(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】ロータコアの製造方法およびロータコア成形システム
(51)【国際特許分類】
H02K 15/03 20060101AFI20240315BHJP
H02K 1/276 20220101ALI20240315BHJP
【FI】
H02K15/03 C
H02K1/276
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023564190
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-12-18
(86)【国際出願番号】 NL2022050213
(87)【国際公開番号】W WO2022225392
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520483903
【氏名又は名称】ボシュマン テクノロジーズ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】BOSCHMAN TECHNOLOGIES B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】クラッセン, フーベルト ウィルヘム ペトルス
(72)【発明者】
【氏名】ブラウワー, エリック
【テーマコード(参考)】
5H622
【Fターム(参考)】
5H622CA02
5H622CA07
5H622CB03
5H622CB05
5H622DD02
5H622PP03
5H622PP20
5H622QA03
5H622QA04
(57)【要約】
ロータコアの製造方法および製造システムは、未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのことを可能にする。未成形ロータコアは、シャフトと、長手方向軸に沿った中央貫通孔、長手方向軸の周りに分布する磁石キャビティ、および磁石キャビティに挿入された磁石を有するロータコア本体とを備え、シャフトは、中央貫通孔から突出するように中央貫通孔に配置され、成形済みロータコアは、硬化した成形材料によって磁石キャビティ内に固定された磁石を有するロータコア本体を備える。本方法は、ロータコア成形システムの第1の金型と第2の金型との間に未成形ロータコアを挿入するステップと、未成形ロータコアのロータコア本体を所定の圧力でクランプするために、第1金型と第2金型とを互いに向かって移動させて、第1の金型および第2の金型を閉鎖するステップと、磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するステップと、流体成形材料を磁石キャビティ内で成形済みロータコアに硬化させるステップと、第1の金型および第2の金型を開放して成形済みロータコアを取り外すステップとを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア製造方法であって、
未成形ロータコア(10A)が、前記電気モータ(1)のシャフト(16)と、ロータコア本体(11)であって、前記ロータコア本体の長手方向軸(A)に沿ってその周りに延びる中央貫通孔(15)、前記長手方向軸(A)の周りに分布する磁石キャビティ(12)、および前記磁石キャビティ内に挿入された永久磁石(13)を有する、ロータコア本体(11)とを備え、前記電気モータの前記シャフトが前記中央貫通孔内に配置され、前記磁石キャビティおよび前記中央貫通孔が、前記ロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部(11.1)と第2のロータコア本体端部(11.2)との間で前記長手方向軸に沿って延び、かつ前記磁石キャビティが、前記第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、前記磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部(12.1)を有し、前記シャフトが前記ロータコア本体端部の一方または両方に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコア(10B)が、前記磁石キャビティ内の硬化した成形材料(14)によって前記磁石キャビティ内に固定された前記永久磁石を有する前記ロータコア本体(11)を備え、かつ
未成形ロータコアを提供するステップと、
第1の金型(110)と第2の金型(120)とを有するロータコア加圧成形システム(100)を提供するステップであって、前記第1の金型(110)および前記第2の金型(120)が、前記第1の金型および前記第2の金型の開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って前記第1の金型および前記第2の金型のそれぞれを向いている状態で、前記第1の金型と前記第2の金型との間に前記未成形ロータコアを挿入するように、かつ前記第1の金型および前記第2の金型の閉鎖構成において、前記第1の金型と前記第2の金型との間で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプして、前記第1の金型および前記第2の金型によって前記クランプされたロータコア本体に前記クランプ方向に沿った圧力を提供し、および前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコアの前記磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、前記第1の金型および前記第2の金型が、前記ロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを内部に受け入れるように構成され、前記第1の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第1の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第1の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ前記第2の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第2の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第2の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる、ステップと、
前記第1の金型および前記第2の金型の前記開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部が前記それぞれの第1の金型および第2の金型を向いている状態で、前記ロータコア成形システム(100)の前記第1の金型(110)と前記第2の金型(120)との間に前記未成形ロータコアを挿入するステップと、
