(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】カプセル化甘味料顆粒とその調製方法
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240315BHJP
A24B 13/00 20060101ALI20240315BHJP
A24B 15/30 20060101ALI20240315BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20240315BHJP
A23L 27/30 20160101ALI20240315BHJP
A61P 1/02 20060101ALI20240315BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240315BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240315BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240315BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A23L27/00 F
A24B13/00
A24B15/30
A23L5/00 C
A23L27/30 A
A61P1/02
A61K9/16
A61K9/48
A61K47/26
A61K47/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561636
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-11-30
(86)【国際出願番号】 US2021060638
(87)【国際公開番号】W WO2022216319
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ガオ・フォン
(72)【発明者】
【氏名】キエウ・アンソニー・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス・デイヴィッド・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ポーリン
(72)【発明者】
【氏名】ラグランド・ベンジャミン・エル
(72)【発明者】
【氏名】グレイ・レベッカ・エム
【テーマコード(参考)】
4B035
4B043
4B047
4C076
【Fターム(参考)】
4B035LC16
4B035LE07
4B035LG19
4B035LG23
4B035LG28
4B035LP01
4B035LP31
4B035LP43
4B043BC02
4B043BC03
4B043BC12
4B043BC19
4B043BC26
4B043BC31
4B047LE08
4B047LG05
4B047LG25
4B047LG30
4B047LP05
4B047LP06
4B047LP09
4C076AA31
4C076AA53
4C076BB22
4C076CC09
4C076DD38
4C076EE30
4C076FF31
4C076FF51
4C076FF52
4C076FF61
(57)【要約】
カプセル化甘味料顆粒(ESG)を形成する方法は、溶融混合物を形成するように、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドを含む第1の混合物を加熱するステップと、冷却溶融混合物を形成するように、溶融混合物を第1の温度まで冷却するステップと、第2の混合物を形成するように、冷却溶融混合物に1種類以上の高強度甘味料を添加するステップと、1つ以上のシートを形成するように、第2の混合物を、第1の温度とは異なる第2の温度まで冷却するステップと、複数のカプセル化甘味料顆粒を形成するように、1つ以上のシートを断片化するステップとを有し得る。第1の温度は、約120℃と約200℃との間であり得る。第2の温度は、1種以上のポリオール及び1種以上の親水コロイドのガラス転移温度(Tg)未満であり得る。例えば、第2の温度は、約65℃と約200℃との間であり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル化甘味料顆粒(ESG)を形成する方法であって、前記方法は、
溶融混合物を形成するように、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドを含む第1の混合物を加熱するステップと、
冷却溶融混合物を形成するように、前記溶融混合物を第1の温度まで冷却するステップと、
第2の混合物を形成するように、前記冷却溶融混合物に1種類以上の高強度甘味料を添加するステップと、
1つ以上のシートを形成するように、前記第2の混合物を、前記第1の温度とは異なる第2の温度まで冷却するステップと、
平均粒径が100μmから2mmの範囲にある複数のカプセル化甘味料顆粒を形成するように、前記1つ以上のシートを断片化するステップとを有する、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の混合物は、さらに水を含む、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記1種類以上のポリオールは、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記1種類以上の親水コロイドは、グアーガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、前記第1の混合物を調整するステップをさらに有する、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の温度は、約120℃と約200℃との間である、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法において、
前記1種類以上の高強度甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン、ラカンカ(siraitia grosvenorii swingle)果実抽出物(SGFE)、ステビオール配糖体、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、前記冷却溶融混合物に1種類以上の添加剤を添加するステップをさらに有する、
方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記1種類以上の添加剤は、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の混合物は、カプセル化された甘味料混合物である、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の温度は、前記1種類以上のポリオール及び前記1種類以上の親水コロイドのガラス転移温度(T
g)未満である、
方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の温度は、約65℃と約200℃との間である、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記断片化するステップは、前記複数のカプセル化甘味料顆粒を形成するように、前記1つ以上のシートを粉砕するステップをさらに有する、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記方法は、バッチプロセス又は連続プロセスである、
方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
各前記複数のカプセル化甘味料顆粒は、前記1種類以上のポリオール及び前記1種類以上の親水コロイドを含むマトリックス内に、前記1種類以上の高強度甘味料を含む、
方法。
【請求項16】
口腔用製品であって、
複数のカプセル化甘味料顆粒(ESG)を含み、
前記カプセル化甘味料顆粒の少なくとも1つは、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドを含むマトリックス内に、1種類以上の高強度甘味料を含み、
前記カプセル化甘味料顆粒の前記少なくとも1つの粒径は、100μmから2mmの範囲である、
口腔用製品。
【請求項17】
請求項16に記載の口腔用製品において、
前記1種類以上の高強度甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン、ラカンカ(siraitia grosvenorii swingle)果実抽出物(SGFE)、ステビオール配糖体、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
口腔用製品。
【請求項18】
請求項16に記載の口腔用製品において、
前記1種類以上のポリオールは、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み、
前記1種類以上の親水コロイドは、グアーガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
口腔用製品。
【請求項19】
請求項16に記載の口腔用製品において、
前記マトリックスは、1種類以上の添加剤を更に含み、
前記1種類以上の添加剤は、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、又はこれらの任意の組み合わせを含む、
口腔用製品。
【請求項20】
請求項16に記載の口腔用製品において、
前記口腔用製品は、徐放可能である、
口腔用製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、口腔用製品に含有させるためのカプセル化甘味料顆粒及びその調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔用ニコチン製品は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、スティック(例えば、コーティングされた木製ダボ又は単回用の可溶なスティック)、パウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の様々な形態で利用可能である。口腔用製品は、成人のタバコ消費者にとってなじみのある経験をもたらすニコチン濃度を有し得る。
【発明の概要】
【0003】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、カプセル化甘味料顆粒(ESG)を形成する方法に関する。
【0004】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、カプセル化甘味料顆粒(ESG)を形成する方法は、溶融混合物を形成するように、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドを含む第1の混合物を加熱するステップと、冷却溶融混合物を形成するように、溶融混合物を第1の温度まで冷却するステップと、第2の混合物を形成するように、1種類以上の高強度甘味料を冷却溶融混合物に添加するステップと、1つ以上のシートを形成するように、第2の混合物を第1の温度とは異なる第2の温度まで冷却するステップと、100μmから2mmの範囲の平均粒径を有する複数のカプセル化甘味料顆粒を形成するように、1つ以上のシートを断片化するステップとを有し得る。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の混合物は、さらに水を含み得る。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上のポリオールは、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上の親水コロイドは、グアーガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、第1の混合物を調製するステップをさらに有し得る。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の温度は、約120℃と約200℃との間であり得る。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上の高強度甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン、ラカンカ(siraitia grosvenorii swingle)果実抽出物(SGFE)、ステビオール配糖体、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0011】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、冷却溶融混合物に1種類以上の添加剤を添加するステップをさらに有し得る。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上の添加剤は、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0013】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の混合物は、カプセル化された甘味料混合物であり得る。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドのガラス転移温度(Tg)未満であり得る。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、約65℃と約200℃との間であり得る。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、断片化するステップは、複数のカプセル化甘味料顆粒を形成するように、1つ以上のシートを粉砕するステップを有し得る。
【0017】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、バッチプロセス又は連続プロセスであり得る。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、各複数のカプセル化甘味料顆粒は、1種類以上のポリオール及び1種類上の親水コロイドを含むマトリックス内に、1種類以上の高強度甘味料を含み得る。
【0019】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、口腔用製品に関する。
【0020】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、複数のカプセル化甘味料顆粒(ESG)を含み得、カプセル化甘味料顆粒の少なくとも1つは、1種類以上のポリオール及び1種類以上の親水コロイドを含むマトリックス内に、1種類以上の高強度甘味料を含む。カプセル化甘味料顆粒の該少なくとも1つの粒径は、100μmから2mmの範囲であり得る。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上の高強度甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、サッカリン、ラカンカ(siraitia grosvenorii swingle)果実抽出物(SGFE)、ステビオール配糖体、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0022】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上のポリオールは、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得、1種類以上の親水コロイドは、グアーガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、マトリックスは1種類以上の添加剤をさらに含み得る。1種類以上の添加剤は、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0024】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、徐放可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書における非限定的な実施形態の様々な特徴及び利点は、添付図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付図面は、単に説明のために提供されたものであり、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。添付図面は、明示的に注記しない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。明瞭化のために、図面の様々な寸法は、誇張されている場合がある。
【0026】
【
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ニコチン含有粉末の形成方法を示すフロー図である。
【0027】
【
図2】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ニコチン含有粉末の形成方法を示すフロー図である。
【0028】
【
図3】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ニコチン含有粉末の形成方法を示すフロー図である。
【0029】
【
図4】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ニコチン含有粉末の形成方法を示すフロー図である。
【0030】
【
図5】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化ニコチン顆粒の断面図である。
【0031】
【
図6】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化ニコチン顆粒の断面図である。
【0032】
【
図7】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化ニコチン顆粒の形成方法を示すフロー図である。
【0033】
【
図8】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化甘味料の断面図である。
【0034】
【
図9】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化甘味料顆粒の断面図である。
【0035】
【
図10】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、カプセル化甘味料顆粒の形成方法を示すフロー図である。
【0036】
【
図11】異なる形態のニコチンの化学構造を示し、遊離塩基ニコチンの化学構造(A)、モノプロトン化ニコチンの化学構造(B)、及びジプロトン化ニコチンの化学構造(C)である。
【0037】
【
図12】異なるニコチン溶液についての、頬におけるニコチン動態を示すグラフである((A)-(B))。
【0038】
【
図13A】異なる油相及び水相におけるニコチンの分配係数データを示す表である。
図13Aは、異なる油相と水相の組み合わせにおけるニコチンの分配係数データを示す表である。
【
図13B】トリアセチン(C2)の化学構造を示す図である。
【
図13C】MCT(C8-C10)の化学構造を示す図である。
【
図13D】トリオレイン(C18)の化学構造を示す図である。
【0039】
【
図14】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、パウチ製品の斜視図である。
【0040】
【
図15】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、可溶フィルムの斜視図である。
【0041】
【
図16A】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、円形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0042】
【
図16B】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、長円形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0043】
【
図16C】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、矩形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0044】
【
図16D】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、細長い長方形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0045】
【
図16E】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、レンズ形又はフットボール形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0046】
【
図16F】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ブーメラン形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0047】
【
図16G】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、盾形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0048】
【
図17】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る口腔用製品の斜視図である。
【0049】
【
図18】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るチューインガムの斜視図である。
【0050】
【
図19A】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、長円形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0051】
【
図19B】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、矩形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0052】
【
図19C】は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、細長い長方形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0053】
【
図19D】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、レンズ形又はフットボール形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0054】
【
図19E】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ブーメラン形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0055】
【
図19F】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、盾形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0056】
【
図20】少なくとも1つの例示的な実施形態に係るチューインガムの斜視図である。
【0057】
【
図21】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、コーティング付きチューインガムの断面図である。
【0058】
【
図22】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る口腔用パウチ製品の斜視図である。
【0059】
【
図23】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用パウチ製品の
図22に示すII-II線断面図である。
【0060】
【
図24】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用パウチ製品の
図22に示すIII-III線断面図である。
【0061】
【
図25】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用パウチ製品の側面図である。
【0062】
【
図26】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、
図25に示す口腔用パウチ製品のVII-VII線断面図である。
【0063】
【
図27】少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用パウチ製品の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
いくつかの詳細で例示的な実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のための単なる代表的なものに過ぎない。例示的な実施形態は、多くの代替形態で実施されてもよく、本明細書に記載される例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0065】
したがって、例示的な実施形態は、種々の改良及び代替形態が可能であるが、その例示的な実施形態は、図面において例示的に示され、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての修正、等価物、及び代替物を包含するものであることが理解されるべきである。同様の番号は、図の説明全体を通して同様の要素を指す。
【0066】
要素又は層が、他の要素又は層に「乗っている(on)」、「接続されている(connected to)」、「結合されている(coupled to)」、もしくは「覆っている(covering)」と言及される場合、他の要素又は層に対し、直接的に乗っている、接続されている、結合されている、もしくは覆っていてもよいし、又は介在する要素又は層が存在してもよいことを理解されたい。反対に、要素が他の要素又は層の上に「直接乗っている(directly on)」、「直接接続されている(directly connected to)」、もしくは「直接結合されている(directly coupled to)」と言及される場合、介在する要素又は層は存在しない。本明細書を通じて、同様の番号は同様の要素を示す。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目の1つ以上の任意の且つ全ての組み合わせを含む。
【0067】
本明細書では、様々な要素、領域、層、及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3等の用語が使用され得るが、これらの要素、領域、層、及び/又は部分は、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素、領域、層、又は部分を別の領域、層、又は部分から区別するためにのみ使用される。したがって、後述する第1の要素、構成、領域、層、又は部分は、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、領域、層、又は部分と称され得る。
【0068】
空間的に相対的な用語(例えば、「下(beneath)」、「下方(below)」、「下部(lower)」、「上(above)」、「上部(upper)」、「内側(inside)」、「外側(upside)」等)は、説明を容易にするために本明細書で使用され、図に示されるように、1つの要素又は特徴の別の要素又は特徴に対する関係を説明するために使用される。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時又は動作時における装置の異なる向きを包含することを意図していることを理解されたい。例えば、図において装置が引っ繰り返されている場合、他の要素又は特徴の「下方(below)」又は「下(beneath)」と記載された要素は、当該他の要素又は特徴の「上(above)」側に位置することになる。したがって、「下」という用語は、上と下との両方の姿勢を包含する場合がある。装置は、他の姿勢(90度回転した姿勢、又は他の姿勢)であってもよく、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子は、それに応じて解釈される。
【0069】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかにそうでないことが示されない限り、複数形も含むことが意図される。「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(comprises)」、及び/又は「有している(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、及び/又は要素が存在することを特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又はこれらの群の存在又は追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0070】
本明細書では、例示的な実施形態の概略図である断面図を参照して、例示的な実施形態を説明する。そのため、図示の形状からの変形が予想される。したがって、例示的な実施形態は、本開示に図示された領域の形状に限定されるものとして解釈されるべきではなく、形状の逸脱及び変形を含むものとする。数値に関連して「約」又は「実質的に」という用語が使用される場合、文脈がそうでないことを示さない限り、関連する数値は、記載された数値に対し±10%の許容誤差を含むことが意図される。
【0071】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用されている辞書に定義されているものを含む用語は、関連する技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的に定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0072】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、本開示は、口腔用製品中のニコチンの香味及び/又は官能効果を増強する方法を提供する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、ニコチンを噴霧乾燥するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、ニコチンをカプセル化するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、ニコチン含有材料を含む口腔用製品に含まれ得るような甘味料をカプセル化するステップを有する。
【0073】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、口腔用タバコ製品、口腔用非タバコ製品、口腔用大麻製品、又はこれらの任意の組み合わせである。口腔用製品は、束ねられていない材料(loose material)(例えば、ばらの(loose)セルロース系材料)、成形された材料(例えば、プラグ又はツイスト)、パウチされた材料、錠剤、トローチ、チュー、ガム、フィルム、その他の口腔用製品、又はこれらの任意の組み合わせの形態であり得る。
【0074】
口腔用製品は、噛みタバコ、スヌース、湿式嗅ぎタバコ、乾式嗅ぎタバコ、その他の無煙タバコ、口腔摂取用の非タバコ製品、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0075】
