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特表2024-513498多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素を含むノズル、並びに関連の組立体及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素を含むノズル、並びに関連の組立体及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/209 20170101AFI20240315BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240315BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20240315BHJP
【FI】
B29C64/209
B33Y30/00
B29C64/118
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562179
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022023363
(87)【国際公開番号】W WO2022216631
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,708
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501328511
【氏名又は名称】ユー.エス.シンセティック コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ハリス
(72)【発明者】
【氏名】クロケット、ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー、ジャレット
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、スコット
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AJ01
4F213AR12
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL74
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
実施例が、3次元印刷のためのノズル、並びに、関連のノズル組立体及び方法を対象とする。例示のノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの底面と、頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つのノズル側面と、を有する。ノズルが、導管を画定する少なくとも1つの導管面をさらに有する。導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド「PCD」、多結晶立方晶窒化ホウ素「PcBN」、又は他の適切な超硬材料、のうちの少なくとも1つを含む。ノズルが、ノズル組立体を形成するために基部に取り付けられ得る。ノズルが、ノズルに対して基部を変形させること、ノズルを基部に(直接に又は間接的に)ねじ式に取り付けること、又は、基部によって画定された通路の中に中空ホロー・スリーブを圧入すること、のうちの少なくとも1つにより、基部に取り付けられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元印刷のためのノズル組立体であって、前記ノズル組立体が、
凹部及び前記凹部から基部の外側部分まで延在する通路を画定する基部と、
前記凹部内に配設されたノズルであって、前記ノズルが、
オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面、
開口部を画定する、前記頂面の反対側にある少なくとも1つの底面、
前記少なくとも1つの頂面から又はその近くから前記少なくとも1つの底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つの側面、及び
導管を画定する少なくとも1つの導管面であって、前記少なくとも1つの導管面が前記オリフィスから前記開口部まで延在し、前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含み、前記ノズルの前記導管が、前記凹部内に前記ノズルが配設されるとき、前記通路に流体連通される、少なくとも1つの導管面
を備える、ノズルと、
を備え、
前記ノズルが、
前記基部の一部分を変形させること、
前記ノズルを前記基部にねじ式に取り付けること、又は
中空スリーブを前記通路の中に圧入すること、
のうちの少なくとも1つにより前記凹部に固定される、ノズル組立体。
【請求項2】
前記ノズルが多結晶ダイヤモンドを含む、請求項1に記載のノズル組立体。
【請求項3】
前記ノズルが、前記少なくとも1つの底面から延在する少なくとも底部突出部を有する、請求項1に記載のノズル組立体。
【請求項4】
前記ノズルが、前記少なくとも1つの側面から延在する少なくとも1つの側方突出部を有する、請求項1に記載のノズル組立体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの側方突出部が、前記少なくとも1つの頂面の方に向かって湾曲するフック状の形状を画定する、請求項4に記載のノズル組立体。
【請求項6】
前記ノズルがスエージ加工により前記凹部に固定される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のノズル組立体。
【請求項7】
前記ノズルが、前記ノズルを前記基部にねじ式に取り付けることにより、前記凹部に固定される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のノズル組立体。
【請求項8】
前記ノズルに取り付けられた中間ボディをさらに備え、前記中間ボディが前記基部に直接にねじ式に取り付けられるように構成される、請求項7に記載のノズル組立体。
【請求項9】
前記ノズルが、前記中空スリーブを前記通路の中に圧入することにより前記凹部に固定される、請求項1から5までのいずれか一項に記載のノズル組立体。
【請求項10】
前記通路が、前記通路内で前記ノズルを実質的に移動させないようにするのに十分の大きさである寸法を呈し、前記中空スリーブが、そこを通して前記ノズルが移動するのを可能にしないようにするのに十分な小ささである寸法を呈するチャンネルを画定する、請求項9に記載のノズル組立体。
【請求項11】
前記少なくとも1つの頂面が一定の距離で前記基部から延在し、前記ノズルの最大距離に対しての、前記基部から延在する前記少なくとも1つの頂面の距離の比が、約0.5から約0.9である、請求項1から5までのいずれか一項に記載のノズル組立体。
【請求項12】
3次元印刷のためのノズルであって、前記ノズルが、
オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面と、
開口部を画定する、前記頂面の反対側にある少なくとも1つの底面と、
前記少なくとも1つの頂面から又はその近くから前記少なくとも1つの底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つの側面と、
導管を画定する少なくとも1つの導管面であって、前記少なくとも1つの導管面が前記オリフィスから前記開口部まで延在し、前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含む、少なくとも1つの導管面と、
前記少なくとも1つの底面又は前記少なくとも1つの側面の少なくとも一方から延在する少なくとも1つの突出部と、
を備える、ノズル。
【請求項13】
前記少なくとも1つの突出部が環状突出部を画定する、請求項12に記載のノズル。
【請求項14】
少なくとも1つの密閉構造部が、前記少なくとも1つの底面から延在する前記少なくとも1つの突出部を含む、請求項12又は13に記載のノズル。
【請求項15】
前記少なくとも1つの密閉構造部が、前記少なくとも1つの側面から延在する前記少なくとも1つの突出部を含む、請求項14に記載のノズル。
【請求項16】
前記少なくとも1つの突出部が、前記少なくとも1つの頂面に向かって湾曲しているフック状の形状を形成する、請求項14に記載のノズル。
【請求項17】
3次元印刷のためのノズル組立体を形成するためにノズルを基部に取り付ける方法であって、前記方法が、
凹部及び前記凹部から基部の外側部分まで延在する通路を画定する基部を提供するステップであって、前記基部が、前記基部の残りの部分から延在する少なくとも1つの壁を有し、前記少なくとも1つの壁が前記凹部の一部分を画定する、基部を提供するステップと、
前記ノズルを前記凹部内に配設するステップであって、前記ノズルが、
オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面、
開口部を画定する、前記頂面の反対側にある少なくとも1つの底面、
少なくとも1つの側面、及び
導管を画定する少なくとも1つの導管面であって、前記少なくとも1つの導管面が前記オリフィスから前記開口部まで延在し、前記少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含み、前記ノズルの前記導管が、前記凹部内に前記ノズルが配設されるとき、前記通路に流体連通されるように構成される、少なくとも1つの導管面
を備える、配設するステップと、
前記基部の前記少なくとも1つの壁を変形させるステップであって、前記変形させるステップが前記ノズルを前記基部に取り付ける、変形させるステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記底面から延在する少なくとも1つの底部突出部又は前記少なくとも1つの側面から延在する少なくとも1つの側方突出部の少なくとも一方を有するように前記ノズルを選定するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ノズルを前記凹部内に配設するステップの前に少なくとも1つの可鍛性材料を前記凹部の中に配設するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの壁を変形させるステップが、
前記少なくとも1つの壁が第1の先細形状を呈することになるように第1のモールドに対して前記少なくとも1つの壁を押圧するステップと、
前記第1のモールドに対して前記少なくとも1つの壁を押圧するステップの後で、前記少なくとも1つの壁が第2の先細形状を呈することになるように第2のモールドに対して前記少なくとも1つの壁を押圧するステップであって、前記少なくとも1つの壁の前記第2の先細形状が前記少なくとも1つの壁の前記第1の先細形状より垂直ではない、第2のモールドに対して前記少なくとも1つの壁を押圧するステップと、
を含む、
請求項17から19までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月7日に出願した「NOZZLES INCLUDING POLYCRYSTALLINE DIAMOND OR POLYCRYSTALLINE CUBIC BORON NITRIDE」と題される米国仮特許出願第63/171,708号の出願日の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
3次元(「3D」)印刷は、材料の第1の層をノズルからプラットフォームの上に計量分配することを含む方法である。加えて、3次元物体が形成されるまで、材料の層がノズルから第1の及び次の層の上に計量分配され得る。しかし、従来のノズル及びこのようなノズルを有する従来のノズル組立体には、計量分配される材料が不適切にリークすること及びノズルが過度に摩耗することなどのいくつかの問題が存在する。したがって、新しい改善されたノズル及びこのようなノズルを有するノズル組立体が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮特許出願第63/171,718号
【特許文献2】米国特許第6,338,754号
【特許文献3】米国特許第8,236,074号
【特許文献4】米国特許出願第16/084,469号
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】G.Rousse、S.Klotz、A.M.Saitta、J.Rodriguez-Carvajal、M.I.McMahon、B.Couzine、及びM.Mezouar、「Structure of the Intermediate Phase of PbTe at High Pressure」、Physical Review B:Condensed Matter and Materials Physics、71、224116(2005年)
