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特表2024-513483第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成するための混合装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成するための混合装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 25/441 20220101AFI20240315BHJP
   B01F 23/50 20220101ALI20240315BHJP
   B01F 25/312 20220101ALI20240315BHJP
   B01F 25/314 20220101ALI20240315BHJP
   B01F 33/451 20220101ALI20240315BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20240315BHJP
   A23L 27/60 20160101ALI20240315BHJP
   A23L 23/00 20160101ALI20240315BHJP
   A61K 8/06 20060101ALN20240315BHJP
   A61K 8/02 20060101ALN20240315BHJP
   A61K 8/04 20060101ALN20240315BHJP
   A61K 9/10 20060101ALN20240315BHJP
   A61K 9/06 20060101ALN20240315BHJP
   B01F 101/21 20220101ALN20240315BHJP
   B01F 101/22 20220101ALN20240315BHJP
   B01F 101/10 20220101ALN20240315BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20240315BHJP
【FI】
B01F25/441
B01F23/50
B01F25/312
B01F25/314
B01F33/451
B01F35/71
A23L27/60
A23L23/00
A61K8/06
A61K8/02
A61K8/04
A61K9/10
A61K9/06
B01F101:21
B01F101:22
B01F101:10
B01F101:06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561704
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2022058886
(87)【国際公開番号】W WO2022214433
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】2027917
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523379432
【氏名又は名称】マグネッツ・フォー・エマルジョンズ・エヌ.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】MAGNETS FOR EMULSIONS N.V.
【住所又は居所原語表記】Nijverheidsstraat 34,8020 OOSTKAMP Belgium
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ニールセン・ヴィレマルク
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン・アドリアーン・マルテンス
【テーマコード(参考)】
4B036
4B047
4C076
4C083
4G035
4G036
4G037
【Fターム(参考)】
4B036LC05
4B036LF03
4B036LT29
4B047LB09
4B047LE02
4B047LF08
4B047LG10
4B047LG52
4B047LG62
4B047LP02
4B047LP20
4C076AA09
4C076AA16
4C076AA22
4C076GG41
4C083CC01
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083DD39
4C083DD41
4C083FF05
4G035AB44
4G035AC23
4G035AC26
4G035AE05
4G035AE13
4G036AC27
4G037AA02
4G037AA03
4G037EA01
(57)【要約】
第1物質(2)と第2物質(3)とを混合して混合物質(4)を形成するための混合装置(1)であって;前記混合装置(1)は、前記第1物質用の第1入口(12)、前記第2物質用の第2入口(13)、および前記混合物質用の出口(14)を有するハウジング(11)を備え;流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部(161)が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の流れ軸に対して実質的に垂直な前記第1横方向の供給軸を有し;前記側方供給開口部から上流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は、前記第1横方向に第1幅を有し、かつ、前記第1横方向に垂直な第2横方向に第2幅を有する第1狭窄部分を形成し;前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい、混合装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物質と第2物質とを混合して混合物質を形成するための混合装置であって;
