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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】滑り止めデバイス
(51)【国際特許分類】
   B60C 27/10 20060101AFI20240315BHJP
   B60C 27/02 20060101ALI20240315BHJP
   B60C 27/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B60C27/10
B60C27/02
B60C27/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560377
(86)(22)【出願日】2022-04-13
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 NO2022050088
(87)【国際公開番号】W WO2022225401
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】20210487
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523370901
【氏名又は名称】エイフィン エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フル,ハラルド
(72)【発明者】
【氏名】エイブリー,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エイブリー,エミル
(72)【発明者】
【氏名】カヴァナー,クリストファー ジョン
(57)【要約】
本発明は、車両のホイールのタイヤに取り付けられるよう適合され、雪及び凍結状態において、牽引力を提供し、かつホイールの、地面との接触に対して強化をもたらす、滑り止めデバイスに関する。このデバイスは、中央ハウジング2を含み、そこから3本のアーム3が径方向に突出し、それらはタイヤのトレッドを横断方向に囲む滑り止め構成要素10によって、外側端部で伸ばされる。滑り止めデバイスは係止機構を有し、それは、ハウジング2の内部周辺における歯状部と係合する歯状部を伴う、係止要素24から構成される。ハブ4の中に一体化されたハンドル16は、係止要素24と相互作用し、デバイスがホイールに取り付けられたとき、係止状態をしっかりと維持する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑りやすい道路で牽引力を向上させるための、滑り止めデバイス(1)であって、
ハウジング(2)と、
前記ハウジング内に保持され、そこから径方向に突出し、タイヤのトレッド面に配置されるよう意図された滑り止め要素(10)を備えた、少なくとも3本の複数のアーム(3)と、
前記アーム(3)の伸長または収縮を可能にする、作動手段と、
前記ハウジング(2)内で回転可能な、ハブ(4)と、
を備え、
前記作動手段には係止手段が装備され、前記滑り止め要素が係合されたときに、アーム(3)の伸長を防止し、
ここで前記滑り止めデバイス(1)は、
前記係止手段が、前記ハウジング(2)の内側周囲における歯状部(22)と相互作用するよう配置された、第1のセットの歯状部(26)を有する係止要素(24)を備えることを特徴とする、滑り止めデバイス(1)。
【請求項2】
前記係止要素(24)は、前記歯状部(26)が前記ハウジングの歯状部(22)に係合する第1の位置と、前記歯状部(22)と接触しない第2の位置と、の間で可動であることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項3】
前記係止要素(24)は、前記ハブ(4)における窓(18)を通して突出したリブ(28)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項4】
前記ハブ(4)は、ハンドル(16)及びクランク(25)を使用して回転されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項5】
前記ハンドル(16)は、ヒンジ(17)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項6】
前記ヒンジ(17)は、前記ハウジング(2)の前記歯状部(22)と相互作用するよう配置された歯状部(19)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項7】
前記ハンドル(16)は、前記ハブ(4)における凹部(15)の中に折り畳むことができることを特徴とする、請求項5に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項8】
前記滑り止め要素(10)は、不規則に離隔された複数のスタッド(45)が、内面及び外面に装備されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項9】
前記滑り止め要素(10、10’)は、端部(46B)を伴うワイヤフープ(46)に保持され、前記端部(46B)は、前記アーム(3)の端部に取り外し可能に接続されたブラケット(48)の中に嵌合することを特徴とする、請求項8に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項10】
滑り止め要素(10、10’)は、コンパクトに保管するために、アーム(3)から分離可能であることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の滑り止めデバイス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、雪及び氷における牽引力を向上させるよう、車両のホイールと共に使用するための滑り止めデバイスに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッド面に配置されるよう意図された滑り止め要素を備えた、少なくとも3本の複数のアームと、これらのアームの伸長及び収縮を可能にする作動手段と、を有する滑り止めデバイスに関する。この作動手段には、滑り止め要素が係合されたときに、アームが伸長するのを防止する係止手段が装備される。
【背景技術】
【0002】
