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特表2024-513523深水フォトバイオリアクターのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】深水フォトバイオリアクターのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240315BHJP
   C12N 1/12 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
C12M1/00 E
C12N1/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562570
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022020530
(87)【国際公開番号】W WO2022216422
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/172,407
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/564,814
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.SWIFT
3.VISUAL BASIC
(71)【出願人】
【識別番号】523384676
【氏名又は名称】プレミアム・オーシャニック・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PREMIUM OCEANIC INC.
【住所又は居所原語表記】445 San Antonio Road,Suite 105,Los Altos,California 94022 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボー・ジー・ペリー
【テーマコード(参考)】
4B029
4B065
【Fターム(参考)】
4B029AA02
4B029AA07
4B029BB04
4B029CC01
4B029DF10
4B065AA83X
4B065AC20
4B065BC01
4B065BC50
4B065CA60
(57)【要約】
海面と海底の間に延びる垂直スタックを含む深水フォトバイオリアクターシステム。垂直スタックは入口導管と出口導管を含み、入口導管は少なくとも海水を輸送するように配置され、出口導管は少なくともバイオマスを輸送するように配置される。このシステムは、海面下の垂直スタックに沿った第1の位置で入口導管及び出口導管を介して垂直スタックに接続され、入口導管及び出口導管と流体連通する第1のフォトバイオリアクターを含む。第1のバイオリアクターはバイオマスを培養するように配置される。このシステムは、垂直スタックを海底に固定するように配置され、出口導管を介してバイオマスを受け取り、バイオマスを収穫パイプラインに排出するように配置された係留システムも含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
深水フォトバイオリアクターシステムであって、
海面と海底の間に延びる、垂直スタックであって、入口導管及び出口導管を含み、前記入口導管が少なくとも海水を輸送するように配置され、前記出口導管が少なくともバイオマスを輸送するように配置された、垂直スタック;
前記入口導管及び前記出口導管と流体連通し、海面下の前記垂直スタックに沿った第1の位置で前記入口導管及び前記出口導管を介して前記垂直スタックに接続された第1のフォトバイオリアクターであって、バイオマスを培養するために配置された第1のフォトバイオリアクター;及び
i)前記垂直スタックを海底に固定し、ii)前記出口導管を介してバイオマスを受け取り、iii)バイオマスを収穫パイプラインに排出するように配置された、係留システム
を含む、システム。
【請求項2】
前記第1のフォトバイオリアクターが海面から少なくとも100フィート下にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記垂直スタックは、前記垂直スタックの上部に位置するスタックハウジングを含み、前記スタックハウジングは、海水及びバイオマスの少なくとも一方を前記入口導管及び前記出口導管を通して移動させるように配置された少なくとも1つのポンプを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のフォトバイオリアクターが水平に配向されている、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のフォトバイオリアクターが、前記第1のフォトバイオリアクターを通るバイオマスの一方向の流れを提供するように構成された容器を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のフォトバイオリアクターが、前記容器を通るバイオマスへの一方向の流れを促進するように配向された複数の流れ発生器を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1のフォトバイオリアクターは、前記容器の前部領域から後部領域へのバイオマスの流れを促進するように配向された複数の流れ発生器と、前記後部領域から前記前部領域へのバイオマスの流れを促進する中央返送システムとを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1のフォトバイオリアクターが、前記一方向の流路に沿って配置された複数の光源を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
水流に応じて回転し、それに応じてポンプ及び複数の光源のうちの少なくとも1つに電力を供給する電力を生成するように配置された水車を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の光源は複数のLEDを含む、請求項8又は9に記載のシステム。
【請求項11】
深水フォトバイオリアクターシステムを用いたバイオマスの培養方法であって、
入口導管と出口導管を含む垂直スタックを海面と海底との間に延在させること;
前記入口導管を介して少なくとも海水を輸送すること;
前記出口導管を介して少なくともバイオマスを輸送すること;
海面下の前記垂直スタックに沿った第1の位置に第1のフォトバイオリアクターを接続し、前記第1のフォトバイオリアクターが入口導管及び出口導管と流体連通すること;
前記第1のフォトバイオリアクターを使用してバイオマスを培養すること;
係留システムを介して前記垂直スタックを海底に固定すること;
前記係留システムで前記出口導管からバイオマスを受け取ること;及びバイオマスを収穫パイプラインに排出すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記第1のフォトバイオリアクターを海面から少なくとも100フィート下に配置するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記垂直スタックは、前記垂直スタックの上部に位置するスタックハウジングを含み、前記スタックハウジングは、海水及びバイオマスの少なくとも一方を前記入口導管及び前記出口導管を通して移動させるように配置された少なくとも1つのポンプを含む、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のフォトバイオリアクターを水平に配向することを含む、請求項11~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のフォトバイオリアクターの容器を通してバイオマスの一方向の流れを提供することを含む、請求項11~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のフォトバイオリアクター内に複数の流れ発生器を設けること、及び前記容器を通るバイオマスの一方向の流れを促進するように前記複数の流れ発生器を配向することを含む、請求項11~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
第1のフォトバイオリアクター内に、前記容器の前部領域から後部領域へのバイオマスの流れを促進するように配向された複数の流れ発生器を設けること、及び前記後部領域から前記前部領域へのバイオマスの流れを促進するための中央返送システムを設けることを含む、請求項11~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記一方向の流路に沿って配置された複数の光源を介して、前記第1のフォトバイオリアクター内に光を提供するステップを含む、請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