【非特許文献2】D.L.Decker、W.A.Bassett、L.Merrill、H.T.Hall、及びJ.D.Barnett、「High-Pressure Calibration: A Critical Review」、J.Phys.Chem.Ref.Data、1、3(1972年)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施例では、3D印刷のためのノズル組立体が開示される。ノズル組立体が、凹部及び凹部から基部の外側部分まで延在する通路を画定する基部を有することができる。ノズル組立体が、凹部内に配設されたノズルを有することができる。ノズルが、オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面、開口部を画定する、頂面の反対側にある少なくとも1つの底面、少なくとも1つの頂面から又はその近くから少なくとも1つの底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つの側面、及び導管を画定する少なくとも1つの導管面を有することができる。少なくとも1つの導管面がオリフィスから開口部まで延在する。任選選択で、少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含む。ノズルの導管が、凹部内にノズルが配設されるとき、通路に流体連通される。ノズルが凹部に固定され得る(例えば、基部の一部分を変形させること、ノズルを基部にねじ式に取り付けること、又は中空スリーブを通路の中に圧入すること、のうちの少なくとも1つにより)。
【0006】
実施例では、3D印刷のためのノズルが開示される。ノズルが、オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面と、開口部を画定する、頂面の反対側にある少なくとも1つの底面と、少なくとも1つの頂面から又はその近くから少なくとも底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つの側面と、導管を画定する少なくとも1つの導管面と、を有することができる。少なくとも1つの導管面が、オリフィスから又はその近くから開口部まで又はその近くまで延在する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素のうちの少なくとも一方を含む。ノズルが、少なくとも1つの底面又は少なくとも1つの側面の少なくとも一方から延在する少なくとも1つの突出部を有することができる。
【0007】
いくつかの実施例が、ノズル及びノズル組立体を形成すること及び/又は使用することの方法を含むことができる。
【0008】
実施例では、3D印刷のためのノズル組立体を形成するためにノズルを基部に取り付ける方法が開示される。本方法が、凹部及び凹部から基部の外側部分まで延在する通路を画定する基部を提供することを含む。基部が、基部の残りの部分から延在する少なくとも1つの壁を有する。少なくとも1つの壁が凹部の一部分を画定する。本方法が、ノズルを凹部内に配設することをさらに含む。ノズルが、オリフィスを画定する少なくとも1つの頂面、開口部を画定する、頂面の反対側にある少なくとも1つの底面、少なくとも1つの側面、及び導管を画定する少なくとも1つの導管面を有する。少なくとも1つの導管面が、オリフィスから又はその近くから開口部まで又はその近くまで延在する。いくつかの実施例では、少なくとも1つの導管の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド又は多結晶立方晶窒化ホウ素の少なくとも一方を含む。ノズルの導管が、凹部内にノズルが配設されるとき、通路に流体連通される。本方法が、少なくとも1つの壁を変形させることをさらに含むことができる。少なくとも1つの壁を変形させることが、ノズルを基部に取り付ける。
【0009】
いくつかの実施例では、3次元印刷プロセスでノズルを使用する方法が、少なくとも1つの超硬材料を含む導管面によって画定されたノズルの導管を通して流体(例えば、印刷材料)を流すことを含むことができ、ここでは、ノズルが基部部分に堅固に固定される。
【0010】
開示される実施例のうちの任意の実施例からの特徴が、限定されずに、互いに組み合わせて使用され得る。加えて、以下の詳細な説明及び添付図面を考察することにより本開示の他の特徴及び利点が当業者には明らかとなろう。
【0011】
図面が本開示の複数の実施例を示しており、異なる図において又は図面に示される実施例において同一の参照符号は同一の又は同様の要素又は特徴を示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】実施例による、3D印刷用途で使用されるように構成されたノズルを示す等角図である。
図1B図1Aに示される平面1A-1Aに沿うノズルを示す断面図である。
図2】実施例による、図1A及び1Bに示されるノズルをPCDから作製するための方法の実施例を示す概略図である。
図3A】実施例による、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルを受けるように構成された基部を示す等角図である。
図3B】平面3B-3Bに沿う基部を示す概略断面図である。
図4A】実施例による、スエージ加工前の、ノズル及び基部を有するノズル組立体を示す概略断面図である。
図4B】実施例による、スエージ加工後の、ノズル及び基部を有するノズル組立体を示す概略断面図である。
図5A】実施例による、複数の段階のスエージ加工プロセスを示す概略図である。
図5B】実施例による、複数の段階のスエージ加工プロセスを示す概略図である。
図6】実施例による、リーク構造部を有するノズル組立体を示す分解等角図である。
図7】実施例による、1つ又は複数の突出部を有するノズルを示す概略断面図である。
図8】実施例による、基部にねじ式に取り付けられたノズルを有するノズル組立体を示す断面概略図である。
図9】実施例による、基部に固定されたノズルを有するノズル組立体を示す断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例が、3D印刷のためのノズル及び関連のノズル組立体、並びに、ノズル及びノズル組立体を形成する及び使用する方法を対象とする。例示のノズルが、少なくとも1つの頂面と、少なくとも1つの底面と、頂面から又はその近くから底面まで又はその近くまで延在する少なくとも1つのノズル側面と、を有する。ノズルが、導管を画定する少なくとも1つの導管面をさらに有する。いくつかの実施例では、導管面の少なくとも一部分が、多結晶ダイヤモンド(PCD:polycrystalline diamond)又は多結晶立方晶窒化ホウ素(PcBN:polycrystalline cubic boron nitride)の少なくとも一方を含むことができるか又はこれらの少なくとも一方から形成され得る。ノズルが、ノズル組立体を形成するために基部に取り付けられ得る。ノズルが、基部に取り付けられ得る(例えば、基部をノズルの一部分の周りでスエージ加工すること、ノズルを基部にねじ式に取り付けること(直接に又は間接的に)、基部によって画定された通路の中に中空ホロー・スリーブを圧入すること、又は、ノズルを基部に取り付けるための任意適切な他の手法、のうちの少なくとも1つにより)。
【0014】
ノズル及び基部を有するノズル組立体がプリンティング・デバイスに取り付けられ得る。プリンティング・デバイスが、ノズル組立体を受けるように及び3D印刷を実施するように構成された任意のデバイスを有することができる。例えば、プリンティング・デバイスが、印刷済み材料を中に有するように構成されたプラットフォームと、プラットフォームの上方でノズル組立体を支持するように構成された支持体と、を有することができる。プラットフォーム又は支持体の少なくとも一方が互いに対して移動するように構成される。使用中、プリンティング・デバイスが印刷材料をノズル組立体に提供することができる。印刷材料が、少なくとも1つのポリマー、少なくとも1つの金属、少なくとも1つのセラミック、又はこれらの組み合わせを含むことができる。印刷材料がノズル組立体を通って(例えば、基部及びノズルを通って)流れることができ、印刷済み材料を形成するためにプラットフォームの上に計量分配され得る。本明細書で使用される場合の「印刷材料」は、プリンティング・デバイスによってノズル組立体に提供されてノズル組立体を通って流れる材料(例えば、流体又は別の流動可能材料)を意味し、対して「印刷済み材料」は、ノズルから計量分配された材料を意味する。
【0015】
3D印刷で一般に使用されるノズルは、鋼鉄、真鍮、又は他の非超硬材料(例えば、炭化タングステンより低い硬さを呈する材料)から形成される。このような材料は、そこを通って流れる印刷材料がポリカーボネート又は他のポリマーなどの非摩耗性である場合に、十分となり得る。しかし、非超硬材料から形成されるノズルは、印刷材料が摩耗性である場合に(例えば、真鍮又は鋼鉄の硬さより高いか又はそれと少なくとも同等である硬さを呈する粒子を含む)、迅速に摩耗する可能性があり、短い寿命を呈する可能性がある。摩耗性印刷材料(abrasive printing material)の例は、中に配設された1つ又は複数の粒子(例えば、セラミック粒子、金属粒子、炭素繊維、繊維ガラス、フォスフォレセント、木材、ダイヤモンドなど)を有するポリマー、セラミック、金属、複合材、又はこれらの組み合わせを含む。摩耗性印刷材料は、プラスチック添加物製造プロセス、指向性エネルギー堆積3D印刷プロセス、又は他の印刷プロセスで使用され得る。
【0016】
実施例では、ノズルの導管面の少なくとも一部分が、PCB、PcBN、炭化タングステンと等しいか又はそれより高い硬さを呈する別の超硬材料、及び/又は、上記のうちの任意の組み合わせを含むことができる(又は、それらから形成され得る)。PCD及び/又はPcBNを含むこのようなノズルはより摩擦を抑えて摩耗性印刷材料をそこに印刷することが可能であり得、及び/又は、摩耗性印刷材料と共に使用される場合に満足できる寿命を呈することができる。しかし、PCD及びPcBNの高いコスト及び製造限界により、本明細書で開示されるノズルがノズル組立体を形成するために基部に設置され得る。
【0017】
ノズル組立体を形成するために本明細書で開示されるノズルを基部に取り付けることが困難である可能性がある。例えば、ノズル、及び、基部の少なくとも一部分が、印刷材料を融解させること又は他には印刷材料の粘度を制御することと併せて、高い温度(例えば、200℃より高いか又は300℃より高い温度)まで加熱され得る。高い温度は基部に対してノズルがはんだ付けされるのを防止する可能性がある。その理由は、ノズルをそこまで加熱する高い温度によりはんだが軟化するか又は融解する可能性があるからである。さらに、PCD材料は熱劣化を呈する可能性があり、特にはPCDが金属溶媒触媒を含む場合に、非常に高い温度まで加熱されると(例えば、700℃を超える温度)、ノズルを基部にろう付けする能力が制限される。後でより詳細に考察するように、本明細書では、本明細書で開示されるノズルを基部に取り付けるのに使用され得る複数の異なる取り付け機構が提供される。
【0018】
本明細書で使用される場合の「第1」、「第2」、「頂部」、「底部」などの関係を示す用語は、一般に、明瞭さのために、並びに、本開示及び添付図面を理解する際の便宜さのために、使用されるものであり、文脈により明確に示されない限り、任意の特定の優先傾向、向き、又は順序を含意したり又はこれらに依存したりしない。
【0019】
本明細書で使用される場合の「及び/又は」という用語は、関連付けられた列記されるアイテムのうちの1つ又は複数のアイテムの任意の及びすべての組み合わせを意味して含む。
【0020】
本明細書で使用される場合の「垂直」、「上側」、「下側」、及び「側方」という用語は、図に描かれる向きを意味する。
【0021】
いくつかの実施例では、1つ又は複数の材料又は要素を変形させることが、弾性変形及び/又は塑性変形を介して実施され得る(例えば、実質的に可逆である及び/又は実質的に不可逆である変形)。例えば、基部又はノズルの部分のうちの1つ又は複数の部分が、ノズルを基部に取り付けるために変形され得る(例えば、塑性変形され得る)。
【0022】
図1Aは、実施例による、3D印刷用途で使用されるように構成されたノズル100の等角図である。図1Bは、図1Aに示される平面1A-1Aに沿うノズル100の断面図である。ノズル100が、少なくとも1つの頂面102と、頂面102の反対側にある少なくとも1つの底面104と、頂面102から又はその近くから底面104まで又はその近くまで延在する少なくとも1つのノズル側面106と、を有する。頂面102がオリフィス108を画定することができ、底面104が開口部110を画定することができる。ノズル100が、オリフィス108から又はオリフィス108の近くの場所から開口部110まで又は開口部110の近くまで延在する少なくとも1つの導管面112をさらに有することができる。導管面112が、オリフィス108から開口部110まで延在する導管114を画定する。使用中、印刷材料が開口部110を通って導管114に入り、導管114を通って流れ(例えば、開口部110からオリフィス108まで)、ノズル100からオリフィス108を通って計量分配される。
【0023】
既に考察したように、ノズルの頂面102がオリフィス108を画定する。オリフィス108が、約0.25mm、約0.4mm、約0.6mm、約0.8mm、約1.0mm、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.4mm以上、約0.6mm以上、約0.8mm以上、約1mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約3mm以下、約2mm以下、約1mm以下、約0.75mm以下、約0.5mm以下、或いは、約0.1mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、約0.8mmから約1mm、約0.9mmから約1.5mm、約1mmから約2mm、又は約1.5mmから約3mmの範囲である最大横寸法(例えば、直径)を呈することができる。オリフィス108の最大横寸法が、印刷済み材料の達成可能な解像度、及び、ノズル100により印刷材料を計量分配することが可能であるレートに影響を与えることができる。例えば、オリフィス108の最大横寸法を増大させることにより、ノズル100により印刷材料を計量分配することが可能であるレートを上げることができるが、印刷済み材料の精度を低下させる可能性がある。実施例では、示されるように、オリフィス108が概略円形状を呈することができ、このような実施例では、最大横寸法が概略円形状の直径である。実施例では、オリフィス108が、概略縦長形状、多角形形状、楕円形状、長方形形状、六角形形状、又は星形形状などの、概略非円形形状を呈することができる。