非常に厳しい雪及び氷の条件下で、摩擦を強化するために、車両のタイヤに取り付けるための様々な滑り止めデバイスが利用可能である。長年にわたり、雪用チェーンが標準であり、効果的ではあるが、それらはいくつかの不利点を被る。このようなチェーンの不利点のいくつかは、それらが重いこと、扱いにくいこと、露出した舗装またはフェンダーの内側に接触したときに騒音を出すこと、及びホイールに取り付けるために自動車をジャッキアップする必要があること、である。これら全ての困難に直面する自動車運転者は、たとえ氷及び雪のない道路でも、チェーンを取り付けたままにしがちであり、これはチェーンの摩耗の程度を加速させることになる。追加として、これらの種類のデバイスは、使用しないときに、貴重な空間を塞ぐ。従来の雪用チェーンの制限を克服するために、他のタイプの滑り止めデバイスが発明されており、これらは、中央ハウジングから放射状に伸びた複数のアームで構成されたデバイスであり、各アームは、タイヤのトレッド上を横断方向に伸びたフック状の滑り止め構成要素に連結される。このようなデバイスの例は、以下の特許に記載されている:(1)欧州特許第2050590号明細書、(2)米国特許第4209049号明細書、(3)米国特許第4834158号明細書、(4)米国特許第2873783号明細書、(5)米国特許第4735248号明細書、(6)米国特許第6053227号明細書、(7)欧州特許第0110838号明細書、及び(8)韓国公開特許第2004-0091223号広報。これらの滑り止めデバイスが、意図された目的を満たすとしても、それらはいくつかの欠点を被る。それらは複雑で、扱いにくく、多くの部品で作られ、製造が高価で、ホイールの設置するのが困難で、重く、かつ使用しないときに空間を塞ぐ。全体的に、それらは単純さを欠く。したがって、本発明の目的は、先行技術の不利点の多くを克服すること、ならびに、単純、効果的かつ効率的、小型、軽量、かつ安価な製造である滑り止めデバイスを市場に提示すること、である。
【0003】
本発明は、浮遊粉塵のより少ない形成にも寄与し得る。この種の埃は、冬に使用される標準のスタッドタイヤにおいて、特に懸念事項である。本発明は、運転者が代わりにスタッドレスタイヤを選び、本発明を使用して、不利な凍結条件を克服するのを助けるように促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第2050590号明細書
【特許文献2】米国特許第4209049号明細書
【特許文献3】米国特許第4834158号明細書
【特許文献4】米国特許第2873783号明細書
【特許文献5】米国特許第4735248号明細書
【特許文献6】米国特許第6053227号明細書
【特許文献7】欧州特許第0110838号明細書
【特許文献8】韓国公開特許第2004-0091223号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、熟練、体力、または別個のツールを必要とせず、ホイールに対する取り付け及び取り外しが容易な、滑り止めデバイスを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、単純、小型、かつ少ない部品で作られた、滑り止めデバイスを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、ホイールの前面から取り付けることができ、かつ異なるホイールサイズに適合できる、滑り止めデバイスを提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、ホイールと地面との接点におけるタイヤの平坦化によって、ホイールが径を変化させても、しっかりとした定着を維持する、滑り止めデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これら及び他の目的は、使用中に、デバイスをホイールにしっかりと定着させ続ける係止要素を伴うデバイスを提供することによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】滑り止めデバイスの正面図である。
図2】ホイールグリップを取り外したデバイスの分解組立図である。
図3】ハンドルが開かれた滑り止めデバイスの正面図である。
図4】ハンドルが開かれたハブの垂直断面図である。
図5】ハンドルが閉じられたハブの垂直断面図である。
図6図5の詳細図である。
図7】ホイールグリップの第1の実施形態を示す図である。
図8】ホイールグリップの第2の実施形態を示す図である。
図9】明確にするためにカバー構成要素を取り外した、図8の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照すると、本発明による滑り止めデバイス1が示される。デバイス1は、ハウジング2及び3本のアーム3から構成される。3本のアームが図に示されるが、4本以上のアームが存在し得ることを理解されたい。ハウジングは、アーム3の内側端部、及びアームを作動させるための機構を囲む。ハブ4は、ハウジング2の中で回転可能である。このハブは、ピニオンに接続されたシャフト32(図2参照)を有し、次にピニオンは、アームが外側及び内側それぞれに動くのを可能にする。これらの詳細は、本出願者による以前の出願のノルウェー公開特許第20191262号明細書でより完全に記載され、それらは本発明の一部を形成しないので、ここではさらに説明しない。
【0012】
各アーム3の外側縁部において、滑り止め要素10(図1図7図9参照)が存在する。
【0013】
次に図2を参照すると、ハブは凹部15を有する。ハンドル16は、一方の端部にヒンジ17を有し、ハンドルを凹部15の中に折り畳むのを可能にする。ハブを貫通する開口部18も存在する。ハンドルの他方の(遠位)端部において、係止機構と相互作用する手段が存在する。これは後程、より詳細に説明する。
【0014】
ハンドルは、係止位置にあるときに凹部の中に折り畳まれる。例えば搬送中など、使用していないときもハンドルは折り畳まれる。ハンドルは、ハンドルを外側に回すために作動させることができる留め金を伴う、解放要素8を含み得る。これは、ハンドル16が意図せず開くのを回避するための、追加の安全特徴部である。
【0015】
使用していないときにハンドル内に位置される、クランク25は、外側に回すことができ、ハブ3を回転させるために使用され、かつ軸32を介して、アーム3の内側または外側の動きを作動させるために使用される。クランク25は、以下でさらに説明するように、係止機構と相互作用する駆動基部25Aにおいて、ハンドル16にヒンジ接合される。
【0016】
ハウジング3は、ハブ4を収納する円形凹部21を有する。ハウジングは、ハブ4の外径よりも僅かに大きい内径を有し、ハブ4がハウジング2の中で軸32に対して回転するのを可能にする。ハウジング3の内周には、複数の突起または歯状部22が装備される。