口腔用製品が、無煙タバコ製品を含む口腔用タバコ製品である場合、無煙タバコ製品は、全葉(whole)、細断(shredded)、切断(cut)、顆粒(granulated)、再形成(reconstituted)、乾燥(cured)、熟成(aged)、発酵(fermented)、低温殺菌(pasteurized)、又は他の加工タバコを含み得る。タバコは、全体又は葉、花、根、茎、抽出物(例えば、ニコチン)、もしくはこれらの任意の組み合わせといった一部として提供され得る。
【0076】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、タバコ由来のニコチン抽出物等のタバコ抽出物、及び/又は合成ニコチンを含む。口腔用製品は、ニコチンを単独で、又はセルロース系材料等の担体(例えば、ホワイトスヌース)と組み合わせて含み得る。担体は、非タバコ材料(例えば、微結晶セルロース)又はタバコ材料(例えば、ニコチン含有量が低減又は除去されたタバコ繊維であり、これを「排出済タバコ植物組織又は繊維」と呼び得る)であり得る。いくつかの例示的な実施形態において、排出済タバコ植物組織又は繊維は、ニコチンの少なくとも25%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、又は95%を除去するように処理されることができる。例えば、ニコチンを除去するために、タバコ植物組織を水又は他の溶媒で洗浄することができる。
【0077】
他の例示的な実施形態において、口腔用製品は、植物大麻組織及び/又は大麻抽出物等の大麻を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、大麻材料は、1種以上の植物大麻からの葉及び/又は花材料、及び/又は1種以上の植物大麻からの抽出物を含む。植物大麻の1種以上は、アサ(Cannabis sativa)、インドアサ(Cannabis indica)、及び/又はカンナビスルデラリス(Cannabis ruderalis)を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、大麻は、繊維の形態であってもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、大麻は、カンナビノイド、テルペン、及び/又はフラボノイドを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、大麻材料は、大麻由来のカンナビノイド、大麻由来のテルペン、及び/又は大麻由来のフラボノイド等の大麻由来の大麻材料であり得る。
【0078】
口腔用製品(例えば、口腔用タバコ製品、口腔用非タバコ製品、又は口腔用大麻製品)は、様々な範囲の水分を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、5重量%から10重量%の範囲の含水率を有する乾燥口腔用製品である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、20重量%から35重量%の範囲の含水率等の中程度の含水率を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、40重量%から55重量%の範囲の含水率を有する湿潤口腔用製品である。
【0079】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、さらに、口内で安定なポリマー、口内で可溶なポリマー、甘味料(例えば、合成甘味料及び/又は天然甘味料)、活力剤、鎮静剤、集中剤、可塑剤、口内で可溶な繊維、アルカロイド、ミネラル、ビタミン、栄養補助食品(dietary supplement)、機能性食品(nutraceutical)、着色剤、アミノ酸、化学感覚剤(chemesthetic agent)、酸化防止剤、食品用乳化剤、pH調整剤、植物、歯用漂白剤、治療剤(therapeutic agent)、加工助剤、ステアリン酸塩、ワックス、安定化剤、崩壊剤、滑沢剤、防腐剤、充填剤、香味剤、香味マスキング剤、苦味受容部位遮断剤、受容部位増強剤、その他の添加剤、又はこれらの任意の組み合わせ等の1種類以上の要素を含み得る。
<噴霧乾燥ニコチン粉末>
【0080】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品に含有させるのに適したニコチン含有粉末は、噴霧乾燥技術を用いて調製することができる。このようなニコチン含有粉末は、複数の実質的に均一なニコチン粒子を含むことができる。
【0081】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、実質的に均一なニコチン粒子は、約5μmから約200μmの範囲の平均粒径(90%分布)を有する。例えば、複数の実質的に均一なニコチン粒子は、約5μm以上(例えば、約10μm以上、約20μm以上、約30μm以上、約40μm以上、約50μm以上、約60μm以上、約70μm以上、約80μm以上、約90μm以上、約100μm以上、約110μm以上、約120μm以上、約130μm以上、約140μm以上、約150μm以上、約160μm以上、約170μm以上、約180μm以上、又は、約190μm以上)の平均粒径を有し得る。複数の実質的に均一なニコチン粒子は、約200μm以下(例えば、約190μm以下、約180μm以下、約170μm以下、約160μm以下、約150μm以下、約140μm以下、約130μm以下、約120μm以下、約110μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下)の平均粒径を有し得る。
【0082】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、実質的に均一なニコチン粒子は、10%以下の含水率を有する。例えば、実質的に均一なニコチン粒子は、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下の含水率を有する。
【0083】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、実質的に均一なニコチン粒子のニコチン含有量は、30重量%以下である。例えば、実質的に均一なニコチン粒子のニコチン含有量は、約10重量%から約30重量%の範囲であり得る。実質的に均一なニコチン粒子のニコチン含有量は、約10重量%以上(例えば、約11重量%以上、約12重量%以上、約13重量%以上、約14重量%以上、約15重量%以上、約16重量%以上、約17重量%以上、約18重量%以上、約19重量%以上、約20重量%以上、約21重量%以上、約22重量%以上、約23重量%以上、約24重量%以上、約25重量%以上、約26重量%以上、約27重量%以上、約28重量%以上、又は約29重量%以上)であり得る。実質的に均一なニコチン粒子のニコチン含有量は、約30重量%以下(例えば、約29重量%以下、約28重量%以下、約27重量%以下、約26重量%以下、約25重量%以下、約24重量%以下、約23重量%以下、約22重量%以下、約21重量%以下、約20重量以下、約19重量%以下、約18重量%以下、約17重量%以下、約16重量%以下、約15重量%以下、約14重量%以下、約13重量%以下、約12重量%以下、又は約11重量%以下)であり得る。
【0084】
図1は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのニコチン含有粉末432を形成するための方法400を示すフローチャートである。方法400は、第1の溶液408(すなわち、担体溶液)を提供するステップS410を有する。第1の溶液408は、その後の処理に適した粘度を有し得る。
【0085】
第1の溶液408は、担体402及び溶媒404を含み得る。少なくともいくつかの例示的な実施形態において、提供するステップS410は、第1の溶液408(すなわち、担体溶液)を形成するように、担体402と溶媒404とを接触させるステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、接触させるステップは、第1の溶液408(すなわち、担体溶液)を形成するように、担体402を溶媒404に溶解させるステップを有する。各例において、溶媒404は、水、エタノール、又は水及びエタノールの両方を含み得る。担体402は、バイオポリマー、天然ポリマー、合成ポリマー、バルク甘味料、ピロリドンポリマー、メタクリレートコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0086】
バイオポリマーは、一例として、多糖類、バルク甘味料、又は多糖類及びバルク甘味料の両方を含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、多糖類は、例えば、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HPMC)、高メチル化ペクチン、低メチル化ペクチン、アミド化ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デキストリン、マルトデキストリン、イソマルト、キサンタンガム、アガー、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸、イソマルト、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、バルク甘味料は、例えば、スクロース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、マルトース、マルトデキストリン、イソマルト、糖アルコール、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例示的な実施形態において、バイオポリマーは、例えば、デンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシメチルプロピルセルロース(HPMC)、高メチル化ペクチン、低メチル化ペクチン、アミド化ペクチン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デキストリン、キサンタンガム、アガー、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸、スクロース、デキストロース、フルクトース、ラクトース、ラフィノース、トレハロース、マルトース、マルトデキストリン、イソマルト、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0087】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、天然ポリマー及び合成ポリマーは、例えば、ペクチン、デンプン、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例示的な実施形態において、バルク甘味料は、例えば、糖アルコールを含み、これは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添イソマルツロース、加水分解水添デンプン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例示的な実施形態において、ピロリドンポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルとのコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの例示的な実施形態において、メタクリレートコポリマーは、例えば、メタクリレートとアクリル酸とのコポリマーを含む。
【0088】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、第1の溶液408は、約3重量%から約45重量%の範囲の量の担体402。例えば、第1の溶液408は、約3重量%以上の担体402(例えば、約4重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約41重量%以上、約42重量%以上、約43重量%以上、又は約44重量%以上)を含み得る。第1の溶液408は、約45重量%以下の担体402(例えば、約44重量%以下、約43重量%以下、約42重量%以下、約41重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10 重量%以下、約5重量%以下、又は約4重量%以下)を含み得る。第1の溶液408中の担体402の量及び溶媒404の量は、第1の溶液408がその後の処理に適した粘度を有するように調整され得る。例えば、担体402がペクチンを含む場合等、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、第1の溶液508は、約5重量%の担体402を含み得る。担体403がマルトデキストリンを含むような他の例示的な実施形態では、第1の溶液508は、約30重量%の担体402を含み得る。
【0089】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、第1の溶液408は、約55重量%から約97重量%の範囲の量の溶媒404を含む。例えば、第1の溶液408は、約55重量%以上の溶媒404(例えば、約56重量%以上、約57重量%以上、約58重量%以上、約59重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、又は約96重量%以上)を含み得る。第1の溶液408は、約97重量%以下の溶媒404(例えば、約96重量%以下、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、約59重量%以下、約58重量%以下、約57重量%以下、又は約56重量%以下)を含み得る。
【0090】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法400は、第2の混合物428(すなわち、フィード溶液)を形成するように、第1の溶液408をニコチン含有製剤422と接触させるステップS420を有する。いくつかの例示的な実施形態において、ニコチン含有製剤422は、ニコチン、ニコチン複合体(例えば、ニコチンポラクリレックス)、ニコチン塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む。ニコチン塩は、硝酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、二酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩もしくは二硫酸塩、リン酸塩もしくは過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0091】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、第2の混合物428は、約85重量%から約99重量%の範囲の量の第1の溶液408を含む。例えば、第2の混合物428は、約85重量%以上の第1の溶液408(例えば、約86重量%以上、約87重量%以上、約88重量%以上、約89重量%以上、約90重量%以上、約91重量%以上、約92重量以上、約93重量%以上、約94重量%以上、約95重量%以上、約96重量%以上、約97重量%以上、又は約98重量%以上)を含み得る。第2の混合物428は、約99重量%以下(例えば、約98重量%以下、約97重量%以下、約96重量%以下、約95重量%以下、約94重量%以下、約93重量%以下、約92重量以下、約91重量%以下、約90重量%以下、約89重量%以下、約88重量%以下、約87重量%以下、又は約86重量%以下)の第1の溶液408を含み得る。
【0092】
ニコチン含有製剤422が純粋なニコチンを含むような、少なくともいくつかの例示的な実施形態において、第2の混合物428は、約1重量%から約10重量%の範囲の量のニコチン含有製剤422を含む。例えば、第2の混合物428は、約1重量%以上のニコチン含有製剤422(例えば、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、約8重量%以上、又は約9重量%以上)のニコチン含有製剤を含み得る。第2の混合物428は、約10重量%以下のニコチン含有製剤422(例えば、約9重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、又は約2重量%以下)を含み得る。
【0093】
第2の混合物428は、後続の噴霧乾燥ステップにおいて、第2の混合物428を容易に注入又は圧送することができるような粘度を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の混合物428は、約22℃において約1センチポアズから約700センチポアズの範囲の粘度を有し得る。例えば、第2の混合物428は、約22℃において約1センチポアズ以上(例えば、約10センチポアズ以上、約20センチポアズ以上、約30センチポアズ以上、約40センチポアズ以上、約50センチポアズ以上、約100センチポアズ以上、約150センチポアズ以上、約200センチポアズ以上、約250センチポアズ以上、約300センチポアズ以上、約350センチポアズ以上、約400センチポアズ以上、約450センチポアズ以上、約500センチポアズ以上、約550センチポアズ以上、約600センチポアズ以上、又は約650センチポアズ以上)の粘土を有し得る。第2の混合物428は、約22℃において約700センチポアズ以下(例えば、約690センチポアズ以下、約680センチポアズ以下、約670センチポアズ以下、約660センチポアズ以下、約650センチポアズ以下、約600センチポアズ以下、約550センチポアズ以下、約500センチポアズ以下、約450センチポアズ以下、約400センチポアズ以下、約350センチポアズ以下、約300センチポアズ以下、約250センチポアズ以下、約200センチポアズ以下、約150センチポアズ以下、約100センチポアズ以下、約50センチポアズ以下、約40センチポアズ以下、約30センチポアズ以下、約20センチポアズ以下、約10センチポアズ以下)の粘土を有し得る。このような粘度は、加えられた圧力下でスラリーが流動することを可能にするだけでなく、混合物428が安定に保たれることを可能にするのに適したレオロジー特性を提供するために望ましいと考えられる。
【0094】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法400は、ニコチン含有粉末432(すなわち、乾燥粉末)を定義する複数の粒子を形成するように、第2の混合物428を噴霧乾燥するステップS430を有する。ニコチン含有粉末432を定義する複数の粒子は、約5μmから約200μmの範囲の平均粒径(90%分布)を有し得る。例えば、ニコチン含有粉末432を定義する複数の粒子は、約5μm以上(例えば、約10μm以上、約20μm以上、約30μm以上、約40μm以上、約50μm以上、約60μm以上、約70μm以上、約80μm以上、約90μm以上、約100μm以上、約110μm以上、約120μm以上、約130μm以上、約140μm以上、約150μm以上、約160μm以上、約170μm以上、約180μm以上、約190μm以上)の平均粒径を有し得る。ニコチン含有粉末432を規定する複数の粒子は、約200μm以下(例えば、約190μm以下、約180μm以下、約170μm以下、約160μm以下、約150μm以下、約140μm以下、約130μm以下、約120μm以下、約110μm以下、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下)の平均粒径を有し得る。
【0095】
ニコチン含有粉末432を定義する複数の粒子の含水率は、約10%以下であり得る。例えば、ニコチン含有粉末432の含水率は、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、又は約1%以下であり得る。
【0096】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、ニコチン含有粉末432のニコチン含有量は、約30重量%以下である。例えば、ニコチン含有粉末432のニコチン含有量は、約10重量%から約30重量%の範囲であり得る。ニコチン含有粉末432のニコチン含有量は、約10重量%以上(例えば、約11重量%以上、約12重量%以上、約13重量%以上、約14重量%以上、約15重量%以上、約16重量%以上、約17重量%以上、約18重量%以上、約19重量%以上、約20重量%以上、約21重量%以上、約22重量%以上、約23重量%以上、約24重量%以上、約25重量%以上、約26重量%以上、約27重量%以上、約28重量%以上、又は約29重量%以上)であり得る。ニコチン含有粉末432のニコチン含有量は、約30重量%以下(例えば、約29重量%以下、約28重量%以下、約27重量%以下、約26重量%以下、約25重量%以下、約24重量%以下、約23重量%以下、約22重量%以下、約21重量%以下、約20重量%以下、約19重量%以下、約18重量%以下、約17重量%以下、約16重量%以下、約15重量%以下、約14重量%以下、約13重量%以下、約12重量%以下、又は約11重量%以下)であり得る。
【0097】
当業者に公知の様々な噴霧乾燥技術及び装置を採用してもよい。噴霧乾燥パラメータは、乾燥された最終製品(例えば、ニコチン含有粉末432)を正確な品質基準及び物理的特性に合わせるために使用され得る。これらの基準及び特性は、粒度分布、残留水分率、かさ密度、及び粒子モルフォロジーが含まれる。
【0098】
いくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430のノズル空気圧は、約30psiから約40psiの範囲である。例えば、ノズル空気圧は、約30psi以上(例えば、約31psi以上、約32psi以上、約33psi以上、約34psi以上、約35psi以上、約36psi以上、約37psi以上、約38psi以上、又は約39psi以上)であり得る。ノズル空気圧は、約40psi以下(例えば、約39psi以下、約38psi以下、約37psi以下、約36psi以下、約35psi以下、約34psi以下、約33psi以下、約32psi以下、又は約31psi以下)であり得る。
【0099】
いくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の一分あたりの溶液ポンプ回転数は、約15rpmから約35rpmの範囲である。例えば、溶液ポンプ回転数は、約15rpm以上(例えば、約16rpm以上、約17rpm以上、約18rpm以上、約19rpm以上、約20rpm以上、約21rpm以上、約22rpm以上、約23rpm以上、約24rpm以上、約25rpm以上、約26rpm以上、約27rpm以上、約28rpm以上、約29rpm以上、約30rpm以上、約31rpm以上、約32rpm以上、約33rpm以上、又は約34rpm以上)であり得る。溶液ポンプ回転数は、約35rpm以下(例えば、約35rpm以下、約34rpm以下、約33rpm以下、約32rpm以下、約31rpm以下、約30rpm以下、約29rpm以下、約28rpm以下、約27rpm以下、約26rpm以下、約25rpm以下、約24rpm以下、約23rpm以下、約22rpm以下、約21rpm以下、約20rpm以下、約19rpm以下、約18rpm以下、約17rpm以下、又は約16rpm以下)であり得る。
【0100】
いくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の溶液噴霧量は、約9g/分から約15g/分の範囲である。例えば、溶液噴霧は、約9g/分以上(例えば、約10g/分以上、約11g/分以上、約12g/分以上、約13g/分以上、又は約14g/分以上)であり得る。溶液噴霧は、約15g/分以下(例えば、約14g/分以下、約13g/分以下、約12g/分以下、約11g/分以下、又は約10g/分以下)であり得る。
【0101】
いくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の噴霧時間は、約40分から約200分の範囲である。例えば、噴霧時間は、約40分以上(例えば、約45分以上、約50分以上、約55分以上、約60分以上、約65分以上、約70分以上、約75分以上、約80分以上、約85分以上、約90分以上、約95分以上、約100分以上、約105分以上、約110分以上、約115分以上、約120分以上、約125分以上、約130分以上、約135分以上、約140分以上、約145分以上、約150分以上、約155分以上、約160分以上、約165分以上、約170分以上、約175分以上、約180分以上、約185分以上、約190分以上、又は約195分以上)であり得る。噴霧時間は、約200分以下で(例えば、約195分以下、約190分以下、約185分以下、約180分以下、約175分以下、約170分以下、約165分以下、約160分以下、約155分以下、約150分以下、約145分以下、約140分以下、約135分以下、約130分以下、約125分以下、約120分以下、約115分以下、約110分以下、約105分以下、約100分以下、約95分以下、約90分以下、約85分以下、約80分以下、約75分以下、約70分以下、約65分以下、約60分以下、約55分以下、約50分以下、又は約45分以下)であり得る。
【0102】
溶媒404が水を含む場合等のいくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の入口温度は、約120℃から約210℃の範囲である。例えば、入口温度は、約120℃以上(例えば、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、約195℃以上、約200℃以上、又は約205℃以上)であり得る。入口温度は、約210℃以下(例えば、約205℃以下、約200℃以下、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、又は約130℃以下)であり得る。
【0103】
溶媒404がエタノールを含む場合等のいくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の入口温度は、約65℃から約180℃の範囲である。例えば、入口温度は、約65℃以上(例えば、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上、約100℃以上、約105℃以上、約110℃以上、約115℃以上、約120℃以上、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、又は約175℃以上)であり得る。入口温度は、約180℃以下(例えば、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、約125℃以下、約120℃以下、約115℃以下、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下)であり得る。
【0104】
溶媒404が水を含む場合等のいくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の初期製品温度は、約25℃から約100℃の範囲である。例えば、初期製品温度は、約25℃以上(例えば、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約65℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、又は約95℃以上)であり得る。初期製品温度は、約100℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、又は約30℃以下)であり得る。
【0105】
溶媒404がエタノールを含む場合等のいくつかの例示的な実施形態において、噴霧乾燥するステップS430の初期製品温度は、約25℃から約79℃の範囲である。例えば、初期製品温度は、約25℃以上(例えば、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上、又は約75℃以上)であり得る。初期製品温度は、約79℃以下(例えば、約78℃以下、約77℃以下、約76℃以下、約75℃以下、約70℃以下、約65℃以下、約60℃以下、約55℃以下、約50℃以下、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、又は約30℃以下)であり得る。
【0106】
噴霧乾燥するステップS430の後、ニコチン含有粉末432を、任意に、錠剤、粒、ペレット、円柱、又は他の形状にプレスしてもよく、これにより、徐放可能(controllable release)であって、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を含む)等の口腔用製品に含有させるのに適した固形体を製造してもよい。
【0107】
図2は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるためのニコチン含有粉末542を形成するための方法500を示すフロー図である。方法500は、方法500が、噴霧乾燥するステップS540の前に、第2の混合物(すなわち、フィード溶液)528を第1の温度に加熱するステップS530を有することを除いて、方法400と同様である。
【0108】
例えば、方法500は、第1の溶液508(すなわち、担体溶液)を形成するように、担体502と溶媒504とを接触させるステップS510と、第2の混合物528(すなわち、フィード溶液)を形成するように、第1の溶液508をニコチン含有製剤522に接触させるステップS520と、第2の混合物528を加熱するステップS530と、ニコチン含有粉末542(すなわち、乾燥粉末)を定義する複数の粒子を形成するように、加熱された第2の混合物538を噴霧乾燥するステップS540とを有する。図示されていないが、方法500は、噴霧乾燥するステップS540の後、徐放可能であって、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるのに適した固形体を製造するように、ニコチン含有粉末542を錠剤、粒、ペレット、円柱、又は他の形状にプレスするステップを有してもよい。
【0109】
少なくともいくつかの例示的な実施形態では、方法500は、第2の混合物を第1の温度まで加熱するステップS530を有し得る。
【0110】
溶媒504が水を含むような、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の温度は、約120℃から約210℃の範囲であり得る。例えば、第1の温度は、約120℃以上(例えば、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、約195℃以上、約200℃以上、又は約205℃以上)であり得る。第1の温度は、約210℃以下(例えば、約205℃以下、約200℃以下、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、又は約130℃以下)であり得る。
【0111】
溶媒504がエタノールを含む場合等のいくつかの実施形態において、第1の温度は、約65℃から約180℃の範囲であり得る。例えば、第1の温度は、約65℃以上(例えば、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上、約100℃以上、約105℃以上、約110℃以上、約115℃以上、約120℃以上、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、又は約175℃以上)であり得る。第1の温度は、約180℃以下(例えば、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、約125℃以下、約120℃以下、約115℃以下、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下)であり得る。
【0112】
図3は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのニコチン含有粉末642を形成する方法を示すフロー図である。方法500は、方法600が、実質的に均一な分布を有する第3の混合物638(すなわち、フィード溶液)を形成するように、第2の混合物628を均質化するステップS630を有することを除いて、方法400及び/又は方法500と同様である。いくつかの例示的な実施形態において、パドル撹拌機、高圧撹拌機、高剪断撹拌機、超音波ホモジナイザー、又はこれらの任意の組み合せを用いて、第2の混合物628を均質化するステップS630が行われ得る。
【0113】
