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特表2024-513468ニコチン含有凝集体およびその形成方法
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  • 特表-ニコチン含有凝集体およびその形成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ニコチン含有凝集体およびその形成方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/14 20060101AFI20240315BHJP
   A61K 31/465 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240315BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240315BHJP
   A61P 25/26 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K31/465
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/10
A61P25/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561640
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-11-24
(86)【国際出願番号】 US2021060697
(87)【国際公開番号】W WO2022216322
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】17/223,787
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】チワン・シュジョン
(72)【発明者】
【氏名】トラン・ヴァレリー・エル
(72)【発明者】
【氏名】ユ・シャオヨン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076BB01
4C076DD38
4C076EE06
4C076EE09
4C076EE11
4C076EE16
4C076EE30
4C076EE32
4C076EE48
4C076FF04
4C076FF05
4C076FF51
4C076FF52
4C076FF61
4C076GG13
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC20
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA05
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA10
4C086ZA01
(57)【要約】
ニコチン含有凝集体を調製する方法は、固体微粒子を流動層造粒機に供給することと、バインダー溶液を、バインダー溶液が固体微粒子に接触するように流動層造粒機に供給することとを含む。固体微粒子及び/又はバインダー溶液は、部分的に、同時に又は連続して流動層造粒機に供給され得る。バインダー溶液はバインダー材料と溶媒を含み、溶媒は水を含み得る。バインダー溶液の流動層造粒機への供給は、流動層とその中の固体微粒子のような材料との循環中に、バインダー溶液を流動層造粒機の流動層に噴霧することを含み得る。流動層は、充填材および/または添加剤をさらに含み得る。充填材および/または添加剤は、固体微粒子および/またはバインダー溶液の添加の前、同時、または後に、流動層造粒機に供給され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチン含有凝集体を調製する方法であって、
固体微粒子を流動層造粒機に供給することであって、前記固体微粒子は、ニコチン含有粉末を含むことと、
バインダー溶液を前記流動層造粒機に供給することであって、前記バインダー溶液が前記固体微粒子と接触するようにすることと、を備える
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記バインダー溶液および前記固体微粒子が前記流動層造粒機に同時に供給される、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記バインダー溶液は、バインダー材料を含み、
前記バインダー材料は、ピロリドンポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルのコポリマー、メタクリレートとアクリル酸のコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記バインダー溶液は、バインダー材料および溶媒を含み、
前記溶媒は、水を含む、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記バインダー溶液は、上部スプレー位置から下向きに供給されるか、下部スプレー位置から上向きに供給されるか、横向きスプレー位置から横向きに供給されるか、またはそれらの任意の組み合わせにより供給される、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記固体微粒子を前記流動層造粒機の内部で循環させることであって、
前記固体微粒子の循環中に前記バインダー溶液が前記流動層造粒機の内部に供給されることをさらに備える、
方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記固体微粒子を前記流動層造粒機に供給することは、前記固体微粒子の第1の部分を前記流動層造粒機に添加することと、前記固体微粒子の前記第1の部分の循環中および前記バインダー溶液の供給中に前記固体微粒子の第2の部分を前記流動層造粒機に添加することと、を含む、
方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記固体微粒子の前記第2の部分は、前記流動層造粒機の内部の他の材料に噴霧される、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記バインダー溶液は、1℃から99℃までの範囲のバインダー入口温度を有し、
前記固体微粒子は、1℃から100℃までの範囲の固体微粒子入口温度を有する、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記ニコチン含有粉末は、0.1μmから3mmまでの範囲の平均直径を有する複数の微粒子を含む、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記固体微粒子を供給する前に、前記固体微粒子に前処理を施すことをさらに備える、
方法。
【請求項12】

請求項11に記載の方法であって、
前記前処理を施すことは、前記固体微粒子を予め濡らすように前記ニコチン含有粉末にバインダー材料を噴霧することを含む、
方法。
【請求項13】

請求項11に記載の方法において、
前記前処理を施すことは、前記固体微粒子を予備混合することを含む、
方法。
【請求項14】

請求項1に記載の方法において、
前記固体微粒子は、さらに充填材を含む、
方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
前記充填材と前記ニコチン含有粉末を接触させることをさらに備える、
方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
