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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】止血クリップを含む医療用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
A61B17/122
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561781
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022023929
(87)【国際公開番号】W WO2022216999
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,748
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヤゲルスキ、マシュー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】エバーズ、ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン、ショーン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD19
4C160MM32
4C160NN04
4C160NN09
4C160NN11
(57)【要約】
例示的な医療用デバイスが開示される。例示的な医療用デバイスは、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトを含む。医療用デバイスはまた、シャフトの遠位端領域の外面に連結された止血クリップを含み、止血クリップは、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される。さらに、医療用デバイスは、止血クリップに連結された引張部材を含み、引張部材の作動は、止血クリップを開放位置と閉鎖位置との間でシフトさせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端領域の前記外面に連結され、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される止血クリップと、
前記止血クリップに連結される引張部材とを備える医療用デバイスであって、
前記引張部材の作動により、前記止血クリップを前記開放位置と前記閉鎖位置との間でシフトさせる、医療用デバイス。
【請求項2】
前記止血クリップが、下側ジョーに対して枢動可能である上側ジョーを含み、前記引張部材が、前記上側ジョーの一部分に連結される、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記上側ジョーが開口部を含み、前記引張部材が前記開口部を通って延在する、請求項2に記載の医療用デバイスシステム。
【請求項4】
剪断部材をさらに備え、前記剪断部材が、前記上側ジョー、前記引張部材、又は前記上側ジョー及び前記引張部材の両方に連結される、請求項3に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記剪断部材が、溶接連結部において前記引張部材に連結され、前記剪断部材を前記引張部材に対して移動させることにより、前記溶接連結部を切断して、前記引張部材を前記剪断部材から分離する、請求項4に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
リベットが前記剪断部材を前記引張部材に連結し、前記剪断部材を前記引張部材に対して移動させることにより、前記リベットを切断して前記引張部材を前記剪断部材から分離する、請求項4に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記上側ジョーが前記下側ジョーに対して枢動されるとき、前記下側ジョーが、前記上側ジョーに対して固定された位置に保持される、請求項2~6のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
前記シャフトの前記遠位端領域に沿って配置されたキャップをさらに備え、前記止血クリップが、前記キャップの外面に取り外し可能に取り付けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
前記キャップが第1の突出部を含み、前記止血クリップが、前記第1の突出部に係合するように構成された湾曲部分を含む、請求項8に記載の医療用デバイス。
【請求項10】
剪断部材の一部分が、第1の突出部の一部分に係合する、請求項4~8のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項11】
キャップが、第1の位置から第2の位置に並進するように構成された連結部材を含み、前記連結部材を前記第1の位置から前記第2の位置にシフトすることにより、前記止血クリップを前記キャップから解放する、請求項9~10のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項12】
連結部材に連結された解放部材をさらに備え、前記解放部材を後退させることにより、前記連結部材を第1の位置から第2の位置に並進させる、請求項1~11のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項13】
ハンドルと、
前記ハンドルに連結され、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端領域に沿って配置されたキャップと、
前記キャップの外面に取り外し可能に取り付けられ、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成された止血クリップと、
前記止血クリップに連結された引張部材とを備え、
前記引張部材の作動により、前記止血クリップが前記開放位置と前記閉鎖位置との間でシフトする、内視鏡。
【請求項14】
前記止血クリップが、下側ジョーに対して枢動可能な上側ジョーを含み、前記引張部材が、前記上側ジョーの一部分に連結される、請求項13に記載の医療用デバイス。
【請求項15】
前記上側ジョーが開口部を含み、前記引張部材が前記開口部を通って延在する、請求項14に記載の医療用デバイスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用デバイス、及び医療用デバイスを製造するための方法に関する。より具体的には、本開示は、他の構造体と接続された止血クリップ、及びそのようなデバイスを製造及び使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な体内用の医療デバイスが医療用途のために、例えば、血管内用途のために開発されてきている。これらのデバイスのいくつかは、カテーテル、内視鏡、及び止血クリップ(例えば、組織閉鎖デバイス)等を含む。これらのデバイスは、様々な異なる製造方法のいずれか1つによって製造され、様々な方法のいずれか1つに従って使用されてもよい。既知の医療用デバイス及び方法の各々は、特定の利点と欠点とを有する。代替的な医療用デバイス及び医療用デバイスを製造及び使用するための代替的な方法を提供することが常に必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、医療用デバイスのための設計、材料、製造方法、及び使用の代替物を提供する。例示的な医療用デバイスは、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトを含む。医療用デバイスはまた、シャフトの遠位端領域の外面に連結された止血クリップを含み、止血クリップは、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される。さらに、医療用デバイスは、止血クリップに連結された引張部材を含み、引張部材の作動により、止血クリップを開放位置と閉鎖位置との間でシフトさせる。
