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特表2024-5135671-メチルキサンチンをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-26
(54)【発明の名称】1-メチルキサンチンをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 33/10 20160101AFI20240318BHJP
【FI】
A23L33/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561657
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022023930
(87)【国際公開番号】W WO2022217000
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/171,925
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/171,943
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/172,007
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/208,856
(32)【優先日】2021-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523360256
【氏名又は名称】ピーエックス・アイエヌジー,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】パーピュラ,マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ,ショーン
(72)【発明者】
【氏名】リャオ,キリン
【テーマコード(参考)】
4B018
【Fターム(参考)】
4B018MD07
4B018MD18
4B018MD48
4B018ME14
(57)【要約】
本開示の組成物、システムおよび方法は、ヒトが消費するための栄養補助製品に関するものであり、1-メチルキサンチンおよび任意に、1-メチルキサンチンの効果を調節するその他化合物を含む。1-メチルキサンチンを含有する補助食品の使用目的には、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力および/または食欲低下のうち少なくとも1つの増強が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象におけるエネルギーを増加させるための、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む組成物。
【請求項2】
パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブテレート、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
対象に投与されると、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンが単独で投与された場合と比較して、エネルギーの相乗的な増加をもたらす、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
1-メチルキサンチンとパラキサンチンとが約4:1~約1:4の比で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
対象におけるエネルギーを増加させる方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項8】
投与される1-メチルキサンチンの量が約2mgから約800mgまでである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記対象が、エネルギー知覚の少なくとも約5%の増加を経験する、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記対象が、不安、疲労、努力知覚および/または疼痛知覚のうち少なくとも1つの低減を経験する、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、前記対象におけるエネルギー知覚の相乗的な増加をもたらす、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物がカフェインを実質的に含まない、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
対象における運動遂行能力を増強する方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を前記対象に投与するステップを含む方法。
【請求項16】
投与される1-メチルキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
運動遂行能力が少なくとも約10%増加される、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記対象が持久力の増加を経験する、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記組成物が約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含み、対象への前記組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与に対して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチン、チロシンおよびn-アセチルチロシン、タウリン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[001]本出願は、2021年4月7日出願の「1-メチルキサンチンをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/171,943号、2021年4月7日出願の「7-メチルキサンチンをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/171,925号、2021年4月7日出願の「1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとの組合せをベースにした生物活性組成物およびそれを使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/172,007号、および2021年6月9日出願の「パラキサンチンと1-メチルキサンチンとの組合せをベースにした生物活性組成物および使用する方法」と題された米国特許仮出願第63/208,856号の優先権を主張するものであり、これらの文献はそれぞれ、35U.S.C.§119(e)に基づき、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[002]本開示の技術は、一般的には、生理学的利益の提供における使用のために1-メチルキサンチンを単独および組合せで利用する組成物、方法およびシステムに関する。より詳細には、本開示は、合成的に生産されたか天然源から誘導されたかを問わない1-メチルキサンチンおよびその他化合物、ならびに、生理学的利益を提供するためのこれら化合物の使用であって、提供される生理学的利益が1-メチルキサンチン濃度ならびに相乗剤および拮抗剤の存在により変動しうる使用に関する。
【背景技術】
【0003】
[003]カフェインは、苦味を有する白色の結晶性プリン、メチルキサンチンアルカロイドであり、デオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)のアデニンおよびグアニン塩基と化学的に類縁性がある。カフェインは、アフリカ、東アジアおよび南米を原産地とするいくつかの植物の種子、実または葉において見出され、これらの部位の捕食昆虫からの保護および近接する種子の発芽の防止に役立っている。最もよく知られているカフェイン源はコーヒー豆であるが、コーヒー豆とはコーヒーノキ属(Coffea)の植物の種子が誤ってそう呼ばれているものである。
【0004】
[004]コーヒー飲料におけるカフェイン濃度は、かなりばらついていることがある。コーヒーの標準的な1杯はカフェイン100mgを含むとされることが多いが、米国内のコーヒーショップで購入された14種類の異なるスペシャルティコーヒーについての最近の分析では、いれた状態のコーヒー約240ml(8オンス)中のカフェインの量には72~130mgの幅があることが見出された(McCusker,R.R.、Goldberger,B.A.およびCone,E.J.、2003、Caffeine content of specialty coffees.、J.Anal.Toxicol.、27:520~522.)。エスプレッソコーヒーにおけるカフェインには、シングルショットで58~76mgの幅があった。興味深いことに、別々の6日間に同一の店舗から購入された同タイプのコーヒーのカフェイン含有量は、1杯約240ml(8オンス)当たり130mgから282mgまで変動があった。多くの人がカフェイン摂取による睡眠、不安および/または神経過敏の問題を経験するが、これらの問題は、予想外の高用量により深刻化するおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[005]したがって、当技術分野においては、利益を提供しうる代替的な化学化合物およびその混合物を同定することが必要とされている。また、濃度を変化させることによりさまざまな利益をもたらすように使用でき、したがって原材料の生産をより少なく済ませられる、化学化合物およびその混合物を提供することも望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[006]本開示は、天然に生産されたか合成的に生産されたかを問わない1-メチルキサンチンおよび任意にその他化学物質、例えば1-メチルキサンチン同族体または類似体などを含む化学組成物の、複数の望ましい効果を提供するための使用に関する。1-メチルキサンチン類似体としては、限定されるものではないが、カフェイン、パラキサンチン、メチルカフェイン、テオブロミン、テオフィリン、リベリンおよびメチルリベリン、ならびにこれらのバリアントを挙げることができる。他の適当な活性物質としては、1つまたは複数のエルゴジェニック(ergogenic)(例として、クレアチン、β-アラニン、ベタイン、アルギニン、シトルリン)または向知性(例として、α-GPC、CDP-コリン、アセチル-L-カルニチン、フペルジンA、B-12、チロシン、タウリン)化合物、例えばセイヨウオトギリソウ、スルブチアミンなどを挙げることができる。
【0007】
[007]1-メチルキサンチンは、投与量に依存して多種多様な効果を呈する。他の成分を存在させることにより、その効果を調節することも可能である。1-メチルキサンチンは、持久能力、気分、落ち着きおよび集中力の促進、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力(exercise performance)ならびに/または食欲低下を増強するために使用されうる。1-メチルキサンチンは、抗酸化剤および抗炎症剤としても機能しうる。
【0008】
[008]さらに、本明細書においては、対象におけるエネルギーを増加させるための、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む組成物が開示される。一定の実施形態において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンは、それぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する。さらなる実施形態において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンは、それぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する。
【0009】
[009]一定の実施形態によれば、本組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリン(bioperine)の共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体(specialized,small lipid pro-resolving epoxide derivative))、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(avocado-soybean unsapponifiable fraction:アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属(Arnica)、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属(rhodiola)、アシュワガンダ、朝鮮人参(ginseng)、ginkgo biloba、エゾウコギ(siberian ginseng)、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム(Dendrobium)属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属(cordyceps)、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ(Kanna)、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブチレート、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せから選択される1つまたは複数の活性剤をさらに含む。
【0010】
[010]一定の実施形態において、対象への本組成物の投与は、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、エネルギーの相乗的な増加をもたらす。
【0011】
[011]一定の実施形態において、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとは約4:1~約1:4の比で存在する。
[012]さらに、本明細書においては、対象におけるエネルギーを増加させる方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態では、投与される1-メチルキサンチンの量は、約2mgから約800mgまでである。
【0012】
[013]一定の実施形態において、対象は、エネルギー知覚の少なくとも約5%の増加を経験する。
[014]さらなる実施形態によれば、対象は、不安、疲労、努力知覚(perception of effort)および/または疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する。
【0013】
[015]一定の実装形態では、投与される組成物は、カフェインを実質的に含まない。さらなる実装形態では、対象は、本方法の実行中はカフェインを控える。
[016]さらに、本明細書においては、対象における運動遂行能力(athletic performance)を増強する方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。
【0014】
[017]例示的な実装形態では、運動遂行能力は、少なくとも約10%増加される。さらなる実装形態では、対象は、持久力の増加を経験する。一定の実施形態によれば、本組成物は、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含み、対象への本組成物の投与は、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす。
【0015】
[018]一実施形態において、1-メチルキサンチンは、刺激物質を調節することによって、不安または緊張感の高まりを伴うことなくエネルギーの高まりをもたらすために使用されうる。本明細書に記載のとおり、個体間のばらつきはありうる。
【0016】
[019]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、穏やかな気分向上剤(mood enhancer)または弛緩剤として使用されうる。
[020]さらなる一実施形態において、1-メチルキサンチンは、食欲を低減させることによる体重減少や抗酸化剤としておよび抗炎症剤としての作用を促進させるために使用されうる。1-メチルキサンチンは、これらの効果のうち1つまたは複数を強化するために経皮的に使用されうる。
【0017】
[021]別の実施形態では、個体における身体能力またはエネルギーを増強するための処置の方法が提供される。この方法は、1-メチルキサンチン約2mg~約800mgを含む組成物を個体に提供することを包含し、この方法においては、該組成物が投与されると、該個体は、持久能力、気分、落ち着きおよび集中力の促進、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力ならびに/または食欲低下のうち少なくとも1つの増強を経験する。別の実施形態では、第2の化合物、例えばカフェインなども該組成物に含まれた形で投与されることが可能である。