前記充填材は、多糖類、バルク甘味料、糖アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法において、
充填材を前記流動層造粒機に添加することであって、前記充填材が前記固体微粒子に接触すること、をさらに備える、
方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法において、
前記固体微粒子の前記流動層造粒機への供給は、前記固体微粒子を前記充填材に噴霧することを含む、
方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法において、
前記固体微粒子は、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含む、
方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法において、
添加剤を前記流動層造粒機に添加することとであって、前記添加剤が前記固体微粒子と接触するようにすることをさらに備え、
前記添加剤は、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経口製品とともに、または経口製品中で使用するのに適したニコチン含有凝集体、およびそれを調整する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
経口ニコチン製品は、チューインガム、スプレー、トローチ、溶ける錠剤、溶けないチューインガム、フィルム、ゲル、カプセル、スティック(例えば、コーティングされた木製のダボや珍しい溶けるスティック)、パウチ(例えば、繊維や顆粒を含む)など、様々な形態で入手可能である。経口製品は、成人のたばこ消費者にとって馴染みのある経験をもたらすニコチン濃度を有している場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
少なくともいくつかの例示的な実施形態は、ニコチン含有凝集体の調製方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体を調製する方法は、固体微粒子を流動層造粒機に供給することであって、前記固体微粒子は、ニコチン含有粉末を含むことと、バインダー溶液を前記流動層造粒機に供給することであって、前記バインダー溶液が前記固体微粒子と接触するようにすることと;を含む。
【0005】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記バインダー溶液および前記固体微粒子が前記流動層造粒機に同時に供給され得る。
【0006】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記バインダー溶液は、バインダー材料を含む。前記バインダー材料は、ピロリドンポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルのコポリマー、メタクリレートとアクリル酸のコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0007】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記バインダー溶液は、バインダー材料および溶媒を含む。前記溶媒は、水を含み得る。
【0008】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記バインダー溶液は、上部スプレー位置から下向きに供給されるか、下部スプレー位置から上向きに供給されるか、横向きスプレー位置から横向きに供給されるか、またはそれらの任意の組み合わせにより供給され得る。
【0009】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記方法は、前記固体微粒子を前記流動層造粒機の内部で循環させることであって、前記固体微粒子の循環中に前記バインダー溶液が前記流動層造粒機の内部に供給されることをさらに備え得る。
【0010】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記固体微粒子を前記流動層造粒機に供給することは、前記固体微粒子の第1の部分を前記流動層造粒機に添加することと、前記固体微粒子の前記第1の部分の循環中および前記バインダー溶液の供給中に前記固体微粒子の第2の部分を前記流動層造粒機に添加することと、を含み得る。
【0011】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記固体微粒子の前記第2の部分は、前記流動層造粒機の内部の他の材料に噴霧され得る。
【0012】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記バインダー溶液は、1℃から99℃までの範囲のバインダー入口温度を有し、前記固体微粒子は、1℃から100℃までの範囲の固体微粒子入口温度を有し得る。
【0013】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記ニコチン含有粉末は、0.1μmから3mmまでの範囲の平均直径を有する複数の微粒子を含み得る。
【0014】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、本方法は、前記固体微粒子を供給する前に、前記固体微粒子に前処理を施すことをさらに備え得る。
【0015】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記前処理を施すことは、前記固体微粒子を予め濡らすように前記ニコチン含有粉末にバインダー材料を噴霧することを含み得る。
【0016】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記前処理を施すことは、前記固体微粒子を予備混合することを含み得る。
【0017】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記固体微粒子は、さらに充填材を含み得る。
【0018】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、本方法は、前記充填材と前記ニコチン含有粉末を接触させることをさらに備え得る。
【0019】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記充填材は、多糖類、バルク甘味料、糖アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0020】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、充填材を前記流動層造粒機に添加することであって、前記充填材が前記固体微粒子に接触すること、をさらに備え得る。
【0021】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記固体微粒子の前記流動層造粒機への供給は、前記固体微粒子を前記充填材に噴霧することを含み得る。
【0022】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記固体微粒子は、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせをさらに含み得る。