水流に応じて回転し、さらにポンプ及び複数の光源のうちの少なくとも1つに電力を供給するための電力を生成するように配置された水車を提供することを含む、請求項11~18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
深水フォトバイオリアクターシステムであって、
海面と海底の間に延びる、垂直スタックであって、入口導管及び出口導管を含み、前記入口導管が少なくとも海水を輸送するように配置され、前記出口導管が少なくともバイオマスを輸送するように配置された、垂直スタック;
前記入口導管及び前記出口導管と流体連通し、海面下の前記垂直スタックに沿った第1の位置で前記入口導管及び前記出口導管を介して前記垂直スタックに接続された第1のフォトバイオリアクターであって、バイオマスを培養するために配置されており、少なくとも1つの検出された環境条件に基づいてセンサーデータを生成するように構成された少なくとも1つのセンサーを含む、第1のフォトバイオリアクター;
前記垂直スタックを海底に固定するように配置された係留システムであって、前記出口導管を介してバイオマスを受け取り、バイオマスを収穫パイプラインに排出するように配置された係留システム;及び
センサーデータを受信し、開閉、オン、オフ、流量の調整、前記第1のフォトバイオリアクターの1つ又は複数の成分の混合率の調整、及び/又は前記第1のフォトバイオリアクターの少なくとも光源の光強度を調整することのうちの少なくとも1つによって、環境条件を調整するように配置されたコントローラー、
を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本出願は、2021年4月8日に出願された「PHOTOBIOREACTOR SYSTEMS AND METHODS」と題される米国仮特許出願第63/172,407号、及び2021年12月29日に出願された米国特許出願第17/564,814号の優先権及び利益を主張する。
【0002】
本出願は、一般にフォトバイオリアクターに関し、より詳細には、炭素隔離、生体材料及びバイオ燃料の生産に有用な、藻類及び海藻の培養用の深水フォトバイオリアクターに関する。
【背景技術】
【0003】
バイオリアクターは、生物学的に活性な環境を促進するシステムである。典型的なバイオリアクターは、生物又は生物由来の生化学的に活性な物質を含む化学プロセスが実行される容器を有する。一般的なバイオリアクターの中には円筒形のものもある。バイオリアクターは通常、バッチ、流加バッチ、又は連続撹拌タンクバイオリアクターなどの連続モードを含むいくつかのモードの1つで動作する。バイオリアクター内で増殖する生物は、通常、水や海水などの液体に浸されている。温度、栄養素濃度、pH、溶存ガス、光強度などのバイオリアクター内の環境条件を制御できる。フォトバイオリアクター(PBR)は、自然光又は人工光を使用してバイオリアクター内の化学プロセスを強化するタイプのバイオリアクターである。フォトバイオリアクターは、シアノバクテリア、藻類、コケ植物などの光合成生物の増殖によく使用される。海藻は藻類の一種である。すべての海藻種は独立栄養性であるが、一部の藻類種は他の外部の食物材料に依存している。光は光合成を介して生物にエネルギー源を提供し、エネルギー源としての糖や脂質の必要性を排除できる。
【0004】
バイオリアクターによって生成された藻類又は海藻バイオマスは、乾燥させて人間の食品として使用できる。藻類からは、例えば、化粧品用色素、脂肪酸、抗酸化物質、予防作用のあるタンパク質、成長因子、抗生物質、ビタミン、多糖類などの微細な生化学生成物を抽出できる。藻類バイオマスは、低用量で動物性食品中の抗生物質の代替又はレベルの低下にも役立ち、またタンパク質源としても役立つ。湿った状態の藻類バイオマスを熱プロセスによって発酵又は液化して、バイオ燃料を生成することができる。初期のフォトバイオリアクターは、1つ又は複数のパドルホイールで撹拌される浅いラグーンを使用していた。これらのフォトバイオリアクターは生産性が低く、季節的及び日々の気候変動の影響を受けやすかった。また、それらは熱帯及び亜熱帯地域に限定されており、汚染されやすかった。閉鎖型培養システムは、バイオリアクター内の光、温度、培養混合物などの環境条件をより一貫して制御することで、浅いラグーンや開放型システムに伴う制限に対処する。一部のバイオリアクターは、微細藻類の成長を促進するために、炭素源として無機炭素をガス状CO2又は重炭酸塩の形で注入する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
残念なことに、藻類及び海藻を生産するバイオリアクター、特に沖合及び/又は深水のフォトバイオリアクターの品質、効率、多様性、及び生産収量を向上させるために、藻類及び海藻の培養を改善する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願、様々な実装において、深水及び/又は沖合のフォトバイオリアクターを使用した藻類及び/又は海藻の培養に関連する欠陥に対処する。
【0007】
深水光反応器の主な目的は、深い水柱の中で様々な藻類を大量生産することである。これには、海洋環境での制御された高集中封じ込め養殖の利点を活かして、非常に大規模に稼働するように設計されたシステムが含まれる。その用途には、固体炭素源(sCS)だけでなく、食品、材料、エネルギー市場への供給も含まれる。海洋の一定の深さより下では、温度と化学に劇的な変化が生じる。一般に、世界中の海洋の100~300フィートの下には、化学的及び物理的に別個の2つの体積の水が相互作用する混合層が存在する。世界の海洋の大部分では、深水の部分がはるかに大きな塊である。そこには、栄養素と非常に安定した温度など、藻類の成長に重要な要素がいくつか含まれる。実際、深水の塊には、藻類がすでに適応している栄養素が事実上無限量、しかし高濃度で含まれている。温度範囲は摂氏深水2深水~深水6深水度の狭い幅で変化する。無限に入手可能な肥料と完全に安定した生育温度を備えた深水は、この革新をもたらす。
【0008】
沖合深部で不足している成分は光である。光合成生命体であるため、藻類は一定の深さまでしか生存できない。深水フォトバイオリアクターは、藻類の成長を促進するために人工の光を補充することにより、深水での優れた条件を活用することができる。表層の下にある深水の領域は、地球上の居住可能な空間の90%を占めている。それはまた、注目すべきことに、地球上で最も生物の少ない空間でもある。それは生命を宿すことができるが、地表や陸上の生息地と比較すると、事実上そうではない。そこには、非常に高レベルの窒素、リン、高密度で多様な微量栄養素を含む、光合成のための実質的に無制限の潜在的な原料が保存されている。
【0009】
本出願は、深水及び/又は海洋環境でバイオマスの生産及び/又は収量を最適に刺激するようにバイオリアクターを構成することによって、藻類及び/又は海藻をより効果的かつ効率的に培養する例示的な深水及び/又は沖合のフォトバイオリアクターシステム、方法、及び装置について説明する。様々な実施形態において、深水フォトバイオリアクターは、海洋養殖のための海洋格納容器を含む。フォトバイオリアクターは海面よりもかなり下に設置されており、一般的な最大深さは少なくとも100フィートで、通常はより豊かで冷たい深水塊内に設置される。深水フォトバイオリアクターは、水の供給と収穫された藻類のための係留システムと導管システムを組み合わせた垂直スタック形式を特徴としている。
【0010】
深水フォトバイオリアクターシステムは、フォトバイオリアクター内に流れ発生器及び/又は発光体の独特な配置を含み得る。バイオリアクター内の1つ又は複数の環境条件を調整するために、センサーを使用して環境条件を監視し、様々な深水バイオリアクターコンポーネントの動作を動的に調整しながら、人工知能(AI)や機械学習(ML)を使用してセンサーデータを処理するバイオリアクターコントローラーにセンサーデータを提供することで、培養の最適化を促進することができ、これにより、バイオマスの品質及び/又は収量を最適化し、あるいは目的の用途に合わせて海藻の特性を最適化する。気候変動に直面した世界のニーズを満たすために、特に持続可能なタンパク質とカーボンニュートラルなエネルギーに焦点を当てた大規模な世界的な海藻生産の必要性が高まっている。増加する人口のニーズに対応するには、このアプリケーションの効率と関連テクノロジーが必要である。こうした市場特有の課題に対処するために、新しいタイプのフォトバイオリアクターが提案されている。
【0011】
一態様では、深水フォトバイオリアクターシステムは、海面と海底との間に延びる垂直スタックを含む。垂直スタックは入口導管と出口導管を含み、入口導管は少なくとも海水を輸送するように配置され、出口導管は少なくともバイオマスを輸送するように配置される。このシステムは、海面下の垂直スタックに沿った第1の位置で入口導管及び出口導管を介して垂直スタックに接続され、入口導管及び出口導管と流体連通する第1のフォトバイオリアクターを含む。第1のバイオリアクターはバイオマスを培養するように配置される。このシステムは、垂直スタックを海底に固定するように配置され、出口導管を介してバイオマスを受け取り、バイオマスを収穫パイプラインに排出するように配置された係留システムも含む。このシステムは、垂直スタックに接続され、第1のフォトバイオリアクターから間隔を置いて配置された第2のフォトバイオリアクター又はさらなるフォトバイオリアクターを含み得る。