【0018】
[022]多数の実施形態を開示してあるが、本開示のさらに他の実施形態は、本開示の組成物、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し記載する以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなろう。理解されるであろうが、本開示の組成物、システムおよび方法は、多様な自明の態様において、すべて本開示の精神および範囲から逸脱することなく変形を行うことが可能である。したがって、図面および詳細な説明は、限定的ではなく例証的な性質のものとして受け取られたい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[023]本発明の1つ以上の実施形態を詳細に説明する前に、本発明はその適用において、以下の説明に記載された、または図面に示された構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。本発明は、他の実施形態をとること、ならびに、多様な方式で実行および実施されることが可能である。また、本明細書において用いられる表現および用語は説明を目的としたものであって限定的なものと解釈されるべきではないことも理解されたい。
【0020】
[024]本明細書では、範囲が、「約」一方の特定の値からおよび/または「約」他方の特定の値まで、という形で表されることがある。そのような範囲が表されている場合、さらなる態様は、書かれた一方の特定の値からおよび/または書かれた他方の特定の値までを包含する。同様に、値が先行詞「約」の使用により近似値として表されている場合は、書かれた特定の値がさらなる態様を形成することは理解されよう。それぞれの範囲の両端点は、他方の端点と関係した形でも他方の端点から独立した形でも有意であることは、さらに理解されよう。また、本明細書にはいくつもの値が開示されていること、および、それぞれの値は、その特定の値そのものだけでなく、「約」その特定の値としても本明細書において開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、「10」という値が開示されている場合は、「約10」も開示されている。また、2つの特定のユニット値(unit)間にある各ユニット値も開示されていることについても理解されたい。例を挙げると、10および15が開示されている場合は、11、12、13および14も開示されている。
【0021】
[025]本明細書で使用される場合、用語「対象」は、投与ターゲット、例えば動物を指す。したがって、本明細書に開示の方法の対象は、ヒト、非ヒト霊長動物、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯動物でありうる。この用語は、特定の年齢または性別を表さない。したがって、成体および新生児/仔の対象ならびに胎児/仔は、男女/雄雌を問わず網羅されるものとする。一態様において、対象は、哺乳動物である。患者とは、疾患または障害を患っている対象を指す。
【0022】
[026]本明細書で使用される場合、用語「処置」は、疾患、病的状態または障害の治癒、改善、安定化または予防を目的とした、患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的処置、つまり、疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを具体的に目的とした処置を包含し、さらに、原因処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の原因を取り除くことを目的とした処置を包含する。加えて、この用語は、姑息的処置、つまり、疾患、病的状態または障害の治癒ではなく症状緩和のためにデザインされた処置;予防的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害の発現を最小化することまたは部分的もしくは完全に阻害することを目的とした処置;および支持的処置、つまり、関連する疾患、病的状態または障害を快方に向かわせることを目的とした別の特定の療法を補うために用いられる処置を包含する。さまざまな態様において、この用語は、哺乳動物(例えばヒト)を包含する対象の処置一切を網羅し、(i)疾患の素因を有する可能性があるが罹患しているとは未だ診断されていない対象において当該疾患の発症を予防すること、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発現を阻止すること、または(iii)疾患を緩和すること、すなわち、当該疾患の退縮を生じさせることを包含する。一態様において、対象は哺乳動物、例えば霊長動物であり、さらなる態様において、対象はヒトである。用語「対象」は、さらに、飼い馴らされた動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ミバエなど)も包含する。
【0023】
[027]本明細書で使用される場合、用語「有効量」および「有効な量」は、望ましい結果を達成するのにまたは望ましくない状態に効果を及ぼすのに十分な量を指す。例えば、「治療有効量」は、望ましい治療結果を達成するのにまたは望ましくない症状に効果を及ぼすのには十分であるが、許容できない有害な副作用を引き起こすには一般的に不十分である、量を指す。任意の特定の患者に対する具体的な治療有効用量レベルは、さまざまな因子に依存することになろう。そのような因子としては、処置対象となる障害および障害の重症度;用いられる具体的な組成物;患者の年齢、体重、全身の健康状態、性別および食生活;投与回数;投与経路;用いられる具体的な化合物の排出速度;処置の継続期間;用いられる具体的な化合物と組み合わせてまたは併用の形で使用される薬物など、医学分野で周知の因子が挙げられる。例えば、化合物の用量を、望ましい治療効果を達成するために必要とされるレベルより低いレベルで開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることは、十分に当技術分野の技能の範囲内である。所望により、有効な1日用量は、複数回投与のための用量に分けられてもよい。結果的に、1回用量の組成物は、1日用量である当該量、または合わせて1日用量になるその約量(submultiple)を含有することができる。用法用量は、禁忌の場合は個々の医師による調節が可能である。用法用量は変化させることが可能であり、1日1回または複数回の投与を1日または数日にわたって行う形での投与が可能である。所与のクラスの医薬製品の適切な用法用量については、文献にガイダンスを見出すことができる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、「予防有効量」で、つまり、疾患または状態の予防に有効な量で、投与することができる。
【0024】
[028]本明細書で使用される場合、用語「実質的に」は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果の程度または度合いが完全またはほぼ完全であることを指す。例えば、「実質的に」封入されている物体、といえば、その物体が完全に封入されているかまたはほぼ完全に封入されていることを意味することになろう。絶対的な完全性からの逸脱についての厳密な許容度は、場合によっては特定の文脈に依存しうる。しかし一般的には、完全に近いということは、絶対的かつ総合的な完全が得られた場合と同様の全体的結果が得られるほどの近さにあるということであろう。「実質的に」の使用は、作用、性質、特性、状態、構造、項目または結果が完全にまたはほぼ完全に欠如していることを指すための否定的な意味合いで使用される場合にも等しく適用可能である。例えば、粒子を実質的に含まない組成物は、粒子を完全に欠いているか、または、粒子をほぼ完全に欠いていることから、その効果は当該組成物が粒子を完全に欠いていた場合と同様であることになろう。換言すれば、ある成分または要素を実質的に含まない組成物は、当該成分または要素の測定可能な効果が認められない限り、これらを実際には含有したままでもよい。
【0025】
[029]本明細書で使用される場合、用語「相乗効果」またはその文法的変化形は、2つ以上の活性化合物の組合せにおいて見られる協調作用を意味し、包含する。この協調作用では、2つ以上の活性化合物が組み合わされることで生じる活性は、各活性化合物単独の活性の総和を超える。用語「相乗的に有効な量」は、本明細書で使用される場合、先に定義した相乗効果をもたらす2つ以上の活性化合物の量を意味し、包含する。
組成物
[030]1-メチルキサンチン(1-Mx)を含む組成物およびその関連する使用が開示される。1-メチルキサンチンまたは1-メチル-3H-プリン-2,6-ジオンは、キサンチンのメチル誘導体であり、カフェインとも、ヒトにおいてカフェイン排出物を通しても見出されるカフェイン代謝産物とも、構造的に類縁性がある。ヒトおよび他の動物において、カフェインは、まずパラキサンチン(1,7-ジメチルキサンチン)またはテオフィリンのいずれかに、次いで後に1-メチルキサンチンに、分解される。1-メチルキサンチンは、動物およびヒトにおけるカフェイン代謝産物として天然に観察される。
【0026】
[031]1-メチルキサンチンは、合成的に生産されてもよく、または、天然源からもしくは発酵を経て単離されてもよい。そのような入手源から単離された1-メチルキサンチンは、純度95%以上に精製されうる。一定の実施形態において、1-メチキサンチン(methyxantine)は、実質的に純粋である。一定の実施形態において、1-メチルキサンチンが50%またはそれより低い割合を占めるような低精製が用いられてもよい。いくつかの実施形態においては、1-メチルキサンチン源において典型的に見出される他の1-メチルキサンチン同族体を包含しうる天然源から単離された1-メチルキサンチンを利用することが好ましい場合がある。
【0027】
[032]したがって、本開示の目的は、複数のプラス効果を賦与することが可能な1-メチルキサンチンを含む組成物を提供することである。
[033]本開示の別の目的は、1-メチルキサンチンの同族体、誘導体および反復体(iteration)ならびに1-メチルキサンチンの合成化学的等価体(synthetic chemical equivalent)を提供することである。
【0028】
[034]本開示の別の目的は、凝集化された1-メチルキサンチン、1-メチルキサンチン塩、マイクロカプセル化、リポソーム化またはエステル化された1-メチルキサンチンを提供することである。
【0029】
[035]本開示の別の目的は、グリセリド、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(PEG)、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体と組み合わされた1-メチルキサンチン、および、1-メチルキサンチンの共結晶化製品を提供することである。
【0030】
[036]一定の実施形態において、本組成物は、1回分が、約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)の1-メチルキサンチンを含有するように製剤化される。
【0031】
[037]一定の実施形態において、1-メチルキサンチンは、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の付加的な活性成分と組み合わされる。
【0032】
[038]一定の実施形態によれば、本組成物は、1-メチルキサンチン同族体または1-メチルキサンチン類似体も含む。一定の実装形態では、1-メチルキサンチン同族体または類似体は、7-メチルキサンチン、パラキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリン、および/またはこれらの組合せである。一定の実装形態では、1-メチルキサンチン同族体または類似体は、カフェインである。
【0033】
[039]組成物が1-メチルキサンチンとカフェインとで構成される一定の実施形態によれば、該カフェインの有効用量は、1-メチルキサンチンを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い。
【0034】
[040]さらに、本明細書においては、パラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含む組成物が開示される。例示的な実装形態では、本組成物は、1回分が、約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)のパラキサンチンを含有するように製剤化される。
【0035】
[041]一定の実施形態において、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとは、ほぼ等しい量で存在する。このような実施形態において、1-メチルキサンチンおよびパラキサンチンはそれぞれ、w/v基準で、組成物内の1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを合わせた重量の約50%を占める。一定のさらなる実施形態では、この範囲はそれぞれ、パラキサンチンが少なくとも10%から90%まで、1-メチルキサンチンが90%から10%でありうる。さらなる実施形態において、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとは約4:1~約1:4の比で存在する。
【0036】
[042]さらに、本明細書においては、パラキサンチンと7-メチルキサンチンとを含む組成物が開示される。一定の実施形態において、本組成物は、1回分が、それぞれ約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)の7-メチキサンチンとパラキサンチンとを含有するように製剤化される。
【0037】
[043]一定の実施形態において、7-メチルキサンチンとパラキサンチンとは、ほぼ等しい量で存在する。このような実施形態において、7-メチルキサンチンおよびパラキサンチンはそれぞれ、w/v基準で、組成物内の7-メチルキサンチンとパラキサンチンとを合わせた重量の約50%を占める。一定のさらなる実施形態では、この範囲はそれぞれ、パラキサンチンが少なくとも10%から90%まで、7-メチルキサンチンが90%から10%でありうる。
【0038】
[044]さらに、本明細書においては、1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとを含む組成物が開示される。一定の実施形態において、本組成物は、1回分が、それぞれ約1から約1000mgまでの範囲(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)の1-メチキサンチンと7-メチルキサンチンとを含有するように製剤化される。
【0039】
[045]一定の実施形態において、1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとは、ほぼ等しい量で存在する。このような実施形態において、1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンはそれぞれ、w/v基準で、組成物内の1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとを合わせた重量の約50%を占める。一定のさらなる実施形態では、この範囲はそれぞれ、7-メチルキサンチンが少なくとも10%から90%まで、1-メチルキサンチンが90%から10%でありうる。
【0040】
[046]一定の実施形態において、本組成物はカフェインを実質的に含まない。
栄養補助製品(nutritional supplement)
[047]本開示の組成物は、栄養補助食品(dietary supplement)の形態をとることが可能であり、または、それ自体が栄養補助食品と組み合わせて使用されることが可能である。栄養補助食品は本明細書においては補助食品(food supplement)とも呼ばれる。
【0041】
[048]栄養補助製品は、多くの形態、例えば、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ゲルカプセル、液体または粉末の形態のものがありうる。栄養補助食品の中には、必須栄養素の十分な食事摂取量の確保を助けることが可能なものもあれば、疾患リスクの低減を助けることができるものもある。
食品製品
[049]本開示の組成物は、食品製品の形態をとりうる。ここで、用語「食品」は広義に使用され、ヒト用の食品および飲み物、ならびに動物用の食品および飲み物(すなわち飼料)を網羅する。好ましくは、食品製品は、ヒトが消費するのに適しており、そのためにデザインされている。
【0042】
[050]食品は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、固体または懸濁液の形態のものでありうる。
[051]食品製品の形態のものである場合、本組成物は、栄養学的に許容される担体、栄養学的に許容される希釈剤、栄養学的に許容される賦形剤、栄養学的に許容されるアジュバント、栄養学的に活性のある成分のうち1つまたは複数を含むか、または、これらのうち1つまたは複数と一緒に使用されることが可能である。
【0043】
[052]例として、本開示の組成物は、フルーツジュース、乳清タンパク質を含む飲料:健康もしくはハーブ茶、ココアドリンク、コーヒードリンク、ヨーグルトおよび/もしくは飲むヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、デザート、菓子、ビスケット、ケーキ、ケーキミックスもしくはケーキフィリング、スナックフード、フルーツフィリング、ケーキ用もしくはドーナツ用アイシング、即席のパン用フィリングクリーム、クッキー用フィリング、即時使用可能なパン用フィリング、低カロリーフィリング、成人用栄養飲料、酸味の付いた(acidified)大豆/ジュース飲料、栄養もしくは健康バー、飲料粉末、エナジードリンク、舌下錠、グミ、カルシウム強化豆乳またはカルシウム強化コーヒー飲料のうち1つの形態をとりうる。
