(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】摩耗アセンブリ
(51)【国際特許分類】
E02F 9/28 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
E02F9/28 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562202
(86)(22)【出願日】2022-04-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022024309
(87)【国際公開番号】W WO2022221217
(87)【国際公開日】2022-10-20
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518269669
【氏名又は名称】エスコ・グループ・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストン,クリストファー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼニアー,スコット・エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ハンクランド,ジョエル・エス
(72)【発明者】
【氏名】ビンガム,ブルース・クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オリンガー,チャールズ・ジー,ザ・フォース
(72)【発明者】
【氏名】スタンゲランド,ケヴィン・エス
(72)【発明者】
【氏名】エングレン,ザカリー・アール
【テーマコード(参考)】
2D015
【Fターム(参考)】
2D015JA03
(57)【要約】
バケットの採掘エッジに取り付けるための摩耗部材は、前端部と、前端部から後方に延在する二分岐脚とを含む。各脚は、採掘エッジに面する内面、後壁、およびそれを通してロックを受けるためのロック開口部を含む。二分岐脚のうちの少なくとも一方は、前部、後部、およびカップリング機構を含む。後部は、後壁の前方の正面に面する側壁を備える安定化領域を画定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けるための摩耗部材であって、
前端部と、
前記前端部から後方に延在する二分岐脚であって、前記脚のそれぞれが、前記採掘エッジに面する内面と、後壁を含み、前記脚の少なくとも一方が、その中にロックを受けるためのロック開口部を有する、二分岐脚と、を備え、
前記脚の少なくとも一方が、前部および前記前部に対して陥凹した後部を含み、前記前部が、前記陥凹した後部に受け入れ可能な摩耗キャップに対向する前記後部に隣接した後部に面する側壁を含み、前記後部が、前記後部に摩耗キャップを係合し、前記摩耗キャップの後方移動に耐えるのに適する前記後壁の前方に少なくとも一つの正面に面する側壁を含む、摩耗部材。
【請求項2】
前記後部が前記ロック開口部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1に記載の摩耗部材。
【請求項3】
前記後部が、前記ロック開口部の対向する側面に位置するくぼみに画定される、前記正面に面する側壁の二つを含む、請求項1または2に記載の摩耗部材。
【請求項4】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けるための摩耗部材であって、
前端部と、
前記前端部から後方に延在する二分岐脚であって、前記脚のそれぞれが、前記採掘エッジおよび後壁に面する内面を含み、前記脚の少なくとも一方が、その中にロックを受けるためのロック開口部を画定する、二分岐脚と、
前記ロック開口部の各側面への一対のくぼみであって、各くぼみが、前記少なくとも一つの脚上の摩耗キャップの後方移動に耐えるための正面に面する壁を含む、一対のくぼみと、を備える、摩耗部材。
【請求項5】
前記くぼみの各々が、横方向に面する長手方向壁と、前記それぞれの正面に面する側壁からそれぞれ前方に延在する外向きに面するレッジとを含む、請求項3または4に記載の摩耗部材。
【請求項6】
前記レッジの各々が、前記正面に面する壁のうちの一つの下端部から前記後部の外面まで延在するため傾斜する、請求項5に記載の摩耗部材。
【請求項7】
前記レッジの各々が、前記レッジの各々の幅が前記前端部に向かって減少するようにテーパ状になる、請求項5または6に記載の摩耗部材。
【請求項8】
前記脚の少なくとも一方が、前記前部と、前記前部に対して陥凹した後部とを含み、前記ロック開口部およびくぼみが前記後部に含まれる、請求項4~7のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項9】
前記脚のうちの一方が、前記一つの脚の前記内面と概して同じ方向に面し、前記摩耗キャップの前記摩耗部材から離れる動きに耐えるために前記摩耗キャップの一部分を覆うのに適している、少なくとも一つの保持面を含む、請求項1~8のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項10】
前記脚の少なくとも一方が、前記採掘エッジ上の少なくとも一つの支持体と相互作用する係合構造を含む、請求項1~9のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項11】
前記係合構造が、前記摩耗部材に対する横方向の力に耐えるために、前記少なくとも一つの支持体を前記採掘エッジ上に受けるように、前記少なくとも一方の脚の前記内壁および前記後壁に開口するスロットを含む、請求項10に記載の摩耗部材。
【請求項12】
前記係合構造が、前記摩耗部材に対する横方向の力に耐えるための複数の前記少なくとも一つの支持体によって受けられ、かつ拘束される、前記少なくとも一方の脚の外部対向側面を含む、請求項10に記載の摩耗部材。
【請求項13】
前記後部が、前記少なくとも一方の脚の各側面壁に近接する軸方向溝を含み、前記各溝が、前記摩耗キャップに対する横方向の力に耐えるために前記摩耗キャップの一部分を受けるために、前記ロック開口部と前記後壁との間に軸方向に延在する、請求項1~12のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項14】
前記脚の各々が、前記ロックを受けるためのロック開口部を含む、請求項1~13のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項15】
アダプタまたはシュラウドである、請求項1~14のいずれかに記載の摩耗部材。
【請求項16】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリであって、前記摩耗アセンブリが、請求項1~15のいずれかに記載の摩耗部材、前記摩耗部材上に取り付けられた摩耗キャップ、および前記摩耗部材上の前記摩耗キャップおよび前記採掘エッジ上の前記摩耗部材を保持するための前記ロック開口部内のロックを備える、摩耗アセンブリ。
【請求項17】
土木作業機器用摩耗アセンブリであって、
前記土木作業機器の採掘エッジに連結するよう動作可能な摩耗部材と、
前記摩耗部材上に取り付けるように構成された摩耗キャップと、
前記摩耗部材を前記採掘エッジに固定し、前記摩耗キャップを前記摩耗部材に固定するロックと、を備える、摩耗アセンブリ。
【請求項18】
前記摩耗部材が、前端部および前記前端部から後方に延在する二分岐脚を含み、前記脚の各々が、前記採掘エッジに面する内面、前記内面の反対側の外面、および後壁を含み、前記脚の少なくとも一方が、その中にロックを受けるロック開口部を有する、請求項17に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項19】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリであって、
前端部および前記前端部から後方に延在する二分岐脚を含む摩耗部材であって、前記脚の各々が、前部、前記前部の後方の後部、前記採掘エッジに面する内面、前記内面と反対側の外面、および後壁を含み、前記脚の少なくとも一方が、その中にロックを受けるためのロック開口部を有する、摩耗部材と、
前記後端部に近接する前記後部の前記脚のうちの一方の少なくとも前記外面を覆うため前記摩耗部材上に取り付けられた摩耗キャップと、
前記摩耗部材を前記採掘エッジ上に保持するための前記ロック開口部内のロックと、を備える、摩耗アセンブリ。
【請求項20】
前記ロック開口部内の前記ロックが、前記摩耗部材上の前記摩耗キャップおよび前記採掘エッジ上の前記摩耗部材を保持する、請求項19に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項21】
前記摩耗部材が、前記摩耗キャップが受け入れられる前記外面内の凹部を含む、請求項17~20のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項22】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリであって、
前端部および前記前端部から後方に延在する二分岐脚を含む摩耗部材であって、前記脚のそれぞれが、前記採掘エッジに面する内面、前記内面と反対側の外面、および後壁を含み、前記脚の少なくとも一方が、前記外面に凹部を含み、前記脚の少なくとも一方が、その中にロックを受けるためのロック開口部を有する、摩耗部材と、
前記摩耗部材上の前記凹部内に取り付けられた摩耗キャップと、
前記摩耗部材を前記採掘エッジ上に保持するための前記ロック開口部内のロックと、を備える、摩耗アセンブリ。
【請求項23】
前記ロックはまた、前記摩耗キャップを前記摩耗部材に保持する、請求項22に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項24】
前記摩耗キャップが、前記脚のうちの一方の前記上面を覆う上部と、前記摩耗キャップ上の側面荷重に耐えるために前記一方の脚の対向する側面を覆う一対の側壁とを含む、請求項17~23のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項25】
前記摩耗部材が、少なくとも一つの正面に面する側壁を含み、前記摩耗キャップが、前記摩耗キャップの後方移動に耐えるために、前記少なくとも一つの正面に面する側壁と係合する、少なくとも一つの後部に面する支持面を含む、請求項17~24のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項26】
前記摩耗部材が、前記ロック開口部の各側面上にくぼみを含み、前記くぼみの各々が、一つの前記正面に面する側壁を含み、前記摩耗キャップが、前記くぼみのそれぞれに嵌合する突出部を含み、前記突出部の各々が、一つの前記後部に面する支持面を含む、請求項25に記載の摩耗アセンブリ。
【請求項27】
前記摩耗部材が、前記摩耗キャップを有する前記脚の前記内面と概して同じ方向に面し、前記摩耗部材から離れる前記摩耗キャップの動きに耐えるため前記摩耗キャップの一部分を覆うのに適している、少なくとも一つの保持面を含む、請求項17~26のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項28】
前記ロックが、前記摩耗キャップを有する前記脚の前記内面と概して同じ方向に面し、前記摩耗部材から離れる前記摩耗キャップの動きに耐えるために前記摩耗キャップの一部分を覆うのに適している、少なくとも一つの保持面を含む、請求項17~27のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項29】
前記ロックが、前記摩耗キャップの一部分およびその間の前記摩耗部材の一部分を捕捉する一対の腕を含む、請求項17~28のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項30】
前記摩耗キャップが、前記ロック開口部と位置合わせする開口部を含む、請求項17~29のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項31】
前記ロックが、スプールおよびくさびを含む、請求項17~30のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項32】
前記摩耗部材が、点を支持するためのノーズを有するアダプタである、請求項17~31のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項33】
前記摩耗部材がシュラウドである、請求項17~31のいずれかに記載の摩耗アセンブリ。
【請求項34】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けられた摩耗部材と使用するための摩耗キャップであって、前記摩耗キャップが、上部摩耗面、前記摩耗部材と係合するための前記上部摩耗面と反対側の下面、前記摩耗部材と係合するための前部カップリング形成物、およびロックと係合するための後部カップリング形成物を備え、前記前部および後部カップリング形成物が、前記摩耗キャップを前記摩耗部材に保持する、摩耗キャップ。
【請求項35】
前記摩耗部材の側面を覆い、横方向の荷重に耐えるため前記上部摩耗面から内向きに延在する係合ウィングを含む、請求項34に記載の摩耗キャップ。
【請求項36】
各係合ウィングが、前記摩耗部材上の正面に面する側壁と係合するために、後部に面する支持壁を含む、請求項35に記載の摩耗キャップ。
【請求項37】
前記係合ウィングの各々が、前記摩耗部材の前部に向かって相互に直交する方向にテーパ状になる、請求項35または36のいずれかに記載の摩耗キャップ。
【請求項38】
前記前部カップリング形成物が、前記上部摩耗面を超えて前方に延在し、摩耗部材上の相補的形成物と係合するように動作可能な突起部を含む、請求項34~37のいずれかに記載の摩耗キャップ。
【請求項39】
前記後部カップリング形成物が、前記摩耗キャップが外向きの方向に移動することを防止するため、前記開口部に向かって延在し、前記開口部内の前記ロックの対応する部分の下に位置するように動作可能な舌部を含む、請求項34~38のいずれかに記載の摩耗キャップ。