前記混合装置は、前記第1物質用の第1入口、前記第2物質用の第2入口、および前記混合物質用の出口を有するハウジングを備え;
流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;
側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に対して実質的に垂直な前記第1横方向の供給軸を有し;
前記側方供給開口部から上流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は、前記第1横方向に第1幅を有し、かつ、前記第1横方向に垂直な第2横方向に第2幅を有する第1狭窄部分を形成し;
前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい、混合装置。
【請求項2】
前記側方供給開口部の前記第2横方向の幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略等しい、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記側方供給開口部から下流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁が、前記第1横方向に第3幅を有し、前記第2横方向に第4幅を有する第2狭窄部分を形成し、前記第1横方向から見て、前記流路の第1側方において、前記第2狭窄部分の壁は、前記第1狭窄部分の壁と実質的に同一平面であり、前記流路は、前記第3幅が前記第1幅よりも大きくなるように、前記第2狭窄部分において前記流路の第2側方の方向に広げられ、前記第2側方は前記第1側方の反対である、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記流路が前記第2狭窄部分において前記側方供給開口部側で広げられている、請求項3に記載の混合装置。
【請求項5】
前記第2狭窄部分の前記流路の前記第3幅のみが前記側方供給開口部側で広げられている、請求項4に記載の混合装置。
【請求項6】
前記第2狭窄部分における前記流路の前記第3幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である、請求項3~5のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項7】
前記第1狭窄部分における前記流路の前記第1幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である、請求項1~6のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項8】
前記第1入口と前記出口との間の前記流路が、前記第1狭窄部分と前記第2狭窄部分とからなる、少なくとも請求項3および請求項1~7のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項9】
前記ハウジングには、前記第1横方向の両側で前記第2狭窄部分の前記側壁に隣接して延びる磁石が設けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項10】
前記第1狭窄部分の前記第2幅が、前記第1狭窄部分の前記第1幅の1.5倍を超え、好ましくは3倍を超え、より好ましくは6倍を超える、請求項1~9のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項11】
前記第2狭窄部分の前記第3幅は、前記第1狭窄部分の第1幅の1.25倍を超え、好ましくは2倍を超え、より好ましくは3倍を超える、請求項3または4に記載の混合装置。
【請求項12】
前記第2狭窄部分の前記第4幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略同じである、請求項3、4または11のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項13】
前記流れ軸の方向における前記側方供給開口部の幅が、前記第2横方向における前記側方供給開口部の幅と略同じである、請求項1~12のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項14】
前記側方供給開口部の表面積が、前記第1狭窄部分における流路の表面積の1.25倍超、好ましくは2.5倍超、より好ましくは5倍超である、請求項1~13のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項15】
前記第1狭窄部分の前記第1幅は、1mm~10mmであり、好ましくは1.5mm~4mmである、請求項1~14のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項16】
