(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】固体光源を利用した喉頭ストロボスコープ
(51)【国際特許分類】
A61B 1/06 20060101AFI20240315BHJP
A61B 1/12 20060101ALI20240315BHJP
A61B 1/267 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61B1/06 613
A61B1/12 542
A61B1/267
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561625
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022022884
(87)【国際公開番号】W WO2022216525
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518264664
【氏名又は名称】ペンタックス・オブ・アメリカ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PENTAX OF AMERICA, INC.
【住所又は居所原語表記】3 PARAGON DR., MONTVALE, NJ 07645, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100121463
【氏名又は名称】矢口 哲也
(72)【発明者】
【氏名】オハラ,ヴィンス
(72)【発明者】
【氏名】サハイ,アリンド
(72)【発明者】
【氏名】エルワキル,モハンマド
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA13
4C161CC06
4C161DD03
4C161JJ09
4C161JJ11
4C161NN01
4C161QQ09
4C161RR03
4C161RR23
(57)【要約】
ストロボ内視鏡システムおよび関連する方法は、光フラッシュのシーケンスを生成するために、1つまたは複数の光源の間欠的な給電を使用する。ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、光源と、光伝送アセンブリと、コントローラと、を含む。撮像装置は、内視鏡を介して照明された対象物を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、光源によって生成された光を内視鏡に伝送するように構成される。ストロボ内視鏡システムおよび関連する方法は、内視鏡によって放射される照明光の量を増加させるための手法を採用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストロボ内視鏡システムであって、
ライトガイドを含む内視鏡と、
前記内視鏡を介して照明される患者の声帯を撮像するために構成されたビデオ装置と、
第1の光源と、
前記第1の光源によって生成された光を前記ライトガイド内に伝送するように構成された光伝送アセンブリと、
前記患者の発声に応答してマイクロフォン出力信号を生成するように構成されたマイクロフォンと、
前記第1の光源、前記ビデオ装置、および前記マイクロフォンと動作可能に結合されたコントローラであって、前記患者の基本発声周波数を追跡するために前記マイクロフォン出力信号を処理するように構成され、前記声帯が少なくとも2つの完全な変位サイクルを完了する間の前記ビデオ装置の第1のビデオフレーム中に前記基本発声周波数と同期して2つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源に給電するように構成され、それにより、前記2つ以上の光フラッシュのシーケンスが、前記少なくとも2つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する、コントローラと、
を含むストロボ内視鏡システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記声帯が2回未満の完全な変位サイクルを完了する間の前記ビデオ装置の第2のビデオフレーム中に前記基本発声周波数と同期して単一の光フラッシュを生成するために前記第1の光源に給電するようにさらに構成され、それにより、前記単一の光フラッシュが、前記2回未満の完全な変位サイクルの1つの変位サイクルの選択されたセグメントを照明し、
前記単一の光フラッシュが、単一の光フラッシュ持続時間を有する、
請求項1に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項3】
前記2つ以上の光フラッシュのシーケンスが2つの光フラッシュからなり、
前記2つの光フラッシュの各々が、前記単一の光フラッシュ持続時間の半分に等しい持続時間を有する、
請求項2に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記声帯が少なくとも3つの完全な変位サイクルを完了する間の前記ビデオ装置の第3のビデオフレーム中に前記基本発声周波数と同期して3つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源に給電するようにさらに構成され、それにより、前記3つ以上の光フラッシュのシーケンスが、前記少なくとも3つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する、請求項2に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項5】
前記3つ以上の光フラッシュのシーケンスが3つの光フラッシュからなり、
前記3つの光フラッシュの各々が、前記単一の光フラッシュ持続時間の1/3に等しい持続時間を有する、
請求項4に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項6】
前記コントローラが、前記声帯が少なくとも4つの完全な変位サイクルを完了する間の前記ビデオ装置の第4のビデオフレーム中に前記基本発声周波数と同期して4つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源に給電するようにさらに構成され、それにより、前記4つ以上の光フラッシュのシーケンスが、前記少なくとも4つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する、請求項4に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項7】
前記4つ以上の光フラッシュのシーケンスが4つの光フラッシュからなり、
前記4つの光フラッシュの各々が、前記単一の光フラッシュ持続時間の1/4に等しい持続時間を有する、
請求項6に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項8】
前記第1の光源により発生した熱をヒートシンクに伝達するために前記第1の光源と結合されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに結合され、前記ヒートシンクから熱を除去するように動作可能な熱電冷却器と、をさらに含み、
前記コントローラが、前記熱電冷却器と動作可能に結合され、前記光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源に給電する前に、前記熱電冷却器を動作させて、前記ヒートシンクを、前記ヒートシンクの周囲の空気の周囲温度未満に冷却するように構成される、
請求項1に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項9】
前記ヒートシンクが、前記周囲温度よりも少なくとも摂氏5度低く冷却される、請求項8に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項10】
前記ヒートシンクが、前記周囲温度よりも少なくとも摂氏10度低く冷却される、請求項9に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項11】
前記第1の光源によって生成された光を、前記ライトガイド内への伝送のために前記光伝送アセンブリ内へリダイレクトするように構成された半球反射器をさらに含む、請求項1に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項12】
前記半球反射器によって誘発されたスペクトルの第1のシフトを補償するために、前記内視鏡を介して取り込まれた画像のカラーバランスを実行するように構成された画像プロセッサをさらに含む、請求項11に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項13】
前記第1の光源が、白色光を放射するように構成された蛍光体コーティングを含む、請求項12に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項14】
前記第1の光源によって生成された光を、前記ライトガイド内への伝送のために内部全反射を介して前記光伝送アセンブリ内へリダイレクトするように構成された内部全反射器をさらに含む、請求項1に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項15】