【0024】
頂面102が、約0.075mm以上、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.5mm以上、約0.7mm以上、約1mm以上、約1.25mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、或いは、約0.075mmから約0.2mm、約0.1mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.7mm、約0.6mmから約0.8mm、約0.7mmから約0.9mm、約1mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約3mm、又は約2mmから約4mmの範囲である表面積を呈することができる。実例では、頂面102の表面積がオリフィス108の最大横寸法に基づいて選定され得る。その理由は、オリフィス108の最大横寸法を増大させることにより頂面102の表面積を増大させることになり得るからである。実例では、頂面102の表面積が、使用中に頂面102が印刷済み材料に接触する可能性を低下させるために、及び/又は、印刷済み材料に接触する頂面102の悪影響(例えば、不鮮明化(smudging)、ドラッギング、又は平坦化)を低減するために、比較的小さくなるように選定され得る。
【0025】
実施例では、図1A及び1Bに示されるように、頂面102が概略平坦であってよい。示されない実施例では、頂面102の少なくとも一部分が、湾曲又は先細などの非平坦であってもよい。少なくとも部分的に湾曲又は先細である頂面102は、使用中に頂面102が印刷済み材料に接触する可能性を低下させることができる。例えば、ノズル組立体が、印刷済み材料に対して垂直に延在しない可能性もある。印刷済み材料に対してのノズル組立体の非垂直角度により、頂面102の湾曲部分又は先細部分が、頂面102が平坦である場合には突出するか又は印刷材料に接触する可能性の高い頂面102の一部分が印刷済み材料に接触することを防止することができる。非平坦頂面を有するノズルの例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている、2021年4月7日に出願した米国仮特許出願第63/171,718号に開示されている。
【0026】
底面104が、基部の1つ又は複数の表面(基部接触面)に接触するように構成される。基部接触面の1つの例が、図3A及び3Bに関連して示されて説明される基部接触面342である。底面104が、基部接触面に概して対応する表面トポグラフィを呈することができる。例えば、底面104は、基部接触面も概略平坦である場合に、概略平坦なトポグラフィを呈することができる。基部接触面に概して対応する表面トポグラフィを呈するように底面104を選定することにより、底面104と基部接触面との間に存在する隙間のサイズを縮小することができる。底面104と基部接触面との間に存在する隙間が、底面104と基部接触面との間で印刷材料がリークするのを可能にし得る。底面104と基部接触面の間でリークする印刷材料は、オリフィス108以外のノズル組立体の部分から材料を排出させ得る。底面104と基部接触面との間で印刷材料がリークすることにより、さらに、印刷材料が汚染され得る。例えば、リークした印刷材料は硬化する可能性があるか、又は、その後導管114を通って流れることになる印刷材料とは組成的に異なったものとなる可能性があり、これらのいずれかが導管114を通って流れる印刷材料と混合することにより印刷上の欠陥が発生し得る。実施例では、底面104が頂面102に概して平行であってよい。
【0027】
ノズル側面106の少なくとも一部分が非垂直である可能性がある。例えば側面106がノズル100の中心軸116(例えば、頂面102の中心から底面104の中心まで延在する軸)に非平行である場合、ノズル側面106が非垂直となり得る。例えば、ノズル側面106の、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%(示されるように)、或いは、約55%から約70%の範囲、約60%から約80%の範囲、約70%から約90%の範囲、又は約80%から約100%の範囲が、非垂直である。非垂直であるノズル側面106のパーセンテージは、表面積のうちの少なくとも1つの表面積のパーセンテージ、ノズル側面106が非垂直であるところのノズル100の長さLのパーセンテージ、又は、非垂直であるノズル側面106の外側部分に沿って延在する、頂面102から底面104までの最短経路(任意の面取りを含むか又は排除する)に沿って測定される側面106の長さに関連し得る。非垂直であるノズル側面106のパーセンテージを55%超となるように選定すること及びさらには非垂直であるノズル側面106のパーセンテージを増大させることにより、ノズル100を基部に取り付けることを支援することができる。例えば、後でより詳細に考察するように、ノズル100が基部内に画定された凹部内に配置され得、基部に取り付けられ得る。凹部が、ノズル100の1つ又は複数の寸法より小さい(例えば、最大横寸法Dより小さい)凹部開口部を画定することができ(例えば、スエージ加工の後に)、それによりノズル100が凹部から離れることを防止し、ノズル100を基部に固定する。非垂直であるノズル側面106のパーセンテージを増大させることにより、凹部を画定する基部の表面によりノズル側面106のより多くの部分を接触させるのを可能にすることができ、それによりノズル100を凹部により良好に固定することができる。さらに、底面104により近いノズル100の部分などの、非垂直であるノズル100のパーセンテージを増大させることにより、図4Bに関連してより詳細に考察するように、基部から頂面102が突出することが可能となる距離が増大する。
【0028】
ノズル側面106の非垂直部分が中心軸116に対して角度φで延在することができる。角度φは、約1°から約5°、約4°から約10°、約7.5°から約15°、約10°から約20°、約15°から約25°、約20°から約30°、約25°から約35°、約30°から約40°、約35°から約45°、約40°から約50°、約45°から約55°、約50°から約60°、約55°から約65°、約60°から約70°、約65°から約75°、約70°から約80°、約75°から約82.5°、約80°から約85°、又は約84°から約89°などの、約1°から約89°となるように選定される。一般に、角度φを増大させることにより、ノズル100の最大横寸法Dをより急激に増大させることができ、それによりノズル100を強化することができる。角度φを縮小することにより、基部からノズル100の頂面102が突出する距離を増大させることができる。
【0029】
実施例では、ノズル側面106が、概略円錐形状の表面を有する。しかし、ノズル側面106は、限定しないが、複数の表面又は非円錐表面を有することもできる。実例では、ノズル側面106が複数の表面を有することができ(図7に示されるように)、ここでは、ノズル100の中心軸116に対してノズル側面106の各表面が延在する角度を多様にすることができる。中心軸116に対して複数のノズル側面の各々が延在する角度は、上で考察した角度φのいずれからもから独立して選定され得る。複数のノズル側面106がノズル100を基部に取り付けるのを支援することができ、基部の上方でノズル100の頂面102が延在することが可能である距離を増大させることができる。実例では、ノズル側面106の少なくとも一部分が、概略角柱形状、概略錐台形状、概略円筒形状、概略円錐形状(例えば、円錐台形状)、又は任意適切な他の形状を呈することができる。
【0030】
実施例では、ノズル100が、底面104からノズル側面106まで延在する面取り118を有する。面取り118が、曲線角部(例えば、約0.025mmより大きい、約0.05mmより大きい、約0.1mmより大きい、又は約0.2mmより大きい平均曲率半径を呈する曲線角部)、並びに/或いは、底面104とノズル側面106との間を延在する1つ又は複数の移行面を有することができる。面取り118が、ノズル100を基部の中に(例えば、図3A及び3Bに示される凹部340の中に)挿入するのを支援することができる。示されない実施例では、ノズル100が、頂面102からノズル側面106まで延在する面取りを有する。面取りが、曲線角部、並びに/或いは、頂面102とノズル側面106との間を延在する1つ又は複数の移行面を有することができる。頂面102とノズル側面106との間の面取りが、頂面102が印刷済み材料に接触するのを防止することができるか、又はその可能性を、少なくとも、鋭利な角部において頂面102がノズル側面106と交差する場合よりも、低下させることができる。
【0031】
ノズル100の頂面102、底面104、ノズル側面、又は任意の他の外部表面(例えば、面取り118)、のうちの少なくとも1つの少なくとも一部分が、3μm以下、約2μm以下、約1.5μm以下、約1μm以下、約750nm以下、約500nm以下、約300nm以下、約200nm以下、約100nm以下、約75nm以下、約50nm以下、約30nm以下、約15nm以下、或いは、約15nmから約50nm、約30nmから約75nm、約50nmから約100nm、約75nmから約200nm、約100nmから約300nm、約200nmから約500nm、約300nmから約750nm、約500nmから約1μm、約750nmから約1.5μm、約1μmから約2μm、約1.5μmから約3μmの二乗平均平方根(RMS:root mean square)表面粗さを呈するように研磨され得る。実例では、頂面102の少なくとも一部分のRMS表面粗さを低下させることが、頂面102の研磨部分と印刷済み材料との間の摩擦係数を低下させることができる。したがって、頂面102の研磨部分は、頂面102が印刷済み材料に接触するときにノズル100が印刷済み材料に対して移動する方向において印刷済み材料の一部分を引っ張る可能性を低下させることができる。実例では、印刷済み材料に対して頂面102の研磨部分を接触させることにより、頂面102により印刷材料に滑らかな表面を与えることができ、この滑らかな表面は、既に印刷された材料の上に印刷済み材料の次の層を付着させることに影響を与えるのに(例えば、改善するのに)使用され得、及び/又は、印刷済み材料に所望の形状を与えることができる。実例では、底面104及び/又はノズル側面106を、上で考察したRMS表面粗さのうちの任意のRMS表面粗さまで研磨することにより、これを行わない場合に形成されることになるような底面104及び/又はノズル側面106と基部との間の隙間を縮小することができる。
【0032】
既に考察したように、ノズル100が、導管114を画定する少なくとも1つの導管面112を有する。導管面112の少なくとも一部分が、概略円筒形状、概略円錐形状、又は任意適切な他の形状を形成することができる。実施例では、導管面112が2つ以上の定義可能な表面を有することができる。実例では、導管面112が、頂面102から又はその近くから延在する第1の導管面112aと、底面104から又はその近くから延在する第2の導管面112bと、を有することができる。第1の導管面112aが中心軸116に対して角度θで延在することができ、第2の導管面112bが中心軸116に対して角度αで延在することができる。角度αは角度θより大きくなるように選定され得、角度θは0°より大きくなるように選定され得る(例えば、第1の導管面112aが円筒形状を形成しない)。驚くべきこととして、このような角度θ及びαが導管114を通して印刷材料を押すのに必要である力を低下させ、初期の印刷材料から別の印刷材料へ切り替えるときに初期の印刷材料を迅速且つ完全に除去するのを支援することができる。実例では、導管面112が、第1の導管面112a及び第2の導管面112bに加えて少なくとも1つの追加の導管面(図示せず)を有することができ、ここでは、追加の導管面が、角度θ及びαとは異なる非ゼロ角度で中心軸116に対して延在する。追加の導管面が、導管114を通して印刷材料を押すのに必要である力をさらに低下させることができる。導管114を形成することができる複数の導管面の別の例が、その開示が既に組み込まれている2021年4月7日に出願した米国仮特許出願第63/171,718号に開示されている。実施例では、導管面112が、頂面102から又はその近くから底面104まで又はその近くまで延在する単一の表面のみを有することができる。
【0033】
示される実施例では、導管114が頂面102から底面104まで延在する。また、導管114は、中心軸116に対して概して平行に且つ同軸に延在することができる。しかし、導管114が、示される方向とは異なる方向に延在することができることに留意されたい。実例では、導管114が中心軸116に非平行に延在することができ、及び/又は、中心から外れて位置することができる。実例では、導管114が中に湾曲部を有することができる。湾曲部が、頂面102からノズル側面106まで又はオリフィス108の真下ではない底面104の位置まで導管114を延在させるのを可能にすることができる。導管114がノズル100の中まで延在する手法は、ノズル100を取り付けるところである基部の通路(例えば、図3Bに示される通路360)が導管114と交差するところの場所によって決定され得る。その理由は、基部の通路及び導管114が流体連通されるからである。
