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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】磁気歯車システム、方法、及び装置
(51)【国際特許分類】
   F16H 49/00 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
F16H49/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545245
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022013731
(87)【国際公開番号】W WO2022159900
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/141,130
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/188,009
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/185,090
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502334319
【氏名又は名称】ザ テキサス エーアンドエム ユニヴァーシティ システム
(71)【出願人】
【識別番号】523282187
【氏名又は名称】ユー.エス. アーミー リサーチ ラボラトリー
(71)【出願人】
【識別番号】500039463
【氏名又は名称】ボード オブ リージェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 West 7th Street Austin,Texas 78701 U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】523282198
【氏名又は名称】ユーエス ハイブリッド コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トリヤット, ハミッド エー.
(72)【発明者】
【氏名】プラスリカ, ブライトン
(72)【発明者】
【氏名】ザマロン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー, マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, マシュー シー.
(72)【発明者】
【氏名】グダルジ, アバス
(72)【発明者】
【氏名】バック, エンゾー
(72)【発明者】
【氏名】グエン, アレックス
(72)【発明者】
【氏名】ハサンプール, シマ
(72)【発明者】
【氏名】デュアン, ゴドウィン ユアン
(72)【発明者】
【氏名】カーン, サレク アーメド
(57)【要約】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車に関する。サイクロイド磁気歯車は、外側ロータを含む。複数の磁極対が、外側ロータの内周上に配置されている。第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータが、外側ロータ内に配置されている。第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータは、外周上に配置されている磁極対を含む。第1の内側ロータ及び第3の内側ロータは、第2の内側ロータのほぼ半分の厚さを有する。第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータは、ドライブシャフトに作用するモーメントを平衡させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイクロイド磁気歯車であって、
外側ロータと、
前記外側ロータの内周上に配置されている第1の複数の磁極対と、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第2の複数の磁極対を有する第1の内側ロータと、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第3の複数の磁極対を有する第2の内側ロータと、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第4の複数の磁極対を有する第3の内側ロータと
を備え、
前記第1の内側ロータ及び前記第3の内側ロータは、前記第2の内側ロータのほぼ半分の厚さを有し、
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータは、ドライブシャフトに作用するモーメントを平衡させる、サイクロイド磁気歯車。
【請求項2】
前記外側ロータは静止している、請求項1に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項3】
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータは、前記外側ロータの中心軸を中心として軌道に従って旋回する、請求項1に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項4】
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータは、入力シャフトに結合されており、前記入力シャフトは、前記外側ロータの前記中心軸と位置整合されている、請求項3に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項5】
前記第1の内側ロータ及び前記第3の内側ロータは、前記外側ロータの前記中心軸から前記入力シャフトの第1の側に向かってオフセットされている、請求項4に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項6】
前記第2の内側ロータは、前記外側ロータの前記中心軸から前記入力シャフトの第2の側に向かってオフセットされている、請求項5に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項7】
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータのオフセット配置は、前記入力シャフトに作用する質量及び力を平衡させる、請求項6に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項8】
前記第1の内側ロータは、前記第1の内側ロータの中心軸を中心に回転し、
前記第2の内側ロータは、前記第2の内側ロータの中心軸を中心に回転し、
前記第3の内側ロータは、前記第3の内側ロータの中心軸を中心に回転する、請求項3に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項9】
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータの回転は、低速シャフトを駆動する、請求項8に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項10】
前記第1の複数の磁極対に平行に前記外側ロータの内周の周りに配置されている第5の複数の磁極対と、
前記第1の複数の磁極対に平行に前記外側ロータの内周の周りに配置されている第6の複数の磁極対と
を備える、請求項1に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項11】
前記第2の複数の磁極対は、前記第1の複数の磁極対と相互作用し、
前記第3の複数の磁極対は、前記第5の複数の磁極対と相互作用し、
前記第4の複数の磁極対は、前記第6の複数の磁極対と相互作用する、請求項10に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項12】
前記外側ロータの中心軸を中心とした前記第1の内側ロータが1旋回する度に、前記第1の内側ロータは、前記外側ロータに対して1つの極対の分だけ回転する、請求項11に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項13】
サイクロイド磁気歯車を組み立てる方法であって、
第1の複数の磁極対、第2の複数の磁極対、及び第3の複数の磁極を外側ロータの内周に結合することと、
第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータを入力シャフトに結合することと、
第4の複数の磁極対を前記第1の内側ロータに結合し、第5の複数の磁極対を前記第2の内側ロータに結合し、第6の複数の磁極対を前記第3の内側ロータに結合することと、
前記第4の複数の磁極対が前記第1の複数の磁極対と相互作用し、前記第5の複数の磁極対が前記第2の複数の磁極対と相互作用し、前記第6の複数の磁極対が第3の複数の磁極対と相互作用するように、前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータを前記外側ロータ内に配置することと
を含む、方法。
【請求項14】
サイクロイド磁気歯車であって、
外側ロータと、
前記外側ロータ内に形成されている第1の複数の歯と、
前記外側ロータの前記複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている第1の複数の永久磁石と、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第2の複数の歯を有し、第2の複数の永久磁石が、前記第2の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第1の内側ロータと、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第3の複数の歯を有し、第3の複数の永久磁石が、前記第3の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第2の内側ロータと、
前記外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第4の複数の歯を有し、第4の複数の永久磁石が、前記第4の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第3の内側ロータと
を備え、
前記第1の内側ロータ及び前記第3の内側ロータは、前記第2の内側ロータの厚さのほぼ半分の軸方向長さを有し、
前記第1の内側ロータ、前記第2の内側ロータ、及び前記第3の内側ロータは、ドライブシャフトに作用するモーメントを平衡させる、サイクロイド磁気歯車。
【請求項15】
サイクロイド磁気歯車であって、
外側ロータと、
内側ロータと、
前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方の周縁周りに配置されている複数の永久磁石と、
前記複数の永久磁石の個々の磁石の間に位置付けられている複数の非磁性スペーサと
