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特表2024-513537廃水処理における多重選択解除のための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】廃水処理における多重選択解除のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20230101AFI20240315BHJP
【FI】
C02F3/12 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023580926
(86)(22)【出願日】2022-03-14
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 US2022071144
(87)【国際公開番号】W WO2022192921
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】63/160,497
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515069794
【氏名又は名称】ハンプトン ローズ サニテーション ディストリクト
(71)【出願人】
【識別番号】523349516
【氏名又は名称】ディー シー ウォーター アンド ソーワー オーソリティー
(71)【出願人】
【識別番号】523349527
【氏名又は名称】オシャウネッシー、マウリーン
(71)【出願人】
【識別番号】523349538
【氏名又は名称】ウェット、ベルンハード
(71)【出願人】
【識別番号】523349549
【氏名又は名称】ムルシャイ、スディル
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オシャウネッシー、マウリーン
(72)【発明者】
【氏名】ウェット、ベルンハード
(72)【発明者】
【氏名】ムルシャイ、スディル
(72)【発明者】
【氏名】デバーバディッロ、クリスティーン
(72)【発明者】
【氏名】ボット、チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】デ クリッペレール、ハイディー
【テーマコード(参考)】
4D028
【Fターム(参考)】
4D028BB02
4D028BC17
4D028BC18
4D028BC24
4D028BD16
4D028BD17
4D028CA04
4D028CC04
(57)【要約】
本開示は、汚泥中のより小さな、より低密度の、せん断または圧縮された粒子の物理的選択、選択解除、または選択除外に関し、第1の選択解除工程は、そのような粒子を個別に選択解除することによって、リアクターまたは浄化工程で行われ、その後、第2の選択解除工程が外部セレクタで行われる。この二重選択解除によって、沈降の遅い粒子のより効率的な除去が促進されると同時に、成長の速いおよび遅い生物に対する複数の固体滞留時間の維持を可能にする。浄化器における選択解除は、典型的に、正圧または負圧装置を使用してタンクの周辺またはブランケットの表面で行われる。スロット付きプレートもしくは穴あきプレート、パイプ、またはマニホールドなどの構造を使用して、そのような選択解除を支援することができる。このような選択解除にはバッフルも使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水処理システムであって、前記廃水処理システムが、
汚染水を含有する流入液と、
(i)入口、(ii)バイオリアクター、(iii)内部ディセレクタ、および(iv)出口を含むリアクターであって、
(i)前記入口が、前記流入液を受け取る、および前記汚染水を前記バイオリアクターに供給するように構成されており、
(ii)前記バイオリアクターが、前記汚染水を固液混合物中に分散させ、前記固液混合物を処理して生物固体を形成するように構成されており、
(iii)前記内部ディセレクタが、前記固液混合物から前記生物固体の第1の部分を保持するかまたは遅延させ、前記生物固体の第2の部分を含む選択解除された固液混合物を出力するように構成されており、
(iv)前記出口が、前記選択解除された固液混合物を受け取り、前記リアクターから、前記生物固体の前記第2の部分を含む前記選択解除された固液混合物を出力するように構成されている、リアクターと、
前記選択解除された固液混合物を受け取り、前記選択解除された固液混合物中の前記生物固体の前記第2の部分の一部を選択解除して、前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部を出力するように構成された粒子ディセレクタと、
前記生物固体の前記第2の部分の残りの部分を前記リアクターに供給するように構成された戻り配管と、を備え、
前記粒子ディセレクタが、密度ベース(DB)のディセレクタおよび粒子サイズ圧縮性(PSC)のディセレクタの少なくとも1つを含む、廃水処理システム。
【請求項2】
前記内部ディセレクタが、圧力差、流速、流量、温度差、および電磁エネルギー曝露の少なくとも1つに基づいて、前記固液混合物から前記生物固体の前記第1の部分を選択解除するように構成されている、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項3】
前記粒子ディセレクタが、固体粒子の密度、サイズ、せん断抵抗、または圧縮率の少なくとも1つに基づいて、前記生物固体の前記第2の部分の一部を選択解除するように構成されている、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項4】
前記廃水処理システムが、前記固液混合物から所定の特性を有する固体粒子を分離するように構成されたデカンタ、浄化器、分離器、膜、およびフィルタの少なくとも1つをさらに備える、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項5】
前記生物固体が、さまざまな処理機能を有する成長の速いおよび遅い生物を選択するための平均固体滞留時間(avSRT)を有する粒子を含み、
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部における粒子が、前記平均固体滞留時間(avSRT)よりも短い固体滞留時間(loSRT)を有し、
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部における粒子が、前記平均固体滞留時間(avSRT)よりも長い固体滞留時間(hiSRT)を有している、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項6】
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部が、
80mL/g未満の汚泥体積指数、または
改善された膜流束もしくは減少された膜ファウリング、を含む粒子を含む、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項7】
前記内部ディセレクタが、
a.前記バイオリアクターのリアクター界面、
b.浄化器の界面、
c.前記リアクターの表面、
d.沈降ブランケットの表面、
e.浄化器の周辺、
f.流入液または再循環液が供給される、前記バイオリアクター内の供給ゾーン、または
g.流出液または再循環液が出力される、前記バイオリアクターまたは浄化器内の排出ゾーンに、またはその近くに、負圧または正圧を加えるように構成されている、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項8】
前記内部ディセレクタが、
1つまたは複数のスロット付きマニホールド、
1つまたは複数の穴あきマニホールド、
1つまたは複数のプレート、
1つまたは複数のパイプ、または
1つまたは複数のバッフルを備え、
前記パイプが、前記リアクターまたは浄化器の周辺にまたはその近くに配置され、前記バッフルが、前記リアクターまたは前記浄化器の周辺で汚泥を方向づけて分離するように構成されている、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項9】
バイオリアクターが、差動流入カスケードアプローチを使用して前記流入液を受け取る供給ゾーンを含む、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項10】
前記生物固体の前記第1の部分および前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部が、それぞれ、セレクタおよびディセレクタから前記バイオリアクター内の少なくとも2つの異なる位置に再循環流として供給されるか、または
前記生物固体の前記第1の部分および前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部が、それぞれ、セレクタおよびディセレクタによって選択解除されて、微生物で生産された電子供与体、電子受容体、または炭素の1つまたは複数を増加させ、前記バイオリアクターの動作に対する電子供与体、電子受容体、または炭素の要件の少なくとも20%を提供する、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項11】
前記リアクターが、
連続フローリアクター、
シーケンシングバッチリアクター、
修正されたシーケンシングバッチリアクター、
統合された固定膜活性汚泥リアクター、
統合された浄化器を備えたアップフローリアクター、
統合されたデカンタを備えたアップフローリアクター、または
膜バイオリアクターを含む、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項12】
内部選択解除工程が、
可視光線、紫外光線、もしくは赤外光線源;
熱源;
ガス源;または
圧力源もしくは混合源を含む、前記リアクター内のエネルギーを使用して実施される、請求項1記載の廃水処理システム。
【請求項13】
廃水を処理するための方法であって、
汚染水を含有する流入液をバイオリアクターおよび内部ディセレクタを含むリアクターに供給する工程と、
前記バイオリアクターによって、固液混合物中の前記汚染水を処理して、生物固体を形成する工程と、
前記内部ディセレクタによって、前記固液混合物からの前記生物固体の一部を保持するかまたは遅延させる工程と、
保持されていないまたは遅延されていない生物固体を含む選択解除された固液混合物を、前記リアクターから粒子ディセレクタに出力する工程と、
前記粒子ディセレクタによって、選択された固液混合物中の前記保持されていないまたは遅延されていない生物固体の一部を選択解除して、前記保持されていないまたは遅延されていない生物固体の選択解除された一部を出力する工程と、
前記内部ディセレクタからの前記保持されていないまたは遅延されていない生物固体および前記粒子ディセレクタからの前記生物固体の第2の部分の一部の残りの部分の少なくとも1つを前記バイオリアクターに戻す工程と、を含む方法。
【請求項14】
前記内部ディセレクタが、圧力差、流速、流量、温度差、および電磁エネルギー曝露の少なくとも1つに基づいて、前記固液混合物から前記生物固体の第1の部分を選択解除するように構成されており、
前記粒子ディセレクタが、固体粒子の密度、サイズ、せん断抵抗、または圧縮率の少なくとも1つに基づいて、前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部を選択解除するように構成されている、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記生物固体が、さまざまな処理機能を有する成長の速いおよび遅い生物を選択するための平均固体滞留時間(avSRT)を有する粒子を含み、
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部における粒子が、前記平均固体滞留時間(avSRT)よりも短い固体滞留時間(loSRT)を有し、
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部における粒子が、前記平均固体滞留時間(avSRT)よりも長い固体滞留時間(hiSRT)を有している、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記生物固体の前記第2の部分の選択解除された一部が、
80mL/g未満の汚泥体積指数、または
改善された膜流束もしくは減少された膜ファウリング、を含む粒子を含む、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記内部ディセレクタが、
a.前記バイオリアクターのリアクター界面、
b.浄化器の界面、
c.前記リアクターの表面、
d.沈降ブランケットの表面、
e.浄化器の周辺、
f.流入液または再循環液が供給される、前記バイオリアクター内の供給ゾーン、または
g.流出液または再循環液が出力される、前記バイオリアクターまたは浄化器内の排出ゾーンに、またはその近くに、負圧または正圧を加えるように構成されている、請求項13記載の方法。
【請求項18】
前記内部ディセレクタが、
1つまたは複数のスロット付きマニホールド、
1つまたは複数の穴あきマニホールド、
1つまたは複数のプレート、
1つまたは複数のパイプ、または
1つまたは複数のバッフルを備え、
前記パイプが、前記リアクターまたは浄化器の周辺にまたはその近くに配置され、前記バッフルが、前記リアクターまたは前記浄化器の周辺で汚泥を方向づけて分離するように構成されている、請求項13記載の方法。
【請求項19】
バイオリアクターが、差動流入カスケードアプローチを使用して前記流入液を受け取る供給ゾーンを含む、請求項13記載の方法。
【請求項20】
前記リアクターが、
連続フローリアクター、
シーケンシングバッチリアクター、
修正されたシーケンシングバッチリアクター、
統合された固定膜活性汚泥リアクター、
統合された浄化器を備えたアップフローリアクター、
統合されたデカンタを備えたアップフローリアクター、または
膜バイオリアクターを含む、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、開示全体が引用により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Double Deselection in Wastewater Treatment」と題された、2021年3月12日に出願された、米国仮特許出願第63/160,497号に対する35 U.S.C. § 119(e)に基づく優先権を有する権利があり、これによって優先権を主張する。
【0002】
[技術分野]
本開示は、不良沈降粒子を選択して廃棄物流に送りながら、内部選択を使用して、良好沈降粒子を生物学的プロセスに戻すことによる、汚泥粒子の収集および管理のための沈降の遅い粒子の物理的選択(または選択解除)を伴う方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
たとえば、最先端の円形および長方形の浄化器において使用される多くのさまざまなタイプの汚泥収集器がある。これらには、物理的なホッパーおよびバッフルの他に、汚泥を内部ホッパーまたは外部汚泥ボックスに移動させるために真空、エアリフト、または機械的手段を使用する収集器の使用が含まれる。本発明者らは、汚泥収集器を含む処理システムおよびプロセスにおける汚泥粒子の選択、収集、および管理の改善を提供することができる技術的解決策に対する満たされていないニーズを発見した。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、廃水処理システムを提供し、当該廃水処理システムは、汚染水を含有する流入液と、(i)入口、(ii)バイオリアクター、(iii)内部ディセレクタ(internal deselector)、および(iv)出口を含むリアクターとを備える。一実施形態では、(i)入口は、流入液を受け取る、および汚染水をバイオリアクターに供給するように構成されており、(ii)バイオリアクターは、汚染水を固液混合物中に分散させ、固液混合物を処理して生物固体を形成するように構成されており、(iii)内部ディセレクタは、固液混合物から生物固体の第1の部分を保持するかまたは遅延させ、生物固体の第2の部分を含む選択解除された固液混合物を出力するように構成されており、(iv)出口は、選択解除された固液混合物を受け取り、リアクターから、生物固体の第2の部分を含む選択解除された固液混合物を出力するように構成されている。当該システムは、選択解除された固液混合物を受け取り、選択された固液混合物中の生物固体の第2の部分の一部を選択解除して、生物固体の第2の部分の選択解除された一部を出力するように構成された粒子ディセレクタと、生物固体の第2の部分の選択解除された部分をリアクターに供給するように構成された戻り配管と、を備え、粒子ディセレクタは、密度ベース(DB)のディセレクタおよび粒子サイズ圧縮性(PSC)のディセレクタの少なくとも1つを含む。