前記閉鎖構成において前記第1の金型と前記第2の金型との間に所定の圧力がある状態で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプするために、前記第1の金型および前記第2の金型を互いに向かって移動させることによって、前記第1の金型および前記第2の金型を前記開放構成から前記閉鎖構成に閉鎖するステップと、
前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するステップと、
成形済みロータコアを提供するために、前記流体成形材料を前記磁石キャビティ内で硬化させるステップと、
前記第1の金型と前記第2の金型とを互いに離れるように移動させることによって、前記第1の金型および前記第2の金型を開放構成に開放するステップと、
前記成形済みロータコアを前記第1の金型と前記第2の金型との間から取り外すステップと
を含む、ロータコア製造方法。
【請求項2】
ロータコアエンドキャップ(17)が、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部の一方または両方に設けられ、一方または両方のロータコアエンドキャップが内部にキャップ開口部(17.1)を有し、前記キャップ開口部が、前記それぞれのキャップ開口部を通して前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供すること、および前記磁石キャビティを流体成形材料で充填している間に前記磁石キャビティから空気を逃がすことの一方または両方のために、前記ロータコア本体の前記磁石キャビティに関連付けられる、請求項1に記載のロータコア製造方法。
【請求項3】
前記一方または両方のエンドキャップのキャップ開口部が少なくとも部分的に充填されるように、前記磁石キャビティ内に流体成形材料が提供される、請求項2に記載のロータコア製造方法。
【請求項4】
未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア加圧成形システムであって、
未成形ロータコア(10A)が、前記電気モータ(1)のシャフト(16)と、ロータコア本体(11)であって、前記ロータコア本体の長手方向軸(A)に沿ってその周りに延びる中央貫通孔(15)、前記長手方向軸(A)の周りに分布する磁石キャビティ(12)、および前記磁石キャビティ内に挿入された永久磁石(13)を有する、ロータコア本体(11)とを備え、前記電気モータの前記シャフトが前記中央貫通孔内に配置され、前記磁石キャビティおよび前記中央貫通孔が、前記ロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部(11.1)と第2のロータコア本体端部(11.2)との間で前記長手方向軸に沿って延び、かつ前記磁石キャビティが、前記第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、前記磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部(12.1)を有し、前記シャフトが前記ロータコア本体端部の一方または両方に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコア(10B)が、前記磁石キャビティ内の硬化した成形材料(14)によって前記磁石キャビティ内に固定された前記永久磁石を有する前記ロータコア本体(11)を備え、かつ
前記システムが第1の金型(110)と第2の金型(120)とを備え、前記第1の金型(110)および前記第2の金型(120)が、前記第1の金型および前記第2の金型の開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って前記第1の金型および前記第2の金型のそれぞれを向いている状態で、前記第1の金型と前記第2の金型との間に前記未成形ロータコアを挿入するように、かつ前記第1の金型および前記第2の金型の閉鎖構成において、前記第1の金型と前記第2の金型との間で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプして、前記第1の金型および前記第2の金型によって前記クランプされたロータコア本体に前記クランプ方向に沿った圧力を提供し、および前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコアの前記磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、前記第1の金型および前記第2の金型が、前記ロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを内部に受け入れるように構成され、前記第1の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第1の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第1の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ前記第2の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第2の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第2の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる、
ロータコア加圧成形システム。
【請求項5】
前記第1の金型および前記第2の金型の一方または両方が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、前記複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ前記複数のシリンダリザーバのうちの前記シリンダリザーバが、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるために前記凹部または前記開口部の周りに配置される、請求項4に記載のロータコア加圧成形システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、未成形ロータコア内に磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア製造方法およびシステムに関し、未成形ロータコアは、ロータコア本体であって、ロータコア本体の長手方向軸に沿ってその周りに延びる中央貫通孔、長手方向軸の周りに分布する磁石キャビティ、および磁石キャビティに挿入された磁石を有する、ロータコア本体を備え、磁石キャビティおよび中央貫通孔は、ロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部と第2のロータコア本体端部との間で長手方向軸に沿って延び、そして、磁石キャビティは、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、流体成形材料で磁石キャビティを充填することを可能にする開口部を有し、成形済みロータコアは、磁石キャビティ内の硬化した成形材料によって磁石キャビティ内に固定された磁石を有するロータコア本体を備える。本システムは、第1の金型および第2の金型であって、第1の金型と第2の金型との間に少なくとも1つの未成形ロータコアをクランプすることを可能にするように配置された第1の金型および第2の金型を備える。