食品成分
[053]本開示の組成物は、食品成分および/または飼料成分の形態をとりうる。
【0044】
[054]本明細書で使用される場合、用語「食品成分」または「飼料成分」は、ヒトおよび動物用の栄養および/もしくは健康補助製品としての機能性食品もしくは食物に添加されているまたは添加されることが可能な組成物を包含する。
【0045】
[055]食品成分は、用途および/または適用様式および/または投与様式に応じて、液体、懸濁液または固体の形態のものでありうる。
機能性食品
[056]本開示の組成物は、機能性食品の形態をとりうる。本明細書で使用される場合、用語「機能性食品」は、栄養学的効果をもたらすことが可能なだけでなく、さらなる有益な効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。
【0046】
[057]したがって、機能性食品とは、純粋に栄養学的な効果以外に特定の機能、例えば医学的または生理学的利益などを当該食品に賦与する構成要素または成分(本明細書に記載されているものなど)が組み込まれている、普通の食品である。
【0047】
[058]機能性食品の法的な定義はないが、この分野に関心のある関係者の大半は、機能性食品とは、基本的な栄養学的効果を超える特定の健康効果を有するものとして市販されている食品である、との認識で一致している。
【0048】
[059]機能性食品としては、ニュートラシューティカルがある。ここで、用語「ニュートラシューティカル」は、栄養学的効果および/または味覚的満足をもたらすことが可能なだけでなく治療的な(または他の有益な)効果を消費者に届けることも可能な食品を意味する。「ニュートラシューティカル」は、食品と医薬とを分ける従来の境界線を越えるものである。
医療用食品
[060]本開示の組成物は、医療用食品の形態をとりうる。「医療用食品」とは、医師の監督の元にまたはそれなしで消費または投与されるように処方されており、一般に認められた科学的原理に基づく特徴的な栄養所要量が医学的評価により確立されている特定の食事管理または状態を対象としている、食品を意味する。
【0049】
[061]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、より低い投与量レベルで、および/または、その活性を調節もしくはその活性と拮抗する化合物と一緒に、使用されうる。そのような組成物は、本明細書にさらに記載されるように、持久能力、気分、活力、脂肪分解、エネルギー消費、課題遂行能力および/または食欲低下の増強を誘導しうる。
【0050】
[062]本発明を使用する利点は、本発明の原理による化学組成物を用いた人がこれに対する耐性を生じにくい可能性があることである。つまり、ある人に対して誘導された効果に対するその人の感受性は低下しない可能性がある。
【0051】
[063]一定の態様によれば、本開示の1-メチルキサンチン含有組成物は、同程度の用量のカフェインを含有する組成物を投与した場合に比べて、以下の明確な利点を少なくとも有する。1-メチルキサンチンの方が、毒性が実質的に低い。1-メチルキサンの方が、安定性が高い(例えば、時間が経過してもカフェインほどには効力を失わない)。1-メチルキサンチン含有組成物の方が、より強力な覚醒促進剤である(一定の実施形態において、アデノシン受容体拮抗作用による)。さらに、1-メチルキサンチン含有組成物は、線条体ドパミントーン(striatal dopaminergic tone)を強化する。またさらに、1-メチルキサンチンは、睡眠反跳を生じさせない。さらに、1-メチルキサンチンは、使用が中止された際、カフェインの場合に生じるほど高頻度には離脱効果を生じさせない。またさらに、1-メチルキサンチンは、不安を増大させない。またさらに、1-メチルキサンチンは、苦味がカフェインより弱い。さらには、1-メチルキサンチンは、カフェインの場合より大規模な集団に対して有効である。
【0052】
[064]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、より高い投与量レベルで、および/または、相乗作用のある化合物と一緒に、使用されうる。これらの組成物は、個体の基礎/安静時代謝率を上昇させ、熱産生を増加させ、食欲を低下させ、認知能力を向上させ、α波帯域脳活動(alpha wave brain activity)を増加させ、および/または幸福感を誘導することができる。理論に拘束されるものではないが、本発明者らは、より高い投与量レベルでは1-メチルキサンチンは、ノルアドレナリン作動性およびドパミン作動性を示すことができ、アデノシン受容体阻害の増加を呈することができると考えている。
【0053】
[065]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、エフェドリン、カフェイン、サリチル酸などと組み合わされる。前述の組合せは、1-メチルキサンチンの刺激効果との相乗効果をもたらしうる。例えば、一定の実施形態において、1-メチルキサンチンは、カフェインの過剰な刺激効果を調節し、それにより心拍数および他の代謝活性を安定化させる目的で、はるかに少ない量のカフェインと組み合わされる。つまり、1-メチルキサンチンとカフェインとを組み合わせる結果、カフェインにより誘導される集中力およびエネルギーの増加は賦与するが1-メチルキサンチンによりカフェインの効果が調節されるおかげで心拍数および血圧は上昇させない組成物を得ることができる。したがって、この組合せを用いる結果、カフェインが原因で生じるおそれのある興奮状態を伴うことなく、覚醒および落ち着きを高めることができる。
【0054】
[066]さらに、本明細書においては、前述の組成物のいずれかを含む食品および/または飲料における使用のためのカフェイン代替組成物が開示される。一定の実施形態において、該組成物は、対象に投与された場合に、同程度の用量のカフェインに比較して不安を増加させない。さらなる実施形態において、該組成物は、反復投与時に対象において依存性を生じさせず、かつ、使用中止時に対象において離脱効果を生じさせない。またさらなる実施形態では、該組成物は、同程度の用量のカフェインに比較して苦味が弱い。またさらなる実施形態では、該組成物は、同程度の用量のカフェインに比較して毒性が低い。またさらなる実施形態によれば、対象への該組成物の投与は、同程度の用量のカフェインの投与と比較して心拍数、拡張期血圧および/または収縮期血圧の低下をもたらす。
【0055】
[067]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、皮膚を明るくする、皮膚にハリをもたらす、および/または皮膚の弾力性を高めることを目的としたクリームまたはローションを生産するために、ボディークリームまたはローション中に組み込むための局所剤として使用されうる。1-メチルキサンチン局所剤は、限局部位の経皮的な脂肪消失を促進するために使用されてもよい。さらに、1-メチルキサンチンは、限局部位の代謝強化および/または熱産生強化を促進するためのクリームまたはローションに使用されてもよい。
【0056】
[068]さらなる実施形態によれば、1-メチルキサンチンは、鎮痛剤および/または抗炎症剤のうち1つまたは複数と組み合わされる。例示的な実装形態では、1-メチルキサンチンは、イブプロフェン、サリチル酸、抗炎症剤、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性誘導体)、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、クルクミン、テトラヒドロクルクミン、ショウガ、カイエン、ホワイトウィロー樹皮、boswellia serrata、ニンニク、ビタミンC、キャッツクロー、デビルズクロー、ケルセチンおよび/またはトリテルペノイドと組み合わされる。
【0057】
[069]別の実施形態において、1-メチルキサンチンは、1つまたは複数のバイオアベイラビリティー・エンハンサーと組み合わされる。例示的な実施形態において、バイオアベイラビリティー・エンハンサーとしては、限定されるものではないが、バイオペリン、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4阻害剤)、フラボノイド(ヘスペリジン、ナリンギン、タンゲリチン(tangeritin)、ケルセチンおよびノビレチンを包含する。別個でも組合せでもよい)、プテロスチルベン、フィセチン、ナノカプセル化、マイクロカプセル化、リポソームおよび/またはフィトソームが挙げられる。1-メチルキサンチンと組み合わされる特定のエンハンサーは、1-メチルキサンチンのどの性質が特定の使用に要求されるかに依存しうる。
【0058】
[070]別の実施形態において、本開示の組成物は、1つまたは複数の送達方法を用いて投与されうる。送達方法としては、例えば、経皮パッチ剤および/もしくはクリーム剤、用時混合粉末剤(ready to mix powder)、静注法、カプセル剤、錠剤、液剤(他の飲料と混合して用いるタイプの液剤を包含する)、ソフトゲル剤、ショット剤様式(shot format)、ガム、ならびに/または、石鹸、ローションおよびシャンプーなどの化粧料としての適用が挙げられる。1-メチルキサンチンが持つ抗炎症性は、さまざまな局所適用に要求される可能性がある。
使用方法
[071]一定の実施形態では、1-メチルキサンチンは、対象において複数のプラス効果をもたらすために1つまたは複数の他の化学化合物(例えば、他の活性成分)と組み合わされてもよい。1-メチルキサンチンおよび/または1-メチルキサンチンと組み合わされる化学化合物の投与量を変えることにより、目的とされる多様な生理学的効果が選択されうる。本組成物は、単一の利益を主として提供するものであってもよく、または、多数の利益を同時に提供するものであってもよい。処置される対象および投与経路に応じて、本発明の化合物は、さまざまな用量で投与されうる。用量は対象ごとに異なることになろうが、適当な1日用量は、単回または複数回用量での投与として一対象当たり約1から約1000mgの範囲内(例えば、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、100、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、もしくは約1000mgなど、またはその中の任意の範囲もしくは値)である。
【0059】
[072]有利には、本開示の組成物は、1回用量が例えば1日1回もしくはそれより低い頻度で投与される形で、または、1日の総投与量が1日2回、3回もしくは4回の分割用量で投与される形で、投与されうる。一定の実施形態において、本組成物は、必要に応じて(例えば、対象がエネルギー、運動遂行または認知能力などの強化を必要とするときに)投与される。
運動遂行能力
[073]さらに、本明細書においては、対象における遂行能力またはエネルギーを強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。本明細書で使用される場合、用語「遂行能力を強化する」は、遂行能力を増強すること一切を意味するものとする。遂行能力は、任意の方式でアセスメントすることが可能である。ある種の強化は、容易に測定される。例えば、タイムを競う競技では、タイムの向上により、遂行能力の強化をアセスメントすることができる。ある種の遂行能力強化特性は、競技者もしくは実施者または観察者により主観的に判定されることが可能である。このような場合において、遂行能力の強化とは、遂行能力が、強化されている、増大されている、高速化している、良くなっているなどと主観的に知覚されたことを意味する。一定の実施形態において、本開示の方法は、運動遂行能力を強化するために使用される。「運動遂行能力」は、任意の専門的または娯楽的活動力を指し、ここで、実施者、例えば競技者は、身体的行為、例えばランニング、水泳、ゴルフ、ボウリング、アーチェリー、フットボール、野球、バスケットボール、サッカー、ハイキング、サイクリング、ダンスなどを行う。一定の実施形態において、運動遂行能力は、対象における持久力の増強を通じて増強される。換言すれば、本開示の組成物の投与は、対象の持久力レベルを増強し、それにより該対象の運動遂行能力を強化する。さらなる実施形態において、対象への本組成物の投与は、認知能力を増加させ、それにより運動遂行能力を増強する。
【0060】
[074]一定の実施形態において、本組成物が投与されると、対象は、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する。
【0061】
[075]さらなる実施形態において、対象に継続投与される場合、本組成物は、継続使用が中止されても対象における依存性および/または対象における離脱効果を生じさせない。
【0062】
[076]さらに、本明細書においては、対象における運動持久力を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態において、対象に投与される組成物は、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む。例示的な実装形態では、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす。
【0063】
[077]さらなる実施形態によれば、対象への本開示の組成物の投与は、該対象のエネルギーレベル知覚(perceived level of energy)を増加させる。例示的な実装形態では、対象は、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する。一定の実施形態によれば、投与される組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチン、チロシンおよびn-アセチルチロシン、タウリン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの成分を(1-Mxおよび/またはパラキサンチンに加え)さらに含む。
【0064】
[078]一定の実施形態において、対象のエネルギーレベル知覚は、約2%から約50%までの間で増加する。さらなる実施形態において、対象のエネルギーレベル知覚は、約5%から約30%までの間で増加する。またさらなる実施形態では、対象のエネルギーレベル知覚は、約10%から約25%までの間で増加する。
筋機能
[079]さらに、本明細書においては、対象における筋機能を増加させる方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加(muscle accretion)の増強をもたらす。
【0065】
[080]一定の態様では、本明細書において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて筋成長を促進する方法が開示される。一定のさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋タンパク質合成(MPS)レベルの増加をもたらす。またさらなる態様において、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋増加の増強をもたらす。
【0066】
[081]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、筋力トレーニングレジメと併用して投与されうる。当業者には理解されるであろうが、有効量の本開示の組成物の投与は、対象における筋力の増強および運動遂行能力/エルゴジェネシス(ergogenesis)の増強をもたらす。
【0067】
[082]一態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害する。さらなる態様において、本開示の化合物は、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋肥大を誘導する。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋量を増加させる。またさらなる態様において、本開示の化合物は、筋萎縮を阻害し、筋肥大を誘導する。さらなる態様において、筋萎縮の阻害は、対象におけるものである。またさらなる態様において、筋量の増加は、対象におけるものである。またさらなる態様において、対象は哺乳動物である。またさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
【0068】
[083]一定の態様において、本開示の組成物の投与は、加齢に関係する筋萎縮またはサルコペニアを予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、筋肉固定に関連する筋萎縮、例えば、骨折骨にギプスをはめた場合に高頻度に生じるような筋萎縮を予防または処置する際に有効である。さらなる態様において、本開示の組成物の投与は、悪液質としても知られるがんなどの疾患に関連する筋萎縮を予防または処置する際に有効である。
【0069】
[084]一定の態様によれば、本組成物は、サルコペニアを有する対象に投与される。さまざまな態様において、本組成物は、治療有効量で投与される。さらなる態様において、本組成物は、予防有効量で(例えば、サルコペニア、悪液質、または固定化誘発性の萎縮を発症するリスクがある対象に)投与される。
【0070】