前記第2狭窄部分の前記第3幅が2mm~100mmであり、好ましくは4.5mm~20mmである、請求項3、4、11および12のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項17】
前記ハウジングは、1つの一体部品で形成されている、請求項1~16のいずれか一項に記載の混合装置。
【請求項18】
混合装置内で第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成する方法であって;
前記混合装置は、前記第1物質が加圧下で圧送される第1入口と、前記第2物質が供給される第2入口と、前記混合物質が排出される出口とを有するハウジングを備え;
流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;
側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に実質的に垂直である前記第1横方向に供給軸を有し;
前記側方供給開口部から上流において、前記ベンチュリ管部の前記側壁が、前記第1横方向において第1幅と、前記第1横方向と直交する第2横方向において第2幅を有する第1狭窄部分を形成し、
前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい、方法。
【請求項19】
前記第1物質は主として水を含み、前記第2物質は粉末、特に疎水性粉末を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記混合物質が、化粧品のもしくは医薬品の乳濁液もしくはゲルなどの乳濁液または分散液、あるいはマヨネーズ、ペクチン溶液、バターもしくはソースなどの食品の乳濁液または分散液である、請求項18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成するための混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
分散液またはエマルジョンなどの混合物質は、例えば高剪断ミキサーを含む装置を使用することによって、またはベンチュリ型ミキサーを使用することによって調製され得る。既知の混合装置、例えば米国特許出願公開第2005/0189081号明細書に記載のエデュケーターは、初期ベンチュリよりも実質的に大きい海綿状混合チャンバーに固体が挿入され、したがって実質的な圧力降下を引き起こすという欠点を有する。この圧力降下により、第1物質の速度が大幅に減少する。米国特許出願公開第2005/0189081号明細書は、第1物質と第2物質とを最適に混合しない。さらに、複数の発散部および収束部は、混合チャンバーから下流にチョーク流を生成し、背圧をさらに増加させ、混合効率をさらに低下させる。
【0003】
本発明は、改良されたベンチュリ型混合装置に関する。
【0004】
このような混合装置は、前記第1物質用の第1入口、前記第2物質用の第2入口、および前記混合物質用の出口を有するハウジングを備え;流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に対して実質的に垂直な前記第1横方向の供給軸を有する。
【0005】
本発明の第1態様によれば、前記側方供給開口部から上流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は第1狭窄部分を形成し、前記ベンチュリ部の前記第1狭窄部分は、前記第1横方向に第1幅を有し、かつ、前記第1横方向に垂直な第2横方向に第2幅を有し、前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい。前記側方供給開口部から下流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は、前記第1横方向に第3幅を有し、前記第2横方向に第4幅を有する第2狭窄部分を形成してもよく、前記第3幅は、前記第1幅と同じであってもよい。好ましくは、前記側方供給開口部の前記第2横方向の幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略等しい(すなわち、好ましくは前記第2幅の少なくとも80%または90%)。
【0006】
円形断面を有する管部を有する従来のベンチュリを使用すると、側方供給開口部の表面と狭窄管部の表面積との比が(最大)1:1となる。その結果、第1物質の流れに導入される第2物質の量は、ほぼ同じ比率で発生する。通常の管状ベンチュリではなく、このようなスリット付きベンチュリを使用することにより、より強力な乱流を生成することができ、その結果、混合がより良くおよび/またはより速く行われる。さらに、スリットの円周は円形管に比べて比較的大きいため、混合される物質に作用するせん断力が大きくなり、混合がより良くまたはより速くなる。さらに、側方供給開口部の表面と狭窄管部の表面との比を実質的に増加させることができ、その結果、混合がより良く、またはより速く行われることになる。スリットされたベンチュリは、ベンチュリの低圧吸引力を考慮して、適用可能な第2物質の最適な供給比率を達成するために、例えば開口部にレデューサを適用することにより、側方供給開口部の異なる表面積の間で選択する可能性も生じさせる。
