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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】エアマスセンサおよび自動車
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/68 20060101AFI20240315BHJP
   F02D 41/18 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01F1/68 A
F02D41/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560753
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2022056937
(87)【国際公開番号】W WO2022207333
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021203219.2
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519031896
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12,93055 Regensburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルティン レッサー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ヴァイニンガー
(72)【発明者】
【氏名】マリオン ハイス
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ミリース
(72)【発明者】
【氏名】ラディム ソトコフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ペトル クスィン
【テーマコード(参考)】
2F035
3G301
【Fターム(参考)】
2F035AA02
2F035EA00
3G301JA20
(57)【要約】
本発明は、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、ハウジング(4)と、センサ電子装置(6)とを備えており、このセンサ電子装置は、少なくとも部分的にハウジング(4)のハウジング室(8)内に配置されており、ハウジング(4)は、測定すべき空気質量流量(L)をハウジング(4)を通して案内するための流路(14)を有しており、ハウジング(4)は、流路(14)の流入開口(16)および流出開口(18)に対して付加的に、流路(14)をハウジング(4)の周辺(U)に接続する少なくとも1つの補償開口(26)を有している、エアマスセンサに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、
ハウジング(4)と、
センサ電子装置(6)と、
を備えており、
前記センサ電子装置は、少なくとも部分的に前記ハウジング(4)のハウジング室(8)内に配置されており、
前記ハウジング(4)は、測定すべき空気質量流量(L)を前記ハウジング(4)を通して案内するための流路(14)を有している、
エアマスセンサにおいて、
前記ハウジング(4)は、前記流路(14)の流入開口(16)および流出開口(18)に対して付加的に、前記流路(14)を前記ハウジング(4)の周辺(U)に接続する少なくとも1つの補償開口(26,32)を有していることを特徴とする、エアマスセンサ。
【請求項2】
前記補償開口(26)は、前記ハウジング(4)のハウジング構成部材(12,29)同士の間に形成されていることを特徴とする、請求項1記載のエアマスセンサ。
【請求項3】
前記ハウジング構成部材(12,29)は、接着剤(34)によって互いに結合されており、前記補償開口(26)は、前記ハウジング構成部材(12,29)同士を結合する接着剤(34)に少なくとも部分的に隣接していることを特徴とする、請求項2記載のエアマスセンサ。
【請求項4】
前記補償開口(26)は、中断された接着継ぎ目(34)の部分または中断された接着ビードの部分であることを特徴とする、請求項3記載のエアマスセンサ。
【請求項5】
前記ハウジング構成部材(12,29)同士の間にシール(34)が設けられており、前記補償開口(26)は、前記シール(34)に少なくとも部分的に隣接していることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項6】
前記補償開口(26)を形成するために、該補償開口(26)は前記シール(34)に加工されているか、または前記シール(34)は少なくとも部分的に中断されていることを特徴とする、請求項5記載のエアマスセンサ。
【請求項7】
前記補償開口(26)は、前記流路(14)の入口(16)の領域に配置されており、特に、測定通路(30)とバイパス通路(20)とへの前記流路(14)の分岐部よりも上流側に配置されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項8】
前記補償開口(26)は多角形の形状、特に方形または三角形の形状を有するか、または前記補償開口(26)は円形または楕円形の形状を有するか、または2つ以上の補償開口(26)が設けられていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のエアマスセンサ(2)を備えることを特徴とする、自動車。
【請求項10】
内燃機関(110)を備える、請求項9記載の自動車において、