【0004】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、止血クリップは、下側ジョーに対して枢動可能である上側ジョーを含み、引張部材は、上側ジョーの一部分に連結される。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、上側ジョーは開口部を含み、引張部材は開口部を通って延在する。
【0005】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、剪断部材をさらに備え、剪断部材は、上側ジョー、引張部材、又は上側ジョー及び引張部材の両方に連結される。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、剪断部材は、溶接連結部において引張部材に連結され、剪断部材を引張部材に対して移動させることにより、溶接連結部を切断して、引張部材を剪断部材から分離する。
【0006】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、リベットが、剪断部材を引張部材に連結し、剪断部材を引張部材に対して移動させることにより、リベットを切断して、引張部材を剪断部材から分離する。
【0007】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、上側ジョーが下側ジョーに対して枢動されるとき、下側ジョーは上側ジョーに対して固定された位置に保持される。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、シャフトの遠位端領域に沿って配置されたキャップをさらに備え、止血クリップが、キャップの外面に取り外し可能に取り付けられる。
【0008】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、キャップが第1の突出部を含み、止血クリップが、第1の突出部に係合するように構成された湾曲部分を含む。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、剪断部材の一部分は、第1の突出部の一部分に係合する。
【0009】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、キャップは、第1の位置から第2の位置に並進するように構成された連結部材を含み、連結部材を第1の位置から第2の位置にシフトさせることにより、止血クリップをキャップから解放する。
【0010】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、連結部材に連結された解放部材をさらに備え、解放部材を後退させることにより、連結部材を第1の位置から第2の位置に並進させる。
【0011】
例示的な内視鏡は、ハンドルと、ハンドルに連結されたシャフトとを含み、シャフトは、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有する。内視鏡はまた、シャフトの遠位端領域に沿って配置されたキャップと、キャップの外面に取り外し可能に取り付けられた止血クリップとを含み、止血クリップは、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される。さらに、内視鏡はまた、止血クリップに連結された引張部材を含み、引張部材の作動により、止血クリップを開放位置と閉鎖位置との間でシフトさせる。
【0012】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、止血クリップは、下側ジョーに対して枢動可能である上側ジョーを含み、引張部材は、上側ジョーの一部分に連結される。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、上側ジョーは開口部を含み、引張部材は開口部を通って延在する。
【0013】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、剪断部材をさらに備え、剪断部材は、上側ジョー、引張部材、又は上側ジョー及び引張部材の両方に連結される。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、上側ジョーが下側ジョーに対して回転されるとき、下側ジョーは上側ジョーに対して固定された位置に保持される。
【0014】
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、キャップが第1の突出部を含み、止血クリップが、第1の突出部に係合するように構成された湾曲部分を含む。
上記実施形態のいずれかの代わりに又は加えて、上側ジョーは、第1の突出部の周りで下側ジョーに対して枢動する。
【0015】
止血クリップを標的組織に取り付ける例示的な方法は、内視鏡を標的組織に前進させることを含み、内視鏡は、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトを含む。内視鏡はまた、シャフトの遠位端領域の外面に連結された止血クリップを含み、止血クリップは、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される。さらに、内視鏡はまた、止血クリップに連結された引張部材も含む。本方法はさらに、引張部材を後退させて、止血クリップを開放位置にシフトさせることと、止血クリップを標的組織に係合させることと、引張部材を解放して、止血クリップを閉鎖位置にシフトさせることとを含む。
【0016】
いくつかの実施形態の上記概要は、本開示のそれぞれの開示された実施形態又は全ての実施を記載することを意図しない。以下の図面及び詳細な説明は、これらの実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示は、添付の図面に関連して以下の詳細な説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
図1】例示的な止血クリップ送達システムを示す。
図2】第1の位置にある図1に示される止血クリップを示す。
図3】第2の位置にある図1に示される止血クリップを示す。
図4】例示的な止血クリップを示す。
図5】別の例示的な止血クリップ送達システムの一部分を示す。
図6】別の例示的な止血クリップ送達システムの一部分を示す。
図7】標的部位に取り付けられた例示的な止血クリップを示す。
図8】標的部位に取り付けられた例示的な止血クリップを示す。
図9】別の例示的な止血クリップ送達システムを示す。
図10】第1の位置にある別の例示的な止血クリップ送達システムを示す。
図11】第2の位置にある図10に示される止血クリップを示す。
図12】別の例示的な止血クリップ送達システムを示す。
図13】別の例示的な止血クリップ送達システムを示す。
図14】第1の位置にある例示的な止血クリップの一部分を示す。
図15】第2の位置にある例示的な止血クリップの一部分を示す。
【0018】
本開示は、様々な修正及び代替の形態を受け入れ可能であるが、それらの詳細は、例として図面に示されており、詳細に記載されるであろう。しかし、その意図が本開示を記載される特定の実施形態に限定することではないことは理解されるべきである。対照的に、その意図は本開示の技術的思想及び範囲に収まる全ての変更、均等物及び代替物を対象とするものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
異なる定義が本明細書の特許請求の範囲又は他の部分において与えられない限り、以下に定義される用語はこれらの定義が適用されるものとする。
明確に示されているか否かに関わらず、全ての数値は本明細書において用語「約」によって修飾されると想定される。用語「約」は、一般に、当業者の一人が列挙された値と同等である(例えば、同じ機能又は結果を有する)と考えるであろう数の範囲を参照する。多くの場合、用語「約」は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。
【0020】
両端点による数値範囲の列挙は、その範囲内の全ての数字を含む(例えば、1から5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)。