【0017】
係止要素24は、下方で保持され、ハブ4の凹部18を通して突出する。係止要素24には、周縁部に沿ったいくつかの突起部または歯状部26が装備され、それはハウジング2の対応した歯状部22と相互作用できる。使用者に向かって面した側27において、リブ28が外側に突出して、面した側27を上部及び下部領域に分割する。係止要素24が、ハブ4とハウジング2との間に位置付けられながら、リブ28は窓18に貫入し、それによって使用者が接近可能となる。このように、リブ28は摺動レバーとして作用し、使用者が手動で係止要素24をリング歯状部22に接触させるか、または接触から外すのを可能にする。
【0018】
追加として、相互作用する構成要素は、係止要素24が開放位置にあるときに、ハンドル16及びクランク25が適切に閉じられないような外形である。なぜなら、係止部が開放位置にあるとき、クランクの駆動基部25Aが係止部のリブ28にぶつかるからである。より明確には、追加の安全特徴部が使用準備されるよう、デバイスを閉じられるようにするために、係止要素24を係止しなければならない。
【0019】
ハンドル16が外側に開かれたとき、係止要素24は自由に動く。
【0020】
好ましい実施形態において、いずれかの側またはリブ28において視認できる2つの領域には色コードが付けられ、それによってオペレータは、係止要素の状態を判断できる。例えば、ハブの中心に最も近い側に緑、及び中心から離れた側に赤が付けられる。係止要素が係止位置または開放位置のいずれかにあるとき、これらの色の内1つのみが視認できることになり、それによってデバイスの状態を明確に示す。
【0021】
図3は、動作位置にあるデバイスの前面図である。ハンドル16は、凹部15から広げられている。クランク25は、その端部25Aがハンドルにヒンジ接合され、図3に示されるように外側に回されたとき、クランク25はハブを回すよう使用され、次にそれはアームを作動させる。図3は、係止要素24がハウジングの歯状部22と係合され、リブ28が窓18を通して突出し、すなわち係止位置にあることを示す。ハンドルの作動前に、係止要素24は係合解除されるので、ハブを回すのを可能にする。
【0022】
図4は、図3に示されるハブ及びハウジングの側面図である。確認できるように、ここで係止要素24は、押し込まれてハウジングの歯状部22との係合から外されており、リブ28は、デバイスの中心に最も近い、凹部18の端部にある。
【0023】
図5は、ハンドル及びクランクが、凹部15の中に折り畳まれて戻っていることを示す、ハブの側面図である。この係止位置において、ハンドル25及び枢動軸25Aは、係止要素24におけるリブ28の下に嵌合する。ここでハブ4は、回転に対して固定される。
【0024】
図6において、図5の詳細が示され、係止要素24を固定位置に保持するための方法を示す。窓18を通して突出したリブ28は、クランク25の端部25Aと相互作用する。クランク25は押し込まれ、それによってその端部25Aは、リブ28の下にくる。ハンドル16が閉じられたとき、係止要素は歯状部22との接触を保持され、すなわちその係止位置に保持される。ボタン8は、ハンドル16をハブ4に固定し、それによってハンドル16は駆動中に意図せず開き得ない。
【0025】
係止部2の歯状部に加えて、追加の歯状部19が、ヒンジ17の近くにおけるハンドル16の下部枢動端部と一体化される。ハンドル16が閉鎖位置まで動かされたとき、この歯状部は、ハウジングの歯状部22と、追加の機械式係止を形成することになる。
【0026】
ハブ4には、図2で視認できるように、エラストマまたはゴムで作られた1つまたは複数の可撓性の歯状要素52も、装備され得る。これらは、ハブ4の回転を過剰に妨げないが、係止中にこの歯状部を噛み合わせ/位置付けるのを助けるために、使用者がハンドルを回転させるときに、より明確な感覚/クリッキングを提供することになる。追加として、これら可撓性の歯状要素52は、システム全体が非常にきつく位置付けられた場合に、制動機能を提供し得る。すなわち使用者が、中央ハブ4の係止解除を開始するとき、アーム3は直ちに外側に動くので、望ましくない逆回転が生じ得るこのような予期せぬ動きは、使用者を驚かせる場合があり、可撓性の歯状要素52は、このような動きを効果的に減衰させ得る。
【0027】
デバイスの動作は、以下のとおりである。使用していないとき、デバイスは自動車のトランクに保管される。必要なとき、デバイスはホイールの横に設置され、ハンドル及びクランクは回されて開く。次にクランクを使用して、初めにハブを反時計回りに回し、アーム3を外側に伸ばして、デバイスをホイールに取り付けることができる。タイヤの周りに設置したとき、滑り止め要素がホイールのリム周りにきつく嵌合するまで、クランク25を時計回りの方向に回して、アーム3を収縮させる。オペレータが、滑り止め要素がタイヤに完全に係合したものと満足したとき、彼または彼女は、係止要素24を歯状部22に係合するよう動かすことになる。係止状態は、緑を示す係止要素面を監視することによって確認され得る。次に使用者は、クランクをハンドルの中に戻すことができ、ハンドルを凹部の中に折り畳む。このように滑り止め要素は所定の位置に保持される。運転を完了したら、同じプロセスが逆に利用される。
【0028】
同じ手順を使用して、第2のデバイスを他の駆動ホイールに取り付ける。四輪駆動車における4本の全てのホイールに使用する必要があると予測されなくても、時として必要となり得る。なぜなら四輪駆動車は、あまり抵抗を有さない駆動軸に対する動力を調整するからである。図1を参照すると、本発明による滑り止めデバイス1が示される。デバイス1は、ハウジング2及び3本のアーム3から構成される。3本のアームが図に示されるが、4本以上のアームが存在し得ることを理解されたい。ハウジングは、アーム3の内側端部及びアームを作動させるための機構を囲む。ハブ4は、ハウジング2の中で回転可能である。このハブは、ピニオンに接続されたシャフト32(図2参照)を有し、次にピニオンは、アームが外側及び内側それぞれに動くのを可能にする。これらの詳細は、本出願者による以前の出願のノルウェー公開特許第20191262号明細書でより完全に記載され、それは本発明の一部を形成しないので、ここではさらには説明しない。
【0029】
各アーム3の外側縁部において、滑り止め要素10(図1図7図9参照)が存在する。
【0030】
次に図2を参照すると、ハブは凹部15を有する。ハンドル16は、一方の端部にヒンジ17を有し、ハンドルを凹部15の中に折り畳むのを可能にする。ハブを貫通する開口部18も存在する。ハンドルの他方(遠位)の端部において、係止機構と相互作用する手段が存在する。これは後程、より詳細に説明する。
