(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】外科用骨リベット
(51)【国際特許分類】
A61B 17/84 20060101AFI20240318BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
A61B17/84
A61B17/86
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561371
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022023320
(87)【国際公開番号】W WO2022216613
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505026479
【氏名又は名称】アキュームド・エルエルシー
【住所又は居所原語表記】5885 NE Cornelius Pass Road,Hillsboro,Oregon 97124 United States
(74)【代理人】
【識別番号】100232275
【氏名又は名称】和田 宣喜
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マーク・ビー・ソマーズ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ダブリュー・セイコラ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL43
4C160LL56
4C160LL58
(57)【要約】
骨固定のための骨ねじの代替策として使用され得る骨リベットが、提供される。骨リベットは、ヘッドと、骨リベットを骨内に設置するときに拡張することができるねじ付きシャフトとを含む。チャネルが、骨リベットを通って延び、骨リベットを設置するために使用されるマンドレルの球状部分に対応して成形される。チャネルの第1のセクションは、マンドレルの球状部分より小さい幅を有して、球状部分がねじ付きシャフトを拡張させることを可能にし、第2のセクションは、より大きい幅を有するようにサイズ設定される。設置プロセスは、典型的な骨ねじをその設置中に回転させる作業を排除する。ねじ付きシャフトはまた、切断フルートを含み、切断フルートは、骨内にねじ付きシャフト用のねじ経路を切断し、それによって、骨リベットを回転させて骨から取り出すのに必要とされるトルクの量を低減する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨リベットであって、
ヘッドとねじ付きシャフトとを含む本体部分であって、前記ねじ付きシャフトの少なくとも一部は、前記ねじ付きシャフトの変形された少なくとも一部の幅が変形前の前記ねじ付きシャフトの幅より大きくなるように、変形可能である、本体部分を備え、
前記本体部分を通ってチャネルが延びており、前記チャネルは、第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第2の部分より大きい幅を有し、前記チャネルの前記第1の部分は、前記本体部分の前記ヘッドを通って延びており、
前記本体部分が、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部が前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部の強制拡張時に変形し、以降は前記変形を維持するような材料で構築され、
前記ねじ付きシャフトが、切断フルートを含む、骨リベット。
【請求項2】
前記ねじ付きシャフトはスリットを含み、前記スリットによって、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部は第1のウイングおよび第2のウイングに分離され、
前記第1のウイングおよび前記第2のウイングは、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部の強制拡張時に互いから離れるように曲がる、請求項1に記載の骨リベット。
【請求項3】
前記チャネルの前記第1の部分が、前記スリットの終端点の近くにおいて、かつ前記スリットの前記終端点と前記骨リベットの先端との間で、開始する、請求項2に記載の骨リベット。
【請求項4】
前記切断フルートが、前記第1または第2のウイングの縁に、前記スリットに隣接して位置する、請求項2に記載の骨リベット。
【請求項5】
前記切断フルートが、前記第1のウイングの縁および前記第2のウイングの縁から離れて位置する、請求項2に記載の骨リベット。
【請求項6】
前記チャネルの前記第2の部分の長さが、前記ねじ付きシャフトの長さ以下である、請求項1に記載の骨リベット。
【請求項7】
前記ねじ付きシャフトが、2つ以上のねじ山を含む、請求項1に記載の骨リベット。
【請求項8】
前記ねじ付きシャフトが、2つ以上のスリットを含み、2つ以上の前記スリットによって、前記ねじ付きシャフトは、3つ以上のウイングに分離される、請求項1に記載の骨リベット。
【請求項9】
骨リベット設置システムであって、
マンドレルであって、ロッドと前記マンドレルの遠位端部にある球状部分とを含み、前記球状部分は、前記ロッドより大きい幅を有する、マンドレルと、
骨リベットと、
を備え、
前記骨リベットは、
ヘッドとねじ付きシャフトとを含む本体部分であって、前記ねじ付きシャフトの少なくとも一部は、前記ねじ付きシャフトの変形された少なくとも一部の幅が変形前の前記ねじ付きシャフトの幅より大きくなるように、変形可能である、本体部分を含み、
前記本体部分を通ってチャネルが延びており、前記チャネルは、第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第2の部分より大きい幅を有し、前記チャネルの前記第1の部分は、前記本体部分の前記ヘッドを通って延び、
前記本体部分が、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部が前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部の強制拡張時に変形し、以降は前記変形を維持するような材料で構築され、