【0012】
一実施形態では、第1のフォトバイオリアクターは海面から少なくとも100フィート下にある。垂直スタックは、垂直スタックの上部に配置されたスタックハウジングを含むことができる。スタックハウジングは、海水及び/又はバイオマスを入口導管及び出口導管を通して移動させるように配置された少なくとも1つのポンプを収容又は収容することができる。第1のフォトバイオリアクターは水平に向けられてもよい。第1のフォトバイオリアクターは、第1のバイオリアクターを通るバイオマスの一方向の流れを提供するように構成された容器を含んでもよい。第1のフォトバイオリアクターは、容器を通るバイオマスの一方向の流れを促進するように配向された複数の流れ発生器を含んでもよい。あるいは、第1のフォトバイオリアクターは、容器の前部領域から後部領域へのバイオマスの流れを促進するように配向された複数の流れ発生器と、後部領域から前部領域へのバイオマスの流れを促進する中央返送システムとを含んでもよい。
【0013】
第1のフォトバイオリアクターは、一方向流路に沿って配置された複数の発光体又は光源を含んでもよい。このシステムは、水流に応じて回転し、少なくとも1つのポンプ及び/又は複数の発光体もしくは光源に電力を供給するための電気エネルギーをさらに生成するように配置された水車を含むことができる。複数の光源又は発光体は、複数のLEDを含むことができる。
【0014】
別の態様では、深水フォトバイオリアクターシステムを使用してバイオマスを培養する方法は、以下を含む:入口導管と出口導管を含む垂直スタックを海面と海底との間に延在させること;入口導管を介して少なくとも海水を輸送すること;出口導管を介して少なくともバイオマスを輸送すること;第1のフォトバイオリアクターを、海面下の垂直スタックに沿った第1の位置に接続し、そこで第1のフォトバイオリアクターが入口導管及び出口導管と流体連通すること;第1のフォトバイオリアクターを使用してバイオマスを培養すること;係留システムを介して垂直スタックを海底に固定すること;係留システムで出口導管からバイオマスを受け取ること;及びバイオマスを収穫パイプラインに排出すること。
【0015】
さらなる態様では、深水フォトバイオリアクターシステムは、海面と海底との間に延びる垂直スタックを含み、垂直スタックは入口導管及び出口導管を含む。入口導管は、少なくとも海水を輸送するように配置される。出口導管は、少なくともバイオマスを輸送するように配置される。このシステムはまた、入口導管及び出口導管と流体連通する第1のフォトバイオリアクターを含む。第1のバイオリアクターは、海面下の垂直スタックに沿った第1の位置で入口及び出口導管を介して垂直スタックに接続される。第1のバイオリアクターはバイオマスを培養するように配置される。第1のフォトバイオリアクターは、少なくとも1つの検出された環境条件に基づいてセンサーデータを生成するように配置された、少なくとも1つのセンサーを含む。このシステムは、垂直スタックを海底に固定するように配置された係留システムを含む。係留システムは、出口導管を介してバイオマスを受け取り、バイオマスを収穫パイプラインに排出するようにも配置される。このシステムはさらに、センサーデータを受信して、開閉、オン、オフ、流量の調整、第1のフォトバイオリアクターの1つ又は複数の成分の混合率の調整、及び/又は第1のフォトバイオリアクターの少なくとも光源又は発光体の光強度を調整することのうちの少なくとも1つによって、環境条件を調整するように配置されたコントローラーを含む。
【0016】
この概要セクションを含め、本明細書に記載されている特徴の2つ以上を組み合わせて、本明細書に特に記載されていない実装を形成することができる。さらに、本明細書は、藻類又は海藻を生産するバイオリアクターに関連するシステム、方法、及び装置の例に言及する場合があるが、そのような技術は、他の生物を培養するように配置されたバイオリアクターにも同様に適用される。例えば、フォトバイオリアクターに関連して本明細書に記載されるシステム及び方法は、限定的ではないが、甲殻類、魚類、軟体動物、棘皮動物などのあらゆる種類の水産養殖に使用することができる。
【0017】
1つ又は複数の実施形態の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。他の特徴及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、例示的なフォトバイオリアクターの図である。
図2図2は、コンピュータシステムの図を示す。
図3図3は、フォトバイオリアクターの側面図を示す。
図4図4は、図3のフォトバイオリアクターの上面図を示す。
図5図5は、複数のフォトバイオリアクターを含む深水フォトバイオリアクターシステムを示す。
図6図6は、図5のフォトバイオリアクターの上面図である。
図7図7は、別のフォトバイオリアクターシステムを示す。
図8図8は、図5のフォトバイオリアクターの動作に関連する海藻養殖プロセスを示す。
【0019】
異なる図における同様の参照番号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
このアプリケーションは、様々な実装において、フォトバイオリアクターを使用した藻類及び/又は海藻の培養に関連する欠陥に対処する。本出願は、バイオマスの生産及び/又は収量を最適に刺激するようにバイオリアクターを構成することによって、深水及び/又は沖合の環境において藻類及び/又は海藻をより効果的かつ効率的に培養する例示的なシステム、方法、及び装置について説明する。最適化は、バイオリアクター内の流れ発生器及び/又は発光体の独自の配置によって強化され得る。バイオリアクター内の1つ又は複数の環境条件を調整するために、センサーを使用して環境条件を監視し、AI及び/又はMLを使用してセンサーデータを処理して様々なバイオリアクターコンポーネントの動作を動的に調整するバイオリアクターコントローラーにセンサーデータを提供することで、最適化をさらに促進することができ、これにより、バイオマスの品質及び/又は収量を最適化し、あるいは目的の用途に合わせて海藻の特性を最適化する。
【0021】
図1は、深水及び/又は沖合環境又は陸上環境に実装され得る格納構造、容器、及び/又はハウジング102を含むフォトバイオリアクター100の例の図である。バイオリアクター100はまた、オゾンフィルター104、CO2インジェクター106、紫外線(UV)フィルター108、及びバイオフィルター112を有する海水取込み口110に接続された再循環装置124を含む。再循環装置124及び海水取込み口110は、構造物102の上部に近い格納構造物102への海水の取込みを提供する。海水取込み口110及び/又は専用の栄養素注入部114は、構造102内の液体培地、例えば、海水(栄養素を含む又は含まない)に栄養素を提供することができる。海水取込み口110及び/又は再循環装置124は、1つ又は複数の混合エダクターを使用して、バイオリアクターからの再循環液体、海水、栄養素、及び格納構造102への他の投入物からの液体を混合することができる。バイオリアクター100は、バイオリアクター100内の1つ以上の環境条件を感知するように配置された1つ以上の環境センサー及び/又はセンサーのアレイ116を含み得る。バイオリアクター100は、排水口120で流出水から海藻バイオマスを濾過し、格納構造102に再循環される海水バイオマスのサイズを縮小するか、又は海水バイオマスの一部を収穫するように配置された収穫装置122を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、バイオリアクター100は、図3及び図4に関して開示されるように、少なくとも1つの側壁の内面に隣接して配置され、液体培養培地と接触する螺旋ライナーを含む。いくつかの実施形態では、バイオリアクター100は、図3及び図4に関して説明したように、格納構造102内で上部セクションと底部セクションとの間に螺旋状に配置され、液体培地の流れを格納構造102の上部セクションから下部セクションに向けて導くように配置された複数の流れ発生器を含む。
【0023】
