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特表2024-513528印刷機械においてカラーコントロールする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】印刷機械においてカラーコントロールする方法
(51)【国際特許分類】
   B41F 33/00 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
B41F33/00 238
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023563219
(86)(22)【出願日】2022-08-02
(85)【翻訳文提出日】2023-10-16
(86)【国際出願番号】 EP2022071675
(87)【国際公開番号】W WO2023016861
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】102021120841.6
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390014188
【氏名又は名称】ケーニッヒ ウント バウアー アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Koenig & Bauer AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Koenig-Str. 4, 97080 Wuerzburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン フレミング
【テーマコード(参考)】
2C250
【Fターム(参考)】
2C250EA23
2C250EA25
2C250EB32
(57)【要約】
本発明は、印刷機械においてカラーコントロールする方法であって、進行している印刷プロセス中に、被印刷物(01)上に第1の印刷装置(06)において不透明のカバーインキ(02)を印刷し、続いて第2の印刷装置(07)においてカバーインキ(02)上に透明の印刷インキ(03)を印刷し、被印刷物(01)上に印刷したカバーインキ(02)に関して、第1の検出装置(08)により、このカバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、被印刷物(01)上に塗工すべきこのカバーインキ(02)の層厚さを、該当する印刷装置(06)において、このカバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を把握する制御ユニット(11)により、印刷していない被印刷物(01)の表面の光学濃度に関する予め求められた値に応じて、第1の検出装置(08)により検出されるこのカバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値が、このカバーインキ(02)のために制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、この制御ユニット(11)においてこのカバーインキ(02)のために設定された目標値に相当するように調整し、予め印刷したカバーインキ(02)上に印刷した印刷インキ(03)に関して、第2の検出装置(09)により、この印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、カバーインキ(02)上に塗工すべきこの印刷インキ(03)の層厚さを、この印刷インキ(03)を印刷する印刷装置(07)において、この印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値も把握する制御ユニット(11)により、被印刷物(01)上に予め塗工したカバーインキ(02)の層厚さに応じて、またはこのカバーインキ(02)の光学濃度に関する実際の値に応じて、第2の検出装置(09)により検出されるこの印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値が、この印刷インキ(03)のために制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、制御ユニット(11)においてこの印刷インキ(03)のために設定された目標値に相当するように調整する、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機械においてカラーコントロールする方法であって、進行している印刷プロセス中に、被印刷物(01)上に第1の印刷装置(06)において不透明のカバーインキ(02)を印刷し、続いて第2の印刷装置(07)において前記カバーインキ(02)上に透明の印刷インキ(03)を印刷し、
a.前記被印刷物(01)上に印刷した前記カバーインキ(02)に関して、第1の検出装置(08)により、前記カバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
b.前記被印刷物(01)上に塗工すべき前記カバーインキ(02)の層厚さを、該当する前記印刷装置(06)において、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値を把握する制御ユニット(11)により、印刷していない前記被印刷物(01)の表面の光学濃度に関する予め求められた値に応じて、前記第1の検出装置(08)により検出される前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記カバーインキ(02)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記カバーインキ(02)のために設定された目標値に相当するように調整し、
c.予め印刷した前記カバーインキ(02)上に印刷した前記印刷インキ(03)に関して、第2の検出装置(09)により、前記印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
