(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-25
(54)【発明の名称】境界層ターボマシン
(51)【国際特許分類】
F01K 25/10 20060101AFI20240315BHJP
F01K 27/00 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
F01K25/10
F01K27/00 Z
F01K25/10 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024507055
(86)(22)【出願日】2022-01-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-17
(86)【国際出願番号】 CA2022050068
(87)【国際公開番号】W WO2022150933
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523392279
【氏名又は名称】バウンダリー エナジー インク
【氏名又は名称原語表記】BOUNDARY ENERGY INC.
【住所又は居所原語表記】Box 929 Evansburg, Alberta T0E 0T0, CANADA
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】フォード ダレル
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BB04
(57)【要約】
動力を伝達するためにシャフトに結合された境界層ターボマシンであって、複数のダクトと、複数のブレード及び/又は1つ以上の突出部とを備える。複数のダクトは、長手方向軸を中心に回転するように構成されたダクト壁によって画定され、入口端と出口端との間で流体を運ぶようにその周囲に同心円状に配置される。流れ入口は、流体を、出口端に向かって長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に複数のダクト内に引き込む。複数のブレード及び/又は1つ以上の突出部は、対向するダクト壁の間でダクト内を半径方向に延びる。つ以上の突出部は、少なくとも部分的に長手方向軸に沿って、かつ長手方向軸の周りに螺旋状に延びて、流体をダクト内に誘導し得る。液相を遠心分離するために、ダクト壁にスロットを設けてもよい。凝縮器、ポンプ、及び/又はコンプレッサを含まない、複数の境界層タービンを使用して発電するシステム及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端から流体を受け入れ、出口端から流体を排出するように構成された境界層ターボマシンであって、
入口端から出口端に向かって流体を運ぶために、入口端と出口端との間で境界層ターボマシンの長手方向軸の周りに同心円状に配置された複数のダクトであって、長手方向軸を中心に回転するように構成された対応するダクト壁によって少なくとも部分的に画定された複数のダクトと、
入口端に配置され、複数のダクトのダクト壁の回転に従って出口端に向かって長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に複数のダクトに流体を受け入れるように構成された1つ以上の流れ入口であって、流体は、複数のダクト内を流れる流体に又は複数のダクト内を流れる流体から機械的エネルギーを伝達するためにダクト壁と摩擦係合する、流れ入口とを備えた境界層ターボマシン。
【請求項2】
境界層ターボマシンは境界層タービンであり、1つ以上の流れ入口が流体を複数のダクトに引き込み、ダクト壁に回転を与えて動力を発生させるように構成されている請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項3】
前記1つ以上の流れ入口は、前記流体を前記複数のダクト内に噴射して、前記流体を前記長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に前記出口端まで運ぶように構成された1つ以上のノズルである請求項2記載の境界層ターボマシン。
【請求項4】
前記複数のダクトの下流端部において前記長手方向軸の周りに回転可能に配置された複数のブレードを更に備え、前記複数のブレードは、前記長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に配向された流体を受け、前記流体を前記長手方向軸に概ね平行に方向転換させるように適合され、前記流体は、それによって、前記長手方向軸の周りの前記複数のブレードに回転を付与して動力を発生させる、請求項2又は3に記載の境界層ターボマシン。
【請求項5】
前記複数のブレードの下流に、前記長手方向軸に対して概ね平行に配向された流体を受ける軸方向タービンステージを更に備える、請求項4に記載の境界層ターボマシン。
【請求項6】
前記軸方向タービンステージは、前記長手方向軸に沿って軸方向に整列された羽根付きステータと、前記羽根付きステータと軸方向に整列された羽根付きロータとを含み、前記羽根付きロータは、前記羽根付きステータの下流側に配置されている、請求項5に記載の境界層ターボマシン。
【請求項7】
前記複数のブレードは、前記ダクトのダクト壁から前記長手方向軸に対して半径方向に延びている、請求項4に記載の境界層ターボマシン。
【請求項8】
前記複数のブレードは、前記ダクトの第1のダクト壁から、前記第1のダクト壁に対向する前記ダクトの第2のダクト壁まで、前記長手方向軸に対して半径方向に延びている、請求項4に記載の境界層ターボマシン。
【請求項9】
前記複数のブレードは、前記ダクト壁と共回転するように前記ダクト壁と一体的に形成されている、請求項7に記載の境界層ターボマシン。
【請求項10】
前記複数のブレードは、前記ダクト壁と一体構造である、請求項9に記載の境界層ターボマシン。
【請求項11】
11.動力を伝達するように構成された複数のブレードアセンブリを更に含み、複数のブレードアセンブリの各ブレードアセンブリは、1つ以上の流れ入り口の下流の対応するダクト内に配置され、長手方向軸の周りに回転可能に配置された対応する複数のブレードを含み、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に向けられた流体を受けて、流体を長手方向軸に概ね平行に方向転換させるように適合され、流体はそれによって、長手方向軸の周りの対応する複数のブレードに回転を付与して動力を発生させる、請求項2又は3に記載の境界層ターボマシン。
【請求項12】
対応する複数のブレードが、対応するダクトの関連するダクト壁から長手方向軸に対して半径方向に延び、関連ダするクト壁と共回転するように関連するダクト壁と一体的に形成されている、請求項11に記載の境界層ターボマシン。
【請求項13】
対応する複数のブレードは、関連するダクト壁と一体構造であり、各ダクトは、その中に配置された少なくとも1つのブレードアセンブリを有する、請求項12に記載の境界層ターボマシン。
【請求項14】
複数のダクトに駆動可能に結合されたシャフトを更に備え、シャフトは、複数のダクトと同軸であり、複数のダクトによって円周方向に取り囲まれている請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項15】
長手方向軸の周りに同心円状に入れ子状に配置され、概して互いに間隔をおいて配置され、長手方向軸の側方に徐々に大きな断面積を有する複数の管で、
各複数のダクトは、複数のダクトのうちの同心円状に隣接する一対の管の間に形成され、シャフトは、複数のダクトのうちの半径方向最内のダクトを少なくとも部分的に画定する複数の管のうちの半径方向最内の管によって形成される内部キャビティ内に同軸に配置される請求項14に記載の境界層ターボマシン。
【請求項16】
同心円状に隣接する管の各対が、複数のダクトの対応するダクトをその間に形成する、請求項15に記載の境界層ターボマシン。
【請求項17】
複数のダクトのうちの少なくとも1つが、長手方向軸に対して側方に環状形状の断面を有する、請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項18】
環状形状の断面が円形環状である請求項17に記載の境界層ターボマシン。
【請求項19】
前記複数のダクトの下流端において前記長手方向軸の周りに回転可能に配置され、動力を発生する複数のブレードを更に備え、
前記1つ以上の流れ入口は、前記ダクトの上流端部で、前記出口端に向かって前記ダクト内に前記長手方向軸周りに概ね方位角方向に流体ジェットを噴出するように構成された1つ以上のノズルを含み、
前記複数ダクトのダクトは、
ダクトの上流端で流体噴流を受けるように断面が適合された上流部分と、
ダクトの下流端で複数のブレードによって画定された流路と断面的に部分的に相補的な下流部分と、
上流部分と下流部分との間に画定された中間部分であって、上流部分及び下流部分はそれぞれ、中間部分の比較的狭い断面を画定するように、中間部分に向かって概して断面がテーパになっている中間部分を含む、
請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項20】
複数のダクトに駆動可能に結合されたシャフトと、
複数のダクトを少なくとも部分的に収容し、シャフトに対して実質的に静止した状態を維持するように構成された構造体と、
シャフトに結合され、前記構造体に対して所定の位置でシャフトを回転可能に支持するように前記構造体と前記シャフトの間に配置された接触ベアリングと、を更に含み、、
シャフトは、長手方向軸を中心とする回転のために、長手方向軸に沿って延伸された請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項21】
前記複数のダクトは、前記シャフトに伝達されるシャフト動力を発生させるために毎分43,000回転未満で回転するように構成されている請求項20に記載の境界層ターボマシン。
【請求項22】
複数のダクトのうち半径方向最外側のダクトを少なくとも部分的に画定する半径方向最外側の管と、
複数のダクトのうち半径方向最内側のダクトを少なくとも部分的に画定する半径方向最内側の管で、複数のダクトが半径方向最外側の管と半径方向最内側の管との間に配置される、半径方向最内側管とを更に備え、
複数のダクトの各ダクトは、対応する同心円状に隣接するダクトと共通で共有される対応するダクト壁によって少なくとも部分的に画定される、
請求項1又は21に記載の境界層ターボマシン。
【請求項23】
長手方向軸の周りに同心円状に入れ子状に配置され、概して長手方向に延伸する複数の管と、
接合端から管を片持ち梁状にするように前記管の接合端で複数の管のうちの管に結合され、管は接合端から概して長手方向に延伸しているエンドプレートと、
を更に備え、
複数の管は、複数のダクトの各ダクトが複数の管の同心円状に隣接する対となっている管の間に形成されるように、互いに同心円状に離間しており、複数の管は、発電するように構成されている請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項24】
前記エンドプレートは、前記接合端と長手方向軸に沿ってねじ込み可能に係合することによって、前記複数の管のうちの管に結合される請求項23に記載の境界層ターボマシン。
【請求項25】
長手方向軸の周りに同心円状に入れ子状に配置され、概して長手方向に延伸する複数の管と、
複数の管のうちの一つの管の自由端を受けられるように構成されたスロットを含み、前記管は一般に自由端から長手方向に延伸し、スロットは流体と連通し、スロットに対する管の回転を可能にするように自由端とスロットとの間のクリアランスを維持するよう適合されている支持構造体と、を更に備え、
前記複数の管は、複数のダクトの各ダクトが複数の管の同心円状に隣接する追となっている管の間に形成されるように、互いに同心円状に離間しており、複数の管は、発電するように構成されている請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項26】
前記クリアランスは、前記複数の管のうちの管を前記スロット内で少なくとも部分的に支持し、前記スロットと前記複数の管のうちの管との間の滑り摩擦を実質的に防止するように、前記複数の管のうちの管と前記スロットとの間に流体の潤滑膜を維持するよう適合されている請求項25に記載の境界層ターボマシン。
【請求項27】
前記クリアランスは、前記複数の管うちの管と前記スロットとの間の潤滑を維持するために流体を前記スロット内に引き込むように、前記複数の管のうちの管が回転するときに、前記スロット内に比較的低圧のゾーンを生成するように適合されている請求項24又は26に記載の境界層ターボマシン。
【請求項28】
前記支持構造は、前記支持構造と前記シャフトとの間に配置された軸受を介して前記シャフトによって支持され、前記シャフトは、前記複数の管に駆動可能に結合されている請求項25に記載の境界層ターボマシン。
【請求項29】
前記複数の管は、前記長手方向軸に対して側方に徐々に大きい断面積を有し、前記複数の管に駆動可能に結合されたシャフトで、前記複数の管の半径方向最内側の管によって形成された内側キャビティ内に前記複数の管と同軸に配置されたシャフトを更に備える請求項25に記載の境界層ターボマシン。
【請求項30】
前記内部キャビティは、前記複数のダクトと流体連通しており、前記スロットは、前記内部キャビティ又は前記複数のダクトのうちのダクトの、少なくとも1つに開口している、請求項29に記載の境界層ターボマシン。
【請求項31】
長手方向軸の周りに同心円状に入れ子になっている複数の管であって、
複数の管の各管は、複数の管の複数の自由端を画定するために、対応する自由端から概して長手方向に延伸している複数の管と、
前記複数の自由端を受けるように構成された複数のスロットを含み、前記複数のスロットは流体と流体連通しており、前記複数のスロットに対する前記複数の管の回転を可能にするために前記複数の自由端からのクリアランスを維持するように適合されている、支持構造体とを更に備え、
複数の管は、複数のダクトの各ダクトが複数の管の同心円状に隣接する対となっている管の間に形成されるように、互いに同心円状に離間しており、複数の管は、発電するように構成されている請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項32】
前記複数のダクトは、前記複数のスロットを介して互いに流体連通している、請求項31に記載の境界層ターボマシン。
【請求項33】
前記クリアランスは、前記複数の管と前記複数のスロットとの間に潤滑膜を維持するために、前記複数のダクトを介して前記複数のスロット内に流体を引き込むために前記複数の管のうちの管が回転しているときに、前記複数のスロット内に比較的低圧のゾーンを生成するように適合され、前記潤滑膜は、前記複数のスロット内で前記複数の管を少なくとも部分的に支持し、前記複数のスロットと前記複数の管との間の滑り摩擦を実質的に防止する請求項32に記載の境界層ターボマシン。
【請求項34】
前記支持構造体のハウジング部分が、前記複数の管路内の流体の加圧を維持するために前記複数の管を周方向に取り囲み、前記ハウジング部分が、圧力を調整するための調整バルブを備える請求項33に記載の境界層ターボマシン。
【請求項35】
前記1つ以上の流れ入口は、前記複数のダクトのうちの一つのダクトの上流端に円周方向に配設され、前記出口端に向かって前記ダクト内に長手方向軸回りに概ね方位角方向に流体ジェットを噴出するように構成された複数のノズルを含む請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項36】
前記複数のノズルは、方位角方向が10度以内に揃えられている請求項35に記載の境界層ターボマシン。
【請求項37】
前記複数のノズルは、円周方向に間隔をあけて配置され、前記流体ジェット間の流れの相互作用を低減するように配向される、請求項36に記載の境界層ターボマシン。
【請求項38】
前記複数のノズルは、前記ダクトの上流端の周りに円周方向に等間隔に配置されている、請求項36~37のいずれか一項に記載の境界層ターボマシン。
【請求項39】
ダクト壁が共通の回転のために結合されている、請求項1又は2に記載の境界層ターボマシン。
【請求項40】
1つ以上の流れ入口の一流れ入口が、複数のダクトの一ダクトの上流端に、長手方向軸の周りに概ね方位角方向に流体を引き込むように構成され、ダクトの長手方向長さが、流体の方位角偏差を最大10度に制限するように適合される請求項4に記載の境界層ターボマシン。
【請求項41】
複数のブレードの前縁が、実質的に揃えられた状態で流体を受けるようにダクトに沿った流体の方位角偏差に適合された請求項40に記載の境界層ターボマシン。
【請求項42】
流れ入口は、長手方向軸を中心とする方位角方向の10度以内に配向された上流端に流体を引き込む請求項40に記載の境界層ターボマシン。
【請求項43】
複数のダクトに駆動可能に結合されたシャフトと、
支持構造体に対するシャフトの回転を可能にするために、その間に配置されたベアリングを介してシャフトによって支持された支持構造体で、支持構造体は、その上流端で複数のダクトを密封可能に囲み、複数のノズルは、支持構造体に一体化され、支持構造体は、複数のノズルに流体を供給する1つ以上の入口チャネルと、流体と流体連通し、複数のダクトのダクト壁の複数の自由端を受けるように構成された複数のスロットとを含む、支持構造体と、を更に備え、
複数のスロットは、実質的に接触することなく複数の自由端を回転可能に支持する潤滑膜を維持するために、そこに流体を引き込むように適合されている請求項36に記載の境界層ターボマシン。
【請求項44】
ダクトの第1の半径方向断面がダクトの第2の半径方向断面よりも大きく、第1の半径方向断面が第2の半径方向断面に対して入口端に近接している請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項45】
長手方向軸の周りに同心円状に入れ子状に配置され、概して長手方向に延伸する複数の管と、
複数の管のうちの一の管の自由端に隣接する支持構造体で、前記管は概して自由端から長手方向に延伸し、支持構造体は、支持構造体に対する管の回転を可能にするために、前記自由端と前記支持構造体との間のクリアランスを維持するように適合されている支持構造体と、を更に備え、
複数の管は、複数のダクトの各ダクトが複数の管の同心円状に隣接するついとなっている管の間に形成されるように、互いに同心円状に離間しており、複数の管は発電するように構成されている請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項46】
接合端から管を片持ち梁状にするように、前記自由端に対向する前記管の接合端において前記管に結合されたエンドプレートを更に含み、前記管は前記接合端から前記自由端まで長手方向に延伸した請求項45に記載の境界層ターボマシン。
【請求項47】
前記エンドプレートは、前記接合端部と長手方向軸に沿ってねじ込み可能に係合することによって、前記複数の管のうちの前記管に結合される請求項46に記載の境界層ターボマシン。
【請求項48】
前記クリアランスは、前記複数の管のうちの前記管と前記支持構造体との間の流体の潤滑膜を維持するように適合されている請求項45に記載の境界層ターボマシン。
【請求項49】
1つ以上の流れ入り口は、自由端に隣接する支持構造の端部において支持構造に形成され、1つ以上の流れ入り口のうちの複数の流れ入り口は、クリアランスを横切って複数の管によって画定されるダクトに流体を噴射するように方位角的に傾斜している請求項45又は48に記載の境界層ターボマシン。
【請求項50】
1つ以上の流れ入口は、ダクト壁にかかる力を均衡させるために長手方向軸の周りに対蹠的に配置された少なくとも2つの流れ入口を含む請求項1記載の境界層ターボマシン。
【請求項51】
複数のダクトの一ダクト内に開口し、流体の第1の部分を受けて流体の第1の部分をダクトから引き出すように、ダクトの半径方向内側の壁から半径方向に間隔を空ける一方で、流体の第2の部分をダクト内に残すことを可能にするスロットで、流体の第1の部分は、流体の第2の部分に対してスロットに向かって遠心方向に引き出すことによって、流体の第2の部分から分離されるスロットと、
ダクトから流体の第2の部分を受け、流体の第2の部分を境界層ターボマシンから排出するように構成された流れ出口と、を更に含む請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項52】
複数のダクトの一ダクトに沿って少なくとも部分的に長手方向に延び、ダクトの半径方向に延びて、ダクト内にチャネルを画定する1つ以上の突出部であって、前記チャネルは、流れ入口からダクト内に流体を受け入れて引き込むように構成された突出部を更に含む請求項1に記載の境界層ターボマシン。
【請求項53】
前記1つ以上の突出部は、第1の突出部と、前記第1の突出部から離れた第2の突出部とを含み、前記チャネルは、前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に画定され、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、前記1つ以上の流れ入口から前記チャネルに供給される流体を受けるように少なくとも部分的に方位角方向に配向される請求項52に記載の境界層ターボマシン。
【請求項54】
前記1つ以上の突出部は、前記ダクト内で半径方向に延び、前記ダクトに沿って流体を引き込むために前記ダクト内で前記長手方向軸に沿ってかつ前記長手方向軸の周りにスパイラル状に延びる突出部を含む請求項52に記載の境界層ターボマシン。
【請求項55】
チャネルがスパイラルチャネルであり、突出部が、ダクト内の長手方向軸の周りに画定されたスパイラルチャネルの壁を画定し、スパイラルチャネルの入口が、1つ以上の流れ入口によって供給される流体を受け入れるように方位角的に配向されている請求項54に記載の境界層ターボマシン。
【請求項56】
チャネルがスパイラルチャネルであり、突出部が、ダクト内の長手方向軸の周りに画定されたスパイラルチャネルの壁を画定し、スパイラルチャネルのピッチが、1つ以上の流れ入口から減少する請求項52に記載の境界層ターボマシン。
【請求項57】
チャネルがスパイラルチャネルであり、前記突出部が、前記ダクト内の長手方向軸の周りに画定されたスパイラルチャネルの壁を画定し、前記スパイラルチャネルのピッチが、少なくとも部分的に前記ダクトを通して前記流体を引き込むように構成されている請求項52に記載の境界層ターボマシン。
【請求項58】
スパイラルチャネルのピッチは、流体が出口端を介してダクトから引き出されるのを妨げる不利な圧力勾配を緩和するように適合される請求項57に記載の境界層ターボマシン。
【請求項59】
発電のために少なくとも部分的に相変化するように構成された作動流体を用いた発電方法であって、
凝縮物に熱を与えて、凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こし、作動流体を生成することと、
半径方向に離間したダクト壁の間を長手方向に延びるダクトに、少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受けることと、
ダクト壁とダクト内の作動流体とを摩擦係合させることを介して半径方向に分離されたダクト壁のうち一ダクト壁を回転駆動し、エネルギーを作動流体と交換して作動流体の凝縮を引き起こし、凝縮物を生成することとを有する発電方法。
【請求項60】
タービンロータを駆動回転させて軸動力を発生させるために、作動流体をタービンロータのブレード上に受ける工程を更に含み、
少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を、半径方向に離間したダクト壁の間を長手方向に延びるダクトに受け入れることは、タービンロータから少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受け入れることを含む請求項59に記載の発電方法。
【請求項61】
半径方向に分離されたダクト壁のうちの前記一ダクト壁を回転駆動することで発電機を駆動することと、
凝縮物を予熱するように、凝縮物を使用して発電機を冷却することと、を更に含む請求項59に記載の発電方法。
【請求項62】
半径方向に分離されたダクト壁のうちの前記一ダクト壁を回転駆動することで発電機を駆動することと
作動流体を予熱するために作動流体を使用して発電機を冷却することと、を更に含む請求項59に記載の発電方法。
【請求項63】
作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために凝縮物に熱を付与することが、凝縮物を受けるように構成された加熱器を使用することとを含み、
更に、
半径方向に分離されたダクト壁のうちの前記一ダクト壁を回転駆動することによって発電機を駆動することと、
発電機からの熱を使用して熱交換器で凝縮物を予熱することと、
熱交換器を介してヒーターに凝縮物を受けることと、を含む請求項59に記載の発電方法。
【請求項64】
作動流体が、凝縮物を生成するように凝縮を引き起こすために、圧縮を介してエネルギーを付与される請求項59に記載の発電方法。
【請求項65】
半径方向に分離されたダクト壁の間を長手方向に延びるダクト内に少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受け入れることは、ダクトの上流端部に流れる作動流体を受けることを含み、
半径方向に分離されたダクト壁の間に定義された第1の半径方向断面は、半径方向に分離されたダクト壁の間に定義された第2の半径方向断面よりも大きく、第1の半径方向断面は、第2の半径方向断面に対して上流端部に近接している請求項59に記載の発電方法。
【請求項66】
半径方向に分離されたダクト壁間の第1の半径方向離隔が、半径方向に分離されたダクト壁間の第2の半径方向離隔よりも大きく、第1の半径方向離隔は、第2の半径方向離隔に対して上流端部に近接している請求項65に記載の発電方法。
【請求項67】
発電システムであって、
少なくとも部分的に気化した流体を生成するために、凝縮物に熱を伝えるヒーターと、
加熱器から流体を受け取るように構成され、流体が第1のダクト壁を第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された第1の複数のダクトを含み、第1のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成されている、第1の境界層タービンと、
第1の境界層タービンに結合され、第1の境界層タービンから流体を受け、流体からエネルギーを抽出する軸流タービンと、
軸流タービンから第2の境界層タービンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受けるために軸流タービンに連結され、第2の境界層タービンで、第2の複数のダクトは、流体が第2のダクト壁を第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって少なくとも部分的に画定され、、第2のダクト壁は、流体を凝縮させ、加熱器のための凝縮物を生成するように、第2の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するよう構成される第2の境界層タービンと、を含む発電システム。
【請求項68】
発電システムであって、
少なくとも部分的に気化した流体を生成するために凝縮物に熱を伝えるヒーターと、
加熱器から流体を受けるように構成され流体が第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に第1のダクト壁を摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能な回転をするように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された第1の複数のダクトを含み、第1のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成されている第1の境界層タービンと、
前記第1の境界層タービンから前記第2の境界層タービンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受けるために、前記第1の境界層タービンから間隔を隔てて前記第1の境界層タービンに結合され、第2の複数のダクトは、流体が第2のダクト壁を第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって少なくとも部分的に画定され、第2のダクト壁は、加熱器のための凝縮物を生成するように流体を凝縮させるために、第2の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するよう、構成された第2の境界層タービンと、を含む発電システム。
【請求項69】
発電のために相変化するように構成された作動流体を用いて発電方法であって、
作動流体を生成するように凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために、凝縮物に熱を与えることと、
タービンロータを駆動回転させて軸動力を発生させるために、作動流体をタービンロータのブレード上に受けることと、
タービンロータから少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクトに受けることで、第1のダクト壁及び第2のダクト壁は、長手方向軸の周りに周方向に延び、長手方向軸に沿って延伸し、第1のダクト壁は、第2のダクト壁から半径方向に分離されていることと、
エネルギーを作動流体と交換して、作動流体の凝縮を引き起こし、凝縮物を生成するために、第1のダクト壁及び第2のダクト壁をダクト内の作動流体と摩擦係合させることを介して、第1のダクト壁と第2のダクト壁とを回転駆動することと、を含む発電方法。
【請求項70】
第1のダクト壁からの突出部が、半径方向に第2のダクト壁まで延び、長手方向軸に沿って少なくとも部分的に螺旋状に延びて、作動流体をダクトに沿って引き込む、請求項69に記載の発電方法。
【請求項71】
発電機を駆動するためにシャフトパワーを使うことと、
凝縮物を予熱するために凝縮物を使用して発電機を冷却することとを含む請求項69に記載の発電方法。
【請求項72】
作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために凝縮物に熱を付与することが、凝縮物を受けるように構成されたヒーターを使用することを含み、
発電機を駆動するためにシャフトパワーを用いることと、
発電機からの熱を使用して熱交換器で凝縮物を予熱することと、
熱交換器を介して凝縮物をヒーターに受けることを含む請求項69に記載の発電方法。。
【請求項73】
作動流体が、凝縮物を生成するために凝縮を引き起こすために圧縮を介してエネルギーを付与される、請求項69に記載の発電方法。
【請求項74】
発電システムであって、
少なくとも部分的に気化した流体を生成するために凝縮物に熱を伝えるためのヒーターと、
加熱器から流体を受けるように構成され、流体が第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に第1の複数のダクト壁を摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する複数の第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定される第1の複数のダクトを含み、第1の複数のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成される第1の境界層タービンと、
第1の境界層タービンに結合され、第1の境界層タービンから流体を受け取り、流体からエネルギーを抽出する軸流タービンと、