前記エアマスセンサ(2)は、前記内燃機関(110)の吸気管路(120)内に配置されていて、該吸気管路(120)の内部の空気質量流量を測定することを特徴とする、請求項9記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、ハウジングと、センサ電子装置とを備えており、このセンサ電子装置は、少なくとも部分的にハウジングのハウジング室内に配置されており、ハウジングは、測定すべき空気質量流量をハウジングを通して案内するための流路を有している、エアマスセンサに関する。さらに、本発明は、このようなエアマスセンサを備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に記載した形態のエアマスセンサは、例えば米国特許第8,763,452号明細書および独国特許出願公開第102018219729号明細書に基づき公知である。
【0003】
このようなエアマスセンサは、例えば、自動車の内燃機関の吸気管路内の空気質量流量を特定するために使用されてよい。この場合、流路の固有周波数の領域に、測定結果を害する振動励起が生じてしまう。例えば、排ガスターボチャージャが、測定すべき空気質量流量に最大20kHzの高周波の圧力脈動を引き起こしてしまう。したがって、規定の励起周波数または励起周波数範囲に対して、測定された空気質量流量と実際の空気質量流量との間に過度に大幅な偏差が生じてしまう。この偏差は機関運転に悪影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この背景を前にして、本発明の根底にある技術的な問題は、特に排ガスターボチャージャの振動励起に対してよりロバストである改善されたエアマスセンサを提供することである。さらに、このようなセンサを備える自動車を提供することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、ハウジングと、センサ電子装置とを備えており、このセンサ電子装置は、少なくとも部分的にハウジングのハウジング室内に配置されており、ハウジングは、測定すべき空気質量流量をハウジングを通して案内するための流路を有している、エアマスセンサに関する。エアマスセンサは、ハウジングが、流路の流入開口および流出開口に対して付加的に、流路をハウジングの周辺に接続する少なくとも1つの補償開口を有していることを特徴としている。
【0006】
したがって、補償開口によって、流路とハウジングの周辺との間の流体接続が可能となり、これによって、測定すべき空気質量流量の一部が、流路からハウジングの周辺に流れることができ、付加的な圧力補償が提供される。こうして、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうして、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0007】
正確に1つの補償開口または2つ以上の補償開口が設けられていてよい。
【0008】
ハウジングの周辺は、特に、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサが内部に配置された管、管路またはこれに類するものの内室であってよい。
【0009】
補償開口は、ハウジングの壁に加工された貫通開口、例えば孔またはこれに類するものであってよい。
【0010】
代替的または補足的には、補償開口は、ハウジングのハウジング構成部材同士の間に形成されていてよい。ハウジングが、例えば、組み合わされてハウジングを形成する第1のハウジング構成部材と第2のハウジング構成部材とを有する限り、補償開口は、第1のハウジング構成部材と第2のハウジング構成部材とが互いに形状接続的に係合しかつ/または互いに結合されている継ぎ目または接合縁部の領域に設けられた切欠きであってよい。第1のハウジング構成部材は、例えば蓋またはカバーであってよい。第2のハウジング構成部材は、ハウジングの、蓋が取り付けられている基体であってよい。
【0011】
ハウジング構成部材は、接着剤によって互いに結合されていてよく、補償開口は、ハウジング構成部材同士を結合する接着剤に少なくとも部分的に隣接している。
【0012】
補償開口は、中断された接着継ぎ目の部分または中断された接着ビードの部分であることが特定されていてよい。したがって、補償開口は、ハウジング構成部材を互いに結合する接着継ぎ目または接着ビードの中断部であってよい。特に、接着継ぎ目または接着ビードは、周辺に対するハウジング構成部材同士の付着結合部、さらには、流路の密封部を形成している。この密封部は、補償開口を形成するために、局所的に中断されている。
【0013】
代替的または補足的には、ハウジング構成部材同士の間にシールが設けられていてよく、補償開口は、シールに少なくとも部分的に隣接している。補償開口を形成するために、この補償開口はシールに加工されていてよいか、またはシールは少なくとも部分的に中断されていてよい。
【0014】
流路は、バイパスまたはバイパス通路と測定通路とを有していてよく、これによって、空気質量流量の一部が、測定通路を通ってエアマスセンサの測定箇所に流れずに、この測定箇所よりも上流でバイパス通路に分岐し、再びハウジングから導出される。
【0015】
補償開口は、バイパス通路に対して所定の間隔を有していてよい。
【0016】
補償開口は、流路の入口の領域に配置されていてよく、特に、測定通路とバイパス通路とが分岐されている流路の分岐部よりも上流側に配置されていてよい。
【0017】
代替的または補足的には、少なくとも1つの補償開口が、バイパス通路および/または測定通路の流出開口に対して付加的に、ハウジングの、バイパス通路および/または測定通路を画定する壁に加工されていてよい。この場合、補償開口は、測定通路とバイパス通路とが分岐されている流路の分岐部よりも下流側に配置されている。
【0018】