【0034】
実施例では、導管114が、1つ又は複数の導管面取り(図示せず)により部分的に画定される。導管面取り(例えば、曲線角部及び/又は移行面)が頂面102から導管面112まで延在することができ、及び/又は、底面104から導管面112まで延在することができる。導管面取りが、導管114、オリフィス108、又は開口部110の最大横寸法(例えば、直径)を増大させることができる。導管面取りを用いてオリフィス108のところで導管114の最大横寸法を増大させることにより、ノズル100から計量分配される印刷材料のコンシステンシーを向上させることができ(例えば、印刷材料の横寸法のばらつきを最小にすることができ)、それにより印刷材料の解像度を向上させることができる。導管面取りを用いて開口部110のところで導管114の最大横寸法を増大させることにより、基部の通路から導管114の中へ印刷材料を押すのに必要である圧力を低減することができる。
【0035】
実施例では、導管面112a、112bの少なくとも一部分、及び/又は、印刷材料に接触するノズル100の任意の内部表面(例えば、導管面取り)が、約100μm以下、約90μm以下、約80μm以下、約70μm以下、約60μm以下、約50μm以下、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、或いは、約10μmから約30μm、約20μmから約40μm、約30μmから約50μm、約40μmから約60μm、約50μmから約70μm、約60μmから約80μm、約70μmから約90μm、又は約80μmから約100μmの範囲、のRMS表面粗さを呈するように研磨され得る。導管面112及び/又は印刷材料に接触するノズル100の任意の内部表面を研磨することにより、また特にはその表面粗さを低下させることにより、これらの表面と印刷材料との間の摩擦係数が低下する。摩擦係数が低下することにより、導管114を通して印刷材料を押すのに必要となる圧力を低下させることができ、及び/又は、ノズル100から計量分配される印刷材料のコンシステンシーを向上させることができる。実施例では、導管112の少なくとも一部分、及び/又は、印刷材料に接触するノズル100の内部表面のうちの任意の内部表面が、ノズル100の研磨された外部表面のRMS表面粗さより大きいRMS表面粗さを呈することができる。その理由は、ノズル100の外部表面はノズル100の内部表面より容易に研磨され得るからである。
【0036】
既に考察したように、ノズル100が最大横寸法Dを呈する。ノズル100がさらに、頂面102から底面104までで中心軸116に平行に測定される最大長さLを呈する。ノズル100の最大横寸法D及び最大長さLは、約1mm以上、約2mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、約7.5mm以上、約10mm以上、約15mm以上、約20mm以上、約25mm以上、約30mm以上、約8mm以下、約6mm以下、約5mm以下、約4mm以下、約3mm以下、約2mm以下、或いは、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約2.25mm、約2mmから約2.5mm、約2.25mmから約2.75mm、約2.5mmから約3mm、約2.75mmから約3.25mm、約3mmから約3.5mm、約3.25mmから約3.75mm、約3.5mmから約4mm、約3.75mmから約4.25mm、約4mmから約4.5mm、約4.25mmから約4.75mm、約4.5mmから約5mm、約4.75mmから約5.5mm、約5mmから約6mm、約5.5mmから約7mm、約6mmから約8mm、約7mmから約10mm、約9mmから約15mm、約10mmから約20mm、約15mmから約25mm、又は約20mmから約30mmの範囲となるように独立して選定され得る。最大横寸法D及び長さLは様々な理由のために選定され得る。実例では、最大横寸法Dが、凹部内でのノズル100の移動を最小にするために、ノズル100を中に配設するところである基部の凹部の最大横寸法に対応するように(この最大横寸法と等しくなるか、この最大横寸法よりわずかに大きくなるか、又はこの最大横寸法よりわずかに小さくなるように)、選定され得る。実例では、最大長さLが、基部から頂面102が延在する所望の距離に基づいて選定され得る。実例では、最大横寸法D及び最大長さLがオリフィス108の最大横寸法に基づいて選定され得る。その理由は、オリフィス108の最大横寸法を増大させることにより、最大横寸法D及び最大長さLを増大させることができるからである。実例では、最大横寸法D及び最大長さLが頂面102の表面積に基づいて選定され得る。その理由は、頂面102の表面積を増大させることにより、最大横寸法D及び最大長さLを増大させることができるからである。実例では、最大横寸法D及び最大長さLが、非垂直であるノズル側面106のパーセンテージ、及び、中心軸116に対してノズル側面106の非垂直部分が延在する角度φに基づいて選定され得る。
【0037】
図2が、実施例による、図1A及び1Bに示されるノズル100をPCDから作製するための方法の実施例の概略図である。図2に示される方法が本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルを形成するのに使用されることに留意されたい。図2を参照すると、集団のダイヤモンド粒子220が提供される。ダイヤモンド粒子220が、約40μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μmから約18μm、又は約15μmから約18μmなどの、約50μm以下の平均粒径を呈することができる。いくつかの実施例では、ダイヤモンド粒子220の平均粒径が、約2μmから約5μm又はサブミクロンなどの、約10μm以下であってよい。ダイヤモンド粒子220の平均粒径は、それにより形成されるノズルの容積減少を最小にするように選定され得る。例えば、ノズルの導管を通って流れる印刷材料によりダイヤモンド砥粒の一部が外れる可能性があり、それによりノズルの容積減少(つまり、摩耗)が生じることが分かっている。容積減少を最小にするために、ダイヤモンド粒子220が、1つの又はいくつかのダイヤモンド砥粒が外れることでノズルのボリュームに対して無視できる程度の影響しか与えないようにするために、40μm未満の平均粒径を呈するように選定され得る。しかし、ダイヤモンド粒子220の平均粒径を縮小することが容積減少をさらに制限することができ、したがって、ダイヤモンド粒子220が、20μm未満又は10μm未満などの、有意に40μm未満である平均粒径を呈するように選定され得る、ことに留意されたい。
【0038】
実施例では、ダイヤモンド粒子220が、比較的大きいサイズ及び少なくとも1つの比較的小さいサイズを含むことができる。本明細書で使用される場合の「比較的大きい」及び「比較的小さい」は、少なくとも2倍で異なる粒径(例えば、30μm及び15μm)を意味する(任意の適切な方法による)。種々の実施例によると、集団のダイヤモンド粒子220が比較的大きいサイズ(例えば、30μm、20μm、15μm、12μm、10μm、8μm)を呈する部分、及び、少なくとも1つの比較的小さいサイズ(例えば、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、0.5μm、0.5μm未満、0.1μm、0.1μm未満)を呈する別の部分を含むことができる。一実施例では、集団のダイヤモンド粒子220が、約10μmから約40μmの間の比較的大きいサイズを呈する部分、及び、約1μmから約4μmの間の比較的小さいサイズを呈する別の部分を含むことができる。いくつかの実施例では、集団のダイヤモンド粒子220が、限定しないが、3つ以上の異なるサイズ(例えば、1つのサイズが比較的大きいサイズであり、2つ以上のサイズが比較的小さいサイズである)を含むことができる。焼結後(as-sintered)のダイヤモンド砥粒サイズが、粒成長、ダイヤモンド粒子破砕(diamond particles fracturing)、などの様々な異なる物理的プロセスのために、別の炭素源から提供される炭素(例えば、金属溶媒触媒中の溶解炭素)のために、又は上記の組み合わせのために、焼結前の集団のダイヤモンド粒子の平均粒径とは異なる可能性があることに留意されたい。
【0039】
集団のダイヤモンド粒子220が、組立体226を形成するためにサブストレート224の界面222に隣接するように配置される。サブストレート224が、限定しないが、鉄、ニッケル、コバルト、又はその合金と接合された、炭化タングステン、炭化チタン、炭化クロム、炭化ニオブ、炭化タンタル、炭化バナジウム、或いは、その組み合わせなどの、接合炭化物を含むことができる。例えば、一実施例では、サブストレート224がコバルト接合炭化タングステンを含む。サブストレート224が、限定しないが、概略円筒形構成又は別の選択された構成であってよい。図2が実質的に平坦であるサブストレート224の界面222を示すが、界面222は、溝付き界面、山付き界面、又は他の非平坦界面などの、選択された非平坦トポグラフィを呈することもできる。
【0040】
組立体226が、集団のダイヤモンド粒子220を焼結するように構成された触媒をさらに有する。触媒が、集団のダイヤモンド粒子220に隣接して配置される薄いホイル又はプレートとして、集団のダイヤモンド粒子220と混合される特定の形態で提供され得るか、サブストレート224から提供され得るか(例えば、サブストレート224が、金属溶媒触媒を含む接合炭化物のサブストレートである)、或いは、これらの組み合わせとして提供され得る。実施例では、触媒が金属溶媒触媒(例えば、鉄、ニッケル、コバルト、又はその合金)を含む。実施例では、触媒が、アルカリ金属炭酸塩(例えば、Li、Na、及びKの1つ又は複数の炭酸塩)、1つ又は複数のアルカリ土類金属炭酸塩(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の炭酸塩)、硫酸塩(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の硫酸塩)、水酸化物(例えば、Be、Mg、Ca、Sr、及びBaの1つ又は複数の水酸化物)、リン元素及び/又はその誘導体、塩化物(例えば、Li、Na、及びKの1つ又は複数の塩化物)、元素硫黄及び/又はその誘導体、多環芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン、アントラセン、ペンタセン、ペレリン、コロネン、又は上記の組み合わせ)及び/又はその誘導体、塩素化炭化水素及び/又はその誘導体、半導体物質(例えば、ゲルマニウム又はゼラニウム合金)、並びに上記の組み合わせ、のうちの1つ又は複数から選択された少なくとも1つの非金属触媒を含む。実例では、触媒が、1つ又は複数の金属溶媒触媒及び1つ又は複数の非金属触媒を含む。
【0041】
集団のダイヤモンド粒子220を効率的に焼結するために、組立体226が、耐熱金属缶、グラファイト構造、パイロフィライト、及び/又は、セル組立体を形成するための他の適切な圧力伝達構造などの、圧力伝達媒体の中に封入され得る。PCDを製造するのに使用されるための適切なガスケット材料及びセル構造の例が、参照により各々のその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第6,338,754号及び米国特許第8,236,074号に開示されている。適切な圧力伝達材料の別の例が、南アフリカ共和国のWonderstone Ltd.から市販されているパイロフィライトである。
【0042】
圧力伝達媒体及び集団のダイヤモンド粒子220を中に含むセル組立体226が、触媒存在下でダイヤモンド粒子220を一度に焼結するのに、及び、触媒によって占有される間質性領域を画定する接合ダイヤモンド砥粒(bonded diamond grain)を含むPCDテーブル228を形成するのに十分である時間にわたって、少なくとも約1000℃(例えば、約1100℃から約2200℃、又は約1200℃から約1450℃)の温度で、及び、少なくとも約7.5GPa(例えば、約7.5GPaから約15GPa、少なくとも約8.0GPa、少なくとも約9.0GPa、少なくとも約10.0GPa、少なくとも約11.0GPa、少なくとも約12GPa、又は少なくとも約14GPa)の圧力伝達媒体内での圧力で、超高圧プレスを使用するHPHTプロセスを受ける。HPHTプロセスが、サブストレートに接着したPCDテーブル228を有するPCDコンパクト(PDC)230を形成することができる。HPHTプロセス中、触媒が液化することができ、触媒がダイヤモンド砥粒220の外側に配設される場合には触媒が集団のダイヤモンド粒子220に浸入することができる。触媒が集団のダイヤモンド粒子220の隣接するダイヤモンド粒子の間での成長を促進し、それにより、接合ダイヤモンド砥粒の間に間質的に配設された浸入触媒を有する一塊の接合ダイヤモンド砥粒からなるPCBテーブル228を形成する。例えば、サブストレート224がコバルト接合炭化タングステンのサブストレートである場合、サブストレート224からのコバルトが液化されて集団のダイヤモンド粒子220に浸入することができ、PCDテーブル228の形成に触媒作用を及ぼす。
【0043】