【0031】
ハンドルは、係止位置にあるときに凹部の中に折り畳まれる。例えば搬送中など、使用していないときもハンドルは折り畳まれる。ハンドルは、ハンドルを外側に回すために作動させることができる留め金を伴う、解放要素8を含み得る。これは、ハンドル16が意図せず開くのを回避するための、追加の安全特徴部である。
【0032】
使用していないときにハンドル内に位置された、クランク25は、外側に回すことができ、ハブ3を回転させるために使用され、かつ軸32を介して、アーム3の内側または外側への動きを作動させるために使用される。クランク25は、以下でさらに説明するように、係止機構と相互作用する駆動基部25Aにおいて、ハンドル16にヒンジ接合される。
【0033】
ハウジング3は、ハブ4を収納する円形凹部21を有する。ハウジングは、ハブ4の外径よりも僅かに大きい内径を有し、ハブ4がハウジング2の中で軸32に対して回転するのを可能にする。ハウジング3の内周には、複数の突起または歯状部22が装備される。
【0034】
係止要素24は、下方で保持され、ハブ4の凹部18を通して突出する。係止要素24には、周縁部に沿ったいくつかの突起部または歯状部26が装備され、それはハウジング2の対応した歯状部22と相互作用できる。使用者に向かって面した側27において、リブ28が外側に突出して、面した側27を上部及び下部領域に分割する。係止要素24が、ハブ4とハウジング2との間に位置付けられながら、リブ28は窓18に貫入し、それによって使用者が接近可能となる。このように、リブ28は摺動レバーとして作用し、使用者が手動で係止要素24をリング歯状部22に接触させるか、または接触から外すのを可能にする。
【0035】
追加として、相互作用する構成要素は、係止要素24が開放位置にあるときに、ハンドル16及びクランク25が適切に閉じられないような外形である。なぜなら、係止部が開放位置にあるとき、クランクの駆動基部25Aが係止部のリブ28にぶつかるからである。より明確には、追加の安全特徴部が使用準備されるよう、デバイスを閉じられるようにするために、係止要素24を係止しなければならない。
【0036】
ハンドル16が外側に開かれたとき、係止要素24は自由に動く。
【0037】
好ましい実施形態において、いずれかの側またはリブ28において視認できる2つの領域には色コードが付けられ、それによってオペレータは、係止要素の状態を判断できる。例えば、ハブの中心に最も近い側に緑、及び中心から離れた側に赤が付けられる。係止要素が係止位置または開放位置のいずれかにあるとき、これらの色の内1つのみが視認できることになり、それによってデバイスの状態を明確に示す。
【0038】
図3は、動作位置にあるデバイスの前面図である。ハンドル16は、凹部15から広げられている。クランク25は、その端部25Aがハンドルにヒンジ接合され、図3に示されるように外側に回されたとき、クランク25はハブを回すよう使用され、次にそれはアームを作動させる。図3は、係止要素24がハウジングの歯状部22と係合され、リブ28が窓18を通して突出し、すなわち係止位置にあることを示す。ハンドルの作動前に、係止要素24は係合解除されるので、ハブを回すのを可能にする。
【0039】
図4は、図3に示されるハブ及びハウジングの側面図である。確認できるように、ここで係止要素24は、押し込まれてハウジングの歯状部22との係合から外されており、リブ28は、デバイスの中心に最も近い、凹部18の端部にある。
【0040】
図5は、ハンドル及びクランクが、凹部15の中に折り畳まれて戻っていることを示す、ハブの側面図である。この係止位置において、ハンドル25及び枢動軸25Aは、係止要素24におけるリブ28の下に嵌合する。ここでハブ4は、回転に対して固定される。
【0041】
図6において、図5の詳細が示され、係止要素24を固定位置に保持するための方法を示す。窓18を通して突出したリブ28は、クランク25の端部25Aと相互作用する。クランク25は押し込まれ、それによってその端部25Aは、リブ28の下にくる。ハンドル16が閉じられたとき、係止要素は歯状部22との接触を保持され、すなわちその係止位置に保持される。ボタン8は、ハンドル16をハブ4に固定し、それによってハンドル16は駆動中に意図せず開き得ない。
【0042】
係止部2の歯状部に加えて、追加の歯状部19が、ヒンジ17の近くにおけるハンドル16の下部枢動端部と一体化される。ハンドル16が閉鎖位置まで動かされたとき、この歯状部は、ハウジングの歯状部22と、追加の機械式係止を形成することになる。
【0043】
ハブ4には、図2で視認できるように、エラストマまたはゴムで作られた1つまたは複数の可撓性の歯状要素52も、装備され得る。これらは、ハブ4の回転を過剰に妨げないが、係止中にこの歯状部を噛み合わせ/位置付けるのを助けるために、使用者がハンドルを回転させるときに、より明確な感覚/クリッキングを提供することになる。追加として、これら可撓性の歯状要素52は、システム全体が非常にきつく位置付けられた場合に、制動機能を提供し得る。すなわち使用者が、中央ハブ4の係止解除を開始するとき、アーム3は直ちに外側に動くので、望ましくない逆回転が生じ得るこのような予期せぬ動きは、使用者を驚かせる場合があり、可撓性の歯状要素52は、このような動きを効果的に減衰させ得る。
【0044】
デバイスの動作は、以下のとおりである。使用していないとき、デバイスは自動車のトランクに保管される。必要なとき、デバイスはホイールの横に設置され、ハンドル及びクランクは回されて開く。次にクランクを使用して、初めにハブを反時計回りに回し、アーム3を外側に伸ばして、デバイスをホイールに取り付けることができる。タイヤの周りに設置したとき、滑り止め要素がホイールのリム周りにきつく嵌合するまで、クランク25を時計回りの方向に回して、アーム3を収縮させる。オペレータが、滑り止め要素がタイヤに完全に係合したものと満足したとき、彼または彼女は、係止要素24を歯状部22に係合するよう動かすことになる。係止状態は、緑を示す係止要素面を観察することによって確認され得る。次に使用者は、クランクをハンドルの中に戻すことができ、ハンドルを凹部の中に折り畳む。このように滑り止め要素は所定の位置に保持される。運転を完了したら、同じプロセスが逆に利用される。
【0045】
同じ手順を使用して、第2のデバイスを他の駆動ホイールに取り付ける。四輪駆動車の4本の全てのホイールに使用する必要があると予測されなくても、時として必要となり得る。なぜなら四輪駆動車は、あまり抵抗を有さない駆動軸に対する動力を調整するからである。
【0046】
