(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】エアマスセンサおよび自動車
(51)【国際特許分類】
G01F 1/68 20060101AFI20240315BHJP
F02D 41/18 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
G01F1/68 A
F02D41/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560754
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2022056975
(87)【国際公開番号】W WO2022207338
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】102021203217.6
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519031896
【氏名又は名称】ヴィテスコ テクノロジーズ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Vitesco Technologies GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensstrasse 12,93055 Regensburg,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マリオン ハイス
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス マイアー
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ヴァイニンガー
(72)【発明者】
【氏名】マルティン レッサー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ミリース
(72)【発明者】
【氏名】ラディム ソトコフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ペトル クスィン
【テーマコード(参考)】
2F035
3G301
【Fターム(参考)】
2F035AA02
2F035EA00
3G301JA20
(57)【要約】
本発明は、空気質量流量(L)を特定するためのエアマスセンサ(2)であって、ハウジング(4)と、センサ電子装置(6)とを備えており、このセンサ電子装置(6)は、少なくとも部分的にハウジング(4)の電子装置室(8)内に配置されており、ハウジング(4)は、測定すべき空気質量流量(L)をハウジング(4)を通して案内するための流路(14)を有しており、この流路(14)と電子装置室(8)とは、開口(26)を介して互いに接続されており、電子装置室(8)は、流路(14)に対する圧力補償容積を形成している、エアマスセンサ(2)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、
ハウジング(4)と、
センサ電子装置(6)と、
を備えており、
前記センサ電子装置(6)は、少なくとも部分的に前記ハウジング(4)の電子装置室(8)内に配置されており、
前記ハウジング(4)は、測定すべき空気質量流量(L)を前記ハウジング(4)を通して案内するための流路(14)を有している、
エアマスセンサにおいて、
前記流路(14)と前記電子装置室(8)とは、開口(26)を介して互いに接続されており、前記電子装置室(8)は、前記流路(14)に対する圧力補償容積を形成していることを特徴とする、エアマスセンサ。
【請求項2】
前記電子装置室(8)の、圧力補償のために設けられた自由容積が、0.5cm
3よりは大きくて20cm
3よりは小さく、特に1cm
3よりは大きくて10cm
3よりは小さいことを特徴とする、請求項1記載のエアマスセンサ。
【請求項3】
前記開口(26)は、少なくとも部分的に間隙を有しており、該間隙は、特に0.02mm以上0.3mm以下の範囲から選択された高さ(H1)を有しており、特に0.05mm以上0.1mm以下の範囲から選択された高さ(H1)を有していることを特徴とする、請求項1または2記載のエアマスセンサ。
【請求項4】
前記開口(26)は、少なくとも部分的に多角形の横断面を有し、特に方形または三角形の横断面を有し、かつ/または前記開口(26)は、少なくとも部分的に円形または円弧形の横断面を有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項5】
前記開口(26)は、少なくとも部分的に0.02mm以上3mm以下の範囲から選択された高さ(H1,H2)を有しており、さらに特に0.05mm以上1mm以下の範囲から選択された高さ(H1,H2)を有しており、かつ/または前記開口(26)は、少なくとも部分的に0.5mm以上10mm以下の範囲から選択された幅(B1,B2)を有しており、さらに特に1mm以上5mm以下の範囲から選択された幅(B1,B2)を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項6】
