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特表2024-513428ポルフィリン組成物及びポルフィリン組成物を生成する方法
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  • 特表-ポルフィリン組成物及びポルフィリン組成物を生成する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ポルフィリン組成物及びポルフィリン組成物を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/22 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
C07D487/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023560999
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 US2022019775
(87)【国際公開番号】W WO2022216405
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,152
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/174,581
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511046391
【氏名又は名称】ノボマー, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダース,アリソン・エム
【テーマコード(参考)】
4C050
【Fターム(参考)】
4C050PA01
4C050PA07
(57)【要約】
(a)溶媒、塩、ピロール又は置換ピロール、及び脂肪族又は芳香族アルデヒドを容器中で組み合わせるステップ;(b)容器に触媒、塩、及び溶媒を投入して、ピロール又は置換ピロールのポルフィリノーゲンを形成するステップ;並びに(c)ピロール又は置換ピロールの形成されたポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、ポルフィリンを形成するステップを含む方法であって、ポルフィリンが、ヘテロ環からの脂肪族又は芳香族アルデヒドペンダントに由来する脂肪族又は芳香族基を有するピロール又は置換ピロールの残基を含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.溶媒、塩、ピロール又は置換ピロール、及び脂肪族又は芳香族アルデヒドを容器中で組み合わせるステップ;
b.容器に触媒を投入して、ピロール又は置換ピロールのポルフィリノーゲンを形成するステップ;並びに
c.ピロール又は置換ピロールの形成されたポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、ポルフィリンを形成するステップ
を含む方法であって、ポルフィリンが、ヘテロ環からの脂肪族又は芳香族アルデヒドのペンダントに由来する脂肪族又は芳香族基を有するピロール又は置換ピロールの残基を含む、方法。
【請求項2】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、TeCl、CCOH、GeI、BEtからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、又はTeClからなる群から選択される1つ以上である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、又はp-CHSOH・HOからなる群から選択される1つ以上である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
触媒が、三フッ化ホウ素エーテラートである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、KI、NaSO、MgSO、CaSO、NaBF、MeNBF、又はKFからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、パラコート2Cl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、又はKIからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
塩が、NaCl、MeNCl、又はNaBFからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
塩が金属塩である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
金属塩が、Cl-、PhB-、Br-、又はI-からなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
塩が塩化ナトリウムである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
溶媒がハロゲン化溶媒である、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
溶媒が、周囲温度を超える沸点を有する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
溶媒がジクロロメタンである、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
酸化剤がペルオキシドである、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
ペルオキシドがヒドロペルオキシドである、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
酸化剤が、過酸化水素又はtert-ブチルヒドロペルオキシドである、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
触媒が添加される前に、ピロール又は置換ピロール、脂肪族又は芳香族アルデヒド、塩、及び溶媒が混合される、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
ポルフィリノーゲンが、触媒と混合される、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
ポルフィリノーゲンが、約5分間以上約15分間以下混合される、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
ポルフィリノーゲンが、酸化剤と8時間以上24時間以下混合される、請求項1~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
室温で行われる、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
ポルフィリノーゲンと混合される前に、酸化剤を極性非プロトン性溶媒で抽出するステップをさらに含む、請求項1~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
過酸化水素水性溶液を極性非プロトン性溶媒で抽出して、水を除去し、無水ペルオキシド溶液を形成するステップをさらに含む、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
溶媒がエーテルであり、又は好ましくはジエチルエーテルである、請求項1~24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ポルフィリンが、テトラフェニルポルフィリンを含む、請求項1~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
ポルフィリンを金属化剤と接触させるステップをさらに含む、請求項1~26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
金属化剤が、アルミニウム又はクロム化合物である、請求項1~27のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月6日出願の米国特許仮出願第63/171,152号、及び2021年4月14日出願の同第63/174,581号に基づく優先権を主張するものであり、それらの開示全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本開示は、ラクトンの生成において使用されるポルフィリン組成物に関し、さらに詳細にはβ-プロピオラクトンを生成するために使用されるカルボニル化触媒を形成するために使用されるテトラフェニルポルフィリンに関する。
【背景技術】
【0003】
ラクトンを作製するとき、ラクトンを生成するための一酸化炭素やエポキシドなどの材料からの反応を促進するためにカルボニル化触媒が典型的に使用される。カルボニル化触媒は、カルボニル化触媒の前駆体としてポルフィリン、具体的にテトラフェニルポルフィリンから形成されうる。カルボニル化プロセスにおいて使用されうる多くの異なるカルボニル化触媒が存在する。しかし、これらのカルボニル化触媒の多くは、コストが法外に高く、したがって低コストラクトンを生成する際に適合しない可能性がある。さらに、ポルフィリンを形成する方法は、厳しい酸性条件を必要とし、副生成物としてタールを有し、高毒性若しくは腐食性材料を使用することがあり、商業的方法に拡大縮小できないことがあり、又はそれらの組合せでありうる。テトラフェニルポルフィリンを形成する方法のいくつかの例が、欧州特許第0308791号;Alan D.AlderによるA Simplified Synthesis for meso-Tetraphenylporphin、32巻、476頁、1966;Jonathan S.LindseyらによるRothemund and Adler-Longo Reactions Revisited: Synthesis of Tetraphenylporphyrins under Equilibrium Conditions;J.Org.Chem.、1987、52、827-836;Feirong LiらによるBeneficial Effects of Salts on an Acid-Catalyzed Condensation Leading to Porphyrin Formation Tetrahedron、53巻、37号、12339~12360頁、1997;及びG.Richard Geier IIIらによるA survey of Acid Catalysts for Use in Two-Step,One-Flask Syntheses of Meso-Substituted Porphyrinic Macrocycles,American Chemical Society Org.Lett.、2巻、12号、2000で入手可能であり、それらの教示は、全ての目的で参照により本明細書に明示的に組み込まれる。現在の実験スキームの多くは、これらの方法が、厳しい酸性条件を必要とし、精製を複雑にするおそれがある大量のタールを生成し、又はカラムクロマトグラフィーなしで除去するのが困難な化学量論量のヒドロキノン副生成物を生成することがあるので、生産規模に適応し商業的に実現することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第0308791号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Jonathan S.LindseyらによるRothemund and Adler-Longo Reactions Revisited
【非特許文献2】Synthesis of Tetraphenylporphyrins under Equilibrium Conditions;J.Org.Chem.、1987、52、827-836