図7を参照すると、滑り止め要素10は、不規則に離隔された複数の隆起したスタッド45が装備されたパッド40から構成され、内面及び外面の両方から突出して、地面との摩擦を増加させて、タイヤトレッドに沿った滑り止め構成要素の、いかなる外周の動きも防止する。摩擦パッド40は、好ましくは例えばTPU熱可撓性ポリウレタンなど可撓性のゴム類で作られる。パッドは、角部で金属製ブラケット43を包含することによって、鋼製フープワイヤ構造42に保持される。金属製ブラケットは、有利には、前方及び後方に面した構造43Aを含み、それは自動車の重量が適用されたとき、すなわちパッドがタイヤと地面との間に適用されたときに、ゴムタイヤと係合する。前方及び後方に面した構造43Aは、パッドがタイヤ上で滑るのを防止する(図9により明確に視認可能)。スタッド45は、好ましくは金属であり、より広い領域を各側に有し、例えばワッシャ44は、スタッド45が望ましくない方法で引抜かれること/回転することを防止する。ワイヤフープ46はパッドを取り囲み、軽量で弾力性のあるパッドアセンブリを提供し、好ましくはバネ鋼で作られ、かつ経済的に生成され得る。
【0047】
図8は、滑り止め要素10の下側を示す。フック/保持部47の詳細(図8に示される)は、フープ46で形成され、ホイールの内面に把持することによってホイールの中にデバイス1を保持し、それによって、デバイス1が外側に動くのを防止する。領域46Aにおけるフープの形状も、追加のバネ/収縮性能を追加して、タイヤ/自動車の重量によって生じる力/変形のいくらかを吸収する。ワイヤフープは、ブラケット48によって終端され、それはアーム3への摺動接続を可能にする。ブラケット48、及びしたがって滑り止め要素10の外側の動きは、突起部3Aによってアームの端部に限定され、それによって滑り止め要素10とアーム3との間のしっかりとした接続をもたらすが、滑り止め要素が、これらを内側にハブ4に向けて摺動させることで、使用者によって容易に接続解除するのを可能にする。タイヤが、例えば岩/縁石の上を走行することによって内側に局所的に凹む場合においても、屈曲部またはバネ要素49は、タイヤと滑り止め要素10との間の接触を維持する、ブラケット48に作用する内側のバネ力を提供するよう、突起部3Aの下側と相互作用するよう位置付けられる。これは、本出願者による以前の出願のノルウェー公開特許第20191262号明細書で、より明確に詳述される。パッド50は、ブラケット48の内側を覆い、それによってホイールに対して許容する表面を提供する。
【0048】
図9は、内部を露出するために金属製ブラケット48を通した部分的断面を伴う、滑り止め要素10を示す。ワイヤフープ46の端部46Bは、金属製ブラケット48における2つのU型チャネル48Aに保持され、金属製ブラケット48は、アーム3の端部に嵌合される。これは、各ワイヤ端部46Bが、直線的に内側及び外側に動くことを可能にし、それによって滑り止め要素10が、運転中にタイヤ表面の近くにとどまることを保証する。ワイヤ端部46Bは、上方/外側に動けないよう形状付けられる。次に、それらはバネ要素51に対して下方に押圧し、バネ要素51は、一旦タイヤがさらに回転するとワイヤを開始位置まで戻す。個々のタイヤ端部46Bの独立した動きは、有利である。なぜならそれは、最初に自動車がワイヤの一方の端部の上を進み、この動きはその端部のみに影響を与え、ワイヤが独立して保持されない場合のように全ての滑り止め要素10を回転させようとは、しないことを意味するからである。
【0049】
この好ましい実施形態において、スタッド45は、突起の形状を取ることができるが、穴または大きい摩擦の材料から形成された局所領域の形態を取る場合もある。周辺の動きの防止は、滑り止め要素40の湾曲形状によって、さらに補強される。湾曲形状のさらなる利益は、制動条件下で認められる。湾曲形状は、タイヤの変形可能なゴムに機械的に係合することになるので、把持部分によって作り出された摩擦のみに頼らない。これは、制動中にアーム3及びハウジング2に加えられる力を軽減させる点で、重要である。タイヤに対する、滑り止め要素40の望ましくない外側への動きは、戻り部分47によって防止される。戻り部分47は、タイヤの内壁を覆い、デバイス1がタイヤから緩むのを防止する。これは、自動車を左右に方向を変えながら、高速のホイール回転が、デバイス1に遠心力と外側の軸力との組み合わせを加えて、デバイス1をタイヤに対して非常に堅固に定着させる必要がある場合に、特に適切である。代替の実施形態において、戻り部分47は、下方位置に係止することができ、それによって滑り止め要素10の外側への動きを防止する、1つまたは複数のフック部分、またはヒンジ接合されたフランジ部分に置き換えてもよい。滑り止め要素10は、本発明の趣旨を逸脱せずに、同じ機能を実施する他の方法で形状付けることも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は全体的に、雪及び氷における牽引力を向上させるよう、車両のホイールと共に使用するための滑り止めデバイスに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッド面に配置されるよう意図された滑り止め要素を備えた、少なくとも3本の複数のアームと、これらのアームの伸長及び収縮を可能にする作動手段と、を有する滑り止めデバイスに関する。この作動手段には、滑り止め要素が係合されたときに、アームが伸長するのを防止する係止手段が装備される。
【背景技術】
【0002】
非常に厳しい雪及び氷の条件下で、摩擦を強化するために、車両のタイヤに取り付けるための様々な滑り止めデバイスが利用可能である。長年にわたり、雪用チェーンが標準であり、効果的ではあるが、それらはいくつかの不利点を被る。このようなチェーンの不利点のいくつかは、それらが重いこと、扱いにくいこと、露出した舗装またはフェンダーの内側に接触したときに騒音を出すこと、及びホイールに取り付けるために自動車をジャッキアップする必要があること、である。これら全ての困難に直面する自動車運転者は、たとえ氷及び雪のない道路でも、チェーンを取り付けたままにしがちであり、これはチェーンの摩耗の程度を加速させることになる。追加として、これらの種類のデバイスは、使用しないときに、貴重な空間を塞ぐ。従来の雪用チェーンの制限を克服するために、他のタイプの滑り止めデバイスが発明されており、これらは、中央ハウジングから放射状に伸びた複数のアームで構成されたデバイスであり、各アームは、タイヤのトレッド上を横断方向に伸びたフック状の滑り止め構成要素に連結される。
【0003】
上記のタイプの滑り止めデバイスは、ノルウェー公開特許第20191262号明細書で開示されている。そこでは、滑りやすい道路における牽引力を強化するための滑り止めデバイスが示され、3本のアームがハウジング内に保持され、ハウジングから延びるよう配置される。これらアームの端部は、タイヤの周りに嵌合するよう作ることができる、滑り止め要素を有する。このデバイスは係止手段を有し、使用中に滑り止め要素がタイヤから緩むのを防止する。