本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」及び「その」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書及び添付の特許請求の範囲に用いられるとき、用語「又は」は、内容が明確に他のことを指示しない限り、「及び/又は」を含む意味として一般に用いられる。
【0021】
本明細書における「一つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等への言及は、記載される実施形態が一つ以上の特定の特徴、構造、及び/又は特性を含み得ることを示すことに注意されたい。しかし、そのような記述は、全ての実施形態が特定の特徴、構造、及び/又は特性を含むことを必ずしも意味しない。加えて、特定の特徴、構造、及び/又は特性が一つの実施形態と関連して記載されるとき、そのような特徴、構造、及び/又は特性はまた、明確に反対に述べられない限り、明示的に記載されるか否かに関わらず、他の実施形態に関連して用いられ得ることは理解されるべきである。
【0022】
以下の詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、異なる図面における類似の要素には同じ番号が付けられる。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的な実施形態を示しており、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0023】
身体管腔及び中空器官の病理は、多くの場合、内視鏡処置を介して治療され、その多くは、出血を制御するための機構を必要とし得る。創傷部又は切開部の縁部を一緒に締め付けることによって内出血を止めるために、内視鏡を介して止血クリップを展開するための器具がよく使用される。複数の止血クリップ(例えば、創傷部閉鎖デバイス)は、自然治癒プロセスが創傷部を閉鎖することを可能にするように、標的組織部位に圧力を加えることによって、創傷部を包囲する組織を把持し、創傷部の縁部を一緒に保持し得る。複数のクリップを体内の所望の位置に送達し、複数のクリップを所望の位置に配置して展開するために、複数の特殊な内視鏡クリッピングデバイスが使用され、その後、クリップ送達デバイスが引き抜かれ、クリップを体内に残す。これらのクリップは、それらが自然的プロセスを介して除去されるまで、又は後に出血部位が治癒した後に別個の処置を介して除去されるまで、定位置に残されてもよい。
【0024】
図1は、遠位端及び近位端を含む例示的な医療用デバイス10を示す。医療用デバイス10は、近位端領域及び遠位端領域を有するシャフト14を含んでもよい。いくつかの例では、シャフト14は、内視鏡、腹腔鏡、カテーテル、ガイドチューブなどを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、医療用デバイス10の遠位端を、病変などの標的組織に隣接する位置まで体腔の一部内で前進させることができる一方で、医療用デバイスシステム10の近位端を、体腔から出て体外の位置まで延在させることができる。
【0025】
図1は、シャフト14の近位端領域が制御部材12(例えば、ハンドル、アクチュエータなど)に連結され得ることをさらに示す。制御部材12は、シャフト14の並進を制御するためのグリップとして利用されてもよい。さらに、制御部材12はまた、ユーザがシャフト14を回転させることを可能にしてもよい。以下により詳細に記載されるように、制御部材12は、シャフト14の遠位端領域を標的組織に隣接する位置に前進させて、医療処置を行うために、臨床医によって利用されてもよい。加えて、制御部材12は、臨床医が、医療用デバイス10の他の特徴的構成要素(例えば、創傷部閉鎖デバイス)に加えて、シャフト14を操作することを可能にする、1つ以上のアクチュエータ、歯車、レバー等を含んでもよい。
【0026】
いくつかの例では、医療用デバイス10は、追加の特徴を含んでもよい。例えば、図1に示される医療用デバイス10は、シャフト14(例えば、内視鏡)の遠位端領域上に配置される止血クリップ18(例えば、欠損部閉鎖デバイス)を含んでもよい。図1に示す例などのいくつかの例では、止血クリップ18は、シャフト14の外面に沿って配置されてもよい。このタイプの止血クリップは、クリップ18がシャフト14(例えば、内視鏡)又は他の同様の医療用デバイスの外面に配置されるので、「オーバー・ザ・スコープ」クリップ(例えば、OTSC)と呼ばれてもよい。
【0027】
以下でより詳細に記載されるように、止血クリップ18は、外科処置中又は外科処置後に出血標的組織部位を閉鎖又は閉塞するために利用され得る。例えば、標的組織が手術中に切断される場合、止血クリップが、切断された組織を把持し、出血を直ちに止めるために利用され得る。従って、止血クリップは、組織を把持するように作動され、その後、医療用デバイス10から除去され、出血が停止するまで、標的組織部位に取り付けられたままである必要があり得る。以下でより詳細に記載するように、図1は、シャフト14に取り付けられた作動シース16を示す。作動シース16は、ルーメンを含んでもよく、1つ以上の作動部材(図2に示す)がそれを通って延在し、止血クリップ18に連結し得る。
【0028】
図2は、医療用デバイス10の遠位端を示す。図2に示すように、1つ以上のルーメン36は、シャフト14を通ってその近位端領域からその遠位端領域まで延在し得る。いくつかの例では、1つ以上のルーメン36は、医療用デバイス10の「作業チャネル」と称され得る。作業チャネルは、様々な医療用デバイスがそこを通過することを可能にするように設計されてもよい。例えば、臨床医は、所与の医療処置の過程にわたって、作業チャネル36を介して様々な医療用デバイスを通過させるか、又は交換してもよい。作業チャネル36内を通過した複数の医療用デバイスは、組織標的部位を治療するために利用されてもよい。参照番号36が、作業チャネルを示し得る一方で、他の参照番号が、シャフト14の追加の作業チャネルを示し得るか、又は、シャフト14(例えば、内視鏡)の他の特徴(例えば、LEDライト、ウォータージェット、カメラ等)を示し得ることがさらに理解され得る。
【0029】
さらに、図2は、シャフト14の遠位端領域上に配置された止血クリップ18を示す。しかし、図2は、シャフト14がその遠位端上に配置されたキャップ20を含み得ることをさらに示す。キャップ20は、シャフト14の外面上に配置され、シャフト14の外面の周りに延在してもよい。いくつかの例では、キャップ20は、シャフト14の外径よりも大きい外径を含み得ることが理解され得る。さらに、図2は、シャフト14の端部と長手方向に整列し得る(例えば、内視鏡14の端部と整列する)キャップの遠位端を示す。
【0030】
図2は、キャップ20が、キャップ20の外面から半径方向外向きに延在する1つ以上の突出部26を含むことができることをさらに示す。図2は、キャップ20の外面から半径方向外向きに延在する第1の突出部26を示すが、いくつかの例では、第2の突出部27は、第1の突出部26から180度離れて(例えば、キャップ20の他方の側に)配置されてもよく、それによって、第1の突出部26の中心領域及び第2の突出部27の中心領域は、共通の軸に沿って整列してもよいことが理解され得る。例えば、図9は、第2の突出部127と整列した第1の突出部126を有する医療用デバイス10の代替の実施形態を示す。同じ構成が、図2に示す医療用デバイス10に利用されてもよい。
【0031】
図2から、いくつかの例では、止血クリップ18がキャップ20の一部に沿って配置され得ることが理解され得る。例えば、図2は、止血クリップ18がキャップ20の外面上に配置され得ることを示す。図2は、止血クリップ18が、1つ以上の湾曲(例えば、曲がった)部分40を介して互いに接続された上側ジョー24及び下側ジョー22を含み得ることをさらに示す。例えば、図4は、止血クリップ18が、上側ジョー24を下側ジョー22に接続する第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42(図4に示す)を含み得ることを示す。図4に関して以下により詳細に記載されるように、止血クリップ18の上側ジョー24は、1つ以上の上歯30を含んでもよく、止血クリップ18の下側ジョー22は、1つ以上の下歯28を含んでもよい。
【0032】