を備える、サイクロイド磁気歯車。
【請求項16】
複数のスペーサは、前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方のバック鉄心を切り欠くことによって形成されている、請求項15に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項17】
複数のスペーサは、前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方のバック鉄心に結合されている、請求項15に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項18】
前記複数のスペーサは、前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方の前記バック鉄心内に形成されている溝の中に受け入れられている、請求項17に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項19】
前記複数のスペーサは、前記バック鉄心と前記複数のスペーサとの間の摩擦係合を通じて前記バック鉄心に結合されている、請求項18に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項20】
前記複数のスペーサは、接着剤によって前記バック鉄心に結合されている、請求項18に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項21】
前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方の中に形成されているキー溝を備える、請求項15に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項22】
前記内側ロータ又は前記外側ロータのうちの少なくとも一方は、複数のロータセグメントを備え、前記キー溝は、前記ロータセグメントの互いに対する位置整合を容易にする、請求項21に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項23】
サイクロイド磁気歯車であって、
外側ロータと、
内側ロータと、
前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方の周縁周りに配置されている複数の永久磁石と、
前記外側ロータ又は前記内側ロータのうちの少なくとも一方の中に形成されているキー溝と
を備える、サイクロイド磁気歯車。
【請求項24】
前記内側ロータ又は前記外側ロータのうちの少なくとも一方は、複数のロータセグメントを備え、前記キー溝は、前記ロータセグメントの互いに対する位置整合を容易にする、請求項23に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項25】
前記複数の永久磁石の連続する磁石の間に配置されているスペーサを備える、請求項24に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項26】
マルチロータサイクロイド磁気歯車を生成する方法であって、
外側ロータバック鉄心を形成することと、
内側ロータバック鉄心を形成することと、
複数の内側ロータを生成するために、前記内側ロータの中心軸に垂直な平面に沿って前記内側ロータを切断することと、
第1の複数の永久磁石を前記外側ロータバック鉄心上に配置することと、
内側ロータを形成するために、第2の複数の永久磁石を前記内側ロータバック鉄心上に配置することと
を含む、方法。
【請求項27】
前記第1の複数の永久磁石の連続する磁石の間にスペーサを配置することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の複数の永久磁石の連続する磁石の間にスペーサを配置することを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
サイクロイド磁気歯車システムであって、
第1の入力シャフト及び第1の出力シャフトを有する第1のサイクロイド磁気歯車と、
前記第1の出力シャフトからの入力を受け取り、第2の出力シャフトを備える第2のサイクロイド磁気歯車と
を備え、
前記第1の出力シャフトは、第1のベアリング及び第2のベアリングによって支持される、サイクロイド磁気歯車システム。
【請求項30】
前記第1のベアリング及び前記第2のベアリングはボールベアリングである、請求項29に記載のサイクロイド磁気歯車システム。
【請求項31】
前記第1のベアリング及び前記第2のベアリングは円筒ころ軸受である、請求項29に記載のサイクロイド磁気歯車システム。
【請求項32】
前記第1のサイクロイド磁気歯車は、内側ロータ及び外側ロータを備え、
前記内側ロータ又は前記外側ロータのうちの少なくとも一方は、複数のロータセグメントを備える、請求項29に記載のサイクロイド磁気歯車システム。
【請求項33】
前記第2のサイクロイド磁気歯車は、内側ロータ及び外側ロータを備え、
前記内側ロータ又は前記外側ロータのうちの少なくとも一方は、複数のロータセグメントを備える、請求項29に記載のサイクロイド磁気歯車システム。
【請求項34】
サイクロイド磁気歯車であって、
第1のロータであって、
前記第1のロータ上に配置されている複数の磁極対、又は、前記第1のロータ上に配置されている複数の第1のロータの永久磁石及び前記第1のロータ上に形成されている複数の第1のロータの強磁性歯のうちの少なくとも一方を含み、前記複数の第1のロータの強磁性歯の各歯は、前記複数の第1のロータの永久磁石のうちの連続する磁石の間に配置されており、前記複数の第1のロータの強磁性歯は、前記複数の第1のロータの永久磁石によってコンシクエントに磁化される、第1のロータと、
第2のロータと、
前記第2のロータ上に配置されている複数の永久磁石と、
前記第2のロータ上に形成されている複数の強磁性歯であって、前記複数の強磁性歯の各歯は、前記複数の永久磁石のうちの連続する磁石の間に配置されている、複数の強磁性歯と
を備え、
前記複数の強磁性歯は、前記複数の永久磁石によってコンシクエントに磁化される、サイクロイド磁気歯車。
【請求項35】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、前記第1のロータが外側ロータになり、前記第2のロータが内側ロータになるように、半径方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、半径の向きにおいて前記外側ロータの周の周りに配置されており、
前記複数の永久磁石は、半径の向きにおいて前記内側ロータの周の周りに配置されている、請求項34に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項36】
前記複数の強磁性歯のうちの1つの歯の背後で前記内側ロータ内に形成されているキー溝を備える、請求項35に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項37】
複数の内側ロータセグメントを備え、軸磁化永久磁石が、軸方向において、連続した内側ロータセグメントの間に配置されており、前記複数の強磁性歯をコンシクエントに磁化する、請求項35に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項38】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、前記第1のロータが外側ロータになり、前記第2のロータが内側ロータになるように、半径方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、半径の向きにおいて前記内側ロータの周の周りに配置されており、
前記複数の永久磁石は、半径の向きにおいて前記外側ロータの周の周りに配置されている、請求項34に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項39】
複数の内側ロータセグメントを備え、軸磁化永久磁石が、軸方向において、連続した内側ロータセグメントの間に配置されており、前記複数の強磁性歯をコンシクエントに磁化する、請求項38に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項40】
前記複数の強磁性歯のうちの1つの歯を貫通して又は前記歯の背後に形成されている貫通孔を備える、請求項38に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項41】
前記複数の永久磁石及び前記複数の強磁性歯は、等しくないサイズのものであるか、又は、等しくないサイズのものであり、かつ、前記複数の強磁性歯が前記複数の永久磁石を適所に拘束するように修正された幾何形状を含む、請求項34に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項42】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、軸方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、前記第1のロータの軸面上に配置されており、
前記複数の永久磁石は、前記第2のロータの軸面上に配置されている、請求項34に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項43】
サイクロイド磁気歯車であって、
第1のロータと、
第2のロータと、
前記第1のロータ上に配置されている複数の磁極対と、
前記第2のロータ上に形成されている複数の強磁性歯と
を備え、
前記第2のロータは、磁気抵抗に起因して前記第1のロータと相互作用する、サイクロイド磁気歯車。
【請求項44】
複数の切り欠きが、前記複数の強磁性歯のうちの連続する歯の間で前記第2のロータ内に画定されている、請求項43に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項45】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、前記第1のロータが外側ロータになり、前記第2のロータが内側ロータになるように、半径方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、半径方向の配置構成において前記外側ロータの周の周りに配置されており、
前記複数の強磁性歯は、半径方向の配置構成において前記内側ロータの周の周りに形成されている、請求項43に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項46】
前記複数の強磁性歯のうちの1つの歯を貫通して又は前記歯の背後に形成されている貫通孔を備える、請求項45に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項47】