【非特許文献3】Feirong LiらによるBeneficial Effects of Salts on an Acid-Catalyzed Condensation Leading to Porphyrin Formation Tetrahedron、53巻、37号、12339~12360頁、1997
【非特許文献4】G.Richard Geier IIIらによるA survey of Acid Catalysts for Use in Two-Step,One-Flask Syntheses of Meso-Substituted Porphyrinic Macrocycles,American Chemical Society Org.Lett.、2巻、12号、2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カルボニル化触媒を新規成分から生成する方法が必要とされている。高収率のカルボニル化触媒を生成する方法が必要とされている。ラクトンを生成する方法に供給されるカルボニル化触媒をリアルタイムで生成することが望ましい。過酸化水素を用いて、好ましくは酢酸の非存在下でポルフィリンを合成する方法が必要とされている。大量のタールを生じること、大量の腐食性材料を使用すること、カラムクロマトグラフィーなしで除去するのが困難な化学量論量のヒドロキノン副生成物を生成すること、又はそれらの組合せを行わない成分からカルボニル化触媒を生成するのが望ましい。商業的方法に拡大縮小できる、ポルフィリンを合成する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要旨)
本教示は、(a)溶媒、塩、ピロール又は置換ピロール、及び脂肪族又は芳香族アルデヒドを容器中で組み合わせるステップ;(b)容器に触媒、塩、及び溶媒を投入して、ピロール又は置換ピロールのポルフィリノーゲンを形成するステップ;並びに(c)ピロール又は置換ピロールの形成されたポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、ポルフィリンを形成するステップを含む方法であって、ポルフィリンが、ヘテロ環からの脂肪族又は芳香族アルデヒドペンダントに由来する脂肪族又は芳香族基を有するピロール又は置換ピロールの残基を含む、方法を提供する。
【0008】
本教示は、カルボニル化触媒を新規成分から生成する方法を提供する。本教示は、高収率のカルボニル化触媒を生成する方法を提供する。本教示は、ラクトンを生成する方法に供給される、リアルタイムで生成されるカルボニル化触媒を提供する。本教示は、過酸化水素を用いて、好ましくは酢酸の非存在下でポルフィリンを合成する方法を提供する。本教示は、大量のタールを生じること、大量の腐食性材料を使用すること、カラムクロマトグラフィーなしに除去するのが困難な化学量論量のヒドロキノン副生成物を生成すること、又はそれらの組合せを行わない成分からカルボニル化触媒を生成する方法を提供する。本教示は、商業的方法に拡大縮小できる、ポルフィリンを合成する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ポルフィリンを生成する方法のフローチャートを示す図である。
図2】ポルフィリンを金属化して、カルボニル化触媒を形成するフローチャートを示す図である。
図3】カルボニル化触媒を用いてラクトンを形成し、ラクトンを変換するフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示は、いくつかの実施形態と関連させて記載されてきたが、開示された実施形態に限定されるべきでなく、それどころか添付の特許請求の範囲内に含まれるさまざまな修正形態及び等価構成を網羅するように意図され、その特許請求の範囲は、法の下で許されているようにそのような修正形態及び等価構造をすべて包含するように最も広義の解釈が与えられることになっていることを理解すべきである。
【0011】
本明細書では1つ以上とは、記載された成分の少なくとも1つ又は1つより多くが開示されているように使用されうることを意味する。本明細書に開示されたポリマー又は構造を調製するために使用された材料又は反応物に対して残基とは、本明細書に開示された方法の結果として含まれた後にポリマー又は構造に残存する材料のその一部分を意味する。本明細書では実質的にすべてとは、参照されたパラメータ、組成物、構造若しくは化合物の90%より多くが、定義された基準を満たし、参照されたパラメータ、組成物若しくは化合物の95%より多く、99%より多くが、定義された基準を満たし、又は参照されたパラメータ、組成物若しくは化合物の99.5%より多くが、定義された基準を満たすことを意味する。本明細書では一部分とは、組成物、流れ、又は両方の成分の全量未満を意味する。本明細書では沈殿物とは、液体及び固体化合物のスラリー又はブレンド中の固体化合物を意味する。本明細書では相とは、固体沈殿物、又は相をいくつかに分ける境界が見えない系の別個で均質な液体若しくは気体状態を意味する。重量部とは、組成物全体の全重量に対するある成分の部数を意味する。本明細書では触媒成分とは、金属中心化合物、金属カルボニル、ルイス酸、ルイス酸誘導体、金属カルボニル誘導体、又はそれらの任意の組合せを意味する。本明細書では触媒には、少なくともカチオン化合物及びアニオン化合物が含まれる。本明細書では有機化合物には、金属原子を含まないいかなる化合物も含まれる。本明細書では無機化合物には、少なくとも1個の金属原子を含む化合物が含まれる。本明細書では組成物は、単一の容器内に含めることができる流れ、反応物流れ、生成物流れ、スラリー、沈殿物、液体、固体、気体、又はそれらの任意の組合せ中のすべての成分を含む。
【0012】
本教示は、カルボニル化触媒を生成する方法を開示する。カルボニル化触媒は、前駆体材料を変換し、材料を触媒に変換し、触媒の一部分を形成し、又はそれらを組み合わせるように機能する。カルボニル化触媒は、ポルフィリンから生成される。本明細書における方法は、カルボニル化触媒のリガンド前駆体(例えば、ポルフィリン)を対象にする。リガンド前駆体は、前駆体材料からリアルタイムで、連続的に、バッチとして、又はそれらの組合せでリアルタイムで生成されうる。前駆体材料は、2種以上、3種以上、4種以上、又は5種以上もの材料の組合せでありうる。
【0013】
方法は、2種以上の前駆体材料で始まることができる。前駆体材料は、ピロール若しくは置換ピロール及び脂肪族アルデヒド若しくは芳香族アルデヒド、又はそれらの組合せでありうる。前駆体材料には、電子供与性又は電子求引性の材料が含まれうる。ピロール及びアルデヒドは、容器に組み合わされうる。容器は、乾燥させた容器であってもよい。容器は、水を含まないことがある。ピロールは、容器に添加される前に新たに蒸溜されうる。触媒、塩、又は両方が、2種以上の混合前駆体材料に添加されうる。触媒、塩、又は両方は、溶媒とともに添加されうる。触媒、塩、及び溶媒は、同時に、連続して、間欠的に、ある時間にわたって、又はそれらの組合せで添加されうる。2種以上の前駆体材料、塩、触媒、溶媒、又はそれらの組合せは、容器中で混合されうる。混合は、所定時間行われうる。所定時間は、約1分以上、約3分以上、又は約5分以上でありうる。所定時間は、約12時間以下、約6時間以下、約1時間以下、約30分以下、又は約15分以下でありうる。所定時間は、ピロールのすべて及びアルデヒドのすべてが消費され、結合され、又は両方行われるように十分な時間でありうる。所定時間は、ピロールの実質的にすべて及びアルデヒドのすべてが縮合(例えば、アルデヒド及びピロールの反応が水を副生成物として生じる反応)において消費され;ポルフィリノーゲンに変換され;又は両方行われる(例えば、90%以上、95%以上、又は99%以上が消費される、又は変換される。)ように十分な時間でありうる。
【0014】
ポルフィリノーゲンは、容器中で維持され、又は第2の容器に移されうる。ポルフィリノーゲンは、酸化剤によって接触されうる。酸化剤は、水素を除去し、電子を除去し、又は両方行うことができる。酸化剤は、ポルフィリノーゲンをポルフィリンに変換することができる。ポルフィリノーゲン及び酸化剤は、第2の所定時間混合されうる。第2の所定時間は、約6時間以上、8時間以上、又は12時間以上でありうる。第2の所定時間は、約1週間以下、5日以下、3日以下、1日以下、又は約15時間以下でありうる。第2の所定時間は、6個の水素がポルフィリノーゲンから除去され、二重結合がそれらのあるべき場所に形成されるのに十分に長くてよい。第2の所定時間は、ポルフィリンが生成されるように十分な時間でありうる。
【0015】
ポルフィリンは、容器内で維持されてもよい。ポルフィリンは、触媒合成系又は容器に移されてもよい。ポルフィリンは、金属化剤と接触されてもよい。金属化剤は、ポルフィリン内に収容された金属原子を放出することができる。金属化剤は、本明細書で述べられた組成物のいずれであってもよい。金属化剤は、金属化ポルフィリンを形成することができる。金属化用ポルフィリンは、第1の容器内に維持されうる。金属化ポルフィリンは、第1の容器から第2の容器に移されうる。
【0016】
金属化ポルフィリンは、1種以上の金属カルボニルと接触されうる。好ましくは、金属化ポルフィリンは、単一の金属カルボニルと接触される。金属化ポルフィリンは、金属カルボニルと反応して、カルボニル化触媒を生成することができる。
【0017】
カルボニル化触媒形成ステップは、ハロゲン又はアルキル基を含むルイス酸を極性リガンド、金属カルボニル添加剤、又は両方と接触させて、カルボニル化触媒を形成するステップを含んでもよい。ハロゲン又はアルキル基を含むルイス酸は、約1:1のモル比で添加されうる。金属カルボニル添加剤は、少なくともアニオン性である金属カルボニル及び金属中心化合物のアルキル基又はハロゲンを切断及び結合するように構成されたカチオン基を含んでもよい。カチオン基は、アルカリ金属、(R4)Si-[式中、R4は、フェニル、ハロフェニル、水素、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、又はそれらの任意の組合せから独立的に選択される。]、金属カルボニルをイオン的に結合及び/若しくは平衡させるのに十分な任意の対イオン、又はそれらの任意の組合せの1つ以上でありうる。金属カルボニル添加剤がアルキル基を切断又は脱カップリングする例では、アルキル基はカチオン基とカップリングすることができ、アルキル基及びカチオン基は、本明細書に記載されたいかなる濾過又は除去手段を介しても除去されうる。金属カルボニル添加剤がハロゲンを金属中心化合物から切断し、極性化合物と接触される例では、ハロゲンは、金属カルボニル添加剤のカチオン基と結合し、極性化合物を含むルイス酸が形成される。いずれの副生成物も、本明細書に記載された他の任意の除去又は分離ステップによって除去されうる。金属カルボニル添加剤がアルキル基を切断又は脱カップリングした後、ルイス酸は極性リガンドと組み合わせて、カチオン種を形成することができる。次いで、極性リガンドを含むルイス酸は、金属カルボニル添加剤のアニオン性金属カルボニルと接触し、再生されたカルボニル化触媒を形成する。
【0018】
カルボニル化触媒を形成するステップは、水分及び酸素を含まない条件下で行われうる。例えば、触媒形成ステップは、不活性雰囲気(すなわち、窒素)下にドライグローブボックス内、シュレンクライン上、又は反応器中で行われうる。触媒形成ステップは、窒素、アルゴン、又は他の任意の不活性気体下で行われうる。触媒形成ステップの間に、ルイス酸、極性リガンド、金属カルボニル、又はそれらの任意の組合せは、カルボニル化触媒を形成するのに十分な時間撹拌することによって接触及び撹拌されうる。成分を撹拌する時間は、約5分以上、約30分以上、約60分以上でありうる。成分を撹拌する時間は、約24時間以下、約12時間以下、又は約6時間以下でありうる。触媒形成ステップにおける成分は、周囲温度及び/又は圧力下で完成されうる。再生触媒を作製するための追加のステップは、US6,852,865B2及びUS8,481,756B1で見ることができ、それらは共に、参照によりそれらの全体として本明細書に含まれる。