いくつかの例では、第1の湾曲部分40は、突出部26に係合するように構成されてもよく、第2の湾曲部分42(図4に示す)は、キャップ20の第2の突出部27に係合するように構成されてもよい。例えば、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42の各々は、キャップ20の第1の突出部26及び第2の突出部27とそれぞれ適合するように成形されてもよい。さらに、いくつかの例では、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42はそれぞれ、第1の突出部26及び第2の突出部27とそれぞれプレス嵌めを形成するように設計され得ることが理解され得る。言い換えると、いくつかの例では、止血クリップ18の第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42が、それぞれ、キャップ20の第1の突出部26及び第2の突出部27上に「スナップ」するように設計され得る。止血クリップ18の第1の湾曲部分40と第2の湾曲部分42との係合は、止血クリップ18をキャップ20に取り外し可能な固定を形成してもよい。
【0033】
図2は、医療用デバイス10が、引張ワイヤ32及び剪断ワイヤ34も含むことができ、その各々が止血クリップ18に連結され得ることを示している。引張ワイヤ32及び剪断ワイヤ34の各々は、止血クリップ18から作動シース16を通って延在し、制御部材12(図1に示す)に連結され得ることが理解され得る。
【0034】
上述したように、止血クリップ18は、標的組織部位としての組織を把持及び閉塞するために利用されてもよい。従って、止血クリップ18は、第1の位置(例えば、図2に示すような閉鎖位置)と第2の位置(例えば、図3に示すような開放位置)との間で作動され得ることが理解され得る。止血クリップ18を第1の位置と第2の位置との間で作動させるために、上側ジョー24を下側ジョー22に対して回転させ得ることをさらに理解することができる。従って、いくつかの例では、下側ジョー22は、キャップ20に対して固定された位置に保持されてもよく、それによって、上側ジョー24は、(キャップ20に対して固定された位置に保持されている)下側ジョー22に対して回転されてもよい。
【0035】
上側ジョー24を下側ジョー22に対して作動させるために、上側ジョー24を下側ジョー22から離れるように回転させる力を上側ジョー24に加える必要があり得ることをさらに理解することができる。従って、いくつかの例では、引張部材32(例えば、引張ワイヤ)は、下側ジョー22に対して上側ジョーを回転させる力を上側ジョー24に提供するために利用されてもよい。
【0036】
例えば、図3は、引張部材32が作動シース16のルーメン38を通って遠位から近位方向に並進され得ることを示す。上述したように(及び以下の図5~6に関してさらに記載するように)、引張部材32は、止血クリップ18の上側ジョー24に連結されてもよい。従って、引張部材32を遠位から近位方向に並進させることにより、上側ジョー24を効果的に回転させ、下側ジョー22(キャップ20に固定されたままであってもよい)から離してもよい。図3は、上側ジョー24が下側ジョー22に対して回転するときに、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42が第1の突出部26及び第2の突出部27に係合したままであってもよいことをさらに示す。言い換えると、第1の突出部26及び第2の突出部27は、上側ジョー24が下側ジョー22に対して回転するときに、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42のためのピボット点として機能することができる。
【0037】
作動シース16を通った引張部材32の並進は、制御部材12の1つ以上の作動部品によって行われてもよいことを理解されたい。例えば、臨床医は、止血クリップ18を第1の位置(例えば、開放位置)と第2の位置(例えば、閉鎖位置)との間でシフトさせるために、制御部材12の1つ以上の作動部品を操作してもよい。いくつかの例では、臨床医は、止血クリップ18を第1の位置(例えば、開放位置)と第2の位置(例えば、閉鎖位置)との間でシフトさせるために、制御ノブ13(図1に示す)を操作してもよい。ノブ13を、時計回り方向又は反時計回り方向に回転させて、引張部材32を近位方向又は遠位方向のいずれかに並進させてもよい。しかし、これは限定を意図するものではない。むしろ、ハンドル12は、止血クリップ18を第1の位置(例えば、開放位置)と第2の位置(例えば、閉鎖位置)との間でシフトさせるために引張部材を作動させるレバー、スライダ、又は任意の他の作動部品を含み得る。
【0038】
加えて、いくつかの例では、上側ジョー24は、第2の形態(例えば、閉鎖形態)になるように付勢されてもよいことが理解され得る。例えば、静止している間、上側ジョー24は、下側ジョー22に対して閉じるように付勢されてもよい。この特徴は、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42によって達成されてもよく、これらは、上側ジョー24を閉鎖形態に付勢するためのばね要素として機能してもよい。従って、上側ジョー24が引張部材32を介して開放位置に回転された後(上述のように)、引張部材32を解放することにより、下側ジョー22に対して上側ジョー24を閉じることができる。
【0039】
図3は、上側ジョー24を下側ジョー22に対して回転させるために引張部材32が遠位から近位方向に並進されている間に、剪断部材34が送達シース16のルーメン38の近位から遠位方向に前進され得ることをさらに示す。上述したように(また、以下の図5~6に関してさらに記載するように)、剪断部材32は、止血クリップ18の上側ジョー24に連結されてもよい(以下に記載するように、剪断部材32は、引張部材32及び上側ジョー24の両方に連結されてもよい)。従って、上側ジョー24を下側ジョー22に対して回転させるために引張部材32が遠位から近位方向に並進されているとき、剪断部材34は、引張部材32がルーメン38内に並進されるにつれて、ルーメン38から「外に引っ張られる」(例えば、引き出される)ことができる。引張部材32に関して上述したものと同様に、臨床医は、制御部材12の1つ以上の作動部品を操作して、引張部材32が作動シース16のルーメン38内に引っ張られるにつれて、剪断部材34が作動シース16のルーメン38から引き出されることを可能にし得る。いくつかの実施例では、制御部材12上の単一の作動部品は、引張部材32が作動シース16のルーメン38内に引き込まれるのと同時に、剪断部材34が作動シース16のルーメン38から引き出されることを可能にし得ることが理解され得る。
【0040】
図4は、医療用デバイス10から取り外された例示的な止血クリップ18を示す。上述したように、止血クリップ18は、上側ジョー24及び下側ジョー22を含むことができる。上側ジョー24は、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42を介して下側ジョー22に接続され得る。さらに、図4は、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42が、上述したように、キャップ20の第1の突出部26及び第2の突出部27を受け入れるように成形され得ることを示す。
【0041】
図4は、止血クリップ18がキャップ20上に挿入されることを可能にするために、第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42が互いに離間され得ることをさらに示す。例えば、シャフト14を標的組織部位にトラッキングする前に、シャフト14の遠位端領域が第1の湾曲部分40と第2の被覆部分42との間に挿入されてもよく、それによって、止血クリップ18は、次に、第1の突出部26及び第2の突出部27が止血クリップ18の第1の湾曲部分40及び第2の湾曲部分42に係合するまで、キャップ20の外面に沿って前進させられてもよいことが理解され得る。この構成において、止血クリップ18は、キャップ20に取り外し可能に取り付けられ得ることが理解され得る。
【0042】
