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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】ハロゲン化ガスセンサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20240318BHJP
【FI】
G01N27/12 C
G01N27/12 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560143
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2022057018
(87)【国際公開番号】W WO2022214293
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,661
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523025551
【氏名又は名称】インフィコン・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガン・グ
【テーマコード(参考)】
2G046
【Fターム(参考)】
2G046AA08
2G046BA07
2G046BA09
2G046BC01
2G046BE02
2G046EA04
2G046FE03
2G046FE17
2G046FE23
2G046FE38
(57)【要約】
第1金属電極および第2金属電極を少なくとも含み、それらがNaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiO、CsAlSiOのうちの少なくとも1つを含むセンシング材料に接続された、ハロゲン化ガスを検知するためのハロゲン化ガスセンサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化ガスを検知するためのハロゲン化ガスセンサであって、第1金属電極および第2金属電極を少なくとも含み、前記第1金属電極および第2金属電極が、NaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiO、CsAlSiOのうちの少なくとも1つを含むセンシング材料に接続されている、ハロゲン化ガスセンサ。
【請求項2】
前記センシング材料がビーズの形態であり、その中に前記2つの電極が少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記2つの電極のうちの一方が、中心電極としての前記2つの電極のうちの他方を取り囲むコイルである、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1電極が白金で作られるかまたは白金を含み、および/または前記第2電極が白金で作られるかまたは白金を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
電圧源が少なくとも前記第1電極に接続され、前記電極に印加される電流または電圧によって前記電極を400℃~1200℃、400℃~1000℃、600℃~1200℃または600℃~1000℃の範囲の温度に加熱する、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1センサは第1端部および反対側の第2端部を有するコイルの形態であり、前記2つの端部は電圧源(1)に接続され、前記第2電極は、前記コイル(4)の中心を通って前記コイルの長手方向の軸に沿って延在する長手方向の直線素子または棒の形態の中心電極であり、前記コイルおよび前記中心電極は前記センシング材料によって取り囲まれ、前記センシング材料の中に埋め込まれている、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサを用いたハロゲン化ガスの検知方法であって、前記センシング材料は、前記第1センサまたはコイルに電流または電圧を引加することによって400℃~1000℃、400℃~1200℃、600℃~1000℃または600℃~1200℃の範囲の温度に加熱される、ハロゲン化ガスの検知方法。
【請求項8】
前記センサを被検知ガスに曝した後の前記コイルを通る電流を、前記センサを被検知ガスに曝す前の前記コイルを通る電流で除算する、請求項7に記載のハロゲン化ガスの検知方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載のハロゲン化ガスセンサの製造方法であって、前記センシング材料が、モレキュラーシーブ(3A)から作製される第1成分(A)を少なくとも含み、前記モレキュラーシーブ(3A)は数百℃の第1温度に加熱され、前記第1温度で数時間、好ましくは3時間保持され、その後前記第1温度よりも高い第2温度に加熱され、好ましくは前記第1時間と一致する第2時間の間前記第2温度で保持される、方法。
【請求項10】