【0023】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前記方法は、添加剤を前記流動層造粒機に添加することとであって、前記添加剤が前記固体微粒子と接触するようにすることをさらに含み得、前記添加剤は、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書における非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、添付図面と併せて詳細な説明を検討することにより、より明らかになるであろう。添付図面は、単に説明のために提供されたものであり、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。添付図面は、明示的に注記しない限り、縮尺通りに描かれているとはみなされない。明瞭化のため、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【0025】
図1】少なくとも1つの例示的な実施形態によるニコチン含有凝集体の調製方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
いくつかの詳細な例示的実施形態が本明細書に開示されている。しかしながら、本明細書に開示される特定の構造的および機能的な詳細は、例示的な実施形態を説明する目的のための単なる代表的なものである。しかしながら、例示的な実施形態は、多くの代替形態で具体化され得、本明細書に記載される例示的な実施形態のみに限定されると解釈されるべきではない。
【0027】
したがって、例示的な実施形態は、様々な修正及び代替形態が可能であるが、その例示的な実施形態は、図面において例示的に示され、本明細書において詳細に説明されるであろう。しかしながら、例示的な実施形態を開示された特定の形態に限定する意図はなく、逆に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲に入る全ての変更、等価物、及び代替物を包含することを理解されたい。図の説明を通して、同様の番号は、同様の構成要素を指す。
【0028】
ある要素または層が、他の要素または層の「上に(on)ある」、「接続されている(connected to)」、「結合されている(coupled to)」、または「覆っている(covering)」と呼ばれる場合、それは他の要素または層の上に直接、接続されている、結合されている、または覆っていてもよいし、介在する要素または層が存在していてもよいことを理解すべきである。一方、ある要素が他の要素や層に「直接載っている(directly on)」、「直接つながっている(directly connected to)」、「直接結合している(directly coupled to)」と言われる場合は、介在する要素や層が存在しないこととなる。本明細書では、同一番号は同一要素を意味する。本明細書では、「および/または(and/or)」という用語は、関連する記載項目の1つまたは複数の任意のおよびすべての組み合わせまたはサブコンビネーションを含む。
【0029】
本明細書では、様々な要素、領域、層、および/またはセクションを説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの要素、領域、層、および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきではないことを理解する必要がある。これらの用語は、1つの要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、以下で説明する第1の要素、成分、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第2の要素、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0030】
本明細書では、説明を容易にするために、空間的に相対的な用語(例えば、「下方に(beneath)」、「下方に(below)」、「下方に(lower)」、「上方に(above)」、「上方に(upper)」、「内側に(inside)」、「外側に(outside)」など)を使用して、図に示されているように、ある要素または機能と他の要素または機能との関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に描かれている向きに加えて、使用時や操作時におけるデバイスの異なる向きを包含することを意図していることを理解すべきである。例えば、図中のデバイスを裏返した場合、他の要素や特徴の「下方(below)」や「下方(beneath)」と記載された要素は、他の要素や特徴の「上方(above)」に向けられることになる。したがって、「下方(below)」という用語は、上と下の両方の向きを包含する可能性がある。また、デバイスは他の方向に向けてもよく(90度回転させてもよいし、他の方向に向けてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子はそれに応じて解釈される。
【0031】
本明細書で使用されている用語は、様々な例示的な実施形態を説明するためだけのものであり、例示的な実施形態を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に示す場合を除き、複数形も含むことが意図される。用語「含む(includes)」、「含む(including)」、「備える(comprises)」および/または「備える(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作および/または要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されるであろう。
【0032】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の概略図である断面図を参照して、本明細書で説明される。そのため、図示の形態からの変形が予想される。したがって、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、形態の逸脱および変形を含むものとする。数値に関連して「約」または「実質的に」という用語が使用される場合、文脈がそうでないことを示さない限り、関連する数値は、記載された数値の周りに±10%の許容誤差を含むことが意図される。
【0033】
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、例示的な実施形態が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用されている辞書に定義されているものを含む用語は、関連する技術の文脈における意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り、理想化された意味または過度に形式的な意味で解釈されないことが理解されるであろう。
【0034】