例えば、方法600は、第1の溶液508(すなわち、担体溶液)を形成するように、担体602と溶媒604とを接触させるステップS610と、第2の混合物628を形成するように、第1の溶液608をニコチン含有製剤622に接触させるステップS620と、第3の混合物638(すなわち、フィード溶液)を形成するように、第2の混合物628を均質化するステップS630と、ニコチン含有粉末642(すなわち、乾燥粉末)を定義する複数の粒子を形成するように、第3の混合物638を噴霧乾燥するステップS640とを有する。噴霧乾燥するステップS640の後、図示されていないが、方法600は、徐放可能であって、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるのに適した固形体を製造するように、ニコチン含有粉末642を錠剤、粒、ペレット、円柱、又は他の形状にプレスするステップを有し得る。
【0114】
均質化するステップS630は、接触させるステップS620の後に行われるとして図示されているが、少なくとも1つの例示的な実施形態において、接触させるステップS620と均質化するステップS630とは、同時に行われてもよい。同様に、方法600は、特定の実施形態において、方法500に例示されるような第2の混合物628及び/又は第3の混合物638を加熱するステップ、及び/又は方法700に例示されるような添加剤を添加するステップを有し得る。
【0115】
図4は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのニコチン含有粉末742を形成するための方法700を示すフロー図である。方法700は、方法700が、フィード溶液738に1種類以上の添加剤732を添加するステップを有することを除いて、方法400及び/又は方法500及び/又は方法600と同様である。
【0116】
例えば、方法700は、第1の溶液708(すなわち、担体溶液)を形成するように、担体702と溶媒704とを接触させるステップS710と、第2の混合物728を形成するように、第1の溶液708をニコチン含有製剤722に接触させるステップS720と、第3の混合物738(すなわち、フィード溶液)を形成するように、第2の混合物728に1種類以上の添加剤732を添加するステップS730と、ニコチン含有粉末742(すなわち、乾燥粉末)を定義する複数の粒子を形成するように、第3の混合物738を噴霧乾燥するステップS740とを有する。噴霧乾燥するステップS740の後、図示されていないが、方法700は、徐放可能であって、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるのに適した固形体を製造するように、ニコチン含有粉末742を錠剤、粒、ペレット、円柱、又は他の形状にプレスするステップを有し得る。
【0117】
いくつかの例示的な実施形態において、1種類以上の添加剤は、pH調整剤、酸化防止剤、又はpH調整剤と酸化防止剤の組み合わせを含む。pH調整剤は、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム/炭酸水素カリウム、クエン酸、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。酸化防止剤は、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸モノステロール、トコフェロール、没食子酸プロピル、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ビタミンE、及びこれらの任意の組み合わせ又はこれらの誘導体を含み得る。酸化防止剤の存在は、ニコチン-N-オキシド(nicotine-N-oxides)の形成を制限するのに役立ち得る。
【0118】
少なくともいくつかの例示的な実施形態において、第3の混合物738は、約0.1重量%から約10重量%の範囲の量の添加剤732を有し得る。例えば、第3の混合物738は、約0.1重量%以上(例えば、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約1.5重量%以上、約2重量%以上、約2.5重量%以上、約3重量%以上、約3.5重量%以上、約4重量%以上、約4.5重量%以上、約5重量%以上、約5.5重量%以上、約6重量%以上、約6.5重量%以上、約7重量%以上、約7.5重量%以上、約8重量%以上、約8.5重量%以上、約9重量%以上、又は約9.5重量%以上)有し得る。第3の混合物728は、約10重量%以下(例えば、約9.5重量%以下、約9重量%以下、約8.5重量%以下、約8重量%以下、約7.5重量%以下、約7重量%以下、約6.5重量%以下、約6重量%以下、約5.5重量以下、約5重量%以下、約4.5重量%以下、約4重量%以下、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下)有し得る。
【0119】
添加剤731を添加するステップS730は、接触させるステップS720の次のステップとして図示されているが、少なくとも1つの例示的な実施形態において、接触させるステップS720と添加剤を添加するステップS730とは、同時に行われ得る。同様に、方法700は、特定の実施形態において、方法500に例示されるような、第2の混合物728及び/又は第3の混合物738を加熱するステップ、及び/又は方法600に例示されるような、第2の混合物728及び/又は第3の混合物738を均質化するステップを有し得る。
【0120】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図2から4に示されるような、噴霧乾燥ステップで使用するための例示的なフィード溶液は、ペクチン(ニコチンの天然バインダー)とニコチン油とを水中に含むように調製され得る。例示のフィード溶液は、溶媒としての水中に約6重量%のペクチン(すなわち、担体)と、1.5重量%のニコチン油とを含み得る。フィード溶液は、例えば、約9g/分から約15g/分の範囲の噴霧量及び約150分の噴霧時間を備えるVSD-200噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥され得る。フィード溶液は、約86℃から約90℃の範囲の初期製品温度を有し得る。噴霧乾燥機の入口温度は、約170℃から約200℃の範囲であり得る。例示のフィード溶液を、これらの列挙されたパラメータにしたがって噴霧乾燥して、表1に列挙された特性を有するニコチン含有粉末を製造し得る。
【表1】
表1.噴霧乾燥ステップで調製したニコチン含有粉末の例
【0121】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図2から4に示されるような噴霧乾燥ステップで使用するための例示的なフィード溶液は、ペクチン(ニコチンの天然バインダーである)及びニコチン油を水中に含むように調製され得る。例示のフィード溶液は、溶媒としての水中に、約6重量%のペクチン(すなわち、担体)と、1.5重量%のニコチン油とを含み得る。フィード溶液は、例えば、約9g/分から約10g/分の範囲の噴霧量及び約200分の噴霧時間を備えるVSD-200噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥され得る。フィード溶液は、約96℃から約98℃の範囲の初期製品温度を有し得る。噴霧乾燥機の入口温度は約200℃であり得る。例示のフィード溶液を、これらの列挙されたパラメータにしたがって噴霧乾燥して、表2に記載された特性を有するニコチン含有粉末を製造し得る。
【表2】
表2.噴霧乾燥ステップで調製したニコチン含有粉末の例
【0122】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図2から4に例示されるような噴霧乾燥ステップで使用するための例示的なフィード溶液は、アラビアガムとマルトデキストリンとの混合物及びニコチン油を水中に含むように調製され得る。例示のフィード溶液は、溶媒としての水中に、約30重量%のアラビアガム及びマルトデキストリンの混合物(すなわち、担体)と、3.3重量%のニコチン油とを含み得る。アラビアガムとマルトデキストリンとの比率は、重量比で約2:3であり得る。フィード溶液は、例えば、約10g/分から約12g/分の範囲の噴霧量及び約100分の噴霧時間を備えるVSD-200噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥され得る。フィード溶液は、約92℃から約96℃の範囲の初期製品温度を有し得る。噴霧乾燥機の入口温度は、約170℃から約180℃の範囲であり得る。例示のフィード溶液を、これらの列挙されたパラメータにしたがって噴霧乾燥して、表3に記載された特性を有するニコチン含有粉末を製造し得る。
【表3】
表3.噴霧乾燥ステップで調製したニコチン含有粉末の例
【0123】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図2から4に例示されるような噴霧乾燥ステップで使用するための例示的なフィード溶液は、アラビアガム及びマルトデキストリンの混合物と、ニコチン油とを水中に含むように調製され得る。例示のフィード溶液は、溶媒としての水中に、約30重量%のアラビアガム及びマルトデキストリンの混合物(すなわち、担体)と、7.5重量%のニコチン油とを含み得る。アラビアガムとマルトデキストリンとの比率は、重量比で約2:3であり得る。フィード溶液は、例えば、約9g/分から約12g/分の範囲の噴霧量及び約47.7分の噴霧時間を備えるVSD-200噴霧乾燥機を使用して噴霧乾燥され得る。フィード溶液は、約95℃から約102℃の範囲の初期製品温度を有し得る。噴霧乾燥機の入口温度は、約190℃であり得る。例示のフィード溶液を、これらの列挙されたパラメータにしたがって噴霧乾燥して、表4に列挙された特性を有するニコチン含有粉末を製造し得る。
【表4】
表4.噴霧乾燥ステップで調製したニコチン含有粉末の例
<カプセル化ニコチン顆粒>
【0124】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品に含有させるのに適したカプセル化ニコチン顆粒(encapsulated nicotine granule(ENG))が提供される。
【0125】
図5は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのカプセル化ニコチン顆粒800の一例の断面図である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、カプセル化ニコチン顆粒800は、マトリックス824によって取り囲まれるか、又はカプセル化された(encapsulated)ニコチン含有材料810を含む。マトリックス824内に分散したニコチン含有材料810が図示されているが、当業者は、他の様々な実施例において、マトリックス824が他の様々な形状又は構成を取り得ることを認識するであろう。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、マトリックス824は、カプセル化ニコチン顆粒800全体に均一に分散されたニコチン材料810を有し得る。
【0126】
カプセル化ニコチン顆粒800は、約100μmから約5mmの範囲の平均粒径(D50)を有し得る。例えば、カプセル化ニコチン顆粒800は、約100μm以上(例えば、約200μm以上、約300μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約600μm以上、約700μm以上、約800μm以上、約900μm以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2.0mm以上、約2.5mm以上、約3.0mm以上、約3.5mm以上、約4.0mm以上、約4.5mm以上、又は約5.0mm以上)の平均粒径を有し得る。カプセル化ニコチン顆粒800は、約5mm以下(例えば、4.5mm以下、約4.0mm以下、約3.5mm以下、約3.0mm以下、約2.5mm以下、約2.0mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、又は約150μm以下)の平均粒径を有し得る。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態において、ニコチン含有材料810は、ニコチン、ニコチン複合体(ニコチンポラクリレックス等)、ニコチン塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む。ニコチン塩は、例えば、硝酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、二酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩もしくは二硫酸塩、リン酸塩もしくは過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0128】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、マトリックス824は、糖アルコール、保湿剤(humectant)/油脂、又は糖アルコールと保湿剤/油脂との組み合わせを含む。糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添イソマルツロース、加水分解水添デンプン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。保湿剤/油脂は、マトリックス824の水分レベルを維持するのに役立ち得る。いくつかの例示的な実施形態において、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールとの組み合わせを含む。
【0129】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、マトリックス824は、約50重量%から約99.5重量%の範囲の量の糖アルコールを含み得る。例えば、マトリックス824は、約50重量%以上の糖アルコール(例えば、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上)を含み得る。マトリックス824は、約99.5重量%以下の糖アルコール(例えば、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、又は約55重量%以下)を含み得る。
【0130】
図6は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのカプセル化ニコチン顆粒900の一例の断面図である。カプセル化ニコチン顆粒900は、カプセル化ニコチン顆粒900が1種類以上の添加剤922を含むことを除いて、カプセル化ニコチン顆粒800と同じである。
【0131】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、カプセル化ニコチン顆粒900は、マトリックス920に取り囲まれるか、又はカプセル化されたニコチン含有材料910を含む。マトリックス920は、1種類以上の添加剤922を含み得る。例えば、マトリックス920は、マトリックス920全体に分散された1種類以上の添加剤922を含み得る。1種類以上の添加剤922は、マトリックス920内及びニコチン含有材料910の周囲に実質的に均一に分散し得る。カプセル化ニコチン顆粒900は、0重量%超から約10重量%以下の範囲の量の1種類以上の添加剤922を含み得る。例えば、カプセル化ニコチン顆粒900は、0重量%超の1種類以上の添加剤922(例えば、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%以上、約3.0重量%以上、約3.5重量%以上、約4.0重量%以上、約4.5重量%以上、約5.0重量%以上、約5.5重量%以上、約6.0重量%以上、約6.5重量%以上、約7.0重量%以上、約7.5重量%以上、約8.0重量%以上、約8.5重量%以上、約9.0重量%以上、又は約9.5重量%以上)を含み得る。カプセル化ニコチン顆粒900は、約10重量%以下の1種類以上の922(例えば、約9.5重量%以下、約9.0重量%以下、約8.5重量%以下、約8.0重量%以下、約7.5重量以下、約7.0重量%以下、約6.5重量%以下、約6.0重量%以下、約5.5重量%以下、約5.0重量%以下、約4.5重量%以下、約4.0重量%以下、約3.5重量%以下、約3.0重量%以下、約2.5重量%以下、約2.0重量%以下、約1.5重量%以下、約1.0重量%以下、又は約0.5重量%以下)を含み得る。
【0132】
1種類以上の添加剤922は、例えば、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、酸化防止剤添加剤は、パルミチン酸アスコルビル、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸ナトリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム/炭酸水素カリウム、クエン酸、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、多糖類は、グアーガム、キサンタムガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0133】
香味剤は、噴霧乾燥した、粉末の、及び/又は液体の香味剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、メントール、シナモン、チョコレート、バニリン、カンゾウ、クローブ、アニス、ビャクダン、ゼラニウム、バラ油、バニラ、レモン油、カシア、ウイキョウ、ショウガ、エチルアセテート、酢酸イソアミル、プロピルイソブチレート、酪酸イソブチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、ギ酸ベンジル、リモネン、シメン、ピネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、オレンジ油、コリアンダー油、ボルネオール、果実抽出物、コーヒー、茶、カカオ、ミント、ザクロ、アサイー、ラズベリー、ブルーベリー、イチゴ、ボイセンベリー、クランベリー、バーボン、スコッチ、ウイスキー、コニャック、アジサイ、ラベンダー、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、プラム、オレンジ、ライム、ライチ、グレープ、グレープフルーツ、バター、ラム、ココナッツ、アーモンド、ピーカン、クルミ、ヘーゼルナッツ、フレンチバニラ、マカダミア、サトウキビ、メープル、カシス、キャラメル、バナナ、モルト、エスプレッソ、カルーア、ホワイトチョコレート、スパイスフレーバー(シナモン、クローブ、コリアンダー、バジル、オレガノ、ニンニク、マスタード、ナツメグ、ローズマリー、タイム、タラゴン、イノンド、セージ、アニス、ウイキョウ等)、サリチル酸メチル、リナロール、ジャスミン、コーヒー、オリーブ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ショウガ油、バルサミコ酢、ライスワインビネガー、赤ワインビネガー、オールスパイス、ピメント、マンゴー、トゲバンレイシ、バンレイシ、ネイズベリー(naseberry)、スイバ(sorrel)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0134】
ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるのに適した、
図5及び/又は
図6に示されるようなカプセル化ニコチン顆粒(ENG)を調製する方法が提供される。いくつかの例示的な実施形態において、このようなカプセル化ニコチン顆粒を形成する方法は、第1の混合物を加熱及び冷却するステップと、第2の混合物を形成するように、冷却された第1の混合物にニコチン含有材料を添加するステップと、1つ以上のシート等の固化構造を形成するように、第2の混合物をさらなる温度にまで冷却するステップとを有する。1つ以上の固化構造は、断片化することで、口腔用製品に含有させ、所望の官能特性を有するためのカプセル化ニコチン顆粒を形成することができる。
【0135】
図7は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるためのニコチン含有粉末1052を調製するための方法1000を示すフロー図である。ニコチン含有粉末1052は、
図5及び/又は
図6に例示されるような、複数のカプセル化ニコチン顆粒を含み得る。方法1000は、バッチプロセス、連続プロセス、又はバッチプロセスと連続プロセスとの両方(例えば、複合押出成形)を用いて実施することができる。
【0136】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチン含有粉末1052を調製するための方法1000は、溶融混合物1012を調製するステップS1010を含む。いくつかの例示的な実施形態において、溶融混合物1012を調製するステップS1010は、第1の混合物1006を加熱するステップを有する。例えば、第1の混合物1006は、第1の温度に加熱され得る。
【0137】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の温度は、約120℃から約200℃の範囲である。例えば、第1の温度は、約120℃以上(例えば、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、又は約195℃以上)であり得る。第1の温度は、約200℃以下(例えば、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、又は約125℃以下)であり得る。
【0138】
第1の混合物1006は、1種類以上のポリオール(例えば、糖及び/又は糖アルコール)1002を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1000は、第1の混合物1006を調製するステップS1005を含む。いくつかの例示的な実施形態において、第1の混合物1006を調製するステップS1005は、1種類以上のポリオール1002と水性溶媒1004とを接触させるステップを有する。例えば、第1の混合物1006を形成するように、1種類以上のポリオール1002を、水性溶媒1004と混合し得る。図示されていないが、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の混合物1006は、1種類以上の添加剤をさらに含み得る。1種類以上の添加剤は、あくまでも例示だが、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0139】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1000は、冷却溶融混合物1028を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、冷却溶融混合物1028を形成するステップは、溶融混合物1012を冷却するステップS1020を有する。例えば、冷却溶融混合物1028を形成するように、溶融混合物1012は、第2の温度まで冷却され得る。
【0140】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、約65℃から約200℃の範囲である。例えば、第2の温度は、65℃以上(例えば、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上、約100℃以上、約105℃以上、約110℃以上、約115℃以上、約120℃以上、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、又は約195℃以上)であり得る。第2の温度は、約200℃以下(例えば、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、約125℃以下、約120℃以下、約115℃以下、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下)であり得る。
【0141】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1000は、第2の混合物1038を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、第2の混合物1038を形成するステップは、冷却溶融混合物1028に1種類以上のニコチン含有材料1032を添加するステップS1030を有する。
【0142】
第2の混合物1038は、約0.1重量%から約50重量%の範囲の量の冷却溶融混合物1028を含み得る。例えば、第2の混合物1038は、約0.1重量%以上の冷却溶融混合物1028(例えば、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、又は約45重量%以上)を含み得る。第2の混合物1038は、約50重量%以下の冷却溶融混合物1028(例えば、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下)を含み得る。
【0143】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の混合物1038は、約60重量%から約80重量%の範囲の量の冷却溶融混合物1028を含み得る。例えば、第2の混合物1038は、約60重量%以上の冷却溶融混合物1028(例えば、約62重量%以上、約64重量%以上、約66重量%以上、約68重量%以上、約70重量%以上、約72重量%以上、約74重量%以上、約76重量%以上、又は約78重量%以上)を含み得る。第2の混合物1038は、約80重量%以下(例えば、約78重量%以下、約76重量%以下、約74重量%以下、約72重量%以下、約70重量%以下、約68重量%以下、約66重量%以下、約64重量%以下、又は約62重量%以下)を含み得る。
【0144】
第2の混合物1038は、約0.1重量%から約50重量%の範囲の量の1種類以上のニコチン含有材料1032を含み得る。例えば、第2の混合物1038は、約0.1重量%以上のニコチン含有材料1032(例えば、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、又は約45重量%以上)を含み得る。第2の混合物1038は、約50重量%以下のニコチン含有材料1032(例えば、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約1重量%以下、又は約0.5重量%以下)を含み得る。
【0145】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の混合物1038は、約20重量%から約40重量%の範囲の量のニコチン含有材料1032を含み得る。例えば、第2の混合物1038は、約20重量%以上のニコチン含有材料1032(例えば、約22重量%以上、約24重量%以上、約26重量%以上、約28重量%以上、約30重量%以上、約32重量%以上、約34重量%以上、約36重量%以上、又は約38重量%以上)を含み得る。第2の混合物は、約40重量%以下のニコチン含有材料1032(例えば、約38重量%以下、約36重量%以下、約34重量%以下、約32重量%以下、約30重量%以下、約28重量%以下、約26重量%以下、約24重量%以下、又は約22重量%以下)を含み得る。
【0146】
図示されていないが、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の混合物1038は、1種類以上の添加剤を含み得、第2の混合物を形成するステップは、冷却溶融混合物1028に1種類以上の添加剤を添加するステップを含み得る。1種類以上の添加剤は、あくまでも例示だが、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0147】
いくつかの例示的な実施形態において、1種類以上のニコチン含有材料1032は、ニコチン、ニコチン複合体(例えば、ニコチンポラクリレックス)、ニコチン塩、又はこれらの任意の組み合わせを含む。ニコチン塩は、例えば、硝酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、二酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩もしくは二硫酸塩、リン酸塩もしくは過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0148】
1種類以上のニコチン含有材料1032が固体のニコチン塩を含む場合等、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、約120℃から約130℃の範囲である。例えば、第2の温度は、約120℃以上(例えば、約121℃以上、約122℃以上、約123℃以上、約124℃以上、約125℃以上、約126℃以上、約127℃以上、約128℃以上、又は約129℃以上)であり得る。第2の温度は、約130℃以下(例えば、約129℃以下、約128℃以下、約127℃以下、約126℃以下、約125℃以下、約124℃以下、約123℃以下、約122℃以下、又は約121℃以下)であり得る。
【0149】
1種類以上のニコチン含有材料1032が液体のニコチン溶液又はニコチン塩を含む場合等、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、約65℃から約100℃の範囲である。例えば、第2の温度は、約65℃以上(例えば、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、又は約95℃以上)であり得る。第2の温度は、約100℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下)であり得る。
【0150】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1000は、1つ以上の固化構造1048を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1048を形成するステップは、第2の混合物1038を冷却するステップS1040を有する。例えば、冷却溶融混合物1048を形成するように、第2の混合物1038は、第3の温度まで冷却され得る。いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1048を形成するステップは、第2の混合物1038をガラス化する(glassify)ステップを有する。例えば、第3の温度は、1種類以上のポリオール1002のガラス転移温度(Tg)未満であり得る。
【0151】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第3の温度は、約40℃から約45℃の範囲である。例えば、第3の温度は、約40℃以上(例えば、約40.5℃以上、約41℃以上、約41.5℃以上、約42℃以上、約42.5℃以上、約43℃以上、約43.5℃以上、約44℃以上、又は約44.5℃以上)であり得る。第3の温度は、約45℃以下(例えば、約44.5℃以下、約44℃以下、約43.5℃以下、約43℃以下、約42.5℃以下、約42℃以下、約41.5℃以下、約41℃以下、又は約40.5℃以下)であり得る。
【0152】
1つ以上の固化構造1048は、1つ以上のシート、又は当業者によって認識されるような他の様々な構成のうちの1つを有し得る。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1048は、1つ以上の室温で脆いシートを含み得る。
【0153】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1000は、ニコチン含有粉末1052を形成するように、1つ以上の固化構造1048を断片化するステップS1050を有する。
【0154】
ニコチン含有粉末のようなニコチン含有材料は、常温常圧条件下では、光及び空気に敏感であることが多く、また様々な化学的及び物理的特性によって、ニコチン含有材料を含む口腔用製品の調製、加工、及び貯蔵中に様々な困難が生じ得る。
【0155】
少なくとも1つの例示的な実施形態にしたがって調製され、口腔用製品(例えば、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等)に含まれる例示的なカプセル化ニコチン顆粒は、消費者に対する刺激が少ない可能性がある。
<カプセル化甘味料顆粒>