【0005】
実施形態では、ディセレクタは、圧力差、流速、流量、温度差、および電磁エネルギー曝露の少なくとも1つに基づいて、固液混合物から生物固体の第1の部分を選択解除するように構成されている。
【0006】
実施形態では、粒子ディセレクタは、固体粒子の密度、サイズ、せん断抵抗、または圧縮率の少なくとも1つに基づいて、生物固体の第2の部分の選択解除された部分を選択解除するように構成されている。
【0007】
実施形態では、当該システムは、固液混合物から所定の特性を有する固体粒子を分離するように構成されたデカンタ、浄化器、分離器、膜、およびフィルタの少なくとも1つを備える。
【0008】
実施形態では、生物固体は、さまざまな処理機能を有する成長の速いおよび遅い生物を選択するための平均固体滞留時間(avSRT)を有する粒子を含み、ここで、生物固体の第2の部分の選択解除された部分における粒子は、平均固体滞留時間(avSRT)よりも短い固体滞留時間(loSRT)を有し、生物固体の第2の部分の選択解除された部分における粒子は、平均固体滞留時間(avSRT)よりも長い固体滞留時間(hiSRT)を有している。
【0009】
実施形態では、生物固体の第2の部分の選択解除された部分は、80mL/g未満の汚泥容量指標または改善された膜流束もしくは減少された膜ファウリングを含む粒子を含む。
【0010】
実施形態では、ディセレクタは、a.バイオリアクターのリアクター界面、b.浄化器の界面、c.リアクターの表面、d.沈降ブランケットの表面、e.浄化器の周辺、f.流入液または再循環液(recycles)が供給される、バイオリアクター内の供給ゾーン、またはg.流出液または再循環液が出力される、バイオリアクターまたは浄化器内の排出ゾーンに、またはその近くに、負圧または正圧を加えるように構成されている。
【0011】
実施形態では、ディセレクタは、1つまたは複数のスロット付きマニホールド、1つまたは複数の穴あきマニホールド、1つまたは複数のプレート、1つまたは複数のパイプ、または1つまたは複数のバッフルを備え、ここで、パイプは、リアクターまたは浄化器の周辺にまたはその近くに配置され、バッフルは、リアクターまたは浄化器の周辺で汚泥を方向づけて分離するように構成されている。
【0012】
実施形態では、バイオリアクターは、差動流入カスケードアプローチを使用して流入液を受け取る供給ゾーンを含む。
【0013】
実施形態では、生物固体の第1の部分および生物固体の第2の部分の上記選択解除された部分は、それぞれ、セレクタおよびディセレクタからバイオリアクター内の少なくとも2つの異なる位置に再循環流として供給されるか、または生物固体の第1の部分および生物固体の第2の部分の選択解除された部分は、それぞれ、セレクタおよびディセレクタによって選択解除されて、微生物で生産された電子供与体、電子受容体、または炭素の1つまたは複数を増加させ、バイオリアクターの動作に対する電子供与体、電子受容体、または炭素の要件の少なくとも20%を提供する。
【0014】
実施形態では、リアクターは、連続フローリアクター、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器を備えたアップフローリアクター、統合されたデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含む。
【0015】
実施形態では、内部選択解除工程は、可視光線、紫外光線、もしくは赤外光線源;熱源;ガス源;または圧力源もしくは混合源を含む、リアクター内のエネルギーを使用して実施される。
【0016】
本開示は、廃水を処理するための方法を提供し、当該方法は、汚染水を含有する流入液をバイオリアクターおよび内部ディセレクタを含むリアクターに供給する工程と、バイオリアクターによって、固液混合物中の汚染水を処理して、生物固体を形成する工程と、内部ディセレクタによって、固液混合物からの生物固体の第1の部分を保持するかまたは遅延させる工程と、生物固体の第2の部分を含む選択解除された固液混合物を、リアクターから粒子ディセレクタに出力する工程と、粒子ディセレクタによって、選択された固液混合物中の生物固体の第2の部分の一部を選択解除して、生物固体の第2の部分の選択解除された部分を出力する工程と、生物固体の第2の部分および生物固体の第2の部分の一部の少なくとも1つをバイオリアクターに戻す工程と、を含む。内部ディセレクタは、圧力差、流速、流量、温度差、および電磁エネルギー曝露の少なくとも1つに基づいて、固液混合物から生物固体の第1の部分を選択解除するように構成することができ、粒子ディセレクタは、固体粒子の密度、サイズ、せん断抵抗、または圧縮率の少なくとも1つに基づいて、生物固体の第2の部分の選択解除された部分を選択解除するように構成されている。
【0017】
当該方法では、生物固体は、さまざまな処理機能を有する成長の速いおよび遅い生物を選択するための平均固体滞留時間(avSRT)を有する粒子を含むことができ、ここで、生物固体の第2の部分の選択解除された部分における粒子は、平均固体滞留時間(avSRT)よりも短い固体滞留時間(loSRT)を有し、生物固体の第2の部分の選択解除された部分における粒子は、平均固体滞留時間(avSRT)よりも長い固体滞留時間(hiSRT)を有している。
【0018】
当該方法では、生物固体の第2の部分の選択解除された部分は、80mL/g未満の汚泥容量指標または改善された膜流束もしくは減少された膜ファウリングを含む粒子を含むことができる。
【0019】
当該方法では、内部ディセレクタは、バイオリアクターのリアクター界面、浄化器の界面、リアクターの表面、沈降ブランケットの表面、浄化器の周辺、流入液または再循環液が供給される、バイオリアクター内の供給ゾーン、または流出液または再循環液が出力される、バイオリアクターまたは浄化器内の排出ゾーンに、またはその近くに、負圧または正圧を加えるように構成することができる。
【0020】
当該方法では、内部ディセレクタは、1つまたは複数のスロット付きマニホールド、1つまたは複数の穴あきマニホールド、1つまたは複数のプレート、1つまたは複数のパイプ、または1つまたは複数のバッフルを備えることができ、ここで、パイプは、リアクターまたは浄化器の周辺にまたはその近くに配置され、バッフルは、リアクターまたは浄化器の周辺で汚泥を方向づけて分離するように構成されている。
【0021】
当該方法では、バイオリアクターは、差動流入カスケードアプローチを使用して流入液を受け取る供給ゾーンを含むことができる。
【0022】
当該方法では、リアクターは、連続フローリアクター、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器を備えたアップフローリアクター、統合されたデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含むことができる。
【0023】
本開示の追加の特徴、利点、および実施形態は、詳細な説明および図面の考慮から明記され得るか、または明らかになり得る。また、本開示の以下の要約および以下の詳細な説明および図面が、請求される開示の範囲を限定することなく、さらなる説明を提供することを意図されている非限定的な例を提供することが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示のさらなる理解を提供するために含まれる添付図面は、本明細書に組み込まれてその一部を構成し、本開示の実施形態を例示し、詳細な説明とともに本開示の原理を説明するように機能する。本開示およびそれが実施され得るさまざまな方法の基本的な理解に必要とされ得る以上に、本開示の構造的詳細を詳細に示す試みは行われていない。
【0025】
図1】浄化器周辺での内部選択アプローチの実施形態を示す。
図2】オルガンパイプ浄化器での内部選択アプローチの実施形態を示す。
図3】ウォーターフォールバッフル(waterfall baffle)によって媒介される浄化器周辺での内部選択の実施形態を示す。
図4】ブランケットの上部での内部選択アプローチの実施形態を示す。
図5】内部選択アプローチに続く液体サイクロンベースの密度分離アプローチを含む外部選択アプローチの実施形態を示す。
図6】内部選択アプローチに続くスクリーンまたはフィルタの分離アプローチを含む外部選択アプローチの実施形態を示す。
図7】表面消耗を含むバイオリアクターにおける内部選択アプローチに続く、液体サイクロンベースの密度分離アプローチを含む外部選択の実施形態を示す。
図8】内部ラメラを含むバイオリアクターにおける内部選択アプローチに続く、浄化器および液体サイクロンベースの密度分離アプローチを含む外部選択の実施形態を示す。
図9】単一の返送活性汚泥(RAS)、または複数のRAS、および/または1つまたは複数の廃棄物活性汚泥(WAS)の流れおよびそれらの処分を管理するために含めることができるチャンバの実施形態を示す。
図10】二重選択解除プロセスおよびシステムの実施形態を示す。
図11】流入液のバイパスを使用するカスケード流による固体の遅延の実施形態を示す。
図12】重量測定セレクタ/ディセレクタと組み合わせた化学合成無機または光セレクタ/ディセレクタの例を示す。
図13】セレクタ/ディセレクタを備えた膜タンクの例を示す。
図14】セレクタ/ディセレクタを備えたシーケンシングバッチリアクターの例を示す。
図15】セレクタ/ディセレクタを備えたアップフローリアクターの例を示す。
図16】セレクタ/ディセレクタを備えた修正されたシーケンシングバッチリアクターの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示は、以下の詳細な説明でさらに説明される。
【0027】
本開示およびそのさまざまな特徴および利点のある詳細は、添付の図面に記載または例示され、以下の説明で詳述される、非限定的な実施形態および実施例を参照してより十分に説明される。図面に例示される特徴が必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、明示的に述べられていなくても、当業者が認識するように、一実施形態の特徴を他の実施形態とともに利用することができることが留意されるべきである。周知のコンポーネントおよび処理技術の説明は、本開示の実施形態を不必要に不明瞭にしないように省略される場合がある。実施例は、単に本開示を実施することができる方法の理解を容易にし、さらに当業者が本開示の実施形態を実施することができるようにすることが意図されている。したがって、実施例および実施形態は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。また、いくつかの図面全体を通して、同様の参照番号は同様の部分を表すことが留意される。「サイズ」および「密度選択」という用語は、交換可能に使用され、高密度化の単一の概念的な結果に組み込まれる。
【0028】
高密度化(密な凝集体の保持)を含む内部物理的選択に対する、およびプロセス内の選択された粒子(たとえば、重い粒子)の搬送と他の粒子(たとえば、軽い汚泥粒子)の選択解除を管理するための、いくつかの広範なアプローチがある。
【0029】
1つのアプローチは、サイズまたは密度に基づいて粒子を搬送することであり、ここで、選択解除のためのリアクターまたは浄化器に対する多くの内部アプローチある。たとえば、より不良な沈降(より小さなまたはより低密度の)粒子を、1つまたは複数の再循環流内で良好な沈降(より大きなまたはより高密度の)粒子の下流に供給することができ、その後、より不良な沈降粒子が、たとえば、浄化器において優先的な選択解除にさらされる。良好な沈降粒子の下流により不良な沈降粒子を搬送または選択解除するアプローチは、1つまたは複数の再循環流を使用して達成することができ、ここで、より良好な沈降粒子または高密度化粒子を、より不良な沈降粒子の上流に追加または搬送することができるか、または逆に、より不良な沈降粒子を、良好な沈降粒子の下流で選択解除することができる。再循環または選択解除におけるそのような差分に加えて、それらの使用は、本開示の態様である。
【0030】
他のサイズまたは密度のアプローチには、より軽い画分を収集するための差次的な汚泥収集器の使用、したがって、特にそれらを選択解除にさらすことを含めることができる。多くのさまざまなタイプの汚泥収集器を、たとえば、最先端の円形および長方形の浄化器において使用することができる。これらには、物理的なホッパーおよびバッフルの使用の他に、汚泥を内部ホッパーまたは外部汚泥ボックスに移動させる真空、エアリフト、または機械的手段を使用する収集器の使用を含めることができる。これらをすべて、本開示の態様として差分選択に使用することができる。
【0031】
別のサイズまたは密度のアプローチは、リアクター、浄化器、または沈降ゾーンから、より軽い(より小さなまたはより低密度の)粒子を表面収集し、それらを選択解除にさらすことであり得る。このアプローチでは、リアクター、浄化器、またはリアクターと浄化器との間の移行部において、より軽い層状画分をより重い画分に相対して選択解除することができる。浄化器またはシーケンシングバッチリアクターにおける表面消耗のためのそのような層別化は、サイズまたは密度のディセレクタを含む実施形態を含む、本開示の態様である。より軽い画分の除去および選択解除の行動は、「表面消耗」と呼ぶことができる。
【0032】
内部アプローチの実施形態は、基質または微生物の拡散勾配差を使用して選択または選択解除を促進するために流入液または再循環流をカスケードにする(cascade)ことであり得る。混合液の流れを遅延させるという概念は、廃水または雨天時の流れのバイパスまたは一連のカスケードバイパスを追加して、汚泥がリアクター列を下降するときに汚泥を希釈して除去し、対象の差分拡散または差分での豊富対欠乏(feast vs famine)条件に基づいた選択または選択解除に対処することによって、または提供されるさまざまな供与体または受容体によって達成することができる。したがって、下流の生物は、初期のカスケードに先立ってバイパス(バイパスという用語は、タンクをバイパスするおよびリアクターの前面に入る廃水のバッチの前にある廃水の流れを示す)においてそれら自体を選択解除する。拡散の物理的な力に基づいて選択または選択解除の差分を作成するこのアプローチは、本開示の態様である。
【0033】
本発明者らは、ポンプ、ミキサー、汚泥収集器、および再循環液を含む処理システムおよびプロセスにおける汚泥粒子の選択、収集、および管理の改善を提供することができる技術的解決策に対する満たされていないニーズを発見した。
【0034】
さまざまな実施形態では、既に内部で選択解除されている粒子の組み合わせたまたは一連の外部選択/選択解除は、全体的な効率を実質的に改善し、1)沈降特性を改善する、2)増粘特性を改善する、3)膜ファウリングを減少させ、流束を増加させる、4)成長の速いおよび遅い生物を成長させるために固体滞留時間の分離(SRT uncoupling)を改善する、5)微生物を含有する汚泥粒子を電子供与体および受容体の差別的優先度に特異的にさらすことによって選択反応を改善する、および6)微生物による内部の(限定されないが、内部または外部の炭素貯蔵産生、または無機化学供与体の産生を含む)電子供与体または(酸素、硝酸塩、亜硝酸塩、または他のより高い酸化状態の化学物質を産生するための光または化学反応によるものなどの)受容体の産生のために選択することによって電子供与体または受容体の産生を改善する、ための好循環を作り出すことができる。
【0035】
さまざまな実施形態では、選択または選択解除のアプローチは、1)所望の生物の成長を改善し、2)これらの生物の全体的な活性画分を改善し、3)これらの生物による資源割り当てを改善し、4)これらの生物による資源生産を改善することであり、すべてがシステム内にある。したがって、これによって、処理の強化、炭素とエネルギー管理のための資源効率、および処理効率の向上がもたらされる。したがって、人類学的アナロジーに関連して、人は、活性汚泥プロセスの現在の狩猟採集民の経験から、活性汚泥環境全体に含まれる微生物集団の選択的かつ精密な農業へと移行する。