軸流タービンから第2の境界層ターボマシンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受け入るために、軸流タービンに連結され、第2の複数のダクトは、流体と摩擦係合し、第2の境界層ターボマシンの長手方向軸を中心に駆動可能に回転するように構成された対応する複数の第2のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定され、、第2の複数のダクト壁は、流体を凝縮させ、ヒーター用の凝縮物を生成するために、第2の複数のダクト内を流れる流体に又は流体からエネルギーを伝達する第2の境界層ターボマシンと、を含む発電システム。
【請求項75】
第2の複数のダクト壁が、長手方向軸の周りに周方向に延び、長手方向軸に沿って延伸し、第2の複数のダクト壁の一ダクトが、ダクトの第1のダクト壁からダクトの第2のダクト壁まで半径方向に延び、ダクトに沿って流体を引き込むために長手方向軸に沿って少なくとも部分的にスパイラル状に延びる突出部を含む請求項74に記載の発電システム。
【請求項76】
発電システムであって、
少なくとも部分的に気化した流体を生成するために、凝縮物に熱を伝えるヒーターと、
ヒーターから流体を受けるように構成され、流体が第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に第1のダクト壁を摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能な回転をするように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された第1の複数のダクトを含み、、第1のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成されている、第1の境界層タービンと、
第1の境界層タービンから第2の境界層ターボマシンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受け入れるように、第1の境界層タービンから離間し、第1の境界層タービンに結合され、第2の複数のダクトは、流体と摩擦係合し、第2の境界層ターボマシンの長手方向軸を中心に駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定され、、第2のダクト壁は、流体を凝縮させ、ヒーター用の凝縮物を生成するために、第2の複数のダクト内を流れる流体に又は流体からエネルギーを伝達するよう構成された第2の境界層ターボマシンと、を有する発電システム。
【請求項77】
第2のダクト壁が、長手方向軸の周りに周方向に延び、長手方向軸に沿って延伸し、第2のダクト壁の一ダクトが、流体をダクトに沿って引き込むために、ダクトの第1のダクト壁からダクトの第2のダクト壁まで半径方向に延び、長手方向軸に沿って少なくとも部分的にスパイラル状に延びる突出部を含む請求項76に記載の発電システム。
【請求項78】
ターボマシンであって、
長手方向軸に沿って延伸し、長手方向軸の周りに回転可能な第1の本体と、
長手方向軸に沿って第1の本体と少なくとも部分的に同心円状に延伸し、第1の本体と共通の回転のために結合された第2の本体で、第1の本体と第2の本体との間に長手方向に延びるダクトを画定するように第1の本体内に少なくとも部分的に配置された第2の本体と、
第1の本体及び第2の本体の共通の回転に従って、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受けるように構成された流れ入口であって、機械的エネルギーを流体に又は流体から伝達するために、第1の本体及び第2の本体と摩擦係合する流れ入口と、
第1の本体に設けられた1つ以上の突出部が、少なくとも部分的にダクトに沿って長手方向に延び、ダクト内で第2の本体に向かって半径方向に延びて、ダクト内にチャネルを画定し、チャネルが、流れ入口から流体を受け取ってダクト内に引き込むように構成される一以上の突起部と、を含むターボマシン。
【請求項79】
前記1つ以上の突出部は、第1の突出部と、前記第1の突出部から離れた第2の突出部とを含み、前記チャネルは、前記第1の突出部と前記第2の突出部との間に画定され、前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、少なくとも部分的に方位角方向に配向され、前記流れ入口によって供給される流体を前記チャネルに受け入れる請求項78に記載のターボマシン。
【請求項80】
前記1つ以上の突出部は、前記ダクト内で前記第1の本体から前記第2の本体まで半径方向に延び、前記ダクトに沿って流体を引き込むために前記ダクト内で前記長手方向軸に沿ってかつ前記長手方向軸の周りにスパイラル状に延びる突出部を含む請求項78に記載のターボマシン。
【請求項81】
前記チャネルがスパイラルチャネルであり、前記突出部が、前記ダクト内の長手方向軸の周りに画定されたスパイラルチャネルの壁を画定し、前記スパイラルチャネルの入口が、前記流れ入口によって供給される流体を受け入れるように方位角的に配向されている請求項80に記載のターボマシン。
【請求項82】
前記チャネルはスパイラルチャネルであり、前記突出部は、前記ダクト内の長手方向軸の周りに画定されたスパイラルチャネルの壁を画定し、前記スパイラルチャネルのピッチは、前記流れ入口から減少している請求項80に記載のターボマシン。
【請求項83】
前記ダクト内に配置され、前記1つ以上の突出部の下流側で、前記第1の本体から前記第2の本体まで半径方向に延び、前記複数のブレードの間に受けられた流れを、第1の方位角成分を有する第1の方向から第2の方位角成分を有する第2の方向へ再配向させるように構成され、前記第1の方位角成分は前記第2の方位角成分と対向している複数のブレードを更に含む請求項78に記載のターボマシン。
【請求項84】
第1の本体及び第2の本体が、流体のポンピングを達成するためにターボマシンを通して流体を吸引するように駆動可能に回転可能である請求項78に記載のターボマシン。
【請求項85】
互いに流体的に隔離された第1の流体と第2の流体を用いた発電システムであって、
第1の流体を少なくとも部分的に気化させるように第1の流体に熱を伝えるよう構成されたヒーターと、
前記ヒーターに流体接続され、前記ヒーターから前記第1の流体を受け取る第1の熱交換器で、前記第1の流体から前記第2の流体に熱を伝達して、前記第2の流体を少なくとも部分的に気化させるように構成された第1の熱交換器と、
第1の熱交換器に流体接続され、第1の熱交換器から第2の流体を受け取り、第2の流体を用いて膨張機のロータを回転駆動して動力を発生するように構成された膨張機と、
前記膨張機に流体接続され、前記膨張機から第2の流体を受け取り、第1の熱交換器に流体接続され、第1の熱交換器から第1の流体を受け取る第2の熱交換器で、第2の流体から第1の流体に熱を伝達することによって第2の流体の凝縮物を生成するように構成された第2の熱交換器と、を含む発電システム。
【請求項86】
前記膨張機に駆動可能に連結され、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器に流体接続されたポンプであって、前記第2の熱交換器から前記第1の熱交換器に前記第2の流体の凝縮物を引き込んで気化させるように構成されたポンプと、
前記膨張機に駆動可能に連結され、前記第1の熱交換器及び前記第2の熱交換器に流体接続されたコンプレッサであって、前記第2の熱交換器から前記第1の流体を受け取り、前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器に前記第1の流体を引き込むように構成されたコンプレッサを更に含む請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記膨張機が、前記加熱器から前記第2の流体を受けるように構成され、前記第2の流体が前記境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に前記複数のダクト壁を摩擦で引き込むことによって前記境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する複数のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された複数のダクトを含む境界層タービンで、前記複数のダクト壁が、前記複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成されている請求項85に記載の発電システム。
【請求項88】
前記ロータは、電気を発生させるために発電機を駆動し、前記発電機の熱交換器は、前記膨張機から第2の流体を受け取り、前記発電機から熱を引き出すように構成されている請求項85に記載の発電システム。
【請求項89】
第1の流体がアンモニアである請求項85に記載の発電システム。
【請求項90】
第1の流体が、第1の熱交換器において300°Fから400°F~-10°Fから-20°Fまで冷却される請求項89に記載の発電システム。
【請求項91】
第2の流体が二酸化炭素である請求項85に記載の発電システム。
【請求項92】
第1の流体が第1の熱交換器において200℃から400℃の間で冷却され、第2の熱交換器において50℃から100℃の間で加熱される請求項89記載の発電システム。
【請求項93】
前記第1の熱交換器が、前記第1の流体から前記第2の流体へ熱を伝達して、前記第2の流体を実質的に完全に気化させるように構成されている請求項85に記載の発電システム。
【請求項94】
前記ヒーターは、第3の流体を受けて第3の流体から第1の流体へ熱を伝達するように構成された熱交換器を含む請求項85記載の発電システム。
【請求項95】
コンプレッサとポンプが共通の駆動軸を介して膨張機に駆動可能に連結されている請求項86に記載の発電システム。
【請求項96】
前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換器との間に配置され、前記第1の熱交換器から前記第2の熱交換器へ流れる前記第1の流体の圧力を制御する圧力制御弁を更に備える請求項85に記載の発電システム。
【請求項97】
前記圧力制御弁は、前記第2の熱交換器において前記第1の流体の実質的に完全な気化を達成するように前記第1の流体の圧力を制御するように構成される請求項96に記載の発電システム。
【請求項98】
前記圧力制御弁が、第2の熱交換器における第1の流体の実質的に完全な気化を達成するために第1の流体を減圧するように構成される請求項96に記載の発電システム。
【請求項99】
互いに流体的に隔離された第1の流体と第2の流体を用いた発電方法であって、
(a)第1の流体を加熱して、第1の流体を少なくとも部分的に気化させることと、
(b)第1の熱交換器において、第1の流体から第2の流体へ熱を移動させ、第2の流体を少なくとも部分的に気化させることと、
(c)第2の流体を用いてロータを回転駆動し、動力を発生させることと、
(d)第2の熱交換器において、第2の流体から第1の流体に熱を移動させて、第2の流体の凝縮物を生成することと、
(e)ロータを駆動することによって生成された電力を使用して、第2の熱交換器から第1の熱交換器に第2の流体の凝縮物を少なくとも部分的に引き込み、第1の熱交換器から第2の熱交換器に第1の流体を引き込むこと、とを含む発電方法。
【請求項100】
ロータを駆動することによって生成された電力を使用して、第2の流体の凝縮物を少なくとも部分的に第2の熱交換器から第1の熱交換器に引き込み、第1の流体を第1の熱交換器から第2の熱交換器に引き込むことは、
気化のために第2の熱交換器から第1の熱交換器に第2の流体の凝縮物を引き込むために、ロータを使用してポンプを駆動することと、
第1の熱交換器から第2の熱交換器に第1の流体を引き込むために、ロータを用いてコンプレッサを駆動することを含む請求項99に記載の発電方法。
【請求項101】
ロータが膨張機のロータである請求項99に記載の発電方法。
【請求項102】
膨張機が境界層タービンである請求項101に記載の方法。
【請求項103】
ロータを使用して発電機を駆動して発電し、発電機を冷却するために発電機から第2の流体に熱を伝達する請求項99に記載の発電方法。。
【請求項104】
第1の流体がアンモニアである請求項99に記載の方法。
【請求項105】
第1の流体が、第1の熱交換器において、300°F-400°Fの間から-10°Fから-20°Fの間まで冷却される請求項104に記載の方法。
【請求項106】
第2の流体が二酸化炭素である請求項99に記載の方法。
【請求項107】
第1の流体が第1の熱交換器において200℃から400℃の間で冷却され、第2の熱交換器において50℃から100℃の間で加熱される請求項104記載方法。
【請求項108】
ターボマシンであって、
長手方向軸に沿って延伸し、長手方向軸の周りに回転可能な第1の本体と、
長手方向軸に沿って第1の本体と少なくとも部分的に同心円状に延伸し、第1の本体と共通の回転のために結合された第2の本体であって、第1の本体と第2の本体との間に長手方向に延びるダクトを画定するように第1の本体内に少なくとも部分的に配置された第2の本体と、
第1の本体と第2の本体の共通の回転に従って、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受けるように構成された流れ入口であって、流体が第1の本体と第2の本体と摩擦係合して、機械的エネルギーを流体に又は流体から伝達するように構成された流れ入口と、
ダクト内に開口し、第1の本体から半径方向に間隔をあけて配置され、流体の第1の部分を受けて、流体の第2の部分がダクト内に残るようにしながら、流体の第1の部分をダクトから引き出すスロットであって、流体の第1の部分は、流体の第2の部分に対してスロットに向かって遠心方向に引き寄せられることによって、流体の第2の部分から分離されるスロットと、
ダクトから流体の第2の部分を受け、流体の第2の部分をターボマシンから排出するように構成された出口ポートと、を含むターボマシン。
【請求項109】
前記スロットは、前記第2の本体を通って半径方向に延び、前記ダクト内に半径方向に開口する請求項108に記載のターボマシン。
【請求項110】
出口ポートがダクトのスロットの下流にある請求項108に記載のターボマシン。
【請求項111】
流体が多相流体であり、前記第1の部分が前記第2の部分よりも多くの液体を含む請求項108に記載のターボマシン。
【請求項112】
第1の部分が実質的に完全に液体であり、第2の部分が実質的に完全に気体である請求項111に記載のターボマシン。
【請求項113】
前記ダクトが第1のダクトであり、前記スロットが第1のスロットであり、ターボマシンが、
長手方向軸に沿って第2の本体と少なくとも部分的に同心円状に延伸し、第2の本体と共通の回転のために結合された第3の本体で、第2の本体と第3の本体との間に長手方向に延びる第2のダクトを画定するように第2の本体内に少なくとも部分的に配置された第3の本体で、第1のスロットが第1のダクトから第2のダクト内に流体の第1の部分を運ぶために第2のダクト内に開口した第3の本体と、
第2のダクトに開口し、第2の本体から半径方向に間隔を空け、流体の第1の部分の更なる部分を受け、前記流体の更なる部分を第2のダクトから遠心的に引き出す第2のスロットと、を有する請求項108に記載のターボマシン。
【請求項114】
前記第1のスロット及び前記第2のスロットは、前記流体の前記第1の部分の更なる部分が前記第2のスロット内に引き込まれることを可能にするように、互いに長手方向に間隔をあけて配置される請求項113に記載のターボマシン。
【請求項115】
前記第1の本体及び前記第2の本体は、流体の前記第1の本体及び前記第2の本体との摩擦係合によって回転駆動され、前記流体は、前記ダクト内にある間に少なくとも部分的に相変化する請求項108に記載のターボマシン。
【請求項116】
ターボマシンの駆動方法であって、
ターボマシンの入口端部を介して、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクト内で、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受けることと、
流体を第1のダクト壁及び第2のダクト壁に摩擦係合させることと、
第1のダクト壁と第2のダクト壁を流体に従って共通に回転させることと、
ターボマシンの出口端から流体を排出すること、とを含むターボマシンの駆動方法。
【請求項117】
複数のブレードを、第1のダクト及び第2のダクト壁と共通の長手方向軸の周りに回転させることと、
流体をダクトから複数のブレード上に少なくとも部分的に方位角方向に受け、流体を長手方向軸に概ね平行に再配向させる請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【請求項118】
第1のダクト壁と第2のダクト壁とを長手方向軸に沿って片持ち支持するように、第1のダクト壁と第2のダクト壁とを長手方向端部で支持することを更に含む請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【請求項119】
第1のダクト壁及び第2のダクト壁を回転駆動するために、流体の噴流を少なくとも部分的に方位角方向にダクト内に噴出することを更に含む請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【請求項120】
ダクト内で長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角的に流体を受けることは、第1のダクト壁から第2のダクト壁まで半径方向に延びる1つ以上の突出部によって画定されるダクト内のチャネルを通して流体を引き込むことを含む請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【請求項121】
第1のダクト壁が半径方向内側の壁であり、第2のダクト壁が半径方向外側の壁であり、
ダクト内の流体を長手方向軸の周りに方位角方向に引き寄せて、流体の比較的密度の高い部分を長手方向軸から遠心方向に押しやることと、
流体の比較的密度の高い部分を、半径方向内側の壁から半径方向に間隔をあけたスロットを介してダクトから排出すること、と更に含む請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【請求項122】
流体が入口端から出口端に向かって流れるときにダクト内の流体を収縮させることを更に含む請求項116に記載のターボマシンの駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、2021年1月18日に出願された米国仮出願第63138649号、2021年11月17日に出願された米国仮出願第63280396号及び2021年12月3日に出願された米国仮出願第63285575号の利益を主張する。
[0002] 以下の開示は、ターボマシン、ならびにそれを使用して発電するシステム及び方法に関し、特に、流体にエネルギーを抽出及び注入するための境界層ターボマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 境界層ターボマシンには、効率の向上、製造コスト及び保守コストの低減などの利点がある。このようなタービンの効率は、理論的に達成可能なものよりも低い場合があり、製造には比較的高い精度及び/又はコストが必要な場合がある。
[0004] 既存の発電システムでは、環境に対するエネルギーの損失が大きい。例えば、発電システムの作動流体を凝縮するために凝縮器が使用される場合、熱が失われることがある。別の場合では、発電機で熱が失われる場合もあり、その場合、熱の蓄積によって発電機の性能が低下することもある。非効率の低減のために、ヒート・レキュペレータや加熱電力複合(CHP)サイクルが提案されている。
[0005]しかし、様々な難点が以前から認識されている。ヒート・レキュペレータは、すべてのタイプの熱損失に対処するわけではなく、低品位熱用途に共通の領域では効率的に動作しない場合があり、CHPサイクルは、局所環境において加熱の必要性がない場合には有用ではない。
[0006]ポンプ及び/又はコンプレッサなどのターボマシンは、発電システムを通じて作動流体の発電流を確立するために使用し得る。しかし、このようなターボマシンは、発電システムの効率を低下させる寄生負荷の原因となり得る。
[0007]ターボマシンにおける多相流は、そのようなターボマシンの構成部品に過大な構造的負荷を与えり得る。このような負荷による構造的な不良を回避するために、ターボマシンの設計において大きな負担及びコスト上のペナルティが発生し得る。そのため、作動流体は通常、圧縮及び/又はポンピングの前に単相にされる。これによってターボマシンの設計要件は低減されるかもしれないが、完全な相変化の必要性は、熱損失とそれに伴う効率の低下という点で別のペナルティをもたらす。
[0008] 例えば、インデューサ及びスクリューコンプレッサは、流体圧縮のために使用されることがあり、一般に、湾曲したヘリコイドブレードがその上に画定された内側回転インペラを含む静止外側ハウジングを含むことがある。静止外側ハウジングと内側回転インペラとの間には、小さな先端隙間が設けられることがある。いくつかの場合では、先端隙間は、キャビテーションや凝縮が発生しやすい領域となり、構造的に破局的な結果をもたらす可能性がある。静止外側ハウジングは、例えば静止部品と可動部品との接触などによるターボマシンの焼き付きを回避するために、回転インペラなどの可動部品に接触することなくターボマシンを密閉するように構成される場合がある。
[0009] 改善は望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0010] 環境に対する切迫感ある懸念が、エネルギー消費と排出を削減する要求につながっている。
[0011] 発電タービン設備ポンプ/コンプレッサのようなターボマシンに関する排出基準及び効率基準は、例えば温室効果ガス排出の目標を達成するために、急速なペースで引き上げられている。カーボンプライシングは、発電と消費に関して持続可能性の課題に取り組むための強力な市場推進力を導入している。
[0012] 正味の全体的なエネルギー消費は、エネルギーを回収することによって削減され得る。例えば、工業プロセスでは、高温及び/又は高圧の出口流体からエネルギーを回収し得る。ターボ膨張機又はエキスパンションタービンとも呼ばれるレットダウン・膨張機を使用して、高温又は高圧ガスからエネルギーを取り出すことができる。ターボ膨張機は、そこに多相流体を巻き込んだり形成したりすることがある。このような流体は、ターボ膨張機の構造に過度の応力を与える可能性があり、例えば、ブレードベースのターボ膨張機は、ブレードの損傷を避けるために動作範囲が制限されている場合がある。あるいくつかのケースでは、ブレードにキャビテーションが発生することがある。例えば、ターボ膨張機は、天然ガス精製所や酸素製造プラントで採用される場合がある。
[0013] 有機ランキンサイクル(ORC)発電など、環境に優しいエネルギーを生成するための新しいアプローチでは、実現可能であるために高いターボマシン効率が必要になるか、又は他の場所(例えば、下流の炭素捕捉及び隔離システム)におけるコスト増加を相殺するために、より低コストのターボマシンが必要になる場合がある。そのため、すでに高いターボマシンの設計、製造、及び保守に関連するコストは、更に急速に増加し得る。
[0014] 例えば、軸流ターボマシンは、十分に高い効率レベルを達成するために3ステージ以上ステージを有する場合がある。このような各ステージには、相当数の新しい(可動)部品が導入されるため、製造及び保守のコストが上昇する。更に、ターボマシンの改良は、収益が減少する傾向にあり、すなわち、改良のために費やされる資源の増加は、効率及び費用効果の比較的低い増加で報われてきた。
[0015] ターボマシンの改良に関する現在の取り組みは、製造及び保守のコストを低減しながら、一貫して効率を向上させるという長期的な課題に直面している。
[0016] ターボマシン、特にタービンと膨張機の大幅な改善は、長期的な持続可能性にとって不可欠である。
[0017] 境界層効果を利用する接着ベース(又は凝集ベース)のターボマシンは、他のタイプのターボマシンに比べて大幅に効率が高く、可動部品がはるかに少ない状態で動作し得る。
[0018] 境界層ターボマシンの初期のプロトタイプは、テスラタービン(又はポンプ)であった。これは羽根のない求心流タービンであり,流体はタービンをスパイラル状の流路を半径方向内向きに流れる。テスラタービンは非常に頑丈である。しかし、このタービンには欠点もあった。例えば、このようなタービンは出力範囲が比較的限られているため、既存の軸流ターボマシンに対抗して大きな出力レベルまでスケールアップする可能性が制限される場合があった。例えば、回転数を上げると乱流レベルが上昇し、出力流にはまだ抽出可能な残留エネルギーがかなり残っていることが多い。テスラタービンを適応させ、境界層効果を利用して、必要な出力で所望の効率を達成しようとする試みは、数十年にわたって成功しなかった。
[0019] テスラタービンの欠点は、流体が半径方向外向きの位置からタービン出口に向かって半径方向内向きの位置にスパイラル状に移動する際に、流体を制御できないことである。従って、流体がスパイラル状に下降する際の流体全体の流体速度のバランスをとることができない可能性がある。
[0020] 本明細書に開示された態様は、所望の(高い)出力レベルで動作する効率的なターボマシンを提供し得る。例えば、本明細書に開示される態様は、比較的高い効率、穏やかな動作条件、高レベルの頑丈さなどの利点を保持しながら、作動流体から比較的大きな量のエネルギーを抽出する効率的なタービンを提供し得る。いくつかのケースでは、本明細書に開示される態様は、境界層効果によって駆動されるロータを同期させる能力を提供し、例えば、タービンの実施形態では、ロータは正のトルクも生成し得る。
[0021] 本明細書に開示されるターボマシンタービンの様々な実施形態において、境界層効果は、長手方向軸の周りに共通の回転で係合し、その間にダクトを画定する、複数の同心円状に入れ子状に配置された概して管状のロータを駆動するために使用され得る。一般に、ダクトは、境界層効果を効率的に利用するように寸法決めされるか、又は適合させ得る。例えば、いくつかのケースでは、ダクト(半径方向)の幅は、その中の境界層の厚さを参照して寸法決めされることがある。
[0022] いくつかの実施形態では、作動流体のジェットは、複数のダクトの長手方向端部において長手方向軸の周りに(の?)ノズルを介して方位角方向に噴射され、長手方向軸の周りで回転中のロータを「引きずる」ようにしてもよい。このように噴射されたジェットは、作動流体を、ロータと一体的に形成された複数のブレードを含むダクトの対向する長手方向端部に向かってヘリカル状の経路でダクトの周りをスパイラル状に回転させることがある。流体噴流は、隣接するダクトの一部に対して向けられ、隣接するダクトの間に流体軸受シールを形成し得る。
[0023] いくつかの実施形態では、流体は、管状ロータからの所望の挙動を促すような方法でダクトに入ることもある。例えば、ノズルは、管状ロータからの正のトルク生成を達成するために、流入ジェットの向き、速度、圧力を変化させることができ、管状ロータのいずれかが、流れる流体を介して発電する代わりに、流体を汲み上げるために動力を消費するのを防止することもある。ダクトの幅と長さは、正のトルク生成を達成するために変化させ得る。
[0024]各ダクトは、境界層ターボマシンの利点を維持しながら流体から残留エネルギーを抽出するために、例えばダクト内の流れを部分的に妨害する複数のブレードを有していてもよい。複数のブレードは、部分的に方位角方向に整列した作動流体を受け入れて、そこから更にエネルギーを抽出し、流れを長手方向軸により再整列させるように配向させてもよい。複数のブレードの下流に配置された軸流タービンステージを使用して、作動流体からより多くのエネルギーを抽出してもよい。
[0025] ダクト(半径方向)幅に比べて噴出口及び複数のブレードのサイズが比較的大きいことが、製造可能性、コスト、質量流量、及び/又は流体挙動のために望ましい場合がある。いくつかの態様では、ダクトは、上流側及び下流側の端部において滑らかにテーパが付けられ、ジェット及びブレード部分をダクトの接着接着部分と効率的に合流させるそれぞれの収束及び発散流ゾーン(それぞれ、制限及び拡大)を画定し得る。このようなゾーンは、流体力学的な利点を提供することがある。
[0026] 本明細書に開示された構成は、高効率をもたらし、より穏やかな動作条件を可能にし、可動部品の数を減らすことができる。全体として、低コストとエネルギー消費の低減が達成されり得る。
[0027] 本明細書に開示される態様は、ブレードと接触する前に作動流体からエネルギーを抽出する延伸する接着部を採用することによって、膨張タービンのブレードの壊滅的な損傷を防止し得る。
[0028] 本明細書に開示される態様は、ターボマシンの限界に対処し、特にガスタービン、ジェットエンジン及びテスラ型境界層機械に典型的な構成において、他のターボマシンの効率を上回る効率を提供し得る。本明細書に開示される実施形態は、有機ランキンサイクル(ORC)タービン発電機に特に好適であり得、特に、入口流体が、ターボマシンを横切って少なくとも部分的な相変化を受けるように構成された高温加圧超臨界流体である場合に好適である。
[0029] いくつかの態様において、本明細書に開示されるターボマシンは、非常に高い回転速度によって生成される応力条件下で正確な形状を維持することができ、高温下での材料の熱成長に対応することができ、ディスク型境界タービンの既知の欠陥である材料の反りを克服し得ることによって、先行するターボマシンを凌駕し得る。このようなターボマシンは、従来のタービン(半径方向流入又は軸方向)のような膨張特性と、テスラディスクタービンのような接着特性を持つ表面との組み合わせに基づいて作動し得る。
[0030] その他の利点としては、従来のタービン設計に固有の鍛造品、鋳造品、及び多軸機械加工作業の必要性を排除すること、低い製造コストを提供しながらも高い耐久性、信頼性を維持し、効率を向上させること、新しい材料及び製造方法-高温プラスチック及び複合材料、炭素繊維、3D印刷部品-を利用すること、及び管の長さを調整する能力により全体的な効率を向上させ、それによって作動流体の滞留時間を増加させ、対応するエネルギー抽出/回収を増加させることが挙げられる。
[0031] 同様に、本明細書で開示される態様は、コンプレッサの出口損失とタービンの入口損失を排除し、コンプレッサの入口損失を低減し、「流体軸受」と外部シャフト軸受、及び長さに沿って異なる位置で管アセンブリの外側を支持する縦方向キャリア軸受を利用することによって、非常に高い回転速度を可能にし得る。例えば、管は、片持ち梁状にされ、管の端部を受けるように構成された加圧スロットを介して流体軸受効果が達成され得る全体的に加圧された環境に保持しされ得る。
[0032] いくつかの実施形態では、タービンの管型構造内の管は、「高温」端部に流体軸受を設け、長さ方向に沿って長手方向軸受を設け得る。外付けの「クール」端部軸受により、非常に高い温度と回転速度に耐え得る比較的丈夫で耐久性のある回転アセンブリを実現し得る。このようなアセンブリは、気相流体から完全な液体まで、またその中間の任意の組み合わせまで、汚れた又は汚染された作動流体に適応し得る。
[0033] より高い効率は、より緩やかな運転条件下で、より高い実現可能な出力を可能にし得る。いくつかの態様では、構成部品のより低い回転数/分(RPM)が可能であるかもしれない。セラミックボール軸受は、高出力運転には不適切な回転部品を支持するために使用される。
[0034]一態様では、本開示は、入口端部を介して流体を受け、出口端部を介して流体を排出するように構成された境界層ターボマシンであって、以下を備える境界層ターボマシンについて記載する。すなわち、境界層ターボマシンは、入口端部から出口端部に向かって流体を運ぶために、入口端部と出口端部との間で境界層ターボマシンの長手方向軸の周りに同心円状に配置された複数のダクトで、手方向軸の周りに回転するように構成された対応するダクト壁によって少なくとも部分的に画定された複数のダクトと、入口端部に配置され、複数のダクトのダクト壁の回転に従って出口端部に向かって長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に複数のダクトに流体を受けるように構成された1つ以上の流れ入口で、流体が、複数のダクト内を流れる流体に又は流体から機械的エネルギーを伝達するためにダクト壁と摩擦係合する、1つ以上の流れ入口とを備える。