前記ねじ付きシャフトが、切断フルートを含み、
前記球状部分の前記幅が、前記チャネルの前記第2の部分の前記幅より大きく、前記チャネルの前記第1の部分の前記幅未満である、骨リベット設置システム。
【請求項10】
前記マンドレルの前記ロッドが、縮小部分を含み、前記縮小部分において、前記ロッドは、力がかけられたときに壊れるように構成される、請求項9に記載の骨リベット設置システム。
【請求項11】
前記チャネルの前記第1の部分が、前記ヘッドと、変形可能である前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部の終端点との間で開始する、請求項9に記載の骨リベット設置システム。
【請求項12】
前記骨リベットが、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部が変形されたときに前記ねじ付きシャフトの一部が破砕するように構成される、請求項9に記載の骨リベット設置システム。
【請求項13】
骨リベット設置方法であって、
ドリルによって骨の少なくとも第1の皮質内に穴を穿孔するステップと、
マンドレルによって装填された骨リベットを前記穿孔された穴に挿入するステップと、
を含み、
前記マンドレルは、ロッドと、前記マンドレルの遠位端部にある球状部分とを含み、前記球状部分は、前記ロッドより大きい幅を有し、
前記骨リベットは、
ヘッドとねじ付きシャフトとを含む本体部分であって、前記ねじ付きシャフトの少なくとも一部は、前記ねじ付きシャフトの変形された少なくとも一部の幅が変形前の前記ねじ付きシャフトの幅より大きくなるように、変形可能である、本体部分を含み、
前記本体部分を通ってチャネルが延びており、前記チャネルは、第1の部分と第2の部分とを含み、前記第1の部分は、前記第2の部分より大きい幅を有し、前記チャネルの前記第1の部分は、前記本体部分の前記ヘッドを通って延び、
前記本体部分は、前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部が前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部の強制拡張時に変形し、以降は前記変形を維持するような材料で構築され、
前記ねじ付きシャフトが、切断フルートを含み、
前記球状部分の前記幅が、前記チャネルの前記第2の部分の前記幅より大きく、前記チャネルの前記第1の部分の前記幅未満であり、
さらに、前記マンドレルを前記チャネルを通って並進させて前記骨リベットから出し、それによって、前記骨リベットが前記骨内に設置されるように前記ねじ付きシャフトの前記少なくとも一部を変形させるステップを含む、骨リベット設置方法。
【請求項14】
前記骨リベットが、前記マンドレルの前記ロッドが前記骨リベットの前記チャネルを通るように位置決めされ、前記骨リベットの先端が前記マンドレルの前記球状部分に隣接するように、前記マンドレルによって装填される、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項15】
前記穴が、前記骨の前記第1の皮質および第2の皮質内に穿孔される、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項16】
前記マンドレルによって装填された前記骨リベットが、プレートの開口部を通り、前記穿孔された穴に挿入される、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項17】
前記骨リベットが、前記骨の2つのセグメント間の骨折線にわたって設置される、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項18】
前記骨リベットを回転させて前記骨から前記骨リベットを取り出すステップをさらに含み、前記切断フルートが、取り出しを補助するために、前記骨リベットが回転されるときに前記骨内に内部ねじ山を作り出すように構成される、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項19】
前記マンドレルが、骨リベット展開ツールによって、前記チャネルを通って並進され、前記骨リベットから出る、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【請求項20】
前記骨リベットおよび前記マンドレルの少なくとも1つが、前記ドリルによって駆動されるときに前記穴を形成するように構成され、前記骨の少なくとも前記第1の皮質内に前記穴を穿孔するステップが、前記マンドレルによって装填された前記骨リベットを使用して穿孔し、それによって、前記マンドレルによって装填された前記骨リベットを、前記穴が穿孔されているときに前記穿孔された穴に挿入することを含む、請求項13に記載の骨リベット設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、参照により本明細書にその全体が組み込まれている、2021年4月6日に出願した米国仮出願第63/171,311号の優先権および利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、一般に、骨固定デバイスに関する。より詳細には、本出願は、骨ねじの代替策として使用され得る骨固定のための骨リベットを提供する。
【背景技術】
【0003】
骨ねじは、通常、治癒時間期間中に骨折した骨の確実で頑丈な固定を提供するためのゴールドスタンダードの骨折固定デバイスである。さまざまな例では、骨ねじは、骨片をより大きい骨セグメントに取り付けるための単独のデバイスとして、または圧縮ねじ、カニューレ型ねじなどの複数のバリエーションを有して、ラグねじとして使用され得る。骨ねじはまた、しばしば、プレーティングまたは骨髄内デバイス技術と併用して使用される。典型的な骨ねじは、ヘッド付きまたはヘッド無しであってもよく、数多くのねじ技術およびドライバ接合面技術を使用し得る。
【0004】