【請求項40】
ロックを受けるため前記上部摩耗面および前記下面を貫通する開口部を含む、請求項34~39のいずれかに記載の摩耗キャップ。
【請求項41】
土木作業機器の採掘エッジに取り付けられた摩耗部材と使用するための摩耗キャップであって、前記摩耗キャップが、前記摩耗部材の上部を覆う上部、および前記摩耗部材の側面を覆い、前記摩耗キャップに対する横方向の力に耐えるため、前記上部の内側および対向する側面に延在する係合ウィングを備え、各係合ウィングが、前記摩耗キャップに対する後方の力に耐えるために、前記摩耗部材上の相補的な正面に面する側壁と係合する後部に面する支持壁を含む、摩耗キャップ。
【請求項42】
前記係合ウィングの各々が、軸方向延長部を有し、前記軸方向延長部の一部のみに沿った突出部を含み、前記後部に面する支持壁が前記突出部上にある、請求項41に記載の摩耗キャップ。
【請求項43】
前記摩耗キャップを前記摩耗部材に保持するために、複数の軸方向に離間した前方に突出する舌部を含む、請求項41または42に記載の摩耗キャップ。
【請求項44】
土木作業機器用摩耗アセンブリであって、
採掘エッジに取り付けるための摩耗部材であって、前記摩耗部材が、前端部および前記前端部から後方に延在する二分岐脚を含み、各脚が、前記採掘エッジに面する内面、後壁、およびロック開口部を含む、摩耗部材と、
請求項34~43のいずれかに記載の摩耗キャップと、
前記摩耗キャップを前記摩耗部材に固定し、前記摩耗部材を前記採掘エッジに固定するためのロックと、を備える、摩耗アセンブリ。
【請求項45】
土木作業機器用基部に摩耗部材を取り外し可能に固定する際に使用するスプールであって、前記摩耗部材と前記基部とが、前記スプールを受けるためのロック開口部を協働して画定し、前記スプールが、本体軸に沿って延在する細長い本体であって、前記本体が前記本体の一端にヘッドを含む本体、前記ヘッドから延在する脚、前面、後面、および端部に前記ヘッドを有する一対の腕であって、前記後面上の前記本体軸から離れて延在する腕を備える、スプール。
【請求項46】
前記ヘッドに一対の肩部を含み、前記前面と前記後面との間に延在する、請求項45に記載のスプール。
【請求項47】
前記一対の肩部が、前記一対の腕の前記脚に近い、前記腕の両側に、および前記腕または腕の上方に形成される、請求項46に記載のスプール。
【請求項48】
前記後面が、前記摩耗部材と係合するため前記腕の間の支持面を含む、請求項45~47のいずれかに記載のスプール。
【請求項49】
前記脚部分が、前記スプールがその設置中に、前記脚部分が、採掘エッジまたは摩耗部材に引っかかることなく、前記ロック開口内に挿入され得るように、実質的にいずれの突起部もない、請求項45~48のいずれかに記載のスプール。
【請求項50】
前記前面に画定される凹部を含み、前記凹部が、くさび上の相補的なねじ山と係合するためのねじ山を画定する、請求項45~49のいずれかに記載のスプール。
【請求項51】
前記脚部分の下部セクションが、前記凹部内に突出する停止部を画定して、限界停止部を超えてくさびが突出するのを防止する、請求項45~50のいずれかに記載のスプール。
【請求項52】
土木作業機器用基部に摩耗部材を固定するためのロックであって、前記ロックが、請求項45~51のいずれかに記載のスプール、および前記スプールの前記前面に沿って前記ロック開口部に出入りするくさびを備える、ロック。
【請求項53】
土木作業機器用基部に摩耗部材を取り外し可能に固定する際に使用するためのくさびであって、前記摩耗部材および前記基部が、前記くさびを受けるためロック開口部を協働して画定し、前記くさびが、上部円錐台部分、下部円錐台部分、および前記上部円錐台部分と前記下部円錐台部分との間の中央部分を備え、前記上部円錐台部分および前記下部円錐台部分の少なくとも一方が、ねじ山を含む、くさび。
【請求項54】
前記中央部分の直径が、前記上部円錐台部分の最下部の直径と、前記下部円錐台部分の最上部の直径と合致する、請求項53に記載のくさび。
【請求項55】
前記円錐台部分が同じ外面テーパ角度を有する、請求項53または54のいずれかに記載のくさび。
【請求項56】
前記上部円錐台部分および前記下部円錐台部分のそれぞれがねじ付きである、請求項53~55のいずれかに記載のくさび。
【請求項57】
前記中央部分が、ねじ切りされておらず、かつテーパ状でない、請求項53~56のいずれかに記載のくさび。
【請求項58】
前記ねじ山の各々が、隣接する渦巻き状溝セグメントの間に形成される比較的広いらせん形状のランドセグメントによって画定される、請求項53~58のいずれかに記載のくさび。
【請求項59】
土木作業機器用基部に摩耗部材を固定するためのロックであって、前記ロックが、一側面上に凹部を有するスプールと、前記ロック開口部に出入りする前記凹部に受けられる請求項53~58のいずれかに記載のくさびと、を備える、ロック。
【請求項60】
土木作業機器用基部に摩耗部材を固定するためのロックであって、前記ロックが、請求項45~51のいずれかに記載のスプール、および請求項53~58のいずれかに記載のくさびを備える、ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩耗アセンブリに関し、詳細には、摩耗部材のバケットまたは他のショベルの採掘エッジへの取り付けのための摩耗アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
摩耗部材を、バケットまたは他のショベルの採掘エッジに沿って歯およびシュラウドの形で固定して、早期摩耗から前面リップを保護することが一般的である。歯は、リップの前方に突出して、貫入を容易にし、バケットに集められる地面を壊す。シュラウドは、歯の間のリップに取り付けられる。理解されるように、摩耗部材、特に歯は、非常に重い負荷および高度な摩耗を受ける、厳しい作業条件においてしばしば使用される。
【0003】
掘削歯は一般に、例えば、アダプタ、ポイント、およびロックを含む複数の部品から構成される。アダプタは、バケットの前面リップに取り付けるように構成された後部取り付け端部と、ポイントを取り付けるための前方突出型ノーズとを有する。ポイントは、前方土木貫入端部およびアダプタのノーズを受ける後方に開くソケットが設けられるテーパ状部材である。ロックは、ポイントをアダプタに固定する摩耗アセンブリの部分である。ポイントが最も頻繁に摩耗するが、アダプタも摩耗に晒され、定期的な交換を必要とする。
【0004】
現場での交換を可能にするために、バケットリップに機械的に取り付けられるアダプタが開発されている。最も一般的なのは、Whislerスタイルのアダプタ(例えば、Hahnへの米国特許第4,267,653号および Emrich and Briscoeへの米国特許第6,986,216号に示すように)として知られている。これらの配置では、アダプタの後部取り付け端部は、バケットリップを跨ぐ一対の二分岐脚を含む。アダプタの各脚は、バケットのリップ内に形成された貫通孔またはキー溝と位置合わせされる開口部を含む。スプールおよびくさびを含むマルチパーツロックは、アダプタを定位置に固定するために、位置合わせされた開口部および貫通孔に挿入される。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態では、簡単に取り付けおよび取り外しを容易にする機械的機構によって、土木作業機器(例えば、バケットのリップ)の採掘エッジにしっかりと取り付けられる摩耗部材が提供される。
【0006】
本発明の別の実施形態によると、採掘エッジに取り付けるための摩耗部材が提供され、採掘エッジはそれを通してキー溝を画定する。摩耗部材は、前端部、それぞれが採掘エッジに面する内面を含む前端部から後方に延在する二分岐脚、後壁、およびそれを通してロックを受けるロック開口部を含む。二分岐脚のうちの少なくとも一方は、前部、前部に対して陥凹した後部、およびカップリング機構をさらに含む。前部は、後部に隣接する後方に面する側壁を画定する。後部は、後壁の前方の正面に面する側壁を備える安定化領域を画定する。
【0007】
任意選択で、二分岐脚の一方または両方は、後部係合構造を含み得る。
【0008】
任意選択で、各脚は、支持面を形成し、ロック開口部を部分的に画定し、その後端部に位置する、さらなる正面に面する側壁を含む。
【0009】
任意選択で、前部は、後部に隣接する後方に面する側壁を画定する。
【0010】
任意選択で、後部係合構造は、脚の後壁および内面で開き、長手方向に延在して採掘エッジ上のボスを受けるスロットを備え、ボスは横方向の力に耐える。採掘エッジ上のボスは、内部側壁に向かって延在するが、通常動作中に実際に接触しない場合がある。事実上、内部側壁は、主にアバットメント面ではなくクリアランス面として作用し得る。別の方法として、内部側壁は、通常の動作中に採掘エッジ上のボスに当接するように構成され得る。
【0011】
任意選択で、後部係合構造は、長手方向および横方向の力に耐えるための採掘エッジ上の保持機構の相補的な表面によって受けられ、かつ囲まれるように、脚の対向する外部側面を備える。
【0012】
任意選択で、ロック開口部のうちの一つは、前部と後壁との間に長手方向に延在し、それを通してロックを受け、ロックの別の部分が挿入される前にその中にロックの一部が長手方向に移動することを可能にする。
【0013】
任意選択で、後部は、ロック開口部の対向する長手方向側面のそれぞれにレッジを画定する。
【0014】
任意選択で、二分岐脚のうちの少なくとも一つは、上脚を含む。
【0015】
任意選択で、二分岐脚のうちの少なくとも一つは、下脚を含む。
【0016】
任意選択で、二分岐脚の他方はまた、前部および前部に対して陥凹した後部を含む。
【0017】
任意選択で、前部は、前端部とロック開口部との間に位置する。
【0018】
任意選択で、後部は、前部の外面に対して陥凹している。
【0019】
任意選択で、後部は、ロック開口部を少なくとも部分的に取り囲む。
【0020】
任意選択で、カップリング形成物は、摩耗キャップ上の相補的カップリング部分と係合するための前部上に保持面を備え、その結果、摩耗キャップが摩耗部材から離れて移動することが防止される。
【0021】
任意選択で、摩耗キャップは、摩耗部材のくぼみ内に収容するための突起部を備え、その結果、摩耗キャップが後方方向に移動することが防止される。
【0022】
任意選択で、後部安定化領域は、ロック開口部の対向する側面に位置する一対のくぼみを備える。
【0023】
任意選択で、各くぼみは、正面に面する側壁と、正面に面する側壁から延び、前部に向かってテーパ状になる長手方向壁とを備える。長軸方向壁は、いずれの方向にもテーパ状でなくてもよい。
【0024】
任意選択で、くぼみは、一対の上向きに面するレッジをさらに備え、各レッジは、脚の長手方向側面、正面に面する側壁のうちの一つ、および長手方向壁の一つによって画定される。
【0025】
任意選択で、一方または両方のレッジが、一方または両方のレッジの幅が前端部に向かって減少するように、正面に面する側壁から前端部に向かってテーパ状になる。レッジは、いずれの方向にもテーパ状でなくてもよく、または一方または両方のレッジの幅が後端部に向かって減少するように、後端部に向かってテーパ状であってもよい。
【0026】
任意選択で、摩耗部材は、別の構成要素を取り付けるための前方突出型ノーズを有する。
【0027】
任意選択で、摩耗部材は、アダプタ、先端、およびシュラウドからなる群から選択される。
【0028】
任意選択で、摩耗部材上の正面に面する支持壁は、ロック開口部を通して受けられるロックの裏面と係合する。
【0029】
別の実施形態では、採掘エッジに取り付けるための摩耗部材は、前端部と、前端部から後方に延在する二分岐脚とを備える。採掘エッジおよび後壁に面する内面を含む各脚。脚のうちの少なくとも一方は、その中にロックを受けるためのロック開口部を有する。脚のうちの少なくとも一方は、前部と、前部に対して陥凹した後部とを含む。前部は、後部に隣接した後部に面する側壁を含んで、陥凹した後部内の収容可能な摩耗キャップに対向する。後部は、後部で摩耗キャップと係合し、摩耗キャップの後方移動に耐えるのに適した、後壁の前方の少なくとも一つの正面に面する側壁を含む。
【0030】
別の実施形態では、採掘エッジに取り付けるための摩耗部材は、前端部と、前端部から後方に延在する二分岐脚とを備える。脚のうちの少なくとも一方は、その中にロックを受けるためのロック開口部、およびロック開口部の各側面への一対のくぼみを画定し、各くぼみは、少なくとも一つの脚上の摩耗キャップの後方移動に耐えるための正面に面する壁を含む。
【0031】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗部材は、機器の基部を受けるためにその間に空洞を画定する一対の脚を含む。脚の各々は、基部に面する内側面、基部から離れて面する反対側の外面、および内側面および外面に開口する貫通孔を含む。各脚の孔は、基部から離れて延在する端部表面によって画定される後端部を有し、一方の脚の端部表面は、内側面から外面へ延在し、他方の脚の端部表面は、内側面から外面近傍のステップへ延在する。
【0032】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗部材は、基部に面する内側面、外面、前端部、および後端部を有する少なくとも一つの脚を含み、脚の後端部は、摩耗キャップを取り付けるため外面に取り付け凹部を含む。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、バケットの採掘エッジに取り付けるための摩耗部材が提供され、摩耗部材は、前端部、前端部から後方に延在する二分岐脚、その上に摩耗キャップを受けるための陥凹棚を画定する脚の少なくとも一方、およびその中にロックを受けるためのロック開口部を備える。
【0034】
摩耗部材は、シュラウドを備えてもよい。
【0035】