前記第1成分を次いで粉砕して、5μm未満、好ましくは約3μmの平均サイズを有する微粒子にする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1成分が、NaAlSiOおよびKAlSiOを、好ましくは1:1の比率で含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記センシング材料が、モレキュラーシーブ(4A)およびCsNOを用いて行われるイオン交換によって調製される第2成分(B)を少なくとも含み、前記モレキュラーシーブおよびCsNOが、好ましくは脱イオン水中で混合される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
モレキュラーシーブ、CsNOおよび脱イオン水の前記混合懸濁液を数時間、好ましくは24時間撹拌し、その後前記懸濁液を好ましくは遠心分離し、その後数百℃、好ましくは約900℃の第1温度で少なくとも1時間、好ましくは2時間、好ましくは加熱し、その後、前記第1温度よりも高い第2温度、好ましくは1100℃でさらに数時間、好ましくは約3時間加熱する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2成分(B)が、前記熱処理後に粉砕されて、数μm、好ましくは約4μmの平均サイズを有する微粒子になる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1成分(A)および/または前記第2成分(B)がビヒクルと混合されてスラリーとなり、前記ビヒクルが好ましくは5%~10%の重量の範囲の、水に溶解したヒドロキシプロピルセルロースであり、前記成分(A)および/または(B)の混合物と前記ビヒクルとの重量比が約2:1である、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
NaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiOまたはCsAlSiOの化学式を持つ少なくとも1つの成分を含む材料を使用して、ハロゲン化ガスの検知用の高感度かつ選択的なセンサ用のビーズ型センサを製造した。センサは中心電極、コイルおよびセンシング材料を含む。コイルは、電流がコイルを通って流れることで加熱される。センシング材料は多孔質である。中心電極と加熱されたコイルとの間のコンダクタンスはハロゲン化ガスの濃度により変化する。
【0002】
本発明は、ハロゲン化ガス、特にハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)に比べてはるかに低い地球温暖化係数を示すハイドロフルオロオレフィン(HFO)およびハイドロフルオロカーボン(HFC)などの冷媒ガスの高感度な検知のためのビーズ型センサの改良に関する。
【背景技術】
【0003】
ハロゲン化ガスを検知するための既存の技術がいくつかある。酸化スズ系の金属酸化物半導体(MOS)センサは、ハロゲン化ガスの検知に使用されているが、これらのセンサは多くの炭化水素や湿度に対して交差感度を示す。非分散型赤外線(NDIR)光学センサもハロゲン化ガスの検知に使用されるが、これらのセンサの感度は限られており、製造するコストが高い。
【0004】
ハロゲン化ガスを検知する固体ビーズ型センサは、比較的製造するコストが安い。これらのセンサは、Lohによって米国特許第3751968号明細書で、Leeによって米国特許第5104513号明細書で、Stetterによって米国特許第5226309号明細書で、およびYannopoulosによって米国特許第5932176号明細書で開示されている。Lohは、酸化ランタン、フッ化ランタン、およびケイ酸ナトリウムの混合物を含むガラスセラミックを含むセンシング素子を開示した。Leeは、ケイ酸カリウムと、二酸化ケイ素および酸化アルミニウムの群から選択される化合物との混合物を含むセラミックのセンシング素子を開示した。Stetterは、化学式NaLa(SiOFを有するケイ酸フッ化ランタンナトリウムを含むセンシング材料を開示した。Yannopoulosは、チタン酸ナトリウムを含むセンシング素子を開示した。
【0005】
米国特許第5226309号明細書で述べられているセンサの動作温度は、500℃から600℃までであり、適切な感度でHFOおよびHFCを検知するには低すぎる。Leeは、ケイ酸カリウムと酸化アルミニウムとの混合物を、ケイ酸カリウム約0.25~4.0重量部対酸化アルミニウム1重量部の間の比率で含むセラミックのセンシング素子を開示した。比率が広く、センシング材料の相が明確に定義されていないため、再現可能なセンサ性能を達成するのは容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3751968号明細書
【特許文献2】米国特許第5104513号明細書
【特許文献3】米国特許第5226309号明細書