前記第1の光源が単色光を生成するように構成され、
前記光伝送アセンブリがセラミック蛍光体を含み、
前記光フラッシュのシーケンスが、前記セラミック蛍光体を励起して、前記ライトガイド内に伝送される白色光フラッシュのシーケンスを生成する、
請求項1に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項16】
前記セラミック蛍光体が反射モードで励起される、請求項15に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項17】
前記セラミック蛍光体が伝送モードで励起される、請求項15に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項18】
ストロボ内視鏡システムであって、
ライトガイドを含む内視鏡と、
前記内視鏡を介して照明される患者の声帯を撮像するために構成された撮像装置と、
第1の光源と、
第2の光源と、
前記第1の光源および前記第2の光源によって生成された光を前記ライトガイド内に伝送させるように構成された光伝送アセンブリであって、前記第1の光源によって生成された光および前記第2の光源によって生成された光の各々を前記ライトガイド内に収束させるように構成された収束レンズを含む、光伝送アセンブリと、
前記第1の光源と動作可能に結合され、前記患者の声帯を照明するために使用される光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源に給電するように構成されたコントローラと、を含むストロボ内視鏡システム。
【請求項19】
前記第1の光源および前記第2の光源によって生成された熱をヒートシンクに伝達するために、前記第1の光源および前記第2の光源と結合されたヒートシンクと、
前記ヒートシンクに結合され、前記ヒートシンクから熱を除去するように動作可能な熱電冷却器と、をさらに含み、
前記コントローラが、前記熱電冷却器と動作可能に結合され、前記光フラッシュのシーケンスを生成するために前記第1の光源および前記第2の光源に給電する前に、前記熱電冷却器を動作させて、前記ヒートシンクを、前記ヒートシンクの周囲の空気の周囲温度未満に冷却するように構成される、
請求項18に記載のストロボ内視鏡システム。
【請求項20】
ストロボ画像を取り込む方法であって、
ヒートシンクを前記ヒートシンクの周囲の空気の周囲温度未満に冷却するように熱電冷却器を動作させるステップと、
前記ヒートシンクが前記周囲温度よりも低く冷却された後に、光フラッシュのシーケンスを生成させるために第1の光源に給電するステップであって、前記第1の光源が、前記光フラッシュのシーケンスの生成中に前記第1の光源を冷却するために前記ヒートシンクに熱的に結合される、ステップと、
前記光フラッシュのシーケンスからの光を内視鏡のライトガイド内に伝送するステップと、
前記内視鏡によって前記光フラッシュのシーケンスからの光を放射するステップと、
前記内視鏡によって放射された前記光によって照明された対象物の画像を取り込むステップと、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001]関連出願
本出願は、2021年4月7日に出願された米国仮出願第63/171,666号の優先権を主張する。これらの先に出願された出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]喉頭ストロボスコープは、治療専門家によるレビューのために喉頭の見かけ上のスローモーションビデオを提供するように、発声喉頭の画像のシーケンスを生成するために使用される。多くの喉頭ストロボスコープは、電子カメラおよび隆起したまたは柔軟な喉頭スコープによる喉頭の撮像中に、発声喉頭のストロボ照明を生成する。ストロボ光のパルスタイミングは、各パルスを発声喉頭(例えば、喉頭マイクロフォンによって得られる)によって生成される音の導出された基本周波数と同期させるように制御することができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003]以下では、本発明の基本的な理解を提供するために、本発明のいくつかの実施形態の簡略化された概要を提示する。この概要は、本発明の広範な概要ではない。本発明の重要な/重要な要素を特定すること、または本発明の範囲を明確にすることは意図されていない。その唯一の目的は、後に提示されるより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの実施形態を簡略化された形態で提示することである。
【0004】
[0004]本明細書に記載の実施形態は、ストロボ内視鏡システムおよび関連する方法に関する。多くの実施形態では、1つまたは複数の手法を使用して、1つまたは複数のLEDによって生成されるストロボ光の量を増加させ、および/または内視鏡によって放射される1つまたは複数のLEDによって生成されるストロボ光の量を増加させて、対象物の撮像のための対象物(例えば、発声喉頭)の照明を提供する。
【0005】
[0005]例えば、多くの実施形態では、ストロボ内視鏡システムは、ビデオフレーム中に声帯を照明するために使用される光の総量を増加させるために、ビデオフレーム中に発生する声帯変位サイクルの一致するセグメントを繰り返し照明するために、ビデオフレーム中に複数の光フラッシュを生成するように構成される。さらに、画像のぼやけを回避するのに十分短い光フラッシュの持続時間を維持し、それぞれの声帯セグメントの同じセグメントを光フラッシュの各々で照明することによって、画像のぼやけを抑制または回避することができる。
【0006】
[0006]多くの実施形態では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、撮像装置による撮像のために対象物(例えば、発声喉頭)を照明するために内視鏡によって放射される光フラッシュのシーケンスを生成するために断続的に給電される1つまたは複数のLEDとを含む。多くの実施形態では、1つまたは複数のLEDは、断続的に給電される前に予冷されるヒートシンクと熱的に結合される。ヒートシンクを予冷することにより、1つまたは複数のLEDの結果として生じる冷却の増加に起因して1つまたは複数のLEDの結果として生じる動作寿命に悪影響を及ぼすことなく、1つまたは複数のLEDをより高い電力レベル(より多くの光量を生成する)で動作させることができる。
【0007】
[0007]多くの実施形態では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、1つまたは複数のLEDと、光リダイレクトアセンブリとを含む。1つまたは複数のLEDは、間欠的に給電され、撮像装置による撮像のために対象物(例えば、発声喉頭)を照明するために内視鏡によって放射される光フラッシュのシーケンスを生成する。多くの実施形態では、光リダイレクトアセンブリは、内視鏡によって放射される1つまたは複数のLEDによって生成される光の量を増加させて、対象物の撮像のための対象物(例えば、発声喉頭)の照明を提供するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、光リダイレクトアセンブリは、内視鏡によって放射される1つまたは複数のLEDによって生成される光の量を増加させるように構成された1つまたは複数の半球反射器を含む。いくつかの実施形態では、光リダイレクトアセンブリは、内視鏡によって放射される1つまたは複数のLEDによって生成される光の量を増加させるように構成された1つまたは複数の内部全反射器を含む。内視鏡によって放射される1つまたは複数のLEDによって生成される光の量を増加させることによって、1つまたは複数のLEDは、低減された光出力を有することができ、それによってコストおよび電力消費を低減することができる。
【0008】
[0008]したがって、1つの態様では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、ビデオ装置と、第1の発光ダイオード(LED)と、光伝送アセンブリと、マイクロフォンと、コントローラと、を含む。内視鏡は、ライトガイドを含む。ビデオ装置は、内視鏡を介して照明される患者の声帯を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源によって生成された光をライトガイドに透過させるように構成される。マイクロフォンは、患者の発声に応答してマイクロフォン出力信号を生成するように構成される。コントローラは、第1の光源、ビデオ装置、およびマイクロフォンと動作可能に結合される。コントローラは、患者の基本発声周波数を追跡するためにマイクロフォン出力信号を処理するように構成される。コントローラは、声帯が少なくとも2つの完全な変位サイクルを完了するビデオ装置の第1のビデオフレーム中に、基本発声周波数と同期して2つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するように第1の光源に給電するように構成され、その結果、2つ以上の光フラッシュのシーケンスは、少なくとも2つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する。コントローラは、声帯が2回未満の完全な変位サイクルを完了するビデオ装置の第2のビデオフレーム中に基本発声周波数と同期して単一の光フラッシュを生成するように第1の光源に給電するようにさらに構成することができ、その結果、単一の光フラッシュは、2回未満の完全な変位サイクルのうちの1つの変位サイクルの選択されたセグメントを照明する。多くの実施形態では、単一の光フラッシュは、単一の光フラッシュ持続時間を有する。2つ以上の光フラッシュのシーケンスは、2つの光フラッシュからなることができる。2つの光フラッシュの各々は、任意の適切な持続時間、例えば、単一の光フラッシュ持続時間の半分に等しい持続時間を有することができる。
