路を有する、請求項1
又は2に記載のシステム。
【請求項20】
監視対象のライン部分のそれぞれ第1の端部又は第2の端部にアダプタ的態様でいずれも設けられた第1のモジュール及び第2のモジュールを備
えるシステムを用いてラインの状態を運用中に監視する
方法であって、
前記モジュールは、前記監視対象のラインの意図する使用から独立した所定のRF信号に関して前記ライン部分の少なくとも1つの電気的な伝送特性を運用中に判定するために協働し、
前記第1のモジュールは、
前記所定のRF信号をテスト信号として生成するために設計され、該テスト信号は前記監視対象のライン(13)の意図する使用とは独立したものであり、ペイロード信号としては使用されず、前記所定の
RF信号をテスト信号として前記ライン部分に投入又は結合し、
前記第2のモジュールは、前記ライン部分から前
記RF信号を受信し、受信された前記
RF信号の伝送品質、特に信号減衰に関するインジケータ値を判定するために前記受信されたRF信号の特性を評価し
、前記インジケータ値は、監視される前記ラインの状態の評価に用いられる、
方法。
【国際調査報告】