【0156】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品に含めるのに適したカプセル化甘味料顆粒(encapsulated sweetener granule(ESG))が提供される。
【0157】
図8は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるためのカプセル化甘味料顆粒1200の例示的な断面図である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、カプセル化甘味料顆粒1200は、マトリックス1224によって取り囲まれるか、又はカプセル化された甘味料含有材料1210を含む。マトリックス1224内に分散されたニコチン含有材料1210が図示されているが、当業者は、他の様々な実施例において、マトリックス1224が他の様々な形状又は構成を取り得ることを認識するであろう。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、マトリックス1224は、カプセル化甘味料顆粒1200全体に均一に分散された甘味料含有材料1210を含む。いくつかの他の例示的な実施形態において、マトリックス112は、甘味料含有材料1210を取り囲むか又はカプセル化した連続的なコーティングを定義し得る。
【0158】
カプセル化甘味料顆粒1200は、約100μmから約5mmの範囲の平均粒径(D50)を有し得る。例えば、カプセル化甘味料顆粒1200は、約100μm以上(例えば、約200μm以上、約300μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約600μm以上、約700μm以上、約800μm以上、約900μm以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2.0mm以上、約2.5mm以上、約3.0mm以上、約3.5mm以上、約4.0mm以上、約4.5mm以上、又は約5.0mm以上)の平均粒径を有し得る。カプセル化甘味料顆粒1200は、約5mm以下(例えば、4.5mm以下、約4.0mm以下、約3.5mm以下、約3.0mm以下、約2.5mm以下、約2.0mm以下、約1.5mm以下、約1mm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、又は約150μm以下)の平均粒径を有し得る。
【0159】
いくつかの例示的な実施形態では、甘味料含有材料1210は、1種類以上の高強度甘味料を含む。1種類以上の高強度甘味料は、合成甘味料及び/又は天然甘味料を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、天然甘味料は、糖(単糖、二糖、及び/又は多糖等)を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、天然甘味料は、スクロース(例えば、テーブルシュガー)、蜂蜜、スクロースを除く低分子糖の混合物、グルコース(例えば、ブドウ糖、トウモロコシ糖、デキストロース)、糖蜜、トウモロコシ甘味料、果糖ブドウ糖液糖(例えば、コーンシロップ)、フルクトース(例えば、果糖)、ラクトース(例えば、乳糖)、マルトース(例えば、麦芽糖、マルトビオース)、ソルガムシロップ、濃縮果汁、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、甘味料含有材料1210は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料含有材料1210は、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む非栄養性甘味料を含む。
【0160】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、マトリックス1224は、糖アルコール、保湿剤/油脂、又は糖アルコールと保湿剤/油脂との組み合わせを含む。糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、水添イソマルツロース、加水分解水添デンプン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。保湿剤/油脂は、マトリックス1224の水分レベルを維持するのに役立ち得る。いくつかの例示的な実施形態において、保湿剤は、グリセロール、プロピレングリコール、又はグリセロールとプロピレングリコールとの組み合わせを含む。
【0161】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、マトリックス1224は、約50重量%から約99.5重量%の範囲の量の糖アルコールを含み得る。例えば、マトリックス824は、約50重量%以上の糖アルコール(例えば、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上)を含み得る。マトリックス824は、約99.5重量%以下の糖アルコール(例えば、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、又は約55重量%以下)を含み得る。
【0162】
図9は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるためのカプセル化甘味料顆粒1300の一例の断面図である。カプセル化甘味料顆粒1300は、カプセル化甘味料顆粒1300が1種類以上の添加剤1322を含むことを除いて、カプセル化甘味料顆粒1200と同じである。
【0163】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、カプセル化甘味料顆粒1300は、マトリックス1320によって取り囲まれるか、又はカプセル化された甘味料含有材料1310を含む。マトリックス1320は、1種類以上の添加剤1322を含み得る。例えば、マトリックス1320は、マトリックス1320全体に分散された1種類以上の添加剤1322を含んでもよい。1種類以上の添加剤1322は、マトリックス1320内及び甘味料含有材料1310の周囲に実質的に均一に分散し得る。
【0164】
カプセル化甘味料顆粒1300は、約0.01重量%から約45重量%の範囲の量の1種類以上の添加剤1322を含み得る。例えば、カプセル化甘味料顆粒1300は、約0.01重量%以上の1種類以上の添加剤1322(例えば、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、又は約40重量%以上)を含み得る。カプセル化甘味料顆粒1300は、約45重量%以下の1種類以上の添加剤1322(例えば、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下)を含み得る。
【0165】
1種類以上の添加剤1322は、例えば、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、酸化防止剤添加剤は、パルミチン酸アスコルビル、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、アスコルビン酸ナトリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、pH調整剤は、炭酸ナトリウム/炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム/炭酸水素カリウム、クエン酸、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、多糖類は、グアーガム、キサンタムガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0166】
香味剤は、噴霧乾燥した、粉末の、及び/又は液体の香味剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、メントール、シナモン、チョコレート、バニリン、カンゾウ、クローブ、アニス、ビャクダン、ゼラニウム、バラ油、バニラ、レモン油、カシア、ウイキョウ、ショウガ、エチルアセテート、酢酸イソアミル、プロピルイソブチレート、酪酸イソブチル、酪酸エチル、吉草酸エチル、ギ酸ベンジル、リモネン、シメン、ピネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、オレンジ油、コリアンダー油、ボルネオール、果実抽出物、コーヒー、茶、カカオ、ミント、ザクロ、アサイー、ラズベリー、ブルーベリー、イチゴ、ボイセンベリー、クランベリー、バーボン、スコッチ、ウイスキー、コニャック、アジサイ、ラベンダー、リンゴ、モモ、ナシ、サクランボ、プラム、オレンジ、ライム、ライチ、グレープ、グレープフルーツ、バター、ラム、ココナッツ、アーモンド、ピーカン、クルミ、ヘーゼルナッツ、フレンチバニラ、マカダミア、サトウキビ、メープル、カシス、キャラメル、バナナ、モルト、エスプレッソ、カルーア、ホワイトチョコレート、スパイスフレーバー(シナモン、クローブ、コリアンダー、バジル、オレガノ、ニンニク、マスタード、ナツメグ、ローズマリー、タイム、タラゴン、イノンド、セージ、アニス、ウイキョウ等)、サリチル酸メチル、リナロール、ジャスミン、コーヒー、オリーブ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ショウガ油、バルサミコ酢、ライスワインビネガー、赤ワインビネガー、オールスパイス、ピメント、マンゴー、トゲバンレイシ、バンレイシ、ネイズベリー(naseberry)、スイバ(sorrel)、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0167】
ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品に含有させるのに適した、
図8及び/又は
図9に示されるようなカプセル化甘味料顆粒(ESG)を調製する方法が提供される。いくつかの例示的な実施形態において、このようなカプセル化甘味料顆粒を形成する方法は、第1の混合物を加熱及び冷却するステップと、第2の混合物を形成するように、冷却された第1の混合物に甘味料含有材料を添加するステップと、1つ以上のシート等の固化構造を形成するように、第2の混合物をさらなる温度まで冷却するステップとを有する。1つ以上の固化構造は、断片化することで、口腔用製品に包含され、所望の官能特性を有するためのカプセル化甘味料顆粒を形成することができる。
【0168】
図10は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を包含する)等の口腔用製品に含有させるための甘味料含有粉末1452を調製するための方法1400を示すフロー図である。甘味料含有粉末1452は、
図8及び/又は
図9に図示されているような、複数のカプセル化ニコチン顆粒を含み得る。方法1400は、バッチプロセス、連続プロセス、又はバッチプロセスと連続プロセスとの両方(例えば、複合押出成形)を用いて実施することができる。
【0169】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料含有粉末1442を調製するための方法1400は、溶融混合物1412を調製するステップS1410を有する。いくつかの例示的な実施形態において、溶融混合物1412を調製するステップS1410は、第1の混合物1406を加熱するステップを有する。例えば、第1の混合物1406は、第1の温度に加熱され得る。
【0170】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の温度は、約120℃から約200℃の範囲である。例えば、第1の温度は、約120℃以上(例えば、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、又は約195℃以上)であり得る。第1の温度は、約200℃以下(例えば、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、又は約125℃以下)であり得る。
【0171】
第1の混合物1406は、1種類以上のポリオール1402及び/又は1種類以上の親水コロイド1403を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上のポリオール1402は、イソマルト、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、1種類以上の親水コロイド1403は、グアーガム、アラビアガム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0172】
第1の混合物1406は、約50重量%から約99.5重量%の範囲の量の1種類以上のポリオール1402を含み得る。例えば、第1の混合物1406は、約50重量%以上の1種類以上のポリオール1402(例えば、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、又は約95重量%以上)を含み得る。第1の混合物1406は、約99.5重量%以下の1種類以上のポリオール1402(例えば、約95重量%以下、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、又は約50重量%以下)を含み得る。
【0173】
第1の混合物1406は、約0.01重量%から約5重量%の範囲の量の1種類以上の親水コロイド1403を含み得る。例えば、第1の混合物1406は、約0.01重量%以上の1種類以上の親水コロイド(例えば、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約1.0重量%以上、約1.5重量%以上、約2.0重量%以上、約2.5重量%、約3.0重量%以上、約3.5重量%以上、約4.0重量%以上、約4.5重量%以上、又は約4.9重量%以上)を含み得る。第1の混合物1406は、約5重量%以下の1種類以上の親水コロイド(例えば、約4.9重量%以下、約4.5重量%以下、約4.0重量%以下、約3.5重量%以下、約3.0重量%以下、約3.5重量%以下、約3.0重量%以下、約2.5重量%以下、約2.0重量%以下、約1.5重量%以下、約1.0重量%以下、又は約0.5重量%以下)を含み得る。
【0174】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1400は、第1の混合物1406を調整するステップS1405を有する。いくつかの例示的な実施形態において、第1の混合物1406を調製するステップS1405は、1種類以上のポリオール1402及び/又は1種類以上の親水コロイド1403と、水性溶媒1404とを接触させるステップを有する。例えば、第1の混合物1406を形成するように、1種類以上のポリオール1402及び/又は1種類以上の親水コロイド1403を水性溶媒1404と混合し得る。図示されていないが、少なくとも1つの例示的な実施形態において、第1の混合物1406は、1種類以上の添加剤をさらに含んでもよい。1種類以上の添加剤は、あくまでも例示だが、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0175】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1400は、冷却溶融混合物1428を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、冷却溶融混合物1428を形成するステップは、溶融混合物1412を冷却するステップS1420を有する。例えば、冷却溶融混合物1428を形成するように、溶融混合物1412は、第2の温度まで冷却され得る。
【0176】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第2の温度は、約65℃から約200℃の範囲である。例えば、第2の温度は、約65℃以上(例えば、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上、約100℃以上、約105℃以上、約110℃以上、約115℃以上、約120℃以上、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上、又は約195℃以上)であり得る。第2の温度は、約200℃以下(例えば、約195℃以下、約190℃以下、約185℃以下、約180℃以下、約175℃以下、約170℃以下、約165℃以下、約160℃以下、約155℃以下、約150℃以下、約145℃以下、約140℃以下、約135℃以下、約130℃以下、約125℃以下、約120℃以下、約115℃以下、約110℃以下、約105℃以下、約100℃以下、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約75℃以下、又は約70℃以下)であり得る。
【0177】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1400は、第2の混合物1438を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、第2の混合物1438を形成するステップは、1種類以上の甘味料含有材料1432を冷却溶融混合物1428に添加するステップS1430を有する。第2の混合物1438は、約0.01重量%から約45重量%の範囲の量の1種類以上の甘味料含有材料1432を含み得る。例えば、第2の混合物1438は、約0.01重量%以上の1種類以上の甘味料含有材料1432(例えば、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、又は約40重量%以上)を含み得る。第2の混合物1438は、約45重量%以下の1種類以上の甘味料含有材料1432(例えば、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下)を含み得る。
【0178】
図示されていないが、少なくとも1つの実施形態において、第2の混合物1438は、1種類以上の添加剤を含み得、第2の混合物を形成するステップは、冷却溶融混合物1428に1種類以上の添加剤を添加するステップを有し得る。1種類以上の添加剤は、あくまでも例示だが、酸化防止剤、甘味料、pH調整剤、多糖類、香味剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0179】
いくつかの例示的な実施形態では、甘味料含有材料1432は、1種類以上の高強度甘味料を含む。1種類以上の高強度甘味料は、合成甘味料及び/又は天然甘味料を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、天然甘味料は、スクロース(例えば、テーブルシュガー)、蜂蜜、スクロースを除く低分子糖の混合物、グルコース(例えば、ブドウ糖、トウモロコシ糖、デキストロース)、糖蜜、トウモロコシ甘味料、果糖ブドウ糖液糖(例えば、コーンシロップ)、フルクトース(例えば、果糖)、ラクトース(例えば、乳糖)、マルトース(例えば、麦芽糖、マルトビオース)、ソルガムシロップ、濃縮果汁、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、甘味料含有材料1432は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料含有材料1432は、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む非栄養性甘味料を含む。
【0180】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1400は、1つ以上の固化構造1448を形成するステップを有する。いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1448を形成するステップは、第2の混合物1438を冷却するステップS1440を有する。例えば、冷却溶融混合物1428を形成するように、第2の混合物1438は、第3の温度まで冷却され得る。いくつかの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1448を形成するステップは、第2の混合物1438をガラス化するステップを有し得る。例えば、第3の温度は、1種類以上のポリオール1402及び/又は1403のガラス転移温度(Tg)未満であり得る。
【0181】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、第3の温度は、約40℃から約45℃の範囲である。例えば、第3の温度は、約40℃以上(例えば、約40.5℃以上、約41℃以上、約41.5℃以上、約42℃以上、約42.5℃以上、約43℃以上、約43.5℃以上、約44℃以上、又は約44.5℃以上)であり得る。第3の温度は、約45℃以下(例えば、約44.5℃以下、約44℃以下、約43.5℃以下、約43℃以下、約42.5℃以下、約42℃以下、約41.5℃以下、約41℃以下、又は約40.5℃以下)であり得る。
【0182】
1つ以上の固化構造1448は、1つ以上のシート、又は当業者によって認識されるような他の様々な構成のうちの1つを有し得る。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態において、1つ以上の固化構造1448は、1つ以上の室温で脆いシートを含み得る。
【0183】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法1400は、甘味料含有粉末1452を形成するように、1つ以上の固化構造1448を断片化するステップS1450を含む。
<トリグリセリドと液体ニコチンとの液体混合物>
【0184】
【0185】
ニコチン、又は3-(1-メチル-2-ピロリジニル)ピリジンは、第3級アミンである。常温常圧条件下では、ニコチンは、油状の揮発性で吸湿性の液体である。この状態では、ニコチンは、遊離塩基(非プロトン化状態)であり、
図11Aに示すような構造を有する。遊離塩基ニコチンのpK
a値は約8である。
【0186】
ニコチンはまた、複合体又は塩の形態であり得る。ニコチン複合体及び塩は、粉末のような固体で提供され得る。口腔用製品に使用されるニコチン複合体の一例は、ニコチンポラクリレックスである。塩の状態では、ニコチンは、
図11Bに示すようにモノプロトン化されているか、又は
図11Cに示すようにジプロトン化されている。モノプロトン化及びジプロトン化ニコチンは、遊離塩基ニコチンよりも低いpK
a値を有する。ニコチン塩は、硝酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、二酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩もしくは二硫酸塩、リン酸塩もしくは過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0187】
口腔用製品には、製造、取り扱い、及び安定性に関する理由から、ニコチンが複合体又は塩の形で含まれることが多い。しかし、ニコチンは、pKaが高いほど頬粘膜内に吸収されやすいと考えられている。したがって、プロトン化状態のニコチンを含む口腔用製品は、口腔用製品中により塩基性の環境を作り出すために、pH調整剤をも含み得る。
【0188】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、ニコチンとトリグリセリドとの液体混合物を含む。液体混合物を含む口腔用製品は、水性ニコチン、ニコチン複合体、及び/又はニコチン塩を含む口腔用製品と比較して、頬からのニコチン吸収が増加するように構成され得る。ニコチンは、液体ニコチンであり得る。トリグリセリドと液体ニコチンとの溶液を形成するように、液体ニコチンの少なくとも一部をトリグリセリドに溶解させ得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体ニコチンのすべてがトリグリセリドに溶解している。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は本質的に、液体ニコチンと、中鎖トリグリセリド(MCT)等のトリグリセリドとから構成され得る。
【0189】
液体混合物中の、トリグリセリドのニコチンに対する重量比は、約1:1以上(例えば、約3:2以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、約6:1以上、約7:1以上、約8:1以上、約9:1以上、又は約10:1以上)であり得る。重量比は、約95:5以下(例えば、約9:1以下、約8:1以下、約7:1以下、約6:1以下、約5:1以下、約4:1以下、約3:1以下、又は約3:2以下)であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、重量比は、約1:1から約9:1(例えば、約3:2から約4:1、約3:1から約5:1、又は約4:1)の範囲である。
【0190】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、液体混合物中に存在するものを超えて、追加のトリグリセリドを含み得る。追加のトリグリセリドは、少なくとも1つの例示的な実施形態において、可塑剤として使用され得る。口腔用製品中のトリグリセリドの液体ニコチンに対する比(すなわち、液体混合物及び任意の追加のトリグリセリドの両方)は、約1:1以上(例えば、約3:2以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、約6:1以上、約7:1以上、約8:1以上、約9:1以上、約10:1、約15:1以上、約20:1以上、約25:1以上、約30:1以上、約40:1以上、約50:1以上、約60:1以上、約70:1以上、約75:1以上、又は約80:1以上)であり得る。トリグリセリドの液体ニコチンに対する重量比は、約100:1以下(例えば、約90:1以下、約80:1以下、約75:1以下、約70:1以下、約60:1以下、約50:1以下、約40:1以下、約30:1以下、約25:1以下、約20:1、約15:1以下、約10:1以下、約9:1以下、約8:1以下、約7:1以下、約6:1以下、約5:1以下、約4:1以下、約3:1以下、約2:1以下、又は約3:2以下)であり得る。
【0191】
図12Aから
図12Bは、異なるニコチン溶液についての、頬におけるニコチン動態を示すグラフである。
【0192】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、トリグリセリドに溶解したニコチンを提供することで、水相中のニコチンと比較して、頬からの吸収を促進させ得る。トリグリセリドに溶解したニコチンを提供することで、pH調整剤の存在の有無にかかわらず、ニコチンの少なくとも一部が遊離塩基の状態で保持されやすくなると考えられる。
【0193】
図12Aから
図12Bに示すように、以下の表5にしたがって3つの溶液を調製する。表5中の量は、重量%である。溶液Aは、pH7の水中に0.5mgの液体ニコチンを含む。溶液Bは、pH10の水中に0.5mgのニコチンを含む。溶液Cは、MCT油脂中に0.5mgのニコチンを含む。
【表5】
表5.重量%による溶液組成
【0194】
吸収されるニコチン量と吸収されないニコチン量とを判定するために、溶液A、B、Cのそれぞれが成人のタバコ消費者の口腔内に保持される。成人のタバコ消費者5人が参加する。5人の成人のタバコ消費者の各々における3つの溶液のそれぞれについて、0から1分、1から5分、5から10分の3つの時間間隔で去痰試料を採取する。それぞれの去痰試料を分析し、去痰試料中のニコチンの重量を測定する。去痰試料で測定されたニコチンは、必然的に頬粘膜で吸収されていない。吸収されたニコチンの量は、以下でさらに詳細に説明するように、各溶液中の既知のニコチンの重量と、各溶液の各去痰試料中のニコチンの測定量との差に基づいて、各溶液について計算される。
【0195】
溶液Aは、0.5mgのニコチンを含む。第1の溶液A去痰試料4200は、0から1分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち57重量%を含む。第2の溶液A去痰試料4202は、1-5分に採取され、0.5mgのニコチンのうち18重量%を含む。第3の溶液A去痰試料4204は、5-10分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち5重量%を含む。したがって、溶液A吸収ニコチン4206は、20重量%(100%-57%-18%-5%=20%)であると計算される。
【0196】
溶液Bは、0.5mgのニコチンを含む。第1の溶液B去痰試料4210は、0から1分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち50重量%を含む。第2の溶液B去痰試料4212は、1から5分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち19重量%を含む。第3の溶液B去痰試料4214は、5から10分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち6重量%を含む。したがって、溶液B吸収ニコチン4216は25重量%(100%-50%-19%-6%=25%)と計算される。
【0197】
溶液Cは、0.5mgのニコチンを含む。第1の溶液C去痰試料4220は、0から1分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち38重量%を含む。第2の溶液C去痰試料4222は、1から5分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち22重量%を含む。第3の溶液C去痰試料4224は、5から10分後に採取され、0.5mgのニコチンのうち5重量%を含む。したがって、溶液C吸収ニコチン4226は、35重量%(100%-38%-22%-5%=35%)と計算される。
【0198】
溶液Aと溶液Bとの挙動の違いから示されるように、溶液Bのように水溶液のpHを上昇させると、頬からのニコチン吸収が促進される。例えば、水性環境のpHの上昇は、遊離塩基相におけるニコチンの保持を促進し得る。溶液A/Bと溶液Cとの挙動の違いからわかるように、溶液CのようにMCT中でニコチンを提供することで、水相中でニコチンを提供する場合と比較して、頬からのニコチン吸収が促進される。さらに、溶液Bと溶液Cとの挙動の違いによって示されるように、MCT中でニコチンを提供することにより、溶液Cのように、pH調整剤を含む水相と比較して、頬からの吸収が増大する。
図12Bに示すように、溶液Cのうち吸収されたニコチンの量は、溶液A及びBの各々のうち吸収された量よりも多い。
【0199】
図13Aは、異なる油相と水相との組み合わせにおけるニコチンの分配係数データを示す表である。
図13Bは、トリアセチン(C2)の化学構造を示す図である。
図13Cは、MCT(C8-C10)の化学構造を示す図である。
図13Dは、トリオレイン(C18)の化学構造を示す図である。
【0200】
図13Aに示すように、ニコチンは、油及び水の両方に溶解性がある。試料1から8の各々は、以下の方法によって調製され、以下の方法にしたがって測定される。液体ニコチンを、油相を含む容器に目標ニコチン濃度で添加する。ニコチンを含む油相を、水相と1対1の体積比(v:v)で、毎分約100回転(rpm)のオービタルシェーカーを用いて約5分間混合し、ニコチン油:水相混合物を調製する。ニコチン油:水相混合物を室温(約25℃)で約24時間放置する。油相とニコチン相とのそれぞれのニコチン濃度を液体クロマトグラフィー法で測定する。平衡状態における2つの非混和性溶媒(すなわち、油相と水相)中の化合物(すなわち、ニコチン)の濃度比である分配係数が、各試料について計算される。分配係数は、2つの液相におけるニコチンの溶解度の比較である。
【0201】
試料1から6は、油相としてMCTオイル(CAS番号73398-61-5)を含む。試料7は、油相としてトリアセチン油脂を含む。試料8は、油相としてトリオレイン油脂を含む。試料1は、水相として脱イオン(deionized(DI))水を含む。試料2は、水相としてpH7.4の塩基性化DI水を含む。試料3は、水相としてpH6.8の人工唾液を含む。人工唾液は、粘液の状態を擬似的に表す。試料4は、水相としてpH2の酸性脱イオン水を含む。試料5から8は、水相としてpH2の1M 酢酸のpH調整剤(酢酸pH調整剤)を含み、胃の状態を擬似的に表す。
【0202】