特定の実施形態では、バイオリアクター100は、バイオリアクター100のコンポーネントの自動制御を可能にするように配置されたコントローラー118を含む。コントローラー118は、センサーのアレイ116から受信したセンサーデータを処理し、バイオリアクター100の様々な環境パラメータ(バイオマス流量、温度、栄養素濃度、pHレベル、溶存ガス濃度、及び/又は光強度が含まれるが、これらに限定されない)を制御するために、人工知能(AI)及び/又は機械学習(ML)、ニューラルネットワーク、ベイジアンネットワーク、及び/又はファジーロジックを実行するプロセッサを含み得る。コントローラー118は、バイオリアクター100又は300内の環境条件を動的に調整するために、人工ニューラルネットワーク(ANN)及び/又は深層ニューラルネットワーク、深層信念ネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、及び畳み込みニューラルネットワークなどの深層学習アーキテクチャを実装することができる。コントローラー118は、教師あり学習、強化学習、及び/又は教師なし学習を実装することができる。強化学習には、ゲーム理論、制御理論、オペレーションズリサーチ、情報理論、及び/又はバイオリアクター100又は300内の環境条件を動的に調整するためのシミュレーションベースの最適化が含まれ得る。バイオリアクター培養環境は、マルコフ決定プロセス(MDP)として表すことができる。コントローラー118は、複数の培養最適化問題を解決する複数の決定木を作成することができる。コントローラー118は、ベイジアンネットワークを使用して、藻類及び/又は海藻の培養プロセスを最適化することができる。
【0024】
コントローラー118は、入力ベクトルを出力ベクトルにマッピングする関数を計算するように訓練された多層パーセプトロン(MLP)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、又はディープボルツマンマシン(DBM)などの1つ又は複数のニューラルネットワークを使用することができる。N要素の出力ベクトルは、N個の培養設定の確率の推定値を伝えることができる。いくつかの実装形態では、コントローラー118はリカレントニューラルネットワーク(RNN)を使用し、そのニューロンが互いにフィードバック信号を送信して、動的な時間的動作を可能にする。コントローラー118は、長期短期メモリ(LSTM)及び/又は階層的時間メモリ(HTM)と呼ばれる拡張RNNを使用することができる。コントローラー118は、前述のAIアルゴリズムの組み合わせを使用して、ハイブリッド制御システムを形成することができる。デシジョンツリーは、バイオリアクター100内で藻類及び/又は海藻を成長させるための最適な培養構成について決定するために、各ノードで1つ以上の属性を使用し、及び/又は情報理論的尺度を使用して各ノードでクエリを作成する意思決定プロセスを表す一般的な用語である。
【0025】
一実施形態における動作において、海藻及び海水は、再循環装置124を介して格納構造102の上部セクション、例えば液体培地及び/又は水柱の上部に汲み上げられる。海藻は表面に到達し、沈み始め、螺旋を描きながら格納構造102を通って下降し始める。海藻は、格納構造及び/又はサイロ102内で回転しながら繊維ライナーの層に沿って移動する。海藻は、螺旋導管を通って押し出され、同時に螺旋に配管された1つ又は複数の流れ発生器、例えばエダクターによって「回転」される。海藻は、発光体から発せられるスペクトル的に調整されたLED光にさらされ、培養及び/又は成長をサポート又は促進する。より重いバイオマス及び/又は他の固体は、収穫及び/又はサイズ縮小及び/又は除去のために排出口120のボルテックスを介して選択され、それにより、より小さい及び/又はより軽いバイオマスが再循環装置124に吸い込まれ、格納容器の上部セクションにポンプで戻される。動作中、上記のサイクルが継続的に繰り返される。
【0026】
バイオリアクター100又は300の2つの側壁間の直径又は距離は、0.5m、1m、2m、3m、5m、7m、10m、15m、20m、30m、40m、又は50メートル以上であり得る。バイオリアクター100又は300の上部から底部までの深さ又は距離は、0.5m、1m、2m、3m、5m、7m、10m、15m、20m、30m、40m、又は50メートル以上であり得る。格納構造102及び/又はバイオリアクター100は、部分的又は完全に地表の下に取り付けられてもよい。格納構造102及び/又はバイオリアクター100は、バイオマスのより効率的な収穫を促進するために、部分的又は完全に地表の上に取り付けられてもよい。2つ以上のバイオリアクター100及び/又はバイオリアクター100のアレイは、より効率的なバイオマスの収穫及び/又は生産を促進するために、互いに隣接して取り付けられてもよい。格納構造102及び/又はバイオリアクター100は、水域内に部分的又は完全に取り付けられてもよい。格納構造102及び/又はバイオリアクター100は、定期的に、一日の特定の時間に、又は特定の潮汐現象中に、部分的又は完全に水域内に取り付けられてもよい。格納構造102内の発光体は、水平方向、垂直方向、及び/又は円周方向に等間隔に配置することができる。格納構造102内の流れ発生器は、水平方向、垂直方向、及び/又は円周方向に等間隔に配置されてもよい。格納構造102は、限定的ではないが、金属(例えば、鋼)、プラスチック、コンクリート、及び/又は土材料などの材料で形成され、及び/又はそれらの材料を含むことができる。
【0027】
格納構造102内の下向きの螺旋構成及び/又は流路におけるバイオマスの流れを促進することにより、バイオリアクター100は、所与の時間又は期間におけるバイオマスの流量、体積、及び/又は収量のより正確かつ効率的な検出及び/又は測定を可能にする。深水環境を含むいくつかの実施形態では、バイオリアクター100は、実質的に水平方向に配置され得る。このような配向では、1つ又は複数のエダクターを使用してバイオマスを所望の方向に移動させることができ、これは電流の流れによって補助されてもよく、補助されてもよい。バイオリアクター100は、格納構造102内に少なくとも1つのビデオセンサーを含み得る。ビデオセンサーは、バイオマスがセンサーの視野を通過するときにバイオマスの1つ又は複数の特性を測定するように構成することができる。ビデオセンサーは、例えばコントローラー118によるバイオマス密度、分布、流れ、異物及び/又は侵入種の決定及び/又は検出を可能にするセンサーデータを提供することができる。いくつかの構成では、バイオリアクター100は、格納構造102内のバイオマスの螺旋流路に沿って配置された複数のビデオセンサーを含む。
【0028】
様々な実施形態において、バイオリアクター100は、密閉型及び/又は陸上のバイオリアクターとして動作する。他の実施形態では、バイオリアクター100は、深水バイオリアクター及び/又は開放型バイオリアクターとして動作する。陸上バイオリアクターを運用することには、気候制御の促進、栄養素濃度などの液体培地の化学的特性の制御、高価値市場向けに調整された種類の海藻の培養など、数多くの利点がある。例えば、環境条件(例えば、タンパク質及び/又は糖濃度)を調整して、海藻製品を人間の食品、バイオ燃料、動物飼料、包装製品などの特定の用途に合わせて調整することができる。海洋及び/又は深水のバイオリアクターを運用することには、生産量の増加、栄養豊富な深水の利用、より効率的な栽培など、数多くの利点がある。
【0029】
図2は、図1のコントローラー118などのコンピュータの機能を実行するコンピュータシステム200のブロック図を含む。例示的なコンピュータシステム200は、中央処理装置(CPU)202、メモリ204、及び相互接続バス206を含む。CPU202は、単一のマイクロプロセッサ、又はコンピュータシステム200をマルチプロセッサシステムとして構成するための複数のマイクロプロセッサを含み得る。メモリ204は、例えば、メインメモリ及び読み取り専用メモリを含む。コンピュータ200は、例えば、様々なディスクドライブ、テープドライブなどを有する大容量記憶装置208も含む。メインメモリ204は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び高速キャッシュメモリも含む。動作中、メインメモリ204は、CPU202による実行のための命令及びデータの少なくとも一部を記憶する。
【0030】