d.前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の層厚さを、前記印刷インキ(03)を印刷する前記印刷装置(07)において、前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値も把握する前記制御ユニット(11)により、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに応じて、または前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に応じて、前記第2の検出装置(09)により検出される前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記印刷インキ(03)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記印刷インキ(03)のために設定された目標値に相当するように調整する、
方法。
【請求項2】
前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに対する依存関係、または前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に対する依存関係は、それぞれ、塗工すべき前記印刷インキ(02)の前記層厚さに関する目標値の、前記カバーインキ(02)の前記層厚さの実際の値に対する確定された比、または前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する前記目標値の、予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記光学濃度の前記実際の値に対する確定された比に因むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバーインキ(02)として、オペークホワイト、または金もしくは銀の1つの色調のカバーするインキを使用し、かつ印刷インキ(03)として、シアンまたはマゼンタまたはイエローまたはブラックの1つの色調のプロセスインキを使用するか、または印刷インキ(03)として、パントンインキまたはその他の透明の特殊インキを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
異なる印刷装置(06;07)により、前記被印刷物(01)上に、少なくとも2つであって、4つまでのカバーインキ(02)および/または少なくとも2つであって、10までの印刷インキ(03)を塗工し、前記印刷装置(06;07)の各々は、前記カバーインキ(02)のそれぞれ1つの単一のカバーインキを前記被印刷物(01)上にかつ/または前記印刷インキ(03)のそれぞれ1つの単一の印刷インキを複数の前記カバーインキ(02)の1つのカバーインキ上に塗工することを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項5】
カバーインキ(02)であって、前記被印刷物(01)の印刷すべき前記表面より明るく、かつ前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)より明るい、カバーインキ(02)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記カバーインキ(02)の前記カラーコントロールおよび前記印刷インキ(03)の前記カラーコントロールは、それぞれ、前記カバーインキ(02)の前記印刷装置(06)に属するインキ装置内あるいは前記印刷インキ(03)の前記印刷装置(07)に属するインキ装置内に設けられたそれぞれ少なくとも1つのゾーン開口の、前記制御ユニット(11)により実施される制御と関連して実施されることを特徴とする請求項1または2または3または4または5に記載の方法。
【請求項7】
オフセット印刷法により印刷する印刷装置(06;07)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載の方法。
【請求項8】
シート状の被印刷物(01)またはウェブ状の被印刷物(01)を使用し、かつ/または紙からまたはプラスチックからまたは金属からなる被印刷物(01)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7に記載の方法。
【請求項9】
制御ユニット(11)として、操作ユニット(12)と表示装置(13)とを有するコントロールステーションを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8に記載の方法。
【請求項10】
待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)を、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9に記載の方法。
【請求項11】
印刷機械として、前記被印刷物(01)のための反転装置を有する印刷機械を使用し、待機している前記印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)の両面のために、該当する前記被印刷物(01)を、それぞれ個々に、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御ユニット(11)内でそれぞれの前記カバーインキ(02)またはそれぞれの前記印刷インキ(03)の前記光学濃度の前記目標値に関して確定される前記公差範囲は、それぞれ印刷装置に関してかつジョブにまたがって確定されることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、1つの同じ印刷工程で少なくとも1つの前記印刷インキ(03)とともに、複数の印刷装置(06;07)を有する1つの印刷機械内で塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、該当する前記印刷機械内で、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する印刷工程に先行する印刷段階において塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する前記印刷機械とは異なる印刷機械内で、該当する前記被印刷物(01)上に塗工することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の印刷機械においてカラーコントロールする方法に関する。