[0035]コストと排出量を削減するために、発電のエネルギー効率を高めることがますます重視されている。例えば、発電システムの効率向上と、低品位熱を利用可能な電力に変換するなどして工業プロセスからの熱損失を低減するという2つのアプローチがある。ORCシステムは、低品位熱を利用する方法の一つとして提案されている。しかし、多くの場合、このようなシステムは非効率で高価である。例えば、ORCシステムでは、作動流体をサイクル中に凝縮させる必要があるため、エネルギーが失われ得る。
[0036] 直列に配置された複数の境界層タービンを使用し、その間に可能なタービンステージを設けることで、別個の凝縮器の必要性をなくすことができることが分かった。例えば、これらの境界層タービンのうちの1つ以上は、作動流体、例えばプロパンを液化するために低品位の熱を抽出し得る。
[0037] 更に、このような構成を使用することにより、作動流体を十分に低温にし、発電機などの下流の構成要素の冷却材として機能させ、(予熱により)環境への熱損失を更に低減できることが見出された。最後に、作動流体によって達成される低温は、非常に低品位の熱源からの熱の伝達を可能にし得る。例えば、いくつかの実施形態では、海水からの熱をエネルギーのために採取し得る。
[0038] いくつかの態様では、発電するために少なくとも部分的に相変化するように構成された作動流体を使用して発電する方法であって、以下を含む方法が開示される。即ち、凝縮物に熱を与え、凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こし、作動流体を生成することと、半径方向に分離されたダクト壁の間で長手方向に延びるダクト内に少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受けることと、ダクト壁とダクト内の作動流体との摩擦係合を介して半径方向に分離されたダクト壁のダクト壁を回転可能に駆動し、作動流体とエネルギーを交換し、作動流体の凝縮を引き起こし、凝縮物を生成することとを含む。
[0039] いくつかの更なる態様では、発電システムが開示され、以下が含まれる。すなわち、凝縮物に熱を伝達して、少なくとも部分的に気化された流体を生成するための加熱器と、加熱器から流体を受けるように構成され、流体が第1のダクト壁を第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能な回転をするように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された第1の複数のダクトを含む第1の境界層タービンで、第1のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成された第1の境界層タービンと、第1の境界層タービンに連結され、第1の境界層タービンから流体を受け、流体からエネルギーを抽出する軸流タービンと、軸流タービンに連結され、軸流タービンから第2の境界層タービンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受ける第2の境界層タービンで、第2の複数のダクトは、流体が第2のダクト壁を第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定され、第2のダクト壁は、第2の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達して流体を凝縮させ、加熱器のための凝縮物を生成するように構成された第2の境界層タービンとを含む。
[0040] 更なる態様では、以下を含む発電システムが開示されている。すなわち、凝縮物に熱を伝達して、少なくとも部分的に気化された流体を生成するための加熱器と、加熱器から流体を受け取るように構成され、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに第1のダクト壁を少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込む流体によって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定された第1の複数のダクトを含む第1の境界層タービンで、第1のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成された第1の境界層タービンと、第1の境界層タービンから間隔をあけて配置かつ結合され、第1の境界層タービンから、第2の境界層タービンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受け、第2の複数のダクトは、流体が第2のダクト壁を第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、第2の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定され、第2のダクト壁は、第2の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達して流体を凝縮させ、加熱器のための凝縮物を生成するように構成される第2の境界層タービンを含む。
[0041] 発電における蒸気圧縮及び液体ポンピングは、発電システムにおける寄生負荷の重要な原因であり得る。このような寄生負荷は、発電効率を低下させ、温室効果ガスの排出削減に重要な発電システムの実行可能性に影響を及ぼす可能性がある。例えば、低品位熱源からエネルギーを取り出すように構成された発電システムは、十分な純発電量を達成するために高い効率を必要とする場合がある。いくつかのケースでは、低品位熱源には海水が含まれる。
[0042] 多相圧縮及び/又はポンピング用に構成された境界層ターボマシンを使用することによって、圧縮及び/又はポンピングが効率的に達成され得ることが見出された。いくつかのケースでは、このような境界層ターボマシンは、エネルギー抽出のためにも構成されることがある。例えば、エネルギー抽出と圧縮(及び/又はポンプ)とが、境界層ターボマシンの同じダクト内で順番に行われる場合がある。
[0043]いくつかのケースでは、境界層ターボマシンは、長手方向軸に沿って延伸し、周方向に取り囲み、長手方向軸の周りに同心円状に配置された、長手方向軸を中心とする共通の回転のための複数の結合体から構成される。円筒体は、その間に複数の(延伸する)環状体を画定してもよく、環状体の各々は、その中に配置された対応する突出部を有する。突出部は、長手方向軸の周りに、長手方向軸に沿ってスパイラル状に延びて、作動流体をそれぞれの環状体の中に引き込むことができる。
[0044] いくつかの態様において、本開示は、発電するために相変化するように構成された作動流体を使用して発電する方法であって、以下を含む方法を説明する。すなわち、凝縮物に熱を与えて凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こし、作動流体を生成することと、タービンロータのブレード上で作動流体を受け取り、タービンロータを駆動可能に回転させて、シャフト動力を生成することと、タービンロータから少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクトに受け、第1のダクト壁及び第2のダクト壁は、長手方向軸の周りに周方向に延び、長手方向軸に沿って延伸し、第1のダクト壁は、第2のダクト壁から半径方向に離間していることと、第1のダクト壁と第2のダクト壁とをダクト内の作動流体と摩擦係合させて回転駆動し、作動流体とエネルギーを交換して作動流体の凝縮を引き起こし、凝縮物を生成すること、とを含む。
[0045] 別の態様において、本開示は、発電するためのシステムについて記載しており、以下のものを含む。すなわち、凝縮物に熱を伝達し、少なくとも部分的に気化された流体を生成するための加熱器と、加熱器から流体を受けるように構成され、流体が第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に第1の複数のダクト壁を摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する複数の第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定される第1の複数のダクトを含む第1の境界層タービンで、第1の複数のダクト壁は、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成された第1の境界層タービンと、前記第1の境界層タービンに連結され、前記第1の境界層タービンから流体を受け取り、前記流体からエネルギーを抽出する軸流タービンと、軸流タービンに連結され、軸流タービンから第2の境界層ターボマシンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受け入れる第2の境界層ターボマシンで、第2の複数のダクトは、流体と摩擦係合し第2の境界層ターボマシンの長手方向軸を中心として駆動可能に回転するように構成され対応する複数の第2のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定され、第2の複数のダクト壁は、第2の複数のダクト内を流れる流体に又は流体からエネルギーを伝達し、流体を凝縮させ、ヒーター用の凝縮物を生成するように構成される第2の境界層ターボマシンを含む。
[0046] 更に別の態様において、本開示は、発電するためのシステムであって、以下を含むシステムを説明する。すなわち、凝縮物に熱を伝達して、少なくとも部分的に気化された流体を生成するための加熱器と;加熱器から流体を受け取るように構成され、流体が第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に第1のダクト壁を摩擦で引き込むことによって、第1の境界層タービンの長手方向軸の周りに駆動可能に回転するように構成された対応する第1のダクト壁によって、少なくとも部分的に画定される第1の複数のダクトを含む第1の境界層タービンで、第1のダクト壁が、第1の複数のダクト内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成された第1の境界層タービンと;第1の境界層タービンから間隔をあけ第1の境界層タービンに結合され、第1の境界層タービンから第2の境界層ターボマシンを少なくとも部分的に画定する第2の複数のダクトに流体を受け入れる第2の境界層ターボマシンで、第2の複数のダクトは、流体と摩擦係合し、第2の境界層ターボマシンの長手方向軸を中心に駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって少なくとも部分的に画定され、第2のダクト壁は、第2の複数のダクト内を流れる流体に又は流体からエネルギーを伝達し流体を凝縮させ、ヒーター用の凝縮物を生成するように構成された第2の境界層タービンを含む。
[0047] 更なる態様において、本開示は、以下を含むターボマシンについて記載する。すなわち、長手方向軸に沿って延伸し、長手方向軸の周りに回転可能な第1の本体と、長手方向軸に沿って第1の本体と少なくとも部分的に同心円状に延伸した、第1の本体と共通の回転のために結合された第2の本体であって、第1の本体と第2の本体との間に長手方向に延びるダクトを画定するように第1の本体内に少なくとも部分的に配置された第2の本体と;第1の本体と第2の本体の共通の回転に従って、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受け入れるように構成された流れ入口であって、流体は、第1の本体と第2の本体と摩擦係合して、機械的エネルギーを流体に、又は流体から伝達するように構成された流れ入口と;第1の本体上の1つ以上の突出部が、少なくとも部分的にダクトに沿って長手方向に延び、ダクト内で第2の本体に向かって半径方向に延びて、ダクト内に流路を画定し、チャネルは、流れ入口から流体を受け取ってダクト内に引き込むように構成された一以上の突起部と、を含む。
[0048] いくつかのケースでは、低品位熱源からは限られた量のエネルギーしか取り出せない。低品位熱源には海水が含まれる。低品位熱源から効率的なエネルギー抽出を実現すれば、クリーンで安価な豊富なエネルギーが得られ得る。例えば、化石燃料の燃焼を避け得る。
[0049] 低品位の熱源からエネルギーを抽出する際の課題は、そのような熱源からエネルギーを受け取るのに適した流体は、特に膨張機や他のターボマシンを使用することによってエネルギーを供給する(又はそこからエネルギーを抽出させる)のに適していない可能性が高いということである。
[0050] この課題は、低品位熱源からエネルギーを受け取るための第1の流体と、エネルギーを供給する(すなわち、エネルギーを抽出する)ための第2の流体という、2つの流体を使用することによって克服し得る。第一の流体と第二の流体は、互いに流体的に隔離されていてもよいが、第一の流体と第二の流体との間の熱交換を可能にする1つ以上の熱交換器を介してエネルギー連通状態にし得る。
[0051] アンモニアは、低品位の熱源からエネルギーを受け取る(又はそれによって加熱される)のに特に有利であることが見出された。アンモニアは沸点が比較的低いため、極低温サイクルの一部として運転することができ、常温又は室温の流体などの低品位の熱源からエネルギーを取り出すのに適している。更に、アンモニアは、温度及び/又は圧力の比較的小さな変化に対して、比較的大きなエンタルピーを得るのに適している。その結果、単位質量当たりのエンタルピー容量が大きいため、エネルギーを受け取るために使用するアンモニアの質量(したがって、体積)を小さくし得る。その結果、ポンピング要件及び関連コストが減少し得る。いくつかのケースでは、二酸化炭素やエタンなどの他の流体と比較して、アンモニアを使用することにより、低品位熱源からの熱の再利用又は回収に関して、大幅な効率向上が実現され得る。
[0052]しかしながら、低品位熱源からエネルギーを吸収した後にアンモニアからエネルギーを抽出することは、困難である場合がある。アンモニアは、復熱流体としての利点を与えた上述のアンモニアの特性のために、膨張機の作動流体としては不適当であるか、又は実行不可能である。アンモニアから効率的かつ効果的にエネルギーを抽出するためには、過度に大型の装置が必要となる場合がある。
[0053] 膨張機の作動流体として使用する前の中間段階で、アンモニア中のエネルギーを吸収するために、そこからエネルギーを抽出するのに適した別の流体を使用し得る。
[0054] 作動流体としての二酸化炭素は、ターボマシンを介した効率的かつ効果的なエネルギーの抽出を可能にする。例えば、二酸化炭素は、メタンのような流体とは異なり、1:1の温室効果を有し、可燃性又は引火性ではなく、低温相変化により低温及び圧力で効果的な運転を提供する。極低温又は極低温に近いサイクルでは、作動流体として少なくとも部分的に二酸化炭素を使用し得る。
[0055] このように、2つの別個の分離された流体を使用することにより、低品位熱の効果的な吸収と、境界層タービンのような膨張機の効率的な運転が可能になることが見出された。アンモニアと二酸化炭素の組は特に有利であることが判明した。アンモニアは、低品位熱源から熱を吸収するために使用することができ、その後、熱交換器を通過させて熱を二酸化炭素に移動させ、その後、膨張機に供給し得る。
[0056] 1つの態様において、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用した発電システムが開示され、このシステムは以下を含む:すなわち、第1の流体を少なくとも部分的に気化させるために第1の流体に熱を伝えるように構成されたヒーターと、ヒーターに流体的に接続されてヒーターから第1の流体を受け取る第1の熱交換器であって、第1の熱交換器が第1の流体から第2の流体に熱を伝達して第2の流体を少なくとも部分的に気化させするように構成された第1の熱交換器と、第1の熱交換器に流体的に接続されて第1の熱交換器から第2の流体を受け取り、第2の流体を使用して膨張機のロータを回転駆動するように構成された膨張機と、膨張機に流体接続されて膨張機から第2の流体を受け取り、第1の熱交換器に流体接続されて第1の熱交換器から第1の流体を受け取る第2の熱交換器であって、第2の流体から第1の流体に熱を伝達することによって第2の流体の凝縮物を生成するように構成された第2の熱交換器とを含む。
[0057] 更に他の更なる態様において、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用して発電する方法が開示され、この方法は以下を含む。すなわち、(a)第1の流体を加熱して、第1の流体を少なくとも部分的に気化させることと、(b)第1の熱交換器において、第1の流体から第2の流体へ熱を伝達して、第2の流体を少なくとも部分的に気化させることと、(c)第2の流体を使用してロータを回転駆動し、発電することと、及び(d)第2の熱交換器において、第2の流体から第1の流体へ熱を伝達して、第2の流体の凝縮物を生成する工程とを含む。
[0058] 境界層ターボマシンの利点には、多相流体で動作する能力が含まれる場合がある。例えば、作動流体は沸点の近くで作動し、したがって境界層ターボマシン内で相変化し得る。いくつかのケースでは、作動流体の液相を境界層ターボマシンから抽出することが望まれ、これには、境界層ターボマシンのダクト内で形成される液相を抽出することが含まれる。このような抽出は、境界層ターボマシンの構造的負荷及び疲労を低減し、効率を向上させ得る。例えば、より低い割合の液相でワークが抽出され、多相作業流体を液化するために費やされるエネルギーが低減され得る。
[0059] 境界層ターボマシンのダクトの(共通の)回転に関連する遠心効果を利用することによって、境界層ターボマシンから液相を抽出してもよいことが見出された。遠心分離は、液相(又は他の重い相)をブリードするためのスロットをダクト壁に供給することによって達成し得る。
[0060] いくつかのケースでは、作動流体の気相成分からの液体の分離は、遠心分離器/液体ノックアウトと同様に、境界層ターボマシンの長さの下の点又は複数の点で液体が出るようにすることによって達成し得る。
[0061] 液相と気相が境界層ターボマシン内を一緒に移動するので、液相と気相を分離することにより、作動流体中に存在する相とそれらの特性に基づいて、羽根、突起、リブ、ブレード、翼、及び他の特徴を構成又は適合させ得る。例えば、リブや突出及びダクト壁の一部は、液相からより多くのワークを引き出すためにテクスチャ加工が施され、ダクトの別の部分は、作動流体の気相からより多くのワークを取り除くために接着性を高めるために滑らかなままであってもよい。
[0062] 一態様では、ターボマシンが開示され、以下が含まれる:すなわち、長手方向軸に沿って延伸し、長手方向軸の周りに回転可能な第1の本体と、長手方向軸に沿って第1の本体と少なくとも部分的に同心円状に延伸し、共通の回転のために第1の本体と結合された第2の本体であって、第1の本体と第2の本体との間に長手方向に延びるダクトを画定するように第1の本体内に少なくとも部分的に配置された第2の本体と、第1の本体と第2の本体との共通の回転に従って、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受け入れるように構成された流れ入口であって、流体が第1の本体及び第2の本体と摩擦係合して、機械的エネルギーを流体に又は流体から伝達するように構成された流れ入口と、ダクト内に開口し、第1の本体から半径方向に間隔をあけて配置され、流体の第1の部分を受け入れ、流体の第1の部分をダクトから引き出す一方で、流体の第2の部分をダクト内に残すことを可能にするスロットであって、流体の第1の部分は、流体の第2の部分に対してスロットに向かって遠心的に引き寄せられることによって流体の第2の部分から分離されるスロットと、流体の第2の部分をダクトから受け入れターボマシンから流体の第2の部分を排出するように構成された出口ポートとを含む。
[0063] 更に更なる態様では、ターボマシンを動作させる方法であって、以下を含む:すなわち、ターボマシンの入口端部を介して、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクト内で、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受けることと、流体を第1のダクト壁及び第2のダクト壁と摩擦係合させることと、流体にしたがって、第1のダクト壁及び第2のダクト壁を共通して回転させることと、ターボマシンの出口端部を介して流体を排出することと、を含む。
[0064] 様々な実施形態は、上述した特徴の組み合わせを含んでもよい。
[0065] 本出願の主題についてのこれら及び他の態様の更なる詳細は、以下に含まれる詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】
図1Aは、例示的な境界層ターボマシンの背面立面図である。
図1Bは、境界層ターボマシンの前面立面図である。
図1Cは、境界層ターボマシンの斜視図である。
【
図2】
図1Bの参照線2-2に沿った境界層ターボマシンの断面図である。
【
図3】
図3Aは、複数の管によって少なくとも部分的に画定された境界層ターボマシンの複数のロータの分解斜視図である。
図3Bは、複数のロータの正面立面図である。
【
図4】境界層ターボマシンのヘッダーブロックに結合された軸方向タービンステージ及び複数の管の概略分解斜視図である。
【
図5】
図5Aは、ヘッダーブロックに結合された複数の管であり、概略的な流れ方向を示す。
図5Bは、
図5Aの領域5B-1及び5B-2の拡大図である。
図5Cは、
図5Aの領域5Cの拡大図である。
【
図6】
図6Aは、
図2における領域6Aの拡大図であり、概略的な流れ方向を示す。
図6Bは、概略的な流れ方向を示す、
図2中の領域6Bの拡大図である。
図6Cは、概略的な流れ方向を示す、
図2中の領域6Cの拡大図である。
【
図7】例示的な境界層ターボマシンの複数のダクトの例示的なダクト内の速度等高線及び流線を示す斜視図である。
【
図8】例示的なダクト内の圧力等高線の斜視図である。
【
図9】
図9は、例示的なダクト内の温度等高線の斜視図である。
【
図10】
図10Aは、例示的なダクトの1つにおける速度等高線及び流線の拡大斜視図である。
図10Bは、例示的なダクト内の圧力等高線の拡大斜視図である。
図10Cは、例示的なダクト内の温度等高線の拡大斜視図である。
【
図11】
図11は、境界層ターボマシンの例示的なノズルの外側の速度流線の斜視図である。
【
図12】
図12は、実施形態に従った、発電用システムの概略ブロック図である。
【
図13】
図13は、別の実施形態に従った、発電用システムの概略ブロック図である。
【
図14】
図14は、更に別の実施形態に従った、発電用システムの概略ブロック図である。
【
図16】
図16Aは、実施形態に従った、
図14のシステムの斜視図である。
図16Bは、
図16Aのシステムの断面図である。
図16Cは、
図16Aのシステムの部分拡大断面図である。
図16Dは、実施形態に従った、管のダクト壁、ヘッダーブロック及びヘッダプレートを含むヘッダ部を示すために外側ハウジングが取り外された、境界層タービンの内部斜視図である。
図16Eは、実施形態に従った、
図16Dの境界層タービンの内部側面の立面図である。
図16Fは、実施形態に従った、ヘッダーブロックと管との間のクリアランスを示す、
図16Eの境界層タービンの内部側面の立面図の拡大図である。
図16Gは、実施形態に従った、
図16Dの境界層タービンのヘッダーブロックと隣接する管の拡大斜視図である。
図16Hは、実施形態に従った、ヘッダーブロック及び
図16Dの境界層タービンの隣接管の内部斜視図であり、ヘッダーブロックに形成された内部チャネルを示すためにヘッダーブロックの外側ハウジングが省略されている。
図16Iは、実施形態に従った、
図16Hの境界層タービンのヘッダーブロック及び隣接管の内部側立面図である。
【
図17】
図17Aは、実施形態に従った、長手方向軸に平行なダクトの概略断面図である。
図17Bは、実施形態に従った、第1の長手方向位置における
図17Aのダクトの概略半径方向断面である。
図17Cは、実施形態に従った、第2の長手方向位置における
図17Aのダクトの概略半径方向断面図である。
【
図18】
図18は、発電のために相変化するように構成された作動流体を使用して発電する例示的な方法のフローチャートである。
【
図19】
図19は、実施形態に従った、発電システムの概略ブロック図である。
【
図22】
図22Aは、実施形態に従った、境界層ポンプタービンの斜視図である。
図22Bは、実施形態に従った、境界層ポンプタービンの長手方向軸に垂直な境界層ポンプタービンの断面図である。
図22Cは、
図22Bの領域22Cの拡大図である。
【
図23】
図23は、境界層ポンプタービンのハウジング2212が図示されていない、
図22A~22Cの境界層ポンプタービンの側面立面図である。
【
図24】
図24は、実施形態に従った、境界層ポンプタービンの本体の分解斜視図である。
【
図26】
図26は、別の実施形態に従った本体の側面立面図である。
【
図27】
図27は、更に別の実施形態に従った、本体の側面立面図である。
【
図28】
図28は、更に別の実施形態に従った本体の側面立面図である。
【
図29】
図29は、発電するために、少なくとも部分的に相変化するように構成された作動流体を使用して発電する例示的な方法のフローチャートである。
【
図30】
図30は、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用して発電するシステムの概略ブロック図である。
【
図31】
図31は、実施形態に従った、境界層ターボマシンを使用するシステムの斜視図である。
【
図33】
図33は、実施形態に従った、スロットを有する境界層ターボマシンの断面図である。
【
図34】
図34は、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用して発電するための例示的な方法のフローチャートである。
【
図35】
図35は、ターボマシンを動作させる例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[00128] 以下の開示は、ターボマシン、特に境界層ターボマシンに関する。いくつかの実施形態において、本明細書に開示されるアセンブリ及び方法は、既存のタービンと比較して、より効率的なシャフト動力の生成を促進し得る。
[00129] 境界層ターボマシンは、境界層効果に基づいて動作し、移動表面に最も近い流体の層は、(滑り止め条件により)表面と共に移動するように強制される。)表面に対する流体の流れが確立されると、表面に力が加わる。境界層ターボマシンは、他のタイプのターボマシンよりも効率的であり得る。様々な実施形態において、境界層ターボマシンは20%以上又は40%以上効率が高い可能性がある。更に、境界層ターボマシンは、より少ない部品又はより少ない「可動部品」から構成される可能性があり、したがって、建設、修理、及び保守がより容易かつ安価であり得る。
[00130] いくつかのケースでは、例示的な境界層タービンは、ランキンサイクル、例えば有機ランキンサイクル(ORC)、又は(高密度の)超臨界流体が使用される熱力学サイクルに基づくシステムから所望の効率を達成するために特に有用である。様々な実施形態において、タービンの作動流体は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、又はイソブタン、ペンタン、プロパン、超臨界(過熱)CO
2などの炭化水素であってもよい。
[00131]例示的な境界層ターボマシンでは、ドラム又は管は、流体がその外面を通過して長軸の周りに方位角方向に流れることによって、その長軸の周りに回転するようにし得る。境界層はドラム表面上に形成され、運動量シンクとして作用し、回転エネルギーの形で流体からドラムへのエネルギーの伝達を引き起こす。ドラム上のこのような流体の流れは、一般に半径方向に広がりを持つことがあり、流れの半径方向内側の端部がドラムにエネルギーを伝達する。流体の流れの他の(より半径方向に離れた)部分からエネルギーを取り出すことが望ましい。
[00132] 元のドラムを、流体の流れに接触する内面を有するより大きなドラム内に、軸方向に整列させて固定することにより、流体の流れから追加のエネルギーを取り出すことができる。この場合、運動量も流体の流れの半径方向外側端部で取り出すことができる。このような態様において、複数のドラムは、ドラムを駆動するためにそこに(方位角的に)流体を注入するための複数の流体流路(ダクト又は少なくとも部分的に閉鎖された管路)を画定するために、互いに内側に配置され、かつ互いに整列していてもよい。ドラムは、例えば、エンドプレート232又は回転ヘッドを使用して交差結合されることによって、共通の回転において強制され得る。様々な実施形態において、流路からの出口流体の流れは、依然として、方位角成分又は有意な方位角成分を含んでいてもよい。様々な実施形態において、ドラムのエンドプレート232とは反対側の端部は、回転を可能にし、ドラムと他の構成要素との接触を防止するために、境界層ターボマシンに組み込まれた流体軸受によって支持されてもよく、例えば、流体軸受は、加圧された作動流体を保持する開放端部キャビティであってもよく、したがって、追加の構成要素を必要としなくてもよい。
[00133] 様々な実施形態において、流路の数、長さ、及び/又は平均半径を増加させることは、流体流からのエネルギー抽出を増加させ得ることが見出される。いくつかの実施形態では、流路の数、長さ、及び/又は平均半径を任意に増加させても、流体流からのエネルギー抽出が相応に増加しない場合があることが見出される。いくつかの実施形態では、エネルギー抽出は、ある点を超えると減少し得る。例えば、いくつかの流路を介して抽出されたエネルギーが、ポンプとして他の流路を駆動するために使用される場合があることが見出される。
[00134] 境界層ターボマシンに適合する追加のタービンステージを配置することによって、流体流れから抽出されるエネルギーを増加させてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、方位角方向に向いた流体流を受けるように配向された複数のブレードが、境界層タービンの接着面の下流に配置される。複数のブレードは、共通の回転のために、接着面と一体的に(例えば、それと一体構造で)形成されてもよく、それによって、可動部品の数を減らし、境界層タービンの利点を保持する。いくつかの実施形態では、複数のブレードは、接着面の下流端部分に構造を付加的に「成長」させることによって製造され、その下流端部で、流路の内部に配置される。いくつかの実施形態では、追加のタービンステージを更に下流側に配置し得る。例えば、軸流衝動タービンステージ又は反動タービンステージを複数のブレードの下流に配置し得る。軸流タービンステージは、複数のブレードから流れ出る流体の流れに適合し得る。軸方向タービンのブレードは、複数のブレードから軸方向に向いた流れを受けるように方向付けられてもよい。
[00135] いくつかの実施形態では、付加的な効率は、より低い回転数、温度、及び/又は圧力など、より機械的に負担の少ない(又はより穏やかな)条件下で、境界層タービンから所望の出力を達成することを容易にし得る。したがって、例示的な境界層タービンは、建設、修理、及び保守が容易かつ安価になり得る。いくつかのケースでは、低い回転数は、境界層タービンのシャフト(動力シャフト)を支持するための接触軸受、例えばセラミックボールベアリングの使用に適合し得る。いくつかの実施形態では、境界層タービンは、例えば高回転数用途向けに構成された(分離又は閉鎖された)加圧油圧軸受がなくても作動可能である場合がある。一部の実施形態では、材料の反りを低減し得る。