前記内側ロータ内に形成されているキー溝を備え、前記キー溝は、前記内側ロータの位置整合を容易にする、請求項45に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項48】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、軸方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、前記第1のロータの軸面上に配置されており、
前記複数の強磁性歯は、前記第2のロータの軸面上に形成されている、請求項45に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項49】
前記第1のロータ及び前記第2のロータは、前記第1のロータが外側ロータになり、前記第2のロータが内側ロータになるように、半径方向において互いに対して配置構成されており、
前記複数の磁極対は、半径方向の配置構成において前記内側ロータの周の周りに配置されており、
前記複数の強磁性歯は、半径方向の配置構成において前記外側ロータの周の周りに形成されている、請求項43に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項50】
複数の切り欠きが、前記複数の強磁性歯のうちの連続する歯の間で前記外側ロータ内に画定されている、請求項49に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項51】
前記複数の強磁性歯のうちの1つの歯を貫通して又は前記歯の背後に形成されている貫通孔を備える、請求項49に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項52】
前記内側ロータ内に形成されているキー溝を備え、前記キー溝は、前記内側ロータの位置整合を容易にする、請求項49に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項53】
サイクロイド磁気歯車であって、
外側ロータと、
前記外側ロータ内に配置されている内側ロータと、
前記外側ロータと前記内側ロータとの間に画定されている空隙と、
前記外側ロータと前記内側ロータとの間の前記空隙内に配置されている磁束シールドであり、前記磁束シールドは、部分的に、前記空隙の周の周りに延在する、磁束シールドと
を備える、サイクロイド磁気歯車。
【請求項54】
前記磁束シールドは、強磁性材料から構築されている、請求項53に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項55】
前記磁束シールドは、前記外側ロータの軸を中心として旋回する、請求項53に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項56】
前記磁束シールドは、入力シャフト又は出力ロータと関連付けられるベアリングのうちの少なくとも一方に結合されている、請求項53に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項57】
前記磁束シールドは、前記出力ロータを取り囲むジャーナルに結合されている、請求項56に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項58】
前記磁束シールドは、カウンターウェイトに結合されている、請求項56に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項59】
前記磁束シールドは、前記空隙のより大きい部分においてオフセットされている、請求項53に記載のサイクロイド磁気歯車。
【請求項60】
同心歯車システムであって、
複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを備える、第1のロータと、
複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを備える、第2のロータと、
前記第1のロータと前記第2のロータとの間に配置されている変調器であって、前記変調器は、複数の非磁性セグメントと交互になるように配置構成されている複数の透磁性セグメントを備える、変調器と
を備え、
前記複数の透磁性セグメントの各透磁性セグメントは、前記複数の非磁性セグメントの連続的な非磁性セグメントの間に配置されており、
前記複数の透磁性セグメントの各透磁性セグメント及び前記複数の非磁性セグメントの各非磁性セグメントは、第1の端部から外向きに延在する突出部及び第2の端部から内向きに延在するくぼみによって形成されている、同心歯車システム。
【請求項61】
前記突出部及び前記くぼみは、前記変調器のセグメントの半径方向の長さ全体に延在する、請求項60に記載の同心歯車システム。
【請求項62】
前記突出部及び前記くぼみは、前記変調器のセグメントの半径方向の部分的な長さに延在する、請求項60に記載の同心歯車システム。
【請求項63】
前記突出部及び前記くぼみは、楕円形状を有する、請求項60に記載の同心歯車システム。
【請求項64】
前記突出部及び前記くぼみは、支持メカニズムとともに利用される、請求項60に記載の同心歯車システム。
【請求項65】
前記支持メカニズムは、ブリッジを含む、請求項64に記載の同心歯車システム。
【請求項66】
同心歯車システムであって、
複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを備える、第1のロータと、
複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを備える、第2のロータと、
複数の透磁性変調器セグメントを備える変調器と
を備え、
複数の変調器セグメントの各変調器セグメントは、第1の複数の磁極対から第2の複数の磁極対までの電磁角度をマッピングする、同心歯車システム。
【請求項67】
前記変調器セグメントは、前記第1の複数の磁極対又は前記第2の複数の磁極対のうちの少なくとも一方に作用する不平衡磁力を減少させるか又は排除するように配置構成されている、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項68】
前記複数の変調器セグメントは、変調器セグメントの2つ以上の区画を備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項69】
前記複数の変調器セグメントは、変調器セグメントの2つの区画を備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項70】
前記複数の変調器セグメントは、変調器セグメントの3つの区画を備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項71】
前記複数の変調器セグメントは、変調器セグメントの4つの区画を備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項72】
前記変調器セグメント間の間隙が、次いで、非磁性材料によって充填される、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項73】
前記変調器は、複数の変調器セグメントを接続する少なくとも1つのブリッジを備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項74】
前記変調器は、複数の異なる形状を有する複数の透磁性セグメントを備える、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項75】
少なくとも1つの変調器セグメントは、突出部又はくぼみを有する、請求項66に記載の同心歯車システム。
【請求項76】
前記突出部又は前記くぼみは、支持メカニズムとともに利用される、請求項75に記載の同心歯車システム。
【請求項77】
前記支持メカニズムは、ブリッジを含む、請求項76に記載の同心歯車システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府資金による研究の記載
本発明は、国立航空宇宙局(NASA:National Aeronautics and Space Administration)によって授与された助成金番号28-517790-00001の下で政府の支援を受けて行われた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
関連出願への相互参照
本特許出願は、2021年1月25日に出願された米国仮特許出願第63/141,130号、2021年5月6日に出願された米国仮特許出願第63/185,090号、及び2021年5月13日に出願された米国仮特許出願第63/188,009号に対する優先権を主張し、それらの開示全体を参照により組み込む。
【0003】
本開示は、一般に、磁気歯車、並びに、より詳細には、限定ではないが、磁気歯車システム、方法、及び装置に関する。
【背景技術】
【0004】
この節は、本開示の様々な態様のより良好な理解を容易にするための背景情報を提供する。本明細書のこの節の記述は、この観点から読み取られるべきであり、先行技術を認めるものとしてではないことを理解されたい。
【0005】
磁気歯車は、それらの機械的な対応物と同じタスクを実施するが、それらは、歯車の歯の間の機械的相互作用を通じてではなく、磁石によって生成される磁束の間の変調された相互作用を通じてこれを行う。サイクロイド歯車構成の場合、内側ロータの質量中心が静止外側ロータの軸の中心に沿っていない場合、内側ロータの軌道運動の結果として、望ましくない機械的振動が生じる可能性がある。複数のロータセグメントを使用して、ギヤボックスを平衡させることができる。しかしながら、複数のロータセグメントを使用する結果として、磁気モーメントが平衡されない場合、内側ロータと外側ロータとの間の磁気的相互作用に起因して軸外モーメントが生じることになる。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明で更に記載される概念の選択を紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を識別することを意図せず、特許請求される主題の範囲を限定する補助として使用されることも意図していない。
【0007】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、外側ロータと、外側ロータの内周上に配置されている第1の複数の磁極対と、外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第2の複数の磁極対を有する第1の内側ロータと、外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第3の複数の磁極対を有する第2の内側ロータと、外側ロータ内に配置されており、外周上に配置されている第4の複数の磁極対を有する第3の内側ロータとを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。第1の内側ロータ及び第3の内側ロータは、第2の内側ロータのほぼ半分の厚さを有する。第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータは、ドライブシャフトに作用するモーメントを平衡させる。
