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特表2024-513436近接度センサデータと慣性センサデータとの組合せを使用する拡張された電波暴露軽減
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】近接度センサデータと慣性センサデータとの組合せを使用する拡張された電波暴露軽減
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/3827 20150101AFI20240315BHJP
   H04M 1/725 20210101ALI20240315BHJP
【FI】
H04B1/3827 120
H04M1/725
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561207
(86)(22)【出願日】2022-03-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2022071049
(87)【国際公開番号】W WO2022217182
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17/224,715
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507364838
【氏名又は名称】クアルコム,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト・リミーニ
(72)【発明者】
【氏名】ウダラ・フェルナンド
【テーマコード(参考)】
5K011
5K127
【Fターム(参考)】
5K011EA03
5K011GA05
5K011JA01
5K011KA13
5K127AA16
5K127BA03
5K127JA25
5K127JA26
5K127MA17
(57)【要約】
開示するいくつかのデバイスは、慣性センサシステムと、近接度センサシステムと、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、制御システムとを含む。制御システムは、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御するように構成されてよい。いくつかの例では、制御システムは、デバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接している(たとえば、その人のポケットの中にある)ことを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御するように構成されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの慣性センサを含む慣性センサシステムと、
少なくとも1つの近接度センサを含む近接度センサシステムと、
無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、
制御システムとを備え、前記制御システムが、
前記慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、
前記慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて前記近接度センサシステムおよび前記アンテナシステムを制御するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記制御システムが、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを決定し、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化するようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記制御システムが、前記アンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装置が前記人の身体に接しているかどうかを決定することが、前記装置の少なくとも一部が前記人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記制御システムが、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを決定し、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示さないことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得し、
ターゲット物体が前記装置に近接していることを前記近接度センサ信号が示すかどうかを決定し、
前記ターゲット物体が前記装置に近接していることを前記制御システムが決定するかどうかに従って前記アンテナシステムの送信電力を制御するようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記近接度センサシステムが少なくとも1つのレーダーセンサを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記アンテナシステムが、6ギガヘルツ以上の周波数において少なくともいくつかの無線信号を送信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アンテナシステムが、ビームフォーミングされた無線信号を送信するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記制御システムが、
加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を前記慣性センサデータが示すかどうかを決定し、
前記加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御システムが、
前記慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定し、
前記慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記制御システムが、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを、前記制御システムを介して実施し、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記慣性センサシステムが少なくとも1つの加速度計または少なくとも1つのジャイロスコープを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
モバイルデバイスである、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
モバイルデバイスを制御する方法であって、
前記モバイルデバイスの制御システムによって前記モバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信するステップと、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを前記制御システムによって決定するステップと、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記モバイルデバイスの近接度センサシステムおよびアンテナシステムを前記制御システムによって制御するステップと
を備える方法。
【請求項15】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを前記制御システムによって非アクティブ化するステップをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記アンテナシステムの送信電力を下げるステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記モバイルデバイスが前記人の身体に接しているかどうかを決定するステップが、前記モバイルデバイスの少なくとも一部が前記人のポケット内にあるかどうかを決定するステップを伴う、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示さないことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得するステップと、
ターゲット物体が前記モバイルデバイスに近接していることを前記近接度センサ信号が示すかどうかを決定するステップと、
前記ターゲット物体が前記モバイルデバイスに近接していることを前記制御システムが決定するかどうかに従って前記アンテナシステムの送信電力を制御するステップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を前記慣性センサデータが示すかどうかを決定するステップと、
前記加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるステップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定するステップと、
前記慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるステップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施するステップと、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化し前記アンテナシステムの送信電力を下げるステップと
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
その上に記憶されたソフトウェアを有する1つまたは複数の非一時的媒体であって、前記ソフトウェアが、モバイルデバイスを制御する方法を実施するための命令を含み、前記方法が、
前記モバイルデバイスの制御システムによって前記モバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することと、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを前記制御システムによって決定することと、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、前記モバイルデバイスの近接度センサシステムおよびアンテナシステムを前記制御システムによって制御することとを備える、
1つまたは複数の非一時的媒体。