[085]一定の態様において、本組成物は、筋肉の強さ、サイズ、および/または筋機能をさらに強化するための1つまたは複数の付加的な活性成分をさらに含む。一定の実施形態において、1つまたは複数の付加的な活性成分はアミノ酸である。一定の実施形態によれば、アミノ酸は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンを非限定的に含む分子鎖アミノ酸(BCAA)の群から選択される。さらなる実施形態において、アミノ酸は、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファンおよびバリンを非限定的に含む必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、エルゴチオネインおよびチロシンを非限定的に含む条件付き必須アミノ酸の群から選択される。一定の実施形態によれば、条件付き必須アミノ酸はチロシンである。またさらなる実施形態では、アミノ酸は、アラニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、セリン、セレノシステインおよびピロリシンを非限定的に含む非必須アミノ酸の群から選択される。またさらなる実施形態では、アミノ酸誘導体は、クレアチン、カルニチン、β-アラニン、タウリン、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート、L-アルギニン、ω-3脂肪酸、ビタミンD、乳清タンパク質、BAIBA、および、動物、植物または発酵源由来のその他タンパク質抽出物の群から選択される。
【0071】
[086]これらの実施形態の例示的な態様によれば、本組成物は、疲労を軽減し、エネルギーを増強し、可動性を向上させ、警戒力を増強することができる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、心保護を目的に行われる。さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、筋収縮および筋性能を増強する。これらの実施形態の例示的な態様において、筋性能は、骨格筋中へのカリウム(K+)輸送を増加させることを通じて強化される。さらなる態様において、筋性能は、細胞内カルシウムを増加させることを通じて(例えば、リアノジン受容体(RyR)の活性化によって)強化される。
【0072】
[087]本組成物が有効量の1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む前述の実施形態の一定の態様において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象における筋肉のサイズおよび/または機能の相乗的な増加をもたらす。
体重減少
[088]一定の実施形態によれば、脂肪消失は、対象における熱産生を誘導することを通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態によれば、本組成物は、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビン、カテコール、没食子酸エピガロカテキンEGCG、カテキン、ならびにプロアントシアニジンおよびオクタコサノール、シネフリン、テアクリン、メチルリベリン、カイエン、グレインズ・オブ・パラダイス、ショウガ抽出物ならびにビターオレンジから選択される1つまたは複数の化合物も含むことができる。
【0073】
[089]さらなる実施形態によれば、脂肪消失は、対象における食欲の抑制を通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態において、本組成物は、コロハ、グルコマンナン、gymnema sylvestre、5-HTP、Caralluma fimbriata、緑茶抽出物、共役リノール酸、ガルシニア・カンボジアおよびイエルバマテから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含むことができる。
【0074】
[090]またさらなる実施形態によれば、脂肪消失は、対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される。このような実施形態の例示的な実装形態において、本組成物は、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチド、BAIBA、グレインズ・オブ・パラダイス、ショウガおよびオクタコサノールから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含むことができる。
【0075】
[091]一定の実施形態において、本開示の組成物は、対象に投与されると、該対象の安静時エネルギー消費量を、該対象のベースラインレベルまたはプラセボ投与の場合に比較して増加させる。一定の実施形態において、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約3%から約30%までである。さらなる実施形態において、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約5%から約25%までである。またさらなる実施形態では、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約8%から約20%までである。またさらなる実施形態では、本開示の組成物を投与した場合の対象の安静時エネルギー消費量の増加率は、約10%からである。
【0076】
[092]一定の実装形態によれば、本開示の方法は、対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含む。例示的な実装形態では、対象における脂肪消失量は、同等のカロリー制限を行っているが本組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失量より大きい。さらなる実装形態によれば、対象における脂肪消失の対筋肉喪失比は、同等のカロリー制限を行っているが本組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい。
【0077】
[093]さらに、本明細書においては、対象における食欲を抑制する方法であって、約2mg~約800mgのパラキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、対象への本組成物の投与は、該対象の食欲を5%から約70%までの範囲で低減させる。さらなる実施形態において、対象の食欲の低減率は、約10%から約60%までである。またさらなる実施形態では、対象の食欲の低減率は、約20%から約50%までである。またさらなる実施形態では、対象の食欲の低減率は、少なくとも約30%である。
【0078】
[094]本開示の方法の一定の実施形態によれば、本組成物は治療有効量で投与される。さらなる実施形態では、本組成物は予防有効量で投与される。
[095]一定の態様では、本出願において、有効量の1つまたは複数の本明細書に開示の組成物の投与を通じて体重減少を促進する方法が開示される。一定の態様によれば、有効量の本開示の組成物の投与は、糖尿病の処置;糖尿病の合併症からなる群から選択される状態もしくは障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、高血糖、食後高血糖、過体重、肥満、メタボリックシンドロームおよび妊娠糖尿病からなる群から選択される代謝障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;または血糖管理の改善および/もしくは空腹時血漿グルコース、食後血漿グルコースおよび/もしくはグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減;または耐糖能障害IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、インスリン抵抗性から、および/またはメタボリックシンドロームから2型糖尿病への進行の予防、緩徐化、遅延化もしくは逆行;または糖尿病の合併症、例えば白内障ならびに微小および大血管疾患、例えば腎症、網膜症、ニューロパチー、組織虚血、動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中ならびに末梢動脈閉塞性疾患などからなる群から選択される状態もしくは障害の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;または体重および/もしくは体脂肪の低減、または体重および/もしくは体脂肪増加の予防、または体重および/もしくは体脂肪低減の促進;または異所性脂肪の異常蓄積に起因する疾患もしくは状態の予防、緩徐化、遅延化もしくは処置;またはインスリン感受性の維持および/もしくは改善、ならびに/または、高インスリン血症および/もしくはインスリン抵抗性の処置もしくは予防;移植後発症糖尿病(NODAT)および/もしくは移植後メタボリックシンドローム(PTMS)の予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置;NODATおよび/もしくはPTMSに伴う合併症、例えば、微小および大血管疾患およびイベント、移植片拒絶、感染症ならびに死亡などの予防、遅延化もしくは低減;嚢胞性線維症に関連した糖尿病の処置、高尿酸血症および高尿酸血症関連の状態の処置;腎臓結石の処置もしくは予防;低ナトリウム血症の処置を必要とする患者におけるこれらの予防、進行緩徐化、遅延化もしくは処置に用いられる。
【0079】
[096]別の態様は、対象における脂肪貯蔵、エネルギー利用および/または体重減少を調整するための併用療法を包含する。例示的な実施形態では、エネルギー利用増加や体脂肪減少のための、または体重減少促進のための組合せは、本開示の方法および組成物を、例えば、薬物療法、胃バイパス、十二指腸空腸バイパス、胆膵路変更、垂直スリーブ胃切除術、調節性胃バンディング術、垂直遮断胃形成術、胃内バルーン療法、胃ひだ形成術(gastric plication)、Magenstrasse and Mill法、小腸転位術(small bowel transposition)、胆汁流出路変更、褐色脂肪組織の調節(例えば、活性化の制御、分化の強化、補充的な移植等)、冷却脂肪融解術、薬物投与、胃腸管の少なくとも一部分を支配する神経への電気刺激、概日リズムに影響を与える治療法、胆汁酸の調節、腸粘液産生および代謝、十二指腸管腔内バリア(duodenal endoluminal barrier)もしくは類似の胃腸管操作などの手術または治療法と組み合わせることを含みうる。例えば、組成物ジロイシンは、胃バイパス術または他の胃腸もしくは肥満手術に先行して、もしくはそれと併用して、もしくはその後に、対象に投与されることが可能である。
【0080】
[097]一定の態様において、本開示の組成物の投与は、体重および/もしくは体脂肪の低減の予防、または体重および/もしくは体脂肪増加の予防、または体重および/もしくは体脂肪低減の容易化;または、肝脂肪の異常蓄積に起因する疾患もしくは状態の予防、緩徐化、遅延化もしくは処置;またはインスリン感受性の維持および/もしくは改善、ならびに/または、高インスリン血症および/もしくはインスリン抵抗性の処置もしくは予防に有効である。
認知機能
[098]本明細書においては、対象における認知機能を強化する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、認知機能の増強は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御(inhibitory response control)、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習(delayed reinforcement learning)、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される。
【0081】
[099]一定の実施形態において、本開示の組成物の投与は、作業記憶を増大させる。
[0100]さらなる実施形態において、本開示の組成物の投与は、注意力を増大させる。
[0101]一定の実施形態によれば、認知機能を強化する本開示の方法の組成物は、チロシン、N-アセチルチロシン、タウリン、フペルジンA、アセチル-l-カルニチン、CDPコリン、α-GPC、コリンビトレート(choline bitrate)、クエン酸コリン、B12、カフェイン、メチルリベリン、テアクリン、パラキサンチン、テオブロミン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、ルテイン、ゼアキサンチン、魚油、クレアチン、朝鮮人参、ヤマブシタケ、ナイアシン、ノムシタケ属、テアニン、ビタミンB群、GABA、スルブチアミン、ビンポセチン、アデノシン三リン酸、イノシトール、強化されたケイ酸アルギニン、ニトレート、電解質、ヘスペリジンおよびヘスペリジン誘導体、ならびに/またはバコパをさらに含む。
【0082】
[0102]一定の実施形態において、対象は、加齢関連認知低下を経験している。例示的な実装形態では、対象への本組成物の投与は、該対象におけるBDNFレベルを増加させる。一定の実施形態によれば、対象への本組成物の投与は、該対象における脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルを増加させる。例示的な実装形態において、BDNFレベルは、約5%から約40%まで増加される。さらなる実施形態では、BDNFレベルは、少なくとも約15%増加される。さらなる実施形態において、対象への本組成物の投与は、他の神経栄養因子、例えばニューロン成長因子(NGF)などを増加させる。またさらなる実施形態において、対象への本組成物の投与は、CNSにおけるmTORレベルを増加させる。
処置の方法
[0103]さらに、本明細書においては、ある状態の処置を必要とする対象において該状態を処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、状態は、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害(cognitive deficit disorder)、麻痺、制御されない怒り(uncontrolled anger)、偏頭痛、薬物乱用・依存症(substance abuse addiction)、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される。
【0083】
[0104]さらに、本明細書においては、気分障害を処置する方法であって、気分障害の処置を必要とする対象に本明細書に開示の組成物を投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、気分障害は、臨床的うつ病、産後うつ病もしくは分娩後うつ病、周産期うつ病、非定型うつ病、メランコリー型うつ病、精神病性大うつ病、緊張病性うつ病、季節性情動障害、気分変調症、二重うつ病、抑うつ性パーソナリティー障害、反復性短期うつ病、小うつ病性障害、双極性障害もしくは躁うつ性障害、慢性の医学的状態が原因で生じるうつ病、併存うつ病、治療抵抗性うつ病、難治性うつ病、自殺傾向、自殺念慮または自殺行動から選択される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、抑うつ(例えば、中等度または重度うつ病)に罹患している対象に治療効果をもたらす。いくつかの実施形態において、気分障害は、本明細書に記載されている疾患または障害に関連する。
【0084】
[0105]一定の実施形態において、気分障害は、抑うつである。例示的な実装形態において、対象は、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている。
[0106]さらに、本明細書においては、不安障害の処置を必要とする対象においてそれを処置する方法であって、本明細書に開示の組成物を該障害の処置を必要とする対象に投与するステップによる方法が開示される。一定の実施形態において、不安障害は、全般性不安障害、パニック障害、強迫性障害、恐怖症、心的外傷後ストレス障害)から選択される。当業者には理解されるであろうが、不安障害とは、異常かつ病的な恐怖および不安についてのいくつかの異なる形態を網羅する包括的な用語である。
【0085】
[0107]一定の実施形態によれば、本組成物は治療有効量で投与される。さらなる実施形態では、本組成物は予防有効量で投与される。
[0108]一定の実施形態において、気分障害または不安障害を処置する方法において使用される本組成物は、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン(n-acetyl-tyrsoine)、マクナ(macuna)、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む。
【0086】
[0109]さらに、本明細書においては、加齢関連認知低下の処置または予防を必要とする対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実施形態において、本組成物の投与は、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数を増加させる。一定の実装形態では、対象への本組成物の投与は、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンレベルを増加させる。さらなる実装形態では、対象に投与される本組成物はパラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含み、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンの相乗的な増加をもたらす。