【0004】
しかし、この係止手段は操作が困難で、かつ緩み得る。したがって、使用中に滑り止め要素を係止するための、より良好な方法に対する要望が存在する。
【0005】
このようなデバイスの他の例は、以下の特許に記載されている:(1)英国特許第2272193号明細書、(2)米国特許第4209049号明細書、(3)米国特許第4834158号明細書、(4)米国特許第2873783号明細書、(5)米国特許第4735248号明細書、(6)米国特許第6053227号明細書、(7)欧州特許第0110838号明細書、及び(8)韓国公開特許第2004-0091223号広報。これらの滑り止めデバイスが、意図された目的を満たすとしても、それらはいくつかの欠点を被る。それらは複雑で、扱いにくく、多くの部品で作られ、製造が高価で、ホイールの設置するのが困難で、重く、かつ使用しないときに空間を塞ぐ。全体的に、それらは単純さを欠く。したがって、本発明の目的は、先行技術の不利点の多くを克服すること、ならびに、単純、効果的かつ効率的、小型、軽量、かつ安価な製造である滑り止めデバイスを市場に提示すること、である。
【0006】
本発明は、浮遊粉塵のより少ない形成にも寄与し得る。この種の埃は、冬に使用される標準のスタッドタイヤにおいて、特に懸念事項である。本発明は、運転者が代わりにスタッドレスタイヤを選び、本発明を使用して、不利な凍結条件を克服するのを助けるように促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ノルウェー公開特許第20191262号明細書
【特許文献2】英国特許第2272193号明細書
【特許文献3】米国特許第4209049号明細書
【特許文献4】米国特許第4834158号明細書
【特許文献5】米国特許第2873783号明細書
【特許文献6】米国特許第4735248号明細書
【特許文献7】米国特許第6053227号明細書
【特許文献8】欧州特許第0110838号明細書
【特許文献9】韓国公開特許第2004-0091223号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の主な目的は、熟練、体力、または別個のツールを必要とせず、ホイールに対する取り付け及び取り外しが容易な、滑り止めデバイスを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、単純、小型、かつ少ない部品で作られた、滑り止めデバイスを提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、ホイールの前面から取り付けることができ、かつ異なるホイールサイズに適合できる、滑り止めデバイスを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、ホイールと地面との接点におけるタイヤの平坦化によって、ホイールが径を変化させても、しっかりとした定着を維持する、滑り止めデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これら及び他の目的は、使用中に、デバイスをホイールにしっかりと定着させ続ける係止要素を伴うデバイスを提供することによって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】滑り止めデバイスの正面図である。
図2】ホイールグリップを取り外したデバイスの分解組立図である。
図3】ハンドルが開かれた滑り止めデバイスの正面図である。
図4】ハンドルが開かれたハブの垂直断面図である。
図5】ハンドルが閉じられたハブの垂直断面図である。
図6図5の詳細図である。
図7】ホイールグリップの第1の実施形態を示す図である。
図8】ホイールグリップの第2の実施形態を示す図である。
図9】明確にするためにカバー構成要素を取り外した、図8の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明による滑り止めデバイス1が示される。デバイス1は、ハウジング2及び3本のアーム3から構成される。3本のアームが図に示されるが、4本以上のアームが存在し得ることを理解されたい。ハウジングは、アーム3の内側端部、及びアームを作動させるための機構を囲む。ハブ4は、ハウジング2の中で回転可能である。このハブは、ピニオンに接続されたシャフト32(図2参照)を有し、次にピニオンは、アームが外側及び内側それぞれに動くのを可能にする。これらの詳細は、本出願者による以前の出願のノルウェー公開特許第20191262号明細書でより完全に記載され、それらは本発明の一部を形成しないので、ここではさらに説明しない。
【0015】
各アーム3の外側縁部において、滑り止め要素10(図1図7~図9参照)が存在する。
【0016】
次に図2を参照すると、ハブは凹部15を有する。ハンドル16は、一方の端部にヒンジ17を有し、ハンドルを凹部15の中に折り畳むのを可能にする。ハブを貫通する開口部18も存在する。ハンドルの他方の(遠位)端部において、係止機構と相互作用する手段が存在する。これは後程、より詳細に説明する。
【0017】
ハンドルは、係止位置にあるときに凹部の中に折り畳まれる。例えば搬送中など、使用していないときもハンドルは折り畳まれる。ハンドルは、ハンドルを外側に回すために作動させることができる留め金を伴う、解放要素8を含み得る。これは、ハンドル16が意図せず開くのを回避するための、追加の安全特徴部である。
【0018】
使用していないときにハンドル内に位置される、クランク25は、外側に回すことができ、ハブ3を回転させるために使用され、かつ軸32を介して、アーム3の内側または外側の動きを作動させるために使用される。クランク25は、以下でさらに説明するように、係止機構と相互作用する駆動基部25Aにおいて、ハンドル16にヒンジ接合される。
【0019】
ハウジング3は、ハブ4を収納する円形凹部21を有する。ハウジングは、ハブ4の外径よりも僅かに大きい内径を有し、ハブ4がハウジング2の中で軸32に対して回転するのを可能にする。ハウジング3の内周には、複数の突起または歯状部22が装備される。
【0020】