【0019】
カルボニル化触媒の金属カルボニルは、カルボニル化触媒のアニオン成分を提供するように機能する。カルボニル化触媒は、1種以上、2種以上、又は金属カルボニルの混合物を含んでもよい。金属カルボニルは、エポキシドを開環し、得られた金属炭素結合へのCOの挿入を促進することができる可能性がある。いくつかの例では、金属カルボニルは、アニオン性金属カルボニル部分を含んでもよい。他の例では、金属カルボニル化合物は、中性金属カルボニル化合物を含んでもよい。金属カルボニルは、金属カルボニルヒドリド又はヒドリド金属カルボニル化合物を含んでもよい。金属カルボニルは、1種以上の反応成分とインサイチュで反応して、最初に用意された化合物と異なる活性種を提供するプレ触媒でありうる。金属カルボニルは、アニオン性金属カルボニル種を含む。いくつかの例では、金属カルボニルは、一般式[QM’(CO)y+[式中、Qは任意選択のリガンドであり、M’は金属原子であり、dは、0と8を含めて0~8の整数であり、eは、1と6を含めて1~6の整数であり、wは、安定なアニオン性金属カルボニル錯体を提供するような数値であり、yは、アニオン性金属カルボニル種の電荷である]を有してもよい。金属カルボニルは、周期表5族、7族若しくは9族の金属のモノアニオン性カルボニル錯体又は周期表4族若しくは8族の金属のジアニオン性カルボニル錯体を含んでもよい。金属カルボニルは、コバルト、マンガン、ルテニウム、又はロジウムを含んでもよい。例示的な金属カルボニルには、[Co(CO)、[Ti(CO)e]2-、[V(CO)、[Rh(CO)、[Fe(CO)2-、[Ru(CO)-、[Os(CO)2-、[Cr(CO)102-、[Fe(CO)2-、[Tc(CO)、[Re(CO)、及び[Mn(CO)が含まれうる。金属カルボニルは、方法で使用されたカルボニル化触媒において2種以上のアニオン性金属カルボニル錯体の混合物であってもよい。
【0020】
ルイス酸又はブレンステッド酸触媒は、縮合反応を触媒するように機能することができる。ルイス酸又はブレンステッド酸触媒は、ギ酸、酢酸、塩化アルミニウム、又はそれらの任意の組合せの1つ以上であってもよい。
【0021】
金属アルキル化合物は、1つ以上のリガンドに金属を配位させて、ハロゲン又はアルキル基を含むルイス酸を形成するように機能することができる。金属アルキル化合物は、金属並びに/又は1個以上のアルキル基及び/若しくはハロゲン基を含むいずれの化合物であってもよい。金属アルキル化合物の金属は、アルミニウム、クロム、又はそれらの任意の組合せの1つ以上であってもよい。金属アルキル化合物は、CrCl、(Et)AlCl又は(Et)Al、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。
【0022】
金属カルボニル添加剤は、組み合わせ、カルボニル化触媒を形成するのに適したルイス酸に金属カルボニルを送達するように機能する。金属カルボニル添加剤は、ハロゲン又はアルキル基をルイス酸から脱カップリングさせて、ルイス酸及び金属カルボニルの組合せを含むカルボニル化触媒を形成するように機能することができる。金属カルボニル添加剤は、少なくとも本明細書に記載された金属カルボニル及びカチオン化合物を含む。カチオン化合物には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、又はそれらの任意の組合せが含まれうる。金属カルボニル添加剤は塩でありうる。金属カルボニル添加剤は、RSi-[式中、Rは、フェニル、ハロフェニル、水素、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、又はそれらの任意の組合せから独立的に選択される]の形をしたケイ素塩でありうる。金属カルボニル添加剤は、NaCo(CO)、Co(CO)、HCo(CO)、又はそれらの任意の組合せでありうる。メタル化ステップ後にハロゲンを含むルイス酸が形成される場合、カルボニル化触媒を形成するために、NaCo(CO)が使用されうる。アルキル基を含むルイス酸が形成される場合、カルボニル化触媒を形成するために、Co(CO)又はHCo(CO)が使用されうる。
【0023】
前駆体材料は、リガンド前駆体、好ましくはポルフィリンリガンドを生成するように機能する。カルボニル化触媒を形成するための前駆体材料(例えば、ポルフィリン)は、マクロサイクル系、マクロサイクルプロセス、又は両方において形成されうる。前駆体材料は、第1の容器中で組み合わさり、次いで第2の容器に添加されうる。前駆体材料は、反応容器に添加されうる。前駆体材料は、本明細書で教示された方法において一緒に添加されうる。前駆体材料は、ピロール、置換ピロール、アルデヒド、触媒、塩、溶媒、酸化剤、金属化剤、金属カルボニル、又はそれらの組合せを含んでもよい。
【0024】
ポルフィリン系は、複数の前駆体材料を組み合わせて、カルボニル化触媒を形成するように機能する。ポルフィリン系は、1個以上の容器でありうる。ポルフィリン系は、バッチ系、連続系、又はセミバッチでありうる。ポルフィリン系は、反応容器、混合容器、フィルター、真空、凝縮器、蒸留塔、若しくはそれらの組合せとすることができ、又はそれらを含みうる。反応容器は、前駆体材料のすべてを収容することができる。反応容器は、方法に必要とされるポルフィリンのすべてを形成するのに十分な量の材料を保持することができる。反応容器は、加熱、混合、濾過、冷却、又はそれらの組合せを含みうる。反応容器は、周囲温度で維持されうる。反応容器は、真空を含んでもよい。反応容器は、周囲圧力、陰圧、陽圧で、又はそれらの間で変動して維持されうる。反応容器は、方法のすべて又は一部分で、周囲温度及び周囲圧力で維持されうる。反応容器は、入口フィルター若しくはメンブラン、出口フィルター若しくはメンブラン、又は内部メンブラン若しくはフィルターを含んでもよい。反応容器は、成分をある容器から別の容器に通すとき濾過することができる。反応容器は、成分の濃縮、スラリー化、仕上げ、又はそれらの組合せが行われる前に成分を濾過することができる。ポルフィリン系は、液体系、半固体系、乾燥系、又はそれらの組合せでありうる。ポルフィリン系は、液体成分を収容し、固体、結晶性物質、又は両方を出力することができる。ポルフィリン系は、初期仕込み量のピロール及びアルデヒドを収容することができる。
【0025】
ピロールは、ポルフィリン又は好ましくはテトラフェニルポルフィリンを生成する前駆体材料の1つとして機能する。ピロールは、単一の環でありうる。ピロールは、置換ピロールでありうる。ピロールは、一置換又は二置換でありうる。ピロールは、4個以上の炭素原子を含んでもよい。ピロールは、環に4個以上の炭素原子を含んでもよい。ピロールは、CNの化学式を有してもよい。ピロールは、次式:
【0026】
【化1】
[式中、Rは、それぞれの存在において別々に水素、ハロゲン、アルキル基、アリール若しくは置換アリール、エステル、ケトン、アルキン、アルケン、ニトレート、スルフェート、又はそれらの組合せでありうる]を有してもよい。ピロールは、ピロールのすべてが消費され、アルデヒドのすべてが消費され、又は両方行われるように十分な量が添加されうる。ピロールは、各初期成分(例えば、ピロール及びアルデヒド)の0.25当量以上、0.5当量以上、0.75当量以上、1当量以上の量でありうる。ピロールは、アルデヒドに対するモル比で添加されうる。ピロールとアルデヒドのモル比は、約0.5:1以上、約0.75:1以上、約1:1以上、約1:0.75以下、約1:0.5以下のモル比でありうる。好ましくは、ピロール及びアルデヒドは、等量で添加されうる。
【0027】
アルデヒドは、脂肪族アルデヒドでも、芳香族アルデヒドであってもよい。アルデヒドは、ピロールに結合して、マクロサイクル環を創造するように機能することができる。アルデヒドは、2個のピロールを結合することができる。アルデヒドは、ピロールと交互に結合することができる。アルデヒドは、次式:
【0028】
【化2】
[式中、Rは、それぞれの存在において別々にアルケン、エステル、ケトン、ハロアルカン、アルキン、炭素環、フリル、アリール、置換アリール、ナフチル、アントラセニル、又はそれらの組合せである]によって表されうる。Rは、それぞれの存在において独立に水素、ハロゲン、-OR、-NR 、-SR、-CN、-NO、-SO、-SOR、-SONR ;-CNO、-NRSO、-NCO、-N、-SiR ;又はC1~20脂肪族;窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立的に選択される1~4個のヘテロ原子を有するC1~20ヘテロ脂肪族;6~10員アリール;窒素、酸素及び硫黄から独立的に選択される1~4個のヘテロ原子を有する5~10員ヘテロアリール;並びに窒素、酸素及び硫黄からなる群から独立的に選択される1~2個のヘテロ原子を有する4~7員ヘテロシクリックからなる群から選択される任意選択的に置換された基であり、2個以上のR基が一緒になって、1個以上の任意選択的に置換された環を形成することができる。好ましくは、Rは、フェニル又は置換アリール基でありうる。アルデヒドは、ピロールのすべてが消費され、アルデヒドのすべてが消費され、又は両方行われるように十分な量が添加されうる。アルデヒドは、各初期成分(例えば、ピロール及びアルデヒド)の0.25当量以上、0.5当量以上、0.75当量以上、1当量以上の量でありうる。ピロールは、アルデヒドに対する比で添加されうる。
【0029】
触媒は、ピロール、アルデヒド、又は両方を活性化するように機能する。触媒は、ピロール及びアルデヒドを反応させるように機能する。触媒は、ピロール及びアルデヒドを室温で組み合わせるように機能することができる。触媒は、ピロール、アルデヒド、若しくは両方の実質的にすべてを組み合わせ、又は消費させることができる。触媒は、ルイス酸でも、ブレンステッド酸であってもよい。触媒は、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、TeCl、CCOH、GeI、BEtからなる群から選択される1つ以上でありうる。好ましくは、触媒は、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、又はTeClからなる群から選択される1つ以上である。より好ましくは、触媒は、BF-エーテラート、TFA、又はp-CHSOH・HOからなる群から選択される1つ以上である。触媒は、カチオン交換触媒でありうる。触媒は、酸官能化ゼオライトでありうる。触媒は、三フッ化ホウ素エーテラートでありうる。触媒は、ピロールのモル数に基づいて約1mol%以上、約3mol%以上、約5mol%以上、約7mol%以上、又は約10mol%以上の量で存在することができる。触媒は、ピロールのモル数に基づいて約50mol%以下、約40mol%以下、約30mol%以下、約20mol%以下、又は約15mol%以下の量で存在することができる。触媒は、塩と同時に、塩の後に、塩の前に、又はそれらの組合せで添加されうる。
【0030】
塩は、ピロール及びアルデヒドを反応させることを支援することができる。塩は、室温で反応速度を上げることができる。塩は、塩を含まない反応に対して反応速度を約10%以上、約20%以上、約30%以上、さらに約40%以上、又は約60%以下上げることができる。塩及び触媒は、は、ピロール及びアルデヒドを反応させるように一緒に働くことができる。塩は、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、KI、NaSO、MgSO、CaSO、NaBF、MeNBF、又はKFからなる群から選択される塩の1つ以上でありうる。塩は、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、パラコート2Cl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、又はKIからなる群から選択される塩の1つ以上でありうる。塩は、NaCl、MeNCl、又はNaBPhからなる群から選択される塩の1つ以上である。塩は金属塩でありうる。塩は、Cl、Ph、Br、又はIからなる群から選択されるアニオンとの金属塩でありうる。好ましくは、塩は塩化ナトリウムである。塩は、約0.25M以上、0.1mM以上、約1mM以上、又は約10mM以上の量で添加されうる。塩は、約1000mM以下、約500mM以下、約250mM以下、又は約100mM以下の量で添加されうる。塩は、溶媒とともに、溶媒の前に、溶媒の後に、又はそれらの組合せで添加されうる。