【0087】
[0110]またさらなる実施形態によれば、対象への本組成物の投与は、該対象におけるBDNFを増加させる。さらなる実装形態では、対象に投与される本組成物はパラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含み、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象におけるBDNFの相乗的な増加をもたらす。
【0088】
[0111]さらなる実施形態によれば、対象への本組成物の投与は、該対象におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)レベルを減少させる。例示的な実装形態において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす。
【0089】
[0112]さらに、本明細書においては、アルツハイマー病の処置または予防を必要とする対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の本明細書に開示の組成物を該対象に投与するステップを含む方法が開示される。一定の実装形態では、対象への本組成物の投与は、該対象におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)レベルを減少させる。例示的な実装形態において、パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与は、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす。一定の実施形態において、対象はアルツハイマー病と診断されている。さらなる実施形態において、対象はアルツハイマー病のリスクを有する。またさらなる実施形態では、対象は軽度認知障害と診断されている。
【0090】
[0113]一定の実施形態によれば、本明細書に開示の組成物は、1つまたは複数の医学的状態の処置を必要とする対象において、その処置の際に使用される。一定の実装形態では、本開示の組成物は、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸および交代勤務睡眠障害、不眠症、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害、麻痺、制御されない怒り、偏頭痛、薬物乱用・依存症、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、パーキンソン病、アルツハイマー病ならびに/または認知症に罹患している対象に投与される。
【0091】
[0114]一定の態様において、本開示の組成物は、神経保護剤である。一定の実施形態において、本開示の組成物を必要とする対象へのその投与は、神経保護を目的に行われる。これらの実施形態の例示的な態様において、この神経保護は、ドパミン作動性細胞死からの保護の形をとる。
【0092】
[0115]さらなる実施形態によれば、本開示の組成物は、老年期うつ病の処置に有用である。例示的な実施形態において、本組成物は、原因が本態性、血管性または外傷性である老年期うつ病、および高齢者にみられる精神荒廃を患っている対象の処置において有効である。
【0093】
[0116]対象への本開示の組成物の投与は、対象に医薬調製物を提供するあらゆる方法を包含しうる。そのような方法は当業者には周知であり、限定されるものではないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、経眼投与、耳内投与、脳内投与、経直腸投与、舌下投与、皮内投与、口腔投与、ならびに、注射剤投与を包含する非経口投与、例えば、静脈内投与、動脈内投与、筋内投与および皮下投与などが挙げられる。投与は、連続的でも間欠的でもよい。さまざまな態様において、調製物は、治療的に投与されうる。つまり、既存の疾患または状態を処置するために投与されうる。さらなるさまざまな態様において、調製物は、予防的に投与されうる。つまり、疾患または状態を予防するために投与されうる。
【0094】
[0117]本発明の多様な態様および実施形態は、番号の付いた下記の項により定義される。
第1項 1-メチルキサンチン約2mgから約800mgまでを含む第1の活性成分を含む組成物。
第2項 1-メチルキサンチンが約20mgから約600mgまでの量で存在する、第1項に記載の組成物。
第3項 1-メチルキサンチンが50mgから約400mgまでの量で存在する、第2項に記載の組成物。
第4項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、HMB、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される第2の活性成分をさらに含む、第1から第3項に記載の組成物。
第5項 1-メチルキサンチン同族体または1-メチルキサンチン類似体をさらに含む、第1項に記載の組成物。
第6項 前記1-メチルキサンチン同族体または類似体が、カフェイン、7-メチルキサンチン、3-メチルキサンチン、パラキサンチン、テオブロミン、テオフィリン、リベリン、メチルリベリンおよびこれらの組合せからなる群から選択される、第5項に記載の組成物。
第7項 1-メチルキサンチン同族体または類似体がカフェインである、第6項に記載の組成物。
第8項 カフェインの有効用量が、1-メチルキサンチンを含まない組成物におけるカフェインの有効用量より低い、第7項に記載の組成物。
第9項 パラキサンチンと1-メチルキサンチンとを含む組成物。
第10項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第9項に記載の組成物。
第11項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約20mgから約600mgまでの量で存在する、第10項に記載の組成物。
第12項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第11項に記載の組成物。
第13項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、フラベノイド(flavenoid)、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、HMB、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される活性物質のうち1つまたは複数をさらに含む、第9から第12項のいずれか一項に記載の組成物。
第14項 1-メチルキサンチンと7-メチルキサンチンとを含む組成物。
第15項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第14項に記載の組成物。
第16項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約20mgから約600mgまでの量で存在する、第15項に記載の組成物。
第17項 1-メチルキサンチンおよび7-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第16項に記載の組成物。
第18項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、およびフォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブチレート、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、カーボネート、プロバイオティクス、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される1つまたは複数の活性成分をさらに含む、第14から第17項のいずれか一項に記載の組成物。
第19項 粉末である、第1から第18項のいずれか一項に記載の組成物。
第20項 補助製品(supplement)が固体経口剤形のものである、第1から第19項のいずれか一項に記載の組成物。
第21項 補助製品が局所投与用に製剤化されている、第1から第20項のいずれか一項に記載の組成物。
第22項 該組成物がカフェインを実質的に含まない、第7および第8項を除く第1から第21項のいずれか一項に記載の方法。
第23項 対象におけるエネルギーを増強する方法であって、第1から第21項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第24項 該組成物が投与されると、該対象が、気分、エネルギー、集中力、集中もしくは性的欲求のうち少なくとも1つの増強、または、不安、疲労、努力知覚もしくは疼痛知覚のうち少なくとも1つの軽減を経験する、第23項に記載の方法。
第25項 該対象に継続投与される場合、該組成物は、継続使用が中止されても該対象における依存性および/または該対象における離脱効果を生じさせない、第24項に記載の方法。
第26項 提供される1-メチルキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第23項に記載の方法。
第27項 該対象が、疲労の少なくとも約6パーセントの低減を経験する、第23項に記載の方法。
第28項 該対象が、エネルギーの少なくとも約5パーセントの増加を経験する、第23項に記載の方法。
第29項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第23項に記載の方法。
第30項 対象における運動持久力を増加させる方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第31項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して該対象における運動持久力の相乗的な増加をもたらす、第30項に記載の方法。
第32項 ある状態の処置を必要とする対象において該状態を処置する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第33項 該状態が、ナルコレプシー、てんかん、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害症候群(ADHD)、認知欠陥障害、麻痺、制御されない怒り、偏頭痛、薬物乱用・依存症、摂食障害、抑うつ、不安障害、外傷性頭部傷害(TBI)、脳震とう、パーキンソン病、アルツハイマー病および認知症から選択される、第32項に記載の方法。
第34項 該状態が気分障害である、第32項に記載の方法。
第35項 該気分障害が抑うつである、第34項に記載の方法。
第36項 該対象が、抑うつまたは抑うつリスクありと診断されている、第35項に記載の方法。
第37項 該状態が不安障害である、第33項に記載の方法。
第38項 該組成物が治療有効量で投与される、第33項に記載の方法。
第39項 該組成物が予防有効量で投与される、第33項に記載の方法。
第40項 該組成物が1-メチルキサンチンを約2mgから約800mgまでの量で含む、第33項に記載の方法。
第41項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよび/またはフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第32項に記載の方法。
第42項 注意力の強化を必要とする対象においてそれを強化する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第43項 作業記憶の増強を必要とする対象においてそれを増強する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第44項 対象における認知能力を増強する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第45項 認知機能の増強が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数の増加により測定される、第44項に記載の方法。
第46項 該対象が加齢関連認知低下を経験している、第44または第45項に記載の方法。
第47項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるBDNFレベルを増加させる、第44から第46項のいずれか一項に記載の方法。
第48項 加齢関連認知低下の処置または予防を必要とする対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第49項 該組成物の投与が、注意力、情報取得、情報処理、作業記憶、短期記憶、長期記憶、前向性記憶、逆向性記憶、記憶想起、弁別学習、意思決定、抑制応答制御、注意セット転換能力、遅延報酬強化学習、逆転学習、自発行動の時間的統合、処理スピード、推論、問題解決および/または社会的認知のうち1つまたは複数を増加させる、第48項に記載の方法。
第50項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンレベルを増加させる、第49項に記載の方法。
第51項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるカタラーゼおよび/またはグルタチオンの相乗的な増加をもたらす、第50項に記載の方法。
第52項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるBDNFを増加させる、第49項に記載の方法。
第53項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるBDNFの相乗的な増加をもたらす、第51項に記載の方法。
第54項 該対象への該組成物の投与が、該対象におけるアミロイドβタンパク質(Aβ)レベルを減少させる、第49項に記載の方法。
第55項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす、第54項に記載の方法。
第56項 アルツハイマー病の処置または予防を必要とする対象においてそれを処置または予防する方法であって、有効量の第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第57項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるAβの相乗的な減少をもたらす、第56項に記載の方法。
第58項 該対象がアルツハイマー病と診断されている、第56項に記載の方法。
第59項 該対象がアルツハイマー病のリスクを有する、第56項に記載の方法。
第60項 該対象が軽度認知障害と診断されている、第56項に記載の方法。
第61項 第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助食品における使用のためのカフェイン代替組成物。
第62項 対象に投与された場合に、同程度の用量のカフェインに比較して不安を増加させない、第61項に記載の組成物。
第63項 反復投与された場合、対象における依存性を生じさせず、かつ、使用が中止された場合、該対象における離脱効果を生じさせない、第61項に記載の組成物。
第64項 同程度の用量のカフェインに比較して苦味が弱い、第61項に記載の組成物。
第65項 同程度の用量のカフェインに比較して毒性が低い、第61項に記載の組成物。
第66項 対象に投与されると、同程度の用量のカフェインが投与された場合と比較して、心拍数、拡張期血圧および/または収縮期血圧の低下をもたらす、第61項に記載の組成物。
第67項 対象における筋機能を増加させる方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第68項 該組成物が、イソロイシン、ロイシンおよびバリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、クレアチン、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、チロシン、カルニチン、β-アラニン、タウリンならびにβ-ヒドロキシ-β-メチルブチレートからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第67項に記載の方法。
第69項 筋肉の強さ、筋肉のサイズおよび/または筋機能を増強するための栄養補助製品であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を含む栄養補助製品。
第70項 粉末またはカプセルである、第69項に記載の栄養補助製品。
第71項 機能性食品である、第69項に記載の栄養補助製品。
第72項 該機能性食品が飲料、栄養バー、ヨーグルトまたはシリアルである、第71項に記載の栄養補助製品。
第73項 イソロイシン、ロイシンおよびバリン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン、トリプトファン、バリン、クレアチン、アルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、プロリン、チロシン、カルニチン、β-アラニン、タウリン、β-ヒドロキシ-β-メチルブチレート、L-アルギニン、ω-3脂肪酸、ビタミンD、乳清タンパク質、ならびに、動物、植物または発酵源由来のその他タンパク質抽出物からなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第69項に記載の栄養補助製品。