【0036】
本開示の原理によるアプローチ、システム、またはプロセスは、たとえば、円形、長方形、球形、または半球形を含む、任意の形状、サイズ、または構成を有するリアクターまたは浄化器を含むことができるか、またはそれらに適用することができる。
【0037】
当該方法および装置は、処理を改善するために生物固体の選択または選択解除が望まれる水または廃水処理システムにおける生物固体の任意の処理に適用することができる。
【0038】
本開示の原理によるアプローチ、システム、またはプロセスは、たとえば、統合された浄化工程が伴うシーケンシングバッチリアクターおよび/またはデカンタを含むことができるか、またはそれらに適用することができる。
【0039】
本開示の原理によるアプローチ、システム、またはプロセスは、たとえば、膜バイオリアクターを含むことができるか、またはそれに適用することができる。
【0040】
本開示の原理によるアプローチ、システム、またはプロセスは、たとえば、密度、サイズ、せん断、圧縮、拡散、または光または熱エネルギーへの曝露に基づいて選択解除することができる内部または外部のディセレクタを含むことができるか、またはそれらに適用することができる。
【0041】
1つの非限定的な態様によれば、本開示は、一連の選択解除アプローチを開発する方法で、沈降の遅い粒子の物理的な選択解除を伴う方法および装置に関する。アナロジーによる複数の選択解除の概念は、結果として、1つの概念の逆転が他の概念につながり得るため、複数の選択をもたらすことができる。水または廃水の流れは、たとえば、密度ベースまたはサイズベースの粒子選択を含む外部選択プロセスを含むことができる、第2のまたは複数の選択解除工程またはプロセスにさらすことができる。例示的な実施形態では、不良な沈降特性を有する粒子を選択して、廃棄物流に出力することができる一方で、良好な沈降特性を有する粒子を分離して、収集することができる。不良な沈降粒子、フィラメント、または綿状物を廃棄するための内部選択と外部選択とを組み合わせることによるこの一連の選択解除または選択除外(out-selection)は、本開示によって提供される技術的解決策の顕著な態様である。同様のアプローチには、別の物理的アプローチに基づく選択が含まれ得る。任意の物理的アプローチを組み合わせて、一致させることができる(内部拡散選択および外部密度選択など)。
【0042】
本開示の原理によるアプローチ、システム、またはプロセスは、たとえば、内部ラメラを備えるバイオリアクターと、それに続く浄化器および、たとえば、液体サイクロンなどの、外部ディセレクタを含むことができるか、またはそれらに適用することができる。ラメラは、内部ラメラまたは外部ラメラとすることができる。
【0043】
本開示はまた、たとえば、円形、長方形、球形、半球形、または構築されて有することができる任意の他の形状を有する浄化器内の汚泥粒子の収集および管理のための段階的アプローチを伴う方法および装置に関する。当該方法および装置は、不良沈降粒子を選択して廃棄物流に送りながら、良好沈降粒子を選択して生物学的プロセスに戻すように構成することができる。
【0044】
一連のアプローチによって、不良沈降粒子および良好沈降粒子の固体滞留時間(SRT)の分離を可能にしながら、選択解除の効率が向上する。このSRT分離によって、成長の速い生物が、典型的に顆粒状である良好沈降粒子内で成長することが可能になる。より不良な沈降粒子は、成長がより速い生物をサポートすることができる。より大きな粒子またはより高密度の粒子は、酸素拡散に対する抵抗力を提供し、無酸素または嫌気的状態をサポートすることができ、ここで、生物はより速く成長する。より小さな粒子または綿状物は、成長がより速い好気性または無酸素性の従属栄養生物の成長をサポートすることができる。多重選択解除は、たとえば、5日未満のSRTなどで二重選択を受けた生物に対する最も低い固体滞留時間および5日間を超えるSRTで単一選択のみを受けた生物に対する中程度の固体滞留時間を含む、粒子画分の複数の異なる固体滞留時間(たとえば、2つ、3つ、またはそれ以上のSRT)をサポートすることができる。分離は、平均SRTよりも大きいまたは小さいSRTとして考案または制御することができるか、または平均SRTからの分散または標準偏差として計算することができる。このようにして、すべての生物は、好ましくは、それらの適切な活性段階で成長させられ、収穫される。
【0045】
本開示の一態様によれば、複数(たとえば、2つ、3つ、またはそれ以上)の異なる固体滞留時間(SRT)を含む方法および装置が提供される。複数のSRTは、たとえば、最も低いSRT(たとえば、1~5日)を有する一連の選択解除での画分、中間のSRT(たとえば、5~15日)を有する単一の選択解除での画分、および最も長いSRT(たとえば、20~100日)を有する最も効率的に保持された画分を用いて、選択解除の2つまたはそれ以上の方法論をシーケンシングする(または順次提供する)ことによって提供することができ、各画分は異なる粒子サイズを有している。
【0046】
実施形態では、アプローチは、さまざまな成長速度または好ましい酸化還元特性を有するさまざまな生物を保持するために、たとえば、それぞれ、1、4、および20日間のSRTなどの3つの汚泥画分を有することができる。最も低いSRTのアプローチが、汚泥プロセスにおけるエネルギー生産に対するバイオマスの観察された収量に焦点を当てることができる一方で、最も高いSRTのアプローチは、たとえば硝化などの独立栄養機能に焦点を当てることができる。中間のSRTは、たとえば無酸素条件下での増強された生物学的リン除去などの無酸素機能に焦点を当てることができる。これらは単なる例であり、他のアプローチも本開示によって企図される。態様によれば、技術的解決策には、SRTの生成および調整の他に、提供することができる別個のSRTの数も含めることができる。
【0047】
二重選択解除(ここで、本開示における二重は複数を指すこともできる)は、微生物による電子供与体または受容体の使用または産生を改善することによって資源割り当てまたは資源生産を改善することができる。このようにして、適切な基質(供与体または受容体)が、資源割り当てのために適切な生物に優先的に供給されるか、代替的に、適切な生物が好ましい生産条件にさらされたときに適切な基質が適切な生物によって産生される。2つの概念的な例が提供されており、より広い枠組みの中で多くの追加の例が可能である。
【0048】
例では、優先基質または供与体または受容体の拡散階層は、適切な生物に優先基質を提供することによって理解することができる。たとえば、二重選択/選択解除を使用して、硝化菌が酸素に優先的にさらされるか、または同様の手段を介して、従属栄養生物が、電子受容体としての硝酸塩またはそうでなければ嫌気条件に優先的にさらされる。同様に、従属栄養生物は、有機炭素に優先的にさらされ得、硝化菌は、それらの基質炭素または供与体源として無機炭素またはアンモニアに優先的にさらされ得る。したがって、従属栄養生物または独立栄養生物は、必要とするそのような複数の選択アプローチを使用して電子供与体または受容体に優先的にさらされ得る。このような供与体および受容体の資源管理/割り当ておよび適切な生物を用いるそれらの適切な使用を改善することによって、エネルギー管理の大幅な強化および改善が達成される。処理の改善も達成される。たとえば、そのような資源割り当ての改善によって、エネルギー使用量の20~50%の削減または同様の削減が達成される。処理効率も大幅に向上し、目的成分の90%を超える除去が達成される。
【0049】
戻り流れを適切に再配置することによる二重選択または選択解除によって、内部の電子供与体または受容体の可変産生も可能になる。たとえば、液体サイクロンのアンダーフロー内のより大きな粒子は、酸化還元状態を促進し得、および/または嫌気条件下での豊富な条件下での貯蔵を容易にするために再配置することができる基質(ポリヒドロキシアルカノエートまたはグリコーゲンなど)を貯蔵する成長の速い生物の成長を促進し得、一方で、独立栄養生物は、有機基質が存在しないか、または必要とされない欠乏条件下で成長させられ得、亜硝酸塩や硝酸塩などの電子受容体を産生する。したがって、液体サイクロンまたはスクリーンなどの外部サイズまたは密度のセレクタ/ディセレクタと組み合わされたときの、最適化された基質(供与体または受容体)産生のための流れの選択または選択解除が、本発明において考案される。別のアプローチは、スクリーンや液体サイクロンなどの外部セレクタ(またはそうでなければ任意のサイズまたは密度の分離器)と組み合わされた光源を使用して供与体または受容体を産生することである。したがって、光源は、光を好む生物または光を嫌う生物を選択または選択解除し、したがって、これらの生物を使用して、紫色細菌などの電子供与体(有機炭素)またはシアノバクテリアなどの電子受容体(酸素など)を産生し得る。前述の供与体または受容体の産生を実施するためのより広範なカテゴリーの光栄養生物が、より包括的に使用され、プロセスの任意の場所または時系列または任意のリアクター形式でそのような供与体または受容体を産生することができる任意の生物を含むように使用される。同じことが化学栄養生物または熱源を使用するアプローチにも当てはまり得る。これらのアプローチはすべて、物理的な選択または選択解除への影響を助けるために電気エネルギーを必要とする。したがって、微生物によって産生された電子供与体または電子受容体を産生するための生物の内部選択/選択解除および外部選択/選択解除の組み合わせもまた、微生物によって誘導された供与体または受容体を産生するためにセレクタを使用するというはるかにより広い概念において本発明の主題である。(貯蔵および選択/選択解除からの)内部で産生された炭素は、電子供与体のニーズの10~100パーセントを満たし得、(そのような選択/選択解除からの)内部で産生された電子受容体も、電子受容体のニーズの10~100パーセントを満たし得る。我々は、そのような手段を介して供与体、受容体、または炭素の産生の20%の最低値を提案する。適切な生物によりこのような供与体および受容体の産生を改善することによって、エネルギー管理の大幅な強化および改善が達成される。処理の改善も達成される。
【0050】
円形および長方形の浄化器に対する使用における多数のさまざまなタイプの最先端の汚泥収集器がある。これらには、たとえば、物理的なホッパーおよびバッフルの他に、汚泥を内部ホッパーまたは外部汚泥ボックスに移動させるために真空、エアリフト、または機械的手段を使用する収集器が含まれる。複数(たとえば2つ)のホッパーを導入する、またはそうでなければ単一のホッパーを使用して返送活性汚泥(RAS)を収集し、たとえば円形または長方形の浄化器内の流入液供給源の末端で、典型的に流出堰の周辺近くに通常見られる最も遅い沈降粒子を収集する、たとえば底部収集機構(たとえば、リフトまたはバキューム)を含む機会が存在する。
【0051】
本開示は、組み合わされたRASまたは混合された液体流の代わりに、たとえば、バイオリアクターまたは浄化器から個別にかつ直接収集することができる、(たとえば、RAS流と比較した)より小さい廃棄物流の収集を含むことができる方法および装置を提供する。この廃棄物の個別かつ直接の収集によって、たとえば、オルガンパイプで周辺に位置づけられた1つまたは複数の吸入管を含むか、周辺近くに(たとえば、流入液の最端部に)適用された別個の穴あきパイプまたはプレートを含むか、または代替的に、流入液供給セクション近くで汚泥を、および周辺で廃汚泥を生物リアクターに戻すことができる移動式真空汚泥収集器を含む、さまざまな種類の装置を使用して最も軽い粒子を収集するための段階的アプローチが可能になる。ウォーターフォールバッフルも使用することができ、ここで、必要に応じて、バッフルのホッパー側の汚泥がバイオリアクターに戻され、バッフルの外側の汚泥が廃棄のために収集される。
【0052】
別のアプローチは、バイオリアクターに関連付けられた内部または外部のラメラを含むことである。実施形態では、収集された汚泥は、バイオリアクター内部の混合された液体再循環において上流に進むことができ、一方で、より不良な沈降粒子は、少なくとも部分的に廃棄および選択解除を受けて、浄化器内で除去することができる。最後のアプローチには、バイオリアクター内のより軽い表面廃棄物を廃棄および選択解除に送ることを含めることができ、一方で、浄化器のアンダーフローを再循環流として戻すことができる。したがって、不良沈降粒子の内部選択を廃棄のために実行することができる(「選択解除」または「内部選択解除」と呼ばれる)。「out」という用語は、廃棄物に対して選択アプローチが行われることを示唆することができる。
【0053】
本開示の実施形態では、第2の(または後続する)選択解除プロセスを技術的解決策に含めることができる。後続する選択解除プロセスには、たとえば、外部ラメラ、液体サイクロン、分級機、遠心分離機、アップフロー分離器、もしくは他の密度ベースの粒子ディセレクタ、または他にサイズディセレクタ用のスクリーンまたはフィルタを含めることができる。後続する選択解除プロセスは、たとえば、密度またはサイズベースの粒子選択を含む上に論じたアプローチと並んで構成することができる。せん断力または圧縮力を使用して、選択除外された粒子を物理的に得るのを助けることができ、ここで、せん断および圧縮された粒子は選択除外されるが、そのようなせん断または圧縮に耐えた粒子は保持される。したがって、複数選択解除(たとえば二重選択)は、技術的解決策の態様である。
【0054】
実施形態では、方法および装置は、たとえば、1つまたは複数の液体サイクロンもしくは1つまたは複数のスクリーン、光源もしくは熱源(UV、可視、または赤外線を含む光の任意の波長に対するLEDまたは水銀電球を含む)、またはせん断ミキサーなどの、物理的選択のための外部ディセレクタを含むことができる。
【0055】
実施形態では、方法および装置は、たとえば、望ましくないフィラメントおよびフォームを引き起こす生物の除去のための表面消耗などの、物理的選択解除のための内部ディセレクタを含むことができる。
【0056】
実施形態では、廃水処理システムは、水または廃水処理のために生物固体を処理し、ここで、内部および外部の物理的選択解除の少なくとも1つは、最低限の2つまたはそれ以上の内部-外部選択解除工程が提供されて、物理的選択解除の差動を達成するために圧力、流量、熱または光を使用して実施される。内部および外部の物理的選択解除工程は、密度、サイズ、せん断抵抗、圧縮率、拡散特性、光感度、または温度のいずれかの変化に基づいて生物固体を選択解除することができる、およびそのような処置に好適である生物固体の選択的保持を改善するための、内部ディセレクタおよびディセレクタを順次含めることができ、これは、(a)流入液で汚染された水源を受け入れる水または廃水処理用のリアクターと、(b)デカンタ、統合されたまたは外部の浄化器、膜分離器、またはフィルタと、(c)リアクター、デカンタ、または浄化器、分離器、またはフィルタ内の生物固体粒子を選択解除する第1の内部セレクタ(またはディセレクタ)と、その後の(d)さらに粒子を順次除去および選択解除する外部ディセレクタと、を備える。
【0057】
実施形態では、方法および装置は、これら2つのアプローチを、内部および外部の選択の組み合わせを含む一連の選択解除のアプローチに統合することができる。この一連のアプローチによって、高密度化、造粒の改善、および汚泥体積指数および沈降速度に対する向上のための全体的な選択解除効率の向上が可能になる。これはまた、粒子のサイズまたは密度の範囲により、栄養素除去などの機能を促進または改善するこれらの粒子または顆粒の内部での成長の遅い生物に対する内部コアの酸化還元条件を促進することを可能にする。このアプローチによって、一連のSRTの分離が可能になり、収量の最大化から処理機能の最大化までの複数の機能を可能にする。実施形態では、方法および装置は、綿状物または顆粒の形成によって促進され、レドックスおよびSRT配合物によって較正され、および内部および外部の選択の組み合わせによって実施される、そのような生態学的に影響を受けた機能を含むことができる。
【0058】
実施形態では、円形または長方形の浄化器内で、内部選択アプローチ(または方法論)を提供することができる。内部選択アプローチは、外側に流れる沈降のより遅い粒子を除去するために、たとえば流出堰の近くなどの、浄化器の周辺にまたはその近くに適用することができる、別個のリフト、真空、または外側ホッパーを含むように構成することができる。内部選択アプローチはさらに、沈降のより速い粒子を分離するように構成することができ、その後、これらを返送活性汚泥として、たとえばバイオリアクターに戻すことができる。別のアプローチは、ブランケットの上部で廃棄し、より圧縮された汚泥をブランケットの底部で返送活性汚泥に戻すことであり得る。