試料5から8のそれぞれにおいて、分配係数は1未満であり、酢酸pH調整剤へのニコチンの溶解度が各油相よりも高いことを示している。これは、ニコチンのプロトン化と、より高い静電相互作用によるものと考えられる。試料1から4のそれぞれにおいて、分配係数は1よりも大きく、それぞれの水相よりもMCT油脂への溶解度が高いことを示している。しかし、どの試料においても、ニコチンの少なくとも一部は水相に溶解している。したがって、液体混合物中に水が存在する場合、ニコチンの少なくとも一部は水相に溶解する。
【0203】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、水を含む。口腔用製品は、約8重量%以下(例えば、約5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下)の量の水を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、水を含まない。
【0204】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は、約5重量%以下(例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、又は約0.25重量%以下)の量の水を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物に対し、水は意図的には添加されない。しかしながら、少量の水が、口腔用製品中の他の要素を介して液体混合物に接触する可能性がある。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は、水を含まない。水の量を制限すること、及び/又は水を省略することは、トリグリセリドに溶解するニコチンの量を増加させることを容易にし得る。したがって、液体混合物を有する口腔用製品は、ニコチンの全部又は一部を水相に有する口腔用製品と比較して、ニコチンの増大した頬からの吸収を促進するように構成され得る。
【0205】
上述のように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンは、液体ニコチンであってもよい。ニコチンの約50重量%以上は、遊離塩基ニコチン(例えば、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、約90重量%以上、約95重量%以上、約98重量%以上、約99重量%以上)であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンの80重量%以上が遊離塩基ニコチンである。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンのすべてが遊離塩基ニコチンである。
【0206】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンは、タバコ由来ニコチン、合成ニコチン、又はタバコ由来ニコチンと合成ニコチンの両方である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約0.1mg以上(例えば、約1mg以上、約2mg以上、約4mg以上、約6mg以上、約8mg以上、約10mg以上、約12mg以上)の量のニコチンを含む。口腔用製品は、約14mg以下(例えば、約12mg以下、約10mg以下、約8mg以下、約6mg以下、約4mg以下、約2mg以下、又は約1mg以下)の量のニコチンを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、0.1mgから約14mgの範囲(例えば、約4mgから約8mgの範囲、約8mgから約6mgの範囲)の量の液体ニコチンを含む。
【0207】
トリグリセリドは、長鎖トリグリセリド(LCT)、MCT、短鎖トリグリセリド(STC)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、トリグリセリドは、MCTを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は、トリアセチン、トリオレイン、トリリノレイン、植物油、部分水素化油脂、又はこれらの任意の組み合わせをさらに含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は、トリグリセリドに関して本明細書に記載されるのと同じ重量比及び割合で、トリグリセリドの代替として、トリアセチン、トリオレイン、トリリノレイン、植物油、部分水素化油脂、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0208】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約1重量%以上(例えば、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、又は約90重量%以上)の量のトリグリセリドを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約95重量%以下(例えば、約90重量%以下、約80重量%以下、約70重量%以下、約60重量%以下、約50重量%以下、約40重量%以下、約30重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約7重量%以下、又は約5重量%以下)の量のトリグリセリドを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約50重量%以下のトリグリセリドを含む固体形態である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約75重量%以上(例えば、約80重量%以上のトリグリセリド、約85重量%以上のトリグリセリド、約90重量%以上のトリグリセリド、約95重量%以上のトリグリセリド)のトリグリセリドを含むゲル、ペースト、又は液体形態である。
【0209】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、さらに、担体を含む。液体混合物の少なくとも一部は、担体に吸収され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物の全てが担体に吸収される。少なくとも1つの例示的な実施形態において、担体の液体混合物に対する重量比は、約75:25以上(例えば、約80:20以上、約85:15以上、約90:10以上、又は約95:5以上)の範囲であり得る。少なくとも1つの他の例示的な実施形態では、口腔用製品は、担体を含まない。
【0210】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、担体は、口内で不溶な材料であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、担体は、セルロース系材料である。セルロース系材料は、テンサイ、木材パルプ、綿、ふすま(bran)、柑橘類パルプ、草(例えば、スイッチグラス)、ヤナギ、ポプラ、もしくはこれらの任意の組み合わせを含むか、又はこれらに由来し得る。不溶なセルロース系材料は、微結晶セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又はこれらの任意の組み合わせ等の処理済セルロース系材料であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、セルロース系材料は、口内で不溶なセルロース系繊維を含む。
【0211】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、pH調整剤を含まない。少なくとも1つの他の例示的な実施形態において、口腔用製品は、pH調整剤を含む。pH調整剤は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。pH調整剤は、約0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、又は約1重量%以上)の量で含まれ得る。pH調整剤は、約2重量%以下(例えば、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、又は約0.05重量%以下)の量で含まれ得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、pH調整剤は、約0.01重量%から約2重量%の範囲の量で存在する。
【0212】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、液体混合物(任意に担体に吸収されれている)、及び追加の要素を含む。追加の要素は、口内で可溶なポリマー、口内で安定性のポリマー、可塑剤、香味剤、甘味料、口内で可溶な繊維、酸化防止剤、活力剤、鎮静剤(例えば、テアニン及び/又はメラトニン)、集中剤(例えば、イチョウ(gingko biloba))、アルカロイド、ミネラル、ビタミン、栄養補助食品、機能性食品、着色料、アミノ酸、化学感覚剤、食品用乳化剤、植物(例えば、緑茶)、歯用漂白剤(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP))、治療剤、加工助剤、ステアリン酸塩(例えば、マグネシウム及び/又はカリウム)、ワックス(例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、及び/又はアセチル化モノグリセリド)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸及びクエン酸モノステロール、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、又はブチルヒドロキシアニソール(BHA))、滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS))、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム)、充填剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。口腔用製品は、複数の追加の要素を含み得る。さらに、単一の要素が、上述したカテゴリのうちの複数に属し得る。
【0213】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、追加の要素は、約0.5重量%以上(例えば、約1重量%以上、約2重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、約55重量%以上、約60重量%以上、約65重量%以上、約70重量%以上、約75重量%以上、約80重量%以上、約85重量%以上、又は約90重量%以上)の量で含まれ得る。追加の要素は、約95重量%以下(例えば、約90重量%以下、約85重量%以下、約80重量%以下、約75重量%以下、約70重量%以下、約65重量%以下、約60重量%以下、約55重量%以下、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、又は約5重量%以下)の量であり得る。
【0214】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、口内で可溶なポリマーを含む。本明細書で使用する場合、「口内で可溶な」とは、約4時間を超えて口腔内で唾液に曝されると、ポリマーが有意に分解することを意味する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶なポリマーは、約1時間以下(例えば、約30分以下、約15分以下、約10分以下、又は約5分以下)の期間、通常のヒトの体温で唾液に曝露されると崩壊する。口内で可溶なポリマーは、生体適合性であり得る。
【0215】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶なポリマーは、セルロース系ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及び/又はメチルセルロース(MC))、天然ポリマー(例えば、デンプン、加工デンプン、コンニャク、コラーゲン、イヌリン、大豆タンパク質、乳清タンパク質、カゼイン、及び/又は小麦グルテン等)、海藻由来ポリマー(例えば、カラギーナン(例えば、カッパカラギーナン、イオタカラギーナン、ラムダカラギーナン)、アルギン酸塩(例えば、アルギン酸プロピレングリコール)等)、微生物由来ポリマー(例えば、キサンタン、デキストラン、プルラン、カードラン、及び/又はゲラン等)、抽出物(例えば、ローカストビーンガム、グアーガム、タラガム、トラガカントガム、ペクチン(例えば、低メトキシペクチン及びアミド化ペクチン)、アガー、ゼイン、カラヤ、ゼラチン、サイリウムシード、キチン、及び/又はキトサン等)、滲出液(アカシアガム(アラビアガム)及び/又はシェラック等)、合成ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、及び/又はポリビニルアルコール等)、又は、これらの任意の組み合わせを含み得る。他の有用な口内で可溶なポリマーは、当該技術分野で知られている(例えば、Krochta et al. Food Technology, 1997, 51:61-74、Glicksman Food Hydrocolloids CRC 1982、Krochta Edible Coatings and Films to Improve Food Quality Technomic 1994、 Industrial Gums Academic 1993、Nussinovitch Water-Soluble Polymer Applications in Foods Blackwell Science 2003を参照(これらの全内容は参照により本明細書に組み込まれる))。
【0216】
少なくとも1つの実施例において、口腔用製品は、口内で安定なポリマーを含む。本明細書で使用される場合、「口内で安定な」とは、ポリマーが、約1時間を超えて通常のヒトの体温(すなわち、98.6°F)で唾液に曝されても、顕著に溶解又は崩壊しないことを意味する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、数日、数週間、数ヶ月、又は数年の期間にわたって分解するように構成されるが、口腔内に保持され、約1時間の期間にわたって唾液に曝露された場合に、高く評価できるほどには分解しない生分解性ポリマーである。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、口腔内で安定であり、約2時間以上(例えば、約6時間以上、約12時間以上、約1日以上、又は約2日以上)の期間、通常のヒトの体温で唾液に曝露される。したがって、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口内で安定なポリマーを含む口腔用製品は、成人消費者の口に入れたときに無傷のままであるように構成される。一定期間後、口内で安定なポリマー及び他の口内で安定な要素は、成人消費者の口から取り出して廃棄することができる。
【0217】
口内で安定なポリマーは、生体適合性及び生体安定性(biostable)を有し得る。口内で安定なポリマーは、一般に、適切な規制機関(例えば、米国食品医薬品局(FDA))により安全であり、適用される食品接触規制(applicable food-contact regulations)を遵守していると認識され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、23℃でASTM試験法D790又はISO178にしたがって試験した場合、5MPa以上の曲げ弾性率、あるいは任意に10MPa以上の曲げ弾性率を有する。
【0218】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ブチル、ブチルゴム、ポリ(スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン)(SEBS)、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)(SBS)、ポリ(スチレン-イソプレン-スチレン)(SIS)、これらの任意のコポリマー、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、ポリウレタンを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、例えば医療用のポリウレタンといった、食品用又は医療用のポリマーを含む。
【0219】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、熱可塑性ポリマーである。熱可塑性ポリマーは、熱可塑性エラストマーであり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で安定なポリマーは、30日以下のヒト組織接触時間で行われる、FDA修正版ISO 10993、パート1「医療機器の生物学的評価」試験の要件を満たす熱可塑性エラストマーを含む。口内で安定なポリマーは、ショア硬さ50D以下、200℃/10kgで3g/10分のメルトフローインデックス、10MPa以上の引張強さ(ISO 37を使用)、及び/又は100%未満の極限伸び(ISO 37を使用)を有し得る。
【0220】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、可塑剤を含む。可塑剤は、トリグリセリド(例えば、長鎖、中鎖、及び/又は短鎖)、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、フタル酸エステル、ポリカルボン酸と適度な鎖長の直鎖もしくは分枝脂肪族アルコールとのエステル、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。可塑剤は、液体混合物中のトリグリセリド及び/又は他の油脂に加えて存在してもよい。
【0221】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は香味剤を含む。香味剤は天然であっても人工であってもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、フルーツ香料(例えば、ベルガモット、ベリー、チェリー、レモン、及び/又はオレンジ)、酒又はリキュール香料(例えば、バーボン、コニャック、スコッチ、ウイスキー、及び/又はドランブイ(DRAMBUIE)ブランドのリキュール)、ミント香料(例えば、ハッカ(Japanese mint)、メントール、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、及び/又はMentha属の種由来のミント油)、フローラル香料(例えば、ゼラニウム、ラベンダー、及び/又はバラ)、スパイス、ハーブ、又は別の植物もしくは植物由来の香味剤(例えばアニス、アピウムグラベオレンス(apium graveolens,)、キャラウェイ、カルダモン、カスカリラ、カシア、シナモン、カモミール、クローブ、ココア、コーヒー、コリアンダー、ウイキョウ、ショウガ、ジャスミン、カンゾウ、ナツメグ、ピメンタ、セージ、サンダルウッドバニラ、及び/又はイランイラン)、蜂蜜エキス、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、ベルガモット、ベリー、チェリー、レモン、オレンジ、バーボン、コニャック、スコッチ、ウイスキー、ドランブイブランドのリキュール、ハッカ、メントール、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、Mentha属の種由来のミント油、ゼラニウム、ラベンダー、バラ、アニス、アピウムグラベオレンス、キャラウェイ、カルダモン、カスカリラ、カシア、シナモン、カモミール、クローブ、コーヒー、コリアンダー、ウイキョウ、ショウガ、ジャスミン、カンゾウ、ナツメグ、ピメンタ、セージ、サンダルウッドバニラ、イランイラン、蜂蜜エキス、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、カプセル化された香味剤を含む。
【0222】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、甘味料を含む。甘味料は、合成甘味料及び/又は天然甘味料を含み得る。天然甘味料は、単糖、二糖、及び/又は多糖等の糖を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、天然甘味料(スクロース(すなわち、テーブルシュガー)、蜂蜜、スクロースを除く低分子糖の混合物、グルコース(すなわち、ブドウ糖、トウモロコシ糖、デキストロース)、糖蜜、トウモロコシ甘味料、グルコースシロップ(すなわち、コーンシロップ)、フルクトース(すなわち、果糖)、ラクトース(すなわち、乳糖)、マルトース(すなわち、麦芽糖、マルトビオース)、ソルガムシロップ、濃縮果汁、又はこれらの任意の組み合わせを含む)を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む非栄養性甘味料を含む。
【0223】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、口内で可溶な繊維を含む。口内で可溶な繊維は、通常のヒトの体温において、成人のタバコ消費者の口の中で唾液にさらされると溶解するように構成され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶な繊維は、マルトデキストリン、サイリウム、デンプン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶な繊維は、可溶な食物繊維を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、テンサイ繊維等の、部分的に可溶な繊維を含む。
【0224】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、活力剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、活力剤は、カフェイン、タウリン、グルクロノラクトン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。カフェインは、合成カフェイン及び/又は天然カフェイン(コーヒー豆抽出カフェイン等)を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約10mg以上(例えば、約25mg以上、約50mg以上、約75mg以上、約100mg以上、約150mg以上)のカフェインを含む。カフェインの含有量は、約200mg以下(例えば、約150mg以下、約100mg以下、約75mg以下、約50mg以下、又は約25mg以下)であってもよい。
【0225】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は着色剤を含み得る。着色剤は、天然着色剤及び/又は人工着色剤であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、着色剤を含まない。
【0226】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、充填剤を含む。充填剤は、充填剤を含まない口腔用製品と比較して、口腔用製品の食感又は柔軟性が異なるように構成され得る。充填剤は、口内で可溶な要素、口内で不溶な要素、又は口内で可溶な要素及び口内で不溶な要素の両方を含み得る。口内で可溶な要素は、口腔用製品をより柔軟にするように、成人の消費者の口の中に入ったときに溶解又は崩壊するように構成され得る。充填剤は、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、粘土、シリカ、ガラス粒子、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。さらに、口内で可溶な繊維、甘味料、ミネラル、又はこれらの任意の組み合わせ等の上記の特定の要素も充填剤として分類され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、セルロース系材料は、液体混合物の担体であることに加えて、又はその代替として、充填剤として口腔用製品中に存在し得る。
【0227】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、チューインガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、又はパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、液体混合物を直接含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、担体(例えば、MCC等のセルロース系材料)に吸収された液体混合物を含む。
【0228】
図14は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るパウチ製品の斜視図である。
【0229】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図14に示すように、口腔用製品はパウチ製品4400であり得る。パウチ製品は、MCC等の担体に吸収され、パウチに内包された液体混合物を含み得る。パウチは、透過性を有する生地から形成され得る。パウチ製品4400は、2015年6月30日に発行された米国特許第9,066,540号、2015年3月17日に発行された米国特許第8,978,661号、2018年8月7日に発行された米国特許第10,039,309号、2016年8月16日に発行された米国特許第9,414,624号、2017年7月4日に発行された米国特許No.9,693,582号、又は2016年10月11日に発行された米国特許第9,462,827号(これらの各々は、全内容がこの参照により本明細書に組み込まれる)のいずれかに記載されているようなパウチ製品であってもよく、さらに、タバコ及び/又はニコチンの代替として、又はそれに加えて、上記のような液体混合物を含むパウチ製品であり得る。
【0230】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、マウススプレーである。マウススプレーは、液体混合物を含む。マウススプレーは、液体担体をさらに含んでもよい。液体担体は、水、プロピレングリコール、グリセリン、エタノール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0231】
図15は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る可溶フィルムの斜視図である。
【0232】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、可溶フィルム4500であり得る。可溶フィルム4500は、2013年6月25日に発行された米国特許第8,469,036号(その全内容は、この参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなフィルムであってもよく、さらに、タバコの代替として、又はタバコに加えて、上述のような液体混合物を含むフィルムであり得る。
【0233】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品はチューインガムを含む。チューインガムは、ガムベース及び液体混合物を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物の少なくとも一部は、MCC等の担体に吸収される。
【0234】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースは、エラストマー、樹脂、ワックス、脂肪、乳化剤、充填剤、酸化防止剤、又はこれらの任意の組み合わせを含む。エラストマーは、一例として、クママクロカルパ(couma macrocarpa,)、ビワ、チュヌ(tunu)、ジェルトン(jelutong)、チクル(chicle)、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。樹脂は、一例として、ガムのグリセリンエステル、テルペン樹脂、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。ワックスは、一例として、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、又はパラフィン及びマイクロクリスタリンワックスの両方を含み得る。脂肪は、一例として、水素化植物油を含み得る。乳化剤は、一例として、レシチン、モノステアリン酸グリセリン、又はレシチン及びモノステアリン酸グリセリンの組み合わせを含み得る。充填剤は、一例として、炭酸カルシウム、タルク、又は炭酸カルシウム及びタルクの両方を含み得る。酸化防止剤は、一例として、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、トコフェロール、パルミチン酸アスコルビル、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースは、天然ラテックス、植物性ガム(例えば、チクル)、トウヒガム(spruce gum)、マスチックガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0235】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、トローチである。トローチは、固溶体と液体混合物とを含み得る。固溶体は、上述したような可溶な繊維及び糖アルコールを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、固溶体は、イソマルトを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物は、担体(例えば、MCC)に吸収されている。少なくとも1つの例示的な実施形態において、トローチは、担体なしで液体混合物を直接含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、トローチは、2016年5月31日に発行された米国特許第9,351,936号(これらの全内容は、この参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなトローチであってもよく、ニコチンの大体として、又はニコチンに加えて、上記のような液体混合物をさらに含むトローチであり得る。
【0236】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は可溶な錠剤である。可溶な錠剤は、上述したような口内で可溶なポリマーと、液体混合物(任意に担体に吸収されている)とを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、可溶な錠剤は、2014年10月3日に出願された米国特許出願第14/505,814号、2018年4月3日に発行された米国特許第9,930,909号、又は2013年6月25日に発行された米国特許第8,469,036号(これらの各々の全内容は、この参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような錠剤(又はタブレット(tab))であってもよく、タバコの代替として、又はタバコに加えて、上記のような液体混合物をさらに含む錠剤(又はタブレット)であり得る。
【0237】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は不溶なチューである。不溶なチューは、上述したような口内で安定なポリマーと、液体混合物(任意に担体に吸収されている)とを含み得る。不溶なチューは、2018年1月2日に発行された米国特許第9,854,831号、2018年10月16日に発行された米国特許第10,098,376号、2016年8月23日に発行された米国特許第9,420,827号、又は2015年11月17日に発行された米国特許第9,185,931号(これらの各々の全内容は、この参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなチューであってもよく、さらに、タバコの代替として、又はタバコに加えて、上記のような液体混合物を含むチューであり得る。