骨ねじの設置は、しばしば、ねじを回転させて骨内に前進させることを必要とする。そのような設置プロセスは、小さいピッチを有する長いねじを設置する場合など、いくつかの場合では時間がかかる可能性があり、外科医にとって特に根気がいるものとなり得る。骨ねじに対する1つの代替の骨固定デバイスは、骨リベットである。しかし、典型的な骨リベットの設置は、構成要素の回転を依然として必要とすることがあり、いくつかの場合では、その結果、展開ツールの一部が患者の体内に残されることがある。また、他の欠点の中でもとりわけ、設置された後で典型的な骨リベットを取り出すことは難しくなり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、典型的な骨ねじおよび典型的な骨リベットの上記の欠点に対処する、骨ねじに対する代替の骨固定デバイスの必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、一般に、骨固定デバイスに関する。より詳細には、本開示は、骨ねじの代替策として使用され得る骨固定のための新しい革新的な骨リベットを提供する。本開示はまた、提供する骨リベットを設置するための挿入システムおよび方法を提供する。
【0007】
本明細書に記載する技術的特徴に照らして、そして限定されることなく、別途明記されない限り任意の他の態様と組み合わせられてもよい本出願の開示の第1の態様では、骨リベットは、ヘッドとねじ付きシャフトとを有する本体部分を含む。ねじ付きシャフトの少なくとも一部は、ねじ付きシャフトの変形された少なくとも一部の幅が変形前のねじ付きシャフトの幅より大きくなるように、変形可能である。チャネルが、本体部部分を通って延び、チャネルは、第2の部分より大きい幅を有する第1の部分を含む。チャネルの第1の部分は、本体部分のヘッドを通って延びる。本体部分は、ねじ付きシャフトの少なくとも一部が、ねじ付きシャフトの少なくとも一部の強制拡張時に変形し、変形以降は、その変形を維持するような材料で構築される。ねじ付きシャフトは、切断フルートを含む。
【0008】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第2の態様では、ねじ付きシャフトは、ねじ付きシャフトの少なくとも一部を第1のウイングおよび第2のウイングにそれによって分離するスリットを含む。第1のウイングおよび第2のウイングは、ねじ付きシャフトの少なくとも一部の強制拡張時に互いから離れるように曲がる。
【0009】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第2の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第3の態様では、チャネルの第1の部分は、スリットの終端点近くの、スリットの終端点と骨リベットの先端との間で開始する。
【0010】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第2の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第4の態様では、切断フルートは、第1または第2のウイングの縁に、スリットに隣接して位置する。
【0011】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第2の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第5の態様では、切断フルートは、第1のウイングの縁および第2のウイングの縁から離れて位置する。
【0012】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1から第5の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第6の態様では、チャネルの第2の部分の長さは、ねじ付きシャフトの長さ以下である。
【0013】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1から第6の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第7の態様では、ねじ付きシャフトは、2つ以上のねじ山を含む。
【0014】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1から第7の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第8の態様では、ねじ付きシャフトは、ねじ付きシャフトを3つ以上のウイングにそれによって分離する2つ以上のスリットを含む。
【0015】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第2から第8の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第9の態様では、骨リベット設置システムは、マンドレルと、第1の態様の例示的な骨リベットとを含む。マンドレルは、ロッドと球状部分とを含む。球状部分は、マンドレルの遠位端部にあり、ロッドより大きい幅を有する。球状部分の幅は、骨リベットチャネルの第2の部分の幅より大きく、骨リベットチャネルの第1の部分の幅未満である。
【0016】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第9の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第10の態様では、マンドレルのロッドは、縮小部分を含み、この縮小部分において、ロッドは、力がかけられたときに壊れるように構成される。
【0017】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1から第10の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第11の態様では、チャネルの第1の部分は、ヘッドと、変形可能であるねじ付きシャフトの少なくとも一部の終端点との間で開始する。
【0018】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第1から第11の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第12の態様では、骨リベットは、ねじ付きシャフトの少なくとも一部が変形されたときにねじ付きシャフトの一部が破砕するように構造化される。