【特許文献4】米国特許第5932176号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、HFOおよびHFCの選択的かつ高感度な検知のための定義された材料を見出すことである。本発明の他の目的は、高い融解温度を有するセンシング材料を見出すことであり、それによって、800℃から1000℃までの高温において高感度でセンサの動作が可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のハロゲン化ガスセンサは、独立請求項1によって定義される。従って、ガスセンサは第1金属電極および第2金属電極を少なくとも含み、それらはNaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiO、CsAlSiOのうちの少なくとも1つを含むセンシング材料と接続される。
【0009】
センシング材料はビーズの形態であってもよく、その中に2つの電極が少なくとも部分的に埋め込まれている。
【0010】
前記2つの電極のうちの一方は、中心電極としての2つの電極のうちの他方を取り囲むコイルであってもよい。
【0011】
第1電極は白金で作られるか白金を含むことができ、および/または第2電極は白金で作られるか白金を含むことができる。
【0012】
電圧源は、少なくとも第1電極に接続され、前記電極に印加される電流または電圧によって電極を400℃~1200℃、400℃~1000℃、600℃~1200℃または600℃~1000℃の範囲の温度に加熱してもよい。
【0013】
第1センサは、第1端部および反対側の第2端部を有するコイルの形態であってもよく、前記2つの端部は電圧源(1)に接続され、前記第2電極は、コイル(4)の中心を通ってコイルの長手方向の軸に沿って延在する長手方向の直線素子または棒の形態の中心電極であり、前記コイルおよび中心電極は前記センシング材料によって取り囲まれ、前記センシング材料の中に埋め込まれている。
【0014】
本発明はまた、上述したセンサによってハロゲン化ガスを検知する方法を提供し、ここで、前記センシング材料は、前記第1センサまたはコイルに電流または電圧を引加することによって400℃~1000℃、400℃~1200℃、600℃~1000℃または600℃~1200℃の範囲の温度に加熱される。
【0015】
センサを被検知ガスに曝した後のコイルを通る電流を、センサを被検知ガスに曝す前のコイルを通る電流で除算してもよい。
【0016】
さらに、本発明は、上述したハロゲン化ガスセンサの製造方法を提供し、ここで、センシング材料は、モレキュラーシーブ(3A)から作られた第1成分(A)を少なくとも含み、モレキュラーシーブ(3A)は数百℃の第1温度に加熱され、前記第1温度で数時間、好ましくは3時間保持され、その後前記第1温度よりも高い第2温度に加熱され、前記第2温度で第2時間の間保持され、第2時間は好ましくは前記第1時間と一致する。
【0017】
前記第1成分を次いで粉砕して、5μm未満、好ましくは約3μmの平均サイズを有する微粒子にすることができる。
【0018】
前記第1成分は、NaAlSiOおよびKAlSiOを、好ましくは1:1の比率で含んでもよい。
【0019】
センシング材料は、モレキュラーシーブ(4A)およびCsNOを用いて行われるイオン交換によって調製される第2成分(B)を少なくとも含み得、前記モレキュラーシーブおよびCsNOは、好ましくは脱イオン水中で混合される。
【0020】
モレキュラーシーブ、CsNOおよび脱イオン水の混合懸濁液を数時間、好ましくは24時間撹拌してもよく、その後、懸濁液を好ましくは遠心分離し、その後、数百℃、好ましくは約900℃の第1温度で少なくとも1時間、好ましくは2時間、好ましくは加熱し、その後、前記第1温度よりも高い第2温度、好ましくは1100℃で、さらに数時間、好ましくは約3時間加熱する。
【0021】
前記第2成分(B)は、前記熱処理後に粉砕されて、数μm、好ましくは約4μmの平均サイズを有する微粒子にすることができる。
【0022】
前記第1成分(A)および/または前記第2成分(B)は、ビヒクルと混合してスラリーにすることができ、前記ビヒクルは、好ましくは5重量%~10重量%の範囲の水に溶解したヒドロキシプロピルセルロースであり、前記成分(A)および/または(B)と前記ビヒクルとの、混合物の重量比は約2:1である。
【0023】
以下の本発明の例示的な実施形態は、以下のような図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態によるセンサの概略図である。
図2】例示的なセンシング材料によってセンサを製造する典型的なプロセスのステップを示す。
図3】倍率30倍および1600倍の走査型電子顕微鏡画像を示す。
図4】100ppmのR134aおよび100ppmのR1234yfに対する典型的なセンサ応答を示す。
図5】様々な濃度のR134aに対する典型的なセンサ応答を示す。
図6】様々なガス/蒸気に対する典型的なセンサ応答を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
センサ成分