前記エアマスセンサ(2)は、以下に列挙するパラメータ、つまり、空気質量流量の圧力、空気質量流量の湿分、空気質量流量の温度のうちの1つ以上を測定するように構成されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項7】
前記センサ電子装置の測定要素(24)が、熱式の測定要素(24)であり、特にホットフィルム式の空気質量測定要素(24)であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項8】
前記開口(26)は、少なくとも部分的に前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)よりも下流側に配置されており、かつ/または前記開口(26)は、少なくとも部分的に前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)よりも上流側に配置されており、かつ/または前記開口(26)は、少なくとも部分的に前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)のレベルに配置されていることを特徴とする、請求項7記載のエアマスセンサ。
【請求項9】
前記開口(26,26.1,26.2,26.3)は、前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)に対して間隔(D1)を有しており、該間隔は10mmよりも小さく、特に5mmよりも小さく、特に4mmよりも小さく、かつ/または高さ(H2)が幅(B2)よりも少なくとも部分的に大きい前記開口(26,26.1,26.2,26.3)は、前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)に対して間隔(D1)を有しており、該間隔(D1)は10mmよりも小さく、特に5mmよりも小さく、特に4mmよりも小さく、かつ/または高さ(H2)が幅(B2)よりも少なくとも部分的に大きい前記開口(26,26.1,26.2,26.3)は、前記センサ電子装置(6)の測定要素(24)に対して間隔(D1)を有しており、該間隔(D1)は、前記開口の前記幅の多くとも10倍、特に多くとも5倍に相当していることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のエアマスセンサ。
【請求項10】
請求項1から9までのいずれか1項記載のエアマスセンサ(2)を備えることを特徴とする、自動車。
【請求項11】
内燃機関(110)を備える、請求項10記載の自動車において、
前記エアマスセンサ(2)は、前記内燃機関(110)の吸気管路内に配置されていて、該吸気管路(120)の内部の空気質量流量(L)を測定することを特徴とする、請求項10記載の自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、ハウジングと、センサ電子装置とを備えており、このセンサ電子装置は、少なくとも部分的にハウジングの電子装置室内に配置されており、ハウジングは、測定すべき空気質量流量をハウジングを通して案内するための流路を有する、エアマスセンサに関する。さらに、本発明は、このようなエアマスセンサを備える自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭に記載した形態のエアマスセンサは、例えば米国特許第8,763,452号明細書および独国特許出願公開第102018219729号明細書に基づき公知である。
【0003】
このようなエアマスセンサは、例えば、自動車の内燃機関の吸気管路内の空気質量流量を特定するために使用されてよい。この場合、流路の固有周波数の領域に、測定結果を害する振動励起が生じてしまう。例えば、排ガスターボチャージャが、測定すべき空気質量流量に最大20kHzの高周波の圧力脈動を引き起こしてしまう。したがって、規定の励起周波数または励起周波数範囲に対して、測定された空気質量流量と実際の空気質量流量との間に過度に大幅な偏差が生じてしまう。この偏差は機関運転に悪影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この背景を前にして、本発明の根底にある技術的な問題は、特に排ガスターボチャージャの振動励起に対してよりロバストである改善されたエアマスセンサを提供することである。さらに、このようなセンサを備える自動車を提供することが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した技術的な問題は、それぞれ独立請求項によって解決される。本発明の更なる構成は、従属請求項および以下の説明から明らかとなる。
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサであって、ハウジングと、センサ電子装置とを備えており、このセンサ電子装置は、少なくとも部分的にハウジングの電子装置室内に配置されており、ハウジングは、測定すべき空気質量流量をハウジングを通して案内するための流路を有している、エアマスセンサに関する。エアマスセンサは、流路と電子装置室とが、開口を介して互いに接続されており、電子装置室は、流路に対する圧力補償容積を形成していることを特徴としている。