【0059】
本開示の実施形態は、明確化ベースの差分内部選択および組み合わせた内部+外部の複数選択のアプローチを含むことができる。沈降不良の綿状物、フィラメント、または粒子の選択および除去(選択解除または選択除外とも呼ばれる)は、廃水処理のための革新的なアプローチとなり得る。これは、液体の沈降特性および増粘特性を改善することによって、生物学的プロセスにおける混合液体の総インベントリ(inventory)を増加させることにより強化を実現することができる。これはまた、固体滞留時間(SRT)の分離を介して混合液のアクティブインベントリを増加させることによって強化を実現して、成長の速い生物および成長の遅い生物に対する複数の滞留時間を可能する。生物に対してそれらの成長速度に基づいて最適なSRTを維持することによって、全体的なアクティブマスインベントリを増加させることができる。そのため、内部ディセレクタを含む少なくとも第1の選択解除段階を伴う複数(たとえば、二重または三重)の選択解除は、生物を単一プロセス内でのそれらの最も最適化された活性画分で培養することを容易にすると同時に、プロセス自体内のインベントリの増加を可能にする高密度化または粒子サイズの改善に関連付けられた他の機能的特性を活用することができる。
【0060】
実施形態では、複数選択解除アプローチは、より大きなサイズまたはより高密度の粒子が、良好に沈降し、全体の沈降速度を増加させることができる、興味深く重要な適合から開始することを含むことができる。このアプローチは、第1のアプローチとしてシステムでサポートされるインベントリの量を増加させることができる。同時に、より大きなまたはより高密度の粒子は、第2のアプローチとして、たとえば、脱窒またはリン除去などの処理機能のための集団をサポートするために、酸素または他の電子受容体に対する物質移動(拡散)抵抗によってもたらされた複数の酸化還元条件を促進するという利点を提供することができる。より低い酸化還元条件の一部は、保持され得る、および選択解除されない、成長の速い生物をサポートすることができる。一連の選択解除からの複数の固体滞留時間をサポートする能力により、選択解除されないことで、そのような成長の速い低酸化還元生物の他に、より高い酸化還元条件で動作し得る成長の速い独立栄養生物に対する自己凝集する担体になることができる、より大きな粒子の保持を容易にすることができる。中間範囲の粒子は、単回の選択解除のみを受ける脱窒リン蓄積生物などの他の生物をサポートすることができ、より小さな粒子は、二重選択解除により急速に成長し、嫌気性消化装置内で高い収量およびその結果としての高エネルギー生産をもたらす従属栄養生物をサポートすることができる。このような生物はすべて、選択解除の効率を調整することによって、選択解除プロセスの定期的なプロセス制御を介して、それらの最も高い活性画分で維持することができる。
【0061】
実施形態では、たとえば、浄化器を動作させる際のプロセス装置を含む、内部選択解除のためのさまざまなアプローチを提供することができる。たとえば、内部選択解除アプローチは、沈降の最も遅い粒子を除去するために、ブランケット上部での真空、エアリフト、またはポンプの操作を含むことができる。
【0062】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、沈降のより遅い粒子を周辺パイプ入口から廃棄物ラインに送るように構成されたオルガンパイプ配置を含むことができ、一方で、他のパイプは、再循環流として戻される汚泥を含有するように構成されている。
【0063】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、流出堰の近くのみで周辺汚泥を廃棄するための真空またはリフトの構成を含むことができる。
【0064】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、選択解除のために周辺に沈降の遅い生物を保持するように構成されている1つまたは複数のウォーターフォールバッフルを含むことができる。ウォーターフォールバッフルは、たとえば、入口と出口との間の距離の約25%から約75%の間に配置することができる。
【0065】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、システムが周辺に到達した場合にのみ汚泥を廃棄するようにマニホールドを付すことができる、移動真空システムを含むことができる。
【0066】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、沈降の遅い汚泥を収集するために、周辺に穴あきマニホールドおよび1つまたは複数のプレートまたはパイプを備えるシステムを含むことができる。
【0067】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、沈降のより遅い生物を管理および収集するために含まれる、周辺ホッパーを備えた二重ホッパーを備えるシステムを含むことができる。ここで、周辺は、たとえば、浄化器の入口または供給部(たとえば、複数の供給点の場合は第1の供給点)と浄化器出口(たとえば、流出堰またはデカンタ)との間の(たとえば、円形に対して半径方向におよび長方形の浄化器に対する長さに沿って測定された)約50%以上の距離、好ましくは約2/3よりも長い距離、より好ましくは75%よりも長い距離での、流入液からの汚泥の回収に対して言及され得る。
【0068】
実施形態では、内部選択解除アプローチは、バイオリアクターおよびラメラまたは表面消耗を含むことができる。
【0069】
実施形態では、外部ディセレクタは、物理学を使用して選択解除を与える密度、サイズ、せん断、圧縮、または粘度の管理装置を含むことができる。外部ディセレクタは、たとえば、約1.01から約1.04の間の、または1.10もの高い一見小さい比重差が原因でより軽い画分を選択解除することができる密度勾配に基づいて、外部選択解除をサポートすることができる、液体サイクロン、遠心分離機、分級機、外部ラメラ、または別の装置を含むことができる。
【0070】
実施形態では、外部ディセレクタは、サイズまたは圧縮率に基づいて粒子を選択または分離することができ、たとえばより小さい粒子が廃棄される選択解除に使用することができる、スクリーン、フィルタ、または別の装置を含むことができる。
【0071】
実施形態では、せん断に対する耐性が低い粒子を破壊し、それらを選択解除するために選択解除アプローチにせん断を含めることができる。
【0072】
実施形態では、剛性の低い粒子がスクリーンまたはフィルタにおいて細孔を通過するなど、選択解除のためにそれらを除去するための選択解除アプローチに圧縮を含めることができる。
【0073】
実施形態では、選択解除アプローチは、粘性がより高く、より遅く流れる粒子を除去するために、相分離器を使用する粘度勾配を含むことができる。
【0074】
さまざまな実施形態では、内部/外部の選択解除アプローチは内部/外部の選択アプローチを含むことができ、内部/外部の選択解除は内部/外部の選択を含むことができる。
【0075】
さまざまな実施形態では、内部/外部の選択アプローチは内部/外部の選択解除アプローチを含むことができ、内部/外部の選択は内部/外部の選択解除を含むことができる。内部の選択解除または選択の場合、当該アプローチは、ポンプに接続された入口パイプ、出口パイプの物理的な使用、またはエネルギー源またはその供与または受容されている電子の使用から行うことができる。
【0076】
特定の実施形態では、選択解除アプローチは、内部の選択または選択解除と組み合わせた外部の選択または選択解除を含むことができる。これらのアプローチは直列配置で構成することができ、ここで、たとえば、1つの選択解除アプローチの出力が、もう一方の選択解除アプローチの入力に供給され、それによって、多重選択解除、または本例での二重選択解除が提供される。追加の選択解除段階を順次追加して、三重の選択解除、または三重を超える選択解除を提供することができる。
【0077】
本開示は、単回の選択解除に対するより軽量でより小さな粒子に相対したより高密度またはより大きなサイズの画分に対して、およそ2倍から5倍、またはそれ以上の範囲の係数によってSRT分離を増加させることができる複数選択解除アプローチを提供する。二重選択解除の場合、SRT分離は、単回選択解除範囲の約2倍、およびより軽くて小さな粒子に相対したより高密度またはより大きなサイズの画分に対して約4倍から約10倍である。高密度または大きな粒子に対するテンプレート粒子の形態は顆粒であり、軽量で小さな粒子に対するテンプレート粒子の形態は綿状物である。二重選択解除によって、スペクトルの一端で成長の遅い生物をより良好に保持し、スペクトルの連続体の他端で成長の速い生物を洗い流すことができる。好ましい実施形態では、多重選択解除アプローチは、「アクティブインベントリ」と呼ばれる、最も効果的な処理に対するそれらの最も適切な質量分率で複数の(たとえば、2つまたはそれ以上のSRT分離した)生物群をホストすることができる。
【0078】
本開示は、特定の実施形態において、たとえば、リアクターまたは浄化器内で実施される内部選択解除アプローチ、およびサイズまたは密度のセレクタを使用して実施される外部選択解除アプローチを含むことができるSRT分離アプローチを提供する。
【0079】
特定の実施形態では、外部選択解除アプローチは、100mL/g未満の汚泥体積指数(SVI)(SVI<100mL/g)を提供することができ、内部選択解除アプローチも含む複数選択解除アプローチは、80mL/g未満のSVI(SVI<80mL/g)を提供することができる。
【0080】
複数選択アプローチは、たとえば、バイオリアクターと浄化器、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器またはデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含む、任意のタイプの活性汚泥リアクターに適用することができるか、またはそれらとともに含めることができる。必要に応じて、任意のリアクター構成で、バイオフィルムなどの、固定された、移動媒体または可動媒体を使用することができる。修正されたシーケンシングバッチリアクターは、少なくとも2つのシーケンシングされた浄化器を備えた、段階供給構成での、直列の単一または複数のリアクタータンクを含むことができる。アップフローリアクターは、リアクターの底部に配置された供給配管を含むことができ、リアクターの上部には統合された浄化器またはデカンタを備える。図面において、リアクターまたは浄化器のための入口または出口が明示的に示されていない場合、これは、そのような入口または出口を有すると仮定される必要がある。この図面の目的は、選択を実施するための主要な実施形態を示すことである。
【0081】
図1は、本開示の原理による、内部選択ベクトル103を有する物理ディセレクタを含む内部選択解除アプローチを用いた、浄化器100の実施形態を示す。浄化器100は、入口パイプまたはチャネル101を含み、これらは、108を使用してリアクターから、可溶性有機および無機汚染物質および粒子状物質を含有する固液混合物を受け取り、物質を102からリアクターに送り返すように構成され得る。ベクトル103は、たとえば、浄化器100の周辺のより軽い物質を除去し、その後、廃棄されるように出力することができる、真空またはポンプを含む抽出システム(図示せず)を含むことができる。
【0082】
以下で論じられる内部選択アプローチのさまざまな実施形態はいずれも、リアクター(たとえば、図7に示されるリアクター750)の内部もしくはリアクターの外部に、または浄化器100の内部もしくは浄化器100の外部に含まれる物理ディセレクタ109を含むことができる。物理ディセレクタ109は、1つまたは複数のパイプ、1つまたは複数のプレート、バッフル、マニホールド、スロット付きマニホールド、穴あきマニホールド、ポンプ、真空、熱源、ガス源、圧力源、混合源、冷却装置、電磁エネルギー源(たとえば、赤外線、可視光線、および紫外線の波長を含む)、モータ、ドライブ、フィルタ、膜、浄化器、遠心分離機、サイクロン、液体サイクロン、タンク、リアクター、またはそれらの任意の組み合わせを備えることができる。セレクタは、以下で論じられるベクトル103、201~204、304、403、503、および603を含む、本明細書に開示されるさまざまなベクトルを実施することを含む、本開示によって開示または企図される内部アプローチのさまざまな実施形態のいずれかを実施するように構成することができる。物理セレクタ109は、たとえば、(図12に示される)エネルギー源1204を含むことができる。
【0083】
セレクタは、たとえば、リアクター界面または浄化器界面でまたはそれらの近くで負圧または正圧を使用することによって、内部選択(または選択解除)アプローチを実施するように構成することができる。内部選択アプローチは、たとえば、リアクターの表面または沈降ブランケットの表面で、浄化器の周辺で、周辺近くに配置されているスロット付きまたは穴あきマニホールド、プレート、またはパイプを使用して、周辺で汚泥を方向づけて分離するバッフルを使用して、流入液または再循環液の追加のための供給ゾーンで、または廃水または再循環液の排出ゾーンで実施することができる。
【0084】
さまざまな実施形態では、セレクタは、液体-固体混合物から、生物固体を含む粒子を選択解除/選択するためのエネルギーを提供するリアクター(たとえば、図7に示されるリアクター750)に提供されるエネルギー源を含むことができる。エネルギー源は、たとえば、電磁エネルギー源(可視光、紫外線、または赤外線)、熱源、ガス源(たとえば、酸素、空気、窒素など)、圧力源(たとえば、ポンプまたは真空)、および混合源(たとえば、ミキサー、モータなど)を含むことができる。
【0085】
さまざまな実施形態では、セレクタは、固体ブランケットの表面で、または周辺での浄化器の流入液から離れて発生する、より軽いまたは密度の低い粒子を分離するように構成することができる。セレクタは、たとえば、汚泥に直接適用される真空、リフト、またはポンプの機構を使用した、負圧または正圧を含むことができるか、または2つまたはそれ以上の汚泥回収物(withdrawals)または2つまたはそれ以上の汚泥回収物の少なくとも1つを収集するのを助けるレーキアームを配向または分離するために、たとえば、穴あきもしくはスロット付きパイプ、プレートもしくはマニホールド、またはバッフルなどのコレクタを含むことができる。
【0086】
内部選択解除アプローチは、入口配管またはチャネル101から離れて、およびより不良な沈降汚泥が移動して沈殿する傾向がある流出堰またはデカンタ(図示せず)のより近くで、浄化器100の周辺に適用することができる。内部選択解除アプローチは、たとえば、図1に示される内部選択ベクトル103を有することができる。返送活性汚泥(RAS)102は、浄化器100のアンダーフロー出口またはホッパーから収集することができる。RAS102は、収集されて、返送活性汚泥(RAS)ボックス(図示せず)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。パイプまたはチャネル108は、流源105から流れを受け取ることができる。さまざまな実施形態では、流源105は、流入廃水または一次流出液の流れを受け入れるように構成され得るリアクターを含むことができる。
【0087】
実施形態では、流源105は、以下の随意の組み合わせを含む:たとえば、缶、ぼろ切れ、棒、プラスチックのパケット(packets)などの、より大きな物体を廃水から除去するように構成されたバースクリーン(図示せず)を含む、下水システム(図示せず)から廃水を受け取り、廃水を1つまたは複数の前処理段階で処理するように構成されている前処理システム(図示せず);入ってくる廃水の速度を調整し、それによって、たとえば、砂、砂粒、石、割れたガラスなどの沈降を可能にするように構成された、たとえば、砂または砂粒用のチャンバまたはチャネルを含む前処理チャンバ(図示せず);たとえば、脂肪、グリースなどの除去のためのタンク;または重力沈降のための、たとえば、浄化槽または沈殿槽などの、一次分離器。一次分離器は、固体の除去を改善するために添加される化学物質またはバラスト物質を含むことができる。分離器の下流には、活性汚泥プロセスとしばしば呼ばれるプロセスまたはリアクターがある。浄化器はこのプロセスで構成される。可溶性有機および無機汚染物質および粒状物質を含有する結果として得られた固液混合物は、(流源105において)リアクターから出力され、直接的または間接的に、出口108を介して、浄化器100への流入液として入口パイプまたはチャネル101に供給することができる。より軽いまたはより不良な沈降物質は、典型的に、ブランケットの上部または周辺にあり、ベクトル103によって除去される。