大容量記憶装置208は、CPU202によって使用されるデータ及び命令を記憶するために、1つ又は複数の磁気ディスク又はテープドライブ又は光ディスクドライブ又はソリッドステートメモリを含み得る。大容量記憶システム208の少なくとも1つのコンポーネント(好ましくはディスクドライブ、ソリッドステート、又はテープドライブの形態)は、センサーのアレイ116からのセンサーデータを処理し、バイオリアクター100又は300を制御するためのAI及び/又はMLエンジン及び/又はニューラルネットワークを実行するために使用されるデータベースを格納する。AI及び/又はMLエンジンは、バイオリアクター100又は300内の環境条件を動的に調整するために、ディープニューラルネットワーク、ディープビリーフネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、及び畳み込みニューラルネットワークなどのANN及び/又はディープラーニングアーキテクチャを実装することができる。バイオリアクター100、300、508、510、及び/又は600、あるいはバイオリアクターシステム500の自動制御を行うために、コンピュータ200は、バイオリアクター100、300、508、510、及び/又は600、あるいはバイオリアクターシステム500の様々なコンポーネント104、106、108、110、112、114、120、及び122にセンサー制御信号を送信し、開閉、オン、オフ、流量の調整、混合率及び/又は発光体の光強度の調整のいずれかを行い、バイオリアクター100、300、508、510、600、又はシステム500内の藻類及び/又は海藻の生産を最適化することができる。大容量記憶システム208はまた、コンピュータシステム200との間でデータ及びコードを入出力するためにフロッピーディスク、フラッシュドライブ、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM、DVD、CD-RW、及びその変形)、メモリスティック、又は集積回路の不揮発性メモリアダプタ(すなわち、PC-MCIAアダプタ)などの様々なポータブルメディア用の1つ又は複数のドライブを含み得る。いくつかの実装形態では、コンピュータ200及び/又はコントローラー118は、ネットワーク212などのデータネットワークを介して複数のバイオリアクターを同時に制御し得る。コントローラー118は、複数のバイオリアクター間の動作を調整して、複数のバイオリアクター間の産出量及び/又は収量を最適化することができる。ネットワーク212は、クラウドコンピューティング環境を実現する複数のコンピューティングサーバをサポートする、無線ネットワーク、アドホックネットワーク、及び/又はモバイルネットワークを含み得る。様々な環境センサー及び/又は複数のバイオリアクターは、例えば、モノのインターネット(IoT)対応システム及び/又はデバイスとして、ネットワーク212を介して通信可能に接続され得る。いくつかの実装形態では、地理的領域にわたって同時に動作する複数のバイオリアクターの動作と制御を調整するために、ネットワーク212は、コンピュータ200及び/又はコントローラー118が、予測分析を使用して、例えば、全地球測位システム(GPS)データ及び他のビッグデータを処理することによって、複数のフォトバイオリアクターの動作を調整できるようにすることができる。特定の実装形態では、ネットワーク212は、例えば、複数のバイオリアクターからのGPSデータの収集を可能にし、MLプログラムを使用して、陸上又は海上での海藻生産のセキュリティ及び/又はパフォーマンスを強化することができる。
【0031】
コンピュータシステム200はまた、ネットワーク212を介したデータ通信用のインターフェース210及び/又はトランシーバとして例として示される、通信用の1つ又は複数の入出力インターフェースを含み得る。データインターフェース210は、モデム、イーサネットカード、又は他の任意の適切なデータ通信デバイスであってもよい。コンピュータ102の機能を提供するために、データインターフェース210は、直接又は別の外部インターフェースを介して、イントラネット又はインターネットなどのネットワーク212への比較的高速なリンクを提供することができる。ネットワーク212への通信リンクは、例えば、光、有線、又は無線(例えば、衛星又はセルラーネットワークを介したもの)であってもよい。あるいは、コンピュータシステム200は、ネットワーク212を介してウェブベースの通信が可能なメインフレーム又は他のタイプのホストコンピュータシステムを含み得る。コンピュータシステム200は、ウェブサーバ及び/又はウェブクライアントなどのネットワークアプリケーションを動作させるためのソフトウェアを含み得る。
【0032】
コンピュータシステム200はまた、プログラミングやデータ取得を目的としたローカル ユーザーインターフェースとして機能する適切な入出力ポートとして、ポータブルデータ記憶装置とインターフェースすることができ、又はローカルディスプレイ216及びキーボード214などと相互接続するために相互接続バス206を使用することができる入出力ポートを含み得る。ディスプレイ216及び/又はディスプレイ120は、ユーザーがディスプレイ216の表面の一部に触れることによってシステム200とインターフェースできるようにするタッチスクリーン機能を含んでもよい。遠隔操作担当者は、ネットワーク212を介して遠隔端末装置からシステムを制御及び/又はプログラムするためにシステム200と対話することができる。
【0033】
コンピュータシステム200は、様々なアプリケーションプログラムを実行し、関連するデータを大容量記憶システム208のデータベースに保存することができる。1つ又は複数のそのような用途には、藻類及び/又は海藻の培養及び/又は成長プロセス中にシステム100、300、500又は600の様々なコンポーネントを制御するバイオリアクターコントローラー118を含むことができる。
【0034】
コンピュータシステム200に含まれるコンポーネントにより、コンピュータシステムをサーバ、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、ネットワーク端末、モバイルコンピューティングデバイスなどとして使用できるようにすることができる。上で論じたように、コンピュータシステム200は、履物の靴底の洗浄及び消毒を可能にする1つ又は複数の用途を含むことができる。システム200は、ウェブサーバーアプリケーションを実装するソフトウェア及び/又はハードウェアを含むことができる。ウェブサーバーアプリケーションには、HTML、XML、WML、SGML、PHP(ハイパーテキストプリプロセッサ)、CGI、及び同様の言語などのソフトウェアが含まれ得る。
【0035】
本開示の前述の特徴は、システム200内で動作するソフトウェアコンポーネントとして実現することができ、システム200は、UNIX(登録商標)ワークステーション、Windows(登録商標)ワークステーション、LINUX(登録商標)ワークステーション、又は他のタイプのワークステーションを含む。他のオペレーティングシステム、例えば、限定されないが、Windows、MAC OS(登録商標)、及びLINUXを使用することもできる。いくつかの態様では、ソフトウェアは、C言語コンピュータプログラム、あるいは、JavaScript(登録商標)、Java(登録商標)、CSS、Python、PHP、Ruby、C++、C、Shell、C#、Objective-C、Go、R、TeX、VimL、Perl、Scala、CoffeeScript、Emacs Lisp、Swift、Fortran、又はVisual BASICを含むがこれらに限定されない任意の高級言語で書かれたコンピュータプログラムとして任意選択で実装することができる。XML、WML、PHPなどの特定のスクリプトベースのプログラムを使用することもできる。システム200は、デジタル信号プロセッサ(DSP)を使用することができる。
【0036】
前述したように、大容量記憶装置208はデータベースを含むことができる。データベースは、市販のMicrosoft Accessデータベースを含む任意の適切なデータベースシステムであってもよく、ローカル又は分散データベースシステムであってもよい。データベースシステムは、Sybase及び/又はSQL Serverを実装し得る。データベースは、ハードディスクドライブ、RAIDシステム、テープドライブシステム、フロッピーディスケット、又は他の適切なシステムなどの適切な永続データメモリによってサポートされ得る。システム200は、システム200と統合されたデータベースを含むことができるが、他の実装形態では、データベース及び大容量記憶装置208は外部要素であり得ることが理解される。
【0037】
特定の実装形態では、システム200は、インターネットブラウザプログラムを含むことができ、及び/又はウェブサーバとして動作するように構成することができる。一部の構成では、クライアント及び/又はウェブサーバは、クライアント又はサーバープログラムによって使用される可能性のある様々なネットワークプロトコルを認識及び解釈するように構成されてもよい。一般的に使用されるプロトコルには、例えば、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、Telnet、セキュアソケットレイヤ(SSL)、トランスポート層セキュリティ(TLS)などがある。ただし、新しいプロトコルや既存のプロトコルの改訂が頻繁に導入される可能性がある。したがって、新しいプロトコル又は改訂されたプロトコルをサポートするために、サーバ及び/又はクライアントアプリケーションの新しい改訂が継続的に開発及びリリースされる場合がある。
【0038】
コンピュータシステム200は、Web2.0アプリケーションなどを実行するWebサーバを含んでもよい。システム200上で実行されるウェブアプリケーションは、限定ではないが、Javaサーブレット、CGI、PHP、又はASPなどのサーバ側動的コンテンツ生成機構を使用することができる。特定の実施形態では、マッシュされたコンテンツは、例えば、無線デバイス上のJavaScript及び/又はアプレットを含むがこれらに限定されないクライアント側スクリプトを実行するウェブブラウザによって生成され得る。