「下流側」とは、空気質量流量が、上流側に配置された要素よりも時間的に遅れて該当する要素を越えて流れるかまたは貫流することを意味している。したがって、測定通路の流入開口が、測定箇所よりも上流側に配置されているのに対して、測定通路の流出開口は、測定箇所よりも下流側に配置されている。
【0019】
補償開口は多角形の形状を有していてよく、特に方形または三角形の形状を有していてよい。補償開口は円形または楕円形の形状を有していてよい。補償開口は自由に成形されていてよい。
【0020】
エアマスセンサは、空気質量流量の測定のほかに補足的な機能を有していてよい。例えば、エアマスセンサは、空気質量流量の測定に対して付加的に、以下に列挙するパラメータ、つまり、空気質量流量の圧力、空気質量流量の湿分、空気質量流量の温度のうちの1つ以上を測定するように構成されていてよい。
【0021】
エアマスセンサのセンサ電子装置の測定要素は、熱式の測定要素であってよく、特にホットフィルム式の空気質量測定要素であってよい。このようなホットフィルム式の空気質量測定要素は、例えば、少なくとも1つの加熱要素と、空気質量流量が越えて流れることができる2つの温度センサとを有していてよい。このとき、空気質量流量の量は、温度センサの、互いに異なる測定された温度または温度分布から導き出すことができる。このようなホットフィルム式の空気質量測定要素は、例えば独国特許出願公開第102018219729号明細書に記載されている。
【0022】
センサ電子装置の、エアマスセンサのハウジング室または電子装置室内に配置されたコンポーネントが、少なくとも部分的にまたは完全に封止材料内で封止されているかまたは封止材料によって取り囲まれていることが特定されていてよく、これによって、センサ電子装置のコンポーネントが周辺影響に対して防護される。
【0023】
バイパス通路と測定通路とを少なくとも部分的に互いに分離している第1の壁要素が、少なくとも部分的に減じられた壁高さを有しており、これによって、空気が第1の壁要素を越えて少なくとも部分的に流れることができ、かつ/または貫通開口を有しており、これによって、空気が第1の壁要素を貫流することができることが特定されていてよい。代替的または補足的には、エアマスセンサは、バイパス通路と流路の入口とを少なくとも部分的に互いに分離している第2の壁要素が、少なくとも部分的に減じられた壁高さを有しており、これによって、空気が第2の壁要素を越えて少なくとも部分的に流れることができ、かつ/または貫通開口を有しており、これによって、空気が第2の壁要素を貫流することができることを特徴としている。
【0024】
したがって、減じられた壁高さおよび/または貫通開口によって、流路の内部で付加的な流体接続が可能となり、これによって、測定通路に対する付加的な圧力補償が提供される。こうしても、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうしても、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0025】
流路と電子装置室とは、開口を介して互いに接続されており、電子装置室は、流路に対する圧力補償容積を形成していることが特定されてよい。
【0026】
したがって、開口によって、流路と電子装置室との間の流体接続が可能となり、これによって、測定すべき空気質量流量の一部が、流路から電子装置室内に流れることができる。こうしても、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうしても、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0027】
第2の態様によれば、本発明は、本発明に係るエアマスセンサを備える自動車に関する。
【0028】
自動車は内燃機関を有していてよく、エアマスセンサは、内燃機関の吸気管路内に配置されていて、この吸気管路の内部の空気質量流量を測定する。内燃機関は1つ以上のターボチャージャを有していてよい。
【0029】
以下に、本発明を、複数の実施例を示した図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係るエアマスセンサを上方から見た概略的な斜視図である。
図2図1に示したエアマスセンサをカバーまたは蓋なしで概略的に示す図である。
図3】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図4】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図5】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図6】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図7】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図8】本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図9】カバーまたは蓋なしの本発明に係るエアマスセンサの別の構成を概略的に示す図である。
図10図9に示したエアマスセンサの概略的な拡大図である。
図11】本発明に係るエアマスセンサを備える本発明に係る自動車を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1には、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサ2が示してある。
【0032】
エアマスセンサ2はハウジング4を有している。エアマスセンサ2はセンサ電子装置6を有している。このセンサ電子装置6は、ハウジング4のハウジング室または電子装置室8内に配置されている(図2)。この電子装置室8とセンサ電子装置6とを説明するために、図2では、ハウジング4のカバー10,12または蓋10,12が省いてある。