【背景技術】
【0002】
[0002]そのようなロータコア成形システムおよび対応する方法は、一般に公知である。一般に積層された個々の金属薄層のセットの未成形ロータコアが金型間に提供され、その後クランプ圧力が設定される。流体成形材料が、第1の金型と第2の金型との間にクランプされた未成形ロータコアの磁石キャビティ内に提供され、その後、流体成形材料を磁石キャビティ内で硬化させて、成形済みロータコアを提供することができる。次いで、第1の金型および第2の金型を開放し、ロータコアを第1の金型と第2の金型との間から取り外す。
【0003】
[0003]公知のシステムおよび方法では、未成形ロータコアは、ロータコアの中央貫通孔に設けられたピンを一般に有する支持プレート上に最初に提供される。ロータコアは、薄層のいくつかのセットを有することができ、各セットは、隣接する薄層のセットの磁石キャビティセグメントに対してわずかに変位した磁石キャビティセグメントを有する。支持プレートの中央ピンは、様々な薄層およびそのセットを整列させ、ロータコアの加工中にその整列を維持する。しかしながら、ロータコアを支持プレートおよびピン上に提供し、加工後にロータコアを支持プレートおよびピンから取り外すことは、ロータコアの非常に慎重な注意および専用の取り扱いを必要とする。ロータコアの完全性は、例えば、磁石キャビティ内の磁石の成形後に維持されるべきである。ロータコアを支持プレートおよびピンに提供し、およびそれらから取り出すステップは、ロータコアの加工効率および品質における制限ステップである。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の目的は、未成形ロータコア内に磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するための、効率および速度が向上したロータコア製造方法およびシステムを提供することである。
【0005】
[0005]本発明の別のまたは代替の目的は、未成形ロータコア内に磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するための、ロータコアの品質面をより良好に保護するロータコア製造方法およびシステムを提供することである。
【0006】
[0006]一態様では、本発明は、未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア製造方法を提供し、
未成形ロータコアは、電気モータのシャフトと、ロータコア本体であって、ロータコア本体の長手方向軸に沿ってその周りに延びる中央貫通孔、長手方向軸の周りに分布する磁石キャビティ、および磁石キャビティ内に挿入された永久磁石を有する、ロータコア本体とを備え、電気モータのシャフトは中央貫通孔内に配置され、磁石キャビティおよび中央貫通孔はロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部と第2のロータコア本体端部との間で長手方向軸に沿って延び、かつ磁石キャビティは、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部を有し、シャフトはロータコア本体端部の一方または両方に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコアは、磁石キャビティ内の硬化した成形材料によって磁石キャビティ内に固定された永久磁石を有するロータコア本体を備え、
方法は、
未成形ロータコアを提供するステップと、
第1の金型と第2の金型とを有するロータコア加圧成形システムを提供するステップであって、第1の金型および第2の金型は、第1の金型および第2の金型の開放構成において、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って第1の金型および第2の金型のそれぞれを向いている状態で、第1の金型と第2の金型との間に未成形ロータコアを挿入するように、かつ第1の金型および第2の金型の閉鎖構成において、第1の金型と第2の金型との間で未成形ロータコアのロータコア本体をクランプして、第1の金型および第2の金型によってクランプされたロータコア本体にクランプ方向に沿った圧力を提供し、および第1の金型と第2の金型との間にクランプされた未成形ロータコアの磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、第1の金型および第2の金型は、ロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを内部に受け入れるように構成され、第1の金型は、それぞれのロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および第1の金型の凹部または開口部は、ロータコアが第1の金型と第2の金型との間にクランプされるときにシャフトが第1の金型に接触してクランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ第2の金型は、それぞれのロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および第2の金型の凹部または開口部は、ロータコアが第1の金型と第2の金型との間にクランプされるときにシャフトが第2の金型に接触してクランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる、ステップと、
第1の金型および第2の金型の開放構成において、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部がそれぞれの第1の金型および第2の金型を向いている状態で、ロータコア成形システムの第1の金型と第2の金型との間に未成形ロータコアを挿入するステップと、
閉鎖構成において第1の金型と第2の金型との間に所定の圧力がある状態で未成形ロータコアのロータコア本体をクランプするために、第1の金型および第2の金型を互いに向かって移動させることによって、第1の金型および第2の金型を開放構成から閉鎖構成に閉鎖するステップと、
第1の金型と第2の金型との間にクランプされた未成形ロータコア本体の磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するステップと、