少なくとも1つの例示的な実施形態は、経口製品に含めるのに適したニコチン含有凝集体の形成方法に関する。いくつかの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、流動層造粒機技術を用いて調製することができる。このような技術を用いて調製されたニコチン含有凝集体は、ニコチン含有凝集体が約50μmから約3,000μmまで(例えば、約100μmから約2,000μmまで、または約500μmから約1,000μmまで)の範囲の平均粒子径(90%分布)を有するように、実質的に均一であることができる。例えば、ニコチン含有凝集体は、約50μm以上(例えば、約100μm以上、約200μm以上、約300μm以上、約400μm以上、約500μm以上、約600μm以上、約700μm以上、約800μm以上、約900μm以上、約1,000μm以上、約1,100μm以上、約1,200μm以上、約1,300μm以上、約1,400μm以上、約1,500μm以上、約1,600μm以上、約1,700μm以上、約1,800μm以上、約1,900μm以上、約2,000μm以上、約2,100μm以上、約2,200μm以上、約2,300μm以上、約2,400μm以上、約2,500μm以上、約2,600μm以上、約2,700μm以上、約2,800μm以上、または約2,900μm以上)の平均粒子径(90%分布)を有し得る。ニコチン含有凝集体は、約3,000μm以下(例えば、約2,900μm以下、約2,800μm以下、約2,700μm以下、約2,600μm以下、約2,500μm以下、約2,400μm以下、約2,300μm以下、約2,200μm以下、約2,100μm以下、約2,000μm以下、約1,900μm以下、約1,800μm以下、約1,700μm以下、約1,600μm以下、約1,500μm以下、約1,400μm以下、約1,300μm以下、約1,200μm以下、約1,100μm以下、約1,000μm以下、約900μm以下、約800μm以下、約700μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約400μm以下、約300μm以下、約200μm以下、または約100μm以下)の平均粒子径(90%分布)を有し得る。
【0035】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、約15%以下(例えば、約14%以下、約13%以下、約12%以下、約11%以下、約10%以下、約9%以下、約8%以下、約7%以下、約6%以下、約5%以下、約4%以下、約3%以下、約2%以下、または約1%以下)の含水率を有し得る。
【0036】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、約25wt.%以下(例えば、約24wt.%以下、約23wt.%以下、約22wt.%以下、約21wt.%以下、約20wt.%以下、約19wt.以下、約18wt.%以下、約17wt.%以下、約16wt.%以下、約15wt.%以下、約14wt.%以下、約13wt.%以下。wt.%以下、約12wt.%以下、約11wt.%以下、約10wt.%以下、約9wt.%以下、約8wt.%以下、約7wt.%以下。以下、約6wt.%以下、約5wt.%以下、約4wt.%以下、約3wt.%以下、約2wt.%以下、または約1wt.%以下)のニコチン含有率を有し得る。
【0037】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、複数の微粒子の集合体または塊を含むことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、液体または固体の液滴または粒子としての複数のニコチン粒子を含むことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、各ニコチン含有凝集体は、約0.1wt.%から約40wt.%までの範囲のニコチン粒子の量を含むことができる。例えば、ニコチン含有凝集体は、約0.1wt.%以上(例えば、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約5wt.%以上、約10wt.%以上、約15wt.%以上、約20wt.%以上、約25wt.%以上、約30wt.%以上、または約35wt.%以上)のニコチン粒子を含むことができる。ニコチン含有凝集体は、約40wt.%以下(例えば、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、約1wt.%以下、または約0.5wt.%以下)のニコチン粒子を含むことができる。
【0038】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン粒子は、約0.1μmから約3mmまでの範囲の平均粒子径(90%分布)を有し得る。例えば、ニコチン粒子は、約0.1μm以上(例えば、約0.2μm以上、約0.5μm以上、約1μm以上、約1.5μm以上、約2μm以上、または約2.5μm以上)の平均粒子径(90%分布)を有し得る。ニコチン粒子は、約3mm以下(例えば、約2.9mm以下、約2.8mm以下、約2.5mm以下、約2mm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約0.5μm以下、または約0.2μm以下)の平均粒子径を有し得る。
【0039】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン粒子は、ニコチン、ニコチン複合体(ニコチンポラクリレックスなど)、ニコチン塩、またはそれらの任意の組み合わせを含む。ニコチン塩は、例えば、クエン酸塩、単酒石酸塩、酒石酸水素塩、酒石酸塩二水和物、サリチル酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、またはそれらの組み合わせを含む。
【0040】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体はバインダー材料を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約40wt.%以下(例えば、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.以下、約5wt.%以下、約4wt.%以下、約3wt.%以下、約2wt.%以下、または約1wt.%以下)のバインダー材料を含むことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、バインダー材料は、ピロリドンポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルのコポリマー、メタクリル酸とアクリル酸のコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0041】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は充填材を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約99wt.%以下(例えば、約95wt.%以下、約90wt.%以下、約85wt.%以下、約80wt.%以下、約75wt.%以下、約70wt.%以下、約65wt.%以下、約60wt.%以下、約55wt.%以下、約50wt.%以下、約45wt.%以下、約40wt.%以下、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、または約1wt.%以下)の充填材を含むことができる。