本発明の別の実施形態によれば、バケットの採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリが提供され、採掘エッジはそれを通してキー溝を画定する。摩耗アセンブリは、上記の実施形態による摩耗部材、および上記段落の任意の所望の任意選択の機構、摩耗部材の後部に取り付けられた後部摩耗キャップ、協働スプールを備えるロック、および摩耗部材によって画定され、摩耗部材上に後部摩耗キャップを保持するロック開口部に取り付けられたくさびを備える。
【0036】
任意選択で、摩耗キャップは、摩耗部材の陥凹した後部に取り付けられ、ロック開口部および輪郭付き下部係合面と位置合わせして長手方向に延在する開口部を画定する。
【0037】
任意選択で、輪郭付き下部係合面は、前部カップリング機構、係合ウィング、および後部ボス機構を備える。
【0038】
任意選択で、前部カップリング機構は、摩耗部材の前部上の相補的な凹部と係合するよう動作可能な輪郭付き下部係合面の反対側の上部摩耗面を超えて延在する突起部を備える。
【0039】
任意選択で、前部カップリング機構は、摩耗部材の前部上の相補的突起部と係合するよう動作可能な凹部を備える。
【0040】
任意選択で、係合ウィングの各々は、摩耗部材上に後方に位置する対応する正面に面する側壁に当接するための後部に面する壁と、摩耗部材によって画定される対応する上向きに面するレッジと位置合わせした下向きに面する面とを備える。
【0041】
任意選択で、係合ウィングの各々は、摩耗部材の前部に向かってテーパ状になる。
【0042】
任意選択で、後部ボス機構は、摩耗部材上のロック開口部を画定する正面に面する側壁と位置合わせするための後部に面する壁を備える。
【0043】
任意選択で、後部ボス機構は、ロック開口部に向かって延在し、スプールが、後部摩耗キャップが上向き方向に移動するのを防ぐように、スプールの対応する突出腕の下に位置するように動作可能な舌部をさらに備える。
【0044】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗アセンブリは、土木作業機器の採掘エッジに連結するよう動作可能な摩耗部材、摩耗部材上に取り付けるように構成された摩耗キャップ、および摩耗部材を採掘エッジにおよび摩耗キャップを摩耗部材に固定するロックを備える。
【0045】
別の実施形態では、採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリは、前端部と、前端部から後方に延在する二分岐脚とを含む摩耗部材を備える。脚の各々は、採掘エッジおよび後壁に面する内面を含む。脚のうちの少なくとも一方は、その中にロックを受けるためのロック開口部を有する。摩耗キャップは、摩耗部材上に取り付けられる。ロックは、摩耗部材上の摩耗キャップおよび採掘エッジ上の摩耗部材を保持するために、ロック開口部内にある。
【0046】
別の実施形態では、採掘エッジに取り付けるための摩耗アセンブリは、前端部と、前端部から後方に延在する二分岐脚とを含む摩耗部材を備える。脚の各々は、採掘エッジに面する内面、内面と反対側の外面、および後壁を含む。外面に凹部を含む脚の少なくとも一方、およびその中にロックを受けるためのロック開口部を有する脚の少なくとも一方。摩耗キャップは、摩耗部材上の凹部に取り付けられる。ロックは、摩耗部材を採掘エッジ上に保持するためにロック開口部内にある。
【0047】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗アセンブリは、バケットまたは他のショベルの採掘エッジに連結するよう動作可能な摩耗部材、摩耗部材上に取り付けるように構成された摩耗キャップ、および摩耗部材を採掘エッジに固定し、また摩耗キャップを摩耗部材に固定するロックを備える。
【0048】
別の実施形態では、土木作業機器用摩耗アセンブリは、機器の基部を受けるためにその間に空洞を画定する一対の脚を有する摩耗部材を含む。脚の各々は、基部に面する内側面、基部から離れて面する反対側の外面、および基部のキー溝と概して位置合わせする内側面および外面に貫通孔開口部を含む。各脚の孔は、基部から離れて延在する端部表面によって画定される後端部を有する。摩耗部材を基部に固定するためのロックは、スプールおよびくさびを含む。スプールは、端部表面と脚のそれぞれの外面との間でステップ表面に接触するために、スプールの各端部に腕を含むことなく、使用中にそれぞれの脚の前方の動きに耐えるために、孔の中の端部表面に接触する後方に面する支持面を有する。
【0049】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗アセンブリは、機器の基部に面する内側面を有する少なくとも一つの脚を有する摩耗部材と、摩耗部材を機器の基部に固定するためのくさびおよびスプールを有するロックとを含み、くさびは、二つのねじ付きテーパ部分およびテーパ部分間の円筒部分を含む。
【0050】
本発明の別の実施形態によると、摩耗アセンブリの一部として摩耗部材と使用するための摩耗キャップであって、上部摩耗面を画定する後部摩耗キャップと、上部摩耗面と反対側の輪郭付き下部係合面と、上部摩耗面および下部係合面を通って延在する長手方向に延在する開口部とが提供され、輪郭付き下部係合面が、前部カップリング機構と、係合ウィングと、後部ボス機構とを備える。
【0051】
任意選択で、前部カップリング機構は、上部摩耗面を超えて延在し、摩耗部材上の相補的形成物と係合するよう動作可能な突起部を備える。
【0052】
任意選択で、前部カップリング機構は、摩耗部材上の相補的突起部と係合するよう動作可能な凹部を備える。
【0053】
任意選択で、前部カップリング機構は、後部摩耗キャップの前部に概して中央に位置する。
【0054】
任意選択で、係合ウィングの各々は、摩耗部材上に後方に位置する対応する正面に面する側壁に当接するための後部に面する壁を備える。
【0055】
任意選択で、係合ウィングの各々は、摩耗部材の前部に向かって相互に直交する方向にテーパ状になる。
【0056】
任意選択で、後部ボス機構は、摩耗部材上のロック開口部を部分的に画定する正面に面する側壁と位置合わせするための後部に面する壁を備える。
【0057】
任意選択で、後部ボス機構は、ロック開口部に向かって延在し、スプールが、摩耗キャップが上向き方向に移動するのを防ぐように、スプールの対応する突出腕の下に位置するように動作可能な舌部をさらに備える。
【0058】
別の実施形態では、バケットの採掘エッジに取り付けられた摩耗部材と使用する摩耗キャップは、上部摩耗面、摩耗部材と係合するため上部摩耗面の反対側の下面、上部摩耗面および下部係合面を貫通する開口部、摩耗部材上に摩耗キャップを保持するため摩耗部材と係合する前部カップリング形成物、および摩耗部材に摩耗キャップを保持するためロックと係合する後部ボスを備える。
【0059】
別の実施形態では、その後部を保護するため摩耗部材と使用するための摩耗キャップであって、摩耗キャップは、上面、下面、上面および下面を貫通するロック開口、前部カップリング部分を備え、摩耗部材と係合し、それによって摩耗キャップを摩耗部材に保持する、摩耗キャップ。
【0060】
別の実施形態では、採掘エッジに取り付けられた摩耗部材と使用する摩耗キャップは、上部摩耗面、摩耗部材と係合する上部摩耗面の反対側の下面、および上部摩耗面から内向きに延在する係合ウィングを備え、それぞれが摩耗部材上の相補的な正面に面する側壁と係合する後部に面する支持壁を含む。
【0061】
別の実施形態では、その後部を保護するための摩耗部材と使用するための摩耗キャップであって、摩耗キャップは、上面、輪郭付き下部係合面、および上部および下部係合面を貫通する長手方向に延在する開口部を画定し、輪郭付き下部係合面は、摩耗部材と係合し、それによって摩耗キャップを摩耗部材に保持するための前部カップリング形成物を含む、摩耗キャップ。
【0062】
別の実施形態によれば、その後部を保護するために摩耗部材と使用するための摩耗キャップが提供され、摩耗キャップは、上面、輪郭付き下部係合面、および上部および下部係合面を貫通する長手方向に延在する開口部を画定し、輪郭付き下部係合面は、前部カップリング機構を備える。
【0063】
任意選択で、輪郭付き下部係合面は、係合ウィングおよび後部ボス機構をさらに含む。
【0064】
本発明の別の実施形態によれば、バケットの採掘エッジに取り付けるための摩耗部材を備える摩耗アセンブリが提供され、採掘エッジはそれを通してキー溝、および摩耗部材に機械的に取り付けられた後部摩耗キャップを画定する。摩耗部材は、前端部および前端部から後方に延在する二分岐脚を含む。各脚は、採掘エッジに面する内面と、後壁と、およびそれを通してロックを受けるためのロック開口部と、を含む。二分岐脚のうちの少なくとも一方は、前部、前部に対して陥凹した後部、およびカップリング機構をさらに備える。後部は、後壁の前方の正面に面する側壁を備える安定化領域を画定する。摩耗キャップは、それを通って延在し、使用中、ロック開口部と位置合わせして長手方向に延在する開口部、カップリング機構と係合するよう動作可能な前部カップリング機構、および安定化領域と係合するよう動作可能な係合ウィングを備え、摩耗キャップは、摩耗部材を採掘エッジに固定するために使用されるロックによって摩耗部材に機械的に取り付けられ得る。
【0065】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗アセンブリは、機器の基部に面する内側面を有する少なくとも一つの脚を有する摩耗部材、摩耗部材の少なくとも一部分を覆う摩耗キャップ、ならびに摩耗キャップを摩耗部材におよび摩耗部材を基部に固定するためのロックを含む。
【0066】
別の実施形態では、土木作業機器用の摩耗アセンブリは、一対の脚を有し、各脚は、機器の基部に面する内側面を有する、摩耗部材、一対の脚の一方の少なくとも一部分を覆う第一の摩耗キャップ、一対の脚の他方の少なくとも一部分を覆う第二の摩耗キャップ、および摩耗キャップの少なくとも一つを摩耗部材におよび摩耗部材を基部に固定するためのロックを含む。
【0067】
本発明の別の実施形態では、バケットまたは他のショベルの採掘エッジエッジにしっかりと連結するよう動作可能な摩耗部材、摩耗部材上に取り付けられた構成要素、および摩耗部材を採掘エッジエッジに固定し、また構成要素を摩耗部材に固定するロックを含む、摩耗アセンブリが提供される。
【0068】
任意選択で、ロックは、マルチパーツロックを含む。マルチパーツロックは、連結および連結解除され得る複数の別個の構成要素を備え得る。別の方法として、マルチパーツロックは、一緒に連結されるが、マルチパーツロックの一つ以上の外形寸法を増加または減少させるために互いに対して移動できる、複数の構成要素を含んでもよい。
【0069】
任意選択で、摩耗部材はアダプタを備える。
【0070】
任意選択で、アダプタは、採掘エッジによって画定される開口と位置合わせするために、それを通して開口を画定してもよく、ロックはアダプタおよび採掘エッジ開口内に取り付けられてもよい。
【0071】
任意選択で、アダプタに取り付けられた構成要素は、後部摩耗キャップなどの摩耗キャップを備える。
【0072】
任意選択で、摩耗部材はシュラウドを備える。
【0073】
任意選択で、シュラウド上に取り付けられた構成要素は、摩耗キャップを備える。
【0074】
任意選択で、構成要素は、摩耗部材によって画定される開口を囲むことができる。
【0075】
本発明の別の実施形態によると、分離可能な構成要素を一緒に取り外し可能に固定して使用するためのスプールが提供され、分離可能な構成要素が、スプールを受けるためのロック開口部を画定し、スプールは、ヘッド部分から脚部分へ本体軸に沿って延在する細長い本体を有し、(i)その前面によって画定される凹部と、(ii)その後面上の輪郭付き表面と、(iii)ヘッド部分で、後面上の本体軸から離れて延在する一対の腕と、(iv)ヘッド部分でまたはその近くで、前面と後面との間に延在する一対の肩部と、を備える。
【0076】
任意選択で、後面上の輪郭付き表面は、一対の腕の一方の下方に位置する傾斜した支持体、および採掘エッジと係合するための脚部分上の支持面を含む。
【0077】
任意選択で、後面上の輪郭付き表面は、摩耗部材と係合するためのヘッド裏面を含む。
【0078】
任意選択で、脚部分は、その完全挿入の前に、脚部分が採掘エッジまたは摩耗部材に引っかかることなく、スプールがロック開口内に挿入され得るように、実質的に突起部がない。
【0079】
任意選択で、脚部分は、ヘッド部分の反対側の端部で、摩耗部材内の相補的な凹部と係合するために、または少なくとも部分的に摩耗部材によって画定されるために、後面上の本体軸から離れて延在する腕を含む。
【0080】
任意選択で、前面上の凹部は、くさび上の相補的な凹部ねじと係合するための切り出しねじを画定する。
【0081】
任意選択で、前面の凹部は、くさび上の相補的な切り出しねじと係合するための凹部ねじを画定する。
【0082】
任意選択で、前面上の凹部は、凹部が脚部分の下部に向かって延在する際に、本体軸に概ね平行な外面を画定する。別の方法として、前面上の凹部は、凹部が脚部分の下部に向かって延在するとき、(i)はその長さの一部に対して本体軸に概ね平行であり、(ii)その長さの一部に対して本体軸に向かって傾斜し、任意選択的に(iii)その長さの一部に対して本体軸に概ね平行である外面を画定する。
【0083】
任意選択で、下部は、本体軸から離れて延在し、凹部内に突出する限界停止部を画定し、くさびが限界停止部を超えて突出するのを防止する。
【0084】
任意選択で、支持面は、スプールの挿入端部に延在するとき、本体軸から離れて傾斜する。
【0085】
任意選択で、一対の肩部は、一対の腕の下腕の両側に、および下腕にまたは下腕の上方に形成される。
【0086】
別の実施形態では、摩耗部材を土木作業機器用の基部に取り外し可能に固定するのに使用するスプールであって、摩耗部材および基部が、スプールを受けるためのロック開口部を協働的に画定し、スプールは、本体軸に沿って延在する細長い本体を備える、スプール。本体は、頭部、頭部から延在する脚、前面、後面、および端部に頭部を有し、後面上の本体軸から離れて延在する一対の腕を含む。
【0087】
本発明の別の実施形態によれば、分離可能な構成要素を一緒に取り外し可能に固定して使用するためのくさびが提供され、分離可能な構成要素は、くさびを受けるためのロック開口部を画定し、くさびは、上部円錐台部分、下部円錐台部分、および上部円錐台部分と下部円錐台部分との間の中央円筒形部分を備え、上部円錐台部分および下部円錐台部分は、外ねじを画定する。