上述したように、図4は、上側ジョー24が複数の歯30を含むことができ、下側ジョーが複数の歯28を含むことができることを示している。複数の歯30は、歯30の列に似ていてもよく、それによって、個々の歯30はそれぞれ、上側ジョー24の曲線に沿って互いに整列され得ることがさらに理解され得る。同様に、複数の歯28は、歯28の列に似ていてもよく、それによって、個々の歯28はそれぞれ、下側ジョー22の曲線に沿って互いに整列され得ることが理解され得る。
【0043】
図4はさらに、上側ジョー24の1つ以上の歯30及び下側ジョー22の1つ以上の歯28が、止血クリップ18の前面から止血クリップ18の近位端領域に向かって内向きに湾曲され得ることを示す。例えば、上側ジョー24の1つ以上の歯30は、上側ジョー24の遠位対向面から上側ジョー24の近位部分に向かって内向きに湾曲してもよく、一方、下側ジョー22の1つ以上の歯28は、下側ジョー22の遠位対向面から下側ジョー22の近位部分に向かって内向きに湾曲してもよい。標的組織部位において組織を把持するために利用されるとき、上側ジョー24の1つ以上の歯30の内向きの湾曲及び下側ジョー22の1つ以上の歯28の内向きの湾曲は、歯30が、止血クリップ18の上側ジョー24と下側ジョー22との間で組織を把持し、一緒に引っ張ることを可能にし得ることが理解され得る。
【0044】
上述のように、止血クリップ18を作動させて標的組織部位の組織を把持するように引張部材32を利用した後、標的組織が閉塞される(例えば、出血が止まる)まで止血クリップ18が標的組織を締め付けたままにされ得るように、引張部材32を止血クリップ18の上側ジョー24から取り外すことが望ましい場合があることが理解され得る。従って、図5~6は、剪断部材34が、引張部材32を止血クリップ18の上側ジョー24から取り外すために利用され得る2つの例示的な構成を示す。
【0045】
図5は、剪断部材34が、引張部材32を止血クリップ18の上側ジョー24から取り外すために利用され得る例示的な構成を示す。図5は、いくつかの例において、引張部材32が、最初に、上側ジョー24に配設された開口部48を通って巻き付けられ得ることを示す。例えば、図5は、引張部材32が、開口部48を通って上側ジョー24の頂面(例えば、上面)に巻き付けられ、上側ジョー24の近位端領域に向かって近位に延在し得ることを示す。加えて、図2及び図5を参照すると、剪断部材34は、作動シース16のルーメン38から、第1の突出部26の周り及び上側ジョー24の背後に延在してもよく、それによって、剪断部材34の遠位端は、引張部材32の遠位端と引張部材32の近位部分との間に固定されてもよい。図5から、剪断部材34の遠位端、引張部材32の遠位端、及び引張部材32の近位部分は、溶接連結部50を形成するように共に溶接され得ることが理解され得る。
【0046】
止血クリップ18が、標的組織部位の組織を最初に把持するように作動された(例えば、止血クリップ18が、引張部材32の操作を介して開かれて、標的組織部位の組織を把持するように閉じられた)後、止血クリップ18は、組織標的部位の組織を再把持するように、(引張部材32の操作を介して)再度開かれてもよいことが理解され得る。例えば、いくつかの例において、臨床医は、止血クリップ18を標的組織部位の組織に取り付けるように、最初に医療用デバイス10を利用してもよい。しかし、いくつかの例において、組織の最初の把持が不十分である場合がある。従って、臨床医は、標的組織部位に沿って止血クリップ18を再配置することを望む場合がある。従って、臨床医は、制御部材12を操作して、(引張部材32の操作を介して)止血クリップ18を作動させて、組織を再把持することができる。組織の再把持は、適切な量の組織が止血クリップ18の上側ジョー24と下側ジョー22との間に配置されることが達成されるまで、臨床医によって繰り返し行われてもよい。
【0047】
止血クリップ18が標的組織部位の組織を把持するように作動された(例えば、止血クリップ18が引張部材32の操作を介して標的組織部位の組織を把持するように開かれて、閉じられた)後、剪断部材34は、張力が引張部材32に加えられている間に遠位から近位方向に並進され、それによって、溶接連結部50を剪断(例えば、分割、破断、切断等)し得ることがさらに理解され得る。いくつかの例では、適切な量の張力を引張部材32に加える一方で、剪断部材34を遠位から近位方向に引っ張ることで溶接連結部50を破断するように、制御部材12の1つ以上の作動部材を利用してもよい。
【0048】
溶接連結部50を剪断することにより、開口部48を通って引張部材32の遠位端を後退させることができ、それによって引張部材32及び剪断部材34を上側ジョー24から解放することができることが、さらに理解され得る。しかし、上述したように、(溶接連結部50を破断する前に)引張部材32が上側ジョー24を下側ジョー22に対して回転させることを可能にするのに十分な強度を、溶接連結部50が有するように設計されてもよいことに留意されたい。
【0049】
図6は、剪断部材34が、引張部材32を止血クリップ18の上側ジョー24から取り外すために利用され得る別の例示的な構成を示す。図6は、いくつかの例において、引張部材32が、最初に、上側ジョー24に配置された開口部48を通って配置され得る(例えば、巻き付けられ得る)ことを示す。例えば、図6は、引張部材32が、開口部48を通って上側ジョー24の頂面(例えば、上面)に巻き付けられ、上側ジョー24の近位端領域に向かって近位に延在し得ることを示す。加えて、図2及び図6を参照すると、剪断部材34は、作動シース16のルーメン38から、第1の突出部26の周り及び上側ジョー24の背後に延在してもよく、それによって、剪断部材34の遠位端は、引張部材32の遠位端と引張部材32の近位部分との間に固定されてもよい。図6から、剪断部材34の遠位端、引張部材32の遠位端、及び引張部材32の近位部分は、リベット54を介して一緒に連結されて、リベット連結部52を形成し得ることが理解され得る。
【0050】
止血クリップ18が標的組織部位の組織を把持するように作動された(例えば、止血クリップ18が引張部材32の操作を介して標的組織部位の組織を把持するように開かれて、閉じられた)後、剪断部材34は、張力が引張部材32に加えられている間に遠位から近位方向に並進され、それによって、リベット連結部52のリベット54を剪断(例えば、分割、破断、切断等)し得ることがさらに理解され得る。いくつかの例では、適切な量の張力を引張部材32に加えると同時に、剪断部材34を遠位から近位方向に引っ張ることで、リベット連結部52のリベット54を破断するように、制御部材12の1つ以上の作動部材を利用してもよい。
【0051】
リベット連結部52のリベット54を破断することにより、開口部48を通って引張部材32の遠位端を後退させることができ、それによって引張部材32及び剪断部材34を上側ジョー24から解放することができることを、さらに理解され得る。しかし、上述したように、(リベット連結部52を破断する前に)引張部材32が上側ジョー24を下側ジョー22に対して回転させることを可能にするのに十分な強度を、リベット連結部52が有するように設計されてもよいことに留意されたい。
【0052】
図7、8は、上述したように、止血クリップ18を標的組織部位に取り付けるために利用される医療用デバイスを示す。引張部材32は、止血クリップ18を第1の位置(例えば、図2に示すような閉鎖位置)から第2の位置(例えば、図3に示すような開放位置)に作動させて、医療用デバイス10のシャフト14が組織56に向かって前進させられた後、止血クリップ18を閉じることにより、上側ジョー24の歯30と下側ジョー22の歯28との間に標的組織を捕捉するように、第1の位置に戻すために利用されていることが図7から理解され得る。上述のように、止血クリップ18は、所望の量の組織が捕捉されるまで、組織を把持及び再把持するように繰り返し作動されてもよい。
【0053】
図8は、止血クリップ18の上側ジョー24の歯30と下側ジョー22の歯28との間に所望の量の標的組織が捕捉された後、引張部材32に張力が維持されている間に、剪断部材34が作動シース16のルーメン38を通って後退され得ることを示す。上述のように、剪断部材34を第1の突出部26の周りで遠位から近位方向に後退させることにより、引張部材32と剪断部材34との間の接続を剪断(例えば、破断)することができる。引張部材32及び剪断部材34は、上述の溶接連結部50又はリベット連結部52を介して互いに接続されてもよいことが理解され得る。さらに、これは限定を意図するものではないことに留意されたい。引張部材32と剪断部材34との間の他の連結構成が想定される。