係止要素24は、下方で保持され、ハブ4の凹部18を通して突出する。係止要素24には、周縁部に沿ったいくつかの突起部または歯状部26が装備され、それはハウジング2の対応した歯状部22と相互作用できる。使用者に向かって面した側27において、リブ28が外側に突出して、面した側27を上部及び下部領域に分割する。係止要素24が、ハブ4とハウジング2との間に位置付けられながら、リブ28は窓18に貫入し、それによって使用者が接近可能となる。このように、リブ28は摺動レバーとして作用し、使用者が手動で係止要素24をリング歯状部22に接触させるか、または接触から外すのを可能にする。
【0021】
追加として、相互作用する構成要素は、係止要素24が開放位置にあるときに、ハンドル16及びクランク25が適切に閉じられないような外形である。なぜなら、係止部が開放位置にあるとき、クランクの駆動基部25Aが係止部のリブ28にぶつかるからである。より明確には、追加の安全特徴部が使用準備されるよう、デバイスを閉じられるようにするために、係止要素24を係止しなければならない。
【0022】
ハンドル16が外側に開かれたとき、係止要素24は自由に動く。
【0023】
好ましい実施形態において、いずれかの側またはリブ28において視認できる2つの領域には色コードが付けられ、それによってオペレータは、係止要素の状態を判断できる。例えば、ハブの中心に最も近い側に緑、及び中心から離れた側に赤が付けられる。係止要素が係止位置または開放位置のいずれかにあるとき、これらの色の内1つのみが視認できることになり、それによってデバイスの状態を明確に示す。
【0024】
図3は、動作位置にあるデバイスの前面図である。ハンドル16は、凹部15から広げられている。クランク25は、その端部25Aがハンドルにヒンジ接合され、図3に示されるように外側に回されたとき、クランク25はハブを回すよう使用され、次にそれはアームを作動させる。図3は、係止要素24がハウジングの歯状部22と係合され、リブ28が窓18を通して突出し、すなわち係止位置にあることを示す。ハンドルの作動前に、係止要素24は係合解除されるので、ハブを回すのを可能にする。
【0025】
図4は、図3に示されるハブ及びハウジングの側面図である。確認できるように、ここで係止要素24は、押し込まれてハウジングの歯状部22との係合から外されており、リブ28は、デバイスの中心に最も近い、凹部18の端部にある。
【0026】
図5は、ハンドル及びクランクが、凹部15の中に折り畳まれて戻っていることを示す、ハブの側面図である。この係止位置において、ハンドル25及び枢動軸25Aは、係止要素24におけるリブ28の下に嵌合する。ここでハブ4は、回転に対して固定される。
【0027】
図6において、図5の詳細が示され、係止要素24を固定位置に保持するための方法を示す。窓18を通して突出したリブ28は、クランク25の端部25Aと相互作用する。クランク25は押し込まれ、それによってその端部25Aは、リブ28の下にくる。ハンドル16が閉じられたとき、係止要素は歯状部22との接触を保持され、すなわちその係止位置に保持される。ボタン8は、ハンドル16をハブ4に固定し、それによってハンドル16は駆動中に意図せず開き得ない。
【0028】
係止部2の歯状部に加えて、追加の歯状部19が、ヒンジ17の近くにおけるハンドル16の下部枢動端部と一体化される。ハンドル16が閉鎖位置まで動かされたとき、この歯状部は、ハウジングの歯状部22と、追加の機械式係止を形成することになる。
【0029】
ハブ4には、図2で視認できるように、エラストマまたはゴムで作られた1つまたは複数の可撓性の歯状要素52も、装備され得る。これらは、ハブ4の回転を過剰に妨げないが、係止中にこの歯状部を噛み合わせ/位置付けるのを助けるために、使用者がハンドルを回転させるときに、より明確な感覚/クリッキングを提供することになる。追加として、これら可撓性の歯状要素52は、システム全体が非常にきつく位置付けられた場合に、制動機能を提供し得る。すなわち使用者が、中央ハブ4の係止解除を開始するとき、アーム3は直ちに外側に動くので、望ましくない逆回転が生じ得るこのような予期せぬ動きは、使用者を驚かせる場合があり、可撓性の歯状要素52は、このような動きを効果的に減衰させ得る。
【0030】
デバイスの動作は、以下のとおりである。使用していないとき、デバイスは自動車のトランクに保管される。必要なとき、デバイスはホイールの横に設置され、ハンドル及びクランクは回されて開く。次にクランクを使用して、初めにハブを反時計回りに回し、アーム3を外側に伸ばして、デバイスをホイールに取り付けることができる。タイヤの周りに設置したとき、滑り止め要素がホイールのリム周りにきつく嵌合するまで、クランク25を時計回りの方向に回して、アーム3を収縮させる。オペレータが、滑り止め要素がタイヤに完全に係合したものと満足したとき、彼または彼女は、係止要素24を歯状部22に係合するよう動かすことになる。係止状態は、緑を示す係止要素面を監視することによって確認され得る。次に使用者は、クランクをハンドルの中に戻すことができ、ハンドルを凹部の中に折り畳む。このように滑り止め要素は所定の位置に保持される。運転を完了したら、同じプロセスが逆に利用される。
【0031】
同じ手順を使用して、第2のデバイスを他の駆動ホイールに取り付ける。四輪駆動車における4本の全てのホイールに使用する必要があると予測されなくても、時として必要となり得る。なぜなら四輪駆動車は、あまり抵抗を有さない駆動軸に対する動力を調整するからである。
【0032】
図7を参照すると、滑り止め要素10は、不規則に離隔された複数の隆起したスタッド45が装備されたパッド40から構成され、内面及び外面の両方から突出して、地面との摩擦を増加させて、タイヤトレッドに沿った滑り止め構成要素の、いかなる外周の動きも防止する。摩擦パッド40は、好ましくは例えばTPU熱可撓性ポリウレタンなど可撓性のゴム類で作られる。パッドは、角部で金属製ブラケット43を包含することによって、鋼製フープワイヤ構造42に保持される。金属製ブラケットは、有利には、前方及び後方に面した構造43Aを含み、それは自動車の重量が適用されたとき、すなわちパッドがタイヤと地面との間に適用されたときに、ゴムタイヤと係合する。前方及び後方に面した構造43Aは、パッドがタイヤ上で滑るのを防止する(図9により明確に視認可能)。スタッド45は、好ましくは金属であり、より広い領域を各側に有し、例えばワッシャ44は、スタッド45が望ましくない方法で引抜かれること/回転することを防止する。ワイヤフープ46はパッドを取り囲み、軽量で弾力性のあるパッドアセンブリを提供し、好ましくはバネ鋼で作られ、かつ経済的に生成され得る。
【0033】