【0009】
[0009]コントローラは、声帯が少なくとも3つの完全な変位サイクルを完了するビデオ装置の第3のビデオフレーム中に、基本発声周波数と同期して3つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するように第1の光源に給電するようにさらに構成することができ、その結果、3つ以上の光フラッシュのシーケンスは、少なくとも3つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する。3つ以上の光フラッシュのシーケンスは、3つの光フラッシュからなることができる。3つの光フラッシュの各々は、任意の適切な持続時間、例えば、単一の光フラッシュ持続時間の1/3に等しい持続時間を有することができる。
【0010】
[0010]コントローラは、声帯が少なくとも4つの完全な変位サイクルを完了するビデオ装置の第4のビデオフレーム中に、基本発声周波数と同期して4つ以上の光フラッシュのシーケンスを生成するように第1の光源に給電するようにさらに構成することができ、その結果、4つ以上の光フラッシュのシーケンスは、少なくとも4つの完全な変位サイクルの一致するセグメントを照明する。4つ以上の光フラッシュのシーケンスは、4つの光フラッシュからなることができる。4つの光フラッシュの各々は、任意の適切な持続時間、例えば、単一の光フラッシュ持続時間の1/4に等しい持続時間を有することができる。
【0011】
[0011]ストロボ内視鏡システムは、ヒートシンクおよび熱電冷却器をさらに含むことができる。ヒートシンクは、第1の光源によって生成された熱をヒートシンクに伝達するために第1の光源と結合することができる。熱電冷却器は、ヒートシンクと結合することができ、ヒートシンクから熱を除去するように動作可能である。コントローラは、熱電冷却器と動作可能に結合され、光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源に給電する前に、熱電冷却器を動作させて、ヒートシンクを、ヒートシンクの周囲の空気の周囲温度未満に冷却するように構成され得る。ヒートシンクは、周囲温度より低い任意の適切な温度、例えば、周囲温度より少なくとも5℃低い温度、または周囲温度より少なくとも10℃低い温度に冷却することができる。
【0012】
[0012]ストロボ内視鏡システムは、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの伝送のために光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成された半球反射器をさらに含むことができる。ストロボ内視鏡システムは、半球反射器によって誘発されるスペクトルの第1のシフトを補償するために、内視鏡を介して取り込まれた画像のカラーバランスを実行するように構成された画像プロセッサをさらに含むことができる。第1の光源は、白色光を放射するように構成された蛍光体コーティングを含むことができる。
【0013】
[0013]ストロボ内視鏡システムは、第1の光源によって生成された光を、内視鏡による放射のために内視鏡に伝送するための内部全反射を介して光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成された内部全反射器をさらに含むことができる。第1の光源は、単色光を生成するように構成することができる。光伝送アセンブリは、セラミック蛍光体を含むことができる。いくつかの実施形態では、光フラッシュのシーケンスは、ライトガイドに伝送される白色光フラッシュのシーケンスを生成するようにセラミック蛍光体を励起する。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は反射モードで励起される。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は伝送モードで励起される。
【0014】
[0014]別の態様では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、映像装置と、第1の光源と、第2の光源と、光伝送アセンブリと、コントローラと、を含む。内視鏡は、ライトガイドを含む。ビデオ装置は、内視鏡を介して照明される患者の声帯を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源および第2の光源によって生成された光をライトガイドに透過させるように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源によって生成された光および第2の光源によって生成された光の各々をライトガイドに収束させるように構成された収束レンズを含む。コントローラは、第1の光源と動作可能に結合され、患者の声帯を照明するために使用される光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源に給電するように構成される。
【0015】
[0015]ストロボ内視鏡システムは、ヒートシンクおよび熱電冷却器を含むことができる。ヒートシンクは、第1の光源および第2の光源と結合されて、第1の光源および第2の光源によって生成された熱をヒートシンクに伝達することができる。熱電冷却器は、ヒートシンクと結合することができ、ヒートシンクから熱を除去するように動作可能である。コントローラは、熱電冷却器と動作可能に結合することができ、光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源および第2の光源に給電する前に、ヒートシンクを、ヒートシンクを取り囲む空気の周囲温度未満に冷却するように熱電冷却器を動作させるように構成することができる。ヒートシンクは、周囲温度より低い任意の適切な温度に冷却することができる。例えば、ヒートシンクは、周囲温度よりも少なくとも5℃低い温度まで、または周囲温度よりも少なくとも10℃低い温度まで冷却することができる。
【0016】
[0016]ストロボ内視鏡システムは、第1の半球反射器と第2の半球反射器とを含むことができる。第1の半球反射器は、内視鏡に伝送するために、第1の光源によって生成された光を光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成することができる。第2の半球反射器は、内視鏡に伝送するために、第2の光源によって生成された光を光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成することができる。ストロボ内視鏡システムは、内視鏡を介して取り込まれた画像のカラーバランスを実行して、第1の半球反射器および第2の半球反射器によって誘発されるスペクトルのシフトを補償するように構成された画像プロセッサをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の光源および第2の光源の各々は、白色光を放射するように構成された蛍光体コーティングを含む。
【0017】
[0017]ストロボ内視鏡システムは、第1の内部全反射器と、第2の内部全反射器とを含むことができる。第1の内部全反射器は、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの透過のために内部全反射を介して光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成することができる。第2の内部全反射器は、第2の光源によって生成された光を、ライトガイドへの透過のために内部全反射を介して光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成される。
【0018】
[0018]第1の光源および第2の光源の各々は、単色光を生成するように構成することができる。光伝送アセンブリは、セラミック蛍光体を含むことができる。いくつかの実施形態では、光フラッシュのシーケンスは、内視鏡に伝送される白色光フラッシュのシーケンスを生成するようにセラミック蛍光体を励起する。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は反射モードで励起される。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は伝送モードで励起される。
【0019】
[0019]別の態様では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、第1の光源と、光伝送アセンブリと、ヒートシンクと、熱電冷却器と、コントローラと、を含む。内視鏡は、ライトガイドを含む。撮像装置は、内視鏡を介して照明された対象物を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源によって生成された光をライトガイド内に透過させるように構成される。ヒートシンクは、第1の光源と結合されて、第1の光源によって生成された熱をヒートシンクに伝達する。熱電冷却器は、ヒートシンクに結合され、ヒートシンクから熱を除去するように動作可能である。コントローラは、第1の光源および熱電冷却器と動作可能に結合される。コントローラは、第1の光源に給電して光フラッシュのシーケンスを生成するように構成される。コントローラは、光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源に給電する前に、ヒートシンクを、ヒートシンクを取り囲む空気の周囲温度未満に冷却するように熱電冷却器を動作させるように構成される。