図1の概略図は、金属コイル4、好ましくは白金コイルで囲まれた、好ましくは白金ワイヤである中心電極7を含む本発明のセンサを示す。両方とも、NaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiO、CsAlSiOのうちの少なくとも1つを含んでなるビーズ5に埋め込まれている。コイルは印加電圧1により400℃から1000℃までの温度に加熱される。電流6は、中心電極7とコイル4との間の印加電圧3によって生成される。センサの公称抵抗は電圧2と電流6との比であり、センサを取り囲むハロゲン化ガス濃度によって変化する。
【0026】
ビーズ5用の材料Aは、AlfaAesarの線形式KNa12-n[(AlO12(SiO12]・xHO(nは約6)を有するモレキュラーシーブ3Aの出発材料を用いて合成される。センサ製造のためのプロセスを図2に示す。たとえば、50gのモレキュラーシーブ3Aを炉に入れ、5℃/分の昇温速度で900℃に加熱し、900℃で3時間保持後、5℃/分の昇温速度で1100℃に加熱し、同じ温度で3時間保持した。材料が室温まで冷えるのを待って、遊星ボールミル(Retsch PM100)を用いて粉砕して、約3μmの平均サイズを有する微粒子にした。粉砕された材料のXRD回折スペクトルはPANalytical X’Pert PRO XRDシステムで収集された。それはNaAlSiO、KAlSiOのみを含むことが確認された。エネルギー分散型X線分光法(EDS)による元素分析により、NaAlSiOとKAlSiOの比率が1:1であることが確認された。材料Bは、モレキュラーシーブ4A(AlfaAesarのNa12[(AlO12(SiO12]・nHO)およびCsNOを使用して行われたイオン交換によって調製された。通常、5gのモレキュラーシーブ4Aと16.5gのCsNOとを85mLの脱イオン水に混合した。pH値はNaOH溶液によって8に調整された。懸濁液を24時間撹拌した。その後、懸濁液を遠心分離した。残った材料を16.5gのCsNOと85mLの水の溶液でさらに2回イオン交換し、最後に残った材料を脱イオン水で3回洗浄し、空気中80℃で一晩乾燥させた。900℃で2時間加熱、および1100℃でさらに3時間加熱することを含む、空気中での追加の熱処理が材料に行われた。熱処理後、材料を乳棒と乳鉢で粉砕した。約4μmの平均サイズを有する微粒子が得られる。エネルギー分散型X線分光法(EDS)による元素分析により、NaAlSiOとCsAlSiOの比率が1:1であることが示された。NaAlSiOおよびKAlSiOは、それぞれ1526℃および1750℃の融点を示す。したがって、それらは1000℃までの動作温度で長寿命を示すことが予想される。
【0027】
センサ製造
材料Aまたは(および)材料Bをビヒクルと混合してスラリーを得た。ビヒクルは、水に溶解した5%~10%(重量)のヒドロキシプロピルセルロースである。材料とビヒクルの重量比は約2:1である。最初にスラリーを中心電極上にコーティングし、コーティングが乾燥するまで待つ。次に、コーティングされた中心電極が加熱コイルに挿入される。追加のスラリーをコイルの周囲に加えて、加熱コイルを覆う完全なビーズを形成する。その後、完成したセンサを1℃/min~5℃/minの昇温速度で0.5時間~2時間の間850℃に加熱した。センサが室温まで冷却された後、テストの準備が整う。材料A/Bで調製したセンサをセンサA/Bと表記する。図3は、倍率30倍および1600倍の典型的なセンサAのSEM画像を示す。高倍率の画像は、非常に多孔質なモルフォロジーを示す。
【0028】
センサ性能
センサAは動作中にコイルに電流を流すことによって約800℃に加熱される。図1中の電流(6)は冷媒ガス濃度によって変化する。ガス暴露前の電流はI0と表記され、ガス暴露後の電流はIgと表記される。Ig/I0の比が感度として定義される。図4は、センサAが100ppmのR134a(CHFCF)および100ppmのR1234yf(CFCF=CH)に対して非常に迅速に応答することを示す。図5は、様々な濃度のR134aに対するセンサAの感度を示す。典型的なセンサAを備えたリーク検知器(leak detector)は、R134aの0.6g/年のリーク率を少なくとも3か月間断続的に検知できる。図6は、100ppmの様々なガス/蒸気に対するセンサAの感度を示す。センサは、100ppmのイソブテン(R600a)、水素、イソプロパノールおよびメタン(CH)に対しては応答を示さないが、100ppmのR134aおよび100ppmのR1234yfに対しては良好な応答を示す。材料BによるセンサはセンサAと同様のセンサ性能を示し、さらにセンサBを800℃から1200℃までのより高い温度で動作させて高感度を得ることが可能である。
【0029】