第74項 対象における筋肉のサイズを増加させる方法であって、筋肉のサイズの増加を必要とする対象に有効量の第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
第75項 該組成物が第9から第13項のいずれか一項に記載の組成物であり、該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、パラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象における筋肉のサイズの相乗的な増加をもたらす、第74項に記載の方法。
第76項 対象における体重減少を促進する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第77項 体重減少が、該対象における熱産生を誘導することを通じて促進される、第76項に記載の方法。
第78項 該組成物が、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビンおよびビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第77項に記載の方法。
第79項 体重減少が該対象における食欲の抑制を通じて促進され、該対象への該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%抑制する、第76項に記載の方法。
第80項 体重減少が、該対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される、第76項に記載の方法。
第81項 該対象への該組成物の投与が、該対象における呼吸商を少なくとも約10%減少させる、第76項に記載の方法。
第82項 該対象における安静時エネルギー消費量が少なくとも約15%増加される、第76項に記載の方法。
第83項 該組成物が、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチド、カテコール、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、カテキン、プロアントシアニジンおよびオクタコサノールからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第80項に記載の方法。
第84項 該対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含み、該対象における体重減少量が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の体重減少量より大きく、かつ、該対象における脂肪消失の対筋肉喪失比が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい、第76項に記載の方法。
第85項 該対象がカフェインを投与されない、第76項に記載の方法。
第86項 対象における食欲を抑制する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第87項 該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%低下させる、第86項に記載の方法。
第88項 該対象がカフェインを投与されない、第86項に記載の方法。
第89項 対象における脂肪消失を促進する方法であって、第1から第13項のいずれか一項に記載の組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第90項 該対象がカフェインを投与されない、第89項に記載の方法。
第91項 脂肪消失が、該対象における熱産生を誘導することを通じて促進される、第89項に記載の方法。
第92項 該組成物が、カフェイン、緑茶、カプサイシン、ガルシニア・カンボジア、ヨヒンビン、カテコール、EGCG、カテキン、ならびにプロアントシアニジンおよびオクタコサノールならびにビターオレンジからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第91項に記載の方法。
第93項 脂肪消失が、該対象における食欲の抑制を通じて促進される、第89項に記載の方法。
第94項 該対象への該組成物の投与が、該対象における食欲を少なくとも約30%抑制する、第93項に記載の方法。
第95項 該対象への該組成物の投与が、該対象における呼吸商を少なくとも約10%減少させる、第89項に記載の方法。
第96項 該組成物が、コロハ、グルコマンナン、gymnema sylvestre、5-HTP、Caralluma fimbriata、緑茶抽出物、共役リノール酸、ガルシニア・カンボジアおよびイエルバマテからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第93項に記載の方法。
第97項 脂肪消失が、該対象における脂肪分解を強化することを通じて促進される、第89項に記載の方法。
第98項 該組成物が、カフェイン、緑茶抽出物、L-カルニチン、ガルシニア・カンボジア(ヒドロキシクエン酸)、カプサイシン、朝鮮人参、タウリン、シルクペプチドおよびオクタコサノールからなるリストから選択される1つまたは複数の化合物をさらに含む、第97項に記載の方法。
第99項 該対象のカロリー摂取量を制限することをさらに含む、第89項に記載の方法。
第100項 該対象における脂肪消失量が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失量より大きい、第99項に記載の方法。
第101項 該対象における脂肪消失の対筋肉喪失比が、同等のカロリー制限を行っているが該組成物の投与を受けていない対象の脂肪消失の対筋肉喪失比より大きい、第99項に記載の方法。
第102項 対象におけるエネルギーを増加させるための、1-メチルキサンチンとパラキサンチンとを含む組成物。
第103項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約2mgから約800mgまでの量で存在する、第102項に記載の組成物。
第104項 パラキサンチンおよび1-メチルキサンチンがそれぞれ約50mgから約400mgまでの量で存在する、第103項に記載の組成物。
第105項 L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、没食子酸、(+)-カテキン(C)、(-)-エピカテキン(EC)、(+)-ガロカテキン(GC)、(-)-エピガロカテキン(EGC)、(-)-没食子酸カテキン(CG)、(-)-没食子酸ガロカテキン(GCG)、(-)-没食子酸エピカテキン(ECG)および(-)-没食子酸エピガロカテキン(EGCG)、グリセリド、プロピレングリコール、ラウロイルマクロゴール、ラウロイルマクロゴール誘導体、バイオペリンの共結晶化製品、ピペリン、黒コショウ、ベルガモッチン、ジヒドロキシベルガモッチン(CYP3A4)、フラボノイド(ナリンギン、ヘスペリジン、ノビレチン、タンゲレチン、ケルセチン)、プテロスチルベン、フィセチン、フィトソーム、サリシン、魚油(ω-3脂肪酸および特異的小脂質炎症収束性エポキシド誘導体)、オキシリピン、タルトチェリー、オキアミ油、アスタキサンチン、タンパク質分解酵素、硫酸グルコサミン、コンドロイチン硫酸、MSM(メチルスルホニルメタン)、SAMe(S-アデノシルメチオニン)、ASU(アボカド-ダイズ不けん化物断片)、ミリストレイン酸セチル、Dolichos falcate、トリテルペノイド、acacia catechu、Andrographis paniculata、Scutalleria baicalensis、硫酸アグマチン、イラクサ、サジー、クルクミン、Cissus Quadrilangularis、Boswellia Serrata、Wasabia japonica(ティーツリー油に用いられるワサビ抽出物)、エミュー油、アルニカ属、Mangifera indica L.(ウルシ科)、Lagenaria breviflora、Zingiber officinale(ショウガおよびギンゲロール/ショウガオール)、hoodia gordonii、カフェイン、ヨヒンビン、メチルシネフリン、シネフリン、テオブロミン、トコフェロール、テオフィリン、α-ヨヒンビン、共役リノール酸(CLA)、オクトパミン、エボジアミン、トケイソウ、赤トウガラシ、カイエン、ラズベリーケトン、グッグル、緑茶、ガラナ、コーラナッツ、β-フェネチルアミン、Acacia rigidula、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、テオフィリン、シネフリン、ヨヒンビン、イワベンケイ属、アシュワガンダ、朝鮮人参、ginkgo biloba、エゾウコギ、ゲンゲ、甘草、緑茶、霊芝、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、プレグネノロン、チロシン、N-アセチルチロシン、グルクロノラクトン、タウリン、アセチル-L-カルニチン、5-ヒドロキシトリプトファン、トリプトファン、フェネチルアミン、Sceletium tortuosum(およびメセンブリンアルカロイド)、デンドロビウム属の種、Acacia rigidula、PQQ(ピロロキノリンキノン)、ユビキノン(01)、ニコチンアミドリボシド、ピカミロン、フペルジンA(トウゲシバまたはHuperzia serrata、L-ドパ、Mucuna pruriens、フォルスコリン(Coleus forskohlli)、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、中鎖トリグリセリド、クレアチン、シトルリン、アルギニン、ヤマブシタケ、ノムシタケ属、ロイシン、イソロイシン、バリン、BAIBA、エルゴチオネイン、グレインズ・オブ・パラダイス、カンナ、フペルジンA、ケトン、マカ、朝鮮人参、アシュワガンダ、イワベンケイ属、テアニン、BCAA、β-アラニン、魚油、シトルリン、アルギニン、ヒドロキシメチルブテレート(hydroxy-methylbuterate)、HICA、バレニン、カルノシン、アンセリン、ならびにこれらの組合せからなる群から選択される活性剤をさらに含む、第102項に記載の組成物。
第106項 対象に投与されると、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンが単独で投与された場合と比較して、エネルギーの相乗的な増加をもたらす、第102項に記載の組成物。
第107項 1-メチルキサンチンとパラキサンチンとが約4:1~約1:4の比で存在する、第102項に記載の組成物。
第108項 対象におけるエネルギーを増加させる方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第109項 投与される1-メチルキサンチンの量が約2mgから約800mgまでである、第108項に記載の方法。
第110項 該対象がエネルギー知覚の少なくとも約5%の増加を経験する、第108項に記載の方法。
第111項 該対象が、不安、疲労、努力知覚および/または疼痛知覚のうち少なくとも1つの低減を経験する、第108項に記載の方法。
第112項 該組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含む、第108項に記載の方法。
第113項 該組成物でのパラキサンチンおよび1-メチルキサンチンの投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与と比較して、該対象におけるエネルギー知覚の相乗的な増加をもたらす、第112項に記載の方法。
第114項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、コウボク、テアニン、ホスファチジルセリン、アシュワガンダ、イワベンケイ属、タウリン、チロシン、n-アセチルチルソイン、マクナ、sceletium tortuosa、5-HTP、トリプトファン、サフラン、ビタミンD、SAMe、ヤマブシタケおよびフペルジンAからなる群から選択される少なくとも1つの成分をさらに含む、第108項に記載の方法。
第115項 該組成物がカフェインを実質的に含まない、第108項に記載の方法。
第116項 対象における運動遂行能力を増強する方法であって、有効量の1-メチルキサンチンを含む組成物を該対象に投与するステップを含む方法。
第117項 投与される1-メチルキサンチンの量が約50mgから約400mgまでである、第115項に記載の方法。
第118項 運動遂行能力が少なくとも約10%増加される、第116項に記載の方法。
第119項 該対象が、持久力の増加を経験する、第116項に記載の方法。
第120項 該組成物が、約2mgから約800mgまでの量のパラキサンチンをさらに含み、対象への該組成物の投与が、同程度の用量のパラキサンチンまたは1-メチルキサンチンの単独での投与に対して、運動遂行能力の相乗的な増加をもたらす、第116項に記載の方法。
第121項 該組成物が、L-テアニン、ホスファチジルコリン、α-GPC(L-α-グリセリルホスホリルコリン)、シチコリン(シチジン二リン酸コリン(CPDコリン))、酒石酸水素コリン、Bacopa Monnieri、ホスファチジルセリン、ピロカルピンおよびセビメリン、Amburana cearensis、Lippia sidoides、Paullinia cupana、Plathymiscium floribundum、テトラヒドロクルクミンおよびSolanum asperum、ならびに/またはこれらの組合せ、カフェイン、テオブロミン、ナリンギン、ヘスペリジン、2-(ジメチルアミノ)エタノール(DMAE)、DMAEビタートレート、フペルジンA、テアクリン、メチルリベリン、B12、スルブチアミン、コウボク、ケトン、MCT、ω-3、ルテイン、ゼアキサンチン、チロシンおよびn-アセチルチロシン、タウリン、アセチル-l-カルニチン、ならびに/またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの作用剤をさらに含む、第116項に記載の方法。
【実施例
【0095】
[0118]以下の実施例は、本明細書において特許請求する化合物、組成物、物品、デバイスおよび/または方法を作製および評価する方法の一部の例の完全な開示および説明を当業者に提供する目的で提示するものであり、本発明を純粋に例示することを意図したものであって、本発明者らが自身の発明と考えるものの範囲を限定することを意図したものではない。ただし、当業者は、本開示に照らせば、開示されている特定の実施形態に多くの変更を施すことが可能であり、その場合でも本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果を得ることが可能であることを理解すべきである。
【0096】
実施例1
スポーツおよびアクティブ栄養、運動遂行能力、筋力、持久力、筋量
1.1.方法
[0119]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス24匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC、Institutional Animal Ethical Committee)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0097】
[0120]1週間の順化の後、動物を体重別に3群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続28日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)1-メチキサンチン、または(3)1-メチルキサンチン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。体重は週1回記録した。第28日には動物に訓練を行わせず、第28日分の最終投与を受けた動物すべてに対して、投与の1時間後に筋力および持久力テストを完遂させた。次いで、動物を一晩絶食状態におき、第29日に動物を屠殺して、血液および組織試料の最終採取を行った。したがって、採取した組織試料はすべて、基礎状態で採取されたものと判断した。
【0098】
【表1】
【0099】
1.2.試料採取
[0121]第28日には動物に訓練を行わせず、一晩絶食状態においた。すべての動物は、それぞれに割り当てた以下の処置を28日間中断なく実施の後、95%COによって安楽死させた。腓腹筋を切除し、計量した。
1.3.前肢握力テスト
[0122]第0日および第28日にステンレス製グリル(grill)を用いて前肢握力を測定することにより、筋肉の強さをアセスメントした(Orchid Scientific&Innovative India Pvt Ltd、インド)。握力は、処置の1時間後に測定した。簡潔に説明すると、まず、各マウスを検査室に10分間置いて順化させた。次いで、各マウスを握力測定計のグリッドの先端に配置して、マウスに四肢すべてでグリッドを握らせた。マウスをグリッド上で押し付けずに尾の根元で保持した。次いで、握力測定装置(grip strength measurement)の軸に沿って尾を引っ張ることにより、グリッドから離れるように動物を後肢方向に静かに引っ張った。スピードは、引っ張る力に対する抵抗をマウスに生じさせるだけ十分に遅くし、マウスがグリッドを放した時点で、握力測定装置のスクリーンに表示されたスコア(gf)を記録した。各動物について3回の独立試行を実施し、3回の試行の平均を算出し、記録した。
1.4.運動課題訓練(exercise training)