【0020】
[0020]ヒートシンクは、周囲温度より低い任意の適切な温度に冷却することができる。例えば、いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、周囲温度よりも少なくとも5℃まで冷却される。いくつかの実施形態では、ヒートシンクは、周囲温度よりも少なくとも摂氏10度まで冷却される。
【0021】
[0021]シーケンス光を生成するために第1の光源に給電する前のヒートシンクの予冷の結果として、第1の光源の冷却の増加に起因して適切な動作寿命を維持しながら、第1の光源をより高い電力で給電することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の光源は、連続給電のための最大推奨電力レベルを有し、ストロボ電力レベルは、光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源に断続的に印加され、ストロボ電力レベルは、最大推奨電力レベルの少なくとも4倍である。いくつかの実施形態では、ストロボ電力レベルは、最大推奨電力レベルの少なくとも8倍である。
【0022】
[0022]ストロボ内視鏡システムは、断続的に給電されて光フラッシュのシーケンスを生成する任意の適切な数のLEDを含むことができる。例えば、多くの実施形態では、ストロボ内視鏡システムは、第2の光源を含む。ヒートシンクは、第2の光源と結合されて、第2の光源によって生成された熱をヒートシンクに伝達することができる。コントローラは、第1の光源と共に第2の光源に給電して光フラッシュのシーケンスを生成するように構成することができる。
【0023】
[0023]ストロボ内視鏡システムは、内視鏡によって放射される第1の光源(および含まれる場合には第2の光源)によって生成される光の量を増加させるように構成することができる。例えば、ストロボ内視鏡システムは、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの伝送のために光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成された半球反射器をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡を介してキャプチャされた画像のカラーバランスを実行して、第1の半球反射器によって誘発されるスペクトルの第1のシフトを補償するように構成された画像プロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の光源は、白色光を放射するように構成された蛍光体コーティングを含む。ストロボ内視鏡システムは、第1の光源によって生成された光を、ライトガイド内への伝送のために内部全反射を介して光伝送アセンブリ内にリダイレクトするように構成された内部全反射器をさらに含むことができる。
【0024】
[0024]第1の光源(および含まれる場合には第2の光源)は、任意の適切な構成を有することができる。例えば、多くの実施形態では、第1の光源は単色光を生成するように構成され、光伝送アセンブリはセラミック蛍光体を含むことができ、光フラッシュのシーケンスはセラミック蛍光体を励起して、ライトガイドに透過される白色光フラッシュのシーケンスを生成する。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は反射モードで励起される。いくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は伝送モードで励起される。
【0025】
[0025]別の態様では、ストロボ画像をキャプチャする方法は、熱電冷却器を動作させて、ヒートシンクを周囲の空気の周囲温度よりも低く冷却することを含む。ヒートシンクが周囲温度未満に冷却された後に、第1の光源が給電されて光フラッシュのシーケンスを生成する。第1の光源は、光フラッシュのシーケンスの生成中に第1の光源を冷却するためにヒートシンクに熱的に結合される。光フラッシュのシーケンスからの光は、内視鏡のライトガイドに伝送される。光フラッシュのシーケンスからの光は、内視鏡によって放射される。内視鏡によって放射された光によって照明された対象物の画像が取り込まれる。
【0026】
[0026]本方法の多くの実施形態では、ヒートシンクは、周囲温度より少なくとも5℃低い温度まで冷却される。本方法のいくつかの実施形態では、ヒートシンクは、周囲温度より少なくとも10℃低い温度まで冷却される。
【0027】
[0027]本方法の多くの実施形態では、第1の光源は、連続動作電力レベルよりも実質的に高い電力レベルを使用して給電される。例えば、多くの実施形態では、第1の光源は、連続動作のための最大推奨電力レベルを有し、ストロボ電力レベルは、光フラッシュのシーケンスを生成するために第1の光源に断続的に印加され、ストロボ電力レベルは、最大推奨電力レベルの少なくとも4倍である。本方法のいくつかの実施形態では、ストロボ電力レベルは、最大推奨電力レベルの少なくとも8倍である。
【0028】
[0028]本方法の多くの実施形態では、2つ以上のLEDが給電されて光フラッシュのシーケンスを生成する。例えば、本方法の多くの実施形態では、ヒートシンクが周囲温度未満に冷却された後に、第2の光源が第1の光源と共に給電されて光フラッシュのシーケンスを生成する。第2の光源は、光フラッシュのシーケンスの生成中に第2の光源を冷却するためにヒートシンクに熱的に結合することができる。
【0029】
[0029]本方法の多くの実施形態では、そうでなければ内視鏡を透過し、内視鏡によって放射されるように方向付けられない第1の光源によって生成された光の一部は、内視鏡を伝送し、内視鏡によって放射されるようにリダイレクトされ、それにより、無駄にされる代わりに内視鏡によって放射される第1の光源によって生成された光の割合が増加する。例えば、いくつかの実施形態では、本方法は、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの伝送のために半球反射器によってリダイレクトするステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、半球反射器によって誘発されるスペクトルの第1のシフトを補償するために、画像プロセッサによって内視鏡を介して取り込まれた画像のカラーバランスを実行することを含む。本方法のいくつかの実施形態では、第1の光源は、白色光を放射するように構成された蛍光体コーティングを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの伝送のために内部全反射を介してリダイレクトするステップを含む。
【0030】
[0030]第1の光源(および含まれる場合には第2の光源)は、任意の適切な構成を有することができる。例えば、本方法の多くの実施形態では、第1の光源は単色光を生成するように構成され、光伝送アセンブリはセラミック蛍光体を含むことができ、光フラッシュのシーケンスはセラミック蛍光体を励起して、ライトガイドに透過される白色光フラッシュのシーケンスを生成する。本方法のいくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は反射モードで励起される。本方法のいくつかの実施形態では、セラミック蛍光体は伝送モードで励起される。
【0031】
[0031]別の態様では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、第1の光源と、光伝送アセンブリと、半球反射器と、コントローラと、を含む。内視鏡は、ライトガイドを含む。撮像装置は、内視鏡を介して照明された対象物を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源によって生成された光をライトガイド内に透過させるように構成される。半球反射器は、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドに透過させるために光伝送アセンブリにリダイレクトするように構成される。コントローラは、第1の光源と動作可能に結合される。コントローラは、第1の光源に給電して光フラッシュのシーケンスを生成するように構成される。
【0032】
[0032]別の態様では、ストロボ内視鏡システムは、内視鏡と、撮像装置と、第1の光源と、光伝送アセンブリと、内部全反射器と、コントローラと、を含む。内視鏡は、ライトガイドを含む。撮像装置は、内視鏡を介して照明された対象物を撮像するように構成される。光伝送アセンブリは、第1の光源によって生成された光をライトガイド内に透過させるように構成される。内部全反射器は、第1の光源によって生成された光を、ライトガイドへの伝送のために内部全反射を介してリダイレクトするように構成される。コントローラは、第1の光源と動作可能に結合される。コントローラは、第1の光源を動作させて光フラッシュのシーケンスを生成するように構成される。
【0033】