【請求項23】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記方法が、前記近接度センサシステムを前記制御システムによって非アクティブ化することを伴う、請求項22に記載の1つまたは複数の非一時的媒体。
【請求項24】
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御システムが決定する場合、前記方法が、前記アンテナシステムの送信電力を下げることを伴う、請求項22に記載の1つまたは複数の非一時的媒体。
【請求項25】
前記モバイルデバイスが前記人の身体に接しているかどうかを決定することが、前記モバイルデバイスの少なくとも一部が前記人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う、請求項22に記載の1つまたは複数の非一時的媒体。
【請求項26】
前記方法が、
前記モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示さないことを前記制御システムが決定する場合、前記近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することと、
ターゲット物体が前記モバイルデバイスに近接していることを前記近接度センサ信号が示すかどうかを決定することと、
前記ターゲット物体が前記モバイルデバイスに近接していることを前記制御システムが決定するかどうかに従って前記アンテナシステムの送信電力を制御することとを伴う、
請求項22に記載の1つまたは複数の非一時的媒体。
【請求項27】
少なくとも1つの慣性センサを含む慣性センサシステムと、
少なくとも1つの近接度センサを含む近接度センサシステムと、
無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、
制御手段であって、
前記慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、
前記慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて前記近接度センサシステムおよび前記アンテナシステムを制御するための、制御手段と
を備える装置。
【請求項28】
前記制御手段が、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すかどうかを決定し、
前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御手段が決定する場合、前記近接度センサシステムを非アクティブ化するための手段を含む、
請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記制御手段が、前記装置が保持されていること、携帯されていること、または前記人の身体に接していることを前記慣性センサデータが示すことを前記制御手段が決定する場合、前記アンテナシステムの送信電力を下げるための手段を含む、請求項28に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2021年4月7日に出願された「ENHANCED RADIO WAVE EXPOSURE MITIGATION USING A COMBINATION OF PROXIMITY & INERTIAL SENSOR DATA」と題する米国特許出願第17/224,715号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に、セルラーシステムのために使用される無線周波数への人体暴露を制御するためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
第5世代(5G)セルラーシステムは、大きい帯域幅の利用可能性を活用するために、またそれによって、かつてないデータレートを達成するために、ミリ波(mmW)領域の中の周波数帯域を含む、電磁スペクトルの様々な高周波数帯域を使用する。6GHz以上における無線送信は、連邦通信委員会(FCC)の最大許容暴露(MPE:Maximum Permissible Exposure)要件に準拠する必要があり、それは1mW/cm2という制限を設定する。電磁スペクトルの高周波数帯域への人体暴露を制御するための既存の方法はメリットを有するが、改善された方法およびデバイスを開発することが望ましいことになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のシステム、方法、およびデバイスは各々、いくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様はいずれも、本明細書で開示する望ましい属性を単独で担うものではない。
【0005】
本開示で説明する主題の1つの発明的態様は、装置において実施され得る。装置は、慣性センサシステム、近接度センサシステム、アンテナシステム、ならびに慣性センサシステム、近接度センサシステム、およびアンテナシステムとの通信用に構成されている制御システムを含んでよい。慣性センサシステムは1つまたは複数の慣性センサを含んでよい。アンテナシステムは無線信号を送信および受信するように構成されてよい。いくつかの実装形態では、モバイルデバイスは、本明細書で開示するような装置であってよくまたはそれを含んでもよい。
【0006】
制御システムは、1つまたは複数の汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの組合せを含んでよい。いくつかの例によれば、制御システムは、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御するように構成されてよい。
【0007】
いくつかの例では、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するように構成されてよい。そのようないくつかの例では、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化するように構成されてよい。いくつかの例では、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げるように構成されてよい。いくつかの事例では、装置が人の身体に接しているかどうかを決定することは、装置の少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴ってよい。
【0008】
いくつかの例によれば、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定し、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得するように構成されてよい。そのようないくつかの例では、制御システムは、ターゲット物体が装置に近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定し、ターゲット物体が装置に近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御するように構成されてよい。
【0009】
いくつかの実装形態では、慣性センサシステムは少なくとも1つの加速度計または少なくとも1つのジャイロスコープを含んでよい。いくつかの実装形態によれば、近接度センサシステムは少なくとも1つのレーダーセンサを含んでよい。いくつかの例では、アンテナシステムは、6ギガヘルツ以上の周波数において少なくともいくつかの無線信号を送信するように構成されてよい。いくつかの実装形態によれば、アンテナシステムは、ビームフォーミングされた無線信号を送信するように構成されてよい。
【0010】
いくつかの例では、制御システムは、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定し、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しかつ/またはアンテナシステムの送信電力を下げるように構成されてよい。いくつかの実装形態によれば、制御システムは、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定し、慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しかつ/またはアンテナシステムの送信電力を下げるように構成されてよい。
【0011】
いくつかの例によれば、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを、制御システムを介して実施するように構成されてよい。そのようないくつかの実装形態では、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しかつ/またはアンテナシステムの送信電力を下げるように構成されてよい。
【0012】
本開示で説明する主題のさらに他の発明的態様は、モバイルデバイスを制御する方法において実施され得る。方法は、モバイルデバイスの制御システムによってモバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することを伴ってよい。方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを制御システムによって決定することを伴ってよい。方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイスの近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御システムによって制御することを伴ってよい。
【0013】
いくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを制御システムによって非アクティブ化することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。いくつかの例によれば、モバイルデバイスが人の身体に接しているかどうかを決定することは、モバイルデバイスの少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴ってよい。
【0014】
いくつかの例では、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することを伴ってよい。いくつかの例によれば、方法は、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御することを伴ってよい。
【0015】
いくつかの例によれば、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0016】
いくつかの事例では、方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0017】
いくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0018】
本明細書で説明する動作、機能、および/または方法の一部または全部は、非一時的媒体上に記憶された命令(たとえば、ソフトウェア)に従って1つまたは複数のデバイスによって実行されてよい。そのような非一時的媒体は、限定はしないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイスなどを含む、本明細書で説明するものなどのメモリデバイスを含んでよい。したがって、本開示で説明する主題のいくつかの発明的態様は、その上に記憶されたソフトウェアを有する非一時的媒体において実施され得る。
【0019】
たとえば、ソフトウェアは、方法を実行するように1つまたは複数のデバイスを制御するための命令を含んでよい。方法は、モバイルデバイスの制御システムによってモバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することを伴ってよい。方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを制御システムによって決定することを伴ってよい。方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイスの近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御システムによって制御することを伴ってよい。
【0020】
いくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを制御システムによって非アクティブ化することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。いくつかの例によれば、モバイルデバイスが人の身体に接しているかどうかを決定することは、モバイルデバイスの少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴ってよい。
【0021】
いくつかの例では、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することを伴ってよい。いくつかの例によれば、方法は、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御することを伴ってよい。
【0022】
いくつかの例によれば、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定することを伴ってよい。いくつかの例では、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0023】
いくつかの事例では、方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0024】
いくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0025】
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付図面および以下の説明に記載される。他の特徴、態様、および利点が、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなろう。以下の図の相対的な寸法が、一定の縮尺で描かれていない場合があることに留意されたい。様々な図面における同様の参照番号および名称は、概して、同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】開示するいくつかの実装形態による装置の例示的な構成要素を示すブロック図である。
図2図1の装置のモバイルデバイス実装形態の一例を示す図である。
図3A図1の装置のさらなる例を示す図である。
図3B図1の装置のさらなる例を示す図である。
図4】一例による方法のブロックを示すフロー図である。
図5】様々な使用事例に対応する慣性センサデータの例を示すグラフである。
図6】様々な使用事例に対応する慣性センサデータの例を示すグラフである。
図7】様々な使用事例に対応する慣性センサデータの例を示すグラフである。
図8】様々な使用事例に対応する慣性センサデータの例を示すグラフである。
図9】一例によるモバイルデバイスを制御する方法のブロックを示すフロー図である。
図10】電磁界摂動に基づく近接度検出のための例示的な動作環境1000を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、本開示の発明的態様を説明する目的のために、いくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示が多くの異なる方法で適用され得ることが、当業者には容易に認識されよう。説明する実装形態は、本明細書で開示するものなどの複数の送信機/受信機ペアを含む任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実施されてよい。加えて、説明する実装形態が、限定はしないが、モバイル電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、スマートカード、ブレスレット、アームバンド、リストバンド、リング、ヘッドバンド、パッチなどのウェアラブルデバイス、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドコンピュータまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、(MP3プレーヤなどの)デジタルメディアプレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取りデバイス(たとえば、電子リーダー)、モバイルヘルスデバイス、コンピュータモニタ、自動車用ディスプレイ(走行距離計ディスプレイおよび速度計ディスプレイなどを含む)、コックピット制御装置および/またはディスプレイ、(車両における後方視野カメラのディスプレイなどの)カメラ視野ディスプレイ、電子写真、街頭ビジョンまたは電子看板、プロジェクタ、建築構造、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯/乾燥機、駐車メータ、(微小電気機械システム(MEMS)適用例を含む電気機械システム(EMS)適用例、ならびに非EMS適用例におけるものなどの)パッケージング、(宝石または衣服上への画像の表示などの)美的構造、ならびに様々なEMSデバイスなどの、様々な電子デバイスの中に含まれる場合があるかまたはそうした電子デバイスに関連する場合があることが企図される。本明細書の教示はまた、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、家庭用電子機器用の慣性構成要素、家庭用電化製品の部品、ステアリングホイールまたは他の自動車部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、および電子試験機器などの適用例において使用されてよい。したがって、本教示は、単に図に示される実装形態に限定されることは意図されず、代わりに、当業者に容易に明らかなような広い適用可能性を有する。
【0028】
たとえば、セルラー電話などのデバイスが大きい送信電力で送信しているとき、最大許容暴露(MPE)制限を超える場合がある。この潜在的な有害問題を克服するために、本譲受人によって開発されたいくつかの5Gトランシーバは、近くのターゲットの存在を検出するための近接度センサを含む。近くのターゲットが検出される場合、そのようないくつかのデバイスは、それらの送信電力レベルを低減するように構成される。
【0029】
そのようなデバイスは、概して、近接度センサを含むデバイスに対して移動している近くのターゲットを検出することが可能である。しかしながら、そのようないくつかの近接度センサが装備されたデバイスは、セルラー電話がユーザによっていつ保持されているのか、またはセルラー電話がいつユーザの身体に接しているのか(たとえば、ユーザのポケットの中にあるのか)を決定することが可能でない。これらの制限は、MPE制限を超える人体暴露を潜在的にもたらす場合がある。
【0030】
開示するいくつかのデバイスは、慣性センサシステムと、近接度センサシステムと、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、制御システムとを含む。制御システムは、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、デバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接している(たとえば、その人のポケットの中にある)ことを慣性センサデータが示すかどうかを決定するように構成されてよい。いくつかの例では、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げるように構成されてよい。いくつかの例によれば、制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化するように構成されてよい。
【0031】
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施されてよい。開示するいくつかの実装形態は、アンテナシステム送信電力がその間にMPE制限を超える暴露をもたらす場合がある追加のインスタンスを検出することによって、ユーザ安全性を拡張することができる。開示するいくつかの実装形態はまた、ユーザの身体部分がデバイスの近くにあるかどうかを近接度センサシステムが決定できないことがある時間の間、近接度センサシステムを非アクティブ化することによって、電力消費を低減してよい。
【0032】
図1は、開示するいくつかの実装形態による装置の例示的な構成要素を示すブロック図である。この例では、装置101は、アンテナシステム102、慣性センサシステム103、近接度センサシステム105、および制御システム106を含む。装置101のいくつかの実装形態は、インターフェースシステム104を含んでよい。いくつかの例では、装置101は、制御システム106が含むことがある任意のメモリに加えて、メモリ108を含んでよい。
【0033】