【0019】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第2から第8および第10から第12の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第13の態様では、骨リベットの設置方法は、ドリルによって骨の少なくとも第1の皮質内に穴を穿孔するステップを含む。第9の態様の例示的なマンドレルによって装填された第1の態様の例示的な骨リベットは、穿孔された骨に挿入される。マンドレルは、次いで、骨リベットのチャネルを通って並進されて骨リベットを出て、それによって、骨リベットが骨内に設置されるように骨リベットのねじ付きシャフトの少なくとも一部を変形させる。
【0020】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第14の態様では、骨リベットは、マンドレルのロッドが骨リベットのチャネルを通るように位置決めされ、骨リベットの先端がマンドレルの球状部分に隣接するように、マンドレルによって装填される。
【0021】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13および第14の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第15の態様では、穴は、骨の第1の皮質および第2の皮質内に穿孔される。
【0022】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13から第15の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第16の態様では、マンドレルによって装填された骨リベットは、プレートの開口部を通り、穿孔された穴に挿入される。
【0023】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13から第16の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第17の態様では、骨リベットは、骨の2つのセグメント間の骨折線にわたって設置される。
【0024】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13から第17の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第18の態様では、方法は、骨リベットを回転させて骨から骨リベットを取り出すステップをさらに含む。切断フルートは、取り出しを補助するために、骨リベットが回転されるときに骨内に内部ねじ山を作り出すように構造化される。
【0025】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13から第18の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第19の態様では、マンドレルは、骨リベット展開ツールによって、チャネルを通って並進されて骨リベットを出る。
【0026】
別途明記されない限り任意の他の態様(たとえば第13から第19の態様)と組み合わせられてもよい本出願の開示の第20の態様では、骨リベットおよびマンドレルの少なくとも1つは、ドリルによって駆動されるときに穴を形成するように構造化され、骨の少なくとも第1の皮質内に穴を穿孔するステップは、マンドレルによって装填された骨リベットを使用して穿孔し、それによって、マンドレルによって装填された骨リベットを、穴が穿孔されているときに穿孔された穴に挿入することを含む。
【0027】
開示する方法および装置の追加の特徴および利点が、以下の発明を実施するための形態および図に説明され、それらから明白になるであろう。本明細書に説明する特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図および説明を考慮しながら当業者に明白になるであろう。さらに、本明細書に使用する文言は、主に、読みやすさおよび指示目的で選択されており、本発明の手段の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の一態様による骨リベットの側面図である。
【
図2】本開示の一態様による、骨リベットの先端に対する
図1の骨リベットの斜視図である。
【
図3】本開示の一態様による、骨リベットの後端に対する
図1の骨リベットの斜視図である。
【
図4】本開示の一態様による、骨リベットの中央平面に沿った
図1の骨リベットの断面図である。
【
図5】本開示の一態様による、マンドレルおよび骨リベットを含むシステムを示す図である。
【
図6A】本開示の一態様による、骨リベット挿入方法の一部を示す図である。
【
図6B】本開示の一態様による、骨リベット挿入方法の別の部分を示す図である。
【
図6C】本開示の一態様による、骨リベット挿入方法の別の部分を示す図である。
【
図7A】提供する骨リベットと比較した、典型的な骨ねじについての引き出し力の平均的な大きさおよび標準偏差を示す棒グラフである。
【
図7B】提供する骨リベットを取り出すために必要とされるトルクと比較した、典型的な骨ねじを挿入するために必要とされるトルクの平均的な大きさおよび標準偏差を示す棒グラフである。
【
図8A】本開示の一態様による、連続的なねじ付きシャフトを有する骨リベットの側面図である。
【
図8B】本開示の一態様による、変形された部分を有するねじ付きシャフトを有する
図8Aの骨リベットの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示は、骨固定のための骨ねじの代替策として使用され得る骨リベットを提供する。たとえば、外科医は、骨ねじを使用する代わりに、提供する骨リベットを単独デバイスとして使用して、骨片をより大きい骨セグメントに固着してもよい。いくつかの場合、外科医は、プレーティングまたは髄内デバイス技術と共に、提供する骨リベットを使用してもよい。
【0030】