[0123]処置期間中、電動トレッドミル(Exer3/6、Columbus Instruments international、OH、USA)を用い、最大走行スピードは中強度の20cm/秒、斜度10度およびショック強度0.2mA、10分間の条件で運動課題訓練を遂行した。トレッドミルのスピードは、10分の総継続時間を通じて2分ごとに5cm/秒ずつベルトスピードを増加させることにより手動で調整した。処置期間中、週に5日、投与実施後に1日60分、すべての動物をこの手順に順応させた。
1.5.トレッドミル持久力テスト
[0124]各対応する処置の28日目に、すべての動物を筋持久力テストに供した。筋持久力は、5~50cm/秒の範囲のスピードおよび斜度10度を用いた電動トレッドミルで遂行した。上り坂走行は同心筋収縮を伴い、平面走行に比して筋仕事量を増加させ、結果として消耗を早める。ベルトスピードは、およそ15cm/秒で開始し、50cm/秒のスピードに達するまで、2分ごとに5cm/秒ずつ増加させた。動物には、消耗するまでトレッドミルテストを続けさせた。消耗時点は、動物がショックゾーンに倒れこんだ時点と定義した。運動課題遂行能力のマーカーとして、移動距離(cm)を測定した。
2.結果
2.1. 1-メチルキサンチン
2.1.1.補給が前肢握力に及ぼす効果
[0125]マウスの前肢握力は、運動課題訓練により対照群で増加した:ベースラインは88.9±1.8グラファイトフォース(graphite force)(gf)であり、第28日は119.8±6.4gfであった。前肢握力は、1-メチルキサンチン群では、ベースラインの91.1±1.3gfから第28日の126.9±6.0gfへ増加した。1-メチルキサンチン群で観測された筋力の変化量は、対照群より15.9%大きかった。
2.1.2.補給がトレッドミル遂行能力に及ぼす効果
[0126]トレッドミル運動課題中のマウスの移動距離は、対照群では、運動課題訓練により267.1±29.3cmから1,514.4±126.1cmへ増加した。1-メチルキサンチン群の移動距離は、ベースラインの269.6±33.0cmから第28日の1,641.3±74.6へ増加した。1-メチルキサンチン群で観測されたトレッドミル遂行能力の変化量は、対照群より10.0%大きかった。
2.1.3.補給が筋量および臓器重量に及ぼす効果
[0127]腓腹筋量レベルは、1-メチキサンチン補給の28日後(161.1±4.3mg)では、対照群(158.1±1.9mg)に比して1.9%高かった。
2.2. 1-メチルキサンチン+パラキサンチン
2.2.1.補給が前肢握力に及ぼす効果
[0128]マウスの前肢握力は、1-メチルキサンチン+パラキサンチン群では、ベースラインの91.2±0.9グラファイトフォース(gf)から増加し、第28日には130.7±7.9gfであった。1-メチルキサンチン+パラキサンチン群で観測された筋力の変化量は、対照群より27.8%大きく、1-メチルキサンチン群より10.3%大きかった。
2.2.2.補給がトレッドミル遂行能力に及ぼす効果
[0129]1-メチルキサンチン+パラキサンチン群の移動距離は、ベースラインの280.0±27.0cmから第28日の1,703.5±70.3へ増加した。1-メチルキサンチン+パラキサンチン群で観測されたトレッドミル遂行能力の変化量は、対照群より14.1%大きく、1-メチルキサンチン群より7.7%大きかった。
2.2.3.補給が筋量および臓器重量に及ぼす効果
[0130]腓腹筋量レベルは、1-メチキサンチン+パラキサンチン補給の28日後(163.3±3.4mg)では、対照群(158.1±1.9mg)に比して3.3%高く、1-メチルキサンチン群に比して1.4%高かった。
【0100】
[0131]処置群と対照群との間で臓器重量に差はみられなかった。肝臓重量(mg)は、対照群1874.75±24.88、1-MX群1847.25±47.92、パラキサンチン+1-MX群1884.63±27.28であった。心臓重量(mg)は、対照群189.38±1.85、1-MX群189.13±0.64、パラキサンチン+1-MX群189.25±1.16であった。
【0101】
実施例2
認知、記憶、学習
1.1.方法
[0132]Cookの登り棒(Cook’s poles)および受動的ショック回避テストを用いることにより、マウスに行動試験を実施して、学習および記憶能力を調べた。
【0102】
[0133]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス24匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0103】
[0134]1週間の順化の後、動物を体重別に3群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続7日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)1-メチキサンチン、または(3)1-メチルキサンチン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。
1.2.Cookの棒登りテスト
[0135]ショックを回避するには30秒以内に登り棒(ショックのないゾーン)を登らなければならないような形でマウスを訓練した。ショックに先行してブザーが鳴り、15秒間鳴り続けるようになっていた。ブザーの音が鳴ったら登り棒を登るように動物を訓練した(条件回避反応)。各動物には一定の間隔をおいて20回の試行を行い、ショック回避回数および失敗回数のアベレージを記録した。訓練を施した動物を条件回避反応によりアッセイした。
1.3.受動的ショック回避テスト
[0136]装置は、グリッド床を有する明・暗室で構成され、両室は小さなゲートを通して隣接し合っていた。動物は、連続2日間(各日5分ずつ)この行動実験装置に慣れさせてから、訓練セッションに供した。訓練期には、暗室の様子がわからないようになっている明室にマウスを配置した。動物を完全に暗室に入れると、動物に電気ショック(5mAのAC電流で20V)が与えられるようになっていた。次いで、マウスを元のケージに戻した。動物を明室に配置し、暗室に入るまでの潜時時間、ならびに、動物が暗室および明室で過ごした時間の長さを記録した。これを保持試行と定義した。
1.4.健忘の誘導
[0137]スコポラミン注射を使用することにより健忘を誘導した。スコポラミンは、抗コリン性であり、抗健忘薬候補の作用の判別に用いるのに魅力的な健忘剤である。スコポラミンは非選択的なシナプス後ムスカリン受容体遮断剤であり、齧歯動物およびヒトのCNSにおけるACHの有効性を減少させることを通じて動物およびヒトに認知障害を引き起こすことが可能である。スコポラミンは、行動テストの際に認知能力の有意な欠損を誘導することが可能であり、このため、認知的欠損を誘導するための妥当な薬理学的モデルとなる。認知的効果を評価するための本試験では、マウスにスコポラミンを腹腔内注射して記憶欠損を誘導した。
2.結果
[0138]1-メチルキサンチンで処置したマウスは、スコポラミンにより誘導された健忘の回復傾向ならびに記憶および学習の改善を示した。1-メチルキサンチンとパラキサンチンとの組合せは、1-メチルキサンチン単独の場合を超える追加的な利益を示した。
2.1. 1-メチルキサンチン
2.1.1.補給がCookの棒登りテストに及ぼす効果
[0139]1-メチルキサンチン群の逃避潜時(10.13±0.83秒)は、対照群(11.88±0.64秒)より14.9%短かった。
2.1.2.補給が受動的ショック回避テストに及ぼす効果
[0140]1-メチルキサンチン群の移動潜時(24.25±2.60秒)は、対照群(26.75±2.60秒)より9.3%短かった。
2.2. 1-メチルキサンチン+パラキサンチン
2.1.1.補給がCookの棒登りテストに及ぼす効果
[0141]1-メチルキサンチン+パラキサンチン群の逃避潜時(8.75±1.98秒)は、対照群(11.88±0.64秒)より26.3%短く、1-メチルキサンチン群(10.13±0.83秒)より13.6%短かった。
2.1.2.補給が受動的ショック回避テストに及ぼす効果
[0142]1-メチルキサンチン+パラキサンチン群の移動潜時(18.63±1.30秒)は、対照群(26.75±2.60秒)より30.4%短く、1-メチルキサンチン群(24.25±2.60秒)より22.3%短かった。
【0104】
実施例3
エネルギー、気分、持久力
1.1.方法
[0143]8週齢、雄のSwiss Albinoマウス24匹を、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0105】
[0144]1週間の順化の後、動物を体重別に3群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続28日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)1-メチキサンチン、または(3)1-メチルキサンチン+パラキサンチンのいずれかとした。マウスに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)、または、1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)+パラキサンチン100mg(ENFINITY(商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;マウス用量:体重1kg当たり20.5mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。
1.2.強制水泳テスト
[0145]処置期間中、適度な室温で15分間、水泳槽で訓練を遂行した。処置期間中、週に5日、投与実施後に1日1時間、動物をこの手順に順応させた。それぞれ対応する処置の28日目に、すべての動物を強制水泳テストに供した。動物は、15cmの深さまで新鮮な水を満たした高さ20cm、直径10cmのガラス製広口瓶の中で室温にて30分間、1匹ずつ強制的に泳がせた。測定するパラメーターは、よじ登りの最初の出現(動物が槽の壁をよじ登ろうとする時間帯)、無動の持続時間(動物が無動の状態にある総時間)、および、能動的水泳に費やされる総時間(実験期間を通じた動物の泳ぎの総持続時間)であった。
2.結果
[0146]1-メチルキサンチンで処置したマウスは、エネルギーおよび持久力の増強、気分の増強を示した。1-メチルキサンチンとパラキサンチンとの組合せは、1-メチルキサンチン単独の場合を超える追加的な利益を示した。
2.1. 1-メチルキサンチン
[0147]無動の持続時間は、1-メチルキサンチン群(9.74±0.79分)では対照群(10.30±0.97分)に比して5.4%短かった。
【0106】
[0148]可動/能動的水泳の持続時間は、1-メチルキサンチン群(20.26±0.79分)では対照群(19.70±0.97分)に比して2.8%長かった。
[0149]よじ登り回数は、1-メチルキサンチン群(6.7±1.16回)では対照群(7.13±1.36回)に比して6.0%上回った。
2.2. 1-メチルキサンチン+パラキサンチン
[0150]無動の持続時間は、1-メチキサンチン+パラキサンチン群(9.00±0.72分)では、対照群(10.30±0.97分)に比して12.6%短く、1-メチルキサンチン群(9.74±0.79分)に比して7.6%短かった。
【0107】
[0151]可動/能動的水泳の持続時間は、1-メチキサンチン+パラキサンチン群(21.00±0.72分)では、対照群(19.70±0.97分)に比して6.6%長く、1-メチルキサンチン群(20.26±0.79分)に比して3.7%長かった。
【0108】
[0152]よじ登り回数は、1-メチルキサンチン+パラキサンチン群(4.88±1.13回)では、対照群(7.13±1.36回)に比して31.6%、1-メチキサンチン(6.7±1.16回)に比して27.1%上回った。
【0109】
[0153]処置群と対照群との間で臓器重量に差はみられなかった。肝臓重量(mg)は、対照群1865.38±48.57、1-MX群1850.88±39.96、パラキサンチン+1-MX群1864.38±44.68であった。心臓重量(mg)は、対照群190.38±1.85、1-MX群188.50±3.12、パラキサンチン+1-MX群188.25±5.20であった。
【0110】
実施例4
認知、抗酸化性、神経保護、アルツハイマー病(若年性および老年性)
1.方法
[0154]若齢(6~8週齢)24匹および老齢(14~16月齢)24匹のSwiss Albino Wistar系ラットを、一定の温度(22±3℃)および湿度(30%~70%)の動物飼育室で、12:12時間の明暗サイクル下、標準的実験食(Purina 5L79、Rat and Mouse 18% protein;PMI Nutrition International、Brentwood、MO、USA)を用いて飼育した。蒸留水は自由に摂れるようにした。すべての動物実験は、Radiant Research Services Pvt.Ltd(Bangalore、インド)の施設内動物倫理委員会(IAEC)により照査され、承認された。すべての調査は、動物を用いた実験の指揮監督を目的とした同委員会のガイドラインに従って実施した。
【0111】
[0155]1週間の順化の後、動物を体重および生後齢別に6群にランダムに分け(各テストにつき1群当たりn=8)、毎日ほぼ同じ時刻(±1時間)に1日1回経口処置を連続10日間行うこととした。処置の内容は、(1)ビヒクル対照、または(2)1-メチキサンチン、または(3)1-メチルキサンチン+パラキサンチンのいずれかとした。ラットに投与する用量は、ヒト体重を60kgと仮定して、ヒト等価用量(HED)に関する米国食品医薬品局の方法を用いて算出した。本試験では、以下のHEDを用いた:1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;ラット用量:体重1kg当たり10.283mg/日)、または、1-メチルキサンチン100mg(Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;ラット用量:体重1kg当たり10.283mg/日)+パラキサンチン25mg(ENFINITY(商標)、Ingenious Ingredients,L.P Lewisville、TX、USA;ラット用量:体重1kg当たり2.57mg/日)。0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムをビヒクルとして使用し、テスト用製剤を毎日調製した。投与作業は、滅菌済のステンレス製強制飼養チューブを備えた使い捨てポリプロピレンシリンジを用い、経口強制投与によって実施した。食物摂取量は毎日モニタリングしたが、水の摂取は自由とした。すべての動物を、1日4回の試行を出発地点1箇所につき連続4日間×4箇所分行うWalter Morris Maze訓練に供した。体重は週1回記録した。最終日に、生化学的分析用に後眼窩経路から血液を採取し、麻酔を用いて動物を屠殺した。すべての計量可能な臓器(脳)を採取し、計量し、組織病理学的検査用に緩衝液中で保存した。血清試料を分離して、さまざまな生化学的パラメーターを推計した。
【0112】
[0156]Walter Morris Water Maze Test(MWMT):Morris水迷路は、空間手掛かりの機能を果たす幾何学的図形が壁に描かれた室内にある円形のプールで構成されていた。プールは直径が70cm、黒色で塗られており、13cmの深さまで25±1℃の水を満たしてあった。プラットフォーム(直径6cm)をプールの1つの象限に配置し、水面から1cm下に沈んでいるようにした。訓練では、定位置にある沈んだプラットフォームを見つけるようにすべてのラットを訓練した。訓練日は、4回の試行で構成された。訓練期間中は、ラットを4つの出発地点のうちの1つから出発させ、ラットがプラットフォームを見つけるまで、または60秒が経過するまで、泳がせた。ラットをプラットフォーム上に15秒間とどまらせてから身体を拭き、その後、収容ケージに移動させた。ラットが60秒以内にプラットフォームに到達しなかった場合は、実験者がラットをプラットフォームまで静かに導いた。動物には、1日4回の試行を出発地点1箇所につき連続4日間×4箇所分行う訓練を連続して受けさせ、15日目に本番試行を実施し、プラットフォーム上への逃避反応潜時(latency of escaping)を記録した。
2.結果
2.1. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける認知能力を増加させる
[0157]逃避潜時は、若齢ラットでは、1-MX群で対照群に比して有意に増加した(1-MX群の32.18±1.10秒に対して対照群では53.02±1.92秒)。逃避潜時は老齢ラットでは若齢ラットに比して増加しており、加齢関連認知低下が生じていることを示していた(56.88±1.79秒、これに対して若齢ラットでは53.02±1.92)が、老齢ラットにおける1-MXの補給は、加齢関連認知低下を逆行させ認知能力を増強し(1-MX群では41.71±1.81秒、これに対して対照群では56.88±1.79秒)、老齢ラットにおける認知の増強度合は若齢ラットを超えた。
2.2. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける神経伝達物質レベルを増加させる
[0158]1-MXは、若齢ラットにおける神経伝達物質レベルを有意に増加させた(アセチルコリンは1-MX群の63.35±4.12U/mlに対して対照群では58.65±3.42U/mlであり、ドパミンは1-MX群では582.33±17.02ng/L、対照群では474.30±27.41ng/Lであった)。加齢は、神経伝達物質レベルを減少させた(アセチルコリンを58.65±3.42U/mlから52.64±2.73U/mlへ、ドパミンを474.30±27.41ng/Lから404.54±23.41ng/Lへ減少させた)。1-MXの補給は、加齢の負の効果を逆行させ、神経伝達物質レベルを有意に増加させた(アセチルコリンを52.64±2.73U/mlから56.33±3.42U/mlへ、ドパミンを404.54±23.41ng/Lから474.42±13.49ng/Lへ増加させた)。