【0007】
したがって、開口によって、流路と電子装置室との間の流体接続が可能となり、これによって、測定すべき空気質量流量の一部が、流路から電子装置室内に流れることができる。こうして、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうして、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0008】
センサ電子装置の、電子装置室内に配置されたコンポーネントが、少なくとも部分的にまたは完全に封止材料内で封止されているかまたは封止材料によって取り囲まれていることが特定されていてよく、これによって、センサ電子装置のコンポーネントが周辺影響に対して防護され、本明細書では特に測定すべき空気質量流量に対して防護される。
【0009】
電子装置室の、圧力補償のために設けられた自由容積が、0.5cm3よりは大きくて20cm3よりは小さく、特に1cm3よりは大きくて10cm3よりは小さいことが特定されていてよい。
【0010】
電子装置室と流路とは、それぞれハウジングのカバーまたは蓋によって覆われていてよい。開口は、少なくとも部分的に電子装置室の蓋に加工されていてよく、かつ/または電子装置室の蓋によって画定されていてよい。
【0011】
開口は間隙を有していてよくまたは間隙から成っていてよい。本明細書において間隙について言及する場合、その幅は、その高さの少なくとも5倍、特にその高さの少なくとも10倍を有していてよい。したがって、間隙は、細長い薄形の開口である。
【0012】
間隙は、0.02mm以上0.3mm以下の範囲から選択された高さを有していてよく、特に0.05mm以上0.1mm以下の範囲から選択された高さを有していてよい。
【0013】
間隙は、0.1mm以上10mm以下の範囲から選択された幅を有していてよく、さらに特に1mm以上5mm以下の範囲から選択された幅を有していてよい。
【0014】
開口は、少なくとも部分的に多角形の横断面を有していてよく、特に方形または三角形の横断面を有していてよい。
【0015】
代替的または補足的には、開口は、少なくとも部分的に円形または円弧形の横断面を有していてよい。
【0016】
開口は、少なくとも部分的に0.02mm以上3mm以下の範囲から選択された高さを有していてよく、特に0.05mm以上1mm以下の範囲から選択された高さを有していてよい。
【0017】
代替的または補足的には、開口は、少なくとも部分的に0.5mm以上10mm以下の範囲から選択された幅を有していてよく、特に1mm以上5mm以下の範囲から選択された幅を有していてよい。
【0018】
開口は、1つの間隙ならびに/または多角形および/または円形または円弧形の横断面を有する1つ以上の区分を有していてよい。このような区分は、蓋またはカバーに設けられた貫通開口、溝、面取り部、孔またはこれに類するものであってよい。
【0019】
開口は区分けされていてよく、特に、流路を電子装置室に接続する複数の貫通開口から形成されていてよい。
【0020】
開口は、電子装置室内への汚染物、例えば粉塵粒子、オイル粒子および/または煤粒子の侵入を阻止するために、空気透過性のフィルタまたは空気透過性の膜を有していてよい。フィルタは、特に交換可能にハウジングに保持されていてよく、かつ/または電子装置室の蓋またはカバー内に組み込まれていてよい。
【0021】
エアマスセンサは、空気質量流量の測定のほかに補足的な機能を有していてよい。例えば、エアマスセンサは、空気質量流量の測定に対して付加的に、以下に列挙するパラメータ、つまり、空気質量流量の圧力、空気質量流量の湿分、空気質量流量の温度のうちの1つ以上を測定するように構成されていてよい。
【0022】
エアマスセンサのセンサ電子装置の測定要素は、熱式の測定要素であってよく、特にホットフィルム式の空気質量測定要素であってよい。このようなホットフィルム式の空気質量測定要素は、例えば、少なくとも1つの加熱要素と、空気質量流量が越えて流れることができる2つの温度センサとを有していてよい。このとき、空気質量流量の量は、温度センサの、互いに異なる測定された温度または温度分布から導き出すことができる。このようなホットフィルム式の空気質量測定要素は、例えば独国特許出願公開第102018219729号明細書に記載されている。
【0023】
開口は、少なくとも部分的にセンサ電子装置の測定要素よりも下流側に配置されていることが特定されていてよい。「下流側に」とは、空気質量流量が流路内で流れ方向に沿って見て、まず、測定要素に沿って流れ、次いで、開口に沿って流れるか、または開口が流れ方向に沿って見て測定要素に後置されていることを意味している。
【0024】
代替的または補足的には、開口は、少なくとも部分的にセンサ電子装置の測定要素よりも上流側に配置されていることが特定されていてよい。「上流側に」とは、空気質量流量が流路内で流れ方向に沿って見て、まず、開口に沿って流れ、次いで、測定要素に沿って流れるか、または開口が流れ方向に沿って見て測定要素に前置されていることを意味している。