本明細書で開示されるHPHTプロセスで採用される圧力値は、セル組立体226の外側部分には圧力を加えずに、超高圧プレスを使用する圧力の適用での室温(例えば、約25℃)における圧力伝達媒体の中の圧力を意味する。焼結温度での圧力伝達媒体の中の実際の圧力はわずかに高い可能性がある。超高圧プレスは、PbTe、タリウム、バリウム、又はビスマスなどの、既知の圧力で構造を変化させる少なくとも1つの較正物質を圧力伝達媒体内に埋め込むことにより、室温で較正され得る。さらに、任意選択で、その相変化のために少なくとも1つの較正物質の両端で抵抗値の変化が測定され得る。例えば、PbTeは室温において約6.0GPaで相変化を呈し、ビスマスは室温において約7.7GPaで相変化を呈する。適切な圧力較正手法の例が、G.Rousse、S.Klotz、A.M.Saitta、J.Rodriguez-Carvajal、M.I.McMahon、B.Couzine、及びM.Mezouar、「Structure of the Intermediate Phase of PbTe at High Pressure」、Physical Review B:Condensed Matter and Materials Physics、71、224116(2005年)、並びに、D.L.Decker、W.A.Bassett、L.Merrill、H.T.Hall、及びJ.D.Barnett、「High-Pressure Calibration: A Critical Review」、J.Phys.Chem.Ref.Data、1、3(1972年)に開示されている。
【0044】
他の実施例では、実施例によるPCDテーブル228が、HPHT焼結プロセスを使用して別個に形成され得、その後で、限定しないが、ろう付け、別個のHPHT接着プロセスを使用すること、又は任意適切な他の接合手法により、サブストレート224の界面222に接着され得る。別の実施例では、サブストレート224が、別個に形成されたPCDテーブル228の上での化学蒸着を介してバインダーレスカーバイド(例えば、炭化タングステン)を付着させることにより、形成され得る。
【0045】
本明細書で開示される実施例のうちの任意の実施例で、触媒(例えば、金属溶媒触媒)の実質的にすべて又は選択される一部がPCDテーブル228から除去され得る(例えば、洗脱を介して)。実施例では、PCDテーブル228の中の金属溶媒触媒が少なくとも1つの外側作業面(例えば、PCDテーブル228の作業面及び/又は側壁作業面)から選択される深さまでにおいて除去され得、その結果、間質性領域の一部分のみが金属溶媒触媒によって占有される。例えば、作業面から選択される深さまでにおいて、PDC230の中のこのようにして形成されたPCDテーブル228から金属溶媒触媒の実質的にすべて又は選択された一部が除去され得る。
【0046】
別の実施例では、PCDテーブル228が、第1のHPHTプロセスにおいて開示された実施例のうちの任意の実施例に従って作製され得、接合ダイヤモンド砥粒の間の間質性領域から金属溶媒触媒の実質的にすべてを除去するために洗脱を施され、次いで、第2のHPHTプロセスにおいてサブストレートに接着され得る。第2のHPHTプロセスでは、例えば接合炭化物のサブストレートなどからの溶浸材が、金属溶媒触媒を取り除いたところである間質性領域の中に浸入することができる。例えば、溶浸材は、コバルト接合炭化タングステンのサブストレートから流れるコバルトであってよい。一実施例では、第1及び/又は第2のHPHTプロセスが少なくとも約7.5GPaの圧力で実施され得る。一実施例では、溶浸材が、第2のHPHTプロセスの後で行われる第2の酸洗脱プロセスを使用して、浸入したところのPCDテーブル228から洗脱され得る。
【0047】
実施例では、PCDテーブル228がバインダーレスPCDテーブルであってよい。バインダーレスPCDテーブルは、触媒などの添加物を有するか又は有さない集団のダイヤモンド粒子をプレス加工することによって形成され得る。ダイヤモンド粒子は、金属溶媒触媒を一切存在させずにプレス加工される。例えば、集団のダイヤモンド粒子はコバルト接合炭化タングステンのサブストレートの上に配設されない可能性がある。バインダーレスPCDテーブルは、本明細書で開示される圧力及び温度のうちの任意の圧力及び温度を使用してプレス加工され得る。
【0048】
実施例では、示されるように、サブストレート224がPCDテーブル228から除去され得るか又は他のかたちで脱着され得る。例えば、サブストレート224は、サブストレート224を研削するか又はサブストレート224を酸で溶解させることにより、PCDテーブル228から除去され得る。示されない実施例では、サブストレート224の少なくとも一部分がPCDテーブル228から除去され得るか又は他のかたちで脱着され得る。このような実施例では、サブストレート224が、PCDテーブル228から形成されたノズルの一部分を形成することができる。
【0049】
PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224の一部分が1つ又は複数のノズル200を形成するために除去され得る。例えば、PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224の一部分が、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個の、又は20個より多いノズル200を形成するために、除去され得る。PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224から形成されるノズル200の数は、PCDテーブル228のサイズ(例えば、最大横寸法及び厚さ)、PCDテーブル228の形状、サブストレート224によりノズル200の一部を形成するか否か、ノズル200のサイズ、及びノズル200の形状、に基づいて決定され得る。PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224から形成されるノズル200は、限定しないが、本明細書で開示されるノズルの任意の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。
【0050】
実施例では、PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224のこれらの一部分がレーザーを使用して除去され得る。このような実施例では、レーザーが、PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224の1つ又は複数の表面に向かって複数のレーザーパルスを放射することができる。レーザーパルスは、1つ又は複数の層においてPCDテーブル228を除去するように選定され得る。このレーザー・アブレーション・プロセスは以下のうちの少なくとも1つを達成することができる:PCDテーブル228から複数のノズル200を形成すること(例えば、同時に又は実質的に同時に)、外側構造部(例えば、頂面、底面、ノズル側面など)を形成すること、ノズル200の内部構造部(例えば、導管)を形成すること、又は、ノズル200の表面を研磨すること。PCDテーブル228の一部分を除去するのに使用され得るレージング方法の例が、参照によりその開示の全体が本明細書に組み込まれている2018年1月10日に出願した米国特許出願第16/084,469号に開示されている。
【0051】
実施例では、PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224のこれらの一部分が、研削、ラッピング、レーザー・アブレーション、放電加工(例えば、ワイヤ放電加工)、上記の組み合わせ、又は、任意の他の機械加工手法、のうちの1つ又は複数を使用して除去され得る。レージングとは異なり、研削、ラッピング、及び放電加工などのいくつかの機械加工手法は、ダイヤモンドの硬さにより高い耐摩耗性(high wear)を呈すること、ノズル200のすべての一体に形成することが不可能であること(例えば、単一のプロセスで)、ノズル200の外部構造部及び内部構造部の両方を形成することは不可能であること、又は、ノズル200の表面を研磨することが不可能であること、のうちの少なく1つの可能性がある。実施例では、PCDテーブル228及び任意選択のサブストレート224のこれらの一部分が、レージングを使用して、及び、研削、ラッピング、放電加工、又は任意の他の機械加工手法、のうちの1つ又は複数を使用して、除去され得る。
【0052】
再び図1A及び1Bを参照すると、既に考察したように、ノズル100が、PCDの代わりに又はPCDに加えて、PcBNから少なくとも部分的に形成され得る。より一般的には、本明細書で開示されるノズルが、限定しないが、1つ又は複数の超硬材料(例えば、PCD、PCBN、シリコンカーバイド、又は炭化タングステンの硬さを超える硬さを有する任意の材料)を含むことができる。例えば、ノズル100が、PCDの硬さ及び熱伝導性と同等であるPcBNの硬さ及び熱伝導性のために、PcBNから少なくとも部分的に形成されてもよい。PcBNから形成されるノズルはノズル100の摩耗を低減することができ、ノズル100の寿命を延ばすことができ、摩耗性印刷材料と共にノズル100を使用するのを可能にすることができ、ノズル100使用して形成された印刷材料のコンシステンシーを向上させることができる。PcBNはPCDより高い熱的安定性を呈することができ、それにより、ノズル100がPCDを含む場合よりも高い温度まで、PcBNから形成されたノズル100を加熱することが可能となる。例えば、PCDは、PCDが金属溶媒触媒を含む場合に700℃を超える温度まで加熱されるときに熱劣化を呈する可能性があり、PcBNは、実質的に劣化することなく700℃を超える温度まで加熱され得る。
【0053】
示される実施例では、ノズル100のすべてがPcBNから形成される。ノズル100のすべてをPcBNから形成することによりノズル100の製造をより容易なものとすることができる。その理由は、PcBNを別の材料に取り付けること及びノズル100の摩耗特性を改善することの必要性がないからである。別の実施例では、ノズル100の一部分のみがPcBNから形成される。ノズル100の一部分のみをPcBNから形成することによりノズル100の成形及び機械加工をより容易なものとすることができる。その理由は、ノズル100の他の材料がPcBNより低い硬さを有する可能性があるからである。しかし、ノズル100の一部分のみをPcBNから形成することは、PcBNを別の材料に接着することが必要となる可能性があり、それによりノズル100の製造の複雑さが増す。さらに、ノズル100の一部分がPcBNより低い硬さの材料を含む(又は、そのような材料から形成される)という事実により、このより低い硬さの材料を含む(又は、そのような材料から形成される)ノズル100の部分の摩耗が増大する可能性があり、それによりノズル100の寿命が短くなる。実例では、ノズル100の一部分のみがPcBNを含む場合、導管面112の少なくとも一部分、また特には、導管面112のこの一部分及びオリフィス108に隣接するノズル100の任意の他の内部表面がPcBNによって画定される。このような実例では、PcBNがより低い硬さの材料と比較してオリフィス108の摩耗を低減することができ、それにより、ノズル100の全体をより低い硬さの材料から形成する場合と比較して、ノズル100から計量分配される印刷材料のコンシステンシーを維持することができる。
【0054】
PcBNは、約1000℃から約1450℃の温度及び約5GPaから約14GPaの圧力などの、上で考察したものと同じ温度及び圧力のうちの任意の温度及び圧力で窒化ホウ素を加熱することによって形成され得る。PcBNのための触媒は、例えば、アルカリ金属、アンチモン、鉛、錫、リチウム、マグネシウム、及び窒化物を含む。PcBNを形成した後、PCDに関連して上で考察したものと同じ手法を使用して、1つ又は複数のノズルがそこから形成され得る。例えば、ノズルが、レージング、研削、ラッピング、放電加工、又は任意適切な他の機械加工手法によって形成され得る。
【0055】
本明細書で開示されるノズルが基部に固定され得る。図3Aが、実施例による、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルを受けるように構成された基部332の等角図である。図3Bが、平面3B-3Bに沿う基部332の概略断面図である。基部332が、ノズル(図示せず)を受けるように構成されたノズル部分334と、基部332をプリンティング・デバイス(図示せず)に取り付けるように構成された取り付け部分336と、を有する。基部332が、任意選択で、ノズル部分334と取り付け部分336との間にある中間部分338を有することができる。
【0056】
基部332のノズル部分334が、ノズルを受けるように構成された凹部340を画定する。凹部340が、ノズルの底面に当接されるように構成された基部接触面342により部分的に画定される。基部接触面342が、ノズルの底面の表面トポグラフィに概して対応する表面トポグラフィを呈することができる。基部接触面342及び底面の対応する表面トポグラフィが、ノズルと基部332との間での印刷材料のリークを防止することができるか又は少なくとも妨げることができる。凹部がさらに、少なくとも1つの凹部側面344により部分的に確定される。凹部側面334がノズルのオリフィスを外部に露出する(例えば、基部332によって覆われないようにする)のを可能にする凹部開口部346を画定することができ、ノズルの一部分を基部332から延在させるのを可能にすることができる。言い換えると、凹部側面334が、ノズルの頂面の少なくとも一部分(例えば、すべて)に当接されたり又は覆ったりしないように構成され得る。実施例では、凹部側面344が、基部がノズルにスエージ加工されるように構成されているがスエージ加工プロセスがまだ行われていない場合に、ノズルのノズル側面の形状に対応する形状を呈さない可能性がある。実施例では、凹部側面344が、基部332をスエージ加工した後などでは(後でより詳細に考察するように)、又は、中空スリーブ(図9に示される)を使用して基部332に対してノズルが固定された後などでは、ノズルのノズル側面の形状に対応する形状を呈することができ、それにより凹部側面344とノズルのノズル側面との間での印刷材料のリークを防止するか又は少なくとも妨げる。凹部340が、任意選択で、基部接触面342と凹部側面344との間を延在する少なくとも1つの面取り面(図示せず)を有することができる。面取り面が、ノズルが底面とノズルのノズル側面との間を延在する面取りを有する場合に、ノズルの面取りに当接されるように構成され得る。