[00136] 様々な実施形態において、例示的な境界層ターボマシンは、20,000RPMと100,000RPMとの間、又は2,000RPMと20,000RPMとの間で動作し得る。いくつかの実施形態では、境界層タービンは、より低い回転数に起因するなどして、より低い全体温度、例えば75℃と1000℃の間で動作し得る。いくつかの実施形態では、加圧された(作動)流体は、50℃から1000℃の間の温度及び50psiから10,000psiの間の圧力で境界層ターボマシンに入得る。いくつかの実施形態では、(作動)流体は、1℃~500℃の間の温度及び0psi~2000psiの間の圧力で境界層ターボマシンを出得る。
[00137] いくつかの実施形態では、境界層ターボマシンは、比較的低温の流体からエネルギーを抽出するために使用し得る。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシンは、50℃未満の作動流体を受け取り、50℃未満の作動流体を発行し得る。例えば、作動流体は、境界層ターボマシンに導入される際には室温付近であり、そこから排出される際には(更に)サブクールされる。
[00138] いくつかの実施形態では、作動流体は、例えば液圧ポンプ及びモータのいくつかの実施形態では、単相(液体又は気体)のままであってもよい。様々な実施形態において、作動流体は、境界層ターボマシンの入口から出口まで少なくとも部分的な(いくつかのケースでは全体的な)相変化を受けるように構成されてもよく、これにより、より大きなエネルギー伝達がもたらされ得る。いくつかの実施形態では、入口における作動流体は液体又は(相対的に密度の高い)超臨界流体であり、出口では気体又は(相対的に密度の低い)超臨界流体である場合がある。
[00139]例示的な境界層タービンは、本明細書において、例えば上記で言及したように議論される。境界層ターボマシンは、タービンだけでなく、ポンプ、コンプレッサ、及び動力が流体とシャフトとの間(へ又はシャフトから)で伝達される他のターボマシンを含み得ることが理解される。例えば、いくつかの実施形態では、ポンプは、(タービンと比較して)反対方向の回転、及び/又はブレード及び軸流ステージの構成の変更を伴う場合がある。
[00140] 次に、図を参照して様々な実施形態の態様を説明する。
[00141]
図1A~1Cは、例示的な境界層ターボマシン100の様々な図である。境界層ターボマシン100は、流体112とシャフト110との間で動力を伝達するためにシャフト110と結合し得る。
[00142]
図1Aは、境界層ターボマシン100の背面図である。
図1Bは、正面図である。
図1Cは斜視図である。
[00143] 例えば、境界層ターボマシン100は、流体112が作動流体であり、長手方向軸102の周りにシャフト110を回転駆動させるためのエネルギーがそこから取り出される境界層タービンであってもよい。境界層タービンは、作動流体からシャフト110に動力を伝達してシャフト動力を生成する。いくつかの実施形態では、シャフトは直径約1インチを有し得る。いくつかの実施形態では、シャフトの直径は、構造的要件及びシャフト110によって伝達される動力によって、0.25インチ~8インチ~10インチの範囲であってもよい。
[00144]流体は、一般に、境界層ターボマシン100を通って、長手方向軸102に沿って長手方向に(長手方向106に)及び方位角に、長手方向軸102の周りに側方に配向された方位角方向104に流れ得る。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシン100は、境界層コンプレッサ又はポンプであり得ると考えられる。
[00145] 流体は、境界層ターボマシン100の上流端部に位置する入口ポート114を介して境界層ターボマシン100に受けられ、続いて境界層ターボマシン100の下流端部に位置する出口ポート116を介して排出される。
[00146] 境界層タービンの様々な実施形態では、入口ポート114の流体は、出口ポート116の流体よりも高圧及び/又は高温である場合がある。いくつかの実施形態では、流体は、境界層ターボマシン100を横切って相転移を起こし、流体と境界層ターボマシン100との間のエネルギーの伝達を強化し得る。いくつかの実施形態では、入口ポート114における流体は、加圧され、より高密度の超臨界状態又は液体状態にあり、一方、出口ポート116における流体は、比較的低圧又は減圧された低密度の気体相にある。いくつかの実施形態では、入口ポート114又は出口ポート116における流体は、例えば、流体がその中に分散された液相を有する気体であり得る凝縮条件による多相であってもよい。
[00147] 様々な実施形態において、特定の動作理論に拘束されることなく、境界層ターボマシンは、少なくとも部分的に又は比較的大きな割合で、境界層効果又は接着原理を介してシャフト110と作動流体との間でエネルギーを伝達するか又は動力を伝達し得ることが理解される。
[00148] 例えば、例示的な境界層ターボマシン100は、ブレードレス境界層タービン部(複数の場合もある)、及び、ブレード(軸流)ロータ228等のブレードロータタービン部(複数の場合もある)で軸流タービンステージのブレードロータであることもあるもの、を含む、ハイブリッド境界層タービンであってもよい。いくつかの実施形態では、ハイブリッド境界層ターボマシンは、様々なステージのための共通のハウジングを有することを含む、単一のユニットとして動作可能に統合された複数のタービンステージのアセンブリを含んでもよい。
[00149] 境界層ターボマシン100の長手方向軸102は、一般に、境界層ターボマシン100のロータ及びステータ部の順次配置、及びそこを通る流体の全体的な流れを参照し得る。例えば、長手方向軸102は、境界層ターボマシン100のロータの回転軸であってもよく、及び/又は境界層ターボマシン100のステータの(連続的又は別個の)対称軸を画定してもよい。いくつかの実施形態では、シャフトの回転軸は、長手方向軸102と一致することもある。流体の流れは、境界層ターボマシン100の特定部において向きを変えてもよいし、乱流であってもよいと考えられる。
[00150] 方位角方向104は、長手方向軸102の周りに一般的に側方に配向していてもよい。例えば、ロータ上の点は、回転時に、長手方向軸102の周りの経路を方位角方向に辿り得る。半径方向108は、長手方向軸102と方位角方向104の両方に対して両側方に向いていてもよい。
[00151] 様々な実施形態において、境界層ターボマシン100は、10インチから12インチの間で半径方向に延びていてもよい。様々な実施形態において、外径は、2インチ又はそれ以下から48インチ又はそれ以上の間で変化し得る。
[00152]
図2は、
図1Bの参照線2-2に沿った境界層ターボマシン100の断面200(断面図)である。
[00153] 概して順次の順序で、境界層ターボマシン100は、(静止)ヘッダ部206と、1つ以上の流れ入口212と、複数のダクト214と、複数のブレードアセンブリと、軸流タービンステージであってもよい軸流ステージ224と、支持構造230及びハウジング部分を含む1つ以上の構造体とを備え得る。
[00154] ヘッダ部206は、ヘッダプレート208及びヘッダーブロック210を含むことができ、これらは、例えば締結具を介して、又は一体構造で、一緒に統合され得る。様々な実施形態において、ヘッダ部206は、例えばシャフト110の回転中、動作中に静止したままであってもよい。
[00155] 境界層ターボマシン100は、境界層ターボマシン100の入口端部202を介して流体を受け取り、境界層ターボマシン100の出口端部204を介して出口ポート116から流体を排出する。境界層ターボマシン100の入口ポート114は、少なくとも部分的にヘッダプレート208に形成されてもよく、ヘッダ部206を介して、入口端部202に向かって流体を流すように構成されてもよい。
[00156] 1つ以上の流れ入口212は、入口端部202に配置される。いくつかの実施形態では、1つ以上の流れ入口212は、実質的に、複数のダクト214の上流端部216に配置されるか又は延在し得る。1つ以上の流れ入口212は、流体を、出口端部204に向かって、長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に方位角方向に複数のダクト214内に引き込むように構成される。方位流配向を有する流れは、流れと(回転する)ダクト壁との間でエネルギーを伝達するために、ダクト壁220上に引き込む(相互に働く)可能性がある。例えば、境界層タービンでは、このような方位流配向がダクト壁220に回転を与え、シャフト110を回転駆動する。境界層ポンプ又はコンプレッサでは、(シャフト110を介した)ダクト壁220の回転により、流体が出口端部204に向かって対応するダクトに引き込まれる。いくつかの実施形態では、1つ以上の流れ入口212は、ダクト壁への噴流衝突を引き起こし、及び/又はダクトの加圧に基づいて複数のダクト214の隣接するダクト間に流体軸受シール又は密封を形成するために、部分的に放射状の角度で流体を方向付け得る。
[00157] いくつかの実施形態では、1つ以上の流れ入口212は、ダクト壁220上の力のバランスをとるために対蹠的に配置された少なくとも2つの流れ入口を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の流れ入口212のすべての流れ入口は、境界層ターボマシン100のバランスを向上させるために対蹠的に配置された対向する流れ入口を含む。
[00158] 複数のダクト214は、ヘッダーブロック210の下流に位置決めされ、それに又はそのすぐ近くに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のダクト214は、半径方向に離れた2本から5本のダクトを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、複数のダクト214は、3つのダクトである。より大きな直径のターボマシンの場合、複数のダクト214は、5つ以上のダクトを含んでいてもよい。例えば、外径が約48インチ以上の境界層ターボマシン100は、最大24個のダクトを有することもある。
[00159] 様々な実施形態において、ヘッダ部206は、多圧ヘッダ部又は多流ヘッダ部であってもよい。いくつかの実施形態では、ヘッダ部206は、各ダクトに別々に流体を供給してもよく、例えば、複数のダクト214の各ダクトに入る流体の熱力学的条件は、異なっていてもよいし、調整可能であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、半径方向外側のダクトに入る流体は、(相対的に)半径方向内側のダクトに入る流体よりも高い圧力又は低い圧力を有してよい。
[00160] 複数のダクト214は、入口端部202と出口端部204との間の長手方向軸102の周りに同心円状に配置又は入れ子状に配置され、それによって、入口端部202から出口端部204に向かって、その間に流体を運ぶ。複数のダクト214は、上流端部216から下流端部218(それぞれ、1つ以上の上流端部及び下流端部を指す場合がある)まで延伸し、長手方向軸102の周りを回転するように構成された閉管路であってもよい。チャネル及び導管を含む追加の構成要素が、入口端部202と上流端部216との間、及び出口端部204と下流端部との間に配置されてもよい。
[00161] 複数のダクト214は、少なくとも部分的に、対応するダクト壁220、すなわち半径方向に離間した複数のダクト壁220によって画定される。例えば、各ダクトは、長手方向に、すなわち長手方向軸102に沿って延び、その間に半径方向の隙間(半径方向に延びる隙間)のダクトを画定する2つのダクト壁によって画定されてもよい。
[00162] 複数のダクト214のダクト壁220は、長手方向軸102を中心に回転するように構成された複数のロータを画定する。したがって、複数のダクト214は、長手方向軸102を中心に回転するということができる。複数のロータは、シャフト110と複数のダクト214内を流れる流体との間でエネルギーを伝達するために、シャフト110に駆動可能に結合されている。
[00163] 複数のブレード222は、シャフト110に駆動可能に結合されてもよい。複数のブレード222は、シャフト110に駆動可能に結合された複数のブレードアセンブリのブレードアセンブリを画定してもよく、それぞれ個別に又は中央ハブと一体化されたブレードアセンブリとしてシャフト110に結合されてもよい。
[00164] いくつかの実施形態では、各ブレードアセンブリは、1つ以上の流れ入口212の下流の対応するダクト内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のダクト214が複数のブレードアセンブリをその中に画定するように、各ダクトはその中にブレードアセンブリを有していてもよいし得る。
[00165] 複数のブレード222は、対応するダクトの下流端部において長手方向軸102の周りに回転可能に配置されてもよい。様々な実施形態において、複数のブレード222は、下流端部から上流端部216に向かって又は上流端部216から離れるように長手方向に延びてよい。いくつかの実施形態では、複数のブレード222は、単一の列、例えば、複数のダクト214の各ダクト内の単一の列のブレードに配置されてもよい。ブレードの列は、実質的に共通の長手方向位置に沿って配置していてよい。一列のブレードは、周方向に隣接するか又は重ならないブレードを含んでもよい。
[00166]複数のブレードアセンブル及びダクト壁220を有する複数のダクト214は、ハイブリッド境界層タービンの一部として一体的に形成されてもよく、複数のダクト214は、流体接着(又は境界層)部分を形成し、複数のブレード222はブレードタービン部分を形成する。
[00167] いくつかの実施形態では、軸方向ステージ224が、複数のブレード222の下流に配置されてもよい。軸方向ステージ224は、シャフト110に駆動可能に結合されてもよい。例えば、境界層タービンのいくつかの実施形態では、軸方向ステージ224は、1つ以上の軸流ステータ及び軸流ロータを含んでいてもよく、これらは一緒になって軸方向ステージ224を形成し得る。軸流ステータ226は、複数のブレード222と軸流ロータ228との間に配置されてもよい。このような軸流ステータ226は、ノズル状の通路を形成してもよく、及び/又は、流れを直線化する羽根を含んでもよい。様々な実施形態において、軸流ロータ228は、長手方向に約0.8インチ以上延びていてもよい。軸方向ステージ224は、速度、圧力、及びシャフト/羽根回転速度などの特性によって、所望の効率目標及び流体からのエネルギー抽出を達成するように構成され得る。様々な実施形態において、軸方向ステージは、適合された羽根サイズ、羽根形状、及び羽根角度(迎え角など)を有し得る。
[00168] 様々な実施形態において、追加の軸流ステージなどの追加のタービンステージは、流体からより多くのエネルギーを抽出するため、又はより高い効率を達成するために、軸流ステージ224の下流に配置されていてもよい。ステージ及びそこに形成されたブレードの長さ、形状、及び他の構成は、所望の発電を達成し、失速を防止するように調整され得る。
[00169] シャフト110は、複数のダクト214と同軸に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト110は、複数のダクト214によって周方向に取り囲まれるように、複数のダクト214の同心円状にかつ半径方向内側に配置されてもよい。様々な実施形態において、このような配置は、より少ない構成要素を有するコンパクトなタービンをもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、シャフト110は、1以上の複数のロータと実質的に同様の回転数で、複数のロータと実質的に共回転するように、(ダクト壁によって画定される)複数のロータと同軸に配置される。
[00170] 例えば、シャフト110は、複数のダクト214の半径方向最内側のダクト壁又はダクトを少なくとも部分的に画定するキャビティ内部キャビティ240の内部に同軸に配置されてもよい。キャビティ内部キャビティ240は、複数のダクト214の半径方向内側に配置され、かつ半径方向最内側ダクトの半径方向内側壁を画定する管によって画定されてもよい。
[00171] 1つ以上の構造体は、概して、複数のダクト214の周囲、及びその上流及び下流に配置されてよく、境界層ターボマシン100の様々な部分を支持し、それと協働するために使用され得る。いくつかの実施形態では、1以上の構造体のうちの(支持する又はしない)一構造体は、複数のダクト214(ロータ)を少なくとも部分的に収容する。
[00172] 支持構造230は、その間に配置されたベアリングを介してシャフト110によって支持され、支持構造230に対するシャフト110の回転を可能にし得る。この構造体は、特定の振動を伝達し、複数のロータとの回転を防止し得る。いくつかの実施形態では、支持構造230は、その上流端部216において複数のダクト214を密封可能に囲んでもよい。
[00173]いくつかの実施形態では、ヘッダーブロック210は、支持構造230の一部を形成していてもよく、また、入口ポート114からの流れをそこに通してもよい。
[00174] エンドプレート232は、複数のブレードアセンブリの下流に配置され得る。エンドプレート232は、複数のダクト壁220(複数のロータ)を共通の回転でロックするために、例えば実質的に固定されたジョイントを画定するねじ込み可能な締結具を介して、複数のダクト壁220に同時に結合し得る。エンドプレート232は、複数のロータ(複数のダクト壁220)とシャフト110とを共通の回転で係合させるために、シャフト110に追加的に結合されることもある。したがって、複数のロータは、実質的に同じ方向に回転し、実質的に同様の回転数で回転するように強制されてもよく、この回転数は、シャフト110の回転数と同様であってもよい。
[00175] 軸流ステータ226は、複数のブレードアセンブリのすぐ下流であって、軸流ステータ226の上流に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、軸流ロータ228は、エンドプレート232を介してシャフト110に結合されてもよい。軸流固定子226は、(静止)支持構造230に結合又は固定されてもよく、シャフト110(及び複数のロータ)の回転中に静止位置を維持するために、クリアランス間隔を介してシャフト110から離間されてもよい。例えば、環状形状の軸流ステータ226にとって、軸流ステータ226の下流側に配置された軸流ロータ228は、軸流ステータ226を横切って突出し、シャフト110の中心から半径方向外側に延びるシャフトフランジを介してシャフト110に直接結合(例えば、ねじ止め)してもよい。そうして、軸流ロータ228は、シャフト110及び複数のロータと共通の回転で係合してもよく、実質的に同様の回転数を有し得る。
[00176] いくつかの実施形態では、構造体は、軸受234を使用して、構造体に対してシャフト110を定位置で回転可能に支持するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、シャフト110の回転数は、シャフト110に結合され、構造体とシャフト110との間に配置された費用対効果の高い軸受を介して構造体によるシャフト110の支持を容易にするように十分に低くてもよい。例えば、このような軸受は、回転接触(摩擦)軸受、例えば、セラミックボールベアリング又はシリコン窒化物ボールベアリングを含んでいてもよい。一部の実施形態では、油圧軸受、磁気軸受、又はフォイルエア軸受が使用され得る。一部の実施形態では、SKF
TMS7004CD/P4A接触軸受を使用できます。
[00177] 境界層タービン100のいくつかの実施形態では、複数のロータは、43,000RPM以下、又は15,000RPMから30,000RPMの間でシャフトに直接伝達される50~100kWのシャフト動力を生成するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、より小さい境界層ターボマシン100は、より高い回転数用に構成され得る一方で、より大きい境界層ターボマシン100は、より低い回転数用に構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、より小さい境界層ターボマシン100は、2kW以下しか出力しない場合がある。そのような回転数範囲では、例示的な境界層タービンによって生成されるトルクの例示的な範囲は、5ft-lbから50ft-lbsの間であってもよい。このような比較的大きなトルクは、本開示の態様によって促進される高い効率によって、低回転数で達成可能であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、効率は、半径方向タービン及び軸方向タービンのみから構成される基本的なターボマシンと比較して5%~50%高くなり得る。いくつかの実施形態では、全体の総エネルギー効率は50%を超えり得る。いくつかのケースでは、エネルギー効率は75%に達することもある。
[00178] 境界層タービン100のいくつかの実施形態では、入口ポート114を通って受け取られる流体は、2500psi~5000psiの間の圧力、又は1500~6000psiの間の圧力で100℃~150℃の間の温度の超臨界CO
2であってもよく、出口ポート116を通って通過される流体は、80℃以下、600~800psiの間の圧力であってもよい。
[00179] そうでなければ、境界層ターボマシン100を通る正流が確立されない可能性があるため、出口圧力及び温度は、境界層タービン100の下流の条件に依ることがある。いくつかの実施形態では、CO
2は、少なくとも部分的な(又は完全な)相変化を起こす可能性がある。いくつかの実施形態では、流体は冷媒であってもよく、境界層タービン100内でフラッシュしてもよい。
[00180] 境界層タービン100の例示的なタービンの実施形態における様々な位置での流体特性を表1に示す。位置Aは、位置Bの上流であってよく、位置Bは、入口端部202又は入口ポート114にあるか又は隣接していてよい。位置Bは、位置Cの下流にある場合があり、位置Cは、出口端部204又は出口ポート116にあるか、又はそれに隣接していてもよい。
【0006】
【0007】
[00181] 圧力(回収)CP係数を含む、表1で議論された例示的なタービンの実施形態における追加のCO2流体特性は、表2に表されている。これらの位置に関連する比容積は、密度の逆数として計算し得る。
【0008】
【0009】
[00182] 超臨界状態又は多相状態では、流体は液体と蒸気の両方の特性を有するか、液体と蒸気の特性を有する。表1で説明した例示的なタービンの実施形態における液体及び蒸気の特性を表3に示す。
【0010】
【0011】
[00183] 低い回転数は、より緩やかな運転条件から利益を得る可能性があり、例えば、より費用効果の高い軸受が使用され得る。いくつかの実施形態では、回転数は100,000RPMを超えることがある。例えば、いくつかの実施形態では、より小さい外径を有する境界層ターボマシン100は、対応するより高い回転数を有し得る。
[00184] 様々な実施形態において、上流端部216及び下流端部218は、境界層ターボマシン100の接着部分、例えば、隣接して形成された接着部分の対応する端部を指すことがあり、これらは一体構造であってもよい。入口端部202及び出口端部204は、接着部分及び羽根部分、例えばハイブリッドタービンであり得るように、一体構造であり得る接着部分及び羽根部分を画定する境界層ターボマシン100の端部を指す。
[00185] 様々な実施形態において、内部キャビティ240から複数のダクト214の半径方向最外側のダクトまで延びる境界層ターボマシン100の内部容積は、流体、例えば、加圧流体であってもよい作動流体で浸漬又は浸水されてもよい。このような浸水容積は、部分的に、境界層ターボマシン100の構成要素に潤滑及び支持を提供し得る。
[00186]
図3Aは、複数の管(管)302によって少なくとも部分的に画定された複数のロータ300の分解斜視図である。複数のロータ300は、長手方向軸102に沿って分解して示されている。
[00187]
図3Bは、複数のロータ300の正面図である。
[00188] 複数のロータの回転方向は、両頭矢印で示されている。複数の管302は、シャフト110に駆動可能に結合されてそのような回転を引き起こすように、又はそれによってシャフト110に回転を引き起こしてシャフト動力を生成するように構成され得る。
[00189] いくつかの実施形態では、複数の管302は、長手方向軸102に対して側方に実質的に円形の断面を有する円管であってもよい。いくつかの実施形態では、複数の管302は、成形された表面又は長手方向に傾斜した構成を含んでよい。例えば、いくつかの実施形態では、複数の管302の各管は、分岐又は合流していてもよく、すなわち、それぞれ、出口端部204に向かって長手方向軸102に沿って増加又は減少している、長手方向軸102に対して横方向の断面を有していてもよい。様々な実施形態において、流体がブレード(例えば複数のブレード222)に向かって移動するにつれて管の長さにわたって間隙を増加及び/又は減少させるために、複数の管302のうちの1以上を成形又は傾斜させるか、又は複数の管302のうちの1つ以上の表面にパターンを埋め込むことによって、エネルギー又は電力の抽出が強化されてもよい。
[00190] 複数の管302の各管(310、302A、302B、又は302C)は、概して長手方向に延伸し、例えば概して小さい断面積を有するテーパ状の又はつままれたの長手方向端部(上流側端部部分304A、304B、304C及び下流側端部部分306A、306B、306C)を有してもよい。各管は、延伸方向に対して側方に、対応する半径方向内側の空間(312A、312B、312C、312D)を画定し得る。例えば、複数の管302の肉厚は、長手方向中央付近の0.3インチから、1つ以上の挟まれた長手方向端部の0.1インチまで変化し得る。
[00191] 半径方向内側の空間は、長手方向軸102に対して側方に徐々に大きな断面積を画定し得る。各半径方向内側の空間は、複数の管302のうちの相対的に小さい管を収容して、互いに嵌合する管の並び又は階層を形成するように適合させ得る。このようにして、複数の管302は、長手方向軸102の周りに同心円状に入れ子状に配置され得る。半径方向内側の空間の一部は、複数のダクト214を画定し得る。例えば、半径方向内側の空間312D、312A、312Bのそれぞれは、対応する管302A、302B、302Cのそれぞれのダクト壁220A、220B、220Cによって半径方向内側の端部で隣接した対応するダクトを画定し得る。
[00192] 様々な実施形態において、半径方向内側の空間312A、312B、312C、312Dは、約5.2インチ、4.4インチ、3.6インチ、及び6インチのそれぞれの直径を有する円筒形の空間であってよい。様々な実施形態において、複数の管302の各々は、長手方向に7インチから8インチの間に延びてよい。
[00193]複数の管302は、半径方向108において、互いに概ね同心円状に離間していてもよい。複数のダクト214の各ダクトは、複数の管302の同心円状に隣接する一対の管の間に生じるクリアランスに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、同心円状に隣接する管の各対は、複数のダクト214の対応するダクトをその間に形成する。したがって、複数のダクト214の各ダクトは、対応する同心円状に隣接するダクトと共通に共有される対応するダクト壁220A(又は220B、220C)によって少なくとも部分的に画定される。
[00194] 複数のダクト214のうちの1つ以上は、長手方向軸102に対して側方の環状形状の断面(例えば、円形の環状形状)を有し、一致する縁部を有する同心円状の環状の列を形成し得る。その結果、複数のダクト214は、それによって比較的コンパクトになり、それによって製造コストを低減し、性能を向上させ得る。例えば、半径方向内側の空間312Dに形成された第1のダクトは、半径方向内側の空間312Aに形成された第2のダクトとダクト壁220Aを共有し得、第2のダクトは、半径方向内側の空間312Bに形成された第3のダクトとダクト壁220Bを共有し得る。
[00195] 複数の管302の各管302A、302B、302C、302Dは、複数の管302の複数の接合端部に対向する複数の管302の複数の自由端部を画定するために、自由端部314A、314B、314C、314Dの対応する(それぞれの)自由端部、及び対応し且つ対向する接合端部316A、316B、316C、316Dから概して長手方向に延伸している。
[00196] 複数の管302のうち半径方向最内側の管302Cは、複数のダクト214のうち半径方向最内側のダクトと内側キャビティ240とを少なくとも部分的に画定してもよく、シャフト110は、複数の管302と同軸に配置されてもよい。同様に、半径方向最外側の管310は、複数のダクト214の半径方向最外側のダクトを少なくとも部分的に画定し得る。このように、複数のダクト214は、半径方向最外側の管310と半径方向最内側の管302Cとの間に配置されている。半径方向最外側ダクトと半径方向最内側ダクトとの間の半径方向の隔たりは、部分的に流体のための貫流領域を画定する。支持構造230のハウジング部分を形成する(共通の)ハウジングは、複数の管302を取り囲むように半径方向最外側の管310を円周方向に取り囲む。
[00197] いくつかの実施形態では、境界層ターボマシンからの漏れを介して失われるエネルギーを防止又は低減するために、流路が確立されてもよい。例えば、流体は、半径方向最外側の管310とハウジング部分との間に形成されたキャビティにおいて、半径方向最外側の管310の半径方向内側から支持構造230のハウジング部分内の外側に漏れるか又は逃げ得る。流体は、キャビティを流下して軸流ステータ226に接触し、軸流ロータ228を横切って方向転換され、入口端部202の近位にある隙間から漏れた流体から動力を取り出すことができる。
[00198] 各ブレードアセンブリは、長手方向軸102の周りに回転可能に配置された対応する複数のブレード222A(又は222B、222C)を含み得る。本明細書で言及されるように、複数のブレード222は、対応する複数のブレード222A(又は222B、222C)のうちの1以上を指し得る。様々な実施形態において、複数の管302は、少なくとも又は多くとも4つの管を含み得る。いくつかの実施形態では、少なくとも又は多くとも3つの管が、それに関連するブレードアセンブリを有してもよく、例えば、3つの管が、その上に付加的に増大したブレードを有してもよい。いくつかの実施形態では、複数の管302のうちの1つを除くすべてが、その上に増大したブレードを有し得る。
[00199] 複数のブレードアセンブリに関連する複数のブレード222は、複数のダクト214内、例えばその下流端部に配置される。複数のブレード222は、対応するダクト壁220(220A、220B、及び/又は220C)から長手方向軸102に対して半径方向に延びている。いくつかの実施形態では、各ダクトは、そのダクト壁のうちの1つのみ、例えば、半径方向外側のダクト壁又は半径方向内側のダクト壁から延びるブレードを有し得る。いくつかの実施形態では、ブレードは、両方の壁から、例えば交互に延びていてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、半径方向外側のダクト壁は、そこから延びるブレードを有していなくてもよく、いくつかの実施形態では、半径方向内側の管は、そこから延びるブレードを有していなくてもよい。