【0088】
任意選択で、中央円筒形部分の直径は、上部円錐台部分の最下部の直径と、下部円錐台部分の最上部の直径とに合致する。
【0089】
任意選択で、外ねじは、その中に陥凹した切り込みねじを含む。
【0090】
任意選択で、円錐台部分は、同じ外面テーパ角度を有する。
【0091】
任意選択で、円筒形部分は、ねじ切りされておらず、かつテーパ状でない。
【0092】
任意選択で、比較的幅の広いらせん形状のランドセグメントが、外ねじの隣接する渦巻き状溝セグメントの間に形成される。
【0093】
任意選択で、らせん形状のランドセグメントは、一方の分離可能な構成要素と反対側の第二の支持面と接触して他方の分離可能な構成要素と接触し、それによってくさびと構成要素との間の負荷に耐える第一の支持面を画定する。
【0094】
別の実施形態では、摩耗部材を土木作業機器用の基部に取り外し可能に固定するのに使用するくさびであって、摩耗部材および基部が、くさびを受けるためのロック開口部を協働的に画定し、くさびが、上部円錐台部分、下部円錐台部分、および上部円錐台部分と下部円錐台部分との間の中央円筒形部分を含み、上部円錐台部分および下部円錐台部分のうちの少なくとも一方が、ねじを含む、くさび。
【0095】
本発明のこれらおよび他の実施形態は、以下の図面を参照し、例示のみによって示される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、リップに取り付けられた摩耗アセンブリの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の線2-2に沿った斜視部分断面図である。
【
図3】
図3は、
図1の摩耗アセンブリおよびリップ部分の分解斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1の摩耗アセンブリの上方からの平面図である。
【
図7】
図7は、
図1の摩耗アセンブリの下からの平面図である。
【
図8】
図8は、
図2に示す図に対応する(任意のクロスハッチングなしで)簡略化された側面部分断面図である。
【
図9A】
図9Aおよび9Bは、
図1の摩耗アセンブリの一部(リップボス)の簡略化された図である。
【
図10】
図10は、
図1の摩耗アセンブリの一部(キー溝インサート)の正面斜視図である。
【
図13】
図13は、
図1の摩耗アセンブリの一部を形成する摩耗部材(アダプタの形態の)の上方からの正面斜視図である。
【
図20】
図20は、
図1の摩耗アセンブリの別の部分(後部摩耗キャップ)の上方からの正面斜視図である。
【
図26】
図26は、
図1の摩耗アセンブリの別の部分(マルチパーツロックのスプール)の上方からの後方斜視図である。
【
図34】
図34は、
図1の摩耗アセンブリの別の部分(マルチパーツロックのスプールと使用するくさび)の正面図である。
【
図38】
図38は、
図20の後部摩耗キャップの取り付けおよび
図34のくさびの挿入前の、
図8に示す摩耗アセンブリの部分断面図の一部の拡大図である。
【
図41】
図41は、
図20の後部摩耗キャップの取り付けおよび
図34のくさびの挿入後の、
図8の断面図の拡大部分(円Aにより図示)の簡略化された側面図である。
【
図44】
図44は、
図10~12のキー溝インサートの代替としての段付きキー溝インサートの後方斜視図である。
【
図49】
図49は、本発明のさらに別の実施形態による、リップ部分に近い、摩耗アセンブリの分解斜視図である。
【
図57】
図57は、
図49の摩耗アセンブリの別の部分(マルチパーツロック)の正面斜視図である。
【
図63】
図63は、
図57のマルチパーツロックの挿入中、
図61の線62-62に沿った簡略化された、拡大正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
まず、本発明の実施形態による、摩耗アセンブリ10およびその様々な部分を示す
図1~8を参照する。図は、理解を容易にし、視界が散乱しないようにするために、簡略化され、一部の図は、詳細が低減されている。
【0098】
図1~8の例では、摩耗アセンブリ10は、バケットのリップ12上に取り付けられる。それにもかかわらず、摩耗アセンブリは、他の採掘エッジおよび/または他の土木作業機器に取り付けられ得る。
【0099】
図1では、三つの相互に直交する軸が図示されている。これらの軸は、長手方向(前方および後方)軸(LONGとラベルが付けられている)、横方向(横方向)軸(LATとラベルが付けられている)、および空中(すなわち上下)軸(LEVとラベルが付けられている)を含む。本明細書で使用される場合、正面および背面は、一般に
図1に示す長手方向軸に対して使用される。同様に、上下は、例えば、リップが
図1のように配向されるときのように、空中軸に沿った方向を識別するために使用される。
【0100】
摩耗アセンブリ10は、リップ12上に取り付ける摩耗部材14(この実施形態ではアダプタの形態で)、およびアダプタ14の前端部上に取り付けられたポイントまたは先端16を備える。摩耗アセンブリ10は、任意選択の前部摩耗キャップ20、任意選択の後部摩耗キャップ22、およびアダプタ14をリップ12に固定するロック24をさらに備え、後部摩耗キャップ22が使用されるとき、同時に摩耗キャップ22をアダプタ14に固定する。摩耗アセンブリの一例が示されているが、他の設計を有する歯を使用してもよい。例として、中間アダプタが提供されてもよく、その他の種類のロックが使用され得る。
【0101】
考察を容易にするために、バケットのリップ12へのアダプタ14の取付けが本明細書に開示されている。それにもかかわらず、他の実施形態において摩耗部材14は、シュラウド、ウイングシュラウド、ソリッドポイント、摩耗プレートなどであってもよく、支持構造体は、例えば、ドレッジカッタヘッド、ローリングドラム、ブレードなどの他の機器の採掘エッジであってもよい。
【0102】
本実施形態では、リップ12は、ケーブルショベルのバケットまたはディッパーの採掘エッジを画定し、先導面30、内面32および外面34を含む。貫通孔またはキー溝36(
図3で最もよく分かる)が、内面32および外面34を通過するリップ12に設けられる。
【0103】
先導面30は、アダプタ14の一部に対応する曲面(または半円)として示されているが、他の構成も可能である。先導面30は、(それぞれ)アダプタ14の相補的な凹部または突起部と係合するための突起部または凹部を画定し得る。
【0104】
リップ12の小さな部分のみが図面に示されているが、リップ12は、他の歯をバケットに取り付けるための一連の貫通孔36を含んでもよい。シュラウドを取り付けるために貫通孔36の間に様々な構造物(図示せず)も設けられてもよい。キー溝36の異なる形状および構成も可能である。採掘エッジはまた、バケット側壁の前縁部に沿ってリップから上方に延在し、本明細書に開示されるアダプタまたはシュラウドの実施形態の特徴を任意に設けた翼シュラウドを備えてもよい。
【0105】
リップ12は、安定化システム40をさらに含む。図示した実施形態では、安定化システム40は、上部支持体またはボス42a、下側支持体またはボス42b、およびキー溝インサート44を備えるが、より多くの、またはより少ない構成要素、および図示したものとは異なる形状を有する構成要素を含む他の構成も可能である。これらのコンポーネントのいずれかまたは全部を省略できる。
【0106】
安定化システム40は、リップ12上の摩耗部材14の強度および/または安定性を増加させ、摩耗部材14および/もしくはリップ12のより長い寿命、ならびに/またはリップ12に対する保守要件の低減をもたらす。
【0107】
図示した実施形態では、上部ボス42a、下側ボス42b、およびキー溝インサート44は、溶接(
図1~8では「W」とラベルが付けられている)を介してバケットリップ12に固定される。
【0108】
他の実施形態では、安定化システムは、他の構成要素を備えてもよい。こうした一例では、一つ以上のボスまたは支持体が、リップ12の先導面30上に提供され得る。
【0109】
図示した実施形態では、ボス42a、42bは、貫通孔36の後方で、かつそれと位置合わせしてリップ12に固定される。上部ボス42aは、リップ12の内面32に沿って延在するように固定され、下側ボス42bは、各貫通孔36の外面34に沿って延在するように固定されるのが好ましい。それにもかかわらず、内面32(もしくは外面34)上で単一のボスを使用してもよく、または代替的にボスを省略してもよい。一つ以上のボスは、代替的にまたは追加的に、先導面30と貫通孔36との間のリップに固定され得る。アダプタ脚86a、86bで受けられた中央ボスの代わりに(または追加的に)リップの一方または両側に各アダプタ脚の外側に置くために、複数の間隔を置いたボスまたは支持体が設けられ得る。
【0110】
ボス42a、42bはリップ12に溶接されるのが好ましいが、リップ12の一体部分として形成されてもよく、または他の方法で固定されてもよい。ボス42a、42bは、リップ12の摩耗速度の低減およびリップ12の保守を支援するためにリップ12よりも硬い合金で鋳造されることが好ましいが、同じ硬度またはより低い硬度を有する様々な合金が使用され得る。
【0111】
この実施形態では、ボス42a、42bは同一であるが、それらが互いのミラー画像であるようにリップ12反対側の表面32、34に取り付けられ、他の実施形態では、下側ボスは、設けられる場合、上部ボスとは異なる構成を有してもよい。
【0112】
ここで、また
図9Aおよび9Bを参照すると、各ボス42a、42bが、アダプタのスロット内に受容可能な本体50、およびアダプタの後方の後部部材62を有して図示されている。
【0113】
図示した実施形態では、本体50は、中央基部52および中央基部の各側面に沿って横方向に延在するフランジまたはレール54を画定し、それによってT字形状の構成を提供する。後部部材62は、採掘中にアダプタ14の後端部に当接する、すなわち、付与される荷重およびアダプタ脚の後方へのシフトに耐え、アダプタの破損のリスクを低減するための一つ以上のアバットメント面56を含む。
図1、3、4および8では、溶接が図示され、「W」とラベルが付けられている。各ボス42は、米国特許第6,986,216号に記載されるボスと類似してもよいが、その中に図示された設計の変形を使用してもよい。
【0114】
アバットメント面56は、追加の硬さおよび/またはその他の望ましい特性のための一つ以上のインサート58を含み得る。
【0115】
概してリップ12に面してアダプタ14をリップ12に保持し、アダプタ脚の垂直な広がりに耐える、保持面60を、レール54の内側は画定する。レール54は、支持のためアバットメント面56に固定されることが好ましい。レール54は、アダプタ脚を支持するための、ダブテールまたは他の形状を有してもよい。別の方法として、レールは省略されるか、または代替的な支持体と交換されてもよい。
【0116】
ボス42a、42bは、この実施形態では一体成形構造を有するが、それらは、一緒に連結されるか、またはリップに別々に固定される複数の部品によって画定され得る。さらに、本体50および/または後部部材62は、他のものなしで使用され得る。図示の例では、後部部材62は、そのそれぞれのボス42a、42bの一部として形成されるが、他の例では、ボス42a、42bおよび後部部材62は、別個の部品として、または鋳造または製造によって形成され得るリップ12の一部としてすべて形成され得る。
【0117】
ここで、キー溝インサート44をより詳細に示す、
図10~12も参照する。
【0118】
図10で最もよく分かるように、キー溝インサート44は、中央本体70と内側腕72と、そこから延びる外側腕74とを有する、概してC字形状の構成を有する。
【0119】
図示した実施形態では、腕72、74の各々は、そのそれぞれの腕72、74に沿って延在し、その両側に凹部72b、74bを画定して溶接材料(
図3に示すように)を収容する中央突起部72a、74aを含む。内側腕72および外側腕74はオーバーレイし、リップ12のそれぞれ内面32および外面34に溶接される。他の構成および/または固定配置も可能である。
【0120】
中央本体70の裏面76は、くさびの前面(以下に説明)を受けるように弓状である。裏面76は、好ましくは、ねじ切りされていないが、任意選択で、スプール180の代わりに(またはこれに加えて)くさびと係合するねじ山を含み得る。非弓状の凹面形状または平面など、裏面の他の形状も可能である(例えば、ハンマーまたはボルトによって打ち込まれるくさびなど、他の種類のくさびが使用される場合は特に)。
【0121】
キー溝インサート44は、記載したものとは異なる形状を有してもよい。例えば、米国特許第6,986,216号に示されるものと類似した形状を使用してもよく、または代替的な形状を使用してもよい。
【0122】
キー溝インサート44は、キー溝44なしでリップ12のみを使用するのと比較して、くさびが耐えることができる、より長い、より耐変形性の支持面を提供する機能を果たす。腕72、74は、互いに同じまたは異なる長さであってもよく、プラグ溶接を含んでもよい。腕72、74は、一体構造であってもよく、またはいくつかの構成要素から構成されてもよい(例えば、外側腕74は、二つの構成要素から構成されてもよい)。腕72、74は、より長くてもよく、貫通孔36からさらに先導面30まで、より遠くに延在してもよい。より長い腕の使用により(または他の理由のために)、一方または両方の腕72、74は、中央本体70から離れてリップ12に溶接された別個の構成要素であってもよい。
【0123】
腕72、74は、アダプタ14に追加的な側面の支持を任意選択で提供するが、単にキー溝インサート44を支持するために使用することができる。
【0124】
より具体的には
図13~19を参照すると、アダプタ14がここで説明される。アダプタ14は、ポイント16を支持し、それをリップ12に固定する。
【0125】
アダプタ14は、前端部80および後端部82を有する。前端部80は、土木貫入ポイント16を取り付けるための前方突出型ノーズ84を含む。一対の二分岐脚86a、bは、前端部80から長手方向に後方に延在し、リップ12を跨ぐ。上脚86aは、リップ12の内面32と係合するように位置し、下脚86bは、リップ12の外面34と係合するように位置する。