【0054】
図8はさらに、引張部材32と剪断部材34との間の接続が破断された後、引張部材32の遠位端62が開口部48を通過し、それによって引張部材32が止血クリップ18から解放され得ることを示す。加えて、図8は、止血クリップ18のない剪断部材34の遠位端60を示す。従って、臨床医がシャフト14(キャップ20を含む)を止血クリップ18から引き抜き、それによって止血クリップ18をキャップ20から解放することができることが理解され得る。止血クリップ18に対するシャフト14の引き抜きは、図8の矢印58によって示されている。止血クリップ18が標的組織部位56に取り付けられたままである間に、医療用デバイス10(シャフト14、キャップ20、作動シース16、引張部材32、及び剪断部材34を含む)が身体から引き抜かれ得ることが理解され得る。
【0055】
図9は、別の例示的な医療用デバイス100の平面図を示す。医療用デバイス100は、上述の医療用デバイス10と形態及び機能が類似していてもよい。例えば、医療用デバイス100は、シャフト114の外面上に配置された止血クリップ118(止血クリップ18に類似)を含んでもよい。さらに、医療用デバイス100は、医療用デバイス10に関して上述したキャップ20と同様のキャップ120を含むことができる。
【0056】
図9は、医療用デバイス100が、作動シース116(シャフト114の上部に配置される)を通って延在する引張部材132を含み得ることをさらに示す。図9は、引張部材132が、第1の溶接連結部144において上側ジョー124に連結された第1の引張アーム133を含み得ることをさらに示す。加えて、図9は、引張部材132が、第2の溶接連結部145において上側ジョー124に連結された第2の引張アーム135を含み得ることを示す。
【0057】
加えて、図9は、医療用デバイス100が、第1の剪断部材134及び第2の剪断部材136をさらに含み得ることを示す。さらに、第1の剪断部材134は、作動シース116から出て、(シャフト14の外面から離れて延在する)第1の突出部126の周りに延在し、第1の溶接連結部144において上側ジョー124及び/又は第1の引張アーム133に連結してもよい。加えて、第2の剪断部材136は、作動シース116から出て、(シャフト14の外面から離れて延在する)第2の突出部127の周りに延在し、第2の溶接連結部144において上側ジョー124及び/又は第2の引張アーム135に連結してもよい。
【0058】
医療用デバイス100は、上述した医療用デバイス10と同様に機能し得ることが理解され得る。例えば、止血クリップ118は、引張部材132の作動を介して、開放形態と閉鎖形態との間で作動されてもよい。しかし、第1の引張アーム133及び第2の引張アーム135は各々、上側ジョーが作動されるときに上側ジョー124に実質的に等しい後退力を加えることができることが理解されよう。さらに、医療用デバイス10に関して上述したように、止血クリップ118は、所望の量の組織が捕捉されるまで、組織を把持及び再把持するように繰り返し作動されてもよい。
【0059】
加えて、引張部材132が止血クリップ118を開閉して標的組織部位の組織を把持するように操作された後、第1の剪断部材134及び第2の剪断部材136の各々が後退させられ(引張部材132に張力が維持されている間)、それによって、第1の連結溶接部144及び第2の連結溶接部145を破断することがさらに理解され得る。第1の連結溶接部144及び第2の連結溶接部145は、上述した連結溶接部50と形態及び機能が同様であってもよいことが理解されよう。
【0060】
加えて、第1の連結溶接部144及び第2の連結溶接部145が破断された後、止血クリップ118が標的組織部位の組織に取り付けられている間、医療用デバイス100(シャフト114、作動シース116、引張部材132、第1の剪断部材134及び第2の剪断部材136を含む)が後退させられ得る(及び身体から取り外され得る)ことが理解され得る。
【0061】
図10は、別の例示的な医療用デバイス200を示す。医療用デバイス200は、本明細書に開示される他の医療用デバイスと同様であってもよい。例えば、医療用デバイス200は、キャップ220の外面上に配置される止血クリップ218を含んでもよく、それによって、キャップ220は、シャフト214の遠位端領域上に配置される。いくつかの例では、シャフト214は、内視鏡、腹腔鏡、カテーテル、ガイドチューブなどを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、医療用デバイス200の遠位端を、病変などの標的組織に隣接する位置まで体腔の一部内で前進させることができると同時に、医療用デバイスシステム200の近位端を、体腔から出て体外の位置まで延在させることができる。
【0062】
図10に示すように、1つ以上のルーメン236は、シャフト214を通って、その近位端領域からその遠位端領域まで延在し得る。いくつかの実施例では、1つ以上のルーメン236は、医療用デバイス200の「作業チャネル」と称され得る。作業チャネルは、様々な医療用デバイスがそこを通過することを可能にするように設計されてもよい。例えば、臨床医は、所与の医療処置の過程にわたって、作業チャネル236を通って様々な医療用デバイスを通過又は交換してもよい。作業チャネル236内を通過した複数の医療用デバイスは、組織標的部位を治療するために利用されてもよい。参照番号236が、作業チャネルを示し得る一方、他の参照番号が、シャフト214の追加の作業チャネルを示し得るか、又は、シャフト214(例えば、内視鏡)の他の特徴(例えば、LEDライト、ウォータージェット、カメラ等)を示し得ることがさらに理解され得る。
【0063】
シャフト214の近位端領域は、(上述の制御部材12と同様の)制御部材に連結され得ることがさらに理解され得る。制御部材12は、シャフト214の並進を制御するためのグリップとして利用されてもよい。さらに、制御部材はまた、ユーザがシャフト214を回転させることを可能にしてもよい。制御部材は、シャフト214の遠位端領域を標的組織に隣接する位置に前進させて、医療処置を行うために、臨床医によって利用されてもよい。加えて、上述したように、制御部材12は、臨床医が、医療用デバイス200の他の特徴的構成要素に加えてシャフト214を操作することを可能にする、1つ以上のアクチュエータ(例えば、ノブ13)、歯車、レバー等を含んでもよい。
【0064】
上述したように、図10に示す医療用デバイス200は、シャフト214(例えば、内視鏡)の遠位端領域上に配置されたキャップ220上に配置した止血クリップ218(例えば、欠損部閉鎖デバイス)を含んでもよい。図10に示される例などのいくつかの例では、止血クリップ218は、キャップ220の外面に沿って配置され得る。このタイプの止血クリップは、クリップ218がキャップ220(例えば、内視鏡)又は他の同様の医療用デバイスの外面上に配置されるので、「オーバー・ザ・スコープ」クリップと呼ばれてもよい。
【0065】
加えて、図10は、止血クリップ218が、上側ジョー224の下側ジョー222に対する連結部を含み得ることをさらに示す。加えて、図10は、上側ジョー224が1つ以上の歯230を含んでもよく、下側ジョーが1つ以上の歯228を含んでもよいことを示す。いくつかの例では、下側ジョー222の歯228は、上側ジョー224の歯230のうちの2つの間の間隙の中に延在してもよい(例えば、間に入れ子になってもよい)。
【0066】
図10は、医療用デバイス200が、溶接連結部264において止血クリップ218の上側ジョー224に連結された引張部材232を含むことができることをさらに示す。上述の医療用デバイス10と同様に、引張部材232は、止血クリップ218を第1の位置(例えば、閉鎖位置)と第2の位置(例えば、開放位置)との間で作動させるために利用されてもよい。例えば、引張部材232を遠位から近位方向に後退させることにより、上側ジョー224を引っ張り、それによって、下側ジョー222に対して上側ジョー224を回転させ得る。
【0067】