【0008】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車を組み立てる方法であって、第1の複数の磁極対、第2の複数の磁極対、及び第3の複数の磁極を外側ロータの内周に結合することと、第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータを入力シャフトに結合することと、第4の複数の磁極対を第1の内側ロータに結合し、第5の複数の磁極対を第2の内側ロータに結合し、第6の複数の磁極対を第3の内側ロータに結合することと、第4の複数の磁極対が第1の複数の磁極対と相互作用し、第5の複数の磁極対が第2の複数の磁極対と相互作用し、第6の複数の磁極対が第3の複数の磁極対と相互作用するように、第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータを外側ロータ内に配置することとを含む、方法に関する。
【0009】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、外側ロータと、外側ロータ内に形成されている第1の複数の歯と、外側ロータの複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている第1の複数の永久磁石と、外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第2の複数の歯を有し、第2の複数の永久磁石が、第2の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第1の内側ロータと、外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第3の複数の歯を有し、第3の複数の永久磁石が、第3の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第2の内側ロータと、外側ロータ内に配置されており、外周上に形成されている第4の複数の歯を有し、第4の複数の永久磁石が、第4の複数の歯のうちの隣接する歯の間に配置されている、第3の内側ロータとを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。第1の内側ロータ及び第3の内側ロータは、第2の内側ロータの厚さのほぼ半分の軸方向長さを有する。第1の内側ロータ、第2の内側ロータ、及び第3の内側ロータは、ドライブシャフトに作用するモーメントを平衡させる。
【0010】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、外側ロータと、内側ロータと、外側ロータ又は内側ロータのうちの少なくとも一方の周縁周りに配置されている複数の永久磁石と、複数の永久磁石の個々の磁石の間に位置付けられている複数の非磁性スペーサとを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。
【0011】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、外側ロータと、内側ロータと、外側ロータ又は内側ロータのうちの少なくとも一方の周縁周りに配置されている複数の永久磁石と、外側ロータ又は内側ロータのうちの少なくとも一方の中に形成されているキー溝とを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。
【0012】
本開示の態様は、マルチロータサイクロイド磁気歯車を生成する方法に関する。本方法は、外側ロータバック鉄心を形成することと、内側ロータバック鉄心を形成することと、複数の内側ロータを生成するために、内側ロータの中心軸に垂直な平面に沿って内側ロータを切断することと、第1の複数の永久磁石を外側ロータバック鉄心上に配置することと、内側ロータを形成するために、第2の複数の永久磁石を内側ロータバック鉄心上に配置することと、を含む。
【0013】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車システムであって、第1の入力シャフト及び第1の出力シャフトを有する第1のサイクロイド磁気歯車と、第1の出力シャフトからの入力を受け取り、第2の出力シャフトを含む第2のサイクロイド磁気歯車とを有する、サイクロイド磁気歯車システムに関する。第1の出力シャフトは、第1のベアリング及び第2のベアリングによって支持される。
【0014】
本開示の態様は、第1のロータを有するサイクロイド磁気歯車に関する。第1のロータは、第1のロータ上に配置されている複数の磁極対、又は、第1のロータ上に配置されている複数の第1のロータの永久磁石及び第1のロータ上に形成されている複数の第1のロータの強磁性歯のうちの少なくとも一方を含み、複数の第1のロータの強磁性歯の各歯は、複数の第1のロータの永久磁石のうちの連続する磁石の間に配置されている。複数の第1のロータの強磁性歯は、複数の第1のロータの永久磁石によってコンシクエントに(consequently)磁化される。サイクロイド磁気歯車は、第2のロータと、第2のロータ上に配置されている複数の永久磁石と、第2のロータ上に形成されている複数の強磁性歯であって、複数の強磁性歯の各歯は、複数の永久磁石のうちの連続する磁石の間に配置されている、複数の強磁性歯とをさらに含む。複数の強磁性歯は、複数の永久磁石によってコンシクエントに磁化される。
【0015】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、第1のロータと、第2のロータと、第1のロータ上に配置されている複数の磁極対と、第2のロータ上に形成されている複数の強磁性歯とを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。第2のロータは、磁気抵抗に起因して第1のロータと相互作用する。
【0016】
本開示の態様は、サイクロイド磁気歯車であって、外側ロータと、外側ロータ内に配置されている内側ロータと、外側ロータと内側ロータとの間に画定されている空隙と、外側ロータと内側ロータとの間の空隙内に配置されている磁束シールドとを有する、サイクロイド磁気歯車に関する。磁束シールドは、部分的に、空隙の周の周りに延在する。
【0017】
本開示の態様は、第1のロータを有する同心歯車システムに関する。第1のロータは、複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを有する。同心歯車システムは、第2のロータをさらに含む。第2のロータは、複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを含む。同心歯車システムは、第1のロータと第2のロータとの間に配置されている変調器であって、変調器は、複数の非磁性セグメントと交互になるように配置構成されている複数の透磁性セグメントを有する。複数の透磁性セグメントの各透磁性セグメントは、複数の非磁性セグメントの連続的な非磁性セグメントの間に配置されている。複数の透磁性セグメントの各透磁性セグメント及び複数の非磁性セグメントの各非磁性セグメントは、第1の端部から外向きに延在する突出部及び第2の端部から内向きに延在するくぼみによって形成される。
【0018】
本開示の態様は、第1のロータを有する同心歯車システムに関する。第1のロータは、複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを含む。同心歯車システムは、第2のロータをさらに含む。第2のロータは、複数の永久磁石、複数の透磁性歯、又は複数の電磁石のうちの少なくとも1つを含む。同心歯車システムは、複数の透磁性変調器セグメントを有する変調器をさらに含む。複数の変調器セグメントの各変調器セグメントは、第1の複数の磁極対から第2の複数の磁極対までの電磁角度をマッピングする。
【0019】
本開示の主題のより完全な理解は、以下の詳細な説明を、添付の図面とともに取り上げるときに参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の態様による、磁気サイクロイド歯車の断面図である。
図2】本開示の態様による、内側サイクロイドロータの回転に対する内側サイクロイドロータの軌道運動を示す一連の図である。
図3A】本開示の態様による、コンシクエント極配置構成を利用したサイクロイド磁気歯車の断面図である。
図3B】本開示の態様による、内部に形成されているキー溝を有するサイクロイド磁気歯車の内側ロータの概略図である。
図3C】本開示の態様による、内部に形成されている貫通孔を有するサイクロイド磁気歯車の外側ロータの概略図である。
図3D】本開示の態様による、表面永久磁石外側ロータ及びコンシクエント極内側ロータを有するサイクロイド磁気歯車の概略図である。
図3E】本開示の態様による、軸磁化コンシクエント極配置構成(上部ロータ-表面永久磁石、下部ロータ-コンシクエント)を利用したサイクロイド磁気歯車の概略図である。
図4】本開示の態様による、ラジアル磁化磁石と軸磁化磁石の両方を利用したサイクロイド磁気歯車の分解図である。
図5】本開示の態様による、サイクロイド磁気歯車を組み立てるプロセスを示す流れ図である。
図6】本開示の態様による、スペーサを有する磁気サイクロイド歯車の断面図である。
図7】本開示の態様による、スペーサを有するサイクロイド磁気歯車の分解図である。
図8】本開示の態様による、スペーサを有するサイクロイド磁気歯車の斜視図である。
図9】本開示の態様による、内部に形成されているキー溝を示す、スペーサを有するサイクロイド磁気歯車の詳細図である。
図10】2段サイクロイド磁気歯車の断面図である。
図11】本開示の態様による、2段サイクロイド磁気歯車の断面図である。
図12A】本開示の態様による、リラクタンス型サイクロイド磁気歯車の概略図である。
図12B】本開示の態様による、軸磁化配置構成を利用したリラクタンス型サイクロイド磁気歯車の概略図である。
図13】本開示の態様による、キー溝を有する磁気サイクロイド歯車の概略図である。
図14】本開示の態様による、磁束シールドを有するサイクロイド磁気歯車の概略図である。
図15】本開示の態様による、特定の瞬間におけるサイクロイド磁気歯車の内側ロータへの力分布を示す概略図である。
図16】本開示の態様による、質量を除去された磁束シールドの斜視図である。
図17】本開示の態様による、質量を追加された磁束シールドの斜視図である。
図18A】本開示の態様による、質量を除去された磁束シールドの上面斜視図である。
図18B】入力シャフトを有する磁石歯車の断面図である。
図18C】本開示の態様による、磁束シールドを有する入力シャフトを有する磁石歯車の断面図である。
図19】本開示の態様による、オフセット磁束シールドを有するサイクロイド磁気歯車の断面図である。
図20】本開示の態様による、出力ピンディスクと係合されている磁束シールドの斜視図である。
図21】本開示の態様による、リップを有するベアリングを有する磁束シールドの斜視図である。
図22】本開示の態様による、複数の磁束シールド及びピンディスクから成るシステムの斜視図である。
図23】本開示の態様による、連動変調器を有する同心歯車システムの断面図である。
図24A】本開示の態様による、様々な変調器セグメント形状を有する同心歯車の断面図である。
図24B】本開示の態様による、様々な変調器セグメント形状を有する同心歯車の断面図である。