前述の明細書では、本発明をその特定の実施形態を参照して説明したが、当業者であれば、本発明がそれらに限定されないことを認識するであろう。上述の開示の異なる特徴および態様は、個別にまたは組み合わせて使用されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハロゲン化ガスを検知するためのハロゲン化ガスセンサであって、第1金属電極および第2金属電極を少なくとも含み、前記第1金属電極および第2金属電極が、NaAlSiO、KAlSiO、RbAlSiO、CsAlSiOのうちの少なくとも1つを含むセンシング材料に接続されている、ハロゲン化ガスセンサ。
【請求項2】
前記センシング材料がビーズの形態であり、その中に2つの電極が少なくとも部分的に埋め込まれている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
つの電極のうちの一方が、中心電極としての前記2つの電極のうちの他方を取り囲むコイルである、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第1金属電極が白金で作られるかまたは白金を含み、および/または前記第2金属電極が白金で作られるかまたは白金を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項5】
電圧源が少なくとも前記第1金属電極に接続され、前記第1金属電極に印加される電流または電圧によって前記第1金属電極を400℃~1200℃、400℃~1000℃、600℃~1200℃または600℃~1000℃の範囲の温度に加熱する、請求項1~4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1センサは第1端部および反対側の第2端部を有するコイルの形態であり、2つの端部は電圧源(1)に接続され、前記第2金属電極は、前記コイル(4)の中心を通って前記コイルの長手方向の軸に沿って延在する長手方向の直線素子または棒の形態の中心電極であり、前記コイルおよび前記中心電極は前記センシング材料によって取り囲まれ、前記センシング材料の中に埋め込まれている、請求項1~5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のセンサを用いたハロゲン化ガスの検知方法であって、前記センシング材料は、前記第1センサまたはコイルに電流または電圧を引加することによって400℃~1000℃、400℃~1200℃、600℃~1000℃または600℃~1200℃の範囲の温度に加熱される、ハロゲン化ガスの検知方法。
【請求項8】
前記センサを被検知ガスに曝した後の前記コイルを通る電流を、前記センサを被検知ガスに曝す前の前記コイルを通る電流で除算する、請求項7に記載のハロゲン化ガスの検知方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載のハロゲン化ガスセンサの製造方法であって、前記センシング材料が、モレキュラーシーブ(3A)から作製される第1成分(A)を少なくとも含み、前記モレキュラーシーブ(3A)は数百℃の第1温度に加熱され、前記第1温度で数時間、好ましくは3時間保持され、その後前記第1温度よりも高い第2温度に加熱され、好ましくは前記第1時間と一致する第2時間の間前記第2温度で保持される、方法。
【請求項10】
前記第1成分を次いで粉砕して、5μm未満、好ましくは約3μmの平均サイズを有する微粒子にする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1成分が、NaAlSiOおよびKAlSiOを、好ましくは1:1の比率で含む、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記センシング材料が、モレキュラーシーブ(4A)およびCsNOを用いて行われるイオン交換によって調製される第2成分(B)を少なくとも含み、前記モレキュラーシーブ(4A)およびCsNOが、好ましくは脱イオン水中で混合される、請求項~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
モレキュラーシーブ、CsNOおよび脱イオン水の混合懸濁液を数時間、好ましくは24時間撹拌し、その後前記懸濁液を好ましくは遠心分離し、その後数百℃、好ましくは約900℃の第1温度で少なくとも1時間、好ましくは2時間、好ましくは加熱し、その後、前記第1温度よりも高い第2温度、好ましくは1100℃でさらに数時間、好ましくは約3時間加熱する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2成分(B)が、熱処理後に粉砕されて、数μm、好ましくは約4μmの平均サイズを有する微粒子になる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1成分(A)および/または前記第2成分(B)がビヒクルと混合されてスラリーとなり、前記ビヒクルが好ましくは5%~10%の重量の範囲の、水に溶解したヒドロキシプロピルセルロースであり、前記第1成分(A)および/または前記第2成分(B)の混合物と前記ビヒクルとの重量比が約2:1である、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】