[0033]本発明の性質および利点のより完全な理解のために、以下の詳細な説明および添付の図面を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】実施形態による、ストロボ内視鏡システムを図式的に示す図である。
【
図2】
図1の照明/撮像サブシステムの一実施形態を図式的に示す図である。
【
図3】
図1の照明/撮像サブシステムに用いることができるストロボ光アセンブリの実施形態を図式的に示す図である。
【
図4】
図1のストロボ内視鏡システムで使用することができるストロボ光アセンブリの別の実施形態を図式的に示す図である。
【
図5】
図1のストロボ内視鏡システムに使用することができるストロボ光アセンブリの別の実施形態を図式的に示す図である。
【
図6】
図1のストロボ内視鏡システムで使用することができるストロボ光アセンブリの別の実施形態を図式的に示す図である。
【
図7A】
図1のストロボ内視鏡システムで使用され得るストロボ光アセンブリの他の実施形態を図式的に示す図である。
【
図7B】
図1のストロボ内視鏡システムで使用され得るストロボ光アセンブリの他の実施形態を図式的に示す図である。
【
図8】
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得るストロボ光アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図9】
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得るストロボ光アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図10】
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得るストロボ光アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図11】
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得るストロボ光アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図12】
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得るストロボ光アセンブリの別の実施形態を示す図である。
【
図13】
図1のストロボ内視鏡システムで採用可能なストロボ画像の撮影方法を簡略化して示す模式図である。
【
図14A】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図14B】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図14C】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図14D】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図15A】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図15B】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図15C】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図15D】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図16A】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図16B】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図16C】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【
図16D】複数の照明光パルスがビデオフレーム中に患者の声帯上に放射されて照明光の総量を増加させる、
図1のストロボ内視鏡システムに採用され得る手法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[0046]以下、本発明の種々の実施形態について説明する。説明の目的で、実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成および詳細が記載されている。しかしながら、特定の詳細なしで本発明を実施できることも当業者には明らかであろう。さらに、説明されている実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴は省略または簡略化されてもよい。
【0036】
[0047]本明細書に記載の実施形態は、LED生成ストロボ光源を備えたストロボスコープ(例えば、喉頭ストロボスコープ)に関する。いくつかの実施形態では、ストロボスコープは、電子カメラおよび隆起または可撓性喉頭スコープによる喉頭の撮像中に発声喉頭のストロボ照明を提供するように構成された喉頭ストロボスコープである。好ましい実施形態では、ストロボ光のパルスタイミングは、治療専門家によるレビューのために喉頭の見かけ上のスローモーションビデオを提供するように、各パルスを電子カメラのビデオフレームおよび発声喉頭(例えば、喉頭マイクロフォンによって得られる)によって生成される音の導出された基本周波数と同期させるように制御される。好ましい実施形態では、最終ストロボ画像を提示するシステムは、臨床使用のための高品質画像を提供するために自動カラーバランスを提供する能力を有する。
【0037】
[0048]ここで図面を参照すると、同様の符号は様々な図の同様の要素を指し、
図1は、実施形態による、患者12の発声喉頭の撮像に使用されるストロボ内視鏡システム10を図式的に示す。ストロボ内視鏡システム10は、内視鏡14と、喉頭マイクロフォン16と、照明/撮像サブシステム18と、ディスプレイ20とを含む。図示の構成では、喉頭マイクロフォン16は、発声喉頭の撮像中に患者の発声(例えば、音声、歌唱、検査を行う医療専門家によって要求される特定のトーン)を検出するために喉頭の近くで患者12の喉とインターフェース接続される。しかしながら、喉頭マイクロフォン16は、患者の発声を検出するための任意の適切な位置に取り付けることができる。図示の構成では、内視鏡14から放射されたストロボ光で喉頭を照明し、喉頭の画像データを生成するために配置された内視鏡14が示されている。内視鏡14は、照明/撮像サブシステム18に適切なケーブル22によって接続され、それを介して照明/撮像サブシステム18は、喉頭を照明するために内視鏡14による発光のためにストロボシーケンスの光フラッシュを内視鏡14に伝送し、内視鏡14に含まれる内視鏡撮像装置から画像データを受信する。喉頭マイクロフォン16は、喉頭マイクロフォン16によって生成された音声データまたは出力信号を受信するための適切なマイクロフォンケーブル24を介して照明/撮像サブシステム18に接続される。
【0038】
[0049]照明/撮像サブシステム18は、喉頭マイクロフォン16の出力に基づいて光フラッシュのシーケンスを生成するように制御可能に給電される1つまたは複数の発光ダイオード(LED)を含むストロボ光アセンブリを含み、それによって光フラッシュを発声喉頭の基本周波数と同期させる。多くの実施形態では、ケーブル22は、可撓性ライトガイド(例えば、1つまたは複数の光ファイバを含む可撓光ケーブル)を含み、1つまたは複数のLEDによって生成された光は、可撓性ライトガイドに結合される。可撓性ライトガイドは、光フラッシュのシーケンスを内視鏡14に伝送し、内視鏡は、発声する喉頭を断続的に照明するためにストロボ光を発する。
【0039】
[0050]多くの実施形態では、照明/撮像サブシステム18は、内視鏡14から受信した画像データを処理して、治療専門家によるレビューのための喉頭の見かけ上のスローモーションビデオを生成する。好ましい実施形態では、照明/撮像サブシステム18は、臨床使用のための高品質画像を提供するために自動カラーバランスを実行する。図示の実施形態では、照明/撮像サブシステム18は、喉頭の見かけ上のスローモーションビデオをディスプレイ20に表示するように動作可能である。
【0040】
[0051]
図2は、
図1の照明/撮像サブシステム18の一実施形態を図式的に示す。図示の実施形態では、照明/撮像サブシステム18は、ベース/照明ユニット26、カメラ制御ユニット28、ビデオ処理ユニット30、ビデオキャプチャモジュール32、ラペルマイクロフォン34、喉頭マイクロフォン16、フットペダル36、および絶縁電力変圧器38を含む。ベース/照明ユニット26は、喉頭マイクロフォン16によって生成された出力を処理して、患者12の発声のベース周波数を決定し、追跡する。ベース/照明ユニット26は、喉頭の振動中に喉頭の段階の進行シーケンスで喉頭を順次照明するために、追跡されたベース周波数に基づいて1つまたは複数のLEDに断続的に給電することによってストロボシーケンスの光フラッシュを生成するための1つまたは複数のLEDを含む。カメラ制御ユニット28は、内視鏡14の内視鏡撮像装置の動作を制御し、発声喉頭の映像をベース/照明ユニット26に提供する。ビデオ処理ユニット30は、内視鏡撮像装置が生成した画像データを処理し、処理後の映像をベース/照明ユニット26に提供する。カメラ制御ユニット28および/またはビデオ処理ユニット30によってベース/照明ユニット26に供給されたビデオ入力は、ビデオキャプチャモジュール32に出力される。ベース/照明ユニット26はまた、オーディオ出力をビデオキャプチャモジュール32に出力する。ビデオキャプチャモジュール32に提供されるオーディオ出力は、内視鏡システム10によってキャプチャされた発声喉頭のビデオに対するコンテキストのために、ラペルマイクロフォン34によって生成されたオーディオ出力および/または喉頭マイクロフォン16によって生成されたオーディオ出力を含むことができる。ビデオキャプチャモジュール32は、治療専門家によるレビューのために喉頭の見かけ上のスローモーションビデオを生成および格納するように構成される。