【0002】
国際公開第2005/092613号により、調量装置を有する少なくとも1つのインキ装置を有する、好ましくは多色印刷で印刷する印刷機械が公知であり、インキ装置の調量装置は、コントロール装置によりコントロールされており、コントロール装置は、好ましくは光学式の検出装置に接続されており、検出装置は、印刷機械内で印刷された被印刷物の表面に向けられたセンサにより、印刷の品質を検出する。
【0003】
欧州特許出願公開第1084843号明細書により、印刷製品をデンシトメトリにより計測する装置が公知であり、デンシトメータ測定ヘッドの、予め与えられた目標値との差が計算される測定結果が、印刷機械のインキングのための調整コマンドに利用され、このとき、デンシトメータの下流に接続され、かつ演算ユニットを有する評価ユニットにより、測定区間内のインキ濃度値の、インキおよび測定区間の種類(フルトーンまたはハーフトーン)が同じである隣接する測定区間との比較が行われる。
【0004】
独国特許出願公開第102004003612号明細書により、印刷物の予め決められたセクションの画像を評価する方法が公知であり、インラインのインキ濃度測定において検出された色強度値が、印刷機械のインキ装置内のインキ供給のコントロールに利用され、白色の区間内で求められた白色基準の修正が、別の測定区間内で測定された色強度値の評価に援用される。
【0005】
独国特許出願公開第102014011151号明細書により、計算機を有する印刷を行う機械において、印刷すべき表面上の色面を色測定装置により検出することで、カラーコントロールする方法が公知であり、印刷すべき表面は、被印刷物であり、被印刷物は、オペークホワイトによりコーティングされており、色測定装置は、オペークホワイトの複数の色測定値を検出し、計算機は、オペークホワイトの検出された色測定値を互いに、またはオペークホワイトの基準色値と比較し、比較時に求められた偏差を計算機内に保存し、オペークホワイトによりコーティングされた被印刷物上に色測定区間を上刷りし、上刷りした色測定区間を色測定装置により検出し、計算機は、色合いをコントロールすべく、オペークホワイトが下にあてがわれた色測定区間の色測定値を印刷原稿の目標色値と比較するにあたり、検出し、保存された偏差の影響を考慮する。
【0006】
印刷機械により実施される印刷プロセス中、予め被印刷物上に塗工されたカバーインキ上に塗工される印刷インキの光学的な作用は、このカバーインキの層厚さに依存している。光学的な作用におけるこの依存関係は、印刷機械内で印刷プロセスの間に実施される印刷インキのカラーコントロールに対する影響を有している。
【0007】
本発明の根底にある課題は、印刷インキのカラーコントロールの際に、印刷インキの光学的な作用の、予め被印刷物上に塗工されたカバーインキの層厚さに対する依存関係を考慮した、印刷機械においてカラーコントロールする方法を提供することである。
【0008】
上記課題は、本発明において請求項1の特徴により解決される。従属請求項は、見出した解決手段の有利な構成および/または発展形に関する。
【0009】
本発明により達成可能な利点は、特に、提案する方法が、印刷機械内で印刷プロセスの間に実施される印刷インキのカラーコントロールの際に、印刷インキの光学的な作用の、予め被印刷物上に塗工されたカバーインキの層厚さに対する依存関係を考慮している点にある。
【0010】
本発明の一実施例を図面に示し、以下に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】カバーインキ上に塗工された印刷インキの層構造を示す図である。
図2】カラーコントロールの概略図である。
【0012】
図1は、カバーインキ02上に塗工された印刷インキ03の層構造を例示的に著しく拡大して断面図で示しており、カバーインキ02は、被印刷物01上に塗工されている。実際には、少なくとも、被印刷物01上に塗工されたカバーインキ02および印刷インキ03のインキ層は、通例、それぞれ0.1mm未満であって、異なるインキの層は、それぞれ異なる厚さを有していてもよく、かつ印刷プロセス中に変動する。被印刷物01として、それぞれ任意の素材、例えば紙からまたはプラスチックからまたは金属からなるシート状の被印刷物01またはウェブ状の被印刷物01を使用する。ウェブ状の被印刷物01は、特にフィルムとして形成されている。被印刷物01は、透明に形成されていてもよい。カバーインキ02として、好ましくは、オペークホワイト、またはその他のカバーする、すなわち下地、特に被印刷物01を塗りつぶす、例えば金もしくは銀の1つの色調のオペークインキを使用する。好ましくは、蛍光増白剤を含まないカバーインキ02を使用する。印刷インキ03として、好ましくは、シアンまたはマゼンタまたはイエローまたはブラックの1つの色調のプロセスインキを使用する。これらのプロセスインキは、通例、それぞれ、透明の印刷インキ03として、すなわち、カバーインキ02とは異なり光を通すインキ層を形成する印刷インキ03として形成されており、塗工されたインキ層のそれぞれの色調は、衝突する光を透過させるカラーフィルタに類似した作用により初めて生成される。印刷インキ03として、例えばパントンインキ、またはその他の透明の特殊インキ、すなわち、プロセスインキとは相違した色調を有する印刷インキ03を使用してもよい。昼光インキまたは蓄光インキまたは蛍光インキまたはパールインキまたはグロスニスまたはマットニスまたはパターニングされるインキは、ここで説明する方法において、印刷インキ03として使用しない。少なくとも1つのカバーインキ02は、1つの同じ印刷工程で少なくとも1つの印刷インキ03とともに、複数の印刷装置を例えば直列型に有する1つの印刷機械内で、またはしかし、該当する印刷機械内で、少なくとも1つの印刷インキ03を塗工する印刷工程に先行する印刷段階において、またはそれどころか、少なくとも1つの印刷インキ03を塗工する印刷機械とは異なる印刷機械内で、該当する被印刷物01上に塗工してもよい。