【0042】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、充填材は、多糖類、バルク甘味料、糖アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含む。多糖類は、微結晶セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、ヒドロキシルメチルプロピルセルロース、ペクチン、カルボキシルメチルセルロース、デキストリン、マルトデキストリン、キサンタンガム、寒天、カラギーナン、グアーガム、アルギン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。バルク甘味料は、スクロース、ブドウ糖、果糖、乳糖、ファフィノース、トレハロース、麦芽糖、マルトデキストリン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。糖アルコールは、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、イソマルト、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0043】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体は、添加剤を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約0.1wt.%から約40wt.%までの範囲の添加剤の量を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約0.1wt.%以上(例えば、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約5wt.%以上、約10wt.%以上、約15wt.%以上、約20wt.%以上、約25wt.%以上、約30wt.%以上、または約35wt.%以上)の添加剤を含むことができる。各ニコチン含有凝集体は、約40wt.%以下(例えば、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、または約1wt.%以下)の添加剤を含み得る。
【0044】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、添加剤は、香料、pH調整剤もしくは調節剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0045】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、各ニコチン含有凝集体は、0wt.%から約30wt.%までの範囲の香料の量を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約0wt.%以上(例えば、約0.1wt.%以上、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約5wt.%以上、約10wt.%以上、約15wt.%以上、約20wt.%以上、または約25wt.%以上)の香料を含むことができる。各ニコチン含有凝集体は、約30wt.%以下(例えば、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、約1wt.%以下、または約0.5wt.%以下)の香料を含むことができる。
【0046】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、香料は、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、メントール、シナモン、チョコレート、バニリン、甘草、クローブ、アニス、サンダルウッド、ゼラニウム、ローズ油、バニラ、レモン油、カシア、ウイキョウ、ショウガ、エチルアセテート、イソアミルアセテート、プロピルイソブチレート、イソブチルブチレート、エチルブチレート、エチルバレレート、ベンジルホルメート、リモネン、シメン、ピネン、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、シトラール、オレンジ油、コリアンダー油、ボルネオール、フルーツエキス、コーヒー、紅茶、カカオ、ミント、ザクロ、アサイー、ラズベリー、ブルーベリー、ストロベリー、ボイセンベリー、クランベリー、バーボン、スコッチ、ウイスキー、コニャック、アジサイ、ラベンダー、リンゴ、モモ、ナシ、チェリー、プラム、オレンジ、ライム、ライチ、グレープ、グレープフルーツ、バター、ラム、ココナッツ、アーモンド、ピーカン、クルミ、ヘーゼルナッツ、フレンチバニラ、マカダミア、サトウキビ、メープル、カシス、キャラメル、バナナ、モルト、エスプレッソ、カルーア、ホワイトチョコレートと、シナモン、クローブ、コリアンダー、バジル、オレガノ、ガーリック、マスタード、ナツメグ、ローズマリー、タイムタラゴン、ディル、セージ、アニス、およびフェンネルなどのスパイスフレーバーと、サリチル酸メチル、リナロール、ジャスミン、コーヒー、オリーブ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、バルサミコ酢、米酢、および赤ワイン酢、オールスパイス、ピメント、マンゴー、サワーソップ、スイートソップ、ナスベリー、ソレル、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。少なくとも1つの例示的な実施形態では、香料は、カプセル化された香料であってもよい。
【0047】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、各ニコチン含有凝集体は、0wt.%から約10wt.%までの範囲のpH調整剤の量を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約0wt.%以上(例えば、約0.1wt.%以上、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約2wt.%以上、約3wt.%以上、約4wt.%以上、約5wt.%以上、約6wt.%以上、約7wt.%以上、約8wt.%以上、または約9wt.%以上)のpH調整剤を含むことができる。各ニコチン含有凝集体は、約10wt.%以下(例えば、約9wt.%以下、約8wt.%以下、約7wt.%以下、約6wt.%以下、約5wt.%以下、約4wt.%以下、約3wt.%以下、約2wt.%以下、約1wt.%以下、約0.5wt.%以下、または約0.1wt.%以下)のpH調整剤を含むことができる。
【0048】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、pH調整剤は、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0049】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、各ニコチン含有凝集体は、0wt.%から約10wt.%までの範囲の量の酸化防止剤を含むことができる。例えば、各ニコチン含有凝集体は、約0wt.%以上(例えば、約0.1wt.%以上、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約2wt.%以上、約3wt.%以上、約4wt.%以上、約5wt.%以上、約6wt.%以上、約7wt.%以上、約8wt.%以上、または約9wt.%以上)の酸化防止剤を含むことができる。各ニコチン含有凝集体は、約10wt.%以下(例えば、約9wt.%以下、約8wt.%以下、約7wt.%以下、約6wt.%以下、約5wt.%以下、約4wt.以下、約3wt.%以下、約2wt.%以下、約1wt.%以下、約0.5wt.%以下、または約0.1wt.%以下)の酸化防止剤を含むことができる。
【0050】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、酸化防止剤は、パルミチン酸アスコルビル、ターシャリーブチルヒドロキノン(TBHQ)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸モノステロール、トコフェロール、没食子酸プロピル、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0051】
図1は、少なくとも1つの例示的実施形態に従ったニコチン含有凝集体の形成方法を示すフロー図である。
【0052】