【0039】
特定の実装形態では、システム200及び/又はコントローラー118は、非同期JavaScript+XML(Ajax)及び非同期ローディング及びコンテンツプレゼンテーション技術を使用する同様の技術を採用するアプリケーションを含み得る。これらの技術には、スタイル表示用のXHTML及びCSS、Webブラウザーによって公開されるドキュメントオブジェクトモデル(DOM)API、XMLデータの非同期データ交換、及びWebブラウザー側のスクリプト(JavaScriptなど)が含まれるが、これらに限定されない。特定のWebベースのアプリケーション及びサービスは、サービス指向アクセスプロトコル(SOAP)や表現状態転送(REST)などのWebプロトコルを利用し得るが、これらに限定されない。RESTはHTTPとXMLを利用できる。
【0040】
システム200は、強化されたセキュリティ及びデータ暗号化も提供することができる。強化されたセキュリティには、アクセス制御、生体認証、暗号認証、メッセージ完全性チェック、暗号化、デジタル著作権管理サービス、及び/又は他の同様のセキュリティサービスが含まれ得る。セキュリティには、IPSECやIKEなどのプロトコルが含まれ得る。暗号化には、DES、3DES、AES、RSA、及び同様の公開鍵又は秘密鍵ベースのスキームが含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
図3は、その格納構造302内に再循環装置及び/又は返送システム304を含むフォトバイオリアクター300の側面図を示す。図3は、フォトバイオリアクター300を垂直に整列した配向で示しているが、フォトバイオリアクター300は、例えば、水平又は実質的に水平な配向を含む他の配向に整列させてもよい。格納構造302は、液体培養培地310、例えば海水増殖培地が含まれるキャビティを形成する。再循環装置及び/又は培地返送システム304は、底部セクション320に近接する入口及び上部セクション318に近接する出口を含む、格納構造302内にチャネルを形成する。再循環装置304は、底部セクション320の入口を介して液体培地310の一部を連続的に受け取り、上部セクション318の出口を介して液体培地310の一部を排出するように構成されたポンプを含む。再循環装置304は、格納構造302内のバイオマス及び/又は培地310の下向きの螺旋流路306に寄与するように中央に配置され得る。フォトバイオリアーター300及び格納構造302が水平に整列している場合、再循環装置304はバイオマスをセクション318に戻し、一方、1つ又は複数のエダクターはバイオマスの一部を螺旋経路に沿ってセクション320に向かって押し出すことができる。フォトバイオリアクター300が水平に配向されている場合、セクション318は前部セクション318と呼ばれることがあり、セクション320は後部セクション320と呼ばれることがある。
【0042】
バイオリアクター300はまた、格納構造302の側壁322の内面に隣接する螺旋ライナー312を含む。螺旋ライナー312は、少なくとも部分的に、格納構造302の上部セクション318から底部セクション320に向かう海藻306の下向きの螺旋流路を可能にする。バイオリアクター300が垂直に配向されている場合、重力及び/又は1つ以上の流れ発生器も、格納構造302内にバイオマス及び/又は培地310の下向きの螺旋流を提供するのに役立ち得る。バイオリアクター300が水平に配向されている場合、海流及び/又は1つ以上の流れ発生器は、格納構造302内にバイオマス及び/又は培地310の前部から後部又は後部から前部への螺旋の流れを提供することを支援することができる。バイオリアクター300はまた、排出口316を介して海藻バイオマスの収穫を可能にするように配置されたボルテックス勾配及び排水漏斗314を含み得る。格納構造302は、液体培地310の上に気体層308ができるように配置された密閉された上部セクション318を有してもよい。図3には示されていないが、バイオリアクター300は、図1のバイオリアクター100に関して説明したように、1つ以上のコンポーネントを含み得る。例えば、バイオリアクター300は、センサーのアレイ、1つ以上の発光体、及び/又は図1のコントローラー118などのコントローラーを含んでもよい。バイオリアクター300は、陸上及び/又は閉鎖システムとして動作するように、あるいは海洋などの水域内で沖合及び/又は開放システムとして動作するように構成することができる。陸上若しくは閉鎖システムとして、又は深水システムとして動作する場合、バイオリアクター300は、再循環装置304に加えて、又はその代わりに、図1の再循環装置124などの再循環装置を含んでもよい。
【0043】
図4は、フォトバイオリアクター300が垂直方向に配置されたときの、図3のフォトバイオリアクター300の上面図400を示す。図4はまた、フォトバイオリアクター300が水平配向にあるときのフォトバイオリアクター300のインライン又は軸方向の図を提供する。図4は、サイロ格納構造402、螺旋ライナーファブリック406、複数のエダクター408、複数の海洋発光体(例えば、LED)410、再循環装置304の返送カラム412、及びエダクター、電気及び/又は排水導管414を含む。図4は、返送カラム412と螺旋ライナーファブリック406との間の螺旋状の下向きの流れ404を示す。特定の実施形態では、流れ発生器(例えばエダクター408)及び/又は発光器410は、水平方向、垂直方向、及び/又は円周方向に等しく又は実質的に等しく離間して配置される。複数の発光体を垂直方向の深さに沿って及び/又は水平方向に様々な深さに配置することによって、バイオリアクター100又は300の垂直方向の長さを、自然太陽光に依存する従来のバイオリアクターと比較して実質的に延長することができる。従来のバイオリアクターの上部を介した培養培地への自然光の透過は限られているため、通常、従来のバイオリアクターは深さ約2.5mに制限される。
【0044】
培地310の下向きの螺旋流路404又は306に沿って、及び/又は様々な深さに複数の発光体を配置することによって、光によって提供されるエネルギーに対する培地310の曝露が大幅に促進され、それにより、バイオマス収量及び/又は海藻バイオマス製品の粘稠度が増加する。これは、バイオリアクター300及び/又は100内に下向きの螺旋流路404又は306を実装することの別の技術的利点である。図1に関して説明したように、エダクター408及び/又は流れ発生器は、底部セクション320に向かって下向きの方向に配向されてもよいが、螺旋状の下向きの流れ404及び306を促進するために水平方向にも配向され得る。いくつかの実装形態では、エダクター408及び/又は流れ発生器は、培地の流れ404及び/又は306を螺旋ライナー312と平行又は実質的に平行な方向に促進するように配向及び/又は配置される。エダクター408は、底部セクション320及び/又は排出口316もしくは120に向かって下方向に水平から2、5、10、15、20、30、又は45度以下の垂直配向を有してもよい。
【0045】
図5は、複数のフォトバイオリアクター508及び510を含む深水フォトバイオリアクターシステム500を示す。各深水フォトバイオリアクター508及び510は、海洋養殖用の海洋格納容器を含む。システム500は、表面導管504、スタック512、スタックハウジング514、フォトバイオリアクター及び/又は容器508、フォトバイオリアクター及び/又は容器510、収穫パイプ536、取込み導管530、出口導管532、及び係留システム516を含む。フォトバイオリアクター510などのフォトバイオリアクターは、前部ハウジング及びカップリング520、調整可能な吸気又はダムウェイター528、螺旋繊維ライナー522、及び後部ハウジング及び返送システム526を含んでもよい。
【0046】
システム500は、一般的な最大深さが少なくとも100フィートの海面502の下に配置される。いくつかの実施形態では、最も浅いバイオリアクター508の深さは、少なくとも100フィート、200フィート、300フィート、500フィート、1000フィート、2000フィート、及び5000フィートである。システム500は一般に、より豊かで冷たい深水の塊内に位置する。システム500は、結合された係留516と、水送達のための入口導管530及び採取された藻類のための出口導管532を含む導管システムとから構成される垂直スタック512形式を特徴とする。表面導管504は、スタックハウジング514への、又はスタックハウジング514からの材料の電子通信及び/又は輸送を可能にすることができる。表面導管504は、恒久的又は一時的であり得る。
【0047】