成形済みロータコアを提供するために、流体成形材料を磁石キャビティ内で硬化させるステップと、
第1の金型と第2の金型とを互いに離れるように移動させることによって、第1の金型および第2の金型を開放構成に開放するステップと、
成形済みロータコアを第1の金型と第2の金型との間から取り外すステップと
を含む。
【0007】
[0007]一実施形態では、ロータコアエンドキャップが、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に設けられ、一方または両方のロータコアエンドキャップは内部にキャップ開口部を有し、キャップ開口部は、それぞれのキャップ開口部を通して磁石キャビティ内に流体成形材料を提供すること、および磁石キャビティを流体成形材料で充填している間に磁石キャビティから空気を逃がすことの一方または両方のために、ロータコア本体の磁石キャビティに関連付けられる。
【0008】
[0008]一実施形態では、一方または両方のエンドキャップのキャップ開口部が少なくとも部分的に充填されるように、流体成形材料が磁石キャビティ内に提供される。
【0009】
[0009]別の態様では、本発明は、未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア加圧成形システムを提供し、
未成形ロータコアは、電気モータのシャフトと、ロータコア本体であって、ロータコア本体の長手方向軸に沿ってその周りに延びる中央貫通孔、長手方向軸の周りに分布する磁石キャビティ、および磁石キャビティ内に挿入された永久磁石を有する、ロータコア本体とを備え、電気モータのシャフトは中央貫通孔内に配置され、磁石キャビティおよび中央貫通孔はロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部と第2のロータコア本体端部との間で長手方向軸に沿って延び、かつ磁石キャビティは、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部を有し、シャフトはロータコア本体端部の一方または両方に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコアは、磁石キャビティ内の硬化した成形材料によって磁石キャビティ内に固定された永久磁石を有するロータコア本体を備え、かつ
システムは、第1の金型と第2の金型とを備え、第1の金型および第2の金型は、第1の金型および第2の金型の開放構成において、第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って第1の金型および第2の金型のそれぞれを向いている状態で、第1の金型と第2の金型との間に未成形ロータコアを挿入するように、かつ第1の金型および第2の金型の閉鎖構成において、第1の金型と第2の金型との間で未成形ロータコアのロータコア本体をクランプして、第1の金型および第2の金型によってクランプされたロータコア本体にクランプ方向に沿った圧力を提供し、および第1の金型と第2の金型との間にクランプされた未成形ロータコアの磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、第1の金型および第2の金型は、ロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを内部に受け入れるように構成され、第1の金型は、それぞれのロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および第1の金型の凹部または開口部は、ロータコアが第1の金型と第2の金型との間にクランプされるときにシャフトが第1の金型に接触してクランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ第2の金型は、それぞれのロータコア本体端部に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および第2の金型の凹部または開口部は、ロータコアが第1の金型と第2の金型との間にクランプされるときにシャフトが第2の金型に接触してクランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる。
【0010】
[0010]一実施形態では、第1の金型および第2の金型の一方または両方は、未成形ロータコアのロータコア本体の磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ複数のシリンダリザーバのうちのシリンダリザーバは、ロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフトを受け入れるために前記凹部または開口部の周りに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
[0011]本発明のさらなる特徴および利点は、非限定的かつ非排他的な実施形態によって本発明の説明から明らかになるであろう。これらの実施形態は、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の他の代替形態および同等の実施形態を想起し、実施することができることを理解するであろう。本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明され、同様または同じ参照符号は、同様、同じまたは対応する部分を示す。
【
図2A】電気モータのシャフトを有さないが、ロータコア本体の磁石キャビティに磁石が挿入された未成形ロータコアを示す図である。
【
図2B】シャフトを有し、磁石が磁石キャビティに挿入された未成形ロータコアを示す図である。
【
図2C】
図2Bの未成形ロータコアに対応する、硬化した成形材料によって磁石が磁石キャビティ内に固定された成形済みロータコアを示す図である。
【
図3】成形装置の第1の金型と第2の金型との間にあるロータコアを示す図である。
【
図4A】成形装置を使用して磁石キャビティ内に磁石を成形するための成形プロセスにおけるステップを示す図である。
【
図4B】成形装置を使用して磁石キャビティ内に磁石を成形するための成形プロセスにおける別のステップを示す図である。
【
図4C】成形装置を使用して磁石キャビティ内に磁石を成形するための成形プロセスにおける、さらに別のステップを示す図である。
【
図4D】成形装置を使用して磁石キャビティ内に磁石を成形するための成形プロセスにおける、またさらに別のステップを示す図である。
【
図5A】成形装置の第1の金型の上部の上面斜視図である。
【
図5B】成形装置の第1の金型の上部の断面図である。
【
図6A】成形装置の第2の金型の上面斜視図である。
【
図6B】成形装置の第2の金型の底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態の詳細な説明]