【0041】
[0052]ベース/照明ユニット26は、発声喉頭の動きを「フリーズ」するために使用される短い(例えば、公称120us)強い白色光パルス(例えば、60パルス/秒の繰返し率で)を生成するために(LEDの対応する製造業者の最大電力レベルに対して)過駆動される1つまたは複数のLEDを含むことができる。いくつかの想定される実施形態では、LEDは、LEDの製造業者の最大電力レベルの4倍~12倍だけ過駆動される。LEDの過駆動は、LEDの発光面積に対するLEDに印加される瞬時電力の比に関してさらに特徴付けることができる。いくつかの想定される実施形態では、LEDの発光面積に対するLEDに印加される瞬時電力の比は、LEDの製造業者の最大電力レベルに対応する比の4倍~12倍である。いくつかの実施形態では、LEDは、白色光を生成するためにセラミック蛍光体を励起するために使用される450nm波長の光を生成する青色レーザダイオードである。いくつかの実施形態では、LEDはレーザダイオードである。多くの実施形態では、LEDはコリメートされていない光を生成する。
【0042】
[0053]ベース/照明ユニット26は、撮像セッションの前にLEDおよび/またはLEDと熱的に結合された関連するヒートシンクを予備冷却するために使用される冷却機構を含むことができる。例えば、いくつかの想定される実施形態では、ベース/照明ユニット26は、LEDを周囲温度未満に予備冷却するために使用することができるペルチェヒートポンプ(別名、熱電冷却器)および/またはLEDと熱的に結合されたヒートシンクを含む。
【0043】
[0054]ストロボ光アセンブリ
【0044】
[0055]多くの実施形態において、ベース/照明ユニット26のストロボ光アセンブリは、1つまたは複数のLEDに結合されたヒートシンクの予冷を介して、1つまたは複数のLEDへのより高い電力の印加に対応するように構成される。多くの実施形態では、ストロボ光アセンブリは、そうでなければ内視鏡を通して伝送され内視鏡により放射されるように方向付けられない1つまたは複数のLEDによって生成された光の一部を、内視鏡を通して伝送され内視鏡により放射されるようにリダイレクトする光リダイレクションアセンブリを含み、それにより、1つまたは複数のLEDによって生成された光のうち、無駄にされる代わりに内視鏡によって放射される光の割合が増加する。多くの実施形態では、ヒートシンクの予冷と光リダイレクトアセンブリの両方が使用される。
【0045】
[0056]LEDは、セラミック蛍光体を励起してセラミック蛍光体に白色光フラッシュを放射させ、内視鏡14によって放射させて発声喉頭を照明させる青色レーザダイオードとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、LEDは、
図3に示すように、反射モードでセラミック蛍光体を励起する青色レーザダイオードとすることができる。
【0046】
[0057]
図3は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ100を図式的に示す。光アセンブリ100は、LED102,104,106と、ヒートシンク108と、熱電冷却器110と、熱交換器112と、内視鏡ライトガイド114と、光結合アセンブリ116とを含む。LED102,104、および116は、断続的にかつ同時に給電されて、光結合アセンブリ116によって内視鏡ライトガイド114に結合される光フラッシュのシーケンスを生成する。
【0047】
[0058]光結合アセンブリ116は、レンズ118,120および反射蛍光体アセンブリ122を含む。反射蛍光体アセンブリ122は、反射面124と、反射面124上の蛍光体コーティング126とを有する。図示の実施形態では、LED102,104,106は、450nm波長の光フラッシュのシーケンス128を発する。レンズ118は、LED102,104,106によって放射された450nm波長の光フラッシュ128を蛍光体コーティング126上に集束させる。蛍光体コーティング126は、450nmの光フラッシュ128によって励起され、それによって白色光フラッシュのシーケンス130を放射する。反射面124は、蛍光体コーティング126によって放射された白色光フラッシュ130の一部をレンズ120に向けて反射する。したがって、蛍光体コーティング126は反射モードで励起される。レンズ120は、蛍光体コーティング126によって放射された白色光フラッシュ130の多くを内視鏡ライトガイド114に集束させる。内視鏡ライトガイド114は、白色光フラッシュ130を内視鏡14に伝送し、内視鏡は、発声する喉頭を照明するために白色光フラッシュ130を発する。
【0048】
[0059]LED102,104,106は、ヒートシンク108に熱的に結合され、それによって、LED102,104,106の間欠的な給電中にLED102,104,106によって発生した熱が熱伝導を介してヒートシンク108に伝達され、それによってLEDの冷却を増加させ、それによってLEDのより低い冷却と比較してLEDにより高い電力レベルで給電することができる。熱電冷却器110は、ヒートシンク108から熱交換器112に熱を伝達するように動作可能である。熱交換器112は、適切な貯蔵所(例えば、周囲空気、適切な液体冷却剤)に熱を伝達するように構成される。多くの実施形態では、熱電冷却器110は、LED102,104,106に給電して光フラッシュのシーケンスを発生させる前に、ヒートシンク108および/またはLED102,104,106を取り囲む空気の周囲温度より下にヒートシンクを冷却するように、LED102,104,106の給電前に動作される。いくつかの実施形態では、熱電冷却器110は、LED102,104,106の給電中に動作し続けて、LED102,104,106の給電中にヒートシンク108の温度が上昇する速度を低下させる。LEDからの熱伝達を増加させる単段ペルチェの接合部温度の15℃までの低下を維持することができる。
【0049】
[0060]
図4は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ200を図式的に示す。光アセンブリ200は、LED202,204,206と、ヒートシンク208と、熱電冷却器210と、熱交換器212と、内視鏡ライトガイド214と、光結合アセンブリ216とを含む。LED102,104、および116は、断続的にかつ同時に給電されて、光結合アセンブリ216によって内視鏡ライトガイド214に結合される光フラッシュのシーケンスを生成する。
【0050】
[0061]光結合アセンブリ216は、レンズ218および伝送性蛍光体アセンブリ220を含む。伝送性蛍光体アセンブリ220は、伝送素子222と、伝送素子222上の蛍光体コーティング224と、を有する。図示の実施形態では、LED202,204,206は、450nm波長の光フラッシュのシーケンス226を発する。レンズ218は、LED202,204,206によって放射された450nm波長の光フラッシュ226を蛍光体コーティング224上に集束させる。蛍光体コーティング224は、450nmの光フラッシュ226によって励起され、それによって白色光フラッシュのシーケンス230を放射する。蛍光体コーティング224によって放射された白色光フラッシュ230の一部は、伝送素子222を通って内視鏡ライトガイド214に伝送される。したがって、蛍光体コーティング224は伝送モードで励起される。内視鏡ライトガイド214は、白色光フラッシュ230を内視鏡14に伝送し、内視鏡は、発声する喉頭を照明するために白色光フラッシュ230を発する。
【0051】
[0062]LED202,204,206は、ヒートシンク208に熱的に結合され、それによって、LED202,204,206の間欠的な給電中にLED202,204,206によって発生した熱が熱伝導を介してヒートシンク208に伝達され、それによってLEDの冷却を増加させ、それによってLEDのより低い冷却と比較してLEDにより高い電力レベルで給電することができる。熱電冷却器210は、ヒートシンク208から熱交換器212に熱を伝達するように動作可能である。熱交換器212は、適切な貯蔵所(例えば、周囲空気、適切な液体冷却剤)に熱を伝達するように構成される。多くの実施形態では、熱電冷却器210は、LED202,204,206に給電して光フラッシュのシーケンスを発生させる前に、ヒートシンク208および/またはLED202,204,206を取り囲む空気の周囲温度より下にヒートシンクを冷却するように、LED202,204,206の給電前に動作される。いくつかの実施形態では、熱電冷却器210は、LED202,204,206の給電中に動作し続けて、LED202,204,206の給電中にヒートシンク208の温度が上昇する速度を低下させる。
【0052】
[0063]