【0013】
提案した、印刷機械においてカラーコントロールをする方法において、進行している印刷プロセス中に、被印刷物01上に第1の印刷装置において不透明のカバーインキ02を印刷し、続いて第2の印刷装置において不透明のカバーインキ02上に透明の印刷インキ03を印刷する。その際、カバーインキ02であって、被印刷物01の印刷すべき表面より明るく、かつこのカバーインキ02上に塗工すべき印刷インキ03より明るい、カバーインキ02を使用する。例えば同じ印刷機械内で、印刷機械の印刷装置により、またはそれぞれ異なる印刷機械を使用するときは、該当する印刷装置により、該当する被印刷物01上に、少なくとも2つであって、4つまでのカバーインキ02および/または少なくとも2つであって、10までの印刷インキ03を塗工し、これらの印刷装置の各々は、複数のカバーインキ02のそれぞれ1つの単一のカバーインキおよび/または複数の印刷インキ03のそれぞれ1つの単一の印刷インキを被印刷物01上に塗工するようにしてもよい。好ましくは、オフセット印刷法により印刷する印刷装置を使用する。少なくとも1つの透明の印刷インキ03を被印刷物01の表面上に塗工する印刷機械は、制御ユニットを有し、制御ユニットとして、特に、この印刷機械の、操作ユニットと表示装置とを有するコントロールステーションを使用する。印刷インキ03のカラーコントロールは、場合によっては、カバーインキ02のカラーコントロールも、それぞれ、該当する印刷インキ03の印刷装置に属するインキ装置内あるいは該当するカバーインキ02の印刷装置に属するインキ装置内に設けられたそれぞれ少なくとも1つのゾーン開口の、例えば制御ユニットにより実施される制御と関連して実施される。カバーインキ02上の印刷インキ03の測定およびコントロールは、好ましくは、インラインおよびオンラインで実施される。
【0014】
複数ある印刷装置の1つにより被印刷物01上に印刷したカバーインキ02に関して、好ましくは、インラインで、すなわち、該当する印刷機械内で、第1の検出装置により、このカバーインキ02の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求める。カバーインキ02の光学濃度の検出は、必要に応じてまたは周期的にまたは連続的に実施してもよい。第1の検出装置により、例えばこのカバーインキ02の光学濃度に関する実際の値のシーケンスを検出してもよく、実際の値のこの集合から、制御ユニットにより、例えば平均値を計算し、この平均値を用いてカラーコントロールを実施する。該当する印刷機械内に配置される第1の検出装置は、例えばデンシトメータとして形成されているか、または少なくとも、デンシトメトリによる測定を実施するのに好適である。被印刷物01上に塗工されたカバーインキ02、例えばオペークホワイトの光学濃度に関する値の定義域は、好ましくは、0~3の範囲内にあり、この公称値に続く小数点以下の可能な桁数は、通例、2である。典型的な標準値は、例えば2.00であり、最大値は、例えば2.50(極めて白)であり、最小値は、例えば0.00である。カバーインキ02の光学濃度に関するこの公称値が高ければ高いほど、カバーインキ02は、特に印刷すべき被印刷物01の表面に比してより明るくまたはより白く作用する。
【0015】
印刷プロセスの以後の経過の中で該当する被印刷物01上に塗工すべきカバーインキ02の層厚さを、該当する印刷装置において、このカバーインキ02の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を把握する制御ユニットにより、印刷していない被印刷物01の表面の光学濃度に関する予め求められた値に応じて、第1の検出装置により検出されるこのカバーインキ02の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値が、このカバーインキ02のために制御ユニット内で確定された公差範囲の考慮の下、この制御ユニットにおいてこのカバーインキ02のために設定された目標値に相当するように調整する。
【0016】
予め印刷したカバーインキ02上に印刷した印刷インキ03に関して、好ましくは、インラインで、すなわち、該当する印刷機械内で、第2の検出装置により、この印刷インキ03の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求める。印刷インキ03の光学濃度の検出は、必要に応じてまたは周期的にまたは連続的に実施してもよい。第2の検出装置により、例えばこの印刷インキ03の光学濃度に関する実際の値のシーケンスを検出してもよく、実際の値のこの集合から、制御ユニットにより、例えば平均値を計算し、この平均値を用いてカラーコントロールを実施する。該当する印刷機械内に配置される第2の検出装置は、例えばデンシトメータとして形成されているか、または少なくとも、デンシトメトリによる測定を実施するのに好適である。カバーインキ02上に塗工された印刷インキ03の光学濃度に関する値の定義域は、好ましくは、0~3の範囲内にあり、この公称値に続く小数点以下の可能な桁数は、通例、2である。典型的な標準値は、例えば1.50であり、最大値は、例えば2.50(極めて暗)であり、最小値は、例えば0.00である。印刷インキ03の光学濃度に関するこの公称値が高ければ高いほど、印刷インキ03は、予め塗工したカバーインキ02に比してより暗くまたはより濃く作用する。
【0017】
印刷プロセスの以後の経過の中でカバーインキ02上に塗工すべきこの印刷インキ03の層厚さを、この印刷インキ03を印刷する印刷装置において、この印刷インキ03の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値も把握する制御ユニットにより、被印刷物01上に予め塗工したカバーインキ02の層厚さに応じて、またはカバーインキ02の光学濃度に関する実際の値に応じて、第2の検出装置により検出されるこの印刷インキ03の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値が、この印刷インキ03のために制御ユニット内で確定された公差範囲の考慮の下、制御ユニットにおいてこの印刷インキ03のために設定された目標値に相当するように調整する。