図24C】本開示の態様による、様々な変調器セグメント形状を有する同心歯車の断面図である。
図24D】本開示の態様による、様々な変調器セグメント形状を有する同心歯車の断面図である。
図25A】本開示の態様による、セグメント化変調器を有する軸方向磁束磁気歯車の斜視図である。
図25B】本開示の態様による、セグメント化変調器を有する横方向磁束磁気歯車の斜視図である。
図26】本開示の態様による、角度付き変調器を有する同心磁気歯車の断面図である。
図27A】本開示の態様による、不平衡磁力を低減するように配置構成されている角度付き変調器を有する同心磁気歯車の断面図である。
図27B】本開示の態様による、不平衡磁力を低減するように配置構成されている角度付き変調器を有する同心磁気歯車の断面図である。
図27C】本開示の態様による、不平衡磁力を低減するように配置構成されている角度付き変調器を有する同心磁気歯車の断面図である。
図28A】本開示の態様による、角度付き変調器を有する軸方向磁束磁気歯車の斜視図である。
図28B】本開示の態様による、角度付き変調器を有する横方向磁束磁気歯車の斜視図である。
図29A】本開示の態様による、角度付き変調器及び製作を容易にするための特徴を有する同心磁気歯車の断面図である。
図29B】本開示の態様による、角度付き変調器及び製作を容易にするための特徴を有する同心磁気歯車の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の開示は、様々な実施形態の種々の特徴を実装するための、多くの異なる実施形態又は例を提供することを理解されたい。構成要素及び配置構成の特定の例が、開示を単純化するために下記に説明される。無論、これらは例に過ぎず、限定であるようには意図されていない。本明細書で使用されている節の見出しは、構成を目的としており、説明されている主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
ハーモニックドライブ及びサイクロイド型ドライブが、より高いギヤ比(30:1よりも大きいことが多い)において高いトルク密度を達成するために使用される最も一般的な機械式ギヤボックスである。サイクロイド型磁気歯車は、それらの機械式の対応物と比較して信頼性及びトルク密度を増大させる試みにおいて開発された。
【0023】
すべての型の磁気歯車が、信頼性の改善、メンテナンスの低減、音響雑音の低減、及び固有の過負荷の保護などの、機械式歯車にまさる潜在的利点をもたらすが、同軸磁気歯車などの他の磁気歯車トポロジは、相対的に低いギヤ比に限定される。サイクロイド型磁気歯車は、相対的に高いギヤ比において高いトルク密度を達成することができる。複数のロータを使用することによって、2つのロータセグメントのみが使用された場合、又は、ロータセグメントの長さがすべて等しい場合に発生することになる、限定ではないが、回転軸を中心とした質量中心の平衡、半径方向磁力の平衡、及び軸外モーメントの相殺を含む、サイクロイド型磁気歯車と関連付けられる課題が軽減される。
【0024】
サイクロイド型機械式歯車と同様に、サイクロイド型磁気歯車の内側ロータは、外側ロータの軸に平行であるが、この軸からオフセットされており、外側ロータの静止中心軸を中心とした軌道旋回において運動する。この軌道運動は、空隙パーミアンス関数を回転させ、これによって、ギヤリング挙動を容易にするために空間磁束高調波を変調する。軌道旋回は、高速シャフトに接続される。低速回転は、内側ロータ又は外側ロータのいずれかがそれ自体の軸を中心として回転することによって提供することができるが、本明細書において開示されている様々な実施形態は、外側ロータを静止したままにし、内側ロータのそれ自体の軸を中心とした回転を低速シャフトに接続する。本明細書において使用される場合、入力は高速と置き換えることができ(たとえば、入力シャフトは高速シャフトとすることができる)、出力は低速と置き換えることができる(たとえば、出力シャフトは低速シャフトとすることができる)ことに留意されたい。この用語は、本開示全体を通じて交換することができ、様々な応用形態が、入力構成要素が高速構成要素であること、又は、出力構成要素が低速構成要素であることを必要とする。
【0025】
図1は、磁気サイクロイド歯車100の断面図である。磁気サイクロイド歯車100は、外側ロータ102と、第1の内側ロータ104と、第2の内側ロータ106と、第3の内側ロータ108とを含む。様々な実施形態において、外側ロータ102は、動作中静止したままであるが、様々な実施形態において、外側ロータ102は回転してもよい。第1の複数の磁極対110が、外側ロータ102の内周の周りに線形様式で配置構成される。第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108は、外側ロータ102内に配置される。様々な実施形態において、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108は、入力シャフト202(図2に示す)に接続される。入力シャフト202は、外側ロータ102の中心軸と位置整合される。第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108の回転軸は、中心軸から入力シャフト202の第1の側へとオフセットされており、第2の内側ロータ106は、中心軸から、第1の側と反対の、入力シャフト202の第2の側へとオフセットされている。したがって、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108は、それらのそれぞれの中心軸の各々を中心とした回転に加えて、外側ロータ102の中心軸を中心として旋回する。
【0026】
依然として図1を参照すると、第2の複数の磁極対116が、第1の内側ロータ104の外周上に配置されている。第3の複数の磁極対118が、第2の内側ロータ106の外周上に配置されており、第4の複数の磁極対120が、第3の内側ロータ108の外周上に配置されている。第2の複数の磁極対116、第3の複数の磁極対118、及び第4の複数の磁極対120は、第1の複数の磁極対110と相互作用する。様々な実施形態において、第5の複数の磁極対112及び第6の複数の磁極対114が、第1の複数の磁極対110、第5の複数の磁極対112、及び第6の複数の磁極対114が互いに平行になるように、外側ロータ102の内周の周りに線形様式で配置構成される。そのような実施形態において、第2の複数の磁極対116は、第1の複数の磁極対110と相互作用し、第3の複数の磁極対118は、第5の複数の磁極対112と相互作用し、第4の複数の磁極対120は、第6の複数の磁極対114と相互作用する。
【0027】
依然として図1を参照すると、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108は各々、第2の内側ロータ106のほぼ2分の1の厚さを有する。したがって、第2の内側ロータ106は、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108の個々の質量のほぼ2倍の質量を有する。付加的に、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108は、ともに、入力シャフト202を中心として軌道に従って運動する。第2の内側ロータ106は、第1の内側ロータ103及び第3の内側ロータ108と同じ回転方向において、ただし、入力シャフトの、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108とは反対の側で、入力シャフトの周りを軌道に従って運動する。そのような配置構成は、入力シャフト202上での質量及び力の平衡に加えて、入力シャフト202に作用する軸外モーメントを相殺する。そのような配置構成は、振動を低減し、動作中の磁気サイクロイド歯車100に対する応力を減少させる。
【0028】
様々な実施形態において、第1の複数の磁極対110、第2の複数の磁極対116、第3の複数の磁極対118、第4の複数の磁極対120、第5の複数の磁極対112、及び第6の複数の磁極対114は、たとえば、例として希土類元素又はフェライトを含むものなどの永久磁石から形成されてもよい。外側ロータ102、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108は、様々な実施形態において、たとえば、透磁性鋼、軟磁性組成物、炭素繊維強化ポリマー、不透磁性鋼、アルミニウム、繊維ガラス、又はプラスチックから形成されてもよい。様々な実施形態において、第1の複数の磁極対110、第2の複数の磁極対116、第3の複数の磁極対118、第4の複数の磁極対120、第5の複数の磁極対112、及び第6の複数の磁極対114は、位置整合された隣接する永久磁石を含む。永久磁石は、各永久磁石が、いずれかの側にある隣接する永久磁石と反対の磁極性になるように、交互の磁極性パターンに配置構成される。したがって、第1の複数の磁極対110、第2の複数の磁極対116、第3の複数の磁極対118、第4の複数の磁極対120、第5の複数の磁極対112、及び第6の複数の磁極対114は、N、S、N、Sなどのパターンに配置構成された永久磁石を含む。
【0029】
図2は、内側ロータの回転に対する内側ロータの軌道運動を示す一連の図である。論述を目的として、図2に示す内側ロータは、第1の内側ロータ104として説明されるが、第2の内側ロータ106及び第3の内側ロータ108は、同じ運動パターンに従う。線204は、第1の内側ロータ104の回転位置を示す。第1の内側ロータ104が、段階1~9に示す1回の軌道旋回を通じて進行するとき、第1の内側ロータ104はそれ自体の軸を中心として回転する。したがって、第1の内側ロータ104による1回の完全な軌道旋回が完了したとき、第1の内側ロータ104は、外側ロータ102に対して1つの極対の分だけ回転していることになる。様々な実施形態において、第1の内側ロータ104の回転は、出力シャフト(明示的には示されていない)を駆動する。
【0030】
図3Aは、コンシクエント極配置構成を利用したサイクロイド磁気歯車300の断面図である。サイクロイド磁気歯車300は、外側ロータ302と、第1の内側ロータ304と、第2の内側ロータ306(図4に示す)と、第3の内側ロータ307(図4に示す)とを含む。様々な実施形態において、サイクロイド磁気歯車300の外側ロータ302、第1の内側ロータ304、第2の内側ロータ306、及び第3の内側ロータ307は、サイクロイド磁気歯車100の外側ロータ102、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108と同様に配置構成される。論述を簡潔にするために、第1の内側ロータ304の構造が説明されるが、サイクロイド磁気歯車300の第2の内側ロータ306及び第3の内側ロータ307の構造も同様である。様々な実施形態において、コンシクエント極配置構成を利用したサイクロイド磁気歯車300は、単一の内側ロータ304を含み得る(コンシクエント極は複数のロータ区画を有する必要がない)。
【0031】
