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特表2024-513450浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置
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  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図1
  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図2
  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図3
  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図4
  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図5
  • 特表-浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/38 20060101AFI20240315BHJP
   F03D 13/25 20160101ALI20240315BHJP
   B63B 35/00 20200101ALI20240315BHJP
   B63B 35/34 20060101ALI20240315BHJP
   B63B 39/06 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B63B35/38 C
F03D13/25
B63B35/00 T
B63B35/34 B
B63B35/38 B
B63B39/06 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561384
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 KR2022004855
(87)【国際公開番号】W WO2022216001
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0044723
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン, サンフン
(72)【発明者】
【氏名】ノ, ミョンヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク, キュ-シク
(72)【発明者】
【氏名】キム, ウンス
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB35
3H178BB77
3H178CC22
3H178DD61X
3H178DD67X
(57)【要約】
【課題】上部に位置する設備の安定を保障し、かつ自主的な耐久性を改善できる浮遊式プラットフォームを提供する。
【解決手段】浮遊式海上風力発電装置は、風力発電作用を遂行する上部の発電部及び海上に浮かんだ状態で前記発電部を支持する浮遊式プラットフォームを含み、前記浮遊式プラットフォームは、中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられる複数の浮遊体及び複数の前記浮遊体の間を連結して結束させる連結ビームを含み、前記浮遊体の下部領域の外周には前記連結ビームの連結位置を回避して螺旋状のストレーキが設けられ得る。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電作用を遂行する上部の発電部及び、
海上に浮かんだ状態で前記発電部を支持する浮遊式プラットフォームを含み、
前記浮遊式プラットフォームが、
中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられる複数の浮遊体及び、
複数の前記浮遊体の間を連結して結束させる連結ビームを含み、
前記浮遊体の下部領域の外周には前記連結ビームの連結位置を回避して螺旋状のストレーキが設けられることを特徴とする浮遊式海上風力発電装置。
【請求項2】
前記螺旋状のストレーキは、前記浮遊体の外周を軸方向に沿ってコイル形態をなすように断続的に延びることを特徴とする請求項1に記載の浮遊式海上風力発電装置。
【請求項3】
前記連結ビームと前記浮遊体の間の連結部位を補強する補強部材をさらに含み、
前記補強部材が、
前記浮遊体の外周を水平状態で支持する環状の水平型補強部材を含むことを特徴とする請求項1に記載の浮遊式海上風力発電装置。
【請求項4】
中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられる複数の浮遊体、
複数の前記浮遊体の間を連結して結束させる連結ビームを含み、
前記浮遊体の下部領域の外周には、前記連結ビームの連結位置を回避して螺旋状のストレーキが設けられることを特徴とする浮遊式プラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置に係り、より詳しくは、海上に浮遊式で設置される浮遊式プラットフォームおよびこれを具備する浮遊式海上風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電は風力エネルギーを機械的なエネルギーに変換して電気を生産するもので、温室ガス低減のための清浄エネルギー源として脚光を浴びている。
風力発電装置は主に陸上に設置されてきたが、その需要の増加による騒音に対する苦情や敷地確保の問題を解決するために次第に海上設置が増加している。
海上に設置される風力発電装置の中には、水中に浮かんだ状態で電気を生産する浮遊式がある。
浮遊式風力発電装置は水深による構造物の制限が少ないので、強い風を通じて発展効率を高めるのに有利な水深が深い遠海に容易に設置され得る。
【0003】
浮遊式海上風力発電装置は上部に位置する発電部と、海上に浮かんだ状態で発電部を支持するように下部に設けられる浮遊式プラットフォームを具備する。