【0088】
図面に描写される実施形態では円形を有するように例示されているが、浄化器100は、たとえば、長方形、円錐形、円筒形、楕円形、球形、または円形、または半球形を含む任意の形状を有することができる。
【0089】
図2は、内部セレクタを含む内部選択アプローチの実施形態を示しており、ここで、浄化器100はオルガンパイプ浄化器を含む。本実施形態では、浄化器100は、複数のパイプを備えるセレクタ109を含むことができ、複数のパイプの各々は、たとえば、選択ベクトル201、202、203、および204に従って、浄化器100の底部付近から汚泥を持ち上げ、浄化器100内の持ち上げられた汚泥を底部から離れて方向付けるように構成することができる。複数のパイプは、たとえば、図2に描写される内部選択ベクトル201、202、203、204などの、複数の内部選択ベクトルを容易にするように構成することができる。パイプは、汚泥を返送活性汚泥(RAS)ボックス(図示せず)に供給するように構成することができる。
【0090】
実施形態では、浄化器100は、アンダーフロー出口(図示せず)を含み、そこでRASを収集することができる。RASは、収集されて、RASボックス(たとえば、図9に示されるチャンバ900)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。
【0091】
浄化器100は、たとえば、(図1に示される)流源105からの出口108から固液混合物を受け取るように構成することができる。周辺パイプは各々、入口101から離れて配置することができる。パイプのいずれか1つまたは複数は、浄化器100の底部付近で汚泥を収集し、収集した汚泥を、たとえば廃棄物流で固形物処理装置(図示せず)または廃棄物処理装置(waste)(図示せず)に送るように構成することができる。
【0092】
オルガンパイプに関連付けられた図2に描写される内部選択解除アプローチは、1つまたは複数の真空またはポンプを含むことができる。より軽いまたはより不良な沈降物質は、典型的に、ブランケットの上部または周辺にあり、ベクトル201によって除去することができる。ベクトル202、203、および204は、ブランケットの下方またはその周辺に沿って、より軽いまたはより不良な沈降物質を除去するように構成することができる。実施形態では、ベクトル201は、ブランケットの上部または周辺で物質を除去することができ、ベクトル202は、汚泥を除去するか、またはリアクターに戻すように構成することができ、ベクトル203は、汚泥を除去するか、またはリアクターに戻すように構成することができ、ベクトル204は、汚泥を除去するか、またはリアクターに戻すように構成することができる。
【0093】
図3は、内部セレクタを含む内部選択解除アプローチの実施形態を示しており、当該アプローチは、ウォーターフォールバッフル303を有する浄化器100を含む。浄化器100には、入口101を介して固液混合物108を供給することができる。内部選択解除アプローチは、入口101から離れた、浄化器100の周辺に内部選択ベクトル304を含むことができる。内部選択ベクトル304は、ウォーターフォールバッフル303によって媒介することができる。ウォーターフォールバッフル303は、汚泥の流れをホッパー(図示せず)またはRAS(返送活性汚泥)102を収集することができるアンダーフローに方向づけるために適用することができる。内部選択ベクトル304は、固体の処理または廃棄のために、バッフル303の風下側の汚泥を別個の汚泥コレクタ(図示せず)に方向づけるために適用することができる。
【0094】
RAS102は、収集されて、返送活性汚泥(RAS)ボックス(図示せず)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。より軽いまたはより不良な沈降物質は、典型的に、ブランケットの上部または周辺にあり、ベクトル304によって除去される。
【0095】
図4は、内部選択解除アプローチの実施形態を示しており、ここで、浄化器100はブランケットを備える。浄化器100は、たとえば、深さが10フィート(10ft.)を超える、およびブランケットをサポートすることができる、深い浄化器を含むことができる。ここで、内部選択解除アプローチは、ブランケットの上部3分の1以下、好ましくは上部25%からの汚泥を、部分的に選択解除された固体を供給するために使用することができるように構成することができる。内部選択解除アプローチは、選択解除された固体を供給するためにブランケットに適用することができる、図示されるような内部選択ベクトル403を含むことができる。
【0096】
浄化器100には、入口101を介して固液混合物108を供給することができる。RAS102は、浄化器100のアンダーフロー出口またはホッパーから収集することができる。RAS102は、収集されて、RASボックス(たとえば、図9に示されるチャンバ900)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、(たとえば、図1に示される流源105における)リアクター、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。
【0097】
さまざまな実施形態では、浄化器100は、統合された浄化またはデカント工程を有するシーケンシングバッチリアクターまたはアップフローリアクターを含むことができる。より軽いまたはより不良な沈降物質は、典型的に、リアクターまたは浄化器のブランケットの上部にあり、ベクトル403によって除去される。
【0098】
図5は、内部セレクタを含む、内部選択解除アプローチを有する浄化器100と、外部選択解除アプローチを有する密度ベースの(DB)ディセレクタ550と、を含む複数選択解除アプローチの実施形態を示す。浄化器100は、DBディセレクタ550の入力に連結された廃棄物出口107を含むことができる。浄化器100には、入口101を介して固液混合物108を供給することができる。浄化器100は出力120を含むことができる。実施形態では、浄化器100は、前述の内部選択解除アプローチを使用する内部選択ベクトル503を含むことができる内部選択解除アプローチを含む。内部選択解除アプローチは、入口101から離れて、浄化器100の周辺に含めることができる。より軽いおよびより不良な沈降物質は、典型的に、ブランケットの上部または周辺にあり、関連するベクトルによってDBに除去される。
【0099】
特定の実施形態では、(図5における)内部選択解除アプローチは、たとえば、上に論じた内部選択ベクトル103、201~204、304、403、または503を含む、1つまたは複数の内部選択ベクトルを含むことができる。
【0100】
DBディセレクタ550は、たとえば、液体サイクロン、遠心分離機、ラメラ、分級機、スクリーン、フィルタ、または密度ベースの粒子選択が可能な任意の小型装置を含むことができる。DBディセレクタ550は、たとえば、両方とも全体が引用により本明細書に組み込まれる、「Method and Apparatus for Wastewater Treatment Using Gravimetric Selection」と題された米国特許第9,242,882号明細書に記載される重量測定セレクタ11、または「Method and Apparatus for Wastewater Treatment Using External Selection」と題された米国特許第9,670,083号明細書に記載される重量測定セレクタ260を含むことができる。
【0101】
DBディセレクタ550は、出口107を介して浄化器500から固液混合物を受け取り、混合物中の残りの固体/粒子と比較した固体/粒子の密度に基づいて固液混合物中の固体/粒子を分級、分離、または分類することを含む外部選択解除アプローチを実行するように構成することができる。DBディセレクタ550は、良好な沈降特性を示す傾向がある高密度化固体/粒子を、不良な沈降特性を示す傾向がある低密度の固体/粒子から分離するように構成することができる。
【0102】
DBディセレクタ550は、高密度化固体/粒子を再循環流出力505でアンダーフローとして出力するように構成することができ、これらは、その後、たとえば、生体反応または消化を含む、さらなる処理のために、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスの別の段階に送り返すことができる。DBディセレクタ550は、受け取った固液混合物の残りをその廃棄物流出力504で出力するように構成することができ、これらは、膜バイオリアクター(MBR)の膜ファウリングを引き起こすか、流出液の濁りを引き起こすか、または膜散気装置のファウリングを誘発する可能性のある、より小さな粒子およびコロイドを含有することができる。
【0103】
RAS102は、浄化器100のアンダーフロー出口またはホッパーから収集することができる。RAS102は、収集されて、RASボックス(たとえば、図9に示されるチャンバ900)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。
【0104】
実施形態では、図5に描写される内部選択解除アプローチでは、典型的にブランケットの上部または周辺にあり、ベクトル503によってポンプ(図示せず)を介して除去され、その後、さらなる選択解除にさらされて504を介して廃棄される、より軽いまたはより不良な沈降物質を除去する。実施形態では、より軽いまたはより不良な沈降物質は、ベクトル503によってポンプ(図示せず)または真空(図示せず)を介して除去され、出口120を介して廃棄することができる。
【0105】
図6は、本開示の原理による、内部セレクタを含む、内部選択解除アプローチを有する浄化器100と、外部選択解除アプローチを有する粒子サイズ圧縮率(PSC)のディセレクタ650と、を含む複数選択解除アプローチの実施形態を示す。浄化器100は、入口101および内部ディセレクタ出口107を含むことができ、これらはPSCディセレクタ650の入力に連結させることができる。浄化器100は、入口101を介して固液混合物108が供給され、出口107を介して、処理された固液混合物をPSCディセレクタ650に出力することができる。内部選択解除アプローチは内部選択ベクトル603を含むことができる。内部選択解除アプローチは、入口101から離れて、浄化器100の周辺に含めることができる。
【0106】
特定の実施形態では、(図6における)内部選択解除アプローチは、たとえば、上に論じた内部選択ベクトル103、201~204、304、403、503、または603を含む、1つまたは複数の内部選択解除ベクトルを含むことができる。
【0107】
PSCディセレクタ650は、たとえば、出口607から受け取られた固液混合物中の残りの粒子と比較した粒子のサイズ、圧縮率、またはせん断に対する抵抗に基づいて粒子を分離することができるスクリーン、フィルタ、膜、または装置を含むことができる。当業者によって理解されるように、PSCディセレクタ650は、メッシュまたは非メッシュ構造を含むことができ、ドラム、ステーショナリ(stationary)、バンド、または振動装置とすることができる。PSCディセレクタ650は、全体が引用により本明細書に組み込まれる、米国特許第9,670,083号明細書に記載される重量測定セレクタ260または膜装置10を含むことができる。PSCディセレクタ650は、スクリーニングプロセスをさらに支援するために、米国特許第9,670,083号明細書に記載されるスクリーンウォッシュ5などの、随意のスクリーンウォッシュを含むことができる。
【0108】
PSCディセレクタ650は、出口107を介して浄化器100から固液混合物を受け取り、混合物中の固体/粒子のサイズおよび圧縮率に基づいて、受け取った固液混合物の残りから再循環可能な固体を分離するように構成することができる。選択のためのサイズの典型的な範囲は、10ミクロンもの低い値から1000ミクロンもの高い値までの範囲とすることができる。しかし、好ましい範囲は200~500ミクロンである。10~1000ミクロンの間の任意の値が、可能なものとして本明細書で開示されている。PSCディセレクタ650を通過する固液混合物の部分、たとえば廃棄物成分は、選択解除された部分として廃棄物出口604で廃棄物流として出力することができ、PSCセレクタ650によって保持される固体/粒子は、戻り出口605に出力することができ、これらは、たとえば、バイオリアクター(図示せず)への生体反応または消化を含むさらなる処理のために、バイオリアクター(図示せず)または廃水処理プロセスの別の段階に戻すことができる。
【0109】
RAS102は、浄化器100のアンダーフロー出口またはホッパーから収集することができる。RAS102は、収集されて、RASボックス(たとえば、図9に示されるチャンバ900)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、浄化器100、リアクター(図示せず)、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。
【0110】
図6に描写される内部選択解除アプローチは、典型的にブランケットの上部または周辺にあり、ベクトル603によって除去される、より軽いまたは沈降しにくい物質を除去する、ポンプ(図示せず)または真空(図示せず)を含むことができる。
【0111】
図7は、本開示の原理による、複数選択解除アプローチを含む廃水処理システム10の実施形態を示す。当該システム10は、内部選択解除アプローチを有する浄化器100と、リアクター750と、外部選択解除アプローチを有するDBディセレクタ550と、を含む。当該システム10は、リアクター750の入口で流入液701を受け取るように構成することができる。流入液701は、可溶性の有機および無機汚染物質および粒子状物質を含有する固液混合物を含有することができる。流入液701は、たとえば(図1に示される)流源105などの外部源(図示せず)から受け取ることができる。たとえば、リアクター750の入力は、流源105の出口108に直接的または間接的に連結させることができる。
【0112】
実施形態では、(図1に示される)流源105はリアクター750を含む。
【0113】
リアクター750は、バイオリアクター、膜バイオリアクター(MBR)、移動床バイオリアクター(MBBR)、固定床リアクター、電気生化学リアクター(EBR)、中空繊維バイオリアクター、膜バイオフィルムリアクター、バッチリアクター、流加リアクター、連続リアクター、連続撹拌タンクリアクター、プラグフローリアクター、または生物学的に活性な環境をサポートすることができる装置もしくはシステムを含むことができる。リアクター750は、たとえば、懸濁成長活性汚泥プロセス、粒状プロセス、統合された固定膜活性汚泥プロセス、生物学的栄養素除去プロセス、好気性消化プロセス、または嫌気性消化プロセスなどの、処理プロセスを実行するように構成することができる。
【0114】
リアクター750は、DBディセレクタ550の入力に供給することができる、リアクター750の出力707での生物学的に活性な混合物の表面消耗のために構成することができる。実施形態では、浄化器100は、浄化器100の出力7007での混合物の(ブランケットの)表面消耗のために構成することができる。DBディセレクタ550は、密度ベースの分離を含む外部選択解除アプローチを介して、表面消耗した混合物から高密度化固体/粒子を分離し、高密度化固体/粒子を再循環流出力505で出力するように構成することができ、これらは、その後、たとえば、生体反応または消化を含む、さらなる処理のために、リアクター750、浄化器100、または廃水処理プロセスの別の段階に戻すことができる。DBディセレクタ550は、二重選択解除された表面消耗した固液混合物の残りを廃棄物流出力504で出力するように構成することができ、これらは、(浄化器の代わりに膜システムが使用される場合に)MBRの膜ファウリングを引き起こすか、流出液の濁りを引き起こすか、または膜散気装置のファウリングを誘発する可能性のある、より小さな粒子およびコロイドを含有することができる。
【0115】
浄化器100は、たとえば、上に論じた内部選択ベクトル103、201~204、304、403、503、または603の1つまたは複数を含むことができる内部選択解除アプローチを適用することができる。