図5は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ300を図式的に示す。光アセンブリ300は、蛍光体コーティングされた青色LED302、反射ベース304、半球反射器306、および光結合アセンブリ308を含む。蛍光体コーティングされた青色LED302は、反射ベースに取り付けられる。LED302は、内視鏡14に結合される白色光フラッシュのシーケンスを生成するために断続的に給電される。多くの実施形態では、反射ベース304は、LED302によって発生した熱を吸収するヒートシンクとして機能する。多くの実施形態では、光アセンブリ300は、反射ベース304を予冷するための光アセンブリ100,200のいずれかに本明細書に記載の熱電冷却器および熱交換器を含む。
【0053】
[0064]LED302によって放射された白色光フラッシュのシーケンスは、反射ベース304、半球反射器306、および光結合アセンブリ308を介して内視鏡14に伝送される。反射ベース304および半球反射器306は、そうでなければレンズ310に入射しないLED302によって放射された白色光フラッシュのシーケンスの部分をレンズ310に入射するようにリダイレクトさせ、それによって、内視鏡14に結合されたLED302によって放射された白色光フラッシュのシーケンスからの光の量を増加させるように構成される。ビデオ処理ユニット30は、半球反射器306によって誘発されるスペクトルのシフトに対して自動的にカラーバランスをとる能力を有することができる。
【0054】
[0065]
図6は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ400を図式的に示す。光アセンブリ400は、光アセンブリ300のうちの2つを集約する。
【0055】
[0066]
図7Aは、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ500を図式的に示す。光アセンブリ500は、蛍光体コーティングされた青色LED502と、反射ベース504と、内部全反射(TIR)光学素子506と、レンズ508とを含む。蛍光体コーティングされた青色LED502は、反射ベース504に取り付けられる。LED502は、内視鏡14に結合される白色光フラッシュのシーケンスを生成するために断続的に給電される。多くの実施形態では、反射ベース504は、LED502によって発生した熱を吸収するヒートシンクとして機能する。多くの実施形態では、光アセンブリ500は、反射ベース504を予冷するための光アセンブリ100,200のいずれかに本明細書に記載の熱電冷却器および熱交換器を含む。
【0056】
[0067]LED302によって放射された白色光フラッシュのシーケンスは、反射ベース504、TIR光学素子506、およびレンズ508を介して内視鏡14に伝送される。反射ベース504およびTIR光学素子506は、そうでなければレンズ508に入射しないであろうLED502によって放射された白色光フラッシュのシーケンスの一部をレンズ508に入射するようにリダイレクトさせ、それによって、内視鏡14に結合されたLED502によって放射された白色光フラッシュのシーケンスからの光の量を増加させるように構成される。TIR光学素子506は、TIR光学素子506内の光の内部全反射を介して、LED502によって放射された光をレンズ508にリダイレクトするように外部形状にされている。
【0057】
[0068]
図7Bは、ベース/照明ユニット26に含めることができる代替的なストロボ光アセンブリ500Bの実施形態を示す。光アセンブリ500Bは、反射光トランスミッタ(RLT)532と、LED光源502と、ヒートシンク534と、位置合わせピン536と、フォーカスキャリッジ538と、コリメートレンズおよび集光レンズを有する中央レンズモジュール508とを含む。この実施形態は、LED502などの光源のスコープライトガイドへの位置合わせを可能にし、ファイバーポート540を含むことができる。光軸(Z)に対するXおよびY寸法は、機械式ライトエンジンモジュール520で処理される。Z軸アライメントは、異なる製造業者からの範囲に対して異なり得る。いくつかの実施形態では、Z軸アライメントは、フロントパネル制御下の電気機械的調整、または機械的調整ホイールを用いて手動であってもよい。電気機械的調整が行われる場合、最大輝度を最適化するためにビデオ入力に対して比例積分微分(PID)を使用する自動調整であってもよい。自動調整はさらに、設定機能または照明範囲を最適化するために使用される周期調整のいずれかであってもよい。
【0058】
[0069]
図8および
図9は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ600を示す。光アセンブリ600は、4つの反射光トランスミッタ(RLT)602、中央LED604、中央コリメートレンズ606、および共有集光レンズ608を含む。4つのRLT602のそれぞれは、反射ベース610と、半球反射器612と、LED614と、コリメートレンズ616と、を含む。半球反射器612は、LED614によって放射された光がコリメートレンズ616へ伝送する中央開口618を有する。LED614によって半球反射器612または半球反射器612および/または反射ベース610によってリダイレクトされた反射ベース610上に放射された光は、コリメートレンズ616を通って伝播するLED614によって放射された光の量を増加させる。コリメートレンズ616は、LED614によって放射された光を共有集光レンズ608にリダイレクトするように構成される。共有集光レンズ608は、4つのRLT602の各々からの光を内視鏡ライトガイド620にリダイレクトするように構成される。4つのRLT602の組合せの全体の直径を小さくするために、2つのRLT602を第1の平面上に配置し、他の2つのRLT602を第1の平面からずれた第2の平面上に配置することで、中央のコリメートレンズ606が重ならずに半球反射器612(
図10に示す)が重なることに対応している。光アセンブリ600は、5つの全LEDの使用の結果として光出力を増加させる。4つのRLT602の空間分布および中央LED604の中心位置は、ライトガイド620の光受容円錐内に伝送される光の強度の均一性を高め、それによって内視鏡によって発声声帯上に放射される光の分布の均一性を高める。
【0059】
[0070]
図10、
図11、および
図12は、ベース/照明ユニット26に含めることができるストロボ光アセンブリ700を示す。光アセンブリ700は、7つの内部全反射(TIR)トランスミッタ702および共有集光レンズ704を含む。7つのTIRトランスミッタ702は、残りの6つのTIRトランスミッタ702の六角形の配置によって囲まれた中心TIRトランスミッタ702と共通の平面内に配置される。TIRトランスミッタ702の各々は、蛍光体コーティングされた青色LED706、反射ベース708、TIR光学素子710を含む。蛍光体コーティングされた青色LED706は、反射ベース708に取り付けられる。LED702は、内視鏡ライトガイド712に結合される白色光フラッシュのシーケンスを生成するために断続的に給電される。多くの実施形態では、反射ベース708は、LED706によって発生した熱を吸収するヒートシンクとして機能する。多くの実施形態では、光アセンブリ700は、反射ベース708を予冷するための光アセンブリ100,200のいずれかに本明細書に記載の熱電冷却器および熱交換器を含む。
【0060】
[0071]各LED706によって放射された白色光フラッシュのシーケンスは、反射ベース708、TIR光学素子710、および共有集光レンズ704を介して内視鏡光スコープ712に伝送される。反射ベース708およびTIR光学素子710は、そうでなければ共有集光レンズ704に入射しないであろうLED706によって放射された白色光フラッシュのシーケンスの部分をレンズ704に入射するようにリダイレクトするように構成され、それによって、内視鏡14に結合されたLED706によって放射された白色光フラッシュのシーケンスからの光の量を増加させる。TIR光学素子710は、TIR光学素子710内の光の内部全反射を介して、LED706によって放射された光をレンズ704にリダイレクトするように外部形状にされている。光アセンブリ700は、7個の全LEDの使用の結果として、増大した光出力を提供する。7つのTIRトランスミッタ702の空間分布は、ライトガイド712の光受容円錐内に伝送される光の強度の均一性を高め、それにより、内視鏡によって発声声帯上に放射される光の分布の均一性を高める。
【0061】
[0072]
図13は、実施形態にかかるストロボ画像を取り込む方法800の簡略化された概略図である。方法800は、本明細書に記載のストロボ内視鏡システム10などの任意の適切なストロボ撮像システムを使用して達成することができる。方法800は、動作802,804,806,808および810を含む。動作802において、ヒートシンクが周囲温度未満に冷却される。動作804において、光フラッシュのシーケンスを生成するために、1つまたは複数のLEDが給電される。1つまたは複数のLEDは、1つまたは複数のLEDによって生成された熱が熱伝導を介してヒートシンクに伝達され、それによって1つまたは複数のLEDを冷却するように、ヒートシンクと熱的に結合される。多くの実施形態では、1つまたは複数のLEDの冷却は、1つまたは複数のLEDの予想される耐用年数を維持しながら、1つまたは複数のLEDに印加される電力の増加の使用に対応するために使用される。動作806において、光フラッシュのシーケンスからの光が内視鏡に伝送される。多くの実施形態では、光リダイレクト構成要素(例えば、半球反射器、TIR光学素子)を使用して、内視鏡に伝送される光フラッシュのシーケンスからの光の量を増加させる。動作808において、光フラッシュのシーケンスからの光が内視鏡によって放射される。動作810において、内視鏡によって放射された光によって照明された対象物(例えば、発声喉頭)の画像が取り込まれる。