依然として図3Aを参照すると、外側ロータ302は、内周の周りに形成されている複数の歯308を含む。永久磁石310が、歯308の間に配置されている。様々な実施形態において、永久磁石310は、同じ磁極性である。永久磁石310の結果として、歯308は、反対の極性で磁化される。様々な実施形態において、歯308は、永久磁石310を適所に拘束するように配置構成され得る。たとえば、図3Aに示す実施形態において、歯308は、先細り縁部312を含む。先細り縁部312は、永久磁石310を固定し、たとえば、保持スリーブなどの追加の磁石保持メカニズムの必要をなくす。様々な実施形態において、歯308は、永久磁石310よりも狭くなるように構築され得る。そのような配置構成は、より広く、より製造しやすい永久磁石310の使用を容易にする。これは、高いギヤ比を有し、したがって多数の磁極対を必要とするサイクロイド磁気歯車に特に当てはまる。様々な実施形態において、サイクロイド磁気歯車300は、サイクロイド磁気歯車100に利用されるものなどの、同じギヤ比を有する表面永久磁石構成のものよりも少ない永久磁石材料を利用し得る。
【0032】
依然として図3Aを参照すると、コンシクエント極型構成は、表面永久磁石サイクロイド磁気歯車と同様であるが、N-S永久磁石極対(2つの永久磁石)が、N歯又はS歯対(1つの永久磁石及び1つの強磁性歯)に置き換わっている。永久磁石310の結果として、強磁性歯308は、反対の極性の磁極になる。したがって、永久磁石310が、歯308を磁化させる。様々な実施形態において、歯308及び永久磁石310の幾何形状は、歯308が永久磁石310を適所に拘束するように修正され得る。様々な実施形態において、歯308及び永久磁石310は、等しくないサイズのものである。図3Bに示すように、様々な実施形態において、永久磁石310は、極対弧の半分を超える範囲に及び得、したがって、永久磁石310の弧の長さは、歯308の弧の長さよりも大きくなり得る。同じく図3Bに示すように、キー溝、スプライン、溝、又は磁束障壁314が、様々な実施形態において、歯308の背後に実装されてもよい。図3Cに示すように、外側ロータ302について、様々な実施形態において、歯308自体又はバック鉄心313内の歯308の背後の空間が、ボルト又はねじなどの構造材料318がサイクロイド型磁気歯車300の取り付けを容易にすることを可能にする貫通孔316のためのロケーションとして利用され得る。代替的な実施形態として、図3Dに示すように、空隙内により多くの磁束を生成するために、内側ロータ304は、コンシクエント極のままであってもよく、一方、外側ロータ302は、表面永久磁石型であってもよく、又はその逆であってもよい。
【0033】
図3Eは、軸磁化コンシクエント極配置構成を利用したサイクロイド磁気歯車350の概略図である。サイクロイド磁気歯車350は、第1のロータ352及び第2のロータ354を含む。複数の磁極対356が、第1のロータ352の軸面上に配置されている。複数の永久磁石358が、第2のロータ354の軸面上に配置されており、複数の強磁性歯360が、複数の永久磁石358の連続する永久磁石358の間に配置されている。動作中、複数の永久磁石358は、複数の強磁性歯360が、複数の永久磁石358と反対の極性に、コンシクエントに磁化されるようにする。第1のロータ352は、第1のロータ352及び第2のロータ354に対して軸方向の磁束に起因して第1のロータ352の複数の磁極対356が複数の永久磁石358及び複数の強磁性歯360と相互作用するように、軸方向の様式で第2のロータ354と位置整合される。
【0034】
図4は、ラジアル磁化磁石と軸磁化磁石の両方を利用したサイクロイド磁気歯車400の分解図である。様々な実施形態において、軸磁化磁石402は、歯308を磁化させ、コンシクエント極を作成するために利用される。様々な実施形態において、ラジアル磁化永久磁石310は排除されてもよく、軸磁化永久磁石402が利用されてもよい。そのような配置構成は、軸磁化永久磁石402の磁化を単純化し、サイクロイド磁気歯車400の組み立てを単純化し得る。図4に示すように、軸磁化永久磁石402とラジアル磁化永久磁石310の両方を包含するハイブリッド配置構成が利用され得る。様々な実施形態において、軸磁化永久磁石402とラジアル磁化永久磁石310との任意の組合せが利用されてもよい。軸磁化永久磁石402とラジアル磁化永久磁石310の両方を使用することによって、サイクロイド磁気歯車400のトルク密度及び/又は比トルクを増大させることができる。様々な実施形態において、異なる軸磁化方向が使用されてもよい(両方が同じ方向に磁化されるか、又は、反対の方向に磁化されるかのいずれか)。内側ロータ304に関するシナリオ及び外側ロータ302に関するシナリオのいずれかの任意の組合せが可能である。この実施形態は、2以上の任意の数の軸方向セグメントによって存続し得る。
【0035】
代替的に、磁石は、内側ロータ304及び外側ロータ302のそれぞれの表面上に取り付けられるのではなく、それらの一方又は両方に埋め込まれてもよい。磁石を、ロータの表面に固定化されることを必要とするのではなく、ロータ内のスロットに挿入することができるため、内部永久磁石構成は、組み立てを単純化し、内部永久磁石構成は、従来のリアクタンストルクに加えて、いくらかのリラクタンストルクを提供し得る。内部永久磁石ロータ内の磁石は、(限定ではないが)内部永久磁石モータのように、V、U、及び二重Vを含む、様々な構成に配置構成されてもよい。
【0036】
図5は、サイクロイド磁気歯車100を組み立てるためのプロセス500を示す流れ図である。プロセス500は、ステップ502において開始する。ステップ504において、第1の複数の磁極対110が、外側ロータ102の内周の周りに配置される。ステップ506において、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108が、入力シャフト202に結合される。ステップ508において、第2の複数の磁極対116が、第1の内側ロータ104の外周上に配置され、第3の複数の磁極対118が、第2の内側ロータ106の外周上に配置され、第4の複数の磁極対120が、第3の内側ロータ108の外周上に配置される。様々な実施形態において、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108は、第1の内側ロータ104及び第3の内側ロータ108が外側ロータ102の中心軸から第1の側に向かってオフセットされるように位置付けられ、第2の内側ロータ106は、第2の内側ロータが外側ロータ102の中心軸から第2の側に向かってオフセットされるように位置付けられる。様々な実施形態において、第5の複数の磁極対112及び第6の複数の磁極対114が、第1の複数の磁極対110に平行に、外側ロータ102の内周の周りに配置される。そのような実施形態において、第2の複数の磁極対116は、第1の複数の磁極対と相互作用し、第3の複数の磁極対118は、第3の複数の磁極対120と相互作用し、第5の複数の磁極対112と相互作用し、第4の複数の磁極対120は、第6の複数の磁極対114と相互作用する。ステップ510において、第1の内側ロータ104、第2の内側ロータ106、及び第3の内側ロータ108が、外側ロータ102内に位置付けられる。プロセス500は、ステップ512において終了する。論述を目的として、上記で言及したステップ504~510は、本明細書において論じられている順序において実施される必要はなく、様々な実施形態において、ステップ504~510は、任意の順序において実施されてもよい。
【0037】
図6は、たとえば、磁気サイクロイド歯車100とともに使用されてもよい内側ロータ600の断面図である。図7は、内側ロータ600の分解図である。図8は、内側ロータ600の斜視図である。図6図8をまとめて参照すると、内側ロータ600は、バック鉄心602と、バック鉄心602の表面に取り付けられる複数の永久磁石604とを含む。複数のスペーサ606が、バック鉄心602の表面にわたって配置される。複数のスペーサ606の各スペーサは、複数の永久磁石604の連続する磁石の間に位置付けられ、バック鉄心602から半径方向に延在する。様々な実施形態において、複数のスペーサ606は、非磁性材料から構築される。様々な実施形態において、複数のスペーサ606は、たとえば、バック鉄心602を切り欠いて、複数の磁石604の各磁石の位置を作成することによって形成されてもよい。したがって、そのような実施形態において、スペーサ606は、複数の磁石604の各磁石の連続する位置の間の領域内に形成される。他の実施形態において、複数のスペーサ606は、たとえば、非磁性ウェブをバック鉄心602に結合することによって形成されてもよい。図7の例によって示すように、複数のスペーサ606が、バック鉄心602内に形成されている溝608に挿入されてもよい。そのような実施形態において、複数のスペーサ606は、バック鉄心602との摩擦係合を介して、又は、たとえばエポキシなどの接着剤を介して、バック鉄心602に対して適所に拘束されてもよい。図6図8は、例として、内側ロータ600を示しているが、本開示の原理が、サイクロイド磁気歯車の外側ロータにも適用され得ることが、当業者には理解されよう。したがって、外側ロータもまた、連続する永久磁石の間にスペーサを位置付けられて構築されてもよい。
【0038】
図9は、内部に形成されているキー溝902を示す、サイクロイド磁気歯車900の詳細図である。複数の機械的に位相シフトされたロータセグメントを利用した磁気歯車実施形態において、平衡を維持するために、連続的なロータが、互いに対して磁気的に位相シフトされる。組み立て中の機械的及び磁気的位相シフトを容易にし、動作中にシフトを維持するために、本開示の態様は、組み合わさった内側ロータバック鉄心602の内径及び/又は内側ロータサイクロイドディスク(ハブ)の外径上で(その表面を不均一にする)任意の種類のキー溝902又はスプライン、歯などを使用することを伴う。代替的に、同じ極性のすべての磁石604が、内側ロータキー溝マーキングのすべての上に位置付けられてもよく、ただし、各連続的なロータに対応する外側ステータ上の極の極性を入れ替えることによって、磁気位相シフトを維持してもよい。キー溝(又はスプライン)902はまた、ハブとバック鉄心602との間の摩擦嵌合を容易にするために使用されてもよく、内側ロータ600へのトルクの伝達を容易にするための接着剤の必要性を除去する。様々な実施形態において、複数のロータセグメントを有するサイクロイド磁気歯車の製造中、単一のロータが構築されてもよく、その後、適切に位置整合された複数のロータセグメントを生成するために、回転軸に垂直である平面に沿って分割されてもよい。
【0039】
図10は、2段サイクロイド磁気歯車システム1000の断面図である。2段サイクロイド磁気歯車システム1000は、第1のサイクロイド磁気歯車1004に結合されている第1の入力シャフト1002を含む。第1のサイクロイド磁気歯車1004は、第1の出力シャフト1006に結合されている。第1の出力シャフト1006は、第1のベアリング1008及び第2のベアリング1010によって支持される。第1の出力シャフト1006は、第2の入力シャフト1012に結合されている。第2の入力シャフト1012は、第2のサイクロイド磁気歯車1014に結合されている。第2の入力シャフト1012は、第3のベアリング1016及び第4のベアリング1018によって支持される。
【0040】