【0116】
浄化器100は、リアクター750の出力から固液混合物を受け取り、内部選択解除アプローチを適用し、内部選択解除アプローチに従って固液混合物を分離して、RAS102および浄化器出力120を出力するように構成することができる。さまざまな実施形態では、この浄化器出力120は、そのような出力を示していない前の図面における任意の前述の浄化器に含めることができる。たとえば、707の量が不十分であるか、または濃度が薄すぎる場合、RAS102の一部を表面廃棄物707と組み合わせることができる。10%のRAS(702)と90%の表面廃棄物(707)との間と、90%のRAS(102)と10%の表面廃棄物(707)との間との比率が可能である。100%の表面廃棄物(707)も可能である。
【0117】
実施形態では、RAS102は、浄化器100のアンダーフロー出口またはホッパーから収集される。RAS102は、収集されて、RASボックス(たとえば、図9に示されるチャンバ900)に供給することができるか、または再循環流として、たとえば、リアクター750、浄化器100、DBディセレクタ550、または廃水処理プロセスまたはシステム(図示せず)の別の段階の入力に戻すことができる。
【0118】
上で論じたように、廃水処理システム10の実施形態は、リアクター750に適用される内部選択解除アプローチおよびDBディセレクタ550に適用される外部選択解除アプローチの多重選択解除アプローチを含む。図7に描写されるように、多重選択解除アプローチは、リアクター750における内部選択解除アプローチと直列に、およびその後ろに配置されるDBディセレクタ550における外部選択解除アプローチを含む。たとえば、限定されないが、周辺アプローチ、他の密度分離アプローチ、サイズ分離アプローチ、せん断ベースの分離アプローチ、または圧縮ベースの分離もしくは組み合わせアプローチの組み合わせを含む、他の複数選択解除アプローチが、本開示によって企図される。
【0119】
廃水処理システム10の実施形態では、再循環流505およびRAS102は、RAS102より先に505からの戻り配管などを用いて、リアクター750内の2つの異なる位置に戻り配管で供給することができ、したがって、RAS102に相対するライン505に含まれる特定の生物を特定の供与体または受容体に送ることができる。たとえば、ライン505および/またはRASライン702におけるより大きなおよび/またはより高密度の物質を、リアクター750内の豊富ゾーン(図示せず)に送ることができる一方で、ライン505および/またはRASライン102内のより小さなまたは低密度の画分を、嫌気-無酸素-好気(A20)プロセスアプローチで無酸素タンク(図示せず)に直接送ることができる。必要に応じて、その逆も可能である。
【0120】
図8は、本開示の原理による、複数選択解除アプローチを含む廃水処理システム20の実施形態を示す。廃水処理システム20は、図示されるように、浄化器100、リアクター750、およびDBディセレクタ550を含むことができる。リアクター750は内部ラメラ2を含むことができる。実施形態では、リアクター750はデカンタを含むことができる。システム20における複数選択解除アプローチは、リアクター750およびその後の出口120およびRAS102を備えた浄化器100における内部選択解除アプローチと、その後の、アンダーフロー505がリアクター750に戻され、選択解除されたオーバーフロー504が、たとえば廃棄物流として出力される、DBディセレクタ550における外部選択解除アプローチと、を含む。
【0121】
実施形態では、システム20は、ラメラ(またはデカンタ)2の代わりに、またはそれに加えて、外部ラメラまたはデカンタを含むことができる。より大きなまたはより高密度の物質を含有するラメラまたはデカンタされていない物質804のアンダーフローが、保持されるか、または混合液の再循環806に戻される一方で、ラメラまたはデカンタに含まれる流れは、出口703を介して、沈降、追加の返送、および共通のホッパーからの、または上で論じた周辺またはブランケット表面除去アプローチを使用した廃棄のために浄化器100に送られる。外部選択解除アプローチでは、DBディセレクタ550の場合に、密度ベースの選択を含めることができる。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。
【0122】
特定の実施形態では、(図6に示される)PSCディセレクタ650は、DBディセレクタ550に加えて、またはその代わりに含めることができる。このような実施形態では、外部選択解除アプローチは、高密度のまたはより大きな固体/粒子または顆粒を含むプロセス促進物質と、低密度のまたはより小さなまたはより低い圧縮性の固体/粒子または顆粒を含む非プロセス促進物質とを分離する際に、密度、サイズ、せん断、または圧縮、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。プロセス促進物質は、たとえば、成長活性顆粒、またはリアクター750内で生体反応、生物消化、または生物学的選択を容易にすることができる1つまたは複数の種類の微生物の成長を促進または容易にすることができる物質を含むことができる。これらのプロセスは、たとえば綿状バイオマスよりも高い密度および粒子サイズを有するバイオマスによって特徴付けることができる。
【0123】
特定の実施形態では、システム20は、外部ラメラ、随意の複数の引き出しを有する高速浄化器、堰、またはデカンタを含むことができる。システム20は、内部ラメラ2の代わりに表面消耗装置を含むことができる。このような装置からの流出液は、直接廃棄することができ、および/または返送または廃棄のために浄化器100に送ることができる。
【0124】
廃水処理システム20の実施形態では、再循環流505およびRAS102は、リアクター750内の2つの異なる位置に戻り配管で供給することができる。たとえば、ライン505および/またはRASライン102におけるより大きなおよび/またはより高密度の物質を、リアクター750内の豊富セレクタゾーン(図示せず)に送ることができる一方で、ライン505および/またはRASライン102内のより小さなまたは低密度の画分を、嫌気-無酸素-好気(A20)プロセスアプローチで無酸素タンク(図示せず)に直接送ることができる。必要に応じて、その逆も可能である。このアプローチは、前に論じたように、汚泥中の微生物のための、およびそれによる資源割り当てまたは資源生産のいずれかを改善する助けになる。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。
【0125】
実施形態では、廃水処理システム20は、リアクターの一部として、またはリアクター750と浄化器(図示せず)と、その後の出口120およびRAS102を備えた浄化器100との間に、内部ラメラ2または外部ラメラ(図示せず)を使用するバイオリアクター750を含む内部選択アプローチを含むことができ、アンダーフロー505がバイオリアクター750に戻される、(たとえば、液体サイクロンベースの密度分離を使用する)外部選択DB550が続く。リアクター750内の内部再循環806により、より重い沈降画分をRAS102の上流に戻すことができる。このアプローチでは、外部ラメラまたはデカンタも可能である。
【0126】
ラメラ2のアンダーフローが、より大きなまたはより高密度の物質を含有するデカンタされていない物質806を含むことができ、これが、保持されるか、または混合液の再循環に戻される一方で、ラメラまたはデカンタに含まれる流れは、703を介して、沈降、追加の返送、および共通のホッパーからの、または前述の周辺またはブランケット表面除去アプローチを使用した廃棄のために浄化器100に送られる。
【0127】
外部分離、たとえばDBディセレクタ(550)は、密度、サイズ、せん断、または圧縮、または前述のアプローチの組み合わせとすることができる。実施形態では、選択解除の原理は、さまざまなSRT、電子供与体、または受容体にさらされる粒子の複数のニッチを開発するために使用することができる。3つの戻り流れ505、806、および102は、さまざまな生物群の比率を含むことができ、その後、リアクター内のさまざまな供与体または受容体、または炭素源または量にさらすことができる。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。
【0128】
図9は、本開示の原理に従って構築されたチャンバ900の実施形態を示す。チャンバ900は、たとえば、ボックスチャンバ、タンクチャンバ、またはウェットウェルチャンバを含むことができる。チャンバ900は、少なくとも2つの区画901および902に分割することができ、区画の各々は、それぞれ、廃棄活性汚泥(WAS)および返送活性汚泥(RAS)を収集するように構成することができる。廃棄活性汚泥流(WAS流)は、区画901の入力903で受け取り、出口(または出力)904で出力することができる。返送活性汚泥流(RAS流)は、区画902の入力905で受け取り、出口(または出力)906で出力することができる。2つの区画901および902間で交換機907および908を作成することができ、これは、たとえば、WASもしくはRASの形態でチャンバ900から出る固体濃度、流量、または質量などの、WASおよびRAS内の変数を管理することができる。交換機907および908は、さまざまな画分のSRTを維持することができる方法で変数を調整することができる。
【0129】
チャンバ900は、たとえば、1つまたは複数のセンサ(図示せず)またはプローブ(図示せず)を含むことができる。実施形態では、チャンバ900は、たとえば、TSS(全懸濁固体)プローブ、粘度プローブ、(たとえば音響を使用する)密度またはサイズ測定センサを備える、センサデバイス(図示せず)を含むことができる。
【0130】
実施形態では、チャンバ900はオーバーフロー堰(図示せず)を含むことができる。内容物をデカントする必要がある場合、RASおよびWASはオーバーフロー堰によって分離することができる。
【0131】
特定の実施形態では、チャンバ900は、たとえば図7または8に描写されるものなどの、複数選択解除アプローチに含めることができる。チャンバ900は、たとえば(図7および8に示される)浄化器100および/またはリアクター750を含む内部選択解除アプローチと、たとえば(図7および8に示される)DBディセレクタ550および/または(図6に示される)PSCディセレクタ650を含む外部選択解除アプローチとの間に配置することができる。
【0132】
実施形態では、チャンバ900は、たとえば、分割だけでなく、濃度、流量、質量自体の変数の他に、これらの変数に対するさまざまなSRTに関連付けられた分数を管理または調整することを助けるために、外部選択解除アプローチ(たとえばDBディセレクタ550および/またはPSCディセレクタ650)の下流に配置することができる。
【0133】
図10は、本開示の原理に従って構築された、廃水処理システム30における二重選択解除アプローチの実施形態を示す。図8に描写された実施形態に類似して、システム30は、浄化器100、(ラメラ浄化器2を含む)リアクター750、およびDBディセレクタ550を備える。代替実施形態では、システム30は、DBディセレクタ550の代わりに、またはそれに加えて、PSCディセレクタ650を含むことができる。
【0134】
図示されるように、二重選択解除アプローチは、物質が、本実施形態では3つの物理ディセレクタである複数の連続する物理ディセレクタを移動し、通過すると、バイオマス材料に適用することができる。第1のセレクタ(たとえばラメラ浄化器2)の選択効率は、保持された、およびRAS R1(802)としてリアクター750に再循環された、より重い顆粒画分の約70%およびより軽い凝集画分の約50%であり得る。他の部分から、副流が分離され、顆粒に対して約80%および綿状物に対して約25%の選択効率で第2のセレクタ(たとえばDBディセレクタ550)に送られ、RAS R2(505)でリアクター750に戻り、残りの部分は廃棄される(たとえばWAS出力504)。
【0135】
主流は、第1のセレクタ(たとえばラメラ浄化器2)から第3のセレクタ(たとえば浄化器100)まで続き、そのため、アンダーフローRAS R3(102)がリアクター750に再循環された状態で理想的には完全な固体保持を想定することができる。システム内の固体の平均保持期間が10日間である、追加の想定を適用することもでき、これは総質量の10%が毎日廃棄されることを意味している。この廃棄-質量における顆粒と綿状物の割合は、以下の計算に示されるように連続するセレクタの想定される選択効率を適用することによって計算することができる。顆粒画分に対する保持時間は、総顆粒質量と顆粒の一日当たりに廃棄された質量の比率から計算することができ、結果として、凝集剤画分に対するわずか7日間と比較して、45日間になる。明らかに、より高い廃棄物率を補うために、綿状物は成長がより速い必要がある。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。
【0136】
ラメラ浄化器2の影響を評価するために、ラメラの選択効率をゼロに設定することができる一方で、他のセレクタは変更されないままである。リアクター内の同じ平均SRTおよび同じ汚泥組成を想定した計算の繰り返しは、綿状物に対する8日間と比較して、28日間の顆粒に対する実質的により低いSRTにつながる。実施形態では、R2は、R1およびR3とは異なる位置に送られ、資源割り当ておよび資源生産に対する異なるアプローチが可能になる。概して、より重い物質は、より軽い物質より先に優先的に送られ、したがって、図10に描写される(1つまたは複数の)実施形態の場合に、R2(アンダーフローで選択される最も重い物質)は、R1(ラメラからの次に重い物質)より先に送られ、R1はRASからR3より先に送られ、これらはすべてリアクター750に戻され、そこで、流れが、リアクターの長さに沿って、さまざまな電子供与体または受容体にさらされるか、または代替的に、そのような長さに沿ってさまざまな電子供与体または受容体を産生する。このアプローチでは、SRT、電子供与体、および受容体の多くの順列または組み合わせを使用して、さまざまな生物の成長を標的とするためのニッチのマトリックスを提供することができる。これは、そのような複数の物理的な選択解除の概念から得られる複数選択マトリックスの1つのアプローチである。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。これは、多くの他の可能な実施形態のうちの一実施形態にすぎない。
【0137】
図10における記号の定義:
M... リアクター内の固体の質量
loM... 保持時間が短い固体の質量(たとえば2/3)
hiM... 保持時間が長い固体の質量(たとえば1/3)
Mwas... 1日に廃棄される固体の質量
loMwas... 1日に廃棄される低いSRTを有する固体の質量
hiMwas... 1日に廃棄される高いSRTを有する固体の質量
avSRT... 平均汚泥滞留時間(たとえば10日間)
loSRT... 低い汚泥滞留時間
hiSRT... 高い汚泥滞留時間
SEl,g... 顆粒に対するラメラの選択効率(たとえば70%)
SEl,f... 綿状物に対するラメラの選択効率(たとえば50%)
SE2,g... 顆粒に対するサイクロンの選別効率(たとえば80%)
SE2,f... 綿状物に対するサイクロンの選択効率(たとえば25%)
SE3,g... 顆粒に対する浄化器の選択効率(たとえば100%)
SE3,f... 綿状物に対する浄化器の選択効率(たとえば100%)
【0138】
計算
二重選択時の汚泥画分のSRT:
M=loM+hiM=2/3+1/3=1
loMwas/Mwas=loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)/(loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)+hiM*(l-SE1g)*(l-SE2,g))
loMwas/Mwas=2/3*(l-0.5)*(l-0.25)/(2/3*(l-0.5)*(l-0.25)+l/3*(l-0.70)*(l-0.80))=92.6%
hiMwas/Mwas=hiM*(l-SE1,g)*(l-SE2,g)/(loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)+hiM*(l-SE1g)*(l-SE2,g))