一方、海上に浮遊する浮遊式プラットフォームは海流によって渦流(vortex)を発生させ、この渦流はプラットフォームに圧力として作用することになってプラットフォームの振動を誘発することになる。
したがって、浮遊式海上風力発電装置は浮遊式プラットフォームが振動によって容易に損傷したり、プラットフォームの流動によって装置全体が揺れることになって衝撃に敏感な発電部の安全性が阻害される問題点があった。
このような問題点は、浮遊式海上風力発電装置はもちろん、浮遊式プラットフォームを通じて海上に浮遊式で設置される他の多様な設備にも発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上部に位置する設備の安定を保障し、かつ自主的な耐久性を改善できる浮遊式プラットフォームを提供することである。
また、上部に位置する発電部の安全を保障し、かつ発電部を支持する浮遊式プラットフォームの耐久性を改善できる浮遊式海上風力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の浮遊式海上風力発電装置は、風力発電作用を遂行する上部の発電部及び、海上に浮かんだ状態で前記発電部を支持する浮遊式プラットフォームを含み、前記浮遊式プラットフォームは、中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられる複数の浮遊体及び複数の前記浮遊体の間を連結して結束させる連結ビームを含み、前記浮遊体の下部領域の外周には前記連結ビームの連結位置を回避して螺旋状のストレーキが設けられ得る。
前記螺旋状のストレーキは前記浮遊体の外周を軸方向に沿ってコイル形態をなすように断続的に延長され得る。
【0006】
前記連結ビームと前記浮遊体の間の連結部位を補強する補強部材をさらに含み、前記補強部材は、前記浮遊体の外周を水平状態で支持する環状の水平型補強部材を含むことができる。
浮遊式プラットフォームは、中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられる複数の浮遊体および複数の前記浮遊体の間を連結して結束させる連結ビームを含み、前記浮遊体の下部領域の外周には前記連結ビームの連結位置を回避して螺旋状のストレーキが設けられ得る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の浮遊式海上風力発電装置によると、浮遊式プラットフォームの剛性が増大することはもちろん、渦流によって形成される浮遊式プラットフォームの振動を低減できるようになるので、上部に位置する発電部の安全を保障しつつ、浮遊式プラットフォームの耐久性を向上させることができる。
また、浮遊式プラットフォームは、自体の剛性が増大することにより渦流によって形成される振動を低減できるようになるので、その上部に位置する設備の安全を保障しつつ、自体の耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】浮遊式海上風力発電装置の斜視図である。
図2図1に図示した浮遊式海上風力発電装置が海上に浮かんだ状態を図示した正面図である。
図3】浮遊式プラットフォームを拡大図示した斜視図である。
図4】浮遊式プラットフォームの浮遊体の一変形例を図示した斜視図である。
図5】浮遊式プラットフォームの浮遊体の他の変形例を図示した要部側面図であり、一部を断面処理したものである。
図6】浮遊式プラットフォームの浮遊体のさらに他の変形例を図示した要部側面図であり、一部を断面処理したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明を添付図面を参照して詳細に説明する。以下に紹介する実施例は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達され得るようにするために例として提供されるものである。本発明は以下で説明される実施例に限定されず、他の形態で具体化されてもよい。本発明を明確に説明するために説明にかかわらない部分は図面で省略し、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さなどは便宜のために誇張して表現され得る。明細書全体に亘って同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
【0010】
図1図3に示す通り、浮遊式海上風力発電装置1は風力発電作用を遂行する上部の発電部2と、海上に浮かんだ状態で発電部2を支持する浮遊式プラットフォーム3を具備する。
発電部2はタワー(tower)2aと、タワー2aの上部に設置されるナセル(nacelle)2bと、ナセル2bの回転軸に連結されるロータ2cを具備することができる。ナセル2bは風力を機械的な回転エネルギーに転換させる構成であって、発電機を内蔵する。したがって、発電部2は風によって回転するロータ2cを通じて発電機の動作がなされることによって発電作用を遂行できる。
浮遊式プラットフォーム3は複数の浮遊体10と、複数の浮遊体10の間を連結して結束させる連結ビーム20を具備することができる。
【0011】
それぞれの浮遊体10は中空の円筒状で設けられて垂直方向に立てられ、複数の浮遊体10は互いに離隔するように配置され得る。
連結ビーム20はパイプ状で設けられた複数で構成され得る。連結ビーム20は浮遊体10に水平方向に連結される複数の水平型連結ビーム21と、浮遊体10に傾斜するように連結される複数の傾斜型連結ビーム22を含むことができる。
水平型連結ビーム21は浮遊体10の上部の側面の間を連結する上部水平型連結ビーム21aと、浮遊体10の下部の側面の間を連結する下部水平型連結ビーム21bを含むことができる。傾斜型連結ビーム22は上部水平型連結ビーム21aが連結される位置の底部側浮遊体10の側面と下部水平型連結ビーム21bの間を連結するように配置され得る。
【0012】
複数の浮遊体10は連結ビーム20によって互いに結束された状態で一体に挙動することになり、これに伴い、発電部2は一体に挙動する浮遊式プラットフォーム3により安定的に支持され得る。
複数の浮遊体10は放射状に互いに離隔するように配置され、発電部2はこのうちいずれか一つの浮遊体10の上部に位置し得る。
【0013】