【0018】
カバーインキ02上に塗工すべき印刷インキ03の層厚さの、被印刷物01上に予め塗工したカバーインキ02の層厚さに対する依存関係、またはカバーインキ02上に塗工すべき印刷インキ03の層厚さの、カバーインキ02の光学濃度に関する実際の値に対する依存関係は、それぞれ、特に、塗工すべき印刷インキ03の層厚さに関する目標値の、カバーインキ02の層厚さの実際の値に対する、予め制御ユニット内で確定された比、または印刷インキ03の光学濃度に関する目標値の、予め塗工したカバーインキ02の光学濃度の実際の値に対する確定された比に因む。この確定は、例えば、制御ユニットにより、進行している印刷プロセスの間に、該当する印刷機械内で実施されるカラーコントロールが、カバーインキ02の光学濃度の実際の値を、このカバーインキ02のために制御ユニット内で予め確定された許容可能な公差範囲の考慮の下、約2.00に維持し、かつ印刷インキ03の光学濃度の実際の値を、この印刷インキ03のために制御ユニット内で予め確定された許容可能な公差範囲の考慮の下、約1.50に維持する目的を有することであってもよく、その結果、印刷インキ03の光学濃度の実際の値は、印刷プロセス中に不可避の、それぞれ被印刷物01上に塗工されるインキ層厚さ、ひいては、光学濃度の検出される実際の値における許容可能な変動にもかかわらず、常に、カバーインキ02の光学濃度の実際の値の例えば75%である。このようにして確定されると、進行している印刷プロセスの間に該当する印刷機械内で実施される印刷インキ03のカラーコントロール時に、印刷インキ03の光学的な作用の、予め被印刷物01上に塗工されたカバーインキ02の層厚さに対する依存関係が、考慮されることとなる。
【0019】
制御ユニット内でそれぞれのカバーインキ02またはそれぞれの印刷インキ03の光学濃度の目標値に関して確定される公差範囲は、好ましくは、それぞれ印刷装置に関してかつジョブにまたがって確定される。制御ユニットには、ジョブに関するLab値が提供されるが、光学濃度は提供されない。ジョブに関するLab値を、制御ユニットは、光学濃度に関する値に換算する。
【0020】
例えば、待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき被印刷物01を、制御ユニット内に貯蔵された被印刷物01の集合から選択することで、本方法を制御ユニットにおいて起動する。該当する印刷機械として、被印刷物01のための反転装置を有する印刷機械を使用する場合は、例えば、待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき被印刷物01の両面のために、該当する被印刷物01を、それぞれ個々に、制御ユニット内に貯蔵された被印刷物01の集合から選択することで、本方法を制御ユニットにおいて起動する。
【0021】
それぞれのカバーインキ02またはそれぞれの印刷インキ03のカラーコントロールは、それぞれ、例えば被印刷物01上に印刷した色測定ストリップを用いて実施してもよい。
【0022】
図2は、例示的に、複数の印刷装置を有する印刷機械内、例えば、材料ウェブの形態の被印刷物01を印刷する印刷機械、すなわちロール印刷機械内でのカラーコントロールを著しく簡略化した概略図である。被印刷物01上には、この印刷機械を通る被印刷物01の搬送方向Tで、第1の印刷装置06において、不透明のカバーインキ02が印刷され、その後、第2の印刷装置07において、透明の印刷インキ03が印刷される。印刷装置06;07は、例えばそれぞれオフセット印刷装置として形成されている。被印刷物01の搬送方向Tで、第1の印刷装置06の後には、第1の検出装置08が、例えば第1のインライン・デンシトメータの形態で配置され、第2の印刷装置07の後には、第2の検出装置09が、例えば第2のインライン・デンシトメータの形態で配置されている。第1の検出装置08は、第1の検出装置08により検出される、被印刷物01上に塗工されたカバーインキ02の光学濃度に関する少なくとも1つの値を、制御ユニット11に送信する。同じく第2の検出装置09は、第2の検出装置09により検出される、被印刷物01上に塗工された印刷インキ03の光学濃度に関する少なくとも1つの値を、制御ユニット11に送信する。制御ユニット11は、操作ユニット12と表示装置13とを装備している。制御ユニット11には、ジョブに関するLab値も提供され、制御ユニットは、Lab値を光学濃度に関する値に換算する。制御ユニット11は、好ましくは、この印刷機械のコントロールステーションである。制御ユニット11は、第1の印刷装置06と、第2の印刷装置07とを、その際、印刷機械においてカラーコントロールする前述の方法が実施されるように動作制御する。カラーコントロールシステムの大半のコンポーネント間でも、双方向のデータ交換が可能であるが、図2に示す方向矢印は、カラーコントロールを実施するために優先的に必要な信号方向を略示している。
【符号の説明】
【0023】
01 被印刷物
02 カバーインキ
03 印刷インキ
04 -
05 -
06 第1の印刷装置
07 第2の印刷装置
08 第1の検出装置
09 第2の検出装置
10 -
11 制御ユニット
12 操作ユニット
13 表示装置
T 搬送方向
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機械においてカラーコントロールする方法であって、進行している印刷プロセス中に、被印刷物(01)上に第1の印刷装置(06)において不透明のカバーインキ(02)を印刷し、続いて第2の印刷装置(07)において前記カバーインキ(02)上に透明の印刷インキ(03)を印刷し、
a.前記被印刷物(01)上に印刷した前記カバーインキ(02)に関して、デンシトメータとして形成された第1の検出装置(08)により、前記カバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