hiMwas/Mwas=l/3*(l-0.70)*(l-0.80)/(2/3*(l-0.5)*(l-0.25)+l/3*(l-0.70)*(l-0.80))=7.4%
loSRT=loM/(M/avSRT*loMwas/Mwas)=2/3/(1/10*0.926)=7.2d
hiSRT=hiM/(M/avSRT*hiMwas/Mwas)=1/3/(1/10*0.074)=45.0d
二重選択時の汚泥画分のSRT:
M=loM+hiM=2/3+1/3=1
loMwas/Mwas=loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)/(loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)+hiM*(l-SE1g)*(l-SE2,g))
loMwas/Mwas=2/3*(l-0)*(l-0.25)/(2/3*(l-0)*(l-0.25)+l/3*(l-0)*(l-0.80))=88.2%
hiMwas/Mwas=hiM*(l-SE1,g)*(l-SE2,g)/(loM*(l-SE1,f)*(l-SE2,f)+hiM*(l-SE1g)*(l-SE2,g))
hiMwas/Mwas=l/3*(l-0)*(l-0.80)/(2/3*(l-0)*(l-0.25)+l/3*(l-0)*(l-0.80))=11.8%
loSRT=loM/(M/avSRT*loMwas/Mwas)=2/3/(1/10*0.882)=7.6d
hiSRT=hiM/(M/avSRT*hiMwas/Mwas)=1/3/(1/10*0.118)=28.2d
【0139】
図11は、リアクター750に段階的に供給される流入液701からの一連のカスケード流を含む廃水処理システム40の実施形態であって、したがって、リアクター750に戻されるアンダーフロー505またはRAS102のいずれか、またはその両方を遅らせる、実施形態を示す。RAS102は、流入液703および流出液120を有する、浄化器100の出力である。リアクター750の前面での流入液を越える追加のカスケードの数は、1から6まで変化し得るが、より典型的には1から3の間である。これらのカスケード流は、基質(供与体、受容体、および炭素源)に対する特定の拡散条件を促進するリアクターを用いて調整された電子供与体または電子受容体に対して調整された条件を提供するために、たとえばダイジェスター液流(digester liquor stream)、発酵液、または外部炭素などの任意の他の流れを優先的に含有し得る。このようにして、資源割り当ておよび生産のためのニッチが、再循環流(実施形態では、ライン505における流れが、RASライン102における流れより先に供給される)およびカスケード流入液流が差動的に供給されているリアクターに沿って開発される。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化することができる。
【0140】
図12は、出力流出液120を有する、出力703が浄化器100に供給された、リアクター750に供給される流入液701を含む、廃水処理システム50の実施形態を示す。RAS102の流れは、DBディセレクタ550からの戻り流れを構成するアンダーフロー505の戻りから同じまたは異なる位置でリアクター750に戻すことができる。DBディセレクタ550は、たとえばRASライン102からなど、浄化器100から流入液を受け取るように構成することができる。
【0141】
図12に描写される実施形態では、リアクター750は、たとえば、電磁エネルギー源(たとえば光源)またはケモリソ源(たとえば、硫黄、鉄、または石灰石などの、たとえば、任意の無機化学物質の供給源)を含むことができる、エネルギー源1204を含むことができる。エネルギー源1204は、リアクター750内にエネルギー、電子供与体、もしくは受容体、または無機炭素のいずれかを提供するように配置することができる。(たとえば膜バイオフィルムからの)メタン、重炭酸塩などのC-1有機または無機炭素も提供することができる。
【0142】
実施形態では、より大きなまたはより高密度の物質を含有するリアクター750内の物質のアンダーフローは、保持することができるか、または混合液循環806に戻すことができる。
【0143】
さまざまな実施形態では、エネルギー源1204は、リアクター750内に存在する複数の戻り流、カスケード流、または内部状態を活用するために、リアクター750内の任意の点に配置または適用することができる。したがって、上で論じたように、階層化アプローチは、効率的で資源に富んだ回復力のある方法で処理を提供するために、成長する生物にニッチを提供する他の選択解除または選択アプローチとの可能な相乗効果を提供しながら、追加の選択または選択解除を提供する。このアプローチはまた、沈降特性または増粘特性の改善のために高密度化を強化する。エネルギー消費を最小限に抑え、追加の処理価値を提供しながら、プロセスを大幅に強化することができる。
【0144】
図13は、バイオリアクター1300およびDBディセレクタ550を備える廃水処理システム60の実施形態を示す。バイオリアクター1300は、バイオリアクター750および膜バイオリアクター1000を含むことができる。前述の図1~12のいずれのアプローチを、浄化器100の代わりに膜バイオリアクター1000を用いて実施することができる。
【0145】
図13に描写される実施形態では、処理プロセスは、流入液流701、流出液流120、ならびに再循環流806および1302を含むことができる。再循環流1302は、膜バイオリアクター100から出力されたRAS(返送活性汚泥)流を含むことができる。当該プロセスは、表面消耗アプローチ1304を含むことができ、これは、表面廃棄物をバイオリアクター750からDBディセレクタ550の入力に供給することができ、したがって、DBディセレクタ550が廃棄物流504およびアンダーフロー戻り流505を出力して、二重選択解除を実施する。戻り流806、1302は、資源割り当てまたは資源生産、SRT分離を最適化するために、または最小でも全体の高密度化を強化するために、リアクター750内の同じまたは複数の位置で別々に利用することができ、ファウリングを低減するか、またはおよそ10~200LMHの基準流速の少なくとも120%~200%を超える膜を通る流速を増加させる。特に動的ポリマー膜またはフィルタの場合に、他の流速も可能である。膜バイオリアクターはポリマーまたはセラミックのいずれかにすることができる。
【0146】
図14は、廃水処理システム70の実施形態を示しており、ここで、バイオリアクター750はシーケンシングバッチリアクターとして構成されている。本実施形態では、バイオリアクター750は、浄化を実施するためのデカンタ1400を含む。ここで、流入液の流れは701で受け入れられ、デカントの流れはデカンタ1400によって流出液120中に出力される。表面消耗は、混合モードまたは沈降モード1404のいずれかで生じさせることができ、汚泥のより軽く、不良な沈降性の画分をディセレクタDB 550に抽出する。場合によっては流入液701がリアクター750に入る場所の上流でも、二重選択解除されたオーバーフローは廃棄され、より重いアンダーフロー流505はリアクター750に戻される。このアプローチは、SRT分離、資源割り当てまたは生産の改善、および二重または複数の選択解除から沈降または増粘を改善するための高密度化の改善を提供する。
【0147】
図15は、ほぼ一定の水位アップフローリアクターを備える廃水処理システム80の実施形態を示す。本実施形態では、リアクター750は、デカンタ1000および一体型浄化器1510を含むことができる。システム80は、リアクター750の底部に分布されている、流入液供給物701を受け取るように構成することができる。流出液120は、デカンタ1000内でデカントされるか、またはたとえばリアクター750の上部などの一体型浄化器1510内で浄化される。供給物は、充填/排出サイクル中に流出液120を置換する。デカンタ1000は、反応段階中に浸漬させることができる。当該プロセスは、複数サイクルの時間指定されたシーケンスでほぼ一定の水位で操作される。固体は、1504でブランケットの上部またはその下からDBディセレクタ550に出力される。二重選択解除された廃棄物流504は、DBディセレクタ550から出力することができ、アンダーフロー505はリアクター750に戻すことができる。
【0148】
図16は、修正されたシーケンシングバッチ(MSB)リアクター1600を備える廃水処理システム90の実施形態を示す。MSBリアクター1600は、バイオリアクター1650およびシーケンシングされた交流浄化器1610を含むことができる。MSBリアクター1600は、フロースプリッターボックス706を含むことができる。システム90は、流入液供給物701を受け取り、供給物をフロースプリッターボックス706に方向づけるように構成することができる。フロースプリッターボックス706は、必要に応じて、流れを停止または制御するために、1つまたは複数のエアロック(図示せず)を含むことができる。フロースプリッターボックス706は、段階的に流れをリアクター1650または浄化器1610の任意の部分にカスケードするように配置することができる。
【0149】
実施形態では、雨天時の流れは、フロースプリッターボックス706から浄化器1610に直接排出することができる。
【0150】
さまざまな実施形態では、段階またはカスケードの流れは、好気ゾーン、交互通気ゾーン、または同時の硝化/脱硝ゾーンに入る前に、バイオリアクター1650内の嫌気ゾーンまたは無酸素ゾーンに入ることができる。
【0151】
MSBリアクター1600内の処理液に加えて、流れは、1603を介して交流浄化器1610のいずれかに入ることができ、そこで、処理液(および/または流れ)は、浄化され、いずれかの浄化器1610から流出液120で排出され得る。流入液701に流入する流れは、流出液120に取って代わる。
【0152】
実施形態では、浄化器1610は、反応または沈降のために循環される一定水位リアクターである。廃棄物は、浄化器1610のいずれかから除去され、ライン1601を介してDBディセレクタ550に供給され得る。したがって、オーバーフローは、504で二重選択解除されて廃棄され、アンダーフロー505をフロースプリッターボックス706に送ることができる。ライン1601における廃棄物は、以下から除去することができる:1)混合時のリアクター1650または浄化器1610の表面から;2)沈降ブランケットの上部から(沈降モード中);または3)(リアクターから離れて、流出液の近くで)沈降モードでの浄化器1610の周辺から。DBディセレクタ550からのアンダーフローは、MSBリアクター1600内の任意の位置または時間シーケンスに戻すことができる。このコンパクトな構成は、流れ管理の改善、高密度化の改善、資源(供与体または受容体)の利用または生産の向上のためのニッチの開発のために複数の再循環流と組み合わせたカスケードアプローチを有している。膜通気バイオフィルムリアクター、または任意の他のバイオフィルムリアクターが、リアクター1650に含められ得る。必要に応じて、無機化学物質の供給源または光源を用いた他の反応も含めることができ、その場合、エネルギー源1204(図12に示す)を含めることができる。
【0153】
実施形態では、廃水処理システムは、密度、サイズ、せん断、または圧縮に基づいて粒子を選択解除する、空間または時間における別個の統合された浄化工程を用いる活性汚泥を含有および処理するリアクターまたは浄化器と、リアクターまたは浄化器からより小さなまたはより低密度の粒子を除去する第1の内部ディセレクタと、その後の、より小さなまたはより低密度の粒子をさらに除去する第2の外部ディセレクタと、を含むことができる。
【0154】
当該装置は、収量の最大化、硝化、脱窒、脱アンモニア、リン除去、または微量汚染物質の除去などのためのさまざまな処理機能を用いて、好気性、無酸素性、または嫌気性の条件下で成長させられた、成長の速い生物および成長の遅い生物を保持するための、固体滞留時間の範囲を有する粒子を含むことができ、ここで、より小さな粒子は、基質に対するより短い固体滞留時間およびより低い内部物質移動抵抗を有する二重選択解除にさらされ、それによって、およそ2日を超える急速な成長速度で生物のみを保持し、大きな粒子は、基質に対するより長い固体滞留時間およびより高い内部物質移動抵抗を有する単一の選択解除または非選択解除にさらされ、それによって、およそ1日未満の遅い成長速度で生物を保持することが可能になる。
【0155】
当該装置は、より高いおよびより活性な固体インベントリをサポートする良好な沈降特性を有する粒子を含むことができ、ここで、固体インベントリは、2日未満から10日を超える範囲の固体滞留時間の範囲で2500mg/Lを超え、それによって、成長の速い生物と成長の遅い生物の両方のより活性なインベントリをサポートする。
【0156】
当該装置は、80mL/g未満の汚泥体積指数を有する良好な沈降特性を有する粒子を含むことができる。
【0157】
実施形態では、装置内の内部浄化選択解除工程は、真空およびエアリフトの使用を含む、正圧または負圧を供給する任意のポンプを使用して、またはリアクターまたは浄化ブランケットの表面で、または浄化器の周辺で、または好ましくは周辺近くに配置される、スロット付きまたは穴あきマニホールド、プレート、またはパイプ内に収集された汚泥に負圧または正圧を適用することによって、または選択解除を意図して汚泥を方向付けて分離するバッフルを使用して、またはラメラ、分級機、遠心分離機、もしくは液体サイクロンなどの密度分離装置、またはスクリーンもしくはフィルタなどのサイズ分離装置を使用して、実施することができる。
【0158】
実施形態では、内部選択解除工程は、リアクターに関連付けられた内部または外部のラメラまたはデカンタで収集されたより重い粒子の内部混合または再循環により、浄化アンダーフローで実施することができる。
【0159】
実施形態では、リアクターは、活性汚泥リアクター、リアクターおよび浄化器、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器またはデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含むことができる。
【0160】
実施形態では、当該装置は、(1つまたは複数の)内部セレクタおよび/または(1つまたは複数の)外部ディセレクタの間、または(1つまたは複数の)内部セレクタおよび/または(1つまたは複数の)外部ディセレクタの後に、WASおよびRAS画分を制御および分離するように構成されているチャンバを含むことができる。当該装置は、リアクター内の2つまたはそれ以上のそれぞれの位置に送ることができる、内部セレクタおよび外部ディセレクタからの2つまたはそれ以上のRAS流を含むことができる。
【0161】
実施形態では、廃水を処理するための方法は、空間または時間における別個の統合された浄化工程を用いる活性汚泥を含有および処理するリアクターにおいて、密度、サイズ、せん断、または圧縮に基づいて粒子を選択解除する工程を含み、当該装置は、(i)リアクターまたは浄化器からより小さなまたはより低密度の粒子を除去する第1の内部ディセレクタと、その後の、(ii)より小さなまたはより低密度の粒子をさらに除去する第2の外部ディセレクタと、を含む。
【0162】
当該方法は、収量の最大化、硝化、脱窒、脱アンモニア、リン除去、または微量汚染物質の除去などのためのさまざまな処理機能を用いて、好気性、無酸素性、または嫌気性の条件下で成長させられた、成長の速い生物および成長の遅い生物を保持するための、固体滞留時間の範囲を有する粒子を含有することを含む、活性汚泥を含有および処理する工程を含むことができ、ここで、(a)より小さな粒子は、基質に対するより短い固体滞留時間およびより低い内部物質移動抵抗を有する二重選択解除にさらされ、それによって、およそ2日を超える急速な成長速度で生物のみを保持し、(b)大きな粒子は、基質に対するより長い固体滞留時間およびより高い内部物質移動抵抗を有する単一の選択解除または非選択解除にさらされ、それによって、およそ1日未満の遅い成長速度で生物を保持することが可能になる。
【0163】
当該方法は、より高いおよびより活性な固体インベントリをサポートする良好な沈降特性を有する粒子を含有することを含む、活性汚泥を含有および処理する工程を含むことができ、ここで、(a)固体インベントリは、2500mg/Lを超え、(b)2日未満から10日を超える範囲の固体滞留時間の範囲であり、それによって、成長の速い生物と成長の遅い生物の両方のより活性なインベントリをサポートする。