図8は、滑り止め要素10の下側を示す。フック/保持部47の詳細(図8に示される)は、フープ46で形成され、ホイールの内面に把持することによってホイールの中にデバイス1を保持し、それによって、デバイス1が外側に動くのを防止する。領域46Aにおけるフープの形状も、追加のバネ/収縮性能を追加して、タイヤ/自動車の重量によって生じる力/変形のいくらかを吸収する。ワイヤフープは、ブラケット48によって終端され、それはアーム3への摺動接続を可能にする。ブラケット48、及びしたがって滑り止め要素10の外側の動きは、突起部3Aによってアームの端部に限定され、それによって滑り止め要素10とアーム3との間のしっかりとした接続をもたらすが、滑り止め要素が、これらを内側にハブ4に向けて摺動させることで、使用者によって容易に接続解除するのを可能にする。タイヤが、例えば岩/縁石の上を走行することによって内側に局所的に凹む場合においても、屈曲部またはバネ要素49は、タイヤと滑り止め要素10との間の接触を維持する、ブラケット48に作用する内側のバネ力を提供するよう、突起部3Aの下側と相互作用するよう位置付けられる。これは、本出願者による以前の出願のノルウェー公開特許第20191262号明細書で、より明確に詳述される。パッド50は、ブラケット48の内側を覆い、それによってホイールに対して許容する表面を提供する。
【0034】
図9は、内部を露出するために金属製ブラケット48を通した部分的断面を伴う、滑り止め要素10を示す。ワイヤフープ46の端部46Bは、金属製ブラケット48における2つのU型チャネル48Aに保持され、金属製ブラケット48は、アーム3の端部に嵌合される。これは、各ワイヤ端部46Bが、直線的に内側及び外側に動くことを可能にし、それによって滑り止め要素10が、運転中にタイヤ表面の近くにとどまることを保証する。ワイヤ端部46Bは、上方/外側に動けないよう形状付けられる。次に、それらはバネ要素51に対して下方に押圧し、バネ要素51は、一旦タイヤがさらに回転するとワイヤを開始位置まで戻す。個々のタイヤ端部46Bの独立した動きは、有利である。なぜならそれは、最初に自動車がワイヤの一方の端部の上を進み、この動きはその端部のみに影響を与え、ワイヤが独立して保持されない場合のように全ての滑り止め要素10を回転させようとは、しないことを意味するからである。
【0035】
この好ましい実施形態において、スタッド45は、突起の形状を取ることができるが、穴または大きい摩擦の材料から形成された局所領域の形態を取る場合もある。周辺の動きの防止は、滑り止め要素40の湾曲形状によって、さらに補強される。湾曲形状のさらなる利益は、制動条件下で認められる。湾曲形状は、タイヤの変形可能なゴムに機械的に係合することになるので、把持部分によって作り出された摩擦のみに頼らない。これは、制動中にアーム3及びハウジング2に加えられる力を軽減させる点で、重要である。タイヤに対する、滑り止め要素40の望ましくない外側への動きは、戻り部分47によって防止される。戻り部分47は、タイヤの内壁を覆い、デバイス1がタイヤから緩むのを防止する。これは、自動車を左右に方向を変えながら、高速のホイール回転が、デバイス1に遠心力と外側の軸力との組み合わせを加えて、デバイス1をタイヤに対して非常に堅固に定着させる必要がある場合に、特に適切である。代替の実施形態において、戻り部分47は、下方位置に係止することができ、それによって滑り止め要素10の外側への動きを防止する、1つまたは複数のフック部分、またはヒンジ接合されたフランジ部分に置き換えてもよい。滑り止め要素10は、本発明の趣旨を逸脱せずに、同じ機能を実施する他の方法で形状付けることも可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑りやすい道路で牽引力を向上させるための、滑り止めデバイス(1)であって、
ハウジング(2)と、
前記ハウジング内に保持され、そこから径方向に突出し、タイヤのトレッド面に配置されるよう意図された滑り止め要素(10)を備えた、少なくとも3本の複数のアーム(3)と、
前記アーム(3)の伸長または収縮を可能にする、作動手段と、
ハンドル(16)によって回転できる、前記ハウジング(2)内で回転可能な、ハブ(4)と、を備え、
前記作動手段には係止手段が装備され、前記滑り止め要素が係合されたときに、アーム(3)の伸長を防止し、
ここで前記滑り止めデバイス(1)は、
前記係止手段が、前記ハブ(4)と前記ハウジング(2)との間に位置され、歯状部(26)を有する係止要素(24)を備え、前記係止要素(24)は、前記歯状部(26)が、前記ハウジング(2)の内部周辺に沿って位置された第2のセットの歯状部(22)と係合する位置まで、作動可能であることを特徴とする、滑り止めデバイス(1)。
【請求項2】
前記係止要素(24)は、前記歯状部(26)が前記ハウジングの歯状部(22)に係合する第1の位置と、前記歯状部(22)と接触しない第2の位置と、の間で可動であることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項3】
前記係止要素(24)は、前記ハブ(4)における窓(18)を通して突出したリブ(28)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項4】
前記ハブ(4)は、ハンドル(16)及びクランク(25)を使用して回転されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項5】
前記ハンドル(16)は、ヒンジ(17)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項6】
前記ヒンジ(17)は、前記ハウジング(2)の前記歯状部(22)と相互作用するよう配置された歯状部(19)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項7】
前記ハンドル(16)は、前記ハブ(4)における凹部(15)の中に折り畳むことができることを特徴とする、請求項5に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項8】
前記滑り止め要素(10)は、不規則に離隔された複数のスタッド(45)が、内面及び外面に装備されることを特徴とする、請求項1に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項9】
前記滑り止め要素(10、10’)は、端部(46B)を伴うワイヤフープ(46)に保持され、前記端部(46B)は、前記アーム(3)の端部に取り外し可能に接続されたブラケット(48)の中に嵌合することを特徴とする、請求項8に記載の滑り止めデバイス(1)。
【請求項10】
滑り止め要素(10、10’)は、コンパクトに保管するために、アーム(3)から分離可能であることを特徴とする、請求項1~9の内いずれか一項に記載の滑り止めデバイス(1)。
【国際調査報告】