【0025】
代替的または補足的には、開口は、少なくとも部分的にセンサ電子装置の測定要素のレベルに配置されていることが特定されていてよい。「レベルに」とは、空気質量流量が流路内で流れ方向に沿って見て開口と測定要素とに同時に沿って流れることを意味している。言い換えると、開口と測定要素とが、流れ方向に対して横方向の断面図で見て、少なくとも部分的に1つの平面内に位置している。
【0026】
流路は、測定通路とバイパスまたはバイパス通路とを有しており、測定通路は、流路内に流入した空気質量流量の一部をセンサ電子装置の測定箇所に案内し、バイパス通路は、流路内に流入した空気質量流量の一部を測定箇所への到達前に分岐させ、ハウジングから導出することが特定されていてよい。
【0027】
バイパス通路と測定通路とを少なくとも部分的に互いに分離している第1の壁要素が、少なくとも部分的に減じられた壁高さを有しており、これによって、空気が第1の壁要素を越えて少なくとも部分的に流れることができ、かつ/または貫通開口を有しており、これによって、空気が第1の壁要素を貫流することができることが特定されていてよい。代替的または補足的には、エアマスセンサは、バイパス通路と流路の入口とを少なくとも部分的に互いに分離している第2の壁要素が、少なくとも部分的に減じられた壁高さを有しており、これによって、空気が第2の壁要素を越えて少なくとも部分的に流れることができ、かつ/または貫通開口を有しており、これによって、空気が第2の壁要素を貫流することができることを特徴としている。
【0028】
したがって、減じられた壁高さおよび/または貫通開口によって、流路の内部で付加的な流体接続が可能となり、これによって、測定通路に対する付加的な圧力補償が提供される。こうしても、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうしても、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0029】
ハウジングは、流路の流入開口および流出開口に対して付加的にかつバイパス通路に対して付加的に、流路をハウジングの周辺に接続する少なくとも1つの補償開口を有することが特定されていてよい。
【0030】
したがって、補償開口によって、流路とハウジングの周辺との間の流体接続が可能となり、これによって、測定すべき空気質量流量の一部が、流路からハウジングの周辺に流れることができ、付加的な圧力補償が提供される。こうしても、特に、ターボチャージャの高周波の圧力脈動に基づく振動励起の振幅を減じることができ、これによって、問題を引き起こす励起周波数に対しても確実な測定を行うことができる。特に、こうしても、流路の固有周波数を取り除くことができるかまたは1つ以上の固有周波数の領域での各々の振動応答を減じることができる。
【0031】
正確に1つの補償開口または2つ以上の補償開口が設けられていてよい。
【0032】
ハウジングの周辺は、特に、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサが内部に配置された管、管路またはこれに類するものの内室であってよい。
【0033】
補償開口は、ハウジングの壁に加工された貫通開口、例えば孔またはこれに類するものであってよい。
【0034】
代替的または補足的には、補償開口は、ハウジングのハウジング構成部材同士の間に形成されていてよい。ハウジングが、例えば、組み合わされてハウジングを形成する第1のハウジング構成部材と第2のハウジング構成部材とを有する限り、補償開口は、第1のハウジング構成部材と第2のハウジング構成部材とが互いに形状接続的に係合しかつ/または互いに結合されている継ぎ目または接合縁部の領域に設けられた切欠きであってよい。第1のハウジング構成部材は、例えば蓋またはカバーであってよい。第2のハウジング構成部材は、ハウジングの、蓋が取り付けられている基体であってよい。
【0035】
ハウジング構成部材は、接着剤によって互いに結合されていてよく、補償開口は、ハウジング構成部材同士を結合する接着剤に少なくとも部分的に隣接している。
【0036】
補償開口は、中断された接着継ぎ目の部分または中断された接着ビードの部分であることが特定されていてよい。したがって、補償開口は、ハウジング構成部材を互いに結合する接着継ぎ目または接着ビードの中断部であってよい。特に、接着継ぎ目または接着ビードは、周辺に対するハウジング構成部材同士の付着結合部、さらには、流路の密封部を形成している。この密封部は、補償開口を形成するために、局所的に中断されている。
【0037】
開口は、センサ電子装置の測定要素に対して間隔を有しており、この間隔は10mmよりも小さく、特に5mmよりも小さく、特に4mmよりも小さいことが特定されていてよい。
【0038】
代替的または補足的には、高さが幅よりも少なくとも部分的に大きい開口は、センサ電子装置の測定要素に対して間隔を有しており、この間隔は10mmよりも小さく、特に5mmよりも小さく、特に4mmよりも小さいことが特定されていてよい。
【0039】