図11は、2段サイクロイド磁気歯車システム1100の断面図である。2段サイクロイド磁気歯車システム1100は、第1のサイクロイド磁気歯車1104に結合されている第1の入力シャフト1102を含む。第1のサイクロイド磁気歯車1104は、第1の出力シャフト1106に結合されている。第1の出力シャフト1106は、第1のベアリング1108及び第2のベアリング1110によって支持される。第1の出力シャフト1106は、第2のサイクロイド磁気歯車1114に結合されている。様々な実施形態において、第1のベアリング1108及び第2のベアリング1110は、たとえば、ボールベアリング、円筒ころ軸受、又は任意の他のタイプのベアリングであってもよい。様々な実施形態において、第1のサイクロイド磁気歯車1104及び第2のサイクロイド磁気歯車1114は、たとえば、単一ロータサイクロイド歯車又はマルチロータサイクロイド歯車であってもよい。
【0041】
図12Aは、リラクタンス型サイクロイド磁気歯車の概略図である。リラクタンス型サイクロイド磁気歯車1200においては、内側ロータ1202又は外側ロータ1204のうちの一方に、磁石が置かれない。図12Aに示す実施形態において、内側ロータ1202上の磁石が歯1206及びスロット1208に置き換えられているが、他の実施形態においては、外側ロータ1204の磁石が歯及びスロットと置き換えられてもよい。様々な実施形態において、このトポロジは、表面永久磁石サイクロイド設計と同じギヤ比に対して約4分の1の磁極のみで、高いギヤ比が達成されることを可能にする。
【0042】
図12Bは、軸磁化配置構成を利用したリラクタンス型サイクロイド磁気歯車1250の概略図である。サイクロイド磁気歯車は、第1のロータ1252及び第2のロータ1254を含む。複数の磁極対1256が、第1のロータ1252の軸面上に配置されている。複数の強磁性歯1260が、第2のロータ1254上に形成される。動作中、複数の磁極対1256は、磁気抵抗に起因して複数の強磁性歯1260に影響を及ぼす。第1のロータ1252は、第1のロータ1252及び第2のロータ1254に対して軸方向の磁束に起因して第1のロータ1252の複数の磁極対1256が複数の強磁性歯1260と相互作用するように、軸方向の様式で第2のロータ1254と位置整合される。
【0043】
図13は、キー溝を有する磁気サイクロイド歯車の概略図である。図13において、内側ロータサイクロイドディスク(ハブ)に接続してクランクシャフトに接続するためのキー溝1210が、図13に示すように歯の背後に置かれてもよい。キーは、ロータ上に応力点が生じるのを回避し、磁束との干渉を回避するために、ロータの厚い点に配置される。言い換えれば、材料は、連結の領域における機械的応力を最小限に抑え、磁束との干渉を最小限に抑えるために、半径方向において最も厚いディスクの部分から除去されている。
【0044】
図14は、磁束シールド1402を有するサイクロイド磁気歯車1400の概略図である。動作中、外側ロータ1408の内周の周りでの内側ロータ1406の旋回は、内側ロータ1406と外側ロータ1408との間の空隙1404を様々な幅にする。外側ロータ1408の、内側ロータ1406と外側ロータ1408との間の最も近い相互作用点とは反対の側に、より大きい空隙が位置する。様々な実施形態において、磁束シールド1402が、内側ロータ1406と外側ロータ1408との間に位置する空隙1404のより大きい部分内に位置する。様々な実施形態において、磁束シールド1402は、図14に示すように、半径方向において、空隙1404の最も小さい部分の反対にあってもよい。他の実施形態において、磁束シールド1402は、半径方向において空隙1404の最も小さい部分から反対の点から、いくらかの角度だけオフセットされてもよい。磁束シールド1402は、高速シャフトと同じ速度において主回転軸を中心として旋回する。磁束シールド1402は、内側ロータ1406上での反対のトルク生成に寄与する可能性がある望ましくない磁路を短絡するように成形される。磁束シールド1402はまた、内側ロータ1406のベアリングに対する半径方向負荷を減少させるように成形されてもよい。様々な実施形態において、磁束シールド1402自体がカウンターウェイトに置き換わってもよく、又は、追加のカウンターウェイティングが、磁束シールド1402を含めた後の最終的な平衡に使用されてもよい。様々な実施形態において、磁束シールド1402は、たとえば、表面永久磁石、コンシクエント極、内部永久磁石、及びリラクタンス型サイクロイド磁気歯車を含む、様々なタイプのサイクロイド磁気歯車とともに利用されてもよい。
【0045】
図15は、特定の瞬間におけるサイクロイド磁気歯車の内側ロータ1406への力分布を示す概略図である。内側ロータ1406の外側ロータ1408との磁気的相互作用は、内側ロータ1406に作用するトルクを生じさせる。内側ロータ1406の一方の側で、トルクは、正の値を有し、内側ロータ1406の回転と同じ方向において作用する。しかしながら、内側ロータ1406の反対の側で、トルクは、負の値を有し、内側ロータ1406の回転方向と反対に作用する。動作中、磁束シールド1402は、サイクロイド磁気歯車1400において逆効果のトルクを生成する反対の力を相殺する。
【0046】
磁束シールド1402は、入力カムシャフトによって駆動される、内側ロータ1406の偏心運動の速度においてスピンすることになるため、磁束シールド1402は、様々な実施形態において、入力カムシャフト(明示的には図示せず)に結合することができる。図16は、1つ又は複数のウェブ1706によって中心ハブ1704から片持ちされる磁束シールド1702の斜視図である。様々な実施形態において、中心ハブ1704は、入力カムシャフトを受け入れる。図16に示すように、磁束シールド1702は、片持ちされてもよいが、スタック長さが小さくても、そのような片持ちの結果として偏向が大きくなる。磁束シールド1702を拘束するウェブ1706及び中心ハブ1704は、様々な実施形態において、磁束シールド1702及び関連付けられる構造物がカウンターウェイトとして作用するように、質量を除去されて(又は追加されて)設計されてもよい。
【0047】
図17は、カウンターウェイトとして機能するために質量を追加された磁束シールドアセンブリ1900の斜視図である。磁束シールドアセンブリ1900は、第1の複数のウェブ1906を介して中心ハブ1904に結合されている磁束シールド1902を含む。カウンターウェイト1908が、中心ハブ1904の、磁束シールド1902から反対の側に配置されている。カウンターウェイト1908は、第2の複数のウェブ1910によって中心ハブ1904から分離されている。動作中、カウンターウェイト1908は、磁束シールド1902によって発揮される機械力を平衡させ、磁束シールド1902の偏向を防止する。
【0048】
図18Aは、質量を除去された磁束シールド2020の斜視図である。磁束シールド2020自体は、様々な実施形態において、モノリシック構造でなくてもよく、磁束シールド2020に静的又は動的カウンターバランスとして作用させるように、適所において質量が除去されていてもよく、それによって、下記において図18B及び図18Cに関連して論じるように、磁束シールド2020の重心を入力カムシャフトの中心に移動させることができる。磁束シールド2020、及び、入力シャフトへの結合は、様々な実施形態において、構造的完全性を増大させるために、1つの固体物体から作成されてもよい。しかしながら、他の実施形態において、磁束シールド、及び、入力シャフトへの結合は、非一体であってもよい。
【0049】
図18Bは、シャフト2024が中心2026を有する磁石歯車の断面図である。図18Cは、シャフト2024に固定化されている磁束シールド2020を示す。図18Bにおける磁気歯車の構成は、中心2026の上方又はわずかに上方の質量中心を有する。磁束シールド2020がシャフト2024に固定化されると、質量中心は、中心2026により近く、下向きに移動される。したがって、いくつかの実施形態において、磁束シールド2020は、質量中心が中心2026に向かって、又は、中心2026に移動されるように構成することができる。
【0050】
図19は、磁束シールド802を有する半径方向磁気サイクロイド歯車の断面図である。磁束シールド802は、磁束シールド802の、内側ロータ806及び外側ロータ808との磁気的相互作用から生じる半径方向内向き及び外向きの力を受けるため、不安定均衡が生じる。より良好な組み立て及びよりロバストな設計を容易にするために、磁束シールド802は、外側ロータ808に意図的により近くか、又は、内側ロータ806に意図的により近くのいずれかとして、より大きい空隙2102において意図的にオフセットされてもよい。いずれかのロータに意図的により近くすることによって、磁束シールド802は、大きい不平衡力を受け得る。様々な実施形態において、そのような不平衡力は、磁束シールド802に、ブッシング若しくはベアリングとインターフェースさせるか、又は、良好な接触を保証させることによって、活用することができる。磁束シールド802又は出力ピンディスク(明示的には図示せず)は、様々な実施形態において、より円滑な摺動を容易にするために、たとえば、陽極酸化されてもよく、硬化されてもよく、又は、ブッシングを保有してもよい。
【0051】
図20は、ベアリング把持構造2204を低速シャフト2208上の低速シャフトピンディスク2206に対して係合させる磁束シールド2202の斜視図である。様々な実施形態において、磁束シールド2202はまた、部分的にベアリング把持構造2204上に載置されてもよい。様々な実施形態において、磁束シールド2202はまた、低速シャフトピンディスク2206上の大きいベアリングとは反対に、低速シャフト又はハウジング上のベアリング上にあってもよい。そのような配置構成は、磁束シールド2202を高速カムシャフトに結合し、磁束シールド2202がベアリング又はブッシングを介した低速シャフト2208との第2のインターフェースを有することを可能にする。これは、それらの構成要素が異なる速度で、又は、ベアリング若しくはブッシングを介してハウジングとともに回転するためである。この場合、磁束シールド2202は、様々な実施形態において、低速シャフト2208上への配置を容易にするために、内側ロータ806に意図的により近くオフセットされてもよい。代替的に、磁束シールド2202は、入力シャフトに結合され、外側ロータに意図的により近くオフセットされ、外側ロータに接続されているベアリング又はブッシングアタッチメントを有してもよい。そのような配置構成は、外側ロータがすでにブッシング/ベアリングを必要とする場合に、内側ロータがそれ自体の軸を中心として静止しており、外側ロータが回転する実施形態において有用である。いくつかの実施形態において、典型的には、低速シャフト2208上にベアリングが存在し、低速シャフトピンディスク2206上には存在しない。この配置構成において、磁束は、本質的に低速ピンディスク2206を過ぎ、低速シャフト2208上のベアリングを把持する。
【0052】