【0031】
溶媒は、ピロール及びアルデヒドが混合され、懸濁され、組み合わされ、反応し、又はそれらの組合せが行われるように溶液を創造するように機能する。溶媒は、前駆体材料が反応することができるように前駆体材料を懸濁させることができる非反応性物質でありうる。溶媒は、前駆体材料(例えば、ピロール又はアルデヒド)が懸濁され、混合され、反応し、又は両方行われうるように十分な濃度で添加されうる。溶媒は、ハロゲン化溶媒でありうる。溶媒は、周囲温度を超える沸点(例えば、約20±2℃)を有してもよい。溶媒は、水を含むことがなく、又は水であってはいけない。溶媒は、ハロゲン化炭化水素でありうる。溶媒は、ジクロロメタン又はクロロホルムであってもよい。溶媒は、全組成物の約0.001M以上、約0.01M以上、約0.05M以上、又は約0.1M以上の量で存在することができる。溶媒は、約0.5M以下、約0.4M以下、約0.3M以下、約0.2M以下、又は約0.15M以下(例えば、±0.05M)の量で存在することができる。前駆体材料は反応すると、ポルフィリノーゲンを形成する。縮合は、ピロール及びアルデヒドが縮合するいずれの温度でも行われうる。縮合は、周囲温度で行われうる。縮合は、0℃超、約10℃以上、又は約20℃以上の温度で行われうる。縮合は、約30℃以下又は約25℃以下の温度で行われうる。ポルフィリノーゲン化合物は、酸化前に回収される必要がない。縮合は、撹拌又は混合を伴って行われうる。縮合は、不活性気体下で行われうる。酸化試薬は、酸化が完了した後に系に添加されうる。
【0032】
ポルフィリノーゲンは、アルデヒドのカルボニル炭素を通して結合している4個のピロール環を含み、アルデヒドのカルボニル炭素原子が、ピロールの窒素に隣接した炭素に結合しており、構造が、各ピロールの窒素原子がマクロサイクル環の内部に位置している閉鎖マクロサイクルを形成する。架橋炭素原子は不飽和である。中間体ポルフィリノーゲンは、下記の式:
【0033】
【化3】
に対応しうる。
【0034】
ポルフィリノーゲンは、ポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、連続する3つの脱水素ステップで6個の水素を除去することによって、最終ポルフィリンに変換されうる。そのような最終ポルフィリン構造は、下記の式:
【0035】
【化4】
に対応しうる。
【0036】
酸化剤は、連続する3つの脱水素ステップでポルフィリノーゲンから水素(例えば、6個の水素)を除去するように機能する。酸化剤は、ポルフィリノーゲンをポルフィリンに変換するのに十分な量で添加されうる。酸化剤は、キノン、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、又は過酸化水素から選択される1つ以上でありうる。酸化剤は、3つの脱水素を可能にするのに十分な量で添加されうる。酸化剤は、ヒドロペルオキシドを安定化するために溶液として添加されうる。酸化剤は、ペルオキシドを含む溶液の全重量に対して約10重量パーセント溶液、約20重量パーセント溶液、又は約30重量パーセント溶液の濃度を有してもよい。酸化剤は、ペルオキシドを含む溶液の全重量に対して約60重量パーセント溶液、約50重量パーセント溶液、約40重量パーセント溶液、又は約35重量パーセント溶液の濃度を有してもよい。酸化剤は、水又は溶媒を含んでもよい。好ましくは、酸化剤は無水である。酸化剤及びポルフィリノーゲンは、ポルフィリンが形成されうるように十分な時間混合されうる。酸化剤及びポルフィリノーゲンは、約1時間以上、約3時間以上、約5時間以上、又は約8時間以上混合されうる。酸化剤及びポルフィリノーゲンは、約1週間以下、5日以下、3日以下、1日以下、12時間以下、又は約10時間以下混合されうる。酸化剤は、ポルフィリノーゲンのすべてがポルフィリンに変換されるまで混合されうる。酸化は、酸化が行われるいずれの温度でも行われうる。酸化は、周囲温度で行われうる。酸化は、0℃超、約10℃以上、又は約20℃以上の温度で行われうる。酸化は、約40℃以下又は約25℃以下の温度で行われうる。酸化は、撹拌又は混合を伴って行われうる。ポルフィリン化合物は、物理的分離、例えば濾過によって、又は遠心機の使用を通して回収されうる。
【0037】
ポルフィリンは、金属を収納し、又は金属と組み合わせる構造であるように機能する。ポルフィリンは、遊離塩基ポルフィリンでありうる(例えば、金属を含まない。)。ポルフィリンは、触媒合成系に移され、又は触媒合成プロセスにおいて処理されうる。
【0038】
触媒合成系及び/又は触媒合成プロセスは、遊離塩基ポルフィリンを金属化ポルフィリンに変換するように機能することができる。触媒合成は、ポルフィリンをカルボニル化触媒に変換することができる。触媒合成プロセスは、ポルフィリンを1つ以上の金属化剤と組み合わせることができる。触媒合成系は、ポルフィリンが形成されたのと同じ容器でポルフィリンを変換することができる(例えば、単一ポット反応)。触媒合成系は、第2の容器又は第3の容器でポルフィリンを変換することができる。触媒合成系及び/又は触媒合成プロセスは、ポルフィリンを1つ以上の金属化剤と反応させて、金属化ポルフィリンを形成することができる。
【0039】
金属化剤は、金属をポルフィリン、好ましくは遊離塩基ポルフィリンに導入して、金属化ポルフィリンを形成するように機能する。金属化剤は、金属原子をポルフィリン化合物に提供又は供与するように機能することができる。金属化剤は、アルミニウム、コバルト、亜鉛、マグネシウム、クロム、チタン、ルテニウム、又は鉄の群から選択される1つ以上の金属を含んでもよい。金属化剤は、米国特許第10,428,165号、第53欄第3~61行に見られるものを含めて、本明細書で教示されたいずれの金属化剤であってよく、当該米国特許の教示が、あらゆる目的で、特に当該米国特許に教示されている作用剤について明示的に組み込まれる。好ましくは、金属化剤は、アルミニウム、クロム、又はコバルト化合物である。より好ましくは、金属化剤はトリエチルアルミニウムである。金属化剤は、中間化合物(例えば、金属化ポルフィリン)が形成されるようにマクロサイクル環の中心に位置されうる金属原子を提供することができる。
【0040】
中間化合物は、金属化ポルフィリンであってもよい。金属化ポルフィリンは、カルボニル化触媒の前駆体として機能する。金属化ポルフィリンは、アルキル基又はハロ基を含んでもよい。金属化ポルフィリンは、エチル基を含んでもよい。アルキル基は、金属化ポルフィリンを金属カルボニルと反応させることによって除去されうる。
【0041】
金属カルボニルは、アルキル置換基を金属化ポルフィリンから、具体的には金属ポルフィリン内の金属原子から除去するように機能する。金属カルボニルは、金属化ポルフィリンの対アニオンを形成するように機能する。金属カルボニルは、金属ポルフィリンから電子を除去することができる。金属カルボニルは、エチル基を除去することができる。金属カルボニルは、金属化ポルフィリンをカルボニル化触媒に変換することができる。
【0042】
カルボニル化触媒は、本明細書で述べられているようにエチレンオキシド及び一酸化炭素をラクトンに変換するように機能する。カルボニル化反応から形成されたラクトンは、少なくとも1個の炭素原子及び2個の酸素原子を有するいずれの環式カルボン酸エステルであってよい。例えば、ラクトンは、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、又はそれらの組合せでありうる。本出願においてプロピオラクトン又はラクトンが使用又は記載されているところはどこでも、別のラクトンがプロセス、ステップ、又は方法において適用可能又は使用可能であってよい。プロピオラクトンがカルボニル化反応において使用又は生成される場合、プロピオラクトンは、式3に対応する構造
【0043】
【化5】
[式中、R及びRはそれぞれ、水素;C~C15アルキル基;ハロゲン化アルキル鎖;フェニル基;任意選択的に置換された脂肪族又は芳香族アルキル基;任意選択的に置換されたフェニル;任意選択的に置換されたヘテロ脂肪族アルキル基;任意選択的に置換された3~6員炭素環;及び任意選択的に置換された3~6員ヘテロ環基からなる群から独立的に選択され、R及びRは介在原子と任意選択的に一緒になって、1個以上のヘテロ原子を任意選択的に含む3~10員置換又は非置換環を形成することができ、又はそれらの任意の組合せである]を有してもよい。
【0044】
生成物流れ又は組成物は、プロピオラクトン、ポリプロピオラクトン、無水コハク酸、ポリエチレングリコール、ポリ-3-ヒドロキシプロピオナート、3-ヒドロキシプロピオン酸、3-ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテル、未反応エポキシド、それらの任意の誘導体、エポキシドと一酸化炭素の反応に由来する他の任意のモノマー若しくはポリマー、又はそれらの任意の組合せを含めて1種以上の有機化合物を含んでもよい。生成物流れ又は組成物は、金属カルボニル、金属カルボニル誘導体、金属中心化合物、ルイス酸、ルイス酸誘導体、又はそれらの任意の組合せなどの触媒成分を含む1種以上の無機化合物を含んでもよい。金属カルボニル誘導体は、カルボニル化触媒における使用のためのアニオン性金属カルボニル成分を形成するように加工されうる、1つ以上の金属及び1個以上のカルボニル基を含む化合物である。ルイス酸誘導体は、カルボニル化触媒における使用のためのカチオン性ルイス酸に加工されうる、1種以上の望ましくない化合物に金属中心で結合している1つ以上の金属内ルイス酸を含む化合物である。生成物流れ又は組成物は、プロピオラクトンを形成する方法において消費されなかった又は使い果たされなかった触媒を含むことがある。生成物流れ又は組成物は、1つ以上の未反応エポキシド又は一酸化炭素を含むことがある。
【0045】
生成物流れは、1つ以上のポリマーとカップリングしている金属中心化合物を含むことがある。1つ以上のポリマーは、カルボニル化反応のいずれか重合可能な副生成物、反応物、又は両方を含むことがある。1つ以上のポリマーは、プロピオラクトン、ラクトン、エポキシド、エステル、アルコキシド、オリゴマー、又はそれらの任意の組合せの残基を含むことがある。1つ以上のポリマーは、コポリマーでありうる。
【0046】
カルボニル化が実施され、生成物流れ又は組成物が形成された後、1つ以上の生成物流れ又は組成物を、プロピオラクトン、有機化合物、無機化合物、又はそれらの任意の組合せを除去する1つ以上の分離方法にかけることができる。プロピオラクトンより大きい生成物が除去されるように1つ以上の生成物流れ又は組成物をナノ濾過などの機械的分離方法にかけることができる。他の分離方法には、真空蒸留、重力蒸留、抽出、濾過、沈降、凝固、遠心、又はそれらの任意の組合せが含まれうる。
【0047】
1つ以上の生成物流れ又は組成物を、プロピオラクトンなどいずれの揮発性化合物も除去する蒸留プロセスにかけることができる。蒸留プロセスは、プロピオラクトンが蒸留されうるようにいずれのプロピオラクトン成分も組成物から分離するように構成されている溶媒を導入する1ステップ以上を含んでもよい。溶媒は、非プロトン性であってもよい。例えば、溶媒は、プロピオラクトンが組成物から留去されうるようにプロピオラクトンを組成物の他の成分から分離する高沸点溶媒でありうる。溶媒は、プロピオラクトンの沸点より高い沸点を有することに基づいて選択されうる。プロピオラクトンが組成物から留去されると、有機化合物、無機化合物、ポリマーを含む金属中心化合物、又はそれらの任意の組合せを含む組成物は溶媒に溶解されうる。溶媒に組成物のすべてが溶解されようと一部が溶解されようと、溶媒は組成物からいずれか公知の分離又は除去方法によって除去されうる。生成物流れの蒸留によって、生成物流れ又は組成物がプロピオラクトン形成プロセスにとって副生成物と考えられる1種以上の有機化合物、無機化合物、触媒成分、又はそれらの任意の組合せを含むように、プロピオラクトンの実質的にすべてを除去することができる。β-プロピオラクトンなどプロピオラクトンの蒸留について多くの詳細は、参照によりその全体として本明細書に組み込まれるWO2010/118128A1に見ることができる。