【0007】
本発明の第2態様によれば、前記側方供給開口部から上流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は第1狭窄部分を形成し、前記ベンチュリ部の前記第1狭窄部分は前記第1横方向に第1幅を有し、かつ、前記第1横方向に垂直な第2横方向に第2幅を有し、また、前記側方供給開口部から下流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁が、前記第1横方向に第3幅を有し、前記第2横方向に第4幅を有する第2狭窄部分を形成する。前記第1横方向から見て、前記流路の第1側方において、前記第2狭窄部分の壁は、前記第1狭窄部分の壁と実質的に同一平面であり、前記流路は、前記第3幅が前記第1幅よりも大きくなるように、前記第2狭窄部分において前記流路の第2側方の方向に広げられ、前記第2側方は前記第1側方の反対である。好ましくは、前記流路が前記第2狭窄部分において前記側方供給開口部側で広げられている。この特徴により、第2物質が第1物質の流れに導入される流路側での乱流が増進され、混合プロセスが改善される。側方供給開口部の直後の第2狭窄部分を一方向に広げることにより、そのようにして作製された空間に強い乱流渦が形成され、混合がより良くおよび/またはより速くなる。同一平面の壁のさらなる利点は、ベンチュリ部をより簡単に掃除できることである。
【0008】
好ましくは、前記第2狭窄部分の前記流路の前記第3幅のみが前記側方供給開口部側で広げられている。
【0009】
好ましくは、前記第2狭窄部分における前記流路の前記第3幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である。
【0010】
好ましくは、前記第1狭窄部分における前記流路の前記第1幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である。
【0011】
好ましくは、前記第1入口と前記出口との間の前記流路が、前記第1狭窄部分と前記第2狭窄部分とからなる。
【0012】
好ましくは、前記ハウジングには、前記第1横方向の両側で前記第2狭窄部分の前記側壁に隣接して延びる磁石が設けられる。このようにして、混合物質は磁場中を循環して、流れの乱流状態に肯定的な影響を与えることができる。国際公開第2004/043580号には、磁石が乳化プロセスを改善する構成が記載されている。驚くべきことに、特に磁石が第2狭窄部分の側壁に隣接して設けられる場合、磁石の設置とベンチュリ管部内の強い乱流条件との組み合わせにより、乳化プロセスがさらに改善されることが判明した。
【0013】
好ましくは、前記第1狭窄部分の前記第2幅が、前記第1狭窄部分の前記第1幅の1.5倍を超え、好ましくは3倍を超え、より好ましくは6倍を超える。好ましい実施形態では、第2幅は第1幅の約10倍である。
【0014】
好ましくは、前記第2狭窄部分の前記第3幅は、前記第1狭窄部分の第1幅の1.25倍を超え、好ましくは2倍を超え、より好ましくは3倍を超える。好ましい実施形態では、第3幅は第1幅の約4倍である。
【0015】
好ましくは、前記第2狭窄部分の前記第4幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略同じ(すなわち、好ましくは前記第2幅の80%~120%)である。
【0016】
好ましくは、前記流れ軸の方向における前記側方供給開口部の幅が、前記第2横方向における前記側方供給開口部の幅と略同じ(すなわち、好ましくは前記第2横方向における前記側方供給開口部の幅の80%~120%)である。
【0017】
好ましくは、前記側方供給開口部の表面積が、前記第1狭窄部分における流路の表面積の1.25倍超、好ましくは2.5倍超、より好ましくは5倍超である。好ましい実施形態では、側方供給開口部の表面積は、第1狭窄部分における流路の表面積の5.5倍である。
【0018】
好ましくは、前記第1狭窄部分の前記第1幅は、1mm~10mmであり、好ましくは1.5mm~4mmである。好ましい実施形態では、第1幅は約2mmである。
【0019】
好ましくは、前記第2狭窄部分の前記第3幅が2mm~100mmであり、好ましくは4.5mm~20mmである。好ましい実施形態では、第3幅は約8mmである。
【0020】
好ましくは、前記ハウジングは、1つの一体部品で形成されている。
【0021】
本発明は、混合装置内で第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成する方法にも関し;前記混合装置は、前記第1物質が加圧下で圧送される第1入口と、前記第2物質が供給される第2入口と、前記混合物質が排出される出口とを有するハウジングを備え;流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;側方供給開口部が、第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に実質的に垂直である前記第1横方向に供給軸を有し;前記側方供給開口部から上流において、前記ベンチュリ管部の側壁が、前記第1横方向において第1幅と、前記第1横方向と直交する第2横方向において第2幅を有する第1狭窄部分を形成し、前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい。