[0012]
図1は、電気モータ1、特に自動車などの車両を駆動するための電気モータの断面を示し、電気モータはロータ10およびステータ20を有する。ステータは、ロータコア10を回転駆動するようにロータ10の永久磁石13の磁場と相互作用する磁場を誘導する電流用の電気巻線21を有する。一般に、電気モータは、電気巻線および磁石のための多種多様な構成を有することができる。軸線Aに沿ってロータ10の中央開口部または中央貫通孔15に取り付けられた心棒またはシャフト16は、ロータ10を回転駆動することによって回転駆動される。シャフト16は、電気モータの回転を被駆動組立体に伝達するための電気モータ1の駆動シャフトである。
【0013】
[0013]
図2Bは、ロータコアおよびロータコア本体の長手方向軸Aの周りに分布する磁石キャビティ12を有するロータコア本体11を備えるロータコア10Aの実施形態を示す。磁石キャビティ12は、ロータコア本体の対向する第1のロータコア端部11.1と第2のロータコア端部11.2との間で長手方向軸Aに沿って延びる。ロータコア本体は、第1のロータコア端部と第2のロータコア端部との間で測定される高さと、その内部に心棒16を受け入れる中央開口部15とを有する。磁石キャビティ12の各々は、第1のロータコア端部および第2のロータコア端部の一方または両方に開口部12.1を有する。ロータ本体11は、図示の実施形態では、各々が高さhの磁石キャビティセグメント12Aを有する4つのロータコア本体セグメント11Aから構成される。図示の実施形態では、隣接するロータコア本体セグメントの磁石キャビティセグメントは、互いにわずかにオフセットされているが、隣接する磁石キャビティセグメント間に流体成形材料を通過させることができるように接触している。互いに接触する磁石キャビティセグメント12Aは、磁石キャビティ12を形成する。永久磁石13は、磁石キャビティ12の磁石キャビティセグメント12Aに挿入され、その後、
図2Aに示すように、ロータコアセグメント11Aが積層される。続いて、心棒16がロータコア本体の中央貫通孔15内に設けられ、ロータコア本体端部11.1、11.2に対してロータコア本体の中央貫通孔から突出して、
図2Bの未成形ロータコアに到達する。
図2Aおよび
図2Bは、ロータコア本体11のそれぞれの磁石キャビティ12の磁石キャビティセグメントに挿入された永久磁石13を示し、
図2Bは、中央貫通孔15に追加的に設けられた心棒16を示す。永久磁石13は、
図2Bに示すロータコア10Aの磁石キャビティ12内にまだ固定されていない。ロータコアの次の製造ステップにおいて、磁石13は、適切な熱硬化性エポキシ樹脂などの流体成形材料を磁石キャビティに導入して、磁石キャビティの空白部分を流体成形材料で充填することによって、それぞれの磁石キャビティ12内に固定される。その後、流体成形材料は硬化して、磁石キャビティ内に磁石を固定する。
図2Cは、磁石キャビティ内で硬化した成形材料14Bを示す。
図2Bは、未成形ロータコア10Aを示し、
図2Cは、成形済みロータコア10Bを示す。
図2Aは、シャフト16を中央貫通孔15に挿入する前の未成形ロータコアを示す。成形済みロータコア10Bは、基本的には、電気ロータを組み立てる際にステータの内側に設けられるロータである。ロータコアエンドキャップは、例えば、ロータコアの一部としてロータコア本体端部11.1、11.2に設けられてもよい。
【0014】
[0014]
図2A、
図2B、および
図2Cを参照して説明したロータコアを加圧成形するための加圧成形組立体を
図3に示す。圧力成形組立体は、底部金型としての第1の金型110と、上部金型としての第2の金型120とを備える。
図3は、
図2Bのまだ未成形のロータコアを示すが、ロータコアにロータコアエンドキャップ17がさらに追加されている。ロータコアエンドキャップ17は、ロータコア本体のロータコア本体端部11.1、11.2の両方に設けられる。ロータコアエンドキャップは、未成形ロータコアの一部としても設けられており、磁石キャビティ内の磁石を成形する間、所定の位置にある。そのために、ロータコアエンドキャップは、ロータコア本体内のそれぞれの磁石キャビティ12に関連付けられた開口部17.1を内部に有する。エンドキャップは、エンドキャップ17の開口部17.1が磁石キャビティ12と整列するように、ロータコアセグメント上に設けられる。ロータコアは、積層されたロータコアセグメント11A、ロータコアエンドキャップ17、およびランナーゲートプレート125の合計高さHを形成するために、エンドキャップも含む。ランナーゲートプレート125は、ロータコアセグメントとロータコアエンドキャップとのスタックの上に載置される。ランナーゲートプレートは、ロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフト16を通すための中央開口部129.1を有する。ランナーゲートプレート125のゲート127は、ロータコアの上面で磁石キャビティ12およびロータコアエンドキャップ17の開口部17.1と整列している。
【0015】
[0015]底部金型110および上部金型120の両方は、ロータコア本体の中央貫通孔から突出するシャフト16を受け入れるための凹部119、129を備える。第2の(上部)金型120は、複数のシリンダリザーバ122と、それぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャ121とをさらに有し、シリンダリザーバから未成形ロータコアのロータコア本体の磁石キャビティ12内に流体成形材料を提供する。複数のシリンダリザーバのうちのシリンダリザーバ122は、第1のロータコア本体端部の中央貫通孔から突出するシャフト16を受け入れるための凹部129の周囲に配置される。
【0016】
[0016]図示の実施形態では、使用時に、未成形ロータコアおよびランナープレート125が載置された第1の(底部)金型110が上方に移動して、第2の(上部)金型120に押し付けられる。