アンテナシステム102の様々な例が本明細書で開示される。いくつかの例では、アンテナシステム102は、ミリ波(mmWave)信号を送信および/または受信するように構成されているアンテナを介して実施され得る。アンテナシステム102のいくつかの例は、たとえば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))第5世代ニューラジオ(5G NR)リリース15および16に記載されるように、5G通信システムにおける使用のために構成可能であってよい。いくつかの例では、アンテナシステム102は、6ギガヘルツ(GHz)以上の周波数において少なくともいくつかの無線信号を送信するように構成されてよい。たとえば、そのようないくつかのアンテナは、たとえば、制御システム106からの命令に従って、ビームフォーミングされた無線信号を送信するように構成されてよい。開示するいくつかのアンテナシステム102は、回路基板上に直接プリントされ得るマイクロストリップアンテナ(「パッチ」アンテナとも呼ばれる)を含んでよい。
【0034】
アンテナシステム102の他の実装形態は、1つもしくは複数の他の好適なタイプのアンテナを含んでよく、かつ/または異なる目的のために構成可能であってよい。たとえば、いくつかの実装形態では、アンテナシステム102は、mmWaveレーダーに基づく近接度センサシステムまたは物体位置推定システムとして構成されてよい。そのようないくつかの実装形態は、別個の近接度センサシステム105を含まないことがある。そのようないくつかの例では、制御システムは、装置に近接している物体からの第1の反射に対する第1のラウンドトリップ時間をアンテナシステム102の第1の送信機/受信機ペアを介して取得し、物体からの第2の反射に対する第2のラウンドトリップ時間をアンテナシステム102の第2の送信機/受信機ペアを介して取得するように構成されてよい。制御システムは、第1のラウンドトリップ時間および第2のラウンドトリップ時間に少なくとも部分的に基づいて物体の位置を決定するように構成されてよい。いくつかの実装形態では、制御システムは、第1のラウンドトリップ時間に基づいて第1の楕円を決定し、第2のラウンドトリップ時間に基づいて第2の楕円を決定し、第1の楕円と第2の楕円との交点を決定するように構成されてよい。物体の位置は、第1の楕円と第2の楕円との交点に少なくとも部分的に基づいてよい。そのようないくつかの実装形態によれば、制御システムは、物体からの第3の反射に対する第3のラウンドトリップ時間を第3の送信機/受信機ペアを介して取得し、第1のラウンドトリップ時間、第2のラウンドトリップ時間、および第3のラウンドトリップ時間に少なくとも部分的に基づいて、物体の位置を決定するように構成されてよい。いくつかの例によれば、制御システムは、第1のラウンドトリップ時間に基づいて第1の楕円体を決定し、第2のラウンドトリップ時間に基づいて第2の楕円体を決定し、第3のラウンドトリップ時間に基づいて第3の楕円体を決定し、第1の楕円体、第2の楕円体、および第3の楕円体の交点を決定するように構成されてよい。物体の位置は、第1の楕円体、第2の楕円体、および第3の楕円体の交点に少なくとも部分的に基づいてよい。図10を参照しながら追加の例が以下で説明される。
【0035】
いくつかの実装形態では、慣性センサシステム103は、1つまたは複数のジャイロスコープおよび1つまたは複数の加速度計を含んでよい。しかしながら、慣性センサシステム103は特定の実装形態に従って様々であってよい。慣性センサシステム103の中のセンサの一部または全部は、特定の実装形態に応じて、個別構成要素であってよく、または装置101のハウジング内に位置する1つもしくは複数のセンサパッケージの中に統合されてもよい。いくつかの実装形態では、慣性センサシステム103は、装置座標系の特定の軸に沿った線形加速度、速度、および/または変位を測定するようにその各々が構成されている3つの線形加速度計を含んでよい。いくつかの他の実装形態では、複数の(たとえば、3つの)線形加速度計の機能は、単一の(たとえば、3軸の)加速度計の中に統合されてよい。いくつかの実装形態によれば、慣性センサシステム103は、装置座標系の特定の軸を中心とした角加速度、角速度、および/または回転を測定するようにその各々が構成されている3つのジャイロスコープを含んでよい。いくつかの他の実装形態では、複数の(たとえば、3つの)ジャイロスコープの機能は、組み合わせられるかまたは単一の(たとえば、3軸の)ジャイロスコープの中に統合されてよい。
【0036】
近接度センサシステム105は、装置101の近くの物体を検出するように構成可能な1つまたは複数のセンサを含んでよい。いくつかの例では、近接度センサシステム105は、装置101の所定の距離内の、たとえば、ほぼ1メートル以内の、ほぼ50センチメートル以内の、ほぼ20センチメートル以内などの、物体を検出するように構成されてよい。近接度センサシステム105の他の実装形態は、装置101のもっと大きいかまたはもっと小さい距離内の、たとえば、5メートル以内または15センチメートル以内の、物体を検出するように構成されてよい。いくつかの実装形態では、近接度センサシステム105は、1つもしくは複数の送信機、1つもしくは複数の受信機、または1つもしくは複数のトランシーバを含んでよい。いくつかの実装形態によれば、近接度センサシステム105は、1つもしくは複数の電波送信機、1つもしくは複数の電波受信機、または1つもしくは複数の電波トランシーバを含んでよい。いくつかの実装形態では、近接度センサシステム105は、1つもしくは複数の音響波送信機(たとえば、1つまたは複数の超音波送信機)、1つもしくは複数の音響波受信機、または1つもしくは複数の音響波トランシーバを含んでよい。代替または追加として、近接度センサシステム105は、光センサなどの1つまたは複数の他のタイプのセンサを含んでよい。
【0037】
制御システム106は、1つまたは複数の汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはそれらの組合せを含んでよい。制御システム106はまた、1つまたは複数のランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス、読取り専用メモリ(ROM)デバイスなどの、1つまたは複数のメモリデバイスを含んでよい(かつ/または、それらとの通信のために構成されてよい)。したがって、装置101は、1つまたは複数のメモリデバイスを含むメモリシステムを有してよいが、図1ではメモリシステム108は随意の要素として示される。制御システム106は、たとえば、以下で説明するように、アンテナシステム102からのデータを受信および処理することが可能であり得る。いくつかの実装形態では、制御システム106の機能性は、モバイルデバイスの専用センサコントローラおよびアプリケーションプロセッサなどの、1つまたは複数のコントローラまたはプロセッサの間で区分されてよい。
【0038】
装置101のいくつかの実装形態は、インターフェースシステム104を含んでよい。いくつかの例では、インターフェースシステム104はワイヤレスインターフェースシステムを含んでよい。いくつかの実装形態では、インターフェースシステム104は、ユーザインターフェースシステム、1つもしくは複数のネットワークインターフェース、制御システム106と随意のメモリシステム108との間の1つもしくは複数のインターフェース、制御システム106とアンテナシステム102との間の1つもしくは複数のインターフェース、制御システム106と慣性センサシステム103との間の1つもしくは複数のインターフェース、制御システム106と近接度センサシステム105との間の1つもしくは複数のインターフェース、および/または制御システム106と1つもしくは複数の外部デバイスインターフェース(たとえば、ポートまたはアプリケーションプロセッサ)との間の1つもしくは複数のインターフェースを含んでよい。
【0039】
インターフェースシステム104は、装置101の構成要素間で、かつ/または装置101と1つもしくは複数の他のデバイスとの間で、(電気通信、無線通信などの、有線通信またはワイヤレス通信を含んでよい)通信を行うように構成されてよい。そのようないくつかの例では、インターフェースシステム104は、制御システム106とアンテナシステム102との間で、制御システム106と慣性センサシステム103との間で、かつ制御システム106と近接度センサシステム105との間で通信を行うように構成されてよい。そのようないくつかの例によれば、インターフェースシステム104の一部分は、たとえば、導電性材料を介して、アンテナシステム102に、慣性センサシステム103に、かつ近接度センサシステム105に、制御システム106のうちの少なくとも1つまたは複数の部分を結合してよい。いくつかの例によれば、インターフェースシステム104は、装置101と他のデバイスおよび/または人間との間で通信を行うように構成されてよい。そのようないくつかの例では、インターフェースシステム104は1つまたは複数のユーザインターフェースを含んでよい。インターフェースシステム104は、いくつかの例では、1つもしくは複数のネットワークインターフェースおよび/または(1つまたは複数のユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェースなどの)1つもしくは複数の外部デバイスインターフェースを含んでよい。
【0040】
装置101は、そのいくつかの例が本明細書で開示される様々な異なるコンテキストにおいて使用されてよい。たとえば、いくつかの実装形態では、モバイルデバイスが装置101の少なくとも一部分を含んでよい。制御システム106は、セルラー電話ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、および/またはインターネットなどのネットワークを介した1つまたは複数のデバイスとの通信のために、アンテナシステム102を制御するように構成されてよい。したがって、制御システム106は、セルラー電話機能性を提供するために、限定はしないが、アンテナシステム102を含む装置を制御するように構成されてよい。
【0041】
いくつかの実装形態では、ウェアラブルデバイスが装置101の少なくとも一部分を含んでよい。ウェアラブルデバイスは、たとえば、ブレスレット、アームバンド、リストバンド、リング、ヘッドバンド、またはパッチであってよい。いくつかの実装形態では、制御システム106は2つ以上のデバイスの中に存在してよい。たとえば、制御システム106の一部分がウェアラブルデバイスの中に存在してよく、制御システム106の別の部分がモバイルデバイス(たとえば、スマートフォンまたはタブレットコンピュータ)などの別のデバイスの中に存在してよい。インターフェースシステム104はまた、そのようないくつかの例では、2つ以上のデバイスの中に存在してよい。
【0042】
図2は、図1の装置のモバイルデバイス実装形態の一例を示す。開示する他の実装形態と同様に、図2に示す要素のタイプ、個数、および構成は単に例として決められる。この例では、装置101は、アンテナシステム部分102aおよび102b、ならびに図2では見えない他のアンテナシステム部分を含む。そのようないくつかの例では、装置101は、アンテナシステム部分102aがそこに存在する側部204とは反対側にある、装置101の側部上にアンテナシステム部分を含んでよい。そのようないくつかの例では、装置101は、アンテナシステム部分102bがそこに存在する側部206とは反対側にある、装置101の側部上にアンテナシステム部分を含んでよい。この例によれば、アンテナシステム部分の各々は複数のアンテナ素子202を含む。複数のアンテナ素子202は、たとえば、ビームフォーミングのために構成可能であってよい。