海面502の下でシステム500を位置決めすることの1つの利点は、システム500が、水面航行を排除し、野生動物との相互作用の危険を軽減するのに有益な深度特徴を提供することである。また、有光層の下では生物が少なく、海洋の混合層の下ではさらに少ないため、汚れも軽減される。深水システム500の主な技術的利点は、特に作物は非常に低い温度に適応するが、表面水が摂氏15度(C)を超える可能性がある熱帯海域において、隔離ゾーンを作成できることである。深水の作物は地表の光から遠く離れており、負の浮力を持っているため、そのような作物は地表に到達すると生き残ることができない。したがって、システム500は、生物学的に単離された、すなわち隔離されたバイオマスを生成する。この状況では、外来種や遺伝子組み換え生物(GMO)株の使用により生じるリスクははるかに少なくなる。
【0048】
システム500の垂直スタック512は、海底534に係留され、海底とスタックハウジングとの間に延びる一対の大直径導管パイプ、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)パイプに接続され、及び/又はそれを含むことができる。一方の導管530は給水用であり、もう一方の導管532は採取された物質を海底パイプ536又は水上船舶に輸送するためのものである。スタック512は、電気ケーブル及びデータケーブル配線を有する追加のサブ導管を含むことができ、内部ドローンを展開してシステム500を監視し、及び/又は導管530及び532とフォトバイオリアクター508及び510の格納容器の両方を洗浄し維持するために流体を送達する(例:除染、CO2強化材料、栄養素、プロバイオティクス用)ために使用することができる。
【0049】
スタック512の上部は、2つのパイプ530及び532の上端を含むスタックハウジング又はキャップ514を含むことができる。システム全体500の上部に位置し、地表に最もアクセスしやすいスタックハウジング514は、2つのパイプ530及び532内で水及び/又は材料を移動させるためのポンプハウスとして機能し得る。スタックハウジング514は、コンピュータ200、ロボットハウジング、部品及び材料倉庫などのコンピューティング及び/又は通信センターを含むことができる。スタックキャップ又はハウジング514は、データアップリンクを提供し、水上船舶が垂直スタック512及び/又はシステム500の位置を特定してドッキングできるようにする水面ブイに接続し、例えば、部品及び材料の供給、メンテナンス/修理、播種、表面採取などによってスタック512を整備することができる。いくつかの構成では、スタック512を切り離し、修理又は交換のために表面に出すことができる。
【0050】
係留ベース516は又はウスポンプ、濾過装置、ハウス部品、及びロボットを含むこともできる。係留ベース516は、採取パイプ532を、一連のスタック及び/又はフォトバイオリアクターシステムに連結することができる海底パイプライン536に連結し得る。したがって、複数のシステム500は、1つ又は複数の海底パイプラインを介して互いにリンクされ、各システムからの収集、及び陸上又は沖合の収集ポイントに位置し得る終点への統合された材料ストリームの輸送を可能にすることができる。2つの垂直導管530及び532は、フォトバイオリアクター508及び510の格納システムに海水を供給するか、又はそこから材料(及び水)を引き出すために、スタック512に沿って一定の間隔でそれぞれのポートを含んでもよい。取込み導管530は、ポンピングを使用する取込み口を介するか、導管材料自体の微細穿孔を使用することによって受動的に海水を吸収するという2つの方法のうちの少なくとも1つで外部の海水を取り込むことができる。又は、それらを組み合わせて実装する。濾過は、微細穴あきパイプによって提供され、及び/又はアクティブ吸気システムに統合されてもよい。パイプ530の微小穿孔は、個々の微小穿孔部分を覆うか遮断する能力を備えた間隔で設けることができる。
【0051】
アクティブポンピング吸気システムの深さは、吸気導管530の長さに沿って複数の吸気ポートを設けることによって、及び/又は導管530の微細穿孔セクションを覆うか開くことによって調節可能であってもよい。取込み深さの調整機能により、システム500は適切な深さから水を適切に混合して汲み上げ、最適な水温、栄養レベル及び/又は一般的な取水品質を確保することができる。例えば、より冷たい水を得るためにより深い深さで水を汲み上げ、より温かい水を得るためにより浅い深さで水を汲み上げることができる。スタックハウジング514内のポンプ、吸気導管530、及び係留システム516は、コンピュータ200などのコントローラーを介して、協調して制御され得、格納容器508及び510に供給するために取込み導管530内での水の適切な混合及び分配を確実にする。
【0052】
いくつかの実装形態では、システム500は、2つのパイプを直接ループさせて連続的な流れを作り出すことを除いて、基本的に2つの取込み/収穫導管と同様である海洋熱交換システムと互換性を有し得る。海洋熱エネルギー変換(OTEC)システムをシステム500に追加して、深層水と表層水(特に熱帯水)との間の温度差を利用してシステム500に電力を供給することができる。この差は、取込み導管530内の水温を調整するのにも役立つ。すなわち、ある深さ及び/又は温度で理想的な栄養素を含む水を取り込み、それを別の深さに流して取込みパイプ530内で最適な温度まで冷却又は温める。
【0053】
フォトバイオリアクター508及び510のフォトリアクター格納容器は、継続的な収穫を伴うバイオマスの進行中の培養をホストするように設計された円筒形の長さの布帛を有し得る。いくつかの実施形態では、それらは、取込み導管530から送られるバイオマス及び海水を保持し、外部の海水及び生物の侵入を防ぐ、低コストで耐久性の高い材料で作られる。フォトバイオリアクター508又は510の容器は、栄養豊富な摂取水が内部に送達され、バイオマスを通過し、使用済みの水が導管532を介して収穫された材料とともに排出されるループを含むことができる。
【0054】
格納容器は、わずか一対の並列格納容器を含むこともあれば、複数の並列格納容器としてグループ化することもでき、そのグループはペアであるか、「腸」構成で前後に走る1つの相互接続部品のいずれかである。バイオマスの全体的な一方向の流れを維持し、各生物が光と海水の両方に最大限にアクセスできるようバイオマスの最適な分布を維持するため、各フォトリアクター508及び510格納容器は、導管に接続される入口点にポンプを備えた、容器内部全体にわたる一連の加圧流発生器又はエダクターノズルを介して容器内部に配管される取込み給水システムを有してもよい。格納容器と取込み導管を接続する取込み口は主に容器の充填(設置後など)又はフラッシングに使用でき、一方、システム内部に沿って配管された分散型給水システムが培養に供給する。配管は、各格納容器の底部に沿って流れ発生器及び/又はエダクターを稼働させ、フォトバイオリアクター508及び510の容器を正圧で操作するとき、フォトバイオリアクターを介してエダクターの流れエネルギーがバイオマスを上方(負の浮力であるため)と一方向の均一に分布した経路でバイオマスを押し出すように機能させる。
【0055】
バイオマスの均一かつ一方向の流れにより、非常に正確なデータと正確な物理的制御を使用して、一連の監視システム(光センサーなど)や成長条件(光周期領域など)を通じて材料を完全にゲート制御することができる。流れ発生器及び/又は排出器は、両方とも海水の取水とともに物理的な力を伝達するため、コンピュータ200などのコントローラーを介して動的に調整して、バイオマスの速度、分布、及び栄養レベルを制御することができる。温度は取水によっても制御及び/又は影響を受け得る。
【0056】
フォトバイオリアクター508及び510の各容器は、取込み口に隣接して、収集導管532に接続する出口として接続する収穫ポートを有する。センサーが接近するバイオマスを識別し、コントローラーが水流と圧力を動的に調整して、導管532から採取する材料を選択する。コントローラーは、最も健全で最も丈夫な材料をバイオリアクター508又は510の容器内のループに戻しながら、生存能力の低いバイオマスを収穫のために分離するようにシステム機能を制御することができる。センサーは、光学、質量分析、ソナーなどを介して、個々の破片のサイズ、化学的特徴、密度、他の生物の存在などを検出し、どれが生存可能でどれが収穫されるべきかを判断し、同時に接近するエダクターのセットと収穫ポンプとの間のポンプ流量を継続的に調整して、外来生物及び材料のパージを含めて、所望の材料を選別又は収穫パイプ532内に「追い出す」。一部の実装では、密度が収穫物を分離する際の重要な要素となり、サイクロンの力によって軽い材料が重い材料から「遠心分離」される。これは、条件に最もよく適応するゲノムが培養中に維持され、そうでないゲノムが収穫されるという、進行中の遺伝子選択プログラムになり得る。収穫選択のメカニズムとアプローチには、一般的な種子開発の目的でサンプリング及び回収できる改良株の進化を促進する可能性がある。成功したバイオマスは、スタック512内の別の容器510に播種又は補充するために、1つの容器508から移植され得る。
【0057】