【0238】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、ゲルであり得る。ゲルは、2013年6月25日に発行された米国特許第8,469,036号(その全内容は、この参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなゲルであってもよく、タバコの代替として、又はタバコに加えて、上記のような液体混合物をさらに含むゲルであり得る。
【0239】
少なくとも1つの例示的な実施形態に係る口腔用製品は、(以下でより詳細に説明し、
図16Aから
図17に示すように)様々な異なるサイズ及び形状を有するように製造され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品のサイズ及び/又は形状は、口腔及び/又はパッケージ内での口腔用製品の所望の位置決めを促進する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約0.25mmから約30mm(例えば、約0.25mmから約1mm、約1mmから約10mm、約1mmから約5mm、約5mmから約25mm、約5mmから約10mm、約10mmから約15mm、約15mmから約20mm、約20mmから約30mm、約20mmから約25mm、又は約25mmから約30mm)の範囲の寸法を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約0.25mmから約10mm(例えば、約2.5mm)の範囲の第1の寸法(例えば、最小寸法又は厚さ)を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、約5mmから約25mm(例えば、約12mm)の範囲の最大寸法(例えば、直径、高さ、又は幅)を有する。口腔用製品は、約1gから約10g(例えば、約1gから約5g、約2gから約4g、又は約5gから約10g)の範囲の重量を有し得る。
【0240】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム、可溶な錠剤、チュアブル錠剤、及び/又はゲル等の口腔用製品は、厚さ及び厚さに垂直な断面形状を定義することができる。本明細書で使用される場合、「厚さ」は、口腔用製品の最小寸法を指す。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は実質的に均一な厚さを有し得る。
図16Aから
図16Gは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、異なる断面形状を有する口腔用製品を示す。
【0241】
図16Aは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、円形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0242】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Aに示すように、口腔用製品4600Aが提供される。口腔用製品4600Aは、円形断面を有し得る。図示されていないが、口腔用製品4600Aは、丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0243】
図16Bは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、長円形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0244】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Bに示すように、口腔用製品4600Bが提供される。口腔用製品4600Bは、略長円形断面を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、略長円形断面は、略楕円断面である。図示されていないが、口腔用製品4600Bは、丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0245】
図16Cは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、矩形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0246】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Cに示すように、口腔用製品4600Cが提供される。口腔用製品4600Cは、略矩形断面を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、略矩形断面は、略正方形断面である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、矩形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。図示されていないが、口腔用製品4600Cは、丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0247】
図16Dは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、細長い長方形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0248】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Dに示すように、口腔用製品4600Dが提供される。口腔用製品4600Dは、細長い長方形断面を有してもよい。細長い長方形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。図示されていないが、口腔用製品4600Dは丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0249】
図16Eは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、レンズ形又はフットボール形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0250】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Eに示すように、口腔用製品4600Eが提供される。口腔用製品4600Eは、レンズ形断面を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、レンズ形断面は丸みを帯びた角を有してもよい。図示されていないが、口腔用製品4600Eは丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0251】
図16Fは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ブーメラン形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0252】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Fに示すように、口腔用製品4600Fが提供される。口腔用製品4600Fは、ブーメラン形断面を有し得る。ブーメラン形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。図示されていないが、口腔用製品4600Fは、丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0253】
図16Gは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、盾形断面を有する口腔用製品の斜視図である。
【0254】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図16Gに示すように、口腔用製品4600Gが提供される。口腔用製品4600Gは、盾形断面を有し得る。断面は、中央を通る面に関して線対称であってもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品4600Gは、3つの丸みを帯びた角を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は三角形断面を有する。図示されていないが、口腔用製品4600Gは丸みを帯びた端部を有していてもよい。
【0255】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態では、口腔用製品は、別の形状を定義する。例えば、口腔用製品は、半円形の断面形状、コンマ形の断面形状、蝶ネクタイ形の断面形状、又は豆/腎臓形の断面形状を有し得る。
【0256】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、不均一な厚さ(例えば、枕形状)を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、口腔用製品が球形又は立方体形状を有する場合等では、単一の最小寸法を有さない。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、別の三次元形状を定義する。
【0257】
図17は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用製品の斜視図である。
【0258】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図17に示すように、口腔用製品4700が提供される。口腔用製品4700は、丸みを帯びた端部を有するくさび形状を有し得る。成人の消費者の口に入れた際に、不快感を与え得る鋭い角を避けるために、丸みを帯びた端部を有し得る。少なくとも1つの他の例示的な実施形態において、口腔用製品は、半球形状、半円筒形状、ねじれ形状、らせん形状、クッション/枕形状、棒形状、又は小石形状を有し得る。
【0259】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、口腔用製品中のニコチンの頬からの吸収を増加させる方法に関する。方法は、上述したような、液体混合物を調製するステップと、液体混合物を口腔用製品に組み入れるステップとを有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、口腔用製品に組み入れる前に液体混合物を調製するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、口腔用製品に組み入れる前に、液体混合物を担体に吸収させるステップをさらに有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、口腔用製品を形成するステップをさらに有する。
【0260】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物を調製するステップは、液体ニコチンをMCT等のトリグリセリドに溶解するステップを有する。液体ニコチンの少なくとも一部は、遊離塩基の状態である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、トリグリセリドの液体ニコチンに対する重量比は、約1:1から約9:1の範囲である。
【0261】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、液体混合物を担体に吸収させるステップは、液体混合物と担体とを混合するステップを有し得る。方法は、口腔用製品に組み入れる前に、液体混合物と担体とを所望の(又は代替の、所定の)期間平衡化させるステップを含み得る。
【0262】
組み入れるステップは、液体混合物を、チューインガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、又はパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の、本明細書に記載される口腔用製品のいずれかに組み入れるステップを有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、液体混合物及び任意の担体を、本明細書に記載される1つ以上の追加の要素と組み合わせるステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、液体混合物の組み入れと同時に形成されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、錠剤を形成し、形成された錠剤に液体混合物を吸収させる等により、口腔用製品は、液体混合物を組み入れる前に形成され得る。
【0263】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、チューインガムを形成するように、液体混合物を吸収したセルロース系材料等の担体を、ガムベースに添加するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、トローチを形成するように、液体混合物を可溶な繊維及び糖アルコールと組み合わせるステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、口腔用スプレー製品を形成するように、液体混合物を担体液と混合するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、可溶な口腔用製品を形成するように、液体混合物を口内で可溶なポリマーと混合するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、組み入れるステップは、チュアブル口腔用製品を形成するように、液体混合物を口内で安定なポリマーと組み合わせるステップを有する。
【0264】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンの少なくとも一部は、組み入れるステップの間及び後において、トリグリセリドに溶解したままである。ニコチンのすべてが、組み入れるステップの間及び後において、トリグリセリドに溶解したままであり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンの少なくとも一部は、組み入れるステップの間及び後において、遊離塩基の状態のままである。
<徐放性チューインガム>
【0265】
図18は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るチューインガムの斜視図である。
【0266】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、本開示は、徐放性ニコチンチューインガム(controlled-release nicotine chewing gum)5100を提供する。チューインガム5100は、ガムベースポリマー、油脂、及びニコチンもしくはニコチン誘導体を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーは、ポリ酢酸ビニル(PVA)を含み、油脂は、トリグリセリドを含む。
【0267】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、PVA等のガムベースポリマーは、以下でより詳細に記載されるように、典型的なガムベース(例えば、ポリマーと、糖アルコールと、炭酸カルシウム及び/又はタルク等の充填剤とを10重量%を超える量で含むガムベース)と比較して、より高い量で含まれる。ガムベースポリマーの量の増加は、ニコチンの徐放を促進し得る。例えば、ニコチンの放出速度は、ガムベースポリマーの量が増加するにつれて低下し得る。
【0268】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、成人のタバコ消費者が約10分間咀嚼した後、ニコチンの95重量%未満がチューインガムから放出される(例えば、ニコチンの90重量%未満、ニコチンの85重量%未満、又はニコチンの80重量%未満)。少なくとも1つの例示的な実施形態において、成人のタバコ消費者が約10分間咀嚼した後、約75重量%から約90重量%の範囲の量のニコチンが口腔用製品から放出される。
【0269】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂(油脂の混和物であり得る)は、典型的なチューインガムと比較してより高い量で含まれ得る。油脂の量は、所望のチューインガムの食感及び/又は柔軟性を達成するように選択され得る。より詳細には、チューインガムの柔軟性は、油脂の量が増加するにつれて増加し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂は、以下により詳細に記載されるように、トリグリセリド、トリアセチン、及びフレーバー油脂を含む。
【0270】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、成人のタバコ消費者の口腔内に、その全体が受け入れられる大きさ及び形状である。チューインガム5100は、図示のようにコーティングされていなくてもよいし、コーティングされていてもよい(
図21に示す)。コーティングされたチューインガムは、本体と、本体を部分的に又は完全に取り囲むコーティングとを含み得る。本明細書に記載されているチューインガムの重量%は、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体を指す。
【0271】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーは、樹脂、エラストマー、又はこれらの任意の組み合わせを含む。樹脂は、一例として、ポリ酢酸ビニル(PVA)、ガムのグリセリンエステル、テルペン樹脂、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。エラストマーは、一例として、クママクロカルパ(couma macrocarpa)、ビワ、チュヌ、ジェルトン、チクル、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ポリイソブチレン、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーは、天然ラテックス、植物性ガム(例えば、チクル)、トウヒガム、マスチックガム、又はこれらの任意の組み合わせを含む。ガムベースポリマーは、単一のポリマー又はポリマーの組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーは、本質的にPVAからなる。
【0272】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100(すなわち、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体)中のガムベースポリマーの量は、チューインガム5100の約30重量%以上である。例えば、チューインガム5100は、約35重量%以上(例えば、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、又は約55重量%以上)の量のガムベースポリマーを含み得る。チューインガム5100は、約60重量%以下(例えば、約55重量%以下、約50重量%以下、約45重量%以下、又は約40重量%以下)の量のチューインガムポリマーを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーは、チューインガム5100の約35重量%から約55重量%(例えば、約40重量%から約50重量%、約43重量%から約47重量%、約44重量%から約46重量%、又は約45重量%)の範囲の量で含まれる。
【0273】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーはPVAを含む。チューインガム5100(すなわち、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体)中のPVAの量は、チューインガム5100の約30重量%以上であり得る。例えば、チューインガム5100は、約35重量%(例えば、約40重量%以上、約45重量%以上、約50重量%以上、又は約55重量%以上)以上の量のPVAを含み得る。チューインガム5100は、約60重量%以下(例えば、約55重量%以下、約50重量%以下、約45重量%以下、又は約40重量%以下)の量のPVAを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、PVAは、チューインガム5100の約35重量%から約55重量%(例えば、約40重量%から約50重量%、約43重量%から約47重量%、約44重量%から約46重量%、又は約45重量%)の範囲の量で含まれる。
【0274】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、さらに、ニコチン又はニコチン誘導体の徐放を容易にするように、多糖類を含む。多糖類は、溶解速度及び対応するニコチン放出を低減することによって、ニコチンの徐放を容易にする。多糖類は、キサンタンガム、グアーガム、プルラン、ローカストビーンガム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。チューインガム5100は、約0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.2重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、又は約4重量%以上)の量の多糖類を含み得る。チューインガム5100は、約5重量%以下(例えば、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.5重量%以下、約0.2重量%以下、又は約0.05重量%以下)の量の多糖類を含み得る。チューインガム5100は、0.2重量%から1重量%の範囲の量の多糖類を含み得る。
【0275】
上述したように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、さらに、油脂を含む。油脂は、油脂の混合物であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂は、可塑剤、フレーバー油脂、又は可塑剤及びフレーバー油脂の両方を含む。
【0276】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100(すなわち、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体)は、約5重量%以上(例えば、約8重量%以上、約9重量%以上、約10重量%以上、約11重量%以上、約12重量%以上、約13重量%以上、又は約15重量%以上)の量の油脂を含む。チューインガム5100は、約20重量%以下(例えば、約15重量%以下、約14重量%以下、約13重量%以下、約12重量%以下、約11重量%以下、約10重量%以下、又は約8重量%以下)の量の油脂を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約8重量%から約16重量%(例えば、約10重量%から約14重量%、約11重量%から約13重量%、又は約12重量%)の範囲の量の油脂を含む。
【0277】
可塑剤は、トリグリセリド(例えば、長鎖、中鎖、及び/又は短鎖)、トリアセチン、プロピレングリコール、グリセリン、植物油、フタル酸エステル、ポリカルボン酸と適度な鎖長の直鎖もしくは分枝脂肪族アルコールとのエステル、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、長鎖トリグリセリド(LCT)、中鎖トリグリセリド(MCT)、又はLCT及びMCTの両方を含むトリグリセリドを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、可塑剤は、トリグリセリドと、別の異なる可塑剤とを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、可塑剤は、トリグリセリドとトリアセチンとを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、可塑剤は、MCTとトリアセチンとを含む。
【0278】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100(すなわち、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体)は、約4重量%以上(例えば、約5重量%以上、約6重量%以上、約7重量%以上、又は約8重量%以上)の量のトリグリセリド(例えば、MCT)を含む。チューインガム5100は、約12重量%以下(例えば、約10重量%以下、約8重量%以下、約7重量%以下、約6重量%以下、又は約5重量%以下)の量のトリグリセリドを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約4重量%から約8重量%(例えば、約4重量%から約7重量%、約4重量%から約6重量%、約5重量%から約7重量%、約5重量%から約6重量%)の範囲の量のトリグリセリドを含む。
【0279】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100(すなわち、コーティングされていないチューインガム、又はコーティングされたチューインガムの本体)は、約1重量%以上(例えば、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、又は約5重量%以上)の量のトリアセチンを含む。チューインガム5100は、約7重量%以下(例えば、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、又は約2重量%以下)の量のトリアセチンを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約1重量%から約4重量%(例えば、約1重量%から約3重量%、約2重量%から約4重量%、又は約2重量%から約3重量%)の範囲の量のトリアセチンを含む。
【0280】
上述したように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂は、さらにフレーバー油脂を含む。フレーバー油脂は香味剤であってもよいし、香味剤を含んでもよい。香味剤は天然であっても人工であってもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、フルーツ香料(例えば、ベルガモット、ベリー、チェリー、レモン、及び/又はオレンジ)、酒又はリキュール香料(例えば、バーボン、コニャック、スコッチ、ウイスキー、及び/又はドランブイ(DRAMBUIE)ブランドのリキュール)、ミント香料(例えば、ハッカ(Japanese mint)、メントール、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、及び/又はMentha属の種由来のミント油)、フローラル香料(例えば、ゼラニウム、ラベンダー、及び/又はバラ)、スパイス、ハーブ、又は別の植物もしくは植物由来の香味剤(例えばアニス、アピウムグラベオレンス(apium graveolens,)、キャラウェイ、カルダモン、カスカリラ、カシア、シナモン、カモミール、クローブ、ココア、コーヒー、コリアンダー、ウイキョウ、ショウガ、ジャスミン、カンゾウ、ナツメグ、ピメンタ、セージ、サンダルウッドバニラ、及び/又はイランイラン)、蜂蜜エキス、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤は、ベルガモット、ベリー、チェリー、レモン、オレンジ、バーボン、コニャック、スコッチ、ウイスキー、ドランブイブランドのリキュール、ハッカ、メントール、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、Mentha属の種由来のミント油、ゼラニウム、ラベンダー、バラ、アニス、アピウムグラベオレンス、キャラウェイ、カルダモン、カスカリラ、カシア、シナモン、カモミール、クローブ、コーヒー、コリアンダー、ウイキョウ、ショウガ、ジャスミン、カンゾウ、ナツメグ、ピメンタ、セージ、サンダルウッドバニラ、イランイラン、蜂蜜エキス、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0281】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤(例えば、スペアミント油及び/又はペパーミント油)又はフレーバー油脂の別の成分(例えば、複合香味化合物中のプロピレングリコール、MCT、及び/又はトリアセチン)は、可塑剤として作用し得る。
【0282】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、香味剤がフレーバー油脂として存在することに加えて、又は香味剤がフレーバー油脂として存在することに代えて、チューインガム5100は、非油脂ベースの香味剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、カプセル化されたフレーバー油脂及び/又はカプセル化された非油脂ベースの香味剤を含む。非油脂ベースの香味剤と、カプセル化された香味剤と、フレーバー油脂とは、ニコチン及びトリグリセリドを含む油脂の一部とはみなされない。
【0283】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約0.001重量%以上(例えば、約0.01重量%以上、約0.1重量%以上、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、又は約5重量%以上)の量のフレーバー油脂を含む。チューインガム5100は、約10重量%以下(例えば、約7重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、約1重量%以下、約0.1重量%以下、又は約0.01重量%以下)の量のフレーバー油脂を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約0.001重量%から約6重量%(例えば、約1重量%から約6重量%、約1重量%から約4重量%、約1重量%から約3重量%、約2重量%から約5重量%、約2重量%から約4重量%、約3重量%から約6重量%、又は約3重量%から約4重量%)の範囲の量のフレーバー油脂を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂はフレーバー油脂を含まない。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、香味剤を含まない。
【0284】
上述のように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、ニコチン又はニコチン誘導体(例えば、ニコチン複合体(例えば、ニコチンポラクリレックス)又はニコチン塩(例えば、硝酸塩、一酒石酸塩、二酒石酸塩、二酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩もしくは二硫酸塩、リン酸塩もしくは過リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、サッカリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、又はこれらの任意の組み合わせ))を含む。ニコチン又はニコチン誘導体は、タバコ由来ニコチン、合成ニコチン、又はタバコ由来ニコチン及び合成ニコチンの両方を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、液体ニコチンを含む。