代替的または補足的には、高さが幅よりも少なくとも部分的に大きい開口は、センサ電子装置の測定要素に対して間隔を有しており、この間隔は、開口の幅の多くとも10倍、特に多くとも5倍に相当していることが特定されていてよい。
【0040】
第2の態様によれば、本発明は、本発明に係るエアマスセンサを備える自動車に関する。
【0041】
自動車は内燃機関を有していてよく、エアマスセンサは、内燃機関の吸気管路内に配置されていて、この吸気管路の内部の空気質量流量を測定する。内燃機関は1つ以上のターボチャージャを有していてよい。
【0042】
以下に、本発明を、複数の実施例を示した図面に基づき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】本発明に係るエアマスセンサを上方から見た概略的な斜視図である。
【
図2】
図1に示したエアマスセンサをカバーなしで概略的に示す図である。
【
図3】
図1に示したエアマスセンサの概略的な横断面図およびこの横断面図の概略的な部分拡大図である。
【
図4A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図4B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図4C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図5A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図5B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図5C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図6A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図6B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図6C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図7A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図7B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図7C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図8A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図8B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図8C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図9A】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図9B】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図9C】本発明に係るエアマスセンサの更なる構成の概略的な横断面図である。
【
図10】本発明に係る自動車を上方から見た概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1には、空気質量流量を特定するためのエアマスセンサ2が示してある。
【0045】
エアマスセンサ2はハウジング4を有している。エアマスセンサ2はセンサ電子装置6を有している。このセンサ電子装置6は、ハウジング4の電子装置室8内に配置されている(
図2)。この電子装置室8とセンサ電子装置6とを説明するために、
図2では、ハウジング4のカバー10,12または蓋10,12が省いてある。
【0046】
ハウジング4は、測定すべき空気質量流量Lをハウジング4を通して案内するための流路14を有している。
【0047】
流路14は、空気質量流量Lをハウジング4内に導入するための流入開口16を有している。流路14は、空気質量流量Lをハウジング4から導出するための流出開口18を有している。
【0048】
流路14はバイパス20を有しており、これによって、空気質量流量Lの一部がエアマスセンサ2の測定箇所22に流れずに、この測定箇所22よりも上流で分岐して、再びハウジング4から導出される。
【0049】
測定箇所22の領域には、センサ電子装置6の測定要素24が配置されている。この測定要素24は熱式の測定要素24であり、しかも、図示の構成ではホットフィルム式の空気質量測定要素24である。
【0050】
流路14と電子装置室8とは、開口26を介して互いに接続されている(
図3)。電子装置室8は、流路14に対する圧力補償容積を形成している。言い換えると、電子装置室8と流路14との間に流体接続があり、これによって、空気質量流量Lの空気が、流路14から電子装置室8内に流入することができ、また、電子装置室8から流路14内に流れることができる。
【0051】
電子装置室8の、圧力補償のために設けられていてセンサ電子装置6により占められていない自由容積は、0.5cm3よりは大きくて20cm3よりは小さい。
【0052】