いくつかの例では、下側ジョー222は、上側ジョー224に対して相対的に固定されてもよい。例えば、図11は、引張部材232が遠位から近位方向に後退させられるときに、上側ジョー224が、キャップ220の外面から離間するように延在する第1の突出部226及び第2の突出部227に対して枢動し得ると同時に、下側ジョー222は、上側ジョー224に対して固定された位置に留まることを示す。
【0068】
図11に示すように、引張部材232が(例えば、制御部材12の操作を介して)遠位から近位方向に後退させられると、上側ジョー224は、下側ジョー222から離れるように回転してもよく、それによって、上側ジョー224の歯230を下側ジョー222の歯228から分離する。この構成では、医療用デバイス200は、組織標的部位に向かって前進させられてもよく、それによって、標的組織は、上側ジョー224の歯230と下側ジョー222の歯228との間に配置される。標的組織が上側ジョー224と下側ジョー222との間に配置されると、引張部材232は、解放されてもよく(それによって、上側ジョー224に付与された収縮力を解放する)、それは、上側ジョー224が下側ジョー222に対して近づくことを可能にし、それによって、歯230と歯228との間に標的組織を捕捉する。上述のように、止血クリップ218は、所望の量の組織が捕捉されるまで、組織を把持及び再把持するように繰り返し作動されてもよい。
【0069】
いくつかの例(図10~11に示す例示的な医療用デバイスなど)では、止血クリップ218は、連結部材266及び解放部材268を介してキャップ220(従って、シャフト214)に連結されてもよい。さらに、上述の医療用デバイス10と同様に、標的組織が止血クリップ218によって捕捉された後(上述のように)、シャフト214、キャップ220(連結部材266及び解放部材268を含む)、及び引張部材232は、止血クリップ218から分離され(例えば、後退させられ、解放される等)、身体から取り外されてもよい。止血クリップ218は、体内に留まり、標的組織部位に取り付けられてもよい。
【0070】
図12~15は、止血クリップ218に対する連結部材266及び解放部材268の取付け及び操作を示す。
図12は、上述したようにキャップ220から解放された止血クリップ218を示す。図12は、止血クリップ218が、止血クリップ218の底面に沿って配置されたスロット272を含み得ることをさらに示す。例えば、図12は、スロット272が止血クリップ218の下側ジョー222の一部分内に形成され得ることを示す。
【0071】
さらに、図12は、キャップ220が、開口部274を規定するために突出部270(例えば、レール、スタビライザ、棚、レッジなど)から離間して配置された連結部材266を含み得ることを示す。いくつかの例では、突出部270は、連結部材266と垂直に整列されてもよく(例えば、突出部270は、連結部材266の上に垂直に配置される)、それによって、突出部270の形状は、連結部材266の形状を実質的に反映することが理解され得る。しかし、これは限定を意図するものではない。むしろ、突出部270及び連結部材266は、互いに異なる形状であってもよいことが想定される。
【0072】
突出部270及び連結部材266の形状は、止血クリップ218のスロット272の形状に嵌合するように構成され得ることがさらに理解され得る。言い換えると、突出部270及び連結部材266の形状は、突出部270及び連結部材266が止血クリップ218上で摺動され得るように設計されてもよく、それによって、スロット272を規定する止血クリップ218の壁が、突出部270と連結部材266との間に規定される開口部274に挿入され得る。言い換えると、スロット272を規定する止血クリップ218の一部分は、突出部270と連結部材266との間に挟まれ、それによって止血クリップ218をキャップ220に取り外し可能に取り付けることができる。
【0073】
いくつかの例では、突出部270及び連結部材266の両方が、キャップ220に固定して取り付けられ得ることが理解され得る。言い換えれば、いくつかの例では、突出部270及び連結部材266の両方が、キャップ220に対して移動(例えば、シフト、並進など)しないようにキャップ220に固定されてもよい。この構成では、突出部270と連結部材266との組み合わせは、スロット272に挿入され(図12の参照番号276によって示される)、そこから後退され得る固定された開口部274を規定し、それによって、キャップ220を止血クリップ218に取り外し可能に取り付ける。
【0074】
しかし、他の例では、連結部材266は、固定された突出部270及びキャップ220に対して並進(例えば、摺動、シフト、移動等)するように設計されてもよい。この構成では、連結部材266の並進により、キャップ220を第1の「ロック」構成(それによって、連結部材266が突出部270に対して並進するまで、キャップ220が止血クリップ218から取り外されることが防止される)から第2の「ロック解除」(例えば、解放)構成(それによって、連結部材266が突出部270に対して並進した後、キャップ220が止血クリップ218から取り外されることが可能になる)に「解放」することができる。
【0075】
連結部材266の並進は、解放部材268の遠位から近位への後退によって達成され得ることが理解され得る。例えば、図13は、連結部材266を突出部270に対して遠位から近位方向に並進させるための解放部材268の遠位から近位への後退を示す。上述したように、連結部材266の遠位から近位への後退により、連結部材266を止血クリップ218から解放し(例えば、連結部材266をロック構成からロック解除構成にシフトさせ)、それによってキャップ220を近位に後退させて止血クリップ218から取り外すことを可能にする。
【0076】
図14、15は、上述した連結部材266の遠位から近位への並進を示す。例えば、図は、キャップ220の底側を示し、それによって、連結部材266は、突出部270に対して遠位に完全に並進される(突出部270は、図14では、連結部材266によって隠されることに留意されたい)。この構成では、連結部材266は止血クリップ218にロックされてもよい(明確にするために、止血クリップは図14、15には示されていない)。図14は、連結部材266が、キャップ220の底部に沿って配置された第1の長手方向のレール280及び第2の長手方向のレール282内で並進し得ることをさらに示す。
【0077】
図15は、(上述したように、解放部材268の遠位から近位への後退を介した)連結部材266の遠位から近位への並進を示す。図15は、第1の長手方向のレール280及び第2の長手方向のレール282に沿った連結部材266の遠位から近位への並進により、連結部材266をロック構成からロック解除構成にシフトさせ、それによって、上述のように、連結部材266が止血クリップ218から解放されることを可能にし得ることを示す。図15に示すように、連結部材266の遠位から近位への並進により、連結部材266の上に配置された固定された突出部270を露出させる。
【0078】
本明細書に開示される医療用デバイス10及び様々な他の医療用デバイスの様々な構成要素のために使用され得る材料は、金属、金属合金、ポリマー(そのいくつかの例が以下に開示される)、金属-ポリマー複合材料、セラミック、それらの組み合わせ等、又は他の好適な材料から作製されてもよい。