【0285】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、タバコ由来ニコチンは、ニコチン及び1種類以上の追加的な官能的(organoleptic)要素を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、タバコ由来ニコチンは、生(例えば、緑葉)タバコ及び/又は加工タバコから抽出され得る。加工タバコは、全葉脱穀(whole leaf stemming)操作から得られる製品だけでなく、発酵及び未発酵タバコ、暗色空気乾燥種(dark air-cured)、暗色火力乾燥種(dark fire cured)、バーレー種(burley)、熱気送管乾燥種(flue cured)、及び葉巻のフィラーもしくはラッパーが含まれ得る。タバコはまた、加熱、浸出及び/又は低温殺菌工程によって調整され得る。例えば、発酵は通常、高い初期含水率、発熱、及び約10重量%から約20重量%の乾燥重量減少を特徴とする。ニコチン及び他の官能的要素を抽出する前にタバコを加工することにより、タバコ由来のニコチンは、好ましい経験を提供する成分を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、タバコ由来ニコチンは、乾燥及び発酵させたタバコを水及び/又は別の溶媒(例えば、エタノール)と混合し、次いで不溶なタバコ材料を除去することによって得られ得る。タバコ抽出物は、さらに、濃縮又は精製され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、タバコ抽出物から、選択されたタバコ材料を除去し得る。
【0286】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約0.1mgを超える量(例えば、約1mgを超える量、約2mgを超える量、約4mgを超える量、約6mgを超える量、約8mgを超える量、約10mgを超える量、約12mgを超える量)のニコチン又はニコチン誘導体を含む。チューインガム5100は、約14mg以下(例えば、約12mg以下、約10mg以下、約8mg以下、約6mg以下、約4mg以下、約2mg以下、又は約1mg以下)の量のニコチン又はニコチン誘導体を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約3mgから約8mgの範囲の量のニコチン又はニコチン誘導体を含む。
【0287】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、添加剤をさらに含む。添加剤は、甘味料、口内で可溶な繊維、不溶なセルロース系材料、酸化防止剤、活力剤、鎮静剤、集中剤、アルカロイド、ミネラル、ビタミン、栄養補助食品、機能性食品、着色剤、アミノ酸、化学感覚剤、食品用乳化剤、pH調整剤、植物(例えば、緑茶)、歯用漂白剤(例えば、ヘキサメタリン酸ナトリウム(SHMP))、治療剤、加工助剤、ステアリン酸塩(例えば、マグネシウム及び/又はカリウム)、ワックス(例えば、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸プロピレングリコール、及び/又はアセチル化モノグリセリド)、安定化剤(例えば、アスコルビン酸及びクエン酸モノステロール、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、又はブチルヒドロキシアニソール(BHA))、滑沢剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS))、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。添加剤は、複数の添加剤を含み得る。さらに、単一の添加剤が、上述したカテゴリのうちの複数に属し得る。
【0288】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、約0.001重量%以上(例えば、約0.005重量%以上、約0.01重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%、約1重量%以上、約2重量%以上、約5重量%以上、約10重量%以上、約15重量%以上、約20重量%以上、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上、約40重量%以上)の量で含まれ得る。添加剤は、約65重量%以下(例えば、約60重量%以下、約55重量%以下、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、又は約0.01重量%以下)の量で含まれ得る。
【0289】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、甘味料を含む。甘味料は、合成甘味料及び/又は天然甘味料を含み得る。天然甘味料は、単糖、二糖、及び/又は多糖等の糖を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、天然甘味料(スクロース(すなわち、テーブルシュガー)、蜂蜜、スクロースを除く低分子糖の混合物、グルコース(すなわち、ブドウ糖、トウモロコシ糖、デキストロース)、糖蜜、トウモロコシ甘味料、グルコースシロップ(すなわち、コーンシロップ)、フルクトース(すなわち、果糖)、ラクトース(すなわち、乳糖)、マルトース(すなわち、麦芽糖、マルトビオース)、ソルガムシロップ、濃縮果汁、又はこれらの任意の組み合わせを含む)を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、糖アルコールを含む。糖アルコールは、エチレングリコール、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール、マルトテトライトール、ポリグリシトール、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、甘味料は、ステビア、サッカリン、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含む非栄養性甘味料を含む。
【0290】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、口内で可溶な繊維を含む。口内で可溶な繊維は、通常のヒトの体温において、成人のタバコ消費者の口の中で唾液にさらされると溶解するように構成され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶な繊維は、マルトデキストリン、サイリウム、デンプン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶な繊維は、可溶な食物繊維を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、テンサイ繊維等の、部分的に可溶な繊維を含む。
【0291】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、口内で不溶なセルロース系材料を含む。セルロース系材料は、テンサイ、木材パルプ、綿、ふすま(bran)、柑橘類パルプ、草(例えば、スイッチグラス)、ヤナギ、ポプラ、もしくはこれらの任意の組み合わせを含むか、又はこれらに由来し得る。不溶なセルロース系材料は、微結晶セルロース(MCC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、又はこれらの任意の組み合わせ等の処理済セルロース系材料であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で不溶なセルロース系材料は、口内で不溶なセルロース系繊維を含む。
【0292】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、活力剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、活力剤は、カフェイン、タウリン、グルクロノラクトン、又はこれらの任意の組み合わせを含む。カフェインは、合成カフェイン及び/又は天然カフェイン(コーヒー豆抽出カフェイン等)を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約10mg以上(例えば、約25mg以上、約50mg以上、約75mg以上、約100mg以上、約150mg以上)のカフェインを含む。カフェインの含有量は、約200mg以下(例えば、約150mg以下、約100mg以下、約75mg以下、約50mg以下、又は約25mg以下)であってもよい。
【0293】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は鎮静剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、鎮静剤は、テアニン、メラトニン、又はテアニンとメラトニンの両方を含む。
【0294】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、集中剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、集中剤はイチョウ(gingko biloba)を含む。
【0295】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤は、着色剤を含み得る。着色剤は、天然着色剤及び/又は人工着色剤であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、着色剤を含まない。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、白色又はオフホワイト色を有する。
【0296】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、添加剤はpH調整剤を含み得る。pH調整剤は、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。pH調整剤は、約0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、又は約1重量%以上)の量で含まれ得る。pH調整剤は、約2重量%以下(例えば、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、又は約0.05重量%以下)の量で含まれ得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、pH調整剤は、約0.01重量%から約2重量%の範囲の量で存在する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、pH調整剤を含まない。
【0297】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、充填剤を含む。充填剤は、一般に、混合前又は混合後に物理的変化をしない要素として説明され得る。口内で不溶な繊維等の上述した特定の添加剤は、充填剤として分類され得る。充填剤は、追加的又は代替的に、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、粘土、シリカ、ガラス粒子、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、充填剤は、口内で不溶な繊維、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、粘土、シリカ、ガラス粒子、パルミトステアリン酸グリセリル、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0298】
チューインガム5100は、20重量%以下(例えば、15重量%以下、10重量%以下、9重量%以下、8重量%以下、7重量%以下、6重量%以下、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、又は1重量%以下)の量の充填剤を含み得る。チューインガム5100は、約0重量%以上(例えば、約1重量%以上、約2重量%以上、約3重量%以上、約4重量%以上、又は約5重量%以上)の量の充填剤を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、充填剤は、約0重量%から約8重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0299】
示した例示的な実施形態では、チューインガム5100は、均一な単位構造を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、2つ以上の層を有する。層は分離可能であっても分離不可能であってもよい。層は、異なる組成を有し得る。例えば、層は、異なるフレーバー、ニコチンもしくはニコチン誘導体の量(ニコチン又はニコチン誘導体無添加を含む)、食感及び/又は柔軟性を有してもよく、さらに/又は、異なるニコチン放出速度を有するように構成され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、異なる食感又は放出速度を有する層を達成するために、層は、異なる量のチューインガムポリマー(例えば、PVA)、多糖類、及び/又は油脂(例えば、MCT及び/又はトリアセチン)を有し得る。
【0300】
少なくとも1つの例示的な実施形態に係るチューインガムは、(以下でより詳細に説明し、
図18から
図21に示すように)様々な異なるサイズ及び形状を有するように製造され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム製品のサイズ及び/又は形状は、口腔及び/又はパッケージ内でのチューインガムの所望の位置決めを促進する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約1mmから約25mm(例えば、約1mmから約10mm、約1mmから約5mm、約5mmから約25mm、約5mmから約10mm、約10mmから約15mm、約15mmから約20mm、又は約20mmから約25mm)の範囲の寸法を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約1mmから約10mm(例えば、約2.5mm)の範囲の第1の寸法(例えば、最小寸法又は厚さ)を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5100は、約5mmから約25mm(例えば、約12mm)の範囲の最大寸法(例えば、直径、高さ、又は幅)を有する。チューインガム5100は、約1gから約10g(例えば、約1gから約5g、約2gから約4g、又は約5gから約10g)の範囲の重量を有し得る。
【0301】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、厚さ及び厚さに垂直な断面形状を定義することができる。本明細書において、「厚さ」とは、チューインガムの最小寸法を指す。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、実質的に均一な厚さを有し得る。図示しないが、本明細書に記載されるチューインガムのいずれもが、丸みを帯びた端部を有していてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、実質的に円盤状である(例えば、
図18のチューインガム5100は、実質的に円形の厚さに垂直な断面を有する)。
図19Aから19Fは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、他の断面形状を有するチューインガムを示す。
【0302】
図19Aは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、長円形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0303】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Aが提供される。チューインガム5200Aは、チューインガム5200Aが略長円形断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、略長円形断面は、略楕円断面である。
【0304】
図19Bは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、矩形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0305】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Bが提供される。チューインガム5200Bは、チューインガム5200Bが略矩形の断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、略矩形断面は、略正方形断面である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、矩形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。
【0306】
図19Cは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、細長い長方形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0307】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Cが提供される。チューインガム5200Cは、チューインガム5200Cが細長い長方形断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。細長い長方形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。
【0308】
図19Dは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、レンズ形又はフットボール形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0309】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Dが提供される。チューインガム5200Dは、チューインガム5200Dがレンズ形断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、レンズ形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。
【0310】
図19Eは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、ブーメラン形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0311】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Eが提供される。チューインガム5200Eは、チューインガム5200Eがブーメラン形断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。ブーメラン形断面は、丸みを帯びた角を有していてもよい。
【0312】
図19Fは、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、盾形断面を有するチューインガムの斜視図である。
【0313】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Fが提供される。チューインガム5200Fは、チューインガム5200Fが盾形断面を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。断面は、中央を通る面に関し線対称であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5200Fは、3つの丸みを帯びた角を有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、三角形断面を有する。
【0314】
少なくとも1つの他の例示的な実施形態において、チューインガムは、別の形状を定義する。例えば、チューインガムは、半円形の断面形状、コンマ形の断面形状、蝶ネクタイ形の断面形状、又は豆/腎臓形の断面形状を有し得る。
【0315】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、不均一な厚さ(例えば、枕形状)を有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、チューインガムが球形又は立方体形状を有する場合等では、単一の最小寸法を有さない。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、別の三次元形状を定義する。
【0316】
図20は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係るチューインガムの斜視図である。
【0317】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5300が提供される。チューインガム5300は、チューインガム5300が丸みを帯びた端部を有するくさび形状を有することを除いて、チューインガム5100と同じであり得る。口に入れた際に、不快感を与え得る鋭い角を避けるために、丸みを帯びた端部を有し得る。少なくとも1つの他の例示的な実施形態において、チューインガムは、半球形状、半円筒形状、ねじれ形状、らせん形状、クッション/枕形状、棒形状、又は小石形状を有し得る。
【0318】
図21は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、コーティング付きチューインガムの断面図である。
【0319】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガム5400が提供される。チューインガム5400は、上述し、
図18から
図20に示したような、任意の形状を有し得る。チューインガム5400は、本体5402と、本体5402の外面5406上のコーティング5404とを有する。コーティング5404は、図示するように、外面5406全体を覆ってもよいし、外面5406の一部を覆ってもよい。
【0320】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティング5404は、上述した添加剤のいずれかを含み得る。コーティング5404は、少なくとも1つの例示的な実施形態において、口内で可溶なポリマーと、1種類以上の追加の添加剤とを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティング5404は、本体5402とは異なる期間にわたって、ニコチンもしくはニコチン誘導体及び/又は添加剤(例えば、香味剤及び/又は甘味剤)を提供するように構成され得る。例えば、コーティング5404は、ニコチン又は添加剤の初期バーストを提供するように構成され得る。香味剤及び/又は甘味料は、本体5402内の香味剤及び/又は甘味料と同じであっても異なっていてもよい。
【0321】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティングは、本体上に均一又は不均一にパターン化された、フレーバーストリップの形態である。少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティングは、本体の外観面上の香味剤及び/又は甘味料を含み、これは、本体内の香味剤(例えば、フレーバー油脂)及び/又は甘味料の追加又は代替となり得る。
【0322】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、機能的及び/又は装飾的な表示を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、表示は、商標、製品名、画像、フレーバー表示、装飾、日付、製品識別子、製造者識別子、ロット番号、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、表示は、チューインガムの外観面にエンボス加工又はデボス加工される。少なくとも1つの例示的な実施形態において、表示は、チューインガムの外観面上の可溶なフィルムの形態である。
【0323】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、徐放性ニコチンチューインガムを調製する方法に関する。この方法は、ガムベースポリマー、油脂、及びニコチンもしくはニコチン誘導体を提供するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーはPVAを含み、油脂はトリグリセリドを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、トリグリセリドは、中鎖トリグリセリドを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、上述のようなフレーバー油脂、多糖類、添加剤、及び/又は充填剤を提供するステップをさらに有する。
【0324】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、ガムベースポリマーを提供するステップは、所望のニコチン放出速度を達成するのに十分な量のガムベースポリマーを提供するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、所望のニコチン放出速度に基づいてガムベースポリマーの量を決定するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、所望のニコチン放出速度に基づいてガムベースポリマーの量を調整するステップを有する。
【0325】
ガムベースポリマーは、ガムベースポリマーの量の増加によってニコチン放出速度の低減を促進させる等、ニコチン放出速度を低減するように構成され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、チューインガムの総重量(すなわち、コーティングされていないチューインガムの総重量、又はコーティングされたチューインガムの本体の重量)の約35重量%から約55重量%の範囲の量のガムベースポリマーを提供するステップを有する。
【0326】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、油脂を提供するステップは、所望の食感及び/又は柔軟性を達成するのに十分な量の油脂を提供するステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、所望の柔軟性に基づいて油脂の量を決定するステップを有し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、所望の柔らかさに基づいて油脂の量を調整するステップ有し得る。
【0327】
油脂は、チューインガムの柔軟性を向上させるように構成され得、これにより油脂の量が増加することによりチューインガムの柔軟性の向上を促進させる。少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、チューインガムの総重量の約8重量%以上の量の油脂を提供するステップを有する。
【0328】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、ガムベースポリマー、油脂、ニコチンもしくはニコチン誘導体、及び任意選択のフレーバー油脂、多糖類、添加剤、及び/又は充填剤からチューインガムを形成するステップを有する。
【0329】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムは、バッチ工程で形成される。バッチ工程は、加熱撹拌機を約30℃から約90℃(例えば、約60℃)の範囲の温度にするステップを有し得る。混合中に、ガムベースを可塑剤とともに加熱された混合物に添加し、溶融させる。ニコチン、油脂、糖アルコール、充填剤、フレーバー、甘味料、及び/又は上述の他の要素等の追加の要素が、加熱された混合物に添加される。要素は、合わせて添加しても、複数のステップで添加してもよいし、列挙された順序で添加しても、異なる順序で添加してもよい。生地を形成し、加熱撹拌機で混練することにより、生地全体に均一に成分が行き渡る。生地が排出され、冷却された後、シート化されて切断されるか、又は他の方法で小分けされる。少なくとも1つの例示的な実施形態において、チューインガムを形成するための代替技術は、回転カッターによる押出し及び/又はシート押出し並びに圧延及びスコアリング操作を含む。
【0330】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、方法は、さらに、チューインガムをコーティングするステップを有し得る。チューインガムをコーティングするステップは、上述したように、個々の断片を糖、糖アルコール、及び/又は他の要素でパンコーティングするステップを有し得る。
<例>
【0331】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティングされていない徐放性ニコチンチューインガムは、チューインガムの45重量%のPVAを含むガムベースポリマーを含む。チューインガムは、12重量%の油脂を含む。油脂は、5.8重量%のMCT、2.5重量%のトリアセチン、及びバランスのフレーバー油脂を含む。チューインガムは、6重量%の充填剤をさらに含む。充填剤は、口内で不溶な繊維を含む。チューインガムは、pH調整剤、酸化防止剤、及び糖アルコールを含む増量剤をさらに含む。
【0332】
本開示は、ガム、スプレー、トローチ、可溶な錠剤、不溶なチュー、フィルム、ゲル、カプセル、及びパウチ(例えば、繊維又は顆粒を内包する)等の口腔用製品において、ニコチンのフレーバー及び/又は感覚的効果を高める方法を提供する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチン粉末が形成されるが、これは、噴霧乾燥ステップを有する。少なくとも1つの例示的な実施形態において、ニコチンはカプセルに包まれ得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、噴霧乾燥ステップを用いて形成されたニコチン粉末は、カプセルに包まれていてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用製品は、カプセル化甘味料を含み得る。カプセル化甘味料は、噴霧乾燥されたニコチン粉末及び/又はカプセル化ニコチンとともに含まれ得る。
<口腔用パウチ製品>
【0333】
図22は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、口腔用パウチ製品の斜視図である。
【0334】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図22に示すように、口腔用パウチ製品6800は、成人の消費者の口に収まるように構成され、
図23を参照してさらに説明するように、乾燥混合物と、乾燥混合物に吸収された液体混合物とを含む充填材料を有する。例えば、成人消費者は、その中に含まれる香味及び/又は機能性成分を放出するように、口腔用パウチ製品6800を吸引、咀嚼、又は他の方法で口腔操作し得る。口腔用パウチ製品6800は、あくまでも例示だが、概ね長方形形状を有する口腔用パウチ製品であり得る。さらに他の実施形態では、口腔用パウチ製品6800は、ラビオリ形状又は枕形状に類似したパウチ形状、長方形形状、又は任意の他の適切な形状を有してもよい。
【0335】
形状が成人の消費者の口に快適かつ目立たないように適合する限り、様々な形状が利用され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、口腔刺激物を実質的に含まないが、これは、本明細書で使用されるように、口腔用パウチ製品6800の形状、構成、及び位置が、鋭利なエッジ等を介して口腔組織(例えば、歯茎)を刺激しないことを意味する。更に、口腔刺激物に関連して使用される「実質的な」及び「実質的にない」とは、口腔用パウチ製品6800の形状、構成及び位置が、口腔用パウチ製品6800が成人消費者によって享受され得る典型的な時間の長さと同じオーダーを有する時間枠又は期間において口腔組織(例えば、歯茎)を刺激しないことを意味する。一般に、鋭利な角は口腔内の不快感につながる可能性があるため、鋭利な角は避けられる。
【0336】