【0126】
各脚86a、86bは、リップ12に面する内面88a、88bを含み、後壁90a、90bを画定する。この実施形態では、脚86a、86bは、等しい(またはほぼ等しい)長さである(他の実施形態では、脚86a、86bは、異なる長さを有してもよい)。スロット92a、92bは、後壁90a、90bおよび内面88a、88bで開くために、脚86a、86bのそれぞれに任意で設けられ、それぞれのボス42a、42bを受ける。
【0127】
内部側壁94a、94bは、内面95から(すなわち、リップ12に向かって)スロット92a、92b内に突出し、スロット92a、92bの前面を任意選択で閉じる。スロットはそれぞれ、上部(内側)および下側(外側)のボス42a、42bのフランジ54を受けるように寸法設定および形状設定される。すなわち、図示した実施形態では、スロット92a、92bの側面には、ボス42a、42bの側面上のレールを受けるための溝が設けられる。内側側壁94a、94bの各々は、それぞれのボス42a、42bから軸方向に間隔を置いているが、スラスト荷重に対する抵抗を提供するために、代替的にボスに当接し得る。それぞれのスロット92a、92bは、受容したボス42a、42bと協働して、それぞれのアダプタ脚に支持を提供し、脚の横方向および/または上向き/下向き方向のシフトに耐える。
【0128】
脚86a、86bの各々は、ノーズ84の近くから後壁90a、90bまで長手方向に延在する、一対の反対側の側面96a、96bを含む。脚86a、86bは、前端部80から後方に延在する中央部分140を介して接続され、後方に面する支持面142を有する。側面96a、96bの前部144は、脚86a、86bを接続する。一対の対向する側面96a、96bは、各側面96a、96bに隣接するリップ12上に溶接されるか、またはその他の方法で固定される一つ以上の支持体(図示せず)によって拘束されてもよい。これらの外部支持体(図示せず)は、内部支持体42a、42bおよび/または72、74の代わりになり得る。
【0129】
支持面142は、アダプタ14がその上に取り付けられた時に、リップ先導面30に当接する。図示した実施形態では、支持面142は、湾曲した先導面30を補足するように湾曲している。リップ12上の先導面およびアダプタ14上の相補的支持面142の様々な設計が可能であることが理解されよう。上記は単に例として与えられるに過ぎない。例えば、先導面30は、アダプタ14の相補的な凹部または突起部(それぞれ)と係合するための突起部または凹部を画定してもよい。別の例として、先導面30および支持面142はそれぞれ、角度があるか、または不均一な曲線を有し得る。
【0130】
下脚86bは、ノーズ84の後部から後端部82まで延在する外部下面98を画定する。
【0131】
上脚86aは、ノーズ84の後部から後端部82まで延在し、前部102および後部104を有する外部上面100を画定する。図示した実施形態では、後部104は、前部102に対して陥凹しているが、そうである必要はない。後部104は、外面105を有する。前部102は、後部104に隣接する後方に面する側壁106(
図19で最もよく分かる)を画定し、陥凹後部104の前部を画定する。
【0132】
図示した実施形態では、後方に面する側壁106は、上から見た時に略C字形状を有し、上脚後壁90aおよび側面部分107bに概ね平行な中央部分107aを画定し、各側面部分107bは、中央部分107aからそのそれぞれの上部対向側部分96aおよび上脚後壁90aに向かって延在する。後方に面する側壁106の他の構成も可能である。
【0133】
上脚86a(この実施形態では、後部104)は、ロック開口部112を画定する。図示した実施形態では、ロック開口部112は細長いもので、狭まった前部110および狭まった後部114(
図15および19で最もよく分かる)を含むが、他の形状も可能である。この実施形態では、ロック開口部112は、後部に位置するが、前部および後部の両方に存在してもよく、または前部にのみ存在してもよい。
【0134】
後部に面する側壁106は、その下側上に保持面118を画定する突出部117を含む。図示した実施形態では、突出部117は、狭い前部110の一つである。保持面118は、摩耗部材14に摩耗キャップ22を保持するためのカップリング形成物として機能する。
【0135】
この実施形態では、保持面118は、摩耗キャップ22上のカップリング部分163を覆う(以下でより詳細に説明する)。図示した実施形態では、カップリング部分163は、前方に延在する舌部163上に形成されるが、他の実施形態が可能である。例えば、突出部117は、後部摩耗キャップ22の上向きに面する面を覆うための保持面118を有する舌部として形成されてもよい。複数の保持面118が、アダプタに摩耗キャップを保持するために、アダプタ上に設けられ得る。保持面118は、摩耗キャップの前端部以外の他の位置に位置付けられてもよい。
【0136】
保持面118は、任意選択で、(例えば、エラストマーによって)付勢されて、摩耗キャップの設置中に収縮し、摩耗キャップが設置位置に位置付けられた時に保持位置に戻ることができる。別の方法として、摩耗キャップは、取り付け中に収縮し、摩耗キャップが取り付け位置にある時にアダプタ上の保持面の下の保持位置に戻る、付勢されたカップリング部分を含み得る。図示した実施形態では、保持面118は、ロックと協働して、摩耗キャップ22を摩耗部材14(以下に説明)に保持し、保持面118は、ロックを使用することなく摩耗キャップを保持することができる。
【0137】
アダプタ14のステップ部分125は、後部外面105から陥凹している棚120を画定する。棚120は、支持面を形成する凹面の正面に面する面122を画定し、他の形状も可能である。棚120は、ロック開口部108内に前方に延在する。正面に面する中央側壁124は、棚120から後部外面105まで延在する。棚120および側壁124によって画定される空間は、摩耗キャップ22のカップリング部分163を受ける。
【0138】
長手方向に延在するロック開口部112の下側部分は、一対の任意選択のレッジ126(
図13および
図15で最もよく分かる)を画定し、その対向する長手方向側面上にそれぞれ、凹面の正面に面する面122から狭まった前部110に向かって延在する。以下でより詳細に説明するように、レッジ126は、ロック24のスプール180がロック開口部112を通って落下するのを防止する。
【0139】
ロック開口部112の中央部分は、以下でより詳細に説明するように、リップ12内の貫通孔36および下脚86bによって画定されるロック開口部128に同様に寸法設定され、かつ位置合わせして、ロック24がそれを通って嵌合するのを可能にする。
【0140】
下脚ロック開口部128は、その後端部(
図13で最もよく分かる)に位置する側壁129(支持面を形成する)によって部分的に確定される。側壁129は、下脚の内面95から下脚の外部下面98まで延在するが、他の配置も可能である。例えば、支持面129は、ロック開口部128を部分的に通ってのみ延在してもよい。別の例では、ロック開口部は、その下端部で閉じてもよい。
【0141】
上面後部104は、摩耗キャップ22の後方移動に耐えるために、正面に面する支持壁132を含む後端部82の近くに安定化形成物130を画定する。図示した実施形態では、安定化形成物は、一対のくぼみ130を備え、それぞれ、そのそれぞれの上部対向側面96aおよび後部外面105に対して陥凹する。
図13および
図14で最もよく分かるように、各くぼみ130は、(i)正面に面する支持壁132、(ii)正面に面する支持壁132から前部102に向かって上昇し、後部外面105と合併する湾曲した上向きに面する面134、および(iii)湾曲した上向きに面する面134と後部外面105との間に延在する長手方向壁136を含み、前部102に向かってテーパ状になる。各くぼみ130は、前部102の後方、および上脚後壁90aの前方に位置する。
【0142】
他の実施形態では、くぼみ130は、異なる形状、または異なる位置を有してもよく、あるいは安定化形成部は、凹部ではなく突起部を備えてもよい。他の実施形態では、後部104は、前部102に対して陥凹しなくてもよい。他の実施形態では、正面に面する支持壁は、他の方法で設けられ得る。一例では、正面に面する側壁124は、摩耗キャップ22の後方移動に耐え得る。別の例では、正面に面する側壁を、摩耗キャップ22(図示せず)の後端部に設けてもよい。
【0143】
図示した実施形態では、溝131は、後壁90aとそれぞれのくぼみ130の間のアダプタ脚86aの上面100の外側面のそれぞれに沿って延在し、摩耗キャップ22の側壁171を受けて、摩耗キャップ上の側面荷重に耐える。別の方法として、溝131は、側壁171が脚86aの側面96aに沿って延在するように省略され得る。側面荷重に耐えるための摩耗キャップ22の支持は、その他の方法で設けられ得る。
【0144】
図示した実施形態では、摩耗キャップ22は、摩耗キャップ22の前方部分で摩耗部材14の保持面118によって、および摩耗キャップ(以下に説明)の後方部分でロック24の保持面194によって、上向きの動きに対して捕捉され、保持される。摩耗キャップ22は、好ましくは、保持面118、194によって摩耗部材に堅固に保持されない。
【0145】
ここで、摩耗キャップ22を
図20~25を参照してより詳細に説明する。摩耗キャップ22は、好ましくはアダプタ14を含む材料よりも硬い、鋼または他の硬質材料から形成される。摩耗キャップ22は、任意選択で、外側の耐摩耗表面を有する複合部材として形成され得る。
【0146】
後部摩耗キャップ22は、アダプタ14の後部104上に取り付けて、摩耗に対する保護を提供するように構成されるが、例えば、前部102および/または下脚86b上など、後部104の代わりに、または後部104上に加えて、他の位置に取り付けられ得る。図示した実施形態では、摩耗キャップの上部摩耗面150は、前部の外面と位置合わせされるか、またはそこから陥凹して、追加の荷重および/または摩耗キャップ22の摩耗を最小化する。それにもかかわらず、後部104は陥凹しなくてもよい。例えば、後部は、アダプタ脚86a上に摩耗キャップがセットされた前部102(または前部より上に持ち上げられた)と同じ延長部を有し得る。
【0147】
後部摩耗キャップ22は、好ましくは、アダプタ脚86aの上部および反対側側壁171を覆って脚86aの側面に沿って延在し、溝131に嵌合するための中央摩耗パネルを有する、概してC字形状の構成を有する。側壁171の底端部は、アダプタ14から間隔を置いているのが好ましいが、代替的にアダプタと係合してもよい。側壁171は省略されてもよく、その他の方法で、摩耗キャップの側面によってなど、側面支持が設けられる。図示した実施形態では、摩耗キャップ22は、上部摩耗面150、脚86aに面する輪郭付き下部係合面152、上部摩耗面150および下部係合面152を貫通する開口部154、前部カップリング部分156、係合ウィング158、および後部カップリング部分160(
図25で最もよく分かる)を備える。他の実施形態では、摩耗キャップ22は、異なる構成を有してもよい。
【0148】
この実施形態では、前部カップリング部分156は、その下側部分に、正面に面する壁161の前方に、上部摩耗面150を超えて延在する突起部または舌部163を有する正面に面する壁161を備える。カップリング部分物156は、アダプタ14上の相補的カップリング形成物(例えば、突出部117)と係合するように構成される。突起部156は、概ね中央で後部摩耗キャップ22(上または下から見ると、すなわち概して横方向の中心)上に位置し得る。
【0149】
他の実施形態では、突出部156は、二つ以上の前方突起部に分割されてもよい。他の実施形態では、前部カップリング部分は、アダプタ上の相補的突起部と係合するよう動作可能な凹部を備えてもよい。他の実施形態では、カップリング部分は、保持面118が延在する摩耗面150の一部であってもよい。
【0150】
係合ウィング158の各々は、側壁171から下に延在し、アダプタ14上のそれぞれのくぼみ130で相補的に受けられる。各係合ウィング158は、対応する正面に面する支持壁132に当接して、摩耗キャップの後方移動に耐えるための後部に面する支持壁162を備える。各係合ウィング158はまた、対応する上向きに面する面134に対向する下向きに面する面164を含む。図示した実施形態では、下向きに面する面164は、上向きに面する面134から間隔を置いているが、接触してもよい。係合ウィング158の各々は、係合ウィング158が前壁168に向かって延在する際に、横方向(それぞれの側面136に向かって)および上向き(後部摩耗キャップ22の上部摩耗面150に向かって)の両方をテーパ状にする。他の形状も可能である。別の方法として、係合ウィング158は、アダプタ上の相補的な突出部を受ける側壁171の凹部であってもよい。
【0151】
図示した実施形態では、上部摩耗面150は、摩耗キャップ22の全幅を延在する後壁166から、後方に面する側壁106のC字形状輪郭に相補的な、略C字形状を有する前壁168へ延在する。すなわち、前壁168は、摩耗キャップ22の両側171から狭まった中央部分169aに延在する、狭まった中央部分169aおよび側面部分169bを備える。前壁168は、後方に面する側壁106に対して相補的な形状を有する。しかし、摩耗キャップ22の前縁部および後縁部は、他の形状を有し得る。
【0152】
図示した実施形態では、後部カップリング部分160は、上部摩耗面150から下向きに延在して、棚120上に置かれるか、または棚120に対向するボスを含む。ボス160は、ロック24によって保持される前方に延在する舌部172と、正面に面する中央側壁124に対向する概して中央の、後部に面する壁170とを有する(
図8および
図40最もよく分かる)。舌部172は、ロックが、摩耗キャップ22が摩耗部材から離れて上向き方向に動くことに対して抵抗するように、ロック24の対応する保持面194の下に位置するように構成される(以下でより詳細に説明される)。
【0153】
後部摩耗キャップ22は、舌部172の上面から上部摩耗面150まで延在する、正面に面する壁174をさらに備える。