【0022】
本発明による方法の好ましい実施形態では、前記第1物質は主として水を含み、前記第2物質は粉末、特に疎水性粉末を含む。前記混合物質は、例えば、化粧品のもしくは医薬品の乳濁液もしくはゲルなどの乳濁液または分散液、あるいはマヨネーズ、ペクチン溶液、バターもしくはソースなどの食品の乳濁液または分散液であってもよい。
【0023】
本発明は、図面を参照して例示的な好ましい実施形態によって説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、本発明による混合装置が使用される、第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成するためのシステムの概略図を示す。
図2図2は、本発明による混合装置の斜視図を示す。
図3A図3Aは、図2の混合装置の縦方向断面を側面図で示す。
図3B図3Bは、図2の混合装置の部分横方向断面を上面図で示す。
図3C図3Cは、図2の混合装置の縦方向断面を斜視図で示す。
図4図4は、ベンチュリ管部に追加の乱流渦が描かれた、図2の混合装置の縦方向断面を側面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1によれば、第1物質2と第2物質3を混合するためのシステムは、前記第1物質2用の第1入口12、前記第2物質3用の第2入口13、及び混合物14用の出口14を有するハウジング11を備える混合装置1を備え得る。入口12、13および出口14には、それぞれのパイプ22、23、32を接続するためのそれぞれのフランジ121、131、141が設けられてもよい。
【0026】
第1物質2は貯蔵タンク21内に貯蔵され、その底部出口は入口管22によって入口12に接続されており、その中に第1物質2を混合装置に高圧で送り込むポンプ5が配置されている。第1物質2は、流体、例えば水であってもよい。前記第1物質は、流体と粉末などの粒子との混合物であってもよいが、それ自体が粉末であってもよい。第1物質は、気体、または、気体と流体および/または固体粒子との混合物であってもよい。
【0027】
第2物質3は、混合装置1の縦方向上方に位置するホッパー31内に貯蔵され、ホッパー31の底部出口はパイプ32によって混合装置1の第2入口13に接続されている。第1物質と同様に第2物質3は、流体、例えば水であってもよい。前記第2物質3は、流体と粉末などの粒子との混合物であってもよいが、それ自体が粉末、例えば疎水性粉末であってもよい。第2物質3は、気体、または、気体と流体および/または固体粒子との混合物であってもよい。混合装置1は、流体、固体、および/または気体の任意の組み合わせを混合するために使用できることが判明した。混合装置は、水などの流体と疎水性粉末などの固体とを混合するために使用されることが好ましい。
【0028】
混合装置1の出口14は、戻りパイプ23によって貯蔵タンク21の入口に接続されており、必要な混合グレードが得られるまで混合物質をシステムを通して再循環できるようになっている。あるいは、混合物質が混合装置1を一度通過した後に必要な混合グレードを有する場合には、パイプ23を完成品用の別個の貯蔵タンクに接続してもよい。
【0029】
図2は、混合装置1が、第1入口12、第2入口13、および混合物質14用の出口14を有するハウジング11を備えることを示す。入口12、13および出口14には、それぞれ、各パイプ22、23、32を接続するためのフランジ121、131、141が設けられてもよい。
【0030】
図3A、3B、3Cおよび4は、混合装置1の一部または全体の断面を示している。図3Aは、特に、図2の混合装置1の側断面図を示しており、混合装置1には、第1入口12と出口14との間に中心流軸15を有する流路が設けられている。流路には、狭窄ベンチュリ管部161、162が設けられている。
【0031】
第2入口13に接続された側方供給開口部17は、例えばハウジング11内の狭窄ベンチュリ管部の側壁に設けられ、流路の流れ軸15に実質的に垂直な供給軸18を有する。
【0032】
狭窄ベンチュリ管部161、162は、供給開口部17から上流の第1部分161(第1狭窄部分161とも呼ばれる)と、供給開口17から下流の第2部分162(第2狭窄部分162とも呼ばれる)から構成される。ベンチャー管部の第1狭窄部分161は、図3Cに示すように、第1狭窄部分を形成する管部の縦方向の幅w2が横方向の幅w1よりも小さいスリット形状を有している。この好ましい実施形態では、縦方向の幅w1は2mm、横方向の幅w2は20mmである。好ましい実施形態によれば、流れ軸に沿って測定した第1狭窄部分161の長さは、横方向の幅w2よりも小さい。第1狭窄部分161は、その流れ軸に沿って一定の断面積を備えることが好ましい。換言すれば、第1狭窄部分161は、流れ軸に沿って見て、縦方向に一定の幅w1と横方向に沿って一定の幅w2を含む。
【0033】
側方供給開口部17から下流の第2狭窄部分162では、ベンチュリ管部は、側方供給開口部17から上流の第1部分161の縦方向の幅w1よりも大きい縦方向の幅w3を有する。このように、流路は、第2部分162(側方供給開口部17側)において縦方向に広がっている。この特徴により、第2物質が第1物質の流れに導入される流路側での乱流が増進され、混合プロセスが改善される。側方供給開口部の直後の第2狭窄部分を一方向に広げることにより、そのようにして作製された空間に強い乱流渦が形成され、混合がより良くおよび/またはより速くなる。第1狭窄部分と同様に、第2狭窄部分が流れ軸15に沿った一定の断面を備えることが好ましい。「狭窄」という用語は、第1入口のサイズおよび/または出口14のサイズに関する狭窄を指し、その文脈において、狭窄部は、例えば図14に示される入口12又は出口14のように、テーパー状又は擬似円錐状ではないことに留意されたい。