サイズ低減器(例えば、ブレンダー)を、返送されたバイオマス及び/又は収穫された材料のバイオマス粒子の最適なサイズを確保するため、導管532内の収穫及び/又は返送機構及び/又は前部ハウジング及びカップリング520内で使用することができる。返送されたバイオマスの場合、小さい断片の方がより早く成長し、より良く分布する傾向がある。収穫された材料では、より小さな粒子がより高速かつ高密度で送り出される。どちらの場合も、サイズが均一であることも非常に役立つ。流出する収穫材料をさらに「ふるい分ける」ことにより、内容物を脱水して、収穫導管532に入るバイオマス524の密度を特定のレベルまで増加及び/又は調整することができる。
【0058】
容器508又は510の内部は、光合成のためのエネルギーをバイオマス524に供給するために配光され、最大限の反射を目的として白色であってもよい。調整可能な強度及びスペクトルを備えた防水LEDの使用により、例えばコンピュータ200などのコントローラーを介してセンサー及び監視装置と連携してAI/MLによって自動的に行われる、光合成活動の微細な制御が可能になる。このソリューションでは、コントローラーが光の強度、光周期、スペクトルを動的に調整することで、成長を増減させることができる。容器508又は510の内部構造は、バイオマス524をその一方向の経路に沿って囲い、最適に分布させるために使用される織物螺旋を特徴とし、バイオマス524を最適な光にさらし続け、すなわち、バイオマス524の任意の部分又は部分が、アクセス光からあまりにも長い間遠すぎないことを保証する。バイオマス524の組織化及び誘導にも役立つ材料で表面積を増加させることにより、容器508又は510の中心によりよく浸透する追加の照明器具用のスペースが生じる。
【0059】
容器508又は510の外側は、システム500を汚すか干渉する可能性のある光及び微生物の誘引を最小限に抑えるために黒色であってもよい。ロボットは、導管530及び532などの導管内、及び容器508及び510などの容器格納容器内で、ならびにシステム500の外部で動作して、システム500の動作を支援することができる。これらは、例えば、音響又は他の短距離無線プロトコルを使用して、システム500全体内の磁気無線充電ポイント及び/又はストリップ及びデータリンクを介して充電することができる。永久ロボットは、システム500を清掃及び保守するために、トラック上又は他の手段(アーム/ツールなどの能力で)のいずれかで導管530及び532の長さに沿って上下に走行できる「スマートウェイター」516を含むことができる。格納容器508及び510は、ロボットが検査及び整備するための外部トラック又はレールを含んでもよい。
【0060】
いくつかの実装形態では、光反応器システム500は、自律的にかつフルタイムの衛星データ接続で動作できる、アップグレード可能なAI/MLコンピューティングアプリケーション上で動作するコントローラーを有する自動化システムを含む。スタック512フリートは、コントローラー及び/又はソフトウェアを介してネットワーク化されたフリートとして動作することができる。このシステムはリアルタイムで学習して改善するだけでなく、将来のハードウェア改善のための洞察も得られる。電気エネルギーは、例えば洋上風力又は送電網接続を介して外部からシステム500に供給することができ、あるいは、それは、各スタック512の一部として、又はスタック512のフリート内の集中電源を介して、ネイティブエネルギー供給を提供するために、電流又はOTECシステムを介して統合することができる。
【0061】
導管530又は532及び格納容器508又は510セグメントは、標準化することができ、すなわち、例えば鉄道及び/又は輸送用のハードウェアパッケージの最も効率的な配送及び設置に適応するフォーマット及びサイズにすることができる。導管はそれぞれ、設置中に接続できる一連のパイプセクションを含むことができ、各セクションは必要に応じて取り外したり交換したりすることができる。各格納容器508又は510は、藻類だけでなく、例えば魚、エビ、貝類などの動物の飼育生産にも潜在的な用途を有する。これらの生物は光合成をしないが、特定の照明機能の恩恵を受ける可能性がある。多栄養水産養殖プラットフォームとして、個々の容器508及び510の格納容器は異なる種を収容することができ、藻類の流出水を動物容器に経路変更して、例えば貝類の飼育条件を改善するためのより高いPHの水を提供することができる。動物の排泄物は、排水浄化のための肥料として海藻の養殖に送られることもできる。
【0062】
いくつかの実施形態では、光反応器システム500は、藻類の光合成のために太陽光を集めるために表面502上に浮いている水柱及び/又はスタック512の上部に位置するソーラーシステムを含む。システム500は、拡張機能として人工照明をさらに含んでもよい。システム500は、最適な収量をサポートするために、所定の深さからより冷たく、より栄養価の高い水を汲み上げる能力を備えた水輸送システム、例えばポンプ及び導管を含んでもよい。
【0063】
図6は、図5のフォトバイオリアクター508又は510などのフォトバイオリアクター600の上面図である。フォトバイオリアクター600は、格納容器610、収穫出口及び/又はパイプ602、海水取込み口及び/又はパイプ604、及び複数の流れ発生器及び/又はエダクター606を含む。図6に示される実施形態では、フォトバイオリアクター600は、容器610を通る海水及びバイオマスの一方向流路608を提供するように配置される。複数の流れ発生器606は、容器610の壁に沿って間隔を置いて配置され、取込み口604から収穫出口602に向かって経路608に沿ってバイオマスが流れることを可能にするように配向されている。図6の実施形態は、容器610を通る流路608を提供する少なくとも2つの並列カラムを含む。いくつかの実施形態では、3つ以上のカラム及び/又はチャネルが使用され得る。代替の実施形態では、フォトバイオリアクター600及び/又は容器610は、システム100及び300と同様にバイオマス流を提供するように構成され得る。図6の構成では、システム100及び300に関して説明したような様々な構成要素が、例えば複数の発光体/光源及び流れ発生器の使用を含むフォトバイオリアクター600内に実装され得る。
【0064】
図7は、フォトバイオリアクター取取込口706、水タービン714、及び遮蔽された出口ポート712を有する中性浮力フォトバイオリアクター702を含むフォトバイオリアクターシステム700を示す。システム700は、全方向アンカー708、栄養豊富な海水の取込み口704、及び水面ブイ710を含む。タービン714は、タービンブレードを横切る海水の流れに応じて回転し、発電機コイルを回転させて電気エネルギーを生成するように配置されている。これは、例えば、フォトバイオリアクター702内のコントローラー、1つ以上の導管ポンプ、1つ以上の流れ発生器、及び/又は発光器を含む、電力を必要とする任意のコンポーネントに電力を供給するために使用され得る。水面ブイ710は、システム700及び/又はフォトバイオリアクター702の深さ制御を提供し得る。フォトバイオリアクター702は、水中での中性浮力及び/又は固定浮力を可能にする浮力材料を含んでもよい。稼働中、栄養豊富な海水は取込み口704及び706を介してフォトバイオリアクター702に受け取られる。フォトバイオリアクター702は、取込み口706に隣接する前部領域からスクリーン出口ポート712に隣接する後部領域に向かって延在する一方向流路を含んでもよい。スクリーン出口ポート712のスクリーンは、選択されたサイズのバイオマスの収穫のみを可能にするフィルター機能を提供することができる。
【0065】
図8は、図5のフォトバイオリアクター508及び510の動作に関連する海藻養殖プロセス800を示す。プロセス800は以下を含む:入口導管と出口導管を含む垂直スタックを海面と海底との間に延在させること(ステップ802);入口導管を介して少なくとも海水を輸送すること(ステップ804);出口導管を介して少なくともバイオマスを輸送すること(ステップ806);第1のフォトバイオリアクターを、海面下の垂直スタックに沿った第1の位置に接続し、第1のフォトバイオリアクターが入口導管及び出口導管と流体連通すること(ステップ808);第1のフォトバイオリアクターを使用してバイオマスを培養すること(ステップ810);係留システムを介して垂直スタックを海底に固定すること(ステップ812);係留システムの出口導管からバイオマスを受け取ること(ステップ814);及びバイオマスを収穫パイプラインに排出すること(ステップ816)。
【0066】
説明した異なる実装の要素又はステップを組み合わせて、前に特に説明していない他の実装を形成することができる。要素又はステップは、その動作又はシステム全体の動作に悪影響を与えることなく、前述のシステム又はプロセスから除外されてもよい。さらに、本明細書で説明される機能を実行するために、様々な別個の要素又はステップを1つ又は複数の個別の要素又はステップに組み合わせることができる。
【0067】
本明細書に特に記載されていない他の実装も、特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】