【0154】
後部ボス機構160は、後部に面する壁170の対向する側面から前方に面する舌部172まで延在する側壁176をさらに備える。
【0155】
図示した実施形態では、ロック24は、スプール180およびくさび240を含む。ここで、マルチパーツロック24の一部、すなわちスプール180をより詳細に示す
図26~33を参照する。
【0156】
スプール180は、本体軸184を画定し、頭部186および本体軸184に沿って概して頭部から延びる脚188を有する細長い本体182を備える。前部または後部から見た時、本体軸184は垂直軸185(
図1の空中軸)と位置合わせするが、どちらの側からも見た時でも、本体軸184は、頭部186の前方の脚188の底端部と小さな角度で垂直軸185からオフセットされる。小さな角度は、垂直から2度~10度の間であってもよい。他のオフセット角度も可能である(より大きいまたは小さい)か、または本体軸が垂直であってもよい(すなわち、明らかなオフセットなし)。
【0157】
頭部186は、横方向に脚188を超えて任意選択で突出し(
図28(スプール180の前面を示す)および
図29(スプール180の後面を示す)に「LAT」とラベルが付けられている)、それぞれアダプタ14のレッジ126のそれぞれに類似した寸法(および好ましくは相補的形成物)を有する一対の肩部190を形成する。他の実施形態では、肩部190の表面は、それぞれの拡張スロットレッジ126の表面に対して相補的でなくてもよい。異なる構成も可能である。肩部190はまた省略され得る。
【0158】
スプール180は、摩耗キャップ22の一部分および摩耗部材14の一部分を捕捉するために、二つの腕192、196を含むことが好ましい。それにもかかわらず、一つの上腕192などの一つの保持面194を使用して、摩耗キャップを保持することができる。例えば、保持面194が、摩耗キャップの一部分を受けるためにスプールの凹部内に形成される場合、または摩耗キャップが、ロックの協働なしにアダプタ上の他の保持面によって保持される場合などで、どちらの腕も省略され得る。
【0159】
図示した実施形態では、摩耗キャップは、摩耗部材上の少なくとも一つの保持面118およびロック上の少なくとも一つの保持面194によって、摩耗部材に保持される。それにもかかわらず、摩耗キャップは、アダプタ上だけの少なくとも一つの保持面、またはロック上だけの少なくとも一つの保持面によって保持され得る。
【0160】
図示した実施形態では、ヘッド186は、その上部で上腕192を画定する。上腕192は、長手方向(
図31で「LONG」とラベルが付けられている)の後方に延在する。上腕192の後端部195は、上または下から見た時に凸状輪郭を有するものとして示されているが、任意の形状を有し得る。上腕192は、その下側部分上に保持面194を画定して、舌部172を覆って、アダプタ14上に摩耗キャップ22を保持する。
【0161】
図示した実施形態では、脚188は、その上部で下腕196を画定する。それにもかかわらず、腕196は、頭部186上に設けられ得る。下腕196は、上腕192と同じ長手方向に延在し、上または下から見た時に凸状端部表面199を有するが、任意の形状を有し得る。下腕196は、その上部上に係合面198を画定する。保持面194および係合面198は、任意選択で互いに平行であり、類似の寸法である。下腕係合面198は、肩部190とほぼ同じ高さである。下腕196はまた、この実施形態では、リップ12に対向する傾斜した下面200を画定する。特定の形状にかかわらず、スプールの腕192、196は、摩耗キャップ22の舌部172およびアダプタ14のステップ部分125を受容および捕捉する。後部摩耗キャップを使用しない実施形態では、アダプタのステップ部分125は、スプール180の上腕192と下腕196との間の空間を埋めることができる。こうした配置では、ステップ部分は、拡大されてもよく、および/またはスプール腕間のギャップが減少してもよい。後部摩耗キャップのない他の配置は、例えば、摩耗キャップの代わりに使用されるスペーサ、ステップ部分と一方または両方のスプール腕との間に存在するギャップ、一つ以上のスプール腕の除去などを含んで、可能である。
【0162】
上腕192および下腕196は、垂直軸185に概ね垂直に延在することが好ましいが、他の延長も可能である。
【0163】
頭部186は、わずかに凸状の輪郭(平面などの他の形状も可能である)を有し、上腕192と下腕196との間に延在する、裏面201を画定する。アダプタ14上に取り付けられた時、裏面201は、アダプタ14のステップ部分125と係合し、リップ12からのアダプタ14の前方移動に耐える。裏面201はまた、後部摩耗キャップ22の舌部172の前端部に対向する(
図8および40で最もよく分かる)。スプール180の裏面201は、好ましくは、舌部172から間隔を置いているが、接触されてもよい。
【0164】
脚188の側面202は、脚188の長さだけ、本体軸184(および垂直軸185)に概ね平行に延在する。
【0165】
脚188の裏面204(
図29に最もよく分かる)は、下腕196の下部から下側セクション208まで延在する、スプール180の中央セクション206に沿って、本体軸184(垂直方向から長手方向にオフセットされる)に概ね平行に延在する。この実施形態では、裏面204の中央セクション206および下側セクション208の両方が、わずかに凸状面を画定するが、他の表面輪郭も可能である。下側セクション208は、下脚86bに接触するように支持面210を画定する。
【0166】
図示した実施形態では、支持面210は、中央セクション206の下部からスプール180の足212まで後方に傾斜し、垂直軸185に概ね平行である。
【0167】
この実施形態では、頭部186および脚188は、単一の(一体)構造を有するが、他の実施形態では、それらは一緒に連結された別個の部品であってもよい。スプール180の他の形状も可能である。
【0168】
スプール180の前面214は、(垂直軸185から長手方向にオフセットされている)本体軸184に対して、スプール180の上部216から脚188の底部付近のベベル部分218まで概ね平行に延在することが好ましい。ベベル部分218は、後方に傾斜し、脚188の底部の足212まで延在する。
【0169】
ベベル部分218および足212の接合部は、本体軸184上またはその近くにある(他の実施形態では、これが当てはまらない場合がある)。
【0170】
図示した実施形態では、前面214は、上部216から、ベベル部分218の開始に向かって、その後部分的にベベル部分218の開始を超えて延在する、弓状の凹状凹部220を画定する。間隔を置いたらせん状の隆起から形成される切り出しねじ山222は、頭部186の下部からベベル部分218の上方に延在する、弓状凹部220上に設けられるが、他のねじ山形成も可能である。任意選択のねじ山止め部224は、(以下でより詳細に説明する)くさびが止め部224を超えてねじ込まれるのを防ぐために、切り出しねじ山222の最下部に設けられる。前面214は、他の種類のくさびまたは他のドライバを補足する他の構成を有し得る。
【0171】
この実施形態では、脚188の中間セクション206および下部セクション208は、いかなる横方向または縦方向の突起部もない。これは、以下でより詳細に説明するように、後部摩耗キャップ22の長手方向に延在する開口部154、アダプタ上脚86aのロック開口部112、リップ12の貫通孔36、およびアダプタの下脚86bのロック開口部128に、脚188を簡単に挿入できるという利点を有する。また、以下に説明するように、摩耗キャップ22は、スプール180の挿入後に設置されてもよい。
【0172】
しかしながら、他の実施形態では、下腕(図示せず)を、中央セクション206の下部または中央セクション206の下部近くあるいは下側セクション208の上部近くのいずれかに追加することが望ましい場合がある。この下腕は、リップ12の外面34またはアダプタの下脚86bによって画定される機構と係合(カップリング)することによって、アダプタ14上に対する力に耐えるのを助けることができる。
【0173】
ここで、特に、この実施形態の24の他の部分、すなわちくさび240をより詳細に示す、
図34~38も参照する。
【0174】
くさび240は、外面テーパ角度248を有する円筒形部分246を備え、この実施形態では、垂直軸185に対して約3度(より小さなまたはより大きなテーパ角度も可能であるが)である。テーパ角度248は、垂直破線252を使用して
図34に図示される。
【0175】
円筒形部分246は、その中に陥凹した(比較的広いピッチを有するらせん状の溝の形態で)外部切り込みねじ254を画定するが、他のねじ山形成を使用してもよい。
【0176】
比較的幅の広いらせん形状のランドセグメント256は、切り込みねじ254の隣接する渦巻き状溝セグメントの間に形成される。
【0177】
一実施形態では、くさび240上のねじ山254のピッチは、およそ1インチ(25mm)であり、ねじ山の幅は、およそ1インチの1/8(3mm)であるが、ピッチおよび幅は、適切な値の範囲から選択することができる。ねじ山254は、湾曲した角で形成され、ピーニングまたはその他の損傷の影響を受けにくい堅牢なねじ山を形成することが好ましい。くさび240の上(または後)端部258は、くさび240を回すためのレンチなどの工具との係合を容易にするために、その中に陥凹した回転形成物260を画定する。好ましい実施形態では、形成物260は正方形ソケットであるが、他の配置も使用され得る。
【0178】
テーパ角度248は、例えば、リップ12などの支持構造上のアダプタ14の所望のテークアップを提供するように選択され得る。例えば、テーパ角度248が増加すると、アダプタ14が支持構造上の設定位置に移動する速度が増加するが、締付力を犠牲にしており(すなわち、くさび240を回すためにより多くのトルクが必要とされる)、逆に、テーパ角度248が減少すると、アダプタ14が支持構造上の設定位置に移動する速度は減少するが、締付力は低減される。テーパ角度248は、特定の作業に合致するように設計され得る。ほとんどの場合、ロック24の保持力は、十分な強度を提供するには前方(または下)端部262の直径が小さすぎるくさび240が形成されない場合、ほぼ同じであることが予期される。
【0179】
図37に最もよく分かるように、キー溝インサート44の凹部内に、およびスプール180の凹部220内に受けられ、スプール上のねじ山222にねじ込まれたくさび240を示す。ランドセグメント256(ねじ山248の隣接部分の間)は、キー溝インサート44の裏面76およびスプール180の前面214の両方に押し付けるため大きな表面積を提供する。比較的大きなランドセグメント256は、ロック24(スプール180およびくさび240を含む)が、許容レベルの応力で、かつリップ12のキー溝36の壁にねじ山を形成する必要なく、大きな荷重に耐えることを可能にする。ねじ山254の比較的広いピッチはまた、くさび240がスプール180の内および外に素早く移動することを可能にする。
【0180】
ここで、摩耗アセンブリ10の設置について、特に
図38~40を参照して説明するが、これは、後部摩耗キャップ22の取付中および後部摩耗キャップ22の取付後にそれぞれ、後部摩耗キャップ22の取付前の拡大図における摩耗アセンブリ10の小さな部分を示す。
図41は、ロック24が完全に設置された後の、
図8の摩耗アセンブリ10の一部を拡大された詳細に示す。
【0181】
アダプタ14を取り付けるために、スロット92aが上部ボス42aのフランジ54を囲むように、上脚のスロット92aが上部ボス42aとスライド式に係合するように、上脚86aが内面32の上方、および下脚86bが外面34の下方で、アダプタ14は、リップ12上に後方にスライドされる。同様に、下脚のスロット92bは、スロット92bが下側ボス42bのフランジ54を囲むように、下側ボス42bとスライド式に係合する。
【0182】
このように取り付けられるとき、アダプタ14は、リップ12上の正しい位置に位置付けられ、上脚ロック開口部112は、リップ貫通孔(またはキー溝)36および下脚ロック開口部128と位置合わせする。
【0183】
アダプタ14が正しく位置付けられると、スプール180は、ロック開口部112、リップ貫通孔(またはキー溝)36、および下脚のロック開口部128に挿入される(足212およびベベル部分218を先導面として)。この時点で、スプール180の肩部190は、アダプタ14の拡張したレッジ126上に置かれ、それによって、上脚ロック開口部112を通ってスプール180が落下するのを防止する。
【0184】
スプール180を前方に移動させること(
図39の矢印Cの方向に)によって、摩耗キャップ22を下方(
図38の矢印Bの方向に)に移動させ、前部カップリング構造156を下方に旋回させ、アダプタ14の保持面118の下に係合させることによって、摩耗キャップ22をアダプタ14上に取り付け得る。次いで、摩耗キャップ22の後壁166は、摩耗キャップ22の輪郭付き下部係合面152が上面100の後部104の上に配置されるように、アダプタ14に向かって下げることができる。特に、前方に面する舌部172は、アダプタ14の棚120上またはその上に配置され、摩耗キャップの摩耗パネルは、後部104の外面105上に、また係合ウィング158の後部に面する壁162は、アダプタ14のくぼみ130の正面に面する支持壁132に対向する。
【0185】
係合ウィング158の下向きに面する面164は、アダプタ14の上向きに面するレッジ134に近接する位置であるが、間隔を置いたままであってもよい。摩耗キャップ22の後部に面する壁170はまた、正面に面する中央側壁124に近接しているが、間隔を置いたままであってもよい。
【0186】
次いで、スプール180を後方に移動させ(
図40の矢印Dの方向に)てもよく、その結果、(i)上腕192および下腕196は、それらの間に摩耗キャップ22の舌部172およびアダプタ14のステップ部分125を捕捉し、それによって、上腕192の保持面194が、後部摩耗キャップ22の(後部ボス機構160の)前方に面する舌部172の上にスライドし、上に留まる、(ii)スプール180の頭部の裏面201が、アダプタ14のステップ部分125の正面に面する面122に当接する、(iii)下腕196の係合面198が、アダプタ14のステップ部分125の下にスライドし、その下に留まる、および(iv)スプール脚188の支持面210が、ロック開口部128を画定する下脚86bの前方に面する部分に当接する、または近接する、ことが生じる。