【0057】
ノズル部分334が、ノズル部分334の残りの部分(例えば、先細表面350又は握持構造部352)から延在する少なくとも1つの壁348を有することができる。壁348が凹部側面344の少なくとも一部分を形成する。壁348が、スエージ加工を介して基部332によりノズルをそこに固定するのを可能にするように構成される。例えば、壁348が初期状態において垂直であってよいか又は他のかたちで方向付けられ得、その結果、凹部開口部346の横寸法がノズルを凹部340内に適切に配置するのに十分な幅となる(例えば、ノズルの底面が基部接触面342に当接される)。いくつかの実施例では、壁348が実質的に円筒形のジオメトリを呈することができる。壁348がさらに内側に曲げられるように構成され得、それにより凹部開口部346の横寸法を縮小することができ、その結果、凹部開口部346の横寸法が、凹部開口部346を通してノズルを通過させるのに十分な幅ではなくなる。したがって、壁348を内側に曲げることによりノズルが基部332に固定される。壁348がさらに、凹部側面344をノズルのノズル側面に当接させることになるように、内側に曲げられ得る。
【0058】
ノズル部分334が、凹部開口部346及び/又は壁348から外側に延在する先細表面350を有することができる。先細表面350が、1つ又は複数の円錐表面及び/又は曲線面を有することができる。先細表面350が基部332の長手方向軸349(例えば、中心軸)に対して垂直ではなく、代わりに、基部332の取り付け部分336の方に向かって少なくともわずかに角度を付けられ、及び/又は湾曲している。先細表面350が基部332が印刷材料に接触するのを防止することができるか、又は、少なくとも、基部332が非先細表面を含む場合よりも、その可能性を低下させることができる。
【0059】
ノズル部分334が、基部332をプリンティング・デバイスに取り付けたり脱着したりするのを支援するように構成された1つ又は複数の握持構造部352を有することができる。実施例では、ノズル部分334が、プリンティング・デバイスにねじ式に取り付けられるように構成される。このような実施例では、握持構造部352が、概略正方形、六角形(示されるように)、又は、フィンガ、プライヤー、レンチ、ソケット、又は他の工具を用いてノズル部分334の一部分を握持して捻じるのを可能にする他の適切な形状を有することができる。別法として、握持構造部352が、同様にフィンガ、プライヤー、又は他の工具を用いてノズル部分334を握持するのを可能にする1つ又は複数のテクスチャード加工された表面又は高摩擦材料を有することができる。
【0060】
既に考察したように、基部332が取り付け部分336を有する。取り付け部分336が、基部332をプリンティング・デバイスに取り付けるように構成される。実施例では、示されるように、取り付け部分336が、プリンティング・デバイスにねじ式に取り付けられるように構成される。このような実施例では、取り付け部分336が、1つ又は複数の螺旋ねじ山354及び/又は1つ又は複数の螺旋凹部356を画定することができる。実施例では、取り付け部分336が磁石を有することができるか、ピンを受けるように構成された凹部を有することができるか、プリンティング・デバイスに圧入されるように、プリンティング・デバイスにろう付けされるように、プリンティング・デバイスにはんだ付けされるように、プリンティング・デバイスに接着剤により取り付けられるように、又は、任意適切な他の手法を使用してプリンティング・デバイスに取り付けられるように、構成され得る。いくつかの実施例では、基部332が、クイックコネクト・カップリング機構を使用してプリンティング・デバイスに取り付けられ得る。実施例では、基部332が、基部332に可逆的に取り付けられるように構成され得る。このような実施例では、基部332が、基部332又はプリンティング・デバイスを実質的に損傷させることなく印刷デバイスに取り付けられたり脱着されたりされ得る。基部332をプリンティング・デバイスに可逆的に取り付けることにより、多様なノズル組立体(例えば、多様なサイズのオリフィスを有するノズル組立体)と共にプリンティング・デバイスを使用するのを又は摩耗したノズル組立体を交換するのを可能にする。実施例では、基部332が、基部332に可逆的に取り付けられるように構成され得る。
【0061】
基部332が、通路360を画定する少なくとも1つの通路表面358を有する。通路360が、ノズルの導管(例えば、導管の開口部)から基部の外側部分まで延在するように構成される。通路360が、プリンティング・デバイスに対して基部332が取り付けられている場合に、プリンティング・デバイスの印刷材料源(例えば、別の導管又はタンク)に流体連通され得る。したがって、印刷材料源からの印刷材料が、印刷材料源から通路360を通ってノズルの導管まで流れることができる。実施例では、通路360が基部332内の中心に位置し、基部接触面342から取り付け部分336の対向する表面まで延在する。しかし、通路360が中心から外れて位置してもよく、基部接触面ではない表面又は部分から延在してもよく、或いは、印刷材料源の位置及び/又はノズルの導管の開口部の位置に応じて別の経路を画定することもできる。
【0062】
既に考察したように、本明細書で開示されるノズルのうちの任意のノズルが、スエージ加工を介して、本明細書で開示される基部のうちの任意の基部に固定され得る。図4A及び4Bが、実施例による、それぞれ、スエージ加工の前及びスエージ加工の後である、ノズル400及び基部432を有するノズル組立体462の概略断面図である。本明細書で別途開示される場合を除き、ノズル400及び基部432が、限定しないが、それぞれ、本明細書で開示されるノズル及び基部の任意の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。図4Aを参照すると、初期のスエージ加工前の状態である基部432が提供され得る。基部432が、基部432の壁448が内側に曲げられていないときの初期のスエージ加工前の状態にある(例えば、壁448が実質的に垂直に延在する)。基部432を提供した後、ノズル400が基部432の凹部440内に配設され得、その結果、ノズル400の底面404が基部接触面442に当接される。
【0063】
ノズル400を凹部440内に配設した後、基部432がスエージ加工され得、それによりノズル400を基部432に固定する。基部432をスエージ加工することが、壁448に対してダイスを押圧することを含むことができる。壁448に対してダイスを押圧することにより壁448を内側に押圧することができ、それにより、凹部開口部446を通ってノズル400が通過することができなくなるまで凹部開口部446の横寸法を縮小する。ダイスがさらに、ノズル400のノズル側面406に対して凹部側面444を接触させるのに十分な程度で壁448を内側に変形させることができる。
【0064】
図4Bが、基部432がスエージ加工された後のノズル組立体462を示している。示されるように、基部432をスエージ加工することによりノズル400が基部432に固定される。その理由は、凹部開口部446(図4Bでは符号を付されない)(ノズル400によって占有される)の縮小した横寸法が凹部440(図4Bでは符号を付されない)(ノズル400によって占有される)内でノズル400を維持し、基部432に対してノズル400を変位させるのを防止する、からである。さらに、基部432をスエージ加工することにより、基部接触面442に対してノズル400の底面404を押圧すること及び/又はノズル400のノズル側面に対して凹部側面444を押圧することが可能となり、それによりこれらの表面の間で印刷材料がリークするのを防止する。
【0065】
既に上で考察したように、ノズル400の頂面402が基部432の上方で距離dで延在する。基部432の上方で頂面402を延在させることにより、基部432が印刷済み材料に接触又は干渉して、印刷済み材料を不鮮明にするか、変位させるか、又は他のかたちで悪影響を及ぼす可能性が低下する。実施例では、距離dが、約0.1mm超、約0.5mm超、約1mm超、約1.5mm超、約2mm超、約2.5mm超、約3mm超、約3.5mm超、約4mm超、約5mm超、或いは、約0.1mmから約0.5mm、約0.25mmから約0.75mm、約0.5mmから約1mm、約0.75mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約2.25mm、約2mmから約2.5mm、約2.25mmから約2.75mm、約2.5mmから約3mm、約2.75mmから約3.25mm、約3mmから約3.5mm、約3.25mmから約3.75mm、約3.5mmから約4mm、約3.75mmから約4.5mm、又は約4mmから約5mmの範囲となるように選定され得る。実施例では、式d/Lを使用して計算される最大長さL図1Bに示される)に対しての距離dの比が、約0.1から約0.3、約0.2から約0.4、約0.3から約0.5、約0.4から約0.6、約0.5から約0.7、約0.6から約0.8、又は約0.7から約0.9である。距離d、及び最大長さLに対しての距離dの比は、ノズル400の最大長さL図1Bに示される)、非垂直であるノズル側面406のパーセンテージ、ノズル400の中心軸に対してのノズル400の非垂直部分の角度、及び、印刷材料の形状の所望される精度、に基づいて選定され得る。
【0066】
実施例では、基部をスエージ加工することが、複数の段階のスエージ加工プロセスで実施され得る。複数の段階のスエージ加工プロセスが、スエージ加工プロセス中に基部の壁が故障する(例えば、割れる)可能性を低下させることでノズルを基部により良好に固定することができ、及び/又は、ノズルのノズル側面に対して凹部側面をより良好に接触させることができる、と現在考えられている。図5A及び5Bが、実施例による、複数の段階のスエージ加工プロセスの概略図である。図5Aを参照すると、ノズル500及び基部532を有するノズル組立体562が提供される。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル500及び基部532が、限定しないが、それぞれ、本明細書で開示されるノズル及び基部の任意の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。ノズル組立体562が、ノズル組立体562を保持するように及び任意選択でノズル組立体562をモールドの中へ押圧するように構成された支持体560によって保持され得る。
【0067】
複数の段階のスエージ加工プロセスが、まず、第1のダイス564を提供すること、及び、第1のダイス564を用いて壁548を成形することを含む。第1のダイス564が、基部532の壁548に対して押圧されるように及び基部532の壁を成形するように構成された1つ又は複数の第1のダイス表面566を有する。第1のダイス表面566が比較的垂直である(第2のダイス568の1つ又は複数の第2のダイス表面570に対して)。比較的垂直である第1のダイス表面566が壁548を短い距離だけ内側に曲げ、その結果、壁548が第1の先細表面を呈するようになる。壁548が第1の先細形状を呈する場合、壁548がノズル500のノズル側面506に完全には接触しない可能性がある。第1のダイス表面566が壁548を短い距離だけ内側に曲げることにより、第1のダイス表面566を用いて壁548を成形することにより壁548が故障する可能性が低くなる。
【0068】
図5Bを参照すると、第1のダイス564を用いて壁548を成形した後、複数の段階のスエージ加工プロセスが、第2のダイス568を提供すること、及び、第2のダイス568を用いて壁548を成形することを含む。第2のダイス568が、基部532の壁548に対して押圧されるように及び基部532の壁548を成形するように構成された1つ又は複数の第1のダイス表面570を有する。第2のダイス表面570は第1のダイス564の第1のダイス表面566より垂直ではない(例えば、図1Bに示される中心軸116であるノズル500の中心軸との平行からより逸脱している)。したがって、第2のダイス表面570が第1のダイス表面566より壁548を内側に曲げ、その結果、壁548が第2の先細形状を呈するようになる。第2の先細形状は第1の先細形状より垂直ではなくてよい。第2のダイス表面570は、壁548が第2の先細形状を呈する場合に壁548の凹部側面のうちの少なくとも1つをノズル500のノズル側面506の少なくとも一部分に接触させることになるように又はノズル500を凹部540から離れるのを不可能にするように、十分な程度で壁548を曲げることができる。図5A及び5Bに関連して2段階のプロセスとして描かれているが、スエージ加工プロセスは2段階より多い段階で実施されてもよく、又は上で示されるように、単一段階のプロセスで行われてもよい。
【0069】