いくつかの例示的な実施形態では、このようなニコチン含有凝集体を形成する方法は、一般に、第1の混合物を加熱および冷却すること、冷却された第1の混合物にニコチン含有材料を添加して第2の混合物を形成すること、および第2の混合物をさらなる温度まで冷却して、1つまたは複数のシートなどの固化した構造体を形成することを含む。1つ以上の固化した構造体は、経口製品に含めるためのカプセル化ニコチン顆粒を形成するために断片化することができ、所望の官能特性を有することができる。
【0053】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、図1に示すように、ガム、スプレー、トローチ、溶ける錠剤、溶けないチューインガム、フィルム、ゲル、カプセル、およびパウチ(例えば、繊維または顆粒を含む)などの経口製品に含めるためのニコチン含有凝集体162を調製するための方法100が提供される。ニコチン含有凝集体162はそれぞれ、上記で詳しく説明したような複数のニコチン粒子を含み得る。方法100は、バッチプロセス、連続プロセス、またはバッチプロセスと連続プロセスの両方を用いて実施することができる。
【0054】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、ニコチン含有凝集体162を調製するための方法100は、固体微粒子122を流動層造粒機に供給することS120を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、固体微粒子122を流動層造粒機に供給することS120は、固体微粒子122、または固体微粒子122の一部を、例えば、流動層造粒機のスクリューフィーダーに供給または添加し、その後、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを使用して、固体微粒子122をスクリューフィーダーから流動層造粒機の流動層に移動(例えば、供給)させることを含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、固体微粒子122を流動層造粒機に供給することS120は、例えばプロセス100の最初または開始時に、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを用いて固体微粒子122を流動層造粒機の流動層に直接添加することを含む。さらに他の例示的な実施形態では、固体微粒子122を流動層造粒機に供給することS120は、固体微粒子122、または固体微粒子122の一部を、後述するような他の材料上、例えば、バインダー材料、充填剤材料、および/または他の添加剤材料(香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせなどのような)に噴霧することを含む。
【0055】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、固体微粒子122の温度は、S120の供給時に、約1℃~約100℃の範囲であってよい。例えば、固体微粒子122は、約1℃以上(例えば、約5℃以上、約10℃以上、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約90℃以上、または約95℃以上)の固体微粒子入口温度を有してもよい。固体微粒子122は、約100℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、約10℃以下、または約5℃以下)の固体微粒子入口温度を有してもよい。固体微粒子入口温度を変更することは、形成されたニコチン含有凝集体162の特性を変更し得る。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態では、固体微粒子の入口温度を変更することは、固体微粒子の粘着性と、それによって、粒状化プロセス中に粒子がどのように結合されるかということ、に影響を与え得る。
【0056】
固体微粒子122は、ニコチン含有粉末を含み、ニコチン含有粉末は、上述のような複数の微粒子(またはニコチン粒子)を含む。微粒子は、例えば、上述のような、約0.1μmから約3mmまでの範囲の平均粒子径(90%分布)を有し得る。
【0057】
いくつかの例示的な実施形態では、固体微粒子122は、上述のように、充填材をさらに含む。例えば、固体微粒子122は、約99.99wt.%以下の充填材を含み得る(例えば、約90wt.%以下、約85wt.%以下、約80wt.%以下、約75wt.%以下、約70wt.%以下、約65wt.%以下、約60wt.%以下、約55wt.%以下、約50wt.以下、約45wt.%以下、約40wt.%以下、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、または約5wt.%以下)。図示されていないが、いくつかの例示的な実施形態では、方法100は、固体微粒子122を形成するように充填剤とニコチン含有粉末とを接触させることを含み得る。
【0058】
いくつかの例示的な実施形態では、固体微粒子122は、上述のように、添加剤をさらに含む。例えば、固体微粒子122は、約0.1wt.%から約40wt.%までの範囲の添加剤の量を含み得るし含むことができる。図示されていないが、いくつかの例示的な実施形態では、方法100は、固体微粒子122を形成するように充填剤とニコチン含有粉末とを接触させることを含み得る。上述したように、少なくとも1つの例示的な実施形態では、添加剤は、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0059】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、方法100は、固体微粒子122を前加工または前処理することS110を含む。固体微粒子122を前加工または前処理することS110は、例えば、予備混合、予備湿潤、流動性改善、粒度変化、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0060】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前加工または前処理することS110は、固体微粒子122を予備湿潤させることを含む。固体微粒子122を予備湿潤させることは、固体微粒子122が約40wt.%以下(例えば、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.%以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、約1wt.%以下、または約0.5wt.%以下)のバインダー材料を含むように、固体微粒子122と(第1の)バインダー材料とを接触させることを含み得る。
【0061】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、(第1の)バインダー材料は、ニコチン含有粉末に噴霧し得る。(第1の)バインダー材料は、ピロリドンポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルのコポリマー、メタクリレートとアクリル酸のコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。固体微粒子122を予備湿潤させることは、例えば、凝集形成を促進し、および/または成分損失を低減(または最小化)することによって、その後の造粒を改善し得る。
【0062】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前加工または前処理することS110は、固体微粒子122を前混合することを含む。固体微粒子122を予備混合することは、例えば、スクリューブレンダー、プラネタリーブレンダー、Vブレンダー、リボンブレンダー、高剪断ミキサー、またはそれらの組み合わせを使用して固体微粒子122を混合することを含み得る。固体微粒子122の予備混合は、固体微粒子122の均一性を高めることができる。