b.前記被印刷物(01)上に塗工すべき前記カバーインキ(02)の層厚さを、該当する前記印刷装置(06)において、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値を把握する制御ユニット(11)により、印刷していない前記被印刷物(01)の表面の光学濃度に関する予め求められた値に応じて、前記第1の検出装置(08)により検出される前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記カバーインキ(02)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記カバーインキ(02)のために設定された目標値に相当するように調整し、
c.予め印刷した前記カバーインキ(02)上に印刷した前記印刷インキ(03)に関して、デンシトメータとして形成された第2の検出装置(09)により、前記印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
d.前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の層厚さを、前記印刷インキ(03)を印刷する前記印刷装置(07)において、前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値も把握する前記制御ユニット(11)により、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに応じて、または前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に応じて、前記第2の検出装置(09)により検出される前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記印刷インキ(03)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記印刷インキ(03)のために設定された目標値に相当するように調整する、
方法。
【請求項2】
前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに対する依存関係、または前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に対する依存関係は、それぞれ、塗工すべき前記印刷インキ(02)の前記層厚さに関する目標値の、前記カバーインキ(02)の前記層厚さの実際の値に対する確定された比、または前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する前記目標値の、予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記光学濃度の前記実際の値に対する確定された比に因むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバーインキ(02)として、オペークホワイト、または金もしくは銀の1つの色調のカバーするインキを使用し、かつ印刷インキ(03)として、シアンまたはマゼンタまたはイエローまたはブラックの1つの色調のプロセスインキを使用するか、または印刷インキ(03)として、パントンインキまたはその他の透明の特殊インキを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
異なる印刷装置(06;07)により、前記被印刷物(01)上に、少なくとも2つであって、4つまでのカバーインキ(02)および/または少なくとも2つであって、10までの印刷インキ(03)を塗工し、前記印刷装置(06;07)の各々は、前記カバーインキ(02)のそれぞれ1つの単一のカバーインキを前記被印刷物(01)上にかつ/または前記印刷インキ(03)のそれぞれ1つの単一の印刷インキを複数の前記カバーインキ(02)の1つのカバーインキ上に塗工することを特徴とする請求項1または2または3に記載の方法。
【請求項5】
カバーインキ(02)であって、前記被印刷物(01)の印刷すべき前記表面より明るく、かつ前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)より明るい、カバーインキ(02)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記カバーインキ(02)の前記カラーコントロールおよび前記印刷インキ(03)の前記カラーコントロールは、それぞれ、前記カバーインキ(02)の前記印刷装置(06)に属するインキ装置内あるいは前記印刷インキ(03)の前記印刷装置(07)に属するインキ装置内に設けられたそれぞれ少なくとも1つのゾーン開口の、前記制御ユニット(11)により実施される制御と関連して実施されることを特徴とする請求項1または2または3または4または5に記載の方法。
【請求項7】
オフセット印刷法により印刷する印刷装置(06;07)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6に記載の方法。
【請求項8】
シート状の被印刷物(01)またはウェブ状の被印刷物(01)を使用し、かつ/または紙からまたはプラスチックからまたは金属からなる被印刷物(01)を使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7に記載の方法。
【請求項9】
制御ユニット(11)として、操作ユニット(12)と表示装置(13)とを有するコントロールステーションを使用することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8に記載の方法。
【請求項10】
待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)を、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9に記載の方法。
【請求項11】