本明細書で開示されるノズル及びノズル組立体が、ノズルと基部との間での印刷材料のリークを防止するか又は少なくとも妨げるように構成された1つ又は複数のリーク防止構造部を有することができる。図6が、実施例による、リーク構造部を有するノズル組立体662の分解等角図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル組立体662が、限定しないが、本明細書で開示されるノズル組立体の任意の1つ又は複数の構造部に等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。例えば、ノズル組立体662が、1つ又は複数の態様においてそれぞれ本明細書で開示されるノズル及び基部のうちの任意のものと同様であるノズル600及び基部632を有することができる。基部632が、ノズル600を受けるように構成された凹部640を画定する。実施例では、示されるように、基部632が、スエージ加工を介してそこに固定されるノズル600を有するように構成され得る。しかし、ノズル600が、本明細書で開示される取り付け手法のうちの任意の手法を使用して基部632に固定され得る、ことに留意されたい。
【0070】
ノズル組立体662が、ノズル600と基部632の少なくとも一部分との間に配置された少なくとも1つの可鍛性材料672を有する。可鍛性材料672が、基部632に対してノズル600が固定されるときに変形するように構成され(例えば、塑性変形する)、それによりノズル600と基部632との間の隙間に嵌め込まれる。例えば、可鍛性材料672は、スエージ加工プロセス中にノズル600と基部632との間の隙間の中に嵌め込まれるように変形することができる。可鍛性材料672をノズル600と基部632との間の隙間の中に嵌め込むことにより、印刷材料がそこを通って流れることができるところであるノズル600と基部632との間の通路を排除することができる又はこのような通路の数を少なくとも低減することができる。
【0071】
実施例では、可鍛性材料672が、PCD及びPcBNより低い硬さの材料(例えば、炭化タングステンより低い硬さを呈する非超硬材料)を含むことができ(又は、このような材料から形成され得る)、それにより、ノズル600のPCD及びPcBNよりも可鍛性材料672を大きく変形させる。実施例では、可鍛性材料672が基部632より低い硬さ呈することができ、それにより可鍛性材料が基部632により大きく変形することになる。実施例では、可鍛性材料672が、銅、真鍮、青銅、アルミニウム、鉄、金、銀、鉛、錫、別の適切な金属又は金属合金、Oリング(例えば、高温用Oリング)、シリコーン、別の適切なポリマー、PCD及びPcBNより低い硬さを呈する材料、非超硬材料(例えば、任意の他の可鍛性材料より低い硬さを呈する材料)、或いはこれらの組み合わせを含むことができる(又は、これらから形成され得る)。
【0072】
実施例では、示されるように、可鍛性材料672が、底面604と基部接触面642との間に配設されるように構成され得る。したがって、可鍛性材料672は、変形するように、及び/又は、底面604と基部接触面642との間に形成され得る任意の隙間に少なくとも部分的に嵌め込まれるように、構成され得、それによりこれらの表面の間でのリークを防止するか又は低減する。実施例では、可鍛性材料672が開口部674を画定することができる。開口部674が、通路660から可鍛性材料672を通って導管614の中まで印刷材料が流れるのを可能にする。実例では、可鍛性材料672が開口部674を画定する場合、可鍛性材料672が概略環状形状(例えば、概略円形状又は概略リンク形状)を呈することができる。
【0073】
示されない実施例では、可鍛性材料672が、ノズル側面606と凹部側面644との間に配設されるように構成され得る。したがって、可鍛性材料672が、変形するように、及び/又は、ノズル側面606と凹部側面644との間に形成され得る任意の隙間に少なくとも部分的に嵌め込まれるように、構成され得、それによりこれらの表面の間でのリークを防止するか又は低減する。可鍛性材料672が、ノズル側面606の形状に概して対応するか又は同様である形状を呈することができる。例えば、可鍛性材料672が、概して尖頭中空円錐形状又は概略環状形状を呈することができる。可鍛性材料672がノズル側面606の形状に適合するように変形することができることを理由として、可鍛性材料672がノズル側面606の形状とは異なる形状を呈することもできる、ことに留意されたい。可鍛性材料672がノズル側面606と凹部側面644との間に配置されるとき、可鍛性材料672が開口部674を画定することができ、それにより通路660とノズル600のオリフィス608との間の流体連通を実現する(又は、維持する)。
【0074】
実施例では、ノズルと基部との間で印刷材料がリークするのを防止するか又は妨げるように構成されたリーク防止構造部、底面及び/又はノズルのノズル側面から延在する1つ又は複数の突出部、リップ、又は他の表面構造部(本明細書の以下ではまとめて突出部と称される)を有する。1つ又は複数の突出部が、PCD、PcBN、又は、基部を形成する材料と同程度の硬さであるか又は好適にはそれより高い硬さを有する材料、のうちの少なくとも1つを含むことができる(又は、それらから形成され得る)。したがって、1つ又は複数の突出部が基部のより柔らかい材料(又は、可鍛性材料672などの他の可鍛性材料)の中へと押圧され得、それによりノズルと基部との間を印刷材料が流れるのを防止するか又は少なくとも妨げるシールを形成する。図7が、実施例による、1つ又は複数の突出部を有するノズル700の概略断面図である。本明細所で別途開示される場合を除いて、ノズル700の1つ又は複数の構造部が、限定しないが、本明細書で開示されるノズルの任意の1つ又は複数の構造部に等しくてよいか又は実質的に同様であってよい。例えば、ノズル700が、頂面702と、底面704と、少なくとも1つのノズル側面706と、を有することができる。
【0075】
ノズル700が、ノズル700の底面704から外側に延在する少なくとも1つの底部突出部776を有することができる。例えば、底部突出部776が、ノズル700の中心軸716に概して平行である方向に延在することができる。底部突出部776が、基部の基部接触面(図示せず)又は別の隣接する材料の中へと押圧されるように構成され、それにより突出部により基部又は底部突出部776の周りの別の隣接する材料を窪ませるか又は他のかたちで変形させる。底部突出部776が、底面704によって画定された開口部710の周りを少なくとも部分的に延在することができる。例えば、底部突出部776が環状形状又はリング形状を呈することができる。
【0076】
底部突出部776が、底部突出部776を基部の中へと押圧するのを可能にする任意の形状を呈することができる。実例では、示されるように、底部突出部776が概略三角形の断面形状を呈することができる。底部突出部776の概略三角形の断面形状の楔状形状は、他の形状より、底部突出部776を基部の中へとより容易に押圧して底部突出部776の周りの基部を変形させることができる。実例では、底部突出部776が、概略曲線(例えば、半円)の断面形状、概略長方形(例えば、正方形)の断面形状、概略台形形状、又は任意適切な他の非三角形の断面形状を呈することができる。このような実例では、底部突出部776の非三角形の断面形状が、底部突出部776が概略三角形の断面形状を呈する場合と比較して、基部の中へと押圧されるときに故障する(例えば、割れる)可能性を低くすることができる。
【0077】
実施例では、底部突出部776が底面704から距離Dで外側に(又は、図7に示される図では下方に)突出することができる。距離Dは、約0.1mm以上、約0.25mm以上、約0.5mm以上、約0.75mm以上、約1mm以上、約1.25mm以上、約1.5mm以上、約1.75mm以上、約2mm以上、約2.5mm以上、約3mm以上、約4mm以上、約5mm以上、或いは、約0.1mmから約0.5mm、約0.25mmから約0.75mm、約0.5mmから約1mm、約0.75mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約1.75mm、約1.5mmから約2mm、約1.75mmから約2.5mm、約2mmから約3mm、約2.5mmから約4mm、又は約3mmから約5mmの範囲となるように選定され得る。
【0078】
実施例では、底部突出部776の縁部及び/又は角部が曲線であってよい。底部突出部776の縁部及び/又は角部を曲線にすることにより、底部突出部776が基部の中へと押圧されることをより困難なものとする可能性がある。しかし、底部突出部776の縁部及び/又は角部を曲線にすることにより、基部の中へと押圧されるときに底部突出部776が故障する可能性を低下させることができる。例えば、底部突出部776が、PCD、PcBN、又は別の超硬材料を含むことができる(又は、これらから形成され得る)。このような材料は脆性である可能性が高く、比較的高い脆性の材料から形成される場合の底部突出部776の縁部及び/又は角部を曲線にすることにより底部突出部776の故障の可能性を低下させることができる。底部突出部776の縁部及び/又は角部が、約0.01mm以上、約0.05mm以上、約0.1mm以上、約0.2mm以上、約0.3mm以上、約0.4mm以上、約0.5mm以上、約0.6mm以上、約0.8mm以上、約1mm以上、約1.25mm以上、約1.5mm以上、約2mm以上、約2.5mm以上、約3mm以上、或いは、約0.01mmから約0.1mm、約0.05mmから約0.2mm、約0.1mmから約0.3mm、約0.2mmから約0.4mm、約0.3mmから約0.5mm、約0.4mmから約0.6mm、約0.5mmから約0.8mm、約0.6mmから約1mm、約0.8mmから約1.25mm、約1mmから約1.5mm、約1.25mmから約2mm、約1.5mmから約2.5mm、又は約2mmから約3mmの範囲である平均曲率変形を呈する場合、本明細書で使用される場合の底部突出部776の縁部及び/又は角部が曲線であってよい。底部突出部の曲線の縁部及び/又は角部の平均曲率半径は、底面704から底部突出部776が延在する距離D、底部突出部776を形成する材料の硬さ、及び基部の硬さに基づいて選定され得る。
【0079】
実施例では、ノズル700が、底部突出部776に加えて又は底部突出部776の代わりに、少なくとも1つの側方突出部778を有することができる。側方突出部778が、ノズル700のノズル側面706の一部分から外側に延在する。側方突出部778が、凹部側面を画定する基部の一部分などの、基部の一部分(又は、他の隣接する材料)の中へと押圧されるように構成される。側方突出部778を基部の中へと押圧することにより、望ましくない経路に沿って印刷材料がノズル700と基部との間を流れるのを妨げることができる。
【0080】
実施例では、側方突出部778が、本明細書で別途開示される場合を除いて、上で考察した底部突出部776と等しいか又は実質的に同様である。実例では、側方突出部778が任意の断面形状を呈することができるか、又は底部突出部776に関連して上で考察した曲線の縁部及び/又は角部のうちの任意のものを呈することができる。実例では、側方突出部778が、底部突出部776に関連して上で考察した距離dのうちの任意の距離dと等しい距離でノズル側面706から延在することができる。
【0081】
実施例では、側方突出部778が、図7に示されるように、概略フック状の形状を呈することができる。側方突出部778が頂面702に向かって部分的に湾曲するか(示されるように)又は他には底面704ではなく頂面702に向かうように方向付けられた方向にノズル側面706から延在する場合、側方突出部778が概略フック状の形状を呈することができる。側方突出部778の概略フック状の形状は基部に対してのノズル700の取り付けを支援することができ、ノズル700及び基部の加熱時にノズル700を基部により良好に固定することができる。例えば、側方突出部778の概略フック状の形状が凹形部分780を形成することができる。基部に対してノズル700をスエージ加工するとき、基部の一部分が凹形部分780を少なくとも部分的に占有するように変形させられ得る。使用中、例えば導管714を通して印刷材料を強制的に押し込むことにより、ノズル700に力が加えられ得、この力がノズル700を概して基部から離れる方向に押すことができる。しかし、凹形部分780内に配設された基部の部分が、基部に対してノズル700が変位させられるのを防止することができる。さらに、ノズル組立体が加熱されると、ノズル側面706(例えば、壁)に当接される基部の部分が、ノズル700と基部との間の熱膨張の差によりノズル側面706から離れるようとする可能性がある。側方突出部778が頂面702に向かって部分的に湾曲している場合、側方突出部778が、ノズル700に加えられる力に抵抗して基部からノズルが分離するのを妨げるのを支援することができる。
【0082】
実施例では、側方突出部778が、ノズル700の全体の周りを延在する連続する構造又は構造部として構成され得る。他の実施例では、ノズル700がノズル700の円周又は周縁部の周りで離間される1つ又は複数の個別の離散的側方突出部を有することができる。
【0083】
実施例では、少なくとも1つのノズル側面706が複数のノズル側面706を有することができる。複数のノズル側面706が側方突出部778を形成するのを支援することができる。例えば、示される実施例では、ノズル側面706が第1の表面706a及び第2の表面706bを有する。第1の表面706が頂面702から又はその近くから第2の表面706bまで延在し、第2の表面706bが第1の表面706aから側方突出部778まで延在する。第1の表面706aが中心軸716に対して角度φで延在することができ、第2の表面706bが中心軸716に対して角度φで延在することができる。角度φが角度φより小さくてよく、それにより側方突出部778及び凹形部分780を形成するためのスペースを作り出すことができる。より小さい角度φはさらに、ノズル側面706が第2の表面706bを含まない場合に基部からノズル700の頂面702がさらに突出するのを可能にすることができる。
【0084】