【0187】
スプール180を挿入する前に、摩耗キャップ22を取り付けることが好ましい場合がある。このような場合、スプール180は、摩耗キャップ22、ロック開口部112、リップ貫通孔(またはキー溝)36、および下脚ロック開口部128の長手方向に延在する開口部154を通して挿入される。摩耗キャップ22が取り付けられる前または後にスプール180が挿入されるか否かにかかわらず、部品の残りの配置は同じである。
【0188】
くさび240は、摩耗キャップ22の開口部154を通して挿入される。レンチ(または他の便利なツール)は、回転形成物260と係合し、くさび上のねじ山254がスプール180上の相補的なねじ山222と係合するように、くさび240を回転させるために使用される。くさび240の先導端部262がねじ山止め部224に向かって移動すると、くさび240は、スプール180を後方に付勢する。くさびのねじ込みは、くさび240が、アダプタ14のステップ部分125の前壁122に押圧されたスプール180の裏面201、および下脚86bのロック開口部の正面に面する壁に押圧されたスプール180の裏面210と、設定されたレベルのトルクまで締め付けられるまで継続する。それにもかかわらず、組み立てられたとき、裏面201または210のうちの一方が、アダプタ上のその相補的支持面から間隔を置いたままであってよく、アダプタに荷重がかけられたとき、および/または摩耗が発生したときに、接触してもよいことが可能である。
【0189】
図41で最もよく分かるように、くさび240の挿入は、後部摩耗キャップ22がアダプタ14上に保持されることを確実にし、同時にアダプタ14が採掘エッジ12上に保持されることを確実にする。すなわち、舌部163は、アダプタ14上の保持面118の下に設置され、舌部172は、ロック24上の保持面194(すなわち、スプール180の腕192)の下に設置されて、アダプタから離れる(空中軸に沿って)リテーナの上向きの動きに耐える。摩耗キャップは、好ましくは、定位置に堅固に保持されないため、摩耗キャップは、摩耗部材と、摩耗キャップを含むロック面との間を多少はね得る。
【0190】
図示した実施形態では、摩耗キャップに対する横方向の力は、主に、アダプタの溝131の垂直壁に対して支持する腕171の内面によって耐えられる。
【0191】
アダプタ14を取り外すために、くさび240は、摩耗アセンブリ10から持ち上げられることができるように、くさび240を上向きに動かすように、反時計回りに回転される。次に、スプール180は、上腕192および下腕196が後部摩耗キャップ22の舌部172およびアダプタ14の上脚86aから係合解除されるように前方に移動される(
図39の矢印Cの方向に)。次に、後部摩耗キャップ22は、
図38~40を参照して説明したものに対して逆のプロセスにおいて、上向きに旋回され、摩耗アセンブリ10から取り外すことができる。
【0192】
次いで、スプール180を摩耗アセンブリ10から取り外すことができ、アダプタ14をリップ12から引き出すことができる。
【0193】
前部摩耗キャップ20は、使用される場合、従来的な様式で取り付けおよび取り外すことができる。
【0194】
ここで、ロック324の代替的な実施形態を
図42~48を参照して説明する。
【0195】
図42は、スプール180の代替として段付きスプール280の正面図である。スプール180と段付きスプール280との間の主な違いは、弓状凹部320が脚188の下側セクション208に向かって延在するときに、段付きスプール280が、(i)その長さの一部について本体軸184に概ね平行に延在する第一の部分320a、(ii)その長さの一部について、本体軸184に向かって傾斜した第二の部分320b、(iii)その長さの一部について、本体軸184に概ね平行に延在する第三の部分320cを備える前面に、弓状凹部320を有することである。対照的に、スプール180上の弓状凹部220は、その長さに沿って本体軸184に概ね平行である。
【0196】
段付きスプール280が使用される実施形態では、
図44に示すように、段付きキー溝インサート344を有することが好ましい。
【0197】
キー溝インサート44と段付きキー溝インサート344との間の主な違いは、段付きキー溝インサート344が、(i)その長さの一部について、本体軸184に概ね平行に延在する第一の部分376a、(ii)その長さの一部について、本体軸184に向かって傾斜した第二の部分376b、および(iii)その長さの一部について、本体軸184に概ね平行に延在する第三の部分376cを含む、裏面376を有することである。対照的に、キー溝インサート裏面76は、その長さに沿って本体軸184に概ね平行である。
【0198】
段付きスプール280および段付きキー溝インサート344は、
図45に示すように、段付きくさび340と共に使用されるのが好ましい。
【0199】
くさび240と段付きくさび340との間の主な違いは、段付きくさび340が、上部円錐台部分342、下部円錐台部分344、および上部円錐台部分342と下部円錐台部分344との間の中央円筒形(または他の形状)部分346を備えることである。中央円筒形部分346の直径は、上部円錐台部分342の最下部および下部円錐台部分344の最上部の直径と合致する。円錐台部分342、344は、同じ外面テーパ角度348を有し、この実施形態では、この角度は、垂直軸185に対して約5度(より小さなまたはより大きなテーパ角度も可能であるが)である。テーパ角度348は、垂直破線352を使用して
図45に図示される。
【0200】
くさび240と同様の方法で、(この例では比較的幅の広いピッチを有するらせん状の溝の形態で)外部切り込みねじ254は、段付きくさび340の全長に対して実質的に延在するが、他の種類のねじ山も使用され得る。ねじ山は、上部円錐台部分342から円筒形部分346(ステップ部分とも呼ぶ)を横切って、次いで下部円錐台部分344に沿って続く。しかしながら、他の実施形態では、円筒形部分346は、ねじ切りされていなくてもよい。別の実施形態では、くさびの円錐台部分のうちの一方のみがねじ付きであり得る。別の実施形態では、中央部分は、スプール280および/またはフロントサポート344と接触しない。円筒形部分346を有することで、使用中に、くさび340が割れるリスクの増大につながる可能性があるくさび340の直径を減少することなく、より広いテーパ(より大きなテーパ角度348)を円錐台部分342、344上に許容する。
【0201】
ロック324が組み立てられるとき、
図48に示すように、くさび340の上部円錐台部分342は、(後面の)スプール280の第一の部分320aおよび(前面の)段付きキー溝インサート344の第一の部分376aの両方と位置合わせする。同様に、くさび340の下部円錐台部分344は、(後面の)スプール280の第三の部分320c、および(前面の)段付きキー溝インサート344の第三の部分376cの両方と位置合わせする。くさび340の中央円筒形部分346は、(後面の)スプール280の第二の部分320bおよび(前面の)段付きキー溝インサート344の第二の部分376bの両方と位置合わせする。
【0202】
相補的な段付き構成要素を有するくさびを提供することにより、より多くのテークアップ、および/またはより確実にアダプタ14をリップ12に保持することが可能になる。
【0203】
ロック24、324には、いくつかの利点がある。例えば、ロック24、324は、二つの構成要素(摩耗部材14および後部摩耗キャップ22)を直接保持し、先行技術のロックは摩耗部材または摩耗キャップのうちの一方を直接保持する。ロック24、324は、二つの直交方向に保持を提供し、すなわち、摩耗部材14を後方の採掘エッジ12に保持し、摩耗キャップ22が摩耗部材14から上に移動するのを保持する。
【0204】
ロック24、324は、摩耗キャップ22の後方部分を垂直に下向きに保持するようにのみ要求され、他のすべての荷重は安定化面に向けられる。ロック24、324は、後部摩耗キャップ22にかけられる荷重から分離される。後部摩耗キャップ22の故障は、アダプタ14をリップ12に固定するためのロック24、324の主要機能を損なわない。
【0205】
本開示の実施形態に対する設置方法は、摩耗キャップ22を所定の位置に旋回(または回転)させることである(直線的設置を必要とする先行技術の摩耗キャップ、すなわち、アダプタ上の溝を介して移動される摩耗キャップレールと比較して)。後部摩耗キャップ22は、材料の流れに直交する方向(垂直に上)に取り除かれ、これは、後部摩耗キャップ22が回転/旋回し、レール上をスライドする代わりに、アダプタ14(およびその間またはその上の任意の細骨材)からまっすぐ引き離されることを意味する。
【0206】
ロック24、324は、後部摩耗キャップ22を材料の流れに直交する方向に保持する。マルチパーツロック24、324は、後部摩耗キャップ22が失われた場合に、ロック24、324の任意の部分の過剰な移動を防止する安定化機構を有する。
【0207】
この実施形態の他の利点は、スプール180、280に関する。スプール180、280は、スプールの上端に腕のみを必要とする。アダプタの下脚86bの係合は、後方長手方向力(バケットへの)およびアダプタの下脚86bの前方運動に対して限定される。スプール180、280は、設置および取り外し中にアダプタ14を通して落下することを防止する機構(例えば、肩部190)を有する。スプール180は、それが長手方向に前方にスライドすることを可能にし、それによって後部摩耗キャップ22をリリースする方法で保持される。
【0208】
ロック24、324は、リップ12の上部面からのみ取り付けおよび取り外しを行い、バケットの下側まで落下しない。これにより、アダプタ14の設置、および特に取り外しの際の作業員の安全が改善される。くさび240、340を取り外した後の、スプール180、280の便利なスライドにより、スプール180、280を取り外すことなく、後部摩耗キャップ22を変更することができる。垂直保持機構は、アダプタの上脚86aにのみ提供される。アダプタ14との係合を解除するには、スプール180、280の底部を後方に押す必要はない。後部摩耗キャップ22用の専用ロックを有する場合と比較して、より少ないシステム構成要素、ならびにより簡単な設置および取り外しプロセスがある。ロック24、324は、複数のGET構成(例えば、後部摩耗キャップ22を有するまたは有さない)で使用可能であり得る。
【0209】
上述のものよりも他のロック配置を使用してもよい。例えば、米国特許第6,986,216号に示されるものとくさびおよびスプール配置の類似の設計を使用してもよく、または代替的な設計を使用してもよい。ハンマー、ボルト、またはその他の配置によって動くくさびは、ねじ付きくさびおよびスプールの代わりに使用され得る。くさびまたはスプールのないその他のロックを使用してもよい。ロックは、一つまたは三つ以上の構成要素を含んでもよい。
【0210】
上記の実施形態の設計は、例えば、アダプタロックの組み合わせに対する嵌合要件の低減を含む、様々な製造上の利点を有する。嵌合領域は、アダプタ14の上脚86a(上脚86aおよび下脚86bの両方ではなく)により局在している。スプールの嵌合は、アダプタの脚86a、86bには及ばない。簡略化された下脚86b設計は、製造のためのより多くの選択肢を提供する。
【0211】
くさび340の設計は、テーパ部分の間のステップによって可能になる、大幅に増加したテークアップ/テーパ角度を有する。このステップは、くさび340の上部および底部の両方に許容可能な直径を維持しながら、大きなテーパ角度を可能にする。他の構成要素(キー溝インサート344およびスプール280)に接触する表面のみをテーパ状にすることによって、ロック324の総高さ範囲および強度を最大化することができる。テークアップは、先行技術のくさびの倍のものであってもよい。
【0212】
ここで、バケット(図示せず)の従来のリップ412上に取り付けられた摩耗アセンブリ410を示す、
図49~63を参照して、本発明の別の実施形態を説明する。この実施形態では、リップ412は、摩耗部材がそれを通してリップ412に連結する開口を画定しないタイプのものである。リップ412は、一連の間隔を置いた基部417を備え(一方のみが
図49に図示されている)、典型的には、各基部417は、歯を支持するために隣接するノーズの間に設けられる。各基部417は、その上に摩耗部材412を収容するように構成される。この実施形態では、摩耗部材412はシュラウドである。
【0213】
摩耗アセンブリ410は、シュラウド414、摩耗キャップ422、およびシュラウド414を採掘エッジ412に保持し、同時に摩耗キャップ422をシュラウド414に保持するためのロック424を備える。
【0214】
シュラウド414は、バケットリップ412を保護し、土状材料をバケットに向ける。摩耗キャップ422は、シュラウド414の上脚、ならびに図示の実施形態では、ロック開口およびロックの周りを保護する。
【0215】
この実施形態では、基部417はリップ412の鋳造部分であるが、他の実施形態では、溶接または機械的取り付けによって取り付けることができる。いずれにしても、各シュラウド414は、リップ412の前縁部上の基部417の上に配置される。
【0216】
基部417は、例えば、基部がリップに溶接される場合(または上に硬質摩耗コーティングを有する場合がある)、動作中にシュラウド414によって引き起こされる摩耗に耐えるように、リップ412の残りの部分よりもより硬い摩耗材料を備え得る。それにもかかわらず、リップ412のその他の部分は、基部417よりも必ずしも軟質ではない。
【0217】
各基部417は、正面419、上面421、側面423、および概して側面423の間に中央に位置し、上面421の上方に突出する直立ボス425を備える。ボス425は、シュラウド414を定位置に保持する時に、ロック424が当接する裏面427を有する。基部417およびシュラウド414は、相互に安定し、かつ確実なカップリングを可能にする相補的な表面を有する。
【0218】