印刷機械として、前記被印刷物(01)のための反転装置を有する印刷機械を使用し、待機している前記印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)の両面のために、該当する前記被印刷物(01)を、それぞれ個々に、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記制御ユニット(11)内でそれぞれの前記カバーインキ(02)またはそれぞれの前記印刷インキ(03)の前記光学濃度の前記目標値に関して確定される前記公差範囲は、それぞれ印刷装置に関してかつジョブにまたがって確定されることを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、1つの同じ印刷工程で少なくとも1つの前記印刷インキ(03)とともに、複数の印刷装置(06;07)を有する1つの印刷機械内で塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、該当する前記印刷機械内で、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する印刷工程に先行する印刷段階において塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する前記印刷機械とは異なる印刷機械内で、該当する前記被印刷物(01)上に塗工することを特徴とする請求項1または2または3または4または5または6または7または8または9または10または11または12に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
特開2000-313103号公報により、ウェブの印刷画像の色測定を検出する検出器の出力信号をカラーコントローラの測定変換器に供給することが公知であり、測定変換器は、色測定を各印刷インキのためのインキ層の実際の厚さ値に変換する。目標値変換器は、決められた測定位置をコンソールに提供し、記憶装置内に記憶された色目標値をインキ層目標厚さ値に変換する。インキ層の実際の厚さ値およびインキ層の目標厚さ値は、計算機に提供され、計算機において、液圧式のコントローラの新規の調整量が、それらの比較値と、予めプログラミングされた一定の値とから算出される。
米国特許第9376582号明細書により、表面エネルギの低い不透水性の基材上に水性のインクジェットインクで印刷する方法が公知である。この方法は、a)表面エネルギを高めるために、基材の表面特性を改質し、b)基材の改質した表面に、水をベースとする無色の結合層組成を有する第1の層をコーティングし、c)第1の層に、インクを受理する無色透明の、水をベースとする組成であって、i)水溶性の多価の金属塩と、ii)親水性のバインダーポリマーと、を含む組成を含む第2の層をコーティングし、d)アニオン安定化された顔料を含む、水をベースとする1つまたは複数のインク組成を、第2の層の表面上に直接析出し、このとき、上記水をベースとする1つまたは複数のインク組成は、予め決められたパターンでインクジェット析出システムにより、電気信号に対する反応として析出され、e)塗工された第1および第2の層と、析出されたインクとを、水を実質的に除去するために乾燥させることを含んでいる。
独国特許出願公開第102008041426号明細書により、少なくとも1つのインキ装置を有する印刷機械において使用する方法が公知であり、該当するインキ装置の少なくとも1つの設定が、印刷機械の、進行している被印刷物の表面を印刷する印刷プロセス中に、この印刷プロセス中に印刷機械内で検出された少なくとも1つの測定値を基に、コントロール装置により変更可能である。コントロール装置は、検出された測定値を、該当するインキ装置の設定の変更前に、妥当性についてチェックし、このとき、妥当性チェックは、印刷していない被印刷物の表面の反射挙動のチェック、および/または測定箇所において求められた一次のインキ濃度の、同じ測定箇所において同時に求められた少なくとも1つの二次のインキ濃度に対する関係のチェック、および/または該当するインキ装置のインキゾーンにおいて求められたインキ濃度の、同じインキ装置の隣接する少なくとも1つのインキゾーンにおいて求められたインキ濃度に対する関係についてのチェックを基に実施される。
国際公開第2005/092613号により、調量装置を有する少なくとも1つのインキ装置を有する、好ましくは多色印刷で印刷する印刷機械が公知であり、インキ装置の調量装置は、コントロール装置によりコントロールされており、コントロール装置は、好ましくは光学式の検出装置に接続されており、検出装置は、印刷機械内で印刷された被印刷物の表面に向けられたセンサにより、印刷の品質を検出する。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機械においてカラーコントロールする方法であって、進行している印刷プロセス中に、被印刷物(01)上に第1の印刷装置(06)において不透明のカバーインキ(02)を印刷し、続いて第2の印刷装置(07)において前記カバーインキ(02)上に透明の印刷インキ(03)を印刷し、
a.前記被印刷物(01)上に印刷した前記カバーインキ(02)に関して、デンシトメータとして形成された第1の検出装置(08)により、前記カバーインキ(02)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
b.前記被印刷物(01)上に塗工すべき前記カバーインキ(02)の層厚さを、該当する前記印刷装置(06)において、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値を把握する制御ユニット(11)により、印刷していない前記被印刷物(01)の表面の光学濃度に関する予め求められた値に応じて、前記第1の検出装置(08)により検出される前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記カバーインキ(02)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記カバーインキ(02)のために設定された目標値に相当するように調整し、
c.予め印刷した前記カバーインキ(02)上に印刷した前記印刷インキ(03)に関して、デンシトメータとして形成された第2の検出装置(09)により、前記印刷インキ(03)の光学濃度に関する少なくとも1つの実際の値を求め、