この特定の実施形態は、低速シャフトピンディスク2206、低速シャフト2208、及び高速カムシャフトを記載しているが、入力シャフト(及び関連付けられる構成要素)を高速シャフト(及び関連付けられる構成要素)とすることができ、低速シャフト(及び関連付けられる構成要素)を出力シャフト(及び関連付けられる構成要素)とすることができることが、当業者には理解されるはずである。したがって、本明細書において使用される場合、入力は高速と置き換えることができ(たとえば、入力シャフトは高速シャフトとすることができる)、出力は低速と置き換えることができる(たとえば、出力シャフトは低速シャフトとすることができる)。この用語は、本開示全体を通じて交換することができ、様々な応用形態が、入力構成要素が高速構成要素であること、又は、出力構成要素が低速構成要素であることを必要とする。
【0053】
図21は、ベアリングリップ2304を有する磁束シールド2302の斜視図である。様々な実施形態において、磁束シールド2302を固定化することができる少なくとも2つのロケーションが存在する。第1のロケーションは、入力シャフトに対する磁束シールド2302の結合を介するものであってもよい。第2のロケーションは、様々な実施形態において、第2の接触点に対して軸方向に位置整合するための特徴を使用してもよい。そのような配置構成は、様々な実施形態において、たとえば、ベアリング2306上のフランジ若しくはリップ2304、又は、内側若しくは外側ロータ上のブッシングを利用してもよい。この種類のリップを有するために、磁束シールド2302のための装置は、少なくとも2つの部品である。
【0054】
図22は、複数の磁束シールド2402(1)~(2)及びピンディスク2404(1)~(2)から成るシステムの斜視図である。スタック長さが長いサイクロイド磁気歯車の場合、そのような大きい長さにわたってピンを片持ちしないように、複数のピンディスク2404(1)~(2)を有することが有利であり得る。様々な実施形態において、ピンディスク2402(1)~(2)の外径は、大きく厚い区画を有し得、ベアリングも同様である。この場合、単一の磁束シールド2402(1)~(2)の本体の長さが、たとえば、磁束シールド2402(1)~(2)を各ピンディスク区画の後に機械的に位相シフトすることによって、減少し得る。2つのピンディスク2404(1)~(2)及び2つの磁束シールド2402(1)~(2)を有する例が示されているが、他の実施形態において、任意の数のピンディスク及び磁束シールドが利用されてもよい。
【0055】
しかしながら、多数のピンディスクが使用される場合、磁束シールド2402(1)~(2)が半径方向内向きを指す力を有するように、磁束シールド2402(1)~(2)は外側ロータよりも内側ロータに近くなり得る。この場合に、サイクロイド歯車が動作し、磁束シールド2402(1)~(2)上の遠心力が増大するとき、磁束シールド2402(1)~(2)は、より良好にベアリング2408に予備的に負荷を与え、ベアリング2408上に載置されるように、依然として磁気的に内向きに引き付けられ得る。
【0056】
図23は、同心歯車システム3800の断面図である。同心歯車システム3800は、第1の複数の磁極対3804が外周上に配置されている内側バック鉄心3802を含む。内側バック鉄心3802及び第1の複数の磁極対3804は、外側バック鉄心3806内に配置されている。外側バック鉄心3806は、内周上に配置されている第2の複数の磁極対3808を有する。変調器3810が、第1の複数の磁極対3804と第2の複数の磁極対3808との間に配置されている。
【0057】
依然として図23を参照すると、変調器3810は、複数の非磁性セグメント3814と交互になるように配置構成されている複数の透磁性セグメント3812を含む。したがって、複数の透磁性セグメント3812の各透磁性セグメントは、複数の非磁性セグメント3814の連続的な非磁性セグメントの間に配置されている。様々な実施形態において、複数の透磁性セグメント3812の各透磁性セグメント及び複数の非磁性セグメント3814の各非磁性セグメントは、第1の端部から外向きに延在する突出部3816及び第2の端部から内向きに延在するくぼみ3818によって形成される。様々な実施形態において、突出部3816及びくぼみ3818は、複数の透磁性セグメント3812の複数の非磁性セグメント3814との結合を容易にする。様々な実施形態において、そのような配置構成は、変調器3810を容易に組み立てることを促進する。付加的に、複数の磁性セグメント3812及び複数の非磁性セグメント3814は、磁束のチョーキングを防止し、変調器3810のセグメント間の短い磁束漏れ経路の形成を防止する。
【0058】
様々な実施形態において、突出部3816及びくぼみは、様々な形状を有してもよい。図24Aは、突出部3816及びくぼみ3818が、変調器3810のセグメントの半径方向の長さ全体に延在し得ることを示している。図24Bは、突出部3816及びくぼみ3818が、変調器3810のセグメントの半径方向の部分的な長さに延在し得ることを示している。図24Cは、突出部3816及びくぼみ3818が楕円形状を有し得ることを示している。図24Dは、突出部3816及びくぼみ3818が、たとえばブリッジ3820などの他の支持メカニズムとともに利用され得ることを示している。
【0059】
様々な実施形態において、図23に関連して記載されているタイプの変調器3810は、他の磁気歯車トポロジとともに利用されてもよい。図25Aは、突出部3906及びくぼみ3908を有する透磁性セグメント3904を有する変調器3902を有する軸方向磁束磁気歯車を示す。図25Bは、突出部3956及びくぼみ3958を有する透磁性セグメント3954を有する変調器3952を有する横方向磁束磁気歯車3950を示す。図25A及び図25Bにおいて、変調器(3902、3952)の非磁性セグメントは、明瞭にするために省略されている。
【0060】
図26は、成形変調器セグメント4002を有する同心磁気歯車4000の断面図である。磁束変調器4001は、複数の変調器セグメント4002を含む。様々な実施形態において、複数の変調器セグメント4002の各変調器セグメントは、第1の複数の磁極対3804から第2の複数の磁極対3808までの電磁角度をマッピングする。変調器セグメント4002の数は、第1の複数の磁極対3804又は第2の複数の磁極対3808のうちの極対の数に関係付けられる必要はない。様々な実施形態において、単一の歯車が、複数の異なる形状を有する複数の変調器セグメント4002を有してもよい。様々な実施形態において、変調器セグメント4002は、第1の複数の磁極対3804又は第2の複数の磁極対3808のいずれかに作用する不平衡磁力を減少させるか又は排除するように配置構成されてもよい。図27Aは、変調器セグメント4002の2つの区画を有する変調器4051を示す。図27Bは、変調器セグメント4002の3つの区画を有する変調器4061を示す。図27Cは、変調器セグメント4002の4つの区画を有する変調器4071を示す。図26図27Cは、モジュール式セグメントの1~4つの区画を有する変調器を示すが、いくつかの実施形態においては、モジュール式セグメントの任意の数の区画を利用することができる。様々な実施形態において、変調器セグメント4002は、他の磁気歯車トポロジに適用されてもよい。図28Aは、各々が第1の複数の磁極対(たとえば、図26の第1の複数の磁極対3804)から第2の複数の磁極対(たとえば、図26の第2の複数の磁極対3808)までの電磁角度をマッピングする変調器セグメント4002を有する軸方向磁束磁気歯車4200を示す。図28Bは、各々が第1の複数の磁極対(たとえば、図26の第1の複数の磁極対3804)から第2の複数の磁極対(たとえば、図26の第2の複数の磁極対3808)までの電磁角度をマッピングする変調器セグメント4002を有する横方向磁束磁気歯車4250を示す。
【0061】
図29A図29Bは、製作を容易にするための特徴を有して設計されている変調器4300の実施形態を示す。様々な実施形態において、変調器は、図29Aに示すように、ブリッジ4302を有して製作される。このとき、変調器セグメント4002間の間隙は、たとえば、非磁性材料によって充填される。様々な実施形態において、その後、複数の変調器セグメント4002を有する変調器4300を作成するために、ブリッジが機械加工され得る。いくつかの実施形態において、各変調器セグメントは、図29Bに示すように、一方の側の突出部及び他方の側のくぼみを有してもよい。
【0062】
様々な実施形態において、軸方向磁束同軸磁気歯車の前方少極数ロータは高速ロータであり、軸方向磁束同軸磁気歯車の後方多極数ロータは固定されており、変調器は、自由に回転する低速ロータのままにされる。代替的に、変調器は固定されてもよく、多極数後方ロータは低速ロータとして作用してもよい。第8、第9、及び第10技術を含むすべての磁気歯車について、各ロータは、従来の若しくはハルバッハトポロジの表面永久磁石を包含してもよく、又は、コンシクエント極、磁束収束、又はリラクタンストポロジのものであってもよい。
【0063】
様々な実施形態において、磁気歯車は、信頼性の改善、メンテナンスの低減、音響雑音の低減、及び固有の過負荷の保護の、機械式歯車にまさる潜在的利点をもたらす。複数のロータを有するサイクロイド型磁気ギヤボックスは、風力若しくは波力エネルギー変換、宇宙牽引若しくは作動、又は自動化のためのロボット工学などの産業にとって特に関心のある、非常に高いギヤ比を達成することが可能である。
【0064】
本開示の様々な実施形態が、添付の図面に示され、上記の詳細な説明において説明されているが、本開示は本明細書において開示されている実施形態に限定されず、本明細書に記載のような本開示の精神から逸脱することなく、多数の再構成、修正、及び置換が可能であることは理解されよう。
【0065】
「実質的に」という用語は、当業者には理解されるように、指定されるものを必ずしも完全にではなく大まかなものとして規定される。任意の開示されている実施形態において、「実質的に」、「ほぼ」、「概して」、及び「約」という用語は、指定されているもの「の[ある百分率]の中」と置換されてもよく、百分率は、0.1、1、5、及び10パーセントを含む。
【0066】
上記は、いくつかの実施形態の特徴を、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように概説している。本明細書において紹介されている実施形態の同じ目的を実行し、及び/又は、同じ利点を達成するために他のプロセス及び構造を設計又は修正するための基礎として、本開示を容易に使用することができることを、当業者には諒解されたい。そのような均等な構築物は、本開示の精神及び範囲から逸脱しないこと、並びに、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書において様々な変更、置換、及び改変を行うことができることも、当業者には認識されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲の文言によってのみ決定されるものとする。特許請求の範囲内の「備える(comprising)」という用語は、特許請求項内の要素の記載されている列挙が開放グループであるように「少なくとも含む」ことを意味するように意図されている。用語「a」、「an」及び他の単数形の用語は、明確に除外されない限り、その複数形を含むように意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図25A
図25B
図26
図27A
図27B
図27C
図28A
図28B
図29A
図29B
【国際調査報告】