[00200] 複数のブレード222は、例えば締結具及び/又はスロット付きコネクタを使用して、ダクト壁と共回転するようにダクト壁と一体的に形成し得る。いくつかの実施形態では、複数のブレード222は、関連するダクト壁220と一体構造であってもよい(すなわち、各ダクト壁は、関連するブレードと一体構造である)。例えば、複数のブレード222は、複数の管302上で付加的に製造されてもよい。したがって、複数のブレード222は、複数の管302又はダクト壁220とともに回転するように必然的に強制される場合がある(共回転又は共通回転)。いくつかの実施形態では、各ダクトは、その中に配置された少なくとも1つのブレードアセンブリを有する場合がある。
[00201] 複数の管302は、ハイブリッド境界層ターボマシンの組み合わせロータ又はハイブリッドロータと見なされ得る。
[00202]例えば、管は、ハイブリッド境界層ターボマシンロータと見られ得て、境界層タービンの接着面又は摩擦面の一部分は、効率が向上したハイブリッドロータを形成するためにブレードを備え、同心円状に隣接する管は、ブレードの周りの円周方向への隔壁形成のために依存される。したがって、ブレードは、半径方向に延びる(かつ周方向に分離した)流路、例えば流路308を画定するダクト内に障害物を形成し得る。
[00203] 例えば、管は、効率を高めるための接着面を形成し、かつ同心円状に隣接する管の側板(隔壁)として機能するように構成された長手方向に延伸する(かつ半径方向に拡大された)ハブを有するターボマシンのブレードロータと見られ得る。
[00204] 複数のブレード222は、接着部において流体からエネルギーが抽出された後に、流体から追加エネルギーを抽出するように構成されてもよい。
[00205]
図4は、軸方向ステージ224及びヘッダーブロック210に結合された複数の管302の概略分解斜視図である。様々な構成要素を通る流体112の経路が、複数の管302及び軸流ロータ228の回転方向(両頭矢印付き)と共に概略的に示されている。静止した構成部品は、双線で示されている。シャフト110は、明瞭さのために図示されていないが、
図6の構成部品の中央開口部内に長手方向軸102と同軸に配置されている。
[00206] 流体112は、1つ以上の流れ入口212、例えば3つの流れ入口212A、212B、212Cを介して、境界層ターボマシン100の接着部又はロータ部に入る。本明細書で言及されるように、流れ入口は、外側の位置(例えば、入口ポート114)から接着部又はロータ部分まで延び得る。様々な実施形態において、流れ入口212A(及び/又は212B、212C)は、複数のロータ300の回転を強制するために、長手方向106に対して法線方向又は側方に向けられた流体112のジェットを噴射するためのノズル端部を有し得る。各ダクト、すなわち複数の管302の各管は、流体のそのような方位角方向に配向されたジェットに露出していてもよい。
[00207] 前述したように、軸方向ステージ224は、接着部の下流に配置され、軸流ステータ226及び軸流ロータ228を含む軸流タービンステージであってもよい。軸方向ステージ224は、(長手方向106内の)長手方向軸102に対して概ね平行に配向された流体を受容し、長手方向軸102に対して概ね平行に配向された流体を排出するように適合され得る。様々な実施形態において、軸流ステージ224は、軸流ステータ226及び軸流ロータ228の構成によって、衝動タービン又はリアクションタービンであってもよい。軸流タービンは、流体から残留エネルギーを抽出するように適合させ得る。
[00208] 様々な実施形態において、ブレード及び羽根は、流体のタイプ及び関連する熱力学的条件(圧力、温度、速度、及び密度など)に最適になるように構成/変更されてもよく、例えば、超臨界CO
2は、R134Aとは異なるように扱われてもよい。
[00209] 軸流ステータ226は、長手方向軸102に沿って複数のロータ300と軸方向に整列されたガイド羽根を備えた羽根付きステータであってもよい。羽根付きステータは、軸流ステータ226がシャフト110を介して複数のロータに結合されるコア410を画定する環状形状であってもよい。羽根付きステータは、実質的に軸方向に向けられた前縁(対向流及び/又は複数のブレード222に最も近い縁)を有する複数のガイド羽根を含んでいてもよい。様々な実施形態において、軸流ロータ228は、羽根付きステータと軸方向に整列し、複数のガイド羽根から流れを受けるように羽根付きステータの下流に配置された羽根付きロータであってもよい。ブレードロータのブレードは、実質的に軸方向に向いた後縁を有し得る。
[00210] いくつかの実施形態では、羽根付きステータ及び/又はロータは、複数のダクト214のうちの1つ以上のダクトを横切って半径方向に延在してよい。いくつかの実施形態では、これらは、構造的支持のためにシャフトに広がってもよい。
[00211]
図5Aは、ヘッダーブロック210に結合された複数の管302の上面図であり、概略的な流れ方向を示す。
[00212]
図5Bは、
図5Aにおける領域5B-1及び5B-2の拡大図である。
[00213]
図5Cは、
図5Aの領域5Cの拡大図である。
[00214] ノズル510A及びノズル510Bを含む複数のノズル510が、支持構造230に一体化されてもよい。様々な実施形態において、複数のノズル510は、複数のダクト214を通って出口端204に流体を運ぶために、その周囲に円周状に分布する。いくつかの実施形態では、複数のノズル510は、長手方向軸102の周りに均一に分布した、すなわち、隣接するノズル間に60度の方位角度を形成する6つのノズルを含み得る。いくつかの実施形態では、ノズル510Aは、約0.3インチであってよい。
[00215] いくつかの実施形態では、境界層ターボマシン100は、48インチより大きい直径を有してよく、管当たり40個のノズルを含んでよい。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシン100は、2インチ未満の直径を有してよく、管当たり単一のノズルのみを有してよい。
[00216] 複数のノズル510は、入口端部202に配置された1つ以上の流れ入り口212の一部を形成してもよい。例えば、ノズル510A、510Bは、それぞれの流れ入り口212A、212Bと一体化されてもよい。1つ以上の流れ入り口212は、複数のノズル(又は1つ以上の複数のノズル)を介して、複数のダクト214に流体を引き込むように構成されてもよい。
[00217] 複数のノズルは、ダクト内に流体噴流を噴出させるために、ダクトの上流端部216辺りに周方向に分布していてもよい。いくつかの実施形態では、そのようなことは、複数のダクト214の全てのダクトについてそうであってもよく、すなわち、各々が対応する複数のノズル(これらは全体として複数のノズルとも呼ばれ得る)を有してもよい。複数のノズルは、周方向に間隔を空けて配置され、流体噴流間の流れの相互作用を低減するように配向されてもよい。上述したように、様々な実施形態において、複数のノズルは、周方向に等間隔に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、6つのノズル(又は8つのノズル)は、隣接するノズル間の長手方向軸102の周りの角度が実質的に60度(又はそれぞれ45度)となるように、ダクトの上流端部216に対応する管の長手方向端部の周りに周方向に分布してよい。いくつかの実施形態において、このような分布は、特に、互いに衝突する噴流の交差によって生じ得る乱流を緩和し得る。
[00218] 複数のノズルは、流体ジェットを、概して、又は少なくとも部分的に、出口端204に向かって長手方向軸102の周りに方位角的に噴出するように適合され得る。様々な実施形態において、ノズルは、そこから流体ジェットを発行するように適合された構造を含んでもよい。例えば、ノズル510は、そこから流体を通すためのポートを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ノズル510は、矩形スロットを含んでもよい。
[00219] 複数のノズルは、流体の速度及び流れを制御するために様々な開口サイズを含んでよく、複数の管302の各管に固有であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、入口流体速度を複数の管302の表面速度に確実に一致させ、複数の管302の管の回転速度を同期させるために、比較的大きな外径の管は、流体速度及び質量流量を増加させるために、より小さな開口部を有するより多くのノズルを備え、一方で、より小さな外径の管(すなわち、より小さな外径を有する管)は、より大きな開口部を有するより少ないノズルを備え得る。このように、最大100本以上の管を同期させて、各管が所定の共通シャフト回転数でトルクに寄与するようにしてもよい。例えば、管の表面速度は、角速度と半径の積にほぼ等しいため、20,000RPM(約666.66TT rad/s又は2100rad/s)で回転する外径8インチ(半径1/3’)の管は約700ft/secの関連表面速度を有し、直径4インチ(半径1/3’)の管は約350ft/secの関連表面速度を有する。管の本数が増え、及び/又は、内管と外管の直径の差が大きくなると、このような表面速度の差は著しく大きくなり、例えば48インチ管(20,000RPMで回転)の表面速度は約4200ft/secとなる。複数の調整可能/適応ノズルの構成は、管の同期を可能にする。
[00220] 各ノズルの出口面は、方位角方向104と対応する出口角度520を形成し得る。様々な実施形態において、この対応する出口角度520は、実質的に0度、又は0度と5度との間、0度と10度との間、若しくは0度と20度の間で変化してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、複数のノズルは、方位角方向104の30度以内、10度以内、又は5度以内に整列され、すなわち、出口角度520は、それぞれ、10度未満又は5度未満であってよい。いくつかの実施形態では、出口角520は20度を超えてもよい。
[00221] 流体112が入口端部202から出口端204へ流れる時に、流体112は方向を変え、長手方向106とより整列する。様々な実施形態において、角度540は、長手方向106の0°と10°との間であってよい。いくつかの実施形態では、流体112は、複数のブレード222に到達するまで、複数のダクト214の周りをスパイラル状に流れる(例えば、長手方向軸102の周りの概ねヘリカル状の流路をたどる)。
[00222] 出口角度520は、エネルギー抽出を少なくとも部分的に決定し得る。出口角度520が大きいと、(接着部分における)滞留時間が短くなり、流路が短くなり、及び/又は複数のダクト214を通るほぼスパイラル状の流路のピッチが大きくなり得る。流体中の総エネルギー降下は、減少し得る。
[00223] 様々な実施形態において、出口角度520は、流体が、そのエネルギーが閾値の大きさを下回る前に複数のブレード222に到達するように適合されてもよく、例えば、複数のブレード222に近接する流体の運動エネルギーは、流体からのエネルギー抽出を維持するために、又は流体のポンピングによる対応する管によるエネルギー消費を防止するために、十分に高いレベルに維持されてもよい。
[00224] 下流端部218における流体112は、入口端部202における流体112と比較して、長手方向軸102に対して相対的により整列していてもよい。いくつかの実施形態では、下流端部218における方位角偏差530は、出口角520よりも20度より小さい場合がある。いくつかの実施形態では、方位角偏差530は、10度と30度との間であってよい。
[00225] 様々な実施形態において、流体は、ノズルから出る前は超臨界状態及び/又は多相であってよく、ノズルから出た後はそうでなくなる、すなわち超臨界状態及び多相のいずれか一方又は両方であってよい。いくつかの実施形態では、流体は、ノズルから出た後に超臨界及び/又は多相であり、複数のブレード222又はその下流、例えば軸流ステータ226において、超臨界及び/又は多相でなくなり得る。このような相の変化は、複数のダクト214の流路長及び/又は長手方向の長さ(複数可)に依存する場合がある。
[00226]複数のダクト214の長手方向長さ(長手方向軸102に沿った長さ)は、実質的に同様であってよい。いくつかの実施形態では、複数のダクト214の長手方向の長さは異なっていてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、半径方向外側に移動する連続するダクトは、増加する長手方向長さを有してもよく、いくつかの実施形態では、減少する長手方向長さを有してもよい。
[00227] 様々な実施形態において、複数のダクト214のそのような長手方向長さは、流体の方位角偏差を、例えばせいぜい10度又は20度に制限し、複数のブレード222によって受け取られる流れの乱流レベルを制御し、複数のブレード222の直ぐ上流で十分な流体速度を維持し(ポンピング挙動を防止し)、ロータ同期を支持し、正のトルク生成を促し、及び/又は(流れの停滞又は反転によるような)失速状態を防止するように適合され得る。いくつかの実施形態では、流体の方位角偏差は、せいぜい10度又は20度に制限され得る。例えば、乱流のレベルは、高くするよりもむしろ低くすることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシン100の回転数は、複数のダクト214の上流、内部、及び下流の乱流特性によって少なくとも部分的に決定される。
[00228] 各ブレードアセンブリの複数のブレード222は、長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に方位角方向に向けられた流体を受けるように適合され得る。各ブレードは、一般に根元から先端まで変化し、前縁552A及び後縁552Bを画定するブレードプロファイル550を有してもよい。例えば、複数のブレード222の前縁は、ダクトに沿った流体112の方位角偏差530に合わせられ又は調整され、それとの実質的な調整の中で流体112を受ける。それにより、流体112は、シャフト110を回転駆動するために、長手方向軸102を中心とする回転を複数のブレード222に与え得る。
[00229] 複数のブレード222は、その下流端部、すなわち出口端部204において、流体112を長手方向軸102に対して概ね平行に方向転換させる。例えば、後縁は長手方向軸102と概ね整列していてもよい。
[00230] 例えば、様々な実施形態において、方位角ギャップ580、582は、約0.35インチ、又はそれ以下、又はそれ以上であってよい。
[00231]
図6Aは、
図2の領域6Aの拡大図であり、概略的な流れ方向を示す。
[00232]
図6Bは、
図2の領域6Bの拡大図であり、概略的な流れ方向を示す。
[00233]
図6Cは、
図2の領域6Cの拡大図であり、概略的な流れ方向を示す。
[00234] 前と同様に、流体112は矢印によって示されている。参照数字は名良性のため省略されている。
[00235] 様々な実施形態において、複数のダクト214は、上流部分610と下流部分612との間に配置された中間部分614を含んでもよく、例えば、各ダクトは、したがって、対応する部分:上流部分610A、610B、又は610Cのうちの1つ、下流部分612A、612B、又は612C、及び中間部分614A、614B、又は614Cを有してもよい。中間部分614A、614B、又は614Cは、対応する半径方向幅658A、658B、又は658Cを有し得る。
[00236] いくつかの実施形態では、複数の管302は、実質的に自由であるか、又はそれらの自由端部314A、314B、314C、314Dにおいて油圧で支持されてもよく、例えば、自由端部314A、314B、314Cは、自由端部314A、314B、314Cを保持するための別個の構造体(支持構造体230)に形成された開放キャビティ内を循環する加圧流体を介して支持されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の管302は、例えば、共通の回転のためにロックされるように、ジョイント端部316A、316B、316C、316Dにおいてエンドプレート232と締結又はジョイントされてもよい。いくつかの実施形態では、複数の管302は、複数の管302を貫通する締結具を介して互いに締結されてもよい。
[00237] 上流部分610及び下流部分612の各々は、中間部分614の比較的狭い断面(658A、658B、658C)を画定するため、例えば中間部分614A、614B、又は614Cへの回転の付与を強化するために、対応する上流部分610A及び下流部分612Aにおけるそれぞれの断面650A及び652Aのようなそれぞれの大きい断面から、中間部分614に向かって、概して断面形状的にテーパ形状になっていてもよい。
[00238] 様々な実施形態において、半径方向幅658A、658B、658Cによって画定される断面は、それぞれ半径方向に0.1インチ又は0.05インチより大きく伸びてよい。いくつかの実施形態では、半径方向幅658A、658B、658Cによって画定される断面は、各々、半径方向に1インチ以上延びてよい。複数のダクト214の半径方向幅は、全て同じでなくてもよく、ノズルの数、複数の管302の数、半径方向最内側の管の内径、及び半径方向最外側の管の外径によって変化してもよい。例えば、タービンの実施形態では、半径方向の幅は、ロータが同期し、複数の管302の各管から生成されるトルクが正のままであること、すなわち、境界層ターボマシン100による流体ポンプが存在しないこと(タービンの実施形態の場合)を保証するために変化してもよい。半径方向の幅は、ダクトの長手方向の長さに沿って変化してもよく、例えば、ダクトは、それによって、所望の流体力学的挙動を達成するために中間部分において成形されてもよい。
[00239] いくつかの実施形態では、上流部分610は、1つ以上の流れ入口212を収容するために、より大きな断面、例えば、より大きな断面650Aを有してもよい。上流部分610は、複数のダクト214の各々の上流端部216において、ノズルを介して流体噴流を受けるように断面が合わされていてもよい。いくつかの実施形態では、断面650Aは、半径方向に0.3インチ延びていてもよい。様々な実施形態において、上流部分610自体は、長手方向に約0.5インチ延びていてもよい。
[00240] 1つ以上の流れ入口212の断面(流出方向に対して側方)のサイズは、製造可能性又はコストの考慮のために最小サイズに制限されてもよい。様々な実施形態において、複数のロータ300のより効率的な駆動をもたらす複数のダクト214の各々の半径方向幅は、1つ以上の流れ入口212のサイズを示す最大半径方向幅よりも小さくてもよい。例えば、ある流動体制では、複数のダクト214内の流路半径方向幅に対する境界層厚さの比は、より効率的な駆動のために大きくてもよい。様々な実施形態において、出口端部204又は下流端部218に向いた、断面650Aからより低い半径方向幅に向かって半径方向幅のテーパ654Aは、1つ以上の流れ入口212のより大きなサイズに収容しながらも、複数のロータ300の駆動の効率を増加させ得る。また、テーパ654Aは、流体の流れ(流体112)を加速及び/又は圧縮してもよく、これにより、複数のロータ300の駆動効率を高め得る。様々な実施形態において、テーパ654Aは、望ましくない流れ状態の形成を防止するため、又は複数のロータ300の駆動効率を高めるための適切な状態を促すために、(図示のように)緩やか又は比較的滑らかであってもよい。様々な実施形態において、テーパ654Aは、
図3Aに示唆されるように、長手方向軸102に関して軸対称であってもよい。
[00241] 同様に、下流部分612は、複数のブレード222を収容するために、より大きな断面、例えば、より大きな断面652Aを有してもよい。下流部分612は、複数のダクト214の下流端部218において複数のブレード222によって画定される流路308と断面的に部分的に相補的であってもよい。いくつかの実施形態では、断面652Aは、半径方向に0.230インチ延在してよい。様々な実施形態において、下流部分612自体は、1インチから1.5インチの間で長手方向に延びてよい。
[00242] 様々な実施形態において、複数のブレード222の半径方向幅は、上述した複数のダクト214の効率的な半径方向幅に対して大きくてもよい。複数のブレード222のより大きな半径方向幅は、複数のロータ300の駆動のために複数のブレード222に効率又は他の利点を与え得る。様々な実施形態において、入口端部202又は上流端部216に向けられた、断面652Aからより低い半径方向幅に向かう半径方向幅のテーパ656Aは、より大きなサイズの複数のブレード222を収容しながらも、複数のロータ300の駆動の効率を増加させ得る。また、テーパ656Aは、流体の流れ(流体112)を減速、拡散、膨張、又は加圧することがあり、これにより、複数のロータ300及び複数のブレード222の駆動効率を高めることもある。様々な実施形態において、テーパ656Aは、望ましくない流れ状態の形成を防止し又は複数のロータ300の駆動効率を高めるための適切な条件を促すために、(図示のように)緩やか又は比較的滑らかであってもよい。例えば、急激な膨張は、流れの剥離及び分離気泡の形成につながり得ることが知られている。様々な実施形態において、テーパ656Aは、
図3Aに示唆されているように、長手方向軸102に関して軸対称であってもよい。
[00243] 中間部分614は、上流部分610と下流部分612との間に画定されてもよい。
[00244] 支持構造230は、複数の管302の対応する自由端部314A、314B、314Cを受けるように構成された1つ以上又は複数のスロット620A、620B、620Cを含み得る。様々な実施形態において、複数のスロット620A、620B、620Cは、0.580インチの長手方向の深さを有してもよく、約0.10インチの半径方向の厚さを有する複数の管302の舌片を受けるように構成されてもよい。スロット620A、620B、620Cは、流体112と流体連通していてもよい。同様に、複数の管302の反対側の端部は、複数の管302の接合端部316A、316B、316C、316Dから実質的に片持ち梁状であってもよい。複数のスロット620A、620B、620Cの長手方向の深さ及び半径方向の厚さは、管の材料剛性に依存してもよく、金属対金属(又は材料対材料)の接触を防止するように構成されてもよい。
[00245] 支持構造230は、流体112を複数のノズル及び複数のスロット620A、620B、620Cに供給するために、例えば、ヘッダーブロック210を通って曲がりくねった1つ以上の入口チャネルを含んでもよい。
[00246] 様々な実施形態において、複数のダクト214は、複数のスロット620A、620B、620Cを介して互いに流体連通していてもよい。内部キャビティ240は、複数のダクト214と流体連通していてもよい。いくつかの実施形態では、スロットは、流体との流体連通を確立するために、内側キャビティ240又は複数のダクト214のダクトのうちの少なくとも1つに開口する。
[00247] スロット620A、620B、620Cは、複数の自由端部からのクリアランスを維持するように、例えば、自由端部314Aがその中に受容されたときに、自由端部314Aとスロット620Aとの間のクリアランス630を維持することによって、寸法決めされ得る。したがって、クリアランス630のようなクリアランスを維持することによって、スロット620A、620B、620Cは、スロット620A、620B、620Cに対する複数の管302の回転を可能にするように適合され得る。例えば、様々な実施形態において、スロット620A、620B、620Cはそれぞれ、スロット620A、620B、620Cのそれぞれのスロットのそれぞれの半径方向端部に約0.02インチのクリアランスを維持してもよい。様々な実施形態において、620A、620B、620Cの各々は、0.140インチ、又は0.001インチから0.250インチの間の半径方向幅を有してもよい。いくつかの実施形態において、過度に大きな半径方向の深さは、ダクトからスロット内又はスロット近傍の(循環する)流れへの流体の再指向を引き起こす可能性があり、それによって、漏れ及び効率の損失をもたらす。いくつかの実施形態では、過度に小さい半径方向の深さは、スロット(壁)と複数の管302のうちの1つ以上の管との間の物理的接触を促すか又は引き起こす可能性がある。いくつかの実施形態では、長手方向及び半径方向の深さは、スロットごとに異なっていてもよいことに留意されたい。
[00248] 流体112の潤滑膜は、各対応する(それぞれの)管302A、302B、302Cの自由端部314A、314B、314Cと、その対応するスロット620A、620B、620Cとの間に、例えばクリアランス630のようなクリアランスにおいて維持され得る。潤滑膜は、各管302A、302B、302Cの自由端部314A、314B、314Cをその対応するスロット620A、620B、620C内で少なくとも部分的に(回転可能に)支持し、その間の摺動摩擦(接触)を実質的に防止し得る。いくつかの実施形態では、複数のスロット620A、620B、620C内のクリアランスは、複数の管302が、複数のダクト214を介して、流体112を複数のスロット620A、620B、620C内に引き込んで、管302A、302B、302Cの自由端部314A、314B、314Cとそれらの対応するスロット620A、620B、620Cとの間の潤滑を維持するために複数の管302が回転しているときに、複数のスロット620A、620B、620Cの内部に比較的低い圧力ゾーンを生成するように適応し得る。いくつかの実施形態では、流体が充填されたスロットは、流体軸受のような挙動を提供し得る。
[00249] 様々な実施形態において、スロット620A、620B、620Cは、管302A、302B、302Cの長手方向円筒状(環状)縁部上をスリーブにするように構成された実質的に環状のスロットである。様々な実施形態において、スロット620A、620B、620Cは、一体成型されていてもよい。
[00250] エンドプレート232は、複数の管302の管302A、302B、302C、又は310に、管のジョイント端部316A、316B、316C、又は316Dの対応するジョイント端部で結合されて、例えば実質的に自由に、管302A、302B、302C、又は310をジョイント端部316A、316B、316C、又は316Dから片持ちし得る。エンドプレート232は、一体成型であってもよい。様々な実施形態において、片持ち梁とは、片持ち梁効果を可能にするために、一方の端部が固定され、他方の端部が実質的に非固定であり得ることを指す。
[00251] 様々な実施形態において、エンドプレート232は、長手方向軸102に沿って接合端部316A、316B、316C、又は316Dのそれぞれの接合端部と螺合で係合することによって、管302A、302B、302C、又は310に結合される。
[00252] 例えば、ジョイント端部316A、316B、316C、又は316Dは、相補的な締結具と螺合で係合するようにねじ切り又はタップ加工されていてもよい。接合端部316A、316B、316C、又は316Dは、タップ付き溝又はねじ切り延長部などの1つ以上の個別の締結部分を有し得て、これらの締結部分は、接合端部316A、316B、316C、又は316Dにおいて管の円周上に分布し得る。
[00253] いくつかの実施形態では、ジョイントは、管302A、302B、302C、又は310のジョイント端部316A、316B、316C、又は316Dの周りに円周方向に延在する締結部分を有する。例えば、管302A、302B、302C、又は310は、接合端部316A、316B、316C、又は316Dでねじ切りされるか、又は接合端部316A、316B、316C、又は316Dが全体としてねじ可能に係合して管302A、302B、302C、又は310をエンドプレート232と結合するように(内部で)タップ加工される。
[00254] いくつかの実施形態では、ジョイント端部316A、316B、316C、又は316Dは、エンドプレート232から延びる相補的なねじ付き締結部分を受けるように構成され得る、円周方向に延びる内部ねじ付き環状溝を有し得る。様々な実施形態において、この相補的ねじ締結部分は、エンドプレート232と一体的に形成されるか、又は一体構造であってもよく、あるいは、エンドプレート232及び管302A、302B、302C、又は310と同時に係合するための別個の結合部品であってもよい。
[00255] 例えば、別個の結合部品は、エンドプレート232を介して管302A、302B、302C、又は310と係合するように構成されたねじ付き締結具であってもよい。このような結合部品の一例は、エンドプレート232のクリアランス孔を通過して、管の結合端部において、クリアランス孔と軸方向に整列及び隣接するねじ穴に螺合することによって、エンドプレート232と管302A、302B、302C、又は310とを結合するキャップねじである。様々な実施形態において、複数の管302の各管302A、302B、302C、又は310は、エンドプレート232にそうように(例えば、独立して又は別個に)結合されてもよい。
[00256] いくつかの実施形態では、複数の管302は、エンドプレート232の回転ヘッドへの圧入であってもよく、例えば、そこに別のコンポーネントを嵌め込むことができるように、1つのコンポーネントの熱膨張によって製造される。いくつかの実施形態では、このような構成は、より安価で、より頑丈であるかもしれないが、容易に分解できないかもしれない。いくつかの実施形態では、複数の管302は、エンドプレート232と螺合可能に係合するように構成された長手方向縁部を有し得る。例えば、長手方向縁部は、ねじ切りされていてもよいし、タップ加工された円周方向に延びるスロットを含んでいてもよい。
[00257] 上述の議論は、管302A及びそこに形成されたダクトに焦点を当てたが、同様の議論は、他の管及びそこに形成されたダクトにも及ぶことが理解される。
[00258] 複数のダクト214の半径方向幅のある分布に対して、半径方向外側ダクトは、流体を向こう側にポンピングするために半径方向内側ダクトによって消費される電力を生成し得ることが見出された。いくつかの実施形態では、複数のダクト壁220によって画定される半径方向最内側ダクト壁660Aは、複数のダクト壁220によって画定される半径方向最外側ダクト壁660Bに対して半径方向に寸法決めされる。このような寸法決めは、複数のロータ300によって生成されるシャフト動力を使用して、複数のダクト214の1つ以上を通る流体112のポンピングを防止するように構成される。
[00259] 様々な実施形態において、半径方向最内側ダクト660Aは、第1の所定半径よりも大きく、及び/又は半径方向最外側ダクト660Bは、第1の所定半径よりも大きい第2の所定半径よりも小さい。様々な実施形態において、中間部分614A、614B、又は614Cの(個々の)半径方向幅658A、658B、又は658Cは、それぞれ異なっていてもよく、変化してもよい。例えば、境界層ターボマシン100のタービン実施形態に対して、半径方向幅658A、658B、又は658Cは、複数のダクト214のうちの1つ又はすべてにおけるポンピングを防止又は緩和するように構成され得る。
[00260] 様々な実施形態において、支持構造230のハウジング部分670は、複数の管302を円周方向に取り囲む。いくつかの実施形態では、ハウジング部分670は、複数のダクト214内の流体の加圧を維持するように構成される。様々な実施形態において、ハウジング部分は、圧力を調整するためのレギュレータバルブのための開口部を含んでよい。
[00261]
図7から
図11は、計算流体力学の結果を示す。
[00262]
図7は、計算流体力学を用いて計算された、例示的な境界層ターボマシン100の複数のダクト214の例示的なダクト内の速度等高線及び流線(velocity contours and streamlines)の斜視図である。
[00263]
図8は、計算流体力学を用いて計算された、例示的なダクト内の圧力等高線の斜視図である。
[00264]
図9は、計算流体力学を使用して計算された例示的なダクト内の温度コンターの斜視図である。
[00265] ダクトは、半径方向最外側の管700A、半径方向最内側の管700C、及び半径方向中間の管700Bの上に形成されている。