図示した実施形態では、正面419は、他の構成も可能であるが、概ね垂直な二つの軸の周りを湾曲する、わずかに凸状の曲線形状を画定する。特に、正面419は、それぞれの側面423に近づくと後方に湾曲するように概して垂直軸の周りを湾曲し、また上面421に近づくと後方にも湾曲するように水平軸の周りを概して湾曲し、下面(図面では見えない)は上面421の反対側である。しかし、ボスの他の設計や構成も可能である。
【0219】
シュラウド414は、正面に面する摩耗部分429および後部に面する取り付け部分431を含む。シュラウド414は、その間に空洞437を画定し、中央部分439で交わる一対の間隔を置いた脚433、435を備える(
図49および50で最もよく分かる)。空洞437は、シュラウド414がその上に取り付けられた時に、脚433、435がリップ412上の基部417の側面423を跨ぐように、概してその側面に沿って開口している。
【0220】
シュラウド414は、この実施形態では、摩耗キャップ422を受ける上部中央位置にある上脚433上の凹部441を画定する。図示した実施形態では、凹部441は、前縁部445よりも上脚433の後縁部443に近いが、他の配置も可能である。後縁部443は、上脚433の全幅を実質的に横切って延在する。摩耗キャップ422は凹部内に緩く保持され得るが、凹部441の前壁、後壁、および/または側壁は、摩耗部材に対して摩耗キャップの前方、後方、および/または側方の動きに耐えることが好ましい。
【0221】
上脚433は、摩耗キャップ開口441内であるが、摩耗キャップ開口441に対して陥凹している摩耗キャップ棚447(
図49で最もよく分かる)を画定する。棚447は、棚447上に取り付けられたときに、上脚433の外面と同一平面の摩耗キャップ422をセットする深さに位置する。それにもかかわらず、摩耗キャップは、そこから突出するか、または上脚433の外面に対して陥凹し得る。
【0222】
棚447は、ボス開口部分449aおよびロック開口部分449bを備える、ロック開口部449を画定する。ボス開口部分449aは、基部417のボス425の上に配置され、それを囲むように寸法設定される。ボス425の形状(リップ412の正面419に向かってテーパ状になる)に合わせるために、ボス開口部分449aは、シュラウド414の前部に向かってテーパ状になる側壁451を有する。ロック開口部分449bは、ボス開口部分449aを超えて横方向に延在し、概ね平行な側壁453を有し、ロック開口部分449bは、ロック424を受けるように寸法設定される(以下でより詳細に説明するように)。
【0223】
隆起した突出面455は、上脚433の外面上に概ね中央に位置し、摩耗キャップ開口441からシュラウド前縁部445まで延在し、隆起部分457は長手方向に延在する。この隆起した突出面455は、シュラウド414の使用中の摩耗に対する追加の保護を提供する。
【0224】
摩耗キャップシェルフ447は、概ね平坦な上面458と、平行側壁453の下側に凸状の下面459とを有する(
図63で最もよく分かる)。他の形状を使用してもよい。
【0225】
ここで、
図54~56を特に参照して摩耗キャップ422をより詳細に説明する。
【0226】
摩耗キャップ422は、概ね平坦な下側461(
図56に最もよく分かる)と、その反対側の横方向側面上に勾配面465を画定する輪郭付き上面463と、勾配面465の間に傾斜面467とを備え、それぞれそのそれぞれの勾配面465から長手方向に延在する中央隆起469まで上昇する。しかし、摩耗キャップは異なる形状を有してもよい。
【0227】
図示した実施形態では、輪郭付き上面463は、上部摩耗キャップ422が摩耗キャップ開口441に取り付けられるとき、輪郭付き上面463が隆起した突出面455の連続となるように、隆起した突出面455と類似の形状を有する。
【0228】
摩耗キャップ422はまた、上面463から下側461まで延在する、ロック開口471を画定する。ロック開口471は、概ねスロット形状であり、概ね上部摩耗キャップ422上中央に位置し、輪郭付き上面463を横切って横方向に延在する。他の形状も可能である。
【0229】
一対の長手方向に延在する突出部473(
図55に最も良く分かる)は、ロック開口471の対向する横方向側面の下方に位置し、ロック開口471によって画定される領域内に延在する。この実施形態では、長手方向に延在する突出部473は、凸状上面474(
図63で最もよく分かる)を有するが、他の形状も可能である。これらの長軸方向に延在する突出部473は、以下でより詳細に説明するように、ロック424によって係合されるカップリング部分を画定する。
【0230】
ここで、ロック424は、様々な図を図示する、
図57~63を参照してより詳細に説明される。ロック424は、米国特許第10,612,214号(出願人が所有する)の
図6~15を参照して説明したロックと本質的に同一であり、それゆえに本明細書には単に簡潔に記載する。しかしながら、他の実施形態では、異なる設計のロックを使用してもよい。
図57~63から分かるように、ロック424は分離可能な部品または構成要素を含むが、典型的には使用中に一体ユニットの形態である。
【0231】
図示した実施形態では、ロック424は、ロック状態(
図59および
図62を参照)とロック解除状態(
図63を参照)との間の横方向軸485(
図60に最もよく分かる)の周りの移動のため一緒に枢動可能に連結される二つの本体または構成要素481、483を含む。本体は、旋回する代わりに、互いに対して直線的にシフトするなど、他の方法で移動可能に調整され得る。
【0232】
二つの構成要素481、483の相対的な旋回または蝶着は、ヒンジ機構487によって達成され得る。図示の例では、ヒンジ機構487は、第一の構成要素481の内面491から突出する一体型ポスト489を含む。第二の構成要素483の内面493は、ポスト489を受けるようにサイズ設定された相補的な孔(図示せず)を含み、それによって、横方向軸485の周りの限定された移動のために、第一および第二の構成要素481、483をアセンブリ内で枢動可能に連結する。しかしながら、他の実施形態では、異なるヒンジ機構を使用してもよい。
【0233】
この実施形態では、ピボット軸485は、摩耗部材414の長手方向軸(
図49を参照)に対して概ね平行であり、内(または接触)面491、493に対して垂直である。ピボット接続は、他の構造を有し得る。例えば、ヒンジ機構487は、例えば、保持リング等によって定位置に固定されたピボットピンを受けるための孔を有する各構成要素を形成することを含む、他の構造を有し得る。
【0234】
各構成要素481、483は、構成要素481、483が位置合わせされると、それらが、ねじ付きピン501を受けるための円錐台チャネル499を形成するため結合するように、円錐台チャネル495、497の半分を画定する。他の種類のリテーナを使用して、ロック本体481、483をその拡張位置に固定することができる。
【0235】
一つのまたは任意選択で両方の円錐台チャネルは、ねじ付きピン501の相補的ねじ山(切り込みまたは切り出し)と係合するためのねじ山(切り出しまたは切り込み)を画定し得る。他の実施形態では、円錐台チャネルもピンもねじ込みされない場合がある。チャネルとピンの他の形状も可能である。チャネルはまた、部分的にねじ込みされるか、または不連続にねじ込みされてもよい。
【0236】
六角ソケット503または他のツール係合形成物が、ねじ付きピン501を回すためねじ付きピン501の上部に設けられる。ねじ付きピン501が円錐台チャネル499にねじ込まれるとき、構成要素481、483は、(
図59に示されるように)所定の位置にロックされる。
【0237】
ねじ付きピン501が取り外されると、構成要素481、483はロック解除され、ロックされた構成からロック解除された構成まで軸485の周りを旋回することができ、ロック424の長さはロックされた位置におけるよりも短い。
【0238】
他の実施形態では、ピン501は、多くの異なる形態をとり、一方または両方の構成要素に設けられる他の開口部で受けられ得る。
【0239】
ロック424は、その反対側の横方向側面に第一および第二の端部壁511、513を持つ。
【0240】
各端部壁511、513は、互いに離間し、概して凸状の外面を有する一対のローブまたは腕515、517を有する。凹状端部壁表面519は、各端部壁511、513上の上部515と下部517ローブとの間に画定される。各端部511、513上の一つの腕515は、摩耗キャップ422上のそれぞれの突出部473を覆って、摩耗部材414から離れた摩耗キャップの上向きの動きに耐える、保持面594を含む。
【0241】
上部ローブまたは腕515は、下向きに面する保持面594を画定する(一部の点で、スプール180および280の上腕192の保持面194に類似)。同様に、下部ローブまたは腕517は、上向きに面する係合面598を画定する(一部の点でスプール180および280の下部腕196の係合面198に類似)。下向きに面する保持面594は、上部摩耗キャップ422の長手方向に延在する棚473の凸状上面474を相補する(およびちょうど上に位置するように設計される)。同様に、上向きに面する係合面598は、摩耗部材414の摩耗キャップ棚447の凸状下面459を相補する(およびちょうど下に位置するように設計される)。
【0242】
他の実施形態では、下向きに面する保持面594および長手方向に延在する突出部473の上面は、上述のものとは異なる輪郭を有してもよい。
【0243】
ロック424は、米国特許第10,612,214号に記載されるタイプの取り外しツール601を使用して、その取り外しを支援する機構を含む。
【0244】
摩耗アセンブリ410を設置するために、シュラウドが送り出される、および/または所定の位置にロックと共に格納される場合、ロックは最初に取り外される。摩耗アセンブリが、ロックの解除位置(例えば、米国特許第10,612,214号に開示されているように)を有する場合、ロック424は残されるか、またはより高い位置に移動される。代替で、ロックは別個に供給され、必要に応じて取り付けることができる。
【0245】
シュラウド414は、基部417と位置合わせし、ボス開口部分451の側壁がボス425の横方向側面を囲むように基部の上に位置し、カップリング開口449は、ボス425のすぐ後方の領域に位置合わせする。次に、摩耗キャップ422の下側461が摩耗キャップ棚447上に置かれるまで、摩耗キャップ422は摩耗キャップ開口441内に位置する。任意選択で、シュラウドは、摩耗キャップがすでに所定の位置にある状態でリップ上に取り付けてもよい。
【0246】
ロック424をロック解除位置で旋回させて、ロックは上部摩耗キャップ422のロック開口471を通して、ボス425の後方(理解を容易にするため
図63の破線に図示)の、
図63に示す位置に挿入される。次に、ロック424はロック位置に旋回する(
図61および
図62に図示)。この旋回移動の間、ロック424の各端部511、513の凹状端部壁表面519は、ロック開口側壁453の凸状下面459、および長手方向に延在する棚473の凸状上面474と係合し、それらの周りを回転する。摩耗キャップ422の平坦な下側461およびシュラウド414上の棚447の平坦な上面458は、互いに接触するか、あるいは、嵌合パッドが使用されている場合、密着を提供する。結果として、ロック424は、重荷重に耐えるためおよび摩耗キャップ422の摩耗部材414からの解除または摩耗部材414の採掘エッジ412からの解除防止のため強固で確実な機械的機構を提供する。
【0247】
上部および下部ローブまたは腕515、517は、上部摩耗キャップ422が空中軸(例えば、垂直に上向き)に移動するのを防止するが、摩耗キャップ422は緩く保持することができる。下脚435は、シュラウド414が空中軸(例えば、垂直に上向き)に移動するのを防ぐが、溝およびレール(図示せず)もボスおよびシュラウドに設けられ得る。従来のリップおよびロックと同様の方法で、ボス425およびロック424はシュラウド414が前方に移動するのを防止する。
【0248】
リップ412からの摩耗アセンブリ410の取り外しは、上述のものと逆の順序で行われ、任意選択で、取り外しツール601を使用してロック424のロックを解除する。
【0249】
ここで、上述の実施形態は、一つのロック424が同時に摩耗キャップ422をシュラウド414におよびシュラウド414をリップ412に固定する利点を有することが理解されるであろう。
【0250】
上述のもの以外の他のロック配置を使用してもよい。
【0251】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、および方法は、本開示の原理の実際面での適用例であり、幅広い他の実施例が可能である。したがって、本開示の範囲は、摩耗アセンブリ10、410の詳細、ならびに本明細書に記述されおよび/または図面に描写される方法に限定されない。特許請求の範囲に定義される本開示の範囲およびより広範な態様から逸脱することなく、様々な他の実施例ならびに多くの変更がなされてもよい。例えば、アダプタ14に類似したアダプタは、摩耗キャップ22なしで、または、脚86a、86bのそれぞれあるいは一方または両方の脚86a、86bの複数の位置に取り付けられた、一対の後部摩耗キャップ22と共に使用され得る。他の実施形態では、後方腕を有するスプール(米国特許第6,986,216号に示される設計に類似、または従来のWhislerタイプの設計で使用される設計に類似)を使用してもよい。他の実施形態では、ロックは、単一のユニットとして一緒に保持される複数の構成要素を含んでもよいが、構成要素は他のものに対して移動可能である。本開示の態様は、その図示した実施例に関して説明されている。本開示の検討から、添付の特許請求の範囲内での数多くの他の実施例、改変、および変形が当業者に思い浮かぶであろう。一例の特徴は、別の実施例の特徴とともに使用することができる。所与の実施例、および開示される特徴の組み合わせは、それらが一緒に使用されなければならないという意味では、限定することを意図するものではない。内部、内側、外側、上向きなどの相対的な方向性の用語は、理解を容易にするために提供され、それによって標識される部品が使用中に直面し得る任意の方向を制限することを意図していない。
【国際調査報告】