上で考察した実施例では、ノズルは主としてスエージ加工を利用して基部に取り付けられるものとして考察した。しかし、本明細書で開示されるノズルは、接着剤、ねじ式取り付け、又は中空スリーブを介するなどの、任意適切な手法を使用して基部に取り付けられ得る。図8が、実施例による、基部832にねじ式に取り付けられたノズル800を有するノズル組立体862の断面概略図である。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル800及び/又は基部832の1つ又は複数の構造部が、限定しないが、それぞれ、本明細書で開示されるノズル及び/又は基部の任意の1つ又は複数の構造部と等しくてよいか又は実質的に同様であってよい。
【0085】
ノズル800が、基部832に直接に又は間接的にねじ式に取り付けられるように構成される。ノズル800を基部832にねじ式に取り付けることにより、必要に応じてノズル800を基部832に取り付けたり又は基部832から脱着したりするのを可能にすることができる。実例では、異なるサイズのオリフィス808又は他の特性を有するノズル800が所望されるときに、ノズル800が基部832から脱着され得る。このような実例では、複数の異なるノズルと共に使用されるのに単一の基部832のみが必要となり、及び/又は、ノズル800が替えられる間に基部832がプリンティング・デバイスに取り付けられた状態を維持することができる。実例では、ノズル800又は基部832の一方が十分に摩耗する可能性があり、ノズル800又は基部832の個々が交換される必要がある。ノズル800を基部832にねじ式に取り付けることにより、ノズル800又は基部832のもう一方を交換せずに、ノズル800又は基部832の摩耗した一方を交換することが可能となる。したがって、ノズル800を基部832にねじ式に取り付けることにより、ノズル組立体862のコスト及びノズル組立体862を使用することによって発生する廃棄物を低減することができる。
【0086】
基部832が、基部接触面842と、凹部840を画定する凹部側面844と、を有する。凹部側面844が、凹部側面844の少なくとも一部分の上に形成された1つ又は複数の基部ねじ山882(例えば、1つ又は複数の螺旋ねじ山882)を有する。基部ねじ山882が、ノズル800を基部832にねじ式に取り付けるのを可能にするように構成される。
【0087】
実施例では、図8に示されるように、ノズル800が基部832に間接的に取り付けられる。このような実施例では、ノズル組立体862が、ノズル800に取り付けられるように及び基部832にねじ式に取り付けられるように構成された中間構造884を有する。したがって、中間構造884が、ノズル800を基部832に間接的にねじ式に取り付ける。
【0088】
中間構造884が、任意適切な手法を使用してそこに固定されるノズル800を有するように構成される。実施例では、示されるように、中間構造884が、スエージ加工を介してそこに固定されるノズル800を有するように構成される。このような実施例では、中間構造884が、図3A及び3Bに示される凹部340と実質的に同様である構造凹部886を画定する。例えば、構造凹部886を画定する中間構造884の表面の少なくとも一部分が、ノズル800の表面のうちのいくつかの表面の表面トポグラフィに概して対応するトポグラフィを呈する。中間構造884が、内側に曲げられるように構成された少なくとも1つの壁888をさらに有する。実施例では、ノズル800が、圧入、高温接着剤を用いる取り付け、ねじ式取り付け、はんだ付け、ろう付け、又は任意適切な他の手法などの、任意適切な他の手法を使用して中間構造884に取り付けられ得る。このような実施例では、中間構造884が、ノズル800を受けるように構成された構造凹部886を画定しても又は画定しなくてもよい。
【0089】
中間構造884が、少なくとも1つの構造底面890と、少なくとも1つの構造側面892と、を有する。構造底面890が、基部接触面842に当接されるように構成され得る。基部接触面842及び構造底面890の表面トポグラフィが概して互いに対応することができ、その結果、基部接触面842と構造底面890との間に印刷材料がリークしなくなるようにすることができる。構造側面892がさらに、それらの間でのリークを防止するために凹部側面884の形状に概して対応する形状を呈することができる。構造側面892の少なくとも一部分が、基部ねじ山882と対合するように又は基部ねじ山882に係合されるように構成された1つ又は複数の構造ねじ山894をさらに有することができ、それにより中間構造884を基部832にねじ式に取り付けることが可能となる。
【0090】
中間構造884が、そこを通って(例えば、外部表面から構造凹部886まで)延在するチャンネル896を画定することができる。チャンネル896が中間構造884を通って印刷材料が流れるのを可能にすることができ、その結果、印刷材料が基部832の通路860からノズル800の導管814まで流れることが可能となる。言い換えると、チャンネル896が、導管814を通路860に流体連通させるのを可能にすることができる。
【0091】
中間構造884が任意適切な材料を含むことができる(又は、任意適切な材料から形成され得る)。実施例では、中間構造884が、真鍮、青銅、PCD、PcBN、鋼鉄、銅、アルミニウム、又は、任意適切な他の材料を含むことができる(又は、これらから形成され得る)。
【0092】
実例では、中間構造884が、中間構造884が印刷済み材料に接触するのを防止することができるか又は少なくともその可能性を低下させることができる、図3Bに示される先細表面350と同様の先細表面850を有することができる。実例では、中間構造884が、基部832の基部接触面842の中へと押圧されるように構成された底部突出部(図示せず)を有することができる。
【0093】
示されない実施例では、ノズル800が基部832に直接にねじ式に取り付けられるように構成される。このような実施例では、ノズル800が、基部ねじ山882と対合するか又は基部ねじ山882に係合されるように構成された1つ又は複数のノズルねじ山を画定することができる。
【0094】
図9が、実施例による、基部932に固定されたノズル900を有するノズル組立体962の断面概略図である。ノズル900が、基部932に取り付けられた中空スリーブ998を使用して基部932に固定され得る。本明細書で別途開示される場合を除いて、ノズル900及び基部932が、限定しないが、それぞれ、本明細書で開示されるノズル及び基部の任意の1つ又は複数の構造部と等しいか又は実質的に同様である1つ又は複数の構造部を有することができる。例えば、ノズル900が、頂面902と、底面904と、ノズル側面906と、を有することができる。ノズル900がさらに、そこを通る導管914又は通路を画定する。基部932が、ノズル900を受けるように構成された凹部940と、通路960と、を有する。
【0095】
凹部940及び通路960が、凹部開口部946から、基部932の外部表面(例えば、下側表面991)によって画定された開口部999まで、延在する孔を一体に形成する。通路960が、(例えば、中空スリーブ998が基部932に取り付けられる前に)そこを通ってノズル900が移動するのを可能にする1つ又は複数の寸法(例えば、最大横寸法)を呈する。例えば、通路960の寸法がノズル900の寸法と等しくてよいか又はそれより大きくてよく、それにより通路960内でノズル900が移動するのを可能にする。凹部940が、通路960に隣接する第1の部分940aと、第1の部分940aから凹部開口部946まで延在する第2の部分940bと、を有することができる。凹部940の第1の部分940aが、そこを通ってノズル900が移動するのを可能にする1つ又は複数の寸法(例えば、最大横寸法)を呈する。例えば、凹部940の第1の部分940aの寸法がノズル900の寸法と等しくてよいか又はそれより大きくてよく、それによりノズル900を中で移動させるのを可能にする。実施例では、第1の部分940aの寸法が通路960の寸法と等しくてよいか又は実質的に等しくてよい。このような実施例では、凹部940の第1の部分940aは通路960とは区別可能であり、ここでは、組み立て後(後でより詳細に説明する)、凹部940の第1の部分940aが少なくとも部分的にノズル900によって占有され、中空スリーブ998によって占有されず、対して、通路960が中空スリーブ998により少なくとも部分的に占有され、ノズル900によって占有されない。実施例では、凹部940の第1の部分940aが、通路960の寸法よりわずかに小さい寸法を呈することができる。このような実施例では、第1の部分940aと通路960との間の異なる寸法が、凹部940の第1の部分940aの中に中空スリーブ998が挿入されるのを防止するバリアを形成することができるリップ又はステップを作り出すことができる。凹部940の第2の部分940bの寸法の少なくとも一部が、凹部940の第1の部分940aから凹部開口部946までで減少する。凹部940の第2の部分940bの減少する寸法が、第2の部分940bを通ってノズル900が移動するのを防止することができる。言い換えると、第2の部分940bの減少する寸法が、凹部940及び通路960によって形成された孔の全体を通ってノズル900が移動するのを防止するバリアを形成することができる。いくつかの実施例では、凹部940の第1の部分940aが排除され得る。
【0096】
中空スリーブ998が、通路960内に配設されるように、及び任意選択で基部932に固定されるように、構成される。中空スリーブ998が通路960の寸法を効果的に縮小するように構成され、その結果、中空スリーブ998が通路960内に配置された後でノズル900が通路960に沿って移動することができなくなる。例えば、中空スリーブ998がチャンネル933を画定することができる。チャンネル993が流体流路を提供することができ、その結果、印刷材料がチャンネル993を通ってノズル900の導管914まで流れることができるようになる。チャンネル933が、そこを通ってノズル900が移動するのを不可能にするのに十分な小ささである1つ又は複数の寸法を呈する。したがって、中空スリーブ998を通路960内に配置することにより及び任意選択で中空スリーブ998を基部932に固定することにより、通路960を通るノズル900の移動を制限又は防止することができる。別法として、基部932がプリンティング・デバイスに固定されるとき、中空スリーブ998が通路960内で捕捉され得る。
【0097】
実施例では、中空スリーブ998が、基部932に圧入されるように構成される。このような実施例では、中空スリーブ998が、基部932の通路960の寸法よりわずかに大きい1つ又は複数の寸法を呈することができる。中空スリーブ998のわずかに大きい寸法により、中空スリーブ998を基部932に圧入するのを可能にすることができる。実例では、中空スリーブ998を基部932の通路960の中に挿入することが、中空スリーブ998を基部932より低温で維持させながら、通路960の寸法を増大させるために基部932を加熱することを含むことができる。通路960の増大する寸法は中空スリーブ998を通路960の中に挿入するのを支援することができ、対して、通路960の中に中空スリーブ998が挿入された後で基部932を冷却することにより中空スリーブ998の周りで基部932が挟扼され、これらの2つの構成要素の間に締まり嵌めを確立する。実施例では、圧入以外の手法を使用して、中空スリーブ998が基部932に取り付けられ得る。例えば、中空スリーブ998が、基部932にろう付けされ得るか、溶接され得るか、又ははんだ付けされ得る。このような実例では、中空スリーブ998が、通路960の寸法よりわずかに小さい寸法を呈することができ、それにより中空スリーブ998を通路960内に容易に配置することが可能となる。
【0098】
組み立て中、中空スリーブ998が通路960から離間されるか、又は、通路960内に中空スリーブ998が設けられる場合には中空スリーブ998が通路960から取り外される。中空スリーブ998が通路960の外側にある状態で、ノズル900が開口部999を通って通路960の中に挿入され得る。次いで、ノズル900が凹部940に入るまで、ノズル900が通路960を通って移動することができる。例えば、凹部940の第2の部分940bが通路960を通ってノズル900がさらに移動するのを防止するようになるまで、ノズル900が挿入され得る。ノズル900を凹部940内に配置した後、中空スリーブ998が通路960内に配置され得る。例えば、中空スリーブ998は、凹部940に隣接してノズル900に接触することになるように、配置され得、それにより凹部940内でノズル900が移動するのを防止するか又は少なくとも妨げる。任意選択で、次いで、中空スリーブ998が、本明細書で開示される手法のうちの任意の手法を使用して基部932に固定され得、それによりノズル900を基部932に固定する。
【0099】
本明細書では種々の態様及び実施例が開示されるが、他の態様及び実施例も企図される。本明細書で開示される種々の態様及び実施例は説明を目的とし、限定的であることを意図されない。
【0100】
程度を示す用語(例えば、「約」、「実質的に」、「概して」など)は、構造的な又は機能的な非有意の変化量を示す。実例では、量を示す用語に程度を示す用語が含まれる場合、この程度を示す用語は、量を示す用語の±10%、±5%、又は±2%を意味するものとして解釈される。実例では、程度を示す用語が形状を修飾するのに使用される場合、この程度を示す用語は、この程度を示す用語によって修飾される形状が開示される形状の外観を有することを示している。例えば、程度を示す用語は、形状が、鋭利な角度の代わりに曲線の角部を有することができ、直線の縁部の代わりに湾曲している縁部を有することができ、そこから延在する1つ又は複数の突出部を有することができ、縦長であり、開示される形状と等しい、などを示すのに使用され得る。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】