[00266] 流れは、複数のブレードに向かって流れるにつれて管の周囲をスパイラル状に流れ、その途中で温度と圧力が低下する。半径方向内側の管は、概して、半径方向外側の管よりも高い圧力、遅い速度、及び/又は低い温度であり得る。
[00267]
図10Aは、例示的なダクトの1つにおける、数値流体力学を用いて計算された速度等高線及び流線の拡大斜視図である。
[00268]
図10Bは、計算流体力学を用いて計算された、例示的なダクト内の圧力等高線の拡大斜視図である。
[00269]
図10Cは、計算流体力学を用いて計算された、例示的なダクト内の温度等高線の拡大斜視図である。
[00270] 例示的なダクトは、複数の管302のうちの管1000上に形成されている。拡大図は、複数の羽根の周りの流れの状態を示している。特に、複数の羽根は流線を受けるように適応している。
[00271]
図11は、数値流体力学を用いて計算された、境界層ターボマシン100の例示的なノズル1100の外側における速度流線の斜視図である。ノズルから出る流体ジェットは、方位角的に整列されることがある。
[00272]
図12は、実施形態による、発電システム1200の概略ブロック図である。
[00273]
図12において、太い中空の矢印は、エネルギーの一般的な移送を示し、実線の矢印は、流体の流れ(これは、一般的にエネルギーの移送も含み得る)を示し、破線は、いくつかの実施形態では存在しないことがある流れ及び構成要素を表し得る。
[00274] いくつかの実施形態では、システム1200は、ランキンパワーサイクル(Rankine power cycle)及び/又はブレイトンパワーサイクル(Brayton power cycle)に類似しているか又は基づいていてもよい。
[00275] システム1200は、作動流体からエネルギーを抽出するための境界層エネルギー抽出サブシステム1204と、境界層エネルギー抽出サブシステム1204における後続のエネルギー抽出を可能にするために作動流体を再生するための再生サブシステム1202とを含み得る。
[00276] いくつかの実施形態において、二次サブシステム1203は、システム1200において段階的熱伝達をもたらすために再生サブシステム1202に結合されてもよく、例えば、二次サブシステム1203は、再生サブシステム1202及び境界層エネルギー抽出サブシステム1204とは異なる作動流体を利用してもよい。
[00277] 二次サブシステム1203は、それぞれ、二次熱入力1211及び二次熱出力1209を使用して、再生サブシステム1202に熱を提供しかつ熱を受け取得る。二次熱入力1211及び二次熱出力1209はそれぞれ、別個の、又は同じ、中間エネルギー貯蔵媒体(流体又は固体)であってもよい。
[00278] 境界層エネルギー抽出サブシステム1204及び再生サブシステム1202は、フィードバックのために互いに結合されてもよい。様々な実施形態において、二次サブシステム1203は、再生サブシステム1202に結合されてもよい。
[00279] 流体は、再生サブシステム1202からより高い温度、圧力、及び/又は体積の流体(又はより高いエネルギーの流体)として位置A-12において境界層エネルギー抽出サブシステム1204に入り、境界層エネルギー抽出サブシステム1204からより低い温度、圧力、及び/又は体積の流体(又はより低いエネルギーの流体)として再生サブシステム1202に入ってもよい。
[00280] いくつかの実施形態では、A-12及びB-12における作動流体は、第2の流体であってよく、この第2の流体は、例えば、第1の流体を第2の流体から隔離する熱交換器を使用して、第1の流体を使用して二次サブシステム1203において加熱されてよい(逆も同様である)。第2の流体は、二次サブシステム1203からより高い温度、圧力、及び/又は体積の流体(又はより高いエネルギーの流体)として位置C-12で再生サブシステム1202に入り、再生サブシステム1203からより低い温度、圧力、及び/又は体積の流体(又はより低いエネルギーの流体)として位置D-12で二次サブシステム1203に入り得る。
[00281] 様々な実施形態において、位置A-12における(第2の)作動流体は、蒸気又は多相であってよい。いくつかの実施形態では、位置A-12における作動流体は過熱蒸気であってよい。
[00282] 境界層エネルギー抽出サブシステム1204において抽出されたエネルギーは、動力出力1260として供給されてもよい。いくつかの実施形態では、動力出力1260はシャフト動力であってもよい。
[00283] いくつかの実施形態では、電力出力1260は、電気出力1280を生成するために発電機1270を駆動するために、発電機1270において使用され得る。
[00284] 様々な実施形態において、発電機1270は、いくつかのケースではかなりの廃熱を生成し得る。例えば、交流(AC)発電機は、内部抵抗、ヒステリシス損失、摩擦及び抗力による機械的損失に起因して廃熱(又は熱損失)を生成し得る。いくつかの実施形態では、生成された廃熱は、発電機の効率損失を実質的に表す場合がある。例えば、発電機1270が50%の効率で動作する場合、発電機1270に入力されるエネルギーの実質的に40~50%が廃熱として失われ得る。
[00285] いくつかの実施形態では、システム全体の効率を改善し、発電機1270の性能を向上させるために廃熱を使用することを含めて、発電機1270を冷却し及び/又は作動流体を予熱するために、作動流体を発電機1270に供給してもよい。
[00286] 境界層エネルギー抽出サブシステム1204は、作動流体からエネルギーを抽出するための1つ以上の境界層タービン1230を含んでもよい。境界層タービン1230は、境界層ターボマシン100の1つ以上の実施形態を含んでもよい。いくつかの実施形態では、境界層エネルギー抽出サブシステム1204は、1つ以上のブレードタービン(複数可)1234、及び/又はステータ1236を含み得る。例えば、軸方向ステージ224は、境界層エネルギー抽出サブシステム1204に含まれてもよい。
[00287] いくつかの実施形態では、境界層エネルギー抽出サブシステム1204は、作動流体を凝縮させるか、又はそこからエネルギーを抽出することによって作動流体を少なくとも部分的に凝縮させてもよい。例えば、位置B-12における作動流体は、液体及び/又は多相であってもよい。いくつかの実施形態において、境界層エネルギー抽出サブシステム1204は、多相作動流体を受け入れてもよく、液相においてより高い質量分率を有する多相作動流体を生成してもよい。いくつかの実施形態において、位置A-12における作動流体の蒸気品質は、位置B-12における作動流体の蒸気品質よりも高くてもよい。
[00288] 再生サブシステム1202は、熱交換器1220、コンプレッサ1222、液体ポンプ1224、及び/又は凝縮器1226を含んでもよい。
[00289] 再生サブシステム1202は、熱入力1210を受け取ってもよい。様々な実施形態において、熱入力1210は、燃焼及び/又は酸化によって生成された熱であってよい。いくつかの実施形態では、熱入力1210は、工業プロセスからの廃熱であってもよい。
[00290] いくつかの実施形態では、熱入力1210は、熱交換器1220を介して作動流体を加熱するよう使用されてもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器1220は、シェル&チューブ式熱交換器を含んでもよい。いくつかの実施形態において、熱交換器1220は、炉を含んでもよい。作動流体を加熱することにより、その温度及び/又は圧力を上昇させてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、作動流体は、加熱時に気化する液体又は多相流体であってもよい。気化は、気化熱によるより大きなエネルギー吸収を可能にし得る。
[00291] いくつかの実施形態において、作動流体は、熱交換器1220に供給される前に、コンプレッサ1222において圧縮されてもよい。コンプレッサ1222は、1つ以上の軸流コンプレッサ、混合流コンプレッサ及び/又は遠心コンプレッサを含んでいてもよい。例えば、作動流体は、圧縮によって作動流体が液化されるように、圧縮前に蒸気であってもよい。
[00292] いくつかの実施形態では、(液体)作動流体は、液体ポンプ1224、例えば容積式ポンプを用いて圧送されてもよい。
[00293] 作動流体は、ポンピングの前に凝縮器1226で液化されることがあり、これにより熱出力1208がもたらされることがある。作動流体を凝縮させることは、熱入力1210を供給する熱源からのエネルギーのために気化熱を利用するのに有利であり得る。いくつかの実施形態において、熱出力1208は、廃熱として周囲に失われることがある。
[00294] 様々な実施形態において、コンプレッサ1222及び/又は液体ポンプ1224は、電力出力1260によって電力を供給されてもよい。コンプレッサ1222及び/又は液体ポンプ1224は、発電するために発電サイクルを通して作動流体を循環させるための動力を提供し得る。
[00295] いくつかの実施形態では、作動流体は、作動流体からのエネルギー抽出によって引き起こされる境界層タービン1230内の凝縮のために、位置B-12において液体又は実質的に液体であることがある。
[00296] いくつかの実施形態では、熱は、二次サブシステム1203を介して再生サブシステム1202に供給されてもよい。二次サブシステム1203内の第1の流体は、熱入力1210を吸収し、第2の流体に移され、再生サブシステム1202にエネルギーを供給し得る。
[00297] いくつかの実施形態では、再生サブシステム1202から失われた熱は、二次サブシステム1203によって吸収され得る。二次サブシステム1203は、熱出力1208としてエネルギーを出力してもよい。
[00298] いくつかの実施形態では、二次サブシステム1203は、第1の流体を再生サブシステム1202に出し入れするための構成要素を含み得る。いくつかの実施形態では、二次サブシステム1203は、コンプレッサを含み得る。
[00299]
図13は、実施形態による、発電システム1300の概略ブロック図である。
[00300] このシステムは、システム1200の作動流体を加熱することによってシステム1200にエネルギーを注入するためのヒーター1205を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ヒーター1205は、熱交換器1220にエネルギーを供給する熱入力1210源を含んでもよい。
[00301] いくつかの実施形態では、作動流体は、加熱器1205で加熱される前に、少なくともいくらかの凝縮物を含み得る。例えば、作動流体は、液体、実質的に液体、及び/又は多相(液体及び蒸気)であってもよい。そのような凝縮物は、システム1200の他の構成要素における圧縮及び/又は冷却から生じてもよい。
[00302] ヒーター1205は、作動流体を加熱して、少なくとも部分的に気化した作動流体(又は流体)を生成し得る。例えば、加熱された作動流体は、蒸気、実質的に蒸気、及び/又は多相(液体及び蒸気)であってもよい。作動流体が加熱の前後で多相である場合、加熱は、液体に対する蒸気の蒸気圧又は質量分率を増加させ得る。
[00303] 加熱された作動流体は、作動流体からエネルギーを取り出すために、境界層ターボマシン100の一実施形態であってもよい(第1の)境界層タービン1230Aに供給されてもよい。
[00304] 境界層タービン1230Aにおける作動流体からのエネルギー抽出後、作動流体は、軸方向ステージ224に供給されてもよい。軸方向ステージ224は、作動流体からエネルギーを抽出するために境界層タービン1230Aから作動流体を受け取るように境界層タービン1230Aに結合されてもよい。軸方向ステージ224は、軸流タービンなどの軸流ロータ、及び/又は軸流ステータを含んでもよい。
[00305] いくつかの実施形態では、軸方向ステージ224は、シャフトを回転駆動するように構成されてもよい。様々な実施形態において、軸方向ステージ224は、シャフトを介在させずに、境界層タービン1230A、1230Bの一方又は両方に直接結合されてもよい。軸方向ステージ224及び境界層タービン1230A、1230Bは、別個のシャフトの有無にかかわらず、生成された動力を伝達するために結合されてもよい。
[00306] 作動流体のエネルギーは、軸方向ステージ224において低減されてもよい。例えば、いくつかのケースでは、作動流体の圧力及び/又は温度が低減されてもよい。
[00307] 軸方向ステージ224における作動流体からのエネルギー抽出後、作動流体は、第2の境界層タービン1230Bに供給され得る。
[00308] 境界層タービン1230A、1230Bは、作動流体から動力、例えばシャフト動力を生成するために、それぞれの境界層タービン1230A、1230Bにエネルギーを供給するためのそれぞれのダクト壁を有し得る。
[00309] 境界層タービン1230A、1230Bは、作動流体が、境界層タービン1230A、1230Bのそれぞれの長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に前述のそれぞれのダクト壁を摩擦で引き込むことによって、それぞれの境界層ターボマシンの対応する長手方向軸の周りに駆動可能な回転のために構成され得る。
[00310] いくつかの実施形態では、冷却され凝縮された作動流体は、発電機1270の冷却、すなわち作動流体凝縮物の予熱のために発電機1270に供給されてもよい。そして、作動流体は、少なくとも部分的な凝縮物の形態で加熱器1205に戻される。システム1200を、加熱器1205に供給するための実質的に液体の作動流体を生成するように構成することが有利であることが見出される。
[00311] A-13、B-13、C-13、及びD-13の位置における作動流体の熱力学的特性を、例示的な実施形態について表4に示す。
【0012】
【表4】
[00312] 例示的な実施形態について、作動流体の多相特性を表5に示す。
【0013】
【表5】
様々な実施形態において、作動流体はプロパンであってもよく、そのようなシステムの効率は、例えば約700~800馬力、又は約700~740馬力(約530~550kW)を生成するために、約60%であってもよい。
[00313] いくつかの実施形態では、熱入力は約895kWであり、熱出力1208は約368kWである。
[00314] 様々な実施形態において、液体ポンプ1224は、約8ft
3/分の体積流量に構成され得る。
[00315] 発電システムの様々な実施形態では、複数の境界層ターボマシン100が一緒に結合されてもよく、例えば、3つ又は4つの境界層ターボマシン100が段階化されてもよい。各境界層ターボマシン100は、異なるように構成されてもよく、例えば、ダクト壁の数、半径、入口羽根の数、及び他のパラメータは、1つの境界層ターボマシン100から別の境界層ターボマシン100まで異なってもよい。
[00316]
図14は、実施形態による、発電するシステム1400の概略ブロック図である。
[00317] システム1400において、第2の境界層タービン1230Bは、作動流体からエネルギーを抽出することによって凝縮物を生成するように構成されてもよい。第2の境界層タービン1230Bにおいて生成された凝縮物は、作動流体の蒸気質を、加熱器1205における再加熱(及び気化)に適したレベルまで低下させることもある。
[00318] 有利なことに、別個の凝縮器を使用しなくてもよい。別個の凝縮器で作動流体を凝縮させることによるエネルギー(熱)損失は回避し得る。このようなエネルギー又はその一部は、機械的エネルギーに変換し得る。いくつかの実施形態では、効率の改善が達成される場合がある。
[00319] 様々な実施形態において、(蒸気)コンプレッサ1222は、気化後の作動流体を圧縮するために加熱器1205の下流に配置され得る。圧縮及び/又は加圧は、作動流体を通して引き込むためにシステム1400内に適切な圧力勾配を確立し得る。
[00320] 例示的な実施形態について、位置A-13、B-13、及びC-13における作動流体(プロパンであってもよい)の熱力学的特性は、表6に列挙されている。
【0014】
【表6】
[00321] 例示的な実施形態について、作動流体の多相特性を表7に示す。
【0015】
【表7】
[00322]
図15Aは、実施形態によるシステム1300の斜視図である。
[00323]
図15Bは、
図15Aのシステム1300の部分拡大断面図である。
[00324]
図15A~15Bを参照すると、システム1300のダクト内の材料の流れは、適切な場合に、大きな(輪郭のある)矢印を用いて示されている。
[00325]
図15A~15Bを参照すると、システム1200の長手方向軸102は、境界層タービン1230A、1230Bのダクト壁、軸方向ステージ224のロータ、及び発電機1270の、共通の回転軸線を画定し得る。いくつかの実施形態では、これらの構成要素のうちの1つ以上が別個の回転軸を有していてもよい。共通の回転軸を有することにより、構造が単純化され、構成要素の直接的な結合が可能になる場合がある。
[00326] 高温の作動流体は、入口ダクト1510を介して境界層タービン1230Aの複数のダクトに供給される。
[00327] 境界層タービン1230の複数のダクトは、対応するダクト壁によって少なくとも部分的に画定され得る。これらのダクト壁は、シャフト動力を生成するために作動流体によって長手方向軸1560を中心に駆動可能に回転するように構成され得る。
[00328] 軸方向ステージ224は、境界層タービン1230Aと境界層タービン1230Bとの間に挟まれることがある。
[00329]境界層タービン1230Bは、軸方向ステージ224から境界層タービン1230Bを少なくとも部分的に画定する複数のダクト内に、エネルギーを低減した作動流体を受け入れてもよい。複数のダクトは、作動流体と摩擦係合し、作動流体によって長手方向軸1560を中心に駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって少なくとも部分的に画定されてもよい。様々な実施形態において、境界層タービン1230Bのダクト壁は、作動流体を少なくとも部分的に凝縮又は冷却するために、境界層タービン1230Bの複数のダクト内を流れる作動流体からエネルギーを伝達するように構成されてもよい。
[00330] 軸方向ステージ224は、境界層タービン1230Aと境界層タービン1230Bとを軸方向に離間させるために、軸方向ステージ224の対向する端部において2つの境界層ターボマシンに結合させてもよい。
[00331] 様々な実施形態において、境界層タービン1230A、軸方向ステージ224、及び境界層タービン1230B(及び、いくつかの実施形態では、発電機1270)は、共通の回転のために一体的に形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、構成要素は、中間シャフト体又は歯車装置を介さずに、ねじ切り可能な接続部を介して互いに取り付けられ又は一体的に結合されてもよい。例えば、別個の構成要素を一体化した後に「シャフト」を形成してもよい。
[00332] 発電機1270は、軸方向ステージ224及び境界層タービン1230A、1230Bに連結されて発電し、電気ケーブル1550を介して発電機1270から出力される。
[00333] 様々な実施形態において、発電機1270は、誘導発電機又は永久磁石発電機/モータであってもよい。発電機1270は、発電機1270の耐用年数及び/又は性能の劣化につながる可能性のある熱を生成し得る。また、生成された熱は、再生されない場合、システム1300からのエネルギーの損失となり得る。
[00334] 境界層タービン1230Bにおける冷却の後、冷たい作動流体は、発電機入口1520を介して発電機1270の中及び/又は周囲に引き込まれる。いくつかの実施形態では、冷たい作動流体は、発電機1270の高温部分を取り囲む熱交換器に供給されてもよい。例えば、冷たい作動流体は、熱交換のために構成された長手方向軸102の周りのヘリカル状ダクト1570に供給されてもよい。
[00335] 発電機1270を冷却した後、作動流体は出口ダクト1530を介して引き出され、凝縮器1226及び液体ポンプ1224を介して加熱器1205に戻る。
[00336] 作動流体の流れを制御するために、バルブ1540を設けてもよい。
弁1540は制御可能な弁であってもよい。いくつかの実施形態において、弁1540は、弁1540を通る流量を変化させるように制御可能であってもよい。様々な実施形態において、弁1540は、電気的に(例えばソレノイドを介して)、油圧的に、及び/又は空気圧的に作動可能であってよい。
[00337] 様々な実施形態において、境界層タービン1230A及び/又はそのダクトは、それぞれ境界層タービン1230B、及び/又はそのダクトと実質的に同様の内径及び外径を有してよい。いくつかの実施形態では、境界層タービン1230A及び境界層タービン1230Bのダクトの数は、実質的に同様であってよい。
[00338] 様々な実施形態において、軸受1580は、長手方向軸102に関する結合位置の周りで構成要素を支持するために提供され得る。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシンは、セラミック軸受のような費用効果の高い軸受の使用を可能にするために、比較的低い回転数での動作を容易にし得る。
[00339] 様々な実施形態において、境界層タービン1230A、1230Bのダクト壁のそれぞれのセットは、ダクト壁間の差回転を防止するために、特定の境界層タービンのダクト壁を一緒に結合する締結具1582を介して一体的に形成されてもよい。例えば、特定の境界層タービンのダクト壁を画定する環状管は、全て同様又は同じ角速度で回転し得る。
[00340] 様々な実施形態において、軸方向ステージ224の1つ以上のロータ及び/又はステータは、長手方向下流に分岐していてもよい。
[00341]
図16Aは、実施形態による、システム1400の斜視図である。
[00342]
図16Bは、
図16Aのシステム1400の断面図である。
[00343]
図16Cは、
図16Aのシステム1400の部分拡大断面図である。
[00344]
図16A~16C(及び後述の
図16D~16Iも同様)を参照すると、システム1400のダクト内の材料の流れが、適切な場合には、大きな(輪郭のある)矢印を用いて示されている。
[00345] 熱入力1210は、入口1602を通って熱交換器に入り、出口1604を通って出る高温流体を介して、熱交換器1220に供給され得る。いくつかの実施形態において、熱交換器1220は、シェル&チューブ式熱交換器であってもよい。
[00346] コンプレッサ1222は、ブレードコンプレッサであってもよい。例えば、コンプレッサ1222は、軸流コンプレッサ、遠心コンプレッサ、及び/又は混合流コンプレッサであってもよい。いくつかの実施形態では、コンプレッサ1222は、インペラの一種であってもよい。コンプレッサ1222は、実質的に単相の流体を受け入れるように構成されてもよい。コンプレッサ1222は、実質的に単相運転のために構成されてもよい。
[00347] 作動流体のエネルギー(エンタルピー)は、第1の境界層タービン1230Aの入口から第2の境界層タービン1230Bの出力まで減少し得る。作動流体から引き出されたエネルギーは、機械的な仕事に変換されてもよい。第2の境界層タービン1230Bは、作動流体中の凝縮物を増加させるために、作動流体を十分に冷却し得る。いくつかの実施形態では、形成される凝縮物は、凝縮器と同様の量であってもよい。
[00348] 様々な実施形態において、第2の境界層タービン1230Bの長さは、凝縮物形成の所望の割合を達成するため、及び/又は発電(又は作動流体からのエネルギー抽出)の所望の量を達成するために変化させ得る。様々な実施形態において、境界層タービン1230Aの複数のダクトは、境界層タービン1230Bの複数のダクトよりも軸方向に実質的に短くてもよい。いくつかのケースでは、境界層タービン1230A、及び/又はそのダクトは、それぞれ、境界層タービン1230B、及び/又はそのダクトの軸方向長さの3分の1から2分の1の間であることが有利であることが見出される。
[00349] いくつかの実施形態では、境界層タービン1230Bからの冷却され凝縮された作動流体は、発電機1270の冷却、すなわち凝縮物の予熱のために発電機1270に供給されてもよい。作動流体は、その後、少なくとも部分的な凝縮物の形態で加熱器1205に戻される。
[00350] ヒーター1205に供給するための実質的に液体の作動流体を生成するようにシステム1400を構成することが有利であることが見出される。
[00351] 有利なことには、発電機1270によって生成された熱は、発電機1270における熱に関連する劣化(例えば、熱蓄積を介して)を緩和すると同時に、システム1400からの熱損失を低減するために作動流体を予熱するように、作動流体によって吸収され得る。
[00352] 発電機1270の周囲のプレナム1606は、発電機1270を冷却するため、及び作動流体を予熱するために、冷たい作動流体を受け取得る。プレナム1606は、境界層タービン1230Bの出口を熱交換器1220に流体接続されたダクトに流体接続してもよい。
[00353] いくつかの実施形態では、システム1400は、熱が逃げることに対して実質的に閉鎖されてよい。例えば、熱は、熱交換器1220を介してシステム1400に入ることのみでき、そうでなければ、不完全な断熱及び他の伝導損失、騒音、及び/又は振動のために、漏れを介しての場合を除いて、システムから出ることができない。システム1400に供給された熱は、機械的エネルギー、例えばシャフトエネルギーに変換されてもよい。また、システム1400に対する寄生負荷、例えばコンプレッサ1222による寄生負荷が存在し得る。
[00354] 本明細書において、「シャフトエネルギー」とは、質量物体、すなわち慣性モーメントを有する物体の回転運動の形態の機械的エネルギーを指す。例えば、シャフトエネルギーは、明確な一体型(又は一体的に構成された)シャフトがない場合でも生成され得る。
[00355]
図16Dは、実施形態による、管302のダクト壁、ヘッダーブロック210及びヘッダプレート208を含むヘッダ部206を示すために外側ハウジングが除かれた、境界層タービン1230Aの内部斜視図である。
[00356]
図16Eは、実施形態による、
図16Dの境界層タービン1230Aの内部側面図である。
[00357]
図16Fは、
図16Eに示す境界層タービン1230Aの内部側図の拡大図であり、実施形態に従って、ヘッダーブロック210及び管302の間のクリアランス1608を示している。
[00358] 作動流体は、支持構造230の一部であるヘッダーブロック210を出て、流れ入口212を介してダクトに出てもよい。
[00359] ヘッダーブロック210は、管302の自由端部に隣接していてもよい。管302の自由端部は、他の構成要素に取り付けられておらず、長手方向軸102を中心に自由に回転し得る。
[00360] ヘッダーブロック210は、ヘッダーブロック210に対する管302の回転を可能にするために、管302の自由端部とヘッダーブロック210との間のクリアランス1608を維持するように適応し得る。様々な実施形態において、クリアランスは1000分の3~1000分の8インチ(3~8thou)の間で変化し得る。
[00361]
図16Fに示すように、いくつかの実施形態では、クリアランスを画定するヘッダーブロック210及び管302のそれぞれの面(の対向する端部)は、互いに実質的に平行であってよい。いくつかの実施形態では、これらの面は、長手方向軸に対して実質的に垂直である。例えば、単純化された構造及び有利な流体力学的挙動がそれによって達成され得る。
[00362] 前述したように、いくつかの実施形態において、クリアランスの面は、長手方向軸に対して実質的に平行であってよく、舌の面と、舌を受けるスロットの面とを含んでよい。
[00363] 様々な実施形態において、クリアランス1608は、管302とヘッダーブロック210との間の流体の潤滑膜を維持するように適応し得る。
[00364] 様々な実施形態において、流れ入り口212は、管302の自由端部に隣接する端部においてヘッダーブロック210に形成されてもよい。
[00365] 複数の流れ入り口212は、クリアランス1608を横切って複数の管によって画定されたダクト内に流体を注入するように方位角方向に傾斜していてもよい。
[00366] クリアランスを横切るダクトへの流体の注入は、同心円状に隣接するダクト間の流体の移動を緩和又は低減することがある。例えば、流体力学的層(せん断層など)の形成は、クリアランス1608を介した複数のダクトのダクト間のクロスフローを減少させる不利な圧力勾配を維持し得る。
[00367] 様々な実施形態において、締結具1582は、その中に画定された羽根を通して複数のダクトを通して締結されてもよい。
図16D~16Eに見られるように、羽根は、管に沿って様々な傾斜を有してよい。例えば、流れ入口に比較的近位の羽根は、そこから比較的遠位の羽根と比較して、方位角方向により配向され得る。
[00368] 複数のブレード222は、自由端部とは反対側の管302の端部に形成されてもよい。管302の端部は、管302から半径方向外向きに延びるリッジ1610又はリップを形成してもよい。いくつかの実施形態では、管302の端部は、流れ入口212から離れるように半径方向内側に傾斜してよい。様々な実施形態において、半径方向の傾斜は、12°~18°又は約16°の間であってよい。
[00369]
図16Gは、実施形態による、
図16Dの境界層タービン1230Aのヘッダーブロック210と隣接管302の拡大斜視図である。
[00370]
図16Hは、
図16Dの境界層タービン1230Aのヘッダーブロック210及び隣接管302の内部斜視図であり、実施形態に従って、ヘッダーブロック210に形成された内部チャネルを示すためにヘッダーブロック210の外側ハウジングが省略されている。
[00371]
図16Iは、実施形態による、
図16Hの境界層タービン1230Aのヘッダーブロック210及び隣接管302の内部側面図である。
[00372] 流れ入口212は、ヘッダーブロック210に形成された流路の端部に画定される矩形のポート(又はスロット)であってもよい。チャネルは、少なくとも部分的に、ヘッダーブロック210を取り囲むそのハウジングによって画定され得る。
[00373] チャネルは、長手方向軸に実質的に平行に作動流体を受け入れてもよく、流体を方位角方向に再配向してもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、ヘッダーブロック210から立ち上がる要素の間に形成されてもよい。例えば、そのような要素は、管302に合わされてもよいし、その上に付加的に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、チャネルは、(流体の比較的滑らかな又は緩やかな方位角方向の再配向を達成するために)流れ方向にアーチ状に形成されてもよく、出口端部(流れ入口212の近位)に向かって収束して、管302に衝動を与える方位角方向に(部分的に)傾斜した噴流を形成して、その回転を引き起こして発電してもよい。
[00374] いくつかの実施形態では、ダクトへの流れ入口212は、長手方向軸の周りに等間隔に配置されてよい。いくつかの実施形態では、流れ入口212は、隣接する流れ入口から噴出する噴流間の干渉又は実質的なクロスフロー(直交流)を防止するために、管302の円周に沿って間隔を空けて配置されてもよい。いくつかの実施形態では、流れ入口212は、そのような距離以下の間隔を空けてよい。様々な実施形態において、流動入口212に関連する数、サイズ、及び流動特性は、境界層タービン1230Aによって生成される所望の出力及びトルクを達成するために変化させ得る。
[00375] いくつかの実施形態では、流れ入口212は対で形成されてもよい。流れ入口212の総数は偶数であってもよい。各流れ入口は、境界層タービン1230内の力の均衡を向上させるために、管302を横切って対蹠的に形成された、それに関連する対向流流れ入口を有し得る。
[00376]
図16A~16Iを参照して上述したように、ヘッダーブロック210の実施形態は、境界層ターボマシン100の様々な実施形態の一部であってもよい。