図3は、ロータコアエンドキャップが第1の金型110と第2の金型120との間にクランプされて押圧されたロータコア本体を示す。ランナーゲートプレート125は、ロータコアがシャフトまたは心棒16の長手方向に平行なクランプ方向に沿って第1の金型110と第2の金型120との間にクランプされて押圧されると、第2の金型120の一部になる。成形材料は、第2の金型120のシリンダリザーバ122内にもたらされ、加熱されて流体状態で提供され、その後、プランジャ121が下方に移動されて、ここでは第2の金型の一部であるランナーゲートプレート125のチャネル126およびゲート127を介して、磁石キャビティ12内に、特に上部の未成形ロータコアセグメント11Aの磁石キャビティセグメント12A内に流体成形材料14Aを移送する。磁石キャビティセグメント12Aが整列しているので、流体成形材料は、上部ロータコア本体セグメントの磁石キャビティセグメント12Aから未成形ロータコア本体セグメントの底部磁石キャビティセグメントまで通過して、最終的に、磁石13によって占有されていない磁石キャビティ12内の空間を充填する。成形材料はその後硬化して固体になり、磁石13を磁石キャビティ12内に固定する。ここで、ロータコア本体は、成形済みロータコア本体10Bとなる。本方法およびシステムは、シャフト16をロータコア本体11内に正確に位置決めすることを可能にし、一方、永久磁石13をロータコア本体の磁石キャビティ12内の所定の位置に堅固に収めて加圧成形しながら、シャフトおよびロータコア本体の組立体の完全性が維持される。磁石が挿入されている間に磁石キャビティ内で利用可能な比較的小さな空間を迅速かつ十分に充填するには、キャビティ内の永久磁石の信頼性が高く位置的に安定した固定を得るために、高い充填圧力、したがってクランプ圧力が必要である。これはすべて、高性能で、非常に信頼性が高く、非常に安定した電気モータをもたらす。加圧成形前にシャフトをロータコア本体内に良好に位置決めすることにより、磁石は、加圧成形時にエンドキャップを所定の位置に有するのと同様に、スループットに関してさらに有利である。エンドキャップは、ロータコアおよび良好に機能する電気モータの何らかの効率的な後加工を支援するために、ロータコア本体端部にさらに非常に効率的かつ確実に固定される。
【0017】
[0017]
図4A、
図4B、
図4Cおよび
図4Dは、本発明のロータコア成形方法およびシステム100の一実施形態を概略的に示す。ロータコア成形システムは、フレーム150と、フレーム上に配置された第1の金型110および第2の金型120とを備える。第1の金型110は、テーブル132およびアクチュエータ131を有する変位装置130を介してフレーム150に対して移動可能であり、第2の金型120はフレームに固定して取り付けられている。変位装置130は、非常に概略的にのみ提示されており、第1の金型110を上下に移動させるための任意の適切な装置を備えてもよい。金型組立体の第1の金型および第2の金型を閉鎖するとき、第1の金型110は第2の金型120に向かって上方に移動する。第1の金型は、金型組立体の第1の金型および第2の金型を開放するとき、第2の金型から離れるように下方に移動する。
図4Aに示す開放構成では、未成形ロータコアを第1の金型110上に提供することができる。
図4Bには、未成形ロータコア10Aが第1の金型上のロータコア本体に提供された状況が示されている。ロータコア本体の中央貫通孔から下方に突出するシャフトは、第1の金型の凹部に受け入れられる。ロータコア本体にはランナーゲートプレートが設けられており、ロータコアはランナーゲートプレートとともに第1の金型110上に載置される。続いて、
図4Cに示すように、ランナーゲートプレートを有するロータコア本体が第2の金型120に押し付けられるまで、第1の金型を上方に移動させ、ロータコア本体の中央貫通孔から上方に突出するシャフトが第2の金型120の凹部に受け入れられる。ここで、ランナーゲートプレートは、効果的に第2の金型の一部になっている。シリンダリザーバ内に提供された成形材料は、加熱されて流体になり、その後、ランナーゲートプレート内のチャネルおよびゲートを介してシリンダリザーバから磁石キャビティ内にそれぞれのプランジャによって押圧される。成形材料が硬化すると、
図4Dに示すように、第1の金型110および第2の金型120を互いに離れるように移動させることによって、金型組立体の第1の金型および第2の金型は開放構成に開放され、成形済みロータコアを第1の金型110から取り出すことが可能になる。ランナーゲートプレートは、依然としてロータコアの上にあり、ロータコアと共に第1の金型から取り外される。ランナーゲートプレートは、成形済みロータコアから他の場所で取り外され、次の成形プロセスで再使用するために準備される。
【0018】
[0018]
図5Aは、第1の金型の交換可能部品であり、第1の金型110の底部116に設けられた、第1の金型110の交換可能な上部115の一実施形態の上面斜視図を示す。上部および底部は、
図4A~
図4Dに概略的に示されている。
図5Bは、第1の金型の上部の断面を示す。上部115は、成形システム100で加工されるロータコアの種類に合わせて構成することができる。図示の実施形態では、上部115は、摺動装置によって第1の金型の底部116上に設けられ、底部116から取り外すことができる。第1の金型110の上部115は中央に開口部119.1を有し、開口部119.1は、上部115が第1の金型の底部116に設けられたときの第1の金型の凹部119の一部である。底部は、凹部119の一部も有する。代替的に、凹部119は、底部116が閉鎖した平坦な上面を有する場合、第1の金型110の上部115の開口部119.1によって設けられるだけでもよい。凹部119は、ロータコア本体から下方に突出するシャフト16を受け入れる。第1の金型110の底部116は、成形プロセスにおいてロータコアを下方から加熱するための発熱体を有する。前述のように、第1の金型の上部115は、加工されるロータコアに合わせて具体的に構成されている。上部115は通気チャネル115.1を有し、その上面開口部は、成形システムで加工されるロータコアの磁石キャビティ12と関連付けられて整列し、流体成形材料が磁石キャビティの上面に導入されている間に磁石キャビティから空気を逃がすことを可能にする。
【0019】
[0019]
図6Aおよび
図6Bは、第2の金型120の一実施形態の上面斜視図および底面斜視図を示し、
図6Cは断面図を示す。複数のシリンダリザーバ122は、成形システムにおけるロータコア本体プロセスから上方に突出するシャフト16を受け入れるための凹部129の周りに設けられる。シリンダリザーバに関連付けられたそれぞれのプランジャは、
図6Aには示されていない。それぞれのプランジャは、上方からシリンダリザーバ122に入る。
図6Bには、シリンダリザーバの開放底側端部を見ることができる。第2の金型120は、ロータコアを上方から加熱し、成形プロセス中にシリンダリザーバ内の成形材料を加熱するための発熱体を有する。流体成形材料は、それぞれのプランジャによってシリンダリザーバから押し出されると、開放底側端部からシリンダリザーバを出て、成形プロセス中は第2の金型の一部であるランナーゲートプレート125のチャネル126、続いてゲート127に入る。成形プロセス中は第2の金型120の一部であるランナーゲートプレート125の中央開口部129.1は、第2の金型120の凹部129の一部である。いくつかの実施形態では、ランナーゲートプレートの開口部129.1は、第2の金型の凹部129を完全に提供することさえできる。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア製造方法であって、