【0048】
プロピオラクトンを除去した後、1つ以上の生成物流れ又は組成物を、金属中心化合物を含む組成物からプロピオラクトンを分離するために使用された1種以上の溶媒を分離する濃縮又は沈殿プロセスにかけることができる。
【0049】
濃縮ステップが使用される場合、プロピオラクトンを分離するために使用された溶媒は、組成物が溶媒を含まないように組成物から蒸留されうる。溶媒が組成物から蒸留される場合、組成物は、溶媒を含まない固体又は液体の形を有してもよい。溶媒は、デカンテーション、蒸留、遠心、又はそれらの任意の組合せの1ステップ以上によってさらに分離されうる。濃縮ステップは、溶媒を他の組成物成分から分離するのに十分な温度、時間、及び圧力で行われうる。
【0050】
沈殿ステップが使用される場合、方法は、生成物流れ又は組成物とβ-プロピオラクトンに不溶な第1の溶媒を接触させて、プロピオラクトンを生成物流れから分離する1ステップ以上を含んでもよい。例えば、第1の溶媒は、プロピオラクトンの沸点より高い沸点を有する非プロトン性溶媒でありうる。プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを含む金属中心化合物は、第1の溶媒に可溶でありうる。さらに、金属中心化合物が第1の溶媒及び第2の溶媒から沈殿するように、ポリマーを含む金属中心化合物が不溶である第2の溶媒を添加することができる。第2の溶媒は、極性溶媒でありうる。第1の溶媒及び第2の溶媒は、プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを含む金属中心化合物を沈殿させるのに十分ないかなる比であってもよい。次いで、第1の及び第2の溶媒は、第1の及び第2の溶媒を生成物流れの不溶性成分からいずれか公知の方法によって濾別することによって生成物流れから除去されうる。不溶性成分は、本明細書で述べられた有機化合物、無機化合物、又は両方の1つ以上、及び金属中心化合物を含んでもよい。沈殿ステップは、周囲温度及び圧力で行われうる。他の例では、沈殿ステップは、約25℃以下、約20℃以下、又は約15℃以下の温度で行われうる。他の例では、沈殿ステップは、約0℃以上、約5℃以上、又は約10℃以上の温度で行われうる。金属中心化合物を沈殿させる追加の条件は、本明細書にその全体として組み込むWO2015/171372A1に見ることができる。
【0051】
プロピオラクトンを蒸留する又は金属中心化合物を沈殿させるのに使用された溶媒が除去されると、組成物は、有機化合物、無機化合物、又は両方の一部分を除去する1ステップ以上かけることができる。このステップでは、水性溶媒を生成物流れ又は組成物と接触させて、有機化合物、無機化合物、又は両方の一部分を溶解することができる。水性溶媒は、極性溶媒でありうる。水性溶媒が添加された場合、生成物流れを濾過して、沈殿ステップに記載された水性溶媒並びに/又は第1の溶媒及び第2の溶媒に不溶な金属中心化合物及び有機化合物の一部分を残すことができる。
【0052】
カルボニル化触媒成分として使用可能な成分を形成するために、金属中心化合物は、ハロゲンを含むルイス酸又は1つ以上の極性リガンドを含むルイス酸を形成するのに十分ないずれかの手段によってプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーから脱カップリングされうる。金属中心化合物をプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーから脱カップリングするために、組成物又は生成物流れを熱分解ステップ又は酸化合物との接触ステップにかけることができる。脱カップリングステップは、ポリマーを金属中心化合物から除去し、ハロゲン又は極性リガンドを含むルイス酸が形成されるようにハロゲン又は極性リガンドを金属中心化合物に結合又は接続させるように機能する。ハロゲン又は極性リガンドを含むルイス酸を形成することは、再生触媒のためのリサイクル成分を形成する先行ステップである。
【0053】
プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマー及び金属中心化合物を脱カップリングする1ステップでは、1種以上の不飽和酸を作製する熱分解ステップ又はプロセスが行われうる。熱分解ステップは、生成物流れ中のポリマー、任意の有機化合物、又は両方を変性して、不飽和酸を形成するように機能する。例えば、不飽和酸は、アクリル酸、ポリアクリル酸、又はそれらの任意の組合せの1つ以上でありうる。組成物を熱分解にかけた後に、組成物を酸化合物及び溶媒と接触させて、ハロゲンを含むルイス酸を形成することができる。酸化合物が組成物と接触すると、金属中心化合物内に含まれているいかなる有機化合物も金属中心化合物から脱カップリングすることができ、酸化合物はハロゲンを金属中心化合物に送達して、ハロゲンを含むルイス酸を形成することができる。熱分解ステップは、約1トール以上、約25トール以上、又は約50トール以上の圧力で行われうる。熱分解ステップは、約1000トール以下、約500トール以下、又は約100トール以下の圧力で行われうる。熱分解ステップは、約130℃以上、約160℃以上、又は約190℃以上の温度で行われうる。熱分解ステップは、約300℃以下、約250℃以下、又は約220℃以下の温度で行われうる。熱分解ステップは、約15秒以上、約15分以上、又は約30分以上行われうる。熱分解ステップは、約24時間以下、約12時間以下、又は約1時間以下行われうる。熱分解プロセスの追加の条件又はステップは、参照によりその全体として本明細書に組み込むUS10,065,914B1に見ることができる。有機化合物、無機化合物、溶媒、又は両方の1つ以上が、金属中心化合物、ハロゲン若しくは極性リガンドを含むルイス酸、又は両方を含む組成物から除去されるように、熱分解ステップを本明細書に記載された他の分離技法と対にすることができる。ハロゲンを含むルイス酸の形成の前、後、又は間に、組成物を、再生触媒の形成に干渉する可能性がある、残存するいかなる有機化合物、無機化合物、又は両方も除去するのに十分ないずれかの濾過又は除去ステップにかけることができる。
【0054】
プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーと金属中心化合物を脱カップリングする別のステップでは、供給流れ又は組成物を酸化合物と接触させて、プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーと金属中心化合物を脱カップリングすることができる。酸化合物と供給流れ又は組成物の接触は、プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーと金属中心化合物を切断又は脱カップリングするように機能する。一例として、組成物、酸化合物、及び溶媒を、溶媒が金属中心化合物を溶解し、酸化合物がプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを金属中心化合物から切断又は脱カップリングするように接触させることができる。ポリマーと金属中心化合物を切断又は脱カップリングするこの接触ステップでは、成分は、磁気撹拌子の利用など当業者に公知のいかなる撹拌手段によっても撹拌されうる。成分は、約1分以上、約30分以上、又は約45分以上撹拌されうる。成分は、約180分以下、約120分以下、又は約60分以下撹拌されうる。接触ステップは、少なくとも周囲温度及び圧力を含めて周囲条件で行われうる。有機化合物、無機化合物、又は両方の一部分などいくつかの成分は、溶媒に可溶でない可能性があり、組成物を、組成物がハロゲンを含むルイス酸、溶媒、及び残存するいずれか未反応の酸化合物を含むように不溶性成分を濾過するステップにかけることができる。この濾過ステップは、重力濾過又はその任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。追加のステップでは、組成物を、ハロゲンを含むルイス酸を含む組成物の固体沈殿物が残存するように酸化合物、溶媒、又は両方を除去するステップにかけることができる。除去ステップは、1つ以上の真空濾過、蒸留、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。除去ステップ又は濾過ステップの後に、ハロゲンを含むルイス酸を含む組成物を、触媒を再生する1ステップ以上にかけることができる。
【0055】
別の例では、初期の溶媒を使用して、ポリマーと金属中心化合物を脱カップリングし、次の別の溶媒を使用して、ハロゲンを含むルイス酸を沈殿させる接触ステップが行われる。この例では、組成物、初期の溶媒、及び酸化合物は、初期の溶媒が金属中心化合物を溶解し、酸化合物がプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを切断又は脱カップリングするように接触されうる。ポリマーと金属中心化合物を切断又は脱カップリングするこの接触ステップでは、成分は、当業者に公知のいかなる撹拌手段によっても撹拌されうる。成分は、約1分以上、約30分以上、又は約45分以上撹拌されうる。成分は、約180分以下、約120分以下、又は約60分以下撹拌されうる。接触ステップは、少なくとも周囲温度及び圧力を含めて周囲条件で行われうる。有機化合物、無機化合物、又は両方の一部分などいくつかの成分は、初期の溶媒に可溶でない可能性があり、組成物を、組成物がハロゲンを含むルイス酸、初期の溶媒、及び残存するいずれか未反応の酸化合物を含むように不溶性成分を濾過するステップにかけることができる。この濾過ステップは、重力濾過、遠心、デカンテーション、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。濾過後に、初期の溶媒に混和可能な次の溶媒は、ハロゲンを含むルイス酸が組成物の他の成分から沈殿されるようにハロゲンを含むルイス酸、初期の溶媒、及びいずれか未反応の酸化合物を含む組成物と接触されうる。初期の溶媒及び次の溶媒は、第1の溶媒及び第2の溶媒と記載されうる。初期の溶媒は極性溶媒とすることができ、次の溶媒は非プロトン性溶媒でありうる。初期の溶媒及び極性溶媒は、互いに混和可能でありうる。初期の溶媒及び次の溶媒は、ハロゲンを含むルイス酸、1種以上の有機化合物、又は両方を沈殿させるのに十分な比で組成物に添加されうる。ハロゲンを含むルイス酸を含む沈殿組成物を、初期の溶媒、次の溶媒、いずれか残存する有機化合物、及びいずれか未反応の酸化合物を除去する濾過ステップにかけることができる。濾過ステップは、重力濾過、遠心、デカンテーション、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。除去ステップ又は濾過ステップの後に、ハロゲンを含むルイス酸を含む組成物を、触媒を再生する1ステップ以上にかけることができる。
【0056】