[00377]
図17Aは、実施形態による、長手方向軸102に平行なダクト1700の概略断面図である。
[00378] ダクト壁220は、長手方向に断面積が減少している場合がある。
[00379] いくつかの実施形態では、ダクト壁220は長手方向に収束していてもよい。いくつかの実施形態では、第1の長手方向位置1704Aにおけるダクト壁220間の半径方向の離隔1702Aは、第2の長手方向位置1704Bにおけるダクト壁220間の半径方向の離隔1702Bと異なっていてもよい。
[00380] 第1の長手方向位置1704Aは、第2の長手方向位置1704Bと比較して又はこれに対して、入口端部202から近位であり、出口端部204から遠位であってもよい。
[00381]
図17Bは、実施形態による、第1の長手方向位置1704Aにおけるダクト1700の概略半径方向断面図である。
[00382]
図17Cは、実施形態による、第2の長手方向位置1704Bにおけるダクト1700の概略半径方向断面図である。
[00383] ダクト1700の第1の半径方向断面1706Aは、ダクト1700の第2の半径方向断面1706Bよりも大きい。第1の半径方向断面1706Aは、第2の半径方向断面1706Bに対して入口端部202の近位にある。
[00384]
図18は、発電するために相変化するように構成された作動流体を使用して発電する例示的な方法1800のフローチャートである。
[00385] 方法1800のステップ1802は、作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために凝縮物に熱を与えることを含んでもよい。
[00386] 方法1800のステップ1804は、半径方向に分離されたダクト壁の間で長手方向に延びるダクト内に、少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受け入れることを含み得る。
[00387] 方法1800のステップ1806は、凝縮物を生成するために作動流体の凝縮を引き起こすために作動流体とエネルギーを交換するために、ダクト壁とダクト内の作動流体との摩擦係合を介して半径方向に分離されたダクト壁のダクト壁を回転可能に駆動することを含み得る。
[00388] 方法1800のいくつかの実施形態は、シャフト動力を生成するためにタービンロータを駆動可能に回転させるために、タービンロータのブレード上に作動流体を受けることを含み、半径方向に分離されたダクト壁の間を長手方向に延びるダクト内に少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受けることは、タービンロータから少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受けることを含む。
[00389] 方法1800のいくつかの実施形態は、半径方向に分離されたダクト壁を回転駆動することによって発電機を駆動することと、凝縮物及び/又は作動流体をそれぞれ予熱するために、凝縮物及び/又は作動流体を使用して発電機を冷却することとを含む。例えば、作動流体は多相であってもよい。
[00390] 方法1800のいくつかの実施形態では、作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために凝縮物に熱を付与することは、凝縮物を受けるように構成された加熱器を使用することを含む。方法1800のいくつかの実施形態は、半径方向に分離されたダクト壁を回転駆動することによって発電機を駆動することと、発電機からの熱を使用して熱交換器内で凝縮物を予熱することと、凝縮物を熱交換器を介して加熱器に受け入れることとを含む。
[00391] 方法1800のいくつかの実施形態では、作動流体は、凝縮物を生成するために凝縮を引き起こすために圧縮を介してエネルギーを付与される。
[00392] 方法1800のいくつかの実施形態では、半径方向に分離されたダクト壁の間で長手方向に延びるダクト内に少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を受けることは、ダクトの上流端部で流れる作動流体を受けることを含み;半径方向に分離されたダクト壁の間で画定される第1の半径方向断面は、半径方向に分離されたダクト壁の間で画定される第2の半径方向断面よりも大きく、第1の半径方向断面は、第2の半径方向断面に対して上流端部の近位にある。
[00393] 方法1800のいくつかの実施形態では、半径方向に分離されたダクト壁間の第1の半径方向分離は、半径方向に分離されたダクト壁間の第2の半径方向分離よりも大きく、第1の半径方向分離は、第2の半径方向分離に対して上流端部に近接している。
[00394]
図19は、実施形態による、発電システム1900の概略ブロック図である。
[00395] 様々な実施形態において、システム1900は、いくつかの点でシステム1300と類似していてもよい。例えば、境界層エネルギー抽出サブシステム1204は、境界層1230及び軸方向ステージ224を含む。
[00396] いくつかの実施形態では、軸方向ステージ224の後、作動流体は、軸方向ステージ224に結合された境界層ポンプタービン1950に引き込まれてもよく、境界層ターボマシン100の一実施形態であってもよい。本明細書で言及されるように、境界層ポンプタービン1950は、境界層コンプレッサタービン1950として機能してもよい。
[00397] 境界層ポンプタービン1950は、作動流体の熱力学的状態を変化させるように構成されてもよい。特に、境界層ポンプタービン1950は、作動流体を少なくとも部分的に液化するように構成され得る。このような液化は、熱入力1210を供給する熱源からのエネルギーのために気化熱を活用するのに有利であり得る。例えば、低品位熱源からの熱の抽出が可能になる場合がある。有利なこととして、システム1900からのエネルギーの正味損失を引き起こす凝縮器などのヒートシンクの使用が回避され得る。
[00398] 境界層ポンプタービン1950は、作動流体を受け入れるように構成されたダクトを画定する複数のダクト壁を含んでもよい。境界層ポンプタービン1950の複数のダクト壁は、作動流体と摩擦係合し、境界層タービン1950の長手方向軸を中心とする駆動可能な回転のために構成されてもよい。複数のダクト壁は、その中を流れる作動流体に及び/又は作動流体から、エネルギーを伝達する(動力を伝達する)ように構成されていてもよい。その結果、作動流体は、加熱器1205のための凝縮物を生成するための凝縮物であってもよい。
[00399] いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950は、システム1900を通る流体の適切なポンピングを確実にするために、実質的にポンプとして作用し得る。いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950は、作動流体を圧縮して、蒸気から液体への相変化を引き起こしてもよい。例えば、境界層ポンプタービン1950は、多相(蒸気及び液体)の作動流体を受け取ることができ、この作動流体を圧縮して、作動流体中の蒸気の少なくとも一部を凝縮させて凝縮物を生成してもよい
。いくつかのケースでは、境界層ポンプタービン1950は、実質的に完全に液体の作動流体を生成し得る。
[00400] いくつかの実施形態では、境界層タービン1230及び軸方向ステージ224は、境界層エネルギー抽出サブシステム1204の一部であってもよいし、境界層エネルギー抽出サブシステム1204を形成してもよい。追加のタービンステージが、例えば再生サブシステム1202に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、軸方向ステージ224は、再生サブシステム1202になくてもよい。いくつかの実施形態では、境界層ターボマシンだけが、再生サブシステム1202に設けられてもよい。
[00401] いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950は、作動流体からエネルギーを抽出して作動流体のエネルギーを更に低減し、そこから凝縮物を生成して再利用するためのタービンとして機能し得る。
[00402] いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950は、凝縮物を生成するために、ポンプ又はタービンのいずれかとして柔軟に動作するように構成され得る。
[00403] いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950から冷却され凝縮された作動流体は、発電機1270の冷却、すなわち凝縮物の予熱のために発電機1270に供給されてもよい。作動流体は、その後、少なくとも部分的な凝縮物の形態で加熱器1205に戻される。加熱器1205に供給するために実質的に液体の作動流体を生成するようにシステム1900を構成することが有利であることが見出される。
[00404] A-19、B-19、及びC-19の位置における作動流体の熱力学的特性を、例示的な実施形態について以下に示す。いくつかの実施形態では、作動流体はエタンであってもよい。いくつかの実施形態では、作動流体は二酸化炭素、プロパン、又はプロピレンであってもよい。
【0016】
【表0】
作動流体の多相特性を、例示的な実施形態について以下に示す。
【0017】
【表0】
[00405]
図20Aは、実施形態による、システムの斜視図である。
[00406]
図20Bは、実施形態による、
図20Aのシステムの断面図である。
[00407]
図21Aは、
図20Bの領域21Aの拡大図である。
[00408]
図21Bは、
図20Bの領域21Bの拡大図である。
[00409] 境界層タービン1230の複数のダクトは、対応するダクト壁によって少なくとも部分的に画定されてもよい。これらのダクト壁は、複数のダクト内を流れる作動流体からエネルギーを伝達するために、作動流体が長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に方位角方向に摩擦で引き込むことによって、長手方向軸102の周りに駆動可能に回転するように構成されてもよい。
[00410]軸方向ステージ224は、境界層タービン1230と境界層ポンプタービン1950との間に挟まれることがある。
[00411] 境界層ポンプタービン1950は、少なくとも部分的に境界層ポンプタービン1950を画定する複数のダクト内に、軸方向ステージ224から、エネルギーが低減された作動流体を受け入れてもよい。複数のダクトは、作動流体と摩擦係合し、長手方向軸102を中心に駆動可能に回転するように構成された対応する第2のダクト壁によって少なくとも部分的に画定されてもよい。
[00412] 様々な実施形態において、境界層ポンプタービン1950のダクト壁は、作動流体を少なくとも部分的に凝縮させるために、境界層ポンプタービン1950の複数のダクト内を流れる作動流体に、又は作動流体からエネルギーを伝達するように構成され得る。
[00413] 軸方向ステージ224は、境界層タービン1230と境界層ポンプタービン1950とを軸方向に離間させるために、軸方向ステージ224の対向する端部において2つの境界層ターボマシンに結合され得る。
[00414] 様々な実施形態において、境界層タービン1230、軸方向ステージ224、及び境界層ポンプタービン1950(及び、いくつかの実施形態では、発電機1270)は、共通の回転のために一体的に形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、構成要素は、中間シャフト体又は歯車を介さずに、ねじ切り可能な接続部を介して互いに取り付けられるか、又は一体的に結合されてもよく、したがって、「シャフト」は、別個の構成要素を一体化した後にのみ形成されてもよい。
[00415] 発電機1270は、境界層ポンプタービン1950との結合を介して軸方向ステージ224及び境界層タービン1230に結合されて発電することができ、この電気は電気ケーブル1550を介して発電機1270から出力される。
[00416] 境界層ポンプタービン1950で凝縮物を形成した後、冷たい作動流体は、発電機入口1520を介して発電機1270の中及び/又は周囲に引き込まれる。
[00417] 有利には、発電機1270によって生成された熱は、発電機1270における熱に関連する劣化(例えば、熱蓄積を介して)を緩和すると同時に、システム1200からの熱損失を低減するよう作動流体を予熱するために、作動流体によって吸収され得る。
[00418] 発電機1270から熱を受けて予熱した後、作動流体は、出口ダクト1530を介して引き出され、加熱器1205の熱交換器1220に戻る。
[00419] 様々な実施形態において、境界層タービン1230、及び/又はそのダクトは、それぞれ、境界層ポンプタービン1950、及び/又はそのダクトと実質的に同様の内径及び外径を有し得る。いくつかの実施形態では、境界層タービン1230及び境界層ポンプタービン1950のダクトの数は、実質的に同様であってもよい。
[00420] 様々な実施形態において、境界層タービン1230の複数のダクトは、複数の境界層ポンプタービン1950よりも実質的に軸方向に短くてもよい。
[00421] 様々な実施形態において、境界層ポンプタービン1950は、ダクトの出口端部の周りに流体をヘリカル状に案内するために、その中に延びる突出部又はその機能を有するダクトを含んでよい。
[00422]
図21のBを参照すると、境界層ポンプタービン1950のダクトは、長手方向軸102に沿って延伸し得、また長手方向軸を周方向に取り囲み得るダクト壁220A、220B、220C、220D、220E、220Fを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、これらは、長手方向軸102の周りに円筒形であってもよい。
[00423] 様々な実施形態において、ダクト壁220A、220C、220Eからの突出部2110は、それぞれの対向するダクト壁220B、220D、220Fまで半径方向に延びてよい。いくつかの実施形態では、突出部2110は、作動流体をそれぞれのダクトに沿って引き込むように長手方向軸102に沿って少なくとも部分的にスパイラル状に延びていてもよい。例えば、突出部2110は、付加的に製造されてもよい。
[00424] 軸方向ステージ部224は、長手方向軸102に沿って発散していてもよい。
[00425]
図22Aは、実施形態による、境界層ポンプタービン1950の斜視図である。
[00426]
図22Bは、実施形態による、長手方向軸102に垂直な境界層ポンプタービン1950の断面図である。
[00427]
図22Cは、
図22Bの領域22Cの拡大図である。
[00428] いくつかのケースでは、境界層ポンプタービン1950は、境界層ターボマシン100の実施形態であってもよい。
[00429] 境界層ポンプタービン1950のいくつか(その複数)の本体2210は、長手方向軸102に沿って延伸してもよく、その周りで回転可能であってもよい。
[00430] 本体2210は、長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に互いに同心円状に配置されてもよい。本体2210は、長手方向軸102に沿って少なくとも部分的に互いに同軸に延伸してもよい。本体2210は、互いに共通の回転のために結合されてもよい。本体2210は、少なくとも部分的に別の本体2210内に配置されて、その間に長手方向に延びるダクト214を画定してもよい。
[00431] 本体2210は、その同軸配置を可能にするために実質的に中空であってもよい。様々な実施形態において、本体2210は、長手方向軸102に関して軸対称又は実質的に軸対称であってもよい。例えば、本体2210は、本体が回転体である場合のように、長手方向軸102に関して連続的に対称であってもよいし、長手方向軸102に関して別個のn回対称性を画定してもよい。いくつかの実施形態では、本体2210は、円筒形又は錐体形状(又は、長手方向軸102に沿って半径方向にテーパ状)であってもよい。いくつかの実施形態では、本体2210は、管302と実質的に類似していてもよい。
[00432] いくつかの実施形態では、境界層ポンプタービン1950を通って流れる作動流体は、密度が変化することがあり、例えば、作動流体は、部分的又は完全に相が変化し得る。様々な実施形態において、本体2210の形状(複数可)は、長手方向軸102に沿ってダクト214の断面積を変化させることなどによって、作動流体の密度の変化に対応するように適合され得る。例えば、作動流体が、部分的に又は完全に、蒸気から液体に相変化するときに、効率的な動作を容易にするために、錐体形状が適合され得る。特に、断面積の減少は、空のポケットの形成を緩和し、作動流体とダクト壁との間の接着接触を促進して、本体2210の回転を介した回転駆動を可能にし得る。いくつかの実施形態では、本体2210の形状は、作動流体の圧縮及び/又はポンピングを促進するように適合され得る。
[00433] 本体2210上の1つ以上の突出部は、ダクト内の少なくとも1つのチャネルを画定するために、ダクト214内の別の本体2210に向かって、ダクトに沿って少なくとも部分的に長手方向に延び、半径方向に延び得る。
[00434] いくつかの実施形態では、本体2210上の1つ以上の突出部2110は、ダクト214内の本体2210まで延びていてもよい。
[00435] いくつかの実施形態では、突出部2110は、ダクト214に沿って作動流体を引き込むため、及び/又はダクト214内に流体を導くために、ダクト214内の長手方向軸102に沿って、及びその周りにスパイラル状に延びてよい。いくつかの実施形態では、突出部2110は、インデューサブレードと同様に構成されてもよい。
[00436] いくつかの実施形態では、チャネルは、スパイラル状チャネル2312A、2312B、2312Cなどの一つのスパイラル状チャネル(又は複数のスパイラル状チャネル)であってもよい。チャネルは、流れ入口212からダクト214に流体を受け、引き込むように構成されてもよい。
[00437] 流れ入口212は、本体2210の共通の回転に従って、長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に方位角方向に作動流体をダクト214に受け入れるように構成されてもよい。例えば、ダクト214内の流体の速度の方位角成分は、本体2210の壁の表面の速度の方位角成分と概ね一致することがある。
[00438] ダクト214内の作動流体は、機械的エネルギーを流体に、又は流体から伝達するために、本体2210と摩擦係合し得る。
[00439] いくつかの実施形態では、流れ入口212は、本体2210を摩擦駆動してその共通の回転を達成するために、ダクト214内に作動流体を供給するように構成されてもよい。この共通の回転は、その中の流体の速度の方位角成分を有する本体によって画定されるダクト214の壁の速度の方位角成分と揃えられてもよい。
[00440] いくつかの実施形態では、流れ入口212は、速度の方位角成分を付与することによって、回転体2210との摩擦係合を介してダクト214内に作動流体を引き込むように構成されてもよい。この速度は、その中の流体の速度の方位角成分を有する本体によって画定されるダクト214の壁の速度の方位角成分と揃えられてもよい。
[00441] いくつかの実施形態では、流れ入口212は、(少なくとも部分的に方位角的に傾斜した)ノズル又はスロットであり得る。
[00442] 本体2210は、本体2210との長手方向軸の周りの共通の回転のために本体2210に結合されるハウジング2212によって周方向に取り囲まれてもよい。ハウジング2212は、本体2210と実質的に同様に構成されてもよい。ハウジング2212は、長手方向軸102に沿って延伸していてもよく、長手方向軸102を周方向に取り囲んでいてもよい。
[00443] 1つ以上の突出部2110は、1つの本体2210から次の同心の本体2210(又はハウジング2212)まで完全に延びることもある。例えば、突出部2110と本体2210との間の先端クリアランスは、突出部2110を通過する流れを防止するために実質的にゼロであってもよい。
[00444]
図23は、実施形態による、ハウジング2212が図示されていない
図22A~22Cの境界層ポンプタービン1950の側面図である。
[00445] この図は、そこから延びる突出部2110を有する本体2210を示す。突出部2110は、それらの間にダクト214を画定するように、本体2210から別の取り囲んでいる本体まで半径方向に延び得る。様々な実施形態において、突出部2110は、同心円状に配置された2つの隣接する本体2210の間の半径方向の範囲を満たして、本体2210に沿って、突出部自体において、突出部に対する垂直な流れを緩和するか、又は完全に止め得る。
[00446] 本体2210は、第1の部分2310A、第2の部分2310B、及び第3の部分2310Cを有する。各部分は、そこから延びる異なるタイプの突出部を有し得る。
[00447] 第1部分2310A及び第2部分2310Cにおいて、本体2210は、作動流体をダクト214内に誘導し及び/又は作動流体をダクト214に沿って引き込むために、長手方向軸102に沿ってかつその周りに、少なくとも部分的にスパイラル状に延び得る突出部2110を有し得る。
[00448] いくつかの実施形態では、突出部2110は、ダクト214内の長手方向軸102に沿ってスパイラル状チャネル2312A、2312B、2312C(又はスパイラル状チャネル)を画定し得る。突出部2110は、スパイラル状チャネル2312A、2312B、2312Cの壁を画定し得る。例えば、互いに隣接する3つの実質的に連続したヘリカル状突出部は、3つの隣接するヘリカル状チャネルを画定するように、長手方向軸102に沿ってスパイラル状に延びている。スパイラル状チャネル2312A、2312B、2312Cの入口は、流れ入口212によって供給される流体を受けるために、方位角方向に配向され得る。
[00449] いくつかの実施形態では、スパイラル状チャネル2312A、2312B、2312Cは、固定ピッチ及び/又は可変ピッチを有し得る。
[00450]第2の部分2310Bでは、本体2210は、本明細書では突出部とも呼ばれ得る複数のブレード222を有し得る。複数のブレード222は、第1の部分2310Aの突出部2110の下流側でダクト214内に配置されてもよい。複数のブレード222は、複数のブレード222の間に受容された流れを、第1の方位角成分2314を有する第1の方向2315から第2の方位角成分2316を有する第2の方向2317に再配向させるように構成されてもよい。第1の方位角成分2314は、第2の方位角成分2316と対向していてもよい。
[00451] いくつかの実施形態において、複数のブレード222は、作動流体からのエネルギー抽出を促進し得る。
[00452] 様々な実施形態において、作動流体の方位角成分を逆転させる作動流体の再配向は、第3の部分2310Cにおける流体のポンピング又は圧縮を引き起こすか又は促進し得る。
[00453] 第3の部分2310Cにおいて、本体2210は、スパイラル状の突出部2110を含んでもよい。突出部2110は、第1の部分2310Aと同様に、スパイラル状のチャネル、例えばヘリカル状チャネルを画定してもよい。いくつかの実施形態では、第3の部分2310Cにおける突出部2110のピッチは、第1の部分2310Aにおける突出部2110のピッチとは異なっていてもよい。いくつかの実施形態では、ピッチは、第3の部分2310Cにおいて第1の部分2310Aよりも大きくてもよい。
[00454] いくつかの実施形態では、突出部2110によって画定されるスパイラル又はヘリカルのキラリティ(又はハンドネス)は、第1の部分2310Aから第3の部分2310Cまで変化してもよい。いくつかの実施形態において、第2の部分2310Bにおける第1の方向2315から第2の方向2317への流れの再配向は、第3の部分2310Cにおけるヘリカル又はスパイラル(又はそれによって画定されるチャネル)の角度又はキラリティに作動流体の方向を適合させるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、第3の部分2310Cの突出部2110は、そこから作動流体を受け取ることを可能にするために、方向2317に適合されてもよい。
[00455] 様々な実施形態において、第1の部分2310Aは、作動流体からエネルギーを引き出すように構成されてもよい。第3の部分2310Cは、突出部2110を介してダクト214に沿って流体を誘導することを含めて、作動流体を圧縮又は圧送するように構成され得る。第1の部分2310A及び第3の部分2310Cの両方において、ダクト214のダクト壁は、作動流体に及び/又は作動流体からエネルギーを伝達するために、作動流体との(摩擦抗力を介した)摩擦係合を達成するために共通の回転であってよい。有利には、ダクト壁の共通回転を可能にすることで、摩擦抵抗を介した作動流体への及び/又は作動流体からのエネルギー伝達を容易にし得る。
[00456] 様々な実施形態において、ユニット構造のターボマシンハブ(本体2210)を使用して、エネルギー抽出とエネルギー注入を順番に達成し得る。
[00457]
図24は、実施形態による、境界層ポンプタービン1950の本体2210の分解図である。
[00458] 本体2210は、その間にダクト214を画定するために、長手方向軸102に沿って互いの内部で又は内部に同心円状に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本体2210は、そこから延びる突出部2110を有する概ね円筒形であってもよい。いくつかの実施形態では、本体2210上の突出部2110は、実質的に同じであってもよい。ハウジング2212は、複数の本体2210を包んでもよい。様々な実施形態において、ハウジング2212及び本体2210は、長手方向軸102を中心とする回転のために一緒に固定されてもよい。
[00459]
図25Aは、
図24の境界層ポンプタービン1950の本体2210の斜視図である。
[00460]
図25Bは、
図25Aの本体2210の側面図である。
[00461]
図25Bの大きな白い矢印は、境界層ポンプタービン1950を通る流れを模式的に表している。
[00462]
図25A~25Bを参照すると、本体2210は、2つの部分を含んでいる(
図25Bの中括弧を参照)。いくつかの実施形態において、第1の部分は、流体からエネルギーを抽出するように構成され得、第2の流体は、流体をポンピング又は圧縮するために流体にエネルギーを注入するように構成され得る。
[00463] いくつかの実施形態において、長手方向軸102の周りの流体の方位角方向は、第1の部分から第2の部分へと反転し得る。
[00464] 各部分は、半径方向外側に延びるスパイラル又はヘリカル状の突出部を有する。各スパイラルは、スパイラル又はヘリカルの連続するピーク間の長手方向距離によって定義されるピッチ2502、突出部2110の半径方向延伸によって定義される半径方向深さ2504、及び長手方向軸102に対するスパイラルの傾きによって定義される角度2506を有し得る。様々な実施形態において、ピッチ2502は、流体を少なくとも部分的にダクト214を通して引き込むように構成され得る。
[00465] 様々な実施形態において、ピッチ2502は、ダクト214内の流体の滞留時間又はフロースルー距離を制御するように適合され得るか又は構成され得る。例えば、ピッチ2502を減少させることにより、ダクト214内の流体の貫流距離を増加させ、それによって、本体2210及び/又はハウジング2212によって画定され得るように、ダクトの一方又は両方の壁との作動流体の摩擦接触(の持続時間又は長さ)を増加させ得る。摩擦接触を増加させることは、流体からのより高い又はより効率的なエネルギー抽出を可能にし得る。
[00466] いくつかの実施形態では、ピッチ2502は、長手方向の逆流(longitudinal flow reversalすなわち長手方向逆流)を防止するように適合され得る。例えば、(不利な圧力勾配を介したような)過度の流れ抵抗は、ピッチ2502が過度に小さい場合及び/又は関係する突出部2110が流体の(方位)方向の再配向を誘導するように構成されている場合に生じ得る。。様々な実施形態において、ピッチ2502は、流れ抵抗を低減するために広げられてもよい。
[00467] いくつかの実施形態では、ピッチ2502は、流体が出口端部204を介してダクト214から引き出されるのを妨げる不利な圧力勾配を緩和するように適合され得る。
[00468] いくつかの実施形態では、ピッチ2502は第1の部分から第2の部分へと変化してもよい。第1の部分のピッチ2502は、例えば上述した1つ以上の理由のために、第2の部分のピッチ2502よりも相対的に小さくてもよい。
[00469] いくつかの実施形態では、突出部2110又はその延伸方向は、ダクト214内の上流位置では、その中の下流位置と比較して、長手方向軸102の周りの方位角方向と相対的により整列し及び/又は相対的により小さいピッチ2502を有することがある。下流位置では、突出部2110の延伸方向が方位角方向に対してよりずれていることがあり及び/又はピッチ2502がより大きいこともある。例えば、いくつかのケースでは、このような構成により、タービンの失速及びダクト214内の流体のポンピングを防止し得る。
[00470] いくつかの実施形態では、ダクト214内の流体のポンピングを達成するために、ピッチ2502を減少させ、突出部を方位角方向により整列させる(又は完全に整列させる)こともある。
[00471] 半径方向の深さ2504は、突出部2110を横切る、例えば突出部2110を越える流れを防止するために、ダクト214の高さに適合させ得る。突出部2110と外側本体又はハウジングとの間に隙間が形成されるのを回避することにより、構造的な欠陥及び/又は疲労につながる可能性のある小さな隙間の形成を防止し得る。例えば、狭い隙間での急激な加速は、相変化を引き起こす可能性があり、いくつかのケースでは、ターボマシン部品の表面に弾道的に衝突する可能性のある高速高密度流体の生成を引き起こし得る。
[00472] いくつかの実施形態では、半径方向深さ2504は、例えば、作動流体の密度の変化によるダクト高さの変化を考慮して、長手方向軸102に沿って変化してもよい。いくつかの実施形態では、半径方向深さ2504は、温度膨張を考慮するため、及び/又は突出部2110を介した本体2210間の摩擦係合を可能にするために、ダクト高さよりも大きくても小さくされ得る。
[00473] 角度2506は、第1の部分から第2の部分へ変化してもよい。いくつかの実施形態において、角度2506は、第1の部分において4°と4.5°との間であってよく、第2の部分において-5°と-5.5°との間であってよい。角度2506は、流れ方向の方位角成分の変化を達成又は誘発するように変化させてもよいし、流れ方向の所定の方位角成分に適合させてもよい。
[00474] 様々な実施形態において、突出部2110は、第1の部分(
図25Bの領域Aを参照)において三角形の断面(長手方向軸102に垂直な断面)を有し、第2の部分(
図25Bの領域Bを参照)において矩形の断面(長手方向軸102に垂直な断面)を有する形状でダクト壁の表面から突出してもよい。いくつかの実施形態では、突出部2110のプロファイルは、インデューサブレードなどのターボマシンブレードに基づいてもよい。
[00475] 様々な実施形態において、本体2210及びハウジング2212は、1つ以上の締結具1582を介して共通の回転のために結合され得る。
[00476]