提供する骨リベットは、ヘッドとねじ付きシャフトとを有する本体を含む。ねじ付きシャフトは、骨リベットが骨内に保持力を提供するように、骨リベットの骨内への設置時に拡張することができる。いくつかの例では、ねじ付きシャフトは、全体的に変形してこの拡張を提供するような材料で構築することができる。他の例では、ねじ付きシャフトは、これを2つ以上のウイングに分離する1つまたは複数のスリットを含むことができる。そのような他の例では、ねじ付きシャフトは、2つ以上のウイングが互いから離れるように曲がり、その曲がり位置を維持することを可能にする材料で構築することができる。ねじ付きシャフト上の少なくとも1つのねじ山は、そのねじ山が骨内に圧縮されるとき、ねじ付きでないシャフトを有するリベットと比べて増大した保持力を提供し、所望される場合、リベットの制御された回転式の取り出しを可能にする。
【0031】
提供する骨リベットはまた、骨リベットの挿入に使用されるマンドレルの球状部分に対応して成形された内部チャネルを含む。骨リベットはマンドレルによって、その両方の骨穴への挿入中に装填されてもよく、次いでマンドレルは、骨リベットの内部チャネルを通って並進されて骨リベットを出て、骨リベットを設置してもよい。内部チャネルのセクションは、マンドレルの球状部分より小さい幅(たとえば直径)を有するようにサイズ設定され、それにより、球状部分は、これがこの内部チャネルセクションを通って並進されるときに、この内部チャネルセクションを含む骨リベットの部分を強制して拡張させる。この内部チャネルセクションは、ねじ付きシャフト内にある。内部チャネルの異なるセクションは、マンドレルの球状部分より大きい幅(たとえば直径)を有するようにサイズ設定され、それにより、球状部分は、骨リベットに影響を及ぼすことなく、この異なる内部チャネルセクションを通って並進することができる。この異なる内部チャネルセクションは、骨リベットのヘッド内にあり、少なくともいくつかの場合、ねじ付きシャフトの一部内にある。
【0032】
したがって、提供する骨リベットは、マンドレルによって装填された骨リベットを事前に穿孔された骨穴に挿入し、骨リベットからマンドレルを取り出すことによって設置することができる。この設置プロセスは、典型的な骨ねじをその設置中に回転させて骨ねじを駆動して骨に入れるという時間がかかり、時には根気のいる作業を排除する。提供する骨リベットは、したがって、動作時間を短縮するのを助け、外科医の肉体的負担を低減するのを助けることができる。いくつかの態様では、提供する骨リベットおよび/またはマンドレルは、骨穴を穿孔するために使用されるように、動力ドリルと共に使用されるように適合されてもよく、それによって、事前に穿孔するステップを排除し、動作時間をさらに短縮する。
【0033】
骨リベットが設置されると、整形外科用途では、骨固定デバイスを骨から取り出すことができることが必要である。ねじ付きシャフトの少なくとも1つのねじ山は、設置された骨リベットの取り出しを可能にするのを助ける。骨リベットのヘッドはまた、取り出し中、外科医が駆動器具によってつかみ得るドライバ接合面を含んでもよい。たとえば、外科医は、設置された骨リベットを駆動器具で回転させて、ねじを取り出すのと同様の形で骨リベットを取り出してもよい。しかし、提供する骨リベットは骨リベットを回転させることなく挿入および設置されるため、ねじ経路は骨内には存在せず、その結果、望ましくない量のトルクが骨リベットを取り出すために必要とされる可能性がある。骨リベットを取り出すために必要とされるトルクの量を低減するのを助けるために、提供する骨リベットのねじ付きシャフトは、反転切断フルートを含んでもよい。この切断フルートは、骨リベットが回転されるときにねじ付きシャフトが骨に入るためのねじ経路を切断し、それによって、骨リベットを回転させて取り出すために必要とされるトルクの量を低減する。したがって、提供する骨リベットは、少なくともいくつかの典型的な骨リベットよりも、設置後に骨から取り出すことが容易である。
【0034】
図1から
図3は、例示的な骨リベット100のさまざまな図を示す。骨リベット100は、ヘッド102とねじ付きシャフト104とを有する本体を含む。チャネル110が、骨リベット100の本体を通って、骨リベット100の後端から骨リベット100の先端まで延びる。後端は、ヘッド102を含み、先端は、ねじ付きシャフト104を含む。少なくともいくつかの態様では、骨リベット100のヘッド102は、駆動器具と係合し得るドライバ接合面114を含む。ドライバ接合面114は、
図3の例では六角形接合面として示されているが、他の例では、ドライバ接合面114は、駆動器具と係合するための任意の他の適した形状(たとえばヘックスローブ、スロット付き、フィリップスなど)を有してもよい。
【0035】
骨リベット100のねじ付きシャフト104は、ねじ山106を含む。いくつかの例では、ねじ付きシャフト104は、二重ねじ付き、三重ねじ付きなどであるように、2つ以上のねじ山106を含んでもよい。ねじ付きシャフト104のねじ山106は、台形、湾曲型、鋸歯型などの任意の適切なねじ山の形態のものであってもよい。本開示の1つの態様(たとえば
図8Aおよび
図8B)では、ねじ付きシャフト104は、チャネル110の周りを連続的に延びてもよい。そのような態様では、ねじ山106は、ねじ付きシャフト104上を連続的に延びてもよい。本開示の他の態様(たとえば
図1~
図4)では、ねじ付きシャフト104は、ねじ付きシャフト104の少なくとも一部がウイング120およびウイング122に分割されるように、スリット108を含んでもよい。そのような他の態様では、ねじ山106は、そのスリット108により、ねじ付きシャフト104上で不連続である。いくつかの例では、ねじ付きシャフト104は、ねじ付きシャフト104の少なくとも一部が3つ以上のウイング120、122に分割されるように2つ以上のスリット108を含んでもよい。たとえば、ねじ付きシャフト104は、互いに垂直な2つのスリット108を含み、それによってねじ付きシャフト104を4つのウイング120、122に分割してもよい。他の場合、ねじ付きシャフト104は、骨リベット100の中心軸において接合する、互いから120°の角度にある3つのスリット108を含み、それによってねじ付きシャフト104を3つのウイング120、122に分割してもよい。
【0036】