【0043】
この実装形態によれば、装置101は、少なくとも近接度センサシステム要素205aおよび205bを有する近接度センサシステム105を含む。いくつかの実装形態によれば、近接度センサシステム105は、2つ以上の電波送信機、2つ以上の電波受信機、または2つ以上の電波トランシーバを含んでよい。いくつかの実装形態では、近接度センサシステム105は、2つ以上の音響波送信機(たとえば、1つまたは複数の超音波送信機)、2つ以上の音響波受信機、または2つ以上の音響波トランシーバを含んでよい。いくつかの実装形態では、近接度センサシステム105はまた、物体と装置101との間の距離を推定するために送信パルスと反射パルスとの間の時間が算出されるレーダーベースの方式を含んでよい。代替または追加として、近接度センサシステム105は、光センサなどの2つ以上の他のタイプのセンサを含んでよい。この例では、装置101は、ハウジング210内に配設され、したがって図2では見えない、慣性センサシステム103および制御システム106を含む。
【0044】
図3Aおよび図3Bは、図1の装置のさらなる例を示す。図3Aおよび図3Bの例では、慣性センサシステム103はハウジング210内に存在し、したがって外部からは見えない。したがって、慣性センサシステム103は破線を介して示される。
【0045】
いくつかの実装形態では、図3Aに示す慣性センサシステム103は、直交座標系の特定のx軸、y軸、またはz軸に沿った線形加速度、速度、および/または変位(本明細書で「変位データ」または「加速度計データ」と呼ばれることがある)を測定するようにその各々が構成されている3つの線形加速度計を含んでよい。いくつかの他の実装形態では、3つの加速度計の機能は、組み合わせられるかまたは単一の3軸加速度計の中に統合されてよい。
【0046】
図3Bに示すように、いくつかの実装形態では、慣性センサシステム103は、装置座標系の特定の軸を中心とした角加速度、角速度、および/または回転(本明細書で「回転データ」または「ジャイロスコープデータ」と呼ばれることがある)を測定するようにその各々が構成されている3つのジャイロスコープを含んでよい。いくつかの例では、第1のジャイロスコープは、x軸を中心とした回転データを測定するように構成されてよく、第2のジャイロスコープは、y軸を中心とした回転データを測定するように構成されてよく、第3のジャイロスコープは、z軸を中心とした回転データを測定するように構成されてよい。そのような回転データはまた、ピッチ、ロール、およびヨーの観点から表現され得る。いくつかの他の実装形態では、3つのジャイロスコープの機能は、組み合わせられるかまたは単一の3軸ジャイロスコープの中に統合されてよい。
【0047】
図4は、一例による方法のブロックを示すフロー図である。方法400は、たとえば、少なくとも部分的には、慣性センサシステム、近接度センサシステム、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステム、ならびに制御システムを有する、図1に示され上記(または、本明細書で開示する他の例のうちの1つ)で説明されている装置101などの装置によって実施されてよい。開示する他の方法と同様に、方法400のブロックは必ずしも図4に示す順序で実行されるとは限らない。その上、代替の方法は、もっと多数またはもっと少数のブロックを含んでよい。
【0048】
この例によれば、ブロック405は、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することを伴う。ブロック405は、たとえば、図1の制御システム106が図1の慣性センサシステム103からジャイロスコープデータおよび/または加速度計データを受信することを伴ってよい。
【0049】
この例では、ブロック410は、慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御することを伴う。いくつかの例では、ブロック410は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを(たとえば、制御システムによって)決定することを伴ってよい。そのようないくつかの例は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御することを伴ってよい。
【0050】
上述のように、5G通信のために構成されたセルラー電話などの装置が大きい送信電力レベルで送信しているとき、MPE制限を超える場合がある。装置101のいくつかの実装形態では、制御システム106は、近接度センサシステム105からの近接度センサデータに従って近くのターゲット(たとえば、15cm、20cmなどのしきい値距離内にあるターゲット)の存在を検出するように構成されてよい。近くのターゲットが検出される場合、制御システム106はアンテナシステム102の送信電力レベルを低減するように構成されてよい。
【0051】
したがって、方法400のいくつかの実装形態は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定することと、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することとを伴ってよい。そのようないくつかの実装形態は、ターゲット物体が装置に近接している(たとえば、15cm、20cmなどのしきい値距離内にある)ことを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することと、ターゲット物体が装置に近接していることを制御システムが決定するかどうかに従って、アンテナシステムの送信電力を制御することとを伴ってよい。
【0052】
しかしながら、そのようないくつかの近接度センサは、たとえば、装置101がいつユーザによって保持されておりユーザのポケットの中にあるのかなどを決定することが可能でない。開示するいくつかの実装形態では、制御システム106は、近接度センサシステムが有効または必要でない場合がある時間の間、近接度センサシステムを非アクティブ化することによって電力消費を低減するように構成されてよい。そのようないくつかの例によれば、ブロック410は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化することを伴ってよい。代替または追加として、いくつかの例では、ブロック410は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0053】
図5図6図7、および図8は、様々な使用事例に対応する慣性センサデータの例を示すグラフである。図5図6図7、および図8では、慣性センサデータとは、図3Aに関して上記で説明したような、x軸、y軸、およびz軸に沿った線形加速度に対応する加速度計データである。
【0054】
図5は、ユーザがセルラー電話を拾い上げそのセルラー電話をユーザの頭部に保持することに対応する慣性センサデータの例を示す。図5に示す例では、要素505は、ある時間間隔にわたるx軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素510は、同じ時間間隔にわたるy軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素515は、同じ時間間隔にわたるz軸に沿った線形加速度のプロットである。すべての軸に沿った最大の加速度値は、最初の3秒または4秒の間に発生し、セルラー電話はその間に拾い上げられつつあり、ユーザの頭部の隣に配置されつつある。
【0055】
しかしながら、セルラー電話がユーザの頭部の隣に保持されているときでさえ、依然としてすべての3つの軸に沿って振幅が小さい持続的な加速度がある。振幅がもっと大きい加速度と振幅が小さい加速度の両方が、装置が保持されていることを示す慣性センサデータの例である。振幅が小さい持続的な加速度は、本明細書で振動すなわち「人の接触の微動特性」と呼ばれることがあるものの例である。したがって、開示するいくつかの方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを(たとえば、制御システム106によって)決定することを伴ってよい。そのようないくつかの方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0056】
図6は、ユーザがセルラー電話を保持しながら歩行していることに対応する慣性センサデータの例を示す。図6に示す例では、要素605は、ある時間間隔にわたるx軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素610は、同じ時間間隔にわたるy軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素615は、同じ時間間隔にわたるz軸に沿った線形加速度のプロットである。歩行することに対応する加速度値は、最初の3秒または4秒後に発生し、ほぼ23秒において終わる。ユーザがセルラー電話を保持しながら歩行することに対応する加速度値が、ユーザがセルラー電話をユーザの頭部に保持することに対応する加速度値よりも著しく大きいことに、注目することができる。たとえば、ほぼ10秒において、またほぼ15秒において、z軸に沿った比較的大きい加速度に時間的に対応する、x軸に沿った比較的大きい加速度があることにも、注目することができる。
【0057】
図7は、着座したユーザがユーザのシャツポケットの中にセルラー電話を有することに対応する慣性センサデータの例を示す。図7に示す例では、要素705は、ある時間間隔にわたるx軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素710は、同じ時間間隔にわたるy軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素715は、同じ時間間隔にわたるz軸に沿った線形加速度のプロットである。図7は、本明細書で「人の接触の微動特性」と呼ばれることがある、振幅が小さい持続的な加速度の追加の例を示す。いくつかの例によれば、装置が「人の身体に接している」かどうかを決定することは、装置の少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴ってよい。
【0058】