別の方法は、酸化合物を溶媒の組合せと接触させて、望ましくない成分をハロゲンを含むルイス酸から明確に分離することができる多相組成物を形成することによって抽出技法を利用することでありうる。開始するために、組成物を酸化合物、水性溶媒、及び有機溶媒と接触させて、水性液体相、有機液相、及び沈殿物を含む多重相層を有するスラリーを形成することができる。酸化合物を、プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを含む金属中心化合物と接触させると、酸化合物は、ポリマーと金属中心化合物を脱カップリングし、ハロゲンを金属中心化合物に結合して、ハロゲンを含むルイス酸を形成する。水性溶媒は、有機化合物、プロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマー、無機化合物、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を溶解するように構成されうる。有機溶媒は、ハロゲンを含むルイス酸を溶解するように構成されうる。沈殿物は、水性溶媒又は有機溶媒に不溶の何らかの化合物を含んでもよい。いくつかの例では、沈殿物が形成されない。ポリマーと金属中心化合物を脱カップリングするこの接触ステップでは、成分は、当業者に公知のいかなる撹拌手段によっても撹拌されうる。成分は、約1分以上、約30分以上、又は約45分以上撹拌されうる。成分は、約180分以下、約120分以下、又は約60分以下撹拌されうる。接触ステップは、少なくとも周囲温度及び圧力を含めて周囲条件で行われうる。成分は、有機相、水性相、又はそれらの任意の組合せを形成するのに十分ないずれかの時間接触されうる。相が形成されると、水性相は、有機相が残存するように除去される。水性相は、単純な抽出又は水性相を沈殿物、有機相、若しくは両方から除去するのに十分な他の任意の公知技法によって除去されうる。沈殿物が存在する場合、沈殿物は、組成物が有機溶媒及びハロゲンを含むルイス酸を含むように有機相から濾過されうる。続いて、有機溶媒は、真空濾過などいずれか好適な濾過又は除去ステップによってハロゲンを含むルイス酸から除去されうる。ルイス酸を組成物の他の成分から分離した後、ハロゲンを含むルイス酸を、他の化合物からの干渉なしにカルボニル化触媒を再生するステップにかけることができる。
【0057】
酸化合物が交換樹脂であるとき、酸イオン交換樹脂又はアニオン交換樹脂を使用して、ハロゲンを含むルイス酸を形成することができる。酸イオン交換樹脂は、金属中心化合物とポリマーを脱カップリングし、金属中心化合物を組成物から物理的に分離するように機能する。アニオン交換樹脂は、金属中心化合物のポリマーをハロゲンと交換して、ハロゲンを含むルイス酸を形成するように機能する。
【0058】
酸イオン交換樹脂が使用される場合、酸イオン交換樹脂を使用して、金属中心化合物と結合することができ、続いて別の酸化合物を使用して、ハロゲンを含むルイス酸を形成することができる。金属中心化合物、極性溶媒、及び酸イオン交換樹脂を、金属中心化合物とプロピオラクトンを含むポリマーが切断又は脱カップリングされるように接触させることができ、酸イオン交換樹脂は金属中心化合物と結合することができる。酸イオン交換樹脂は、ビーズ、ゲル、又は固体支持体の形をとることができる。極性溶媒は、無機化合物、有機化合物、又は両方のいずれかなど水性溶解度を有するいかなる成分も溶解するように構成されうる。極性溶媒は、水など水性溶媒でありうる。金属中心化合物及び交換樹脂の組合せは、溶媒に不溶であってよい。濾過又は除去ステップを通して、水性溶媒に溶解した成分及び水性溶媒は、水性溶解度を有しない化合物の沈殿物、例えば金属中心化合物に係留されている酸イオン交換樹脂、いずれか水性溶解度を有しない有機化合物、又は両方が残存するように組成物から除去されうる。続いて、金属中心化合物に係留されている酸イオン交換樹脂をいずれか残存する有機化合物から分離することができ、したがって組成物は金属中心化合物に係留されている酸イオン交換樹脂を含む。一方法は、有機化合物を、非プロトン性溶媒のような有機化合物を溶解するのに適した溶媒に溶解し、重力濾過を通して溶媒及び有機化合物を組成物から濾過するステップを含んでもよい。金属中心化合物に係留されている酸イオン交換樹脂から他の成分を分離した後、別の酸化合物を組成物と接触させて、金属中心化合物を交換樹脂から脱カップリングし、ハロゲンを含むルイス酸が形成されるようにハロゲンを金属中心化合物に送達することができる。ハロゲンを含むルイス酸が形成されると、酸イオン交換樹脂は、金属中心化合物とプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーの追加の脱カップリングステップのために回収及び使用されうる。
【0059】
アニオン交換樹脂を使用する他の例では、アニオン交換樹脂は、金属中心化合物とプロピオラクトン、エポキシド、又は両方の残基を含むポリマーを直接脱カップリングすることができ、ハロゲンを含むルイス酸は、追加の酸化合物を加えることなく形成されうる。この場合、極性溶媒は、組成物が固体支持体であるアニオン交換樹脂を簡単に横断することができるように金属中心化合物及び他の成分を溶解することができる。他の例では、アニオン交換樹脂はビーズであってもよい。言い換えれば、金属中心化合物を溶媒に溶解し、次いでアニオン交換樹脂がプロピオラクトン、エポキシド、若しくは両方の残基を含むポリマー、1種以上の有機化合物、又は両方と結合するようにアニオン交換樹脂上を移動させることができる。アニオン交換樹脂は、組成物が極性溶媒及びハロゲンを含むルイス酸を含むように組成物からポリマー、1種以上の有機化合物、又は両方を分離することができる。金属中心化合物を交換樹脂と接触させて、ハロゲンを含むルイス酸を形成した後、1種以上の有機化合物、ポリマー、又は両方を含むアニオン交換樹脂は、組成物から除去されうる。他の例では、ポリマーを含む金属中心化合物を含む液体組成物は、液体組成物がハロゲンを含むルイス酸を含むように、アニオン交換樹脂が入っている容器に挿入され、容器中のアニオン交換樹脂を通って流れて、ポリマー及びハロゲンを交換して、ハロゲンを含むルイス酸を形成し、容器を出口から出ることができる。アニオン交換樹脂上に捕獲されていない他の成分は、重力濾過、真空濾過、又はそれらの任意の組合せによって除去されうる。アニオン交換樹脂及び組成物を分離した後、溶媒は、真空濾過又はその任意の組合せなど濾過によってハロゲンを含むルイス酸を含む組成物から分離されうる。ハロゲンを含むルイス酸をアニオン交換樹脂の1種から形成した後、ハロゲンを含むルイス酸をカルボニル化触媒を再生する1ステップ以上にかけることができる。
【0060】
酸イオン交換樹脂又はアニオン交換樹脂を使用するどちらの場合にも、接触条件は、金属中心化合物に係留されている酸イオン交換樹脂、ハロゲンを含むルイス酸、又は両方を十分に形成するように以下の通りでありうる。成分は、当業者に公知のいかなる撹拌手段によっても撹拌されうる。成分は、約1分以上、約45分以上、又は約2時間以上撹拌されうる。成分は、撹約24時間以下、約12時間以下、又は約4時間以下拌されうる。接触ステップは、周囲温度及び圧力を含めて周囲条件で行われうる。さらに、金属中心化合物に係留されている酸イオン交換が別の酸化合物と接触されるとき、接触条件は、撹拌、時間、温度、圧力、又はそれらの任意の組合せについては同様でありうる。
【0061】
本明細書で教示された濾過又は除去ステップは、組成物から、再生触媒の形成に干渉するおそれがある望ましくないいずれの成分も除去するように機能する。例えば、溶媒、ポリマー、交換樹脂、未反応の酸化合物、無機化合物、有機化合物、又はそれらの任意の組合せの1つ以上は、カルボニル化触媒がハロゲン又は極性リガンドを含むルイス酸から再生され、無水コハク酸、プロピオラクトン、又はエポキシドの1つ以上について触媒活性を有してもよいように組成物から除去されうる。濾過又は除去ステップは、真空濾過、重力濾過、遠心、デカンテーション、沈殿、相層抽出、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。濾過又は除去ステップは、溶媒、ポリマー、交換樹脂、未反応の酸化合物、無機化合物、有機化合物、又はそれらの任意の組合せの1つ以上、及びハロゲン又は極性リガンドを含むルイス酸、金属中心化合物、又はそれらの任意の組合せを分離するのに十分な任意の方法を利用することができる。濾過又は除去ステップは、沈殿物など単一のタイプの化合物を一度に除去することができ、又は溶媒に溶解しているすべての成分など化合物の集まりを一度に除去することができる。濾過又は除去ステップは、1種以上の有機相、水性相、固相(すなわち、沈殿物)、1つ以上の気相若しくは蒸気相、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含む多重相を形成するステップを含んでもよい。本明細書に記載された1つ以上の分離又は除去ステップ/方法は、金属中心化合物、ハロゲン若しくは極性リガンドを含むルイス酸、又はそれらの任意の組合せを含む組成物から望ましくないいずれの成分も分離又は除去するのに十分ないずれかの温度、圧力、撹拌速度、時間、又はそれらの任意の組合せで行われうる。
【0062】
本明細書に記載された脱カップリングステップの後又は間に、方法は、プロピオラクトン、エポキシド、若しくは両方の残基を含むポリマー、又は金属中心化合物及び/若しくはルイス酸由来のハロゲンを脱カップリング又は切断するように機能する1つ以上の再生ステップを含んでもよい。1つ以上の再生ステップは、金属中心化合物及び/又はルイス酸を、ルイス酸及び金属カルボニルを含む再生カルボニル化触媒に改変するように機能する。
【0063】
再生ステップは、プロピオラクトン、エポキシド、若しくは両方の残基を含むポリマー又はハロゲンを含むルイス酸を含む金属中心化合物を極性リガンド、金属カルボニル添加剤、又は両方と接触させるステップを含んでもよい。金属カルボニル添加剤は、少なくともアニオン性である金属カルボニル、及び金属中心化合物のポリマーを切断し、それと結合するように構成されたカチオン基を含んでもよい。カチオン基は、アルカリ金属、PhSi-、RSi-[式中、Rは、フェニル、ハロフェニル、水素、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、又はそれらの任意の組合せから独立的に選択される]、金属カルボニルをイオン的に結合及び/若しくは平衡させるのに十分な任意の対イオン、又はそれらの任意の組合せの1つ以上でありうる。金属カルボニル添加剤がポリマーを切断又は脱カップリングする例では、ポリマーは、カチオン基とカップリングすることができ、ポリマー及びカチオン基は、本明細書に記載されたいかなる濾過又は除去手段を介しても除去されうる。金属カルボニルがハロゲンを金属中心化合物から切断し、極性化合物と接触される例では、ハロゲンは、金属カルボニル添加剤のカチオン基と結合し、極性化合物を含むルイス酸が形成される。追加のポリマーが、本明細書に記載された他の任意の除去又は分離ステップによって除去されうる。金属カルボニル添加剤がポリマーを切断又は脱カップリングした後、ルイス酸は極性リガンドと組み合わさって、カチオン種を形成することができる。次いで、極性リガンドを含むルイス酸は、金属カルボニル添加剤のアニオン性金属カルボニルと接触し、再生カルボニル化触媒を形成する。極性リガンド、金属カルボニル添加剤、及びハロゲンを含むルイス酸を接触させる例を反応(I)に示す。
【0064】
【化6】
ここで、TPPAl-Cl(テトラフェニルポルフィリンアルミニウムクロリド錯体)は、ハロゲンを含むルイス酸であり、NaCo(CO)は、金属添加剤であり、THF(テトラヒドロフラン)は、極性リガンド及び/又は極性溶媒であり、TPPAl(THF)-Co(CO)は、再生カルボニル化触媒である。触媒を再生するステップは、水分及び酸素を含まない条件下で行われうる。例えば、再生ステップは、不活性雰囲気下にドライグローブボックス内、シュレンクライン上、又は反応器中で行われうる。再生ステップは、窒素、アルゴン、又は他の任意の不活性気体下で行われうる。再生ステップの間に、ルイス酸、極性リガンド、金属カルボニル、又はそれらの任意の組合せは、再生触媒を形成するのに十分な時間撹拌することによって接触及び撹拌されうる。成分を撹拌する時間は、約5分以上、約30分以上、約60分以上でありうる。成分を撹拌する時間は、約24時間以下、約12時間以下、又は約6時間以下でありうる。再生ステップにおける成分は、周囲温度及び/又は圧力下で完成されうる。再生触媒を作製する追加のステップは、US6,852,865B2及びUS8,481,756B1で見ることができ、それらの両方が、参照によりそれらの全体として本明細書に含まれる。
【0065】