図25Bに示されるように、締結具1582は、流れ方向、例えば一般的な流れ方向に沿って実質的に配向されるように、適合され得る。例えば、締結具1582は、層流流れを促し及び干渉を低減する。いくつかの実施形態において、突出部2110又はその幅は、締結具1582を介した締結を可能にするように適合され得る。例えば、いくつかの実施形態において、突出部2110の幅は、延伸する締結具又は延伸する締結具を相補的に受けるように構成された貫通孔と少なくとも同じ大きさであってよい。そのような延伸する締結具は、それぞれの本体2210(及び/又はハウジング2212)を共通の回転のために互いに結合するために、本体2210(及び/又はハウジング2212)のすべて又は複数を通過してもよい。いくつかの実施形態では、締結具1582は、ねじ切り可能な締結具であってもよい。いくつかの実施形態では、締結具は、ナットに結合するように構成されたボルトであってもよい。様々な実施形態において、締結具1582は、剛性体として機能するように本体2210を一体的に結合してもよい。
[00477] いくつかの実施形態では、本体2210は、一体構造であってもよいし、そうでなければ一体的に形成されてもよい。例えば、本体2210は付加的に製造されてもよい。いくつかの実施形態では、締結具1582は、複数の本体2210を互いに結合するための支柱又は結合構造であってもよい。例えば、そのような支柱は、1つの本体2210から別の本体2210に付加的になっていき、2つ以上の本体2210を互いに結合するために固体溶接され、及び/又は固体構造からダクト214を選択的に機械加工(減算製造)することによって形成され得る。
[00478]
図26は、別の実施形態による、本体2210の側面面図である。
[00479]
図26の突出部2110のピッチ2502は、長手方向軸102に沿って変化してもよい。例えば、ピッチ2502は、徐々に又は連続的に減少してもよい。
[00480] 突出部2110は、本体2210の周りに連続的にスパイラル状に延びる単一のチャネル2312を画定し得る。
[00481] いくつかの実施形態において、エネルギー抽出は、ピッチ2502が減少するにつれて減少する可能性があり、エネルギー注入(ポンピング又は圧縮)は、対応して増加し得る。
[00482] いくつかの実施形態では、ピッチ2502は、作動流体の密度の変化を考慮して変化させ得る。ピッチ2502を減少させることは、長手方向における流路2312の幅を減少させることによって流体が通過するために利用可能な空間を相応的に減少させ得る。この空間は、作動流体がダクト214を通って流れる際の密度変化による作動流体の体積減少に適合させ得る。いくつかの実施形態では、相変化によりかなりの体積変化が生じることがある。
[00483] 様々な実施形態において、ダクト壁の表面は、流体に及ぼされる摩擦抗力の量を制御するために変化させ得る。摩擦抗力を変化させることにより、流体から抽出される又は流体に注入されるエネルギーを変化させ得る。例えば、摩擦抵抗を低減させる方法及び/又は摩擦抵抗を増大させる方法を採用し得る。
[00484] いくつかの実施形態では、ダクト壁に隣接する境界層は、摩擦抗力を変化させるために、流れの乱流特性を変更するトリッピング装置又は機能を使用してトリッピングされることがある。
[00485] いくつかの実施形態では、表面粗さ及び/又は化学的性質は、所望の抗力及び/又は滑りを達成するために変化させてもよく、例えば、表面粗さ及び/又は化学的性質は、所定の目標摩擦に基づいて適合させてもよい。
[00486] いくつかの実施形態では、1つの表面は、同じダクト214内の対向する表面とは異なる表面粗さを有してもよく、例えば、表面粗さは、表面壁近傍の作動流体の密度に基づいて変化してもよい。この密度は、ダクト内でより重い流体を半径方向外側に引き寄せる遠心力に起因するものを含め、ある表面から次の表面まで半径方向に変化することがある。いくつかの実施形態では、ダクト214の半径方向外側表面付近の流体は、ダクトの半径方向内側表面付近の流体よりも大きな質量分率又は液相の割合を有する場合がある。いくつかの実施形態では、半径方向外側の表面の表面粗さは、より重い流体からより多くの作業を引き出すために、半径方向内側の表面の表面粗さよりも大きいこと、いくつかのケースでは小さい、ことがある。
[00487] いくつかの実施形態では、ダクト壁の表面は、方位角流を低減するために摩擦を低減するように平滑化されてもよく、例えば、(体積を制限することによる)より大きな圧縮及び/又は羽根又は複数のブレード222による流れの直線化を可能にする。
[00488] いくつかの実施形態では、ダクト壁は、表面への流体の接着を変化させるために、所望の摩擦特性及び化学特性を有する加硫ゴムなどの材料で部分的に被覆されてもよい。例えば、材料の管状部2610を使用してもよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、ダクト壁に化学的に接着されてもよい。いくつかの実施形態では、そのような被覆は、複数のブレード222の上流又は下流にあってもよい。いくつかの実施形態では、そのような被覆は、複数のブレード222以外の突出部のない又は突出部のない本体2210に設けられてもよい。
[00489]
図27は、更に別の実施形態による、本体2210の側面図である。
[00490] 本体2210は、本体2210から半径方向に延びて三角形の断面を画定する突出部を形成するヘリカル状突出部2110を含んでよい。ヘリカル状突出部2110は一定のピッチ2502を有し得る。
[00491] いくつかの実施形態では、共通の回転における突出部2110、ダクト壁220、及びハウジング2212は、ブレードターボマシン及び接着ベースのタービンに関連する利点を認めることを可能にし得る。例えば、様々な実施形態において、多相運転及び効率的な圧縮/ポンピングが達成され得る。
[00492] 突出部2110、ダクト壁220、及びハウジング2212の共通の回転は、ダクト壁220によって画定された共回転摩擦面の間に画定されたダクト214を通る作動流体の少なくとも部分的な方位角流を確立し得る。いくつかの実施形態では、ターボマシンは、共回転摩擦面の間に画定された単一のダクト214のみを有し得る。摩擦面の共回転は、ターボマシンの焼き付きなしに、突出部2110のダクトを画定する両方の摩擦面への接触を可能にし得る。摩擦面の共回転は、共通の回転のために構成された摩擦面と作動流体との間の相対的な方位角速度又は角速度によって、すなわち作動流体の方位角成分と摩擦面の方位角速度との間の差によって、摩擦面による作動流体の摩擦引き込み又は作動流体による摩擦面の摩擦引き込みを可能にし得る。異なる(隣接する)ダクト壁220の長手方向軸102からの半径方向距離の違いにより、隣接する摩擦面の方位角速度が異なる場合がある。様々な実施形態において、ダクト214のダクト壁220によって画定される隣接する摩擦面の方位角速度は、(ポンピング及び/又は圧縮のための作動流体へのエネルギー注入のためなどの)作動流体の方位角成分よりも大きいか、又は(発電のための作動流体からのエネルギー抽出のためなどの)作動流体の方位角成分以下である。いくつかの実施形態では、エネルギー抽出及びエネルギー注入は、所望の作動流体速度を達成するために、ダクト壁220及び突出部2110を使用してダクト214の形状を変化させることによって、単一のダクトで提供され得る。
[00493] ターボマシンのいくつかの実施形態は、ハブから外側に延びるブレードを有し、ハブを取り囲むハウジングを有する、同心円状に配置された延伸するインデューサハブを含むことができ、インデューサのブレードは、ブレードを横切る流れを防止するためにハウジングと接触しており、ハブ及びハウジングは、例えば互いに締結されることによって、共通の回転のために結合されている。
[00494]
図28は、更なる実施形態による、本体2210の側面図である。
[00495]
図28の実施形態は、ダクト214内のチャネル2313A、2313B、2313Cを画定するために、少なくとも部分的にダクト214に沿って長手方向に延び、ダクト214内で半径方向に延びるように構成された突出部2110A、2110B、2110C、2110Dを含む。
[00496] 突出部2110Aは、突出部2110B、2110Cから分離していてもよく、突出部2110Bは、突出部2110Cから分離していてもよい。
[00497] チャネル2313A、2313B、2313Cは、それぞれ、突出部2110Aと突出部2110Bとの間、突出部2110Bと突出部2110Cとの間、及び突出部2110Cと突出部2110Dとの間に画定され得る。
[00498] 流路2313A、2313B、2313Cは、流れ入口212からダクト214に流体を受け入れ、引き込むように構成され得る。
[00499] 突出部2110A、2110B、2110C、2110Dは、1つ以上の流れ入口212によってチャネル2313A、2313B、2313Cに供給される流体を受け入れるように、少なくとも部分的に方位角方向に配向され得る。
[00500] いくつかの実施形態では、突出部2110A、2110B、2110C、2110Dは、ダクト214を画定する第1の本体2210及び第2の本体2210から半径方向に延び得る。
[00501] ダクト214を画定する本体2210は、流体のポンピングを達成するためにターボマシンを通して流体を引き込むように駆動可能に回転可能であってもよい。突出部2110A、2110B、2110C、2110Dは、長手方向軸に平行な流体速度の早すぎる配向を防止し得るので、流体の少なくとも部分的なポンピングのための境界層ターボマシンの動作を可能にし得る。流れの反転と失速は防止され得る。
[00502]
図29は、発電するために、少なくとも部分的に相変化するように構成された作動流体を使用して発電する例示的な方法2900のフローチャートである。
[00503] ステップ2902において、方法2900は、作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化を引き起こすために凝縮物に熱を与えることを含み得る。
[00504] ステップ2904において、方法2900は、シャフト動力を生成するためにタービンロータを駆動可能に回転させるために、タービンロータのブレード上に作動流体を受けることを含んでもよい。
[00505] ステップ2906において、方法2900は、タービンロータから少なくとも部分的に方位角方向に流れる作動流体を、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクト内に受け入れることを含み得る。第1のダクト壁及び第2のダクト壁は、長手方向軸の周りに周方向に延びていてもよく、長手方向軸に沿って延伸していてもよい。第1ダクト壁は、第2ダクト壁から半径方向に離れていてもよい。
[00506] ステップ2908において、方法2900は、凝縮物を生成するために作動流体の凝縮を引き起こすために作動流体とエネルギーを交換するために、第1のダクト壁及び第2のダクト壁とダクト内の作動流体との摩擦係合を介して第1のダクト壁及び第2のダクト壁を回転可能に駆動することを含み得る。
[00507] 方法2900のいくつかの実施形態は、シャフト動力を使用して発電機を駆動すること、凝縮物を使用して発電機を冷却して凝縮物を予熱すること、発電機からの熱を使用して熱交換器で凝縮物を予熱すること、及び/又は熱交換器を介して凝縮物を加熱器に受け入れることを更に含んでもよい。
[00508] 方法2900のいくつかの実施形態では、第1のダクト壁からの突出部は、半径方向に第2のダクト壁まで延び、少なくとも部分的に長手方向軸に沿ってスパイラル状に延びて、作動流体をダクトに沿って引き込むことができる。
[00509] 方法2900のいくつかの実施形態において、作動流体を生成するために凝縮物の少なくとも部分的な気化するよう凝縮物に熱を与えることは、凝縮物を受けるように構成された加熱器を使用することを含み得る。
[00510] 方法2900のいくつかの実施形態において、作動流体は、凝縮物を生成するために凝縮を引き起こすよう、圧縮を介してエネルギーを付与され得る。
[00511]
図30は、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用して発電するためのシステム3000の概略ブロック図である。
[00512] 第1の流体は位置E-30からH-30を通って流れ、第2の流体は位置A-30からD-30を通って流れる。
[00513] いくつかの実施形態において、アンモニアを第1の流体として使用し、二酸化炭素を第2の流体として使用することが、それらの特定の特性のために特に有利であることが見出される。
[00514] ヒーター1205は、第1の流体を少なくとも部分的に気化させるために、第1の流体に熱を伝達するように構成され得る。ヒーター1205は、例えば、再生可能な天然ガスの燃焼を通じて、又は海水のような低品位の熱源から、熱入力1210を提供されてもよい。熱入力1210は、加熱器1205の熱交換器1220Aを介して第1の流体に伝達されてもよい。
[00515] 熱交換器1220Cは、加熱器1205から第1の流体を受け取るために、加熱器1205に(直接的又は間接的に)流体接続されてよい。熱交換器1220Cは、第2の流体を少なくとも部分的に気化させるために、第1の流体から第2の流体へ熱を伝達するように構成され得る。
[00516] 膨張器3010は、熱交換器1220Cから第2の流体を受け取るために、熱交換器1220Cに流体接続されてもよい。膨張機3010は、第2の流体を使用して、複数のロータ300のロータなどの膨張機3010のロータを回転駆動するように構成されてもよい。したがって、膨張機3010は、発電するように構成されてもよい。様々な実施形態において、膨張機3010は、軸流タービン、半径流タービン、及び/又は他のタイプの膨張機であってもよい。
[00517] いくつかの実施形態では、膨張器3010は、境界層タービン1230であってもよい。複数のダクト214は、加熱器1205から第2の流体を受け取るように構成されてよく、これは、境界層タービン1230の長手方向軸102の周りに少なくとも部分的に方位角方向に複数のダクト壁を摩擦引き込みし得る。複数のダクト壁は、複数のダクト214内を流れる流体からエネルギーを伝達するように構成されてもよい。
[00518] 別の熱交換器1220Bは、そこから第2の流体を受けるために膨張器3010に流体的に接続されてもよい。熱交換器1220Bは、そこから第1の流体を受けるために熱交換器1220Cに流体的に接続されてもよい。熱交換器1220Bは、第2の流体から第1の流体へ熱を伝達することによって、第2の流体の凝縮物を生成するように構成されてもよい。第1の流体の予熱は、熱交換器1220Bを介して達成されてもよい。
[00519] 様々な実施形態において、アンモニアであり得る第1の流体は、熱交換器1220Cにおいて200℃と250℃との間、又は300℃と400℃との間で冷却され、第2の熱交換器1220Bにおいて60℃と80℃との間、又は50℃と100℃との間で加熱される。
[00520] 液体ポンプ1224(又はポンプ)は、熱交換器1220B、1220Cに流体的に接続されてもよい。液体ポンプ1224は、第2の流体を気化させるために、第2の流体の凝縮物を熱交換器1220Cから熱交換器1220Bに引き込むように構成されてもよい。
[00521] 液体ポンプ1224は、液体をポンピングするように構成されてもよい。熱交換器1220Cは、液体ポンプ1224におけるポンピングのために第2の流体が実質的に液体の形態であることを保証し得る。第2の流体から除去されたエネルギーの少なくとも一部は、熱交換器1220Bを介してそこに戻されてもよい。熱交換器1220Bは、液体ポンプ1224でのポンピング後に、第2の流体の少なくとも部分的な再気化を提供してもよい。
[00522] 液体ポンプ1224は、液体ポンプ1224を駆動するために膨張機3010に駆動可能に結合されてもよい。液体ポンプ1224は、膨張機3010の駆動シャフトに機械的に結合されてもよい。
[00523] コンプレッサ1222は、熱交換器1220B、1220Cに流体的に接続されてもよい。コンプレッサ1222は、熱交換器1220Cから第1の流体を受け取り、第1の流体を熱交換器1220Bから第2の熱交換器1220Cに引き込むように構成されてもよい。
[00524] コンプレッサ1222は、膨張機3010に駆動可能に結合されてもよい。コンプレッサ1222は、膨張機3010の駆動シャフトに機械的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、コンプレッサ1222を膨張機3010に直接結合することで、特定の利点、例えば効率の向上が得られうる。
[00525] 熱交換器1220B、1220Cは、第1の流体と第2の流体との相互作用を防止するように構成され得る。例えば、熱交換器1220B、1220Cは、シェル&チューブ式熱交換器などの向流熱交換器又は並行流熱交換器を含んでもよい。
[00526] ロータは、発電機1270を駆動して発電させてもよい。いくつかの実施形態では、発電機1270の熱交換器は、発電機1270から熱を奪うために膨張器3010から第2の流体を受けるように構成されてもよい。
[00527] いくつかの実施形態において、熱交換器1220Bは、第1の流体から第2の流体へ熱を伝達して、第2の流体を実質的に完全に気化させるように構成され得る。
[00528] いくつかの実施形態では、加熱器1205の熱交換器1220Aは、第3の流体を受け、第3の流体から第1の流体へ熱を伝達するように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第3の流体は、水又は蒸気であってよい。いくつかの実施形態では、第3の流体は、廃ガス流、例えば工業プロセスからの排ガスであってもよい。様々な実施形態において、第3の流体は、液体、気体、超臨界流体、又は他のタイプの流体であってもよい。
[00529] いくつかの実施形態では、熱入力は、伝導性熱伝達、放射性熱伝達、又は他のタイプの伝達によってシステム3000に提供されてもよい。例えば、太陽エネルギーは、第1の流体を直接加熱するため、及び/又は第1の流体に熱を伝達するために水を加熱するために提供されてもよい。
[00530] いくつかの実施形態では、圧力解放弁又は圧力制御弁などの弁3012は、熱交換器1220Bから熱交換器1220Cに流れる第1の流体の圧力を制御するために、熱交換器1220B、1220Cの間に配置されてもよい。例えば、第1の流体の圧力を制御することは、流体を減圧することを含み得る。
[00531] いくつかの実施形態では、(圧力解放又は圧力制御)弁3012は、実質的に単相状態でコンプレッサ1222を作動させるために、熱交換器1220Cにおいて第1の流体の実質的に完全な気化を達成するように第1の流体の圧力を制御するように構成され得る。例えば、第1の流体を減圧することにより、液化及び/又は流体の液化状態の維持を防止又は緩和することができ得る。
[00532] いくつかの実施形態では、コンプレッサ1222及び液体ポンプ1224は、共通の駆動シャフトを介して膨張機3010に駆動可能に接続される。
[00533] いくつかの実施形態では、発電機1270、膨張機3010、液体ポンプ1224、及びコンプレッサ1222は、互いに機械的に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、機械的結合は、共通のシャフトであってもよい。いくつかの実施形態では、発電機1270、膨張機3010、液体ポンプ1224、又はコンプレッサ1222のうちの1つ以上が、軸受によって共通シャフトに支持されてもよい。
[00534] 第1の流体がアンモニアであり第2の流体が二酸化炭素である例示的な実施形態について、位置A-30、B-30、C-30、及びD-30における第2の流体の熱力学的特性を表8に列挙し、位置E-30、F-30、G-30、及びH-30における第1の流体の熱力学的特性を表9に列挙する。
【0018】
【0019】
【表9】
[00536]
[00537] 第1の流体がアンモニアであり第2の流体が二酸化炭素である例示的な実施形態について、位置A-30、B-30、C-30、及びD-30における第2の流体の多相特性を表10に列挙し、位置E-30、F-30、G-30、及びH-30における第1の流体の多相特性を表11に列挙する。
【0020】
【0021】
【表11】
様々な実施形態において、そのようなシステムは、約500~600kWを生成し得る。膨張器3010に入る流体(第2の流体)の質量流量は、約40,000Ibs/hrであってよい。第1の流体がアンモニアであるいくつかの実施形態では、熱交換器1220B、1220Cを通る流体の質量流量は、実質的に少なくてもよく、例えば、11,000Ibs/hr以下であってもよい。低い圧力及び温度は、より信頼性の高い運転を可能にし、システム3000の構造の資本コスト及び保守を低減し得る。
[00538]
図31は、実施形態による、境界層ターボマシン100A、100Bを使用するシステム3100の斜視図である。
[00539]
図32Aは、実施形態による、
図31のシステム3100の断面図である。
[00540]
図32Bは、実施形態による、
図32Aの領域32Bの拡大図である。
[00541] 境界層ターボマシン100A、100Bは、複数の本体2210を含んでもよく、各本体は、長手方向軸102に沿って延伸し、その周囲で回転可能である。複数の本体2210は、すべて共通の回転のために結合され得る本体2210A、2210B、2210C、2210Dを含み得る。本体2110B、2210C、2110Dを含む複数の本体2210は、その中に流体を受けるために長手方向軸102に沿って延伸していてもよい。
[00542] 本体2210Aは、本体2210B内に同軸に収容又は配置されてもよく、本体2210C内に収容されてもよく、本体2210D内に収容されてもよい。ダクト214A、214B、214Cは、それぞれ、本体2210Aと本体2110B、本体2110Bと本体2110C、本体2110Cと本体2110Dとの間に画定されてもよい。
[00543] スロット3202A、3202B、3202Cは、それぞれのダクト214A、214B、214Cに開口していてもよい。スロット3202A、3202B、3202Cは、それぞれの本体2110A、2110B、2110Cから(長手方向軸102に対して)半径方向に離間していてもよい。
[00544] 各ダクト214A、214B、214Cは、対応する流体の第1の部分及び第2の部分を有し得る。第1の部分は、それぞれのスロット3202A、3202B、3202Cに受けられてよい。流体の第1の部分は、流体のそれぞれの第2の部分がそれぞれのダクト214A、214B、214C内に留まることを可能にしながら、それぞれのダクト214A、214B、214Cから引き出され得る。
[00545] 出口ポート116は、それぞれのダクト214A、214B、214Cから流体の第2の部分を受けるように構成され得る。いくつかの実施形態では、出口ポート116は、流体をターボマシンから排出するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、出口ポート116は、ダクト内のスロット3202A、3202B、3202Cの下流に配置されてもよい。
[00546] いくつかの実施形態では、各スロット3202A、3202B、3202Cは、それぞれのダクト214A、214B、214C内に半径方向に開くようにそれぞれの本体2210B、2210C、2210Dを通って半径方向に延びる。
[00547] いくつかの実施形態では、スロット3202A、3202B、3202Cは、間隔3206で長手方向に離間された円形スロットであってよい。いくつかの実施形態では、隣接する円形スロットは、スロットのうちの2半径分又は隣接するスロットの半径の合計だけ、長手方向に間隔を空けて配置されてもよい。
[00548] スロット3202A、3202Bは、それぞれのスロット3202A、3202Bを通過する流体の一部の更なる一部がそれぞれの追加のスロット3202B、3202Cに引き込まれることを可能にするように、互いに長手方向に間隔をあけて配置されてもよい。スロット3202Aは、流体の一部をダクト214Aからダクト214Bに運ぶために、ダクト内に開口してもよく、開口するように適合され又は構成されてもよい。
[00549] 排出口3204は、境界層ターボマシン100Bから流体を排出し得る。排出口3204は、複数のダクト214及び長手方向軸102の周囲に延びる環状の空間を含み得る。
[00550]
図33は、実施形態による、スロット3202A、3202Bを有する境界層ターボマシン100の断面図である。
[00551] 本体2210A、2210B、2210Cは、方向3302によって示されるように、共通の回転のために結合されてもよい。ダクト214A、214B内の流体は、気相及び液相を含む多相であってもよい。
[00552] 流体の第1の部分3304A、3304Bは、流体のそれぞれの第2の部分3306A、3306Bよりも重くてもよい。例えば、第1の部分3304A、3304Bは、第2の部分3306A、3306Bよりも多くの液体3308を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1の部分3304A、3304Bは実質的に完全に液体であってよく、第2の部分3306A、3306Bは実質的に完全に気体であってよい。
[00553] 流体の第1の部分3304A、3304Bは、それぞれの第2の部分3306A、3306Bに対するそれぞれのスロット3202A、3202Bに向かって遠心的に引き寄せられることによって、流体のそれぞれの第2の部分3306A、3306Bから分離され得る。
[00554] いくつかの実施形態では、境界層ターボマシン100は、摩擦係合を介してその中を流れる流体からエネルギーを抽出することによって発電する境界層タービン1230であってもよい。エネルギーの抽出は、流体を冷却し、境界層タービン1230において相変化又は少なくとも部分的な相変化を引き起こし得る。例えば、作動流体は、完全な気相(おそらく)から、多相を経て、おそらく完全な液相へと徐々に変化する。
[00555] 相変化を伴う温度変化は、相変化を伴わない温度変化と比較して、大きなエネルギーの放出を伴う。そのため、作動流体の一部が液体になると、そこから抽出されるエネルギー量は相対的に少なくなる。
[00556] 複数のダクト214内の作動流体からスロット3202A、3202Bを介して液相を除去することは、上述したように、ポンピング要件を低減することによって効率を改善し、ターボマシン上の構造負荷を低減し得る。いくつかのケースでは、ダクトの断面積は、液相の除去に対応するために、
図22A~22Cに示されるように、長手方向に小さくなってもよい。
[00557]
図34は、互いに流体的に分離された第1の流体及び第2の流体を使用して発電するための例示的な方法3400のフローチャートである。
[00558] ステップ3402は、第1の流体を少なくとも部分的に気化させるために第1の流体を加熱することを含み得る。
[00559] ステップ3404は、第2の流体を少なくとも部分的に気化させるために、第1の熱交換器において、第1の流体から第2の流体へ熱を移動させることを含み得る。
[00560] ステップ3406は、発電するために第2の流体を使用してロータを回転駆動することを含んでもよい。
[00561] ステップ3408は、第2の流体の凝縮物を生成するために、第2の熱交換器において、第2の流体から第1の流体へ熱を移動させることを含み得る。
[00562] ステップ3410は、ロータを駆動することによって生成された電力を使用して、第2の熱交換器から第1の熱交換器に少なくとも部分的に第2の流体の凝縮物を引き込み、第1の流体を第1の熱交換器から第2の熱交換器に引き込むことを含み得る。
[00563] 方法3400のいくつかの実施形態は、気化のために第2の熱交換器から第1の熱交換器に第2の流体の凝縮物を引き込むために、ロータを使用してポンプを駆動することを含み得る。
[00564] 方法3400のいくつかの実施形態は、第1の熱交換器から第2の熱交換器に第1の流体を引き込むために、ロータを使用してコンプレッサを駆動することを含み得る。
[00565] 方法3400のいくつかの実施形態では、ロータは膨張機のロータであってもよい。
[00566] 方法3400のいくつかの実施形態では、膨張機は境界層タービンであってもよい。
[00567] 方法3400のいくつかの実施形態は、発電するようにロータを使用して発電機を駆動することと、発電機を冷却するように発電機から第2の流体に熱を伝達することとを含んでもよい。
[00568] 方法3400のいくつかの実施形態において、第1の流体はアンモニアであってもよい。
[00569] 方法3400のいくつかの実施形態において、第1の流体は、第1の熱交換器において300°F~400°Fから-10°F~-20°Fに冷却され得る。
[00570] 方法3400のいくつかの実施形態では、第2の流体は二酸化炭素であってもよい。
[00571] 方法3400のいくつかの実施形態において、第1の流体は、第1の熱交換器において200℃から400℃の間で冷却され、第2の熱交換器において50℃から100℃の間で加熱されてもよい。このような温度範囲は、低品位のエネルギー吸収を可能し、第2の作動流体からの効果的なエネルギー抽出を容易にし得る。
[00572]
図35は、ターボマシンを動作させる方法の例示的な方法3400のフローチャートである。
[00573] ステップ3502は、ターボマシンの入口端部を介して、第1のダクト壁と第2のダクト壁との間に画定されたダクト内で、長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角方向に流体を受けることを含む。
[00574] ステップ3504は、流体を第1のダクト壁及び第2のダクト壁に摩擦係合させることを含む。
[00575] ステップ3506は、流体に従って、第1のダクト壁と第2のダクト壁とを共通に回転させることを含む。
[00576] ステップ3508は、ターボマシンの出口端部を介して流体を排出することを含む。
[00577] 方法3500のいくつかの実施形態は、第1のダクト及び第2のダクト壁と共通して長手方向軸の周りに複数のブレードを回転させることと、流体を長手方向軸に概ね平行に方向転換させるようにダクトから複数のブレードに少なくとも部分的に方位角的に流体を受け入れることとを含み得る。
[00578] 方法3500のいくつかの実施形態は、第1のダクト壁及び第2のダクト壁を長手方向軸に沿って片持ち支持するように、第1のダクト壁及び第2のダクト壁を長手方向端部で支持することを含み得る。
[00579] 方法3500のいくつかの実施形態は、第1のダクト壁及び第2のダクト壁を回転駆動するために、流体の噴流を少なくとも部分的に方位角方向にダクト内に噴出することを含んでもよい。
[00580] 方法3500のいくつかの実施形態では、ダクト内で長手方向軸の周りに少なくとも部分的に方位角的に流体を受けることは、第1のダクト壁から第2のダクト壁まで半径方向に延びる1つ以上の突出部によって画定されるダクト内のチャネルを通して流体を引き込むことを含む。
[00581] 方法3500のいくつかの実施形態では、第1のダクト壁は半径方向内側の壁であり、第2のダクト壁は半径方向外側の壁である。
[00582] 方法3500のいくつかの実施形態は、流体の相対的に密な部分を長手方向軸から遠心方向に押しやるように、ダクト内の流体を長手方向軸の周りに方位角方向に引き寄せること;及び流体の相対的に密な部分を、半径方向内壁から半径方向に間隔を空けられたポートを介してダクトから排出することを含む。
[00583] 方法3500のいくつかの実施形態は、流体が入口端部から出口端部に向かって流れるときにダクト内の流体を収縮させることを含んでもよい。
[00584] 「接続された」又は「結合された」という用語は、直接結合(互いに結合された2つの要素が互いに接触する)及び間接結合(少なくとも1つの追加要素が2つの要素の間に配置される)の両方を含み得る。
[00585] 本文書に記載された実施形態は、本技術の可能な実装の非限定的な例を提供する。本開示を検討すれば、当業者であれば、本技術の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の実施形態に変更を加え得ることを認識するであろう。例えば、熱膨張及び構造的負荷を考慮して、構成を変化させ得る。更に、本開示に鑑みて、当業者によって更なる変更が実施され得、これらの変更は、本技術の範囲内とされる。
【国際調査報告】