【0033】
ハウジング4は、測定すべき空気質量流量Lをハウジング4を通して案内するための流路14を有している。
【0034】
流路14は、空気質量流量Lをハウジング4内に導入するための流入開口16を有している。流路14は、空気質量流量Lをハウジング4から導出するための流出開口18を有している。
【0035】
流路14はバイパス20またはバイパス通路20を有しており、これによって、空気質量流量Lの一部が、エアマスセンサ2の測定箇所22に流れずに、この測定箇所22よりも上流で分岐して、再びハウジング4から導出される。
【0036】
測定箇所22の領域には、センサ電子装置6の測定要素24が配置されている。この測定要素24は熱式の測定要素24であり、しかも、図示の構成ではホットフィルム式の空気質量測定要素24である。
【0037】
ハウジング4は、流路14の流入開口16および流出開口18に対して付加的に、流路14をハウジング4の周辺Uに接続する補償開口26を有している。言い換えると、周辺Uと流路14との間に流体接続があり、これによって、空気質量流量Lの空気が、流路14から周辺Uに流れることができ、また、周辺Uから流路14内に流れることができる。
【0038】
補償開口26は、図示の構成では円筒形の貫通開口26である。この貫通開口26は、ハウジング4の基体29の壁28に加工されている。
【0039】
補償開口26は、図示の構成では、流路14の入口16の領域に配置されており、したがって、流路が測定通路30とバイパス通路20とに分岐される流路14の分岐部よりも上流側に配置されている。したがって、補償開口26は、バイパス通路20に対して離間して配置されている。
【0040】
さらに、ハウジング4の蓋12に、流路14をハウジング4の周辺Uに接続する別の付加的な補償開口32が設けられている。
【0041】
本明細書では、蓋12は、ハウジングの第1のハウジング構成部材12であり、基体29は、ハウジング4の第2のハウジング構成部材29であり、蓋10は、ハウジング4の第3のハウジング構成部材10である。
【0042】
図3には、図2に示したエアマスセンサ2の部分拡大図が平面図で示してある。
【0043】
入口16内に流入した空気質量流量Lは、部分的に補償開口26を通って逃げ出すことができる。このことは、蓋12の補償開口32(図示せず)にも同様に当てはまる。
【0044】
次いで、流路14は、測定箇所22に通じる測定通路30と、測定箇所22を迂回して、空気質量流量Lの一部を測定箇所22に供給することなしにハウジング4から導出するバイパス通路20とに分岐する。測定通路30を介して測定箇所22に供給され、測定要素24により測定された空気質量流量Lは、測定通路30の流出開口18を介してハウジング4から導出される。
【0045】
図4図8には、補償開口26の形状の構成の点でのみ互いに異なるエアマスセンサ2の別の実施例が示してある。
【0046】
図4には、狭幅な方形の補償開口26を有するエアマスセンサ2が示してある。この場合、補償開口26の幅B1は、測定通路30とバイパス通路20とへの流路14の分岐部よりも上流の流路14の最小の幅B2の1/3よりも小さい幅に相当している。
【0047】
図5には、狭幅な方形の2つの補償開口26を有するエアマスセンサ2が示してある。
【0048】
図6には、広幅な方形の補償開口26を有するエアマスセンサ2が示してある。この場合、補償開口26の幅B3は、測定通路30とバイパス通路20とへの流路14の分岐部よりも上流の流路14の最小の幅B2の1/3よりも大きい幅に相当している。
【0049】
図7には、三角形の補償開口26を有するエアマスセンサ2が示してある。
【0050】
図8には、自由に成形された補償開口26を有するエアマスセンサ2が示してある。
【0051】
補償開口26の選択される形状は、テストおよび/またはシミュレーションによって決定されてよく、完全に組み立てられた状態での組込み状況および励起に適合させることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうして、流路の固有周波数を減じることができるかまたは取り除くことができる。
【0052】
蓋12に、図4図8に示した補償開口26に対応して形成された補償開口32が加工されていることが特定されていてよい。
【0053】
図9および図10には、バイパスが設けられておらず、補償開口26が接着継ぎ目34の中断部として形成されている点で図1に示した変化形態と異なるエアマスセンサ2の別の構成が示してある。
【0054】
図10は、図9の拡大図である。
【0055】
接着継ぎ目34は、蓋12をハウジング4に結合しかつ接着された領域で流路14を周辺Uに対して密封する働きをする。補償開口26の領域では、図面において左側に示した接着継ぎ目34が中断されており、これによって、蓋12が組み付けられた際に、空気質量流量Lの一部が、蓋12とハウジング4の基体29との間の補償開口26を通って逃げ出すことができる。
【0056】
図11には、自動車100が示してある。この自動車100は、ターボ過給式の内燃機関110と、エアマスセンサ2とを備えている。このエアマスセンサ2は、内燃機関110の吸気管路120内に配置されており、この吸気管路120の内部の空気質量流量を測定する。吸気管路120はインタークーラ130に接続されている。
【0057】
自動車100は、本発明の代替的な構成によれば、内燃機関110に対して補足的に、トラクションバッテリが割り当てられた少なくとも1つの電気モータを有するハイブリッド車両であってよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】