図面とは異なって、発電部2は浮遊式プラットフォーム3の中心部に対応して位置し得、このために浮遊式プラットフォーム3の中央部には発電部2の設置のための連結ビームや浮遊体がさらに備えられ得る。すなわち、浮遊体10の配置構造とこれに伴う発電部2の位置は多様な形態に変形が可能であり得る。
【0014】
一方、浮遊式プラットフォーム3の振動を低減させるためのものとして、浮遊体10の外周にはストレーキ(strake)30が設けられる。
ストレーキ30は浮遊体10の外面から側方に突出し、浮遊体10の外周に沿って軸方向にコイル形態をなすように延びる螺旋状の帯形態で設けられ得る。ストレーキ30は溶接によって浮遊体10に外面に結合され得る。
浮遊体10の外周に沿って形成される螺旋状のストレーキ30は浮遊体10の垂直方向の流動に対して抵抗として作用することによって、浮遊体30に発生する渦励起振動(VIV、Vortex Induced Vibration)を低減させることができる。
【0015】
また、ストレーキ30は海流の流れに抵抗として作用して浮遊体10を通過する海流を振動させ、この振動によって浮遊体10周辺で発生する乱流は、浮遊体10を通過した状態で浮遊体10の後方で形成される渦流によって浮遊体10の前後方の圧力差が大きくなることを抑制することができる。したがって、ストレーキ30は浮遊体10に加えられる抗力の大きさを減らす方式によっても浮遊体10に加えられる振動を低減させることができる。
このような浮遊体10の振動低減構造は、浮遊式プラットフォーム3が流動が防止された安定した姿勢で浮遊するようにすることによって、発電部2を含む装置の全般的な流動が抑制されるようにすることができる。
したがって、浮遊式海上風力発電装置1は浮遊式プラットフォーム3の振動による損傷が防止されることにより、浮遊式プラットフォーム3の耐久性が向上し得る。
また、流動が抑制された発電部2は、モータ、電装品などの衝撃に敏感な部品の故障が抑制されてメンテナンスが容易となり、発電効率が改善されるなど使用安全性が保障され得る。
ストレーキ30は連続的な螺旋状はもちろん、断続的な螺旋状でも具現が可能であり得る。
【0016】
図4に示す通り、断続的な螺旋状で設けられるストレーキ30’は風力発電装置1の利用過程においても部分的な取り替えや保守が便利であるため、維持管理の側面で有利な利点を有することができる。
浮遊体10は上部が水面4の上部に位置し下部が水面4に浸る半潜水式で浮遊することになり、ストレーキ30は海流による浮遊体10の振動を低減させるために、浮遊体10において水面4に浸ることになる下部領域の周りに設置され得る。
ストレーキ30による浮遊体10の振動低減作用が浮遊体10の間を連結する連結ビーム20により干渉を受けることになることを抑制できるように、ストレーキ30は浮遊体10の下部領域に連結ビーム20が連結される位置を回避して設けられ得る。
このために、ストレーキ30は傾斜型連結ビーム22が連結される位置と下部水平型連結ビーム21bが連結される位置の間に対応する浮遊体10の下部領域の周りに設けられ得る。
また、浮遊体10は連結ビーム20が連結される部位の強度補強のための補強部材40を具備することができる。
【0017】
補強部材40は連結ビーム20と浮遊体10の間の連結部位を補強することによって、連結ビーム20と浮遊体10の間に集中した荷重が浮遊式プラットフォーム3全体に均一に分散されるようにすることができる。
したがって、補強部材40を具備する浮遊式プラットフォーム3は、浮遊体10に加えられる圧縮力によって浮遊体10と連結ビーム20の間が分離されることが抑制されることはもちろん、連結ビーム20により浮遊体10が損傷することが低減されるなど、耐久性の側面でより有利な利点を有することができる。
補強部材40は浮遊体10の外周と内周のうち少なくともいずれか一方を水平状態で支持する環状の水平型補強部材41含むことができる。
水平型補強部材41は浮遊体10の外周や内周に荷重分散効果を最大化させるためのもので、連結ビーム20が連結される位置の浮遊体10の外周にその内周が支持されるか、その外周が連結ビーム20が連結される位置の浮遊体10の内周に支持されるように浮遊体10に溶接され得る。
【0018】
図5に示す通り、水平型補強部材41は浮遊体10の内周に支持されるように浮遊体10に内蔵される内蔵式水平型補強部材41aを含むことができる。
内蔵式水平型補強部材41aは上部水平型連結ビーム21aと、傾斜型連結ビーム22と、下部水平型連結ビーム21bの高さに対応する浮遊体10の内周にそれぞれ配置される複数で構成され得る。
また、図6に示す通り、水平型補強部材41は浮遊体10の外周に支持されるように設けられる外装式水平型補強部材41bを含むことができる。
浮遊体10の外部に露出される外装式水平型補強部材41bは、風力発電装置1の利用過程中にも損傷による保守や取り替え作業が容易であるため、維持管理の側面で有利な利点を有することができる。
【0019】
連結ビーム20は浮遊体10に間接的に連結されるように、浮遊体10の外面と離隔した状態で外装式水平型補強部材41bに結合され得る。したがって、連結ビーム20により浮遊体10に加えられる荷重は外装式水平型補強部材41bを通じて浮遊体10の外周に分散され得るようになる。
外装式水平型補強部材41bは上部水平型連結ビーム21aと下部水平型連結ビーム21bの高さに対応する浮遊体10の外周にそれぞれ配置される一対で構成され、補強部材40は傾斜型連結ビーム22が結合するように、傾斜型連結ビーム22の連結位置に対応する外面に垂直方向に形成されるように突出する垂直型補強部材42をさらに含むことができる。
垂直方向に形成される垂直型補強部材42は外装式水平型補強部材41bとその形成方向を比較した時、傾斜型連結ビーム22を支持するにおいて相対的に変形の恐れが少ないと言える。
【0020】
傾斜型連結ビーム22は浮遊体10に間接的に連結されるように、浮遊体10の外面と離隔した状態で垂直型補強部材42に結合することができる。
因みに、前述した浮遊式プラットフォーム3の構造と効果は、風力発電装置1以外にも浮遊式プラットフォーム3を通じて海上に浮遊式で設置される他の多様な設備においてほぼ同様に適用が可能であり得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】