開口26は、
図3によれば、センサ電子装置6の測定要素24よりも上流側に配置されている。
【0053】
以下に、開口26の構造上の構成に対する幾つかの変化形態を例示的に説明する。
図4A~
図9Cには、
図3に示した横断面図に類似して、それぞれエアマスセンサ2の構成の横断面図が概略的に示してある。測定要素24は、ベースプレート30により支持されたボード28に配置されている。さらに、ハウジング4の蓋10とハウジング4とが図示してある。
【0054】
開口26は、高さH1と幅B1とを有する間隙26であってよい(
図4A)。この間隙26は、
図4Aによれば、0.1mmの高さH1を有している。代替的な構成によれば、間隙26は、例えば0.05mm~最大0.2mmの高さH1を有している。間隙26は、図示の構成では、幅B1の全体にわたって見て一定の高さH1を有している。幅B1は最大10mmであってよい。
【0055】
図4Bに示したように、開口26は、部分的に高さH1を有していてよく、部分的に、この高さH1よりも大きい高さH2を有していてよい。この高さH2は、例えば最大3mmまたは最大2mmであってよい。この場合、幅B2は、例えば最大0.3mm、最大0.2mmまたは最大0.1mmであってよい。開口26は、局所的に、例えば方形の貫通開口26.1を有していてもよいし(
図4B)、三角形の貫通開口26.2を有していてもよい(
図4C)。このような貫通開口26.1,26.2または溝26.1,26.2は、蓋10に加工されていてよい。
【0056】
開口26の貫通開口26.1は、その幅B2よりも大きい高さH2を有している。貫通開口26.1は、測定要素24に対して、貫通開口26.1の幅B2の10倍よりも小さい間隔に相当する間隔D1を有している。この間隔D1は、図示の構成では10mmよりも小さい。
【0057】
図5Aによれば、蓋10は、測定要素24よりも下流側に、開口26を画定する高さH1と幅B2との面取り部32を有している。開口26は、測定要素24に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0058】
このような面取り部32は、
図5Bに示したように、連続した間隙と組み合わされてよい。面取り部32の始端部は、測定要素24に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0059】
図5Cには、測定要素24よりも上流側の面取り部32が示してある。この面取り部32により形成された開口26は、測定要素24に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0060】
図6A、
図6Bおよび
図6Cには、開口26の構成に対する更なる変化形態が示してある。この場合、方形の貫通開口26.1が自体単独で(
図6A、
図6C)または連続した間隙と組み合わせて示してある。方形の貫通開口26.1は、測定要素に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0061】
図7A、
図7Bおよび
図7Cには、開口26、しかも、測定要素24のレベルにまたは測定要素24よりも上流側に配置されていてよい開口26.1,26.2の形態の開口26の構成に対する更なる変化形態が示してある。
図7Bに示した開口26.1は、測定要素に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0062】
図8A、
図8Bおよび
図8Cには、開口26、しかも、測定要素24のレベルにまたは測定要素24よりも上流側に配置されていてよい開口26.3の形態の開口26の構成に対する更なる変化形態が示してある。
図8Bおよび
図8Cに示した開口26.3は、それぞれ測定要素24に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0063】
図9A、
図9Bおよび
図9Cには、開口26、しかも、測定要素24のレベルにまたは測定要素24よりも上流側または下流側に配置されていてよい開口26.1,26.3の形態の開口26の構成に対する更なる変化形態が示してある。
図9Aに示した開口26.1と、
図9Bおよび
図9Cに示した開口26.3,26.1とは、それぞれ測定要素24に対して5mmよりも小さい間隔D1を有している。
【0064】
当然ながら、
図7A~9Cに示した変化形態も連続した間隙と組合せ可能である。
【0065】
各々のエアマスセンサ2は、空気質量流量を測定し、さらには、この空気質量流の圧力、湿分および温度を測定するように構成されている。
【0066】
図10には、自動車100が示してある。この自動車100は、ターボ過給式の内燃機関110と、エアマスセンサ2とを備えている。このエアマスセンサ2は、内燃機関110の吸気管路120内に配置されていて、この吸気管路120の内部の空気質量流量を測定する。吸気管路120はインタークーラ130に接続されている。
【0067】
自動車100は、本発明の代替的な構成によれば、内燃機関110に対して補足的に、トラクションバッテリが割り当てられた少なくとも1つの電気モータを有するハイブリッド車両であってよい。
【国際調査報告】