【0063】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、前加工または前処理することS110は、固体微粒子122の流動性を改善することを含む。固体微粒子122の流動性は、固体微粒子122をローラー圧縮工程(例えば、固体微粒子122の密度を増加させるため)、噴霧乾燥/冷却工程(例えば、乾燥粉末を形成するため)、押出マルメリゼーション/球形化工程(例えば、一定の断面を有する固体微粒子122を作製するため、および/または小さな丸みを帯びたもしくは球形の顆粒形状を有する固体微粒子122を形成するため)、他の同様の工業的工程、またはそれらの任意の組み合わせを施すことによって改善され得る。固体微粒子122の流動性を増加させることは、造粒プロセスを促進するのに役立ち得る。
【0064】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、方法100は、バインダー溶液132の流動層造粒機への供給S130を含む。例えば、バインダー溶液132は、固体微粒子122を流動化させるように、バインダー溶液132の少なくとも一部が固体微粒子122の少なくとも一部と接触するような方法で、S130で供給され得る。
【0065】
固体微粒子122の供給S120と同様に、少なくとも1つの例示的な実施形態では、バインダー溶液132、またはバインダー溶液132の一部は、例えば、プロセス100の最初または開始時、および/または固体微粒子122の供給S120と同時またはその後にのみ、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを用いて、流動層造粒機の流動層に直接S130で供給されてもよい。例えば、バインダー溶液132は、流動層造粒機の流動層に噴霧され得る。バインダー溶液132は、流動層に噴霧され得る。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、バインダー溶液132は、流動層内にある固体微粒子122に噴霧されてもよい。少なくとも1つの例示的な実施形態では、バインダー溶液132は、例えば、上部スプレー位置から下向きの様式で、例えば、下部スプレー位置から上向きの様式で、例えば、側面スプレー位置から横向きの様式で、またはそれらの任意の組み合わせで噴霧され得る。スプレーパターンおよびスプレー速度と同様にスプレー位置を変更することは、形成されたニコチン含有凝集体162の特性、例えばニコチン含有凝集体162の粒径および密度のみを変更し得る。例えば、少なくとも1つの例示的な実施形態では、空気流を増加させることは、より小さい粒子サイズに好都合となり得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、温度を上げることは、処理時間が短縮し得る。
【0066】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バインダー溶液132の流動層造粒機への供給S130時のバインダー溶液132の温度は、約1℃~約99℃の範囲である。例えば、バインダー溶液は、約1℃以上(例えば、約5℃以上、約10℃以上、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、または約95℃以上)のバインダー入口温度を有し得る。バインダー溶液は、約99℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、約10℃以下、または約5℃以下)のバインダー入口温度を有し得る。バインダー入口温度の変更は、粘度や流動性などのバインダー溶液132の特性を変更し得るし、スプレーパターンや形成されたニコチン含有凝集体162の特性にも影響を与え得る。
【0067】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、バインダー溶液132は、(第2の)バインダー材料および溶媒を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、(第2の)バインダー溶液132は、約0.05wt.%から約50wt.%までの範囲の(第2の)バインダー材料の量、および約60wt.%から約99.95wt.%までの範囲の溶媒の量を含み得る。例えば、(第2の)バインダー溶液132は、約0.05wt.%以上の(第2の)バインダー材料を含み得る(例えば、約0.1wt.%以上、約0.5wt.%以上、約1wt.%以上、約5wt.%以上、約10wt.%以上、約15wt.%以上、約20wt.%以上、約25wt.%以上、約30wt.%以上、約35wt.%以上、約40wt.%以上、または約50wt.%以上)。(第2の)バインダー溶液132は、約50wt.%以下の(第2の)バインダー材料(例えば、約45wt.%以下、約40wt.%以下、約35wt.%以下、約30wt.%以下、約25wt.%以下、約20wt.以下、約15wt.%以下、約10wt.%以下、約5wt.%以下、約1wt.%以下、約0.5wt.%以下、または約0.1wt.%以下)を含み得る。(第2の)バインダー溶液132は、約60wt.%以上の溶媒(例えば、約65wt.%以上、約70wt.%以上、約75wt.%以上、約80wt.%以上、約85wt.%以上、約90wt.%以上、約95wt.%以上、または約97wt.%以上)を含み得る。(第2の)バインダー溶液132は、約99.95wt.%以下の溶媒(例えば、約99wt.%以下、約97wt.%以下、約95wt.%以下、約90wt.%以下、約85wt.%以下、約80wt.%以下、約75wt.%以下、約70wt.%以下、または約65wt.%以下)を含み得る。
【0068】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、(第2の)バインダー材料および溶媒を含むバインダー溶液132は、均質な液体混合物で有り得る。図示されていないが、いくつかの例示的な実施形態では、方法100は、バインダー溶液132を均質化することを含み得る。
【0069】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、(第2の)バインダー材料は、ピロリドンポリマー、ポリビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルとのコポリマー、メタクリレートとアクリル酸とのコポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、溶媒は、水を含み得る。他の実施形態では、溶媒は、水、エタノール、メタノール、プロパノール、ヘキサン、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0070】
いくつかの例示的な実施形態では、方法100は、充填材142の流動層造粒機への供給S140を含む。例えば、充填材142は、充填材142の少なくとも一部が固体微粒子112および/またはバインダー溶液132の少なくとも一部と接触するような方法で、S140で供給され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、固体微粒子122は第1の充填材を含み、第2の充填材142は流動層造粒機に添加され得る。
【0071】