図8は、テーブル上で静止したセルラー電話に対応する慣性センサデータの例を示す。図8に示す例では、要素805は、ある時間間隔にわたるx軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素810は、同じ時間間隔にわたるy軸に沿った線形加速度のプロットであり、要素815は、同じ時間間隔にわたるz軸に沿った線形加速度のプロットである。x軸およびy軸に沿った線形加速度が、z軸に沿った線形加速度よりも一層小さい振幅であることに、注目することができる。図8は、本明細書で「人の接触の微動特性」と呼ぶものよりも一層小さい振幅である加速度の例を示す。
【0059】
図5図8の加速度データを念頭に置いて、(図8の「静止した」セルラー電話の最大加速度などの)加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度が、いくつかの事例では、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを示してよいことが理解できる。したがって、開示するいくつかの方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを(たとえば、制御システムによって)決定することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。しかしながら、方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムをアクティブ化すること、近接度センサシステムがアクティブのままでいることを可能にすること、および/またはアンテナシステムの送信電力がセルラー通信に対して最適化されることを可能にすることを伴ってよい。
【0060】
開示するいくつかの方法は、たとえば、いくつかの形態の人工知能を適用して慣性センサデータのタイプと様々なデバイス使用事例との間の相関関係を作ることによって、慣性センサデータを特徴づけることを伴ってよい。開示するいくつかの方法は、たとえば、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定することを伴ってよい。
【0061】
たとえば、開示するいくつかの方法は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すか否かを決定するようにニューラルネットワークをトレーニングすることを伴ってよい。そのようないくつかの例では、ニューラルネットワークは、図5図8に示すものなどの慣性センサデータのセットを入力すること、および入力慣性センサデータのセットの各々に対応する使用事例を示すことによって、トレーニングされてよい。開示するいくつかの方法は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを(たとえば、制御システム106を介して)実施することを伴ってよい。そのようないくつかの方法は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0062】
図9は、一例によるモバイルデバイスを制御する方法のブロックを示すフロー図である。方法900は、たとえば、少なくとも部分的には、慣性センサシステム、近接度センサシステム、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステム、ならびに制御システムを有する、図1に示され上記(または、本明細書で開示する他の例のうちの1つ)で説明されている装置101などの装置によって実施されてよい。開示する他の方法と同様に、方法900のブロックは必ずしも図9に示す順序で実行されるとは限らない。その上、代替の方法は、もっと多数またはもっと少数のブロックを含んでよい。
【0063】
この例によれば、ブロック905は、モバイルデバイスの制御システムによってモバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することを伴う。ブロック905は、たとえば、図1の制御システム106が図1の慣性センサシステム103からジャイロスコープデータおよび/または加速度計データを受信することを伴ってよい。
【0064】
この例では、ブロック910は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを(たとえば、制御システムによって)決定することを伴う。この例によれば、ブロック915は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、近接度センサシステムおよび/またはアンテナシステムを制御することを伴う。
【0065】
いくつかの例では、方法900は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを制御システムによって非アクティブ化することを伴ってよい。代替または追加として、方法900は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。いくつかの事例では、モバイルデバイスが人の身体に接しているかどうかを決定することは、モバイルデバイスの少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う。
【0066】
いくつかの例によれば、方法900は、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することを伴ってよい。そのようないくつかの方法は、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することと、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御することとを伴ってよい。
【0067】
いくつかの例では、方法900は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定することを伴ってよい。そのようないくつかの方法は、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0068】
いくつかの例によれば、方法900は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定することを伴ってよい。そのようないくつかの方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0069】
いくつかの例によれば、方法900は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0070】
いくつかの例では、方法900は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施することを伴ってよい。そのようないくつかの例によれば、方法は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化すること、および/またはアンテナシステムの送信電力を下げることを伴ってよい。
【0071】
図10は、電磁界摂動に基づく近接度検出のための例示的な動作環境1000を示す。例示的な環境1000では、ユーザの手1014が、図1を参照しながら上記で説明した実装装置101を保持する。一態様では、装置101は、アンテナ1024を介してアップリンク信号1002(UL信号1002)を送信することまたはダウンリンク信号1004(DL信号1004)を受信することによって基地局1001と通信する。ただし、ユーザの親指は、アップリンク信号1002を介して放射に暴露されることがある、近接している物体1006を表してよい。
【0072】
物体1006が存在するか、すなわち検出可能範囲内にいるかどうかを検出するために、装置101はアンテナ1024のうちの少なくとも1つを介して電磁(EM:electromagnetic)界1008を生成する。電磁界1008は、所定の近接度検出信号またはアップリンク信号1002を送信することによって生成することができる。場合によっては、近接度検出信号は、単一の周波数もしくはトーンまたは複数の周波数もしくはトーンを含むように生成されてよい。たとえば、近接度検出信号は、異なる周波数の複数のサブキャリアを有する直交周波数分割多重化(OFDM)信号を含むことができる。別の例として、近接度検出信号は、周波数変調連続波(FMCW)信号(たとえば、線形周波数変調(LFM)連続波信号またはチャープ信号、三角形周波数変調連続波信号、鋸歯状周波数変調連続波信号など)を含むことができる。また別の例として、近接度検出信号は、相対的に一定の周波数を有する連続波信号を含むことができる。
【0073】
図10では、電磁界1008の得られた振幅が、灰色の異なる色合いを用いて表され、ただし、より暗い色合いはより大きい振幅を表し、より明るい色合いはより小さい振幅を表す。物体1006がアンテナ1024のうちの別の一方に近接している場合、電磁界1008との物体1006の相互作用が、摂動1010などの、電磁界1008の中の1つまたは複数の摂動(たとえば、擾乱または変化)をもたらす。様々な強め合うパターンおよび弱め合うパターンを物体1006が電磁界1008内で発生させることに起因して、摂動1010は、電磁界1008の大きさまたは位相の変動を表す。
【0074】
いくつかの実装形態では、アンテナ1024は、少なくとも2つの異なるアンテナ、アンテナアレイ1016の少なくとも2つのアンテナ素子1012、異なるアンテナアレイ1016に関連する少なくとも2つのアンテナ素子1012、またはそれらの任意の組合せを備えてよい。図10に示すように、アンテナ1024は、アンテナアレイ1016内のアンテナ素子1012のうちの少なくとも2つに対応する。アンテナアレイ1016は複数のアンテナ素子1012-1~1012-Nを含むことができ、ただし、Nは1よりも大きい正の整数を表す。図示の例では、第1のアンテナ素子1012-1が電磁界1008を放射し、第2のアンテナ素子1012-2を介して摂動1010が感知される。第2のアンテナ素子1012-2は、アンテナアレイ1016の一部として第1のアンテナ素子1012-1に対して共同設置されてよく、または別のやり方で第1のアンテナ素子1012-1に近接していてよい。場合によっては、第2のアンテナ素子1012-2は、同じアンテナアレイ1016内で第1のアンテナ素子1012-1に隣接する(たとえば、物理的に第1のアンテナ素子1012-1と第2のアンテナ素子1012-2との間に位置するアンテナ素子1012がない)。アンテナアレイ1016の中のアンテナ素子1012の間の距離は、ワイヤレストランシーバ1020が放射する周波数に基づくことができる。たとえば、アンテナアレイ1016の中のアンテナ素子1012は、互いからほぼ半波長だけ(たとえば、30GHz周辺の周波数に対して、ほぼ1センチメートル(cm)離れることによって)離間され得る。
【0075】