酸化合物は、ポリマーを金属中心化合物から切断し、ハロゲンを金属中心化合物に送達するように機能することができる。酸化合物は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、又はそれらの組合せなどのハロゲンを含んでもよい。酸化合物は、ハロゲンを金属中心化合物に送達して、ハロゲンを含むルイス酸を形成することができるいずれの化合物であってもよい。酸化合物は、HF、HCl、HBr、HI、又はそれらの任意の組合せでありうる。水など水性溶媒と混合又は溶解されるとき、酸化合物は、1以上、1.5以上、1.8以上、又は2.0以上のモル濃度を有してもよい。酸化合物は、3.5以下、3.0以下、2.8以下、又は2.5以下のモル濃度を有してもよい。酸化合物は、酸イオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、又は両方などの交換樹脂でありうる。酸イオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、又は両方は、第四級アンモニウム化合物、スルホン酸基、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を含んでもよい。酸イオン交換樹脂、アニオン交換樹脂、又は両方は、ポリスチレンベースのマクロ多孔性スチレン-ジビニルベンゼンコポリマー、又はそれらの任意の組合せでありうる。交換樹脂のいずれも、アニオン性又はカチオン性でありうる。酸化合物は、ポリマーを金属中心化合物から切断又は脱カップリングし、ハロゲン化合物を金属中心化合物に送達して、ハロゲンを含むルイス酸を形成するのに十分ないかなる化合物であってもよい。酸化合物は、RSi[式中、Rは、フェニル、ハロフェニル、水素、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、又はそれらの任意の組合せから独立的に選択される]に対応する構造を有する1個以上のカチオン性三置換シリル基、及び1個以上のアニオン性金属基を含む金属カルボニル添加剤でありうる。
【0066】
本明細書に記載されたカルボニル化触媒は、エポキシドと一酸化炭素の反応を触媒して、1種以上のプロピオラクトン及び他の生成物を生成するように機能する。カルボニル化触媒は、少なくともアニオン性である金属カルボニル及びカチオン性であるルイス酸を含む。
【0067】
カルボニル化触媒の金属カルボニルは、カルボニル化触媒のアニオン成分を提供するように機能する。カルボニル化触媒は、1種以上、2種以上、又は混合物の金属カルボニルを含んでもよい。金属カルボニルは、エポキシドを開環し、得られた金属炭素結合へのCOの挿入を促進することができる可能性がある。いくつかの例では、金属カルボニルは、アニオン性金属カルボニル部分を含んでもよい。他の例では、金属カルボニル化合物は、中性金属カルボニル化合物を含んでもよい。金属カルボニルは、金属カルボニルヒドリド又はヒドリド金属カルボニル化合物を含んでもよい。金属カルボニルは、1種以上の反応成分とインサイチュで反応して、最初に用意された化合物と異なる活性種を提供するプレ触媒でありうる。金属カルボニルは、アニオン性金属カルボニル種を含む。いくつかの例では、金属カルボニルは、一般式[QM’(CO)y+[式中、Qは任意選択のリガンドであり、M’は金属原子であり、dは、0と8を含めて0~8の整数であり、eは、1と6を含めて1~6の整数であり、wは、安定なアニオン性金属カルボニル錯体を提供するような数値であり、yは、アニオン性金属カルボニル種の電荷である]を有してもよい。金属カルボニルは、周期表5族、7族若しくは9族の金属のモノアニオン性カルボニル錯体又は周期表4族若しくは8族の金属のジアニオン性カルボニル錯体を含んでもよい。金属カルボニルは、コバルト、マンガン、ルテニウム、又はロジウムを含んでもよい。例示的な金属カルボニルには、[Co(CO)、[Ti(CO)e]2-、[V(CO)、[Rh(CO)、[Fe(CO)2-、[Ru(CO)2-、[Os(CO)2-、[Cr(CO)102-、[Fe(CO)2-、[Tc(CO)、[Re(CO)、及び[Mn(CO)が含まれうる。金属カルボニルは、方法で使用されたカルボニル化触媒において2種以上のアニオン性金属カルボニル錯体の混合物でありうる。
【0068】
金属カルボニル添加剤は、組み合わせるのに適したルイス酸に金属カルボニルを送達し、再生カルボニル化触媒を形成するように機能する。金属カルボニル添加剤は、ハロゲン又はプロピオラクトン、エポキシド、若しくは両方の残基を含むポリマーを金属中心化合物から脱カップリングして、ルイス酸及び金属カルボニルの組合せを含む再生カルボニル化触媒を形成するように機能することができる。金属カルボニル添加剤は、少なくとも本明細書に記載された金属カルボニル及びカチオン化合物を含む。カチオン化合物には、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム、又はそれらの任意の組合せが含まれうる。金属カルボニル添加剤は塩でありうる。金属カルボニル添加剤は、RSi-[式中、Rは、フェニル、ハロフェニル、水素、アルキル、アルキルハロ、アルコキシ、又はそれらの任意の組合せから独立的に選択される]の形をしたケイ素塩でありうる。
【0069】
ルイス酸は、カルボニル化触媒のカチオン成分を提供するように機能する。ルイス酸は、1種以上の金属カルボニルによってアニオン的に平衡させるように構成されている金属中心化合物、金属錯体、又は両方でありうる。カルボニル化触媒のルイス酸成分は、ジアニオン性四座リガンドを含んでもよい。ルイス酸には、1種以上のポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アンヌレン(tmtaa)誘導体、フタロシアニネート誘導体、Trostリガンドの誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、テトラメチル-テトラ-アザ-アンヌレン型、及びコロール誘導体が含まれうる。いくつかの例では、開示された方法において使用されたカルボニル化触媒が金属錯体を含めてカチオン性ルイス酸を含む場合、金属錯体は、式[(LZ+[式中、
Lは、リガンドであり、2つ以上のLが存在するとき、それぞれが同じでも異なってもよく、
Mは、金属原子であり、2つのMが存在するとき、それぞれが同じでも異なってもよく、
vは、1と4を含めて1~4の整数であり、
bは、1と2を含めて1~2の整数であり、
zは、金属錯体のカチオン電荷を表す、0より大きい整数である]を有する。
【0070】
他の例では、ルイス酸又は金属中心化合物は、金属錯体I又はIIの構造を有してもよい。ルイス酸が金属錯体Iを有する場合、金属錯体は、次の構成:
【0071】
【化7】
[式中、
【0072】
【化8】
は、多座リガンドであり、
Mは、多座リガンドに配位している金属原子であり、
aは、金属原子の電荷であり、0~2に及ぶ。いくつかの実施形態において、提供された金属錯体は、金属錯体IIに一致する]でありうる。
【0073】
他の例では、ルイス酸は、金属錯体IIの式:
【0074】
【化9】
[式中、aは以上に定義された通りであり(aはそれぞれ同じでも異なってもよく)、
M1は、第1の金属原子であり、
M2は、第2の金属原子であり、
【0075】
【化10】
は、両金属原子を配位させることができる多座リガンド系を含む]を有する金属錯体を有してもよい。
【0076】
本開示の脱カップリング、分離、除去、及び再生ステップでは、溶媒は、本明細書で述べられた成分の1種以上を溶解又は沈殿させるように機能することができる。溶媒は、本明細書で述べられたいずれかの溶媒又は溶媒の混合物から選択されうる。溶媒は、極性、非極性、非プロトン性、プロトン性、水性、有機溶媒、又はそれらの任意の組合せでありうる。
【0077】
溶媒は、1種以上のプロトン性要素を欠く1種以上の化合物を溶解するように機能する非プロトン性溶媒でありうる。例えば、非プロトン性溶媒は、1種以上の有機化合物、ポリマーを含む金属化合物、又は両方を溶解するように構成されうる。非プロトン性溶媒は、1種以上のラクトンをカルボニル化反応の生成物流れから分離することができる。非プロトン性溶媒は、1種以上の他の非極性又は極性溶媒に可溶でありうる。非プロトン性溶媒は、カルボン酸、ラクトン、又はそれらの任意の組合せの1つ以上について不溶性でありうる。非プロトン性溶媒は、組成物の揮発性成分(例えば、ラクトン)の濾過又は除去を促進する高沸点溶媒でありうる。非プロトン性溶媒を、非プロトン性溶媒に混和可能な第2の溶媒と組み合わせて、第2の溶媒に不溶な成分を沈殿させることができる。非プロトン性溶媒は、水性相層、沈殿物、又は両方とは異なる有機相層を形成するように選択されうる。非プロトン性溶媒は、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、スルホラン、トルエン、ピリジン、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタン、若しくはラクトンを組成物から分離することができる他の任意のヒドロカルビル、又はそれらの任意の組合せの1つ以上でありうる。
【0078】
溶媒は、極性の特徴を有する、組成物の1種以上の成分を溶解するように機能する極性溶媒でありうる。極性溶媒は、ルイス酸を溶解し、ルイス酸の金属中心を配位させるように機能することができる。極性溶媒は、1種以上の他の非プロトン性又はプロトン性溶媒に混和可能でありうる。極性溶媒は、1種以上の第2の溶媒に混和可能であり、第2の溶媒に溶解している成分に不溶であり、そのため第2の溶媒に溶解している成分が沈殿されるように構成されうる。極性溶媒は、無機成分、有機化合物、ポリマーを含む金属中心化合物、ルイス酸、金属カルボニル、金属カルボニル添加剤、又はそれらの任意の組合せの1つ以上を溶解することができる。極性溶媒は、別の水性相層、別の有機相層、沈殿物、又は異なる相層のいくつかの組合せとは異なる水性相層又は有機相層を形成するように選択されうる。極性溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、スルホラン、ピリジン、ジエチルエーテル、1,4-ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、アセトン、ジクロロメタン、又はそれらの任意の組合せの1つ以上でありうる。
【0079】
いくつかの技法が、本開示の教示を示すように理論化された。各教示は、本開示の例に過ぎず、教示をいずれか単一の技法に限定するものではない。
【0080】
図1は、ポルフィリン122を生成するポルフィリン系及びプロセス100を示す。プロセス100は、溶媒112、塩108、ピロール又は置換ピロール102及び脂肪族又は芳香族アルデヒド104を容器110に混ぜ込むことから始まる。次いで、触媒106を容器110に添加し、ポルフィリノーゲン114を形成する。ポルフィリノーゲン114をステップ120で酸化剤116と反応させて、ポルフィリン122を形成する。
【0081】
図2は、カルボニル化触媒208をポルフィリン122から形成する触媒合成系及びプロセス200を示す。ポルフィリン122を金属化剤202と組み合わせ、中間成分204を形成し、金属カルボニル206と反応させて、カルボニル化触媒208を形成する。
【0082】
図3は、ポリアクリル酸及び/又は超吸収性ポリマーを創造するポリアクリル酸及び/又は超吸収性ポリマー系及び方法300を示す。系及び方法300は、ポルフィリン122を形成し、ポルフィリンをカルボニル化触媒208に変換することから始まる。カルボニル化触媒208を、中心の反応器302中でエチレンオキシド304及び一酸化炭素306と混合する。β-プロピオラクトン308は、中心の反応器302から流れ出る。β-プロピオラクトン308は、熱分解310を受け、氷アクリル酸312に変換される。代替的に、β-プロピオラクトン308は、開環したβ-プロピオラクトン及び/又は置換β-プロピオラクトン単位を有し、ポリマー鎖の一端でアニオンの残基がポリマー鎖のその一端に共有結合している1本以上のポリマー鎖を含む超吸収性ポリマー314に変換される。
【0083】
実施形態列挙
変形1は、(a)溶媒、塩、ピロール又は置換ピロール、及び脂肪族又は芳香族アルデヒドを容器中で組み合わせるステップ;(b)容器に触媒を投入して、ピロール又は置換ピロールのポルフィリノーゲンを形成するステップ;並びに(c)ピロール又は置換ピロールの形成されたポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、ポルフィリンを形成するステップを含む方法であって、ポルフィリンが、ヘテロ環からの脂肪族又は芳香族アルデヒドのペンダントに由来する脂肪族又は芳香族基を有するピロール又は置換ピロールの残基を含む、方法を含んでもよい。