少なくともいくつかの態様では、ねじ付きシャフト104は、切断フルート112を含む。切断フルート112は、設置された骨リベット100を骨から取り出すなどのために、設置された骨リベット100が回転されるとき、骨に切り込んでねじ山106用のねじ経路を形成する。ねじ山106用のねじ経路を形成することにより、切断フルート112は、設置された骨リベット100を回転させて骨から取り出すのに必要とされるトルクの量を低減するのを助ける。たとえば、ねじ経路が骨内にない場合、望ましくない量のトルクが、設置された骨リベット100を回転させるために必要であり、それによって、ドライバ接合面114が剥がれ、または駆動器具が壊れる可能性がある。いくつかの例では、切断フルート112は、ウイング120またはウイング122の縁に、スリット108に隣接して位置してもよい。図内に示す例は、ウイング120の縁に、スリット108に隣接して位置する切断フルート112を示している。他の例では、切断フルート112は、ウイング120またはウイング122上に、スリット108から離れて位置してもよい。
【0037】
ねじ付きシャフト104は、ねじ付きシャフト104の少なくとも一部が、ねじ付きシャフト104に十分な力がかけられたときに変形し、それ以降は、その変形を維持することを可能にする材料で構築されてもよい。たとえば、ウイング120およびウイング122は、互いから離れるように曲がり(
図6C)、骨内で遭遇し得る力に反してその曲がりを永久的に維持するように、互いから離れるように強制されてもよい。ウイング120およびウイング122が曲がり、その曲がりを永久的に維持することを可能にするのに適した材料は、たとえば、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、およびPEEKなどの何らかのプラスチックなどを含む。いくつかの態様では、ヘッド102もまた、骨リベット100が全体的に単一の材料で構築されるように、こうした材料で構築されてもよい。1つの態様では、ヘッド102は、ねじ付きシャフト104とは異なる材料で構築されてもよい。
【0038】
ねじ付きシャフト104が1つまたは複数のスリット108を含む態様では、1つまたは複数のスリット108は、変形されるねじ付きシャフト104の部分を決定してもよい。異なって言えば、ウイング120および122である、1つまたは複数のスリット108を含むねじ付きシャフト104の部分は、ねじ付きシャフト104の唯一の変形する部分であってもよい。さまざまな態様では、1つまたは複数のスリット108を含まない、したがってウイング120および122に分割されないねじ付きシャフト104の部分は、骨リベット100の設置時に変形しない。
【0039】
上記で言及したように、本開示の1つの態様では、ねじ付きシャフト104は、チャネル110の周りを連続的に延びてもよい。異なって言えば、そのような態様では、ねじ付きシャフト104は、スリット108を含まない。
図8Aは、チャネルの周りを連続的に延びるねじ付きシャフト104を含む例示的な骨リベット800を示す。この例では、切断フルート112は、スリット108を有さないねじ付きシャフト104内に形成される。そのような態様では、例示的な骨リベット800が設置されるとき、ねじ付きシャフト104は、そのねじ付きシャフト104の少なくとも一部の直径が増大し、増大した直径が骨内で遭遇し得る力に反して永久的に維持されるように変形する。
図8Bは、ねじ付きシャフト104の他の部分より大きい直径を有するねじ付きシャフト104の変形された部分802を有する例示的な骨リベット800を示す。ねじ付きシャフト104がこのようにして変形し、その変形を維持することを可能にするのに適した材料は、たとえば、ステンレス鋼、チタン、コバルトクロム、およびPEEKなどの何らかのプラスチックなどを含む。少なくともいくつかの態様では、ヘッド102もまた、骨リベット100が全体的に単一の材料で構築されるように、こうした材料で構築されてもよい。1つの態様では、ヘッド102は、ねじ付きシャフト104とは異なる材料で構築されてもよい。
【0040】
図4は、骨リベット100の中央平面に沿った骨リベット100の断面図を示し、骨リベット100の本体を通って延びるチャネル110を示している。チャネル110は、第1の部分116と第2の部分118とを含む。第1の部分116は、第2の部分118より大きい幅を有する。いくつかの態様では、チャネル110は、円筒状であってもよい。そのような態様では、第1の部分116および第2の部分118の幅は、直径である。他の態様では、チャネル110は、非円筒状(たとえば正方形、六角形など)であってもよい。図示するものなどのいくつかの例では、チャネル110の幅は、第2の部分118から第1の部分116にかけて徐々に増大してもよい。他の例では、チャネル110の幅は、第2の部分118から第1の部分116にかけて急激に増大してもよい。
【0041】
図5は、骨リベット100とマンドレル502とを含む例示的な骨リベット挿入システム500を示す。例示的なマンドレル502は、ロッド504と球状部分506とを含む。球状部分506は、マンドレル502の遠位端部に位置する。少なくともいくつかの態様では、マンドレル502の近位端部(図示せず)は、骨リベット展開ツール(図示せず)と共に使用されるように適合されてもよい。球状部分506は、ロッド504より大きい幅を有する。いくつかの態様では、マンドレル502のロッド504および/または球状部分506は、円筒状であってもよい。そのような態様では、ロッド504および/または球状部分506の幅は、直径である。他の態様では、マンドレル502のロッド504および/または球状部分506は、非円筒状(たとえば、正方形、六角形など)であってもよい。図示するものなどのいくつかの例では、マンドレル502の幅は、ロッド504から球状部分506にかけて徐々に増大してもよい。他の例では、マンドレル502の幅は、ロッド504から球状部分506にかけて急激に増大してもよい。
【0042】
骨リベット100およびマンドレル502それぞれは、骨リベット100を骨内に設置するために併用して使用されるように適合される。たとえば、骨リベット100は、ロッド504がチャネル110を通って位置決めされ、骨リベット100の先端が球状部分506に隣接するように、マンドレル502によって装填されてもよい。骨リベット100は、以下で論じる