未成形ロータコア(10A)が、前記電気モータ(1)のシャフト(16)と、ロータコア本体(11)であって、前記ロータコア本体の長手方向軸(A)に沿ってその周りに延びる中央貫通孔(15)、前記長手方向軸(A)の周りに分布する磁石キャビティ(12)、および前記磁石キャビティ内に挿入された永久磁石(13)を有する、ロータコア本体(11)とを備え、前記電気モータの前記シャフトが前記中央貫通孔内に配置され、前記磁石キャビティおよび前記中央貫通孔が、前記ロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部(11.1)と第2のロータコア本体端部(11.2)との間で前記長手方向軸に沿って延び、かつ前記磁石キャビティが、前記第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、前記磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部(12.1)を有し、前記シャフトが前記ロータコア本体端部の一方または両方に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコア(10B)が、前記磁石キャビティ内の硬化した成形材料(14)によって前記磁石キャビティ内に固定された前記永久磁石を有する前記ロータコア本体(11)を備え、かつ
未成形ロータコアを提供するステップと、
第1の金型(110)と第2の金型(120)とを有するロータコア加圧成形システム(100)を提供するステップであって、前記第1の金型(110)および前記第2の金型(120)が、前記第1の金型および前記第2の金型の開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って前記第1の金型および前記第2の金型のそれぞれを向いている状態で、前記第1の金型と前記第2の金型との間に前記未成形ロータコアを挿入するように、かつ前記第1の金型および前記第2の金型の閉鎖構成において、前記第1の金型と前記第2の金型との間で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプして、前記第1の金型および前記第2の金型によって前記クランプされたロータコア本体に前記クランプ方向に沿った圧力を提供し、および前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコアの前記磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、前記第1の金型および前記第2の金型が、前記ロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを内部に受け入れるように構成され、前記第1の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第1の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第1の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ前記第2の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第2の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第2の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる、ステップと、
前記第1の金型および前記第2の金型の前記開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部が前記それぞれの第1の金型および第2の金型を向いている状態で、前記ロータコア成形システム(100)の前記第1の金型(110)と前記第2の金型(120)との間に前記未成形ロータコアを挿入するステップと、
前記閉鎖構成において前記第1の金型と前記第2の金型との間に所定の圧力がある状態で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプするために、前記第1の金型および前記第2の金型を互いに向かって移動させることによって、前記第1の金型および前記第2の金型を前記開放構成から前記閉鎖構成に閉鎖するステップと、
前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するステップと、
成形済みロータコアを提供するために、前記流体成形材料を前記磁石キャビティ内で硬化させるステップと、
前記第1の金型と前記第2の金型とを互いに離れるように移動させることによって、前記第1の金型および前記第2の金型を開放構成に開放するステップと、
前記成形済みロータコアを前記第1の金型と前記第2の金型との間から取り外すステップと
を含む、ロータコア製造方法。
【請求項2】
ロータコアエンドキャップ(17)が、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部の一方または両方に設けられ、一方または両方のロータコアエンドキャップが内部にキャップ開口部(17.1)を有し、前記キャップ開口部が、前記それぞれのキャップ開口部を通して前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供すること、および前記磁石キャビティを流体成形材料で充填している間に前記磁石キャビティから空気を逃がすことの一方または両方のために、前記ロータコア本体の前記磁石キャビティに関連付けられる、請求項1に記載のロータコア製造方法。
【請求項3】
前記一方または両方のエンドキャップのキャップ開口部が少なくとも部分的に充填されるように、前記磁石キャビティ内に流体成形材料が提供される、請求項2に記載のロータコア製造方法。
【請求項4】
未成形ロータコア内に永久磁石を成形して、電気モータ用の成形済みロータコアを提供するためのロータコア加圧成形システムであって、
未成形ロータコア(10A)が、前記電気モータ(1)のシャフト(16)と、ロータコア本体(11)であって、前記ロータコア本体の長手方向軸(A)に沿ってその周りに延びる中央貫通孔(15)、前記長手方向軸(A)の周りに分布する磁石キャビティ(12)、および前記磁石キャビティ内に挿入された永久磁石(13)を有する、ロータコア本体(11)とを備え、前記電気モータの前記シャフトが前記中央貫通孔内に配置され、前記磁石キャビティおよび前記中央貫通孔が、前記ロータコア本体の対向する第1のロータコア本体端部(11.1)と第2のロータコア本体端部(11.2)との間で前記長手方向軸に沿って延び、かつ前記磁石キャビティが、前記第1のロータコア本体端部および第2のロータコア本体端部の一方または両方に、前記磁石キャビティを流体成形材料で充填するための開口部(12.1)を有し、前記シャフトが前記ロータコア本体端部の一方または両方に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出し、
成形済みロータコア(10B)が、前記磁石キャビティ内の硬化した成形材料(14)によって前記磁石キャビティ内に固定された前記永久磁石を有する前記ロータコア本体(11)を備え、かつ