固体微粒子122の供給S120および/またはバインダー溶液132の供給S130と同様に、いくつかの例示的な実施形態では、充填材142、または充填材142の一部は、例えば、固体微粒子122の供給S120および/またはバインダー溶液132の供給S130と同時またはそれに続いてのみ、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを使用して、流動層造粒機の流動層に直接S140で供給され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、充填材142を流動層造粒機に供給するS140は、充填材142、または充填材142の一部を、例えば、流動層造粒機のスクリューフィーダーに供給または添加し、その後、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを使用して、充填材をスクリューフィーダーから流動層造粒機の流動層に移動(例えば、供給)することを含む。充填材142は、上述のような多糖類、バルク甘味料、糖アルコール、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0072】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、充填材142の流動層造粒機への供給S140の時の充填材142の温度は、約1℃から約99℃までの範囲である。例えば、充填材142は、約1℃以上(例えば、約5℃以上、約10℃以上、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、または約95℃以上)の入口温度を有し得る。充填材142は、約99℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、約10℃以下、または約5℃以下)の入口温度を有し得る。
【0073】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、方法100は、添加剤152の流動層造粒機への供給S150を含む。例えば、添加剤152は、添加剤152の少なくとも一部が、固体微粒子112の少なくとも一部、および/またはバインダー溶液132の少なくとも一部、と接触するような方法で、S150で供給され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、第1の添加剤および第2の添加剤152を含む固体微粒子122は、流動層造粒機に添加されてもよい。固体微粒子122の供給S120および/またはバインダー溶液132の供給S130と同様に、いくつかの例示的な実施形態では、添加剤152の一部の添加剤152は、例えば、固体微粒子122の供給S120および/またはバインダー溶液132の供給S130および/または充填材142の供給S140と同時またはその後のみに、バルクプロセスまたはステップワイズプロセスを使用して、流動層造粒機の流動層に直接S150で供給され得る。
【0074】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、添加剤152の流動層造粒機への供給S150における添加剤152の温度は、約1℃から約99℃までの範囲である。例えば、添加剤152は、約1℃以上(例えば、約5℃以上、約10℃以上、約20℃以上、約30℃以上、約40℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、または約95℃以上)の入口温度を有し得る。添加剤152は、約99℃以下(例えば、約95℃以下、約90℃以下、約85℃以下、約80℃以下、約70℃以下、約60℃以下、約50℃以下、約40℃以下、約30℃以下、約20℃以下、約10℃以下、または約5℃以下)の入口温度を有し得る。
【0075】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、添加剤152は、上述のような、香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの任意の組み合わせを含む。添加剤152の供給は、同時またはその後に香料、pH調整剤、酸化防止剤、またはそれらの組み合わせを添加することを含み得る。図示されていないが、いくつかの例示的な実施形態では、方法100は、添加剤152を形成するように香料および/またはpH調整剤および/または酸化防止剤を混合することを含み得る。
【0076】
具体的には図示されていないが、当業者は、流動層造粒機への、固体微粒子122の供給S120、バインダー溶液132の供給S130、充填材142の供給S140、および/または添加剤152の供給S150が、同時または連続して起こり得ることと、固体微粒子122の単一の部分または複数の部分、バインダー溶液132の単一の部分または複数の部分、充填材142の単一の部分または複数の部分、および/または添加剤152の単一の部分または複数の部分が、同時または連続して添加され得ることを、認識するであろう。例えば、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、固体微粒子122の第1の部分が流動層造粒機に添加され得るし、そしてその後、固体微粒子122の第2の部分が(例えば、スプレープロセスを使用して)流動層造粒機に添加され得る。固体微粒子122、バインダー溶液132、充填材142、および/または添加剤152の供給、およびそれらの間の関係は、所望の物理的および官能的な特性を有するニコチン含有凝集体162を調製するように選択され得る。
【0077】
少なくとも1つの例示的な実施形態では、方法100は、ニコチン含有凝集体162を形成するように、固体微粒子122、バインダー溶液132、充填材142、および/または添加剤152を含む流動層の循環S160を含む。少なくとも1つの例示的な実施形態では、循環S160の流量は、ニコチン含有凝集体162の濃度を変化させるように調整され得る。少なくとも1つの例示的な実施形態では、循環S160の継続時間は、ニコチン含有凝集体162の含水率を変化させるように調整され得る。
【0078】
上述したようなニコチン含有凝集体は、ガム、スプレー、トローチ、溶ける錠剤、溶けないチューインガム、フィルム、ゲル、カプセル、およびパウチ(例えば、繊維または顆粒を含む)などの経口製品に含めるのに適している。
【0079】
少なくとも1つの例示的実施形態では、経口製品は、経口タバコ製品、経口非タバコ製品、経口カンナビス製品、またはそれらの任意の組み合わせである。経口製品は、緩い材料(例えば、緩いセルロース系材料)、成形された材料(例えば、プラグまたはツイスト)、袋詰めされた材料、錠剤、トローチ、チューインガム、ガム、フィルム、その他の経口製品、またはそれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
【0080】
少なくとも1つの例示的実施形態では、経口製品は、噛みタバコ、スヌース、湿った嗅ぎタバコ、乾いた嗅ぎタバコ、その他の無煙タバコ、経口消費用の非タバコ製品、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0081】
いくつかの例示的な実施形態を本明細書に開示したが、他の変形が可能であることを理解されたい。そのような変形は、本開示の精神および範囲から逸脱するものとはみなされず、当業者にとって自明であろうそのような修正はすべて、以下の特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0082】
特定の実施例および図面を参照して説明したが、例示的な実施形態の修正、追加、および置換は、当業者による説明に従って様々に行うことができる。例えば、記載された技術は、記載された方法とは異なる順序で実行されてもよく、および/または、記載されたシステム、アーキテクチャ、デバイス、回路などの要素は、上述の方法とは異なるように接続または組み合わされてもよく、または、結果は、他の要素または等価物によって適切に達成されてもよい。
図1
【国際調査報告】