図6Bに、マンドレル502によって装填された状態で示されている。装填された構成から、マンドレル502の球状部分506は、チャネル110を通って並進されて骨リベット100を設置してもよい。
図4および
図5に戻ると、球状部分506の幅は、骨リベット100のチャネル110の第1の部分116および第2の部分118の幅に従ってサイズ設定される。より詳細には、球状部分506の幅は、第2の部分118の幅より大きいが、第1の部分116の幅未満である。したがって、球状部分506が、装填された構成からチャネル110を通って並進されるとき、球状部分506は第2の部分118より大きい幅を有しているため、球状部分506は、第2の部分118を通って並進するときにねじ付きシャフト104を強制して変形させる。たとえば、ウイング120およびウイング122は、球状部分506が第2の部分118を通って並進するときに互いから離れるように曲がってもよい。
【0043】
球状部分506の幅と第2の部分118の幅との相違が、ねじ付きシャフト104が変形する量を決定することができる。たとえば、球状部分506の幅が第2の部分118の幅と比べて大きいほど、ねじ付きシャフト104は、球状部分506が第2の部分118を通って並進されるときにより大きく変形する。したがって、少なくともいくつかの態様では、球状部分506の幅は、第2の部分118の幅よりわずかに大きく、それにより、ねじ付きシャフト104は、骨リベット100が骨内に十分な保持力を提供するように十分に変形する。球状部分506の幅の上側制限は、ねじ付きシャフト104およびヘッド102の幅によって限定される第1の部分116の幅に対応する。
【0044】
球状部分506がチャネル110を通って並進され、第1の部分116に到達するとき、球状部分506の幅は第1の部分116の幅未満であるため、球状部分506は、ねじ付きシャフト104をもはや強制して変形させない。少なくともいくつかの態様では、球状部分506の幅は、第1の部分116の幅よりわずかに小さく、それにより、球状部分506は、第1の部分116を通って並進されるときに第1の部分116との軸方向の位置合わせを維持する。
【0045】
さまざまな態様では、チャネル110の第1の部分116および第2の部分118は、スリット108に対して配置されてもよい。
図4に示す例では、チャネル110の第1の部分116は、骨リベット100の先端に対してスリット108の終端点124の近く(たとえばすぐ前)で開始する。チャネル110の第1の部分116および第2の部分118のこの例示的な配置は、設置したときに骨リベット100の完全性および強度を維持するのを助け得る。たとえば、スリット108の終端点124の近くで(すぐ前で)第2の部分118が終了し、したがって第1の部分116が開始することにより、骨リベット100の保持強度または疲労寿命を低減する恐れがある、ウイング120および122の外側でのねじ付きシャフト104の望ましくない変形または破損を防止するのが助けられる。
【0046】
別の例では、チャネル110の第1の部分116は、終端点124から離れた、スリット108の中央部分において開始してもよい。この例では、ウイング120および122の一部のみがチャネル110のより狭い第2の部分118を含むため、ウイング120および122の一部のみが変形する。また、1つの例では、チャネル110の第1の部分116は、骨リベット100の先端に対してスリット108の終端点124の後で開始し得ることが企図される。そのような例では、骨リベット100の材料は、スリット108の終端点124において変形または破砕して、第2の部分118を通って並進する球状部分506を収容してもよい。終端点124における変形または破砕にかかわらず、この例の骨リベット100は、骨固定のための十分な強度を維持する。
【0047】
図6Aから
図6Cは、骨リベット(たとえば骨リベット100)を骨内に設置するための例示的な方法のステップを示す。いくつかの場合、骨リベット100は、
図6Aから
図6Cに示すようにプレート600を骨に固定してもよいが、例示的な方法は、プレート600が存在しない他の場合にも同様に当てはまり得る。外科医は、骨の第1の皮質602Aを貫通して骨内に骨穴606を穿孔してもよい。いくつかの態様では、外科医は、骨の第1の皮質602A、髄管604、および第2の皮質602Bを貫通して骨穴606を穿孔してもよい。
【0048】
少なくともいくつかの場合、外科医は、適切な測定ツールを使用して骨リベット100の所望のサイズを決定してもよい。所望のサイズの骨リベット100は、次いで、事前に装填されていない場合、マンドレル502によって装填されてもよい。上記で言及したように、ロッド504がチャネル110を通るように位置決めされ、骨リベット100の先端が球状部分506に隣接したとき、骨リベット100はマンドレル502によって装填される。さまざまな態様では、外科医は、マンドレル502が装填された骨リベット100を骨穴606に挿入してもよい。いくつかの例では、マンドレル502が装填された骨リベット100は、骨リベットガンなどの骨リベット展開ツール内に装填され、ツールは、マンドレル502が装填された骨リベット100を骨穴606内に挿入するために使用される。
【0049】
本開示の1つの態様では、マンドレル502および/または骨リベット100は、挿入前に事前に穿孔することを必要とせずに、ドリルの動力下で骨内に穴を形成するために使用することができるように構築されてもよい。たとえば、マンドレル502の球状部分506の先端部は、トロカール先端部または切断フルートを有する先が尖った先端部であってもよい。いくつかの態様では、骨リベット100のねじ付きシャフト104は、穿孔を補助するために、ねじ付きシャフト104の先縁に追加の切断フルートを含んでもよい。
【0050】