【0062】
[0073]
図14A~
図16Dは、複数の照明光パルスが、照明光の総量を増加させるために任意の適切かつ適用可能なビデオフレームの各々の間に患者の声帯上に放射される、ストロボ内視鏡システム10において採用され得るアプローチを示す。60フレーム/秒のビデオフレームレートが採用される場合、各ビデオフレームは16.6msの持続時間を有する。少なくとも120Hzのすべての患者の基本発声周波数について、各ビデオフレーム中に発生する声帯変位位相の少なくとも2つの完全なサイクルがある。120Hz未満のすべての患者の基本発声周波数では、各ビデオフレーム中に発生する声帯変位位相の完全なサイクルは2回未満である。
【0063】
[0074]例えば、
図14A、
図14B、
図14C、および
図14Dは、60フレーム/秒のビデオフレームレートおよびビデオフレームごとに声帯変位位相の完全なサイクルを1つ生成する60Hzの患者基本発声周波数を有するビデオのビデオフレームのシーケンスから選択された4つの別個のビデオフレームを示す。トレース902は、
図14A~
図16Dのそれぞれにおける声帯変位位相の周期的変化を表す。ビデオフレームが声帯変位位相の2つの完全なサイクル未満をカバーするとき、単一の照明パルス904をビデオフレーム中に放射して、ビデオフレームを介した照明のために声帯変位の位相を照明することができる。次に、ビデオフレームのシーケンスを使用して、図示の4つのビデオフレームに示すように、それぞれの照明パルス904の対応するタイミングを介して声帯変位の異なる位相のシーケンスを目標とすることができる。単一の照明パルス904の持続時間は、単一の照明パルス904の間の声帯変位の位相の変化から生じるビデオフレーム内に取り込まれた画像のぼやけを生じることなく、最大120Hzの患者基本周波数での使用に適した持続時間に制限することができる。例えば、図示の実施形態では、単一の照明パルス904は300usの持続時間を有する。
【0064】
[0075]
図15A、
図15B、
図15C、および
図15Dは、60フレーム/秒のビデオフレームレートおよび120Hzの患者基本発声周波数を有するビデオのビデオフレームのシーケンスから選択された4つの別個のビデオフレームを示し、ビデオフレームごとに声帯変位位相の2つの完全なサイクルを生成する。ビデオフレームが声帯変位位相の少なくとも2つの完全なサイクルをカバーするとき、ビデオフレーム中に2つの照明パルス906を放射して、ビデオフレームを介した照明のために声帯変位の一致する位相で声帯を別々に照明することができる。次に、ビデオフレームのシーケンスを使用して、図示の4つのビデオフレームに示すように、2つの照明パルス906のそれぞれのセットの対応するタイミングを介して声帯変位の異なる位相のシーケンスを目標とすることができる。2つの照明パルス906の各々の持続時間は、照明パルス906の間の声帯変位の位相の変化から生じるビデオフレーム内に取り込まれた画像のぼけを生じることなく、最大180Hzの患者基本周波数での使用に適した持続時間に制限することができる。例えば、図示の実施形態では、各照明パルス906は、単一の照明パルス904の300usの持続時間の半分である150usの持続時間を有し、それにより、単一の150us照明パルス904の場合と同じ全照明を2つの300us照明パルス906を介して供給する。
【0065】
[0076]
図16A、
図16B、
図16C、および
図16Dは、60フレーム/秒のビデオフレームレートおよび340Hzの患者基本発声周波数を有するビデオのビデオフレームのシーケンスから選択された4つの別個のビデオフレームを示し、ビデオフレームごとに約5.67完全サイクルの声帯変位位相を生成する。ビデオフレームが声帯変位位相の少なくとも3つの完全なサイクルをカバーするとき、ビデオフレーム中に3つの照明パルス908を放射して、ビデオフレームを介した照明のために声帯変位の一致する位相で声帯を別々に照明することができる。次に、ビデオフレームのシーケンスを使用して、図示の4つのビデオフレームに示すように、3つの照明パルス908のそれぞれのセットの対応するタイミングを介して声帯変位の異なる位相のシーケンスを目標とすることができる。3つの照明パルス908の各々の持続時間は、照明パルス908の間の声帯変位の位相の変化から生じるビデオフレーム内に取り込まれた画像のぼやけを生じることなく使用するのに適した持続時間に制限することができる。例えば、図示の実施形態では、各照明パルス908は、単一の照明パルス904の300usの持続時間の1/3である100usの持続時間を有し、それにより、単一の100us照明パルス904の場合と同じ総照明を3つの300us照明パルス908を介して供給する。
【0066】
[0077]
図17は、
図14A~
図16Dの手法で用いることができる光パルス持続時間を設定する方法1000の簡略概略図である。動作1002において、単一の照明パルス904の間の声帯変位の位相の変化から生じるビデオフレーム内で取り込まれた画像のぼけを回避するために、ビデオフレーム当たりの声帯変位位相の完全なサイクルが2回未満になる最大発声周波数での使用に適した最大光パルス持続時間が決定される。動作1004において、1サイクルパルス持続時間は、動作1002において決定された最大光パルス持続時間以下になるように設定することができる。例えば、例示的な単一の照明パルス904は、300usの持続時間を有する。動作1006において、2サイクルパルス持続時間を、動作1004において決定された1サイクルパルス持続時間の半分に設定することができる。動作1008において、3サイクルパルス持続時間は、動作1004において決定された1サイクルパルス持続時間の1/3に設定することができる。動作1010において、4サイクルパルス持続時間を、動作1004において決定された1サイクルパルス持続時間の1/4に設定することができる。1サイクルのパルス持続時間がビデオフレーム画像のぼけを回避するのに十分に短い任意の適切な最大発声周波数まで、ビデオフレームごとに単一の照明パルスを放射することができる。ビデオフレームごとに2つの照明パルスを放射することができ、ビデオフレームは、2サイクルのパルス持続時間がビデオフレーム画像のぼやけを回避するのに十分に短い任意の適切な最大発声周波数までの声帯位相の少なくとも2つの完全なサイクルを包含する。ビデオフレームごとに3つの照明パルスを放射することができ、ビデオフレームは、3サイクルのパルス持続時間がビデオフレーム画像のぼやけを回避するのに十分に短い任意の適切な最大発声周波数までの声帯位相の少なくとも3つの完全なサイクルを包含する。ビデオフレームごとに4つの照明パルスを放射することができ、ビデオフレームは、4サイクルのパルス持続時間がビデオフレーム画像のぼやけを回避するのに十分に短い任意の適切な最大発声周波数までの声帯位相の少なくとも4つの完全なサイクルを包含する。
【0067】
[0078]他の変形例も本発明の趣旨の範囲内である。したがって、本発明は、様々な修正および代替構成の影響を受けやすいが、その特定の例示された実施形態が図面に示され、上記で詳細に説明されている。しかしながら、本発明を開示された特定の形態に限定する意図はなく、反対に、その意図は、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の趣旨および範囲内にあるすべての修正、代替構成、および均等例を網羅することであることを理解されたい。
【0068】
[0079]本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」および「an」および「the」ならびに同様の指示対象の使用は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。「接続された」という用語は、介在するものがあっても、部分的にまたは全体的に含まれる、取り付けられる、または共に接合されると解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例または例示的な言葉(例えば、「など」)の使用は、単に本発明の実施形態をよりよく明らかにすることを意図しており、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言葉も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0069】
[0080]本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書に記載する。これらの好ましい実施形態の変形例は、前述の説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正および均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組合せが本発明に包含される。
【0070】
[0081]本明細書で引用される刊行物、特許出願、および特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】