電磁界1008への第2のアンテナ素子1012-2の応答は、物体1006が電磁界1008を反射または吸収することによって、また第1のアンテナ素子1012-1によってもたらされる任意の相互結合または干渉によっても影響を受ける。一般に、電磁界1008からのエネルギーが第2のアンテナ素子1012-2の中に電流を誘導し、そうした電流は、摂動1010、または物体1006によって乱される得られた電磁界1008を測定するために使用される。摂動1010を感知することによって、物体1006が存在するのかそれとも検出可能範囲の外側にいる(たとえば、存在しない)のかに関して決定が行われ得る。検出可能範囲は、アンテナ1024からほぼ40cm以内、アンテナ1024から0cmと10cmとの間などであってよい。概して、検出可能範囲は、ワイヤレストランシーバ1020の送信電力または感度に基づいて変わる場合がある。電磁界1008がその間に生成される持続時間も、検出可能範囲に基づくことができる。例示的な持続時間は、ほぼ1マイクロ秒から数十マイクロ秒までに及ぶことができる。
【0076】
場合によっては、検出可能範囲は、レーダーベースの技法を使用して容易には測定されない範囲を含むことができる。たとえば、レーダーベースの技法は、FMCW信号の帯域幅に比例する最小範囲よりも遠い範囲に限定される場合がある。例示的な最小範囲は、それぞれ、4GHzまたは8GHzという帯域幅を有するFMCW信号に対して4cmまたは2cmを含む。したがって、レーダーベースの技法を使用してもっと近くの距離を検出するために、ワイヤレストランシーバ1020は、ワイヤレストランシーバ1020の増大した設計複雑度または増大したコストという犠牲を払って、帯域幅がより大きい信号を生成する。しかしながら、説明する技法を使用すると、これらの最小範囲よりも近くの距離において、物体1006までの範囲が測定され得る。このようにして、説明する技法は、遠距離検出のためにレーダーベースの技法が使用されるとしても、近距離検出を増補するために使用され得る。
【0077】
いくつかの実装形態では、ワイヤレストランシーバ1020は、電磁界1008を感知するために第2のアンテナ素子1012-2が使用される同じ時間の間、第1のアンテナ素子1012-1を介して電磁界1008を生成することができる。アンテナ1024および/またはそれらの素子は、パッチアンテナ、ダイポールアンテナ、ボウタイアンテナ、またはそれらの組合せを含む、任意のタイプのアンテナを使用して実装されてよい。
【0078】
以下の番号付き条項において実装例が説明される。
【0079】
1. 少なくとも1つの慣性センサを含む慣性センサシステムと、少なくとも1つの近接度センサを含む近接度センサシステムと、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、制御システムとを備え、制御システムは、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御するように構成される、装置。
【0080】
2. 制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定し、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化するようにさらに構成される、条項1の装置。
【0081】
3. 装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、制御システムは、アンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、条項2の装置。
【0082】
4. 装置が人の身体に接しているかどうかを決定することは、装置の少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う、条項2の装置。
【0083】
5. 制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定し、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得し、ターゲット物体が装置に近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定し、ターゲット物体が装置に近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御するようにさらに構成される、条項1~4のうちのいずれかの装置。
【0084】
6. 近接度センサシステムは少なくとも1つのレーダーセンサを含む、条項1~5のうちのいずれかの装置。
【0085】
7. アンテナシステムは、6ギガヘルツ以上の周波数において少なくともいくつかの無線信号を送信するように構成される、条項1~6のうちのいずれかの装置。
【0086】
8. アンテナシステムは、ビームフォーミングされた無線信号を送信するように構成される、条項1~7のうちのいずれかの装置。
【0087】
9. 制御システムは、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定し、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、条項1~8のうちのいずれかの装置。
【0088】
10. 制御システムは、慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定し、慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、条項1~9のうちのいずれかの装置。
【0089】
11. 制御システムは、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを、制御システムを介して実施し、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げるようにさらに構成される、条項1~10のうちのいずれかの装置。
【0090】
12. 慣性センサシステムは少なくとも1つの加速度計または少なくとも1つのジャイロスコープを含む、条項1~11のうちのいずれかの装置。
【0091】
13. 装置はモバイルデバイスである、条項1~12のうちのいずれかの装置。
【0092】
14. モバイルデバイスを制御する方法であって、モバイルデバイスの制御システムによってモバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することと、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを制御システムによって決定することと、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイスの近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御システムによって制御することとを備える、方法。
【0093】
15. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを制御システムによって非アクティブ化することをさらに備える、条項14の方法。
【0094】
16. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げることをさらに備える、条項15の方法。
【0095】
17. モバイルデバイスが人の身体に接しているかどうかを決定することは、モバイルデバイスの少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う、条項15または条項16の方法。
【0096】
18. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することと、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することと、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御することとをさらに備える、条項14~17のうちのいずれかの方法。
【0097】
19. 加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える加速度を慣性センサデータが示すかどうかを決定することと、加速度しきい値に等しいかまたはそれを超える1つまたは複数の加速度を慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げることとをさらに備える、条項14~18のうちのいずれかの方法。
【0098】
20. 慣性センサデータが人の接触の微動特性を示すかどうかを決定することと、慣性センサデータが人の接触の1つまたは複数の微動特性を示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げることとをさらに備える、条項14~19のうちのいずれかの方法。
【0099】
21. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定するようにトレーニングされたニューラルネットワークを実施することと、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化しアンテナシステムの送信電力を下げることとをさらに備える、条項14~20のうちのいずれかの方法。
【0100】
22. その上に記憶されたソフトウェアを有する1つまたは複数の非一時的媒体であって、ソフトウェアは、モバイルデバイスを制御する方法を実施するための命令を含み、方法は、モバイルデバイスの制御システムによってモバイルデバイスの慣性センサシステムから慣性センサデータを受信することと、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを制御システムによって決定することと、モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかに少なくとも部分的に基づいて、モバイルデバイスの近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御システムによって制御することとを備える、1つまたは複数の非一時的媒体。
【0101】
23. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、方法は、近接度センサシステムを制御システムによって非アクティブ化することを伴う、条項22の1つまたは複数の非一時的媒体。
【0102】
24. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御システムが決定する場合、方法は、アンテナシステムの送信電力を下げることを伴う、条項22または条項23の1つまたは複数の非一時的媒体。
【0103】