そのようなさまざまな態様の一例では、マンドレル502が装填された骨リベット100は、骨リベット100および装填されたマンドレル502を駆動して骨穴606を形成する動力ドリルに結合されてもよい。いくつかの場合、マンドレル502が装填された骨リベット100は、形成後の骨穴606から取り出され、動力ドリルから結合解除され、次いで、骨穴606に再挿入されてもよい。他の場合、骨リベット100は、形成後の骨穴606内に留まり(すなわち取り出されず)、マンドレル502だけが取り出されて、骨リベット100を設置する。いくつかの態様では、骨リベット展開ツールを骨リベット100および装填されたマンドレル502と共に使用して、骨リベット100を骨穴606内に設置してもよい。穿孔は高速の回転速度下で行われるため、骨リベット100および装填されたマンドレル502によって形成された骨穴606は、平滑であり、したがって、骨リベット100のねじ付きシャフト104が形成中の骨穴606に挿入されているにもかかわらず、ねじ経路を含まない。したがって、提供する方法のこの態様は、少なくともいくつかの典型的な骨リベットと比較して、設置された後に骨から設置された骨リベット100を取り出すのを補助するという利点を依然として提供する。追加的に、提供する方法のこの態様は、事前の穿孔の必要性を排除し、したがって動作時間をさらに短縮するという利点を有する。
【0051】
骨リベット100および装填されたマンドレル502が骨穴606に挿入されている状態で、外科医は、マンドレル502をチャネル110を通って矢印608の方向に並進させ、骨リベット100から出して骨リベット100を設置してもよい。少なくともいくつかの態様では、外科医は、骨リベット展開ツールを使用して、マンドレル502をチャネル110を通って並進させ、骨リベット100から出してもよい。外科医がマンドレル502をチャネル110を通って並進させるとき、球状部分506は最初に、チャネル110の第2の部分118を通過する。球状部分506は、上記で説明したように第2の部分118より大きい幅を有しているため、球状部分506は、チャネル110の第2の部分118を通過するときに骨リベット100のねじ付きシャフト104を強制して変形させる。この例では、球状部分506は、ウイング120およびウイング122を強制して互いから離れるように曲げる。曲げられたウイング120および122のそれぞれのねじ山106は、骨内に圧入され、骨リベット100の保持力を提供する。球状部分506が、マンドレル502が骨リベット100の外に並進されるときにチャネル110の第1の部分116に到達すると、上記で説明したように、球状部分506は、もはや骨リベット100を強制して変形させない。さまざまな態様では、マンドレル全体502は、骨リベット100および患者から取り出され、そして破棄されるか、またはその後の使用のために洗浄されることが可能である。
【0052】
患者の体内に場合によって外れた断片が存在しないように、患者からマンドレル502全体を取り出すことが有益であることができるが、本開示の1つの態様では、マンドレル502の一部が、骨リベット100の設置後にウイング120と120との間に留まって、ウイング120および122における曲がりを維持するのを助けてもよい。たとえば、マンドレル502は、縮小部分を含んでもよく、この部分において、ロッド504は、ねじり力などの力がかけられたときに壊れるように構成される。1つの例では、この縮小部分は、ロッド504が球状部分506とぶつかるところであってもよい。そのような例では、マンドレル502がチャネル110を通って並進されてウイング120および122を十分に曲げた後、外科医は、ロッド504をねじってこれを球状部分506から分離し、それによって球状部分506をウイング120と122との間に残してもよい。
【0053】
いくつかの態様では、例示的な方法は、設置された骨リベット100を骨穴606から取り出すステップを含んでもよい。そのような態様では、外科医は、駆動器具によって骨リベット100のドライバ接合面114をつかみ、ねじ山106が骨リベット100を駆動して骨穴606から出すように骨リベット100を回転させてもよい。上記で説明したように、切断フルート112は、外科医が駆動器具によって骨リベット100を回転させるときに骨に切り込んで骨内に内部ねじ山を形成し、それによって、骨リベット100を回転させて取り出すために外科医がかけなければならないトルクの量を低減する。
【0054】
本発明者は、本開示の骨リベット100が典型的な、匹敵するサイズの骨ねじと同じ程度の大きさの引き出し強度を提供することを実証した。
図7Aは、(棒704によって示す)提供する骨リベット100と比較した、8個の8mmの骨ねじ(棒702によって示す)に対する引き出し力(ニュートン)の平均的な大きさを示す棒グラフ700を示す。標準偏差もまた、棒702および棒704のそれぞれに対して示されている。本発明者は、追加的に、本開示の骨リベット100を骨から取り出すのに必要とされるトルクが、典型的な、匹敵するサイズの骨ねじを挿入するのに必要とされるトルクと同じ程度の大きさであることを実証した。
図7Bは、(棒714によって示す)提供する骨リベット100を取り出すのに必要とされるトルクと比較した、(棒712によって示す)8個の8mmの骨ねじを挿入するのに必要とされるトルク(ニュートン-メートル)の平均的な大きさを示す棒グラフ710である。標準偏差もまた、棒712および棒714のそれぞれに対して示されている。
【0055】
さらなる詳細を有することなく、当業者が前述の説明を使用して、特許請求する本発明を最大限に使用できることが想定される。本明細書に開示する例および態様は、本開示の範囲をいかなる方法においても限定するものではなく、単に例示的であるとして解釈されるものとする。基礎となる論じた原理から逸脱することなく、上記で説明した例の詳細に変更がなされてもよいことが、当業者に明白であろう。換言すれば、上記の説明において詳細に開示した例のさまざまな改変形態および改良は、付属の特許請求の範囲内である。たとえば、説明したさまざまな例の特徴の任意の適切な組み合わせが、企図される。
【符号の説明】
【0056】
100 骨リベット
102 ヘッド
104 ねじ付きシャフト
106 ねじ山
108 スリット
110 チャネル
112 切断フルート
114 ドライバ接合面
116 第1の部分
118 第2の部分
120、122 ウイング
124 終端点
500 骨リベット挿入システム
502 マンドレル
504 ロッド
506 球状部分
600 プレート
602A 第1の皮質
602B 第2の皮質
604 髄管
606 骨穴
608 並進方向
700 棒グラフ
702 棒
704 棒
710 棒グラフ
712 棒
714 棒
800 骨リベット
802 変形された部分
【国際調査報告】