【0034】
第1狭窄部分161と第2狭窄部分の両方において、流路壁の底面側が一体的に連続していることが好ましい。換言すれば、流路壁の底面側は、両方の狭窄部分161、162内で同一平面上に位置する。このように、粒子の蓄積が起こり得る障害物および/または流体力学的不感帯が実質的に生じない。また、第1狭窄部分および第2狭窄部分における側壁の少なくとも一部も同一平面であることが好ましい。同一平面の壁の利点は、ベンチュリ部をさらに簡単に洗浄できることであり、このようなベンチュリ部は、清潔さと衛生が最も重要な、特に混合装置1の高い生産アップタイムと連動するClean In Place用途で特に有利である。同一平面の壁により、混合装置をその場で効率的に洗浄できる。さらに、第1および第2狭窄部分161、162が互いに直接隣接していること、すなわち、第2狭窄部分162が第1狭窄部分のすぐ下流にあることが好ましい。また、第1狭窄部分161と第2狭窄部分との間の移行は、段差からなることが好ましい。換言すれば、第1狭窄部分161の縦方向から見た幅w1は、実質的に直ちに第2狭窄部分162の第3幅w3に移行する。段差によって形成される角部は、清掃性を向上させるために丸みを帯びていてもよい。また、第1狭窄部分161と第2狭窄部分162とは、接合部底面側と各壁上面側との間の幅w1、w3が異なるだけであるため、第2物質3は既に加速されている第1物質内に吸い込まれる。したがって、吸引力が向上し、第2物質の前記吸引をより一貫して提供し、2つの物質の混合を改善する。また、混合物質の加速速度は、第2狭窄部分162内で維持される。改善された吸引および混合を有するこの効果は、既知のエデュケーターと比較して特に顕著である。
【0035】
円筒形入口12と第1部分161のスリット状入口開口部との間の管部19は、混合装置の入口12から狭窄ベンチュア管部への移行を可能にする擬似円錐形を有する。同様に、円筒形出口14と第2部分162のスリット状出口開口部との間の管部20は、混合装置1の狭窄ベンチュラ管部から出口14への移行を可能にする擬似円錐形を有する。好ましくは、専ら、円筒状入口12と第1部分161のスリット状入口開口部との間の管部19と、円筒状出口14と第2部分162のスリット状出口開口部との間の管部20は、擬似円錐形状を有する。換言すれば、混合装置1には流路について、単一の断面積収束と単一の断面積発散のみが存在する。擬似円錐形状は、ある断面から別の断面へとテーパー状または緩やかに変化するものと考えられている。比較すると、第1狭窄部分と第2狭窄部分の間の段階的な移行は断面積の急な変化である。さらに、円筒形入口と、円筒形入口12及びスリット形状の入口開口部の間の管部19との間の移行領域は、好ましくは継ぎ目がない(シームレスである)。また、円筒形出口14と、円筒形出口14及び第2部分162のスリット状出口開口部の間の管部20との間の移行領域は、好ましくは継ぎ目がない。
【0036】
ハウジング1には、第2部分162の両側の窪み21、22内に磁石(図示せず)を設けることができ、これにより、混合物質は、流れの乱流状態に肯定的な影響を与えるために、第2部分162内の磁場24を通って循環することができる。
【0037】
以上、本発明を好ましい実施形態を用いて説明した。しかしながら、この開示は単に例示的なものであることを理解されたい。構造および機能の様々な詳細が提示されたが、添付の特許請求の範囲が表現する用語の一般的な意味によって拡張される最大限の範囲で行われた変更は、本発明の原理の範囲内であることが理解される。明細書および図面は、特許請求の範囲を解釈するために使用されるものとする。特許請求の範囲は、求められる保護の範囲が特許請求の範囲で使用される文言の厳密な文字通りの意味によって定義されるものとして理解されるべきであるという意味として解釈されるべきではなく、説明および図面は、特許請求の範囲に見られる曖昧さを解決する目的のみに使用される。特許請求の範囲によって求められる保護の範囲を決定する目的で、特許請求の範囲に指定されている要素と同等の要素が適切に考慮されるものとする。要素は、少なくとも特許請求の範囲で特定される要素と実質的に同じ機能を実質的に同じ方法で実行し、特許請求の範囲で特定される要素と実質的に同じ結果をもたらす場合、特許請求の範囲で特定される要素と同等であるとみなされる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1物質と第2物質とを混合して混合物質を形成するための混合装置であって;
前記混合装置は、前記第1物質用の第1入口、前記第2物質用の第2入口、および前記混合物質用の出口を有するハウジングを備え;
流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;
側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に対して実質的に垂直な前記第1横方向の供給軸を有し;