前記システムが第1の金型(110)と第2の金型(120)とを備え、前記第1の金型(110)および前記第2の金型(120)が、前記第1の金型および前記第2の金型の開放構成において、前記第1のロータコア本体端部および前記第2のロータコア本体端部がクランプ方向に沿って前記第1の金型および前記第2の金型のそれぞれを向いている状態で、前記第1の金型と前記第2の金型との間に前記未成形ロータコアを挿入するように、かつ前記第1の金型および前記第2の金型の閉鎖構成において、前記第1の金型と前記第2の金型との間で前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体をクランプして、前記第1の金型および前記第2の金型によって前記クランプされたロータコア本体に前記クランプ方向に沿った圧力を提供し、および前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされた前記未成形ロータコアの前記磁石キャビティに流体成形材料を提供するように、構成および配置され、ここで、前記第1の金型および前記第2の金型が、前記ロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを内部に受け入れるように構成され、前記第1の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第1の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第1の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされ、かつ前記第2の金型が、前記それぞれのロータコア本体端部に対して前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための凹部または開口部を内部に備え、および前記第2の金型の前記凹部または前記開口部が、前記ロータコアが前記第1の金型と前記第2の金型との間にクランプされるときに前記シャフトが前記第2の金型に接触して前記クランプ方向の力を及ぼすことがないように寸法決めされる、
ロータコア加圧成形システム。
【請求項5】
前記第1の金型および前記第2の金型の一方または両方が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、前記複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ前記複数のシリンダリザーバのうちの前記シリンダリザーバが、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるために前記凹部または前記開口部の周りに配置される、
請求項1~4のいずれか一項に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項6】
前記第2の金型(120)が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するように構成され、かつ前記第1の金型(110)が、加工される前記未成形ロータコア(10A)と接触し、加工される前記未成形ロータコア(10A)に合わせて構成された交換可能部品(115)を備え、前記交換可能部品(115)が、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるための前記凹部(119)または前記開口部の少なくとも一部を形成する開口部(119.1)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項7】
前記第2の金型(120)が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するように構成され、かつ前記第1の金型(110)が通気チャネル(115.1)を備え、前記通気チャネル(115.1)の開口部が、前記流体成形材料が前記磁石キャビティ内に導入されている間に前記磁石キャビティから空気を逃がすことを可能にするために、前記ロータコアの前記磁石キャビティ(12)に関連付けられて整列される、請求項1~4のいずれか一項に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項8】
前記第1の金型(110)が通気チャネル(115.1)を備え、前記通気チャネル(115.1)の開口部が、前記流体成形材料が前記磁石キャビティ内に導入されている間に前記磁石キャビティから空気を逃がすことを可能にするために、前記ロータコアの前記磁石キャビティ(12)に関連付けられて整列され、前記通気チャネル(115.1)および前記通気チャネル(115.1)の開口部が、前記交換可能部品(115)に設けられる、請求項6に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項9】
前記第1の金型および前記第2の金型の一方または両方が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、前記複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ前記複数のシリンダリザーバのうちの前記シリンダリザーバが、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるために前記凹部または前記開口部の周りに配置される、請求項6に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項10】
前記第1の金型および前記第2の金型の一方または両方が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、前記複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ前記複数のシリンダリザーバのうちの前記シリンダリザーバが、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるために前記凹部または前記開口部の周りに配置される、請求項7に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【請求項11】
前記第1の金型および前記第2の金型の一方または両方が、前記未成形ロータコアの前記ロータコア本体の前記磁石キャビティ内に流体成形材料を提供するために、複数のシリンダリザーバと、前記複数のシリンダリザーバのそれぞれのシリンダリザーバに関連付けられたプランジャとを備え、かつ前記複数のシリンダリザーバのうちの前記シリンダリザーバが、前記ロータコア本体の前記中央貫通孔から突出する前記シャフトを受け入れるために前記凹部または前記開口部の周りに配置される、請求項8に記載のロータコア製造方法またはロータコア加圧成形システム。
【国際調査報告】