好適なポリマーのいくつかの例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリオキシメチレン(POM、例えば、DuPontから入手可能なDELRIN(登録商標))、ポリエーテルブロックエステル、ポリウレタン(例えば、Polyurethane 85A)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエーテルエステル(例えば、DSM Engineering Plasticsから入手可能なARNITEL(登録商標))、エーテル又はエステル系コポリマー(例えば、ブチレン/ポリ(アルキレンエーテル)フタレート及び/又はDuPontから入手可能なHYTREL(登録商標)等の他のポリエステルエラストマー)、ポリアミド(例えば、Bayerから入手可能なDURETHAN(登録商標)又はElf Atochemから入手可能なCRISTAMID(登録商標))、エラストマーポリアミド、ブロックポリアミド/エーテル、ポリエーテルブロックアミド(PEBA、例えば、PEBAX(登録商標)の商品名で入手可能)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、シリコーン、ポリエチレン(PE)、Marlex高密度ポリエチレン、Marlex低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン(例えば、REXELL(登録商標))、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(例えば、KEVLAR(登録商標))、ポリスルフォン、ナイロン、ナイロン-12(例えば、EMS American Grilonから入手可能なGRILAMID(登録商標))、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PFA)、エチレンビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリスチレン、エポキシ、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリ(スチレン-b-イソブチレン-b-スチレン)(例えば、SIBS及び/又はSIBS 50A)、ポリカーボネート、アイオノマー、生体適合性ポリマー、他の適切な材料、又はその混合物、組み合わせ、コポリマー、及びポリマー/金属複合体等を含み得る。いくつかの実施形態では、シースは、液晶ポリマー(LCP)と混合されてもよい。例えば、混合物は最大約6%までのLCPを含有することができる。
【0079】
適切な金属及び合金のいくつかの例は、304V、304L、及び316LVステンレススチール等のステンレススチール、軟鋼、線形弾性及び/又は超弾性ニチノールなどのニッケル-チタン合金、ニッケル-クロム-モリブデン合金などの他のニッケル合金(例えば、INCONEL(登録商標)625などのUNS:N06625、HASTELLOY(登録商標)C-22(登録商標)等のUNS:N06022、HASTELLOY(登録商標)C276(登録商標)などのUNS:N10276、及び他のHASTELLOY(登録商標)合金など)、ニッケル-銅合金(例えば、MONEL(登録商標)400、NICKELVAC(登録商標)400、及びNICORROS(登録商標)400などのUNS:N04400)、ニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、MP35-N(登録商標)等のUNS:R30035など)、ニッケル-モリブデン合金(例えば、HASTELLOY(登録商標)ALLOY B2(登録商標)等のUNS:N10665)、他のニッケル-クロム合金、他のニッケル-モリブデン合金、他のニッケル-コバルト合金、他のニッケル-鉄合金、他のニッケル-銅合金、及び他のニッケル-タングステン又はタングステン合金等、コバルト-クロム合金、コバルト-クロム-モリブデン合金(例えば、ELGILOY(登録商標)、及びPHYNOX(登録商標)等のUNS:R30003)、白金強化ステンレススチール、チタン、及びこれらの組み合わせ等、又は任意の他の適切な材料を含む。
【0080】
少なくともいくつかの実施形態では、医療用デバイス10及び本明細書に開示される様々な他の医療用デバイスの一部又は全部はまた、放射線不透過性材料でドープされてもよく、放射線不透過性材料製でもよく、又は放射線不透過性材料を含んでもよい。放射線不透過性材料は、医療処置中に蛍光透視スクリーン又は別の撮像技術で比較的明るい画像を生成することができる材料であると理解される。この比較的明るい画像は、医療用デバイス10及び本明細書に開示される様々な他の医療用デバイスのユーザがその場所を決定することに役立つ。放射線不透過性材料のいくつかの例は、限定されないが、金、白金、パラジウム、タンタル、タングステン合金、放射線不透過性充填材が充填されたポリマー材料等を含み得る。さらに、他の放射線不透過性マーカーバンド及び/又はコイルもまた、同じ結果を達成するために、医療用デバイス10及び本明細書中に開示される様々な他の医療用デバイスの設計に組み込まれ得る。
【0081】
本開示が、多くの態様において例示的なものにすぎないことは理解されるべきである。本開示の範囲を逸脱することなく、詳細に、特に形状、大きさ、及び工程の配置に関して変更され得る。これは、適切な範囲で、他の実施形態に使用されている一つの例示的な実施形態の特徴のいずれかの使用を含み得る。本開示の範囲は、当然ながら、添付の特許請求の範囲が表現される言語で定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端領域の前記外面に連結され、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成される止血クリップと、
前記止血クリップに連結される引張部材とを備える医療用デバイスであって、
前記引張部材の作動により、前記止血クリップを前記開放位置と前記閉鎖位置との間でシフトさせる、医療用デバイス。
【請求項2】
前記止血クリップが、下側ジョーに対して枢動可能である上側ジョーを含み、前記引張部材が、前記上側ジョーの一部分に連結される、請求項1に記載の医療用デバイス。
【請求項3】
前記上側ジョーが開口部を含み、前記引張部材が前記開口部を通って延在する、請求項2に記載の医療用デバイスシステム。
【請求項4】
剪断部材をさらに備え、前記剪断部材が、前記上側ジョー、前記引張部材、又は前記上側ジョー及び前記引張部材の両方に連結される、請求項3に記載の医療用デバイス。
【請求項5】
前記剪断部材が、溶接連結部において前記引張部材に連結され、前記剪断部材を前記引張部材に対して移動させることにより、前記溶接連結部を切断して、前記引張部材を前記剪断部材から分離する、請求項4に記載の医療用デバイス。
【請求項6】
リベットが前記剪断部材を前記引張部材に連結し、前記剪断部材を前記引張部材に対して移動させることにより、前記リベットを切断して前記引張部材を前記剪断部材から分離する、請求項4に記載の医療用デバイス。
【請求項7】
前記上側ジョーが前記下側ジョーに対して枢動されるとき、前記下側ジョーが、前記上側ジョーに対して固定された位置に保持される、請求項2~6のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項8】
前記シャフトの前記遠位端領域に沿って配置されたキャップをさらに備え、前記止血クリップが、前記キャップの外面に取り外し可能に取り付けられる、請求項1~のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項9】
前記キャップが第1の突出部を含み、前記止血クリップが、前記第1の突出部に係合するように構成された湾曲部分を含む、請求項8に記載の医療用デバイス。
【請求項10】
剪断部材の一部分が、第1の突出部の一部分に係合する、請求項4~のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項11】
キャップが、第1の位置から第2の位置に並進するように構成された連結部材を含み、前記連結部材を前記第1の位置から前記第2の位置にシフトすることにより、前記止血クリップを前記キャップから解放する、請求項9に記載の医療用デバイス。
【請求項12】
連結部材に連結された解放部材をさらに備え、前記解放部材を後退させることにより、前記連結部材を第1の位置から第2の位置に並進させる、請求項1~のいずれか一項に記載の医療用デバイス。
【請求項13】
ハンドルと、
前記ハンドルに連結され、近位端領域と、遠位端領域と、外面とを有するシャフトと、
前記シャフトの前記遠位端領域に沿って配置されたキャップと、
前記キャップの外面に取り外し可能に取り付けられ、開放位置と閉鎖位置との間でシフトするように構成された止血クリップと、
前記止血クリップに連結された引張部材とを備え、
前記引張部材の作動により、前記止血クリップが前記開放位置と前記閉鎖位置との間でシフトする、内視鏡。
【請求項14】
前記止血クリップが、下側ジョーに対して枢動可能な上側ジョーを含み、前記引張部材が、前記上側ジョーの一部分に連結される、請求項13に記載の医療用デバイス。
【請求項15】
前記上側ジョーが開口部を含み、前記引張部材が前記開口部を通って延在する、請求項14に記載の医療用デバイスシステム。
【国際調査報告】