【0084】
変形2は、触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、TeCl、CCOH、GeI、BEtからなる群から選択される1つ以上である、変形1の方法を含んでもよい。
【0085】
変形3は、触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、又はTeClからなる群から選択される1つ以上である、変形1又は2の方法を含んでもよい。
【0086】
変形4は、触媒が、BF-エーテラート、TFA、又はp-CHSOH・HOからなる群から選択される1つ以上である、変形1~3のいずれかの方法を含んでもよい。
【0087】
変形5は、触媒が、三フッ化ホウ素エーテラートである、変形1~4のいずれかの方法を含んでもよい。
【0088】
変形6は、塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、KI、NaSO、MgSO、CaSO、NaBF、MeNBF、又はKFからなる群から選択される塩の1つ以上である、変形1~5のいずれかの方法を含んでもよい。
【0089】
変形7は、塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、パラコート2Cl-、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、又はKIからなる群から選択される塩の1つ以上である、変形1~6のいずれかの方法を含んでもよい。
【0090】
変形8は、塩が、NaCl、MeNCl、又はNaBPhからなる群から選択される塩の1つ以上である、変形1~7のいずれかの方法を含んでもよい。
【0091】
変形9は、塩が金属塩である、変形1~8のいずれかの方法を含んでもよい。
【0092】
変形10は、金属塩が、Cl-、PhB-、Br-、又はI-からなる群から選択されるアニオンを含む、変形1~9のいずれかの方法を含んでもよい。
【0093】
変形11は、塩が塩化ナトリウムである、変形1~10のいずれかの方法を含んでもよい。
【0094】
変形12は、溶媒がハロゲン化溶媒である、変形1~11のいずれかの方法を含んでもよい。
【0095】
変形13は、溶媒が、周囲温度を超える沸点を有する、変形1~12のいずれかの方法を含んでもよい。
【0096】
変形14は、溶媒がジクロロメタンである、変形1~13のいずれかの方法を含んでもよい。
【0097】
変形15は、酸化剤がペルオキシドである、変形1~14のいずれかの方法を含んでもよい。
【0098】
変形16は、ペルオキシドがヒドロペルオキシドである、変形1~15のいずれかの方法を含んでもよい。
【0099】
変形17は、酸化剤が、過酸化水素又はtert-ブチルヒドロペルオキシドである、変形1~16のいずれかの方法を含んでもよい。
【0100】
変形18は、触媒が添加される前に、ピロール又は置換ピロール、脂肪族又は芳香族アルデヒド、塩、及び溶媒が混合される、変形1~17のいずれかの方法を含んでもよい。
【0101】
変形19は、ポルフィリノーゲンが、触媒と混合される、変形1~18のいずれかの方法を含んでもよい。
【0102】
変形20は、ポルフィリノーゲンが、約5分間以上約15分間以下混合される、変形1~19のいずれかの方法を含んでもよい。
【0103】
変形21は、ポルフィリノーゲンが、酸化剤と8時間以上24時間以下混合される、変形1~20のいずれかの方法を含んでもよい。
【0104】
変形22は、室温で行われる、変形1~21のいずれかの方法を含んでもよい。
【0105】
変形23は、ポルフィリノーゲンと混合される前に、酸化剤を極性非プロトン性溶媒で抽出するステップをさらに含む、変形1~22のいずれかの方法を含んでもよい。
【0106】
変形24は、過酸化水素水性溶液を極性非プロトン性溶媒で抽出して、水を除去し、無水ペルオキシド溶液を形成するステップをさらに含む、変形1~23のいずれかの方法を含んでもよい。
【0107】
変形25は、溶媒がエーテルであり、又は好ましくはジエチルエーテルである、変形1~24のいずれかの方法を含んでもよい。
【0108】
変形26は、ポルフィリンが、テトラフェニルポルフィリンを含む、変形1~25のいずれかの方法を含んでもよい。
【0109】
変形27は、ポルフィリンを金属化剤と接触させるステップをさらに含む、変形1~26のいずれかの方法を含んでもよい。
【0110】
変形28は、金属化剤が、アルミニウム又はクロム化合物である、変形1~27のいずれかの方法を含んでもよい。
【実施例
【0111】
以下の実施例は、本発明を例示するために記載されているが、その範囲を限定するものではない。すべての部及び百分率は、別段の指示がない限り重量による。
【0112】
[実施例1]
250mLのフラスコをオーブン乾燥した。フラスコに、58mgのNaCl(1mmol、0.4当量)、100mLのジクロロメタン、0.7mLの蒸留したてのピロール(10mmol、4当量)、及び1.0mLのベンズアルデヒド(10mmol、4当量)を投入し、混合物を形成する。混合物を5分間撹拌し、反応混合物を形成した。混合物を撹拌した後、BF-エーテラート(1mmol、0.4当量)を反応混合物に添加し、反応混合物を10分間撹拌した。撹拌された反応混合物に、10mLの過酸化水素溶液(30重量%、40当量、0.10mol)を一度に投入し、次いで18時間撹拌した。反応混合物をシリカプラグで濾過し、次いで真空中で濃縮した。20mLのMeOHを用いて、固体を粉末にし、濾過し、MeOHで洗浄して、紫色結晶性固体を得た。
【0113】
【化11】
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-12-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.溶媒、塩、ピロール又は置換ピロール、及び脂肪族又は芳香族アルデヒドを容器中で組み合わせるステップ;
b.容器に触媒を投入して、ピロール又は置換ピロールのポルフィリノーゲンを形成するステップ;並びに
c.ピロール又は置換ピロールの形成されたポルフィリノーゲンを酸化剤で酸化して、ポルフィリンを形成するステップ、ここで、酸化剤はペルオキシドである、
を含む方法であって、ポルフィリンが、ヘテロ環からの脂肪族又は芳香族アルデヒドのペンダントに由来する脂肪族又は芳香族基を有するピロール又は置換ピロールの残基を含み、ポルフィリンがヒドロキノン副生成物を含まない、方法。
【請求項2】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、TeCl、CCOH、GeI、BEtからなる群から選択される1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、p-CHSOH・HO、CHSOH、SbF、GeBr、PBr、BBr、TiBr、CClCOH、CuCl、AlCl、MgBr、TiCl、GaCl、SnCl、FeCl、HCl、SiCl、BCl、又はTeClからなる群から選択される1つ以上である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
触媒が、BF-エーテラート、TFA、又はp-CHSOH・HOからなる群から選択される1つ以上である、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
触媒が、三フッ化ホウ素エーテラートである、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、KI、NaSO、MgSO、CaSO、NaBF、MeNBF、又はKFからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
塩が、LiCl、NaCl、KCl、CsCl、MgCl、CaCl、パラコート2Cl、NHCl、MeNCl、NaBPh、BaBr、又はKIからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
塩が、NaCl、MeNCl、又はNaBFからなる群から選択される塩の1つ以上である、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
塩が金属塩である、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
金属塩が、Cl-、PhB-、Br-、又はI-からなる群から選択されるアニオンを含む、請求項1~のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
塩が塩化ナトリウムである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
溶媒がハロゲン化溶媒である、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
溶媒が、周囲温度を超える沸点を有する、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
溶媒がジクロロメタンである、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
ペルオキシドがヒドロペルオキシドである、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
酸化剤が、過酸化水素又はtert-ブチルヒドロペルオキシドである、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
触媒が添加される前に、ピロール又は置換ピロール、脂肪族又は芳香族アルデヒド、塩、及び溶媒が混合される、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
ポルフィリノーゲンが、触媒と混合される、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
ポルフィリノーゲンが、約5分間以上約15分間以下混合される、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
ポルフィリノーゲンが、酸化剤と8時間以上24時間以下混合される、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
室温で行われる、請求項1~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
ポルフィリノーゲンと混合される前に、酸化剤を極性非プロトン性溶媒で抽出するステップをさらに含む、請求項1~21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
過酸化水素水性溶液を極性非プロトン性溶媒で抽出して、水を除去し、無水ペルオキシド溶液を形成するステップをさらに含む、請求項1~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
溶媒がエーテルであり、又は好ましくはジエチルエーテルである、請求項1~23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
ポルフィリンが、テトラフェニルポルフィリンを含む、請求項1~24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
ポルフィリンを金属化剤と接触させるステップをさらに含む、請求項1~25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
金属化剤が、アルミニウム又はクロム化合物である、請求項1~26のいずれかに記載の方法。
【国際調査報告】