【0164】
当該方法は、80mL/g未満の汚泥体積指数を有する良好な沈降特性を有する粒子を含有するように構成することができる。
【0165】
当該方法は、真空およびエアリフトの使用を含む、正圧または負圧を供給する任意のポンプを使用して内部浄化選択解除工程を実施する工程を含むことができる。
【0166】
当該方法は、(a)リアクターまたは浄化ブランケットの表面、または浄化器の周辺で、内部浄化選択解除工程を実施する工程を含むことができる。
【0167】
当該方法は、リアクターに関連づけられた内部または外部ラメラに関連づけられた内部再循環に関連づけられた浄化において内部選択解除工程を実施する工程を含むことができる。
【0168】
当該方法は、好ましくは周辺近くに配置される、スロット付きまたは穴あきマニホールド、プレート、またはパイプ内に収集された汚泥に負圧または正圧を適用することによって、または選択解除を意図して汚泥を方向付けて分離するバッフルを使用して、実施する工程を含むことができる。
【0169】
当該方法は、ラメラ、分級機、遠心分離機、もしくは液体サイクロンなどの密度分離装置、またはスクリーンもしくはフィルタなどのサイズ分離装置を使用して外部選択解除工程を実施する工程を含むことができる。
【0170】
当該方法のさまざまな実施形態では、リアクターは、活性汚泥リアクター、リアクターおよび浄化器、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器またはデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含むことができる。
【0171】
当該方法の実施形態では、セレクタ間またはセレクタの後に、WASおよびRAS画分を制御および分離するチャンバを含めることができる。当該方法は、利用可能な場合に、内部および外部選択から2つまたはそれ以上のRAS流を分離する工程と、RAS流を、少なくとも1つの豊富ゾーンまたは嫌気性セレクタステージを含むリアクター内のそれぞれ異なる位置に供給する工程と、を含むことができる。
【0172】
実施形態では、活性汚泥の浄化のための装置は、(a)返送活性汚泥のための2つの別々の汚泥回収物を含む浄化器と、(b)ブランケットの表面でまたは周辺の浄化器の流入液から離れて発生する、より軽いまたはより低密度の粒子を分離するための廃棄活性汚泥用の内部ディセレクタであって、廃棄活性汚泥のための選択解除が、汚泥に直接適用される真空、リフト、またはポンプ機構を使用する負圧または正圧を使用して、または穴あきパイプ、スロット付きパイプ、プレート、マニホールドである収集器を使用して、または2つの汚泥回収物を方向付けるまたは分離するバッフルもしくは2つの汚泥回収物の少なくとも1つの収集を補助するレーキアームを使用して行われる、内部ディセレクタと、を備える。
【0173】
実施形態では、活性汚泥の浄化のための方法は、(a)返送活性汚泥のための2つの別々の汚泥回収物を含む浄化器と、(b)ブランケットの表面でまたは周辺の浄化器の流入液から離れて発生する、より軽いまたはより低密度の粒子を分離するための廃棄活性汚泥用の内部ディセレクタと、を含む。当該方法は、汚泥に直接適用される真空、リフト、またはポンプ機構を使用する負圧または正圧を使用して、または穴あきパイプ、スロット付きパイプ、プレート、マニホールドである収集器を使用して、または2つの汚泥回収物を方向付けるまたは分離するバッフルもしくは2つの汚泥回収物の少なくとも1つの収集を補助するレーキアームを使用して廃棄活性汚泥のために選択解除する工程を含む。
【0174】
実施形態では、廃水処理方法は、活性汚泥をリアクターまたは浄化器に供給する工程であって、リアクターが、空間または時間における別個の統合された浄化工程で活性汚泥を含有および処理し、密度、サイズ、せん断、または圧縮に基づいて粒子を選択解除する、工程と、第1の内部ディセレクタによって、より小さなまたはより低密度の粒子をリアクターまたは浄化器から除去する工程と、第2の外部ディセレクタによって、より小さなまたはより低密度の粒子をさらに除去する工程と、を含む。当該方法は、収量の最大化、硝化、脱窒、脱アンモニア、リン除去、または微量汚染物質の除去などのためのさまざまな処理機能を用いて、好気性、無酸素性、または嫌気性の条件下で成長させられた、成長の速い生物および成長の遅い生物を保持するための、固体滞留時間の範囲を有する粒子を含有および処理する工程を含むことができ、ここで、(a)より小さな粒子は、基質に対するより短い固体滞留時間およびより低い内部物質移動抵抗を有する二重選択解除にさらされ、それによって、およそ2日を超える急速な成長速度で生物のみを保持し、(b)大きな粒子は、基質に対するより長い固体滞留時間およびより高い内部物質移動抵抗を有する単一の選択解除または非選択解除にさらされ、それによって、およそ1日未満の遅い成長速度で生物を保持することが可能になる。当該方法は、より高いおよびより活性な固体インベントリをサポートする良好な沈降特性を有する粒子を含有および処理する工程を含むことができ、ここで、(a)固体インベントリは、2500mg/Lを超え、(b)2日未満から10日を超える範囲の固体滞留時間の範囲であり、それによって、成長の速い生物と成長の遅い生物の両方のより活性なインベントリをサポートする。当該方法は、80mL/g未満の汚泥体積指数を有する良好な沈降特性を有する粒子を含有および処理する工程、または真空およびエアリフトの使用を含む、正圧もしくは負圧を供給する任意のポンプを使用して内部浄化選択解除工程を実施する工程、またはリアクターもしくは浄化ブランケットの表面で、もしくは浄化器の周辺で内部浄化選択解除工程を実施する工程、または好ましくは周辺近くに配置される、スロット付きもしくは穴あきマニホールド、プレート、もしくはパイプ内に収集された汚泥に負圧もしくは正圧を適用することによって、または選択解除を意図して汚泥を方向付けて分離するバッフルを使用して、内部浄化選択解除工程を実施する工程を含むことができる。当該方法は、リアクターに関連づけられた内部もしくは外部ラメラに関連づけられた内部再循環に関連づけられた浄化において、またはラメラ、分級機、遠心分離機、もしくは液体サイクロンなどの密度分離装置、またはスクリーンもしくはフィルタなどのサイズ分離装置を使用して内部選択解除工程を実施する工程を含むことができる。当該方法は、たとえば、活性汚泥リアクター、リアクターおよび浄化器、シーケンシングバッチリアクター、修正されたシーケンシングバッチリアクター、統合された固定膜活性汚泥リアクター、統合された浄化器またはデカンタを備えたアップフローリアクター、または膜バイオリアクターを含む、リアクターを含むことができる。当該方法は、セレクタ間またはセレクタの後に、WASおよびRAS画分を制御および分離するチャンバを含むことができる。当該方法は、内部および外部選択から2つのRAS流を分離する工程であって、それらを少なくとも1つの豊富ゾーンまたは嫌気性セレクタステージを含むリアクター内の2つのそれぞれ異なる位置に送る工程を含むことができる。
【0175】
実施形態では、活性汚泥の浄化のための方法は、活性汚泥を返送活性汚泥のための2つの別々の汚泥回収物を含む浄化器に供給する工程と、ブランケットの表面でまたは周辺の浄化器の流入液から離れて発生する、より軽いまたはより低密度の粒子を分離するための内部ディセレクタに廃棄活性汚泥を供給する工程であって、廃棄活性汚泥のための選択解除が、汚泥に直接適用される真空、リフト、またはポンプ機構を使用する負圧または正圧を使用して、または穴あきパイプ、スロット付きパイプ、プレート、マニホールドである収集器を使用して、または2つの汚泥回収物を方向付けるまたは分離するバッフルもしくは2つの汚泥回収物の少なくとも1つの収集を補助するレーキアームを使用して行われる、工程と、を含む。
【0176】
実施形態では、活性汚泥の浄化のための装置は、(a)返送活性汚泥(RAS)のための2つの別々の汚泥回収物を含む浄化器と、(b)固体ブランケットの表面でまたは周辺の浄化器の流入液から離れて発生する、より軽いまたはより低密度の粒子を分離するための廃棄活性汚泥(WAS)用の内部ディセレクタであって、廃棄活性汚泥のための選択解除が、汚泥に直接適用される真空、リフト、またはポンプ機構を使用する負圧または正圧を使用して、または穴あきパイプ、スロット付きパイプ、プレート、マニホールドである収集器を使用して、または2つの汚泥回収物を方向付けるまたは分離するバッフルもしくは2つの汚泥回収物の少なくとも1つの収集を補助するレーキアームを使用して行われる、内部ディセレクタと、を備える。
【0177】
さまざまな開示された実施形態が、本開示のさまざまな可能な特徴およびこれらの特徴を組み合わせることができるさまざまな方法を例示するために上に示され説明されていることが理解される。上記の実施形態の特徴をさまざまな方法で組み合わせる以外に、他の修正も本開示の範囲内にあるとみなされる。本開示は、上記の好ましい実施形態に限定されることを意図されたものではない。本開示は、これらの請求項の範囲内に文字通りまたは同等に含まれるすべての代替実施形態を包含する。
【0178】
本開示で使用される用語「a」、「an」、および「the」は、特に他に明記されていない限り、「1つまたは複数(one or more)」を意味する。
【0179】
本開示で使用される「アプローチ(approach)」という用語は、特に他に明記されていない限り、「方法(method)またはプロセス(process」を意味する。
【0180】
本開示で使用される用語「含む(including)」、「備える(comprising)」、「有する(having)」、およびそれらの変形は、特に他に明記されていない限り、「限定されないが、~を含む(including, but not limited to)」を意味する。
【0181】
本明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an example embodiment)」などへの言及は、説明される実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示しているが、すべての実施形態が、必ずしも、特定の特徴、構造、または特性を含むわけではない。また、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明されている場合、明示的に説明されているか否かに関係なく、他の実施形態に関連したそのような特徴、構造、または特性に影響を与えることが当業者の知識の範囲内であることが考えられる。
【0182】
範囲形式で表現される値は、範囲の限界として明示的に列挙された数値を含むだけでなく、その範囲内に含まれるすべての個々の数値またはサブ範囲も、あたかも各数値およびサブ範囲が明示的に列挙されるかのように含むように、柔軟に解釈することができる。たとえば、「約0.1%~約5%」の濃度範囲は、約0.1重量%~約5重量%の明示的に列挙された濃度だけでなく、示された範囲内の個々の濃度(1%、2%、3%、4%など)およびサブ範囲(たとえば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%など)も含むと解釈することができる。「約XからYまで」という記述は、別段の指示がない限り、「約Xから約Yまで」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、またはZ」という記述は、別段の指示がない限り、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0183】
「または」という用語は、別段の指示がない限り、非排他的な「または」を指すために使用される。別段の指示がない限り、列挙されたグループに言及するときの「~の少なくとも1つ」という記述は、グループのメンバーの1つ、または2つもしくはそれ以上の任意の組み合わせを意味するために使用される。たとえば、「A、B、およびCの少なくとも1つ」という記述は、「A;B;C;AおよびB;AおよびC;BおよびC;またはA、B、およびC」と同じ意味を有することができるか、または「D、E、F、およびGの少なくとも1つ」という記述は、「D;E;F;G;DおよびE;DおよびF;DおよびG;EおよびF;EおよびG:FおよびG;D、E、およびF;D、E、およびG;D、F、およびG;E、F、およびG;またはD、E、F、およびG」と同じ意味を有することができる。カンマは、小数点の左側または右側に対する区切り文字または桁区切り記号として使用することができ、たとえば、「0.000,1」は「0.0001」と同等である。
【0184】
本開示で使用される「廃水」という用語は、特に他に明記されていない限り、「水または廃水」を意味する。
【0185】
本明細書に記載される方法では、工程は、時間または動作上のシーケンスが明示的に示されている場合を除き、本発明の原理から逸脱することなく、任意の順序で実行することができる。さらに、指定された工程は、別々に実行されることを明示的に用語が示していない限り、同時に実行することができる。たとえば、Xを行うという示された行為およびYを行うという示された行為は単一の操作内で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスはプロセスの文字通りの範囲内に収まる。最初に工程が実施され、その後、いくつかの他の工程が続いて実施されるという趣旨に対する請求項における記載は、他の工程内でシーケンスがさらに示されない限り、第1の工程が他の工程の前に実施されるが、他の工程が任意の適切なシーケンスで実施することができることを意味すると解釈されるものとする。たとえば、「工程A、工程B、工程C、工程D、および工程E」を列挙する請求項の要素は、(1つまたは複数の工程が工程Aまたは工程Eと同時に実施されることを含む)工程Aが最初に実行され、工程Eが最後に実行され、工程B、C、およびDが、工程Aと工程Eとの間に任意のシーケンスで実行することができること、およびシーケンスが依然として請求されるプロセスの文字通りの範囲内に収まることを意味すると解釈することができる。所与の工程または工程のサブセットを繰り返すこともできる。
【0186】
さらに、指定された工程は、別々に実行されることを明示的に請求項の用語が示していない限り、同時に実行することができる。たとえば、Xを行うという請求される工程およびYを行うという請求される工程は単一の操作内で同時に行うことができ、結果として生じるプロセスは請求されるプロセスの文字通りの範囲内に収まる。
【0187】
相互に通信しているデバイスは、特に他に明記されていない限り、相互に継続的に通信している必要はない。加えて、相互に通信しているデバイスは、直接的にまたは1つまたは複数の媒介を通じて間接的に通信し得る。
【0188】
プロセスの工程、方法の工程、またはアルゴリズムは、順次または並列の順序で説明され得るが、そのようなプロセス、方法、およびアルゴリズムは、交互の順序で動作するように構成され得る。換言すれば、順次説明され得る工程のシーケンスまたは順序は、工程がその順序で実施されるという要件を必ずしも示すわけではなく、いくつかの工程が同時に実施され得る。同様に、工程のシーケンスまたは順序が並列(または同時)の順序で説明されている場合、そのような工程は順次実施することができる。本明細書で説明されるプロセス、方法、またはアルゴリズムの工程は、実際的な任意の順序で実施され得る。
【0189】
単一のデバイスまたは物品が説明されている場合、単一のデバイスまたは物品の代わりに1つを超えるデバイスまたは物品が使用され得ることは容易に明らかであろう。同様に、1つを超えるデバイスまたは物品が説明されている場合、1つを超えるデバイスまたは物品の代わりに単一のデバイスまたは物品が使用され得ることは容易に明らかであろう。デバイスの機能性または特徴は、そのような機能性または特徴を有すると明示的に説明されていない1つまたは複数の他のデバイスによって代替的に具体化されてもよい。
【0190】
上記の主題は、例示目的のみで提供されており、限定するものとして解釈されるべきではない。例示され説明された例示的な実施形態および用途に従うことなく、および以下の請求項における一連の列挙によって、またこれらの列挙と同等である構造および機能または工程によって定義される、本開示によって包含される本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される主題に対してさまざまな修正および変更を行うことができる。
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【国際調査報告】