d.前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の層厚さを、前記印刷インキ(03)を印刷する前記印刷装置(07)において、前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値も把握する前記制御ユニット(11)により、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに応じて、または前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に応じて、前記第2の検出装置(09)により検出される前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する少なくとも1つの前記実際の値が、前記印刷インキ(03)のために前記制御ユニット(11)内で確定された公差範囲の考慮の下、前記制御ユニット(11)において前記印刷インキ(03)のために設定された目標値に相当するように調整する、
方法。
【請求項2】
前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記被印刷物(01)上に予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記層厚さに対する依存関係、または前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)の前記層厚さの、前記カバーインキ(02)の前記光学濃度に関する前記実際の値に対する依存関係は、それぞれ、塗工すべき前記印刷インキ(02)の前記層厚さに関する目標値の、前記カバーインキ(02)の前記層厚さの実際の値に対する確定された比、または前記印刷インキ(03)の前記光学濃度に関する前記目標値の、予め塗工した前記カバーインキ(02)の前記光学濃度の前記実際の値に対する確定された比に因むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カバーインキ(02)として、オペークホワイト、または金もしくは銀の1つの色調のカバーするインキを使用し、かつ印刷インキ(03)として、シアンまたはマゼンタまたはイエローまたはブラックの1つの色調のプロセスインキを使用するか、または印刷インキ(03)として、パントンインキまたはその他の透明の特殊インキを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
異なる印刷装置(06;07)により、前記被印刷物(01)上に、少なくとも2つであって、4つまでのカバーインキ(02)および/または少なくとも2つであって、10までの印刷インキ(03)を塗工し、前記印刷装置(06;07)の各々は、前記カバーインキ(02)のそれぞれ1つの単一のカバーインキを前記被印刷物(01)上にかつ/または前記印刷インキ(03)のそれぞれ1つの単一の印刷インキを複数の前記カバーインキ(02)の1つのカバーインキ上に塗工することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
カバーインキ(02)であって、前記被印刷物(01)の印刷すべき前記表面より明るく、かつ前記カバーインキ(02)上に塗工すべき前記印刷インキ(03)より明るい、カバーインキ(02)を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記カバーインキ(02)の前記カラーコントロールおよび前記印刷インキ(03)の前記カラーコントロールは、それぞれ、前記カバーインキ(02)の前記印刷装置(06)に属するインキ装置内あるいは前記印刷インキ(03)の前記印刷装置(07)に属するインキ装置内に設けられたそれぞれ少なくとも1つのゾーン開口の、前記制御ユニット(11)により実施される制御と関連して実施されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
オフセット印刷法により印刷する印刷装置(06;07)を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
シート状の被印刷物(01)またはウェブ状の被印刷物(01)を使用し、かつ/または紙からまたはプラスチックからまたは金属からなる被印刷物(01)を使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
制御ユニット(11)として、操作ユニット(12)と表示装置(13)とを有するコントロールステーションを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)を、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
印刷機械として、前記被印刷物(01)のための反転装置を有する印刷機械を使用し、待機している印刷プロセスにおいて印刷すべき前記被印刷物(01)の両面のために、該当する前記被印刷物(01)を、それぞれ個々に、前記制御ユニット(11)内に貯蔵された被印刷物(01)の中から選択することで、前記方法を前記制御ユニット(11)において起動することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
前記制御ユニット(11)内でそれぞれの前記カバーインキ(02)またはそれぞれの前記印刷インキ(03)の前記光学濃度の前記目標値に関して確定される前記公差範囲は、それぞれ印刷装置に関してかつジョブにまたがって確定されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、1つの同じ印刷工程で少なくとも1つの前記印刷インキ(03)とともに、複数の印刷装置(06;07)を有する1つの印刷機械内で塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、該当する前記印刷機械内で、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する印刷工程に先行する印刷段階において塗工し、または少なくとも1つの前記カバーインキ(02)を、少なくとも1つの前記印刷インキ(03)を塗工する前記印刷機械とは異なる印刷機械内で、該当する前記被印刷物(01)上に塗工することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【国際調査報告】