口腔用パウチ製品6800は、頬と歯肉の間など、成人の消費者の口の中に快適に収まるようなサイズ及び構成にされ得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、約0.20インチから約2.0インチ(例えば、約0.25インチから約1.75インチ、約0.75インチから約1.5インチ)の範囲の主要寸法と、約0.25インチから約1.5インチ(例えば、約0.50インチから約1.25インチ、約0.75インチから約1.0インチ)の範囲の横方向寸法とを有する。口腔用パウチ製品6800の重量は、約0.25グラム(g)から約2.0グラム(例えば、約0.3グラムから約1.8グラム、約0.4グラムから約1.5グラム、約0.5グラムから約1.25グラム、又は約0.75グラムから約1.0グラム)であり得る。
【0337】
口腔用パウチ製品6800は、成人の消費者の口内に約1分から約3時間(例えば、約1分から約2時間、約5分から約90分、約10分から約60分、約20分から約40分)置かれ得る。口腔用パウチ製品6800のサイズは、成人の消費者の口内に配置される所望の長さに基づいて選択し得る。例えば、より多量の充填材料を含む、より大きなパウチは、より長い配置を提供し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、成人消費者の口内に1回置かれた後に廃棄される。
【0338】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図22に示すように、口腔用パウチ製品6800はパウチ包装体6820を含み得る。パウチ包装体6820は、(以下で議論され、
図23に示されるような)充填材料6910を運搬するように構成される内側空洞6900を定義するように、1つ以上の端部(例えば、少なくとも1つのシーム)の周りをシールされ得る。例えば、パウチ包装体6820は、少なくとも1つの長手方向シール6830及び1つ以上のフィンシール6840を含み得る。長手方向シール6830は、フィンシール6840の間に延びている。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、高速縦型充填包装機で形成される。
【0339】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、パウチ包装体6820は、外側ウェブ6850を含む。外側ウェブ6850は、約0.05mmから約0.25mm(例えば、約0.075mmから約0.100mm又は約0.1mmから約0.20mm)の厚さを有し得る。外側ウェブ6850は、例えば、唾液、水、又は唾液及び水の両方が外側ウェブ6850を通過してパウチ包装体6820によって定義された内側空洞6900に入ることができるように、透過性材料又は半透過性材料で形成され得る。唾液及び/又は水と、口腔用パウチ製品6800内に内包される充填材料6910との混合によって形成される香味及び液は、外側ウェブ6850を通して口腔用パウチ製品6800から引き出され得る。
【0340】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、外側ウェブ6850は、食品との使用及び/又は接触に対して一般に安全であると認識されている(generally recognized as safe、「GRAS」)材料から形成される。この材料は、防汚性、透水性、及び/又は多孔性であり得る。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態において、外側ウェブ6850は、紙を含む。例えば、ウェブは、ティーバッグ材料又はスヌースパウチを形成するために通常使用される他の材料等の、セルロース繊維材料で形成され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、外側ウェブ6850は、製造作業中、保管中、及び成人の消費者の口に入れる際における、パウチ包装体6820の破損の発生を低減するように、坪量及び/又は湿潤強度について所望の(又は代替的に、所定の)レベルを有する。例えば、外側ウェブ6850は、約16.5g/m2の坪量と68N/mの湿潤引張CD強度とを有するティーバッグ材料を有し得る。別の例示的な実施形態では、外側ウェブ58は、約45N/mmから約52N/mmの湿潤MD引張強さを有する紙で形成され得る。
【0341】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、外側ウェブ6850は、疎水性の紙又は材料で形成されている。疎水性の紙は、セルロース系材料で形成され得る。疎水性の紙は、不織材料であってもよく、任意の疎水性材料を含み得る。疎水性材料は、合成材料及び/又は半合成材料であり得る。疎水性材料は、ビスコース、レーヨン、リヨセル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び/又はモダール繊維を含み得る。外側ウェブ6850は、外側ウェブ6850を疎水性にするために処理され得る。他の例示的な実施形態では、疎水性材料は織物材料であり得る。
【0342】
外側ウェブ6850を形成するために使用される材料は、ニュートラルな又は心地よい味及び/又は香りを有し得る。さらに、外側ウェブ6850は、実質的に白色であり得る。しかしながら、他の例示的な実施形態では、外側ウェブ6850は、その中に含まれる内側充填材料6910の香味を示すように着色され得る。
【0343】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、外側ウェブ6850は、口腔用パウチ製品6800内に含まれる充填材料6910(
図23に示す)の香味を高めるように、少なくとも1つの香味剤、少なくとも1つの大麻材料、少なくとも1つのタバコ材料、少なくとも1つのバインダー、少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤、少なくとも1つの機能性成分、少なくとも1つの唾液分泌誘導成分、又はこれらの任意の組み合わせによって、含浸又はコーティングされ得る。少なくとも1つの香味剤及び/又は少なくとも1つの大麻材料及び/又は少なくとも1つのタバコ材料及び/又は少なくとも1つのバインダー及び/又は少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤を含む実質的に連続的なコーティングを、外側ウェブ6850の外側(外観側に面する)表面に施してもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態において、コーティングは、シームに沿ってのみ又はパウチ6800の片側のみ等、外側ウェブ6850の一部のみに形成され得る。コーティングは、口腔用パウチ製品6800を口腔内に配置する際に、初期の香味バーストを提供することができ、また、内側充填材料6910は、成人の消費者の口内に配置されている間の香味の放出を延長するように、後の香味の放出を提供する。
【0344】
少なくとも1つの香味剤は、ニコチン及びトリグリセリドを含む液体混合物に含めるために本明細書に開示される任意の香味剤であり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つの香味剤は、口腔用パウチ製品800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で外側ウェブ6850上をコーティングするか、又は外側ウェブ6850を含浸し得る。
【0345】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つの大麻又はタバコ材料は、外側ウェブ6850上をコーティングするか、又は外側ウェブ6850を含浸し得る。少なくとも1つの大麻又はタバコ材料は、例示に過ぎないが、粉砕された大麻又はタバコ材料、大麻又はタバコ植物繊維、及び/又はこれらの抽出物を含み得る。少なくとも1つの大麻又はタバコ材料は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で外側ウェブ6850をコーティング又は含浸し得る。
【0346】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つのバインダーは、外側ウェブ6850をコーティングするか、又は含浸し得る。少なくとも1つのバインダーは、食品用の接着剤、ガム、又は他のバインダーである。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、少なくとも1つのバインダーは、限定されないが、アルギン酸ナトリウム、砂糖、アガー、グアーガム等を含む。少なくとも1つのバインダーは、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で外側ウェブをコーティングするか、又は含浸し得る。
【0347】
少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、外側ウェブ6850をコーティングしてもよいし、含浸してもよい。少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、ミント、メントール、シナモン、ペッパー、ジャンブー(jambu)、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。特定の実施形態では、少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、任意の鎮静剤、冷却剤、及び/又は温感剤を含み得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、カプサイシン、ピペリン、α-ヒドロキシサンショオール、及び(8)-ジンゲロールを含み得、これらは、温感、ヒリヒリ感、又は灼熱感を提供するように選択され得る。他の例示的な実施形態において、少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、メントール、メンチルラクテート、WS-3(N-エチル-p-メンタン-3-カルボキサミド)、WS-23(2-イソプロピル-N,2,3-トリメチルブチルアミド)、及びEvercool 180(登録商標)(Givaudan SAから入手可能)を含んでもよく、これらは、冷感を提供するように選択され得る。少なくとも1つの感覚剤又は化学感覚剤は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で外側ウェブ6850をコーティング又は含浸することができる。
【0348】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つの機能性成分は、酸化防止剤、鎮静剤、活力剤、発泡剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。酸化防止剤は、例えば、ビタミンC、ビタミンB、マグネシウム、カルシウム、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。鎮静剤は、例示に過ぎないが、カモミール、ラベンダー、ジャスミン、テアニン、メラトニン、トゲバンレイシ、カンナビジオール、又はこれらの組み合わせを含み得る。鎮静剤は、製品及び/又はパッケージに埋め込まれた香味剤及び/又は香料として添加することができる。活力剤は、例示に過ぎないが、カフェイン、タウリン、ガラナ、ビタミンB6、ビタミンB12等を含み得る。発泡剤は、例えば、香味剤及び/又は充填材料に埋め込まれた二酸化炭素を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つの機能性成分は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で、外側ウェブ6850をコーティングするか、又は外側ウェブ6850を含浸し得る。
【0349】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1つの鎮静剤は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約5重量%(例えば、約0.1重量%から約4.5重量%、約1重量%から約4重量%、約1.5重量%から約3.5重量%、約2重量%から約3重量%)の範囲の量で外側ウェブ6850をコーティングするか、又は含浸し得る。
【0350】
図23は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、
図22の線II-IIに沿った口腔用パウチ製品の断面図である。
【0351】
図24は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、
図22の線III-IIIに沿った口腔用パウチ製品の断面図である。
【0352】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図23に示すように、外側ウェブ6850、長手方向シール6830、及びフィンシール6840の対向する層は、その間に内側空洞6900を定義する。内側充填材料6910は、内側空洞6900内に保持され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の内側(例えば、空洞)6900を完全に充填する。他の例示的な実施形態では、内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の内側(例えば、空洞)6900を部分的にしか充填しない。
【0353】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品の重量に基づいて約4重量%から口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約8重量%(例えば、約7重量%から約90重量%、約10重量%から約90重量%、約10重量%から約50重量%)の範囲の含水率を有する。
【0354】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、乾燥混合物と液体混合物とを含み、液体混合物は、液体ニコチンと、MCT等のトリグリセリドとを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態において、乾燥混合物は、非タバコセルロース材料を含み、液体混合物は、セルロースに吸収される。乾燥混合物は、セルロースに加えて、さらに、塩や炭酸水素ナトリウム等の塩、pH調整剤等の乾燥香味増強剤を含み得る。高強度甘味料、例えばスクラロース、パラチノース、ステビア、アセスルファムK、及びこれらの任意の組み合わせは、液体保湿剤(例えばグリセリン、プロピレングリコール、及びこれらの任意の組み合わせ)と予備混合され得る。予備混合された混合物は、乾燥混合物と混合され得る。MCT及びニコチンを含む液体混合物は、酸素への曝露を低減するように、乾燥混合物に最後に添加され得る。酸化防止剤は、保存期間を延長するため、及び/又はニコチンを安定化させるために、液体混合物にさらに添加され得る。
【0355】
例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、約20重量%から約80重量%(例えば、約30%から約70%、約40%から約60%、又は約45%から約55%)の非溶解性セルロース、約0%から約5%(例えば、約1%から約4%、又は約2%から約3%)の炭酸水素ナトリウム等のpH調整剤、約10%から約30%(例えば、約15%から約25%、約18%から約23%、又は約20%から約22%)の中鎖トリグリセリド等のトリグリセリド、及びステビア又はスクラロースとパラチノースとの組み合わせ等の甘味料を含む。
【0356】
MCTのような高レベルのトリグリセリドを含むことによって、口腔用パウチ製品6800は、約4%から約8%の含水率及び約0.6未満の水分活性レベルを維持しながら、比較的しっとりとした口当たりを維持し、これは、微生物の増殖を防止及び/又は低減するのを助け、口腔用パウチ製品6800中のニコチンの安定性を高めることができる。さらに、疎水性のパウチ包装体が使用される場合、内側充填材料は、水の代わりに主に油脂を含むため、内側充填材料6910からの香味は、親水性のパウチ包装体が使用される場合よりも容易に、パウチ包装体を通過する。
【0357】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、さらに、大麻を含み得る。大麻は、植物大麻の任意の部分及び/又はこれからの任意の抽出物を含み得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態において、植物材料は、あくまでも例示だが、約70%のサティバと約30%のインディカとの混合物等、カンナビスサティバ(Cannabis sativa)とカンナビスインディカ(Cannabis indica)との混合物を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、セルロースに付着した大麻抽出物を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、口腔用パウチ製品6800は、他の植物材料に加えて大麻を含み得る。また、口腔用パウチ製品6800は、ハーブ、野菜等の他の植物材料を含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、大麻材料に加えて、又は大麻材料の代わりに、タバコ材料も含み得る。
【0358】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、大麻(又は他の植物材料)を口腔用パウチ製品6800に入れる前に、大麻(又は他の植物材料)は、大麻(又は他の植物材料)内の化合物を脱炭酸させるのに十分な温度に加熱され得る。例えば、大麻は、脱炭酸(すなわち、大麻中に存在するテトラヒドロカンナビノール酸(「THCA」)のテトラヒドロカンナビノール(「THC」)への変換、及び/又はカンナビジオール酸(「CBDA」)のカンナビジオール(「CBD」)への変換)を引き起こすのに十分な時間、加熱された温度に維持され得る。用途によっては、植物材料を加熱温度に維持することにより、Dussyらによる「Isolation of Delta9annabinol, et al、Isolation of Delta9-THCA-A from hemp and analytical aspects concerning the determination of Delta9-THC in cannabis products」と題された論文(Forensic Sci. Int. 2005 Apr 20;149(1):3-10)(その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる)、及び/又はVeressらによる「Determination of cannabinoid acids by high-performance liquid chromatography of their neutral derivatives formed by thermal decarboxylation:I. Study of the decarboxylation process in open reactors」と題された論文(Journal of Chromatography A 520:339-347、1990年11月)(その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる)に従い、大麻の脱炭酸を引き起こす。例えば、大麻(又は他の植物材料)は、約35から45分間、約225℃に維持され得る。
【0359】
図23に示すように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、植物材料(例えば、大麻、タバコ、ハーブ、野菜、又はこれらの任意の組み合わせ)及び添加剤を含む。添加剤は、少なくとも1つのバインダー、少なくとも1つの感覚剤もしくは化学感覚剤、少なくとも1種類の機能性成分、少なくとも1種類の唾液分泌誘導成分、少なくとも1種類の保湿剤、少なくとも1種類の甘味料、又はこれらの任意の組み合わせ(例えば、少なくとも1種類の香味剤及び/又は少なくとも1種類の感覚剤又は化学感覚剤及び/又は少なくとも1種類の保湿剤及び/又は少なくとも1種類の甘味料)を含み得る。パウチ包装体6820の色は、その内容物を識別できるように選択され得る。例えば、緑色のパウチ包装体6820は、ミント香味剤を含む口腔用パウチ製品6800を識別するために使用することができ、赤色のパウチ包装体6820は、シナモンを含む口腔用パウチ製品6800を識別するために使用することができる。他の例示的な実施形態では、パウチ包装体6820は白色であってもよく、セルロースに吸収された液体混合物を含んでもよい。
【0360】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、少なくとも1種類の香味剤は、本明細書に記載されるように、パウチ包装体6820のコーティングに使用される香味剤のいずれかであり得る。内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約25重量%(例えば、約0.1重量%から約20重量%、約1重量%から約15重量%、約5重量%から約10重量%)の量の少なくとも1種類の香味剤を含み得る。
【0361】
内側充填材料6910は、本明細書に記載されるように、パウチ包装体6820のコーティングに使用される少なくとも1種類の感覚剤又は化学感覚剤を含み得る。感覚剤及び/又は化学感覚剤は、冷感を提供するために含まれ得る。内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約25重量%(例えば、約0.1重量%から約20重量%、約1重量%から約15重量%、約5重量%から約10重量%)の少なくとも1種類の量の感覚剤又は化学感覚剤を含み得る。
【0362】
内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の内側充填材料6910の水分レベルを維持するのを促進するように、少なくとも1種類の保湿剤を含み得る。使用できる保湿剤の例としては、グリセロール及びプロピレングリコールを含む。内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約15重量%(例えば、約1重量%から約12重量%、約5重量%から約10重量%、約7重量%から約9重量%)の量の少なくとも1種類の保湿剤を含み得る。
【0363】
上記のように、少なくとも1つの例示的な実施形態において、内側充填材料6910は、少なくとも1種類の甘味料を含み得る。少なくとも1種類の甘味料は、天然甘味料又は人工甘味料を含み得る。少なくとも1つの実施形態において、甘味料は、限定されないが、単糖、二糖、及び多糖(キシロース、リボース、スクロース、マルトース、フルクトース、グルコース、及びマンノース等)等の水溶性甘味料を含む。他の例示的な実施形態では、キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコールを含み得る。スクラロース等の非栄養性の人工甘味料も、使用され得る。内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約15重量%(例えば、約1重量%から約12重量%、約5重量%から約10重量%、約7重量%から約9重量%)の範囲の量の少なくとも1種類の甘味料を含み得る。
【0364】
少なくとも1種類の実施形態において、口腔用パウチ製品6800の内側充填材料6910は、少なくとも1種類の機能性成分を含み得る。少なくとも1種類の機能性成分は、酸化防止剤、鎮静剤、活力剤、発泡剤、又はこれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、内側充填材料6910は、口腔用パウチ製品6800の重量に基づいて約0.01重量%から約15重量%(例えば、約1重量%から約12重量%、約5重量%から約10重量%、約7重量%から約9重量%)の量の少なくとも1種類の機能性成分を含み得る。酸化防止剤、鎮静剤、活力剤、及び/又は発泡剤は、本明細書に記載のパウチ包装体6820のコーティングに使用されるもののいずれであり得る。
【0365】
少なくとも1つの実施形態では、あくまでも例示だが、1種類以上の添加剤及び/又は1種類以上の機能性成分を含む内側充填材料6910として、空洞6900内に配置される1種類以上の材料は、様々なサイズの複数のカプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズの形態で提供され得る。カプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズは、最終製品(例えば、口腔用パウチ製品6800)の所望のサイズによって決定されるサイズを有し得る。例えば、カプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズは、その中に含まれる成分に応じて、約0.1mmから約8mmの範囲のサイズを有し得る。
【0366】
各例において、各カプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズは、外殻及び内核を含み得る。含まれるカプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズの外殻の厚さを変えることによって、カプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズの各々に含まれる成分が、口腔用パウチ製品6800の香味及び/又は機能的経験を長持ちさせるように、様々な速度で放出されることを可能にし得る。いくつかの例示的な実施形態では、その殻の厚さは、カプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズのサイズ及び所望の溶解速度に応じて、約0.1mmから約7mmに及ぶ。最も薄い殻を有するカプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズは、封入されたフレーバー及び機能性成分を放出するために最初に溶解する。より厚い殻を有するカプセル、マイクロカプセル、及び/又はビーズは、フレーバー及び機能性成分を継続的に提供するように、より遅い速度で溶解する。
【0367】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図24に示すように、パウチ包装体6820は、少なくとも1つの長手方向シール6830と、1つ以上のフィンシール6840(
図22及び
図23に示す)とを含み得る。
図24に示されるように、長手方向シール6830は、合わせてシールされる外側ウェブ6850の重なり合う端部を含み得る。シール機能は、食品グレードの接着剤によって、又は熱技術もしくは音波技術を使用して重なり合う端部を相互にシールすることによって、達成することができる。
【0368】
図23に示されるように、各フィンシール6840を形成するには、パウチ包装体6820の外側ウェブ6850の内面と外側ウェブ6850の内面の別の部分とを、フィンシールを形成するように重ね合わせる。その後、フィンシールを、上記で詳述したような任意の方法を用いてシールすることで、フィンシール6840を形成することができる。図示されていないが、特定の実施形態では、当業者に認識されるように、一体化されたフィンシール及び縦方向シールを使用し得る。フィンシールを重ね合わせることにより、口腔用パウチ製品6800は、賞味中の消費者の口内で突き出て引っ掛かり得るような、緩く且つシールされていない端部を有さないため、成人の消費者の口への挿入をより快適にし得る。加えて、一体化されたフィンシール及び縦方向シールは、口腔用パウチ製品6800の製造、包装、出荷、配置、及び/又は使用中の破損を低減及び/又は防止するように、より強固であり得る。
【0369】
口腔用パウチ製品6800を製造する方法は、一般に、縦型充填機又は横型充填機を用いて包装体を開いたパウチに形成するステップと、開いたパウチに内側充填材料6910を充填するステップとを有し得る。次いで、パウチをシールして内側充填材料6910を封入し、口腔用パウチ製品6800を形成し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、一連の口腔用パウチ製品6800は、隣接するパウチ製品6800のシールとの間に空間を設けて形成され、その後、個々のパウチ製品6800を形成するために切り離される。例えば、口腔用パウチ製品6800は、各パウチ製品6800にソフトエッジを形成するように、隣接するシール間の位置においてダイによって切断され得る。あるいは、パウチ包装体材料の第1のストリップを供給経路に沿って前進させ、充填材料をストリップ上に配置し、第2のストリップを第1のストリップ上に配置し、シールダイを使用してこれらストリップを合わせて押圧し、充填材料の周囲にヒートシール又は接着シールのようなシームを形成し、抜き打ちダイを使用してシームの外側で第1及び第2のストリップを切断することで、ソフトエッジを形成することができる。
【0370】
図25は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る口腔用パウチ製品の側面図である。
【0371】
図26は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る、
図25の口腔用パウチ製品の線VII-VIIに沿った断面図である。
【0372】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、
図25及び
図26に示すように、口腔用パウチ製品7100は、口腔用パウチ製品7100が包装体7120に沿って単一のシーム又はシール7105を有することを除いて、
図22から
図24のものと同じである。少なくとも1つの例示的な実施形態において、示されるように、口腔用パウチ製品7100は半月形状を有する。いくつかの例示的な実施形態では、口腔用パウチ製品7100は、D字型、ブーメラン型、三日月型、又は他の形状を有する。
【0373】
少なくとも1つの例示的な実施形態において、パウチ包装体7120は、充填材料7210を収容又は保持するように構成された内側空洞7270を定義するように、シーム又はシール7105に沿ってシールすることができ、これは
図22から
図24を参照して説明したことと同じである。単一のシーム又はシール7105は、パウチ包装体7120の外側ウェブ7150の内側表面と外側ウェブ7150の内側表面の別の部分とを重ね合わせることによって形成することができる。シール機能は、食品用の接着剤によって、あるいは熱又は音波技術を使用して隣接部分を相互にシールすることによって、実現することができる。
【0374】
図27は、少なくとも1つの例示的な実施形態に係る口腔用パウチ製品の断面図である。
【0375】
他の例示的な実施形態では、口腔用パウチ製品8300は、外側ウェブ8310が合成又は天然ポリマーを含むポリマーで形成された不織材料であることを除いて、
図22から27のパウチ製品6800と同じである。例えば、外側ウェブ8310は、米国特許第10,448,669号、米国特許第10,463,070号、及び/又は米国特許第9,414,624号(これら各々の全内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているようなポリウレタン繊維等の紡糸又はメルトブローン繊維で形成されたメッシュ材料で形成され得る。メッシュ材料は、少なくとも部分的にエラストマー状であり得る。さらに、パウチ製品8300を形成するために使用される材料によって、パウチ製品8300は、より柔らかいパウチを提供するようにシームを排除し得る。少なくとも1つの例示的な実施形態において、メッシュ材料は、セルロースと、トリグリセリド及び液体ニコチンを含む液体混合物とを含む充填材料を内包する。
【0376】
いくつかの例示的な実施形態を本明細書に開示したが、他の変形が可能であり得ることを理解されたい。そのような変形は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱するものとはみなされず、当業者にとって自明であろうそのような修正はすべて、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0377】
特定の実施例及び図面を参照して説明したが、例示的な実施形態の修正、追加、及び置換は、記載にしたがい、当業者によって様々に行うことができる。例えば、記載された技術は、記載された方法とは異なる順序で実行されてもよく、及び/又は、記載されたシステム、構造、デバイス、回路等の要素は、上述の方法とは異なるように接続又は組み合わされてもよく、又は、結果は、他の要素又は等価物によって適切に達成されてもよい。
【国際調査報告】