2.3. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける脳保護を増加させる
[0159]脳由来神経栄養因子(BDNF)は、神経細胞の成長、成熟および維持において役割を果たすことにより該細胞の生存を促進する、脳および脊髄で見出されるタンパク質である。
【0113】
[0160]1-MXの補給は、若齢ラットにおけるBDNFレベルを有意に増加させた(対照群での775.04±29.59pg/mLから1-MX群での869.04±32.79pg/mLへ増加させた。加齢はBDNFレベルを低減させた(775.04±29.59pg/mLから732.16±16.51pg/mLへ)が、老齢ラットへの1-MXの補給がBDNFレベルを793.81±33.85pg/mLへ有意に増加させ、加齢の負の効果を逆行させるだけでなく、若齢ラットにおけるレベルを超えて当該レベルを増加させた。
2.4. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける抗酸化レベルを増加させる
[0161]1-MXの補給は、若齢ラットにおけるグルタチオンレベルを有意に増加させた(対照群での21.85±1.35μg/mLから1-MX群での28.57±1.36μg/mLへ増加させた。加齢はグルタチオンレベルを低減させた(21.85±1.35μg/mLから19.74±1.14μg/mLへ)が、老齢ラットへの1-MXの補給がBDNFレベルを25.29±0.93μg/mLへ有意に増加させ、加齢の負の効果を逆行させるだけでなく、若齢ラットにおけるレベルを超えて当該レベルを増加させた。
2.4. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける抗酸化レベルを増加させる
[0162]1-MXの補給は、若齢ラットにおけるグルタチオンレベルを有意に増加させた(対照群での21.85±1.35μg/mLから1-MX群での28.57±1.36μg/mLへ増加させた。加齢はグルタチオンレベルを低減させた(21.85±1.35μg/mLから19.74±1.14μg/mLへ)が、老齢ラットへの1-MXの補給がBDNFレベルを25.29±0.93μg/mLへ有意に増加させ、加齢の負の効果を逆行させるだけでなく、若齢ラットにおけるレベルを超えて当該レベルを増加させた。
2.5. 1-MXは若齢および老齢ラットにおける酸化ストレスを低減させる
[0163]1-MXの補給は、若齢ラットにおけるカタラーゼレベルを有意に増加させた(対照群での27.76±1.21U/mLから1-MX群での33.32±1.68U/mLへ増加させた。加齢はカタラーゼレベルを低減させた(27.76±1.21U/mLから26.16±1.03U/mLへ)が、老齢ラットへの1-MXの補給がカタラーゼレベルを32.78±1.26U/mLへ有意に増加させ、加齢の負の効果を逆行させるだけでなく、若齢ラットにおけるレベルを超えて当該レベルを増加させた。
2.6. 1-MXは若齢および老齢ラットにおけるアミロイドβタンパク質(Aβ)1-40を低減させる
[0164]老年期のプラーク中のアミロイド原線維または非線維性非晶質凝集体としてのアミロイドβタンパク質(Aβ)の沈着は、アルツハイマー病(AD)の脳を特徴付ける。1-MXの補給は、アミロイドβタンパク質(Aβ)1-40レベルを、高齢ラットでは410.68±14.04g/mLから317.77±22.54g/mLへ、若齢ラットでは295.09±12.39g/mLから254.60±7.43g/mLへ、有意に減少させた。
2.7. 1-MXへのPXの追加は、認知能力、神経伝達物質レベル、脳保護、抗酸化レベルを増加させるとともにアミロイドレベルを低減させた
[0165]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、認知能力を、若齢ラット(対照群では53.02±1.92秒、1-MX群では32.18±1.10秒、1-MX+PX群では23.02±1.61秒)および老齢ラット(対照群では56.88±1.79秒、1-MX群では41.71±1.81秒、1-MX+PX群では33.30±1.92秒)において増加させた。
【0114】
[0166]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、神経伝達物質レベルを、若齢ラット(アセチルコリンを対照群での58.65±3.42U/mlから1-MX群での63.35±4.12U/mlおよび1-MX+PX群での66.80±3.06U/mlへ、ドパミンを対照群での474.30±27.41ng/Lから1-MX群での530.58±37.50ng/Lおよび1-MX+PX群での584.40±17.87ng/Lへ)ならびに老齢ラット(アセチルコリンを対照群での52.64±2.73U/mlから1-MX群での56.33±3.58U/mlおよび1-MX+PX群での58.75±3.24U/mlへ、ドパミンを対照群での404.54±23.41ng/Lから1-MX群での474.42±13.49ng/Lおよび1-MX+PX群での516.88±33.27ng/Lへ)において増加させた。
【0115】
[0167]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、脳由来神経栄養因子(BDNF)レベルを、若齢ラット(対照群での775.04±29.59pg/mLから1-MX群での869.04±32.79pg/mLおよび1-MX+PX群での909.91±17.77pg/mLへ)ならびに老齢ラット(対照群での732.16±16.51pg/mLから1-MX群での793.81±33.85pg/mLおよび1-MX+PX群での838.19±24.89pg/mLへ)において増加させた。
【0116】
[0168]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、グルタチオンレベルを、若齢ラット(対照群での21.85±1.35μg/mLから1-MX群での28.57±1.65μg/mLおよび1-MX+PX群での33.43±1.80μg/mLへ)ならびに老齢ラット(対照群での19.74±1.14μg/mLから1-MX群での25.29±0.93μg/mLおよび1-MX+PX群での27.34±1.11μg/mLへ)において増加させた。
【0117】
[0169]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、カタラーゼレベルを、若齢ラット(対照群での27.76±1.21U/mLから1-MX群での33.32±1.68U/mLおよび1-MX+PX群での37.86±1.42U/mLへ)ならびに老齢ラット(対照群での26.16±1.03U/mLから1-MX群での32.78±1.26U/mLおよび1-MX+PX群での35.93±1.07U/mLへ)において増加させた。
【0118】
[0170]25mgHEDのパラキサンチン(PX)と100mgHEDの1-MXとの併用投与は、アミロイドβタンパク質(Aβ)1-40レベルを、高齢ラットにおいて、対照群での295.09±12.39g/mLから1-MX群での254.60±7.43g/mLへ、1-MX+PX群での222.44±12.62g/mLへと減少させた。
【0119】
[0171]若齢または高齢いずれの群においても、処置群と対照群との間で脳重量に差はみられなかった。脳重量(mg)は、対照群の若齢動物では1.724±0.034、1-MX群の若齢動物では1.729±0.027、パラキサンチン+1-MX群の若齢動物では1.714±0.046、対照群の高齢動物では1.965±0.048、1-MX群の高齢動物では1.995±0.074、パラキサンチン+1-MX群の高齢動物では1.968±0.037であった。
【0120】
実施例5
安全性/毒性
[0172]1-メチルキサンチン)の急性経口毒性試験を、雌のWistar系ラットを用い、OECDガイドライン423に従って実施した。ラットに単回投与量2,000mg/kgを経口的に投与してから、最初の4時間、次いで24時間にわたって、その後は1日1回14日間、個別に観察した。一般行動、有害作用および致死性は、実験期間を通じて観察した。体重は、テスト第0日(投与前)、第3日、第7日および第14日に記録した。すべての動物を剖検し、肉眼的に調べた。すべての生存動物は、第14日までに、第0日に比して体重が増えていた。最終屠殺時に剖検した動物に異常は検出されなかった。限界用量である2,000mg/kgは、観察期間を通じて、テストに用いたラットにおいて致死も毒性徴候も生じさせなかった。結果に基づけば、被験物質は、単回の経口処置を行った場合の雌ラットにおける半致死量が体重1kg当たり2,000mgであり、カテゴリー5に分類され、安全である。
【0121】
[0173]1-MXは、カフェインに比して安全性が有意に高い。アルビノラットにおけるカフェインの経口半致死量は、体重1キログラム当たり(±S.E.)0.192±0.018gと推定された。この用量に由来する中毒の臨床徴候は、統合失調症様の引きこもり(schizophreniform withdrawal)、反射亢進、めまい、運動失調、疼痛のエビデンス、カタレプシー姿勢、脱力発作、下痢、無尿症、食欲不振、無飲症、低体温、眼瞼炎および体重減少であった。死亡例は(±S.D.)30±9.6時間で発生し、強縮性けいれん後の呼吸不全または心血管虚脱による急死であった。剖検から、劇症の胃腸炎、肺のうっ血、肝炎、腎炎、心臓、脾臓、膵臓、胸腺、副腎に及ぶ有毒作用、ならびに、多くの臓器および組織の脱水の存在が明らかになった。生存例には、著しい多飲症および多尿症の特徴があった(参考文献:E.M.Boyd:The acute oral toxicity of caffeine、Toxicology and Applied Pharmacology 1959、1(3):250~257、https://doi.org/10.1016/0041-008X(59)90109-7)。
【0122】
[0174]1-MXは、3-メチルキサンチン(3-MX)に比して安全性が有意に高い。テオフィリンの薬理活性代謝物である3-MXが短期投与の場合にWistar系ラットの腎臓に及ぼす効果を試験した。3-MXは、1日につき1kg当たり0(対照)、50、100および200mgの経口用量で、1、8および16日間投与した。腎臓を光学・電子顕微鏡観察法によって調べた。尿細管壊死が、用量レベル100mg kg-1では16日後に、また、用量レベル200mg kg-1では8日後に認められた。血清尿素高値が、用量200mg kg-1での処置の1日後、および、用量100mg kg-1での処置の16日後に見出された。血清クレアチニン高値が、用量200mg kg-1での処置の8日後に検出された。この結果は、3-MX投与後に生じた用量および時間依存性の腎不全であることを示している(参考文献:P. Sellman、P.J. Klemi:Kidney toxicity of 3-methylxanthine in the rat.、J Appl Toxicol 1984、4(6):304~7、doi:10.1002/jat.2550040605)。
【0123】
実施例6
脂肪燃焼:呼吸商
1.方法
[0175]呼吸商(RQ=VCO/VO)のベースラインの決定に際し、2名の試験参加者に対してランダム化、二重盲検、プラセボ対照、クロスオーバー方式で割当を行い、エネルギー補給効果のない(non-energetic)プラセボ(マルトデキストリン)または200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)または200mg用量のカフェイン(CA)を摂取させた。すべての補助製品は、240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。すべての介入製品の投与順序は、ランダム割付ソフトウェアを用いてランダム化することにより、ランダム化を確実にするとともに順序効果を回避した。摂取後、試験参加者は、自身に割り当てられた補助製品の摂取から30、60、90、120および180分後に、同一の方式ですべてのアセスメントを完遂した。すべての試験来院は、0600~1000時の間に行われた。各条件間には少なくとも72時間の休止期間を設けることとする。
2.結果
【0124】
【表2】
【0125】
[0176]RQが低いほど、身体のエネルギー需要に応じて酸化されている脂肪量が多いことになる。1.0に近いほど、エネルギー需要に応じて燃焼されている炭水化物量が多いことになる。数値が低くなるほど、酸化されている脂肪量が多いことになる。
【0126】
[0177]1-MXはプラセボに比して呼吸商を15%低減させ、結果として脂肪消失量を増加させた。さらに、1-MXはCAより脂肪消失量を2.3%増加させることを示した。
【0127】
【表3】
【0128】
実施例7
安静時エネルギー消費量
1.方法
[0178]2名の試験参加者に対してランダム化、二重盲検、プラセボ対照、クロスオーバー方式で割当を行い、エネルギー補給効果のないプラセボ(マルトデキストリン)または200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)を摂取させた。すべての補助製品は、240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。ベースライン時点、摂取の30、60、90、120および180分後時点で、安静時エネルギー消費量を測定した。
2.結果
[0179]1-MXは、プラセボに比して1日当たり103kcal増加させた。エネルギー消費量の増加は体重減少をもたらすことになる。
【0129】
【表4】
【0130】
実施例8
心拍数、血圧
1.方法
[0180]2名の試験参加者に対してランダム化、二重盲検、プラセボ対照、クロスオーバー方式で割当を行い、200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)または200mgのカフェイン(CA)を摂取させた。すべての補助製品は、240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。ベースライン時点、摂取の30、60、90、120および180分後時点で、安静時心拍数、収縮期および拡張期血圧を測定した。
2.結果
[0181]CA摂取は、ベースラインからの平均を心拍数について10%、拡張期血圧について20.3%、および収縮期血圧について17.2%増加させた。CAとの比較では、1-MXは、心拍数を3%、拡張期血圧を12%、および収縮期血圧を6.1%低減させた。1-MXは、心拍数も収縮期血圧もベースラインから増加させなかった。
【0131】
【表5】
【0132】
【表6】
【0133】
【表7】
【0134】
実施例9
不安
1.方法
[0182]2名の試験参加者に対してランダム化、二重盲検、プラセボ対照、クロスオーバー方式で割当を行い、200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)または200mgのカフェイン(CA)を摂取させた。すべての補助製品は、240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。ベースライン時点、摂取の30、60、90、120および180分後時点で、視覚的アナログ尺度(VAS)によって不安度を測定した。
2.結果
[0183]CA摂取は、知覚された不安感覚をベースラインから65%増加させた。CAとの比較では、1-MX摂取は、不安感覚を21%低下させる結果となった。1-MXは、心拍数も収縮期血圧もベースラインから増加させなかった。
【0135】
【表8】
【0136】
実施例10
集中
1.方法
[0184]1名の試験参加者に、200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)を240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。ベースライン時点、摂取の30、60、90、120および180分後時点で、視覚的アナログ尺度(VAS)によって集中度を測定した。
2.結果
[0185]1-MX摂取は、知覚された集中感覚をベースラインから6.4%増加させた。
【0137】
【表9】
【0138】
実施例11
覚醒
1.方法
[0186]1名の試験参加者に、エネルギー補給効果のないプラセボ(マルトデキストリン)、続いて1週間後に200mg用量の1-メチルキサンチン(1-MX)を、240ml(8液量オンス)の冷温の水道水で経口的に摂取させた。ベースライン時点、摂取の30、60、90、120および180分後時点で、視覚的アナログ尺度(VAS)によって覚醒度を測定した。
2.結果
[0187]1-MX摂取は覚醒度をベースラインから15.0%増加させ、その値はプラセボ摂取後の覚醒度を12.0%上回った。
【0139】
【表10】
【0140】
実施例12
[0188]被験者は、健康な成人男性であった。被験者には、運動トレーニングに先行して200mgの1-メチルキサンチンを投与した。被験者は、運動トレーニング中の集中力、集中、気分および遂行能力が増加したと報告した。
【0141】
[0189]別の試行に際して、被験者には、運動トレーニングに先行して100mgの1-メチルキサンチンを100mgのパラキサンチンと一緒に投与した。被験者は、この組合せを摂取したことにより運動トレーニング中の集中力、集中、気分および遂行能力が相乗的に増加したと報告した。
【国際調査報告】