25. モバイルデバイスが人の身体に接しているかどうかを決定することは、モバイルデバイスの少なくとも一部がその人のポケット内にあるかどうかを決定することを伴う、条項22~24のうちのいずれかの1つまたは複数の非一時的媒体。
【0104】
26. モバイルデバイスが保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示さないことを制御システムが決定する場合、近接度センサシステムから近接度センサ信号を取得することと、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを近接度センサ信号が示すかどうかを決定することと、ターゲット物体がモバイルデバイスに近接していることを制御システムが決定するかどうかに従ってアンテナシステムの送信電力を制御することとを伴う、条項22~25のうちのいずれかの1つまたは複数の非一時的媒体。
【0105】
27. 少なくとも1つの慣性センサを含む慣性センサシステムと、少なくとも1つの近接度センサを含む近接度センサシステムと、無線信号を送信および受信するように構成されたアンテナシステムと、制御手段であって、慣性センサシステムから慣性センサデータを受信し、慣性センサデータに少なくとも部分的に基づいて近接度センサシステムおよびアンテナシステムを制御するための、制御手段とを備える、装置。
【0106】
28. 制御手段は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すかどうかを決定し、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御手段が決定する場合、近接度センサシステムを非アクティブ化するための手段を含む、条項27の装置。
【0107】
29. 制御手段は、装置が保持されていること、携帯されていること、または人の身体に接していることを慣性センサデータが示すことを制御手段が決定する場合、アンテナシステムの送信電力を下げるための手段を含む、条項28の装置。
【0108】
本明細書で使用する項目の列挙「のうちの少なくとも1つ」を指す句は、単一のメンバーを含む、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a、b、c、a-b、a-c、b-c、およびa-b-cを包含するものとする。
【0109】
本明細書で開示する実装形態に関して説明する様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムプロセスは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアとの互換性は、機能性に関して概略的に説明されており、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスにおいて図示されている。そのような機能性がハードウェアで実装されるのかそれともソフトウェアで実装されるのかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。
【0110】
本明細書で開示する態様に関して説明する様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップもしくはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明する機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、もしくはステートマシンであってよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携した1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のプロセスおよび方法は、所与の機能に特有の回路構成によって実行され得る。
【0111】
1つまたは複数の態様では、説明する機能は、本明細書で開示する構造およびそれらの構造的等価物を含む、ハードウェア、デジタル電子回路構成、コンピュータソフトウェア、ファームウェアで、またはそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書で説明する主題の実装形態はまた、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のための、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装され得る。
【0112】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、非一時的媒体などのコンピュータ可読媒体上に記憶されてよく、またはコンピュータ可読媒体を介して送信されてもよい。本明細書で開示する方法またはアルゴリズムのプロセスは、コンピュータ可読媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールで実装され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することが可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。限定ではなく例として、非一時的媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROMもしくは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形式で所望のプログラムコードを記憶するために使用され得るとともに、コンピュータによってアクセスされ得る、任意の他の媒体を含んでよい。また、任意の接続がコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれてもよい。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザーディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピーディスク(disk)、およびブルーレイディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、レーザーを用いてデータを光学的に再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。追加として、方法またはアルゴリズムの動作は、コードおよび命令のうちの1つまたは任意の組合せもしくはセットとして、コンピュータプログラム製品の中に組み込まれ得る機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上に存在し得る。
【0113】
本開示で説明した実装形態の様々な修正が当業者には容易に明らかとなってよく、本明細書において定義される一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用されてよい。したがって、本開示は、本明細書で示す実装形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、本明細書で開示する原理および新規の特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。「例示的」という語は、仮にあったとしても、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書で「例示的」として説明するいかなる実装形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいかまたは有利であると解釈されるべきでない。
【0114】
別個の実装形態の文脈で本明細書で説明されるいくつかの特徴はまた、単一の実装形態において組み合わせて実装されてよい。反対に、単一の実装形態の文脈で説明される様々な特徴はまた、複数の実装形態において別々にまたは任意の適切な部分組合せで実装されてよい。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明されることがあり、最初にそのようなものとして特許請求されることさえあるが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除されることがあり、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形形態を対象とすることがある。
【0115】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序もしくは連続した順序で実行されること、または図示のすべての動作が実行されることを必要とするものとして、理解されるべきでない。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利な場合がある。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明したプログラム構成要素およびシステムが、一般に、単一のソフトウェア製品の中で一緒に統合されてよく、または複数のソフトウェア製品の中にパッケージ化されてもよいことを理解されたい。追加として、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載されるアクションは、異なる順序で実行されてよく、やはり望ましい結果を達成し得る。
【0116】
説明した特定の実装形態のうちのいずれかにおける特徴が互いに不適合であるものと明確に識別されること、またはそうした特徴が、相互排他的であるとともに補完および/もしくは支援の意味で容易に組み合わせることができないことを周囲の文脈が暗示することがない限り、それらの補完的実装形態の特定の特徴が、広範囲にわたるがわずかに異なる1つまたは複数の技術的解決策を提供するために選択的に組み合わせられてよいことを、本開示の全体が企図および想定することが理解されよう。したがって、上記の説明が、例として与えられているにすぎず、本開示の範囲内で詳細に修正が加えられてよいことがさらに諒解されよう。
【符号の説明】
【0117】
101 装置
102 アンテナシステム
103 慣性センサシステム
104 インターフェースシステム
105 近接度センサシステム
106 制御システム
108 メモリ、メモリシステム
202 アンテナ素子
204 側部
205a、205b 近接度センサシステム要素
206 側部
210 ハウジング
1000 動作環境
1001 基地局
1002 アップリンク信号
1004 ダウンリンク信号
1006 物体
1008 電磁界
1010 摂動
1012 アンテナ素子
1014 ユーザの手
1016 アンテナアレイ
1020 ワイヤレストランシーバ
1024 アンテナ
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】