前記側方供給開口部から上流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁は、前記第1横方向に第1幅を有し、かつ、前記第1横方向に垂直な第2横方向に第2幅を有する第1狭窄部分を形成し;
前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい、混合装置。
【請求項2】
前記側方供給開口部の前記第2横方向の幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略等しい、請求項1に記載の混合装置。
【請求項3】
前記側方供給開口部から下流で、前記ベンチュリ管部の前記側壁が、前記第1横方向に第3幅を有し、前記第2横方向に第4幅を有する第2狭窄部分を形成し、前記第1横方向から見て、前記流路の第1側方において、前記第2狭窄部分の壁は、前記第1狭窄部分の壁と実質的に同一平面であり、前記流路は、前記第3幅が前記第1幅よりも大きくなるように、前記第2狭窄部分において前記流路の第2側方の方向に広げられ、前記第2側方は前記第1側方の反対である、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項4】
前記流路が前記第2狭窄部分において前記側方供給開口部側で広げられている、請求項3に記載の混合装置。
【請求項5】
前記第2狭窄部分の前記流路の前記第3幅のみが前記側方供給開口部側で広げられている、請求項4に記載の混合装置。
【請求項6】
前記第2狭窄部分における前記流路の前記第3幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である、請求項3に記載の混合装置。
【請求項7】
前記第1狭窄部分における前記流路の前記第1幅は、前記流れ軸に沿って見て一定である、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項8】
前記第1入口と前記出口との間の前記流路が、前記第1狭窄部分と前記第2狭窄部分とからなる、請求項3に記載の混合装置。
【請求項9】
前記ハウジングには、前記第1横方向の両側で前記第2狭窄部分の前記側壁に隣接して延びる磁石が設けられる、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項10】
前記第1狭窄部分の前記第2幅が、前記第1狭窄部分の前記第1幅の1.5倍を超え、好ましくは3倍を超え、より好ましくは6倍を超える、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項11】
前記第2狭窄部分の前記第3幅は、前記第1狭窄部分の第1幅の1.25倍を超え、好ましくは2倍を超え、より好ましくは3倍を超える、請求項3に記載の混合装置。
【請求項12】
前記第2狭窄部分の前記第4幅は、前記第1狭窄部分の前記第2幅と略同じである、請求項3に記載の混合装置。
【請求項13】
前記流れ軸の方向における前記側方供給開口部の幅が、前記第2横方向における前記側方供給開口部の幅と略同じである、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項14】
前記側方供給開口部の表面積が、前記第1狭窄部分における流路の表面積の1.25倍超、好ましくは2.5倍超、より好ましくは5倍超である、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項15】
前記第1狭窄部分の前記第1幅は、1mm~10mmであり、好ましくは1.5mm~4mmである、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項16】
前記第2狭窄部分の前記第3幅が2mm~100mmであり、好ましくは4.5mm~20mmである、請求項3に記載の混合装置。
【請求項17】
前記ハウジングは、1つの一体部品で形成されている、請求項1または2に記載の混合装置。
【請求項18】
混合装置内で第1物質と第2物質を混合して混合物質を形成する方法であって;
前記混合装置は、前記第1物質が加圧下で圧送される第1入口と、前記第2物質が供給される第2入口と、前記混合物質が排出される出口とを有するハウジングを備え;
流路が前記第1入口と前記出口との間に配置され、前記流路は前記第1入口と前記出口との間に流れ軸を有し、前記流路には狭窄ベンチュリ管部が設けられ、前記ベンチュリ管部は側壁を有し;
側方供給開口部が第1横方向で前記側壁に設けられ、前記側方供給開口部が前記第2入口に接続され、前記開口部が、前記流路の前記流れ軸に実質的に垂直である前記第1横方向に供給軸を有し;
前記側方供給開口部から上流において、前記ベンチュリ管部の前記側壁が、前記第1横方向において第1幅と、前記第1横方向と直交する第2横方向において第2幅を有する第1狭窄部分を形成し、
前記第2幅は、前記第1幅よりも大きい、方法。
【請求項19】
前記第1物質は主として水を含み、前記第2物質は粉末、特に疎水性粉末を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記混合物質が、化粧品のもしくは医薬品の乳濁液もしくはゲルなどの乳濁液または分散液、あるいはマヨネーズ、ペクチン溶液、バターもしくはソースなどの食品の乳濁液または分散液である、請求項18または19に記載の方法。
【国際調査報告】